JP2022141421A - インクジェット記録用プレコート液、及びインクセット - Google Patents

インクジェット記録用プレコート液、及びインクセット Download PDF

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崇詞 玉井
Takashi Tamai
宏文 花澤
Hirofumi Hanazawa
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Abstract

【課題】色ムラの発生を防止でき、少ないインク量で高発色の画像を形成することができるインクジェット記録用プレコート液の提供。【解決手段】キレート剤、及び界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用プレコート液である。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用プレコート液、及びインクセットに関する。
近年、インクジェット記録方式は、可変印刷や幅広いメディア対応可能といった利点から、商用印刷としても拡大している。商用印刷においては、多種多様な紙に対して印刷を行っており、その紙は大きく分けて普通紙とコート紙に分けられ、普通紙の光学濃度(OD)の確保とコート紙の光沢性の確保とでは、必要とされるインクの機能が異なっている。
そのため、画像の色再現性、耐擦過性、耐久性、耐光性、画像の乾燥性、文字にじみ(フェザリング)、色境界にじみ(カラーブリード)、ビーディング、両面印刷性、吐出安定性などの要求される全ての特性を満足することは非常に難しく、用途に応じて優先される特性により用いるインクが選択されている。
例えば、記録媒体表面にインクによる画像が形成された際にインク中の色材を定着するための材料を予め塗工した記録媒体や、表面に白色顔料や水溶性ポリマーを塗工した記録媒体が提案されている。しかし、これらの提案は上記のような特殊な処理を施す必要があることから高価であり、写真画像出力等の特殊な用途に限定され、広く普及するには至っていない。
そこで、一般的な記録媒体にも対応するため、記録媒体上に予め色材の凝集性を有する処理液を付与し、その部分にインクを付与して印刷することにより、普通紙やコート紙においても画像濃度や彩度を高くすることができるインクジェット記録方法が提案されている。
本発明は、色ムラの発生を防止でき、少ないインク量で高発色の画像を形成することができるインクジェット記録用プレコート液を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクジェット記録用プレコート液は、キレート剤、及び界面活性剤を含有する。
本発明によると、色ムラの発生を防止でき、少ないインク量で高発色の画像を形成することができるインクジェット記録用プレコート液を提供することができる。
(インクジェット記録用プレコート液)
本発明のインクジェット記録用プレコート液は、キレート剤、及び界面活性剤を含有し、有機溶剤、及び水を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。ただし、本発明のインクジェット記録用プレコート液は、シリカ微粒子を含むものを除く。
本発明のインクジェット記録用プレコート液は、記録媒体にインクを塗布する直前に記録媒体上に塗布される。
従来のインクジェット記録用プレコート液は、インク中の固形分の偏在を抑えるために、凝集剤として金属塩を含有することでインク中の固形分を凝集させて、インクのドット径を小さくさせていた。また、紙等の記録媒体上に存在する金属塩によっても、インク中の固形分が凝集しインクのドット径が小さくなる。
しかしながら、インクのドット径が小さくなると画像がくすむ(暗みがかる)ため、高発色(即ち、高い光学濃度及び彩度)の画像を形成するには、付与するインクの量を多くする必要があるという問題がある。また、従来のインクジェット記録用プレコート液は、インクの固形分を凝集させているためインク滴が厚くなり、インク滴の乾燥性が悪くビーディング(色ムラ)が発生するという問題がある。
そこで、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、インクを凝集させている従来のインクジェット記録用プレコート液とは逆転の発想として、キレート剤を含有するインクジェット記録用プレコート液を用いることで、紙等の記録媒体上に存在する金属塩を錯イオン化し、インクのドット径を大きくすることで、少ないインク量で高発色の画像を形成することができることを知見した。また、紙等の記録媒体上に存在する金属塩を錯イオン化させてインクのドット径を大きくさせることで、インク滴が薄くなるためインク滴の乾燥性が良好となりビーディング(色ムラ)の発生を抑えることができることを知見した。
また、本発明のインクジェット記録用プレコート液は界面活性剤を含有することで、記録媒体上の表面張力エネルギーがインク滴より高くなり、インク滴のドット径を大きくすることができることを知見した。
<キレート剤>
前記キレート剤が、前記インクジェット記録用プレコート液に含まれることで、紙等の記録媒体上に存在する金属塩を錯イオン化して、インクのドット径を大きくすることができるため、優れた光学濃度及び彩度を有する画像を形成することでき、かつ、色ムラ(ビーディング)の発生を抑えることができる。
前記キレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン(EDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、1,3-プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA-OH)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ジカルボキシメチルグルタミン酸(CMGA)、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高発色の画像を形成することができ、かつ、色ムラ(ビーディング)の発生を防止できる点から、エチレンジアミン4酢酸、及びグリコールエーテルジアミン4酢酸が好ましく、より高発色の画像を形成することができ、かつ色ムラ(ビーディング)の発生をより防止でき、また、紙面上に存在するカルシウムとキレート錯体を形成できる点から、グリコールエーテルジアミン4酢酸がより好ましい。
前記キレート剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高発色の画像を形成することができ、かつ、色ムラ(ビーディング)の発生を防止できる点から、前記インクジェット記録用プレコート液全量に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
前記キレート剤の含有量としては、熱分解ガスクロマトグラフィー(装置名:GCMS-QP2020、株式会社島津製作所製)などを用いて測定することができる。
<界面活性剤>
前記界面活性剤が、前記インクジェット記録用プレコート液に含まれることで、記録媒体上の表面張力エネルギーがインク滴より高くなり、インクのドット径を大きくすることができるため、優れた光学濃度及び彩度を有する画像を形成することでき、かつ、色ムラ(ビーディング)の発生を抑えることができる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、脂肪酸エステル系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、優れた光学濃度及び彩度を有する画像を形成することでき、かつ、色ムラ(ビーディング)の発生を抑えることができる点から、脂肪酸エステル系界面活性剤が好ましい。
前記脂肪酸エステル系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、優れた光学濃度の画像を形成することができる点から、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。
前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、優れた光学濃度及び彩度を有する画像を形成することでき、かつ、色ムラ(ビーディング)の発生を抑えることができる点から、前記インクジェット記録用プレコート液全量に対して、0.1質量%以上1.5質量%以下が好ましく、0.5質量%以上1.0質量%以下がより好ましい。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性有機溶剤などを用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
前記有機溶剤としては、湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
前記有機溶剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット記録用プレコート液の乾燥性及び紙面への塗布の観点から、5質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
<水>
前記水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット記録用プレコート液の乾燥性及び紙面への塗布の観点から、5質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属塩、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤などが挙げられる。
<<金属塩>>
前記金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価金属塩などが挙げられる。
前記多価金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、ホウ素塩、亜鉛塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルシウム塩、マグネシウム塩が好ましく、マグネシウム塩がより好ましい。
前記カルシウム塩としては、例えば、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウムなどが挙げられる。
前記マグネシウム塩としては、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられる。
前記ニッケル塩としては、塩化ニッケルなどが挙げられる。
前記アルミニウム塩としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記金属塩としては、前記インクジェット記録用プレコート液に含まれないことが好ましいが、前記インクジェット記録用プレコート液が前記金属塩を含む場合は、前記金属塩の含有量A(質量%)、前記金属塩の分子量B(g/mol)、前記キレート剤の配位数C、前記キレート剤の含有量D(質量%)、及び前記キレート剤の分子量E(g/mol)が、下記式(1)を満たすことが好ましい。
(A×100)/B×C<5,000×(100×D)/E・・・式(1)
前記インクジェット記録用プレコート液が、上記式(1)を満たすことで、記録媒体及びインクジェット記録用プレコート液に含まれる金属塩をキレート化することができ、優れた光学濃度及び彩度を有する画像を形成することできる。
<<消泡剤>>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<<pH調整剤>>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<<防腐防黴剤>>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
<<防錆剤>>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記インクジェット記録用プレコート液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ローラー塗布、インクジェット方式による塗布、泡塗布などが挙げられる。
(インクセット)
本発明のインクセットは、本発明の前記インクジェット記録用プレコート液と、インクジェット記録用インク(以下、インクと称することがある)と、を有する。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散性顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度は、20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1,000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<<消泡剤>>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<<防腐防黴剤>>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
<<防錆剤>>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<<pH調整剤>>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1~22及び比較例1~14)
-インクジェット記録用プレコート液の調製例-
表1-1から表1-7に示す処方に基づき、実施例1~22及び比較例1~14を調製した。なお、表1-1及び表1-7中の数値は、質量%を表す。
Figure 2022141421000001
Figure 2022141421000002
Figure 2022141421000003
Figure 2022141421000004
Figure 2022141421000005
Figure 2022141421000006
Figure 2022141421000007
-インクジェット記録用インクの調製例-
表2に示す処方に基づき、インクジェット記録用インク1を調製した。なお、表2の数値は、質量%を表す。
Figure 2022141421000008
-顔料分散体PD-Cの調製例-
特開2012-207202号公報の〔顔料表面改質処理〕の-方法A-に記載の方法と同様にして、自己分散型顔料分散体を作製した。
ピグメントブルー15:3(大日精化工業株式会社製、クロモファインブルー)20g、下記構造式(1)で表される化合物20ミリモル、及びイオン交換高純水200mLを、室温(25℃)環境下、Silversonミキサー(6,000rpm)で混合した。得られたスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸20ミリモルを添加した。30分間後に、少量のイオン交換高純水に溶解した亜硝酸ナトリウム(20ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加した。更に、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させることにより、ピグメントブルー15:3に下記構造式(1)で表される化合物を付加した改質顔料を生成した。
次に、NaOH水溶液によりpHを10に調整して、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基又はジェミナルビスホスホン酸ナトリウム塩と結合した改質顔料分散体とイオン交換高純水とを透析膜を用いて限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って、顔料濃度15質量%のシアンの顔料分散体[PD-C]を得た。
[構造式(1)]
Figure 2022141421000009
-界面活性剤-
*アセチレングリコール界面活性剤:日信化学工業株式会社製、サーフィノール440
-樹脂-
*スチレン-アクリル樹脂粒子:昭和電工株式会社製、商品名:ポリゾールAP-1120(不揮発分:30質量%)
前記実施例1~22及び比較例1~14のうちいずれかのインクジェット記録用プレコート液と、前記インクジェット記録用インクとからなるインクセットを用いて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表3-1~表3-7に示した。
<色ムラ>
各インクセットを用いて、色ムラの評価を行った。
インクジェット用プレコート液を、塗布量が0.06mg/cmとなるように、ワイヤーバー(巻線径:0.02mm、小林製作所製)を用いて、記録媒体としてのLumi Art Gross130(Stora Enso社製)に塗布し、オーブンを用いて90℃で30秒間乾燥を行い、プレコート後の記録媒体を得た。得られたプレコート後の記録媒体に対して、インクジェットプリンタ(GXe5500、株式会社リコー製)を用いて、光沢紙-きれいモード、色補正なしの設定条件で、ベタ画像を印刷した。得られたベタ画像の色ムラ(ビーディング)について、下記基準に基づき目視で評価した。なお、B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
AA:全く無し
A:10cm離れたところから色ムラが僅かに確認できる
B:15cm離れたところから色ムラが僅かに確認できる
C:30cm離れたところからでも色ムラが確認できる
D:1m離れたところからでも色ムラが確認できる
<ブラックの光学濃度(OD)>
各インクセットのブラックインク(Bk)を用いて、ブラックの光学濃度(OD)の評価を行った。
インクジェット用プレコート液を、塗布量が0.06mg/cmとなるように、ワイヤーバー(巻線径:0.02mm、小林製作所製)を用いて、記録媒体としてのLumi Art Gross130(Stora Enso社製)に塗布し、オーブンを用いて90℃で30秒間乾燥を行い、プレコート後の記録媒体を得た。得られたプレコート後の記録媒体に対して、インクジェットプリンタ(GXe5500、株式会社リコー製)を用いて、光沢紙-きれいモード、色補正なしの設定条件で、100%付着量ベタの3/5倍付着量のチャートを印字し、印字画像を得た。得られた印字画像のブラックの光学濃度(OD)を分光測色濃度計(装置名:X-rite、X-Rite社製)で測定し、下記基準に基づき評価した。なお、B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
A:1.0以上
B:0.9以上1.0未満
C:0.8以上0.9未満
D:0.8未満
<彩度>
各インクセットを用いて、彩度の評価を行った。
インクジェット用プレコート液を、塗布量が0.06mg/cmとなるように、ワイヤーバー(巻線径:0.02mm、小林製作所製)を用いて、記録媒体としてのLumi Art Gross130(Stora Enso社製)に塗布し、オーブンを用いて90℃で30秒間乾燥を行い、プレコート後の記録媒体を得た。得られたプレコート後の記録媒体に対して、インクジェットプリンタ(GXe5500、株式会社リコー製)を用いて、光沢紙-きれいモード、色補正なしの設定条件で、ジャパンカラー測定チャートを印刷し、画像を得た。得られた画像の彩度をx-rite eXact(x-rite社製)で測定し、下記基準に基づき評価した。なお、B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
A:ジャパンカラーカバー率が99%以上
B:ジャパンカラーカバー率が98%以上99%未満
C:ジャパンカラーカバー率が95%以上98%未満
D:ジャパンカラーカバー率が95%未満
<ドット径>
各インクセットを用いて、ドット径の評価を行った。
インクジェット用プレコート液を、塗布量が0.06mg/cmとなるように、ワイヤーバー(巻線径:0.02mm、小林製作所製)を用いて、記録媒体としてのLumi Art Gross130(Stora Enso社製)に塗布し、オーブンを用いて90℃で30秒間乾燥を行い、プレコート後の記録媒体を得た。得られたプレコート後の記録媒体に対して、インクジェットプリンタ(GXe5500、株式会社リコー製)を用いて、光沢紙-きれいモード、色補正なしの設定条件で、ノズルチェックパターンで印刷し、画像を得た。得られた画像のドット径を光学顕微鏡(装置名:VHX-7000、KEYNCE社製)で測定し、下記基準に基づき評価した。なお、B以上が実使用可能なレベルである。なお、B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
A:ドット径が50μm以上
B:ドット径が48μm以上50μm未満
C:ドット径が45μm以上48μm未満
D:ドット径が45μm未満
Figure 2022141421000010
Figure 2022141421000011
Figure 2022141421000012
Figure 2022141421000013
Figure 2022141421000014
Figure 2022141421000015
Figure 2022141421000016
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> キレート剤、及び界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用プレコート液である。
<2> 前記キレート剤が、グリコールエーテルジアミン4酢酸、及びエチレンジアミン4酢酸の少なくともいずれかである、前記<1>に記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<3> 前記キレート剤が、グリコールエーテルジアミン4酢酸である、前記<2>に記載のインクジェット用プレコート液である。
<4> 前記キレート剤の含有量が、0.01質量%以上1.0質量%以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<5> 前記キレート剤の含有量が、0.01質量%以上0.5質量%以下である、前記<4>に記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<6> 前記界面活性剤が、脂肪酸エステルであり、
前記脂肪酸エステルが、ソルビタン脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくともいずれかである、前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<7> 前記脂肪酸エステルが、ソルビタン脂肪酸エステルである、前記<6>に記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<8> 前記界面活性剤の含有量が、0.1質量%以上1.5質量%以下である、前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<9> 前記界面活性剤の含有量が、0.5質量%以上1.0質量%以下である、前記<8>に記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<10> 前記キレート剤が、グリコールエーテルジアミン4酢酸であり、前記脂肪酸エステルが、ソルビタン脂肪酸エステルである前記<7>に記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<11> 金属塩を含有し、
前記金属塩の含有量A(質量%)、前記金属塩の分子量B(g/mol)、前記キレート剤の配位数C、前記キレート剤の含有量D(質量%)、及び前記キレート剤の分子量E(g/mol)が、下記式(1)を満たす、前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液である。
(A×100)/B×C<5,000×(100×D)/E・・・式(1)
<12> 有機溶剤、及び水の少なくともいずれかを含有する、前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<13>シリカ微粒子を含まない、前記<1>から<12>のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液である。
<14> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液と、インクジェット記録用インクと、を有することを特徴とするインクセットである。
前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液、前記<14>に記載のインクセットによると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
特開2005-170865号公報 特開2018-94902号公報

Claims (12)

  1. キレート剤、及び界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用プレコート液。
  2. 前記キレート剤が、グリコールエーテルジアミン4酢酸、及びエチレンジアミン4酢酸の少なくともいずれかである、請求項1に記載のインクジェット記録用プレコート液。
  3. 前記キレート剤が、グリコールエーテルジアミン4酢酸である、請求項2に記載のインクジェット用プレコート液。
  4. 前記キレート剤の含有量が、0.01質量%以上1.0質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液。
  5. 前記キレート剤の含有量が、0.01質量%以上0.5質量%以下である、請求項4に記載のインクジェット記録用プレコート液。
  6. 前記界面活性剤が、脂肪酸エステルであり、
    前記脂肪酸エステルが、ソルビタン脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくともいずれかである、請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液。
  7. 前記脂肪酸エステルが、ソルビタン脂肪酸エステルである、請求項6に記載のインクジェット記録用プレコート液。
  8. 前記界面活性剤の含有量が、0.1質量%以上1.5質量%以下である、請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液。
  9. 前記界面活性剤の含有量が、0.5質量%以上1.0質量%以下である、請求項8に記載のインクジェット記録用プレコート液。
  10. 金属塩を含有し、
    前記金属塩の含有量A(質量%)、前記金属塩の分子量B(g/mol)、前記キレート剤の配位数C、前記キレート剤の含有量D(質量%)、及び前記キレート剤の分子量E(g/mol)が、下記式(1)を満たす、請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液。
    (A×100)/B×C<5,000×(100×D)/E・・・式(1)
  11. 有機溶剤、及び水の少なくともいずれかを含有する、請求項1から10のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のインクジェット記録用プレコート液と、インクジェット記録用インクと、を有することを特徴とするインクセット。
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