以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すように、自動運転システム100は、乗用車等の車両Mに搭載されており、車両Mの自動運転制御を行うためのシステムである。自動運転システム100は、自動運転が可能であるか否かを判定し、自動運転が可能であると判定した場合、且つ、ドライバによる自動運転制御の開始操作(自動運転制御の開始ボタンを押す操作等)が行われた場合に、車両Mの自動運転制御を開始する。自動運転制御とは、予め設定された目標ルートに沿って自動で車両Mを走行させる車両制御である。自動運転制御では、ドライバが運転操作を行う必要が無く、車両Mが自動で走行する。目標ルートとは、自動運転制御において車両Mが走行する地図上の経路である。
自動運転システム100は、自動運転制御を実行するためのECU6を備えている。ECU6は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECU6では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU6は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。ECU6には、CAN通信回路を介して、GPS受信部1、外部センサ2、内部センサ3、地図データベース4、ナビゲーションシステム5、アクチュエータ7、HMI[Human Machine Interface]8、及び操作検出部9が接続されている。
GPS受信部1は、車両Mに搭載され、車両Mの位置を測定する位置測定部として機能する。GPS受信部1は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両Mの位置(例えば車両Mの緯度及び経度)を測定する。GPS受信部1は、測定した車両Mの位置の情報をECU6へ送信する。
外部センサ2は、車両Mの周辺の外部状況等を検出するための検出機器である。外部センサ2は、カメラ、レーダー[Radar]、及びライダー[LIDAR:Laser Imaging Detection and Ranging]のうち少なくとも一つを含む。なお、外部センサ2は、後述する車両Mの走行する走行車線の白線認識にも用いられる。また、外部センサ2は、車両Mの位置の測定に用いられてもよい。
カメラは、車両の外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、車両Mのフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、車両Mの左右側面及び車両の背面に設けられていてもよい。カメラは、車両Mの前方を撮像した撮像情報をECU6へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、奥行き方向の情報も含まれている。
レーダーは、電波(例えばミリ波)を利用して車両Mの周辺の障害物を検出する。レーダーは、電波を車両Mの周辺に送信し、障害物で反射された電波を受信することで障害物を検出する。レーダーは、検出した障害物情報をECU6へ送信する。障害物には、縁石、電柱、ポール、ガードレール、壁、建物、路側に設けられる看板及び標識等の固定障害物の他、人、自転車、他車両等の動的障害物が含まれる。
ライダーは、光を利用して車両Mの外部の障害物を検出する。ライダーは、光を車両Mの周辺に送信し、障害物で反射された光を受信することで反射点までの距離を計測し、障害物を検出する。ライダーは、検出した障害物情報をECU6へ送信する。ライダー及びレーダーは、必ずしも重複して備える必要はない。
内部センサ3は、車両Mの車両状態を検出する検出機器である。内部センサ3は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含んでいる。車速センサは、車両Mの車速を検出する検出器である。車速センサとしては、車両Mの車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報をECU6に送信する。
加速度センサは、車両Mの加速度を検出する検出器である。加速度センサは、車両Mの前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両Mの横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、車両Mの加速度情報をECU6に送信する。ヨーレートセンサは、車両Mの重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、ジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した車両Mのヨーレート情報をECU6へ送信する。
地図データベース4は、地図情報を記憶するデータベースである。地図情報には、固定障害物の位置情報が含まれていてもよい。地図情報には、道路上に設けられた白線の位置情報が含まれていてもよい。地図データベース4は、車両Mに搭載されたHDD[Hard Disk Drive]内に形成されている。地図データベース4は、無線通信によって地図情報管理センターのサーバへ接続し、地図情報管理センターのサーバに記憶された最新の地図情報を用いて、定期的に地図情報を更新してもよい。なお、地図データベース4は、必ずしも車両Mに搭載されている必要はない。地図データベース4は、車両Mと通信可能なサーバ等に設けられていてもよい。
また、地図情報には、自動運転制御から手動運転に切り替えられた頻度が、場所ごとに対応付けられた情報が含まれていてもよい。地図情報には、自動運転制御で走行している時間に対して手動運転で走行している時間の割合が、所定のエリア毎に対応付けられた情報が含まれていてもよい。この情報により、あるエリアではドライバによって手動で運転されている割合が高いといったことをECU6の位置認識部11等が認識することができる。また、地図データベース4は、場所ごとの気象を示す気象地図を記憶していてもよい。地図データベース4は、災害(地震、水害等)が発生している場所を示す災害地図を記憶していてもよい。
ナビゲーションシステム5は、車両Mに搭載され、自動運転制御によって車両Mが走行する目標ルートを設定する。ナビゲーションシステム5は、予め設定された目的地、GPS受信部1によって測定された車両Mの位置、及び地図データベース4の地図情報に基づいて、車両Mの位置から目的地に至るまでの目標ルートを演算する。自動運転制御の目的地は、車両Mの乗員がナビゲーションシステム5に備えられた入力ボタン(又はタッチパネル)を操作することにより設定される。ナビゲーションシステム5は、周知の手法により目標ルートを設定することができる。ナビゲーションシステム5は、ドライバによる車両Mの手動運転時において、目標ルートに沿った案内を行う機能を有していてもよい。ナビゲーションシステム5は、車両Mの目標ルートの情報をECU6へ送信する。ナビゲーションシステム5は、その機能の一部が車両Mと通信可能な情報処理センター等の施設のサーバで実行されていてもよい。ナビゲーションシステム5の機能は、ECU6において実行されてもよい。
なお、ここで言う目標ルートには、特許5382218号公報(WO2011/158347号公報)に記載された「運転支援装置」、又は、特開2011−162132号公報に記載された「自動運転装置」における道なり走行ルートのように、目的地の設定がドライバから明示的に行われていない際に、過去の目的地の履歴や地図情報に基づき自動的に生成される目標ルートも含まれる。
アクチュエータ7は、車両Mの走行制御を実行する装置である。アクチュエータ7は、エンジンアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。エンジンアクチュエータは、ECU6からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、車両Mの駆動力を制御する。なお、車両Mがハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータにECU6からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。車両Mが電気自動車である場合には、動力源としてのモータにECU6からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。
ブレーキアクチュエータは、ECU6からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、車両Mの車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、ECU6からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、車両Mの操舵トルクを制御する。
HMI8は、車両Mの乗員(例えばドライバ)と自動運転システム100との間で情報の送信及び入力をするためのインターフェイスである。HMI8は、入力部8a、及び提示部8bを備えている。入力部8aは、ドライバによる入力操作を受け付ける機器である。入力部8aは、操作ボタン、又はタッチパネル等を備えている。提示部8bは、ドライバに対して情報の提示を行う機器である。提示部8bは、ドライバや車両Mの乗員に画像情報を表示するディスプレイを備えている。また、提示部8bは、ディスプレイに加えて、音声を出力するスピーカ等を備えていてもよい。
HMI8は、後述の選択部16において、第1走行計画が選択されている状態で第2走行計画が選択された場合、ドライバに対して提示部8bを通じて、ドライバが運転操作を引き継ぐ必要がある旨の報知を行ってもよい。すなわち、HMI8は、第1走行計画に基づいた自動運転制御が終了する場合、運転操作をドライバが引き継ぐようにドライバに対して報知を行ってもよい。
操作検出部9は、ドライバによって行われる運転操作を検出する。操作検出部9は、アクセルペダルセンサ、ブレーキペダルセンサ、舵角センサを含んでいる。アクセルペダルセンサは、アクセルペダルのシャフト部分に対して設けられ、アクセルペダルの踏込み量(アクセルペダルの位置)を検出する。アクセルペダルセンサは、検出したアクセルペダルの踏込み量に応じたアクセル操作情報をECU6へ送信する。ブレーキペダルセンサは、ブレーキペダルのシャフト部分に対して設けられ、ブレーキペダルの踏込み量(ブレーキペダルの位置)を検出する。ブレーキペダルの操作力(ブレーキペダルに対する踏力やマスタシリンダの圧力等)から検出してもよい。ブレーキペダルセンサは、検出したブレーキ操作情報をECU6へ送信する。舵角センサは、車両Mの舵角(実舵角)を検出するセンサである。舵角センサは、車両Mのステアリングシャフトに対して設けられている。舵角センサは、検出した舵角情報をECU6へ送信する。
次に、ECU6の機能的構成について説明する。ECU6は、位置認識部11、環境認識部12、車両状態認識部13、第1演算部14、第2演算部15、選択部16、走行制御部17、及び提示制御部18を備えている。
位置認識部11は、GPS受信部1の位置情報及び地図データベース4の地図情報に基づいて、車両Mの地図上の位置を認識する。位置認識部11は、xy直交座標系におけるx座標及びy座標の組み合わせとして、車両Mの位置を認識する。また、位置認識部11は、GPS受信部1の位置情報及び地図データベース4の地図情報に加え、車両状態認識部13で認識される車両Mの車速に基づいて車両Mの位置を認識或いは位置の補正を行ってもよい。位置認識部11は、地図データベース4の地図情報に含まれた縁石等の固定障害物の位置情報、及び外部センサ2の検出結果を利用して、SLAM技術により車両Mの位置を認識してもよい。この場合、GPS受信部1に代えて、外部センサ2が位置測定部として機能する。また、位置認識部11は、地図情報に含まれた白線の位置情報、及び外部センサ2における白線の検出結果を利用して、既存の画像処理等により車両Mの位置を認識或いは位置の補正を行ってもよい。この場合、外部センサ2も位置測定部として機能する。
車両Mの位置は、鉛直方向から見た場合(平面視の場合)における車両Mの中心位置を基準とすることができる。車両Mの中心位置は、車両Mの車幅方向の中心であり、且つ、車両Mの前後方向の中心となる位置である。
また、位置認識部11は、認識した車両Mの位置の信頼度を算出する。この信頼度とは、認識された車両Mの位置の確からしさを表している。例えば、位置認識部11は、車両Mの位置の演算周期に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。この場合、位置認識部11は、演算周期が所定の周期より長い場合、演算周期が所定の周期より短い場合に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。
例えば、位置認識部11は、車両Mの位置の認識に用いたGPS受信部1の位置情報等の取得周期に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。この場合、位置認識部11は、GPS受信部1の位置情報等の取得周期が所定の周期より長い場合、取得周期が所定の周期より短い場合に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。例えば、位置認識部11は、車両Mの位置の認識に用いたGPS受信部1の位置情報等の時間的な変化に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。この場合、位置認識部11は、GPS受信部1の位置情報等の時間的な変化に矛盾がある場合(変化が不連続である場合)に、矛盾が無い場合(変化が不連続でない場合)に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。
例えば、位置認識部11は、車両Mの位置を認識する際の認識の誤差に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。ここでの誤差とは、例えば、車両Mの位置を1点に絞り込めている場合には誤差が小さく、例えば、車両Mの位置が絞り込めておらず、あるエリア内に車両Mが存在すると認識されている場合には誤差が大きい。この場合、位置認識部11は、車両Mの位置の認識の誤差が大きい場合に、誤差が小さい場合に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。例えば、位置認識部11は、車両Mの周囲の固定構造物及び白線等の検出結果を利用して車両Mの位置を認識する場合、認識のために用いた固定構造物及び白線等を検出できた割合に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。この場合、位置認識部11は、固定構造物及び白線等を検出できた割合が低い場合に、検出できた割合が高い場合に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。
例えば、位置認識部11は、場所ごとに対応付けられた自動運転制御から手動運転に切り替えられた頻度に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。位置認識部11は、地図情報に基づいて、場所ごとに対応付けられた自動運転制御から手動運転に切り替えられた頻度を取得することができる。この場合、位置認識部11は、認識した車両Mの位置が、自動運転制御から手動運転に切り替えられた頻度が高い場所である場合、頻度が低い場所である場合に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。例えば、位置認識部11は、所定のエリア毎に対応付けられた自動運転制御で走行している時間に対して手動運転で走行している時間の割合に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。位置認識部11は、地図情報に基づいて、所定のエリア毎に対応付けられた自動運転制御で走行している時間に対して手動運転で走行している時間の割合を取得することができる。この場合、位置認識部11は、認識した車両Mの位置が、手動運転の時間の割合が高いエリアである場合、割合が低いエリアである場合に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。
例えば、位置認識部11は、地図データベース4に記憶された地図情報の有無に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。この場合、位置認識部11は、地図情報が存在しないエリア内において車両Mの位置を認識しようとするときは、地図情報が存在する場合に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。例えば、位置認識部11は、地図データベース4に記憶された地図情報の鮮度(新しさ)に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。この場合、位置認識部11は、地図情報が更新された時期が古い場合、地図情報が更新された時期が新しい場合に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。
例えば、位置認識部11は、地図データベース4に記憶された場所ごとの気象を示す気象地図に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。この場合、位置認識部11は、認識された車両Mの位置が気象地図上において悪天候である場合(例えば雨、雪の場合)、悪天候でない場合(例えば晴れの場合)に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。例えば、位置認識部11は、地図データベース4に記憶された災害が発生している場所を示す災害地図に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。この場合、位置認識部11は、認識された車両Mの位置が災害地図上において災害が発生している場所である場合、災害が発生していない場所である場合に比べて車両Mの位置の信頼度を低くしてもよい。
位置認識部11は、上述した車両Mの位置の信頼度の複数の算出方法に基づいて算出された複数の信頼度に基づいて、車両Mの位置の信頼度を算出してもよい。
環境認識部12は、車両Mの外部状況を検出する外部センサ2の検出結果に基づいて、車両Mの周辺環境を認識する。環境認識部12は、カメラの撮像画像、レーダーの障害物情報、又はライダーの障害物情報に基づいて、周知の手法により、車両Mの周辺環境を認識する。具体的には、環境認識部12は、カメラの撮像情報、レーダーの障害物情報、又はライダーの障害物情報に基づいて、車両Mの周囲の障害物(固定障害物、動的障害物)を認識する。環境認識部12は、障害物として車両(他車両)を認識した場合、認識した車両の種別を認識する。ここでは車両の種別として、例えば車両が緊急車両(パトカー、救急車、消防車等)であるか、緊急車両以外の車両であるかを認識する。車両の種別は、例えば、カメラを用いた場合では、認識された車両の形状と、予め定められた緊急車両の形状とを比較することによって区別してもよい。また、環境認識部12は、障害物として車両(他車両)を認識した場合、認識した車両の状態を認識する。ここでは車両の状態として、例えば車両がハザードランプを点灯しているか否かを認識する。また、環境認識部12は、カメラの撮像情報又はライダーの障害物情報に基づいて、車両Mの走行する走行車線の白線の位置を認識する。環境認識部12は、更に白線の線種及び白線の曲率を認識してもよい。
また、環境認識部12は、認識した車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出する。この車両Mの周辺環境の認識の信頼度とは、認識された周辺環境の認識の確からしさを表している。例えば、環境認識部12は、車両Mの周辺環境の認識の演算周期に基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、環境認識部12は、演算周期が所定の周期より長い場合、演算周期が所定の周期より短い場合に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くしてもよい。
例えば、環境認識部12は、外部センサ2の検出結果の取得周期に基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、環境認識部12は、外部センサ2の検出結果の取得周期が長い場合、取得周期が所定の周期より短い場合に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くしてもよい。例えば、環境認識部12は、認識した障害物の位置或いは速度の時間的な変化に基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、環境認識部12は、認識した障害物の位置或いは速度に時間的な矛盾がある場合(変化が不連続である、或いはノイズが多い場合)に、矛盾が無い場合(変化が不連続でない、或いはノイズが少ない場合)に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くしてもよい。
例えば、環境認識部12は、認識した障害物の時間的な変化を見たときに、障害物が分裂或いは結合した回数に基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、環境認識部12は、障害物が分裂或いは結合した回数が多い場合、分裂或いは結合した回数が少ない場合に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くしてもよい。
例えば、環境認識部12は、車両Mの周囲の複数の障害物のうち、障害物の種別を識別できた障害物の割合に基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、環境認識部12は、障害物の種別を識別できた割合が少ない場合、識別できた割合が多い場合に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くしてもよい。例えば、環境認識部12は、認識した障害物のうち、車両Mから所定距離(Pm)以内に存在する歩行者の数に基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、環境認識部12は、所定距離以内に存在する歩行者の数が多い場合には、歩行者の数が少ない場合に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くしてもよい。環境認識部12は、歩行者の場合と同様に、歩行者以外の障害物のうち、車両Mから所定距離(Pm)以内に存在する歩行者以外の障害物の数に基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合にも、環境認識部12は、所定距離以内に存在する歩行者以外の障害物の数が多い場合には、歩行者以外の障害物の数が少ない場合に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くしてもよい。
環境認識部12は、車両Mの走行車線の幅員に基づいて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、環境認識部12は、認識した車両Mの走行する走行車線の白線の位置に基づいて幅員を算出する。そして、環境認識部12は、算出した幅員が狭い場合には、幅員が広い場合に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くする。なお、環境認識部12は、認識した白線に基づいて幅員を算出し、算出した幅員に基づいて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出したが、環境認識部12が幅員を算出することに限定されない。例えば、地図データベース4に車線の幅員の情報が含まれている場合、環境認識部12は、位置認識部11で認識された車両Mの位置に基づいて地図データベース4から車線の幅員を取得してもよい。そして、環境認識部12は、地図データベース4から取得した幅員に基づいて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。また、環境認識部12は、走行車線の白線の位置以外にも、例えば、物理的な道路境界(縁石、ガードレール、壁、工事のためのパイロン等)の位置に基づいて走行車線の幅員を算出してもよい。また、環境認識部12は、白線及び物理的な道路境界以外にも、道路幅員と見なすことができる物、例えば、中央線の無い道路で対向車が来た場合には、対向車の位置に基づいて得られる道路の物理的な幅の半分を走行車線の幅員と見なしてもよい。或いは、環境認識部12は、例えば、路面標識の無い道路の路肩を歩行者等が歩いている場合において、歩行者から十分に距離を確保した位置に基づいて仮想的な幅員を算出してもよい。また、環境認識部12は、車両Mと道路境界との距離に基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この道路境界とは、白線等の区画線であってもよく、縁石、壁、側溝などによって定まる走行可能な領域の端であってもよく、その他の道路境界として扱うことが適切な物であってもよい。
例えば、環境認識部12は、認識した車両Mの周囲の車両が緊急車両であるか否かに基づいて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、環境認識部12は、車両Mの周囲の緊急車両の割合或いは台数が多い場合に、緊急車両の割合或いは台数が少ない場合に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くしてもよい。例えば、環境認識部12は、認識した車両Mの周囲の車両がハザードランプを点灯しているか否かに基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、環境認識部12は、車両Mの周囲の車両がハザードランプを点灯している割合或いは台数が多い場合に、点灯している割合或いは台数が少ない場合に比べて車両Mの周辺環境の認識の信頼度を低くしてもよい。
環境認識部12は、上述した車両Mの周辺環境の認識の信頼度の複数の算出方法に基づいて算出された複数の信頼度に基づいて、車両Mの周辺環境の認識の信頼度を算出してもよい。
車両状態認識部13は、内部センサ3及び操作検出部9の検出結果に基づいて、車両Mの車速、及び向き等を含む車両Mの状態を認識する。具体的には、車両状態認識部13は、車速センサの車速情報に基づいて、車両Mの車速を認識する。車両状態認識部13、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、車両Mの向きを認識する。車両状態認識部13は、加速度センサの加速度情報に基づいて、車両Mの加速度を認識する。車両状態認識部13は、アクセルペダルセンサのアクセル操作情報に基づいて、アクセルペダルがドライバによって操作されたか否かを認識する。車両状態認識部13は、ブレーキペダルセンサのブレーキ操作情報に基づいて、ブレーキペダルが操作されたか否かを認識する。車両状態認識部13は、舵角センサの舵角情報に基づいて、車両Mの舵角(操舵角)を認識する。
また、車両状態認識部13は、認識した車両Mの状態の認識の信頼度を算出する。この車両Mの状態の認識の信頼度とは、認識された車両Mの状態の認識の確からしさを表している。例えば、車両状態認識部13は、車両Mの状態の認識の演算周期に基づいて、車両Mの状態の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、車両状態認識部13は、演算周期が所定の周期より長い場合、演算周期が所定の周期より短い場合に比べて、車両Mの状態の認識の信頼度を低くしてもよい。
例えば、車両状態認識部13は、車両Mの状態の認識に用いた内部センサ3及び操作検出部9の検出結果の取得周期に基づいて、車両Mの状態の認識の信頼度を算出してもよい。この場合、車両状態認識部13は、内部センサ3の検出結果等の取得周期が長い場合、取得周期が所定の周期より短い場合に比べて、車両Mの状態の認識の信頼度を低くしてもよい。
車両状態認識部13は、上述した車両Mの状態の認識の信頼度の複数の算出方法に基づいて算出された複数の信頼度に基づいて、車両Mの状態の認識の信頼度を算出してもよい。
第1演算部14は、車両Mの自動運転制御を行う際に用いられる第1走行計画及び第1走行計画の信頼度を演算する。第1演算部14は、第1計画部14a、及び第1信頼度算出部14bを備えている。
第1計画部14aは、位置認識部11で認識された車両Mの位置、環境認識部12で認識された周辺環境、車両状態認識部13で認識された車両Mの状態、及び地図データベース4の地図情報に基づいて、ナビゲーションシステム5により設定された目標ルートに沿って走行するように車両Mの第1走行計画を生成する。第1計画部14aは、自動運転システム100において自動運転が可能であると判定され、且つ、ドライバが自動運転制御の開始操作を行った場合に、第1走行計画の生成を開始する。この第1走行計画は、車両Mの現在の位置から予め設定された目的地に車両Mが至るまでの走行計画となる。
第1計画部14aは、目標ルート上において車両Mが安全、法令順守、走行効率等の基準に照らして好適に走行するように第1走行計画を生成する。第1走行計画には、先行車両への追従及び走行車線の形状に沿った操舵に加え、例えば、障害物の回避及びレーンチェンジ等の運転行動が含まれる。第1計画部14aは、第1走行計画として、例えば、目標ルートに沿った複数の目標位置と、各目標位置での速度とを含む走行計画を生成する。すなわち、第1走行計画には、経路の計画と、速度の計画とが含まれている。
第1信頼度算出部14bは、第1計画部14aで生成された第1走行計画の信頼度を算出する。この第1走行計画の信頼度とは、車両Mが安全、法令順守、走行効率等の基準に照らして好適に走行できるか否かの度合いを表している。第1走行計画の信頼度が高い方が、例えば、周囲の障害物との距離を所定距離以上保ちつつ走行できていたり、走行効率が良いことを表している。ここでの走行効率が良いこととは、例えば、単位時間当たりに進むことができる距離が長いことをいう。或いは、走行効率が良いこととは、燃費が良いこと等が含まれていてもよい。
具体的には、第1信頼度算出部14bは、位置認識部11で認識された車両Mの位置の信頼度、環境認識部12で認識された車両Mの周辺環境の認識の信頼度、車両状態認識部13で認識された車両Mの状態の認識の信頼度、及び第1計画部14aで生成された第1走行計画の少なくともいずれかに基づいて、第1走行計画の信頼度を算出する。
例えば、第1信頼度算出部14bは、第1計画部14aにおける第1走行計画の生成周期に基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画の生成周期が所定の周期より長い場合、生成周期が所定の周期より短い場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。
例えば、第1信頼度算出部14bは、位置認識部11、環境認識部12、及び車両状態認識部13で算出された各種の信頼度に基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第1信頼度算出部14bは、位置認識部11で算出された車両Mの位置の信頼度が低い場合、車両Mの位置の信頼度が高い場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。第1信頼度算出部14bは、環境認識部12で算出された車両Mの周辺環境の認識の信頼度が低い場合、車両Mの周辺環境の認識の信頼度が高い場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。第1信頼度算出部14bは、車両状態認識部13で算出された車両Mの状態の認識の信頼度が低い場合、認識の信頼度が高い場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。
例えば、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画における経路周辺に存在する障害物の数に基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第1信頼度算出部14bは、生成された第1走行計画と環境認識部12で認識された周辺環境とに基づいて、第1走行計画における経路周辺に存在する障害物の数が多い場合、障害物の数が少ない場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。例えば、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画における経路周辺に存在する障害物と車両Mとの距離に基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第1信頼度算出部14bは、生成された第1走行計画と環境認識部12で認識された周辺環境とに基づいて、第1走行計画における経路周辺に存在する障害物と車両Mとの距離が所定距離未満の場合、障害物と車両Mと距離が所定距離以上の場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。
例えば、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画における経路と、環境認識部12で認識された障害物と、障害物によって生じる外部センサ2の物理的な死角とに基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。ここでの外部センサ2の物理的な死角とは、外部センサ2の検出エリアであるにもかかわらず、障害物が存在することによって外部センサ2によって検出できないエリアをいう。外部センサ2の検出エリアは、車両Mに外部センサ2を設置する向き等に基づいて予め定まっている。外部センサ2の物理的な死角の具体的な一例について説明する。例えば、車両Mの前方の道路がカーブ路であり、前方の道路のそばに建物が存在しているとする。そして、この建物がカーブの先よりも手前側(車両M側)に存在し、建物に隠れて車両Mからカーブの先の部分が見えない状況とする。この場合、道路のそばの建物が遮ることによってカーブの先を外部センサ2で検出できない。この建物によって遮られたエリア(外部センサ2で検出できないエリア)が、外部センサ2の物理的な死角となる。この場合、第1信頼度算出部14bは、外部センサ2の死角が多い場合、死角が少ない場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。
例えば、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画における経路と、地図データベース4の地図情報と、外部センサ2のセンサ死角とに基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。ここでの外部センサ2のセンサ死角とは、そもそも外部センサ2の検出エリアでないエリアをいう。更に、この外部センサ2のセンサ死角は、第1走行計画に従って走行する場合に外部センサ2で検出すべきエリアであるにもかかわらず、そもそも外部センサ2の検出エリアとなっていないエリアをいう。例えば、車両Mの走行する経路(第1走行計画における経路)に側方から合流してくる車線が存在する場合、側方から合流してくる車線が外部センサ2で検出すべきエリアとなる。そして、車両Mに設けられた外部センサ2の検出エリアが前方のみである場合、側方から合流してくる車線は検出の向きが異なるために外部センサ2で検出できない。このため、側方から合流してくる車線が、外部センサ2のセンサ死角となる。この場合、第1信頼度算出部14bは、センサ死角が多い場合、センサ死角が少ない場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。
例えば、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画における経路と、地図データベース4の地図情報とに基づいて得られる車両Mのレーンチェンジの回数、或いは走行車線の合流等の回数に基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第1信頼度算出部14bは、車両Mのレーンチェンジの回数、或いは走行車線の合流等の回数が多い場合、これらの回数が少ない場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。
例えば、第1信頼度算出部14bは、生成された第1走行計画と、安定して走行ができる予め定められた走行計画のパターンとの一致度に基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第1信頼度算出部14bは、生成された第1走行計画と、安定して走行ができる予め定められた走行計画のパターンとの一致度が低い場合、一致度が高い場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。例えば、第1走行計画に優先道路への合流が含まれている場合、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。
例えば、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画を生成する際に用いられた位置認識部11の認識結果、環境認識部12の認識結果、及び車両状態認識部13の認識結果と、安定して走行計画が生成できる予め定められた条件との一致度に基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画を生成する際に用いられた位置認識部11の認識結果等と、予め定められた条件との一致度が低い場合、一致度が高い場合に比べて、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。
例えば、第1信頼度算出部14bは、環境認識部12で認識される車両Mの周辺の車両の動きと、生成された第1走行計画における車両Mの動きとの一致度に基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第1信頼度算出部14bは、周辺の車両の動きと、第1走行計画における車両Mの動きとの一致度が低い場合、第1走行計画の信頼度を低くしてもよい。例えば、信号機が存在する交差点において、周辺の車両が発進したにも関わらず第1走行計画における車両Mの動きが停止し続けている場合、第1信頼度算出部14bは、第1走行計画の信頼度を低くする。
第1信頼度算出部14bは、上述した第1走行計画の信頼度の複数の算出方法に基づいて算出された複数の信頼度に基づいて、第1走行計画の信頼度を算出してもよい。
第2演算部15は、車両Mの自動運転制御を行う際に用いられる第2走行計画及び第2走行計画の信頼度を演算する。第2演算部15は、第1演算部14と異なる方法によって、第2走行計画を生成する。第2演算部15は、第2計画部15a、及び第2信頼度算出部15bを備えている。
第2計画部15aは、第2走行計画として、第2走行計画に基づいて自動運転制御が行われている状態から、運転操作をドライバに容易に引き継ぐことができることを目的とした走行計画を生成する。具体的には、車両Mの状態を単位時間あたりに大きく変化させない走行計画となっている。第2走行計画には、第1走行計画とは異なり、例えば、障害物の回避及びレーンチェンジ等の運転行動が含まれない。第2走行計画に基づいて車両Mが走行する場合のように車両Mの動きが緩やかであると、ドライバに運転操作が引き継がれたときに、運転操作が引き継がれたときの車両Mの状態にドライバが容易に適応することができる。すなわち、第2走行計画に基づいて車両Mの自動運転制御が行われている場合には、自動運転が行われている状態からドライバが運転操作を容易に引き継ぐことができる。
第2計画部15aは、車両状態認識部13で認識された車両Mの状態に基づいて、車両Mの第2走行計画を生成する。具体的には、第2計画部15aは、車両状態認識部13で認識された現在の車両Mの状態(車速、加速度、舵角等)から、単位時間当たりの車両Mの加減速度の変化量及び操舵の変化量の少なくとも一方が予め定められた値よりも小さくなるように第2走行計画を生成する。すなわち、第2走行計画は、現在の車両Mの状態から車両Mの動きが大きく変化しない走行計画となる。このように、第2計画部15aは、第2走行計画として、第1計画部14aが生成する第1走行計画よりも緩い走行計画を生成すればよい。例えば、第2計画部15aは、現在の車両Mの車速から、予め定められた値よりも小さな減速度で車両Mを減速させる第2走行計画を生成する。このように、第2計画部15aは、位置認識部11及び環境認識部12での認識結果を用いずに、車両状態認識部13での認識結果のみを用いて第2走行計画を生成する。
第2計画部15aは、第2走行計画として、第1走行計画と同様に、例えば、車両Mが走行する複数の目標位置と、各目標位置での速度とを含む走行計画を生成する。すなわち、第2走行計画には、経路の計画と、速度の計画とが含まれている。また、第2計画部15aは、ドライバが自動運転制御の開始操作を行った場合に、第2走行計画の生成を開始する。
第2信頼度算出部15bは、第2計画部15aで生成された第2走行計画の信頼度を算出する。この第2走行計画の信頼度とは、車両Mが安全、法令順守、走行効率等の基準に照らして好適に走行できるか否かの度合いを表している。なお、第2走行計画は、第1走行計画と異なり周辺環境等が考慮されていない。このため、一般には、第2走行計画の信頼度は、第1走行計画の信頼度よりも低くなる。
具体的には、第2信頼度算出部15bは、第2計画部15aが第2走行計画を生成する際に用いた認識結果の信頼度、及び第2走行計画の少なくともいずれかに基づいて第2走行計画の信頼度を算出する。ここでは、第2信頼度算出部15bは、車両状態認識部13で認識された車両Mの状態の認識の信頼度、及び第2計画部15aで生成された第2走行計画の少なくともいずれかに基づいて第2走行計画の信頼度を算出する。
例えば、第2信頼度算出部15bは、第2計画部15aにおける第2走行計画の生成周期に基づいて、第2走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第2信頼度算出部15bは、第2走行計画の生成周期が所定の周期より長い場合、生成周期が所定の周期より短い場合に比べて、第2走行計画の信頼度を低くしてもよい。例えば、第2信頼度算出部15bは、車両状態認識部13で算出された車両Mの状態の認識の信頼度に基づいて、第2走行計画の信頼度を算出してもよい。この場合、第2信頼度算出部15bは、車両状態認識部13で算出された車両Mの状態の認識の信頼度が低い場合、車両Mの状態の認識の信頼度が高い場合に比べて、第2走行計画の信頼度を低くしてもよい。
第2信頼度算出部15bは、上述した第2走行計画の信頼度の複数の算出方法に基づいて算出された複数の信頼度に基づいて、第2走行計画の信頼度を算出してもよい。
選択部16は、第1信頼度算出部14bで算出された第1走行計画の信頼度と、第2信頼度算出部15bで算出された第2走行計画の信頼度とを比較し、第1走行計画及び第2走行計画のうち走行計画の信頼度が高い走行計画を選択する。選択部16が第2走行計画を選択した後、さらに選択部16は、提示部8bにおいて第1走行計画が提示されているときに、入力部8aによって第1走行計画の選択の入力操作が受け付けられると、第2走行計画に代えて第1走行計画を選択する。
走行制御部17は、選択部16で選択された走行計画に基づいて、車両Mの自動運転制御を実行する。具体的には、走行制御部17は、走行計画に応じた制御信号をアクチュエータ7に出力する。これにより、走行制御部17は、走行計画に沿って車両Mが自動走行するように、車両Mの走行を制御する。
提示制御部18は、提示部8bに表示させる表示画像を生成し、生成した表示画像を提示部8bに表示させる。提示制御部18は、選択部16によって第2走行計画が選択されている場合に、第1走行計画が車両のドライバに提示されるように表示画像を生成して提示部8bに表示させる。
ここで、提示部8bを通じてドライバに提示される表示画像例について説明する。図2は、提示部8bのディスプレイに表示される画像例を示している。図2に示すように、車両Mの前方の路肩には、障害物となる車両Xが停車している。この場合、第1計画部14aは、破線で示すように、車両Xを避ける経路L1を有する第1走行計画を生成する。また、第2計画部15aは、実線で示すように、車両Xの手前で停車するための経路L2を有する第2走行計画を生成する。
図2に示す例では、車両Xの右側に、車両Xによって遮られるために車両Mから検出ができない外部センサ2の物理的な死角エリアZが存在する。第1走行計画の経路L1は、死角エリアZを通るため、第1走行計画の信頼度が低下している。一方、第2走行計画の経路L2は、死角エリアZを通らないため、死角エリアZの存在に起因する第2走行計画の信頼度の低下は無い。このため、例えば、図2に示す例では、第1走行計画の信頼度よりも第2走行計画の信頼度の方が高くなり、選択部16によって第2走行計画が選択される。この場合、提示制御部18は、選択部16によって選択された第2走行計画の経路L2が実線で表示された表示画像を生成し、提示部8bに表示させる。また、選択部16によって第2走行計画が選択されているため、提示制御部18は、第1走行計画の経路L1についてもドライバに提示するための表示画像を生成し、経路L1も提示部8bに表示させる。ここでは、提示制御部18は、ドライバが選択可能な走行計画の候補として、第1走行計画の経路L1を破線で示す表示画像を生成している。
これにより、選択部16によって第2走行計画が選択されて、第2走行計画に基づいて車両Mの自動運転制御が行われていても、ドライバは提示部8bを通じて第1走行計画を認識することができる。そして、提示部8bに表示された表示画像に基づいて、ドライバは第1走行計画が許容できるか否かを判断することができる。ドライバが第1走行計画を許容可能であると判断し、入力部8aに対して第1走行計画の選択の入力操作を行うと、選択部16は、第2走行計画に代えて第1走行計画を選択する。これにより、第2走行計画に代えて、第1走行計画に基づいて車両Mの自動運転制御が行われる。
次に、ECU6で実行される処理の流れについて、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、この処理は、車両Mのドライバによって自動運転制御の実行が指示された場合にECU6によって実行される。ECU6は、フローチャートの処理がエンドに至った場合、再びスタートから処理を繰り返す。ECU6は、車両Mのドライバによって自動運転制御の実行が取り消された場合に、図3に示す処理を終了する。
図3に示すように、位置認識部11は、車両Mの位置を認識する(S101)。環境認識部12は、車両Mの周辺環境を認識する(S102)。車両状態認識部13は、車両Mの状態を認識する(S103)。S101〜S103の処理順序は、この並び順で実行されることに限定されず、並行して処理が実行されていてもよい。第1計画部14aは、位置認識部11等の認識結果に基づいて第1走行計画を生成する(S104)。第1信頼度算出部14bは、生成された第1走行計画の信頼度を算出する(S105)。
第2計画部15aは、車両Mの状態に基づいて車両Mの第2走行計画を生成する(S106)。第2信頼度算出部15bは、生成された第2走行計画の信頼度を算出する(S107)。なお、S104〜S105の処理とS106〜S107の処理とは、S104〜S105の処理の後にS106〜S107の処理を行うことに限定されない。例えば、S104〜S105の処理と、S106〜S107の処理とが並行して実行されていてもよい。
選択部16は、第1走行計画の信頼度と第2走行計画の信頼度とを比較し、走行計画の信頼度が高い走行計画を選択する(S108)。走行制御部17は、選択部16で選択された走行計画に基づいて車両Mの自動運転制御を実行する(S109)。提示制御部18は、選択部16によって第2走行計画が選択されているか否かを判定する(S110)。第2走行計画が選択されていない場合(S110:NO)、すなわち、第1走行計画が選択されている場合、ECU6は再びS101から処理を行う。第2走行計画が選択されている場合(S110:YES)、提示制御部18は、図2において破線で示す経路L1(第1走行計画の経路)のように、第1走行計画が車両のドライバに提示されるように提示部8bを制御する(S111)。
選択部16は、提示部8bにおいて第1走行計画が提示されているときに、ドライバが入力部8aを用いて第1走行計画の選択の入力操作を行ったか否かを判定する(S112)。ドライバが第1走行計画の選択の入力操作を行っていない場合(S112:NO)、ECU6は再びS101から処理を行う。ドライバが第1走行計画の選択の入力操作を行った場合(S112:YES)、すなわち、ドライバが第1走行計画を許容する旨の入力操作を行った場合、選択部16は、第2走行計画に代えて第1走行計画を選択する(S113)。走行制御部17は、選択部16によって選択された第1走行計画に基づいて車両Mの自動運転制御を行う(S114)。
本実施形態は以上のように構成され、この自動運転システム100において走行制御部17は、第1走行計画及び第2走行計画のうち選択部16で選択された走行計画に基づいて車両Mの自動運転制御を行う。ここで、第1計画部14aは、位置認識部11、環境認識部12及び車両状態認識部13における全ての認識結果を用いて第1走行計画を生成する。このため、例えば、位置認識部11、環境認識部12及び車両状態認識部13のいずれかの認識結果の信頼度が低下した場合、これらの結果を全て用いて生成される第1走行計画の信頼度が低下する。
一方、第2計画部15aは、第1計画部14aよりも少ない種類の認識結果に基づいて第2走行計画を生成する。具体的には、第2計画部15aは、位置認識部11及び環境認識部12の認識結果を用いずに、車両状態認識部13の認識結果に基づいて第2走行計画を生成する。第2走行計画は第1走行計画よりも少ない種類の認識結果に基づいて生成されるため、信頼度が低下した認識結果を用いずに第2走行計画を生成している場合には、認識結果の信頼度の低下の影響を受けることなく、第2走行計画が生成される。このようにして第2走行計画が生成される場合、信頼度が低下した認識結果を用いていないため、認識結果の信頼度の低下に起因して第2走行計画の信頼度が低下することはない。具体的には、位置認識部11の認識結果及び環境認識部12の認識結果の信頼度が低下したとしても、これらの認識結果を用いずに第2走行計画が生成されているため、第2走行計画の生成に関して信頼度の低下の影響を受けることが無い。
このため、位置認識部11、環境認識部12及び車両状態認識部13のいずれかの認識結果の信頼度の低下に伴って第1走行計画の信頼度が低下し、第1走行計画に基づく自動運転制御が困難となってドライバに運転操作を引き継ぐ状況が生じた場合、選択部16によって第2走行計画が選択される。このように、第1走行計画に基づく自動運転制御が困難となってドライバに運転操作を引き継ぐ状況が生じたとしても、ドライバが運転操作を引き継ぐまでの間、第2走行計画に基づいて車両Mの自動運転制御が継続される。そしてドライバは、第2走行計画に基づいて車両が走行している間に、運転操作を引き継ぐことができる。
ここで、第1走行計画の信頼度が低下して第2走行計画が選択されたとしても、第1走行計画に基づいた走行が許容可能であるとドライバが判断する場合がある。このため、提示部8bは、選択部16によって第2走行計画が選択されている場合に、第1走行計画を提示する。これにより、ドライバは、第1走行計画が許容できるか否かを判断することができる。入力部8aは、ドライバによって行われる第1走行計画の選択の入力操作を受け付ける。第1走行計画の選択の入力操作が受け付けられた場合、選択部16は、第2走行計画に代えて第1走行計画を選択する。これにより、走行制御部17は、第2走行計画に代えて第1走行計画に基づいて車両Mの自動運転制御を行う。以上のように、第1走行計画が許容可能であるためドライバが第1走行計画の選択の入力操作を行った場合、第1走行計画に基づく自動運転制御が行われる。このように、第1走行計画に基づく自動運転制御が再開されるので、第1走行計画に基づく自動運転制御が終了することに伴ってドライバが手動運転を行う頻度の増加を抑制できる。
(第1変形例)
次に、第1変形例として、第2演算部15における第2走行計画の生成方法の変形例、及び第2信頼度算出部15bにおける第2走行計画の信頼度の算出の変形例について説明する。第1変形例において、第2計画部15aは、位置認識部11で認識された車両Mの位置、環境認識部12で認識された周辺環境、車両状態認識部13で認識された車両Mの状態、及び地図データベース4の地図情報に基づいて、ナビゲーションシステム5により設定された目標ルートに沿って走行するように車両Mの第2走行計画を生成する。なお、第2計画部15aは、第2走行計画を生成する際に、第1走行計画よりも単位時間当たりの車両Mの加減速度の変化量及び操舵の変化量の少なくとも一方が小さくなるように第2走行計画を生成する。すなわち、第2走行計画は、第1走行計画と比較して車両Mの動きが大きく変化しない走行計画となる。
第2信頼度算出部15bは、位置認識部11で認識された車両Mの位置の信頼度、環境認識部12で認識された車両Mの周辺環境の認識の信頼度、車両状態認識部13で認識された車両Mの状態の認識の信頼度、及び第2計画部15aで生成された第2走行計画の少なくともいずれかに基づいて第2走行計画の信頼度を算出する。この第2信頼度算出部15bで行われる第2走行計画の信頼度の算出は、実施形態における第1信頼度算出部14bと同様に算出することができる。更に、第2信頼度算出部15bは、算出した第2走行計画の信頼度に対して補正を行い、補正後の第2走行計画の信頼度を第2走行計画における信頼度とする。また、第2信頼度算出部15bは、第2走行計画の信頼度の補正を行う際に、第2走行計画の信頼度が小さくなるように補正を行う。例えば、第2信頼度算出部15bは、算出した第2走行計画の信頼度に対して所定の係数を用いて補正を行うことによって第2走行計画の信頼度を算出してもよい。
第1変形例に示す場合において、第2計画部15aは、第1計画部14aと同じ認識結果を用いるものの、第1走行計画よりも単位時間当たりの車両Mの加減速度の変化量及び操舵の変化量の少なくとも一方が小さい第2走行計画を生成する。すなわち、第2計画部15aは、第1走行計画と比べて、車両Mの状態を大きく変化させずに車両Mを走行させる第2走行計画を生成する。
車両Mの状態を大きく変化させない場合には、例えば、車両Mの状態を大きく変化させる場合と比べて車両Mの周辺環境の認識精度が低くても走行計画を生成できる。このため、第2計画部15aは、第1計画部14aが第1走行計画を生成する場合と比べて、位置認識部11、環境認識部12及び車両状態認識部13における認識結果の信頼度が低くても第2走行計画を生成することができる。また、認識結果の信頼度が低くても第2走行計画の生成を行うことができるため、認識結果の信頼度が低下したとしても、第1走行計画と比べて第2走行計画の信頼度に与える影響は小さい。このようにして、第2計画部15aにおける第2走行計画の生成、及び第2信頼度算出部15bにおける第2走行計画の信頼度の算出を行うことができる。
(第2変形例)
次に、第2変形例として、第2演算部15における第2走行計画の生成方法の変形例、及び第2信頼度算出部15bにおける第2走行計画の信頼度の算出の変形例について説明する。第2変形例において、第2計画部15aは、第1計画部14aで生成された過去の第1走行計画に基づいて第2走行計画を生成する。
ここで、第2計画部15aが過去の第1走行計画に基づいて第2走行計画を生成する第1の例について説明する。第2計画部15aは、第1演算部14から第1走行計画及び第1走行計画の信頼度をこれらが生成及び算出される毎に取得する。そして、第2計画部15aは、取得した第1走行計画の信頼度が所定の値以下となる直前の第1走行計画を第2走行計画として用いる。また、第2信頼度算出部15bは、第2計画部15aによって第2走行計画として用いられた第1走行計画の信頼度を補正し、補正した第1走行計画の信頼度を第2走行計画の信頼度とすることができる。
なお、第2走行計画は、過去に生成された第1走行計画を用いて生成されるため、第2走行計画の信頼度は、第2走行計画を生成する際に用いた第1走行計画の信頼度よりも低くなる。このため、第2信頼度算出部15bは、第2走行計画を生成するために用いられた第1走行計画の信頼度に対し、所定の補正係数を乗算する等によって信頼度が低くなるように補正し、補正後の第1走行計画の信頼度を第2走行計画の信頼度とする。なお、第1走行計画の信頼度を低く補正する際に、現在から時間が経過しているほど(古いほど)、信頼度が低くなるように補正してもよい。
次に、第2計画部15aが過去の第1走行計画に基づいて第2走行計画を生成する第2の例について説明する。第2計画部15aは、第1演算部14から第1走行計画及び第1の走行計画の信頼度をこれらが生成及び算出される毎に取得する。第2計画部15aは、現在から所定時間前までの間に取得された第1走行計画の信頼度のうち、最も信頼度が高い第1走行計画を第2走行計画として用いる。なお、第2計画部15aは、時間経過に伴って値が小さくなるように第1走行計画の信頼度を補正し、補正後の信頼度が最も高い第1走行計画を第2走行計画として用いてもよい。
第2信頼度算出部15bは、第2走行計画として用いられた第1走行計画の信頼度が低くなるように補正し、補正した第1走行計画の信頼度を第2走行計画の信頼度とすることができる。なお、第1走行計画の信頼度を低く補正する際に、現在から時間が経過しているほど(古いほど)、信頼度が低くなるように補正してもよい。
なお、過去の第1走行計画に基づいて第2走行計画を生成する例として、第1の例及び第2の例を示したが、過去の第1走行計画に基づいていれば、これら以外の方法によって第2走行計画を生成してもよい。
第2変形例に示す場合において、第2計画部15aは、第1計画部14aで過去に生成された第1走行計画に基づいて第2走行計画を生成する。また、第2信頼度算出部15bは、過去に生成された第1走行計画の信頼度に基づいて第2走行計画の信頼度を算出するため、位置認識部11における認識結果等の信頼度が低下しても、第2走行計画の信頼度は即座には低下しない。このため、位置認識部11における認識結果等の信頼度が低下することに伴って第1走行計画の信頼度が低下した場合には、選択部16によって第2走行計画が選択される。このようにして算出された第2走行計画の信頼度と、第1走行計画の信頼度とを用いて、選択部16は、自動運転制御に用いる走行計画を選択することができる。
なお、第2変形例において第2計画部15aは、過去の第1走行計画をそのまま第2走行計画としても用いるのではなく、単位時間当たりの車両Mの加減速度の変化量及び操舵の変化量の少なくとも一方が小さくなるように第1走行計画を補正し、補正後の第1走行計画を第2走行計画としてもよい。
以上、本発明の実施形態及び種々の変形例ついて説明したが、本発明は、上記実施形態及び種々の変形例に限定されるものではない。例えば、図4に示す自動運転システム100Aにおいて選択部16Aは、入力部8aに代えて、操作検出部9の検出結果に基づいて第1走行計画を選択してもよい。なお、図4に示す自動運転システム100Aにおいて、図1に示す自動運転システム100と同一構成要素については同一符号を付して説明を省略する。選択部16Aは、第1走行計画の信頼度と第2走行計画の信頼度とを比較することによって第2走行計画を選択したあと、提示部8bにおいて第1走行計画が提示されているときに、ドライバが第1走行計画に沿った運転操作(アクセル操作、ブレーキ操作、操舵)を行ったか否かを操作検出部9の検出結果に基づいて判定する。例えば、図2に示す例では、ドライバが右方向に操舵を行ったことが操作検出部9の舵角センサによって検出された場合に、選択部16Aは、ドライバが第1走行計画に沿った運転操作を行ったと判定する。ドライバが、提示部8bに表示されている第1走行計画に沿った運転操作を行った場合とは、ドライバが第1走行計画を許容可能であると判断したといえる。このため、選択部16Aは、提示部8bにおいて第1走行計画が提示されているときに、ドライバが第1走行計画に沿った運転操作を行ったことが操作検出部9によって検出された場合に、第2走行計画に代えて第1走行計画を選択する。これにより、走行制御部17は、第1走行計画に基づいて車両Mの自動運転制御を行う。
なお、実施形態において、第2計画部15aは、車両状態認識部13で認識された車両Mの状態に基づいて、車両Mの第2走行計画を生成したが、車両状態認識部13の認識結果のみを用いて第2走行計画を生成することに限定されない。例えば、第2計画部15aは、位置認識部11で認識された車両Mの位置、環境認識部12で認識された車両Mの周辺環境、及び車両状態認識部13で認識された車両Mの状態のうち、1つ又は2つに基づいて第2走行計画を生成してもよい。そして、第2信頼度算出部15bは、位置認識部11で認識された車両Mの位置、環境認識部12で認識された車両Mの周辺環境、及び車両状態認識部13で認識された車両Mの状態のうち、第2計画部15aが第2走行計画を生成する際に用いた認識結果の信頼度、及び第2走行計画の少なくともいずれかに基づいて第2走行計画の信頼度を算出してもよい。
なお、選択部16,16Aによって第2走行計画が選択されている場合に提示制御部18が提示部8bを通じて表示する表示画像は、第1走行計画の経路の形状等、第1走行計画の具体的な情報を表示する画像であってもよく、第2走行計画が選択される原因となったもの(図2の例では車両X)を強調表示してもよい。また、提示制御部18は、第2走行計画が選択されている場合に第1走行計画についても提示する際に、第1走行計画の信頼度が所定の閾値以上の場合のみ、第2走行計画と合わせて第1走行計画を提示してもよい。
また、実施形態及び種々の変形例において、第1計画部14aは、位置認識部11で認識された車両Mの位置を用いずに、車両Mの位置以外の認識結果に基づいて第1走行計画を生成してもよい。