JP2022149335A - エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】気体燃料と空気との混合気体における気体燃料分布の均一性を向上できるエンジンを提供する。【解決手段】エンジン1は、燃焼室61を有し、給気通路63を流れる空気と混合された気体燃料を燃焼させて動力を発生する。エンジン1は、気体燃料供給部55を備える。気体燃料供給部55は、給気通路63を介して燃焼室61に気体燃料を供給する。気体燃料供給部55は、給気通路63に突き出ている筒体80を含む。筒体80は、流路82と、噴射口83と、空気導入口84とを有する。流路82には、気体燃料が流れる。噴射口83から、気体燃料が噴射される。空気導入口84は、噴射口83よりも気体燃料の流れの上流に位置する。空気導入口84は、流路82に、少なくとも空気を導入する。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンに関する。
特許文献1に記載されている空燃比制御装置では、目標空燃比設定手段によって、定常運転状態において、アクセル開度及びエンジン回転数のすべての領域で目標空燃比として理論空燃比よりもリーン側のものが設定され、供給制御手段により目標空燃比に基づいた量の空気及び水素ガスが各気筒に供給されるように制御される。従って、供給された水素ガスを各気筒ですべて燃焼させることができる。その結果、未燃水素の排気通路への流出を確実に防止することができ、アフタバーンの発生およびエミッションの増大を確実に防止することができる。
特開平6-88542号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている空燃比制御装置では、空燃比の制御方法についてのみ言及されており、空気と水素との混合気体において、水素と空気とが均一に混合せずに、水素濃度に空間的偏りが発生する可能性がある。つまり、混合気体において、水素分布の均一性が低下する可能性がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、気体燃料と空気との混合気体における気体燃料分布の均一性を向上できるエンジンを提供することにある。
本発明の一局面によれば、エンジンは、燃焼室を有し、給気通路を流れる空気と混合された気体燃料を燃焼させて動力を発生する。エンジンは、気体燃料供給部を備える。気体燃料供給部は、前記給気通路を介して前記燃焼室に前記気体燃料を供給する。前記気体燃料供給部は、前記給気通路に突き出ている筒体を含む。前記筒体は、流路と、噴射口と、空気導入口とを有する。流路には、前記気体燃料が流れる。噴射口から、前記気体燃料が噴射される。空気導入口は、前記噴射口よりも前記気体燃料の流れの上流に位置する。空気導入口は、前記流路に、少なくとも前記空気を導入する。
本発明によれば、気体燃料と空気との混合気体における気体燃料分布の均一性を向上できるエンジンを提供できる。
本発明の実施形態1に係るエンジンシステムの構成を示す模式図である。 実施形態1に係る水素燃料供給部及びシリンダーブロックの一部を示す断面図である。 (a)は、実施形態1に係る水素燃料供給部のスリーブを示す斜視図である。(b)は、実施形態1に係る水素燃料供給部のスリーブを示す縦断面図である。 (a)は、本発明の実施形態2に係る水素燃料供給部のスリーブを示す斜視図である。(b)は、実施形態2に係る水素燃料供給部のスリーブを示す縦断面図である。 (a)は、本発明の実施形態3に係る水素燃料供給部のスリーブを示す斜視図である。(b)は、実施形態3に係る水素燃料供給部のスリーブを示す縦断面図である。 (a)は、本発明の実施形態4に係る水素燃料供給部のスリーブを示す斜視図である。(b)は、実施形態4に係る水素燃料供給部のスリーブを示す縦断面図である。 (a)は、本発明の実施形態5に係る水素燃料供給部のスリーブ及び攪拌部材を示す斜視図である。(b)は、実施形態5に係る水素燃料供給部のスリーブ及び攪拌部材を示す縦断面図である。 本発明の実施形態6に係る水素燃料供給部のスリーブ及び攪拌部材を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
(実施形態1)
まず、図1を参照して、本発明の実施形態1に係るエンジンシステム100を説明する。図1は、エンジンシステム100の構成を示す模式図である。図1に示すエンジンシステム100は、気体燃料を燃焼させて動力を発生する。気体燃料は、特に限定されないが、例えば、水素、アンモニア、又は、天然ガスである。天然ガスは、例えば、気化された液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)である。エンジンシステム100は、例えば、乗り物に搭載されるか、建造物内に設置されるか、又は、屋外に設置される。乗り物は、例えば、船舶、自動車、鉄道車両、又は、飛行機である。
以下、本明細書において、気体燃料として、水素燃料を例に挙げて説明する。また、エンジンシステム100が搭載される乗り物として、船舶200を例に挙げて説明する。なお、本明細書において、船舶200を「乗り物」と読み替え、水素燃料を「気体燃料」と読み替え、水素を「燃料気体」又は「燃料」と読み替えることができる。
図1に示すように、船舶200は、エンジンシステム100を備える。エンジンシステム100は、水素燃料を燃焼させて動力を発生する。
エンジンシステム100は、エンジン1と、液化水素タンク3と、気化器5と、水素燃料調整部7と、水素燃料供給管9と、過給機11と、インタークーラー13と、給気管15と、給気マニホールド17と、排気管19とを備える。
エンジン1は、水素燃料を燃焼させて動力を発生する。
水素燃料供給管9は、気体状態の水素燃料をエンジン1に供給する。具体的には、液化水素タンク3、気化器5、及び、水素燃料調整部7が、この順番で、上流から下流に向かって配置される。
液化水素タンク3は、液体状態の水素燃料である液体水素燃料を貯留する。液化水素タンク3は、水素燃料の供給源である。気化器5は、液化水素タンク3の下流に配置される。気化器5は、液化水素タンク3から供給される液体水素燃料を気化して、気体状態の水素燃料を水素燃料供給管9に供給する。なお、水素燃料は、圧縮された高圧ガスとして保管及び貯留されてもよい。この場合、例えば、エンジンシステム100は、液化水素タンク3に代えて、圧縮された高圧ガスとしての水素燃料を貯留する圧縮水素タンクを備え、気化器5を備えない。
水素燃料調整部7は、水素燃料供給管9を流れる水素燃料の流量を調整する。水素燃料調整部7は、気化器5の下流において、水素燃料供給管9に配置される。
水素燃料調整部7による水素燃料の流量の調整は、流量を連続的又は段階的に増減させることだけでなく、流量をゼロにすることを含む。水素燃料調整部7は、少なくとも、水素燃料供給管9の流路を開いた状態と閉じた状態とを切り替えることができればよい。
水素燃料調整部7は、例えば、ガスバルブユニット(GVU:Gas Valve Unit)である。ガスバルブユニットは、例えば、複数のバルブ、複数の配管、単数又は複数のガスフィルター、及び、単数又は複数のガスレギュレーターを含む。ガスバルブユニットにおいて、例えば、1以上のバルブによって、調圧バルブが構成される。
給気管15は、過給機11、インタークーラー13、及び、給気マニホールド17を介して、エンジン1の外部の空気をエンジン1に供給する。つまり、給気管15は給気通路151を有する。そして、給気通路151を空気が流れ、空気がエンジン1に供給される。
具体的には、過給機11及びインタークーラー13が、この順番で、給気の上流から下流に向かって配置される。過給機11は、大気圧よりも大きい圧力の空気を、エンジン1に供給する。具体的には、過給機11は、給気管15を流れる空気を圧縮して、大気圧よりも大きい圧力の空気を給気管15に流す。以下、「圧縮された空気」は、大気圧よりも大きい圧力の空気を示す。
インタークーラー13は、過給機11によって圧縮された空気を冷却して、給気マニホールド17に供給する。給気マニホールド17は、エンジン1に対して、圧縮及び冷却された空気を供給する。つまり、給気マニホールド17は給気通路171を有する。そして、エンジン1に対して、給気通路171を介して圧縮及び冷却された空気が供給される。具体的には、エンジン1は、複数の気筒1aを有する。図1には、図面の簡略化のために、1つの気筒1aが図示されている。そして、給気マニホールド17は、圧縮及び冷却された空気を各気筒1aに供給する。なお、エンジン1は、1つの気筒1aを有していてもよい。この場合、給気マニホールド17は省略可能である。
排気管19には、エンジン1から排出される排気ガスが流れる。つまり、排気管19は、排気ガスをエンジン1の外部に排出する。具体的には、排気管19は排気通路191を有する。そして、排気通路191を排気ガスが流れ、排気ガスがエンジン1から排出される。
排気ガスは過給機11によって利用される。具体的には、過給機11は、タービン111と、コンプレッサー112とを含む。タービン111は排気管19に配置され、コンプレッサー112は給気管15に配置される。タービン111は、排気管19を流れる排気ガスによって回転し、回転力をコンプレッサー112に伝達する。そして、コンプレッサー112は、タービン111の回転力によって駆動され、給気管15を流れる空気を圧縮して、大気圧よりも大きい圧力の空気を生成する。
エンジン1は、シリンダーヘッド51、シリンダーブロック52、給気バルブ53、排気バルブ54、水素燃料供給部55、着火誘引部56、ピストン58、コネクティングロッド59、クランクシャフト60、及び、エンジン回転数検知部62を含む。また、エンジン1は燃焼室61を有する。燃焼室61は、シリンダーブロック52に形成される。燃焼室61は、シリンダーヘッド51とピストン58との間の空間である。
シリンダーヘッド51は、シリンダーブロック52の上部に固定される。シリンダーヘッド51は、給気通路63及び排気通路64を有する。
給気通路63の入口には、給気マニホールド17が接続される。従って、給気通路63には、給気マニホールド17の給気通路171から、圧縮及び冷却された空気が供給される。給気通路63の出口は、燃焼室61に接続される。
水素燃料供給部55は、シリンダーヘッド51に配置される。そして、水素燃料供給部55は、水素燃料供給管9から供給される水素燃料を給気通路63に供給することで、給気通路63を介して燃焼室61に水素燃料を供給する。例えば、水素燃料供給部55は、給気通路63に対して水素燃料を供給する。
具体的には、水素燃料は、給気マニホールド17の給気通路171から供給される空気と混合されて、燃焼室61に供給される。つまり、水素燃料と空気との混合気体が燃焼室61に供給される。水素燃料供給部55は、例えば、ガスアドミッションバルブ(GAV:Gas Admission Valve)、又は、ガスインジェクター(Gas Injector)を含む。
更に具体的には、給気通路63の出口には、給気バルブ53が配置される。給気バルブ53は、給気通路63の出口を、開いたり、閉じたりする。給気バルブ53が給気通路63の出口を開くと、水素燃料と空気との混合気体が燃焼室61に供給される。詳細には、給気バルブ53が開いた時に、水素燃料供給部55は、水素燃料を給気通路63に噴射することで、給気通路63を介して燃焼室61に水素燃料を供給する。
水素燃料供給部55は、本発明の「気体燃料供給部」の一例に相当する。
なお、例えば、水素燃料供給部55は、給気マニホールド17に配置されてもよい。この場合は、水素燃料供給部55は、給気マニホールド17の給気通路171に水素燃料を供給することで、給気通路171及び給気通路63を介して水素燃料を燃焼室61に供給する。又は、例えば、水素燃料供給部55は、インタークーラー13よりも下流において給気管15に配置されてもよい。この場合は、水素燃料供給部55は、給気管15の給気通路151に水素燃料を供給することで、給気通路151、給気通路171、及び、給気通路63を介して水素燃料を燃焼室61に供給する。
排気通路64の入口は燃焼室61に接続される。排気通路64の出口は排気管19に接続される。従って、燃焼室61からの排気ガスは、排気通路64を通って排気管19に排出される。具体的には、排気通路64の入口には、排気バルブ54が配置される。排気バルブ54は、排気通路64の入口を、開いたり、閉じたりする。排気バルブ54が排気通路64の入口を開くと、排気ガスが排気通路64を通って排気管19に排出される。
着火誘引部56は、水素燃料の着火を誘引する液体燃料を、燃焼室61に噴射する。着火誘引部56が噴射する液体燃料の噴射量は、水素燃料の着火を誘引できる程度の少量である。以下、着火誘引部56が噴射する液体燃料を「パイロット燃料」と記載する場合がある。例えば、着火誘引部56は、パイロット燃料を噴射する。パイロット燃料は、例えば、軽油又は重油である。着火誘引部56は、例えば、パイロット燃料インジェクターである。パイロット燃料インジェクターは、例えば、パイロット燃料噴射弁である。また、着火誘引部56は、例えば、火花又はレーザーで点火を行う「点火プラグ」であってもよい。
シリンダーブロック52は、気筒1aを構成する。シリンダーブロック52は、ピストン58、コネクティングロッド59、及び、クランクシャフト60を収容する。ピストン58は、シリンダーブロック52の内部を上下に往復運動する。コネクティングロッド59は、ピストン58とクランクシャフト60とを連結する。そして、コネクティングロッド59は、ピストン58の往復運動をクランクシャフト60に伝達する。クランクシャフト60は、ピストン58の往復運動を回転運動に変換する。
例えば、ピストン58が下降し、排気バルブ54が閉じた状態で給気バルブ53が開くと、水素燃料と空気との混合気体が給気通路63から燃焼室61に供給される。つまり、水素燃料供給部55は、給気バルブ53が開くタイミングで、水素燃料を噴射する。次に、排気バルブ54及び給気バルブ53が閉じた状態で、ピストン58が上昇する。次に、ピストン58の上死点において、着火誘引部56がパイロット燃料を噴射し、水素燃料が着火して燃焼する。その結果、燃焼によってピストン58は下降する。次に、ピストン58が上昇し、給気バルブ53が閉じた状態で排気バルブ54が開く。その結果、排気ガスが燃焼室61から排気通路64に排出される。
エンジン回転数検知部62は、エンジン1の単位時間当たりの回転数を検知する。エンジン回転数検知部62は、例えば、エンジン回転数センサーである。エンジン回転数センサーは、例えば、センサーとパルス発生器とにより構成され、クランクシャフト60の回転に応じてパルス信号を発生する。
以上、図1及び図2を参照して説明したように、エンジン1は、燃焼室61を有し、給気通路63を流れる空気と混合された水素燃料を燃焼させて動力を発生する。
次に、図2を参照して、水素燃料供給部55及びシリンダーヘッド51を説明する。図2は、水素燃料供給部55及びシリンダーブロック52の一部を示す断面図である。なお、図2では、給気通路63が略逆U字状に湾曲している例を示している。ただし、空気が流れることが可能である限りは、給気通路63の形状は特に限定されない。また、給気マニホールド17(図1)の位置及び形状は特に限定されず、給気マニホールド17の給気通路171と給気通路63とが連通されていればよい。
図2に示すように、水素燃料供給部55は、水素燃料供給管9の下流端に接続される。
水素燃料供給部55は、例えば、バルブ70と、スリーブ80とを含む。図2は、バルブ70が開いた状態を示している。バルブ70は、例えば、ガスアドミッションバルブ(GAV)である。
スリーブ80は、給気通路63に突き出ている。スリーブ80は、略筒状である。例えば、スリーブ80は、略円筒状である。スリーブ80は、本発明の「筒体」の一例に相当する。
例えば、バルブ70は、シリンダーヘッド51の上部に配置される。バルブ70の上流側には、水素燃料供給管9の下流端が接続される。一方、バルブ70の下流側には、スリーブ80が接続される。スリーブ80は、バルブ70の下流側から給気通路63に向かって延びる。そして、スリーブ80は、シリンダーヘッド51を貫通し、給気通路63に突き出ている。
バルブ70は、開いた状態において、水素燃料供給管9の流路99とエンジン1の給気通路63との間を連通状態にする。具体的には、バルブ70が開いた状態では、バルブ70の流路73を介して、水素燃料供給管9の流路99とスリーブ80の流路82とが連通する。従って、バルブ70が開くと、水素燃料供給管9内の水素燃料は、スリーブ80から給気通路63に供給される。つまり、スリーブ80は、水素燃料を給気通路63に噴射する。
一方、バルブ70は、閉じた状態において、水素燃料供給管9の流路99とエンジン1の給気通路63との間を遮断状態にする。具体的には、バルブ70が閉じた状態では、流路73が遮断される。従って、バルブ70が閉じると、水素燃料供給管9からスリーブ80への水素燃料の供給が停止される。その結果、スリーブ80から給気通路63への水素燃料の供給が停止される。つまり、スリーブ80は、水素燃料の噴射を停止する。
例えば、バルブ70は、ハウジング71と、駆動体72とを含む。ハウジング71は、流路73を有する。流路73は、水素燃料供給管9の流路99に接続される。駆動体72は、ハウジング71内を開方向D1及び閉方向D2に移動することで、流路73を開閉する。開方向D1は、例えば、鉛直上方向を示す。閉方向D2は、例えば、鉛直下方向を示す。
具体的には、駆動体72は、開方向D1に移動することで、流路73を開放する。従って、水素燃料供給管9の流路99が流路73を介してスリーブ80の流路82に連通する。その結果、水素燃料供給管9からの水素燃料が、流路73を通って流路82に流れ、スリーブ80から噴射される。一方、駆動体72は、閉方向D2に移動することで、流路73を閉塞する。つまり、流路73が遮断される。従って、水素燃料は、スリーブ80から噴射されない。
引き続き図2を参照して、スリーブ80の詳細を説明する。図2では、説明の便宜上、給気通路63において空気G2に着目し、給気通路63における気流を「曲がった矢印」によって示している。また、水素燃料G1の流れを「一点鎖線の矢印」によって示している。さらに、水素燃料G1と空気G2との混合気体G3を「破線の矢印」によって示している。
スリーブ80は、流路82と、噴射口83と、空気導入口84とを有する。具体的には、スリーブ80は、突出部81と、基部89とを有する。基部89は、略筒状(例えば略円筒状)である。基部89の上流端はバルブ70に接続される。基部89は、例えば、シリンダーヘッド51の内部に位置する。突出部81は、基部89の下流端から給気通路63に突き出ている。そして、突出部81に、空気導入口84が配置される。また、突出部81の下流端に、噴射口83が配置される。スリーブ80は、例えば、一体成型品である。スリーブ80は、例えば、金属製又はセラミック製である。
突出部81は、本発明の「筒体のうち給気通路に突き出ている部分」の一例に相当する。
バルブ70が開状態になると、スリーブ80の流路82には、水素燃料G1が流れる。その結果、噴射口83から給気通路63に水素燃料G1が噴射される。具体的には、空気導入口84が、噴射口83よりも水素燃料G1の流れの上流に位置する。そして、空気導入口84は、スリーブ80(具体的には突出部81)の流路82に、少なくとも空気G2を導入する。
従って、実施形態1によれば、スリーブ80(具体的には突出部81)の流路82において水素燃料G1が空気G2によって攪拌される。そして、水素燃料G1と空気G2との混合気体G3が噴射口83から給気通路63に噴射される。実施形態1では、水素燃料G1を空気G2によって攪拌できるので、水素燃料G1と空気G2との混合気体G3における水素燃料分布の均一性を向上できる。つまり、混合気体G3において、水素が略均一に分布して、水素濃度に空間的偏りが発生することを抑制できる。ひいては、給気通路63に噴射された混合気体G3が、給気通路63を流れる空気G2によって更に攪拌される。従って、水素燃料分布の均一性が更に高い混合気体を、給気通路63から燃焼室61(図1)に供給できる。よって、燃焼室61において均一燃焼が可能となり、未燃の水素燃料が排気管19に流出することが抑制できる。その結果、排気管19内で未燃の水素燃料が燃焼することを抑制できる。
ここで、噴射口83から噴射される混合気体G3の水素濃度は、給気通路63から燃焼室61(図1)に供給される混合気体の水度濃度よりも高い。なぜなら、噴射口83から噴射される混合気体G3は、給気通路63を流れる空気G2によって希釈されるからである。
すなわち、実施形態1では、スリーブ80は、突出部81の流路82内で水素燃料G1と空気G2とを攪拌して、高濃度の混合気体G3を生成する。そして、スリーブ80は、高濃度の混合気体G3を噴射口83から給気通路63に噴射する。更に、給気通路63において、高濃度の混合気体G3が空気G2によって攪拌され、水素燃料分布の均一性が高い低濃度の混合気体が生成される。そして、水素燃料分布の均一性が高い低濃度の混合気体が燃焼室61に供給される。
また、実施形態1では、空気導入口84は、給気通路63における空気G2の流れの上流に向かって開口する。従って、突出部81の流路82内に、空気導入口84から空気G2を効果的に導入できる。
更に、実施形態1では、給気通路63において空気G2の流速に分布が存在する場合、空気導入口84は、給気通路63のうちの流速が小さい箇所と流速が大きい箇所とのうち、流速が大きい箇所に位置する。従って、空気導入口84から、流速の大きな空気G2が突出部81の流路82に導入される。その結果、突出部81の流路82内において、水素燃料G1と空気G2とをより効果的に攪拌できる。
例えば、断面視において、給気通路63に供給される空気G2のうち、給気通路63の外縁632側の空気GAの流速が最も大きく、給気通路63の内縁631側の空気GCの流速が最も小さく、給気通路63の中央部の空気GBの流速が中程度である。従って、断面視において、空気導入口84は、給気通路63の外縁632側に位置することが好ましい。
具体的には、給気通路63が湾曲している場合、空気導入口84は、給気通路63内の湾曲内側C1と湾曲外側C2とのうち、給気通路63内の湾曲外側C2に位置する。従って、給気通路63内で湾曲外側C2を流れる流速の大きい空気GAを、空気導入口84から突出部81の流路82に導入できる。その結果、突出部81の流路82内において、水素燃料G1と空気GAとをより効果的に攪拌できる。
なお、「給気通路63内の湾曲外側C2」は、給気通路63内の位置であって、断面視において湾曲外縁632aの近傍を示す。湾曲外縁632aは外縁632の一部である。また、「給気通路63内の湾曲内側C1」は、給気通路63内の位置であって、断面視において湾曲内縁631aの近傍を示す。湾曲内縁631aは内縁631の一部である。
次に、図3を参照してスリーブ80の詳細を説明する。図3(a)は、スリーブ80の突出部81を示す斜視図である。図3(b)は、突出部81を示す縦断面図である。
図3(a)に示すように、スリーブ80の突出部81は、例えば、略円筒状である。突出部81は空気導入口84を有する。空気導入口84は、突出部81の周面810に設けられる。また、突出部81は、噴射口83が位置する端部A1と、端部A1に対して反対側の端部A2とを有する。そして、空気導入口84は、端部A1と端部A2との間に設けられる。なお、実際には、スリーブ80が一体成型品である場合、端部A2は、基部89(図2)と突出部81との境界を示し、「エッジ」として明確に存在しない。
空気導入口84は、突出部81を貫通する。スリーブ80の流路82は、空気導入口84を介して突出部81の外部空間と連通する。つまり、流路82は空気導入口84を介して給気通路63(図2)と連通する。空気導入口84は、例えば、略矩形状である。
図3(b)に示すように、突出部81の流路82には、バルブ70(図2)から水素燃料G1が供給される。一方、空気導入口84は、給気通路63(図2)において、空気G2の流れの上流に向かって開口する。そして、空気導入口84は、空気G2を流路82に導入する。従って、流路82において水素燃料G1を空気G2によって攪拌できる。その結果、水素燃料G1と空気G2との混合気体G3が生成される。そして、混合気体G3が噴射口83から給気通路63に噴射される。
(実施形態2)
図4を参照して本発明の実施形態2に係るエンジン1のスリーブ80を説明する。実施形態2に係るスリーブ80の突出部81Aが湾曲している点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図4(a)は、スリーブ80の突出部81Aを示す斜視図である。図4(b)は、突出部81Aを示す縦断面図である。
図4(a)に示すように、突出部81Aは、直線状部811と、湾曲部812とを有する。直線状部811は、突出部81Aのうち、水素燃料G1の流れの上流側の部分である。直線状部811は略直線状に延びる。湾曲部812は、突出部81Aのうち、水素燃料G1の流れの下流側の部分である。湾曲部812は湾曲している。空気導入口84は湾曲部812に設けられる。空気導入口84は、例えば、略円形状である。
図4(b)に示すように、突出部81Aの流路82には、バルブ70(図2)から水素燃料G1が供給される。そして、水素燃料G1は直線状部811から湾曲部812に向かって流れる。
具体的には、湾曲部812の流路82において、湾曲内側ほど水素燃料G1の圧力は低い。湾曲内側ほど水素燃料G1の流速が小さいからである。例えば、流路82において湾曲内側の水素燃料G11の圧力が最も低く、流路82において湾曲外側の水素燃料G13の圧力が最も高く、流路82において中央部の水素燃料G12の圧力は中程度である。
そして、実施形態2では、空気導入口84は、湾曲部812における湾曲の内側部分S1と、湾曲部812における湾曲の外側部分S2とのうち、湾曲の内側部分S1に位置する。従って、空気導入口84は、流路82のうちの水素燃料G11の圧力の低い部分と、突出部81Aの外部空間(つまり、図2の給気通路63)とを連通する。よって、突出部81Aの流路82への空気G2の導入を促進できる。その結果、流路82において水素燃料G1が空気G2によってより効果的に攪拌されて、混合気体G3が噴射される。
(実施形態3)
図5を参照して本発明の実施形態3に係るエンジン1のスリーブ80を説明する。実施形態3に係るスリーブ80の突出部81Bが水素燃料放出口85を有している点で、実施形態3は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図5(a)は、スリーブ80の突出部81Bを示す斜視図である。図5(b)は、突出部81Bを示す縦断面図である。
図5(a)に示すように、スリーブ80の突出部81Bは、例えば、略円筒状である。突出部81Bは、水素燃料放出口85を有する。水素燃料放出口85は、端部A1と端部A2との間において、突出部81の周面810に設けられる。
水素燃料放出口85は、突出部81を貫通する。スリーブ80の流路82は、水素燃料放出口85を介して突出部81の外部空間と連通する。つまり、流路82は水素燃料放出口85を介して給気通路63(図2)と連通する。水素燃料放出口85は、例えば、略矩形状である。
具体的には、水素燃料放出口85は、空気導入口84よりも水素燃料G1の流れの上流に位置する。また、図5(a)の例では、水素燃料放出口85と空気導入口84とは、突出部81Bの周面810において流路82に沿って同じ側に設けられる。例えば、水素燃料放出口85と空気導入口84とは、周面810において略一直線上に設けられる。
水素燃料放出口85は、本発明の「気体燃料放出口」の一例に相当する。
図5(b)に示すように、突出部81Bの流路82には、バルブ70(図2)から水素燃料G1が供給される。一方、図5(b)の例では、水素燃料放出口85は、給気通路63(図2)において、空気G2の流れの上流に向かって開口する。そして、水素燃料放出口85は、流路82から水素燃料G1の一部G11を放出する。その結果、突出部81Bへの流入時の水素燃料G1よりも減圧された水素燃料G12が噴射口83に向かって流れる。従って、水素燃料放出口85よりも下流に位置する空気導入口84から突出部81Bの流路82への空気G2の導入を促進できる。その結果、流路82において水素燃料G1が空気G2によってより効果的に攪拌されて、混合気体G3が噴射される。
また、水素燃料放出口85は、突出部81Bにおいて、噴射口83が位置する端部A1に対して反対側の端部A2の側に位置する。従って、バルブ70(図2)を介した水素燃料の供給終了後において、突出部81Bに残留する水素燃料を削減できる。よって、バルブ70から水素燃料の供給を再開する場合に、水素燃料が燃焼室61に過剰に供給されることを抑制できる。その結果、より正確な空燃比制御を達成し、未燃の水素燃料が排気管19に流入することを抑制できて、未燃の水素燃料が排気管19内で燃焼することを抑制できる。この場合、「水素燃料の供給終了」は、例えば、各燃焼サイクルでの水素燃料の供給終了を示す。また、「水素燃料の供給再開」は、例えば、各燃焼サイクルでの水素燃料の供給再開を示す。
具体的には、バルブ70を介した水素燃料の供給が終了すると、水素燃料は水素燃料放出口85から突出部81Bの外部空間(給気通路63)に放出される。従って、水素燃料は、突出部81Bに残留したとしても、位置PL1に留まる。一方、水素燃料放出口85を設けていない場合、水素燃料は、位置PL2に留まる。従って、この場合は、水素燃料放出口85を設ける場合と比較して、スリーブ80の流路82に残留する水素燃料は多くなる。
また、水素燃料放出口85を設けることで、エンジン1を停止した後において、突出部81Bに残留する水素燃料を削減できる。よって、エンジン1の再始動時に、水素燃料が燃焼室61に過剰に供給されることを抑制できる。その結果、未燃の水素燃料が排気管19に流入することを抑制できて、未燃の水素燃料が排気管19内で燃焼することを抑制できる。
なお、水素燃料放出口85が水素燃料G1を減圧できる限りにおいて、水素燃料放出口85の位置は、特に限定されず、例えば、突出部81Bの周面810において空気導入口84と異なる側に設けられてもよい。
ここで、変形例として、図4(a)及び図4(b)を参照して説明したスリーブ80の突出部81Aが、図5(a)及び図5(b)に示す水素燃料放出口85を有していてもよい。この場合、水素燃料放出口85は、図4(a)及び図4(b)において、直線状部811に設けられる。その他、図4(a)及び図4(b)の突出部81Aに水素燃料放出口85を設ける場合の空気導入口84と水素燃料放出口85との位置関係は、図5(a)及び図5(b)に示す空気導入口84と水素燃料放出口85との位置関係と同様である。この変形例においては、水素燃料放出口85によって水素燃料が減圧され、減圧された水素燃料が湾曲部812に流れる。従って、図4(b)に示す空気導入口84から突出部81Aの流路82への空気G2の導入をより促進できる。その結果、流路82において水素燃料G1が空気G2によってより一層効果的に攪拌されて、混合気体G3が噴射される。また、この変形例において、後述する実施形態4と同様に、水素燃料放出口85から突出部81Aの外部に放出された水素燃料が空気と混合され、混合気体が突出部81Aの外面に沿って空気導入口84に向かって流れることで、混合気体を空気導入口84から突出部81Aの流路82に導入できる。
(実施形態4)
図6を参照して本発明の実施形態4に係るエンジン1のスリーブ80を説明する。実施形態4に係るスリーブ80の突出部81Cが拡径された筒部(第2筒部815)を有している点で、実施形態4は実施形態3と主に異なる。以下、実施形態4が実施形態3と異なる点を主に説明する。
図6(a)は、スリーブ80の突出部81Cを示す斜視図である。図6(b)は、突出部81Cを示す縦断面図である。
図6(a)に示すように、突出部81Cは、第1筒部813と、接続部814と、第2筒部815とを有する。接続部814及び第2筒部815は、第1筒部813よりも水素燃料G1の流れの下流に位置する。第2筒部815は、接続部814よりも水素燃料G1の流れの下流に位置する。
第1筒部813は、略筒状(例えば、略円筒状)である。接続部814は、中空の略錐台状(例えば、円錐台状)である。第2筒部815は、略筒状(例えば、略円筒状)である。接続部814は、第1筒部813と第2筒部815とを接続する。
水素燃料放出口85は、第1筒部813に設けられる。水素燃料放出口85は、例えば、略矩形状である。空気導入口84は、接続部814に設けられる。空気導入口84は、例えば、噴射口83に向かって末広がりの形状を有する。そして、例えば、空気導入口84の下流側の縁84aは、噴射口83に向かって凸状に湾曲している。
図6(b)に示すように、突出部81Cにおける第1筒部813の流路82には、バルブ70(図2)から水素燃料G1が供給される。一方、図6(b)の例では、水素燃料放出口85は、給気通路63(図2)において、空気G2の流れの上流に向かって開口する。そして、水素燃料放出口85は、流路82から水素燃料G1の一部G11を放出する。その結果、第1筒部813への流入時の水素燃料G1よりも減圧された水素燃料G12が接続部814に流れる。
接続部814は、第2筒部815に向かって末広がりになっている。つまり、第2筒部815の内径L2は第1筒部813の内径L1よりも大きい。
換言すれば、図6(a)に示すように、突出部81Cにおいて、空気導入口84よりも下流側における流路82の断面積AR2は、空気導入口84よりも上流側における流路82の断面積AR1よりも大きい。従って、空気導入口84よりも下流側における流路82内の気体の圧力は、空気導入口84よりも上流側における流路82内の気体の圧力(具体的には減圧された水素燃料G12の圧力)よりも低い。
更に換言すれば、第2筒部815における流路82の断面積AR2は、第1筒部813における流路82の断面積AR1よりも大きい。従って、第2筒部815の流路82を構成する空間のうち、外周空間(例えば、略円筒状の空間)における気体の圧力は、中心空間(例えば、略円柱状の空間)の圧力よりも低くなる。外周空間は中心空間を囲む空間である。
よって、空気導入口84から突出部81Cの流路82への空気G2の導入をより促進できる。その結果、流路82において水素燃料G1が空気G2によってより一層効果的に攪拌されて、混合気体G3が噴射される。加えて、空気導入口84から突出部81Cの流路82への空気G2の導入をより促進できるため、空気導入口84から水素燃料G12が流出することを抑制できる。更に、第2筒部815が拡径されているため、空気導入口84から導入される空気G2と水素燃料G12との混合気体G3を、噴射口83から円滑に噴射できる。
更に、水素燃料放出口85と空気導入口84とは、突出部81Cの周面810において流路82に沿って同じ側に設けられる。そして、水素燃料放出口85から放出された水素燃料G11は、突出部81Cの外部において空気G2と混合される。更に、水素燃料G11と空気G2との混合気体G31は、第1筒部813の外面813aに沿って空気導入口84に向かって流れる。外面813aは、突出部81Cの周面810の一部である。
そして、混合気体G31は、空気導入口84から流路82に導入される。従って、流路82を流れる水素燃料G12は、空気導入口84から導入される空気G2だけでなく、空気導入口84から導入される混合気体G31によっても攪拌される。その結果、流路82において水素燃料と空気とを更に効果的に攪拌できる。また、空気導入口84から流路82に混合気体G31が導入されることで、より水素濃度の高い混合気体G3を噴射口83から噴射できる。特に、実施形態4では、空気導入口84が、末広がりの接続部814に設けられるため、図5(b)に示す突出部81Bと比較して、混合気体G31は空気導入口84に流入し易い。
また、実施形態4では、実施形態3と同様に、水素燃料放出口85は、突出部81Cにおいて、噴射口83が位置する端部A1に対して反対側の端部A2の側に位置する。従って、バルブ70(図2)を介した水素燃料の供給終了後において、突出部81Cに残留する水素燃料を削減できる。よって、バルブ70から水素燃料の供給を再開する場合に、水素燃料が燃焼室61に過剰に供給されることを抑制できる。その結果、より正確な空燃比制御を達成し、未燃の水素燃料が排気管19に流入することを抑制できて、未燃の水素燃料が排気管19内で燃焼することを抑制できる。この場合、「水素燃料の供給終了」は、例えば、各燃焼サイクルでの水素燃料の供給終了を示す。また、「水素燃料の供給再開」は、例えば、各燃焼サイクルでの水素燃料の供給再開を示す。
具体的には、バルブ70を介した水素燃料の供給が終了すると、水素燃料は水素燃料放出口85から突出部81Cの外部空間(給気通路63)に放出される。従って、水素燃料は、スリーブ80に残留したとしても、位置PL1に留まる。一方、水素燃料放出口85を設けていない場合、水素燃料は、位置PL2に留まる。従って、この場合は、水素燃料放出口85を設ける場合と比較して、スリーブ80に残留する水素燃料は多くなる。
また、水素燃料放出口85を設けることで、エンジン1を停止した後において、突出部81Cに残留する水素燃料を削減できる。よって、エンジン1の再始動時に、水素燃料が燃焼室61に過剰に供給されることを抑制できる。その結果、未燃の水素燃料が排気管19に流入することを抑制できて、未燃の水素燃料が排気管19内で燃焼することを抑制できる。
(実施形態5)
図7を参照して本発明の実施形態5に係るエンジン1の水素燃料供給部55を説明する。実施形態5に係る水素燃料供給部55が攪拌部材90を有している点で、実施形態5は実施形態4と主に異なる。以下、実施形態5が実施形態4と異なる点を主に説明する。
図7(a)は、スリーブ80の突出部81C及び攪拌部材90を示す斜視図である。図7(b)は、突出部81C及び攪拌部材90を示す縦断面図である。
図7(a)に示すように、水素燃料供給部55は、攪拌部材90を更に含む。攪拌部材90は、例えば、ミキサーである。攪拌部材90は、水素燃料と空気とを攪拌する。従って、実施形態5によれば、水素燃料と空気とをより効果的に攪拌できる。
図7(b)に示すように、攪拌部材90は、突出部81Cにおいて、空気導入口84よりも水素燃料G1の流れの下流に位置する。攪拌部材90は流路82内に配置される。図7(b)の例では、攪拌部材90は、噴射口83に配置される。そして、攪拌部材90は、水素燃料G12と混合気体G31と空気G2とが混合された混合気体G3を攪拌する。その結果、噴射口83から、攪拌部材90によって攪拌された混合気体G3が噴射される。
特に、実施形態5では、攪拌部材90は、突出部81Cに対して静止している。つまり、攪拌部材90は、突出部81Cに固定される非可動の部材である。従って、攪拌部材90を突出部81Cに固定することで、攪拌部材90を突出部81Cの流路82に容易に配置できる。その結果、水素燃料供給部55の製造コストを低減できる。
具体的には、攪拌部材90は、複数の羽根91を有する。そして、図6(b)の例では、複数の羽根91が突出部81C(具体的には第2筒部815)の内面815aに固定される。なお、水素燃料と空気とを攪拌できる限りにおいて、攪拌部材90の構成及び形状は特に限定されない。例えば、攪拌部材90は、1枚の羽根91を有していてもよい。また、例えば、攪拌部材90は、ルーバーであってもよい。
なお、図3~図5に示す突出部81、81A、81Bに、攪拌部材90が配置されてもよい。この場合も、攪拌部材90は、突出部81、81A、81Bの流路82において、空気導入口84よりも水素燃料の流れの下流に位置する。
(実施形態6)
図8を参照して本発明の実施形態6に係るエンジン1の水素燃料供給部55を説明する。実施形態6に係る水素燃料供給部55の攪拌部材90Aが可動部材である点で、実施形態6は実施形態5と主に異なる。以下、実施形態6が実施形態5と異なる点を主に説明する。
図8は、スリーブ80の突出部81C及び攪拌部材90Aを示す縦断面図である。図8に示すように、攪拌部材90Aは、突出部81Cの流路82において、空気導入口84よりも水素燃料G1の流れの下流に位置する。攪拌部材90Aは、動くことで水素燃料と空気とを攪拌する。従って、より効果的に水素燃料と空気とを攪拌できる。図8の例では、攪拌部材90Aは、回転することで水素燃料と空気とを攪拌する。
具体的には、攪拌部材90Aは、水素燃料G12と混合気体G31と空気G2とが混合された混合気体G3を、動くことによって攪拌する。図8の例では、攪拌部材90Aは、回転することで混合気体G3を攪拌する。
更に具体的には、攪拌部材90Aは、複数の羽根92と、回転軸93と、支持部材94とを含む。複数の羽根92は、突出部81C(具体的には第2筒部815)の内面815aに対して離隔している。複数の羽根92は、混合気体G3によって回転軸93の回りに回転する。回転軸93は、内面815aから延びる支持部材94に支持されている。攪拌部材90Aは、回転することで、水素燃料と空気とを攪拌する。なお、水素燃料と空気とを攪拌できる限りにおいて、攪拌部材90Aの構成及び形状は特に限定されない。例えば、攪拌部材90Aは、1枚の羽根91を有していてもよい。また、例えば、攪拌部材90Aは、混合気体G3の流れによって変位可能なルーバーであってもよい。
なお、図3~図5に示す突出部81、81A、81Bに、攪拌部材90Aが配置されてもよい。この場合も、攪拌部材90Aは、突出部81、81A、81Bの流路82において、空気導入口84よりも水素燃料の流れの下流に位置する。
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び実施例について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
(1)図2~図8を参照して説明した実施形態1~実施形態6において、図2に示すように、給気通路63の断面積に分布が存在する場合、スリーブ80の空気導入口84は、給気通路63のうちの断面積が小さい箇所と大きい箇所とのうち、断面積が小さい箇所に位置していてもよい。給気通路63のうちの断面積が小さい箇所では、断面積が大きい箇所と比較して空気G2の流速が大きい。従って、流速の大きい空気G2を、空気導入口84から突出部81の流路82に導入できる。その結果、突出部81の流路82内において、水素燃料G1と空気G2とをより効果的に攪拌できる。なお、図2の例では、給気通路63の入口B1から出口B2に近づくほど、給気通路63の断面積が小さくなっている。
(2)図2~図8を参照して説明したスリーブ80の形状は、気体が流通できる限りにおいては特に限定されない。スリーブ80は、例えば、略角筒状(例えば、略四角筒状)であってもよい。また、空気導入口84及び水素燃料放出口85の形状は、気体が通ることができる限りにおいて特に限定されない。空気導入口84及び水素燃料放出口85は、例えば、略円形状、略楕円形状、略多角形状、又は、直線及び曲線を組み合わせた形状であってもよい。
(3)図7及び図8では、攪拌部材90、90Aは、空気導入口84よりも水素燃料の流れの下流に位置していたが、攪拌部材90、90Aが流路82に配置される限りにおいて、攪拌部材90、90Aの位置は特に限定されない。例えば、攪拌部材90、90Aは、スリーブ80において、空気導入口84よりも水素燃料の流れの上流に位置していてもよい。この点は、図3~図5に示す突出部81、81A、81Bに、攪拌部材90、90Aが配置される場合も同様である。
本発明は、エンジンに関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
1 エンジン
55 水素燃料供給部(気体燃料供給部)
63、151、171 給気通路
80 スリーブ(筒体)
82 流路
83 噴射口
84 空気導入口
85 水素燃料放出口(気体燃料放出口)
90、90A 攪拌部材
812 湾曲部

Claims (13)

  1. 燃焼室を有し、給気通路を流れる空気と混合された気体燃料を燃焼させて動力を発生するエンジンであって、
    前記給気通路を介して前記燃焼室に前記気体燃料を供給する気体燃料供給部を備え、
    前記気体燃料供給部は、前記給気通路に突き出ている筒体を含み、
    前記筒体は、
    前記気体燃料が流れる流路と、
    前記気体燃料が噴射される噴射口と、
    前記噴射口よりも前記気体燃料の流れの上流に位置し、前記流路に、少なくとも前記空気を導入する空気導入口と
    を有する、エンジン。
  2. 前記空気導入口は、前記給気通路における前記空気の流れの上流に向かって開口する、請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記給気通路において前記空気の流速に分布が存在する場合、前記空気導入口は、前記給気通路のうちの前記流速が小さい箇所と前記流速が大きい箇所とのうち、前記流速が大きい箇所に位置する、請求項1又は請求項2に記載のエンジン。
  4. 前記給気通路が湾曲している場合、前記空気導入口は、前記給気通路内の湾曲内側と湾曲外側とのうち、前記給気通路内の前記湾曲外側に位置するか、又は、
    前記給気通路の断面積に分布が存在する場合、前記空気導入口は、前記給気通路のうちの前記断面積が小さい箇所と大きい箇所とのうち、前記断面積が小さい箇所に位置する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエンジン。
  5. 前記筒体において、前記空気導入口よりも下流側における前記流路の断面積は、前記空気導入口よりも上流側における前記流路の断面積よりも大きい、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエンジン。
  6. 前記筒体は、湾曲している湾曲部を更に有し、
    前記空気導入口は、前記湾曲部における湾曲の内側部分に位置する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエンジン。
  7. 前記筒体は、前記流路から前記気体燃料の一部を放出する気体燃料放出口を更に有し、
    前記気体燃料放出口は、前記空気導入口よりも前記気体燃料の流れの上流に位置する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のエンジン。
  8. 前記気体燃料放出口は、前記給気通路における前記空気の流れの上流に向かって開口する、請求項7に記載のエンジン。
  9. 前記気体燃料放出口は、前記筒体のうち前記給気通路に突き出ている部分において、前記噴射口が位置する端部に対して反対側の端部の側に位置する、請求項7又は請求項8に記載のエンジン。
  10. 前記気体燃料供給部は、前記気体燃料と前記空気とを攪拌する攪拌部材を更に含み、
    前記攪拌部材は、前記筒体において、前記空気導入口よりも前記気体燃料の流れの下流又は上流に位置する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のエンジン。
  11. 前記攪拌部材は、前記筒体に固定される非可動の部材である、請求項10に記載のエンジン。
  12. 前記攪拌部材は、動くことで前記気体燃料と前記空気とを攪拌する、請求項10に記載のエンジン。
  13. 前記気体燃料は、水素、アンモニア、又は、天然ガスである、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のエンジン。
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