JP2022157054A - 電気融着継手 - Google Patents

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Emiko Takahashi
文夏 北側
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Abstract

【課題】管との間におけるクレビスの発生を抑制することが可能な電気融着継手を提供することを目的とする。【解決手段】電気融着継手1は、筒状部21と、ストッパ部22と、電熱線8と、電熱線9と、を備える。筒状部21は、熱可塑性樹脂を含む樹脂管11が内側に挿入可能な継手受口部23、24を有する。ストッパ部22は、筒状部21の内面21aに内側に突出するように配置され、継手受口部23、24の内側に樹脂管11、12が挿入された際に樹脂管11、12の管端11a、12aの挿入位置を規制する。電熱線8は、継手受口部23、24に配置されている。電熱線9は、ストッパ部22に配置されている。電熱線9の単位長さあたりの抵抗値が、電熱線8の単位長さあたりの抵抗値よりも小さい。【選択図】図3

Description

本開示は、電気融着継手に関する。
樹脂管や、樹脂層および金属補強層を有する金属補強複合管などの樹脂が用いられた管体どうしを接続する際に、電気融着継手が多用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
例えば、特許文献1に示す電気融着継手は、両端部それぞれに接続対象の管体が挿し込まれる継手受口部が形成された熱可塑性樹脂製の継手本体と、継手本体の内周面側に埋設されている電熱線と、を有している。また、継手本体の内周面には、内側に向かって突出して管体の位置を規制するストッパ部が設けられている。
電気融着継手の2つの挿し口部に接続対象の管体をそれぞれ挿し込んだ状態で発熱体を発熱させることより、発熱体周囲における挿し口部の外周部の樹脂と管体の内周部の樹脂とが融着し、電気融着継手を介して管体どうしが接続される。
また、特許文献2には、ストッパ部に電熱線が設けられた構成の電気融着継手が開示されている。
特開2016-194340号公報 特開平5-318596号公報
しかしながら、発明者等の検討によれば、特許文献1、2に示すような構成の電気融着継手を用いた配管構造をプラント内の配管に用いた場合、水や薬液の流れが、継手のストッパ部と樹脂配管の端面との隙間(クレビス)にぶつかることで発生する乱流によって、一部の水や薬液が配管内に滞留するという問題を見出した。
このように滞留した水や薬液には、微生物が繁殖し水質悪化を引き起こしたり、薬液の劣化によって純度低下を引き起したりするため、半導体製造用配管等では、製品歩留まり悪化を引き起こすことがある。
本開示は、管との間におけるクレビスの発生を抑制することが可能な電気融着継手を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の開示にかかる電気融着継手は、筒状部と、ストッパ部と、第1電熱線と、第2電熱線と、を備える。電熱線と、コネクタ取付部と、を備える。筒状部は、熱可塑性樹脂を含む管が内側に挿入可能な継手受口部を有する。ストッパ部は、筒状部の内面に内側に突出するように配置され、継手受口部の内側に管が挿入された際に管の管端の挿入位置を規制する。第1電熱線は、継手受口部に配置されている。第2電熱線は、ストッパ部に配置されている。第2電熱線の単位長さあたりの抵抗値が、第1電熱線の単位長さあたりの抵抗値よりも小さい。
このように第2電熱線の単位長さあたりの抵抗値を、第1電熱線の単位長さあたりの抵抗値よりも小さくすることにより、ストッパ部に配置された第2電熱線の方が、継手受口部に配置された第1電熱線よりも発熱量を多くすることができる。このため、第2管を継手受口部に差し込んでストッパ部に押し当てつつ加熱するときに、管の端面とストッパ部の間の方が管の外周面と継手受口部の内周面の間よりも先に融着されるため、継ぎ目を埋めることができ、クレビスが生じることを抑制できる。
また、継手受口部における発熱量をストッパ部よりも小さくすることにより、管を熱しすぎないため、管の内面における凸部(ももしわ)の発生を抑制することができる。
第2の開示にかかる電気融着継手は、第1の開示にかかる電気融着継手であって、第2電熱線の抵抗値は、第1電熱線の抵抗値よりも小さい。
ストッパ部における第1電熱線の抵抗値が、継手受口部における第2電熱線の抵抗値よりも小さいため、ストッパ部に配置された第2電熱線の方が、継手受口部に配置された第1電熱線よりも発熱量を多くすることができる。このため、第2管を継手受口部に差し込んでストッパ部に押し当てつつ加熱するときに、管の端面とストッパ部の間の方が管の外周面と継手受口部の内周面の間よりも先に融着されるため、継ぎ目を埋めることができ、クレビスが生じることを抑制できる。
第3の開示にかかる電気融着継手は、第1または第2の開示にかかる電気融着継手であって、第2電熱線の導線と第1電熱線の導線は同じ材質で形成されており、第2電熱線の導線の線径は、第1電熱線の導線の線径よりも大きい。
線径が大きい方が、抵抗値が小さくなるため、ストッパ部に配置された第2電熱線の方が、継手受口部に配置された第1電熱線よりも発熱量を多くすることができる。
第4の開示にかかる電気融着継手は、第1~3のいずれかの開示にかかる電気融着継手であって、一対の第1電熱線用端子と、一対の第2電熱線用端子と、を更に備える。一対の第1電熱線用端子は、第1電熱線の両端に接続される。一対の第2電熱線用端子は、第2電熱線の両端に接続される。
これによって、第1電熱線と第2電熱線を別々の系統で通電することができる。
本開示によれば、管との間におけるクレビスの発生を抑制することが可能な電気融着継手を提供することができる。
本開示にかかる実施の形態における電気融着継手および電気融着継手に接続する樹脂管を示す外観図。 図1の電気融着継手を示す断面構成図。 図1の電気融着継手に樹脂管および樹脂管を挿入した状態を示す断面構成図。 図1の電気融着継手に融着機を接続した状態を示す図。 本開示にかかる実施の形態の接続方法に用いられる治具を示す斜視図。 図6の治具に樹脂管、電気融着継手、および樹脂管を取り付けた状態を示す図。 本開示にかかる実施の形態の接続方法を示すフロー図。 融着後の電気融着継手と樹脂管を示す断面構成図。 本開示にかかる他の実施の形態における電気融着継手を示す断面図。 本開示にかかる他の実施の形態における電気融着継手を示す断面図。
以下に、本開示にかかる実施の形態の電気融着継手について図面を参照しながら説明する。
<構成>
(配管構造100の概要)
図1は、本実施の形態の電気融着継手1を用いた配管構造100の分解図である。
電気融着継手1は、樹脂管11(管の一例)および樹脂管12(管の一例)と融着され、樹脂管11と樹脂管12を接続する。図1に示す電気融着継手1と樹脂管11と樹脂管12によって配管構造100が構成される。
樹脂管11、及び樹脂管12は、それぞれ熱可塑性樹脂で形成されている。具体的には、樹脂管11、及び樹脂管12は、ポリエチレンなどのポリオレフィンからなる。また、樹脂管11、12は、単層管であっても、多層管であってもよい。
樹脂管11及び樹脂管12には、内部に断面円形状の流路11f、12fが延びている。電気融着継手1には、内部に断面円形状の流路1fが延びている。樹脂管11と樹脂管12が電気融着継手1によって接続された状態では、樹脂管11と樹脂管12と電気融着継手1の各々の流路の軸線は、同一直線上に配置される。
なお、電気融着継手1、樹脂管11、および樹脂管12の流路に対して、それぞれの軸線が延びる方向を軸線方向Aとする。また、電気融着継手1、樹脂管11、および樹脂管12において、それぞれの軸線に直交して近接・離間する方向を径方向Bとし、それぞれの軸線回りに回る方向を周方向Cとする。
樹脂管11は軸線方向Aのうち電気融着継手1に対して矢印A1方向に相対移動して電気融着継手1に接続される。また、樹脂管12は軸線方向Aのうち電気融着継手1に対して矢印A2方向に相対移動して電気融着継手1に接続される。電気融着継手1に樹脂管11および樹脂管12が融着して接続された状態が、配管構造100を構成する。
(電気融着継手1)
図2は、電気融着継手1の断面構成を示す図である。
電気融着継手1は、図1及び図2に示すように、本体部2と、受口発熱部3、4と、ストッパ発熱部5と、コネクタ取付部6と、コネクタ取付部7を有する。
(本体部2)
本体部2は、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されており、図2に示すように、筒状部21と、ストッパ部22と、を有する。筒状部21は、筒状であって、継手受口部23と、継手受口部24と、連設部25と、を有する。継手受口部23の内側には、樹脂管11が挿入される。継手受口部24の内側には、樹脂管12が挿入される。
本体部2で用いられる熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、230℃未満の融点のものが好ましい。具体的にはポリエチレンが挙げられる。
図3は、電気融着継手1の継手受口部23の内側に樹脂管11を挿し込み、継手受口部24の内側に樹脂管12を挿し込んだ状態を示す断面構成図である。
継手受口部23の内径は、樹脂管11の外径以上に形成されている。また、継手受口部24の内径は、樹脂管12の外径以上に形成されている。なお、樹脂管11の外径が継手受口部23の内径よりも大きい場合には、スクレーパ等で樹脂管11の外周を削ることによって樹脂管11を継手受口部23に挿入することができる。また、樹脂管12の外径が継手受口部24の内径よりも大きい場合には、スクレーパ等で樹脂管12の外周を削ることによって樹脂管12を継手受口部23に挿入することができる。
連設部25は、図2に示すように継手受口部23と継手受口部24に連なっており、継手受口部23と継手受口部24を接続する。連設部25は、継手受口部23と継手受口部24の間を繋ぐ部分であり、後述するストッパ部22が径方向Bの内側に設けられている。筒状部21の継手受口部23側の端を21bとし、継手受口部24側の端を21cとする。
(ストッパ部22)
ストッパ部22は、円環状部分である。ストッパ部22は、筒状部21の内面21aに周方向Cに沿って突条に全周にわたって形成されている。ストッパ部22も熱可塑性樹脂が含まれ、好ましくは筒状部21で用いられる熱可塑性樹脂と同一の樹脂で形成される。
ストッパ部22は、筒状部21の内面21aから径方向の内側に向かって突出するように形成されている。また、ストッパ部22は、筒状部21の連設部25の径方向Bの内側に配置されている。なお、ストッパ部22は、筒状部21と一つの部材として形成されてもよいし、筒状部21と別部材として形成されてもよい。
ストッパ部22は、第1側面22aと、第2側面22bと、周面22cとを有する。周面22cは、ストッパ部22の径方向内側の端面である。
第1側面22aは、筒状部21の内面21aから径方向Bの内側に向かって軸線方向Aに対して略垂直に形成されている。第1側面22aは、ストッパ部22の継手受口部23側の側面である。
第2側面22bは、筒状部21の内面21aから径方向Bの内側に向かって軸線方向Aに対して略垂直に形成されている。第2側面22bは、ストッパ部22の継手受口部24側の側面である。
周面22cは、第1側面22aの径方向内側の端と、第2側面22bの径方向内側の端を繋ぐ。周面22cは、筒状部21の内面21aと概ね平行に形成されている。
継手受口部23の内側に樹脂管11が挿入されると、図3に示すように、ストッパ部22の第1側面22aに樹脂管11の管端11aが接触し、管端11aの挿入位置が規制される。なお、第1側面22aに管端11aが接触するとは、第1側面22aに管端11aが直接接触する場合と、管端11aがストッパ発熱部5の電熱線9(後述する)を介して第1側面22aに間接的に接触する場合を含む。
継手受口部24の内側に樹脂管12が挿入されると、図3に示すように、ストッパ部22の第2側面22bに樹脂管12の管端12aが接触し、管端12aの挿入位置が規制される。なお、第2側面22bに管端12aが接触するとは、第2側面22bに管端12aが直接接触する場合と、管端12aがストッパ発熱部5の電熱線9(後述する)を介して第2側面22bに間接的に接触する場合を含む。
(受口発熱部3、4)
受口発熱部3は、継手受口部23に設けられている。受口発熱部4は、継手受口部24に設けられている。
受口発熱部3、4は、1本の電熱線8(第1電熱線の一例)が巻き回されて形成されている。ここで、説明のために、電熱線8のうち受口発熱部3を形成する部分を電熱線部分8aとし、電熱線8のうち受口発熱部4を形成する部分を電熱線部分8cとし、電熱線部分8aと電熱線部分8cを繋ぐ部分を電熱線部分8bとする。
電熱線8は、例えば導線81と、絶縁皮膜82を有している。導線81は、例えばニクロム線、鉄クロム2種線,鉄クロム1種線,ニッケルクロム線などを用いることができる。導線81の線径は、例えば、φ0.3mm~0.8mmに設定することができる。φ0.3mm未満の場合、巻き線時の張力で伸長し抵抗値が不安定になるおそれがある。また、導線81の単位長さの抵抗値は、線径に応じて2.0~20.5Ω/m程度である。
絶縁皮膜82は、導線の周囲を覆うように設けられている。絶縁皮膜82は、融点が230度以上である。これは、本実施の形態において熱可塑性樹脂が溶融する温度(例えばポリエチレンの場合、電熱線は220度まで加熱する)でも溶融しない温度に設定されている方が好ましい。絶縁皮膜82は、例えばフッ素系樹脂またはイミド系樹脂で形成することができるが、ポリイミド系樹脂で形成する方がより好ましい。例えば、絶縁皮膜82の厚みは0.01μm以上0.02μm以下に設定してもよい。なお、電熱線8は、絶縁皮膜82を有していなくてもよい。
受口発熱部3は、図2に示すように筒状部21の一方の端である継手受口部23において内面21aに埋め込まれた電熱線部分8aを有している。
受口発熱部3では、電熱線8は、内面21aに沿って周方向に2周巻き回されるように配置されている。受口発熱部3において、2周巻き回された電熱線部分8aは軸線方向Aにおいて隣接して配置されている。電熱線部分8aは、内面21aの近傍に配置されている。なお、電熱線部分8aは、一部が流路1f側に露出するように筒状部21に埋められていてもよいし、完全に埋設されていてもよい。
受口発熱部4は、図2に示すように筒状部21の他方の端である継手受口部24において内面21aに埋め込まれた電熱線部分8cを有している。
受口発熱部4では、電熱線8は、内面21aに沿って周方向に2周巻き回されるように配置されている。受口発熱部4において、2周巻き回された電熱線部分8cは軸線方向Aにおいて隣接して配置されている。電熱線部分8cは、内面21aの近傍に配置されている。なお、電熱線部分8cは、一部が流路1f側に露出するように筒状部21に埋められていてもよいし、完全に埋設されていてもよい。
受口発熱部4は、受口発熱部3とストッパ部22を基準に左右対称に設けられている。
電熱線部分8bは、連設部25を通って、受口発熱部3の電熱線部分8aと受口発熱部4の電熱線部分8cとを繋ぐ。電熱線部分8bは、ストッパ部22の外側を通っている。なお、図2では、電熱線部分8bは、軸線方向Aに沿って配置されているが、周方向Cに沿って巻き回されながら電熱線部分8aと電熱線部分8cを繋いでもよい。
受口発熱部3は、ストッパ部22から所定の間隔Lを空けて配置されている。所定の間隔Lは、第1側面22aを径方向Bに延ばした仮想面S1からストッパ部22に最も近い電熱線部分8aまでの軸線方向Aに沿った距離である。また、受口発熱部4は、ストッパ部22から所定の間隔Lを空けて配置されている。所定の間隔Lは、第2側面22bを径方向Bに延ばした仮想面S2からストッパ部22に最も近い電熱線部分8aまでの軸線方向Aに沿った距離である。なお、この間隔Lがゼロに設定されていてもよく、この場合、電熱線部分8aが仮想面S1に接し、電熱線部分8cが仮想線S2に接する。
(ストッパ発熱部5)
ストッパ発熱部5は、ストッパ部22に設けられている。ストッパ発熱部5は、電熱線9(第2電熱線の一例)が巻き回されて形成されている。電熱線9は、本実施の形態では、ストッパ部22に例えば2周巻き回されている。ストッパ部22において、2周巻き回された電熱線9は、軸線方向Aにおいて隣接している。
電熱線9は、ストッパ部22に埋め込まれているが、一部が第1側面22a、第2側面22bまたは周面22cから流路1f側に露出するようにストッパ部22に埋められていてもよい。
電熱線9は、例えば導線91と、絶縁皮膜92を有している。導線91は、例えばニクロム線、鉄クロム2種線,鉄クロム1種線,ニッケルクロム線などを用いることができる。導線91の線径は、例えば、φ0.4mm~0.8mmに設定することができる。φ0.3mm未満の場合、巻き線時の張力で伸長し抵抗値が不安定になるおそれがある。また、導線91の単位長さの抵抗値は、線径に応じて2.0~12.0Ω/m程度である。
絶縁皮膜92は、導線の周囲を覆うように設けられている。絶縁皮膜92は、融点が230度以上である。これは、本実施の形態において熱可塑性樹脂が溶融する温度(例えばポリエチレンの場合、電熱線は220度まで加熱する)でも溶融しない温度に設定されている方が好ましい。絶縁皮膜92は、例えばフッ素系樹脂またはイミド系樹脂で形成することができるが、ポリイミド系樹脂で形成する方がより好ましい。例えば、絶縁皮膜92の厚みは0.01μm以上0.02μm以下に設定してもよい。なお、電熱線9は、絶縁皮膜92を有していなくてもよい。
電熱線9の単位長さ当たりの抵抗値は、電熱線8の単位長さ当たりの抵抗値よりも小さく設定されている。ストッパ部22に配置されている電熱線部分9aの抵抗値は、継手受口部23に配置されている電熱線部分8aの抵抗値よりも小さく設定されている。ストッパ部22に配置されている電熱線部分9aの抵抗値は、継手受口部24に配置されている電熱線部分8cの抵抗値よりも小さく設定されている。
また、電熱線9の導線91と、電熱線8の導線81が同じ材料で形成されている場合、導線91は導線81よりも線径が大きく設定されている。
(コネクタ取付部6)
コネクタ取付部6は、図2に示すように、軸線方向Aにおいて筒状部21の端部近傍に配置されている。
コネクタ取付部6は、第1端子61と、第2端子62と、を有している。第1端子61および第2端子62は、一対の受口用端子の一例に対応する。第1端子61には、融着機10のコネクタ101が取り付けられる。第2端子62には、融着機10のコネクタ102が取り付けられる。第1端子61および第2端子62は、電熱線8の両端に接続される。第1端子61と第2端子62は、筒状部21に軸線方向Aに沿って並んで配置されている。第1端子61および第2端子62は、筒状部21の外面21dから外側に向かって突出するように設けられている。第1端子61は、筒状部21の端21b近傍に配置されており、第2端子62は、筒状部21の端21c近傍に配置されている。
第1端子61には、電熱線8の端21b側の端部8e1が接続されている。第2端子62には、電熱線8の端21c側の端部8e2が接続されている。これにより、第1端子61、端部8e1、電熱線部分8a、電熱線部分8b、電熱線部分8c、端部8e2および第2端子62の順に電気的に接続されている。
(コネクタ取付部7)
コネクタ取付部7には、融着機10のコネクタ103、104が取り付けられる。コネクタ取付部7は、図2に示すように軸線方向Aにおいて筒状部21の中央近傍に配置されている。
コネクタ取付部7は、第1端子71と、第2端子72と、を有している。第1端子71および第2端子72は、一対のストッパ用端子の一例に対応する。第1端子71には、融着機10のコネクタ103が取り付けられる。第2端子72には、融着機10のコネクタ104が取り付けられる。第1端子71および第2端子72は、電熱線9の両端に接続される。第1端子71と第2端子72は、筒状部21に軸線方向Aに沿って並んで配置されている。第1端子71および第2端子72は、筒状部21の外面21dから外側に向かって突出するように設けられている。第1端子71および第2端子72は、筒状部21の軸線方向Aにおける中央近傍に配置されている。第1端子71は、筒状部21の端21b側に配置されており、第2端子62は、筒状部21の端21c側に配置されている。第1端子61、第1端子71、第2端子72および第2端子62の順に軸線方向Aに沿って並んで配置されている。
第1端子71は、図2に示すように、電熱線9の両端のうち端21b側の第1端部9e1に接続されている。第2端子72は、電熱線9の両端のうち端21c側の第2端部9e2に接続されている。電熱線9のうちストッパ部22に配置されている部分を電熱線部分9aとすると、第1端子71、端部9e1、電熱線部分9a、端部9e2および第2端子72の順に電気的に接続されている。
なお、本実施の形態では、端部8e1、電熱線部分8a、電熱線部分8b、電熱線部分8c、および端部8e2が同じ電熱線8で形成されており、端部9e1、電熱線部分9a、および端部9e2が同じ電熱線9で形成されており、電熱線9の単位長さ当たりの抵抗値は、電熱線8の単位長さ当たりの抵抗値よりも小さく設定されているが、少なくとも巻き回されている電熱線部分9aの単位長さ当たりの抵抗値が、巻き回されている電熱線部分8aと電熱線部分8cの単位長さ当たりの抵抗値よりも小さければよい。すなわち、巻き回されている電熱線部分8aおよび電熱線部分8cが、第1電熱線の一例に対応し、巻き回されている電熱線部分9aが第2電熱線の一例に対応する。また、電熱線8の導線81と電熱線9の導線91の材料が同じ場合、電熱線部分9aの線径が、電熱線部分8a、8cの線径よりも大きく設定されていればよい。
(融着機10)
融着機10は、電気融着継手1に通電を行う。図4は、融着機10によって電気融着継手1に通電を行う状態を示す図である。
融着機10は、本体110と、一対のコネクタ101、102と、一対のコネクタ103、104と、を有する。
本体110は、電気融着継手1に通電を行う際に、オペレータによって操作される操作部等を有している。
一対のコネクタ101、102の各々は、ケーブルを介して本体110に接続されている。電気融着継手1の電熱線8に通電を行うためには、コネクタ101が第1端子61に接続され、コネクタ102が第2端子62に接続される。
一対のコネクタ103、104の各々は、ケーブルを介して本体110に接続されている。電気融着継手1の電熱線9に通電を行うためには、コネクタ103が第1端子71に接続され、コネクタ104が第2端子72に接続される。
例えば、電気融着継手1に、その径に応じてタグ等が付属しており、本体110が、タグを読み込むリーダ等を備えていてもよい。これにより、本体110は、電気融着継手1の径に応じて、一対のコネクタ101、102の間と、一対のコネクタ103、104の間の夫々に対して予め設定された通電時間を自動で設定することができる。これらの動作を実行する場合、本体110は、プロセッサと、記憶装置を含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。或いは、プロセッサは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサは、プログラムに従って通電を制御するための処理を実行する。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。記憶装置は、ハードディスク、あるいはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶装置は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置は、電気融着継手1に通電を行うためのプログラムおよびデータを記憶している。
<治具200>
次に、本開示にかかる実施の形態の接続方法に用いる治具200について説明する。治具200に樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12が配置される。図5は、治具200を示す図である。図6は、樹脂管11、電気融着継手1、および樹脂管12を治具200に取り付けた状態を示す図である。
治具200は、第1クランプ部210と、第2クランプ部220と、軸部230と、押圧部240と、規制部250と、台座260と、を備える。
(台座260)
台座260は、板状の部材である。台座260は、その上面側に配置された第1クランプ部210、第2クランプ部220、軸部230、押圧部240、および規制部250を支持する。
(第1クランプ部210)
第1クランプ部210は、樹脂管11を挟み込んで固定する。第1クランプ部210は、下側クランプ部211と、上側クランプ部212と、ヒンジ部213と、締結部214と、軸受け部215と、を有する。下側クランプ部211は、上面に半円形状の凹部211aが形成された部材である。本実施の形態では、下側クランプ部211は、上面に半円形状の凹部が形成された概略直方体形状の部材である。
軸受け部215は、下側クランプ部211に設けられている。軸受け部215は、下側クランプ部211に形成された貫通孔に挿入されている。軸受け部215は、凹部211aよりも下側に配置されている。軸受け部215の内側に、後述する軸部230が挿通される。軸受け部215の軸方向は、凹部211aの中心軸と平行に配置されている。これにより、第1クランプ部210は、軸部230に沿って移動することができる。樹脂管11、樹脂管12および電気融着継手1を治具に配置した状態では、軸受け部215の軸方向は、軸線方向Aと平行である。
上側クランプ部212は、半円形状の凹部212aが形成された部材である。本実施の形態では、上側クランプ部212は、所定の一面に半円形状の凹部212aが形成された概略直方体形状の部材である。
上側クランプ部212と下側クランプ部211は、それらに形成された凹部212aおよび凹部211aで樹脂管11の外周を挟み込むことができる。樹脂管11を挟み込んだ状態において凹部212aと凹部211aの中心軸は概ね一致する。また、樹脂管11を挟み込んだ状態において、この中心軸は上述した軸線方向Aと一致する。
ヒンジ部213は、下側クランプ部211と上側クランプ部212の端同士を回動可能に連結する。ヒンジ部213を中心にして下側クランプ部211に対して上側クランプ部212が回動可能に構成されている。上側クランプ部212は、ヒンジ部213を中心にして回転した際に、その凹部212aが下側クランプ部211の凹部211aと対向するようにヒンジ部213を介して下側クランプ部211に取り付けられている。
ヒンジ部213を中心に、下側クランプ部211と上側クランプ部212の間が開いた状態で、樹脂管11が下側クランプ部211の凹部211aに沿って配置される。その後、上側クランプ部212がヒンジ部213を中心に回動し、樹脂管11が凹部212aに嵌るように配置される。
締結部214は、いわゆるスナップ錠である。締結部214は、錠本体214aと、突起214bと、を有する。締結部214は、下側クランプ部211および上側クランプ部212の凹部211a、212aを挟んでヒンジ部213とは反対側に設けられている。錠本体214aは、下側クランプ部211の側面に配置されている、突起214bは、上側クランプ部212の側面に配置されている。錠本体214aは、レバー214cと、環状部214dと、を有する。上側クランプ部212を下側クランプ部211の上側に回動した状態で、環状部214dを突起214bに引っ掛けてレバー214cを下側に倒すことによって、下側クランプ部211に対して上側クランプ部212を閉じた状態で締結することができる。
(第2クランプ部220)
第2クランプ部220は、樹脂管12を挟み込んで固定する。第2クランプ部220は、樹脂管12の中心軸が樹脂管11の中心軸と一致するように樹脂管12を固定する。
第2クランプ部220は、下側クランプ部221と、上側クランプ部222と、ヒンジ部223と、締結部224と、を有する。下側クランプ部221は、上面に半円形状の凹部221aが形成された部材である。本実施の形態では、下側クランプ部221は、上面に半円形状の凹部が形成された概略直方体形状の部材である。下側クランプ部211は、ブラケット270を介して台座260に固定されている。
上側クランプ部222は、半円形状の凹部222aが形成された部材である。本実施の形態では、上側クランプ部222は、所定の一面に半円形状の凹部222aが形成された概略直方体形状の部材である。
上側クランプ部222と下側クランプ部221は、それらに形成された凹部222aおよび凹部221aで樹脂管12の外周を挟み込むことができる。樹脂管12を挟み込んだ状態において凹部222aと凹部221aの中心軸は概ね一致する。また、樹脂管12を挟み込んだ状態において、この中心軸は上述した軸線方向Aと一致する。
ヒンジ部223は、下側クランプ部221と上側クランプ部222の端同士を回動可能に連結する。ヒンジ部223を中心にして下側クランプ部221に対して上側クランプ部222が回動可能に構成されている。上側クランプ部222は、ヒンジ部223を中心にして回転した際に、その凹部222aが下側クランプ部221の凹部221aと対向するようにヒンジ部223を介して下側クランプ部221に取り付けられている。
ヒンジ部223を中心に、下側クランプ部221と上側クランプ部222の間が開いた状態で、樹脂管12が下側クランプ部221の凹部221aに沿って配置される。その後、上側クランプ部222がヒンジ部223を中心に回動し、樹脂管12が凹部222aに嵌るように配置される。
締結部224は、いわゆるスナップ錠である。締結部224は、錠本体224aと、突起224bと、を有する。締結部224は、下側クランプ部221および上側クランプ部222の凹部221a、222aを挟んでヒンジ部223とは反対側に設けられている。錠本体224aは、下側クランプ部221の側面に配置されている、突起224bは、上側クランプ部222の側面に配置されている。錠本体224aは、レバー224cと、環状部224dと、を有する。上側クランプ部222を下側クランプ部221の上側に回動した状態で、環状部224dを突起224bに引っ掛けてレバー224cを下側に倒すことによって、下側クランプ部221に対して上側クランプ部222を閉じた状態で締結することができる。
樹脂管11と樹脂管12を電気融着継手1に挿入した状態で、第1クランプ部210で樹脂管11を挟み、第2クランプ部220で樹脂管12を挟むことによって、治具200に樹脂管11と樹脂管12と電気融着継手1を配置することができる。
(軸部230)
軸部230は、台座260に支持されている。軸部230は、第1クランプ部210の凹部211aおよび凹部212aの中心軸と平行に配置されている。軸部230は、第2クランプ部220の凹部221aおよび凹部222aの中心軸と平行に配置されている。また、軸部230は、第1クランプ部210に固定された樹脂管11および第2クランプ部220に固定された樹脂管12の中心軸と平行に配置されている。軸部230は、上述した軸線方向Aに沿って配置されている。
軸部230は、第2クランプ部220から第1クランプ部210側に向かって伸びている。軸部230には、第1クランプ部210が、軸部230に沿って移動可能に取り付けられている。軸部230は、下側クランプ部221から下側クランプ部211に亘って配置されている。第1クランプ部210の下側クランプ部211の凹部211aよりも下方の部分に軸受け部215が配置されており、軸受け部215に軸部230が挿通されている。
(押圧部240)
押圧部240は、第1クランプ部210を第2クランプ部220側に向けて軸部230に沿って押圧する。押圧部240は、バネ241と、ナット242と、を有する。
第1クランプ部210の第2クランプ部220とは反対側の軸部230の周囲にバネ241が配置されている。
ナット242は、バネ241の第1クランプ部210とは反対側の軸部230に配置されている。軸部230の第2クランプ部220とは反対側の端の周囲には、雄ネジ形状が形成されており、ナット242の内側に形成された雌ネジ形状と螺合している。ナット242は、回転させることによって軸部230に沿って移動可能である。
バネ241は、ナット242と第1クランプ部210の間に配置されている。ナット242が軸部230と螺合して、軸部230における位置が固定されているため、バネ241は、第1クランプ部210に対して第2クランプ部220に向かう荷重を付加する。荷重は、例えば1~50kgfの範囲で設定でき、3~20kgfの範囲がより好ましい。また、樹脂管11、12および電気融着継手1を治具200に配置した状態で、ナット242を回転させて第1クランプ部210に近づけるとバネ241が圧縮されるため、第1クランプ部210にかかる荷重を増やすことができる。一方、ナット242を回転させて第1クランプ部210から遠ざけるとバネ241は伸長するため、第1クランプ部210にかかる荷重を少なくすることができる。
なお、図6に示すように、治具200に樹脂管11と樹脂管12と電気融着継手1を配置した状態で第1クランプ部210に押圧部240によって荷重をかけることによって、樹脂管11の管端11aと樹脂管12の管端12aに、ストッパ部22に押し付けられるように荷重が付与される。
(規制部250)
規制部250は、第1クランプ部210が押圧部240によって第2クランプ部220側に移動しすぎることを規制する。
規制部250は、第1クランプ部210と第2クランプ部220の間に配置されている。
規制部250は、固定部251と、当接部252とを有している。固定部251は、台座260に固定されている。当接部252は、固定部251から上方に延びた部分であり、軸部230に周囲に配置されている。第1クランプ部210の軸受け部215が当接部252に当接することによって、それ以上第1クランプ部210が第2クランプ部220側に移動することを規制することができる。
<接続方法>
次に、上述した治具200を用いた接続方法について説明する。図7は、本実施の形態の接続方法を示すフロー図である。
はじめに、ステップS1において、樹脂管11および樹脂管12が電気融着継手1に挿入される。図3に示すように、ストッパ部22によって樹脂管11の管端11aの相対的な移動が規制されるまで、電気融着継手1の継手受口部23の内側に樹脂管11が挿入される。次に、ストッパ部22によって樹脂管12の管端12aの相対的な移動が規制されるまで、電気融着継手1の継手受口部24の内側に樹脂管12が挿入される。電気融着継手1に樹脂管11および樹脂管12が差し込まれた状態が図3に示されている。なお、ステップS1の前に、樹脂管11、12の小口面(ストッパ部22との対向面)をスクレープして電気融着継手1に挿入すると、融着の強度が向上するのでより好ましい。
この状態で、ステップS2(配置ステップの一例)において、図6に示すように、第1クランプ部210によって樹脂管11を挟み込んで固定し、第2クランプ部220によって樹脂管12を挟み込んで固定し、治具200に樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12が配置される。
樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12を治具200に固定することによって、ステップS3(加圧ステップの一例)において、押圧部240の付勢力によって第1クランプ部210に第2クランプ部220に向かって荷重が付与される。第1クランプ部210の第2クランプ部220に向かう荷重の付与により、樹脂管11の管端11aがストッパ部22の第1側面22aに押し付けられ、樹脂管12の管端12aがストッパ部22の第2側面22bに押し付けられる。
次に、ステップS4(加熱ステップの一例)において、加圧された状態において、図4に示すように、コネクタ取付部6の第1端子61に融着機10のコネクタ101が取り付けられ、第2端子62にコネクタ102が取り付けられる。また、コネクタ取付部7の第1端子71に融着機10のコネクタ103が取り付けられ、第2端子72にコネクタ104が取り付けられる。
そして、オペレータが本体110の操作部を操作することによって、電熱線8および電熱線9に通電が行われる。
この通電による電熱線9の発熱によってストッパ発熱部5が発熱してストッパ部22と樹脂管11の管端11aおよび樹脂管12の管端12aが溶融し、管端11aおよび管端12aがストッパ部22に接合する。
また、電熱線8の発熱によって、受口発熱部3、4が発熱して、継手受口部23、24の内面と、樹脂管11、12の外面が溶融し、継手受口部23、24の内面と樹脂管11、12の外面が接合する。
ここで、電熱線9の単位長さあたりの抵抗値が、電熱線8の単位長さあたりの抵抗値よりも小さく設定されているため、ストッパ部22に配置された電熱線9の方が、継手受口部23、24に配置された電熱線8よりも発熱量を多くすることができる。このため、樹脂管11、12の管端11a、12aとストッパ部22の間の方が樹脂管11、12の外周面と継手受口部23、24の内周面の間よりも先に融着されるため、継ぎ目を埋めることができ、クレビスが生じることを抑制できる。
また、継手受口部23、24における発熱量をストッパ部22よりも小さくすることにより、樹脂管11、12を熱しすぎないため、樹脂管11、12の内面における凸部(ももしわ)の発生を抑制することができる。
なお、通電によってストッパ部22が溶けて軸線方向Aの幅が小さくなり付与される荷重が小さくなるため、ナット242を第2クランプ部220側に向かって移動させることによって、バネ241による第1クランプ部210に掛ける荷重を確保することができる。なお、荷重は、管端11a、12aが溶けても変化しないことが望ましいが、変化してもよい。
通電時の電熱線温度は本体部2を溶融させる温度であればよく、ポリオレフィンの場合は220度以下が好ましい。
次に、ステップS5(冷却ステップの一例)において、溶融された樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12の冷却が所定時間行われる。なお、ステップS5が終了するまで押圧部240による荷重の付与を継続する方が好ましい。
図8は、樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12が溶融して接続された状態を示す図である。図8に示すように、ストッパ部22が溶融し、樹脂管11、12よって押されて狭まり、樹脂管11と樹脂管12の間を埋めて、ビードRが形成される。
<配管構造100の超純水用途>
本開示にかかる実施の形態の配管構造100は、例えば超純水の輸送に用いることができる。具体的には、本開示にかかる実施の形態の超純水用の配管構造100は、超純水製造装置内の配管、超純水製造装置からユースポイントに超純水を輸送する配管、及びユースポイントからの超純水返送用配管等として用いることができる。
超純水とは、極度に純度の高い水であり、例えば半導体素子などの電子機器の洗浄に好適に用いられるものである。超純水のグレードを表すための指標は多々あるが、この実施形態では、超純水の電気抵抗率は18.2MΩ・cm以上であり、TOCは50ppb以下である。
本開示にかかる実施の形態の配管構造100は、超純水に対する要求水質が特に厳格な、原子力発電用水配管、若しくは、医薬品の製造工程、半導体素子又は液晶、より好ましくは半導体素子の製造工程における洗浄などの湿式処理工程で用いられる超純水の輸送配管であることが好ましい。当該半導体素子としても、より高い集積度を有するものが好ましく、具体的には、最小線幅65nm以下の半導体素子の製造工程で用いられることがより好ましい。半導体製造に使用される超純水の品質等に関する規格としては、例えばSEMI F75が挙げられる。
また、本発開示にかかる実施の形態の配管構造100はポリエチレン系樹脂層を有しているため、施工性に優れる。たとえば、比較的低温で、EF(電気融着)接合といった融着施工を容易に行うことができる。
<特徴等>
本実施の形態の電気融着継手1は、筒状部21と、ストッパ部22と、電熱線8(第1電熱線の一例)と、電熱線9(第2電熱線の一例)と、を備える。筒状部21は、熱可塑性樹脂を含む樹脂管11が内側に挿入可能な継手受口部23、24を有する。ストッパ部22は、筒状部21の内面21aに内側に突出するように配置され、継手受口部23、24の内側に樹脂管11、12が挿入された際に樹脂管11、12の管端11a、12aの挿入位置を規制する。電熱線8は、継手受口部23、24に配置されている。電熱線9は、ストッパ部22に配置されている。電熱線9の単位長さあたりの抵抗値が、電熱線8の単位長さあたりの抵抗値よりも小さい。
このように電熱線9の単位長さあたりの抵抗値を、電熱線8の単位長さあたりの抵抗値よりも小さくすることにより、ストッパ部22に配置された電熱線9の方が、継手受口部23、24に配置された電熱線8よりも発熱量を多くすることができる。このため、樹脂管11、12を継手受口部23、24に差し込んでストッパ部22に押し当てつつ加熱するときに、樹脂管11,12の管端11a、12aとストッパ部22の間の方が樹脂管11、12の外周面と継手受口部23、24の内周面の間よりも先に融着されるため、継ぎ目を埋めることができ、クレビスが生じることを抑制できる。
また、継手受口部23、24における発熱量をストッパ部22よりも小さくすることにより、樹脂管11、12を熱しすぎないため、樹脂管11、12の内面における凸部(ももしわ)の発生を抑制することができる。
本実施の形態の電気融着継手1では、電熱線9の抵抗値は、電熱線8の抵抗値よりも小さい。
ストッパ部22における電熱線9の抵抗値が、継手受口部23、24における電熱線8の抵抗値よりも小さいため、ストッパ部22に配置された電熱線9の方が、継手受口部23、24に配置された電熱線8よりも発熱量を多くすることができる。このため、樹脂管11、12を継手受口部23、24に差し込んでストッパ部22に押し当てつつ加熱するときに、樹脂管11、12の管端11a、12aとストッパ部22の間の方が樹脂管11、12の外周面と継手受口部23、24の内周面の間よりも先に融着されるため、継ぎ目を埋めることができ、クレビスが生じることを抑制できる。
本実施の形態の電気融着継手1では、電熱線9の導線91と電熱線8の導線81は同じ材料で形成されており、電熱線9の導線91の線径は、電熱線8の導線81の線径よりも大きい。
線径が大きい方が、抵抗値が小さくなるため、ストッパ部22に配置された電熱線9の方が、継手受口部23、24に配置された電熱線8よりも発熱量を多くすることができる。
本実施の形態の電気融着継手1は、一対の端子61、62(受口用端子の一例)と、一対の端子71、72(ストッパ用端子)と、を更に備える。一対の端子61、62は、電熱線8の両端部8e1、8e2に接続される。一対の端子71、72は、電熱線9の両端部9e1、9e2に接続される。
これによって、電熱線8と電熱線9を別々の系統で通電することができる。
<他の実施の形態>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態では、電熱線8と電熱線9には、それぞれに一対の端子が接続されており、別々に通電しているが、電熱線8と電熱線9が繋がっており、一対の端子が1組だけ設けられていてもよい。図9は、電熱線8と電熱線9が繋がっている電気融着継手301を示す図である。電気融着継手301では、電熱線9の端21b側の端部9e1が電熱線部分8aのストッパ部22側の端に接続されている。電熱線9の端21c側の端部9e2が電熱線部分8cのストッパ部22側の端に接続されている。なお、電熱線部分8aと電熱線部分8cは電熱線9を介して接続されているため電熱線部分8bは設けられていない。また、電熱線9の両端が電熱線部分8a、8cに接続されているため、端子71と端子72も設けられていない。
これにより、端子61,端部8e1、電熱線部分8a、電熱線9(端部9e1、電熱線部分9a、端部9e2)、電熱線部分8c、端部8e2、および端子62の順に電気的に接続されている。なお、端部9e1と端部9e2については、ストッパ部22にもうけられていないため、電熱線9の代わりに電熱線8が用いられてもよい。
なお、このように電熱線8と電熱線9を1つの系統で加熱しようとすると、電熱線8と電熱線9を繋ぐ必要があるため、上述した実施の形態の電気融着継手1と比べて繋ぐ手間がかかり、コストが向上する。また、つなぎ方によって抵抗値がかわるため、電気融着継手1と比べると抵抗値がバラつく可能性がある。そのため、上述した実施の形態の電気融着継手1のように電熱線8と電熱線9を別々の系統で通電する方が、コストアップを低減し、抵抗値のバラつきを低減できるため好ましいが、図9に示す電気融着継手301においても、ストッパ部22の発熱量を、継手受口部23、24の発熱量よりも増加させることができるため、樹脂管11、12と電気融着継手301の間におけるクレビスの発生を抑制することができる。
(B)
上記実施の形態では、ストッパ発熱部5において1本の電熱線9が隣と接触するように2周巻き回されているが、これに限られるものではなく、1周または3周以上であってもよい。また、1本に限らず、2本以上の電熱線9を巻き回してストッパ発熱部5を形成してもよい。ストッパ発熱部5において、電熱線部分9aは全部または一部が隣と接触しないように巻き回されていてもよい。
(C)
上記実施の形態では、受口発熱部3、4の各々において1本の電熱線8が隣と接触するように2周巻き回されているが、これに限られるものではなく、1周若しくは3周以上であってもよい。また、1本に限らず、2本以上の電熱線8を巻き回して受口発熱部3、4を形成してもよい。受口発熱部3、4の各々において電熱線部分8a、8cは、全部または一部が隣と接触しないように巻き回されていてもよい。また、受口発熱部3と受口発熱部4は左右対称でなくてもよい。
(D)
上記実施の形態では、第1クランプ部210に対して荷重を付加する押圧部として、バネ241およびナット242が用いられているが、これに限らなくてもよく、モータやシリンダ等であってもよい。また、管端11a、12aをストッパ部22に押し付けることは、第1クランプ部210への荷重の付加または移動量のいずれによるものであってもよい。
(E)
上記実施の形態では、樹脂管11と樹脂管12は同じ径であるため電気融着継手1は同径継手であるが、樹脂管11、12の径が異なっており、電気融着継手1が異径継手であってもよい。上記実施の形態では、電気融着継手1の流路はいずれも直線状に形成されているが、流路が曲がっているエルボ継手であってもよい。
このように、本開示における筒状部は、曲がっていてもよいし、径が変化してもよく、要するに内側に中空部分を有する形状であればよい。
(F)
上記実施の形態では、軸線方向Aに沿って視た場合、ストッパ部22の外径は円形状であるが、円に限らなくても良く、多角形状であってもよい。
(G)
上記実施の形態では、受口発熱部3、4およびストッパ発熱部5に通電する前から押圧部240によって電気融着継手1に樹脂管11と樹脂管12を加圧しているが、通電した後、通電中の途中から加圧を行ってもよい。
(実施例)
以下の実施例および比較例では、電熱線8、9の線径、並びに電熱線部分8a、8cおよび電熱線部分9aにおける巻き数を以下の表1のように変更し、融着機10で通電を行った際の電熱線部分8a、8c、9aの発熱量を算出した。電熱線8、9の導線81、91材料は、以下の(表1)における線径がΦ0.3のものは、鉄クロム1種であり、線径がΦ0.6のものは鉄クロム2種。また、樹脂管11、12および電気融着継手1の本体部2の材料は、PE100(HDPF)である。なお、(表1)における線径は、導線の数値であり、絶縁皮膜(絶縁被覆)は含んでいない。
実施例1では、上述した実施の形態の電気融着継手1を用いた。
実施例2では、図10に示すようなストッパ部22の電熱線部分の巻き数が4周である電気融着継手401が用いられた。継手受口部23、24における電熱線9の巻き数は、電気融着継手1と同様に2周巻き回されている。
比較例1では、図10に示す電気融着継手301において電熱線9の代わりに電熱線8と同じ径の電熱線を用いた。
なお、表1では、受口発熱部(左)が受口発熱部3の位置を示し、受口発熱部(右)が受口発熱部4の位置を示す。
(表1)
Figure 2022157054000002

上記実施例2の電気融着継手では、比較例1とストッパ部における電熱線の巻き数が同じであるが、線径が太いため同じ電圧を印加した場合でも、比較例1よりもストッパ部の熱量が大きくすることができる。
上記実施例1の電気融着継手では、比較例1よりもストッパ部の電熱線の巻き数が少なくし、印加する電圧を減少させているが、線径が太いため、比較例1よりもストッパ部の熱量を大きくすることができる。
なお、上述したように電熱線の巻き数を減らすことによって、以下の効果も発揮できる。
例えば、比較例の電気融着継手のストッパ部においてΦ0.6の径の電熱線を4本分配置している場合、軸線方向Aに沿った電熱線の長さは2.4mmとなるが、本実施例の電気融着継手のストッパ部においてΦ0.8の径の電熱線を2本分配置した場合、軸線方向Aに沿った電熱線の長さは1.6mmとなる。この場合、本実施例の電気融着継手は、ストッパ部22の軸線方向Aに沿った長さが比較例の電気融着継手よりも短くなる。これによって、本実施例の電気融着継手の方が、比較例よりも樹脂管11、12を押し込む際の移動量が少なくなる。例えば、現場施工において長い樹脂管11、12の融着を想定すると、移動量が少ない方が融着しやすいため、本実施例の電気融着継手1の方が比較例よりも好ましいといえる。
1 :電気融着継手
8 :電熱線
9 :電熱線
11 :樹脂管
11a :管端
12 :樹脂管
12a :管端
21 :筒状部
21a :内面
22 :ストッパ部
23 :継手受口部
24 :継手受口部

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂を含む管が内側に挿入可能な継手受口部を有する筒状部と、
    前記筒状部の内面に内側に突出するように設けられ、前記継手受口部の内側に前記管が挿入された際に前記管の管端の挿入位置を規制するストッパ部と、
    前記継手受口部に配置された第1電熱線と、
    前記ストッパ部に配置された第2電熱線と、を備え、
    前記第2電熱線の単位長さあたりの抵抗値が、前記第1電熱線の単位長さあたりの抵抗値よりも小さい、
    電気融着継手。
  2. 前記第2電熱線の抵抗値は、前記第1電熱線の抵抗値よりも小さい、
    請求項1に記載の電気融着継手。
  3. 前記第2電熱線の導線と前記第1電熱線の導線は同じ材料で形成されており、
    前記第2電熱線の導線の線径は、前記第1電熱線の導線の線径よりも大きい、
    請求項1または2に記載の電気融着継手。
  4. 前記第1電熱線の両端に接続される一対の受口用端子と、
    前記第2電熱線の両端に接続される一対のストッパ用端子と、を更に備えた、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の電気融着継手。
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