JP2023051810A - 金属張積層板、回路基板、電子デバイス及び電子機器 - Google Patents

金属張積層板、回路基板、電子デバイス及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 片面金属張積層板に金属箔を高温で熱圧着させる際のシワの抑制と、熱圧着した金属箔とポリイミド層との界面密着性の両立を図る。【解決手段】 金属張積層板100は、第1の金属層101と、この第1の金属層101に積層されている絶縁樹脂層110とを備え、絶縁樹脂層110は、第1の金属層101に接するポリイミド層(A)と、第1の金属層101とは反対側において樹脂面を形成しているポリイミド層(B)とを有している。ポリイミド層(B)のガラス転移温度Tgを基準にして、Tg+20℃からTg+90℃までの範囲内のいずれかの温度におけるポリイミド層(A)の貯蔵弾性率をE’(A)、ポリイミド層(B)の貯蔵弾性率をE’(B)としたとき、貯蔵弾性率の比E’(A)/E’(B)が2.0以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、金属張積層板、それを回路加工して得られる回路基板、それを用いる電子デバイス及び電子機器に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Circuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度の実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、スマートフォン等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。
FPCは、典型的には、材料となる銅張積層板(CCL)などの金属張積層板の金属層をエッチングして配線加工することによって製造される。金属張積層板については、金属箔と接する絶縁樹脂層に貯蔵弾性率の高いポリイミドを用いたものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
絶縁樹脂層としてのポリイミド層の片側に金属層を備えた片面金属張積層板は、通常、金属層に接するポリイミド層に熱可塑性ポリイミドが広く用いられている。具体的には、片面金属張積層板の金属層側から、熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/熱可塑性ポリイミド層の積層構造が採用されることが多い。このような構造の片面金属張積層板の最外層の熱可塑性ポリイミド層に金属箔を熱圧着して両面金属張積層板を作製する場合、最外層の熱可塑性ポリイミド層のラミネート面と金属箔との十分なピール強度を確保するために、熱圧着を200~400℃程度の高温で行う必要がある。しかし、高温で熱圧着を行うと、片面金属張積層板の金属層に接している側の熱可塑性ポリイミド層が軟化し、隣接する金属層にシワが入りやすくなるという問題があった。上記問題は熱圧着温度を下げ、熱可塑性ポリイミド層の軟化を抑制することによって解決できるが、その場合はラミネート面側の熱可塑性ポリイミド層と熱圧着された金属箔との密着性が十分でなくなり、配線加工後の密着信頼性が確保できない。
特開2020-104340号公報 特開2006-051800号公報
本発明は、片面金属張積層板に金属箔を高温で熱圧着させる際のシワの抑制と、熱圧着した金属箔とポリイミド層との界面密着性の両立を図ることを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、片面金属張積層板の金属層に接する熱可塑性ポリイミド層の貯蔵弾性率を、ラミネート面側の熱可塑性ポリイミド層の貯蔵弾性率よりも大きくすることによって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の金属張積層板は、第1の金属層と、前記第1の金属層に積層されている絶縁樹脂層と、を備えた金属張積層板であって、
前記絶縁樹脂層は、前記第1の金属層に接するポリイミド層(A)と、前記第1の金属層とは反対側において樹脂面を形成しているポリイミド層(B)と、を有し、
前記ポリイミド層(B)のガラス転移温度Tgを基準にして、Tg+20℃からTg+90℃までの範囲内のいずれかの温度におけるポリイミド層(A)の貯蔵弾性率をE’(A)、ポリイミド層(B)の貯蔵弾性率をE’(B)としたとき、該貯蔵弾性率の比E’(A)/E’(B)が2.0以上であることを特徴とする。
本発明の金属張積層板は、前記絶縁樹脂層が、前記ポリイミド層(A)と前記ポリイミド層(B)との間に積層されたポリイミド層(C)を有していてもよい。
本発明の金属張積層板は、前記第1の金属層の厚みが6~18μmの範囲内であってもよく、引張弾性率が10~100GPaの範囲内であってもよい。
本発明の金属張積層板は、さらに、前記ポリイミド層(B)の樹脂面に接して積層されている第2の金属層を備えていてもよい。
本発明の金属張積層板は、前記第2の金属層と前記ポリイミド層(B)とのピール強度が0.7kN/m以上であってもよい。
本発明の回路基板は、上記金属張積層板における前記第1の金属層及び前記第2の金属層のいずれか片方又は両方を回路加工してなるものである。
本発明の回路基板は、上記金属張積層板における前記第1の金属層を回路加工してなる回路基板。
本発明の電子デバイスは、上記回路基板を備えている。
本発明の電子機器は、上記回路基板を備えている。
本発明の金属張積層板は、第1の金属層に接しているポリイミド層(A)の貯蔵弾性率E’(A)とラミネート面側のポリイミド層(B)の貯蔵弾性率E’(B)との比E’(A)/E’(B)が2.0以上であることによって、ラミネート面側に金属箔を高温で熱圧着しても第1の金属層におけるシワの発生を防止できる。そのため、熱圧着した金属箔とポリイミド層との界面密着性と、金属張積層板に金属箔を高温で熱圧着させる際の第1の金属層のシワの抑制との両立を図ることが可能となる。従って、本発明の金属張積層板をFPC材料として利用することによって、回路基板の信頼性と歩留まりの向上を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式的断面図である。 本発明の第2の実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式的断面図である。 本発明の第2の実施の形態の金属張積層板の製造方法を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態の金属張積層板の製造方法を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式的断面図である。 本発明の第4の実施の形態の金属張積層板の製造方法を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式的断面図である。
次に、適宜図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態及び第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る金属張積層板100は、図1に示すように、第1の金属層101と、この第1の金属層101に積層されている絶縁樹脂層110と、を備えている。金属張積層板100は、片面金属張積層板である。
また、本発明の第2の実施の形態に係る金属張積層板200は、図2に示すように、第1の金属層101と、この第1の金属層101に積層されている絶縁樹脂層110と、絶縁樹脂層110の第1の金属層101とは反対側の面に積層されている第2の金属層102を備えている。金属張積層板200は、両面金属張積層板である。
<絶縁樹脂層>
絶縁樹脂層110は、第1の金属層101に接するポリイミド層(A)と、第1の金属層101とは反対側において樹脂面を形成しているポリイミド層(B)と、ポリイミド層(A)とポリイミド層(B)との間に積層されたポリイミド層(C)を備えている。
ポリイミド層(A)は、キャスト法で第1の金属層101にポリアミド酸溶液を塗布・乾燥し、イミド化することによって得られる熱可塑性ポリイミド層であり、第1の金属層101に接するキャスト面を有するポリイミド層である。
ポリイミド層(B)は、第2の金属層102となる金属箔などを熱圧着するためのラミネート面110aを有する熱可塑性ポリイミド層である。
ポリイミド層(C)は、ベース樹脂層として、絶縁樹脂層110の機械的強度維持の役割を担う。本発明では、絶縁樹脂層110を形成するポリイミド層(A)とポリイミド層(B)に貯蔵弾性率が異なるポリイミドを使用する。
ここで、非熱可塑性ポリイミドとは、一般に加熱しても軟化、接着性を示さないポリイミドのことであるが、本発明では、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、320℃における貯蔵弾性率が3.0×10Pa以上を示すポリイミドをいう。また、熱可塑性ポリイミドとは、一般にガラス転移温度(Tg)が明確に確認できるポリイミドのことであるが、本発明では、DMAを用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、320℃における貯蔵弾性率が3.0×10Pa未満を示すポリイミドをいう。
なお、絶縁樹脂層110は、発明の効果を損なわない範囲で、ポリイミド層(A)~(C)以外の任意の樹脂層を含むことができる。
絶縁樹脂層110は、ポリイミド層(B)のガラス転移温度Tgを基準にして、Tg+20℃からTg+90℃までの範囲内のいずれかの温度におけるポリイミド層(A)の貯蔵弾性率をE’(A)、ポリイミド層(B)の貯蔵弾性率をE’(B)としたとき、該貯蔵弾性率の比E’(A)/E’(B)が2.0以上である。
ポリイミド層(B)側のラミネート面110aへ第2の金属層102となる金属箔を高温で熱圧着する時に、ポリイミド層(B)の貯蔵弾性率E’(B)が小さい程、熱圧着時のポリイミドの金属箔の微細凹凸への充填性が良好となり、密着信頼性が高まる。また、熱圧着時には張力が加わるが、ポリイミド層(A)の貯蔵弾性率E’(A)が大きいほど、高温で熱圧着する際に支持体となる第1の金属層101と接するポリイミド層(A)が軟化しにくくなり、第1の金属層101におけるシワの発生を抑制できる。したがって、比E’(A)/E’(B)を2.0以上とすることによって、例えば200~400℃の範囲内、特に270~400℃の範囲内、さらには320~400℃の範囲内の高温で熱圧着するときに、ラミネート面110aでの密着性と第1の金属層101のシワの抑制を両立できる。このような観点から、比E’(A)/E’(B)は、好ましくは3~100、より好ましくは5~60、最も好ましくは10~40であることがよい。
本発明では、ポリイミド層(B)のガラス転移温度Tgに対して、Tg+20℃からTg+90℃までの範囲内のいずれかの温度で比E’(A)/E’(B)が上記規定を満たしていればよく、Tg+20℃からTg+90℃までの範囲内の全ての温度で上記規定を満たすことが好ましい。ここで、ポリイミド層(B)のガラス転移温度Tg+20℃からTg+90℃までの範囲内のいずれかの温度における貯蔵弾性率を比較するのは、以下の理由からである。すなわち、ポリイミド層(B)のガラス転移温度Tgではポリイミド層(B)の軟化が進んでいないため、十分に軟化するまでの温度幅を見込んでTg+20℃を下限とする一方で、ポリイミド層(B)のTgが低めの場合でも、実用的な熱圧着温度をカバーできるようにTg+90℃を上限としている。
ポリイミド層(A)のガラス転移温度Tgは、発明の効果が得られる限り特に限定されないが、第1の金属層101との密着性を確保するため、200℃以上400℃以下の範囲内が好ましく、250℃以上380℃以下の範囲内であることがより好ましい。
また、ポリイミド層(A)の貯蔵弾性率E’(A)は、発明の効果が得られる限り特に限定されないが、高い方が熱圧着時の第1の金属層101のシワの抑制に効果的であり、好ましくは1×10~1×1010Paの範囲内、より好ましくは1×10~1×1010Paの範囲内がよい。
ポリイミド層(B)のガラス転移温度Tgは、発明の効果が得られる限り特に限定されないが、第2の金属層102との密着性を確保するため200℃以上400℃以下の範囲内が好ましく、200℃以上350℃以下の範囲内であることがより好ましい。
また、ポリイミド層(B)の貯蔵弾性率E’(B)は、発明の効果が得られる限り特に限定されないが、低い方が密着性向上にとって有利であるが、あまりに低すぎると熱圧着が困難になるため、好ましくは1×10~1×10Paの範囲内、より好ましくは1×10~9×10Paの範囲内がよい。
なお、各ポリイミド層のTgと貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定される。
次に、ポリイミド層(A)~(C)の樹脂構成について説明する。本発明では、比E’(A)/E’(B)を2.0以上とするために、絶縁樹脂層110を形成するポリイミド層(A)とポリイミド層(B)に異なる組成のポリイミドを使用することが好ましい。
ポリイミドは、ポリアミド酸をイミド化してなるものであり、酸無水物残基及びジアミン残基を含むものである。ここで、酸無水物残基とは、酸二無水物から誘導された4価の基のことを表し、ジアミン残基とは、ジアミン化合物から誘導された2価の基のことを表す。原料である酸二無水物及びジアミン化合物をほぼ等モルで反応させた場合には、原料の種類とモル比に対して、ポリイミド中に含まれる酸二無水物残基及びジアミン残基の種類やモル比などをほぼ対応させることができる。
なお、本発明で「ポリイミド」という場合、ポリイミドの他、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリシロキサンイミド、ポリベンズイミダゾールイミドなど、分子構造中にイミド基を有するポリマーからなる樹脂を意味する。
ポリイミド層(A):
ポリイミド層(A)を構成するポリイミドに含まれる酸二無水物残基としては、貯蔵弾性率E’(A)を制御できれば特に制限はないが、ピロメリット酸二無水物(PMDA)から誘導される酸無水物残基(以下、「PMDA残基」ともいう。)及び/又は3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)から誘導される酸無水物残基(以下、「BTDA残基」ともいう。)が好ましい。全酸無水物残基に対して、PMDA残基及び/又はBTDA残基を、合計で、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50~100モル%の範囲内で含有することがよい。PMDA残基及びBTDA残基は、いずれも、貯蔵弾性率を高める作用を有する残基である。そのため、PMDA残基及び/又はBTDA残基の合計量が30モル%未満であるとポリイミド層(A)の貯蔵弾性率E’(A)を十分に高めることができず、第1の金属層101のシワを抑制する効果が不十分となる。
ポリイミド層(A)を構成するポリイミドに含まれる他の酸二無水物残基としては、例えば、4,4’-オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-、又は2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6-シクロヘキサン二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される酸二無水物残基が挙げられる。
また、ポリイミド層(A)を構成するポリイミドに含まれるジアミン残基としては、貯蔵弾性率E’(A)を制御できれば特に制限はないが、主鎖を構成する芳香環がパラ位で連結されている骨格のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基(以下、「パラ位連結ジアミン残基」ともいう。)が好ましい。全ジアミン残基に対して、パラ位連結ジアミン残基を、合計で、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50~100モル%の範囲内で含有することがよい。パラ位連結ジアミン残基は、分子の直線性を有することから、ポリイミド層(A)の貯蔵弾性率E’(A)の低下を抑制する作用を有する。したがって、パラ位連結ジアミン残基を上記範囲内で含有することにより、ポリイミド層(A)の貯蔵弾性率が十分に大きくなり、熱圧着時の高い温度でもポリイミド層(A)の軟化を抑制し、第1の金属層のシワの発生を抑制できる。パラ位連結ジアミン残基の含有量が30モル%未満であるとポリイミド層(A)の貯蔵弾性率E’(A)を十分に大きくすることができず、第1の金属層101のシワを抑制する効果が不十分となる。
パラ位連結ジアミン残基の代表例として、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-TB)、2,2’-ジエチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-EB)、2,2’-ジエトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル(m-EOB)、2,2’-ジプロポキシ-4,4’-ジアミノビフェニル(m-POB)、2,2’-n-プロピル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-NPB)、2,2’-ジビニル-4,4’-ジアミノビフェニル(VAB)、4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル(BAPE)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-Q)、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(4,4’-DAPE)等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
上記パラ位連結ジアミン残基の中でも、寸法安定性及び第1の金属層101との接着性を両立させる観点から2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-TB)及び2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)から誘導されるジアミン残基が特に好ましい。
なお、本明細書において、「ジアミン化合物」は、末端の二つのアミノ基における水素原子が置換されていてもよく、例えば-NR(ここで、R,Rは、独立にアルキル基などの任意の置換基を意味する)であってもよい。
ポリイミド層(B):
ポリイミド層(B)を構成するポリイミドに含まれる酸二無水物残基としては、貯蔵弾性率E’(B)を制御できれば特に制限はないが、全酸無水物残基に対して、PMDA残基及び/又は3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から誘導される酸無水物残基(以下、「BPDA残基」ともいう。)を、合計で、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50~100モル%の範囲内で含有することがよい。BPDA残基は、含有量を調整することで高温域での貯蔵弾性率を制御することができる。PMDA残基及び/又はBPDA残基の合計量が30モル%未満であると第2の金属層102と化学的な密着力が十分に得られない場合がある。
ポリイミド層(B)を構成するポリイミドに含まれる他の酸二無水物残基としては、上記ポリイミド層(A)で挙げたものと同様のものを用いることができる。
また、ポリイミド層(B)を構成するポリイミドに含まれるジアミン残基としては、貯蔵弾性率E’(B)を制御できれば特に制限はないが、全ジアミン残基に対して、屈曲性ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基(以下、「屈曲性ジアミン残基」ともいう。)を、合計で、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80~100モル%の範囲内で含有することがよい。ここで、屈曲性ジアミン化合物は、主鎖を構成する芳香環が-O-、-CH-などの柔軟性の高い連結基を有するジアミン化合物を意味し、メタ位連結基を含むことがより好ましい。屈曲性ジアミン残基を含有することで、Tg以上の温度での貯蔵弾性率を下げ、第2の金属層102との熱圧着性及び密着性を向上させることができる。屈曲性ジアミン残基の合計量が50モル%未満であると、ポリイミド層(B)の貯蔵弾性率が高くなり過ぎ、第2の金属層102との熱圧着性及び密着性が低下することがある。
屈曲性ジアミン残基の好ましい具体例としては、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、4,4'-[2-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[4-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[5-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、(3,3’-ビスアミノ)ジフェニルアミン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、3-[3-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、4-[3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]フェノキシ]アニリン、4,4’-[オキシビス(3,1-フェニレンオキシ)]ビスアニリン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。これらの中でも、1,3-ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)から誘導されるジアミン残基は、優れた屈曲性を有するので、ポリイミド層(B)の貯蔵弾性率を低下させ、柔軟性を付与することが可能であり、最も好ましい。
ポリイミド層(B)を構成するポリイミドに含まれる他のジアミン残基としては、上記ポリイミド層(A)で挙げたものと同様のものを用いることができる。
ポリイミド層(A)、(B)を構成するポリイミドにおいて、上記酸二無水物残基及びジアミン残基の種類や、2種以上の酸二無水物残基又はジアミン残基を適用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張係数、貯蔵弾性率、引張弾性率等を制御することができる。また、ポリイミド層(A)、(B)を構成するポリイミドにおいて、ポリイミドの構造単位を複数有する場合は、ブロックとして存在しても、ランダムに存在していてもよいが、ランダムに存在することが好ましい。
ポリイミド層(C):
ポリイミド層(C)を構成するポリイミドの樹脂構成及び貯蔵弾性率については特に制限はなく、公知の構成を使用できる。
また、ポリイミド層(C)の熱膨張係数(CTE)は、絶縁樹脂層110全体の寸法安定性を確保するため、30ppm/K以下が好ましく、-5~25ppm/Kの範囲内の低膨張性樹脂層であることがより好ましい。
ポリイミド層(A)~(C)を構成するポリイミドは、任意成分として、例えば可塑剤、エポキシ樹脂などの他の硬化樹脂成分、硬化剤、硬化促進剤、有機フィラー、無機フィラー、カップリング剤、難燃剤などを適宜配合することができる。
(ポリイミドの合成)
一般にポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0~100℃の範囲内の温度で30分~24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5~30重量%の範囲内、好ましくは10~20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、2-ブタノン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5~30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリアミド酸の溶液の粘度は、500cP~100,000cPの範囲内であることが好ましい。この範囲を外れると、コーター等による塗工作業の際にフィルムに厚みムラ、スジ等の不良が発生し易くなる。ポリアミド酸をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80~400℃の範囲内の温度条件で1~24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。
ポリイミド層(A)~(C)を構成するポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の重量平均分子量は、いずれも、例えば10,000~400,000の範囲内が好ましく、50,000~350,000の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、絶縁樹脂層110の強度が低下して脆化しやすい傾向となる。一方、重量平均分子量が400,000を超えると、ポリアミド酸溶液の粘度が高くなり、塗工作業の際に厚みムラ、スジ等の不良が発生しやすくなる。
<各層の厚みとその比率>
ポリイミド層(A)及びポリイミド層(B)の厚みは特に制限はなく、金属箔との密着性を確保するために、それぞれ、1μm以上であることが好ましく、2~10μmの範囲内であることがより好ましい。
絶縁樹脂層110の全体の厚みに対するポリイミド層(A)の厚み割合は、熱圧着時に第1の金属層101にシワが発生することを抑制するため、3~45%の範囲内であることが好ましく、4~20%の範囲内であることがより好ましい。厚み割合が3%未満では、熱圧着時に第1の金属層101のシワの発生を抑制する効果が十分に得られない場合があり、45%を超えると、絶縁樹脂層110内の低膨張性樹脂層の割合が減少することから絶縁樹脂層110の寸法安定性が悪化する傾向になる。
また、絶縁樹脂層110の全体の厚みに対するポリイミド層(B)の厚み割合は、第2の金属層102との密着性を確保するため、3~45%の範囲内であることが好ましく、4~20%の範囲内であることがより好ましい。厚み割合が3%未満では、熱圧着による密着性が不十分になる場合があり、45%を超えると、絶縁樹脂層110内の低膨張性樹脂層の割合が減少することから絶縁樹脂層110の寸法安定性が悪化する傾向になる。
ポリイミド層(C)の厚みは特に制限はなく、使用目的に応じて適宜設定できるが、例えば3~75μmの範囲内が好ましく、8~50μmの範囲内がより好ましい。また、絶縁樹脂層110の寸法安定性を確保するために、絶縁樹脂層110全体の厚みに占めるポリイミド層(C)の厚み割合は30%以上であることが好ましく、60~92%の範囲内であることがより好ましい。
絶縁樹脂層110は、高周波信号の伝送時における誘電損失を低減するため、絶縁樹脂層全体として、スプリットポスト誘電体共振器(SPDR)により測定したときの10GHzにおける誘電正接(Df)が、0.004以下であることが好ましい。回路基板の伝送損失を改善するためには、特に絶縁樹脂層の誘電正接を制御することが重要であり、誘電正接を上記範囲内とすることで、伝送損失を下げる効果が増大する。従って、本発明の金属張積層板を高周波用途の回路基板の材料として適用する場合、伝送損失を効率よく低減できる。10GHzにおける誘電正接が0.004を超えると、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスが大きくなるなどの不都合が生じやすくなる。10GHzにおける誘電正接の下限値は特に制限されないが、絶縁樹脂層110の物性制御を考慮する必要がある。
<第1の金属層及び第2の金属層>
第1の金属層101及び第2の金属層102を構成する金属としては、FPCの配線層の材料として使用可能であれば特に制限はないが、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス、鉄、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、ジルコニウム、金、コバルト、チタン、タンタル、亜鉛、鉛、錫、シリコン、ビスマス、インジウム又はこれらの合金などから選択される金属を挙げることができる。第1の金属層101及び第2の金属層102は、接着性の観点から金属箔を用いることが好ましい。導電性の点で特に好ましいものは銅箔である。なお、金属張積層板100,200を連続的に生産する場合には、金属箔として、所定の厚さのものがロール状に巻き取られた長尺状の金属箔が用いられる。
第1の金属層101の厚みは、特に制限はないが、FPC材料としての用途では、6~18μmの範囲内が好ましく、9~12μmの範囲内がより好ましい。また、第1の金属層101の引張弾性率は、特に制限はないが、FPC材料としての用途では、10~100GPaの範囲内が好ましく、15~70GPaの範囲内がより好ましい。なお、第1の金属層101の厚み及び引張弾性率が上記範囲より小さい場合は、ロール・トゥ・ロール方式での搬送時に機械的強度が不足してハンドリング性が低下する場合がある。一方、第1の金属層101の厚み及び引張弾性率が上記範囲より大きい場合は、ハンドリング性は良好となるが、その反面、フレキシブル性が低下するほか、そもそも熱圧着時に第1の金属層101にシワが発生することがほとんどない。しかし、FPC材料としての用途に必要となる機械的強度とフレキシブル性とを両立させるために、第1の金属層101の厚み及び引張弾性率を上記範囲内とする場合には、高温での熱圧着時にシワの発生が起こりやすくなることから、本発明の効果が顕著に発現される。
第2の金属層102の厚みは、特に制限はないが、FPC材料としての用途では、6~18μmの範囲内が好ましく、9~12μmの範囲内がより好ましい。また、第2の金属層102の引張弾性率は、特に制限はないが、FPC材料としての用途では、10~100GPaの範囲内が好ましく、15~70GPaの範囲内がより好ましい。
<金属張積層板の製造方法>
金属張積層板100を製造する方法の態様として、例えば、
[1]第1の金属層101となる金属箔に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥した後、イミド化を行う方法(以下、キャスト法)、
[2]第1の金属層101となる金属箔に、多層押出により同時にポリアミド酸の溶液を多層に積層した状態で塗布・乾燥した後、イミド化を行う方法(以下、多層押出法)
などが挙げられる。
上記[1]の方法は、例えば、次の工程;
(1a)第1の金属層101となる金属箔にポリアミド酸の溶液を塗布し、乾燥させる工程と、
(1b)金属箔上でポリアミド酸を熱処理してイミド化することによりポリイミド層を形成する工程と、を含み、工程1a及び1bを繰り返し行うことによって、第1の金属層101上にポリイミド層(A)、ポリイミド層(C)、ポリイミド層(B)を順次積層形成することができる。なお、工程1aを繰り返し行った後、工程1bで複数層を一括してイミド化してもよい。
上記[2]の方法は、上記[1]の方法の工程1aにおいて、多層押出により、同時にポリアミド酸の積層構造体を塗布し、乾燥させる以外は、上記[1]の方法と同様に実施できる。
本実施の形態では、第1の金属層101上でポリアミド酸のイミド化を完結させることが好ましい。ポリアミド酸の樹脂層が第1の金属層101に固定された状態でイミド化されるので、イミド化過程における各ポリイミド層の伸縮変化を抑制して、厚みや寸法精度を維持することができる。
金属張積層板200は、図3に示すように金属張積層板100の絶縁樹脂層110におけるラミネート面110aに、第2の金属層102となる金属箔102Aを熱圧着することによって製造することができる。熱圧着の温度条件としては、ポリイミド層(B)のガラス転移温度Tgに対し、Tg+20℃からTg+90℃の範囲内で行うことが好ましい。
以上の構成を有する金属張積層板200において、第2の金属層102とポリイミド層(B)とのピール強度は、FPC等の回路基板に加工した後の信頼性を担保するため、0.7kN/m以上であることが好ましく、1.0kN/m以上がより好ましい。
<第3の実施の形態>
本発明の応用例である第3の実施の形態について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5に示すように、二つの金属張積層板100を、ポリイミド層(B)が互いに対向するように配置し、ラミネート面110aどうしを熱圧着することによって、金属張積層板300を作製してもよい。本実施の形態の金属張積層板300は、第1の金属層101/ポリイミド層(A)/ポリイミド層(C)/ポリイミド層(B)/ポリイミド層(B)/ポリイミド層(C)/ポリイミド層(A)/第1の金属層101の順に積層された構造を有する両面金属張積層板である。
<第4の実施の形態>
本発明の応用例である第4の実施の形態について、図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7に示すように、二つの金属張積層板100を、ポリイミド層(B)が互いに対向するように配置するとともに、これら二つの金属張積層板100の間にボンディングシートBSを挟み込んで、ボンディングシートBSと二つのラミネート面110aを熱圧着することによって、金属張積層板400を作製してもよい。金属張積層板400は、第1の金属層101/ポリイミド層(A)/ポリイミド層(C)/ポリイミド層(B)/ボンディングシートBS/ポリイミド層(B)/ポリイミド層(C)/ポリイミド層(A)/第1の金属層101の順に積層された構造を有する両面金属張積層板である。
<回路基板>
上記実施の形態の金属張積層板100,200,300,400は、主にFPC等の回路基板の材料として有用である。すなわち、金属張積層板100,200,300,400の第1の金属層101及び/又は第2の金属層102を常法によってパターン状に加工して配線層を形成することによって、本発明の一実施の形態であるFPC等の回路基板を製造できる。図示は省略するが、好ましい実施の形態の回路基板は、金属張積層板100,200,300,400において、第1の金属層101及び第2の金属層102のいずれか片方又は両方、又は、2つの第1の金属層101のいずれか片方又は両方が、配線層に置き換わった構成を有している。
<電子デバイス・電子機器>
本実施の形態の電子デバイス及び電子機器は、上記回路基板を備えるものである。本実施の形態の電子デバイスとしては、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示装置、有機EL照明、太陽電池、タッチパネル、カメラモジュール、インバーター、コンバーター及びその構成部材等を挙げることができる。また、電子機器としては、例えば、HDD、DVD、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、自動車の電子制御ユニット(ECU)、パワーコントロールユニット(PCU)等を挙げることができる。回路基板はこれらの電子デバイスや電子機器において、例えば可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品として好ましく使用される。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[粘度の測定]
E型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV-II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%~90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから2分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
[重量平均分子量の測定]
ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製、商品名;HLC-8420GPC)により測定した。標準物質としてポリスチレンを用い、溶離液にはN,N-ジメチルアセトアミドを用いた。
[熱膨張係数(CTE)の測定]
3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、商品名;TMA6100)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から270℃まで昇温させ、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、250℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱膨張係数)を求めた。
[ガラス転移温度(Tg)及び貯蔵弾性率の測定]
5mm×20mmサイズのポリイミドフィルムを、動的粘弾性測定装置(DMA:TAインスツルメント社製、商品;RSA3)を用いて、30℃から400℃までの昇温速度を5℃/分、周波数1Hzの条件で測定した。ガラス転移温度は主分散に基づくtanδの極大値温度より求めた。
[ピール強度の測定]
フレキシブル銅張積層板における塗布面側の銅箔(第1の銅箔層)をエッチング除去し得られた片面銅張積層板の銅箔(第2の銅箔層)を幅1.0mmに回路加工したサンプルを用意し、ポリイミド層の表面を両面テープによりアルミ板に固定して、テンシロンテスター(東洋精機製作所社製、商品名;ストログラフVE-1D)を用いて測定した。銅箔を180度方向に50mm/分の速度で引っ張り、10mm剥離した時の中央値強度を求めた。ピール強度が1.3kN/m以上である場合を「◎」、1.0kN/m以上1.3kN/m未満である場合を「〇」、0.7kN/m以上1.0kN/m未満である場合を「△」、0.7kN/m未満である場合を「×」と判定した。
[外観形状の評価]
フレキシブル銅張積層板における塗布面側の銅箔(第1の銅箔層)の外観評価を行った。ラミネート後のサンプルを350mm×250mmのサイズのシートに切り出して目視にて観察を行い、外観形状が良好でありシワの発生が無い場合を「◎」、回路加工に影響が無いレベルのシワが一部に発生した場合を「〇」、回路加工に影響は無いレベルのシワが全面的に発生した場合を「△」、回路加工に影響を及ぼすレベルのシワが全面的に発生した場合を「×」と判定した。
[引張弾性率の測定]
銅箔を幅12.7mmに切り出したのち、380℃で15分間、アニール処理を行った後、引張圧縮試験機(東洋精機製作所社製、商品名;ストログラフR-1)を用いて測定した。チャック間距離101.6mm、掃引速度10mm/分の速度で引っ張り、得られた応力‐変位曲線の0.2%変位における傾きから引張弾性率を算出した。
[誘電正接の測定]
ベクトルネットワークアナライザ(Agilent社製、商品名;E8363C)及びスプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)を用いて、周波数10GHzにおけるポリイミドフィルムの誘電正接を測定した。なお、測定に使用した材料は、フレキシブル銅張積層板の銅箔層をエッチング除去して調製したポリイミドフィルムを温度;24~26℃、湿度;45~55%の条件下で、24時間放置したものである。
実施例及び比較例に用いた略号は、以下の化合物を示す。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BTDA:3,3’、4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
m-TB:2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル
TPE-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
BAPP:2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
銅箔1:圧延銅箔、厚さ;9μm、アニール処理後の引張弾性率;36GPa
銅箔2:圧延銅箔、厚さ;12μm、アニール処理後の引張弾性率;36GPa
銅箔3:圧延銅箔、厚さ;18μm、アニール処理後の引張弾性率;36GPa
銅箔4:圧延銅箔、厚さ;18μm、アニール処理後の引張弾性率;18GPa
(合成例1)
255.0重量部のDMAcに21.43重量部のm-TB(100.92モル部)を加え室温で30分以上撹拌し、完全に溶解させた。次に、16.26重量部のPMDA(74.56モル部)及び7.31重量部のBPDA(24.85モル部)を加え、室温で4時間撹拌を行い、粘度27,400cP、重量平均分子量117,000のポリアミド酸溶液1を得た。
基材上に、ポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが約25μmとなるように均一に塗布した後、140℃以下で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、140℃から360℃まで段階的に昇温させて熱処理を行い、イミド化を完結して得られたポリイミドフィルム1を調製した。得られたポリイミドフィルム1のCTEは23ppm/Kであり、非熱可塑性であった。
(合成例2)
264.0重量部のDMAcに10.55重量部のTPE-R(36.10モル部)及び7.66重量部のm-TB(33.10モル部)を加え室温で30分以上撹拌し、完全に溶解させた。次に、10.89重量部のPMDA(49.93モル部)及び6.90重量部のBTDA(21.40モル部)を加え、室温で4時間撹拌を行い、粘度3,800cP、重量平均分子量180,000のポリアミド酸溶液2を得た。
合成例1と同様にして作製したポリイミドフィルム2のTgは300℃、貯蔵弾性率は1.2×10Pa(270℃)、1.2×10Pa(275℃)、2.0×10Pa(350℃)及び1.3×10Pa(400℃)であった。
(合成例3)
264.0重量部のDMAcに23.20重量部のBAPP(56.53モル部)を加え室温で30分以上撹拌し、完全に溶解させた。次に、11.95重量部のPMDA(54.77モル部)及び0.85重量部のBPDA(2.88モル部)を加え、室温で4時間撹拌を行い、粘度1,700cP、重量平均分子量200,000のポリアミド酸溶液3を得た。
合成例1と同様にして作製したポリイミドフィルム3のTgは320℃、貯蔵弾性率は1.5×10Pa(270℃)、1.0×10Pa(275℃)、6.3×10Pa(350℃)及び1.9×10Pa(400℃)であった。
(合成例4)
264.0重量部のDMAcに17.94重量部のTPE-R(61.36モル部)及び0.69重量部のm-TB(3.23モル部)を加え室温で30分以上撹拌し、完全に溶解させた。次に、11.63重量部のBPDA(39.53モル部)及び5.75重量部のPMDA(26.35モル部)を加え、室温で4時間撹拌を行い、粘度2,500cP、重量平均分子量121,000のポリアミド酸溶液4を得た。
合成例1と同様にして作製したポリイミドフィルム4のTgは225℃、貯蔵弾性率は1.0×10Pa(275℃)であった。
(合成例5)
264.0重量部のDMAcに15.33重量部のTPE-R(52.43モル部)及び2.78重量部のm-TB(13.11モル部)を加え室温で30分以上撹拌し、完全に溶解させた。次に、12.79重量部のBPDA(43.45モル部)及び5.10重量部のPMDA(23.40モル部)を加え、室温で4時間撹拌を行い、粘度2,300cP、重量平均分子量118,000のポリアミド酸溶液5を得た。
合成例1と同様にして作製したポリイミドフィルム5のTgは220℃、貯蔵弾性率は4.4×10Pa(270℃)であった。
[実施例1]
銅箔1の上に、ポリアミド酸溶液2を硬化後の厚みが2μmとなるように塗布した後、140℃以下で加熱乾燥し、溶媒を除去した。その上に、ポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが21μmとなるように塗布した後、140℃以下で加熱乾燥し、溶媒を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液3を硬化後の厚みが2μmとなるように塗布した後、140℃以下で加熱乾燥し、溶媒を除去した。その後、140℃から360℃まで段階的に昇温させてイミド化を行い、片面銅張積層板1を調製した。得られた片面銅張積層板1のポリイミド層側に銅箔2を配して、熱ロールラミネート機を用いてラミネート圧力1kN/cm、ラミネート温度350℃の条件で連続的に熱ラミネートを行い、フレキシブル銅張積層板1を得た。フレキシブル銅張積層板1の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
銅箔1の代わりに銅箔2を使用したこと以外、実施例1と同様にして、フレキシブル銅張積層板2を得た。フレキシブル銅張積層板2の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
銅箔1の代わりに銅箔3を使用したこと以外、実施例1と同様にして、フレキシブル銅張積層板3を得た。フレキシブル銅張積層板3の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
銅箔1の代わりに銅箔4を使用したこと以外、実施例1と同様にして、フレキシブル銅張積層板4を得た。フレキシブル銅張積層板4の評価結果を表1に示す。
[実施例5]
銅箔1の代わりに銅箔3を使用し、ラミネート温度を400℃にしたこと以外、実施例1と同様にして、フレキシブル銅張積層板5を得た。フレキシブル銅張積層板5の評価結果を表1に示す。
[実施例6]
銅箔1の代わりに銅箔2を使用し、ポリアミド酸溶液3の代わりにポリアミド酸溶液4を使用したこと、及びラミネート温度を275℃にしたこと以外、実施例1と同様にして、フレキシブル銅張積層板6を得た。フレキシブル銅張積層板6の評価結果を表1に示す。
[実施例7]
銅箔1の代わりに銅箔2を使用し、ポリアミド酸溶液3の代わりにポリアミド酸溶液5を使用したこと、及びラミネート温度を270℃にしたこと以外、実施例1と同様にして、フレキシブル銅張積層板7を得た。フレキシブル銅張積層板7の評価結果を表1に示す。
[実施例8]
銅箔1の代わりに銅箔2を使用し、ポリアミド酸溶液2の代わりにポリアミド酸溶液3を使用したこと、ポリアミド酸溶液3の代わりにポリアミド酸溶液5を使用したこと、及びラミネート温度を270℃にしたこと以外、実施例1と同様にして、フレキシブル銅張積層板8を得た。フレキシブル銅張積層板8の評価結果を表1に示す。
比較例1
銅箔1の代わりに銅箔2を使用し、ポリアミド酸溶液3の代わりにポリアミド酸溶液2を使用したこと以外、実施例1と同様にして、フレキシブル銅張積層板9を得た。フレキシブル銅張積層板9の評価結果を表1に示す。
比較例2
銅箔1の代わりに銅箔2を使用し、ポリアミド酸溶液2の代わりにポリアミド酸溶液5を使用したこと、ポリアミド酸溶液3の代わりにポリアミド酸溶液5を使用したこと、及びラミネート温度を270℃にしたこと以外、実施例1と同様にして、フレキシブル銅張積層板10を得た。フレキシブル銅張積層板10の評価結果を表1に示す。
なお、表1中の「層(A)」及び「層(B)」は、それぞれ「ポリイミド層(A)」及び「ポリイミド層(B)」を意味する。また、表1中のE’(A)、E’(B)は、いずれも、ラミネート温度における貯蔵弾性率を意味している。
Figure 2023051810000002
実施例1~8及び比較例1~2で得られたフレキシブル銅張積層板1~10の銅箔層をエッチング除去して調製したポリイミドフィルム1~10の周波数10GHzにおける誘電正接(Df)を表2に示した。
Figure 2023051810000003
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
100,200,300,400…金属張積層板、101…第1の金属層、102…第2の金属層、102A…金属箔、110…絶縁樹脂層、110a…ラミネート面、(A)…ポリイミド層(A)、(B)…ポリイミド層(B)、(C)…ポリイミド層(C)、BS…ボンディングシート

Claims (9)

  1. 第1の金属層と、
    前記第1の金属層に積層されている絶縁樹脂層と、を備えた金属張積層板であって、
    前記絶縁樹脂層は、前記第1の金属層に接するポリイミド層(A)と、前記第1の金属層とは反対側において樹脂面を形成しているポリイミド層(B)と、を有し、
    前記ポリイミド層(B)のガラス転移温度Tgを基準にして、Tg+20℃からTg+90℃までの範囲内のいずれかの温度におけるポリイミド層(A)の貯蔵弾性率をE’(A)、ポリイミド層(B)の貯蔵弾性率をE’(B)としたとき、該貯蔵弾性率の比E’(A)/E’(B)が2.0以上であることを特徴とする金属張積層板。
  2. 前記絶縁樹脂層が、前記ポリイミド層(A)と前記ポリイミド層(B)との間に積層されたポリイミド層(C)を有する請求項1に記載の金属張積層板。
  3. 前記第1の金属層の厚みが6~18μmの範囲内であり、引張弾性率が10~100GPaの範囲内である請求項1または2に記載の金属張積層板。
  4. さらに、前記ポリイミド層(B)の樹脂面に接して積層されている第2の金属層を備えている請求項1に記載の金属張積層板。
  5. 前記第2の金属層と前記ポリイミド層(B)とのピール強度が0.7kN/m以上である請求項4に記載の金属張積層板。
  6. 請求項4に記載の金属張積層板における前記第1の金属層及び前記第2の金属層のいずれか片方又は両方を回路加工してなる回路基板。
  7. 請求項1に記載の金属張積層板における前記第1の金属層を回路加工してなる回路基板。
  8. 請求項6または7に記載の回路基板を備えていることを特徴とする電子デバイス。
  9. 請求項6または7に記載の回路基板を備えていることを特徴とする電子機器。
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