JP5152047B2 - プレス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転カムを用いて板状素材の成形を行うプレス装置に関する。
近年、例えば車両のアウター部品に用いられるパネル等には、品質の向上や形状の多様化が求められている。こうした要求を満たすため、パネルの成形を行うプレス装置には、回転カムが使用されることが多い。これは、回転カムを使用することにより、成形後にパネルの取り外しが困難となる負角部の加工等を容易に行うことができるからである。なお、本明細書において、負角部とは、成形後にカム等の成形用部材がパネルの内側に入り込むパネルの成形部位をいうものとする。
例えば、図9に示すプレス装置100では、昇降可能な上型101に吊りカム102がスライド可能に設けられ、下型103のカム溝に回転カム104が回転可能に配置されている。吊りカム102には、パネルWを成形するための成形部102aが設けられている。回転カム104には、吊りカム102の成形部102aを挿入可能なU字溝104aが形成されている。このU字溝104aの一方面には、下型103に当接して成形位置を決定するとともに吊りカム102を成形位置までガイドするスライド板105が設けられている。U字溝104aの他方面には、パネルWの先端を内側から支持する支持部106が形成されている。
そして、上型101の下降により吊りカム102がスライド板105に沿ってU字溝104aに挿入されると、吊りカム102の成形部102aがパネルWの先端を回転カム104の支持部106へ押し付けて負角部Waが成形されるようになっている。また、成形後には、図10に示すように、上型101の上昇により吊りカム102がU字溝104aから退出して、回転カム104が戻り方向(図10において右回り)へ回転することにより、支持部106が負角部Waから外れるようになっている。これにより、負角部Waの成形後に、パネルWを回転カム104と干渉させることなく容易に取り出すことができる。
ここで、パネルWの加工中に回転カム104が回転すると、パネルWに成形不良が生じるおそれがあった。これを防止するために、吊りカム102の軌道を規制することにより、スライド板105が下型103から離れるのを防止して、回転カム104の戻り回転を防止することが行われている(特許文献1)。このように、パネルWの成形中に回転カム104が成形位置から戻るのを防止することで、パネルWの成形不良を防止することができる。
特開平7−155847号公報
しかしながら、上記に記載の技術には次のような問題点があった。
上記技術によると、回転カム104の成形位置への位置決めが、スライド板105を下型103へ当接させることにより行われている。このため、スライド板105をある程度長めに設計する必要があった。ところが、スライド板105を長く設計した場合には、図10に示すように、スライド板105が吊りカム102と干渉しやすくなるため、上型101をかなり上方まで上昇させなければ、吊りカム102とスライド板105とを引き離せなかった。その結果、パネルWの取出開始までに回転カム104が十分戻りきらず、パネルWの取出時にパネルWと回転カム104とが干渉するおそれがあった。なお、この干渉を避けるためにパネルWの取出開始時期を遅らせることもできるが、この場合には、生産効率を低下させるという問題があった。
また、一般にパネル成形では、複数部位を同時に成形することが行われている。しかしながら、回転カム104の戻りが遅れることで、他の成形部位Wbの取り外しタイミングとの調整が困難となっていた。例えば、負角部Waが回転カム102と干渉したまま他の成形部位Wbを取り外そうとした場合には、パネルWの変形を招くおそれがあった。
そこで、本発明は、上記した問題点を解決するためになされたものであり、生産効率を低下させることなく高品質に板状素材を成形することができるプレス装置を提供することを課題とする。
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るプレス装置は、上型にスライド可能に保持された吊りカムと、下型に回転可能に保持された回転カムと、下型にスライド可能に保持されて前記回転カムの回転を規制する回転規制部材とを備え、前記回転カムは、成形対象となる板状素材を支持する支持部を有し、前記吊りカムは、前記支持部に支持された板状素材を成形する成形部を有し、前記回転規制部材は、前記回転カムに当接可能な当接部を有し、前記吊りカムに押圧されてスライドすることにより、前記当接部を前記回転カムに当接させて、前記板状素材の成形中に前記回転カムの回転を禁止すること、前記回転カムは、前記吊りカムを成形位置へ案内するガイド溝を有していること、前記板状素材の成形が終了後、前記吊りカムが前記ガイド溝から退出していくのに伴って、前記回転規制部材が上方へ移動すると、前記回転規制部材の前記当接部が前記回転カムから離間して、前記回転カムの回転が許可されることを特徴とする。
本発明に係るプレス装置では、成形対象となる板状素材が、回転カムに備わる支持部により支持され、吊りカムに備わる成形部により成形される。これにより、板状素材に対して、成形後に取り外しが困難となる負角部の加工等を容易に行うことができる。また、このプレス装置では、回転規制部材が吊りカムに押圧され、回転規制部材の当接部が回転カムに当接して、板状素材の成形中に回転カムの回転が規制される。このように、板状素材の成形中に回転カムの回転を規制することにより、板状素材の成形不良を防止して、板状素材を高品質に成形することができる。さらに、このプレス装置では、回転カムの成形位置への規制が、下型にスライド可能に設けられた回転規制部材により行われる。これにより、回転カムに、従来技術で述べたスライド板(105)を設ける必要がない。すなわち、スライド板(105)と吊りカムとの干渉の問題を解消して、回転カムの戻りを早くすることができる。その結果、成形後に板状素材の取出開始時期を早めて、生産効率を高めることができる。
また、このプレス装置によると、回転カムの戻りを早くすることで、回転カムによる成形部位と他の成形部位との間における取り外しタイミングの調整を容易に行うことができる。これにより、板状素材の成形をより効率的に行うことができ、生産効率をより高めることができる。また、負角部が回転カムと干渉したまま他の成形部位が取り外される状況を回避できるため、取り外し時における板状素材の変形を確実に防止することができる。その結果、板状素材の成形をより高品質に行うことができる。
本発明に係るプレス装置において、前記当接部は、平面形状をなし、前記回転カムは、前記当接部に当接可能な平面形状の被当接部を有し、前記当接部と前記被当接部とは、面接触して当接することが望ましい。
このプレス装置では、当接部と被当接部とが、面接触して当接するため、回転カムの回転を容易かつ確実に禁止することがきる。その結果、板状素材を低コストでより高品質に成形することができる。
本発明に係るプレス装置において、前記回転規制部材は、複数設けられていることが望ましい。
このプレス装置では、回転規制部材を複数設けることにより、回転カムの回転をより確実に規制することができる。これにより、板状素材をより高品質に成形することができる。ところで、例えば車両のトランクなどに用いられる広範な面積を有する板状素材を成形する場合には、軸方向に長く形成された回転カムにより板状素材が支持される。この場合には、回転カムが途中で撓んで板状素材の支持が不安定になり、板状素材を高品質に成形できないおそれがある。これに対して、このプレス装置では、複数の回転規制部材の当接部を回転カムに当接させるため、回転カムの撓みをも防止することができる。その結果、広範な面積を有する板状素材を成形する場合にも、高品質に成形することができる。
本発明に係るプレス装置において、前記回転カムは、前記吊りカムを成形位置へ案内するガイド溝を有し、前記吊りカムは、前記ガイド溝に対してスライド可能な第1スライド板を有していることが望ましい。
このプレス装置では、吊りカムに備わる第1スライド板を、回転カムに備わるガイド溝に対してスライドさせることにより、吊りカムの成形部を、回転カムの支持部に支持された板状素材へと確実に導くことができる。その結果、板状素材をより高品質に成形することができる。
本発明に係るプレス装置において、前記吊りカムは、前記下型に対してスライド可能な第2スライド板を有していることが望ましい。
このプレス装置では、吊りカムに備わる第2スライド板を、下型に対してスライドさせることにより、吊りカムの成形部を、回転カムの支持部に支持された板状素材へとより確実に導くことができる。その結果、板状素材をより高品質に成形することができる。
本発明に係るプレス装置において、前記回転カムを回転させる回転手段と、前記回転カムの回転角度を、成形位置を越えない範囲に制限する角度制限手段とを有していることが望ましい。
このプレス装置では、角度制限手段により回転カムの回転角度が成形位置を越えない範囲に制限されるので、回転カムを回転手段によって容易かつ確実に成形位置へ移動させることができる。また、板状素材の成形中に、回転カムが成形位置を越えて回転するのを防止できるため、板状素材をより高品質に成形することができる。
本発明に係るプレス装置において、前記回転規制部材を、板状素材の成形後に初期位置へ戻す第1復帰手段を有していることが望ましい。
このプレス装置では、板状素材の成形後に第1復帰手段によって回転規制部材を初期位置へ戻すことにより、板状素材の成形後に速やかに回転カムの回転を許可することができる。これにより、回転カムの戻りを早めることができるため、板状素材を取り外す際、回転カムと板状素材とが干渉するのを回避することができる。その結果、板状素材の取出開始時期を早めて、生産効率をより高めることができる。
本発明に係るプレス装置において、前記吊りカムを、板状素材の成形後に初期位置へ戻す第2復帰手段を有していることが望ましい。
本発明に係るプレス装置では、板状素材の成形後に第2復帰手段によって吊りカムを初期位置へ戻すことにより、板状素材の取出時に吊りカムが板状素材や回転カムと干渉するのを防止することができる。その結果、板状素材の取出開始時期を早めて、生産効率をさらに高めることができる。
本発明に係るプレス装置によれば、上記した通り、生産効率を低下させることなく高品質に板状素材を成形することができる。
本発明の実施形態に係るプレス装置の全体構成を示す断面図である。 同プレス装置の成形対象となるパネルを示す平面図である。 同プレス装置に備わる上下スライダを示す拡大平面図である。 同プレス装置に備わる回転カムを成形位置へ回転させた状態を示す説明図である。 同プレス装置に備わる上型を下死点まで降下させた状態を示す説明図である。 同プレス装置に備わる回転カムを初期位置へ回転させた状態を示す説明図である。 同プレス装置に備わる上型を上死点まで上昇させた状態を示す説明図である。 変更例に係るプレス装置に備わる上下スライダを示す拡大平面図である。 従来例に係るプレス装置を示す断面図である。 従来例に係るプレス装置を示す断面図である。
以下、本発明に係るプレス装置を具体化した好適な実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るプレス装置の全体構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプレス装置の全体構成を示す断面図である。図2は、同プレス装置の成形対象となるパネルを示す平面図である。図3は、同プレス装置に備わる上下スライダを示す拡大平面図である。
プレス装置10は、図1に示すように、昇降可能に設けられた上型11と、基台(図示略)に動かないように固定された下型40とを備えている。このプレス装置10は、図2に示すように、車両のアウター部品に用いられる湾曲したパネルWの、短手方向における両端部である左端部Wa及び右端部Wbを成形するものである。
上型11は、パッド12を上下方向へ移動可能に保持するパッド保持部11aと、第1の吊りカム20を左右方向へスライド可能に保持する吊りカム保持部11bと、第2の吊りカム30を左右方向へスライド可能に保持する吊りカム保持部11cとを備えている。
パッド12は、上型11のパッド保持部11aに固定されたサイドピン13,14により、上型11に対して上下方向へ移動可能に保持されている。このパッド12は、パネルWの湾曲形状に応じた押さえ面12aを備えている。
第1の吊りカム20は、パネルWを成形するための成形部20aと、上型11の吊りカム保持部11bに対して左右方向へスライド可能に設けられたスライド板21と、後述する回転カム50のスライド面51bに対してスライド可能に設けられたスライド板22と、下型40のスライド面40bに対してスライド可能に設けられたスライド板23と、上下スライダ60を下方へ押圧する押圧板24とを備えている。また、第1の吊りカム20は、リターンスプリング25により、初期位置(図1において吊りカム保持部11bの左端)へ付勢されている。なお、本実施形態の第1の吊りカム20が、本発明の「吊りカム」に相当し、本実施形態のリターンスプリング25が、本発明の「第2復帰手段」に相当する。
第2の吊りカム30は、パネルWを成形するための成形部30aと、後述するサブリフタ42のリフト部42aを押圧するために下方へ突出形成された先行押さえ部32と、上型11の吊りカム保持部11cに対して左右方向へスライド可能に設けられたスライド板33と、下型40のスライド面40cに対してスライド可能に設けられたスライド板34とを備えている。また、第2の吊りカム30は、リターンスプリング35により、初期位置(図1において吊りカム保持部11cの右端)に付勢されている。
下型40は、パネルWを下方から支持するポンチ41と、回転カム50を回転可能に保持するカム溝40aと、第1の吊りカム20に備わるスライド板23をスライドさせるスライド面40bと、第2の吊りカムに備わるスライド板34をスライドさせるスライド面40cと、上下スライダ60に備わるスライド板62をスライドさせるスライド面40dとを備えている。
ポンチ41は、パネルWの湾曲形状に応じた支持面41aと、パネルWの右端部Wbを支持可能な支持面41bとを備えている。そして、パネルWは、支持面41aに下方から支持された状態で、パッド12の押さえ面12aにより上方から押さえられて固定されるようになっている。また、ポンチ41の支持面41b側には、下型40に固定されたサブリフタ42が配置されている。このサブリフタ42は、第2の吊りカム30に備わる先行押さえ部32に押圧されて下降するリフト部42aを備えている。このリフト部42aは、バネ(図示略)により初期位置(図1に示す位置)へ付勢されている。
回転カム50は、全体として略円柱形状をなしており、第1の吊りカム20を成形位置へ案内するU字溝51と、上下スライダ60の当接板63に当接される被当接面52とを備えている。
U字溝51の一方面には、パネルWの左端部Waを内側から支持する支持部51aが形成されている。U字溝51の他方面には、第1の吊りカム20に備わるスライド板22をスライドさせるスライド面51bが設けられている。
被当接面52は、回転カム50の一部を平面で切り取った平面形状をなしている。被当接面52の下端には、後述する上下スライダ60の凸部61により押圧可能なトリガ53が、上下スライダ60側へ突出形成されている。なお、本実施形態の被当接面52が、本発明の「被当接部」に相当する。
また、回転カム50には、回転カム50を回転させるシリンダ57と、回転カム50の回転角度を成形位置を越えない範囲に制限する角度制限機構とが設けられている。
シリンダ57は、下型40に固定されており、左右方向へ往復可能に設けられた往復部57aを備えている。往復部57aの先端は、回転カム50に連結されている。そして、シリンダ57が往復部57aを左方向又は右方向へ移動させると、それに伴って回転カム50が右回り又は左回りに回転する構成となっている。
角度制限機構は、下型40に固定された断面四角形状の下死点ストッパ55と、回転カム50に設けられた断面扇形状の切欠溝56とから構成されている。下死点ストッパ55の一部は、切欠溝56内に位置しており、シリンダ57によって回転カム50を回転させると、切欠溝56と下死点ストッパ55とが当接して回転カム50の回転が禁止される構成となっている。これにより、回転カム50の回転角度を成形位置を越えない範囲に制限することができる。
上下スライダ60は、下型40のスライド面40dと回転カム50との間に配置されている。この上下スライダ60は、回転カム50側に下方へ突出形成された凸部61と、下型40のスライド面40dに対してスライド可能に設けられたスライド板62と、回転カム50の被当接面52に当接可能な当接板63とを備えている。また、この上下スライダ60は、リターンスプリング64によって初期位置(図1に示される位置)に付勢されている。そして、上下スライダ60は、第1の吊りカム20に押圧されて下方へスライドすることにより、当接板63を回転カム50の被当接面52に当接させて、パネルWの成形中に回転カム50の回転を禁止するようになっている。本実施形態の上下スライダ60が、本発明の「回転規制部材」に相当する。なお、本実施形態において、上下スライダ60は、図3に示すように、回転カム50の軸方向両端より内側に二つ配置されている。このように、軸方向両端より内側から回転カム50の回転を禁止することにより、軸方向両端の外側から回転カム50の回転を禁止する場合に比べ、回転カム50の回転を容易かつ確実に禁止することができ、回転カム50の撓みを効果的に抑制することができる。
当接板63は、平面形状をなしており、回転カム50の被当接面52と面接触可能に設けられている。また、当接板63は、回転カム50のトリガ53と干渉しないように、トリガ53の両側に一つずつ、すなわち二つの板63a,63bが一組となって配置されている。なお、本実施形態の当接板63が、本発明の「当接部」に相当する。
スライド板62は、下型40に備わるスライド面40dに対してスライド可能な複数の板部材62a〜62cから構成されている。
次に、上記構成を有するプレス装置10の動作について、図1、図4〜図7を参照しながら説明する。図4は、同プレス装置に備わる回転カムを成形位置へ回転させた状態を示す説明図である。図5は、同プレス装置に備わる上型を下死点まで降下させた状態を示す説明図である。図6は、同プレス装置に備わる回転カムを初期位置へ回転させた状態を示す説明図である。図7は、同プレス装置に備わる上型を上死点まで上昇させた状態を示す説明図である。
このプレス装置10では、上型11を上下へ一往復させることによりパネルWの成形が完了する。
まず、図1に示すように、成形対象となるパネルWを、下型40に設けられたポンチ41の支持面41aにセットする。その後、上型11を下降させていく。上型11の下降に伴って、シリンダ57は、往復部57aを右方向へ移動させる。そして、図4に示すように、切欠溝56が下死点ストッパ55に当接すると、回転カム50が成形位置に到着する。回転カム50が成形位置に到着すると、回転カム50の支持部51aは、パネルWの左端部Waを支持する。
第1の吊りカム20は、上型11の下降に伴って下降し、押圧板24により上下スライダ60の上面を下方へ押圧する。下方へ押圧された上下スライダ60は、下型40のスライド面40dに対してスライド板62をスライドさせながら下降する。ここで、本実施形態では、上下スライダ60の下端に凸部61が形成され、回転カム50の被当接面52の下端にトリガ53が形成されているため、たとえシリンダ57の故障等により回転カム50が成形位置まで回転していない場合であっても、上下スライダ60の下降に伴って凸部61がトリガ53を下方へ押圧して回転カム50を成形位置へと回転させることができる。
上下スライダ60が下降していくと、上下スライダ60の当接板63は、回転カム50の被当接面52に当接する。ここで、本実施形態では、当接板63と被当接面52とが、平面形状をなしており、面接触して当接する。このように当接板63と被当接面52とを面接触させることにより、上下スライダ60で回転カム50の回転を容易かつ確実に禁止することがきる。なお、当接板63の面積を大きく設定することで、当接板63と被当接面52との接触面積を増加させて、回転カム50の回転をより確実に禁止することができる。
そして、上型11がさらに下降していくと、図5に示すように、パッド12は、パネルWの成形が開始される前に、押さえ面12aにより、ポンチ41の支持面41aに支持されたパネルWを上方から押さえて固定する。これにより、成形中にパネルWが位置ずれするのを防止することができる。その後、第1の吊りカム20は、スライド板23を下型40のスライド面40bにスライドさせるとともに、スライド板22をスライド面51bにスライドさせる。このように、下型40及びU字溝51に沿って第1の吊りカム20をスライドさせることにより、第1の吊りカム20の成形部20aをパネルWの左端部Waへと確実に導くことができる。そして、回転カム50のU字溝51に挿入された成形部20aは、パネルWの左端部Waを回転カム50の支持部51aへ押し付けて成形する。このとき、回転カム50の支持部51aがパネルWの左端部Wa内側に入り込むため、パネルWの左端部Waは負角部となる。
プレス装置10は、パネルWの成形が終了すると、図6に示すように、上型11を上昇させる。上型11を上昇させると、吊りカム20がU字溝51から退出していく。これに伴って、上下スライダ60は、リターンスプリング64の付勢力により上方へ移動する。上下スライダ60が上方へ移動すると、上下スライダ60の当接板63が回転カム50の被当接面52から離間して、回転カム50の回転が許可される。シリンダ57は、往復部57aを左方へ移動させて、回転カム40を戻り方向(図において右回り)へ回転させ、初期位置へと復帰させる。これにより、回転カム50の支持部51aが左端部Waから外れる。
このプレス装置10では、パネルWの成形後にリターンスプリング64によって上下スライダ60を初期位置へ戻すことにより、パネルWの成形後に速やかに回転カム50の回転を許可することができる。これにより、回転カム50の戻りを早めることができるため、パネルWを取り外す際、回転カム50とパネルWとが干渉するのを回避することができる。その結果、パネルWの取出開始時期を早めて、生産効率をより高めることができる。
上型11を初期位置(図1参照)まで上昇させると、図7に示すように、第1の吊りカム20は、リターンスプリング25により初期位置までスライドする。このように、リターンスプリング25によって第1の吊りカム20を初期位置へ戻すことにより、パネルWの取出時に第1の吊りカム20がパネルWや回転カム50と干渉するのを防止することができる。その結果、パネルWの取出開始時期を早めて、生産効率をさらに高めることができる。
続いて、第2の吊りカム30の動作について説明する。第2の吊りカム30は、図4に示すように、上型11の下降に伴って、スライド板34を下型40のスライド面40cにスライドさせるとともに、先行押さえ部32でサブリフタ42のリフト部42aを下方へ押圧する。そして、上型11がさらに下降すると、図5に示すように、支持部30aによりパネルWの右端部Wbをポンチ41の右側端面41bに押し付けて成形する。
そして、パネルWの成形後、図6に示すように、上型11を上昇させると、第2の吊りカム30も上昇する。これに伴って、サブリフタ42は、リフト部42を上昇させる。そして、上型11がさらに上昇していくと、図7に示すように、サブリフタ42のリフト部42aが初期位置まで復帰する。このとき、リフト部42aは、成形されて屈曲したパネルWの右端部Wbを上方へ押し上げる。これにより、パネルWを、ポンチ41の支持部41aから取り外すことができる。
以上、詳細に説明したように本実施形態に係るプレス装置10によれば、成形対象となるパネルWが、回転カム50に備わる支持部51aにより支持され、第1の吊りカム20に備わる成形部20aにより成形される。これにより、パネルWに対して、成形後に取り外しが困難となる負角部の加工等を容易に行うことができる。また、このプレス装置10では、上下スライダ60が第1の吊りカム20に押圧され、上下スライダ60の当接板63が回転カム50に当接して、パネルWの成形中に回転カム50の回転が禁止される。このように、パネルWの成形中に回転カム50の回転を禁止することにより、パネルWの成形不良を防止して、パネルWを高品質に成形することができる。さらに、このプレス装置10では、回転カム50の成形位置への規制が、下型40にスライド可能に設けられた上下スライダ60により行われる。これにより、回転カム50に、従来技術で述べたスライド板(図10の符号105参照)を設ける必要がない。すなわち、スライド板(図10の符号105参照)と第1の吊りカム20との干渉の問題を解消して、回転カム50の戻りを早くすることができる。その結果、成形後にパネルWの取出開始時期を早めて、生産効率を高めることができる。
また、このプレス装置10によると、回転カム50の戻りを早くすることで、第1の吊りカム20により成形した左端部Waと第2の吊りカム30により成形した右端部Wbとの間における取り外しタイミングの調整を容易に行うことができる。これにより、パネルWの成形をより効率的に行うことができ、生産効率をより高めることができる。また、負角部に成形されたパネルWの左端部Waが回転カム50と干渉したままが取り外される状況を回避できるため、取り外し時におけるパネルWの変形を確実に防止することができる。その結果、パネルWの成形をより高品質に行うことができる。
次に、本実施形態に係るプレス装置10の変更例について、図8を参照しながら説明する。図8は、変更例に係るプレス装置に備わる上下スライダを示す拡大平面図である。この変更例に係るプレス装置は、例えば車両のトランクなどに用いられる広範な面積を有するパネルを成形するものである。なお、上記実施形態と同一の構成部品については、同一符号を付してその説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
変更例に係るプレス装置は、回転カムの形状及び上下スライダの配置において、上記実施形態と相違する。
図8に示すように、回転カム80には、軸方向における両端及び中央位置の3箇所に、上下スライダ60の当接板63(63a,63b)に当接される被当接面81が形成されている。
下型70には、軸方向における両端及び中央位置の3箇所に、上下スライダ60のスライド板62(62a〜62c)をスライドさせるスライド面71が形成されている。
そして、上下スライダ60は、軸方向における両端及び中央位置の3箇所に配置されている。各上下スライダ60は、スライド板62(62a〜62c)を下型70のスライド面71にスライドさせるとともに、各当接板63(63a,63b)を回転カムの被当接面81に当接させている。
このように、上下スライダ60の設置数を増やすことにより、回転カム60の回転をより確実に規制することができる。これにより、板状素材をより高品質に成形することができる。また、このプレス装置では、回転カム80の軸方向における両端及び中央位置の3箇所にて、上下スライダ60の当接板63(63a,63b)を当接させるため、軸方向に長く形成された回転カム50の撓みを防止することができる。その結果、広範な面積を有するパネルを成形する場合にも、高品質に成形することができる。
なお、上記した実施形態及びその変更例は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。以下にその例を示す。
上記した実施形態では、車両のアウター部品に用いられる湾曲したパネルWの左右端部Wa,Wbを成形するプレス装置10に対して本発明を適用したが、これに限られず、回転カムを用いて板状素材の成形を行うプレス装置に広く本発明を適用することができる。
上記した実施形態では、二つの吊りカム20,30によりパネルWを成形するプレス装置10に本発明を適用した場合について説明したが、これに限られず、一又は三以上の吊りカムによりパネルWを成形するプレス装置に本発明を適用することができる。
上記した実施形態では、一つの回転カム50を備えたプレス装置10に本発明を適用した場合について説明したが、これに限られず、複数の回転カムを備えたプレス装置に本発明を適用することができる。
上記した実施形態では、昇降可能に設けられた上型11と、基台に固定された下型40とを備えたプレス装置に本発明を適用した場合について説明したが、これに限られず、上型が固定されて下型が昇降可能なプレス装置、あるいは上型と下型との双方が移動可能なプレス装置に本発明を適用することができる。
上記した実施形態では、サブリフタ42のリフト部42aをバネにより初期位置へ付勢しているが、シリンダ等によりリフト部42aを移動させてもよい。
上記した実施形態では、シリンダ57により回転カム50を回転させているが、バネ等により回転カム50を初期位置へ付勢するようにしてもよい。
上記した実施形態では、リターンスプリング64により上下スライダ60を初期位置へ付勢しているが、シリンダ等により上下スライダ60を移動させてもよい。
10 プレス装置
11 上型
20 第1吊りカム
20a 成形部
21 スライド板
22 スライド板
23 スライド板
24 押圧板
25 リターンスプリング(第2復帰手段)
40 下型
40a カム溝
40b スライド面
40d スライド面
50 回転カム
51 U字溝
51a 支持部
51b スライド面
52 被当接面(被当接部)
55 下死点ストッパ(角度制限手段)
56 切欠溝(角度制限手段)
57 シリンダ(回転手段)
60 上下スライダ(回転規制部材)
61 凸部
62 スライド板(下型)
63 当接板(当接部)
64 リターンスプリング(第1復帰手段)
W パネル
Wa 左端部(負角部)
Wb 右端部

Claims (8)

  1. 上型にスライド可能に保持された吊りカムと、下型に回転可能に保持された回転カムと、下型にスライド可能に保持されて前記回転カムの回転を規制する回転規制部材とを備え、
    前記回転カムは、成形対象となる板状素材を支持する支持部を有し、
    前記吊りカムは、前記支持部に支持された板状素材を成形する成形部を有し、
    前記回転規制部材は、前記回転カムに当接可能な当接部を有し、前記吊りカムに押圧されてスライドすることにより、前記当接部を前記回転カムに当接させて、前記板状素材の成形中に前記回転カムの回転を禁止すること、
    前記回転カムは、前記吊りカムを成形位置へ案内するガイド溝を有していること、
    前記板状素材の成形が終了後、前記吊りカムが前記ガイド溝から退出していくのに伴って、前記回転規制部材が上方へ移動すると、前記回転規制部材の前記当接部が前記回転カムから離間して、前記回転カムの回転が許可される
    ことを特徴とするプレス装置。
  2. 請求項1に記載するプレス装置において、
    前記当接部は、平面形状をなし、
    前記回転カムは、前記当接部に当接可能な平面形状の被当接部を有し、
    前記当接部と前記被当接部とは、面接触して当接する
    ことを特徴とするプレス装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するプレス装置において、
    前記回転規制部材は、複数設けられている
    ことを特徴とするプレス装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載するプレス装置において
    前記吊りカムは、前記ガイド溝に対してスライド可能な第1スライド板を有している
    ことを特徴とするプレス装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載するプレス装置において、
    前記吊りカムは、前記下型に対してスライド可能な第2スライド板を有している
    ことを特徴とするプレス装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載するプレス装置において、
    前記回転カムを回転させる回転手段と、
    前記回転カムの回転角度を、成形位置を越えない範囲に制限する角度制限手段とを有している
    ことを特徴とするプレス装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載するプレス装置において、
    前記回転規制部材を、板状素材の成形後に初期位置へ戻す第1復帰手段を有している
    ことを特徴とするプレス装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載するプレス装置において、
    前記吊りカムを、板状素材の成形後に初期位置へ戻す第2復帰手段を有している
    ことを特徴とするプレス装置。
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