JP5736749B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を記録媒体に付着させる工程と、記録媒体の液体を付着させた面上にインクを吐出して付着させる工程と、を有するインクジェット記録方法に関するものである。
近年、カラーの画像を安価に記録する要請に伴い、記録媒体に色の異なる複数のインクを付着させて画像を記録するインクジェット記録方法が普及している。このインクジェット記録方法による記録物は、電子写真方式による記録物と比べて細線のシャープさに欠ける、或は色境界部で滲みが発生しやすいといった傾向がある。これらの課題については、インクが記録媒体に付着した後の凝集や浸透等の特性が関係しており、解決のために様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、記録媒体上にカルボキシル基またはスルホン基を有する水溶性樹脂を含有する処理液を付着させた後、この付着部分にアルカリ可溶性樹脂を含有するインクを付着させて画像を形成する方法が開示されている(特許文献1参照)。この方法によると、インクに含まれるアルカリ可溶性樹脂は、酸性を示す第1の液体と接触することで析出する。これにより、インク中の染料が記録媒体の表面近傍に固定化され、ブリーディング(色境界部の滲み)を防止して良好な画質が得られるとしている。ところが、処理液に酸性の水溶性樹脂を用いると、長期間保存することにより記録媒体の変質が生じやすくなり、記録物の保存性が低下してしまう。
酸性の水溶性樹脂を用いない方法としては、多価金属及びノニオン性高分子を含む反応液と、色材を含むインクと、を用いた記録方法が開示されている(特許文献2参照)。この方法によると、反応液がインク中の色材の溶解状態又は分散状態を不安定化させる機能を有し、ノニオン性高分子が色材凝集物の結着性を上げるため、カラーブリードがなく、耐擦性の優れた画像が得られるとしている。ところが、反応液中で多価金属イオンを安定化するためには、反応液を酸性にする必要がある。この場合、上記の提案と同様に記録媒体の変質が生じやすくなり、記録物の保存性が低下してしまう。また、開示されているようなノニオン性水溶性高分子は、被膜になった後でも再溶解するため、耐水性や耐マーカー性が劣る傾向がある。
近年、両性イオン性高分子化合物を含有する処理液と、色材を含む記録液と、を用いた記録方法が提案された(特許文献3参照)。両性イオン性高分子化合物は、一般的に、等電点(電離後の化合物全体の電荷平均が0となるpH)で、粘度が最小となる。このため、記録液のpHと両性イオン性高分子化合物の等電点とのpHの差を所定の値より大きくすることで、処理液と記録液が記録媒体上で混合した時、混合液の粘度が適度に上昇するので、カラーブリードが発生しないとしている。
しかしながら、この提案の記録方法によると、色材の定着については考慮されておらず、耐擦過性や耐マーカー性について満足できるものではない。即ち、記録物の滲みを防止するために、両性ポリマーを含む処理液を用いた場合には、記録物の定着性が十分に得られないという課題を有していた。
請求項1に係る発明は、カチオン基を含有するコア部と、アニオン基を含有し前記コア部を被覆するシェル部と、を有する両性ポリマーを分散媒に分散させた分散液を記録媒体に付着させる工程と、前記記録媒体の前記分散液を付着させた面上に、色材及び水を含有するカチオン性のインクを吐出して付着させる工程と、を有しており、動的走査吸液計によって測定される、接触時間100msにおける前記分散液の前記記録媒体に対する転移量が10ml/m 以上25ml/m 以下であることを特徴とするインクジェット記録方法である。
請求項2に係る発明は、前記色材がカチオン基を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法である。
請求項3に係る発明は、前記分散液を記録媒体に付着させる工程と、前記インクを吐出して付着させる工程との間に、前記記録媒体に付着した前記分散液を乾燥させる工程を設けないことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法である。
請求項に係る発明は、前記分散液が、更に水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法である。
請求項に係る発明は、前記界面活性剤がシリコーン系界面活性剤であることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録方法である。
本発明のインクジェット記録方法によると、まず、カチオン基を含有するコア部と、アニオン基を含有するシェル部と、を有する両性ポリマーを分散媒に分散させた分散液を記録媒体に付着させる。次に、記録媒体の分散液を付着させた面上に、色材及び水を含有するカチオン性のインクを吐出して付着させる。これにより、インクが付着したときに、分散液の両性ポリマーがインクの色材を定着させるため、記録物の定着性を向上させることができる。
以下、本発明のインクジェット記録方法の一実施形態について説明する。本実施形態のインクジェット記録方法は、カチオン基を含有するコア部と、アニオン基を含有し前記コア部を被覆するシェル部と、を有する両性ポリマーを分散媒に分散させた分散液(以後、処理液という)を記録媒体に付着させる工程と、記録媒体の分散液を付着させた面上に、色材及び水を含有するカチオン性のインクを吐出して付着させる工程と、を有する。上記の各工程で用いられる処理液及びインクについて順に説明する。
<<処理液>>
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられる処理液は、両性ポリマー(アニオン基とカチオン基とを有するポリマーを意味する)と分散媒とを含有する。ここで、分散媒としては、両性ポリマーを分散させることができるものであれば特に制限がないが、分散性の点で極性溶媒が好ましく、水が特に好ましい。
両性ポリマーとしては、定着性を向上させるために、カチオン基を含有するコア部と、アニオン基を含有しコア部を被覆するシェル部と、を有する両性ポリマーが用いられる。従来のアニオン性ポリマーや両性ポリマーは、用紙等の記録媒体に付着したカチオン性のインクを凝集させる効果が期待できる。しかしながら、色材と処理液に含まれるポリマー間の相互作用が弱く、十分な定着性を得ることができなかった。
一方、本実施形態のインクジェット記録方法に用いられる処理液は、記録媒体上でカチオン性のインクと接触すると、両性ポリマーのシェル部にあるアニオン電荷の一部が色材の中和に消費されて凝集を起こす。残りのアニオン基は分子内に存在するカチオン基と静電相互作用を起こして色材を引き寄せるので、より強固な凝集体となる。即ち、インク付着後に記録媒体上で強固な色材凝集体が生成されるので、滲みやブリードを抑えることができ、定着性の優れた記録物が得られる。
このように、カチオン性のインクとは異なった電荷(アニオン)をシェル部に持つポリマーを処理液に含有させることで、まずは電荷の中和による凝集を発生させ、次に残った電荷(アニオン)とコア部の電荷(カチオン)との静電相互作用によって色材を引き寄せることで、凝集効果を高めることができる。これにより、滲みの少ない高品位且つ擦過性、耐水性、耐マーカー性に優れる画像を得ることができる。
また、本実施形態のインクジェット記録方法に用いられる処理液の両性ポリマーは帯電防止剤としての機能も果たす。低分子量の両性界面活性剤は記録媒体の内部に移動してしまうのに対し、上記の両性ポリマーは粒子を形成しているため記録媒体の表面に留まりやすく、記録媒体の表面抵抗を下げて、記録媒体の搬送不良や帯電したインクミストによる画像不良を防ぐことができる。
続いて、上記の両性ポリマーの製造方法の一例について説明する。この製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ソープフリー乳化重合、乳化重合等、シード重合、懸濁重合等が挙げられる。
具体的には、まず、少なくとも1種のアニオン基含有重合性化合物(B)と少なくとも1種のアニオン基もカチオン基も含まない重合性化合物(C)とを溶液重合してポリマー(B1)を得る。ここでカチオン基は、両性ポリマーの状態においてカチオン性を示す官能基であれば良く、溶液重合の段階では未中和の官能基であっても良い。また、アニオン基は、両性ポリマーの状態においてアニオン性を示す官能基であれば良く、溶液重合の段階では未中和の官能基であっても良い。
上記のアニオン基含有重合性化合物Bとしては、特に限定されないが、有機酸基を有するα,βエチレン性重合性化合物が好ましく、例えば、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等が挙げられる。これらは単独で使用しても、複合系で使用してもよい。
上記のアニオン基もカチオン基も含まない重合性化合物Cとしては、特に限定されないが、有機酸基及びアミノ基を有さないα,βエチレン性重合性化合物が好ましく、例えば、アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルまたはシクロアルキルエステル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、nーブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、等の単量体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、等のビニル単量体;アクリル酸あるいはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用しても、複合系で使用してもよい。
本実施形態において、上記の溶液重合を開始するための重合開始剤は特に限定されないが、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化化合物系重合開始剤等が挙げられる。
ポリマーB1が得られたら、このポリマーB1中のアニオン基1当量に対し0.1〜1.5の当量の比率範囲でカチオン基含有重合性化合物(A)の少なくとも1種を反応(中和)させて、アニオン性の重合性ポリマー(B2)を得る。上記のカチオン基含有重合性化合物Aとしては、特に限定されないが、アミノ基を有するα,βエチレン性重合性化合物が好ましく、例えば、ジメチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレート、ジブチルアミノメチルアクリレート、ジヘキシルアミノメチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジ(t−ブチル)アミノエチルアクリレート、ジイソヘキシルアミノエチルアクリレート、ジヘキシルアミノプロピルアクリレート、ジ(t−ブチル)アミノヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用しても、複合系で使用してもよい。
更に、ポリマーB2、未反応の重合成化合物AおよびCを乳化重合することで、アニオン基を有するアニオン性のシェル部(ポリマーB2)と、カチオン基を有するカチオン性コア部(重合性化合物A及びCの共重合体)とを有する両性ポリマーエマルジョンを得ることができる。両性ポリマーエマルジョンの粒径の範囲として好ましくは、体積平均粒径が60nm以上200nm以下であり、より好ましくは80nm以上150nm以下である。体積平均粒径が60nm未満の場合は、エマルジョンの粘度が高くなり、このエマルジョンを用いた処理液の粘度も高くなることから、記録媒体への塗布またはヘッドから吐出して記録媒体へ付着させることが困難となる場合がある。一方、体積平均粒径が200nmを超えると、処理液塗布後の記録媒体の光沢性が低下する場合がある。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられる処理液は、界面活性剤を含んでいても良い。この場合、両性ポリマーエマルジョンの電荷に影響せず、かつ記録媒体への浸透を制御できるような界面活性剤が好適に用いられる。このような界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられる処理液は、水分蒸発や浸透特性を制御するため水溶性有機溶剤を含んでいても良い。この場合、水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、多価アルコール類類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
ここで、多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1、6ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、グリセロール、1、2、6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、3−ブタントリオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。アミン類としては、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられる処理液の記録媒体に対する動的吸液特性は、25℃、50%RH環境下で接触時間100msにおける処理液の転移量が10ml/m以上25ml/m以下であることが好ましい。更に好ましくは10ml以上20ml/m以下である。10ml/mより小さいと処理液の吸収が悪く、色材を含む記録液を重ねたときに滲みが発生する傾向がある。一方、20ml/mより大きいと吸収性が大きくなりすぎて処理液が記録媒体内部へ浸透してしまうため、色材を含む記録液を重ねた場合、処理液との接触が少なくなってしまい十分な凝集・定着効果が得られないことがある。動的吸液特性は、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて測定することができる。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられる処理液の粘度は、5mPa・s以上1000mPa・s以下であることが好ましい。粘度が5mPa・sより小さいと普通紙に対して染み込み易くなるため、インクジェット記録後の画像品位が不十分だったり、裏抜けが大きくなったりする傾向があり、粘度が1000mPa・sより大きいと、記録媒体に処理液を塗布または吐出させることが困難となる傾向がある。処理液の粘度は、使用するポリマーエマルジョンに応じて有機溶剤や水の添加量で調整することができる。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられる処理液のpHは、4以上10以下が好ましく、更に好ましくは5以上9以下である。pHが4より小さいと、長期保存による記録媒体の劣化が見られるようになる。上限については、取り扱い上の安全性、塗布装置部材の接液性などを考慮して、強アルカリでない方が好ましい。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられる処理液を記録媒体に付着させる方法は、ローラー塗布や、ヘッドから吐出させる方法が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。処理液の付着後乾燥させる手段としては、熱風乾燥やヒートローラー乾燥などが挙げられるが、これについても特に限定されるものではない。処理液乾燥のタイミングとしては、処理液が乾燥して被膜を造る前にインクを付着させることが好ましい。本実施形態のインクジェット記録方法では、まずカチオン性のインクとは異なった電荷(アニオン)でカチオン性インク色材を凝集させ、次に残った電荷(アニオン)とコア部の電荷(カチオン)との静電相互作用によって色材を引き寄せることで凝集効果を高めている。したがって、処理液が先に乾燥して被膜を造ってしまうと、色材を引き寄せる前に電荷が相殺されてしまい、色材の凝集効果が弱まってしまう恐れがある。
<<インク>>
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられるカチオン性のインクは、色材及び水を含有する。この色材としては、カチオン性の色材を用いることが好ましい。このカチオン性の色材としては、4級アンモニウム基、4級ホスホニウム基、4級環状アミン、4級芳香族アミン等のカチオン基を直接顔料又は染料に導入したもの、カチオン基を含むポリマーを顔料又は染料に吸着させたもの、またはカチオン基を含むポリマーによって顔料又は染料を包括したもの等が挙げられる。これらのカチオン基は、遊離酸型、中和塩型のいずれの形態でも使用することができる。
上記の顔料のうちカラー顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、(チオ)インジゴイド、複素環式イエロー、ピラントロンなどが挙げられる。
フタロシアニンブルーの代表的な例としては、銅フタロシアニンブルー及びその誘導体(ピグメントブルー15)が挙げられる。キナクリドンの代表的な例としては、ピグメントオレンジ48、ピグメントオレンジ49、ピグメントレッド122、ピグメントレッド192、ピグメントレッド202、ピグメントレッド206、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントバイオレット19及びピグメントバイオレット42が挙げられる。アントラキノンの代表的な例としては、ピグメントレッド43、ピグメントレッド194(ペリノンレッド)、ピグメントレッド216(臭素化ピラントロンレッド)及びピグメントレッド226(ピラントロンレッド)が挙げられる。ペレリンの代表的な例としては、ピグメントレッド123(ベルミリオン)、ピグメントレッド149(スカーレット)、ピグメントレッド179(マルーン)、ピグメントレッド190(レッド)、ピグメントバイオレット、ピグメントレッド189(イエローシェードレッド)及びピグメントレッド224が挙げられる。チオインジゴイドの代表的な例としては、ピグメントレッド86、ピグメントレッド87、ピグメントレッド88、ピグメントレッド181、ピグメントレッド198、ピグメントバイオレット36及びピグメントバイオレット38が挙げられる。複素環式イエローの代表的な例としては、ピグメントイエロー117及びピグメントイエロー138が挙げられる。
その他の適切な着色顔料の例は、The Colour Index、第三版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されている。上記の顔料のうちブラック顔料としては、カーボンブラックが用いられる。
カチオン基を有する顔料としては、液媒体中で表面改質を行い、顔料表面に4級アンモニウム塩を導入する方法などが知られており、製造方法として特表2002−538280が開示されている。
カチオン性を有する染料としては、C.I.Bssic Yellow 11、13、19、28、29、33、C.I.Basic Orange21、C.I.Basic Red1、2、9、12、13、24、39、51、C.I.Basic Violet1、3、7、10、11、15、16、20、27、35、39、C.I.Basic Blue1、3、5、9、21、24、25、26、28、45、47、54、65、92、100、124、147等が挙げられる。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられるインクは、カチオン性である必要があるが、染料・顔料の組合せ、分散処理方法については特に限定されることはなく用いることができる。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられるインクは、上記の色材及び水の他、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤、pH調整剤、防錆剤等を含有しても良い。この水溶性有機溶剤としては特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、多価アルコール類類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1、6ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、グリセロール、1、2、6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、3−ブタントリオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。アミン類としては、例えば、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンが好適である。
水溶性有機溶剤のインク中における含有量は、15質量%以上40質量%以下が好ましく、20質量%以上35質量%以下がより好ましい。含有量が15質量%よりも少ないと、ノズルが乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生することがあり、40質量%よりも多いとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。
上記の界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。これらは、一種を単独で、又は二種以上を混合して用いられる。
アニオン界面活性剤としては、アルキルアリル、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテルエステル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、エーテルカルボキシレート、スルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、脂肪酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ナフテン酸塩等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等を挙げることができる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、イミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン誘導体、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン等が挙げられる。
上記の浸透剤として炭素数7〜11のジオール化合物を用いることができる。浸透剤を添加することで、記録媒体への浸透性が向上し、用紙搬送時に擦れて汚れが発生したり、両面記録のため記録媒体の記録面を反転させる際に搬送ベルトにインクを付着させて汚れが発生したりすることがなく、良好な画像を形成することができる。このジオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3ペンタンジオールなどが好適に用いられる。この場合インク中におけるジオール化合物の含有量は1質量%以上5質量%以下が好ましい。含有量が1質量%未満であると十分な浸透性が得られず、5質量%よりも多いと保存安定性が低下することがある。
上記のpH調整剤としては、インクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。このようなpH調製剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
上記の防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられるインクの粘度は、25℃で、5mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下がより好ましい。粘度が20mPa・sを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられるインクの表面張力としては、20℃で、23mN/m以上40mN/m以下が好ましい。表面張力が、23mN/m未満であると、記録媒体上での滲みが顕著になったり、安定した噴射が得られなくなったりすることがあり、40mN/mを超えると、記録媒体へのインク浸透が十分に起らず、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられるインクのpHとしては、7以上10以下が好ましい。インクを長期保存すると、物性変化がみられる。特に加熱して保存すると、インクの粘度上昇やpHの低下がみられるが、できる限り変化が少ないことが好ましい。この場合、60℃で2週間保存後の増粘率は5%以内であることが好ましく、pHの低下率は−5%以内であることが好ましい。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いられるインクを記録媒体に吐出して付着させる方法は、上記の処理液を付着させた面上に付着させる方法であれば、特に限定されないが、処理液を乾燥させる前にインクを付着させることが好ましい。処理液を乾燥させてからインクを付着させると、上記の通り、十分な色材の凝集効果が得られないため、画像濃度や滲み、ブリード等の特性が劣ることがある。従って、処理液を付着させた後すばやくインクを付着させ、その後全体を乾燥させる乾燥方法が好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<<処理液>>
合成例1:コア部がカチオン性、シェル部がアニオン性である両性ポリマーエマルジョンの合成
攪拌機、滴下ロート、冷却管、温度計を備えたフラスコにエタノール50gを仕込み、窒素雰囲気下80℃まで昇温し、下記の組成物2−1を混合し滴下ロートに仕込み3時間かけて滴下した。
(組成物2−1)
アゾビスイソブチロニトリル 10g
メタクリル酸メチル 60g
アクリル酸ブチル 100g
アクリル酸 40g
滴下終了後、攪拌しながら更に2時間80℃で反応させた。その後、生成物を50℃まで冷却しメタクリル酸ジメチルアミノエチル80gを加えイオン交換水660gで希釈し、アニオン性重合性水性ポリマーBを得た。
得られたアニオン性重合性水性ポリマーBをフラスコに500g仕込み、アスコルビン酸ナトリウム1gと硫酸第一鉄の5%水溶液を1g加えた。窒素雰囲気下で80℃まで昇温し、下記組成物2−2と組成物2−3をそれぞれ滴下ロートに仕込み同時に2時間で滴下した。
(組成物2−2)
メタクリル酸メチル 100g
アクリル酸ブチル 50g
スチレン 50g
(組成物2−3)
35%過酸化水素水 1g
イオン交換水 5g
滴下終了後、攪拌しながら3時間80℃に保ち、イオン交換水247gで希釈し、コア部がカチオン性、シェル部がアニオン性である両性ポリマーエマルジョンを得た。固形分濃度が30%となるようイオン交換水で調整した。
合成例2:コア・シェル形態をとらない両性ポリマーエマルジョンの合成
攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190℃のイソパラフィン120gおよびソルビタンモノオレート7.5gを仕込んだ。下記組成物の混合液200gを反応槽に添加しホモジナイザーで攪拌乳化した。
脱塩水 165g
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(99.7モル%)・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(0.3モル%)溶液 35g
得られたエマルジョンにイソプロピルアルコール0.2gを加え窒素雰囲気下で、ジメチルアゾビスイソブチレート0.04gを加え50℃で反応を完結させた。その後、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル7.5gを添加混合して、両性ポリマーエマルジョンを得た。固形分濃度が30%となるようイオン交換水で調整した。
<処理液の製造>
製造例A〜I
表1に示す材料を攪拌して均一に混合することにより処理液を製造した。尚、表1における各材料の配合量は質量部を示す。
Figure 0005736749
表1中の略号などは下記の意味を表わす。
アクアブリッドAsi−91:アニオン系ポリマーエマルジョン
ソフタノールEP7025:ノニオン系界面活性剤
BYK347:シリコーン系界面活性剤
Zonyl FS300:フッ素系界面活性剤
<処理液の評価>
得られた処理液の諸特性について下記のように評価を行った。結果を表4−1、表4−2及び表5に示す。
(動的吸液特性)
各処理液について、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、処理液の転移量を測定した。接触時間100msにおける普通紙(マイペーパー/NBSリコー製)に対する転移量(ml/m)を求めた。測定は23℃、50%RHの環境条件で行った。
<<インク>>
調整例1:カチオン性顔料の調整
イオン交換水200ml中にN−(4−アミノフェニル)亜硝酸ピリジニウムを14.0g加えたの溶液を、反応混合器内で、表面積が200m/gでDBPAが117ml/100gの100gのカーボンブラックと混合し、70℃で加熱した。これに38.0mlの10%亜硝酸を加え、80℃で2時間反応させた。
得られた分散体の遠心分離処理を行い、その後、ろ液が無色になるまで限外ろ過/膜ろ過を行い、0.8μフィルタで濾過した。カチオン性顔料生成物には−CNC 基が結合しており、対応する対アニオンはNO であった。
<インクの製造例>
製造例1〜4
表2に示す各材料を攪拌して均一に混合した。その後、平均孔径0.8μmのメンブランフィルタで濾過してインクを製造した。尚、表2における各材料の配合量は質量部を示す。
Figure 0005736749
※1:固形分の配合量を示す
※2:フッソ系界面活性剤
<インクの評価>
得られたインクの諸特性について下記の評価を行った。結果を表3に示す。
(粘度)
R型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃で測定した。
(表面張力)
静的表面張力計(BVP−Z、協和界面科学社製)を用いて、23±3℃で測定した。
(pH)
pHメーター(HM30R、東亜DKK)を用いて、25℃で測定した。
(保存性)
インクまたは処理液をポリプロピレン製広口瓶(50ml)に入れて、50℃で1ヶ月保存した。取り出して1日保存した後、粘度変化を測定し、下記の評価基準により判定した。
〔評価基準〕
○:初期粘度に対する保存後の粘度変化が±3%未満
△:初期粘度に対する保存後の粘度変化が±3%以上6%未満
×:初期粘度に対する保存後の粘度変化が±6%以上
Figure 0005736749
<画像評価>
(処理液の塗布)
得られた処理液を、バーコーター(No.5)で普通紙(マイペーパー/NBSリコー製)に塗布した。ウエットの状態での塗布量は3g/mであった。
(画像出力)
処理液を塗布した用紙をすばやくインクジェットプリンタIPSiO GX5000(リコー社製)にセットし、表4−1、表4−2、及び表5の実施例1〜4,、参考例5,6、及び比較例1〜3に記載される各インクを用いて、解像度600dpiで記録した。このときのインクの付着量はウエットの状態で9.5g/mであった。尚、実施例7では、処理液を普通紙に付着させる工程と、インクを吐出して付着させる工程との間に、温度120℃、時間10秒の条件により、普通紙に付着した処理液を乾燥させる工程を設けた以外は実施例1と同様の操作を行った。出力された画像について以下の評価を行った。結果を表4−1、表4−2、表5に示す。
(画像滲み)
記録された画像の滲み(フェザリング)を目視観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:滲みの発生がなく鮮明な画像である。
△:一部にひげ状の滲みが発生している。
×:文字の輪郭がはっきりしないほど滲みが発生している。
(画像濃度)
記録された画像を十分に乾燥し、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて画像濃度を測定し、下記基準により判定した。
〔評価基準〕
・ブラックインクの場合
○:1.4以上
△:1.3以上1.4未満
×:1.3未満
・シアンインクの場合
○:1.3以上
△:1.2以上1.3未満
×:1.2未満
・マゼンタインクの場合
○:1.2以上
△:1.1以上1.2未満
×:1.1未満
・イエローインクの場合
○:1.0以上
△:0.9以上1.0未満
×:0.9未満
(裏抜け濃度)
記録された画像を十分に乾燥し、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて画像の裏抜け濃度を測定し、下記基準により判定した。
〔評価基準〕
○:0.1未満
△:0.1以上0.15未満
×:0.15以上
(擦過性)
記録された画像を25℃50%RHの環境で5時間放置し、綿布でベタ記録部を10回擦り、綿布への顔料の転写具合を目視観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
〇:綿布への顔料転写は殆どみられない
△:若干の顔料転写が見られる
×:明らかに顔料が転写している
(耐マーカー性)
記録された画像を25℃50%RHの環境で10分放置し、文字部分を蛍光マーカー(PROPUS2、三菱鉛筆製)でなぞり、マーカーによって擦れて発生する汚れの具合を目視観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
〇:色落ちによる汚れが全くみられない
△:若干の汚れが見られる
×:マーカーに沿って汚れが広がっている
(ブリード)
カラーベタの中にブラック文字のあるパターンを記録し、カラーとブラックの色境界滲みを目視で観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
〇:色境界部分で滲みはみられない
△:色によっては若干の滲みがみられる
×:殆どの色境界部分で明らかに滲みがみられる
(両面印刷性)
処理液を塗布した用紙をすばやくインクジェットプリンタ IPSiO GX5000(リコー社製)にセットし、実施例1〜4,、参考例5,6、及び比較例1〜4の各インクを用いて、解像度600dpiで、両面記録を行った。なお、片面に記録を行った直後、待ち時間なしで用紙を反転させた。これを10枚連続で実施し、反転させる際、インクを擦って発生する用紙汚れを下記基準により評価した。
〔評価基準〕
〇:反転時に擦れて発生するインク汚れがみられない
△:反転時に擦れてインクが付着するものが1,2枚みられるが、殆ど目立たないレベルである
×:反転時に擦れて明らかにインク付着がみられる
<吐出曲がり>
処理液を塗布した用紙をすばやくインクジェットプリンタ IPSiO GX5000(リコー社製)にセットし、実施例1〜4,、参考例5,6、及び比較例1〜4の各インクを用いて、解像度600dpiで28℃10%RHの環境でドット記録を行った。記録部分を顕微鏡で観察し、ドット乱れを評価した。
〔評価基準〕
〇:ドットの曲がりは観察されない
△:ややドットの乱れは観察されるが記録画像としては目立たない
×:ドットの乱れが多く観察され、記録画像にスジが目立つ
(塗布ローラーへのインク付着)
製造例AからIに示す処理液をバーコーターを用いて普通紙に塗布した後、バーコーターへの処理液付着状態を観察した。結果を表6に示す。剥離成分であるシリコーン系界面活性剤(BYK347)を用いると、処理液が接触する部材への付着性を低減することができる。
〔評価基準〕
〇:バーコーターへの付着は殆どみられない
△:若干の付着がみられるが、水洗いで簡単に洗い流せる
×:処理液付着が著しく固着が発生する
Figure 0005736749
Figure 0005736749
Figure 0005736749
Figure 0005736749
特許第3323565 特開2004−130792 特許2004−155868

Claims (5)

  1. カチオン基を含有するコア部と、アニオン基を含有し前記コア部を被覆するシェル部と、を有する両性ポリマーを分散媒に分散させた分散液を記録媒体に付着させる工程と、
    前記記録媒体の前記分散液を付着させた面上に、色材及び水を含有するカチオン性のインクを吐出して付着させる工程と、を有しており、
    動的走査吸液計によって測定される、接触時間100msにおける前記分散液の前記記録媒体に対する転移量が10ml/m以上25ml/m以下である
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記色材がカチオン基を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インクを吐出して付着させる工程が、
    前記分散液が乾燥する前の前記記録媒体に、前記インクを吐出して付着させることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記分散液が、更に水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記界面活性剤がシリコーン系界面活性剤であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録方法
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