JP2022175112A - 電気融着継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】管との間におけるクレビスの発生を抑制することが可能な電気融着継手を提供することを目的とする。【解決手段】電気融着継手1は、筒状部21と、ストッパ部22と、ストッパ発熱部5と、受口発熱部3、4と、を備える。筒状部21は、熱可塑性樹脂を含む樹脂管11、12が内側に挿入可能な継手受口部23、24を有する。ストッパ部22は、筒状部21の内面21aに内側に突出するように設けられ、継手受口部23、24の内側に樹脂管11、12が挿入された際に管の管端11a、12aの挿入位置を規制する。ストッパ発熱部5は、ストッパ部22に配置された電熱線7を有する。受口発熱部2、4は、継手受口部23、24の軸線方向Aに対して斜めになるように継手受口部23、24にスパイラル状に配置された電熱線7を有する。【選択図】図3A

Description

本開示は、電気融着継手に関する。
樹脂管や、樹脂層および金属補強層を有する金属補強複合管などの樹脂が用いられた管体どうしを接続する際に、電気融着継手が多用されている(例えば、特許文献1)。
例えば、特許文献1に示す電気融着継手は、両端部それぞれに接続対象の管体が挿し込まれる継手受口部が形成された熱可塑性樹脂製の継手本体と、継手本体の内周面側に埋設されている電熱線と、を有している。また、継手本体の内周面には、内側に向かって突出し管体の位置を規制するストッパ部が設けられている。
電気融着継手の2つの挿し口部に接続対象の管体をそれぞれ挿し込んだ状態で発熱体を発熱させることより、発熱体周囲における挿し口部の内周部の樹脂と管体の外周部の樹脂とが融着し、電気融着継手を介して管体どうしが接続される。
特開2016-194340号公報
しかしながら、発明者等の検討によれば、特許文献1に示すような構成の電気融着継手を用いた配管構造をプラント内の配管に用いた場合、水や薬液の流れが、継手のストッパ部と樹脂配管の端面との隙間(クレビス)
にぶつかることで発生する乱流によって、一部の水や薬液が配管内に滞留するという問題を見出した。
このように滞留した水や薬液には、微生物が繁殖し水質悪化を引き起こしたり、薬液の劣化によって純度低下を引き起したりするため、半導体製造用配管等では、製品歩留まり悪化を引き起こすことがある。
本開示は、管との間におけるクレビスの発生を抑制することが可能な電気融着継手を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の開示にかかる電気融着継手は、筒状部と、ストッパ部と、ストッパ発熱部と、受口発熱部と、を備える。筒状部は、熱可塑性樹脂を含む管が内側に挿入可能な継手受口部を有する。ストッパ部は、筒状部の内面に内側に突出するように設けられ、継手受口部の内側に管が挿入された際に管の管端の挿入位置を規制する。ストッパ発熱部は、ストッパ部に配置された電熱線を有する。受口発熱部は、継手受口部の軸に対して斜めになるように継手受口部にスパイラル状に配置された電熱線を有する。
本件の発明者らは、ストッパ部と管の管端との間における隙間の発生を抑制するため、継手受口部だけでなくストッパ部にも発熱部を設けることを考えたが、単に発熱部を設けただけではビードの大きさおよび形状が安定しない場合があるという課題を見出した。ビードの大きさおよび形状が安定しない場合、水量が安定せず、ビードの形状によっては死水が発生する。また、ビードの高さが周方向で均一でない場合、均一でない部分(膨出部)に圧が強くかかり、その膨出部が取れて、流出するおそれがある。また膨出部を起点に接合部に亀裂が入り、死水が生じることも考えられる。
そして、本件発明者らは、このようなビードの大きさおよび形状が不安定になるのは、次の理由であることを解明した。電気融着継手に管を挿入すると、ストッパ部の発熱部と継手受口部の発熱部の間(コールドゾーン)において、継手の内面と管の外面のクリアランス内に空気が存在する。融着を開始すると、発熱部が設けられているストッパ部と管の管端の間の融着と、継手受口部の発熱部が設けられている部分の内面と管の外面の融着が同時に進行するため、クリアランス内の空気が双方の融着部分で間に閉じ込められた状態で熱により膨張し、ビードを形成する途中の溶融樹脂を押し上げる。これによりビードの大きさ・形状が変化する。この現象は管や継手の成型時の寸法精度、また施工時のスクレープ量(融着前に管の外面を切削する工程で切削される厚みのこと)、さらに管の差し込み具合などのばらつきにより発生する場合がある。
対して、本開示の電気融着継手では、受口発熱部における電熱線を継手受口部の軸に対して斜めになるようにスパイラル状に配置することで、スパイラル状に沿って膨張した空気が逃げることができる。これにより、継手の内面と管の外面のクリアランス内に空気が閉じ込められにくくなり、形状および大きさの安定したビードを形成することができ、電気融着継手と管の間において隙間の発生を抑制することが可能となる。
第2の開示にかかる電気融着継手は、第1の開示にかかる電気融着継手であって、継手受口部における電熱線は、軸に沿った方向において、1ピッチに2本分以上配置されている、
これによって、管を溶かす熱量を発揮することができる。
第3の開示にかかる電気融着継手は、第2の開示にかかる電気融着継手であって、継手受口部に配置された電熱線は、導線部と、導線部を被覆する被覆樹脂部と、を有する。軸に沿った方向において、ピッチ間において隣り合う電熱線の部分の中心間の距離は、導線部の直径の4倍以上である。
これによって、ピッチ間において隣り合う電熱線の部分が融着によって接触することを防ぐことが出来る。
本開示によれば、管との間におけるクレビスの発生を抑制することが可能な電気融着継手を提供することができる。
本開示にかかる実施の形態における電気融着継手および電気融着継手に接続する樹脂管を示す外観図。 (a)本開示にかかる実施の形態における電気融着継手の平面図、(b)樹脂管が挿入される方向に沿って視た電気融着継手の正面図。 図2(a)のAA´矢視断面図。 図2(a)のBB´矢視断面図。 電熱線の巻き回しを説明するための図。 図1の電気融着継手に樹脂管および樹脂管を挿入した状態を示す断面構成図。 図3Aの電気融着継手の受口発熱部の拡大図。 本開示にかかる実施の形態の接続方法に用いられる治具を示す斜視図。 図7の治具に樹脂管、電気融着継手、および樹脂管を取り付けた状態を示す図。 本開示にかかる実施の形態の接続方法を示すフロー図。 融着後の電気融着継手と樹脂管を示す断面構成図。 比較例の電気融着継手を示す断面図。 比較例の電気融着継手を図11とは反対側から視た断面図。 (a)(b)ビードの噴出を説明するための図。 (a)比較例におけるビードを示す図、(b)本開示の実施の形態におけるビードを示す図。
以下に、本開示にかかる実施の形態の電気融着継手について図面を参照しながら説明する。
<構成>
(配管構造100の概要)
図1は、本実施の形態の電気融着継手1を用いた配管構造100の分解図である。
電気融着継手1は、樹脂管11(管の一例)および樹脂管12(管の一例)と融着され、樹脂管11と樹脂管12を接続する。図1に示す電気融着継手1と樹脂管11と樹脂管12によって配管構造100が構成される。
樹脂管11、及び樹脂管12は、それぞれ熱可塑性樹脂で形成されている。具体的には、樹脂管11、及び樹脂管12は、ポリエチレンなどのポリオレフィンからなる。また、樹脂管11、12は、単層管であっても、多層管であってもよい。
樹脂管11及び樹脂管12には、内部に断面円形状の流路11f、12fが延びている。電気融着継手1には、内部に断面円形状の流路1fが延びている。樹脂管11と樹脂管12が電気融着継手1によって接続された状態では、樹脂管11と樹脂管12と電気融着継手1の各々の流路の軸線は、同一直線上に配置される。
なお、電気融着継手1、樹脂管11、および樹脂管12の流路に対して、それぞれの軸線が延びる方向を軸線方向A(軸方向の一例)とする。また、電気融着継手1、樹脂管11、および樹脂管12において、それぞれの軸線に直交して近接・離間する方向を径方向Bとし、それぞれの軸線回りに回る方向を周方向Cとする。
樹脂管11は軸線方向Aのうち電気融着継手1に対して矢印A1方向に相対移動して電気融着継手1に接続される。また、樹脂管12は軸線方向Aのうち電気融着継手1に対して矢印A2方向に相対移動して電気融着継手1に接続される。電気融着継手1に樹脂管11および樹脂管12が融着して接続された状態が、配管構造100を構成する。
(電気融着継手1)
図2(a)は、電気融着継手1の平面図である。図2(b)は、樹脂管11が挿入される方向に沿って視た電気融着継手1の正面図である。図3Aは、図2(a)のAA´矢視断面図である。図3Bは、BB´矢視断面図である
電気融着継手1は、図2、図3Aおよび図3Bに示すように、本体部2と、受口発熱部3、4と、ストッパ発熱部5と、コネクタ取付部6と、を有する。
(本体部2)
本体部2は、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されており、図2に示すように、筒状部21と、ストッパ部22と、を有する。筒状部21は、筒状であって、継手受口部23と、継手受口部24と、連設部25と、を有する。継手受口部23の内側には、樹脂管11が挿入される。継手受口部24の内側には、樹脂管12が挿入される。
本体部2で用いられる熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、230℃未満の融点のものが好ましい。具体的にはポリエチレンが挙げられる。
図5は、電気融着継手1の継手受口部23の内側に樹脂管11を挿し込み、継手受口部24の内側に樹脂管12を挿し込んだ状態を示す断面構成図である。
継手受口部23の内径は、樹脂管11の外径以上に形成されている。また、継手受口部24の内径は、樹脂管12の外径以上に形成されている。なお、樹脂管11の外径が継手受口部23の内径よりも大きい場合には、スクレーパ等で樹脂管11の外周を削ることによって樹脂管11を継手受口部23に挿入することができる。また、樹脂管12の外径が継手受口部24の内径よりも大きい場合には、スクレーパ等で樹脂管12の外周を削ることによって樹脂管12を継手受口部23に挿入することができる。
連設部25は、図3Aおよび図3Bに示すように継手受口部23と継手受口部24に連なっており、継手受口部23と継手受口部24を接続する。連設部25は、継手受口部23と継手受口部24の間を繋ぐ部分であり、後述するストッパ部22が径方向Bの内側に設けられている。筒状部21の継手受口部23側の端を21bとし、継手受口部24側の端を21cとする。
(ストッパ部22)
ストッパ部22は、円環状部分である。ストッパ部22は、筒状部21の内面21aに周方向Cに沿って突条に全周にわたって形成されている。ストッパ部22も熱可塑性樹脂が含まれ、好ましくは筒状部21で用いられる熱可塑性樹脂と同一の樹脂で形成される。
ストッパ部22は、筒状部21の内面21aから径方向の内側に向かって突出するように形成されている。また、ストッパ部22は、筒状部21の連設部25の径方向Bの内側に配置されている。なお、ストッパ部22は、筒状部21と一つの部材として形成されてもよいし、筒状部21と別部材として形成されてもよい。
ストッパ部22は、第1側面22aと、第2側面22bと、周面22cとを有する。周面22cは、ストッパ部22の径方向内側の端面である。
第1側面22aは、筒状部21の内面21aから径方向Bの内側に向かって軸線方向Aに対して略垂直に形成されている。第1側面22aは、ストッパ部22の継手受口部23側の側面である。
第2側面22bは、筒状部21の内面21aから径方向Bの内側に向かって軸線方向Aに対して略垂直に形成されている。第2側面22bは、ストッパ部22の継手受口部24側の側面である。
周面22cは、第1側面22aの径方向内側の端と、第2側面22bの径方向内側の端を繋ぐ。周面22cは、筒状部21の内面21aと概ね平行に形成されている。
継手受口部23の内側に樹脂管11が挿入されると、図5に示すように、ストッパ部22の第1側面22aに樹脂管11の管端11aが接触し、管端11aの挿入位置が規制される。なお、第1側面22aに管端11aが接触するとは、第1側面22aに管端11aが直接接触する場合と、管端11aがストッパ発熱部5の電熱線7(後述する)を介して第1側面22aに間接的に接触する場合を含む。
継手受口部24の内側に樹脂管12が挿入されると、図5に示すように、ストッパ部22の第2側面22bに樹脂管12の管端12aが接触し、管端12aの挿入位置が規制される。なお、第2側面22bに管端12aが接触するとは、第2側面22bに管端12aが直接接触する場合と、管端12aがストッパ発熱部5の電熱線7(後述する)を介して第2側面22bに間接的に接触する場合を含む。
(受口発熱部3、4)
受口発熱部3は、継手受口部23に設けられている。受口発熱部4は、継手受口部24に設けられている。
受口発熱部3、4および後述するストッパ発熱部5は、1本の電熱線7(電熱線の一例)が巻き回されて形成されている。ここで、説明のために、電熱線7のうち受口発熱部3を形成する部分を電熱線部分7aとし、電熱線7のうちストッパ発熱部5を形成する部分を7bとし、電熱線7のうち受口発熱部4を形成する部分を電熱線部分7cとする。図3および図4では、受口発熱部3、4に埋設されている電熱線7が点線で示されている。
図6は、受口発熱部3の拡大図である。電熱線7は、例えば導線71(導線部の一例)と、絶縁皮膜72(被覆樹脂部の一例)を有している。導線71は、例えばニクロム線、鉄クロム2種線,鉄クロム1種線,ニッケルクロム線などを用いることができる。導線71の線径は、例えば、φ0.3mm~0.8mmに設定することができる。φ0.3mm未満の場合、巻き線時の張力で伸長し抵抗値が不安定になるおそれがある。また、導線71の単位長さの抵抗値は、線径に応じて2.0~20.5Ω/m程度である。
絶縁皮膜72は、導線の周囲を覆って被覆するように設けられている。絶縁皮膜72は、融点が230度以上である。これは、本実施の形態において熱可塑性樹脂が溶融する温度(例えばポリエチレンの場合、電熱線は220度まで加熱する)でも溶融しない温度に設定されている方が好ましい。絶縁皮膜72は、樹脂で形成することができる。絶縁皮膜72は、例えばフッ素系樹脂またはイミド系樹脂で形成することができるが、ポリイミド系樹脂で形成する方がより好ましい。例えば、絶縁皮膜72の厚みは0.01μm以上0.02μm以下に設定してもよい。
受口発熱部3は、図3Aおよび図3Bに示すように筒状部21の一方の端である継手受口部23において内面21aに埋め込まれた電熱線部分7aを有している。電熱線部分7aは、内面21aの近傍に配置されている。なお、電熱線部分7aは、一部が流路1f側に露出するように筒状部21に埋められていてもよいし、完全に埋設されていてもよい。
受口発熱部3では、電熱線7は、軸線方向Aに対して斜めになるように、スパイラル状に巻き回されて配置されている。電熱線7が、軸線方向Aに対して垂直な面から傾斜した面上に巻き回されているともいえる。
また、図3A、図3Bおよび図4に示すように、スパイラル状の1ピッチ7Pにおいて、軸線方向Aにおいて電熱線2本分が並んで配置されている。すなわち、受口発熱部3において、電熱線7は、軸線方向Aに対して斜めに概ね2周分電熱線が隣り合うように巻き回された後、ピッチ7p間に所定の間隔を空けて、概ね2周分電熱線が隣り合うように巻き回すことが繰り返されている。本実施の形態では、受口発熱部3において概ね2周分の電熱線の巻き回しが、4回(4ピッチ)繰り返されている。図4は、電熱線7の巻き回しを示す模式図であり、4ピッチ分電熱線を筒状部21に巻き回した状態を示している。
なお、概ね2周分とは、完全に2周分巻き回した後に、隣のピッチ7pに移動するために同じピッチ7pの電熱線部分7aから離れるためである。隣のピッチ7pに移動する部分は、移動部分7mとして、図3A、図3Bおよび図4に示されている。このため、1つのピッチ7pにおいて、軸線方向Aに沿って電熱線2本分以上が配置されることになる。
図3Aおよび図3Bでは、ピッチ7p内において巻き回された電熱線部分7a、7cが互いに沿うように配置されており、図4では、所定のピッチ7p(7p1で示す)から、その隣のピッチ7p(7p2で示す)に移動部分7mで移動している。なお、図3Aにおいて、図3Bに示すピッチ7p1、7p2に対応するピッチに7p1、7p2が付されている。また、図4に示すように、移動部分7mは、紙面手前と奥側の交互に設けられている。
図6に示すように、隣り合うピッチ7pの間において隣り合って配置されている導線71の中心間の間隔Wは、導線71の直径dの4倍以上に形成されている。詳しく述べると、隣り合うピッチ7pの一方を7p3とし、他方を7p4とすると、ピッチ7p3のうちピッチ7p4側に配置されている電熱線部分の導線71の中心と、ピッチ7p4のうちピッチ7p3側に配置されている電熱線部分の導線71の中心との間隔がWに設定されている。また、絶縁皮膜72の厚みは、導線71の直径と同じdに形成されている。
このように、間隔Wを直径dの4倍以上に設定することによって、融着時にピッチ7p間において電熱線部分同士が接触することを防ぐことができる。
受口発熱部4は、図3Aおよび図3Bに示すように筒状部21の他方の端である継手受口部24において内面21aに埋め込まれた電熱線部分7cを有している。電熱線部分7cは、内面21aの近傍に配置されている。なお、電熱線部分7cは、一部が流路1f側に露出するように筒状部21に埋められていてもよいし、完全に埋設されていてもよい。
受口発熱部4においても、受口発熱部3と同様に、軸線方向Aに対して斜めになるように、スパイラル状に巻き回されて配置されている。また、受口発熱部4においても、スパイラル状の1ピッチにおいて、軸線方向Aにおいて電熱線2本分が並んで配置されている。すなわち、受口発熱部4において、電熱線7は、軸線方向Aに対して斜めに概ね2周分電熱線が隣り合うように巻き回された後、ピッチ間に所定の間隔を空けて、概ね2周分電熱線が隣り合うように巻き回すことが繰り返されている。本実施の形態では、受口発熱部4において概ね2周分の電熱線の巻き回しが、4回(4ピッチ)繰り返されている。
なお、図3Aおよび図3Bに示す受口発熱部3、4では、1ピッチ7p内において巻き回されている電熱線部分7a、7cは隣接しているが、隙間が設けられていてもよい。
(ストッパ発熱部5)
ストッパ発熱部5は、ストッパ部22に設けられている。ストッパ発熱部5は、電熱線7が巻き回されて形成されている。電熱線7は、本実施の形態では、ストッパ部22に例えば4周巻き回されている。ストッパ発熱部5における電熱線部分7bは、軸線方向Aに対して略垂直に巻き回されている。ストッパ部22において、4周巻き回された電熱線7は、軸線方向Aにおいて隣接しているが全部または一部に隙間が設けられていてもよい。また、ストッパ部22においても、受口発熱部3、4と同様に、軸線方向Aに対して斜めにスパイラル状に巻き回されていてもよい。
電熱線部分7bは、ストッパ部22に埋め込まれているが、一部が第1側面22a、第2側面22bまたは周面22cから流路1f側に露出するようにストッパ部22に埋められていてもよい。
(コネクタ取付部6)
コネクタ取付部6は、図3Aおよび図3Bに示すように、軸線方向Aにおいて筒状部21の端部近傍に配置されている。
コネクタ取付部6は、第1端子61と、第2端子62と、を有している。第1端子61および第2端子62の各々には、図示しない融着機のコネクタが取り付けられる。第1端子61および第2端子62は、電熱線7の両端に接続される。第1端子61と第2端子62は、筒状部21に軸線方向Aに沿って並んで配置されている。第1端子61および第2端子62は、筒状部21の外面21dから外側に向かって突出するように設けられている。第1端子61は、筒状部21の端21b近傍に配置されており、第2端子62は、筒状部21の端21c近傍に配置されている。
第1端子61には、図3Bに示すように、電熱線7の端21b側の端部7e1が接続されている。第2端子62には、図3Aに示すように、電熱線7の端21c側の端部7e2が接続されている。これにより、図3Aおよび図3Bに示すように、第1端子61、端部7e1、電熱線部分7a、電熱線部分7b、電熱線部分7c、端部7e2および第2端子62の順に電気的に接続されている。
<治具200>
次に、本開示にかかる実施の形態の接続方法に用いる治具200について説明する。治具200に樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12が配置される。図7は、治具200を示す図である。図8は、樹脂管11、電気融着継手1、および樹脂管12を治具200に取り付けた状態を示す図である。
治具200は、第1クランプ部210と、第2クランプ部220と、軸部230と、押圧部240と、規制部250と、台座260と、を備える。
(台座260)
台座260は、板状の部材である。台座260は、その上面側に配置された第1クランプ部210、第2クランプ部220、軸部230、押圧部240、および規制部250を支持する。
(第1クランプ部210)
第1クランプ部210は、樹脂管11を挟み込んで固定する。第1クランプ部210は、下側クランプ部211と、上側クランプ部212と、ヒンジ部213と、締結部214と、軸受け部215と、を有する。下側クランプ部211は、上面に半円形状の凹部211aが形成された部材である。本実施の形態では、下側クランプ部211は、上面に半円形状の凹部が形成された概略直方体形状の部材である。
軸受け部215は、下側クランプ部211に設けられている。軸受け部215は、下側クランプ部211に形成された貫通孔に挿入されている。軸受け部215は、凹部211aよりも下側に配置されている。軸受け部215の内側に、後述する軸部230が挿通される。軸受け部215の軸方向は、凹部211aの中心軸と平行に配置されている。これにより、第1クランプ部210は、軸部230に沿って移動することができる。樹脂管11、樹脂管12および電気融着継手1を治具に配置した状態では、軸受け部215の軸方向は、軸線方向Aと平行である。
上側クランプ部212は、半円形状の凹部212aが形成された部材である。本実施の形態では、上側クランプ部212は、所定の一面に半円形状の凹部212aが形成された概略直方体形状の部材である。
上側クランプ部212と下側クランプ部211は、それらに形成された凹部212aおよび凹部211aで樹脂管11の外周を挟み込むことができる。樹脂管11を挟み込んだ状態において凹部212aと凹部211aの中心軸は概ね一致する。また、樹脂管11を挟み込んだ状態において、この中心軸は上述した軸線方向Aと一致する。
ヒンジ部213は、下側クランプ部211と上側クランプ部212の端同士を回動可能に連結する。ヒンジ部213を中心にして下側クランプ部211に対して上側クランプ部212が回動可能に構成されている。上側クランプ部212は、ヒンジ部213を中心にして回転した際に、その凹部212aが下側クランプ部211の凹部211aと対向するようにヒンジ部213を介して下側クランプ部211に取り付けられている。
ヒンジ部213を中心に、下側クランプ部211と上側クランプ部212の間が開いた状態で、樹脂管11が下側クランプ部211の凹部211aに沿って配置される。その後、上側クランプ部212がヒンジ部213を中心に回動し、樹脂管11が凹部212aに嵌るように配置される。
締結部214は、いわゆるスナップ錠である。締結部214は、錠本体214aと、突起214bと、を有する。締結部214は、下側クランプ部211および上側クランプ部212の凹部211a、212aを挟んでヒンジ部213とは反対側に設けられている。錠本体214aは、下側クランプ部211の側面に配置されている、突起214bは、上側クランプ部212の側面に配置されている。錠本体214aは、レバー214cと、環状部214dと、を有する。上側クランプ部212を下側クランプ部211の上側に回動した状態で、環状部214dを突起214bに引っ掛けてレバー214cを下側に倒すことによって、下側クランプ部211に対して上側クランプ部212を閉じた状態で締結することができる。
(第2クランプ部220)
第2クランプ部220は、樹脂管12を挟み込んで固定する。第2クランプ部220は、樹脂管12の中心軸が樹脂管11の中心軸と一致するように樹脂管12を固定する。
第2クランプ部220は、下側クランプ部221と、上側クランプ部222と、ヒンジ部223と、締結部224と、を有する。下側クランプ部221は、上面に半円形状の凹部221aが形成された部材である。本実施の形態では、下側クランプ部221は、上面に半円形状の凹部が形成された概略直方体形状の部材である。下側クランプ部211は、ブラケット270を介して台座260に固定されている。
上側クランプ部222は、半円形状の凹部222aが形成された部材である。本実施の形態では、上側クランプ部222は、所定の一面に半円形状の凹部222aが形成された概略直方体形状の部材である。
上側クランプ部222と下側クランプ部221は、それらに形成された凹部222aおよび凹部221aで樹脂管12の外周を挟み込むことができる。樹脂管12を挟み込んだ状態において凹部222aと凹部221aの中心軸は概ね一致する。また、樹脂管12を挟み込んだ状態において、この中心軸は上述した軸線方向Aと一致する。
ヒンジ部223は、下側クランプ部221と上側クランプ部222の端同士を回動可能に連結する。ヒンジ部223を中心にして下側クランプ部221に対して上側クランプ部222が回動可能に構成されている。上側クランプ部222は、ヒンジ部223を中心にして回転した際に、その凹部222aが下側クランプ部221の凹部221aと対向するようにヒンジ部223を介して下側クランプ部221に取り付けられている。
ヒンジ部223を中心に、下側クランプ部221と上側クランプ部222の間が開いた状態で、樹脂管12が下側クランプ部221の凹部221aに沿って配置される。その後、上側クランプ部222がヒンジ部223を中心に回動し、樹脂管12が凹部222aに嵌るように配置される。
締結部224は、いわゆるスナップ錠である。締結部224は、錠本体224aと、突起224bと、を有する。締結部224は、下側クランプ部221および上側クランプ部222の凹部221a、222aを挟んでヒンジ部223とは反対側に設けられている。錠本体224aは、下側クランプ部221の側面に配置されている、突起224bは、上側クランプ部222の側面に配置されている。錠本体224aは、レバー224cと、環状部224dと、を有する。上側クランプ部222を下側クランプ部221の上側に回動した状態で、環状部224dを突起224bに引っ掛けてレバー224cを下側に倒すことによって、下側クランプ部221に対して上側クランプ部222を閉じた状態で締結することができる。
樹脂管11と樹脂管12を電気融着継手1に挿入した状態で、第1クランプ部210で樹脂管11を挟み、第2クランプ部220で樹脂管12を挟むことによって、治具200に樹脂管11と樹脂管12と電気融着継手1を配置することができる。
(軸部230)
軸部230は、台座260に支持されている。軸部230は、第1クランプ部210の凹部211aおよび凹部212aの中心軸と平行に配置されている。軸部230は、第2クランプ部220の凹部221aおよび凹部222aの中心軸と平行に配置されている。また、軸部230は、第1クランプ部210に固定された樹脂管11および第2クランプ部220に固定された樹脂管12の中心軸と平行に配置されている。軸部230は、上述した軸線方向Aに沿って配置されている。
軸部230は、第2クランプ部220から第1クランプ部210側に向かって伸びている。軸部230には、第1クランプ部210が、軸部230に沿って移動可能に取り付けられている。軸部230は、下側クランプ部221から下側クランプ部211に亘って配置されている。第1クランプ部210の下側クランプ部211の凹部211aよりも下方の部分に軸受け部215が配置されており、軸受け部215に軸部230が挿通されている。
(押圧部240)
押圧部240は、第1クランプ部210を第2クランプ部220側に向けて軸部230に沿って押圧する。押圧部240は、バネ241と、ナット242と、を有する。
第1クランプ部210の第2クランプ部220とは反対側の軸部230の周囲にバネ241が配置されている。
ナット242は、バネ241の第1クランプ部210とは反対側の軸部230に配置されている。軸部230の第2クランプ部220とは反対側の端の周囲には、雄ネジ形状が形成されており、ナット242の内側に形成された雌ネジ形状と螺合している。ナット242は、回転させることによって軸部230に沿って移動可能である。
バネ241は、ナット242と第1クランプ部210の間に配置されている。ナット242が軸部230と螺合して、軸部230における位置が固定されているため、バネ241は、第1クランプ部210に対して第2クランプ部220に向かう荷重を付加する。荷重は、例えば1~50kgfの範囲で設定でき、3~20kgfの範囲がより好ましい。また、樹脂管11、12および電気融着継手1を治具200に配置した状態で、ナット242を回転させて第1クランプ部210に近づけるとバネ241が圧縮されるため、第1クランプ部210にかかる荷重を増やすことができる。一方、ナット242を回転させて第1クランプ部210から遠ざけるとバネ241は伸長するため、第1クランプ部210にかかる荷重を少なくすることができる。
なお、図8に示すように、治具200に樹脂管11と樹脂管12と電気融着継手1を配置した状態で第1クランプ部210に押圧部240によって荷重をかけることによって、樹脂管11の管端11aと樹脂管12の管端12aに、ストッパ部22に押し付けられるように荷重が付与される。
(規制部250)
規制部250は、第1クランプ部210が押圧部240によって第2クランプ部220側に移動しすぎることを規制する。
規制部250は、第1クランプ部210と第2クランプ部220の間に配置されている。
規制部250は、固定部251と、当接部252とを有している。固定部251は、台座260に固定されている。当接部252は、固定部251から上方に延びた部分であり、軸部230に周囲に配置されている。第1クランプ部210の軸受け部215が当接部252に当接することによって、それ以上第1クランプ部210が第2クランプ部220側に移動することを規制することができる。
<接続方法>
次に、上述した治具200を用いた接続方法について説明する。図9は、本実施の形態の接続方法を示すフロー図である。
はじめに、ステップS1において、樹脂管11および樹脂管12が電気融着継手1に挿入される。図5に示すように、ストッパ部22によって樹脂管11の管端11aの相対的な移動が規制されるまで、電気融着継手1の継手受口部23の内側に樹脂管11が挿入される。次に、ストッパ部22によって樹脂管12の管端12aの相対的な移動が規制されるまで、電気融着継手1の継手受口部24の内側に樹脂管12が挿入される。電気融着継手1に樹脂管11および樹脂管12が差し込まれた状態が図5に示されている。なお、ステップS1の前に、樹脂管11、12の小口面(ストッパ部22との対向面)をスクレープして電気融着継手1に挿入すると、融着の強度が向上するのでより好ましい。
この状態で、ステップS2(配置ステップの一例)において、図8に示すように、第1クランプ部210によって樹脂管11を挟み込んで固定し、第2クランプ部220によって樹脂管12を挟み込んで固定し、治具200に樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12が配置される。
樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12を治具200に固定することによって、ステップS3(加圧ステップの一例)において、押圧部240の付勢力によって第1クランプ部210に第2クランプ部220に向かって荷重が付与される。第1クランプ部210の第2クランプ部220に向かう荷重の付与により、樹脂管11の管端11aがストッパ部22の第1側面22aに押し付けられ、樹脂管12の管端12aがストッパ部22の第2側面22bに押し付けられる。
次に、ステップS4(加熱ステップの一例)において、加圧された状態において、コネクタ取付部6の第1端子61および第2端子62に融着機のコネクタが取り付けられる。
そして、オペレータが融着機を操作することによって、電熱線7に通電が行われる。
この通電による電熱線7の発熱によってストッパ発熱部5が発熱してストッパ部22と樹脂管11の管端11aおよび樹脂管12の管端12aが溶融し、管端11aおよび管端12aがストッパ部22に接合する。
また、電熱線7の発熱によって、受口発熱部3、4が発熱して、継手受口部23、24の内面と、樹脂管11、12の外面が溶融し、継手受口部23、24の内面と樹脂管11、12の外面が接合する。
なお、通電によってストッパ部22が溶けて軸線方向Aの幅が小さくなり付与される荷重が小さくなるため、ナット242を第2クランプ部220側に向かって移動させることによって、バネ241による第1クランプ部210に掛ける荷重を確保することができる。なお、荷重は、管端11a、12aが溶けても変化しないことが望ましいが、変化してもよい。
通電時の電熱線温度は本体部2を溶融させる温度であればよく、ポリオレフィンの場合は220度以下が好ましい。
次に、ステップS5(冷却ステップの一例)において、溶融された樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12の冷却が所定時間行われる。なお、ステップS5が終了するまで押圧部240による荷重の付与を継続する方が好ましい。
図10は、樹脂管11、電気融着継手1および樹脂管12が溶融して接続された状態を示す図である。図10に示すように、ストッパ部22が溶融し、樹脂管11、12よって押されて狭まり、樹脂管11と樹脂管12の間を埋めて、ビードRが形成される。
<配管構造100の超純水用途>
本開示にかかる実施の形態の配管構造100は、例えば超純水の輸送に用いることができる。具体的には、本開示にかかる実施の形態の超純水用の配管構造100は、超純水製造装置内の配管、超純水製造装置からユースポイントに超純水を輸送する配管、及びユースポイントからの超純水返送用配管等として用いることができる。
超純水とは、極度に純度の高い水であり、例えば半導体素子などの電子機器の洗浄に好適に用いられるものである。超純水のグレードを表すための指標は多々あるが、この実施形態では、超純水の電気抵抗率は18.2MΩ・cm以上であり、TOCは50ppb以下である。
本開示にかかる実施の形態の配管構造100は、超純水に対する要求水質が特に厳格な、原子力発電用水配管、若しくは、医薬品の製造工程、半導体素子又は液晶、より好ましくは半導体素子の製造工程における洗浄などの湿式処理工程で用いられる超純水の輸送配管であることが好ましい。当該半導体素子としても、より高い集積度を有するものが好ましく、具体的には、最小線幅65nm以下の半導体素子の製造工程で用いられることがより好ましい。半導体製造に使用される超純水の品質等に関する規格としては、例えばSEMI F75が挙げられる。
また、本発開示にかかる実施の形態の配管構造100はポリエチレン系樹脂層を有しているため、施工性に優れる。たとえば、比較的低温で、EF(電気融着)接合といった融着施工を容易に行うことができる。
<特徴等>
電気融着継手1は、筒状部21と、ストッパ部22と、ストッパ発熱部5と、受口発熱部3、4と、を備える。筒状部21は、熱可塑性樹脂を含む樹脂管11、12が内側に挿入可能な継手受口部23、24を有する。ストッパ部22は、筒状部21の内面21aに内側に突出するように設けられ、継手受口部23、24の内側に樹脂管11、12が挿入された際に樹脂管11、12の管端11a、12aの挿入位置を規制する。ストッパ発熱部5は、ストッパ部22に配置された電熱線7を有する。受口発熱部3、4は、継手受口部23、24の軸線方向Aに対して斜めになるように継手受口部23、24にスパイラル状に配置された電熱線7を有する。
本件の発明者らは、ストッパ部22と管の管端との間における隙間の発生を抑制するため、継手受口部だけでなくストッパ部にも発熱部を設けることを考えたが、単に発熱部を設けただけではビードの大きさおよび形状が安定しない場合があるという課題を見出した。
この課題について以下に説明する。図11は、電熱線7を軸線方向Aに対して垂直に巻き回した電気融着継手1001の断面図である。図12は、電気融着継手1001の図11とは反対側の断面図である。図11と図12の断面図の関係は、図3Aと図3Bの断面図の関係と同じである。図11および図12に示すように、受口発熱部1003、1004において、電熱線7が軸線方向Aに対して垂直な面上において周方向に巻き回されている。
図13(a)は、電気融着継手1001に樹脂管11を挿入した状態を示す図である。ストッパ部22のストッパ発熱部5と継手受口部23の受口発熱部1003の間の部分(コールドゾーン)において、電気融着継手1001の内面と樹脂管11の外面のクリアランス(図中にてEで示す)内に空気が存在する。融着を開始すると、ストッパ発熱部5が設けられているストッパ部22と樹脂管11の管端11aの間の融着(図中にて融着部分をP2で示す)と、継手受口部23の受口発熱部3が設けられている部分の内面と樹脂管11の外面の融着(図中にて融着部分をP1で示す)が同時に進行するため、クリアランスE内の空気が双方の融着部分P1、P2で間に閉じ込められた状態で熱により膨張し、溶融樹脂を押し上げ、図13(b)に示すように、ビードRが噴出する場合がある。また、押し上げられたビードRに気泡が混入し、加熱により膨張した気泡が破裂することによって凹部が形成されることがある。このように、ビードRの大きさ・形状が変化する。この現象は管や継手の成型時の寸法精度、また施工時のスクレープ量(融着前に管の外面を切削する工程で切削される厚みのこと)、さらに管の差し込み具合などのばらつきにより発生する場合がある。図14(a)は、電気融着継手1001において、ビードRの大きさ・形状が変化した状態を示す図である。図14(a)には、凹部Qが図示されている。
対して、本開示の電気融着継手1では、受口発熱部3、4における電熱線7を継手受口部23、24の軸線方向Aに対して斜めになるようにスパイラル状に配置することで、電気融着継手1の内面21aと樹脂管11、12の外面のクリアランス内の空気が膨張すると、空気はスパイラル形状に沿って逃げることができる。そのため、閉じ込められにくくなり、形状および大きさの安定したビードRを形成することができ、電気融着継手1と樹脂管11、12の間において隙間の発生を抑制することが可能となる。これにより、図14(b)に示すように、内側への突出高さが均一なビードRを形成することができる。
本実施の形態の電気融着継手1では、継手受口部23、24における電熱線7は、軸線方向Aに沿った方向において、1ピッチに2本分以上配置されている、
これによって、樹脂管11、12を溶かす熱量を発揮することができる。
本実施の形態の電気融着継手1では、継手受口部23、24に配置された電熱線7は、導線71と、導線71を被覆する絶縁皮膜72と、を有する。軸線方向Aに沿った方向において、ピッチ7p間において隣り合う電熱線7の部分の中心間の間隔Wは、導線71の直径dの4倍以上である。
これによって、ピッチ7p間において隣り合う電熱線7の部分が融着によって接触することを防ぐことが出来る。
また、図11および図12に示した電気融着継手1001のように、ピッチ毎に間隔Wを空けて軸線方向Aに対して垂直に電熱線7を巻き回した場合、隣のピッチに移動する際(例えば、図に示すピッチ7p1から、隣のピッチ7p2に移動する際)に、図12の移動部分7mに示すように電熱線7を急に曲げて配置する必要があり、線を曲げた状態で固定するためには熱溶着や超音波溶着を行う必要があるため、作業が複雑になる。
それに対して、本実施の形態の電気融着継手1では、電熱線7をスパイラル状に巻き回しているため、図4の移動部分7mに示すように、ピッチ7p間の電熱線の移動も軸線方向Aに対する傾きを急にするだけよく、電気融着継手1を製造する際の巻き線作業を簡易にすることができる。
<他の実施の形態>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態の電気融着継手1では、ピッチ7p間において電熱線7を移動する際に、図4に示す移動部分7mのように電熱線7を半周に亘って徐々に移動させているが、これに限らなくてもよい。例えば、上述の図12に示した移動部分7mのように、隣の電熱線に沿って約4分の1周分巻き回された後に急に隣にピッチに移動するように構成されていてもよい。
ただし、ピッチ7p間における電熱線7の移動部分7mの巻き回しが急になるため、電気融着継手1と比較して製造が難しくなる。
(B)
上記実施の形態では、受口発熱部3、4とストッパ発熱部5は、1本の電熱線7が巻き回されて形成されているが、受口発熱部3、4を形成する電熱線と、ストッパ発熱部5を形成する電熱線が別々に設けられていてもよい。この場合、上述した一対の端子61、62と異なり、受口発熱部3、4を形成する電熱線の両端に接続される一対の端子と、ストッパ発熱部5を形成する電熱線の両端に接続される一対の端子の2組が設けられる。
(C)
上記実施の形態では、受口発熱部3、4の各々において1本の電熱線7が隣と接触するように概ね2周ずつ巻き回されているが、これに限られるものではなく、1周若しくは3周以上であってもよい。また、上記実施の形態では、受口発熱部3、4の各々において1本の電熱線7が4ピッチ巻き回されているが、これに限られるものではなく、3ピッチ以下若しくは5ピッチ以上であってもよい。
また、1本に限らず、2本以上の電熱線7を巻き回して受口発熱部3、4を形成してもよい。受口発熱部3、4の各々において電熱線部分7a、7cは、全部または一部が隣と接触しないように巻き回されていてもよい。
また、受口発熱部3と受口発熱部4で電熱線7のピッチ内の巻き数とピッチ数が異なっていてもよい。
(D)
上記実施の形態では、ストッパ発熱部5において電熱線7が概ね4周巻き回されているが、4周に限られるものではなく、3周以下または5周以上であってもよい。
また、上記実施の形態では、ストッパ発熱部5において隣り合った電熱線7の部分が接触しているが、全部または一部が接触していなくてもよい。
(E)
上記実施の形態では、第1クランプ部210に対して荷重を付加する押圧部として、バネ241およびナット242が用いられているが、これに限らなくてもよく、モータやシリンダ等であってもよい。また、管端11a、12aをストッパ部22に押し付けることは、第1クランプ部210への荷重の付加または移動量のいずれによるものであってもよい。
(F)
上記実施の形態では、樹脂管11と樹脂管12は同じ径であるため電気融着継手1は同径継手であるが、樹脂管11、12の径が異なっており、電気融着継手1が異径継手であってもよい。上記実施の形態では、電気融着継手1の流路はいずれも直線状に形成されているが、流路が曲がっているエルボ継手であってもよい。
このように、本開示における筒状部は、曲がっていてもよいし、径が変化してもよく、要するに内側に中空部分を有する形状であればよい。
(G)
上記実施の形態では、軸線方向Aに沿って視た場合、図2(b)に示すように、ストッパ部22の外径は円形状であるが、円に限らなくても良く、多角形状であってもよい。
(H)
上記実施の形態では、受口発熱部3、4およびストッパ発熱部5に通電する前から押圧部240によって電気融着継手1に樹脂管11と樹脂管12を加圧しているが、通電した後、通電中の途中から加圧を行ってもよい。
1 :電気融着継手
3 :受口発熱部
4 :受口発熱部
7 :電熱線
11 :樹脂管
11a :管端
12 :樹脂管
12a :管端
21 :筒状部
21a :内面
22 :ストッパ部
23 :継手受口部
24 :継手受口部

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂を含む管が内側に挿入可能な継手受口部を有する筒状部と、
    前記筒状部の内面に内側に突出するように設けられ、前記継手受口部の内側に前記管が挿入された際に前記管の管端の挿入位置を規制するストッパ部と、
    前記ストッパ部に配置された電熱線を有するストッパ発熱部と、
    前記継手受口部の軸方向に対して斜めになるように前記継手受口部にスパイラル状に配置された電熱線を有する受口発熱部と、
    を備えた、電気融着継手。
  2. 前記継手受口部における前記電熱線は、前記軸に沿った方向において、1ピッチに2本分以上配置されている、
    請求項1に記載の電気融着継手。
  3. 前記継手受口部に配置された前記電熱線は、導線部と、前記導線部を被覆する被覆樹脂部と、を有し、
    前記軸に沿った方向において、ピッチ間において隣り合う前記電熱線の部分の中心間の距離は、前記導線部の直径の4倍以上である、
    請求項2に記載の電気融着継手。
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