JP2022139302A - プレス成形品の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレス成形品の製造方法および製造装置において、1工程のプレス成形によって高い製造効率を実現するとともに、ハット形に成形されるプレス成形品の割れを抑制する。【解決手段】プレス成形品100の製造方法は、長尺であり、長手方向に湾曲する湾曲部110を有するプレス成形品を製造するために使用される。当該製造方法は、製品として使用される製品部101および製品として使用されない余剰部102を含む金属製の板材100を準備し、湾曲部110の形成と、製品部101におけるハット形の成形と、余剰部102におけるハット形の凸の向きへの折り曲げによる折曲部141の形成とを同時に行うプレス成形を実行し、プレス成形の後に折曲部141が形成された余剰部102を除去することを含む。【選択図】図4

Description

本発明は、プレス成形品の製造方法および製造装置に関する。
車体部品として、金属板をハット形にプレス成形したプレス成形品が使用されることがある。このようなハット形のプレス成形品ではプレス成形の際に意図しない割れや変形が生じることがあり、そのような割れや変形を抑制した高品質なプレス成形品が求められている。例えば特許文献1には、ハット形のプレス成形品において特定の曲がり変形の抑制を図るプレス成形品の製造方法が開示されている。
特開2016-203254号公報
特許文献1のプレス成形品の製造方法では、複数工程のプレス成形が必要であり、工程数において改善の余地がある。また、金属板をハット形にプレス成形する場合、板厚の減少により割れが生じることがある。しかし、特許文献1には、そのような割れを抑制する方法について詳細な開示もなく、割れの抑制においても改善の余地がある。
本発明は、プレス成形品の製造方法および製造装置において、1工程のプレス成形によって高い製造効率を実現するとともに、ハット形に成形されるプレス成形品の割れを抑制することを課題とする。
本発明の第1の態様は、
長尺であり、長手方向に湾曲する湾曲部を有するプレス成形品の製造方法であって、
製品として使用される製品部および前記製品として使用されない余剰部を含む金属製の板材を準備し、
前記湾曲部の形成と、前記製品部におけるハット形の成形と、前記余剰部における前記ハット形の凸の向きへの折り曲げによる折曲部の形成とを同時に行うプレス成形を実行し、
前記プレス成形の後に前記折曲部が形成された前記余剰部を除去する
ことを含む、プレス成形品の製造方法を提供する。
この方法によれば、湾曲部の形成と、製品部のハット形の成形と、余剰部の折曲部の形成とを同時に実行する。即ち、1工程(1ストローク)のプレス成形で板材を必要な形状に成形できるため、高い製造効率を実現できる。また、余剰部には、折曲部が形成され、後に除去される。余剰部は製品として使用されない部分であるため、折曲部は最終的な製品形状として現れない。しかし、折曲部が製造過程において形成されることにより、製品部における板厚の減少率を低減でき、製品部の割れを抑制できる。これは、ハット形の凸の向きへの折り曲げによって折曲部が形成されることにより、板材の凸側の面に対して圧縮力が働くためである。板材の凸側の面は、プレス成形によって引き延ばされるため、板厚が減少し、割れが生じ易い。これに対し、板厚の減少率を低減するように上記圧縮力を付加できるため、製品部の割れを効果的に抑制できる。換言すれば、折曲部がハット形の凸の向きとは反対の向きへ折り曲げて形成された場合、このような割れを抑制する効果は得られない。また、プレス成形品が湾曲部を有している場合、湾曲部においてこのような割れの問題が発生しやすく、上記方法が有効に機能する。
前記折曲部の折り曲げ角度は、2.5度以上かつ37.5度以下であってもよい。
この方法によれば、プレス成形品の割れを効果的に抑制できる。解析の結果、上記折り曲げ角度の範囲にてプレス成形品の割れを効果的に抑制できることが確認された。詳細には、上記折り曲げ角度が2.5度より小さいと、製品部(ハット形の上面部)の板厚の減少を効果的に抑制することができない。また、上記折り曲げ角度が37.5度より大きいと、製品部にしわが発生し、外観が損なわれるおそれがある。
前記湾曲部の曲率半径は、50mm以上かつ400mm以下であってもよい。
この方法によれば、プレス成形品の割れを効果的に抑制できる。解析の結果、上記曲率半径の範囲にてプレス成形品の割れを効果的に抑制できることが確認された。詳細には、上記曲率半径が50mmより小さいと、折曲部を設けた場合でも割れが発生するおそれがある。また、曲率半径が400mmより大きいと、製品部の板厚の減少率が小さいことから上記割れの問題が発生し難いだけでなく、折曲部が板厚の減少に効果的に寄与しない可能性がある。
前記折曲部は、前記長手方向の全体にわたって設けられてもよい。
この方法によれば、プレス成形品を製造するための金型を簡易に設計できる。
前記折曲部は、前記長手方向の前記湾曲部を含む一部のみに設けられてもよい。
この方法によれば、上記割れの問題が発生し易い湾曲部の板厚の減少率を低減でき、効率的に割れを抑制できる。
前記余剰部に段差形状を形成し、
前記折曲部は、前記段差形状に含まれてもよい。
この方法によれば、段差形状によって板材の凸側の面に対して圧縮力を働かせることができ、板厚の減少率を低減でき、割れを効果的に抑制できる。また、段差形状は、プレス方向に対して垂直な面で板材を押圧できるため、安定したプレス成形を実現できる。
前記プレス成形品は、車体部品のフロントサイドメンバであってもよい。
この方法によれば、割れの問題が生じ易いフロントサイドメンバについて効果的に割れを抑制できる。また、フロントサイドメンバは、車体の前方衝突の際に衝撃を受ける部分であり、衝突安全性能の観点から高い信頼性が求められる。従って、上記方法によって高品質のプレス成形品としてフロントサイドメンバを製造できることは有効である。
本発明の第2の態様は、
長尺であり、長手方向に湾曲する湾曲部を有するプレス成形品の製造装置であって、
製品として使用される製品部および前記製品として使用されない余剰部を含む金属製の板材に対して、前記湾曲部の形成と、前記製品部におけるハット形の成形と、前記余剰部における前記ハット形の凸の向きへの折り曲げによる折曲部の形成とを同時に行うプレス成形機と、
前記プレス成形機による成形の後に前記折曲部が形成された前記余剰部を除去する切断機と
を備える、プレス成形品の製造装置を提供する。
本発明によれば、プレス成形品の製造方法および製造装置において、1工程のプレス成形によって高い製造効率を実現するとともに、ハット形に成形されるプレス成形品の割れを抑制できる。
車体の模式的な斜視図。 図1のフロントサイドメンバの後部の上面図。 第1実施形態に係るプレス成形品の製造方法の製造前の状態を示す斜視図。 第1実施形態に係るプレス成形品の製造方法の製造中の状態を示す斜視図。 図4に対応する余剰部を含むプレス成形品の長手方向に垂直な断面図。 第1実施形態に係るプレス成形品の製造方法の製造後の状態を示す斜視図。 第1実施形態に係るプレス成形品の製造装置と成形前の板材を示す斜視図。 第1実施形態に係るプレス成形品の製造装置と成形後の板材を示す斜視図。 折曲部の折り曲げ角度と上壁の板厚減少率との関係を示すグラフ。 湾曲部の曲率半径ごとの折曲部の折り曲げ角度と上壁の板厚減少率との関係を示すグラフ。 第2実施形態に係るプレス成形品の製造方法の製造中の状態を示す斜視図。 図11の湾曲部付近の側面図。 第3実施形態に係るプレス成形品の製造方法の製造中の状態を示すプレス成形品の長手方向に垂直な断面図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下では、図示および説明の便宜上、上または下などの向きを示す用語を使用するが、実際の配置として向きを限定することを意図したものではない。
(第1実施形態)
図1を参照して、本実施形態では、プレス成形品100の製造方法の一例として、車体部品のフロントサイドメンバ100の製造方法について説明する。但し、プレス成形品100の対象は、フロントサイドメンバ100に限定されず、様々な部品を対象とし得る。例えば、車体部品のリアサイドメンバ(図示せず)を対象としてもよい。
フロントサイドメンバ100は、車体1の前側両サイド部において、車体1の前後方向に延びる長尺な部材である。フロントサイドメンバ100は、車体1の前部のバンパー10と、車体1の中央部の車室部20とを接続している。
図2を合わせて参照して、フロントサイドメンバ100は、その長手方向が車体1の前後方向(両矢印A参照)に一致するように配置されるとともに、長手方向に対して湾曲する湾曲部110を有している。湾曲部110は、曲率半径Rをもって湾曲している。詳細は後述するが、本実施形態では、フロントサイドメンバ100は、50mm以上かつ400mm以下の曲率半径Rの湾曲部110を有している。なお、図2では、フロントサイドメンバ100の全体ではなく後部のみが示されている。
フロントサイドメンバ100は、長手方向に垂直な断面においてハット形を有している。ハット形の詳細は、図3以降にて模式的な図面を用いて明瞭に図示する。図3以降では、フロントサイドメンバ100を模式的に図示したプレス成形品100の製造方法について説明する。
図3~6を参照して、本実施形態のプレス成形品100の製造方法について詳細に説明する。図3~6の製造過程において、製造前状態については板材100(図3参照)と称するが、製造途中状態(図4,5参照)と完成状態(図6参照)については区別なくプレス成形品100と称する。
図3を参照して、板材100は、平板状の金属製である。板材100は、例えばハイテンション鋼製またはアルミニウム合金製であってもよい。板材100は、製品として使用される製品部101と、製品として使用されない余剰部102(斜線部参照)とを含んでいる。
図4を参照して、上記板材100に対して、湾曲部110の形成と、製品部101におけるハット形の成形と、余剰部102におけるハット形の凸の向き(図4において上向き)への折り曲げによる折曲部141の形成とを同時に行うプレス成形を実行する。
図4,5を合わせて参照して、プレス成形品100は、中心線CLに対して線対称のハット形を有している。プレス成形品100は、上壁120と、上壁120の両端から延びて互いに対向する2つの側壁130と、2つの側壁130のそれぞれの端部から延びるフランジ140とを有している。
上壁120は、平坦な上面120aを有する。代替的には、上壁120の上面120aは、湾曲していてもよい。上壁120は、製品部101に含まれる。
2つの側壁130のそれぞれは、上壁120と概略直交して延びている。2つの側壁130は、製品部101に含まれる。
フランジ140は、折り曲げ角度θだけ折り曲げられた折曲部141を有している。詳細には、フランジ140は、2つの側壁130のそれぞれの端部から上壁120と概略平行に延びる基端部142と、基端部142からハット形の凸の向き(図5において上向き)へ折り曲げ角度θだけ傾斜して延びる末端部143と、それらを繋ぐ折曲部141とを有している。折曲部141および末端部143は、余剰部102に含まれる。基端部142は、製品部101と余剰部102の両方に含まれる。即ち、製品部101と余剰部102との境界B(2本の破線参照)が、基端部142上に位置している。
本実施形態では、詳細は後述するが、折り曲げ角度θは、2.5度以上かつ37.5度以下である。また、折曲部141は、プレス成形品100の長手方向の全体にわたって設けられている(図4参照)。
図6を参照して、上記プレス成形の後に余剰部102を除去する。余剰部102の除去方法は特に限定されないが、例えば余剰部102を製品部101から切り落としてもよい。
図7,8を参照して、上記プレス成形を実行するためのプレス成形品100の製造装置200について説明する。
プレス成形品100の製造装置200は、プレス成形機201を有している。プレス成形機201は、上型210と、下型220とを有している。上型210および下型220は、図示しない駆動機構によって駆動されることにより上下動する。
上型210および下型220は、余剰部102を含むプレス成形品100の形状(図4,8参照)と相補的な形状を有している。
上型210は、下面において、ハット形を成形するための凹面211と、基端部142、折曲部141、および末端部143を形成するための平坦面212および傾斜面213とを有している。また、上型210は、下面において湾曲部110を形成するための湾曲面214を有している。
下型220は、上面において、ハット形を成形するための凸面221と、基端部142、折曲部141、および末端部143を形成するための平坦面222および傾斜面223を有している。また、下型220は、下面において湾曲部110を形成するための湾曲面224を有している。
板材100(図7参照)は、上型210および下型220によって挟み込まれることで、余剰部102を含むプレス成形品100の形状(図8参照)にプレス成形される。なお、実際には、衝撃吸収用のパッドや板材100を抑えるためのホルダーを使用する場合があるが、ここでの図示および説明は省略する。
また、上記プレス成形後に余剰部102を除去するための装置は、例えば公知の切断機を使用し得る。ここでは、公知の切断機の図示および説明は省略する。
本実施形態によれば、湾曲部110の形成と、製品部101のハット形の成形と、余剰部102の折曲部141の形成とを同時に実行する。即ち、1工程(1ストローク)のプレス成形で板材100を必要な形状に成形できるため、高い製造効率を実現できる。また、余剰部102には、折曲部141が形成され、後に除去される。余剰部102は製品として使用されない部分であるため、折曲部141は最終的な製品形状として現れない。しかし、折曲部141が製造過程において形成されることにより、製品部101における板厚の減少率を低減でき、製品部101の割れを抑制できる。これは、ハット形の凸の向きへの折り曲げによって折曲部141が形成されることにより、板材100の凸側の面(特にフランジ140の上面140a)に対して圧縮力が働くためである。板材100の凸側の面(特に上壁120の上面120a)は、プレス成形によって引き延ばされるため、板厚が減少し、割れが生じ易い。これに対し、板厚の減少率を低減するように上記圧縮力を付加できるため、製品部101の割れを効果的に抑制できる。換言すれば、折曲部141がハット形の凸の向きとは反対の向きへ折り曲げて形成された場合、このような割れを抑制する効果は得られない。また、プレス成形品が湾曲部110を有している場合、湾曲部110においてこのような割れの問題が発生しやすく、本実施形態の製造方法および製造装置200が有効に機能する。
また、本実施形態によれば、折曲部141の折り曲げ角度θ(図5参照)は、2.5度以上かつ37.5度以下であるため、プレス成形品100の割れを効果的に抑制できる。解析の結果、上記折り曲げ角度θの範囲にてプレス成形品100の割れを効果的に抑制できることが確認された。詳細には、折り曲げ角度θが2.5度より小さいと、製品部101(特に上壁120)の板厚の減少を効果的に抑制することができない。また、折り曲げ角度θが37.5度より大きいと、製品部101にしわが発生し、外観が損なわれるおそれがある。
図9は、上記解析の結果として、折曲部141の折り曲げ角度θ(図5参照)と上壁120の板厚減少率δとの関係を示すグラフである。横軸は折曲部141の折り曲げ角度θ(°)を示し、縦軸は上壁120の板厚減少率δ(%)を示している。
解析では、板材100の厚みは、1.4mmに設定した。板材100の材料は、1470MPa級のハイテンション鋼および5000系のアルミニウム合金に設定した。また、製造されるプレス成型品100の形状(図5参照)として、上壁120と、2つの側壁130のそれぞれとが垂直に形成されるものとした。上型210は、凹面211の幅を70mm、深さを60mm、平坦面212の長さを20mmに設定した。下型220は、上型を板材100の厚み分オフセットして設定した。上型210の湾曲面214の曲率半径および下型220の湾曲面224の曲率半径は、ともに140mmに設定した。上型210および下型220は変形しない剛体として設定した。なお、前述のように、実際には、衝撃吸収用のパッドや板材100を抑えるためのホルダーを使用する場合があるが、ここでの説明は省略する。
図9のグラフでは、折り曲げ角度θが0~2.5°の範囲では板厚減少率δが9~11%程度であるのに対し、折り曲げ角度θが2.5~37.5°の範囲では板厚減少率δが6~9%程度である。従って、前者の範囲に比べて後者の範囲では、板厚減少率δが低減していることが確認できる。また、折り曲げ角度θが37.5°より大きな範囲のデータはグラフにプロットされていないが、当該範囲では製品部101にしわが発生し、外観を損なう結果となった。従って、折曲部141の折り曲げ角度θは、2.5°以上かつ37.5°以下が好ましいことが確認された。
また、本実施形態によれば、湾曲部110の曲率半径Rは、50mm以上かつ400mm以下であるため、プレス成形品100の割れを効果的に抑制できる。解析の結果、曲率半径Rの範囲にてプレス成形品100の割れを効果的に抑制できることが確認された。詳細には、曲率半径Rが50mmより小さいと、折曲部141を設けた場合でも割れが発生するおそれがある。また、曲率半径Rが400mmより大きいと、製品部101の板厚の減少率が小さいことから上記割れの問題が発生し難いだけでなく、折曲部141が板厚の減少に効果的に寄与しない可能性がある。
図10は、湾曲部110の曲率半径Rごとの折曲部141の折り曲げ角度θ(図5参照)と上壁120の板厚減少率δとの関係を示すグラフを示している。横軸は折曲部141の折り曲げ角度θ(°)を示し、縦軸は上壁120の板厚減少率δ(%)を示している。
解析条件の設定は、前述の解析と実質的に同じであるが、湾曲部110の曲率半径Rが50mm、100mm、140mm、200mm、400mm、500mmの場合について結果を得た。
図10のグラフでは、湾曲部110の曲率半径Rが50mm以上かつ400mm以下の範囲では、板厚減少率δが4~14%程度であり、即ちプレス成形に伴って板厚が大きく減少し、割れなどの問題が発生しやすいことがわかる。また、折曲部141の折り曲げ角度θを大きくすると、板厚減少率δが低減しており、折曲部141による板厚減少率δの低減効果が確認できる。これに対し、湾曲部110の曲率半径Rが500mm以上では、上壁120の板厚減少率δが2~3%程度であり、即ちプレス成形に伴って板厚が大きく減少せず、割れなどの問題が発生し難いことがわかる。また、湾曲部110の曲率半径Rが50mmの場合、折り曲げ角度θが小さいときに割れが確認されたため、折り曲げ角度θが0~15°のデータを図示していない。これらの結果から、曲率半径Rが小さいほど、上壁120の板厚減少率δが大きく、割れを抑制する必要があり、折曲部141を設ける必要性が高いことがわかる。従って、適用対象として、好ましくは、湾曲部110の曲率半径Rは、50mm以上かつ400mm以下であることが確認できた。また、R50,R100,R140,R200のデータは折曲部141を設けることにより板厚減少率δが一層大きく低減されたことから、さらに好ましくは、湾曲部110の曲率半径Rは、50mm以上かつ200mm以下であることが確認できた。
また、本実施形態によれば、折曲部141がプレス成形品100の長手方向の全体にわたって設けられるため、プレス成形品100を製造するための金型(上壁120および下型220)を簡易に設計できる。
また、本実施形態によれば、割れの問題が生じ易いフロントサイドメンバ100について効果的に割れを抑制できる。フロントサイドメンバ100は、車体1の前方衝突の際に衝撃を受ける部分であり、衝突安全性能の観点から高い信頼性が求められる。従って、本実施形態によって、高品質のプレス成形品100としてフロントサイドメンバ100を製造できることは有効である。
(第2実施形態)
図11に示す第2実施形態では、折曲部141の形成範囲が第1実施形態と異なる。これに関する以外は、第1実施形態と実質的に同じである。従って、第1実施形態にて示した部分については説明を省略する場合がある。
本実施形態では、折曲部141は、プレス成形品100の長手方向の湾曲部110を含む一部のみに設けられる。換言すれば、湾曲部110から離れた部分に対しては、折曲部141を形成していない。
図12を参照して、上記湾曲部110を含む一部のみとは、湾曲部110を側方から見た際に、プレス成形品100の2つの直線部111を繋ぐ湾曲部110の全体(斜線部参照)を含む領域をいう。なお、上記湾曲部110を含む一部のみは、2つ直線部111を部分的に含んでいてもよい。
本実施形態のプレス成形品100の製造装置200は、詳細を図示しないが、第1実施形態(図7,8参照)に示す製造装置200において、折曲部141を形成するための傾斜面213,223の範囲を上記湾曲部110を含む一部領域に限定することにより構成される。
本実施形態によれば、割れの問題が発生し易い湾曲部110の板厚の減少率を低減でき、効率的に割れを抑制できる。
(第3実施形態)
図13に示す第3実施形態では、フランジ140の末端部143形状が第1実施形態と異なる。これに関する以外は、第1実施形態と実質的に同じである。従って、第1実施形態にて示した部分については説明を省略する場合がある。
本実施形態では、フランジ140の末端部143は、段差形状を形成するように折り曲げられた折曲部143aを有している。詳細には、末端部143は、基端部142から折曲部141を介して折り曲げ角度θだけ傾斜して延びる傾斜部143bと、上壁120と概略平行に延びる段上部143cと、それらを繋ぐ折曲部143aとを有している。従って、基端部142と、折曲部141と、末端部143(傾斜部143b、折曲部143a、および段上部143c)とによって、段差形状が構成されている。
本実施形態のプレス成形品100の製造装置200は、詳細を図示しないが、第1実施形態(図7,8参照)に示す製造装置200において、余剰部102に段差形状を形成するように変更することにより構成される。
本実施形態によれば、段差形状によって板材100の凸側の面(図13において上面)に対して圧縮力を働かせることができ、板厚の減少率を低減でき、割れを効果的に抑制できる。また、段差形状を構成する基端部142および段上部143cを形成する際には、プレス方向に対して垂直な面で板材100を押圧できるため、安定したプレス成形を実現できる。
以上より、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、個々の実施形態の内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
1 車体
10 バンパー
20 車室部
100 プレス成形品(フロントサイドメンバ)(板材)
101 製品部
102 余剰部
110 湾曲部
111 直線部
120 上壁
120a 上面
130 側壁
140 フランジ
140a 上面
141 折曲部
142 基端部
143 末端部
143a 折曲部
143b 傾斜部
143c 段上部
200 製造装置
201 プレス成形機
210 上型
211 凹面
212 平坦面
213 傾斜面
214 湾曲面
220 下型
221 凸面
222 平坦面
223 傾斜面
224 湾曲面

Claims (8)

  1. 長尺であり、長手方向に湾曲する湾曲部を有するプレス成形品の製造方法であって、
    製品として使用される製品部および前記製品として使用されない余剰部を含む金属製の板材を準備し、
    前記湾曲部の形成と、前記製品部におけるハット形の成形と、前記余剰部における前記ハット形の凸の向きへの折り曲げによる折曲部の形成とを同時に行うプレス成形を実行し、
    前記プレス成形の後に前記折曲部が形成された前記余剰部を除去する
    ことを含む、プレス成形品の製造方法。
  2. 前記折曲部の折り曲げ角度は、2.5度以上かつ37.5度以下である、請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。
  3. 前記湾曲部の曲率半径は、50mm以上かつ400mm以下である、請求項1または請求項2に記載のプレス成形品の製造方法。
  4. 前記折曲部は、前記長手方向の全体にわたって設けられる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法。
  5. 前記折曲部は、前記長手方向の前記湾曲部を含む一部のみに設けられる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法。
  6. 前記余剰部に段差形状を形成し、
    前記折曲部は、前記段差形状に含まれる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法。
  7. 前記プレス成形品は、車体部品のフロントサイドメンバである、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法。
  8. 長尺であり、長手方向に湾曲する湾曲部を有するプレス成形品の製造装置であって、
    製品として使用される製品部および前記製品として使用されない余剰部を含む金属製の板材に対して、前記湾曲部の形成と、前記製品部におけるハット形の成形と、前記余剰部における前記ハット形の凸の向きへの折り曲げによる折曲部の形成とを同時に行うプレス成形機と、
    前記プレス成形機による成形の後に前記折曲部が形成された前記余剰部を除去する切断機と
    を備える、プレス成形品の製造装置。
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