JP2022149750A - 車両の走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駐車場走行時に車両と歩行者等の衝突を回避する走行制御装置を提供する。【解決手段】第1周辺環境情報に基づき車両周辺を認識する第1周辺環境認識部11dと、外部機器との通信により第1周辺環境情報を送信し外部機器から第2周辺環境情報を受信する送受信機18と、第2周辺環境情報に基づき車両周辺を認識する第2周辺環境認識部13cと、第1周辺環境認識部で認識した移動体と車両との衝突可能性が有るとき車両を停止させる緊急ブレーキ制御手段を含む走行制御ユニット22とを備え、車両が低速走行時に送受信機は車両の第1周辺環境情報を送信し前方で駐停車中の他車両から第2周辺環境情報を受信し、該受信情報に基づき車両の死角領域の移動体又は他車両の停止から発進準備への遷移を認識し走行制御ユニットは車両が移動体又は他車両との衝突可能性が有るとき減速制御し緊急ブレーキ制御の作動開始閾値を通常値より低く設定変更する。【選択図】図1

Description

この発明は、車両と歩行者等の移動体との衝突または接触を緊急ブレーキ制御によって回避する機能を備える車両の走行制御装置に関するものである。
近年、自動車等の車両においては、運転者の運転操作を必要とせずに車両を自動的に走行させる自動運転制御技術の開発が進められている。また、このような自動運転制御技術を利用することによって、運転者の運転操作の負担を軽減すると共に、車両を走行させる際の安全性を向上させることを目的として、運転者の運転操作を支援するための車両の走行制御装置についての提案が、種々なされており、一般に実用化されつつある。
例えば、従来の走行制御装置においては、カメラやレーダ装置,ソナー装置等の自律センサデバイスを用いた周辺環境認識装置を具備し、車両の進行方向(前方領域及び後方領域)に当該車両の進行を妨げる障害物、例えば、他車両や歩行者,自転車,二輪車等の移動体を認識した場合には、衝突危険可能性等の注意を喚起する警報を運転者に対して行ったり、このような警報に応じた回避操作が運転者によって行われなかった場合に、自動的に所定のブレーキ制御を実行して車両を減速させたり、若しくは当該障害物に衝突または接触する前に緊急ブレーキ(AEB(Autonomous Emergency Braking);いわゆる衝突被害軽減ブレーキ)制御を行って、当該車両を停止させる等といった走行制御が行われる。
このように、車両の進行方向(主に前方)に認識された障害物と自車両とが衝突または接触することを回避するため、若しくは衝突被害を軽減するための緊急ブレーキ制御を含む走行制御を行う走行制御装置については、例えば、特開2018-206305号公報,特開2019-16053号公報等によって、種々提案されており、一般に実用化されている。
従来の走行制御装置においては、車両の進行方向の所定の視野範囲内を撮像範囲とするカメラユニットや、車両の前方又は後方のうち左右側方寄りの所定領域を認識領域とするミリ波レーダー、車両の主に後方の所定領域を認識領域とするソナー装置等のセンシングデバイス等の各種の周辺環境認識装置からの出力情報に基づいて、自車両の前方,後方を含む車両周辺に存在する移動体(他車両や歩行者等)の認識を行い得る構成を備える。
そして、従来の走行制御装置は、上述のようなセンシングデバイス(周辺環境認識装置)による認識結果に基づいて、これら認識された移動体と自車両との衝突または接触を回避するための緊急ブレーキ(AEB)制御等を行い得るように構成したものがある。
この場合において、従来構成の走行制御装置における緊急ブレーキ制御等の作動は、例えば自車両の進行方向の道路上において、各種デバイスの認識視野外から同視野内に入り込んでくる歩行者や自転車等(以下、これらを歩行者等と総称する)または他車両等を、上述のセンシングデバイス(周辺環境認識装置)によって認識した時点を、制御開始のトリガーとしている場合が一般である。
特開2018-206305号公報 特開2019-16053号公報
ところが、上記特開2018-206305号公報,上記特開2019-16053号公報等によって開示されている従来の走行制御装置においては、例えば、カメラユニット等の周辺環境認識装置による認識範囲外(例えば車両の真横に近い位置等)から自車両の前方直前に向けて飛び出してくる歩行者等を確実に認識することができない場合がある。したがって、このような場合には、緊急ブレーキ制御を実行することができない可能性が考えられる。また、この場合において、当該移動体を認識することができたとしても、その認識時点で緊急ブレーキ制御の実行を開始した場合、ブレーキが間に合わずに、自車両と当該移動体とが衝突または接触してしまう可能性がある。同様に、例えば、走行路上を走行中の自車両の直前に、駐停車中の車両が急発進して走行路上に飛び出してくるといった状況でも、周辺環境認識装置が当該駐停車車両(移動体)を認識しから緊急ブレーキ制御の実行を開始しても、十分に対応できないという問題点があった。
一般に、例えば、郊外型大規模商業施設、または自動車専用道路等の道路休憩施設(レストエリア;Rest Area)等に付属する駐車場等(以下、単に駐車場等という)においては、通常の道路から外れた領域であって、比較的広大な敷地内に多数の車両を並べて駐停車させることができると同時に、多数の車両のそれぞれが当該敷地内を自由に移動し、かつ当該敷地に対して自由に出入りできるように、車両が走行するための通行路を設けて構成されている。そして、このような形態の駐車場等においては、当該通行路や駐停車中の多数の車両の間を、歩行者等が無秩序に往来しているといった状況が、よく見られる。
このような状況下において車両を走行させる場合には、通常の場合、低速域での走行(例えば20km/h以下のいわゆる徐行運転)が行われている。しかしながら、このような状況下では、例えば、敷地内通行路を低速で走行中の自車両の前方直前に向けて、駐停車中の車両の間など、自車両にとっては死角となる領域から歩行者等が不意に飛び出してくるといった場合や、駐停車中の他車両が走行を開始して低速走行中の自車両の直前に飛び出してくるといった場合が多くある。
このような場合には、周辺環境認識装置による移動体の認識結果に基づいて緊急ブレーキ制御等を行なう形態の従来の走行制御装置では、これらの移動体(歩行者等や他車両等)に対して、十分に対応できないという問題点があった。
また、この種の駐車場等のように、道路から外れた領域の敷地内の詳細な情報については、既存の高精度道路地図情報(ダイナミックマップ)等には含まれていないのが現状である。そのため、このような場所(駐車場等の敷地内等)を走行する際には、既存の道路地図情報等によって車両の周辺状況を把握する手段を利用することはできないことがわかっている。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、道路から外れた領域にある駐車場等の敷地内を走行する場合であっても、車両と歩行者等や他車両等との衝突または接触を確実に回避することのできる車両の走行制御装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様の車両の走行制御装置は、自律センサデバイスによって取得した第1の周辺環境情報に基づいて車両の周辺環境を認識する第1の周辺環境認識部と、外部システムとの無線通信を行って、前記第1の周辺環境情報を送信し、前記外部システムから送られてくる第2の周辺環境情報を受信する送受信機と、前記第2の周辺環境情報に基づいて前記車両の周辺環境を認識する第2の周辺環境認識部と、前記第1の周辺環境認識部により認識された移動体と前記車両とが衝突する可能性が有るときに、前記車両を停止させるための緊急ブレーキ制御を実行する緊急ブレーキ制御手段を含み、前記車両の走行を統括的に制御する走行制御ユニットと、を具備し、前記車両が低速走行を行っているとき、前記送受信機は、前記車両の前記第1の周辺環境情報を送信し、前記車両の進行方向前方に駐停車中の他車両から送られてくる前記第2の周辺環境情報を受信し、前記第2の周辺環境認識部は、受信した前記第2の周辺環境情報に基づいて、前記車両の進行方向前方であって前記車両の死角領域に存在する移動体、又は、前記車両の進行方向前方に駐停車中の前記他車両の停止状態から発進準備状態への遷移状態を認識し、前記走行制御ユニットは、前記車両が前記移動体又は前記他車両と衝突する可能性が有るときは、減速制御を行うと共に、緊急ブレーキ制御の制御パラメータのうち作動開始閾値を通常値よりも低い閾値に設定変更する。
本発明によれば、道路から外れた領域にある駐車場等の敷地内を走行する場合であっても、車両と歩行者等や他車両等との衝突または接触を確実に回避することのできる車両の走行制御装置を提供することができる。
本発明の一実施形態の走行制御装置を含む走行制御システムの全体構成の概略を示すブロック構成図 図1の走行制御装置に含まれるカメラユニット及びレーダ装置の認識領域を概念的に示す図 本発明の一実施形態の走行制御装置を搭載した車両が駐車場等の敷地内を走行する場合の具体的な状況を例示する概念図 図3の例示の状況において、本発明の一実施形態の走行制御装置を搭載した車両が走行する際の作用を示する概念図 図3の例示とは異なるタイプの駐車場等を示す概念図 図3の例示と同タイプの駐車場等であって、分岐する通行路が設けられ、自車両が分岐する通行路を走行する際の作用を示す概念図 本発明の一実施形態の走行制御装置の作用の一部を示すフローチャート(前半部) 本発明の一実施形態の走行制御装置の作用の一部を示すフローチャート(後半部)
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
本発明の一実施形態の走行制御装置は、自動車等の車両に搭載され、当該車両の運転者による運転操作を支援するための装置である。本実施形態の走行制御装置は、例えばカメラユニットやレーダー装置等の自律センサデバイスを用いて車両の周辺環境に関する情報を取得する。
ここで、車両の周辺環境に関する情報とは、例えば、車両の周辺を走行する先行車両,後続車両,対向車両,併走車両等の車両や、歩行者,自転車等の移動体、若しくは建造物,各種構築物等を含む固定物体等、車両の周辺に存在する物体等の情報をいう。なお、以下の説明においては、これら車両の周辺環境に関する情報を周辺環境情報等というものとする。
また、本実施形態の走行制御装置は、外部システム(例えば外部サーバ装置等に蓄積された高精度道路地図データベース等)との間で通信を行うことによって取得される高精度道路地図情報(ダイナミックマップ;詳細は後述する)を含む道路状況等に関する情報を取得する。
さらに、本実施形態の走行制御装置は、当該走行制御装置を搭載している車両(以下、自車両という)の周辺に存在する同様の形態の複数の車両(以下、他車両という)との間で、車同士の直接通信(いわゆる車車間通信)を行って、これら複数の他車両のそれぞれの保有する情報(位置,速度,車両制御情報等のほか当該他車両が認識している周辺環境情報等;以下、他車両情報という)を取得する。
そして、本実施形態の走行制御装置は、上述のようにして取得した各種の情報(周辺環境情報等,高精度道路地図情報,他車両情報等)について、自車両を運転する運転者の運転操作を支援するための情報として適宜利用する。
まず、本発明の一実施形態の走行制御装置の概略構成について、図面を用いて以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態の走行制御装置を含む走行制御システムの全体構成の概略を示すブロック構成図である。図2は、図1の走行制御装置に含まれるカメラユニット及びレーダ装置の認識領域を概念的に示す図である。
なお、図1に示す走行制御システムの構成は、従来の同種の形態の走行制御システムと基本的には略同様の構成を有する。したがって、図1においては、本実施形態の走行制御装置の主要構成のみを図示するに留め、本発明に直接関連しない細部の構成については図示を省略している。そして、以下の説明においては、本発明に関わる主要構成のみについて説明し、本発明に直接関連する構成以外の構成については、従来の走行制御システムに含まれる走行制御装置と略同様であるものとして詳細な説明は省略する。
図1に示すように、本実施形態の走行制御装置10を含む走行制御システム1は、車両に搭載される走行制御装置10と、複数の走行制御装置10が無線通信を介して接続されるネットワーク環境NW内に設けられる複数の管制装置100とを有して構成されている。
管制装置100は、例えばクラウドコンピューティングやエッジコンピューティングによるネットワーク環境、或いは道路付帯設備網によるネットワーク環境のサーバ装置として設けられている。
管制装置100は、各車両の走行制御装置10から送信される道路地図情報を逐次統合して更新し、更新した道路地図情報を各車両へと送信する。そのために、管制装置100は、道路地図情報統合制御ユニット101と、サーバ側送受信機102とを有して構成されている。
道路地図情報統合制御ユニット101は、サーバ側送受信機102を通じて複数の車両から収集した道路地図情報を統合して、道路上の車両を取り巻く道路地図情報を逐次更新する。道路地図情報は、例えば、高精度道路地図情報(ダイナミックマップ)からなり、主として道路情報を構成する静的情報及び準静的情報と、主として交通情報を構成する準動的情報及び動的情報との4層の情報を有する。
ここで、静的情報は、例えば、道路の路面情報や車線情報、道路上若しくは道路周縁に存在する各種構造物等の位置情報等のほか、恒久的な交通規制情報等を含む3次元道路地図情報である。静的情報は、例えば1ヶ月以内の更新頻度が求められる情報によって構成されている。
準静的情報は、例えば道路工事予定やイベント等に伴う交通規制予定等の一時的な規制情報、広域気象予報情報、渋滞予測情報等である。準静的情報は、例えば1時間以内での更新頻度が求められる情報によって構成されている。
準動的情報は、例えば観測時点における実際の渋滞状況や交通規制情報、落下物や障害物等による一時的な走行障害状況情報、実際の事故情報、狭域気象情報等である。準動的情報は、例えば1分以内での更新頻度が求められる情報によって構成されている。
動的情報は、例えば移動体(各車両同士)の間で送受信される各種情報、表示中の信号情報、交差点内の歩行者や自転車等の情報、交差点を直進する車両情報等のリアルタイム情報である。動的情報は、例えば1秒以内での更新頻度が求められる情報によって構成されている。
このような道路地図情報は、各車両から次の情報を受信するまでの周期で維持され、新たな情報を受信する都度更新される。そして、更新された道路地図情報は、サーバ側送受信機102を通じて各車両に向けて適宜送信される。
走行制御装置10は、車両外部の周辺環境を認識するためのユニットである周辺環境認識ユニット11及びロケータユニット12を有する。また、走行制御装置10は、走行制御ユニット22と、エンジン制御ユニット23と、パワーステアリング制御ユニット24と、ブレーキ制御ユニット25とを備える。これらの各制御ユニット22,23,24,25は、周辺環境認識ユニット11及びロケータユニット12と共に、CAN(Controller Area Network)等の車内通信回線を介して接続されている。
周辺環境認識ユニット11は、例えば、車室内前部の上部中央に固定されているメインカメラ11aおよびサブカメラ11bからなるカメラユニット(ステレオカメラユニット)と、このカメラユニットに接続される画像処理ユニット(IPU)11cと、このIPU11cが接続される第1の周辺環境認識部11dとを有している。
メインカメラ11a及びサブカメラ11b(カメラユニット)は、例えば、自車両の前方の実空間をセンシングする自律センサデバイスである。これらメインカメラ11a及びサブカメラ11bは、例えば車幅方向中央を挟んで左右対称な位置に配置されている。これにより、これら2つのカメラ11a,11bは、自車両の前方の所定の領域(図2の符号Af参照)を異なる視点からの2つの画像からなるステレオ画像として撮像する。
IPU11cは、2つのカメラ11a,11bで撮像した自車両の前方の所定領域の画像データについての画像処理を行って、対象物の画像上での位置ズレ量から求められる距離情報を含む前方周辺環境画像情報(距離画像情報)を生成する。
第1の周辺環境認識部11dは、IPU11cから受信した距離画像情報などに基づき、車両の周辺の道路を区画する車線区画線を求める。また、第1の周辺環境認識部11dは、自車両が走行する走行路(自車走行レーン)の左右を区画する区画線の道路曲率[1/m]および左右区画線間の幅(車線幅)を求める。この道路曲率、および車線幅の求め方は種々知られているが、例えば、第1の周辺環境認識部11dは、道路曲率を前方周辺環境画像情報に基づき輝度差による二値化処理にて、左右の区画線を認識し、最小二乗法による曲線近似式などにて左右区画線の曲率を所定区間毎に求める。
また、第1の周辺環境認識部11dは、距離画像情報に対して所定のパターンマッチングなどを行い、道路に沿って存在するガードレール、縁石、および、車両の周辺の道路上に存在する歩行者、二輪車、二輪車以外の車両等の立体物の認識を行う。ここで、第1の周辺環境認識部11dにおける立体物の認識では、例えば、立体物の種別、立体物までの距離、立体物の速度、立体物と車両との相対速度などの認識が行われる。なお、このようにカメラユニット(11a,11b)により取得された画像情報に基づいて認識された立体物をカメラオブジェクト(カメラOBJ)と称する。
さらに、第1の周辺環境認識部11dには、自律センサデバイスとしての複数のレーダ装置(左前側方レーダ装置11fl,右前側方レーダ装置11fr,左後側方レーダ装置11rl,右後側方レーダ装置11rr)が接続されている。
左前側方レーダ装置11fl及び右前側方レーダ装置11frは、例えばフロントバンパの左右側部に各々設けられている。これら左前側方レーダ装置11fl及び右前側方レーダ装置11frは、上述のカメラ11a,11bからの画像によっては認識することのできない車両の左右斜め前方及び側方の領域(図2の符号Afl,Afr参照)を認識する。なお、左前側方レーダ装置11fl及び右前側方レーダ装置11frは、各領域Afl,Afrの一部が、カメラ11a,11bによって認識される領域Afの一部と重畳するように配置されている。
左後側方レーダ装置11rl及び右後側方レーダ装置11rrは、例えばリヤバンパの左右側部に各々設けられている。これら左後側方レーダ装置11rl及び右後側方レーダ装置11rrは、上述の左前側方レーダ装置11fl及び右前側方レーダ装置11frでは認識することのできない自車両の左右側方から後方にかけての領域(図2の符号Arl,Arr参照)を認識する。なお、左後側方レーダ装置11rlと右後側方レーダ装置11rrは、各認識領域Arl,Arrの一部が互いに重畳するように配置されている。
また、右前側方レーダ装置11frと右後側方レーダ装置11rrは、各認識領域Afr,Arrの一部が互いに重畳するように配置されている。そして、左前側方レーダ装置11flと左後側方レーダ装置11rlは、各認識領域Afl,Arlの一部が互いに重畳するように配置されている。
各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、例えばミリ波レーダ装置,レーザレーダ装置,ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)装置等を備えて構成されている。各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、予め設定されたフレーム周期毎に、水平方向にレーダ波(電波やレーザビーム等)を発射し、発射したレーダ波の反射波を受信する。これにより、各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、自車両の周辺に存在する立体物上の複数の反射点を検出する。そして、各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、検出した複数の反射点の位置(自車両との相対位置)及び移動速度等を解析してグルーピング処理することにより立体物を認識する。
また、各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、認識した立体物上の反射点のうち、自車両に直線距離が最も近い反射点を当該立体物の代表点として設定する。そして、各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、代表点に関する情報として、例えば、当該代表点に対応する反射点の位置及び相対速度等を認識するとともに、反射点の分布から算出される立体物の大きさを認識する。なお、このように各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrにおいて認識した立体物をレーダオブジェクト(レーダOBJ)と称する。
このように各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrによって認識されたレーダOBJに関する情報は、第1の周辺環境認識部11dに入力される。これにより、第1の周辺環境認識部11dでは、車両の前方に存在する先行車等のみならず、車両の側方に存在する並走車両,交差点等において自車進行路に交差する方向から車両に接近する交差車両,車両の後方に存在する後続車両等のほか、自車両の周辺に存在する歩行者,自転車等の各種移動体についても立体物として認識することができる。
ここで、第1の周辺環境認識部11dは、認識したカメラOBJ及びレーダOBJの位置を、例えば車両の中心を原点Oとする直交座標系(車両の前後方向をZ軸、車両の幅方向をX軸とする座標系:図2参照)の座標に変換する。なお、第1の周辺環境認識部11dによって認識されるカメラOBJ及びレーダOBJ等の移動体等に関する各情報を第1の周辺環境情報というものとする。
ロケータユニット12は、道路地図上の自車位置を推定する構成ユニットである。このロケータユニット12は、自車位置を推定するロケータ演算部13を有している。このロケータ演算部13の入力側には、自車両の前後加速度を検出する前後加速度センサ14,前後左右各車輪の回転速度を検出する車輪速センサ15,自車両の角速度または角加速度を検出するジャイロセンサ16,複数の測位衛星から発信される測位信号を受信するGNSS(Global Navigation Satellite System;全球測位衛星システム)受信機17など、自車両の位置(自車位置)を推定するに際して必要とするセンサ類が接続されている。また、ロケータ演算部13には、自車両と外部システム(外部サーバ装置や他車両等)との間で無線通信により各種の情報を送受信する車両側送受信機18が接続されている。
この車両側送受信機18は、例えば管制装置100との間で無線通信による情報の送受信を行う(いわゆる路車間通信)機能を有する。また、車両側送受信機18は、本実施形態の走行制御装置10と略同様同形態の走行制御装置10A(図1参照)を搭載した他車両との間で情報の送受信を行う(いわゆる車車間通信)機能を有する。
さらに、本実施形態の走行制御装置10における車両側送受信機18は、例えば、道路に沿う周縁領域に位置しており、かつ道路から外れた場所に存在する郊外型大規模商業施設、または自動車専用道路等の道路休憩施設(レストエリア)等に付属する駐車場等(以下、単に駐車場等という)の限られた領域(敷地)内を管理するために設けられる小規模管理装置を含む小規模管理システム(いわゆるミニサーバーシステム若しくはローカルサーバーシステム等)との間で無線通信による情報の送受信を行う機能を有する。
なお、図1においては、当該小規模管理システムの具体例として、例えば駐車場監視システム200を図示している。ここで、当該駐車場監視システム200により扱われ、各車両との間で送受信される情報を駐車場内環境情報というものとする。
この駐車場監視システム200の構成の詳細は図示を省略しているが、例えば、各車両に搭載される走行制御装置10,10Aとの間で無線通信による情報を送受する送受信機と、駐車場内の画像情報を取得する監視カメラ(少なくとも1台又は複数)と、これらの構成ユニットを統括的に制御する制御ユニット等によって構成されている。このような小規模管理システムである駐車場監視システム200の構成については、従来の管制装置100等に準拠するものであるので、その詳細説明は省略する。
ロケータ演算部13には、高精度道路地図データベース19が接続されている。高精度道路地図データベース19は、HDD(Hard Disk Drive),SSD(Solid State Drive)等の大容量記憶媒体等によって主に構成されている。この高精度道路地図データベース19には、高精度道路地図情報(ダイナミックマップ)が記憶されている。
ここで、高精度道路地図情報は、自車両の走行制御を行う際に必要とする情報として、例えば、上述の道路地図情報統合制御ユニット101において逐次更新される道路地図情報と同様の情報を有する。すなわち、高精度度道路地図情報は、主として道路情報を構成する静的情報及び準静的情報と、主として交通情報を構成する準動的情報及び動的情報と、からなる4層の情報を有し、上述した道路地図情報統合制御ユニット101に含まれる高精度度道路地図情報と略同形態の情報である。
ロケータ演算部13は、地図情報取得部13aと、自車位置推定部13bと、第2の周辺環境認識部13cとを備えている。
地図情報取得部13aは、例えば運転者が自動運転に際してセットした目的地に基づき、現在地から目的地までのルート地図情報を高精度道路地図データベース19に格納されている地図情報から取得する。また、地図情報取得部13aは、取得したルート地図情報(ルート地図上の車線データ)を自車位置推定部13bへ送信する。
自車位置推定部13bは、GNSS受信機17で受信した測位信号に基づき自車両の位置座標を取得する。また、自車位置推定部13bは、取得した位置座標をルート地図情報上にマップマッチングして、道路地図上の自車位置を推定すると共に自車走行路(走行車線)を区画する左右の車線区画線を認識し、道路地図データに記憶されている走行車線中央の道路曲率を取得する。
自車位置推定部13bは、トンネル内走行などのようにGNSS受信機17の感度低下により測位衛星からの有効な測位信号を受信することができない環境において、車輪速センサ15で検出した車輪速に基づき求めた車速、ジャイロセンサ16で検出した角速度、前後加速度センサ14で検出した前後加速度等の各情報に基づいて自車位置を推定する自律航法に切り換えて道路地図上の自車位置を推定する。
さらに、自車位置推定部13bは、上述のようにGNSS受信機17で受信した測位信号或いはジャイロセンサ16等で検出した情報等に基づいて道路地図上の自車位置を推定すると、推定した道路地図上の自車位置に基づき、自車両が走行中の走行路の道路種別等を判定する。
第2の周辺環境認識部13cは、車両側送受信機18を通じた外部システムとの通信(路車間通信及び車車間通信)により取得した道路地図情報等を用い、高精度道路地図データベース19に格納された道路地図情報を最新の状態に更新する。この情報更新は、静的情報のみならず、準静的情報、準動的情報及び動的情報についても行われる。これにより、道路地図情報は、車外との通信により取得した道路情報及び交通情報を含んで構成され、道路上を走行する車両等の移動体の情報が略リアルタイムで更新される。
また、第2の周辺環境認識部13cは、周辺環境認識ユニット11の第1の周辺環境認識部11dにより認識した移動体等に関する第1の周辺環境情報に基づいて道路地図情報の検証を行い、高精度道路地図データベース19に格納された道路地図情報を最新の状態に更新する。この情報更新は、静的情報のみならず、準静的情報、準動的情報、及び、動的情報についても行われる。これにより、周辺環境認識ユニット11により認識した道路上を走行する車両等や歩行者等の移動体等に関する情報(第1の周辺環境情報)はリアルタイムで更新される。そして、このように更新された道路地図情報は、車両側送受信機18を通じた路車間通信及び車車間通信により、管制装置100及び自車両の周辺車両等に対して送信される。
また、第2の周辺環境認識部13cは、更新された道路地図情報のうち、自車位置推定部13bにおいて推定した自車位置を中心とする設定範囲の道路地図情報を、第2の周辺環境情報として認識する。ここで、第2の周辺環境認識部13cにより認識される第2の周辺環境情報の範囲は、第1の周辺環境認識部11dにより認識される移動体等に関する第1の周辺環境情報よりも広域であり、例えば、自車位置を中心とする半径1kmの範囲の道路地図情報が第2の周辺環境情報として認識される。
さらに、本実施形態の走行制御装置10における第2の周辺環境認識部13cは、送受信機18を通じた外部システムとの通信により周辺他車両から取得した他車両情報や、自車両が位置する駐車場等の敷地内の駐車場監視システム200から取得した駐車場内環境情報に基づいて、自車両の第1の周辺環境認識部11dのみでは認識し得なかった自車両周辺環境情報を検証し、自車両周辺において自車両の死角領域に存在することが推定される歩行者,二輪車等の移動体情報をリアルタイムで認識する。したがって、この場合に、他車両情報や駐車場内環境情報も第2の周辺環境情報として認識される。
周辺環境認識ユニット11の第1の周辺環境認識部11dで認識した移動体等に関する第1の周辺環境情報と、ロケータユニット12の第2の周辺環境認識部13cで認識した第2の周辺環境情報とは、走行制御ユニット22により読込まれる。
走行制御ユニット22の入力側には、図示を省略しているが、運転者が自動運転のオン/オフ切換等を行うモード切換スイッチ、運転者による運転操作量としての操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ、運転者による運転操作量としてのブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキセンサ、運転者による運転操作量としてのアクセルペダルの踏込量を検出するアクセルセンサ、自車両に作用するヨーレートを検出するヨーレートセンサ等の各種スイッチや各種センサ類が接続されている。
走行制御ユニット22は、第1の周辺環境認識部11dによって取得された移動体等の周辺環境に関する情報である第1の周辺環境情報や、ロケータユニット12を通じて得られる各種情報である第2の周辺環境情報等に基づいて、自車両の走行を統括的に制御する構成ユニットである。
走行制御ユニット22は、例えば、モード切換スイッチにより選択された運転モードに応じた走行制御を行う。また、走行制御ユニット22は、走行中の自車両と、当該自車両の周辺で移動する歩行者,自転車等や他車両のほか、周辺構造物等の固定障害物に対して衝突する可能性を検知した場合に、適宜、緊急ブレーキ(AEB)制御等を行う機能を有している。この緊急ブレーキ制御は、基本的には、第1の周辺環境認識部11dにより認識される第1の周辺環境情報(即ちカメラ11a,11bやレーダ装置11fl,11fr,11rl,11rr等によって認識された移動体(カメラオブジェクト,レーダオブジェクト)に関する情報)と、第2の周辺環境認識部13cで認識した第2の周辺環境情報(他車両情報や駐車場内環境情報)等に基づいて行われる。このとき、走行制御ユニット22は、緊急ブレーキ制御手段として機能する。
エンジン制御ユニット23の出力側には、スロットルアクチュエータ27が接続されている。このスロットルアクチュエータ27は、エンジンのスロットルボディに設けられている電子制御スロットルのスロットル弁を開閉動作させるものであり、エンジン制御ユニット23からの駆動信号によりスロットル弁を開閉動作させて吸入空気流量を調整することで、所望のエンジン出力を発生させる。
パワーステアリング制御ユニット24の出力側には、電動パワステモータ28が接続されている。この電動パワステモータ28は、ステアリング機構にモータの回転力で操舵トルクを付与するものであり、自動運転では、パワーステアリング制御ユニット24からの駆動信号により電動パワステモータ28を制御動作させることで、現在の走行車線の走行を維持させる車線中央維持制御や、自車両を隣接車線へ移動させる車線変更制御(追越制御などのための車線変更制御)が実行される。
ブレーキ制御ユニット25の出力側には、ブレーキアクチュエータ29が接続されている。このブレーキアクチュエータ29は、各車輪に設けられているブレーキホイールシリンダに対して供給するブレーキ油圧を調整するもので、ブレーキ制御ユニット25からの駆動信号によりブレーキアクチュエータ29が駆動されると、ブレーキホイールシリンダにより各車輪に対してブレーキ力が発生し強制的に減速される。
なお、ロケータユニット12,第1の周辺環境認識部11d,走行制御ユニット22,エンジン制御ユニット23,パワーステアリング制御ユニット24,ブレーキ制御ユニット25等は、例えば、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)や不揮発性記憶部等を備える周知のマイクロコンピュータ及びその周辺機器等によって構成されているものである。そして、ROMにはCPUが実行するプログラムやデータテーブル等の固定データ等が予め記憶されている。
また、後述するように、本実施形態の走行制御装置10は、駐車場等の限られた敷地内を走行する際には、カメラユニット(11a,11b)やレーダ装置(11fl,11fr,11rl,11rr)から取得される第1の周辺環境情報に加えて、当該駐車場内に存在する複数の他車両に搭載される走行制御装置10A若しくは駐車場監視システム200等から取得される第2の周辺環境情報に基づいて移動体(歩行者等や他車両)が認識された際には、所定の減速制御や緊急ブレーキ制御を行う(詳細は後述する)。
したがって、上述した本実施形態の走行制御装置10における構成のうち、例えば、ロケータユニット12におけるロケータ演算部13の一部や管制装置100等、主に通常の道路上での走行制御を行うのに用いる構成ユニットについては、本実施形態の状況下(駐車場等の敷地内走行状況)では、必須の構成要件ではないので、適宜省略することも可能である。
この場合、ロケータユニット12に設けられている加速度センサ14、車輪速センサ15、ジャイロセンサ16等の各種センサ類は、第1の周辺環境認識部11d或いは走行制御ユニット22等に接続されるように構成すればよい。また、ロケータユニット12に含まれる車両側送受信機18や、ロケータ演算部13に含まれる第2の周辺環境認識部13cについても、走行制御ユニット22に接続する形態で構成すればよい。本実施形態の走行制御装置10の概略構成は、以上である。
このように構成された本実施形態の走行制御装置10を搭載した車両が、例えば通常の道路から外れて駐車場等に入場し、その敷地内を走行する場合に遭遇し得る具体的な状況について、図3を用いて以下に簡単に説明する。図3は、本実施形態の走行制御装置を搭載した車両が駐車場等の敷地内を走行する場合の状況を概念的に示している。
図3に示す状況は、走行制御装置10(図3では不図示)を搭載した自車両M1が、駐車場等500の敷地内の通行路502に沿って、図3の矢印Zで示す方向に、例えば20km/h程度の低速度域で走行している(徐行している)状況である。
ここで、駐車場等500には、区画線501によって区画された複数の駐車区画503が並べて配置されており、これら複数の駐車区画503に挟まれた所定領域には、車両走行帯としての通行路502が配置されている。そして、これら複数の駐車区画503には、図3に示すように、複数の他車両がランダムに駐停車している。
また、当該駐車場等500には、例えば、少なくとも1台又は複数の監視カメラと、これらの監視カメラにより取得された画像情報等を統括して管理する小規模管理装置とからなる小規模管理システムである駐車場監視システム200が設けられている。当該駐車場等500は、この駐車場監視システム200によって管理されているものとする。
ここで、駐車場監視システム200に含まれる監視カメラは、例えば、当該駐車場等500の敷地内の所定位置に配置される照明灯用支柱等を利用して、比較的高所に設置されている。これにより、当該監視カメラは、監視対象とする駐車場等500の敷地内の様子を俯瞰的に常時撮像する。これに基づき、駐車場監視システム200は、例えば当該駐車場等500の敷地内に限定したミニマップ等を作成する。
また、当該駐車場監視システム200は、監視カメラ等により取得された画像情報等を一元管理するほかに、当該駐車場等500内に入場した複数の車両との間で無線通信による情報の送受信を行う機能(いわゆる路車間通信に準じる通信機能)を有しているものとする。
本実施形態の走行制御装置10を搭載した自車両M1が、図3に示す状況となるのは、次のような場合である。即ち、自車両M1が、通常の道路(不図示)を通常の走行制御を実行しながら走行しているとき、当該自車両M1が、走行中の道路から外れて、図3に示すような駐車場等500に入場したとする。このような場合に図3に示すような状況になる。この場合において、駐車場等500に入場した自車両M1は、まず、通行路502に沿って徐行し、所望する空き区画が見付かれば、その空き区画に駐車する。
ここで、駐車場等500の敷地内には、歩行者等が、通行路502のほか各駐車区画503に駐停車中の複数の他車両の間を往来していることがある。例えば、図3に示す状況では、他車両M2と他車両M3との間の空間を、歩行者等Hが図3の矢印Xで示す方向に移動している状況を示している。
この場合において、他車両M2と他車両M3との間の空間は、自車両M1に搭載される走行制御装置10のカメラユニット(11a,11b)やレーダ装置(11fl,11fr)等による認識領域(Af,Afl,Afr)からは外れた死角領域となっている。したがって、図3に示すような状況では、他車両M2と他車両M3との間を移動する歩行者等Hは、通行路502を走行している自車両M1の走行制御装置10からは直接認識することができない状況にある。
上述したように、複数の駐車区画503のそれぞれには、複数の他車両が駐停車している。この場合において、図3に示す例では、複数の駐車区画503に駐停車中の複数の他車両のうち、符号M2,M3,M4,M5で示される他車両は、例えば稼働状態にあるものとする。また、その他の他車両(符号無し)は完全に停止状態にあるものとする。
ここで、車両の稼働状態とは、例えば、少なくとも電気系統が起動している状態(ACCオン又は電源オン状態)、若しくは、これに加えてエンジンが始動している状態(アイドリング状態)を指すものとする。
車両が稼働状態にある場合の具体例としては、例えば、通行路502上で停車して駐車区画503が空くのを待っている場合(不図示)や、所望の駐車区画503内に車両を停車させた直後の場合、または駐車区画503から離脱するために発進準備状態である場合等が考えられる。
このように、駐車区画503で駐停車している他車両が稼働状態である場合には、当該車両に搭載されている走行制御装置10A(図3では不図示)は稼働状態(オン状態)となっている。したがって、これら稼働状態の各他車両M2,M3,M4,M5は、各車両の周辺情報を逐次取得しており、それらの各情報は、適宜、車車間通信又は路車間通信によって自車両M1や駐車場監視システム200へと送信されている。同時に、稼働状態の各他車両M2,M3,M4,M5は、自車両M1からの情報を受信することができる状態にある。
図3に示す状況においては、例えば他車両M2は、右後側方レーダ装置(11rr)によって歩行者等Hを認識している状況を示している(図3の認識領域Arr2参照)。また、例えば他車両M3は、左後側方レーダ装置(11rl)によって歩行者等Hを認識している状況を示している(図3の認識領域Arl3参照)。そして、例えば他車両M5は、カメラユニット(11a,11b)によって歩行者等Hを認識している状況を示している(図3の認識領域Af4参照)。
このように、駐車場等500の敷地内において、通行路502を低速走行中の自車両M1の死角領域に歩行者等Hが存在している場合に、稼働状態の他車両M2,M3,M5等によって当該歩行者等Hが認識されている場合がある。この場合、これら他車両M2,M3,M5は、歩行者等Hの存在を認識して当該歩行者等Hの位置情報を取得すると同時に、周期的に継続して認識を行うことにより、認識済みの当該歩行者等Hの移動距離,移動方向,移動速度等を認識し得る。
そこで、本実施形態の走行制御装置10を搭載した自車両M1は、自車両M1の走行制御装置10により取得される第1の周辺環境情報(カメラユニット,レーダ装置の取得情報)とは別に、車車間通信又は路車間通信によって他車両M2,M3,M5から送信されてくる第2の周辺環境情報(他車両情報等)によって、自車両M1の死角領域に存在する歩行者等Hに関する情報を予め取得することができる。
そして、自車両M1は、この他車両情報に基づいて、当該歩行者等Hの移動状況を予測することで、当該歩行者等Hが所定時間の経過後に、自車両M1の前方に出現することを予想することができる。したがって、自車両M1の走行制御装置10は、自己のカメラユニットやレーダ装置によって取得される第1の周辺環境情報により当該歩行者等Hを認識した時点で緊急ブレーキ制御を作動させた場合にも、当該歩行者等Hに対して十分に対応することが出来るように、予め準備しておくことができる。このような走行制御を行うことで、自車両M1は、死角領域に存在する歩行者等Hに対しても、衝突又は接触を回避する走行制御を適切に余裕を持って実行することができるようになる(具体的な制御の詳細は後述する)。
一方、図3に示す状況において、稼働状態にある他車両M2,M3,M4,M5のそれぞれは、いつでも動き出す可能性があるともいえる。そこで、これら稼働状態にある他車両から送信される第2の周辺環境情報(他車両情報等)には、各車両の状態情報、例えば発進準備を行うために運転者により操作されるセレクトレバーの設定位置情報等を含むものとしている。したがって、自車両M1は、そのような他車両情報を予め受信することにより、例えば、発進準備状態にある他車両を予め認識することができる。したがって、自車両M1は、発進準備中の他車両が自車両M1に気が付かずに不意に通行路502上に発進したとしても、衝突又は接触を回避する走行制御を適切に余裕を持って実行することができるようになる(詳細は後述する)。
図3に示し、上述したような状況下における本実施形態の走行制御装置10を搭載した自車両M1の作用の概略を、図4を用いて以下に簡単に説明する。図4は、本実施形態の走行制御装置を搭載した車両が駐車場等の敷地内を走行する場合の作用の具体例を概念的に示している。なお、図4に示す状況は、図3で説明した状況と同様であるが、図面の繁雑化を避けるために、一部の符号を省略して図示している。
本実施形態の走行制御装置10を搭載した自車両M1が、通常の道路(不図示)を通常の走行制御を実行しながら走行しているものとする。このとき、走行制御装置10は、カメラユニットやレーダ装置等を用いて自己の周辺環境を認識しながら走行している。そして、当該自車両M1が走行中の道路から外れて、図3,図4に示すような駐車場等500に入場したとする。
自車両M1が駐車場等500に入場すると、当該自車両M1の走行制御装置10は、自車両M1の位置情報と、当該自車両M1が駐車場等500の敷地内を走行中である旨の情報等を含む自車両情報(第1の周辺環境情報)を周辺他車両に向けて車車間通信によって送信する。この場合において、車車間通信を行う送信範囲としては、例えば、自車両M1を中心として半径300メートル程度の範囲内でよい。この場合において、送信範囲は、自車両M1の主に進行方向の前方領域を主とするようにしてもよい。
また、ここで、自車両M1が駐車場等500に入場したか否かの判断は、例えば、ロケータユニット12等によって得られる自車位置情報等のほか、カメラユニットやレーダ装置によって取得される周辺環境情報等に基づいて判断できる。
こうして自車両M1が駐車場等500に入場すると、自車両M1は、駐車場等500内の通行路502に沿って走行することになる。このような状況下では、自車両M1は、通常の道路上での走行時よりも低速度域での徐行運転(例えば20km/h程度以下の低速度域での低速走行)が要求されるのが常である。なお、図4に示す例では、自車両M1は矢印Zに示す方向に走行しているものとしている。
また、自車両M1は、上述の車車間通信によって自車両情報を他車両へ送信するほかに、路車間通信によって、同情報を駐車場監視システム200へと送信するようにしてもよい。この場合には、駐車場監視システム200は、駐車場等500の敷地内の各車両から送信されてくる情報や、監視カメラ等によって取得した画像情報等に基づいて、当該駐車場等500内の情報を統合的に管理する。そして、当該駐車場等500内の各車両が必要としている情報を、該当する車両に向けて送信する。例えば、監視カメラにより俯瞰的に得られる当該駐車場等500の画像情報からは、通行路502を走行中の複数の車両や、場内を移動する複数の歩行者等の情報が得られる。そこで、駐車場監視システム200は、通行路502を走行中の車両に対して、その車両近傍を移動する歩行者等の位置,移動距離,移動方向,移動速度等の情報を送信する。
自車両M1から送信された自車両情報は、駐車場等500内で稼働状態にある他車両(図4の例示では、符号M2,M3,M4,M5で示す他車両)によって受信される。自車両M1から送信された情報を受信した他車両は、各車両の周辺環境情報や各自の車両情報(他車両情報)等を自車両M1へと送信する。
ここで、当該駐車場等500内で稼働状態にある各他車両から自車両M1へ送信される他車両情報としては、例えば、各他車両が認識している周辺の歩行者等に関する情報や、自己の車両情報(例えば、セレクトレバー設定位置情報等)である。
この場合において、歩行者等の情報には、例えば、各他車両が認識している歩行者等Hの位置情報、当該歩行者等Hの移動距離,移動方向,移動速度などが含まれる。
例えば、図4において、他車両M2,M3,M5は、歩行者等Hの存在を、図4の符号[B0]で示す位置にて認識したとする。すると、これらの他車両M2,M3,M5は、当該歩行者等Hについての認識を継続して行う。
このとき、例えば、図4の[B0]位置にて最初に歩行者等Hを認識した後、この[B0]位置から所定時間が経過した後(例えば1秒後)に図4の[B1]位置で同歩行者等Hを認識したとすると、認識デバイスを搭載した車両と歩行者等Hの各位置[B0],[B1]との相対的な位置関係から歩行者等Hの移動方向が判定できると共に、歩行者等Hの移動距離を算出できる。そして、算出された移動距離と各位置[B0],[B1]間の経過時間とから当該歩行者等Hの移動速度を求めることができる。このようにして、他車両は、歩行者等Hの移動に応じて当該歩行者等Hに関する情報を継続的に取得し、取得した情報は、所定の周期で自車両M1へと継続して送信される。
さらに、稼働状態で停車中の他車両(例えば図4の他車両M4)の運転者が、例えばセレクトレバー設定位置を[P](パーキング)位置から[D](ドライブ)位置に切り換え操作を行ったとする。この場合、当該他車両M4は、停止状態から発進準備状態へと車両状態が遷移し、図4の矢印X1方向に進行して通行路502側に向けて発進する可能性がある。このとき、自車両M1の進行方向Zと当該他車両M4の進行が予測される方向X1が交差する場合、自車両M1と他車両M4とは衝突又は接触の可能性がある。
そこで、このような場合には、当該他車両M4から車車間通信により送信される他車両情報に、当該他車両M4のセレクトレバー設定位置が[P]位置から[D]位置に切り換わった旨の情報、即ち当該他車両M4が停止状態から発進準備状態へと車両状態が遷移した旨の情報を含める。
このようにして、自車両M1は、駐車場等500の通行路502を走行する際には、自身に搭載されるカメラユニットやレーダ装置等を用いて自車両の周辺環境情報を確認しつつ、当該駐車場等500内で稼働状態にある複数の他車両からの他車両情報を受信しながら低速走行を継続する。
この場合において、自車両M1は、受信した他車両情報に基づいて当該自車両M1のカメラユニットやレーダ装置等のみでは認識し得ない移動体、例えば、自車両M1からは死角領域に存在する歩行者等Hや、自車両M1の前方領域にあって稼働状態にありかつ発進準備状態となっている他車両M4の存在を、自身が認識する以前の段階で予め認識する。これと同時に、取得された他車両情報に基づいて予め認識される移動体と自車両との衝突可能性を予測する。
即ち、自車両M1の走行制御装置10は、他車両情報に基づいて自車両M1の死角領域に存在する歩行者等Hを予め認識し、当該歩行者等Hに関する情報(位置,移動距離,移動方向,移動速度等の情報)取得することができた場合には、自車両M1の進行方向や走行速度等の自車両情報と、取得した歩行者等Hに関する情報とに基づいて、自車両M1と当該歩行者等Hとの所定時間経過後の衝突又は接触の可能性を予測する衝突可能性演算処理を行う。
具体的には例えば、図4に示すように、自車両M1の死角領域(他車両M2,M3の間の領域)に存在する歩行者等Hが図4の[B0]位置から矢印Xに沿う方向に移動した場合に、所定時間毎の予測位置が図4の[B1],[B2],[B3],[B4]となったとする。
一方、当該歩行者等Hが図4の[B0]位置にあるときに自車両M1が図4の[A0]位置にあるものとし、当該自車両M1が図4の[A0]位置から矢印Zに沿う方向に移動した場合に、同じ所定時間毎の予測位置が図4の[A1],[A2],[A3],[A4]となったとする。
ここで、歩行者等Hの移動方向である矢印Xと、自車両M1の移動方向である矢印Zとは交差する方向となっている。また、歩行者等Hの各予測位置[B1],[B2],[B3],[B4]は、自車両M1の各予測位置[A1],[A2],[A3],[A4]に対応しているものとする。
この場合には、自車両M1が図4の[A4]位置に到達したとき、歩行者等Hは[B4]位置に到達することになるので、両者は、当該地点にて、衝突又は接触してしまう可能性が予測できる。
なお、歩行者等Hが移動している場合であっても、歩行者等Hの移動方向が自車両M1の移動方向(矢印Z)と交差しない場合は、衝突可能性は無いものとの判定ができる。ここで、歩行者等Hの移動方向が自車両M1の移動方向(矢印Z)と交差しない場合としては、例えば、歩行者等Hの移動方向が自車両M1の移動方向(矢印Z)と略平行である場合や、歩行者等Hの移動方向が自車両M1の通行路502から遠ざかる方向である場合等が考えられる。
例えば、図5は、図3,図4で例示した駐車場等500とは異なるタイプの駐車場等500Aの例示である。図5に示すタイプの駐車場等500Aは、通行路502に沿う方向(当該通行路502を走行する車両の進行方向Zに沿う方向)に対して駐車区画503が所定の傾斜角度を有して配置されている形態としている。このような形態の駐車場等は、例えば、自動車専用道路等の道路休憩施設(レストエリア)等に付属する駐車場等に多く見られる。
このような形態の駐車場等500Aにおいては、図5に示すように、各駐車区画503に駐停車中の他車両の間を往来する歩行者等H2の移動方向X2は、通行路502を走行する自車両M1の進行方向Zに対して所定の傾斜角度を有することになる。しかし、この場合にも、歩行者等H2の移動方向X2と自車両M1の進行方向Zとは交差する。したがって、この場合にも衝突可能性が有るものと判定される。
一方、図5に示す歩行者等H3は、各駐車区画503に駐停車中の他車両の間を歩行しているが、その移動方向X3は、通行路502(自車両M1)から遠ざかる方向である。この場合には、歩行者等H3の自車両M1との衝突可能性は無いものと判定される。
他方、例えば、図6は、図3,図4で例示した駐車場等500と同タイプの駐車場等500Bであるが、図6に示す例は、通行路502から略直角に分岐する通行路502Aを例示している。
この場合においては、駐車場等500B内の通行路502を走行中の自車両M1は、場合によっては、通行路502Aへと右折する場合がある。このとき自車両M1の進行方向は、符号Zで示す方向から符号Z2で示す方向へと変更される。
ここで、自車両M1の前方領域には、当該自車両M1の死角領域に歩行者等H4,H5が存在しているものとする。このときの歩行者等H4の移動方向を矢印符号X4で示す方向とし、歩行者等H5の移動方向を矢印符号X5で示す方向としている。なお、この場合において、歩行者等H4,H5の各移動方向X4,X5は、通行路502Aに略平行となる方向であるものとする。
このような状況における自車両M1の走行制御装置10における作用を簡単に説明する。
まず、自車両M1は、通行路502を進行方向Zに沿って走行しているものとする。このとき、自車両M1は、車車間通信によって取得された他車両情報に基づいて、自車両M1の死角領域に存在する歩行者等H4,H5を認識し、これらの歩行者等H4,H5に関する情報(位置,移動方向,移動速度等)をも取得しているものとする。そして、自車両M1の走行制御装置10は、これら歩行者等H4,H5との衝突可能性を予測する。
この場合において、自車両M1が進行方向Zに沿って走行している限りは、歩行者等H4,H5との衝突可能性が有るものと予測できる。ところが、自車両M1が通行路502から右折して通行路502Aに沿って走行した場合には、当該自車両M1の進行方向は、矢印Z方向から矢印Z2に沿う方向へと変更される。この場合、自車両M1の死角領域に存在する歩行者等H4,H5の各移動方向X4,X5は、自車両M1の進行方向Z2と略平行となる。このことから、このとき自車両M1と歩行者等H4,H5との衝突可能性は無くなるものと考えられる。
そこで、自車両M1と歩行者等H4,H5との衝突可能性が有るものと予測されていた場合であっても、自車両M1の走行中であって、認識されている歩行者等H4,H5と遭遇する以前の段階において、自車両M1の進行方向が変更されることで、当該自車両M1と歩行者等H4,H5との衝突可能性が無くなったものと判定された場合には、衝突可能性が有るとの判定をキャンセルする。
この場合において、自車両M1の進行方向に関する情報は、例えば、ステアリングの操舵量,カメラユニット及びレーダ装置による第1の周辺環境情報,自車両と他車両との間で行う車車間通信により得られる情報等を総合的に勘案することによって取得できる。
上述のようにして、自車両M1と歩行者等Hとの衝突可能性が有るとの判定がなされた場合には、自車両M1の走行制御装置10は、駐車場等500内で通常行う低速走行よりもさらに減速する所定の減速制御を行って徐行すると共に、AEB制御パラメータを変更する。
なお、この場合において、AEB制御パラメータの変更は、具体的には、例えばAEB制御の作動開始閾値を下げる方向への変更等である。また、これに加えて、エンジン制御ユニット23を介してスロットルアクチュエータ27の駆動制御を行うことによって、アクセルペダルの踏み込み量に対するスロットル開度を抑制する制御等を併用するようにしてもよい。
このように、まず、予め減速制御を行っておくことによって、自車両M1は、歩行者等Hとの衝突又は接触予測地点に到達するまでの時間を遅らせることができる。したがって、自車両M1と歩行者等Hとの衝突又は接触を回避する可能性を増すことができる。
また、予めAEB制御パラメータについて、AEB制御の作動開始の閾値を下げる方向に変更しておくことによって、自車両M1のカメラユニット等による当該歩行者等Hの認識後に作動させるAEB制御の作動タイミングを、より早めることができる。したがって、予め認識されている当該歩行者等Hが自車両M1の死角領域から不意に飛び出してきた場合であっても、通常制御時よりも早いタイミングでAEB制御の作動を開始させることができ、よって余裕ある対応を行うことができる。
さらに、自車両M1の走行制御装置10は、自車両M1の前方で稼働状態にあり発進準備状態にある他車両の存在を予め認識している場合にも、同様に、予め減速制御を行って徐行すると共に、AEB制御パラメータを変更(作動開始閾値を下げる等)しておく。
このような措置により、駐停車中の他車両M4が自車両M1に気付かないまま、自車両M1の前方領域の通行路502に飛び出してくるような事態が生じても、通常制御よりも早いタイミングでAEB制御の作動を開始させることができ、よって余裕をもって対応することができる。
他方、上述したように、自車両M1が、主に第2の周辺環境情報に基づいて認識された死角領域の歩行者等Hや発進準備状態にある他車両M4等の存在を予め認識することによって、減速制御を行い、AEB制御の作動開始閾値を下げた設定を実行して、徐行運転を継続しているとき、予測に反して歩行者等Hや他車両M4等の飛び出しが自車両M1のカメラユニット等によって認識されない場合もある。このような場合であっても、自車両M1の走行制御装置10は、減速制御による徐行運転を継続する。そして、当該駐車場等500内を走行中は、同様の制御を繰り返す。
次に、上述したような本実施形態の走行制御装置10の作用を、図7,図8のフローチャートによって以下に説明する。図7,図8は、本実施形態の走行制御装置の作用を示すフローチャートである。
まず、本実施形態の走行制御装置10を搭載した自車両M1が始動されて走行可能状態になることによって、図5のフローチャートがスタートする。
図5のステップS11において、走行制御装置10は、カメラユニットやレーダ装置等によって取得される第1の周辺環境情報に基づいて自車両M1の周辺環境を認識しながら走行する。
ステップS12において、走行制御装置10は、自車位置や周辺環境を確認し、その確認の結果、自車両M1が駐車場等500に入場したか否かの確認を行う。ここで、自車両M1が駐車場等500の敷地内に入場したことが確認されると、次のステップS13の処理に進む。また、自車両M1が駐車場等500に入場したことが確認されない場合は、自車両M1が通常の道路(不図示)を通常の走行制御を実行しながら走行を継続しているものとして、ステップS11に戻る。
ステップS13において、走行制御装置10は、自車両M1が駐車場等500の敷地内(場内)を走行中である旨の情報を含む自車両情報を、車車間通信によって、当該駐車場等500の敷地内(場内)の周辺他車両へと送信する。また、このとき同時に、自車両M1は、路車間通信によって、自車両情報を当該駐車場等500の駐車場監視システム200へと送信するようにしてもよい。その後、ステップS14の処理に進む。
なお、このようにして自車両M1から送信された自車両情報は、当該駐車場等500の敷地内(場内)に存在する複数の他車両のうち稼働状態にある他車両や駐車場監視システム200によって受信される。この場合において、当該自車両情報を受信した他車両は、それぞれが取得し保有している周辺情報(他車両情報という)を、車車間通信によって、自車両M1へと送信する。また、同情報は、同時に駐車場監視システム200へと送信されるようにしてもよい。
ステップS14において、走行制御装置10は、駐車場等500の敷地内(場内)に存在し稼働状態にある他車両からの他車両情報を、車車間通信によって受信する。その後、ステップS15の処理に進む。
なお、稼働状態にある他車両は、自己の保有する情報(他車両情報)を所定間隔で継続的に送信する。自車両M1は、その都度、これを受信する。自車両M1が受信する他車両情報は、例えば、駐車場等500の敷地内(場内)の複数の他車両のうち、自車両M1を中心とする半径300メートル程度の範囲内(主に自車両M1の前方領域)に存在する他車両からの情報であればよい。
ステップS15において、走行制御装置10は、第1の周辺環境情報(カメラユニット,レーダ装置の取得情報)に基づいて自車両M1の前方領域に歩行者等や他車両等の存在を認識したか否かの確認をする。ここで、歩行者等の存在又は他車両等の移動が認識された場合には、ステップS10の処理に進む。また、歩行者等の存在又は他車両等の移動が認識されない場合には、次のステップS16の処理に進む。
ステップS16において、走行制御装置10は、第2の周辺環境情報(他車両若しくは駐車場監視システム200からの送信を受信して得た他車両情報や駐車場情報等)に基づいて自車両M1にとっての死角領域に歩行者等や発進準備状態にある他車両等が認識されたか否かの確認を行う。ここで、自車両M1の死角領域に歩行者等や発進準備状態の他車両等が認識された場合は、次のステップS17の処理に進む。また、自車両M1の死角領域に歩行者等や発進準備状態の他車両等が認識されない場合には、ステップS10の処理に進む。
なお、上述のステップS15の処理にて第1の周辺環境情報に基づいて歩行者等や他車両を認識した場合と、上述のステップS16の処理にて第2の周辺環境情報に基づいて死角領域内の歩行者等や発進準備状態の他車両等が認識されない場合に、それぞれステップS10の処理に進むと、このステップS10において、走行制御装置10は、低速走行による通常の走行制御を継続しつつ、必要に応じて通常のAEB制御を実行する。その後、ステップS15の処理に戻る。
ステップS17において、走行制御装置10は、自車両M1が現在の状態で走行を継続した場合に、自車両M1が死角領域にて存在を認識している歩行者等Hとの衝突又は接触が生じるか否かを予測する衝突予測演算処理を実行する。
続いて、ステップS18において、走行制御装置10は、上述のステップS17にて行った演算結果に基づいて、自車両M1と歩行者等Hとの衝突可能性が有るか否かの確認を行う。ここで、衝突可能性が有ると判断された場合は、次のステップS19の処理に進む。また、衝突可能性が無いと判断された場合は、ステップS15の処理に戻る。
ステップS19において、走行制御装置10は、所定の減速制御処理とAEB制御のパラメータの変更処理を行う。ここで、パラメータ変更処理は、例えば、AEB制御の作動を開始する際の閾値を下げる変更処理である。具体的には、AEB制御の作動開始のための閾値を下げる(低くする)変更によって、より早いタイミングでAEB制御の作動を開始させるような設定とする。
なお、このステップS19の処理においては、例えば、当該フローチャート中におけるループ処理の二巡目以降の処理である場合には、この時点においては、既に減速制御やAEB制御パラメータ変更処理が施されている状態にある場合がある。したがって、このステップS19の処理において、既に十分な減速制御が行われており、AEB制御パラメータ(作動開始閾値を下げる設定)が設定済みである場合には、その設定値を維持する。その後、次のステップS20の処理に進む。
また、ステップS18の処理にて衝突可能性が有ると判定された場合には、ステップS19の処理にて、上述のように減速制御が行われるが、この減速制御に先だって、自車両M1の走行制御装置10は、自車両M1の運転者に対して、前方の死角領域に歩行者等Hが存在している旨の情報を通知する警告処理を行うようにしてもよい。この警告処理は、例えば、スピーカ等の発音装置を用いた警告音又は音声等による警告、若しくは表示装置等を用いた視覚的な警告等が考えられる。
ステップS20において、走行制御装置10は、第1の周辺環境情報に基づいて自車両M1の前方領域に歩行者等を認識したか否かの確認をする。ここで、歩行者等を認識した場合には、図8のステップS22の処理に進む(図7,図8の丸符号8A)。また、歩行者等が認識されない場合には、次のステップS21の処理に進む。
ステップS21において、走行制御装置10は、第1の周辺環境情報に基づいて自車両M1の前方領域の他車両等の移動を認識したか否かの確認をする。ここで、移動する他車両が認識された場合には、図8のステップS24の処理に進む(図7,図8の丸符号8B)。また、移動する他車両が認識されない場合には、ステップS16の処理に戻る。
図8のステップS22において、走行制御装置10は、上述のステップS20の処理にて認識された歩行者等Hは移動しているか否かの確認を行う。ここで、当該歩行者等が移動していると判定された場合は、次のステップS23の処理に進む。また、当該歩行者等が移動していないと判定された場合は、ステップS29の処理に進む。
ここで、歩行者等Hが移動しているか否かの判定は、カメラユニット若しくはレーダ装置によって連続的に取得される複数の検出データに基づいて、対象とする物体のフレーム内の位置関係を検出することにより行うことができる。
なお、歩行者等が移動していない場合とは、例えば、当該歩行者等が立ち止まっている場合、具体的には、例えば複数人で立ち話をしている場合、自動販売機や駐車場精算機の前で操作をしている場合、車両への荷物の積み込みをしている場合、走行車両の通過待ちをしている場合等が考えられる。
ステップS23において、走行制御装置10は、自車両M1と歩行者等との衝突可能性が有るか否かの確認を行う。ここで、自車両M1と歩行者等との衝突可能性が有ることが確認された場合には、次のステップS24の処理に進む。また、自車両M1と歩行者等との衝突可能性が無いことが確認された場合には、ステップS29の処理に進む。
なお、ここで、自車両M1と歩行者等との衝突可能性が無い場合としては、例えば、歩行者等の移動方向と自車両M1の移動方向(矢印Z)が略平行の場合や、歩行者等の移動方向が自車両M1から遠ざかる方向の場合等である。ここで、歩行者等の移動方向は、カメラユニットによって得られる画像情報から判定できる。
ステップS24において、走行制御装置10は、認識され移動している当該歩行者等を対象として、適宜、減速制御及びAEB制御を実行する。これにより、自車両M1は、第1の周辺環境情報に基づいて認識した歩行者等を回避対象とする走行制御が行われる。例えば、自車両M1の減速制御によって衝突タイミングを遅らせると共に、衝突可能性が有ると予測される場合には、AEB制御によって自車両M1を停車させる。これにより、自車両M1は、当該歩行者等との衝突又は接触を回避できる。その後、次のステップS25の処理に進む。
ステップS25において、走行制御装置10は、車両の周辺環境について、走行再開のための安全を確認する。ここで、周辺の安全が確認された場合には、次のステップS26の処理に進む。なお、ここで、周辺の安全が確認されない場合は、確認されるまで待機する。
即ち、上述のステップS24の処理による走行制御が実行されると、自車両M1は、例えば、停車状態になる。このとき、自車両M1は、回避の対象としていた歩行者等が自車両M1の周辺から立ち去る等によって、自己の周辺からその存在が確認できなくなるまで、停車状態を維持して待機する。
そして、自車両M1は、上述のステップS25の処理にて周辺の安全が確認されると、次のステップS26において、走行制御装置10は、ブレーキ制御を解除して、低速による走行を再開する。ここで、運転が再開された後の自車両M1の走行制御装置10におけるAEB制御パラメータの設定は、上述のステップS19の処理(図5)にて設定した閾値が維持される。また、ここでは、AEB制御パラメータの設定を若干緩める方向(閾値を若干上げる(高める)方向)に設定し直すようにしてもよい。その後、ステップS27の処理に進む。
なお、このステップS25の処理にて、運転者が周辺の安全が確認されていると判断して、当該運転者が走行を再開するためにアクセルペダルを踏み込む操作をした場合に、ブレーキ制御を解除するように制御してもよい。ただし、この場合には、走行制御装置10が第1の周辺環境情報に基づいて未だ安全が確認されていない旨の判断をしている場合は、運転者のアクセルペダルの踏み込み操作に関わらずブレーキ制御を維持し、走行制御装置10による安全確認判断がなされて初めてブレーキ制御が解除されるようにするのが望ましい。
続いて、ステップS27において、走行制御装置10は、自車位置や周辺環境を確認し、その確認の結果、自車両M1が駐車場等500から出場したか否かの確認を行う。ここで、自車両M1が駐車場等500から出場したことが確認されると、次のステップS28の処理に進む。また、自車両M1が駐車場等500から出場したことが確認されない場合は、自車両M1は駐車場等500内の通行路502にて低速走行を継続しているものとして、図5のステップS16の処理に戻る(図7,図8の丸符号7A)。
ステップS28において、走行制御装置10は、AEB制御パラメータを通常走行制御時の設定に復帰させる。その後、元の通常走行制御を継続すべく、図5のステップS11の処理に戻る(図7,図8の丸符号7B)。
一方、上述のステップS22の処理において、上述のステップS20の処理にて認識された歩行者等が移動していないと判定された場合と、上述のステップS23の処理にて自車両M1と当該歩行者等との衝突可能性が無いと判定された場合に、ステップS29の処理に進むと、このステップS29において、走行制御装置10は減速制御を実行して、最徐行による走行制御を行う。その後、次のステップS30の処理に進む。
次いで、ステップS30において、走行制御装置10は、対象としている歩行者等を含む周辺環境を確認しつつ最徐行での走行制御を継続する。ここで、対象としている歩行者等とは、例えば、前方に認識されていながら移動していない歩行者等、若しくは、衝突可能性の無い歩行者等(自車両M1の移動方向に略平行方向に移動する歩行者等や自車両M1から遠ざかりつつある歩行者等)である。
続いて、ステップS31において、走行制御装置10は、周辺環境について、走行の安全が確認されたか否かを確認する。この場合において、走行の安全が確認された状態とは、例えば、対象としている歩行者等の存在が認識できなくなった場合等である。ここで、周辺環境の安全が確認された場合は、ステップS32の処理に進む。また、安全が確認されていない場合は、ステップS30の処理に戻る。
ステップS32において、走行制御装置10は、最徐行の走行制御から低速走行制御に切り換える。その後、ステップS27の処理に進む。
以上説明したように上記一実施形態によれば、自車両M1が通常の道路から外れた駐車場等500の所定の領域内において低速走行している状況にあるとき、自車両M1の走行制御装置10は、自車両M1の位置情報と、当該自車両M1が駐車場等500の敷地内を走行中である旨の情報等を含む自車両情報(第1の周辺環境情報)を周辺他車両に向けて車車間通信によって送信する。
一方、当該駐車場等500内で駐停車中であって稼働状態にある他車両M2等は、それぞれが保有する他車両情報(位置情報,周辺環境情報,車両状態情報等の第2の周辺環境情報)を車車間通信によって送信している。自車両M1の走行制御装置10は、この他車両情報を受信する。
これにより、自車両M1の走行制御装置10は、他車両からの第2の周辺環境情報に基づいて、自車両M1にとっての死角領域に存在する歩行者等や、自車両M1の前方領域において駐停車中の他車両の状態(発進準備状態等)を、予め認識することができる。
このようにして、自車両の死角領域の歩行者等の存在や、発進準備状態にある他車両の存在等を予め認識した場合において、自車両M1の走行制御装置10は、減速制御を行うと共に、AEB制御パラメータの作動開始閾値を下げる方向に変更する。
これにより、自車両M1の走行制御装置10は、自身の第1の周辺環境認識部11dによって、死角領域から不意に現れる歩行者等や、自車両の前方走行路上に不意に発進してくる他車両等を認識した時点で緊急ブレーキ制御を作動させたとしても充分に対応することができ、これらの移動体(歩行者等や他車両等)との衝突又は接触を確実に回避することができる。
本実施形態の走行制御装置10においては、自車両によって取得される第1の周辺環境情報と、自車両と他車両との車車間通信によって得られる第2の周辺環境情報のみに基づいて、緊急ブレーキ制御等を含む走行制御を行うようにしている。
例えば、屋内若しくは地下等に設置される形態の駐車場等の場合には、周辺環境が暗いという理由からカメラ等による画像情報に依存する車両周辺情報が取得し難い状況であったり、電波が遮蔽される壁や床等の存在によってGNSS情報を取得することができない状況の場合がある。
本実施形態の走行制御装置10では、このような状況下であっても、限られた領域内において他車両との間で通信を行って、他車両の周辺情報や車両情報等を取得して、自車両の死角領域を含む周辺環境を認識することができる。したがって、これにより、自車両の走行時の危険回避を確実に行うことができ、より安全な走行制御を実現できる。また、大規模サーバー装置や、これに伴う大型装置等に依存することが無いので、より低コストなシステムとして運用することができる。
なお、本実施形態においては、自車両M1が受信する他車両情報は、駐車場内に存在する複数の他車両のうち稼働状態にある他車両から送信されるものとしているが、この例に限られることはない。例えば、他車両が完全に停止状態にあったとしても、車両を構成する各種構成ユニットのうち周辺状況を認識するための自律センサデバイスや送受信機等、最低限必要とする構成ユニットのみが常時稼働状態としておく構成の他車両であれば、本実施形態の走行制御装置10に対応することができる。このような構成とした場合には、当該駐車場内を走行中の自車両は、より多くの周辺他車両情報を受信することができるようになる。したがって、例えば、自車両の死角領域に存在する歩行者等を、より確実に認識することができるようになる。
また、本実施形態の走行制御装置10は、自車両と他車両との間の車車間通信のみによって第2の周辺環境情報を取得する構成とし、小規模管理システムとしての駐車場監視システム200を省略して構成することも可能である。
一方、小規模管理システムとしての駐車場監視システム200を利用する形態とした場合には、自車両及び他車両のそれぞれは、駐車場監視システム200との通信を行うことによって、当該駐車場監視システム200が有している各種情報を受信して利用することができる。この場合、自車両M1は、より確実に周辺環境を認識することができ、駐車場等500内でのより安全な走行制御を確保することができるようになる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施することができることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。
1…走行制御システム
10,10A…走行制御装置
11…周辺環境認識ユニット
11a…メインカメラ
11b…サブカメラ
11d…第1の周辺環境認識部
11fl,11fr,11rl,11rr…レーダ装置
12…ロケータユニット
13…ロケータ演算部
13a…地図情報取得部
13b…自車位置推定部
13c…第2の周辺環境認識部
14…加速度センサ
15…車輪速センサ
16…ジャイロセンサ
17…GNSS受信機
18…車両側送受信機
19…高精度道路地図データベース
22…走行制御ユニット
23…エンジン制御ユニット
24…パワーステアリング制御ユニット
25…ブレーキ制御ユニット
27…スロットルアクチュエータ
28…電動パワステモータ
29…ブレーキアクチュエータ
100…管制装置
101…道路地図情報統合制御ユニット
102…サーバ側送受信機
200…駐車場監視システム
500,500A,500B…駐車場等
501…区画線
502,502A…通行路
503…駐車区画
H,H2,H3,H4,H5…歩行者等
M1…自車両
M2,M3,M4,M5…他車両
NW…ネットワーク環境

Claims (3)

  1. 自律センサデバイスによって取得した第1の周辺環境情報に基づいて車両の周辺環境を認識する第1の周辺環境認識部と、
    外部システムとの無線通信を行って、前記第1の周辺環境情報を送信し、前記外部システムから送られてくる第2の周辺環境情報を受信する送受信機と、
    前記第2の周辺環境情報に基づいて前記車両の周辺環境を認識する第2の周辺環境認識部と、
    前記第1の周辺環境認識部により認識された移動体と前記車両とが衝突する可能性が有るときに、前記車両を停止させるための緊急ブレーキ制御を実行する緊急ブレーキ制御手段を含み、前記車両の走行を統括的に制御する走行制御ユニットと、
    を具備し、
    前記車両が低速走行を行っているとき、
    前記送受信機は、前記車両の前記第1の周辺環境情報を送信し、前記車両の進行方向前方に駐停車中の他車両から送られてくる前記第2の周辺環境情報を受信し、
    前記第2の周辺環境認識部は、受信した前記第2の周辺環境情報に基づいて、前記車両の進行方向前方であって前記車両の死角領域に存在する移動体、又は、前記車両の進行方向前方に駐停車中の前記他車両の停止状態から発進準備状態への遷移状態を認識し、
    前記走行制御ユニットは、前記車両が前記移動体又は前記他車両と衝突する可能性が有るときは、減速制御を行うと共に、緊急ブレーキ制御の制御パラメータのうち作動開始閾値を通常値よりも低い閾値に設定変更することを特徴とする車両の走行制御装置。
  2. 前記第1の周辺環境情報は、少なくとも、前記車両の位置情報と、前記車両が所定の領域内を低速走行中である旨の情報を含む自車両情報であり、
    前記第2の周辺環境情報は、前記他車両の位置情報と、前記他車両の周辺に認識されている歩行者と前記他車両との相対的な位置情報、当該歩行者の進行方向及び当該歩行者の移動速度情報を含む他車両情報であることを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。
  3. 前記送受信機は、さらに、前記車両及び前記他車両が存在している前記所定の領域内を管理する管理システムとの間で無線通信を行って前記車両の有する第1の周辺環境情報を前記管理システムとへ送信し、前記管理システムから送られてくる前記所定の領域内の場内環境情報を含む第2の周辺環境情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。
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