JP2020172729A - 不織布および積層不織布構造体およびフィルター用ろ過布 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐酸性に優れた不織布および積層不織布構造体およびフィルター用ろ過布を提供する。【解決手段】繊維径が2μm以下の極細耐酸性繊維Aと、繊維径が前記耐酸性繊維Aよりも大きい耐酸性繊維Bを用いて不織布を得る。【選択図】なし
Description
本発明は、耐酸性に優れた不織布および積層不織布構造体およびフィルター用ろ過布に関する。
不織布の用途は車載用やインエリア用など多種あるが、酸やアルカリのガスや液にさらされた環境で使用されるケースもある。例えば、払落しを繰り返す集塵機の中で使用されるバグフィルター用途においても、石炭ボイラーや焼却炉等では通過させるガスや捕集するダストの成分が酸性環境下のケースがあり、そのような環境下で不織布の形態を維持できなければならない。また、フィルターとしての性能も当然ながら必要で、高捕集効率で低圧力損失(以下、低圧損)、かつ目詰まりなく払落し性に優れることが望まれ、ろ過布表面の繊維層を緻密な構造としたもの、フィルター表面に微細な繊維の積層構造としたものなどが提案されている(たとえば特許文献1、2)。
しかしながら、耐酸性の点でまだ満足とはいえなかった。
しかしながら、耐酸性の点でまだ満足とはいえなかった。
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、耐酸性に優れた不織布および積層不織布構造体およびフィルター用ろ過布を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、不織布を構成する繊維などを巧みに工夫することにより、耐酸性に優れた不織布が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「繊維径が2μm以下の極細耐酸性繊維Aと、繊維径が前記耐酸性繊維Aよりも大きい耐酸性繊維Bを含むことを特徴とする不織布。」が提供される。
その際、前記極細耐酸性繊維Aおよび耐酸性繊維Bにおいて、繊維径Dに対する繊維長Lの比L/Dが600〜3000の範囲内であることが好ましい。また、前記極細耐酸性繊維Aまたは前記耐酸性繊維Bとして、未延伸糸および/または延伸糸を含むことが好ましい。また、前記極細耐酸性繊維Aまたは耐酸性繊維Bが、ポリフェニレンサルファイド繊維または、ポリオレフィン系繊維であることが好ましい。また、不織布が、前記極細耐酸性繊維Aと耐酸性繊維Bのみで構成されることが好ましい。また、不織布が湿式不織布またはスパンレース不織布であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の不織布に基材が積層されてなる積層不織布構造体が提供される。また、前記の不織布または積層不織布構造体を用いてなるフィルター用ろ過布が提供される。
本発明によれば、耐酸性に優れた不織布および積層不織布構造体およびフィルター用ろ過布が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の不織布は、繊維径が2μm以下(好ましくは200〜1000nm)の極細耐酸性繊維A(「極細繊維A」ということもある。)と、繊維径が前記耐酸性繊維Aよりも大きい耐酸性繊維Bを含む。なお、本発明でいう「耐酸性」とは、繊維(不織布)に濃硫酸(95%濃度)を数滴滴下し、1時間経過後に目視で穴あきや繊維形態が溶ける等の変化がないことを示す。
ここで、極細繊維Aの繊維径が2μmより大きいと、該不織布をフィルターとして利用する場合、捕集性能が低下するおそれがある。反対に、該繊維径が200nmよりも小さいと極細繊維Aの分散性が低下し捕集性能が低下するおそれがある。前記の繊維径は、透過型電子顕微鏡TEMで、倍率30000倍で単繊維断面写真を撮影し測定することができる。その際、測長機能を有するTEMでは、測長機能を活用して測定することができる。また、測長機能の無いTEMでは、撮った写真を拡大コピーして、縮尺を考慮した上で定規にて測定すればよい。
その際、単繊維の横断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、繊維径は、単繊維の横断面の外接円の直径を用いるものとする。
前記極細繊維Aは長繊維でもよいが、分散性を高めて優れた捕集性能を得る上で短繊維が好ましい。その際、繊維長(カット長)としては0.3〜20mmの範囲内であることが好ましい。また、繊維径Dに対する繊維長Lの比L/Dとしては600〜3000(より好ましくは800〜2500)の範囲内であることが好ましい。該比L/Dが600よりも小さいと高圧水流による繊維間の交絡性が低下するおそれがある。逆に、比L/Dが3000よりも大きいと分散性不良により凝集繊維塊となり捕集性能や強度が低下するおそれがある。
前記極細繊維Aの繊維種類としては特に限定されないがポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維が好ましい。また、耐酸性を有する上で、ポリオレフィン系繊維、例えばポリプロピレン(PP)繊維やポリエチレン(PE)繊維でもよく、ポリイミド繊維でもよい。また、前記極細繊維Aは延伸糸(DY)、未延伸糸(UDY)、半延伸糸いずれでもよい。また、伸度が60%未満でもよいし60%以上でもよい。なお、PPS延伸糸は通常、伸度が60%未満であり、PPS未延伸糸は通常、伸度が60%以上である。
前記極細繊維Aの製造方法は特に限定されないが、国際公開第2008/130019号パンフレットに開示された方法が好ましい。すなわち、繊維形成性熱可塑性ポリマーからなる島成分と、前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーよりもアルカリ水溶液に対して溶解し易いポリマー(以下、「易溶解性ポリマー」ということもある。)からなる海成分とを有する複合繊維にアルカリ減量加工を施し、前記海成分を溶解除去したものであることが好ましい。なお、島成分は丸断面に限らず、三角断面や扁平断面などの異型断面であってもよい。
また、極細繊維Aは1種類でもよいが、前記極細繊維Aとして複数種類の繊維を含んでいてもよく、異種繊維を含んでいてもよいし、延伸糸と未延伸糸を含んでいてもよい。例えば、1種は繊維径1μm以下で、もう一種は繊維径1μm超としてもよい。前記極細繊維が2種類で構成された場合、一方の繊維は未延伸糸であることが好ましい。未延伸糸はバインダー成分としての役割を果たすため、前記の伸度の定義に加え、DSC測定にて、融点より低い温度のピーク、例えばTg(ガラス転移点)が確認される繊維であることが好ましい。
本発明の不織布において、耐酸性繊維Bは前記極細繊維より大の繊維径を有する。単繊維繊度としては、0.05〜2.2dtex(より好ましくは0.1〜0.9dtex)が好ましい。該単繊維繊度が0.05dtexよりも小さいと圧力損失が大きくなるおそれがある。逆に該単繊維繊度が2.2dtexよりも大きいと、例えば、スパンレース不織布などを製造する際に高圧水流による繊維同士の絡みが不十分となって強度不足となったり、孔径の不均一を生じて目詰まりの原因となり粉体(ダスト)の払い落とし性が低下するおそれがある。
かかる耐酸性繊維Bの種類としては、前記のようなPPS繊維、PP繊維やPE繊維などが好ましく、不織布の使用温度環境が高い場合は、耐熱性の観点で融点やTg(ガラス転移点)の高いPPS繊維がより好ましい。また、前記耐酸性繊維Bは捲縮繊維であると、空隙率のコントロールをし易くなり好ましい。その際、捲縮数としては1〜15個/2.54cmの範囲内であることが好ましい。
また、耐酸性繊維Bは延伸糸(DY)、未延伸糸(UDY)、半延伸糸いずれでもよい。また、異種繊維を含んでいてもよいし、延伸糸と未延伸糸を含んでいてもよい。
本発明の不織布において、極細繊維Aと耐酸性繊維Bとの重量比がこの順で1:99〜50:50(より好ましくは1:99〜30:70)の範囲内であることが好ましい。極細繊維Aの重量比率が該範囲よりも大きいと、極細繊維自体の脱落が大きくなるおそれがある。
また、前記の通り、極細繊維Aおよび耐酸性繊維Bはそれぞれ1種類でもよいし2種類以上でもよい。特に、耐酸性溶融繊維のみで不織布を構成すると、耐酸性だけでなく熱処理で形態保持しやすく、毛羽脱離抑制の観点で好ましい。
本発明の不織布において、空隙率が90%以下(好ましくは60〜90%)であることが好ましい。空隙率が90%よりも大きいと、空隙にダストが進入しやすくなるおそれがある。逆に、該空隙率が60%よりも小さいと圧力損失が上昇するおそれがある。なお、不織布が多層構造を有する場合においても、各層において空隙率が90%以下であることが好ましい。
前記不織布において、目付けが10〜90g/m2(より好ましくは20〜50g/m2)の範囲内であることが好ましい。該目付けが10g/m2よりも小さいと、孔径のばらつきが大きくなり、捕集性能や払い落とし性が低下し、毛羽脱離もしやすくなるおそれがある。逆に、該目付けが90g/m2よりも大きいとフィルター用途としては圧力損失が大きくなるおそれがある。また、前記不織布において、厚さが0.1〜0.6mmの範囲内であることが好ましい。該厚さが0.1mmよりも小さいとフィルター用途としての捕集性能が低下するおそれがある。逆に、該厚さが0.6mmよりも大きいと圧力損失が大きくなるおそれがある。また、引張強度としてはタテヨコともに0.1N/15mm以上であることが好ましい。
前記不織布の種類は湿式不織布および/またはスパンレース不織布であることが好ましい。特に、前記繊維の分散性を高める上で前記繊維を用いて抄紙して湿紙(湿式不織布)を形成した後、高圧水流(スパンレース処理)により繊維同士を交絡させる方法が好ましい。もちろん湿紙(湿式不織布)を形成した後、高圧水流(スパンレース処理)を施さなくてもよい。
その際、複数の抄紙スラリーを用意し順次投入することにより多層構造を有するスパンレース不織布を得てもよい。
前記不織布に基布を積層して積層不織布構造体とし、バグフィルター用ろ過布などの用途に用いる場合は、基布としてはスクリムを含むニードルパンチ不織布が好ましい。スクリムによりダスト流および逆洗パルスの風圧に対しても、寸法変化を小さくすることが可能となる。
かかるスクリムの目付けとしては40〜120g/m2の範囲内であることが好ましい。該目付けが40g/m2よりも小さいと、風圧に対して塑性変形して吹き漏れの原因となるおそれがある。逆に該目付けが120g/m2よりも大きいとニードルパンチ工程においてニードルへの抵抗となったり、スクリム自身が圧力損失の原因になるおそれがある。
かかるスクリムとしては、例えば、単繊維繊度1.0〜3.0dtexの長繊維または短繊維(好ましくは繊維長20〜80mmの5〜20番手双糸)からなる平組織織物が好ましい。繊維種類としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維が好ましい。
また、前記ニードルパンチ不織布においてスクリム以外を構成する繊維としてはPPS繊維、PP繊維、PE繊維、ポリイミド繊維、テフロン(登録商標)繊維、ガラス繊維などが好ましい。
前記基布としてはスパンボンド不織布も好ましい。かかるスパンボンド不織布の目付けとしては100〜400g/m2の範囲内であることが好ましい。該目付けが100g/m2よりも小さいとプリーツを形成した際の剛性が不足して風圧による形状変形が生じるおそれがある。逆に該目付けが400g/m2よりも大きいと圧力損失が大きくなるおそれがある。かかるスパンボンド不織布を構成する繊維としてはPPS繊維が好ましい。
不織布を基材に積層する方法としては、公知の方法でよい。例えば、熱接着方法、接着剤を用いた化学的接着方法、縫着などいずれでもよい。不織布を基材に熱接着させる場合、熱処理温度としては、200℃以上かつ素材の融点未満が好ましい。
前記のような不織布が基材に積層されていると、強度だけでなく捕集性能に優れ、低圧力損失で目詰まりしにくく極細繊維が脱落し難い。その際、引張強度としてはタテヨコともに300N/15mm以上であることが好ましい。また、圧力損失としては100Pa以下であることが好ましい。また、大気塵捕集率(1μm)としては80%以上であることが好ましい。
次に、本発明の不織布をバグフィルターとして用いる場合、前記不織布がダスト流入側に配することが好ましい。ダスト流入側に配された前記不織布によりダストの進入が抑制され、捕集性能に優れ、低圧力損失で目詰まりしにくく極細繊維が脱落し難い。
かかる不織布、特にバグフィルターにおいて、縫製(例えば袋状に縫製)またはプリーツ加工を施して袋状のバグフィルターまたはカートリッジタイプのバグフィルターとして集塵機などに好適に使用することができる。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)繊維径D
透過型電子顕微鏡TEM(測長機能付)を使用し、倍率30000倍で繊維断面写真を撮影し測定した。ただし、繊維径Dは、単繊維横断面におけるその外接円の直径を用いた(n数5の平均値)。
(2)繊維長L
走査型電子顕微鏡(SEM)により、海成分溶解除去前の極細短繊維(短繊維A)を基盤上に寝かせた状態とし、20〜500倍で繊維長Lを測定した(n数5の平均値)。その際、SEMの測長機能を活用して繊維長Lを測定した。
(3)目付け
JIS P8124(紙のメートル坪量測定方法)に基づいて目付けを測定した。
(4)厚さ
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の測定方法)に基づいて厚みを測定した。測定荷重は127g/cm2にて、n=5で測定し、平均値を求めた。
(5)空隙率
上記目付けと厚さ、繊維の密度を1.38g/cm3として、下記式から計算した。
空隙率(%)=100−(((目付け)/(厚さ)/1.38)×100)
(6)透気度
JIS P8117にもとづき、透気抵抗度と透気度を測定した。
(7)大気塵捕集率
風速5.1cm/secとなるように調整し、試料前後の大気塵をパーティクルカウンターでカウントし、その比によって捕集効率を算出した。
大気塵捕集効率(%)=(1−(試料通過後大気塵数/試料通過前大気塵数))×100
(8)圧力損失(圧損)
大気塵捕集効率測定時に試験片通過前後の圧力を測定しその圧力差を圧力損失として求めた。
(9)強度、伸度
JIS P8113 (紙および板紙の引張強さと試験方法)に基づいて実施した。
(10)形態保持性(毛羽立ちや毛羽脱落のし難さ)
不織布を10cm角の紙やすり(3M社製 Wetordry Tri−M−ite Paper)用い、手で10cm間隔の移動3回で擦過後、破れ発生あれば×、なければ○とした。外観上、特に毛羽立ち多い場合は付記して△とした。
(11)耐酸性
不織布に濃硫酸(95%濃度)を数滴滴下し、1時間経過後に目視で穴あき及び繊維形態が溶けて変化ない場合を〇(合格)とし、穴あき、繊維形態変化有る場合を×(不合格)とした。
(12)通気度
JIS L1096−2010 8.26 A法(フラジール形法)により通気度を測定した。
(1)繊維径D
透過型電子顕微鏡TEM(測長機能付)を使用し、倍率30000倍で繊維断面写真を撮影し測定した。ただし、繊維径Dは、単繊維横断面におけるその外接円の直径を用いた(n数5の平均値)。
(2)繊維長L
走査型電子顕微鏡(SEM)により、海成分溶解除去前の極細短繊維(短繊維A)を基盤上に寝かせた状態とし、20〜500倍で繊維長Lを測定した(n数5の平均値)。その際、SEMの測長機能を活用して繊維長Lを測定した。
(3)目付け
JIS P8124(紙のメートル坪量測定方法)に基づいて目付けを測定した。
(4)厚さ
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の測定方法)に基づいて厚みを測定した。測定荷重は127g/cm2にて、n=5で測定し、平均値を求めた。
(5)空隙率
上記目付けと厚さ、繊維の密度を1.38g/cm3として、下記式から計算した。
空隙率(%)=100−(((目付け)/(厚さ)/1.38)×100)
(6)透気度
JIS P8117にもとづき、透気抵抗度と透気度を測定した。
(7)大気塵捕集率
風速5.1cm/secとなるように調整し、試料前後の大気塵をパーティクルカウンターでカウントし、その比によって捕集効率を算出した。
大気塵捕集効率(%)=(1−(試料通過後大気塵数/試料通過前大気塵数))×100
(8)圧力損失(圧損)
大気塵捕集効率測定時に試験片通過前後の圧力を測定しその圧力差を圧力損失として求めた。
(9)強度、伸度
JIS P8113 (紙および板紙の引張強さと試験方法)に基づいて実施した。
(10)形態保持性(毛羽立ちや毛羽脱落のし難さ)
不織布を10cm角の紙やすり(3M社製 Wetordry Tri−M−ite Paper)用い、手で10cm間隔の移動3回で擦過後、破れ発生あれば×、なければ○とした。外観上、特に毛羽立ち多い場合は付記して△とした。
(11)耐酸性
不織布に濃硫酸(95%濃度)を数滴滴下し、1時間経過後に目視で穴あき及び繊維形態が溶けて変化ない場合を〇(合格)とし、穴あき、繊維形態変化有る場合を×(不合格)とした。
(12)通気度
JIS L1096−2010 8.26 A法(フラジール形法)により通気度を測定した。
[実施例1]
極細PPS繊維(繊維径700nm、繊維長1mm、アスペクト比1400、丸断面、延伸糸)20重量%と、単繊維繊度1.7dtex×繊維長5mmのPPS短繊維(延伸糸)80重量%からなる目付約30g/m2の不織布を得た。その際、抄紙スラリーを各々個別に調整し、抄紙マシーンのヘッドボックスに導入し、所定の目付けになるようスラリー供給量と白水供給量を調整し、抄紙機で湿式抄紙を行いヤンキードライヤーで乾燥し湿式不織布を得た。評価結果を表1に示す。
極細PPS繊維(繊維径700nm、繊維長1mm、アスペクト比1400、丸断面、延伸糸)20重量%と、単繊維繊度1.7dtex×繊維長5mmのPPS短繊維(延伸糸)80重量%からなる目付約30g/m2の不織布を得た。その際、抄紙スラリーを各々個別に調整し、抄紙マシーンのヘッドボックスに導入し、所定の目付けになるようスラリー供給量と白水供給量を調整し、抄紙機で湿式抄紙を行いヤンキードライヤーで乾燥し湿式不織布を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
極細PPS繊維(繊維径700nm、繊維長1mm、アスペクト比1400、丸断面、延伸糸)20重量%と、単繊維繊度0.4dtex×繊維長5mmのPPS短繊維(未延伸糸)20重量%と、単繊維繊度1.7dtex×繊維長5mmの捲縮のあるPPS短繊維(延伸糸)60重量%からなる目付約30g/m2の不織布を得た。その際、抄紙スラリーを各々個別に調整し、抄紙マシーンのヘッドボックスに導入し、所定の目付けになるようスラリー供給量と白水供給量を調整し、抄紙機で湿式抄紙を行いヤンキードライヤーで乾燥し湿式不織布を得た。評価結果を表1に示す。
極細PPS繊維(繊維径700nm、繊維長1mm、アスペクト比1400、丸断面、延伸糸)20重量%と、単繊維繊度0.4dtex×繊維長5mmのPPS短繊維(未延伸糸)20重量%と、単繊維繊度1.7dtex×繊維長5mmの捲縮のあるPPS短繊維(延伸糸)60重量%からなる目付約30g/m2の不織布を得た。その際、抄紙スラリーを各々個別に調整し、抄紙マシーンのヘッドボックスに導入し、所定の目付けになるようスラリー供給量と白水供給量を調整し、抄紙機で湿式抄紙を行いヤンキードライヤーで乾燥し湿式不織布を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例2の湿式不織布を基材不織布(PPS素材のバグフィルター用ニードルパンチ不織布)と貼り合わせた。貼り合わせはカレンダーの上下ロールの内、上面240℃、下面100℃設定で、クリアランス1mm、線圧100kg/cm、速度2m/minで行った。評価結果を表1に示す。
実施例2の湿式不織布を基材不織布(PPS素材のバグフィルター用ニードルパンチ不織布)と貼り合わせた。貼り合わせはカレンダーの上下ロールの内、上面240℃、下面100℃設定で、クリアランス1mm、線圧100kg/cm、速度2m/minで行った。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
1層目に単繊維繊度0.2dtex×繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート短繊維50重量%と単繊維繊度0.8dtex×繊維長7mmで捲縮のあるレーヨン50重量%の目付け約15g/m2、2層目に極細ポリエスエル繊維(繊維径700nm、繊維長1mm、アスペクト比1400、丸断面)20重量%と、単繊維繊度0.1dtex×繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート短繊維80重量%目付け約15g/m2からなるスパンレース不織布を得た。その際、抄紙スラリーを各々個別に調整し、抄紙マシーンのヘッドボックスに導入し、所定の目付けになるようスラリー供給量と白水供給量を調整し、積層湿紙を形成した後、高圧ジェット水圧100kPaで交絡処理を実施した。その後、空隙向上を狙い、熱風温度145〜155℃にて、エアースルー熱処理加工を実施した。評価結果を表1に示す。
1層目に単繊維繊度0.2dtex×繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート短繊維50重量%と単繊維繊度0.8dtex×繊維長7mmで捲縮のあるレーヨン50重量%の目付け約15g/m2、2層目に極細ポリエスエル繊維(繊維径700nm、繊維長1mm、アスペクト比1400、丸断面)20重量%と、単繊維繊度0.1dtex×繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート短繊維80重量%目付け約15g/m2からなるスパンレース不織布を得た。その際、抄紙スラリーを各々個別に調整し、抄紙マシーンのヘッドボックスに導入し、所定の目付けになるようスラリー供給量と白水供給量を調整し、積層湿紙を形成した後、高圧ジェット水圧100kPaで交絡処理を実施した。その後、空隙向上を狙い、熱風温度145〜155℃にて、エアースルー熱処理加工を実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
繊度2.2dtex×繊維長51mmのPPS短繊維をカーディング工程にて開繊、ウェブシート化後、クロスレイで積層し、PPS織物を中間層に挟んでニードルパンチ加工を行った後、毛焼き、カレンダー加工してバグフィルター用ろ布を得た。評価結果を表1に示す。
繊度2.2dtex×繊維長51mmのPPS短繊維をカーディング工程にて開繊、ウェブシート化後、クロスレイで積層し、PPS織物を中間層に挟んでニードルパンチ加工を行った後、毛焼き、カレンダー加工してバグフィルター用ろ布を得た。評価結果を表1に示す。
本発明によれば、耐酸性に優れた不織布および積層不織布構造体およびフィルター用ろ過布が得られ、その工業的価値は極めて大である。
Claims (8)
- 繊維径が2μm以下の極細耐酸性繊維Aと、繊維径が前記耐酸性繊維Aよりも大きい耐酸性繊維Bを含むことを特徴とする不織布。
- 前記極細耐酸性繊維Aおよび耐酸性繊維Bにおいて、繊維径Dに対する繊維長Lの比L/Dが600〜3000の範囲内である、請求項1に記載の不織布。
- 前記極細耐酸性繊維Aまたは前記耐酸性繊維Bとして、未延伸糸および/または延伸糸を含む、請求項1または請求項2に記載の不織布。
- 前記極細耐酸性繊維Aまたは耐酸性繊維Bが、ポリフェニレンサルファイド繊維またはポリオレフィン系繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の不織布。
- 不織布が、前記極細耐酸性繊維Aと耐酸性繊維Bのみで構成される、請求項1〜4のいずれかに記載の不織布。
- 不織布が湿式不織布またはスパンレース不織布である、請求項1〜5のいずれかに記載の不織布。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の不織布に基材が積層されてなる積層不織布構造体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の不織布または積層不織布構造体を用いてなるフィルター用ろ過布。
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