JP2022143188A - ステータ及びステータの製造方法 - Google Patents

ステータ及びステータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁紙の巻き癖を有効に利用することによって、スロット内での絶縁紙の内反りを防止でき、スロット内へのコイルを円滑に挿入可能な、コイル挿入作業の作業効率の高いステータを提供すること。【解決手段】複数のスロットを有するステータコアと、スロット内に絶縁紙を介して挿入されるコイルと、を有するステータであって、絶縁紙は、円弧状の巻き癖を有する原紙を、曲率を有する方向に延びる折り曲げ線に沿って、凹面側が背面になるように折り曲げられた折り曲げ成形品からなり、開口側が外方に開く開き癖を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、ステータ及びステータの製造方法に関する。
ステータコアのスロット内には、コイルとステータコアとの間の絶縁のために、絶縁紙が挿入される。絶縁紙は、原紙を折り曲げ成形することによって形成される。通常、原紙はロール状に巻回されており、巻き戻しながら所定の長さに切断して使用される。
一般に、ロール状に巻かれた原紙は巻き癖を有する。巻き癖を有する原紙から絶縁紙を折り曲げ成形する場合、絶縁紙が巻き癖に起因してスロット内で内側に向けて反る内反りを発生させ、スロット内へのコイルの挿入を阻害するおそれがある。そのため、絶縁紙を原紙から折り曲げ成形する際に、巻き癖を解消するための折り曲げを行う必要がある。
従来、ロール状に巻かれた絶縁紙の原紙を巻き戻しながら、ロール幅方向の両端を、ロール外面側にカフス折りした状態で所定長さに切断した後、切断した原紙を、ロール幅方向の折り目に沿ってカフス折りした方向と反対方向に折り曲げることによって絶縁紙を形成し、その絶縁紙をスロット内に挿入した後、コイルを絶縁紙の内側に挿入することによってステータを製造することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5754349号公報
しかしながら、従来の方法では、巻き癖の解消のために、絶縁紙の原紙をカフス折りする工程が必要となり、絶縁紙の形成工程が煩雑化する、という課題がある。
本発明は、絶縁紙の巻き癖を有効に利用することによって、スロット内での絶縁紙の内反りを防止でき、スロット内へのコイルを円滑に挿入可能な、コイル挿入作業の作業効率の高いステータ及びステータの製造方法を提供することを目的とする。
(1) 本発明に係るステータは、複数のスロット(例えば、後述のスロット23)を有するステータコア(例えば、後述のステータコア2)と、前記スロット内に絶縁紙(例えば、後述の絶縁紙4)を介して挿入されるコイル(例えば、後述のコイル3)と、を有するステータ(例えば、後述のステータ1)であって、前記絶縁紙は、円弧状の巻き癖を有する原紙(例えば、後述の原紙101)を、曲率を有する方向(例えば、後述のD方向)に延びる折り曲げ線(例えば、後述の折り曲げ線L)に沿って、凹面(例えば、後述の凹面101a)側が背面になるように折り曲げられた折り曲げ成形品からなり、開口側が外方(例えば、後述の外方E)に開く開き癖を有する。
(2) 上記(1)に記載のステータにおいて、前記スロットは、前記ステータの径方向に開口する開口部(例えば、後述の開口部23a)に、開口幅を広げるテーパ部(例えば、後述のテーパ部23d)を有し、前記絶縁紙は、前記開口側の先端部(例えば、後述の先端部4b)に、前記テーパ部に沿って外方に折り曲げられた外曲げ部(例えば、後述の外曲げ部43)を有してもよい。
(3) 上記(1)又は(2)に記載のステータにおいて、前記ステータの軸方向に沿う前記絶縁紙の両端部は、前記ステータの軸方向の端面(例えば、後述の端面2a)からそれぞれ突出していてもよい。
(4) 本発明に係るステータの製造方法は、複数のスロット(例えば、後述のスロット23)を有するステータコア(例えば、後述のステータコア2)と、前記スロット内に絶縁紙(例えば、後述の絶縁紙4)を介して挿入されるコイル(例えば、後述のコイル3)と、を有するステータ(例えば、後述のステータ1)の製造方法である。円弧状の巻き癖を有する原紙(例えば、後述の原紙101)を、曲率を有する方向(例えば、後述のD方向)に延びる折り曲げ線(例えば、後述の折り曲げ線L)に沿って、凹面(例えば、後述の凹面101a)側が背面になるように折り曲げることによって、前記絶縁紙を形成する絶縁紙折り曲げ工程と、前記スロットへの前記コイルの挿入前に、前記スロットに前記絶縁紙を挿入する絶縁紙挿入工程と、前記スロット内の前記絶縁紙の内部へ、前記絶縁紙の開口側から前記コイルを挿入するコイル挿入工程と、を有する。
上記(1)によれば、絶縁紙は、円弧状の巻き癖を有する原紙を、凹面側が背面になるように、曲率を有する方向に延びる折り曲げ線に沿って折り曲げられた折り曲げ成形品からなり、開口側が外方に開く開き癖を有すため、巻き癖を有効に利用できるとともに、絶縁紙がスロットの内面に沿って自己保持される。そのため、スロット内での絶縁紙の内反りを防止でき、スロット内へのコイルを円滑に挿入可能な、コイル挿入作業の作業効率の高いステータを提供することができる。
上記(2)によれば、スロットのテーパ部に沿う絶縁紙の外曲げ部によって、コイル挿入時に、絶縁紙の形状ばらつきによるコイルと絶縁紙との引っ掛かりを防止できる。そのため、コイルをスロット内により円滑に挿入可能であり、コイル挿入作業の作業効率をより高めることができる。
上記(3)によれば、絶縁紙をカフス折りすることなく、スロットの軸方向の端縁におけるコイルとの間の絶縁を容易に図ることが可能である。
上記(4)によれば、絶縁紙の原紙の円弧状の巻き癖を有効に利用できるとともに、絶縁紙がスロットの内面に沿って自己保持される。そのため、スロット内での絶縁紙の内反りを防止でき、スロット内へのコイルを円滑に挿入可能な、コイル挿入作業の作業効率の高いステータを容易に製造可能である。
本発明の一実施形態に係るステータを示す斜視図である。 図1に示すステータのステータコアを示す平面図である。 図2に示すステータコアの一部のスロット内の絶縁紙を示す斜視図である。 ステータに装着される前のコイルを示す正面図である。 絶縁紙の製造工程を示す図である。 絶縁紙の製造工程を示す図である。 絶縁紙の平面図である。 絶縁紙が挿入されたスロット内にコイルを挿入する様子を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るステータのステータコアの一部を示す平面図である。 図9に示すステータコアのスロットに挿入される絶縁紙を示す平面図である。 図10に示す絶縁紙が挿入されたスロット内にコイルを挿入する様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態のステータ1は、ステータコア2と、ステータコア2に円環状に装着されるコイル3と、を有する。
ステータコア2は、図2に示すように、中央に円形の軸孔21と、例えば、薄肉のコアプレートが複数積層された積層体からなる円環部22と、を有する。円環部22には、ステータコア2の軸方向に貫通する複数のスロット23を有する。スロット23は、ステータコア2の周方向に沿って一定の間隔で放射状に配列され、円環部22の径方向内側の軸孔21に向けて開口する開口部23aを有する。本実施形態のステータコア2は、72個のスロット23を有する。なお、ステータ1及びステータコア2において、図2に示すように、スロット23が配列されるA方向が周方向であり、軸孔21の中心から放射方向に沿うB方向が径方向であり、図1に示すC方向(図2の紙面に対する垂直方向)が軸方向である。
ステータコア2のスロット23には、図2及び図3に示すように、それぞれ絶縁紙4が挿入されている。絶縁紙4は、ステータコア2を軸方向から見たときのスロット23の略コ字形状の内面形状に倣うように、コ字形状に折り曲げられた折り曲げ成形品である。すなわち、絶縁紙4は、図3に示すように、ステータコア2の径方向に延びるスロット23の内面に沿う一対の径方向部41,41と、径方向部41,41の径方向外側の端部同士をステータコア2の周方向に沿って連結する周方向部42と、を有する。
スロット23内に挿入された絶縁紙4は、カフス部4aを有する。カフス部4aは、絶縁紙4の径方向部41,41及び周方向部42がステータコア2の軸方向に延長されてスロット23からはみ出し、ステータコア2の軸方向の端面2aから外側に突出する部位である。図3は、ステータコア2の一方の端面2aからはみ出した絶縁紙4の一方のカフス部4aのみを示すが、カフス部4aは、ステータコア2の軸方向の両方の端面2a,2aからそれぞれはみ出している。
ステータコア2に円環状に装着されるコイル3は、図4に示すように、断面形状が略矩形状の平角導線31によって形成される長尺帯状のコイルである。平角導線31は、例えば、銅、アルミニウム等の導電性の高い金属によって形成される。
コイル3は、複数の直状部32と複数のコイルエンド部33とを有する。直状部32は、ステータコア2のスロット23内に挿入される部位であり、それぞれ略直線状に延びて一定の間隔で平行に配置される。コイルエンド部33は、直状部32よりもコイル3の側端寄りの位置にそれぞれ配置され、隣り合う直状部32の一方端部同士と他方端部同士とを山型状に交互に連結する。コイルエンド部33は、コイル3がステータコア2のスロット23に装着された際に、スロット23からステータコア2の軸方向にそれぞれ突出するように配置される部位である。本実施形態のコイル3は、複数の直状部32と複数のコイルエンド部33とがそれぞれ折り曲げ形成された6本の平角導線31を、直状部32が一定の間隔で平行に並列するように束ねることによって、長尺帯状に形成される。
次に、ステータ1の製造方法について、図5~図8を参照して説明する。まず、図5~図7を参照して、絶縁紙4についてさらに詳しく説明する。図5及び図6に示すように、絶縁紙4は、矩形状の原紙101をコ字形状に折り曲げることによって形成される。原紙101は、ロール状に巻回された原紙ロール100から巻き戻され、所定の長さに切断されることによって形成される。
原紙101は、それまでロール状に巻回されていたことによって、図5に示すように、円弧状に湾曲しようとする巻き癖を有する。巻き癖は、ロール状の巻回方向に沿う方向に発生する。円弧状の原紙101における凹面101aは、原紙101が原紙ロール100に巻回されていたときに内面側に配置される面(原紙ロール100の径方向内側に配置される面)である。図5及び図6中のD方向は、円弧状の巻き癖が曲率を有する方向を示す。このD方向は、原紙101が原紙ロール100から巻き戻される方向に沿っている。また、D方向は、絶縁紙4がスロット23に挿入された際に、スロット23の軸方向に沿う方向でもある。切断された1枚の原紙101のD方向に沿う長さは、スロット23の軸方向に沿う長さよりも長い。
原紙101は、一対の折り曲げ線L,Lに沿って、巻き癖の凹面101a側が背面になるように、スロット23の内面形状に沿うようにコ字形状に折り曲げられる(絶縁紙折り曲げ工程)。
詳しくは、図6に示すように、原紙101における一対の折り曲げ線L,Lの外側端部101b,101bが、それぞれ凹面101aと反対側に向けて折り曲げられる。一対の折り曲げ線L,Lは、円弧状の巻き癖を有する原紙101における曲率を有する方向に沿って平行に延びている。一対の折り曲げ線L,Lの間隔W1は、スロット23の周方向の幅W11(図8参照)に略等しい。外側端部101b,101bの折り曲げ線L,Lからの長さW2,W2は、スロット23の径方向の深さW12(図8参照)に略等しい。
なお、折り曲げ線L,Lは、原紙101の折り曲げに際して、原紙101に仮想的に設定される線であってよい。また、折り曲げ線L,Lは、原紙101を折り曲げる位置の目安となるものであり、必ずしも、原紙101が折り曲げ線L,Lに沿って明確な折り目を形成するように折り曲げられなくてもよい。
以上のように原紙101を折り曲げることによって、図7に示すように、コ字形状の絶縁紙4が形成される。折り曲げ線L,Lで折り曲げられた一対の外側端部101b,101bは、絶縁紙4の径方向部41,41を構成する。折り曲げ線L,Lの間は、絶縁紙4の周方向部42を構成する。コ字形状の絶縁紙4は、一対の径方向部41,41の先端側(周方向部42と反対側)が開口する形状を有する。
絶縁紙4は、円弧状の巻き癖の凹面101a側が背面となるように折り曲げられているため、円弧状の巻き癖に起因して、背面である周方向部42が、D方向に沿って径方向部41,41の折り曲げ側と反対側に向けて反ろうとする力が働く。その結果、絶縁紙4は、一対の径方向部41,41が互いに背反する外方E,Eに開こうとする開き癖を有する。この外方Eは、ステータコア2の周方向に沿う方向である。
次に、図8に示すように、スロット23へのコイル3の挿入前に、スロット23にそれぞれ絶縁紙4が挿入される(絶縁紙挿入工程)。絶縁紙4は、開口側がスロット23の開口部23a側に配置されるように、絶縁紙4の周方向部42側を先頭にして、スロット23に対して径方向内側から外側に向けて挿入される。スロット23内に挿入された絶縁紙4の径方向内側の先端部4b,4bの位置は、スロット23の開口部23aの位置に略一致する。スロット23内の絶縁紙4は、一対の径方向部41,41が互いに背反する外方E,Eに開こうとする開き癖を有するため、絶縁紙4の径方向部41,41は、スロット23の径方向に延びる内面23b,23bに密接する。これによって、絶縁紙4は、スロット23内に自己保持されるとともに、スロット23内での絶縁紙4の内反りが防止される。
D方向に沿う原紙101の長さは、スロット23の軸方向に沿う長さよりも長いため、
スロット23内に挿入された絶縁紙4は、図3に示すように、ステータコア2の軸方向の端面2aから突出するカフス部4aを有する。このカフス部4aは、従来のようにカフス折りされたものではなく、絶縁紙4の径方向部41,41及び周方向部42の端部がそのまま延長されただけの部位である。そのため、絶縁紙4は、スロット23の軸方向の端縁23c(図3参照)におけるコイル3との間の絶縁を容易に図ることが可能である。
絶縁紙4がスロット23内に挿入された後、スロット23内の絶縁紙4の内部へ、絶縁紙4の開口側からコイル3の直状部32が挿入される(コイル挿入工程)。コイル3は、図示しないが、予め、ステータコア2の軸孔21よりも小径の円環状に巻回されて軸孔21内に挿入される。直状部32は、軸孔21内の円環状のコイル3が径方向外側に向けて拡径することによって、スロット23の開口部23aを通って、絶縁紙4の内部に挿入される。このとき、スロット23内の絶縁紙4の径方向部41,41は、原紙101の円弧状の巻き癖に由来する外方E,Eの開き癖によって、スロット23の内面23b,23bに密接するように配置されるため、絶縁紙4と直状部32とが引っ掛かることによって直状部32の挿入を妨げるようなことはない。そのため、コイル3の直状部32のスロット23への挿入を円滑に行うことができ、コイル挿入作業の作業効率が高められる。その後、コイル3の全ての直状部32がスロット23内に挿入されることによって、図1に示すステータ1が完成する。
以上のように、本実施形態のステータ1は、複数のスロット23を有するステータコア2と、スロット23内に絶縁紙4を介して挿入されるコイル3と、を有する。絶縁紙4は、円弧状の巻き癖を有する原紙101を、曲率を有するD方向に延びる折り曲げ線L,Lに沿って、凹面101a側が背面になるように、スロット23の内面形状に沿うコ字形状に折り曲げられた折り曲げ成形品からなり、開口側が外方E,Eに開く開き癖を有する。これによれば、絶縁紙4は、原紙101が有する円弧状の巻き癖を有効に利用できるとともに、スロット23の内面23b,23bに沿って自己保持される。そのため、スロット23内での絶縁紙4の内反りを防止でき、スロット23内へのコイル3の直状部32を円滑に挿入可能な、コイル挿入作業の作業効率の高いステータ1を提供することができる。
本実施形態のステータコア2の軸方向に沿う絶縁紙4の両端部は、ステータコア2の軸方向の端面2aからそれぞれ突出している。これによれば、絶縁紙4をカフス折りすることなく、スロット23の軸方向の端縁23cにおけるコイル3との間の絶縁を容易に図ることが可能である。
また、本実施形態のステータ1の製造方法は、複数のスロット23を有するステータコア2と、スロット23内に絶縁紙4を介して挿入されるコイル3と、を有するステータ1の製造方法である。円弧状の巻き癖を有する原紙101を、曲率を有するD方向に延びる折り曲げ線L,Lに沿って、凹面101a側が背面になるように、スロット23の内面形状に沿うコ字形状に折り曲げることによって、絶縁紙4を形成する絶縁紙折り曲げ工程と、スロット23へのコイル3の直状部32の挿入前に、スロット23に絶縁紙4を挿入する絶縁紙挿入工程と、スロット23内の絶縁紙4の内部へ、絶縁紙4の開口側からコイル3の直状部32を挿入するコイル挿入工程と、を有する。これによれば、絶縁紙4の原紙101の円弧状の巻き癖を有効に利用できるとともに、絶縁紙4がスロット23の内面23bに沿って自己保持される。そのため、スロット23内での絶縁紙4の内反りを防止でき、スロット23内へのコイル3の直状部32を円滑に挿入可能な、コイル挿入作業の作業効率の高いステータ1を容易に製造可能である。
図9~図11は、他の実施形態に係るステータのステータコア2及び絶縁紙4を示している。このステータコア2のスロット23は、図9に示すように、開口部23aに、開口幅を広げるテーパ部23d,23dを有する。すなわち、スロット23の周方向に沿う幅は、径方向内側の開口部23aにおいて最も広くなるように形成される。
このステータコア2のスロット23内に挿入される絶縁紙4は、図5及び図6に示したとおりの方法によって、原紙101から折り曲げられることによって形成される。しかし、図10に示すように、開口側の先端部4b,4bには、スロット23のテーパ部23d,23dに沿って外方E,Eに向けて折り曲げられた外曲げ部43,43をそれぞれ有する。外曲げ部43,43は、図6に示す原紙101における一対の折り曲げ線L,Lの外側端部101b,101bを折り曲げる前又は後に、一対の折り曲げ線L,Lよりも外側を、折り曲げ線L,Lと平行な折り曲げ線(図示せず)に沿って、凹面101a側に向けて折り曲げることによって形成される。
この外曲げ部43,43を有する絶縁紙4がスロット23内に挿入されると、図11に示すように、絶縁紙4の径方向部41,41が外方E,Eに開く開き癖を有することによって、外曲げ部43,43は、スロット23のテーパ部23d,23dに密接する。これによって、絶縁紙4は、ステータコア2の軸孔21に向けて広く開口するため、コイル3の直状部32の挿入時に、絶縁紙4の形状ばらつきによるコイル3の直状部32と絶縁紙4との引っ掛かりを防止することができる。なお、この場合においても、スロット23内に挿入された絶縁紙4の径方向内側の先端部4b,4bの位置は、スロット23の開口部23aの位置に略一致する。
このように、本実施形態のスロット23は、ステータ1のステータコア2の径方向に開口する開口部23aに、開口幅を広げるテーパ部23dを有する。絶縁紙4は、開口側の先端部4b,4bに、テーパ部23d,23dに沿って外方E,Eに向けて折り曲げられた外曲げ部43,43をそれぞれ有する。これによれば、スロット23のテーパ部23d,23dに沿う絶縁紙4の外曲げ部43,43によって、コイル3の直状部32の挿入時に、絶縁紙4の形状ばらつきによるコイル3の直状部32と絶縁紙4との引っ掛かりを防止できる。そのため、コイル3の直状部32をスロット内により円滑に挿入可能であり、コイル挿入作業の作業効率をより高めることができる。
以上の実施形態では、絶縁紙4は、ステータコア2の軸方向から見て、スロット23の内面形状に沿ってコ字状に折り曲げられているが、絶縁紙4の形状はこれに限定されず、スロット23の内面形状等に応じて適宜変更することができる。例えば、絶縁紙4は、ステータコア2の軸方向から見て、U字形状、V字形状等に折り曲げられていてもよい。
以上の実施形態では、ステータコア2のスロット23は、内周側に開口するように設けられるが、スロット23は、ステータコア2の外周側に開口するように設けられてもよい。
1 ステータ
2 ステータコア
2a 端面
23 スロット
23a 開口部
23d テーパ部
3 コイル
4 絶縁紙
4d 先端部
43 外曲げ部
101 原紙
101a 凹面
D 曲率を有する方向
E 外方
L 折り曲げ線

Claims (4)

  1. 複数のスロットを有するステータコアと、前記スロット内に絶縁紙を介して挿入されるコイルと、を有するステータであって、
    前記絶縁紙は、円弧状の巻き癖を有する原紙を、曲率を有する方向に延びる折り曲げ線に沿って、凹面側が背面になるように折り曲げられた折り曲げ成形品からなり、開口側が外方に開く開き癖を有する、ステータ。
  2. 前記スロットは、前記ステータコアの径方向に開口する開口部に、開口幅を広げるテーパ部を有し、
    前記絶縁紙は、前記開口側の先端部に、前記テーパ部に沿って外方に折り曲げられた外曲げ部を有する、請求項1に記載のステータ。
  3. 前記ステータコアの軸方向に沿う前記絶縁紙の両端部は、前記ステータコアの軸方向の端面からそれぞれ突出している、請求項1又は2に記載のステータ。
  4. 複数のスロットを有するステータコアと、前記スロット内に絶縁紙を介して挿入されるコイルと、を有するステータの製造方法であって、
    円弧状の巻き癖を有する原紙を、曲率を有する方向に延びる折り曲げ線に沿って、凹面側が背面になるように折り曲げることによって、前記絶縁紙を形成する絶縁紙折り曲げ工程と、
    前記スロットへの前記コイルの挿入前に、前記スロットに前記絶縁紙を挿入する絶縁紙挿入工程と、
    前記スロット内の前記絶縁紙の内部へ、前記絶縁紙の開口側から前記コイルを挿入するコイル挿入工程と、を有する、ステータの製造方法。
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