JP2022147095A - 布帛積層体およびそれを用いたバグフィルター用ろ過布ならびに布帛積層体の製造方法 - Google Patents

布帛積層体およびそれを用いたバグフィルター用ろ過布ならびに布帛積層体の製造方法 Download PDF

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三枝 神山
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Abstract

【課題】撥水剤の剥離による性能低下を回避し、積層構造でありながら層と層を接着する接着剤の剥離に起因する耐久性低下のない、布帛積層体およびそれを用いたバグフィルター用ろ過布を提供する。【解決手段】布帛Aおよびそれに積層された布帛Bからなり、布帛Aは疎水性の熱可塑性樹脂繊維を30重量%以上および平均径2μm以下の極細繊維を1重量%以上含む布帛であり、布帛Bは接着性熱可塑性樹脂繊維を含む布帛であり、布帛Aに含まれる極細繊維と布帛Bに含まれる接着性熱可塑性樹脂繊維とが接着していることを特徴とする布帛積層体。【選択図】なし

Description

本発明は布帛積層体に関し、詳しくはバグフィルター用ろ過布に用いる布帛積層体に関する。
フィルターに用いられる布帛積層体は、水分の存在下や高湿度の環境で使用されることがある。例えば、払落しを繰り返す集塵機の中で使用されるバグフィルターは、ボイラーや焼却炉、セメント工場で使われることが多く、水分の存在下や高湿度、高温度の環境で使用され、雨等によりろ布が濡れた状態で使用される場合もある。このため、ろ布は撥水処理されて使用されることが多く、高い温度環境で形態を維持することも求められる。
フィルターとしての性能では、高捕集効率で低圧力損失(以下、低圧損)、かつ目詰まりなく払落し性に優れることが望まれる。このなか、ろ過布表面の繊維層を緻密な構造としたもの、フィルター表面に微細な繊維の積層構造としたものなどが提案されている(たとえば特許文献1および2)。
特開平9-187611号公報 特許第3722259号公報
しかし、撥水性を付与するために撥水剤を用いたり、積層構造にして表面の繊維層をち密な構造にする際に接着剤を用いると、撥水材の剥離や接着剤の剥離が原因となって、布帛積層体の耐久性が低下する。
本発明の課題は、撥水剤の剥離による性能低下を回避し、積層構造でありながら層と層を接着する接着剤の剥離に起因する耐久性低下のない、布帛積層体およびそれを用いたバグフィルター用ろ過布を提供することにある。
すなわち本発明は、布帛Aおよびそれに積層された布帛Bからなり、布帛Aは疎水性の熱可塑性樹脂繊維を30重量%以上および平均径2μm以下の極細繊維を1重量%以上含む布帛であり、布帛Bは接着性熱可塑性樹脂繊維を含む布帛であり、布帛Aに含まれる極細繊維と布帛Bに含まれる接着性熱可塑性樹脂繊維とが接着していることを特徴とする布帛積層体である。
本発明によれば、撥水剤の剥離による性能低下を回避し、積層構造でありながら層と層を接着する接着剤の剥離に起因する耐久性低下のない、布帛積層体およびそれを用いたバグフィルター用ろ過布を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
〔布帛A〕
〔疎水性熱可塑性樹脂繊維〕
布帛Aは、疎水性の熱可塑性樹脂繊維および平均径2μm以下の繊維である極細繊維を含む。
布帛Aに含まれる疎水性の熱可塑性樹脂繊維として、例えばポリイミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリオレフィン繊維を用いることができる。疎水性と耐酸性を両立する観点から、好ましくはポリフェニレンサルファイド繊維、ポリオレフィン繊維を用い、特に好ましくはポリフェニレンサルファイド繊維を用いる。なお、ポリオレフィン繊維を用いる場合には、例えばポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維を用いることができる。
疎水性の熱可塑性樹脂繊維は、延伸糸(DY)、未延伸糸(UDY)および半延伸糸のいずれでもよく、好ましくは延伸糸(DY)を用いる。
布帛Aは、織物、ニット、不織布のいずれであってもよく、分散性を高めて優れた捕集性能を得る観点から、布帛Aは好ましくは不織布である。この不織布は、短繊維で構成された湿式不織布またはスパンレース不織布であることが好ましい。
不織布を構成する疎水性の熱可塑樹脂繊維の平均繊維長(カット長)は、分散性の観点から、好ましくは0.3~20mmである。平均繊維径Dに対する平均繊維長Lの比L/Dは、好ましくは600~3000、さらに好ましくは800~2500である。比L/Dが600未満であると高圧水流による繊維間の交絡性が低下するおそれがあり好ましくない。他方、比L/Dが3000を超えると分散性不良により凝集繊維塊となり捕集性能や強度が低下するおそれがあり好ましくない。
平均繊維径は、透過型電子顕微鏡TEMで、倍率30000倍で単繊維断面写真を撮影し測定することができる。その際、測長機能を有するTEMでは、測長機能を使用して測定することができる。また、測長機能の無いTEMでは、撮った写真を拡大コピーして、縮尺を考慮した上で定規にて測定すればよい。その際、単繊維の横断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、繊維径は、単繊維の横断面の外接円の直径を用いるものとする。平均繊維長は、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定することができる。
布帛Aにおいて、疎水性の熱可塑性樹脂繊維は、布帛Aを構成する繊維の全重量あたり30重量%以上、好ましくは50~100重量%を占める。30重量%未満であると疎水性とならない場合があり好ましくない。
〔極細繊維〕
布帛Aにおいて用いる平均繊維径2μm以下繊維である極細繊維は、布帛Aを構成する繊維の全重量あたり、1重量%以上、好ましくは1~50重量%、さらに好ましくは1~30重量を占める。平均繊維径2μm以下の極細繊維の重量比率が50重量%を超えると、極細繊維自体の脱落が大きくなるおそれがあり好ましない。他方1重量%未満であると布帛Aと布帛Bとの繊維同士の接着点が少なくなり、剥離しやすくなるおそれがあるため好ましくない。極細繊維として、、例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維を例示することができ、好ましくはポリエステル繊維を用いる。
〔布帛Aの性質〕
布帛Aの目付けは、好ましくは10~90g/m、さらに好ましくは20~50g/mである。目付けが10g/m未満であると、孔径のばらつきが大きくなり、捕集性能や払い落とし性が低下し、毛羽脱離もしやすくなるおそれがあり好ましくない。他方、目付けが90g/mを超えるとフィルター用途として圧力損失が大きくなるおそれがあ
り好ましくない。
布帛Aの厚みは、好ましくは0.1~0.6mmである。厚みが0.1mm未満であるとフィルター用途としての捕集性能が低下するおそれがあり好ましくない。他方、厚みが0.6mmを超えると圧力損失が大きくなるおそれがあり好ましくない。
布帛Aの引張強度は、シート巻き取り時の破断防止の観点から縦横ともに、好ましくは2N/50mm以上である。
〔疎水性の布帛〕
本発明では、疎水性の熱可塑性樹脂繊維が布帛Aを構成する繊維の全重量あたり30重量%以上を占めるため、布帛A自体が疎水性であり、撥水性を備える。撥水剤による変色や撥水剤の剥離、変質による撥水耐久性の低下の問題を発生させない観点から、布帛Aには撥水剤の塗布などによる撥水処理が施されていないことが好ましい。
布帛Aが湿式不織布またはスパンレース不織布である場合、それを構成する繊維の分散性を高めるために原料の繊維を用いて抄紙して湿式不織布を形成した後、高圧水流でスパンレース処理を行い、繊維同士を交絡させることが好ましい。
〔布帛B〕
〔接着性熱可塑性樹脂繊維〕
布帛Bは接着性熱可塑性樹脂繊維を含む布帛である。ここで用いられる接着性熱可塑性樹脂繊維は、少なくともその表面に熱により発現される接着性を備える繊維である。そして、布帛Bは布帛Aを支持する基布として使用される。
布帛Bの接着性熱可塑性樹脂繊維は、延伸糸(DY)、未延伸糸(UDY)および半延伸糸のいずれでもよく、未延伸糸または半延伸糸であるか、基布Aの疎水性繊維の融点より低い温度にガラス転移点を示す樹脂の延伸糸であることが好ましい。なお、ガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)により、昇温速度10℃/minで測定する。
接着性熱可塑性樹脂繊維の接着性は、繊維の熱可塑性樹脂に含まれる共重合成分に由来する接着性であることが好ましい。この場合、接着性熱可塑性樹脂繊維は延伸糸であることが好ましい。この延伸糸を布帛の状態で再溶融することにより、表面に接着性を得ることができる。
いずれの場合も、接着性熱可塑性樹脂繊維の熱可塑性樹脂は、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体であることが好ましい。共重合成分として、例えばイソフタル酸やポリエチレングリコールを用いることができる。
なお、布帛Bは平均繊維径2μm以下の極細繊維を含んでもよい。その場合、布帛Bの全重量あたり例えば0.5~30重量%である。
布帛Bの目付けは、好ましくは100~400g/mである。目付けが100g/m未満であるとプリーツを形成した際の剛性が不足して風圧による形状変形が生じるおそれがあり好ましくない。他方、目付けが400g/mを超えると圧力損失が大きくなるおそれがあり好ましくない。
布帛Bは、寸法安定性の観点からはスパンボンド不織布であることも好ましく、寸法安定性の観点からはスクリムを含むニードルパンチ不織布であるか湿式不織布であることが好ましい。
布帛Bがスクリムを含むニードルパンチ不織布である場合、スクリムによりダスト流お
よび逆洗パルスの風圧に対する寸法変化を小さくすることができる。スクリムの目付けは、好ましくは40~120g/mある。目付けが40g/m未満であると、風圧に対して塑性変形して吹き漏れの原因となるおそれがあり好ましくない。他方、目付けが120g/mを超えるとニードルパンチ工程においてニードルへの抵抗となったり、スクリム自身が圧力損失の原因となったりするおそれがあり好ましくない。スクリムとしては、例えば、単繊維繊度1.0~3.0dtexの長繊維または短繊維からなる平組織織物が好ましい。短繊維からなる平組織物である場合、短繊維の平均繊維長は好ましくは20~80mmである。
布帛Bが湿式不織布である場合、その湿式不織布に含まれる接着性熱可塑性樹脂繊維の接着性は、接着性熱可塑性樹脂繊維の芯鞘構造による接着性である。この場合、接着性熱可塑性樹脂繊維として鞘に接着性成分を含む芯鞘型複合繊維を用いる。この構成をとる場合には、毛焼き処理等により布帛Bの繊維を再溶融することなく、布帛Aの極細樹脂繊維と布帛Bの接着性熱可塑性樹脂繊維とを熱で接着することでき、その結果、布帛Aと布帛Bとを貼り合わせることができる。このようにすると、厚みの調整がしやすく、低目付(例えば100~400g/m)かつ低空隙率(例えば60~80%)にして高捕集性にすることができ、高い曲げ剛性を得ることができプリーツ形成しやすく、さらに耐熱性にも優れ、好ましい。
〔布帛積層体〕
本発明において、布帛Aに含まれる極細繊維と布帛Bに含まれる接着性熱可塑性樹脂繊維とが熱で接着していることにより、布帛Aと布帛Bとが貼り合わされた布帛積層体を構成する。この接着は、接着剤を用いることなく行われる。接着剤を用いると接着剤自体の接着斑やその耐久性による吹き漏れのおそれがある。本発明では、接着剤を用いないためこれらの問題が発生しない。すなわち、本発明では布帛Aに疎水性熱可塑性樹脂繊維と極細繊維を含む布帛を用いており、この極細繊維が、布帛Bの接着性熱可塑性樹脂繊維と、接着剤を用いることなく接着しているため、接着剤による接着斑や耐久性低下の問題が発生しない。
布帛Aに含まれる極細繊維と布帛Bに含まれる接着性熱可塑性樹脂繊維とを接着剤を用いることなく接着する方法としては、布帛Bが接着性熱可塑性樹脂繊維として芯鞘型複合繊維を含まない場合には、布帛Bに毛焼き処理を行い布帛Bの繊維を部分的に一旦溶融させるかガラス転移温度以上の温度にすることで布帛Bの繊維の表面に熱による接着性を発現させて接着する方法を用いることができる。溶融またはガラス転移温度以上まで繊維を加熱することで、繊維に熱による接着性が発現される。接着には、布帛Aと布帛Bとを熱カレンダー処理することによって布帛Aと布帛Bとを熱圧着する方法を用いることが好ましい。このときの温度は140~260℃、である。
布帛Bに接着性熱可塑性樹脂繊維として芯鞘型複合繊維を用いる場合には、毛焼き処理等で布帛Bの芯鞘型複合繊維に溶融処理を施す必要がなく、布帛Aに含まれる極細繊維と布帛Bに含まれる接着性熱可塑性樹脂繊維とを接着剤を用いることなく接着することができる。接着には、布帛Aと布帛Bとを熱カレンダー処理することによって布帛Aと布帛Bとを熱圧着する方法を用いることが好ましい。このときの温度は140~260℃、である。
いずれの場合も、布帛Aに含まれる極細繊維と布帛Bに含まれる接着性熱可塑性樹脂繊維とを接着することで、布帛Aと布帛Bが貼り合わされて、本発明の布帛積層体となる。
本発明の布帛積層体は、その空隙率が好ましくは90%以下、さらに好ましくは60~90%である。空隙率が90%を超えるとバグフィルターとして用いられたときに空隙に
ダストが進入しやすくなるおそれがあり好ましくない。他方、空隙率が60%未満であると圧力損失が上昇するおそれがあり好ましくない。なお、布帛Aおよび布帛Bは、それぞれが多層構造であってもよいが、その場合においても各層において空隙率が90%以下であることが好ましい。
本発明の布帛積層体をバグフィルターとして用いる場合、ダスト流入側に布帛Aを配することが好ましい。ダスト流入側に配された布帛Aによりダストの進入が抑制され、捕集性能に優れ、低圧力損失で目詰まりしにくく極細繊維が脱落し難くなり好ましい。
〔極細繊維の製造方法〕
布帛Aに含まれる極細繊維は、例えば国際公開第2008/130019号パンフレットに開示された方法で製造することができる。すなわち、繊維形成性熱可塑性ポリマーからなる島成分と、前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーよりもアルカリ水溶液に対して溶解し易いポリマーからなる海成分を有する複合繊維にアルカリ減量加工を施し、前記海成分を溶解除去する方法で製造することができる。
本発明を実施例を挙げて詳述する。測定項目は下記の方法で測定した。なお、PETはポリエチレンテレフタレート、PPSはポリフェニレンサルファイドを意味する。
(1)平均繊維径
透過型電子顕微鏡TEMを使用し、倍率30000倍で繊維断面写真を撮影し測定した。ただし、繊維径には単繊維横断面におけるその外接円の直径を用いた。n数5の平均値をとり平均繊維径とした。
(2)平均繊維長
走査型電子顕微鏡SEMにより、海成分溶解除去前の繊維を基盤上に寝かせた状態とし20~500倍で測定した。n数5の平均値をとり平均繊維長とした。その際、SEMの測長機能を使用して繊維長を測定した。
(3)目付け
JIS P8124(紙のメートル坪量測定方法)に基づいて目付けを測定した。
(4)厚み
不織布については、JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の測定方法)に基づいて厚みを測定した。測定荷重は127g/cmにて、n=5で測定し、平均値を求めた。基材との貼合せ品については、JIS L1096に基づいて測定し、測定荷重5g/cmにて行った。
(5)空隙率
100-100×(密度÷比重1.38)により測定した。
(6)細孔径
ASTM-F-316にて最大細孔径、平均細孔径および最小細孔径を求めた。
(7)通気度
JIS L1096 8.26 A法(フラジール形法)により通気度を測定した。
(8)大気塵捕集率
風速5.1cm/secとなるように調整し、試料前後の大気塵をパーティクルカウン
ターでカウントし、その比によって捕集効率を算出した。
大気塵捕集効率(%)=(1-(試料通過後大気塵数/試料通過前大気塵数))×100
(9)圧力損失
大気塵捕集効率測定時に試験片通過前後の圧力を測定し、その圧力差を圧力損失として求めた。
(10)強度、伸度
湿式不織布またはスパンレース不織布について、JIS P8113 (紙および板紙の引張強さと試験方法)に基づいて測定した。基材不織布との貼合せ品について、JIS
L1096に準拠し、サンプル幅50mm、つかみ間隔100mm、引張速度200mm/minにて、最大引張強力を測定した。
(11)貼付性
幅25mm、長さ150mmにサンプルをカットし、ガムテープを湿式不織布またはスパンレース面に貼付け、5回ローラーで強く押し当てた後、50mmまでガムテープ部をはがした。引張試験機にて、はがした部分の上下25mmずつをチャックで挟み、65mmまで剥離した。条件はチャック間隔50mm、試験速度100mm/min、n=3で行い、データ読み取り範囲は10~60mmの間として平均値を読み取り、0.5N以上を「〇」、0.5N未満を「×」として評価した。
(12)剛軟度
JIS L1913 一般短繊維不織布試験方法の剛軟度・ガーレ法に基づいて測定し、剛軟度(mgf)を算出した。
(13)吸水性
JIS L1907 滴下法に基づいて測定し、時間(s)を記載した。
(14)密度
目付(g/m)÷厚さ(mm)とし、単位をg/cmに換算のため1000で割り算した。
(15)耐久性
幅25mm、長さ150mmにサンプルをカットし、これを水に1時間浸漬後、風乾し、耐久性評価用の試料を得た。得られた試料の湿式不織布またはスパンレース面に対して、ガムテープを貼付け、5回ローラーで強く押し当てた後、50mmまでガムテープ部をはがした。引張試験機にて、はがした部分の上下25mmずつをチャックで挟み、65mmまで剥離した。条件はチャック間隔50mm、試験速度100mm/min、n=3で行い、データ読み取り範囲は10~60mmの間として平均値を読み取り、0.5N以上を「〇」、0.5N未満を「×」として評価した。
〔参考例1〕(PETスパンレース)
1層目として、単繊維繊度0.1dtex(平均繊維径3μm)×平均繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート短繊維50重量%と、単繊維繊度0.8dtex(平均繊維径9μm)×平均繊維長7mmで捲縮のあるレーヨン50重量%から構成された目付け20g/mの不織布A1を用意した。
2層目として、極細ポリエスエル繊維(平均繊維径0.7μm)、平均繊維長1mm、アスペクト比1400、丸断面)20重量%と、単繊維繊度0.1dtex(平均繊維径
3μm)×平均繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート短繊維80重量%から構成された目付け10g/mの不織布A2を用意した。
上記の不織布A1と不織布A2とを用いて、不織布A1と不織布A2とからなる積層スパンレース不織布を作成した。
この積層スパンレース不織布の作成において、抄紙スラリーを各々個別に調整し、抄紙マシーンのヘッドボックスに導入し、所定の目付けになるようスラリー供給量と白水供給量を調整し、積層湿紙を形成した後、高圧ジェット水圧100kPaで交絡処理を実施した。その後、熱風温度145~155℃にてエアースルー熱処理加工を実施することで布帛を得た。この布帛の物性を表1に示す。
〔参考例2〕(PPSスパンレース)
1層目として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)未延伸繊維(平均繊維径1.2μm、平均繊維長1mm、丸断面、未延伸糸)30重量%と、単繊維繊度1.7dtex(平均繊維径12μm)×平均繊維長10mmのポリフェニレンサルファイド(PPS)短繊維(延伸糸)70重量%からなる目付20g/mの不織布A3を用意した。
2層目として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)極細繊維(平均繊維径0.7μm、平均繊維長1mm、アスペクト比1400、丸断面、延伸糸)20重量%と、単繊維繊度1.7dtex(平均繊維径12μm×平均繊維長10mmのポリフェニレンサルファイド(PPS)短繊維(延伸糸)80重量%とからなる目付10g/mの不織布A4を用意した。
上記の不織布A3と不織布A4とを用いて、不織布A3と不織布A4とからなる積層スパンレース不織布を作成した。この積層スパンレース不織布の作成においてそれぞれの所定の目付けになるようスラリー供給量と白水供給量を調整し、積層湿紙を形成した後、高圧ジェット水圧100kPaで交絡処理を実施した。その後、熱風温度145~155℃にてエアースルー熱処理加工を実施することで布帛を得た。この布帛の物性を表1に示す。
〔参考例3〕(熱接着性熱可塑性樹脂繊維を含む布帛)
繊維繊維径0.7μm×平均繊維長0.5mm(アスペクト比=700)の極細繊維Aと、繊度2.2dtex(平均繊維径14μm)×平均繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート繊維Bと、熱接着繊維として芯鞘複合型熱接着性繊維C(繊度2.2dtex(平均繊維径14μm)×平均繊維長5mm、芯鞘複合型熱接着性繊維で、繊度2.2dtex×長さ5mm、芯ポリマーと鞘ポリマーは、それぞれ融点256℃のポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールおよびジエチレングリコールを主成分とする非晶性共重合ポリエステルを50/50wt%の割合で断面形成したものである。)とを用意した。
これらを1層目の目付150g/mで繊維A:繊維B:繊維C=0.7:49.3:50の重量割合で配合し、2層目の目付50g/mで繊維B:繊維C=70:30の重量割合で配合して、水に分散させたスラリーを円網で湿式抄紙し、ニップローラーでの脱水後、巻き取った。引き続いてこれをベルト式乾燥機に巻出しながら導入し、1層目と2層目を構成する繊維を熱により相互に接着し布帛とした。この布帛の物性を表1に示す。
〔参考例4〕
比較例3を厚さ約0.7mmとなるよう200℃で熱処理した。この布帛の物性を表1に示す。
〔参考例5〕(熱接着性熱可塑性樹脂繊維を含む布帛)
繊度2.2dtex(平均繊維径14μm)×繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維短繊維をカーディング工程にて開繊、ウェブシート化後、クロスレイで積層し、ポリエチレンテレフタレート織物(スクリム)を中間層に挟んでニードルパンチ加工を行った後、毛焼き、カレンダー加工して布帛とした。ポリエチレンテレフタレート織物(スクリム)は、ポリエステル短繊維(単繊維繊度2.2dtex×繊維長51mm)からなる10番手双糸で構成され、織密度が経緯ともに12本/2.54cmの平組織織物を用いた。この布帛の物性を表1に示す。
Figure 2022147095000001
〔実施例1〕
参考例2で得た布帛と参考例5で得た布帛とを、参考例5で得た布帛の毛焼き面が参考例2で得た布帛に接するように熱カレンダー加工(貼合せ面の金属ロール温度245℃、速度6m/min、クリアランス0.5mm)にて貼合せ処理して、布帛積層体を得た。評価結果を表1および2に示す。貼付性は「〇」であった。この布帛積層体の評価結果を表2に示す。
〔実施例2〕
参考例2で得た布帛と参考例3で得た布帛とを、熱カレンダー加工(貼合せ面の金属ロール温度200℃、速度1m/min、クリアランス0.3mm)にて貼合せ処理して、布帛積層体を得た。評価結果を表1および2に示す。貼付性は「〇」であった。この布帛積層体の評価結果を表2に示す。
〔比較例1〕
参考例1と参考例5の毛焼き面を熱カレンダー加工(貼合せ面の金属ロール温度245℃、速度6m/min、クリアランス0.5mm)にて貼合せ処理した。貼付性は「〇」であった。この布帛積層体の評価結果を表2に示す。
〔比較例2〕
参考例1と参考例3を熱カレンダー加工(貼合せ面の金属ロール温度200℃、速度1m/min、クリアランス0.3mm)にて貼合せ処理した。貼付性は「〇」であった。この布帛積層体の評価結果を表2に示す。
〔比較例3〕
比較例1と同様に、参考例1で得た布帛と参考例5で得た布帛の非毛焼き面を熱カレンダー処理したが、貼り付かなかったため布帛積層体を得ることができず、布帛積層体の評価を行うことができなかった。貼付性は「×」であった。
〔比較例4〕
実施例1と同様に、参考例2で得た布帛と参考例5で得た布帛の非毛焼き面を同様に熱カレンダー処理したが、貼り付かなかったため布帛積層体を得ることができず、布帛積層体の評価を行うことできなかった。貼付性は「×」であった。
Figure 2022147095000002
本発明の布帛積層体は、バグフィルター用ろ過布として使用することができる。本発明の布帛積層体は、例えば縫製(例えば袋状に縫製)やプリーツ加工を施して、袋状のバグフィルターまたはカートリッジタイプのバグフィルターとして集塵機などに好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 布帛Aおよびそれに積層された布帛Bからなり、布帛Aは疎水性の熱可塑性樹脂繊維を30重量%以上および平均径2μm以下の極細繊維を1重量%以上含む布帛であり、布帛Bは接着性熱可塑性樹脂繊維を含む布帛であり、布帛Aに含まれる極細繊維と布帛Bに含まれる接着性熱可塑性樹脂繊維とが接着していることを特徴とする布帛積層体。
  2. 接着性熱可塑性樹脂繊維の接着性が、接着性熱可塑性樹脂繊維の熱可塑性樹脂に共重合された共重合成分による接着性である、請求項1に記載の布帛積層体。
  3. 接着性熱可塑性樹脂繊維が延伸繊維であり、接着性熱可塑性樹脂繊維の接着性が、該延伸繊維を布帛の状態で再溶融することにより得られた接着性である、請求項1に記載の布帛積層体。
  4. 接着性熱可塑性樹脂繊維が芯鞘構造の繊維であり、接着性熱可塑性樹脂繊維の接着性が、該芯鞘構造による接着性である、請求項1に記載の布帛積層体。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の布帛積層体を含むバグフィルター用ろ過布。
  6. ろ過布がプリーツ形状である請求項5に記載のバグフィルター用ろ過布。
  7. 布帛Aと布帛Bとを積層する布帛積層体の製造方法において、布帛Aは疎水性の熱可塑性樹脂繊維を30重量%以上および平均径2μm以下の極細繊維を1重量%以上含む布帛であり、
    布帛Bは接着性熱可塑性樹脂繊維を含む布帛であり、布帛Aと布帛Bとの積層がカレンダー処理により、布帛Aに含まれる極細繊維と布帛Bに含まれる接着性熱可塑性樹脂繊維とが接着されることにより行われることを特徴とする布帛積層体の製造方法。
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