JP2015006679A - プレス成型方法及びプレス成型金型装置 - Google Patents

プレス成型方法及びプレス成型金型装置 Download PDF

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Abstract

【目的】 製品の品質を向上させ、破れや損傷を生じることなく素材の歩留まりを高めることができるプレス成形方法及びプレス成型金型装置を提供する。【解決手段】 上下一対のブランクホルダーによって略水平な金属製ワーク周辺部を挟持し、当該ワーク周辺部を除く被成型部を上型と下型の間でプレスして所定の形状に成型するプレス成型方法であって、金属製ワークを形状転写のための下型成型面に沿わせ、次いで上下一対のブランクホルダーによって金属製ワーク周辺部を挟持し、次いで前記ワークを挟持したブランクホルダーをワーク外周方向に向け下降する方向に移動させ、さらにブランクホルダーをプレス軸方向に下降する方向に移動させることにより、ワークを拡張させると共に上型と下型の成型面形状をワークに転写し、プレス成型終了後にワークを搬出した後、一対のブランクホルダーを駆動手段により加工終了位置から加工初期位置へ移動する工程を設けた。【選択図】 図1

Description

本発明は、ドロー成形を必要とする自動車のアウターパネル等のプレス成形方法およびプレス成型金型装置の技術に関する。
従来、板金ワークを引き伸ばしながら金型の成形面に押し付けて塑性変形させることにより所定形状に成形するドロー成型と呼ばれる成形方法がある。この場合、複雑な曲面形状を絞り成形により成形すると、素材にシワ・ワレが生じることがある。そこで、このようなシワ・ワレを発生させないための技術が検討されており、以下これらの技術について説明する。
まず最も一般的なドロー成型方法は、金型の外周に上下一対の部材からなるブランクホルダーと呼ばれるワークの把持装置を配置し、当該ブランクホルダーがワークの端部を把持しながら下降することにより、ワークに適度なプリテンションを付与しながら張り出し成形金型で成型し、シワ・ワレの発生を防止しようとするものである。この成型方法の問題点は、ブランクホルダーの下降動作によりワーク成型面において略水平方向のプリテンションを発生させるため、応力方向が略90度変化する成型金型肩部においてワークに過大な変形・応力が発生することである。これにより発生するワレを回避するため当該成型金型肩部のRを大きく設定する必要があり、スクラップ部が多く発生するという問題があった。
この問題を解決する方法として考えられたのが特許文献1に開示された技術であり、図12(A)(B)に示すような張り出し成形金型を基本構成としている。この張り出し成形金型は、ワーク1周辺部を上下一対のブランクホルダー4、5で保持し(図12(A)参照)、この状態で上型2を降下させてワーク周辺部を除く被成形部をプレスして所定形状に成形する際に、上下一対のブランクホルダー4、5により、ワーク1の周辺部がその平面と平行な外方向へ引っ張られて、ワーク1の被成形部にその面方向にプリテンションを付与しながら、ワークWの成形部W1を所定形状に成形するものである(図12(B)参照)。
この場合、ワーク被成形部がその面方向に引っ張られてプリテンションが掛けられた状態でプレス成形されるので、被成形部の全体が均一的に延びて、製造歩留まりの改善が可能となるというものである。また成型金型肩部で応力方向が大きく変化することがないため当該部分のRを大きくとる必要がなくスクラップ部が多く発生するという問題がない。
特開平9−150224号公報
しかしながら、特許文献1に示す従来技術では、プレス加工終了後に上型が上昇すると、上下一対のブランクホルダー4、5に対する押し圧力が無くなり、上下のブランクホルダー4、5への動きを拘束する力が無くなるため、プレス成形品取出し前にも関わらず各ブランクホルダーの自重で上型ブランクホルダー4が内側方向に移動してプレス成形品を変形させる恐れがある。
また、上記特許文献1では、プレス加工終了後に必要なプレス成形品の取り出し、カムを初期位置へセットするための工程・構成がなんら開示されておらず、上型が上昇すると上下ブランクホルダー4、5の自重によって移動し、上下ブランクホルダー4、5が初期位置に戻らず、また、戻るタイミングを規制することができないため、次のプレス加工の準備が行えず、ワークのプレス連続加工に対応できないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製品の品質を向上させ、破れや損傷を生じることなく材料の歩留まりを高めることができるプレス成型方法及びプレス成型金型装置を提供することにある。
請求項1の発明では、上下一対のブランクホルダーによって略水平な金属製ワーク周辺部を挟持し、当該ワーク周辺部を除く被成型部を上型と下型の間でプレスして所定の形状に成型するプレス成型方法であって、金属製ワークを形状転写のための下型成型面に沿わせ、次いで上下一対のブランクホルダーによって金属製ワーク周辺部を挟持し、次いで前記ワークを挟持した前記ブランクホルダーをワーク外周方向に向け下降する方向に移動させ、さらに前記ブランクホルダーをプレス軸方向に下降する方向に移動させることにより、前記ワークを拡張させると共に上型と下型の成型面形状を前記ワークに転写し、プレス成型終了後に前記ワークを搬出した後、前記一対のブランクホルダーを駆動手段により加工終了位置から加工初期位置へ移動することを特徴とする。
請求項2の発明では、上下一対のブランクホルダーによって略水平な金属製ワーク周辺部を挟持し、当該ワーク周辺部を除く被成型部を上型と下型の間でプレスして所定の形状に成型するプレス成型金型装置であって、前記ワーク外周方向に向け水平方向に移動するスライド機構を備えた上型ブランクホルダーと、当該ワーク外周方向かつ下降方向に移動するスライドカム機構と該スライドカム機構と独立してプレス軸方向に移動するスライド機構と、を有する下型ブランクホルダーと、当該下型ブランクホルダーを上方に付勢する付勢手段とを有し、さらにプレス装置の下降動作に伴い、前記外周下方スライドカム機構作動時は前記付勢手段の付勢力に従って、プレス軸方向スライド機構が上端部位を保持する一方、前記外周下方スライドカム機構が作動限界に至った後はプレス装置の下降動作に従ってプレス軸方向スライド機構が作動して各ブランクホルダーを下降動作させるよう、前記付勢手段の付勢力が調整され、上型ブランクホルダーと下型ブランクホルダー各々に、前記ワーク搬出動作に同期して、加工初期位置と加工終了位置とを移動させるための駆動手段を設けたことを特徴とする。
請求項3の発明では、前記上型ブランクホルダーに、前記水平方向のスライド機構と独立して作動するプレス軸方向に移動するスライド機構と、当該上型ブランクホルダーを下方に付勢する付勢手段とをさらに有することを特徴とする。
請求項4の発明では、少なくとも前記ブランクホルダーによるワーク周辺部挟持開始時期から加工終了時期において、前記上型ブランクホルダーと下型ブランクホルダーの相対移動がプレス軸方向のみに規制されるよう、前記一対のブランクホルダーの動作を同期するための拘束手段を設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、本発明のプレス成形金型装置は、金属製ワークを形状転写のための下型成型面に沿わせ、次いで上下一対のブランクホルダーによって金属製ワーク周辺部を挟持し、次いで前記ワークを挟持した前記ブランクホルダーをワーク外周方向に向け下降する方向に移動させ、さらに前記ブランクホルダーをプレス軸方向に下降する方向に移動させる。これによりワーク端面接線方向とワークに作用させるプリテンションの方向のなす角度が小さくでき、成形金型肩部のRを小さく設定できるため、材料歩留まりを大きく向上させることができる。
これについて、図13を用いて詳しく説明する。従来技術および本発明のブランクホルダーを含めた成型金型肩部の模式図を図13(A)、図13(B)に示す。αはワーク端面接線方向とワークに作用させるプリテンションの方向のなす角度、Rは成型金型肩部Rの大きさを示す。
従来技術では図13(A)に示すように、ブランクホルダーが下降作動のみ行うため、ワーク端面接線方向とワークに作用させるプリテンションの方向のなす角度αは非常に大きい。これに対し本発明ではブランクホルダーをワーク外周方向に向け下降する方向に移動させ、ブランクホルダーが成型金型から離間して図13(B)に示すdの間隔を保持した後下降するため、αを小さく抑えることができる。一方成型金型肩部に作用する力F2は、ワークに作用させるプリテンションをF1としてF2=2×F1×cos((π−α)/2)で表すことができ、αが大きくなるとF2も大きくなり、ワークに作用する力も大きくなるため、ワークのワレなどの損傷を防止するため成型金型肩部Rの値を大きくする必要がある。
このためαを小さく抑えることができる本発明の構成では成型金型肩部Rを従来技術に比べ1/3から1/2に抑えることができるため、スクラップ部の面積を大幅に低減でき歩留まりが向上する。
また、プレス成型終了後に前記ワークを搬出した後、前記一対のブランクホルダーを駆動手段により加工終了位置から加工初期位置へ移動することを特徴とし、加工終了後のワーク搬出後に、ブランクホルダーを初期位置に戻すようにしているので、プレス成形品の変形を防止して、連続加工に確実に対応することができ、高品質のプレス成形品を安定的に得ることができる。
請求項2の発明によれば、前記ワーク外周方向に向け水平方向に移動するスライド機構(以下「外周下方スライドカム機構」と呼ぶ)を備えた上型ブランクホルダーと、当該ワーク外周方向かつ下降方向に移動するスライドカム機構と該スライドカム機構と独立してプレス軸方向に移動するスライド機構と、を有する下型ブランクホルダーと、当該下型ブランクホルダーを上方に付勢する付勢手段とを有し、さらにプレス装置の下降動作に伴い、前記外周下方スライドカム機構作動時は前記付勢手段の付勢力に従ってプレス軸方向スライド機構上端部位を保持する一方、前記外周下方スライドカム機構が作動限界に至った後はプレス装置の下降動作に従ってプレス軸方向スライド機構が作動して各ブランクホルダーを下降動作させるよう、前記付勢手段の付勢力を調整するようにしている。この構成により、ブランクホルダーがワーク外周方向に移動して成型金型から離間した後に下降動作を開始するため、請求項1の発明の効果の説明で述べたようにワーク端面接線方向とワークに作用させるプリテンションF1の方向のなす角度を小さくすることができ、成型金型肩部に作用する力を小さくすることができるので当該肩部Rを小さくすることができ、スクラップの発生を低減することができる。
また各ブランクホルダーはワーク外周方向へ移動した後、最終的にプレス軸方向に移動してプレス成形を完了するので、プレス成形中常にブランクホルダーを外周方向へ移動させる構成に比べてワーク外周方向へ大きく移動する必要がなく、平面的に型構造をコンパクトに構成できる。
また、上型ブランクホルダーと下型ブランクホルダー各々に、前記ワーク搬出動作に同期して、加工初期位置と加工終了位置とを移動させるための駆動手段を設け、加工終了後のワーク搬出後に、ブランクホルダーを初期位置に戻すようにしているので、プレス成形品の変形を防止して、連続加工に確実に対応することができ、高品質のプレス成形品を安定的に得ることができる。
請求項3の発明によれば、前記上型ブランクホルダーに、前記水平方向のスライド機構と独立して作動するプレス軸方向に移動するスライド機構と、当該上型ブランクホルダー4を下方に付勢する付勢手段とを有するため、上下成形部の成形面に部分的な深い凹凸部が存在する場合でも、ドロー工程初期には上型成形部を下型成形面上のワークから離間させておき、ドロー工程後期の所定の時期に当該プレス軸方向に移動するスライド機構を作動させて凸部を加工し、高品位のプレス成形品を得ることができる。
請求項4の発明では、少なくとも前記ブランクホルダーによるワーク周辺部挟持開始時期から加工終了時期において、前記上型ブランクホルダーと下型ブランクホルダーの相対移動がプレス軸方向のみに規制されるよう、前記一対のブランクホルダーの動作を同期するための拘束手段を設けたため、水平方向のズレを確実に防止することができる。
本発明の第1実施形態に係るワーク投入直後の状態を図示したものであり、(A)はプレス成型金型装置の要部、(B)は詳細模式図である。 本発明の第1実施形態に係るワーク投入後にワークを狭持した状態を図示したものであり、(A)はプレス成型金型装置の要部、(B)は詳細模式図である。 本発明の第1実施形態に係るブランクホルダーをワーク外周方向に下降する方向に移動させた状態を図示したものであり、(A)はプレス成型金型装置の要部、(B)は詳細模式図である。 本発明の第1実施形態に係る外周下方スライドカム機構が作動限界に至った後、ブランクホルダーをプレス軸方向に下降する方向に移動させた状態を図示したものであり、(A)はプレス成型金型装置の要部、(B)は詳細模式図である。 本発明の第1実施形態に係るプレス終了後、上型が上昇した状態を図示したものである。 本発明の第2実施形態に係るワーク投入直後の状態を図示したものであり、(A)はプレス成型金型装置の要部、(B)は詳細模式図である。 本発明の第2実施形態に係るワーク投入後にワークを狭持した状態を図示したものであり、(A)はプレス成型金型装置の要部、(B)は詳細模式図である。 本発明の第2実施形態に係るブランクホルダーをワーク外周方向に下降する方向に移動させた状態を図示したものであり、(A)はプレス成型金型装置の要部、(B)は詳細模式図である。 本発明の第2実施形態に係る外周下方スライドカム機構が作動限界に至った後、ブランクホルダーをプレス軸方向に下降する方向に移動させた状態を図示したものであり、(A)はプレス成型金型装置の要部、(B)は詳細模式図である。 本発明の第2実施形態に係る上下ブランクホルダーがプレス軸方向に下降した後、上型成型面を下降する方向に移動させた状態を図示したものであり、(A)はプレス成型金型装置の要部、(B)は詳細模式図である。 本発明に係る金型装置(下型)の平面図である。 従来のプレス成型金型装置を図示したものである。 従来技術および本発明のブランクホルダーを含めた成型金型肩部の模式図である。
1 プレス成型金型装置
2 上型
3 下型
4 上型ブランクホルダー
5 エアシリンダー(駆動手段)
5a ロッド
6 拘束手段
7 スライドカム
8 カムホルダー
9 エアシリンダー(駆動手段)
9a ロッド
10 クッションピン(付勢手段)
11 ガスシリンダー(付勢手段)
11a ロッド
15 下型ブランクホルダー
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施の形態の説明は、本質的な例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を限定することを意図するものではない。
(プレス成型金型装置)
まず始めに、請求項2に記載の発明に係る第1実施形態のプレス成形金型装置1について、図1を用いて説明する。図1に示すように、プレス成形金型装置1は、ワークWを所定形状にプレス成形するための装置であり、上型2と、上型2に対向する位置に設けた下型3と、ワークW周辺部を狭持するブランクホルダー4、15が設けられている。このブランクホルダー4,15は、付勢手段であるクッションピン10を介して下型3に保持される下型ブランクホルダー15と、上型2側に保持される上型ブランクホルダー4とで構成される。プレス成形品はドロー成形を必要とする自動車のアウターパネル等が該当するが、本実施例では自動車用ドアのアウターパネルへの適用例として説明する。
(金型)
上型2は図1に示すように、上型成形面2bを備え、図示しない駆動装置によって、上下方向に移動可能に支持されている。下型3は下型成形面3bを備えている。このような構成により、上型2を上下方向に移動して、上型2と下型3の間に配置したワークWを上型成形面2bと下型成形面3bで挟圧し成形を行う構成となっている。
本実施形態では、上型2および下型3のスライド方向が上下方向である場合を示す。図1において、上下方向と直行する方向(図中の左右方向)を幅方向とし、図中の左方向を内側方向、右方向を外側方向とする。また図面(断面)に垂直な方向を長手方向とする。
(ブランクホルダーユニット)
ブランクホルダーは、図11に示すように、上型及び下型成形面2b、3bの外周方向に配されており、略4角形を有するドアパネル、ルーフパネルなどの成形型の場合は各辺に対応し周囲を4分割して、それぞれ4組の上型ブランクホルダー4と下型ブランクホルダー15のブランクホルダーユニットから構成されている。図1はそのうち1つのブランクホルダーユニットの断面を示す。例えば図11に示すように、ドア上部とその外周側のブランクホルダーユニットの断面S−Sを示している。(後述の図2から図10においても同様)
上型ブランクホルダー4と下型ブランクホルダー15は、図1に示すように各々周囲を壁面に囲まれ、成形面側のみ解放した上型及び下型に構成されたブランクホルダーケースに配置されている。
(上型ブランクホルダー)
上型ブランクホルダー4は上部にスライド部4aを有し、上型2の水平デッキ2cに水平方向にスライド可能に支持されており、水平デッキ2cとスライド部4aの摺動面には耐磨耗性を考慮して上型ブランクホルダー4側に摺動部材(ウェアプレート)が設けられている。摺動部材は、本実施例では幅方向に2列かつ長手方向には荷重を考慮した列数が固着され、かつ上型ブランクホルダー4の長手方向の両端面にも摺動部材が固着された上で上型壁面と両端面で当接しており、長手方向の動きが規制されている。
さらに、上型ブランクホルダー4には、上型ブランクホルダーケースの外周部分に固着されたエアシリンダー5のロッド5aが固着され、エアシリンダー5の作動により上型ブランクホルダー4は上型成形部2aへ近づく方向の内側初期位置に付勢される。エアシリンダー5の作動の切り替えは、図示しない制御装置の信号によりプレス装置の作動と同期して所定のタイミングで加圧エアーの通路に設置された図示しない電磁弁をオン・オフすることにより行われる。
また、上型ブランクホルダー4には、第1ストッパー4b、第2ストッパー4cが設けられており、第1ストッパー4bは、駆動手段であるエアシリンダー5により上型ブランクホルダー4を内側方向へ移動した際に、上型ブランクホルダー4の動きを第1ストッパー4bに対向する上型側面部の凸部に当接することで、内側方向への動きを規制することができる。第2ストッパー4cは、上型ブランクホルダー4がスライド部4aのスライド機構により上型ブランクホルダー4が上型成形部2aに接離する方向に移動した際に、上型ブランクホルダー4の外側方向への動きを規制することができるものである。各ストッパー4bおよび4cはボルトなどの締結手段により上型ブランクホルダー4に固着されており、各ストッパーと上型ブランクホルダーの間に所定のシムを挿入することで作動範囲を調整することができる。
ワークW周辺部を把持する上把持部4dは、図1にも示すように略L字状であり、ワークWを把持する把持面はワークWに水平に設けられて上型ブランクホルダー4の上型成形部2a側に配置され、上型ブランクホルダー4にボルトで締結されている。これにより把持面が磨耗、損傷などした場合は交換できるよう構成されている。
(下型ブランクホルダーの機構)
上型ブランクホルダー4の構成と異なる部分を主に説明する。下型ブランクホルダー15の機構は、図1で示すように、少なくとも幅方向に2列、長手方向には荷重を考慮した列数配置されたクッションピン10の上に設けられた当接傾斜面を有するカムホルダー8と、カムホルダー8上部の上型ブランクホルダー4に対向する位置に配置されたスライドカム7と、スライドカム7の下型成形部3a側に設けられたワーク下把持部7cと、スライドカム7上にワーク下把持部7cと並んで幅方向外方端部に設けられた拘束手段6bと、スライドカム7を下型成形部3aへ近づく方向である初期位置に戻す駆動手段であるエアシリンダー9とから構成されている。
また本実施例では図示していないが、初期位置に戻すエアシリンダー9とは別にエアシリンダー、スプリングなどを用いた、スライドカム7に作用する重量を補償する機構を設けることも可能である。
(カムホルダー・スライドカム)
カムホルダー8は、スライドカム7に対向する当接傾斜面を有し、スライドカム7が幅方向外側へ下降するよう移動するようにガイドするものである。スライドカム7の当接傾斜面には前述の摺動部材7a(ウェアプレート)が幅方向に2列かつ長手方向には荷重を考慮した個数が固着され、かつスライドカム7の長手方向の両端面にも摺動部材が固着された上でカムホルダー8壁面と両端面で当接しており、長手方向の動きが規制されている。
また、カムホルダー8は、下型3の水平デッキ3eの挿通孔3gに挿通された前述の複数のクッションピン10を介して上下動自在に下型に設けられており、カムホルダー8の下部には、前述の複数のクッションピン10に対向する位置に複数のブロック8bが設けられている。このブロック8bに当接するように配置された複数のクッションピン10はカムホルダー8を上方向に付勢支持するものである。また水平デッキ3eにはブロック8bに対向するブロック当接部3fが複数設けられており、カムホルダー8が一定以上下方向に移動できないように規制するものである。下型のブランクホルダーケースの外周部分に固着されたエアシリンダー9のロッド9aがスライドカム7に固着され、上型ブランクホルダーと同様の制御方法によって、プレス装置の作動と同期して、スライドカム7が内側方向の初期位置に付勢される。
また、カムホルダー8の幅方向両側面は摺接部材8a、8cを介して下型ブランクホルダー15のブランクホルダーケース側面に当接しており、カムホルダー8は当該ブランクホルダーケースに対し上下方向にのみスライド可能な構造となっている。
スライドカム7は、図1に示すようにカムホルダー8にスライド可能に支持されており、スライドカム7は図示例では摺動部材7aを介して設けられている。スライドカム7に対向する当接傾斜面を有するカムホルダー8の案内により、ワークW幅方向外側の下方に傾斜して移動可能であり、下面が外方向に下がる形状である。なお、下型ブランクホルダー7と、スライドカム8の当接傾斜面とは同じ傾斜角度に設定されている。スライドカム7は、ワーク幅方向外側の下方に傾斜して移動した後は、プレス装置の作動と同期して駆動手段であるエアシリンダー9の付勢作用によって初期位置である幅方向内側限界まで移動する。この時、下型成形部側面のストッパー3cにスライドカム7が当接することにより、スライドカム7が一定以上内側方向に移動できないように規制されている。また上型ブランクホルダーと同様、各ストッパーの設定位置はシムを挿入することで調整可能で、これによりカムの作動範囲を調整し、パネルの品質を最適化することができる。
(ワーク下把持部)
スライドカム7には、ワーク周辺部を狭持するワーク下把持部7cがスライドカム7の下型成形部3a側に配置され、ボルトで締結されている。これにより把持面が磨耗、損傷などした場合は交換できるよう構成されている。
上型ブランクホルダー4のワーク上把持部4dのワーク把持面と、スライドカム7のワーク下把持部7cのワーク把持面には、ワーク把持に適した各々対応するビード形状が形成され、自身の長手方向に延びた溝部が形成されている。本実施例ではビード部と対応する形状の溝部でワークWを狭持するが、上把持部及び下把持部の把持面に、一様にローレット加工など把持力を高める加工を施工しても良い。
また、ワーク上把持部4dと下把持部7cがワークWに当接してワークWを把持し、上把持部4dのビードが下把持部7cの溝部に嵌合した際、各ブランクホルダー4の拘束手段6a、6bが互いに挿嵌するように設定されている。拘束手段6bは円錐状の形状を、拘束手段6aはこれに対応する形状を有し、互いに近接するにしたがって同芯となるセンタリング機能を有する。これによりワークW把持部に発生する荷重と同等の荷重を反対側端部で負担し各ブランクホルダーの姿勢を安定させると共に、各ブランクホルダーが水平方向に互いに拘束し合って安定した作動を行えるようにする。
(ガススプリングの付勢力)
クッションピン10のガススプリングの付勢力は、上型2を下降させながら上下ブランクホルダーの把持部4d、7cでワークWを把持するよう上型ブランクホルダー4を上方から押し付けたときに、まず上下ブランクホルダーが上下把持部4d、7cでワークWを把持した状態で上型2を下降させながら、スライドカム7のスライド機構によりワーク外周方向限界に達するまで押し付け、その後クッションピン10の下降作動が行われるよう、ガススプリングの付勢力は上下把持部4d、7cがワークWを把持しながら外周下降方向に移動するのに必要な力よりも強く設定されている。
(ブランクホルダーの動き)
上記構成のプレス成型金型装置によるプレス成形方法を図1〜図5を用いて説明する。
図1(A)は、上型2と下型3とを型開きし、上下ブランクホルダー4、15のワーク上把持部4dと下把持部7cが離間した状態で、ワークWを図示しないワーク搬送装置などで投入した直後の状態である。ワークWの周辺部がスライドカム7の下ワーク把持部7c上に略水平になるよう配置する。このとき、スライドカム7は上限位置で内側限界にあり、スライドカム7の下ワーク把持部7cの上端面は下型成形面3bより高い位置に配置している。また、上型ブランクホルダー4も上限位置で内側限界にあり、上把持部4dが下把持部7cの把持面と対向する位置よりも内側で上型2と一体で待機している。この時の図1の上下ブランクホルダー4、15の位置が加工初期位置となる。この時の状態を示す詳細模式図が図1(B)である。
また、この状態では、クッションピン10のガススプリングの付勢力によりカムホルダー8下部のブロック8b下端面がブロック当接部3fの上端面から浮いており隙間が形成されている。
次に、図2(A)に示すように、上型2を下降させると上型2と一体である上型ブランクホルダー4も下降し、上下ブランクホルダー4、15の上把持部4dおよび下把持部7cとでワークWの周辺部を狭持する。このとき、上下ワーク把持部4d、7cのビード部と対応する形状の溝部でワークWを狭持することで、その後のスライド動作時におけるワークWの上下ブランクホルダーに対する位置ずれを防止することができる。また本実施例ではビード部と対応する形状の溝部でワークWを狭持するが、上把持部及び下把持部の把持面に、一様にローレット加工など把持力を高める加工を施工しても良い。
また、上下ブランクホルダーの拘束手段6a、6bが嵌合されて、上下ブランクホルダーのスライド動作時の位置ずれを防止する。
この時の状態を示す詳細模式図が図2(B)である。
続いて上型2を降下させると、上下ブランクホルダー4、15に狭持されたワークWが下型成形面3bに接触する。そして、ワークWは引き伸ばされながら、上型ブランクホルダー4はスライド部4aのスライド機構によりワーク外周方向にワーク成形面と平行にスライドし、スライドカム7はカムホルダー8の当接傾斜面とスライドカム7の摺動部材7aにより、ワーク外側方向に向け下降する方向にスライドする。こうして上下ブランクホルダー4、15は下降しながらワーク外周方向へと移動し、ワークWも外周方向に向け下降する方向に引っ張られ、図3に示す状態となる。ここで、スライドカム7のエアシリンダー9は、スライドカム7のストッパー7bがカムホルダー8に当接する位置までは伸縮フリーの状態に設定されており、スライドカム7のストッパー7bがカムホルダー8に当接し、上型ブランクホルダー4の第2ストッパー4cが上型ブランクホルダーケースの外周部分2dに当接することで移動停止するように設定されている。また、ストッパー7bの設定位置をシムで調整することで、スライドカム7の移動距離を調整できるように構成されている。この時の状態を示す詳細模式図が図3(B)である。
さらに上型2を下降させると、クッションピン10の付勢力が上記のように設定されていることから、スライドカム7の当接傾斜面の摺動部材7aによりワーク外周方向限界に達するまで押し付け、スライドカム7のストッパー7bがカムホルダー8に当接した後に、図4に示すように、上下ワーク把持部4d、7cでワークWを狭持した状態のままクッションピン10が下降し、ワークWはさらに引き伸ばされた状態で、上型成形面2bと下型成形面3bの間でプレス成型されてワークWに成形面形状を転写して所定の形状を有するプレス成形品となる。なお、クッションピン10はクッションピン10上部のブロック8bがブロック当接部3fの上端面に当接して、クッションピン10がこれ以上下降しない。
この時の状態を示す詳細模式図が図4(B)である。
(製品取出し)
ワークWのプレス成型後、図5に示すように上型2を上昇させて型開きにし、クッションピン10を上昇限界位置まで上昇させてワーク下把持部7c上のプレス成形後のワークWを取出す。ここで、上型2上昇中、または上型2上昇後にエアシリンダー5で上型ブランクホルダー4を内側方向へ移動し、上型ブランクホルダー4の第1ストッパー4bが上型側面部に当接する加工初期位置まで戻す。続いて、プレス成形品の取出し後にエアシリンダー9の延伸作動によってスライドカム7を下型側面部のストッパー3cに当接する加工初期位置まで戻すことで、次のプレス加工を行う準備とし、連続加工を可能にしている。
以上が本発明にかかる加工装置の1サイクルの全作動であり、このサイクルを繰り返すことにより、単一のプレス装置でプレス成形品が連続的に自動生産される。
(第2実施形態)
次に、請求項3に記載の発明に係る第2実施形態のプレス成型金型装置について説明する。第2実施形態は第1実施形態の構成に加え、水平方向のスライド機構と独立して作動するプレス軸方向に移動するスライド機構と、当該上型ブランクホルダー4を下方に付勢する付勢手段とを有するため、上下成形部の成形面に部分的な深い凹凸部が存在する場合でも、ドロー工程初期には上型当該成形部を下型成形面上のワークから離間させておき、ドロー工程後期の所定の時期に当該プレス軸方向に移動するスライド機構を作動させて凸部を加工し、高品位のプレス成形品を得ることができる点で異なる。
具体的な構成上は第1実施形態の構成と、上型ブランクホルダー4が、図6で示すように上型水平デッキ2cの下面側に、支持部12により長手方向両端部を介して保持される構成である点が異なる。以下第1実施形態のプレス装置と異なる点を主に説明し、同様部分については、第1実施形態と同じ符号を用いて説明を省略する。
(上型)
第2実施形態のプレス成型金型装置では、上型2は図6(A)に示すように、凸部を有する上型成形面2bを備え、下型3は、上型成形面2bの凸部に対応する凹部を有する下型成形面3bを備えている。この凸部は例えば成形部品がドアパネルの場合のドアハンドル部のくぼみに対応する。
(上型ブランクホルダーと支持部)
上型ブランクホルダー4を保持する支持部12は、周囲を所定の厚みを持った壁面で構成したボックス状の形状を有し、下面および金型方向の側面下部が開口し、下部に上型ブランクホルダー4を保持する。上型ブランクホルダー4は、上部にスライド部4eを有し、図6(A)に示すように上型の水平デッキ2cの下面側に配設された、支持部12の長手方向両端部で水平方向にスライド可能に支持されており、支持部12とスライド部の摺動面には耐摩耗性を考慮して上型ブランクホルダー4側に摺動部材(ウェアプレート)が設けられている。摺動部材は、幅方向に1列又は複数列バランスを考慮して配置されかつ長手方向には荷重を考慮した個数が固着され、かつ上型ブランクホルダー4の長手方向の両端面にも摺動部材が固着された上で支持部12壁面と両端面で当接しており、長手方向の動きが規制されている。また上型ブランクホルダー4は当該両端面において一方の端部が支持部12に固定された図示しない支持部材により下方から支持されている。以上の構成により上型ブランクホルダー4は支持部12により上下方向および長手方向の動きが規制され、支持部12に対し幅方向のみ所定のストロークで相対移動する。
さらに、上型ブランクホルダー4には、支持部12に固着されたエアシリンダー5のロッド5aが固着され、エアシリンダー5の作動により上型ブランクホルダー4は上型成形部2aへ近づく内側初期位置に付勢される。エアシリンダー5の作動の切り替えは、図示しない制御装置の信号によりプレス装置の作動と同期して所定のタイミングで加圧エアーの通路に設置された図示しない電磁弁をオン・オフすることにより行われる。
また、上型ブランクホルダー4には、第1ストッパー4b、第2ストッパー4cが設けられており、第1ストッパー4bは、駆動手段であるエアシリンダー5により上型ブランクホルダー4を内側方向へ移動した際に、上型ブランクホルダー4の動きを第1ストッパー4bに対向する上型側面部の凸部に当接することで、内側方向への動きを規制することができる。第2ストッパー4cは、上型ブランクホルダー4がスライド部4eのスライド機構により下型ブランクホルダー7と共にワーク外周方向に移動した際に、上型ブランクホルダー4の外側方向への動きを規制することができるものである。また実施例1と同様、各ストッパーの設定位置はシムを挿入することで調整可能で、これによりカムの作動範囲を調整することができる。
ワーク周辺部を把持する上把持部4dは、図6(A)にも示すように略L字状であり、ワークWを把持する把持面はワークWに水平に設けられて上型ブランクホルダー4の上型成形部2a側に配置され、上型ブランクホルダー4にボルトで締結されている。これにより、把持面が磨耗、損傷などした場合は交換できるように構成されている。
上型ブランクホルダー4を保持する支持部12の上部には、少なくとも幅方向に2列、長手方向に荷重を考慮して複数配置されたブロック12aが設けられており、この複数のブロック12aにガスシリンダー11のロッド11aが当接し支持部12を付勢している。ガスシリンダー11は上型2に固定され、ロッドにより支持部12および上型ブランクホルダー4を下方向に付勢する。またガスシリンダー11にかえてプレス装置に付属する上型クッションピンを支持部12の付勢に使用する場合もある。
支持部12は、幅方向両端面に配設された摺動部材(ウェアプレート)12b、12cを介して上型ブランクホルダーケースに幅方向の動きを拘束されており、上下方向のみ上型に対し所定のストローク相対移動可能に構成されている。上型2に本体が固定されロッド11aが水平デッキ2cの挿通孔2fを挿通したガスシリンダー11がブロック当接部12aを付勢することにより支持部12および上型ブランクホルダー4は初期状態において上型成形部2aに対し限界まで下方に変位した状態を保持している。
なお上型ブランクホルダーケースに固定した円柱状のサイドピン(図示せず)が複数金型全周にわたって支持部12と挿通している。支持部12側の挿通穴は上型ブランクホルダー4の相対ストロークを考慮した長穴に成形されており、上型ブランクホルダー4の上型に対する上下方向の相対変位を規制している。上型2の水平デッキ2cには前述の複数のブロック12aに対向する位置にブロック当接部2eが複数設けられており、支持部12が一定以上上方向に移動できないように規制するものである。
(ガスシリンダーの付勢力)
ガスシリンダー11の付勢力は、上下ブランクホルダー4、15が上下把持部4d、7cでワークWを把持した状態で上型2を下降させながら、スライドカム7のスライド機構によりワーク外周方向限界に達するまで押し付けた後にクッションピン10の下降作動が行われ、クッションピン10上部のブロック8bがブロック当接部3fの上端面に当接した後にガスシリンダーが収縮作動するよう、クッションピン10の付勢力よりも強く設定されている。かつ当該付勢力はプレス装置の作動圧力よりは弱く設定されており、プレス装置の作動にしたがってガスシリンダー11が収縮作動を行う。
(ブランクホルダーの動き)
図6(A)は、上型2と下型3とを型開きし、上下ブランクホルダー4、15のワーク上把持部4dと下把持部7cが離間した状態で、ワークWを図示しないマテハンなどで投入した直後の状態である。ワークWの周辺部がスライドカム7の下ワーク把持部上7cに水平に配置する。このとき、スライドカム7は上限位置で内側限界にあり、スライドカム7の下ワーク把持部7cの上端面は下型成形面3bより高い位置に配置している。また、上型ブランクホルダー4も上限位置で内側限界にあり、上把持部4dが下把持部7cの把持面と対向する位置よりも内側で上型2と一体で待機している。この時の図6(A)の上下ブランクホルダー4、15の位置が加工初期位置となる。この時の状態を示す詳細模式図が図6(B)である。
この状態では、クッションピン10に支持されたスライドカム8下部のブロック8b下端面がブロック当接部3fの上端面から浮いており隙間が形成されている。また、ガスシリンダー11は支持部12を下方向に付勢支持し、上型水平デッキ2c下部のブロック2eとブロック当接部12aとの間に隙間が形成されている状態である。
次に、図7(A)に示すように、上型2を下降させると、ガスシリンダー11により付勢支持された支持部12も下降し、上下ブランクホルダー4、15の上把持部4d及び下把持部7cとでワークWの周辺部を狭持する。このとき、上下ワーク把持部4d、7cのビード部と対応する形状の溝部でワークWを狭持することで、その後のドロー成形時のワークWにテンションが作用した状態においても確実に狭持し、ワークWの上下ブランクホルダー4、15に対する位置ずれを防止することができる。また本実施例ではビード部と対応する形状の溝部でワークWを狭持するが、上把持部及び下把持部の把持面に、一様にローレット加工など把持力を高める加工を施工しても良い。
また、上下ブランクホルダー4、15の拘束手段6a、6bが嵌合されて、上下ブランクホルダーのスライド動作時の位置ずれを防止する。
この時の状態を示す詳細模式図が図7(B)である。
続いて上型2を下降させると、上下ブランクホルダー4、15に狭持されたワークWが下型成型面3bに接触する。そして、ワークは引き伸ばされながら、上型ブランクホルダー4はスライド部4eのスライド機構によりワーク外周方向にワーク成型面と平行にスライドし、スライドカム7はカムホルダー8の当接傾斜面とスライドカム7の摺動部材7aにより、ワーク外側方向に向け下降する方向にスライドする。こうして上下ブランクホルダー4、15は下降しながらワーク外周方向へと移動し、ワークWも外周方向に向け下降する方向に引っ張られ、図8(A)に示す状態となる。ここで、スライドカム7のエアシリンダー9は、スライドカム7のストッパー7bがカムホルダー8に当接する位置までは伸縮フリーの状態に設定されており、スライドカム7のストッパー7bがカムホルダー8に当接し、上型ブランクホルダー4の第2ストッパー4cが支持部12に当接することで移動停止するように設定されている。
この時の状態を示す詳細模式図が図8(B)である。
さらに上型2を下降させると、クッションピン10の付勢力の設定により、スライドカム7の当接傾斜面の摺動部材7aによりワーク外周方向限界に達するまで押し付け、スライドカム7のストッパー7bがカムホルダー8に当接した後に、図9に示すように、クッションピン10の付勢力がプレスの加工圧力に負けるため、上下ワーク把持部4d、7cでワークWを狭持した状態のままクッションピン10が下降し、クッションピン10上部のブロック8bがブロック当接部3fの上端面に当接して下降変位限界に達するまで下降の作動を行う。これに伴い下型にワークWが押し付けられ所定の形状が転写される。
この時点で上下金型の成形面はガスシリンダー11の可動ストロークに対応した間隔を持って離間している。さらに上型2を降下させると、ガスシリンダー11が収縮作動を開始し、図10(A)に示すように、上型成形部2aが下方向に押し下げられ、上型成形部2aと下型成形部3aでワークWを狭圧された状態で、上型成形面2bと下型成形面3bの間でワークWに成形面形状を転写して所定の形状を有するプレス成形品となる。これにより例えばドアハンドル部の窪みのような部分的な深い凹凸部形状が、他の全体形状の形状が概ね成形された後に成形できるようになるため、高品質の成形が可能となる。なお、ガスシリンダー11は水平デッキ2c下部のブロック2eがブロック当接部12aの上端面に当接して、ガスシリンダー11はこれ以上下降しない。以上により、ワークWのプレス成形が完了する。
この時の状態を示す詳細模式図が図10(B)である。

Claims (4)

  1. 上下一対のブランクホルダーによって略水平な金属製ワーク周辺部を挟持し、当該ワーク周辺部を除く被成型部を上型と下型の間でプレスして所定の形状に成型するプレス成型方法であって、
    金属製ワークを形状転写のための下型成型面に沿わせ、
    次いで上下一対のブランクホルダーによって金属製ワーク周辺部を挟持し、
    次いで前記ワークを挟持した前記ブランクホルダーをワーク外周方向に向け下降する方向に移動させ、さらに前記ブランクホルダーをプレス軸方向に下降する方向に移動させることにより、前記ワークを拡張させると共に上型と下型の成型面形状を前記ワークに転写し、
    プレス成型終了後に前記ワークを搬出した後、前記一対のブランクホルダーを駆動手段により加工終了位置から加工初期位置へ移動する、ことを特徴とするプレス成型方法。
  2. 上下一対のブランクホルダーによって略水平な金属製ワーク周辺部を挟持し、当該ワーク周辺部を除く被成型部を上型と下型の間でプレスして所定の形状に成型するプレス成型金型装置であって、
    前記ワーク外周方向に向け水平方向に移動するスライド機構を備えた上型ブランクホルダーと、
    当該ワーク外周方向かつ下降方向に移動するスライドカム機構と該スライドカム機構と独立してプレス軸方向に移動するスライド機構と、を有する下型ブランクホルダーと、当該下型ブランクホルダーを上方に付勢する付勢手段とを有し、
    さらにプレス装置の下降動作に伴い、前記外周下方スライドカム機構作動時は前記付勢手段の付勢力に従ってプレス軸方向スライド機構が上端部位を保持する一方、前記外周下方スライドカム機構が作動限界に至った後はプレス装置の下降動作に従ってプレス軸方向スライド機構が作動して各ブランクホルダーを下降動作させるよう、前記付勢手段の付勢力が調整され、
    上型ブランクホルダーと下型ブランクホルダー各々に、前記ワーク搬出動作に同期して、加工初期位置と加工終了位置とを移動させるための駆動手段を設けたことを特徴とする、プレス成型金型装置。
  3. 前記上型ブランクホルダーに、前記水平方向のスライド機構と独立して作動するプレス軸方向に移動するスライド機構と、当該上型2ブランクホルダーを下方に付勢する付勢手段とをさらに有することを特徴とする、
    請求項2に記載のプレス成型金型装置。
  4. 少なくとも前記ブランクホルダーによるワーク周辺部挟持開始時期から加工終了時期において、前記上型ブランクホルダーと下型ブランクホルダーの相対移動がプレス軸方向のみに規制されるよう、前記一対のブランクホルダーの動作を同期するための拘束手段を設けたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプレス成型金型装置。
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