JP2022150086A - 樹脂フィルム、その製造方法、金属張積層板及び回路基板 - Google Patents

樹脂フィルム、その製造方法、金属張積層板及び回路基板 Download PDF

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裕明 山田
Hiroaki Yamada
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Abstract

【課題】透明性を有し、高周波伝送においても伝送損失の低減が可能で、かつ、寸法安定性に優れた樹脂フィルムを提供する。【解決手段】 ポリイミド絶縁層Pと、ポリイミド絶縁層Pの片面又は両面に積層されているフッ素系樹脂層F1,F2と、を備え、条件i)樹脂フィルムA全体の全光線透過率が80%以上であること、条件ii)樹脂フィルムA全体の熱膨張係数が30ppm/K以下であること、を満たす。樹脂フィルムAは、スプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)によって測定される樹脂フィルムA全体の周波数10GHzにおける誘電正接が0.008以下であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品材料として有用な樹脂フィルム、その製造方法、金属張積層板及び回路基板に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Circuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度の実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、携帯情報端末、スマートフォン等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。
FPCに代表される回路基板を構成する絶縁樹脂層の材料として、耐熱性、耐薬品性、柔軟性、機械的特性及び電気的特性に優れたポリイミドが汎用されている。ポリイミドは、一般に黄褐色を呈するため、透明性が要求される用途に適用するために、フッ素原子を含有する原料モノマーを使用して透明性を高めることが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
ところで、近年では機器の高性能化が進んだことから、伝送信号の高周波化への対応も必要とされている。高周波信号を伝送する際に、伝送経路における伝送損失が大きい場合、電気信号のロスや信号の遅延時間が長くなるなどの不都合が生じる。そのため、今後はFPCにおいても、伝送損失の低減が重要となる。
高周波伝送特性を改善するために、ポリイミド層にフッ素系樹脂層を積層した積層体を回路基板の絶縁樹脂層として用いることが提案されている(例えば、特許文献3、4)。特許文献3、4の絶縁樹脂層は、フッ素系樹脂を使用しているため、誘電特性の点では優れているが、寸法安定性に課題があり、特に、FPCに適用した場合、エッチングによる回路加工の前後の寸法変化と、加熱処理の前後の寸法変化が大きくなることが懸念される。
特開2010-155360号公報 国際公開WO2020/262450号 特開2019-166844号公報 国際公開WO2020/213515号
ポリイミド層単体の誘電正接を下げるためには、秩序構造を形成させることが効果的であるが、ポリイミドの全光線透過率を上げるには、CT相互作用が起こりにくく、秩序構造を取りにくくする必要がある。つまり、ポリイミド層において、全光線透過率の向上と低誘電正接化とはトレードオフに関係にあると考えられる。
本発明の目的は、高い透明性を有し、高周波伝送においても伝送損失の低減が可能で、かつ、寸法安定性に優れた樹脂フィルムを提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、ポリイミド絶縁層にフッ素系樹脂層を積層することによって、透明性の向上、伝送損失の低減及び寸法精度の維持が可能になることを見出した。
すなわち、本発明の樹脂フィルムは、複数層からなる積層構造を有する樹脂フィルムであって、ポリイミド絶縁層と、前記ポリイミド絶縁層の片面又は両面に積層されているフッ素系樹脂層と、を備えている。本発明の樹脂フィルムは、下記の条件i)及び条件ii);
i) 前記樹脂フィルム全体の全光線透過率が80%以上であること、
ii) 前記樹脂フィルム全体の熱膨張係数が30ppm/K以下であること、
を満たすことを特徴とする。
本発明の樹脂フィルムは、スプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)によって測定される樹脂フィルム全体の周波数10GHzにおける誘電正接が0.008以下であってもよい。
本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルム全体の厚みが10~150μmの範囲内であってもよく、樹脂フィルム全体の厚みに対する前記ポリイミド絶縁層の厚みの比率が0.5~0.9の範囲内であってもよい。
本発明の樹脂フィルムは、前記ポリイミド絶縁層が単層又は複数のポリイミド層からなるものであってよい。この場合、ポリイミド絶縁層全体の厚みに対して50%以上の厚みを有するポリイミド層(i)を構成するポリイミドが、フッ素原子を含む芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基及び/又はフッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される酸二無水物残基を含むものであってもよい。
また、前記ポリイミド層(i)に含まれるフッ素原子の割合が、ポリイミド全体に対して10~40重量%の範囲内であってもよい。
本発明の金属張積層板は、上記いずれかの樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムにおけるフッ素系樹脂層の面に積層された金属層と、を備えている。
本発明の別の観点の金属張積層板は、
第1の金属層と、
前記第1の金属層の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層と、
第2の金属層と、
前記第2の金属層の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層と、
2つの前記フッ素系樹脂隣接層の間に介在する複数の樹脂層と、
を備えている。この場合、2つの前記フッ素系樹脂隣接層と前記複数の樹脂層とによって樹脂積層体が形成されており、前記樹脂積層体は、
少なくとも2層以上のポリイミド層と、
前記ポリイミド層の間に積層されているフッ素系樹脂中間層と、
を有している。
本発明の回路基板は、上記いずれかの金属張積層板の前記金属層を配線加工してなるものである。
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、上記いずれかの樹脂フィルムを製造する方法であって、
基材上に、フッ素系樹脂粒子を含有する溶液を塗布して熱処理することによって前記フッ素系樹脂粒子を融解させて前記フッ素系樹脂層を形成する工程;
前記フッ素系樹脂層の上に、ポリイミドの前駆体溶液を塗布し、熱処理することによってイミド化し、前記ポリイミド層を形成する工程;
を含むものである。
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、さらに、
前記ポリイミド層の上に、さらに、フッ素系樹脂粒子を含有する溶液を塗布して熱処理することによって前記フッ素系樹脂粒子を融解させて2層目の前記フッ素系樹脂層を形成する工程、
を含んでいてもよい。
本発明の樹脂フィルムは、ポリイミド絶縁層にフッ素系樹脂層を積層することによって、高い透明性と寸法安定性を実現することを可能とし、さらに透明性と低誘電正接化の両立も図られている。したがって、本発明の樹脂フィルムを絶縁樹脂層に適用した回路基板は、絶縁樹脂層の透明性と寸法安定性を確保しながら、高周波信号伝送における伝送損失を効果的に抑えることができる。従って、本発明の樹脂フィルム及び金属張積層板は、例えば周波数が10GHz以上の高周波信号を伝送する回路基板等へ適用した場合に、伝送損失を効果的に低減することが可能となる。
本発明の一実施の形態の樹脂フィルムの構成を示す模式図である。 樹脂フィルムの製造工程を示す説明図である。 本発明の一実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式図である。 本発明の別の実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式的断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式的断面図である。
本発明の実施の形態について、適宜図面を参照して説明する。
[樹脂フィルム]
本発明の一実施の形態の樹脂フィルムは、複数層からなる積層構造を有する樹脂フィルムである。本実施の形態の樹脂フィルムは、ポリイミド絶縁層と、このポリイミド絶縁層の片面又は両面に積層されているフッ素系樹脂層と、を備えている。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる樹脂フィルムの構成例を示す模式図である。樹脂フィルムAは、ポリイミド絶縁層Pと、ポリイミド絶縁層Pの片側の面に積層された第1のフッ素系樹脂層F1と、ポリイミド絶縁層Pの第1のフッ素系樹脂層F1とは反対側の面に積層された第2のフッ素系樹脂層F2と、を備えている。樹脂フィルムAは、ポリイミド絶縁層Pを第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2で挟み込んだサンドイッチ構造を有している。なお、樹脂フィルムAは、第1のフッ素系樹脂層F1又は第2のフッ素系樹脂層F2のいずれか片方のみを有するものでもよい。また、第1のフッ素系樹脂層F1と第2のフッ素系樹脂層F2は、同一の構成でもよいし、異なる構成でもよい。
[ポリイミド絶縁層]
ポリイミド絶縁層Pは、単層又は複数のポリイミド層からなる。ポリイミド絶縁層Pは、ポリイミド絶縁層P全体の厚みに対して50%以上の厚みを有する主たるポリイミド層(i)を有していることが好ましい。ここで、「主たる」とは、ポリイミド絶縁層Pを構成する複数のポリイミド層において最も大きな厚みを有することを意味し、好ましくは、ポリイミド絶縁層Pの全厚みに対して50%以上、より好ましくは60%以上の厚みを有することをいう。ポリイミド絶縁層Pは、主たるポリイミド層(i)のみによって構成されていてもよい。
ポリイミド絶縁層Pが複数のポリイミド層からなる場合、図示は省略するが、ポリイミド絶縁層Pは、主たるポリイミド層(i)の両側に樹脂成分として熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層が積層された構造であることが好ましい。なお、「熱可塑性ポリイミド」とは、一般にガラス転移温度(Tg)が明確に確認できるポリイミドのことであるが、本発明では、DMAを用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、350℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満であるポリイミドをいう。
主たるポリイミド層(i)を構成するポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物成分から誘導される酸二無水物残基及びジアミン成分から誘導されるジアミン残基を含有する。ここで、「テトラカルボン酸残基」とは、テトラカルボン酸二無水物から誘導された4価の基のことを表し、「ジアミン残基」とは、ジアミン化合物から誘導された2価の基のことを表す。原料であるテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物をほぼ等モルで反応させた場合には、原料の種類とモル比に対して、ポリイミド中に含まれるテトラカルボン酸残基及びジアミン残基の種類とモル比をほぼ対応させることができる。
なお、本発明で「ポリイミド」という場合、ポリイミドの他、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリシロキサンイミド、ポリベンズイミダゾールイミドなど、分子構造中にイミド基を有するポリマーからなる樹脂を意味する。
主たるポリイミド層(i)を構成するポリイミドは、樹脂フィルムAの全光線透過率を80%以上とするために、フッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される酸二無水物残基及び/又はフッ素原子を含む芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を含んでいることが好ましい。主たるポリイミド層(i)を構成するポリイミドに含まれるフッ素原子の割合は、ポリイミド全体に対して10~40重量%の範囲内であることが好ましく、15~35重量%の範囲内であることがより好ましい。主たるポリイミド層(i)のフッ素濃度が40重量%を超えて高いと、樹脂フィルムA全体の全光線透過率は高くなるが、秩序構造が形成されにくくなり、誘電正接が悪化するとともに、第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2との接着性(相溶性)も悪くなる。一方、主たるポリイミド層(i)のフッ素濃度が10重量%未満であると、樹脂フィルムA全体の全光線透過率が低くなる。
主たるポリイミド層(i)を構成している主ポリイミドは、フッ素含有酸二無水物残基を含有することが好ましい。フッ素含有酸二無水物残基は、嵩高いフッ素原子を含有する基を有するため、高分子鎖間のπ-πスタッキング等の相互作用を減少させる。その結果、芳香族テトラカルボン酸残基と芳香族ジアミン残基との間の電荷移動(CT)を起こりにくくするため、ポリイミドを透明に近づけることができると考えられる。
フッ素含有酸二無水物残基としては、例えば2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}、トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2-ビス{(4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物等の酸二無水物成分から誘導される酸二無水物残基を挙げることができる。
また、ポリイミド層(i)を構成している主ポリイミドは、ポリイミド層(i)の熱膨張係数(CTE)を制御するため、下記の式(1)で表される、ピロメリット酸二無水物(PMDA)から誘導される4価の酸二無水物残基(以下、「PMDA残基」と記すことがある)を含有することが好ましい。PMDA残基は、全酸二無水物残基の合計100モル部に対して、50モル部以上含有することが好ましく、60モル部以上100モル部以下の範囲内で含有することがより好ましい。PMDA残基が50モル部未満では、ポリイミド層(i)のCTEが高くなって樹脂フィルムA全体の寸法安定性が低下する。
Figure 2022150086000002
また、ポリイミド層(i)を構成している主ポリイミドは、上記以外の酸二無水物残基として、一般にポリイミドの合成に使用される酸二無水物成分から誘導される酸二無水物残基を含んでいてもよい。そのような酸二無水物残基としては、芳香族テトラカルボン酸残基が好ましい。
ポリイミド層(i)を構成している主ポリイミドは、フッ素含有ジアミン残基を含有することが好ましい。フッ素含有ジアミン残基は、嵩高いフッ素原子を含有する基を有するため、高分子鎖間のπ-πスタッキング等の相互作用を減少させる。その結果、芳香族テトラカルボン酸残基と芳香族ジアミン残基との間の電荷移動(CT)を起こりにくくするため、ポリイミドを透明に近づけることができると考えられる。
フッ素含有ジアミン残基としては、例えば4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、3,4-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’-ビス(2-(トリフルオロメチル)-4-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス(4-(2-(トリフルオロメチル)-4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ビス(3-(トリフルオロメチル)-4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-(トリフルオロメチル)-4-アミノフェノキシ)ビフェニル、p-ビス(2-トリフルオロメチル)-4-アミノフェノキシ]ベンゼン、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基などが挙げられる。
フッ素含有ジアミン残基の中でも、下記の一般式(2)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基(以下、「ジアミン(2)残基」と記すことがある)を含有することがより好ましい。
Figure 2022150086000003
一般式(2)中、置換基Xは独立にフッ素原子で置換されている炭素数1~3のアルキル素基を示し、m及びnは独立に1~4の整数を示す。
ジアミン(2)残基は、芳香族ジアミン残基であり、2個のベンゼン環が単結合で接続されたビフェニル骨格を有しているので、秩序構造を形成しやすく、分子鎖の面内方向の配向が促進されるため、主たるポリイミド層(i)のCTEの増加を抑制し、樹脂フィルムA全体の寸法安定性を高めることができる。このような観点から、主たるポリイミド層(i)を構成する主ポリイミドは、全ジアミン残基の合計100モル部に対して、ジアミン(2)残基を50モル部以上含有することが好ましく、50モル部以上100モル部以下の範囲内で含有することがより好ましい。
ジアミン(2)残基の好ましい具体例としては、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)、3,4-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
主たるポリイミド層(i)を構成している主ポリイミドは、上記以外のジアミン残基として、一般にポリイミドの合成に使用されるジアミン成分から誘導されるジアミン残基を含んでいてもよい。
本実施の形態のポリイミドは、上記酸二無水物成分及びジアミン成分を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、酸二無水物成分とジアミン成分をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0℃以上100℃以下の範囲内の温度で30分から24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5重量%以上30重量%以下の範囲内、好ましくは10重量%以上20重量%以下の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチル-2-ピロリドン、2-ブタノン、ジメチルスルホキシド、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、γ‐プチロラクト等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶剤の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液(ポリイミド前駆体溶液)の濃度が5重量%から30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
ポリイミドの合成において、上記酸二無水物及びジアミンはそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用することもできる。酸二無水物及びジアミンの種類や、2種以上の酸二無水物又はジアミンを使用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、透明性、誘電特性、熱膨張性、接着性、ガラス転移温度等を制御することができる。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリアミド酸をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80℃以上400℃以下の範囲内の温度条件で1時間乃至24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。
ポリアミド酸の重量平均分子量は、例えば10,000以上400,000以下の範囲内が好ましく、50,000以上350,000以下の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、フィルムの強度が低下して脆化しやすい傾向となる。一方、重量平均分子量が400,000を超えると、過度に粘度が増加して塗工作業の際にフィルム厚みムラ、スジ等の不良が発生しやすい傾向になる。
[第1のフッ素系樹脂層、第2のフッ素系樹脂層]
第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2は、樹脂成分の主成分として、好ましくは樹脂成分の70重量%以上、より好ましくは樹脂成分の90重量%以上、最も好ましくは樹脂成分の全部として、フッ素系樹脂を含有する層であればよい。なお、樹脂成分の主成分とは、全樹脂成分に対して50重量%を超えて含まれる成分を意味する。フッ素系樹脂は、高い透明性と、非常に優れた誘電特性を有する。
第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2を構成するフッ素系樹脂としては、特に限定する意味ではないが、例えば、テトラフルオロエチレン―パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(EFEP)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。これらのフッ素系樹脂の中でも、テトラフルオロエチレン系のフッ素系樹脂であるPFA、FEP、ETFE、EFEPが好ましく、PFAがより好ましい。
また、PFAの中でも、機械的強度と融点とのバランスを適度にコントロールする観点から、テトラフルオロエチレン(TFE)単位とパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PAVE)単位のモル比(TFE単位:PAVE単位)が10:90~90:10である共重合体がもっとも好ましい。
第1のフッ素系樹脂層F1と第2のフッ素系樹脂層F2は、樹脂フィルムA全体の誘電特性を良好に維持するため、それぞれ単体として、10GHzにおける比誘電率が、好ましくは1.9~3.1の範囲内、より好ましくは2.0~2.5の範囲内であり、誘電正接が、好ましくは0.001以下であり、より好ましくは0.0008以下であるものを用いることがよい。
第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2の融点は、例えば260℃以上であることが好ましい。より好ましくは290℃以上である。融点が260℃を下回ると電子機器等の製造過程で融解し、特性の変化をきたすおそれがある。
第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2は、それぞれガラス転移温度(Tg)が200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2のTgを200℃以下とすることによって、低温での熱圧着が可能になるため、金属張積層板などとの積層時に発生する内部応力を緩和し、回路加工後の寸法変化を抑制できる。第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2のTgが200℃を超えると、樹脂フィルムAを金属張積層板などの間に介在させて接着する際の熱圧着温度が高くなり、回路加工後の寸法安定性を損なう恐れがある。
なお、第1のフッ素系樹脂層F1と第2のフッ素系樹脂層F2は、厚み、物性、材質等の構成が同じでもよいし、異なっていてもよいが、同じ構成であることが好ましい。
本実施の形態の樹脂フィルムAは、下記の条件i)及び条件ii)を満たすものである。
条件i) 樹脂フィルムA全体の全光線透過率が80%以上であること。
条件i)を満たすことによって、高い透明性を確保できる。樹脂フィルムA全体の全光線透過率が80%未満では、透明性が要求される用途への適用が困難となる。樹脂フィルム全体の全光線透過率は85%以上であることがより好ましい。
条件ii) 樹脂フィルムA全体の熱膨張係数が30ppm/K以下であること。
条件iiを満たすことによって、高い寸法安定性が得られる。樹脂フィルム全体の熱膨張係数が30ppm/Kを超えると、回路加工後の寸法精度が得られにくくなる。樹脂フィルム全体の熱膨張係数は、20~30ppm/Kの範囲内であることが好ましい。
さらに、本実施の形態の樹脂フィルムは、下記の条件iii)を満たすものであることが好ましい。
条件iii) スプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)によって測定される、樹脂フィルムA全体の周波数10GHzにおける誘電正接が、0.008以下であること。
条件iiiを満たすことによって、GHz帯域(例えば周波数が10GHz以上)の高周波信号を伝送する回路基板等へ適用した場合に、伝送損失を効果的に低減することが可能となる。樹脂フィルム全体の周波数10GHzにおける誘電正接は0.005以下であることがより好ましい。
なお、樹脂フィルムA全体の10GHzにおける比誘電率は、好ましくは2.0~4.0の範囲内であり、より好ましくは2.5~3.5の範囲内である。
上記条件i)~iii)に関し、ポリイミド単体から構成される樹脂フィルムでは、高い全光線透過率と低誘電正接化の両立が困難であった。その理由として、全光線透過率を上げるには、ポリイミドのCT相互作用が起こりにくく、秩序構造を取りにくくする必要がある一方で、ポリイミドの誘電正接を下げるためには、秩序構造を取ることが効果的なため、全光線透過率の向上と低誘電正接化とはトレードオフに関係にあることが挙げられる。
一方、フッ素系樹脂単体から構成される樹脂フィルムは、高い全光線透過率と低誘電正接化が可能であるが、フッ素系樹脂はガラス転移温度(Tg)が94℃、融点が300℃程度(PFAの場合)であることから、耐熱性と寸法安定性に欠ける側面がある。
本実施の形態の樹脂フィルムは、異なる性質を有するポリイミド絶縁層とフッ素系樹脂層とを積層することによって、高い透明性と寸法安定性を実現することを可能とし、さらに透明性と低誘電正接化の両立についても可能となっている。また、ポリイミド絶縁層にフッ素系樹脂層を積層することによって、厚みが50μm以上の比較的厚い樹脂フィルムについても、高透明性の確保が可能になる。
樹脂フィルムAは、黄色度(YI)が10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。YIを10以下に制御することによって、樹脂フィルムAをほぼ無色に近づけることができる。一方、YIが10を超えると、黄色~黄褐色の着色が強くなって、樹脂フィルムの視認性が低下する。
[厚み]
樹脂フィルムA全体の厚みは、例えば10~150μmの範囲内であることが好ましく、10~125μmの範囲内であることがより好ましい。また、ポリイミド絶縁層Pの厚みTは、例えば5~75μmの範囲内であることが好まし、く、8~50μmの範囲内であることがより好ましい。ここで、樹脂フィルムA全体の厚みTに対するポリイミド絶縁層Pの厚みTの比率(T/T)は、0.5~0.9の範囲内であることが好ましく、0.5~0.8の範囲内であることがより好ましい。ポリイミド絶縁層Pが薄すぎて比率(T/T)が0.5を下回ると、樹脂フィルムA全体のTg及び耐熱性が低下し、寸法安定性が悪くなり、FPCなどの回路基板の絶縁樹脂層としての要求性能を維持できない。一方、ポリイミド絶縁層Pが厚すぎて比率(T/T)が0.9を超えると、、樹脂フィルムA全体の高透明化及び低誘電正接化が困難になる。また、フッ素系樹脂層の厚み(つまり、第1のフッ素系樹脂層F1と第2のフッ素系樹脂層F2の合計厚み)が大きすぎると、樹脂フィルムA全体の寸法安定性が悪くなり、逆に小さすぎると、接着性が低下するとともに、樹脂フィルムA全体の全光線透過率及び誘電特性が悪くなる。
本実施の形態の樹脂フィルムAは、発明の効果を阻害しない限りにおいて、必要に応じ、任意成分として、無機フィラー及び/又は有機フィラーを含有してもよい。無機フィラーとしては、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム等が挙げられる。有機フィラーとしては例えば液晶ポリマーなどを挙げることができる。これらのフィラーは1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、樹脂フィルムAには、発明の効果を阻害しない限りにおいて、必要に応じ、任意成分として、例えば可塑剤、エポキシ樹脂などの他の硬化樹脂成分、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、難燃剤などを適宜配合することができる。
本実施の形態の樹脂フィルムAは、例えば銅箔、ガラス板、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルムなどの樹脂シート等の基材に積層された状態であってもよい。
[樹脂フィルムの製造方法]
本実施の形態の樹脂フィルムAを製造する方法については特に限定されない。樹脂フィルムAが図1に示すような第1のフッ素系樹脂層F1/ポリイミド絶縁層P/第2のフッ素系樹脂層F2が積層された構造である場合、以下の方法を例示できる。
第1の方法は、キャスト法を利用し、任意の基材上に、第1のフッ素系樹脂層F1、ポリイミド絶縁層P、第2のフッ素系樹脂層F2をこの順番でキャスト法によって形成して積層し、必要に応じて基材から剥離することによって樹脂フィルムAを製造する方法である。第1の方法は、第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2の厚みを小さく形成したい場合に好ましい方法である。
第2の方法は、フィルム積層法を利用し、2枚のフッ素系樹脂フィルムと1枚のポリイミドフィルムを準備し、フッ素系樹脂フィルムの間にポリイミドフィルムを挟み込むように配置してプレスすることによって積層し、樹脂フィルムAを製造する方法である。第2の方法は、第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2の厚みを大きく形成したい場合に好ましい方法である。フィルム積層法では、第1の方法では厚化が難しい大きな厚みも形成可能であり、厚化した場合に透明性を維持できる。
ここでは、第1の方法について、図2を参照しながら詳細に説明する。
まず、任意の基材Bの上に、フッ素系樹脂粒子F0を任意の溶媒に分散させた粒子分散液を塗布し、乾燥させることによって、図2(a)に示すように、複数のフッ素系樹脂粒子F0を基材B上に付着させる(工程1)。使用する基材Bとしては、特に限定されないが、耐熱性を有する素材として、例えば厚さが5~35μmの範囲内の銅箔などの金属箔を用いることが好ましい。なお、第1の方法では、基材Bとして銅箔を用いることによって、樹脂フィルムAを製造すると同時に、樹脂フィルムAと銅箔層とを備えた銅張積層板を製造できる。任意の溶媒としては、例えば揮発性の高い有機溶媒が好ましい。フッ素系樹脂粒子F0としては、レーザ回折・散乱式測定方式によって測定される平均粒子径が1~5μmの範囲内のものが好ましく、例えばFluon+TM EA‐2000パウダー(AGC社製)などの市販品を用いることができる。
次に、フッ素系樹脂粒子F0を基材Bとともに熱処理し、溶融後、冷却して固化させることによってフィルム化し、図2(b)に示すように、基材B上に第1のフッ素系樹脂層F1を形成して第1の積層体を作製する(工程2)。フッ素系樹脂粒子F0を溶融させるための熱処理温度としては、フッ素系樹脂の融点以上であればよく、例えばPFAの場合は320℃程度に設定することが好ましい。
次に、形成した第1の積層体の第1のフッ素系樹脂層F1の上に、ポリイミド前駆体の溶液を塗布、乾燥し、熱処理してイミド化することによって、図2(c)に示すように、ポリイミド絶縁層Pを形成して第2の積層体を作製する(工程3)。ポリイミド前駆体の溶液を基材上に塗布する方法としては特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。イミド化のための熱処理の温度は、例えば360℃とすることができる。ポリイミド絶縁層Pが複数層からなる場合は、ポリイミド前駆体の溶液を塗布、乾燥する度に熱処理してもよいし、ポリイミド前駆体の溶液を塗布、乾燥する工程を複数回繰り返した後、一括して熱処理してもよい。また、多層押出により、同時にポリアミド酸の積層構造体を塗布・乾燥した後、イミド化を行ってもよい。第2の積層体は、必要に応じて基材Bを剥離することによって、ポリイミド絶縁層Pの片面に第1のフッ素系樹脂層F1を有する構造の樹脂フィルムAとなる。また、基材Bとして金属箔を用いる場合、第2の積層体は、そのまま金属層の片面に樹脂フィルムAからなる絶縁樹脂層を有する片面金属張積層板となる。
次に、形成した第2の積層体のポリイミド絶縁層Pの上にフッ素系樹脂粒子F0を任意の溶媒に分散させた粒子分散液を塗布し、乾燥させることによって、図2(d)に示すように、複数のフッ素系樹脂粒子F0をポリイミド絶縁層P上に付着させる(工程4)。この工程4は、工程1と同様に実施できる。
次に、フッ素系樹脂粒子F0を第2の積層体とともに熱処理し、溶融後、冷却して固化させることによってフィルム化し、図2(e)に示すように、ポリイミド絶縁層P上に第2のフッ素系樹脂層F2を形成することによって第3の積層体を作製する(工程5)。この工程5は、工程2と同様に実施できる。
第3の積層体は、必要に応じて基材Bを剥離することによって、ポリイミド絶縁層Pの片側の面に第1のフッ素系樹脂層F1、他の面に第2のフッ素系樹脂層F2を有する樹脂フィルムAとなる。また、基材Bとして金属箔を用いる場合、第3の積層体は、そのまま金属層の片面に樹脂フィルムAからなる絶縁樹脂層を有する片面金属張積層板となる。さらに、第3の積層体は、基材Bとして金属箔を用いるとともに、樹脂フィルムAの基材Bとは反対側の面に金属層を形成することによって、両面金属張積層板とすることも可能である。
以上のようにして得られる樹脂フィルムAは、ポリイミド絶縁層Pの片面又は両面にフッ素系樹脂層(第1のフッ素系樹脂層F1及び/又は第2のフッ素系樹脂層F2)が積層されていることによって、全光線透過率の向上と低誘電正接化の両立が図られ、高い透明性と優れた誘電特性に加え、高い寸法安定性を有するものである。
[金属張積層板]
本発明の一実施の形態の金属張積層板は、上記樹脂フィルムAと、樹脂フィルムAにおけるフッ素系樹脂層の面に積層された金属層と、を備えている。この場合、樹脂フィルムAは、ポリイミド絶縁層Pの両側にフッ素系樹脂層(第1のフッ素系樹脂層F1又は第2のフッ素系樹脂層F2)を有する図1に示すような構成でもよいし、ポリイミド絶縁層Pの片側にのみフッ素系樹脂層(第1のフッ素系樹脂層F1又は第2のフッ素系樹脂層F2)を有する構成でもよい(図示省略)。つまり、本実施の形態の金属張積層板は、片面金属張積層板でもよいし、両面金属張積層板でもよい。
本実施の形態の金属張積層板は、樹脂フィルムAに金属箔をラミネートする方法や、上記のとおり、樹脂フィルムAを調製するための基材Bとして金属箔を用いることによって製造できる。
次に、図3~図5を参照し、本実施の形態の金属張積層板の応用例について説明する。
図3は、本発明の一実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式図である。本実施の形態の金属張積層板10Aは、
第1の金属層M1と、
第1の金属層M1の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層F10と、
第2の金属層M2と、
第2の金属層M2の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層F20と、
フッ素系樹脂隣接層F10とフッ素系樹脂隣接層F20との間に介在する複数の樹脂層と、
を備えている。第1の金属層M1と第2の金属層M2は、それぞれ最も外側に位置し、それらの内側に接してフッ素系樹脂隣接層F10及びフッ素系樹脂隣接層F20が配置され、さらにフッ素系樹脂隣接層F10とフッ素系樹脂隣接層F20との間に、複数のポリイミド絶縁層Pとフッ素系樹脂中間層F30を含む複数の樹脂層が介在配置されている。ここで、フッ素系樹脂隣接層F10は、一つのポリイミド絶縁層Pに隣接しており、フッ素系樹脂隣接層F20は別のポリイミド絶縁層Pに接している。金属張積層板10Aは、一対の金属層(配線となる第1の金属層M1及び第2の金属層M2)に隣接する位置に、それぞれ、低誘電正接であるフッ素系樹脂隣接層F10又はフッ素系樹脂隣接層F20を設けているため、高周波信号伝送における伝送損失を効果的に抑えることができる。
図3に示すように、フッ素系樹脂隣接層F10とフッ素系樹脂隣接層F20と複数の樹脂層とによって樹脂積層体40が形成されている。この樹脂積層体40は、フッ素系樹脂隣接層F10及びフッ素系樹脂隣接層F20に加え、少なくとも2層以上のポリイミド絶縁層Pと、ポリイミド絶縁層Pの間に積層されているフッ素系樹脂中間層F30を有している。このように、フッ素系樹脂隣接層F10とフッ素系樹脂隣接層F20との間に、ポリイミド絶縁層Pとフッ素系樹脂中間層F30との積層構造を設けることによって、高い寸法安定性を確保しながら、低誘電正接化が実現されている。
なお、樹脂積層体40は、上記以外の任意の樹脂層を有していてもよいが、上記各機能を有する樹脂層のみによって形成されていることが好ましい。
図3に示す金属張積層板10Aは、2層のポリイミド絶縁層Pと1層のフッ素系樹脂中間層F30とを有しているが、ポリイミド絶縁層Pが2層以上であればよく、フッ素系樹脂中間層F30の層数に特に制限はない。例えば、図4に示すに示す金属張積層板10Bのように、3層のポリイミド絶縁層Pと2層のフッ素系樹脂中間層F30を有する構成でもよいし、図5に示す金属張積層板10Cのように、5層のポリイミド絶縁層Pと4層のフッ素系樹脂中間層F30を有する構成でもよい。
金属張積層板10において、第1の金属層M1及び第2の金属層M2の構成は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じ材質、同じ物性、同じ厚み、であることが好ましい。
また、フッ素系樹脂隣接層F10とフッ素系樹脂隣接層F20の構成は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じ材質、同じ物性、同じ厚みであることが好ましい。例えば、フッ素系樹脂隣接層F10とフッ素系樹脂隣接層F20の誘電正接や厚みを同じにすることによって、高周波伝送用回路基板を作製したときの伝送損失低減設計が容易になる。
さらに、2つのフッ素系樹脂隣接層F10,F20と、フッ素系樹脂中間層F30の構成は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、樹脂積層体40全体の誘電特性を改善し、高周波信号の伝送損失を効果的に抑制するため、同じ材質、同じ物性、であることが好ましい。
複数のポリイミド絶縁層Pの構成は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、回路基板を作製したときの機械的強度や寸法精度の設計が容易になることから、同じ材質、同じ物性、同じ厚み、同じ層構造であることが好ましい。
高周波信号の伝送損失の抑制を図る観点から、フッ素系樹脂隣接層F10,F20とフッ素系樹脂中間層F30における10GHzにおける誘電正接Dfは、それぞれ0.001以下であることが好ましく、0.0008以下がより好ましい。
また、ポリイミド絶縁層Pの10GHzにおける誘電正接Dfは、出来るだけ低いことが望ましいが、寸法精度と機械的強度の維持を担保する層であることから、好ましくは0.01以下であればよく、より好ましくは0.009以下がよい。ポリイミド絶縁層Pの誘電正接Dfが多少高くなっても、より低誘電正接であるフッ素系樹脂隣接層F10,F20及びフッ素系樹脂中間層F30と積層し、これらとの厚み比率を考慮することによって、樹脂積層体40全体の低誘電正接化を担保できるためである。
複数のポリイミド絶縁層Pの合計厚みTPAは、樹脂積層体40(つまり、フッ素系樹脂隣接層F10,F20と、一ないし複数のフッ素系樹脂中間層F30と、複数のポリイミド絶縁層P)の総厚みT40に対して、比率(TPA/T40)が0.5~0.9の範囲内であることが好ましく、0.5~0.8の範囲内であることがより好ましい。
比率(TPA/T40)を上記範囲内とすることによって、金属張積層板10A,10B,10Cを回路加工したときの寸法精度と機械的強度を維持しながら、高い透明性と高周波信号の伝送損失の低減を図ることができる。かかる観点から、比率(TPA/T40)は、50~90%の範囲内が好ましい。
ここで、樹脂積層体40における各層の厚みは、使用目的に応じて適宜設定できるので特に限定されるものではないが、以下のとおり例示できる。
フッ素系樹脂隣接層F10,F20の一層の厚みは、1~100μmの範囲内が好ましく、2~75μmの範囲内がより好ましい。
ポリイミド絶縁層Pの一層の厚みは、5~100μmの範囲内が好ましく、10~50μmの範囲内がより好ましい。
フッ素系樹脂中間層F30の一層の厚みは、1~150μmの範囲内が好ましく、2~100μmの範囲内がより好ましい。
樹脂積層体40の総厚みTは、50~300μmの範囲内が好ましく、75~200μmの範囲内がより好ましい。
以下、金属張積層板10A、10B、10Cを構成する各層について説明する。
[金属層]
第1の金属層M1及び第2の金属層M2の材質としては、特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、特に銅又は銅合金が好ましい。なお、後述する本実施の形態の回路基板における配線層の材質も第1の金属層M1及び第2の金属層M2と同様である。
第1の金属層M1及び第2の金属層M2の厚みは特に限定されるものではないが、例えば銅箔等の金属箔を用いる場合、好ましくは35μm以下であり、より好ましくは5~25μmの範囲内がよい。生産安定性及びハンドリング性の観点から金属箔の厚みの下限値は5μmとすることが好ましい。なお、銅箔を用いる場合は、圧延銅箔でも電解銅箔でもよい。また、銅箔としては、市販されている銅箔を用いることができる。
また、金属箔は、例えば、防錆処理や、接着力の向上を目的として、例えばサイディング、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング剤等による表面処理を施してもよい。
[金属張積層板の製造]
金属張積層板10A,10B,10Cは、例えば、以下の方法A、方法B又はこれらを組み合わせた方法Cによって製造できる。
方法Aは、キャスト法によって、第1の金属層M1上にフッ素系樹脂隣接層F10を形成し、これとは別に、第2の金属層M2上にフッ素系樹脂隣接層F20を形成する。次に、それぞれのフッ素系樹脂隣接層F10、フッ素系樹脂隣接層F20の上に、必要な層数となるように、キャスト法によってポリイミド絶縁層P及び/又はフッ素系樹脂中間層F30を形成して2つの片面金属張積層板を別々に作製する。キャスト法による各層の形成は、樹脂フィルムAについて説明した方法で実施できる。その後、2つの片面金属張積層板の樹脂面を貼り合わせることによって金属張積層板10A,10B,10Cを製造することができる。
方法Bは、フィルム積層法によって、フッ素系樹脂隣接層F10、フッ素系樹脂隣接層F20、複数のポリイミド絶縁層P及び一ないし複数のフッ素系樹脂中間層F30に相当する樹脂シートを準備し、これらの樹脂シートを第1の金属層M1と第2の金属層M2の間に配置して貼り合わせ、熱圧着させることによって、金属張積層板10A,10B,10Cを製造することができる。
方法Cは、方法Aと方法Bを組み合わせる方法であり、例えば、キャスト法によって必要な層数となるように2つの片面金属張積層板を別々に形成しておき、別途準備したポリイミド絶縁層P及びフッ素系樹脂中間層F30に相当する樹脂シートの必要枚数を、これら2つの片面金属張積層板の樹脂面の間に配置して貼り合わせ、熱圧着させることによって、金属張積層板10A,10B,10Cを製造することができる。
以上のようにして得られる本実施の形態の金属張積層板10A,10B,10Cは、第1の金属層M1及び/又は第2の金属層M2をエッチングするなどして配線回路加工することによって、片面FPC又は両面FPCなどの回路基板を製造することができる。
[回路基板]
絶縁樹脂層として樹脂フィルムAを用いた金属張積層板や、金属張積層板10A,10B,10Cは、主にFPC、リジッド・フレックス回路基板などの回路基板材料として有用である。金属張積層板における金属層の片方又は両方を、常法によってパターン状に加工して配線層を形成することによって、本発明の一実施の形態であるFPCなどの回路基板を製造できる。本実施の形態の回路基板は、図示は省略するが、絶縁樹脂層(樹脂フィルムAもしくは樹脂積層体40)と、この絶縁樹脂層の片側又は両側の面に設けられた配線層と、を備えており、絶縁樹脂層が高い透明性を有し、高周波伝送においても伝送損失の低減が可能で、かつ、寸法安定性に優れている。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[黄色度(YI)の算出]
樹脂フィルム(50mm×50mm)を、島津製作所社製のUV-3600分光光度計にて黄色度(YI)を測定した。
1)YI(黄色度)
JIS Z 8722に準拠して、下記式(1)で表される計算式に基づいて算出した。
YI=100×(1.2879X-1.0592Z)/Y ・・・(1)
X、Y及びZ:試験片の三刺激値
[熱膨張係数(CTE)の測定]
樹脂フィルム(3mm×15mm)を、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら10℃/minの昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、次いで降温し、降温時における250℃から100℃までの樹脂フィルムの伸び量(線膨張)から熱膨張係数を測定した。
[全光線透過率(T.T.)の算出]
樹脂フィルム(50mm×50mm)を、日本電色工業社製、商品名;HAZE METER NDH500にて、全光線透過率(T.T.)をJIS K 7136に準拠して測定した。金属張積層体の絶縁樹脂層については、片面金属箔又は両面金属箔のエッチングを行い樹脂フィルムとし、これを同様に測定した。
[比誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)の測定]
各実施例及び比較例で作成した銅張積層板の銅箔をエッチング除去して得た樹脂フィルムの比誘電率(Dk)および誘電正接(Df)を、ベクトルネットワークアナライザ(Agilent社製、商品名;E8363C)ならびにスプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)を用いて、周波数10GHzで測定した。なお、測定に使用した樹脂フィルムは、温度;24~26℃、湿度;45~55%の条件下で、24時間放置したものである。
[粘度の測定]
粘度は、恒温水槽付のコーンプレート式粘度計(トキメック社製)にて、合成例で得られたポリアミド酸溶液について25℃で測定した。
[銅箔の表面粗度の測定]
サンプルを約10mm角の大きさにカットし、試料台に両面テープで固定させ、軟X線を照射し、銅箔表面の静電気を除去した後、走査型プローブ顕微鏡(AFM、ブルカー・エイエックスエス社製、商品名:Dimension Icon型SPM)を用い、以下の測定条件にて銅箔表面の十点平均荒さRz(RzJis)を測定した。測定条件は、下記のとおり。
測定モード;タッピングモード
測定エリア;1μm×1μm
スキャンスピード;1Hz
プローブ;Buruker製、RTESP-300
実施例等に用いた略号は、以下の化合物を示す。
PFA:テトラフルオロエチレン―パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
TFMB:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
6FDA:2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン二無水物
ODPA:4,4’-オキシジフタル酸二無水物
BAPS:ビス[4-(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン
APB:1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
m-TB:2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル
TPE-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
合成例1~9
ポリアミド酸溶液A~Iを合成するため、窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中に、表1で示した固形分濃度となるように溶剤のDMAcを加え、表1に示したジアミン成分及び酸無水物成分を攪拌しながら45℃、2時間加熱し溶解させた。その後、溶液を室温で2日間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸の粘稠な溶液A~Iを調製した。
Figure 2022150086000004
[実施例1]
銅箔1(電解銅箔、福田金属箔粉工業社製、商品名;CF-T9DA-SV-12、厚み;12μm、Rzjis;0.8μm)の上に、PFA微粒子1(AGC社製、商品名;Fluon+TM EA‐2000パウダー、D50;3μm、最大粒子径;10μm)が30重量%分散したDMAc溶液を最終的な厚みが15μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Aの希釈溶液(粘度;13700cP)を硬化後の厚みが30μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Aを形成した。更に、ポリイミド層Aの上に、PFA微粒子1が30重量%分散したDMAc溶液を最終的な厚みが15μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミド層A/PFA層からなる厚みが60μmの絶縁樹脂層1を形成し、金属張積層体1を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム1を調製した。樹脂フィルム1について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表2に示す。
[実施例2]
銅箔1の上に、PFA分散液1(AGC社製、商品名;Fluon+TM EA‐2000ディスパージョン、D50;3μm、最大粒子径;10μm、50重量%分散したDMAc溶液;以下同様である)を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Bの希釈溶液(粘度;17300cP)を硬化後の厚みが15μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Bを形成した。更に、ポリイミド層Bの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミド層B/PFA層からなる厚みが25μmの絶縁樹脂層2を形成し、金属張積層体2を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム2を調製した。樹脂フィルム2について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表2に示す。
[実施例3]
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Cの希釈溶液(粘度;23000cP)を硬化後の厚みが10μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Cを形成した。更に、ポリイミド層Cの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、PFA層/ポリイミド層C/PFA層からなる厚みが12μmの絶縁樹脂層3を形成し、金属張積層体3を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム3を調製した。樹脂フィルム3について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表2に示す。
[実施例4]
基材フィルム1(ポリイミドフィルム、宇部興産株式会社製、商品名;ユーピレックス75S、厚み75μm)上にポリアミド酸溶液Aの希釈溶液(粘度;13700cP)を硬化後の厚みが50μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Aを形成し、基材フィルム1からポリイミド層Aを剥離し、ポリイミドフィルムAを調製した。
銅箔1の上に、PFAフィルム1(AGC社製、商品名;Fluon+TM EA‐2000フィルム、厚み:25μm)、ポリイミドフィルムA、PFAフィルム1(厚み:25μm)、銅箔1を順に積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板4を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム4を調製した。樹脂フィルム4について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表2に示す。
[実施例5]
銅箔1の上に、ポリアミド酸溶液Dの希釈溶液(粘度;3200cP)を硬化後の厚みが1.0μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し、溶媒を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液Bの希釈溶液(粘度;17300cP)を硬化後の厚みが8μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液Eの希釈溶液(粘度;1700cP)を硬化後の厚みが1.0μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。このようにして、3層のポリアミド酸層を形成した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を30分かけて行い、イミド化を完結し、ポリイミド層D/ポリイミド層B/ポリイミド層Eからなる厚みが10μmのポリイミド層5を形成し、金属張積層体5を調製した。
得られた金属張積層体5の銅箔1を、塩化第二鉄水溶液を用いて、エッチング除去して、ポリイミドフィルム5を調製した。
次に、銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが2μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した金属積層フィルム5を調製した。
得られた金属積層フィルム5のPFAフィルムの上にポリイミドフィルム5を、その上にポリイミドにPFAフィルムが接するように金属積層フィルム5を積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板5を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム5を調製した。樹脂フィルム5について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表2に示す。
[実施例6]
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Fの希釈溶液(粘度;18400cP)を硬化後の厚みが20μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Fを形成した。更に、ポリイミド層Fの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、第2のPFAフィルムを形成した。次に、第2のPFAフィルム上にポリアミド酸溶液Fの希釈溶液(粘度;18400cP)を硬化後の厚みが20μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Fを形成した。更に、ポリイミド層Fの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミド層F/PFA層/ポリイミド層F/PFA層からなる厚みが55μmの絶縁樹脂層6を形成し、金属張積層体6を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム6を調製した。樹脂フィルム6について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表2に示す。
[実施例7]
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが2μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Cの希釈溶液(粘度;23000cP)を硬化後の厚みが21μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Cを形成した。更に、ポリイミド層Cの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが2μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、PFA層/ポリイミド層C/PFA層からなる厚みが25μmの絶縁樹脂層7を形成し、金属張積層体7を調製した。
得られた金属張積層体7を銅箔1が最外層に位置するように2枚重ね合わせ、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板7を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム7を調製した。樹脂フィルム7について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表2に示す。
[実施例8]
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Bの希釈溶液(粘度;17300cP)を硬化後の厚みが15μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Bを形成し、金属張積層体8を調製した。
得られた金属張積層体8のポリイミドの上にPFAフィルム1(厚み:25μm)を置き、更にその上に銅箔1が最外層に位置するように金属張積層体8を積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板8を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム8を調製した。樹脂フィルム8について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表2に示す。
[実施例9]
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Bの希釈溶液(粘度;17300cP)を硬化後の厚みが10μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Bを形成した。更に、ポリイミド層Bの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、PFA層/ポリイミド層B/PFA層からなる厚みが12μmの絶縁樹脂層9を形成し、金属張積層体9を調製した。
予め基材フィルム1の上にポリアミド酸溶液Gの希釈溶液(粘度;22400cP)を硬化後の厚みが10μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Gを形成し、基材フィルム1から剥離し調製したポリイミドフィルムGを準備し、金属張積層体9のPFA層の上にポリイミドフィルムGを、更にその上に銅箔1が最外層にくるように金属張積層体9を積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板9を得た。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム9を調製した。樹脂フィルム9について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表2に示す。
Figure 2022150086000005
(比較例1)
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが6μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Gの希釈溶液(粘度;22400cP)を硬化後の厚みが12.5μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Gを形成した。更に、ポリイミド層Gの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが6μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミド層G/PFA層からなる厚みが24.5μmの絶縁樹脂層10を形成し、金属張積層体10を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム10を調製した。樹脂フィルム10について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表3に示す。
(比較例2)
ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、商品名;ユーピレックス25S、厚み25μm、全光線透過率;55%)の片面にPFA分散液1を最終的な厚みが6μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、ポリイミドフィルム上にPFAフィルムを形成した。
更に、ポリイミドフィルム面にPFA分散液1を最終的な厚みが6μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミドフィルム/PFA層からなる厚みが37μmの樹脂フィルム11を調製した。
樹脂フィルム11について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表3に示す。
(比較例3)
基材フィルム1の上にポリアミド酸溶液Hの希釈溶液(粘度;19000cP)を硬化後の厚みが50μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Hを形成し、基材フィルム1からポリイミド層Hを剥離し、ポリイミドフィルムHを調製した。
銅箔1の上に、PFAフィルム1(厚み:25μm)、ポリイミドフィルムH、PFAフィルム1(厚み:25μm)、銅箔1を順に積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板12を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム12を調製した。樹脂フィルム12について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表3に示す。
(比較例4)
比較例3のポリアミド酸溶液Hをポリアミド酸溶液Iに変えた以外は比較例3と同様に両面金属張積層板13を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム13を調製した。樹脂フィルム13について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表3に示す。
(比較例5)
比較例3のポリアミド酸溶液Hをポリアミド酸溶液Gに変えた以外は比較例3と同様に両面金属張積層板14を調製した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔1をエッチング除去して、樹脂フィルム14を調製した。樹脂フィルム14について、T.T.、YI、CTE、比誘電率及び誘電正接の測定結果を表3に示す。
Figure 2022150086000006
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
10A,10B,10C…金属張積層板、40…樹脂積層体、A…樹脂フィルム、
M1…第1の金属層、M2…第2の金属層、F1…第1のフッ素系樹脂層、F2…第2のフッ素系樹脂層、F10,F20…フッ素系樹脂隣接層、F30…フッ素系樹脂中間層、P…ポリイミド絶縁層

Claims (10)

  1. 複数層からなる積層構造を有する樹脂フィルムであって、
    ポリイミド絶縁層と、
    前記ポリイミド絶縁層の片面又は両面に積層されているフッ素系樹脂層と、
    を備え、
    下記の条件i)及び条件ii);
    i) 前記樹脂フィルム全体の全光線透過率が80%以上であること、
    ii) 前記樹脂フィルム全体の熱膨張係数が30ppm/K以下であること、
    を満たすことを特徴とする樹脂フィルム。
  2. スプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)によって測定される樹脂フィルム全体の周波数10GHzにおける誘電正接が0.008以下である請求項1に記載の樹脂フィルム。
  3. 樹脂フィルム全体の厚みが10~150μmの範囲内であり、樹脂フィルム全体の厚みに対する前記ポリイミド絶縁層の厚みの比率が0.5~0.9の範囲内である請求項1又は2に記載の樹脂フィルム。
  4. 前記ポリイミド絶縁層が単層又は複数のポリイミド層からなり、ポリイミド絶縁層全体の厚みに対して50%以上の厚みを有するポリイミド層(i)を構成するポリイミドが、フッ素原子を含む芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基及び/又はフッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される酸二無水物残基を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  5. 前記ポリイミド層(i)に含まれるフッ素原子の割合が、ポリイミド全体に対して10~40重量%の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂フィルム。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムにおけるフッ素系樹脂層の面に積層された金属層と、を備える金属張積層板。
  7. 第1の金属層と、
    前記第1の金属層の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層と、
    第2の金属層と、
    前記第2の金属層の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層と、
    2つの前記フッ素系樹脂隣接層の間に介在する複数の樹脂層と、
    を備え、
    2つの前記フッ素系樹脂隣接層と前記複数の樹脂層とによって樹脂積層体が形成されており、
    前記樹脂積層体は、
    少なくとも2層以上のポリイミド層と、
    前記ポリイミド層の間に積層されているフッ素系樹脂中間層と、
    を有している金属張積層板。
  8. 請求項6又は7に記載の金属張積層板の前記金属層を配線加工してなる回路基板。
  9. 請求項1から5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムを製造する方法であって、
    基材上に、フッ素系樹脂粒子を含有する溶液を塗布して熱処理することによって前記フッ素系樹脂粒子を融解させて前記フッ素系樹脂層を形成する工程;
    前記フッ素系樹脂層の上に、ポリイミドの前駆体溶液を塗布し、熱処理することによってイミド化し、前記ポリイミド層を形成する工程;
    を含む樹脂フィルムの製造方法。
  10. さらに、
    前記ポリイミド層の上に、さらに、フッ素系樹脂粒子を含有する溶液を塗布して熱処理することによって前記フッ素系樹脂粒子を融解させて2層目の前記フッ素系樹脂層を形成する工程、
    を含む請求項9に記載の樹脂フィルムの製造方法。
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