JP2022155901A - 振動減衰構造 - Google Patents

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周平 成田
Shuhei Narita
大輔 山田
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俊宇 三好
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Abstract

Figure 2022155901000001
【課題】構造体自体の剛性を低下させることなく、高い振動減衰効果を得ることができる振動減衰構造を提供する。
【解決手段】振動減衰構造1は、構造体であるパネル10と、パネル10に接合される減衰材11とを備える。減衰材11は、X方向において、それぞれの接合面11dでパネル10の合わせ面10aと接合される複数の接合部11bと、隣り合う接合部11b同士の間でZ方向のパネル10とは反対側に凹入した複数の離間部11aとを有する。減衰材11は、パネル10よりも高減衰となるように形成されているとともに、減衰材11の共振周波数がパネル10の1次の共振周波数に略同一となるように形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、振動減衰構造に関する。
車両の車体や建物の構造体などでは、振動を減衰させるための種々の技術が採用されている。例えば、特許文献1には、車体におけるフロアパネルの振動を減衰させるための技術が開示されている。
特許文献1に開示の技術では、フロアパネルにおける骨格部材で囲まれた領域ごとに、当該骨格部材を波型に曲折して、フロアパネルの剛性を高めて共振周波数を高く設定している。また、特許文献1に開示の技術では、各領域の外縁部の表面に振動減衰部が積層形成されている。特許文献1における振動減衰部は、塗布により層状に形成されている。特許文献1では、各領域の外縁部に振動減衰部を形成することにより、フロアパネルの振動を減衰できるとされている。
特開2019-98988号公報
車両や建築物を始めとする種々の構造体に対しては、振動減衰効果をさらに向上させることが求められている。振動減衰効果のさらなる向上のためには、例えば、構造体自体の剛性を低下させることなども考えられる。
しかしながら、構造体自体の剛性を低下させた場合には、当該構造物の周辺に配された部材との接触や、当該構造体を含む車体や建築物の剛性を確保できなくなるなどの問題を生じる。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、構造体自体の剛性を低下させることなく、高い振動減衰効果を得ることができる振動減衰構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る振動減衰構造は、構造体である第1部材と、前記第1部材に接合される第2部材と、を備える。前記第2部材は、前記第1部材に面する領域において、前記第1部材に接合される1または複数の接合部と、前記接合部に隣接配置された、前記第1部材とは接合されない1または複数の非接合部と、を有する。前記第2部材は、前記第1部材よりも高減衰となるように形成されているとともに、当該第2部材の共振周波数が前記第1部材の共振周波数に略同一となるように形成されている。
上記態様に係る振動減衰構造では、第1部材に取り付けられる第2部材が接合部と非接合部とを有する。そして、第2部材は、第1部材よりも高減衰となるように(大きな損失係数を有するように)形成されている。さらに、第2部材は、その共振周波数が第1部材の共振周波数と略同一に設定されている。上記態様に係る振動減衰構造では、接合部を介して第1部材から第2部材へと振動が入力され、第2部材における非接合部が第1部材に拘束されることなく共振する。よって、上記態様に係る振動減衰構造では、第2部材の接合部に歪エネルギを蓄積することができる。
従って、上記態様に係る振動減衰構造では、構造体である第1部材の剛性を低下させることなく、高い振動減衰効果を得ることができる
なお、上記態様において「略同一」とは、第2部材の共振周波数が第1部材の共振周波数と一致する場合だけでなく、第1部材の共振周波数のピークの裾野に当たる周波数領域を含むことを意味する。より具体的な定義については、後述する。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第2部材における前記非接合部は、前記第1部材に対して間隔をあけた状態で離間するように形成されている、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、第2部材の非接合部が第1部材に対して間隔をあけて離間している。このため、第1部材から振動が入力された場合に、非接合部での共振が第1部材により拘束され難い。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第2部材は、少なくとも前記接合部を複数有しており、前記非接合部における前記第1部材に対して離間する離間面には、前記第1部材と前記第2部材との接合方向における前記第1部材とは反対向きに貫通する貫通孔は形成されていない、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、離間面には貫通孔は形成されていない。このため、第1部材から入力された振動により第2部材の非接合部が共振する際の共振モードが阻害され難い。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記接合部は、前記接合方向において、前記離間面よりも前記第1部材の側に向けて立設されたリブ状部である、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、接合部をリブ状部として形成することにより、第1部材から入力された振動により第2部材の非接合部が共振する際の共振モードが阻害され難い。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記非接合部は、前記接合方向における前記第1部材とは反対側に向けて凹入した第1凹部をもって形成されており、前記第2部材は、前記第1部材に面する領域とは前記接合方向の反対側となる領域において、周囲よりも前記接合方向の前記第1部材に向けて凹入するよう形成された第2凹部を有し、前記第2部材における前記第1凹部と前記第2凹部とは、前記第2部材を前記接合方向から平面視する場合に、互いに重複するように配置されている、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、上記平面視で第1凹部と第2凹部とが互いに重複するように配設することにより、第2部材の非接合部が共振する際の共振モードが阻害され難い。即ち、仮に第2部材における第1部材に取り付けられる側とは反対側に構造部材が取り付けられる場合には構造部材により非接合部の共振モードが阻害されることが考えられる。これに対して、上記態様に係る振動減衰構造では、第1凹部の裏側に第2凹部が配設されているので、非接合部が共振する際の共振モードが阻害され難い。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第2部材は、前記接合部および前記非接合部をそれぞれ複数有しており、前記第2部材において、前記接合部と前記非接合部とは前記第1部材と前記第2部材との接合方向に直交する方向において交互に配置されている、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、接合部と非接合部とが上記直交する方向において交互に配置された構造で第2部材が形成されている。このため、上記態様に係る振動減衰構造では、複数の共振面を有し、第1部材の共振点に第2部材の共振点を合致させることが容易となる。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第2部材における前記接合部は、当該接合部と前記第1部材とを接合方向から平面視する場合に、格子状の形状をもって形成されている、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、第2部材の接合部が上記平面視で格子状に形成されている。よって、上記態様に係る振動減衰構造では、第1部材と第2部材との接合方向に対して交差する2次元方向に複数の共振面を有する。よって、上記態様に係る振動減衰構造では、第1部材の共振点に第2部材の共振点を合致させるのにさらに優位である。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第2部材は、当該第2部材の共振周波数が前記第1部材の1次の共振周波数に略同一となるように形成されている、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、第2部材の共振周波数と第1部材の1次の共振周波数とが略同一となるように第2部材を形成している。本願発明者等が確認したところ、第2部材の共振周波数と第1部材の1次の共振周波数とが略同一の場合には、第1部材における高次の共振周波数に対して第2部材の共振周波数を略同一とする場合に比べてエネルギ吸収の観点で高い効果を得ることができる。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第2部材は、当該第2部材の1次の共振周波数が前記第1部材の1次の共振周波数に略同一となるように形成されている、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、第2部材の1次の共振周波数と第1部材の1次の共振周波数とが略同一となるように第2部材を形成している。本願発明者等が確認したところ、第2部材の高次の共振周波数と第1部材の1次の共振周波数とが略同一の場合には、1次の共振周波数同士が略同一である上記態様に係る振動減衰構造に対してエネルギ吸収の観点で低い効果しか得られない。よって、上記態様に係る振動減衰構造では、第2部材の1次の共振周波数と第1部材の1次の共振周波数とを略同一とすることにより、より効果的に振動減衰することが可能となる。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第2部材は、多孔質材料を用いて形成されている、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、多孔質材料を用いて第2部材が形成されている。このため、中実の材料を用いて第2部材を形成する場合に比べて軽量化を図りながら効果的に振動減衰することが可能である。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第1部材は、車体のフロアパネルであり、前記第2部材は、前記フロアパネルに対して車室内側に取り付けられるフロアマットである、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、第1部材にフロアパネルを適用し、第2部材にフロアマットを適用している。これにより、車体におけるフロア部の振動を効果的に減衰することが可能となる。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第1部材は、車体のルーフパネルであり、前記第2部材は、前記ルーフパネルに対して車室内側に取り付けられるトップシーリングである、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、第1部材にルーフパネルを適用し、第2部材にトップシーリングを適用している。これにより、車体におけるルーフ部の振動を効果的に減衰することが可能となる。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第1部材は、金属材料を用いて形成されており、前記第2部材は、0.01以上の損失係数を有する、とすることも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、第1部材が金属材料を用いて形成されているとともに、第2部材の損失係数が0.01以上に設定されている。これより、該振動減衰構造を採用しない場合に比べて、振動減衰に関して顕著な効果を得ることができる。
上記態様に係る振動減衰構造において、前記第2部材では、前記接合部と前記非接合部とが一体形成されている、ことも可能である。
上記態様に係る振動減衰構造では、第2部材における接合部と非接合部とが一体形成されている。これより、接合部と非接合部とが別体で形成されている場合に比べて、接合部を介して第1部材から入力された振動が円滑に非接合部へと伝達される。よって、上記態様に係る振動減衰構造では、第2部材における非接合部が共振することで接合部に歪エネルギを蓄積させるのに優位であり、振動減衰に係る効果を得るのにさらに優位である。
上記の各態様に係る振動減衰構造では、構造体である第1部材自体の剛性を低下させることなく、高い振動減衰効果を得ることができる。
本発明の実施形態に係る振動減衰構造を示す展開斜視図である。 振動減衰構造を示す断面図である。 解析用モデルの構成を示す展開斜視図である。 (a)はパネルの構造を示す断面図であり、(b)は治具フレームの構造を示す断面図である。 実施例1と比較例1,2とにおける周波数ごとのERP(等価放射エネルギ)を示すグラフである。 (a)は実施例1と比較例1とにおける周波数ごとのERPを示すグラフであり、(b)は比較例1と比較例2とにおける周波数ごとのERPを示すグラフである。 実施例1~3と比較例1,2のそれぞれにおけるERP最大値を示すグラフである。 (a)は実施例2における周波数ごとのERPを示すグラフであり、(b)は実施例1における周波数ごとのERPを示すグラフであり、(c)は実施例3における周波数ごとのERPを示すグラフである。 共振周波数ごとの減衰材が寄与する割合を示すグラフである。 (a)は比較例3に係る解析用モデルの構成を示す斜視図であり、(b)は実施例1と比較例1,3のそれぞれにおけるERP最大値を示すグラフである。 (a)は実施例1に係る解析用モデルでの共振周波数ごとの減衰材が寄与する割合を示すグラフであり、(b)は比較例3に係る解析用モデルでの共振周波数ごとの減衰材(D/D)が寄与する割合を示すグラフである。 (a)は解析用モデルの構成を示す斜視図であり、(b)は解析用モデルの構成の一部を示す断面図である。 (a)は解析用モデルに対する加振箇所を示す斜視図であり、(b)は減衰材の構成を示す斜視図である。 (a)は実施例3~5における周波数ごとのパネルのERPを示すグラフであり、(b)は実施例3~5のそれぞれにおけるパネルのERPピーク値を示すグラフである。 減衰材における損失係数と1次共振ピーク低減量との関係を示すグラフである。 車体の構成の一部を示す斜視図である。 車体におけるルーフ部の構成を示す断面図である。 車体におけるフロア部の構成を示す断面図である。 変形例1に係る振動減衰構造を示す断面図である。 変形例2に係る振動減衰構造を示す展開断面図である。 変形例3に係る振動減衰構造を示す展開斜視図である。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
1.振動減衰構造1
本発明の実施形態に係る振動減衰構造1について、図1および図2を用いて説明する。なお、図1および図2では、振動減衰構造1を模式的に示しており、適用する位置などに応じて種々の変形が可能である。
図1に示すように、本実施形態に係る振動減衰構造1は、構造体であるパネル(第1部材)10と、パネル10に接合される減衰材(第2部材)11とを備える。パネル10は、金属材料(例えば、Fe)を含み構成されており、X方向およびY方向に延びるように面が構成されている。減衰材11は、発泡材(多孔質材料)から構成されており、X方向およびY方向に互いに間隔をあけて配置された複数の離間部(非接合部)11aを有する。図2に示すように、離間部11aは、Z方向におけるパネル10が配される側とは反対側に向けて凹入された凹部である。
隣り合う離間部11a同士の間には、リブ状に形成された接合部11bが設けられている。接合部11bは、Z方向におけるパネル10が配される側の端面である接合面11dでパネル10の合わせ面10aに接合される。なお、接合面11dと合わせ面10aとは、自己接着により接合されている。
また、減衰材11における離間部(凹部)11aの底面(離間面)11cには、Z方向に貫通する貫通孔は設けられていない。なお、「貫通孔」は、底面11cから直線的に設けられた孔を意味し、減衰材11を構成する発泡材に存在する微細な孔が繋がっているようなものについては含まれない。
図1に示すように、減衰材11における接合部11bは、X方向およびY方向に延びるように形成されており、Z方向からの平面視で格子状の形状をもって形成されている。そして、本実施形態においては、離間部11aと接合部11bとが一体形成されている。
さらに、振動減衰構造1において、減衰材11は、パネル10よりも大きな損失係数で高減衰となるように形成されているとともに、減衰材11の1次の共振周波数がパネル10の1次の共振周波数と略同一となるように形成されている。なお、減衰材11の高次の共振周波数がパネル10の1次の共振周波数と略同一となることとしてもよい。また、減衰材11の1次または高次の共振周波数がパネル10の高次の共振周波数と略同一となることとしてもよい。
ここで、上記における「略同一」とは、減衰材11の1次の共振周波数がパネル10の1次の共振周波数と一致する場合だけでなく、パネル10の1次の共振周波数のピークの裾野に当たる周波数領域を含むことを意味する。具体的には、パネル10の共振周波数と√2の積と共振周波数との差と、当該差を共振周波数に加減算して得られた周波数域を意味する。
2.振動減衰
ある部材の振動減衰性を高めるためには、全体に占める部材の歪エネルギ割合を示す、(i)歪エネルギ分担率と、(ii)部材の損失係数を高めることが必要となる。減衰性については、次式で表される。
Figure 2022155901000002
上記関係式において、ηが構成部材mの損失係数、Ueが要素eの歪エネルギ、Utotalが全歪エネルギを指す。
3.解析用モデルを用いた解析
(1)解析用モデル5
解析に用いた実施例1に係る解析用モデル5について、図3および図4を用いて説明する。
図3に示すように、解析用モデル5は、パネル(第1部材)50と、減衰材(第2部材)51と、治具フレーム51とを有する。図4(a)に示すように、パネル50は、周縁部50aに対して底部50bが深さH50(5mm)の箇所に位置する200mm×300mmのスイープ曲面パネルである。パネル50は、Feを用いて形成され、板厚が0.6mmである。
図示を省略するが、減衰材51は、パネル50に沿うように形成されている。即ち、減衰材50もスイープ曲面を有するように形成されている。
図4(b)に示すように、治具フレーム52は、断面ハット状のハット状部材520と平板状の板状部材521とが接合されて形成されている。治具フレーム52は、高さH52が50mm、幅W52が80mm、内周フランジ部52aの幅W52aおよび外周フランジ部52bの幅W52bがそれぞれ15mmで形成されている。図3に示すように、治具フレーム52は、Z方向からの平面視で矩形枠形状を有する。
図4(b)に示すように、パネル50は、当該パネル50の周縁部50aが治具フレーム52の内周フランジ部52aに接合されて完全拘束されている。減衰材51は、当該減衰材51の周縁部51aがパネル50の周縁部50aに接合されている。解析用モデル5において、減衰材51の周縁部51aが「接合部」に該当し、減衰材51の周縁部51aを除く部分が「非接合部」に該当する。
なお、用いた減衰材51は、次のような材料特性を有する。
・ヤング率:80MPa
・損失係数比率(パネル/減衰材):0.3%
(2)比較例に係る解析用モデル
比較例1に係る解析用モデルでは、図3および図4に示す実施例1に係る解析用モデル5に対して、減衰材51を省略している。
また、比較例2に係る解析用モデルでは、図3および図4に示す実施例1に係る解析用モデル5に対して、パネル50と減衰材51とを全面で接合している。
(3)解析条件
図3に示すように、パネル50に対して加振した(VIB)。そして、周波数ごとの等価放射パワー(ERP)を評価指標とした。ERPは、部材の振動により発生するエネルギ放射の量を表し、振動速度と面積との積の関数で表される。
(4)解析結果
図5に示すように、80Hz~480Hzを評価範囲として、実施例1および比較例1,2のERPを評価した。比較例2に係るモデルでは、ERP最大値が、比較例1に係るモデルのERP最大値に対して13.8dB低下した。また、実施例1に係るモデル5では、ERP最大値が、比較例1に係るモデルのERP最大値に対して21dB低下した。
図6(a)に示すように、実施例1に係る解析用モデル5では、パネル50の1次の共振周波数と減衰材51の1次の共振周波数とが略同一であり、比較例1に係るモデル(減衰材なしのモデル)の1次共振と比較して、ピークの高さを低くい抑えることができている。即ち、実施例1に係る解析用モデル5では、減衰材51にパネル50に対して接合されていない非接合部を設けることにより、減衰材51を共振し易くすることができ、減衰材51自ら変形することができる。
一方、図6(b)に示すように、比較例2に係るモデルでは、パネル50に減衰材51が接合されているため、ERP最大値が比較例1よりは低くなっているが、比較例に係るモデルでは、減衰材51がパネル50に対して全面で接合されているため、減衰材51がパネル50と一体に振動する。よって、比較例2に係るモデルでは、実施例1に係る解析用モデル5に比べて振動減衰性能が低い。
(5)損失エネルギ
実施例1および比較例1,2の各モデルについて、パネル50の1次共振時の損失エネルギ割合を比較した結果を表1に示す。
Figure 2022155901000003
表1に示すように、比較例1に係るモデルでは、減衰材を有さないため、パネル50の1次共振時における当該パネル50の損失エネルギの割合が97,3%と大きくなっている。比較例2に係るモデルでは、パネル50と減衰材51とが全面で接合されているため、パネル50における損失エネルギの割合が1.6%と比較例1に対して大幅に小さく抑えられている。
実施例1に係る解析用モデル5では、上記のようにパネル50からの振動の入力に対して、減衰材51がパネル50に拘束されることなく振動できるので、パネル50における損失エネルギの割合が0.3%まで小さく抑えられている。即ち、実施例1に係る解析用モデル5では、減衰材51自体の共振によって、パネル50の振動エネルギをより多く減衰材51に伝達することができ、減衰材51でエネルギを吸収してパネル50の損失エネルギの割合を小さく抑えることができたと考えられる。
4.減衰材のヤング率
減衰材のヤング率とERP最大値との関係について、図7および図8を用いて説明する。
先ず、上記実施例1および比較例1,2に加えて、次のような実施例2,3に係るモデルを準備した。
(実施例2)上記実施例1と同様の構造のモデルであって、減衰材51のヤング率を40MPaに設定した。
(実施例3)上記実施例1と同様の構造のモデルであって、減衰材51のヤング率を100MPaに設定した。
図7に示すように、実施例1に係る解析用モデル5では、比較例1に係る解析用モデルに比べてERP最大値が21dB低減できたのに対して、実施例2に係る解析用モデルでは、実施例1に係る解析用モデル5よりは低減度合が小さいものの、比較例1,2に係る解析用モデルよりはERP最大値が低減できた。また、実施例3に係る解析用モデルでは、実施例1に係る解析用モデル5に比べてERP最大値の低減度合は少ないものの、比較例1,2および実施例2の各解析用モデルよりも低減できた。
図8(a)に示すように、横軸に周波数、縦軸にERPをとったグラフにおいて、実施例2に係る解析用モデルでは、減衰材51の1次の共振周波数が300Hz付近にあり、パネル50の1次の共振周波数に対して若干離れている。このため、実施例2に係る解析用モデルでは、パネル50の振動減衰効果が図8(b)に示す実施例1に係る解析用モデル5に比べて低くなったものと考えられる。
一方、図8(b)、(c)に示すように、実施例1に係る解析用モデル51および実施例3に係る解析用モデルでは、減衰材51の1次の共振周波数がパネル50の1次の共振周波数と非常に接近しており、パネル50の振動減衰効果を十分に得ることができたものと考えられる。具体的に、図8(b)に示すように、実施例1に係る解析用モデル5では、減衰材51のヤング率を80MPaに設定することにより、減衰材51の1次の共振周波数がパネル50の1次の共振周波数(略420Hz)と略同一であり、パネル50のERPが低く抑えられた。
同様に、図8(c)に示すように、実施例3に係る解析用モデルでも、減衰材51の1次の共振周波数が実施例1に係る解析用モデル5に比べて若干離れているものの、パネル50の1次の共振周波数に対して略同一の範囲にあり、パネル50の振動減衰効果を得ることができた。
ここで、図8(a)~(c)に示す実施例1~3では、パネル50の1次の共振周波数に対して減衰材51の1次の共振周波数が「略同一」の範囲にある。「略同一」とは、減衰材(第2部材)51の1次の共振周波数がパネル(第1部材)50の1次の共振周波数と一致する場合だけでなく、パネル50の1次の共振周波数のピークの裾野に当たる周波数領域を含むことを意味する。具体的には、パネル50の1次の共振周波数をFrとするとき、(Fr-α)から(Fr+α)までの範囲が「略同一」と規定できる。
上記の「α」は、次のように算出することができる。
(1)パネル50の共振周波数Frに√2を掛ける(Fr×√2)。
(2)(Fr×√2)からFrを引き((Fr×√2)-Fr)、αを算出する。
以上のように、「略同一」の範囲が規定できる。
5.減衰材の共振次数
振動減衰楮における減衰材の共振次数とエネルギ吸収との関係について検討した。その結果について、図9を用いて説明する。なお、本検討においては、次のような材料を用いて形成された減衰材を使用した。
・ヤング率:0.1MPa
・損失係数比率(パネル/減衰材):0.3%
図9に示すように、減衰材が受け持つ損失エネルギ割合は、当該減衰材の共振次数が高次になるほど低くなった。即ち、損失エネルギについての減衰材の寄与割合は、減衰材の共振次数が高次になるほど低くなった。
よって、減衰材の1次の共振周波数をパネルの1次の共振周波数と略同一とすることが、パネルの振動減衰における減衰材の寄与割合を高くできるとの観点から望ましい。ただし、減衰材の2次および3次の共振周波数であっても、パネルの振動減衰に対して寄与するので、これを排除するものではない。
6.ダイナミックダンパを用いたモデルとの比較
実施例1に係る解析用モデル5と、ダイナミックダンパ(以下では、「D/D」と記載する。)を用いたモデルとの振動減衰に関する比較結果について、図10および図11を用いて説明する。
図10(a)に示すように、D/Dを用いた比較例3に係るモデル6は、パネル60と、D/D61と、治具フレーム62とを備える。パネル60および治具フレーム62については、実施例1に係る解析用モデル5のパネル50および治具フレーム52と同一の構造である。
D/D61は、パネル60の中央に接続されたバネ61aとバネ61aのZ方向上部に接続された集中マス61bとを有する。集中マス61bの質量および損失係数については、実施例1に係る解析用モデル5における減衰材51と同一に設定した。
図10(b)に示すように、比較例3に係るモデル6では、比較例1に係るモデルに比べてERP最大値が19.5dB低減できる。比較例3におけるERP最大値の低減度合は、実施例1に係る解析用モデル5に比べて若干小さい。
実施例1に係る解析用モデル5では、比較例3に係るモデル6に対して、減衰材51による損失エネルギ割合が大きい周波数帯域が広い。これについて、図11を用いて説明する。
図11(a)に示すように、実施例1に係る解析用モデル5では、損失エネルギ割合において減衰材51がどの周波数でも80%以上を占めている。これに対して、図11(b)に示すように、D/D61を用いた比較例3に係るモデル6では、D/D61が共振している周波数(400Hz付近)ではD/D61が大きな割合を占めているが、D/D61が共振していない他の周波数では損失エネルギ割合が大きく低下した(破線で囲んだ部分)。
よって、実施例1に係る解析用モデル5では、D/D61を用いた比較例3に係るモデル6に対して、減衰材51の損失エネルギ割合が大きい周波数帯域が広いことが分かる。
7.減衰材の構成についての検討
種々の構造体に対して振動減衰効果を得ることができる減衰材の構造について検討を行った。検討結果について、図12から図14を用いて説明する。
図12(a)、(b)に示すように、本検討で用いた解析用モデル7は、パネル(第1部材)70と、減衰材(第2部材)71と、治具フレーム72とを備える。図12(b)に示すように、パネル70は、減衰材71と治具フレーム72との間に介挿されている。
減衰材71は、X方向およびY方向の双方向に、離間部71aと接合部71bとが交互に繰り返すように形成されている。接合部71bは、端面がパネル70に接合される部分である。離間部71aは、減衰材71の接合部71bをパネル70に接合した状態で、パネル70からZ方向に離間するように凹入した状態で形成された部分である。即ち、離間部71aは凹部であって、パネル70と接合されない非接合部である。
なお、図12(a)に示すように、解析用モデル7は、X方向寸法が1150mm、Y方向寸法が500mm、Z方向寸法が100mmである。
図12(b)に示すように、減衰材71における離間部71aの各寸法をLr1,Lr2、Drとした。各寸法Lr1,Lr2、Drの望ましい値について、実施例4~6を用いて検討を行った。
ここで、Lr1=Lr2とし、各実施例4~6で、(実施例4)>(実施例5)>(実施例6)とした。また、Drについては、(実施例4)=(実施例5)=(実施例6)とした。
なお、実施例4~6において、パネル70,減衰材71、および治具フレーム72として、次のような部材を用いた。
(1)パネル70
・形状:平板
・材質:鉄(Fe)
(2)減衰材71
・形状:ワッフル形状
・材質:アクリル発泡材(多孔質材料)
(3)治具フレーム72
・形状:実施例1の治具フレーム52と同一形状
・材質:鉄(Fe)
本検討で用いた材料の特性を次表に示す。
Figure 2022155901000004
図13(a)に示すように、実施例4~6の各解析用モデル7に対して、治具フレーム72に対してZ方向に振動を入力した(VIB)。
図14(a)に示すように、実施例4のモデルでは、パネル70のERPにおいて、50Hz付近および60Hz付近にピークが現れた。実施例5のモデルでは、パネル70のERPにおいて、45Hz付近および60Hz付近に低いピークが現れた。また、実施例6のモデルでは、パネル70のERPにおいて、45Hz付近および55Hz付近に若干高いピークが現れた。
図14(b)に示すように、実施例4~6におけるERPピーク値は、実施例4のモデルでのERPピーク値を“100”とするとき、実施例5のモデルでは“63”、実施例6では“186”となった。
以上の結果より、Z方向からの平面視での接合部71bの形状が格子状の形状を採用する場合、リブのピッチ(Lr1、Lr2)を100mmとした実施例5のモデルで最もパネル70の1次共振の振動レベルを低減できることが分かった。なお、この場合に、パネル70の1次の共振周波数に近い周波数域に減衰材71の1次の準共振が存在していた。
一方、リブのピッチ(Lr1、Lr2)を50mmとした実施例4のモデルでは、パネル70の1次の共振周波数よりも高い周波数域に減衰材71の共振周波数が存在していた。また、リブのピッチ(Lr1、Lr2)を150mmとした実施例6のモデルでは、パネル70の1次の共振周波数よりも低い周波数域に減衰材71の共振周波数が存在していた。
以上より、凹部(離間部)71aと接合部71bとがX方向およびY方向の双方に交互に繰り返す構造(ワッフル形状)の減衰材71を採用する場合においても、実施例1に係る解析用モデル5と同様に、パネル70に接合されていない離間部71aの準共振をパネル70の1次の共振周波数に一致させることが重要であると考えられる。
なお、詳細を省略するが、本発明者等は、減衰材71におけるDrの大小にかかわらず、同じ傾向の結果が得られた。
8.減衰材の損失係数についての検討
パネルにおける高い振動減衰効果を得るために、望ましい減衰材の損失係数について検討を行った。検討結果を図15に示す。
本検討においては、パネルとして次のようなものを用いた。
・材質:鉄(Fe)
・厚み:2.4mm
なお、減衰材には、上記モデル7の減衰材71と同様の構造のものを用いた。
また、比較のために、減衰材を有さないモデルについても準備した。
図15に示すように、減衰材を備えるモデルにおいて、1次共振ピーク低減量は、損失係数が“0.001”から“0.1”に向けて漸減して行く。そして、損失係数が“0.1”よりも若干大きい箇所から、逆に漸増して行く。
減衰材を備えるモデルにおいて、1次共振ピーク低減量が最も小さい箇所がP1となる。グラフ上にP1を通る垂線を引く。この場合に、減衰材を有さないモデルでの特性線との交点をP2とする。そして、P1とP2との中点P3を通り横軸に平行な線をグラフに引く。このとき、減衰材を備えるモデルの特性線との交点をP4とする。
P4における損失係数は、“0.01”である。よって、表2に示すようにパネルが鉄(Fe)から構成されている場合には、減衰材(アクリル発泡材)の損失係数を“0.01”以上に設定することにより、減衰材を有さないモデルに比べて最大となる効果の50%以上を確保することが可能となる。
9.効果
本実施形態に係る振動減衰構造1では、パネル10に取り付けられる減衰材11が接合部11bと離間部(非接合部)11aとを有する。そして、減衰材11は、パネル10よりも高減衰となるように(大きな損失係数を有するように)形成されている。さらに、減衰材11は、その共振周波数がパネル10の1次の共振周波数と略同一に設定されている。振動減衰構造1では、接合部11bを介してパネル10から減衰材11へと振動が入力され、減衰材11における離間部11aがパネル10に拘束されることなく共振する。よって、振動減衰構造1では、減衰材11の接合部11bに歪エネルギを蓄積することができる。
従って、振動減衰構造1では、構造体であるパネル10の剛性を低下させることなく、高い振動減衰効果を得ることができる
また、振動減衰構造1では、減衰材11の離間部11aがパネル10に対してZ方向に間隔をあけて離間している。このため、パネル10から振動が入力された場合に、離間部11aでの共振がパネル10により拘束され難い。
また、振動減衰構造1では、離間部11aである凹部の底面(離間面)11cには貫通孔は形成されていない。このため、パネル10から入力された振動により減衰材11の離間部11aが共振する際の共振モードが阻害され難い。
また、振動減衰構造1では、接合部11bをリブ状の部分として形成することにより、パネル10から入力された振動により減衰材11の離間部11aが共振する際の共振モードが阻害され難い。
また、振動減衰構造1では、減衰材11において、接合部11bと離間部11aとがX方向およびY方向の双方に交互に配置された構造となっている。このため、振動減衰構造1では、複数の共振面を有し、パネル10の共振点に減衰材11の共振点を合致させることが容易となる。
また、振動減衰構造1では、減衰材11の接合部11bがZ方向からの平面視で格子状に形成されている。よって、振動減衰構造1では、Z方向に対して直交する方向に複数の共振面を有する。よって、振動減衰構造1では、パネル10の共振点に減衰材11の共振点を合致させるのにさらに優位である。
また、振動減衰構造1では、減衰材11の1次の共振周波数とパネル10の1次の共振周波数とが略同一となるように減衰材11が形成されている。このように減衰材11の1次の共振周波数とパネル10の1次の共振周波数とを略同一とした場合には、効果的に振動減衰することが可能となる。
また、振動減衰構造1では、多孔質材料(一例として、アクリル発泡材)を用いて減衰材11が形成されている。このため、中実の材料を用いて減衰材を形成する場合に比べて軽量化を図りながら効果的に振動減衰することが可能である。
また、振動減衰構造1では、パネル10が金属材料(一例として、鉄(Fe))を用いて形成されているとともに、減衰材11の損失係数が0.01以上に設定されている。これより、該振動減衰構造1を採用しない場合に比べて、振動減衰に関して顕著な効果を得ることができる。
また、振動減衰構造1では、減衰材11における接合部11bと離間部11aとが一体形成されている。これより、接合部11bと離間部11aとが別体で形成されている場合に比べて、接合部11bを介してパネル10から入力された振動が円滑に離間部11aへと伝達される。よって、振動減衰構造1では、減衰材11における離間部11aが共振することで接合部11bに歪エネルギを蓄積させるのに優位であり、振動減衰に係る効果を得るのにさらに優位である。
以上のように、本実施形態に係る振動減衰構造1では、構造体であるパネル10自体の剛性を低下させることなく、高い振動減衰効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、減衰材11の離間部11aにおいて、パネル10に対して離間部11aの底面11cが離間した構造を一例として採用したが、本発明は、パネル10に対して減衰材11が接合されていない非接合部が形成されていれば足りる。
[変形例1]
変形例1に係る振動減衰構造2について、図19を用いて説明する。なお、図19では、振動減衰構造2における一断面だけを抜き出して図示しているが、紙面の奥行き方向にも図19に示すのと同様の構造が構成されている。
図19に示すように、本変形例に係る振動減衰構造2についても、構造体であるパネル(第1部材)20と、減衰材(第2部材)21とを備える。パネル20は、上記実施形態に係る振動減衰構造1のパネル10と同様に、平板状に形成された部材である。
減衰材21は、パネル20と接合される側(図19のZ方向上側)に複数の離間部(第1凹部)21aと複数の接合部21bとを有する。減衰材21は、複数の接合部21bのそれぞれでパネル20に接合されている。離間部21aは、X方向および紙面に直交する方向において、隣り合う接合部21b同士の間に形成されており、Z方向においてパネル20から離間している。
本変形例に係る振動減衰構造2では、減衰材21は、パネル20に接合される側とは反対側(図19のZ方向下側)にも複数の離間部(第2凹部)21cと複数の接合部21dとを有する。離間部21cおよび接合部21dの配置形態については、離間部21aおよび接合部21bの配置形態と同一である。そして、離間部21aと離間部21cとをZ方向から平面視する場合に、離間部21aと離間部21cとは互いに重複するように配置されている。
本変形例に係る振動減衰構造2では、減衰材21に対してZ方向におけるパネル20とは反対側(図19のZ方向下側)に構造体であるベース部材500が接合された場合においても、離間部21aでの共振が阻害され難い。即ち、離間部21aに対してZ方向下側となる領域にベース部材500と離間する離間部21cが形成されているので、ベース部材500の主面500aに接合部21dが接合されていても、離間部21aの共振モードが阻害され難く、接合部21bに歪エネルギを蓄積させるのに優位であり、振動減衰に係る効果を得るのにさらに優位である。
[変形例2]
変形例2に係る振動減衰構造3について、図20を用いて説明する。なお、図20でも、振動減衰構造3における一断面だけを抜き出して図示しているが、紙面の奥行き方向にも図20に示すのと同様の構造が構成されている。
図20に示すように、本変形例に係る振動減衰構造3は、構造体であるパネル(第1部材)30と、減衰材(第2部材)31とを備える。パネル30は、上記実施形態に係る振動減衰構造1および上記変形例1に係る振動減衰構造2のパネル10,20と同様に、平板状に形成された部材である。
本変形例に係る振動減衰構造3では、減衰材31が互いに接合された板状部材310と格子状部材311とから構成されている。板状部材310は、厚みを有する板状の部材であって、パネル30と略平行に配される。格子状部材311は、格子状に形成された接合部311bと、それぞれがZ方向の上下に開口を有する複数の離間部(非接合部)311aとを有する。格子状部材311は、接合面311cでパネル30の合わせ面30aに接合され、接合面311dで板状部材310の主面310aに接合される。
本変形例に係る振動減衰構造3では、板状部材310と格子状部材311との組み合わせで減衰材31を構成することとしているが、上記実施形態に係る振動減衰構造1と同様の構造を有するので、上記同様の効果を得ることができる。
[変形例3]
変形例3に係る振動減衰構造4について、図21を用いて説明する。なお、図21では、振動減衰構造4における一断面だけを抜き出して図示している。
図21に示すように、本変形例に係る振動減衰構造4は、構造体であるパネル(第1部材)40と、減衰材(第2部材)41とを備える。パネル40は、上記実施形態に係る振動減衰構造1および上記変形例1,2に係る振動減衰構造2,3のパネル10,20,30と同様に、平板状に形成された部材である。
本変形例に係る振動減衰構造4では、減衰材41が板状部41cと複数の柱状部41aとを有する。板状部41aは、厚みを有する板状の部材であって、パネル40と略平行に配される。複数の柱状部41aは、それぞれが円柱状の外観形状を有し、互いに間隔をあけて板状部41cのZ方向上側に立設されている。なお、板状部41cと複数の柱状部41aとは、一体形成されていてもよいし、互いに接合されていてもよい。
本変形例に係る振動減衰構造4では、複数の柱状部41aのZ方向上側の部分でパネル40が接合される。そして、減衰材41において、板状部41cとパネル40との間の領域において、隣り合う柱状部41a同士の空間が離間部(非接合部)41bとなる。
本変形例に係る振動減衰構造4では、図21に示すように、板状部41cと複数の柱状部41aとを有する減衰材41を備えることにより、上記実施形態や上記変形例1,2のような格子状の接合部11b,21b,311bを有する減衰材11,21,31を採用する場合に比べて減衰材41の剛性を低減することが可能となる。このため、本変形例に係る振動減衰構造4は、当該振動減衰構造4の剛性や共振周波数の制御を行うのに採用することができる。
なお、本発明では、上記実施形態および上記変形例1~3の各構造を適宜に組み合わせることも可能である。
[振動減衰構造の適用例]
本実施形態に係る振動減衰構造の適用例について、図16から図18を用いて説明する。
(1)車体100のルーフ部101への適用例
図17は、図16のXVII-XVII線断面を示す。
図17に示すように、本実施形態に係る振動減衰構造1を車体100のルーフ部101に適用する場合には、構造体であるルーフパネル(第1部材)1010と、ルーフパネル1010に車体内側から接合されたトップシーリング(第2部材)1011とにより振動減衰構造1が形成される。
トップシーリング1011は、車体100の前後方向において、互いに間隔をあけて配された複数の接合部1011bと、隣り合う接合部1011b同士の間に配された離間部(非接合部)1011aとを有する。トップシーリング1011は、接合部1011bでルーフパネル1010に接合されている。そして、離間部1011aは、ルーフパネル1010よりも車室内側に位置し、ルーフパネル1010に対して離間して接合されていない。
なお、図17に示すように、車体100の前後方向において、トップシーリング1011における接合部1011bは、略等間隔に配置されているが、接合部1011bは必ずしも等間隔に配置されている必要はなく、車体レイアウトに応じて適宜に間隔を設定することが可能である。
(2)車体100のフロア部102への適用例
図18は、図16のXVIII-XVIII線断面を示す。
図18に示すように、本実施形態に係る振動減衰構造1を車体100のフロア部102に適用する場合には、構造体であるフロアパネル(第1部材)1020と、フロアマット(第2部材)1021とにより振動減衰構造1が形成される。
フロアマット1021は、車幅方向において、互いに間隔をあけて配された複数の接合部1021bと、隣り合う接合部1021b同士の間に配された離間部(非接合部)1021aとを有する。フロアマット1021は、トンネル部102aとサイドシル102bとの間において、接合部1021bでフロアパネル1020に接合されている。離間部1021aは、フロアパネル1020よりも車室内側に位置し、フロアパネル1020に対して離間して接合されていない。
なお、図18に示すように、車体100の車幅方向において、フロアマット1021における接合部1021は、等間隔ではない状態で配置されているが、接合部1021bは等間隔に配置されてもよく、車体レイアウトに応じて適宜に設定することが可能である。
なお、上記では、振動減衰構造1の適用例として車体100のルーフ部101およびフロア部102について説明したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、車体のピラー(AピラーやBピラーなど)に適用することも可能である。また、車体以外にも、建物の一部に適用したり、電気製品などに適用したり、船舶や航空機などに適用したりすることも可能である。
1~4 振動減衰構造
10,20,30,40 パネル(第1部材)
11,21,31,41 減衰材(第2部材)
11a,21a,41b,311a 離間部(非接合部)
11b,21b,311b 接合部
41a 柱状部(接合部)
100 車体
101 ルーフ部
102 フロア部
1010 ルーフパネル(第1部材)
1011 トップシーリング(第2部材)
1011a 離間部(非接合部)
1011b 接合部
1020 フロアパネル(第1部材)
1021 フロアマット(第2部材)
1021a 離間部(非接合部)
1021b 接合部

Claims (14)

  1. 構造体である第1部材と、
    前記第1部材に接合される第2部材と、
    を備え、
    前記第2部材は、前記第1部材に面する領域において、
    前記第1部材に接合される1または複数の接合部と、
    前記接合部に隣接配置された、前記第1部材とは接合されない1または複数の非接合部と、
    を有し、
    前記第2部材は、前記第1部材よりも高減衰となるように形成されているとともに、当該第2部材の共振周波数が前記第1部材の共振周波数に略同一となるように形成されている、
    振動減衰構造。
  2. 請求項1に記載の振動減衰構造において、
    前記第2部材における前記非接合部は、前記第1部材に対して間隔をあけた状態で離間するように形成されている、
    振動減衰構造。
  3. 請求項2に記載の振動減衰構造において、
    前記第2部材は、少なくとも前記接合部を複数有しており、
    前記非接合部における前記第1部材に対して離間する離間面には、前記第1部材と前記第2部材との接合方向における前記第1部材とは反対向きに貫通する貫通孔は形成されていない、
    振動減衰構造。
  4. 請求項3に記載の振動減衰構造において、
    前記接合部は、前記接合方向において、前記離間面よりも前記第1部材の側に向けて立設されたリブ状部である、
    振動減衰構造。
  5. 請求項3または請求項4に記載の振動減衰構造において、
    前記非接合部は、前記接合方向における前記第1部材とは反対側に向けて凹入した第1凹部をもって形成されており、
    前記第2部材は、前記第1部材に面する領域とは前記接合方向の反対側となる領域において、周囲よりも前記接合方向の前記第1部材に向けて凹入するよう形成された第2凹部を有し、
    前記第2部材における前記第1凹部と前記第2凹部とは、前記第2部材を前記接合方向から平面視する場合に、互いに重複するように配置されている、
    振動減衰構造。
  6. 請求項1から請求項4の何れかに記載の振動減衰構造において、
    前記第2部材は、前記接合部および前記非接合部をそれぞれ複数有しており、
    前記第2部材において、前記接合部と前記非接合部とは、前記第1部材と前記第2部材との接合方向に直交する方向において交互に配置されている、
    振動減衰構造。
  7. 請求項6に記載の振動減衰構造において、
    前記第2部材における前記接合部は、当該接合部と前記第1部材とを前記接合方向から平面視する場合に、格子状の形状をもって形成されている、
    振動減衰構造。
  8. 請求項1から請求項7の何れかに記載の振動減衰構造において、
    前記第2部材は、当該第2部材の共振周波数が前記第1部材の1次の共振周波数に略同一となるように形成されている、
    振動減衰構造。
  9. 請求項1から請求項8の何れかに記載の振動減衰構造において、
    前記第2部材は、当該第2部材の1次の共振周波数が前記第1部材の1次の共振周波数に略同一となるように形成されている、
    振動減衰構造。
  10. 請求項1から請求項9の何れかに記載の振動減衰構造において、
    前記第2部材は、多孔質材料を用いて形成されている、
    振動減衰構造。
  11. 請求項1から請求項10の何れかに記載の振動減衰構造において、
    前記第1部材は、車体のフロアパネルであり、
    前記第2部材は、前記フロアパネルに対して車室内側に取り付けられるフロアマットである、
    振動減衰構造。
  12. 請求項1から請求項10の何れかに記載の振動減衰構造において、
    前記第1部材は、車体のルーフパネルであり、
    前記第2部材は、前記ルーフパネルに対して車室内側に取り付けられるトップシーリングである、
    振動減衰構造。
  13. 請求項1から請求項12の何れかに記載の振動減衰構造において、
    前記第1部材は、金属材料を用いて形成されており、
    前記第2部材は、0.01以上の損失係数を有する、
    振動減衰構造。
  14. 請求項1から請求項13の何れかに記載の振動減衰構造において、
    前記第2部材では、前記接合部と前記非接合部とが一体形成されている、
    振動減衰構造。
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