JP2022135603A - インクジェット塗布用及びled用硬化性組成物、ledモジュール、ledモジュールの製造方法及びled表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット法により基板上の複数のLEDチップの間隙に硬化性組成物を塗布して硬化させた際に、1)硬化物部の表面平坦性を高め、2)基板と硬化物部との接着性を高め、3)基板上のLEDチップ間の配線を隠すことができ、4)LEDチップの明るさを維持することができ、5)LEDチップとLEDチップの間隙とのコントラストを良好にすることができる、インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物を提供する。【解決手段】本発明に係るインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物は、複数の(メタ)アクリロイル基を有し、かつポリオール骨格を有する第1の多官能(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤と、着色剤と、エポキシ化合物又はカップリング剤とを含み、25℃での粘度が、150mPa・s以上2000mPa・s以下であり、90℃で24時間加熱した後の粘度上昇率が、50%以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェット方式により塗布して用いられ、かつ発光ダイオード(LED)に用いられるインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物に関する。また、本発明は、上記インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物を用いたLEDモジュール、LEDモジュールの製造方法及びLED表示装置に関する。
様々な電子機器用途において、発光ダイオード(LED)チップが用いられている。例えば、基板上にリードフレーム及びLEDチップが配置されており、かつ該リードフレーム及びLEDチップが樹脂により封止されているLEDパッケージが広く用いられている。上記LEDパッケージとしては、砲弾型のLEDパッケージと表面実装型(SMD)のLEDパッケージとが挙げられる。
近年、広告や案内板等に、大型の表示装置が用いられている。大型の表示装置として、複数の上記LEDパッケージを配列して小型のモジュールを作製した後、該モジュールをつなぎ合わせた表示装置が知られている。該表示装置では、例えば、赤、青、緑等にLEDを点灯させて、表示を行うことができる。
しかしながら、LEDパッケージを用いた表示装置では、LEDチップ間の距離を近づけることができないため、表示を高精細化することが困難である。
上記の問題を改善するために、プリント基板上又はTFT配線が設けられたガラス基板上に、LEDチップが直接実装されたCOB(Chip on Board)方式やCOG(Chip On Glass)方式の表示装置が検討されている。これらの方式では、LEDチップがプリント基板やガラス基板上に直接実装されているため、LEDチップ間の距離を近づけることが可能であり、表示を高精細化することが可能である。
COB方式の表示装置に用いられるLEDチップの封止剤として、下記の特許文献1には、X線光電子分光法(ESCA)によるシリコーン材料表面の元素組成百分率において、以下の(i)及び(ii)の少なくとも一方を満たすシリコーン材料が開示されている。
(i)炭素原子の元素組成百分率が50.0~70.0atom%である
(ii)炭素原子の元素組成百分率とケイ素原子の元素組成百分率の比(C/Si)が2.0~5.0である
また、下記の特許文献2には、(A)酸無水物、(B)環状エーテル基を有する液状化合物、(C)光反応性希釈剤、及び(D)光重合開始剤を含有し、粘度が25℃で150mPa・s以下であるインクジェット用光硬化性・熱硬化性組成物が開示されている。
特許文献1に記載のような従来の封止剤では、材料の粘度が高いため、塗布後の表面に凹凸が生じやすい。このような封止剤をLEDチップの間隙に塗布した場合、COB方式やCOG方式の表示装置において、塗布物の硬化後の表面平坦性を確保し難いという課題がある。
また、特許文献2に記載のような硬化性組成物では、粘度を下げるために、希釈剤として低分子の重合性化合物(いわゆる反応性希釈剤)が用いられている。このため、LEDチップの間隙に塗布して硬化させた場合に、硬化性組成物の硬化収縮が大きくなって基板が反ることがあり、結果として、基板と硬化物部との接着性が低くなるという課題がある。
さらに、特許文献1,2に記載のような透明な材料を用いてLEDチップを封止してLEDモジュールを作製した場合には、LEDチップ間において電極同士を接続している配線を隠すことができず、LEDチップとLEDチップの間隙とのコントラストが不良になるという課題がある。また、複数の該LEDモジュールを連結させて大型のLED表示装置を作製した場合に、表示品質が悪くなる場合がある。
また、基板上のLEDチップ間の配線を隠すために、特許文献1、2に記載のような従来の封止剤に着色剤を加えた場合には、着色剤により封止剤の光硬化性が低くなり、着色剤を含む封止剤が、LEDチップの間隙だけでなくLEDチップの上部にまで配置されることがある。結果として、LEDチップの明るさ(輝度)が低下し、LEDチップとLEDチップの間隙とのコントラストが不良になるという課題がある。特に、特許文献2のように封止剤が低粘度の場合には、上記の課題がより顕著である。
本発明の目的は、インクジェット法により基板上の複数のLEDチップの間隙に硬化性組成物を塗布して硬化させた際に、1)硬化物部の表面平坦性を高め、2)基板と硬化物部との接着性を高めることができるインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物を提供することである。さらに、本発明の目的は、3)基板上のLEDチップ間の配線を隠すことができ、4)LEDチップの明るさを維持することができ、5)LEDチップとLEDチップの間隙とのコントラストを良好にすることができるインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物を提供することである。また、本発明の目的は、上記インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物を用いたLEDモジュール、LEDモジュールの製造方法及びLED表示装置を提供することである。
本発明の広い局面によれば、複数の(メタ)アクリロイル基を有し、かつポリオール骨格を有する第1の多官能(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤と、着色剤と、エポキシ化合物又はカップリング剤とを含み、25℃での粘度が、150mPa・s以上2000mPa・s以下であり、90℃で24時間加熱した後の粘度上昇率が、50%以下である、インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物(以下、硬化性組成物と記載することがある)が提供される。
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、前記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物が、エチレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物又はプロピレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物を含む。
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、前記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物が、下記式(1)で表される化合物を含む。
前記式(1)中、R1及び2はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し、R3は、エチレン基又はプロピレン基を表し、mは2以上14以下の数を表す。複数のR3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、前記硬化性組成物は、前記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物以外の第2の多官能(メタ)アクリレート化合物を含み、前記第2の多官能(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカン骨格を有する。
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、前記カップリング剤が、アクリルシラン又はエポキシシランである。
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、前記インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物が前記カップリング剤を含み、前記インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物100重量%中、前記カップリング剤の含有量が、1重量%以上である。
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、前記光重合開始剤が、2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジル-1-ブタノン、又は、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノンを含む。
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、前記インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物100重量%中、前記光重合開始剤の含有量が、5重量%以上である。
本発明の広い局面によれば、複数のLEDチップを上面に有する基板と、複数の前記LEDチップの間隙に配置された硬化物部とを備え、前記硬化物部が、上述した硬化性組成物の硬化物である、LEDモジュールが提供される。
本発明の広い局面によれば、複数のLEDチップを上面に有する基板において、複数の前記LEDチップの間隙に、上述した硬化性組成物をインクジェット方式で塗布する塗布工程と、塗布された前記硬化性組成物に光を照射して、前記硬化性組成物を硬化させて、複数の前記LEDチップの間隙に配置された硬化物部を形成する硬化工程とを備える、LEDモジュールの製造方法が提供される。
本発明の広い局面によれば、複数のLEDモジュールを備え、複数の前記LEDモジュールが連結されており、前記LEDモジュールは、複数のLEDチップを上面に有する基板と、複数の前記LEDチップの間隙に配置された硬化物部とを備え、前記LEDモジュールにおいて、前記硬化物部が、上述した硬化性組成物の硬化物である、LED表示装置が提供される。
本発明に係る硬化性組成物は、複数の(メタ)アクリロイル基を有し、かつポリオール骨格を有する第1の多官能(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤と、着色剤と、エポキシ化合物又はカップリング剤とを含む。本発明に係る硬化性組成物では、25℃での粘度が、150mPa・s以上2000mPa・s以下である。本発明に係る硬化性組成物では、90℃で24時間加熱した後の粘度上昇率が、50%以下である。本発明では、上記の構成が備えられているので、インクジェット法により基板上の複数のLEDチップの間隙に硬化性組成物を塗布し、硬化させた際に、1)硬化物部の表面平坦性を高め、2)基板と硬化物部との接着性を高めることができる。さらに、本発明では、上記の構成が備えられているので、3)基板上のLEDチップ間の配線を隠すことができ、4)LEDチップの明るさを維持することができ、5)LEDチップとLEDチップの間隙とのコントラストを良好にすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物)
本発明に係るインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物(以下、硬化性組成物と記載することがある)は、インクジェット塗布に用いられる。本発明に係る硬化性組成物は、発光ダイオード(LED)に用いられる。特に、本発明に係る硬化性組成物は、発光ダイオード(LED)チップの間隙に用いられる。特に、本発明に係る硬化性組成物は、発光ダイオード(LED)チップ間の配線を隠すために用いられる。
本発明に係るインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物(以下、硬化性組成物と記載することがある)は、インクジェット塗布に用いられる。本発明に係る硬化性組成物は、発光ダイオード(LED)に用いられる。特に、本発明に係る硬化性組成物は、発光ダイオード(LED)チップの間隙に用いられる。特に、本発明に係る硬化性組成物は、発光ダイオード(LED)チップ間の配線を隠すために用いられる。
本発明に係る硬化性組成物は、以下の成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(D)又は成分(E)とを含む。上記硬化性組成物は、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(D)とを含んでいてもよく、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(E)とを含んでいてもよく、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(D)と、成分(E)とを含んでいてもよい。上記硬化性組成物は、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(D)と、成分(E)とを含むことがより好ましい。
複数の(メタ)アクリロイル基を有し、かつポリオール骨格を有する第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)
光重合開始剤(B)
着色剤(C)
エポキシ化合物(D)
カップリング剤(E)
光重合開始剤(B)
着色剤(C)
エポキシ化合物(D)
カップリング剤(E)
上述した特許文献1に記載のような従来の封止剤を、基板上に直接実装されたLEDチップの間隙に塗布して硬化させた場合には、塗布後の表面に凹凸が生じやすく、硬化後の表面平坦性を確保し難いことがある。
上述した特許文献2に記載のような硬化性組成物では、基板が反ることにより、基板と硬化物部との接着性が低くなるという課題がある。
また、特許文献1,2に記載のような透明な封止剤では、基板上のLEDチップ間の配線を隠すことができず、LEDチップとLEDチップの間隙とのコントラストが不良であるという課題がある。また、複数の該LEDモジュールを連結させて大型のLED表示装置を作製した場合に、表示品質が悪くなる場合がある。
また、基板上のLEDチップ間の配線を隠すために、従来の封止剤に着色剤を加えた場合には、着色剤を含む封止剤がLEDチップの間隙だけでなくLEDチップの上部にまで配置されることにより、LEDの明るさ(輝度)が低下し、LEDチップとLEDチップの間隙とのコントラストが不良になるという課題もある。
本発明に係る硬化性組成物では、上記の構成が備えられているので、上記硬化性組成物は、良好な粘度特性と硬化性とを有する。結果として、本発明では、インクジェット法により基板上の複数のLEDチップの間隙に硬化性組成物を塗布し、硬化させた際に、1)硬化物部の表面平坦性を高め、2)基板と硬化物部との接着性を高めることができる。また、本発明では、3)基板上のLEDチップ間の配線を隠すことができる。さらに、上記硬化性組成物は、良好な粘度特性と硬化性とを有するので、LEDチップの間隙に良好に塗布することができ、かつ、LEDチップの上部には塗布されにくい。それにより、4)LEDチップの明るさを維持することができる。上記3)、4)の効果により、5)LEDチップとLEDチップの間隙(硬化物部)とのコントラストを良好にすることができる。また、LEDモジュール及びLED表示装置の表示品質を高めることができる。
上記硬化性組成物は、インクジェット方式により塗布することができる。上記硬化性組成物は、インクジェット方式により、基板本体上のLEDチップの間隙に塗布することができる。インクジェット方式により上記硬化性組成物を塗布する際に、インクジェット装置が用いられる。上記インクジェット装置は、インクジェットヘッドを有する。上記インクジェットヘッドは、インクジェットノズルを有する。
上記硬化性組成物は、LEDに用いられる。特に、上記硬化性組成物は、基板上のLEDチップ間の配線を隠すために好適に用いられる。上記硬化性組成物は、LEDモジュールにおける硬化物部を形成するために好適に用いられる。上記硬化性組成物は、LEDチップの間隙に硬化物部を形成するために好適に用いられる。上記硬化性組成物は、基板本体上のLEDチップの間隙に硬化物部を形成するために好適に用いられる。上記硬化性組成物により形成される硬化物部が、基板本体上のLEDチップの間隙に配置されることで、基板上のLEDチップ間の配線を隠すことができる。また、LEDチップとLEDチップの間隙とのコントラストを良好にすることができ、LEDモジュール及びLED表示装置の表示品質を高めることができる。上記硬化性組成物は、基板本体上のLEDチップの上部には塗布されないことが好ましい。上記硬化物部は、基板本体上のLEDチップの上部には形成されないことが好ましい。
上記硬化性組成物は、特に、COB方式やCOG方式でのLEDモジュールに好適に用いられる。上記硬化性組成物は、LEDチップの封止剤として用いられることが好ましい。上記硬化性組成物は、COB方式やCOG方式でのLEDモジュールにおけるLEDチップ封止剤として用いられることがより好ましい。
インクジェット方式により硬化性組成物をより一層良好に塗布する観点から、上記硬化性組成物は、25℃で液状であることが好ましい。液状には、ペースト状も含まれる。
上記硬化性組成物の25℃での粘度(η1)は、150mPa・s以上2000mPa・s以下である。上記硬化性組成物では、上記の構成が備えられているので、インクジェット法により基板上の複数のLEDチップの間隙に硬化性組成物を塗布し、硬化させた際に、1)硬化物部の表面平坦性を高め、2)基板と硬化物部との接着性を高めることができる。また、4)LEDチップの明るさを維持することができ、5)LEDチップとLEDチップの間隙(硬化物部)とのコントラストを良好にすることができる。さらに、インクジェット方式により硬化性組成物を良好に塗布することができる。上記粘度(η1)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点から、上記粘度(η1)は、好ましくは300mPa・s以上、より好ましくは400mPa・s以上、さらに好ましくは500mPa・s以上であり、好ましくは1500mPa・s以下、より好ましくは1200mPa・s以下、さらに好ましくは1000mPa・s以下である。また、上記粘度(η1)が上記下限以上及び上記上限以下であると、インクジェット方式により上記硬化性組成物をより一層良好に塗布することができる。また、上記粘度(η1)が上記下限以上及び上記上限以下であると、塗布物のエッジ部分の形状を良好に保つことができる。この結果、エッジ部分の形状が良好な硬化物部を形成することができる。また、上記粘度(η1)が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性組成物の表面のべたつきを抑制することができるので、表面にゴミ等の粉体が付着することを防ぐことができる。
上記粘度(η1)は、例えば、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、作製直後の上記硬化性組成物について、25℃及び1rpmの条件で測定することが好ましい。
本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点から、上記硬化性組成物の90℃で24時間加熱した後の粘度(η2)は、好ましくは300mPa・s以上、より好ましくは400mPa・s以上、さらに好ましくは500mPa・s以上である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点から、上記粘度(η2)は、好ましくは1500mPa・s以下、より好ましくは1200mPa・s以下、さらに好ましくは1000mPa・s以下である。
上記硬化性組成物の90℃で24時間加熱した後の粘度上昇率は、50%以下である。上記粘度上昇率は、式:[(η2-η1)/η1]×100(%)により求められる。上記硬化性組成物では、上記の構成が備えられているので、インクジェット方式により硬化性組成物を連続して塗布することができ、かつ、貯蔵安定性を高めることができる。インクジェット吐出性をより一層高め、かつ、貯蔵安定性をより一層高める観点から、上記粘度上昇率は、好ましくは-25%以上、より好ましくは-10%以上、さらに好ましくは-5%以上、特に好ましくは0%以上である。インクジェット吐出性をより一層高め、かつ、貯蔵安定性をより一層高める観点から、上記粘度上昇率は、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。
上記粘度(η2)は、上記硬化性組成物を90℃で24時間加熱した後に、20℃/分で25℃まで降温させて、25℃で測定される。上記粘度(η2)は、上記粘度(η1)と同様にして測定することができる。
上記硬化性組成物のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは25℃以上、より好ましくは50℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは120℃以下である。上記硬化性組成物のガラス転移温度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基板と硬化物部との接着性をより一層高めることができる。
上記ガラス転移温度は、JIS-K7121に準拠して、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定することができる。上記示差走査熱量計としては、日立ハイテクサイエンス社製「DSC7020」等が挙げられる。
上記硬化物部の厚みは、特に限定されない。上記硬化性組成物は、使用するLEDチップの上面以下の高さに塗布することが好ましい。基板上のLEDチップ間の配線をより一層効果的に隠す観点からは、上記硬化物部の厚みは、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは80μm以下である。
基板上のLEDチップ間の配線をより一層効果的に隠す観点からは、上記硬化性組成物の厚み100μmでの可視光線透過率は、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは1%以下である。上記可視光線透過率の下限は、特に限定されない。上記可視光線透過率は、0%であってもよい。上記硬化性組成物の厚み100μmでの可視光線透過率は、材料の選択により、上記の好ましい範囲とすることができる。
基板上のLEDチップ間の配線をより一層効果的に隠す観点からは、上記硬化物の厚み100μmでの可視光線透過率は、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは1%以下である。上記可視光線透過率の下限は、特に限定されない。上記可視光線透過率は、0%であってもよい。上記硬化物の厚み100μmでの可視光線透過率は、材料の選択により、上記の好ましい範囲とすることができる。
上記可視光線透過率は、以下のようにして測定することができる。
分光光度計(日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて、JIS R3211:1998に準拠して、上記硬化性組成物又は上記硬化性組成物の硬化物について、波長380nm~700nmにおける上記可視光線透過率を測定する。上記可視光線透過率を測定するための硬化物は、365nmのUV-LEDを用いて上記硬化性組成物を1000mWで1秒間照射して硬化させることにより得られることが好ましい。
以下、本発明に係る硬化性組成物に用いることができる各成分の詳細を説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
<複数の(メタ)アクリロイル基を有し、かつポリオール骨格を有する第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)>
上記硬化性組成物は、複数の(メタ)アクリロイル基を有し、かつポリオール骨格を有する第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)を含む。
上記硬化性組成物は、複数の(メタ)アクリロイル基を有し、かつポリオール骨格を有する第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)を含む。
上記硬化性組成物では、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)が含まれているので、インクジェット法により基板上の複数のLEDチップの間隙に上記硬化性組成物を塗布して硬化させた際に、基板と硬化物部との接着性を高めることができる。
基板と硬化物部との接着性をより一層高める観点からは、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、下記式(1)で表される化合物、又は、ビスフェノール骨格及びオキシアルキレン基を有する化合物を含むことが好ましい。また、基板と硬化物部との接着性をより一層高める観点からは、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、下記式(1)で表される化合物を含むことが好ましい。
上記式(1)中、R1及び2はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し、R3は、エチレン基又はプロピレン基を表し、mは2以上14以下の数を表す。複数のR3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素原子を表してもよく、メチル基を表してもよい。上記式(1)中、R3はエチレン基を表してもよく、プロピレン基を表してもよい。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記式(1)中、R3はプロピレン基を表すことが好ましい。
本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点から、上記式(1)中のmは、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、2官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、3官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、4官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよい。上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、4官能以上の(メタ)アクリレート化合物であってもよい。官能数は(メタ)アクリロイル基の数に対応する。上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリオール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-エチル-2-ブチルブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-エチル-2-ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、及びジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオール骨格を有する3官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、及びソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオール骨格を有する4官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、及びプロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオール骨格を有する5官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
基板と硬化物部との接着性をより一層高める観点からは、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、アルキレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。基板と硬化物部との接着性をさらに一層高める観点からは、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、エチレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物又はプロピレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましい。エチレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物が用いられてもよく、プロピレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物が用いられてもよく、これらが併用されてもよい。
上記エチレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、及びエチレンオキサイド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記プロピレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物としては、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、及びプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
基板と硬化物部との接着性をより一層高める観点からは、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、ビスフェノール骨格を有することが好ましい。基板と硬化物部との接着性をより一層高める観点からは、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、ビスフェノール骨格及びオキシアルキレン基を有することが好ましい。ビスフェノール骨格及びオキシアルキレン基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物(A)としては、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキレンオキサイド変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、エチレンオキサイド変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレート及びプロピレンオキサイド変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
基板の反りをより一層効果的に抑制し、基板と硬化物部との接着性をより一層高める観点からは、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。アルキレンオキサイド変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレートは、ビスフェノール骨格、及び、アルキレンオキサイド骨格が変性された骨格を有する2官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。アルキレンオキサイド変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレートは、ビスフェノール骨格、及び、オキシアルキレン基を有する2官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。上記ビスフェノール骨格としては、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格及びビスフェノールS型骨格等が挙げられる。
上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)の単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-50℃以上、より好ましくは-40℃以上、さらに好ましくは-30℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。上記第2の多官能(メタ)アクリレート化合物の単独重合体のガラス転移温度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基板と硬化物部との接着性をより一層高めることができる。
上記硬化性組成物100重量%中、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基板と硬化物部との接着性をより一層高めることができる。
<光重合開始剤(B)>
上記硬化性組成物は、上記光重合開始剤(B)を含む。
上記硬化性組成物は、上記光重合開始剤(B)を含む。
上記硬化性組成物は上記光重合開始剤(B)を含むので、光の照射により上記硬化性組成物を硬化させることができる。
上記光重合開始剤(B)としては、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤等が挙げられる。上記光重合開始剤(B)は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。上記光重合開始剤(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光ラジカル重合開始剤は、光の照射によりラジカルを発生し、ラジカル重合反応を開始するための化合物である。上記光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン化合物;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン等のアルキルフェノン化合物;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン化合物;2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジル-1-ブタノン、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン化合物;2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン等のアントラキノン化合物;2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)-2-(o-ベンゾイルオキシム)]、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(o-アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;ビス(シクロペンタジエニル)-ジ-フェニル-チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ジ-クロロ-チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(ピロール-1-イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン化合物等が挙げられる。上記光ラジカル重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤(B)は、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジル-1-ブタノンを含むことが好ましい。上記光重合開始剤(B)は、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジル-1-ブタノンを含むことがより好ましい。これらの好ましい光重合開始剤(B)の使用により、上記硬化性組成物の硬化性を高めることができるので、LEDチップの間隙に良好に塗布することができ、かつ、LEDチップの上部には塗布されにくい。結果として、LEDチップの明るさをより一層効果的に維持することができ、LEDチップとLEDチップの間隙(硬化物部)とのコントラストをより一層良好にすることができる。
上記光ラジカル重合開始剤とともに、光重合開始助剤を用いてもよい。該光重合開始助剤としては、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン及びトリエタノールアミン等が挙げられる。これら以外の光重合開始助剤を用いてもよい。上記光重合開始助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、可視光領域に吸収があるCGI-784等(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)のチタノセン化合物などを、光反応を促進するために用いてもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、メタロセン化合物及びベンゾイントシレート等が挙げられる。上記光カチオン重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化性組成物100重量%中、上記光重合開始剤(B)の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは8重量%以上であり、好ましくは15重量%以下、より好ましくは12重量%以下である。上記硬化性組成物の上記光重合開始剤(B)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性を高めることができるので、LEDチップの間隙に良好に塗布することができ、かつ、LEDチップの上部には塗布されにくい。結果として、LEDチップの明るさをより一層効果的に維持することができ、LEDチップとLEDチップの間隙(硬化物部)とのコントラストをより一層良好にすることができる。
<着色剤(C)>
上記硬化性組成物は、上記着色剤(C)を含む。
上記硬化性組成物は、上記着色剤(C)を含む。
上記硬化性組成物は上記着色剤(C)を含むので、3)基板上のLEDチップ間の配線を隠すことができ、5)LEDチップとLEDチップの間隙(硬化物部)とのコントラストを良好にすることができる。
本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点から、上記着色剤は、顔料又は染料であることが好ましく、黒色顔料又は黒色染料であることが好ましい。上記着色剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック、酸化鉄、ランプブラック、グラファイト、銅-クロムの複合酸化物及び銅-クロム-亜鉛の複合酸化物等が挙げられる。黒色度を高め、光抜けの発生を抑制する観点からは、上記顔料は、カーボンブラックであることが好ましい。
上記染料としては、ピラゾールアゾ系染料、アニリノアゾ系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、アンスラピリドン系染料、ベンジリデン系染料、オキソール系染料、ピラゾロトリアゾールアゾ系染料、ピリドンアゾ系染料、シアニン系染料、フェノチアジン系染料、ピロロピラゾールアゾメチン系染料、キサテン系染料、フタロシアニン系染料、ベンゾピラン系染料、インジゴ系染料、ピロメテン系染料、トリアリールメタン系染料、アゾメチン系染料、ベリレン系染料、ペリノン系染料、クオタリレン系染料、及びキノフタロン系染料等が挙げられる。上記染料は、酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料及びこれらの誘導体の内の2種以上を混合することにより黒色にされた染料等であってもよい。
<エポキシ化合物(D)>
上記硬化性組成物は、上記エポキシ化合物(D)又は上記カップリング剤(E)を含む。上記硬化性組成物は、上記エポキシ化合物(D)を含んでいてもよく、上記カップリング剤(E)を含んでいてもよく、上記エポキシ化合物(D)及び上記カップリング剤(E)の双方を含んでいてもよい。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点から、上記硬化性組成物は、上記エポキシ化合物(D)及び上記カップリング剤(E)の双方を含むことが好ましい。
上記硬化性組成物は、上記エポキシ化合物(D)又は上記カップリング剤(E)を含む。上記硬化性組成物は、上記エポキシ化合物(D)を含んでいてもよく、上記カップリング剤(E)を含んでいてもよく、上記エポキシ化合物(D)及び上記カップリング剤(E)の双方を含んでいてもよい。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点から、上記硬化性組成物は、上記エポキシ化合物(D)及び上記カップリング剤(E)の双方を含むことが好ましい。
上記エポキシ化合物(D)としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、アントラセン型エポキシ化合物、アダマンタン骨格を有するエポキシ化合物、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ化合物、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ化合物等が挙げられる。上記エポキシ化合物(D)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ化合物(D)は、複数のエポキシ基を有することが好ましい。上記エポキシ化合物(D)は、多官能エポキシ化合物であることが好ましい。上記多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、及びビスフェノールF型エポキシ化合物等の2官能エポキシ化合物、トリアジン型エポキシ化合物、及びグリシジルアミン型エポキシ化合物等の3官能エポキシ化合物、並びに、テトラキスフェノールエタン型エポキシ化合物、及びグリシジルアミン型エポキシ化合物等の4官能エポキシ化合物等が挙げられる。
また、上記硬化性組成物がエポキシ化合物(D)を含む場合には、上記エポキシ化合物(D)とともに硬化剤を含むことが好ましい。上記硬化剤は、上記エポキシ化合物を熱硬化させる。上記硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤等のチオール硬化剤、及び酸無水物硬化剤等が挙げられる。上記硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。粘度上昇率を良好にし、インクジェット吐出性をより一層高め、かつ、貯蔵安定性をより一層高める観点からは、上記硬化剤は、アミン硬化剤であることが好ましい。
上記イミダゾール硬化剤は特に限定されない。上記イミダゾール硬化剤としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン及び2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-ベンジル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-パラトルイル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-メタトルイル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-メタトルイル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-パラトルイル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール等における1H-イミダゾールの5位の水素原子がヒドロキシメチル基で置換され、かつ、2位の水素原子がフェニル基又はトルイル基で置換されたイミダゾール化合物等が挙げられる。
上記チオール硬化剤は特に限定されない。上記チオール硬化剤としては、トリメチロールプロパントリス-3-メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
上記アミン硬化剤は特に限定されない。上記アミン硬化剤としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、フェニレンジアミン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノフェニルエーテル、メタキシレンジアミン、ジアミノナフタレン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。上記アミン硬化剤は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、メタフェニレンジアミン、ジアノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、フェニレンジアミン、又は2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンであることが好ましい。上記アミン硬化剤は、エチレンジアミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミン、又は2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンであることがより好ましい。上記ジアミノジフェイルメタンとしては、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタンが挙げられる。これらの好ましいアミン硬化剤の使用により、粘度上昇率を良好にし、インクジェット吐出性をより一層高め、かつ、貯蔵安定性をより一層高めることができる。
上記酸無水物硬化剤は特に限定されず、エポキシ化合物の硬化剤として用いられる酸無水物であれば広く用いることができる。上記酸無水物硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、フタル酸誘導体の無水物、無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水グルタル酸、無水コハク酸、グリセリンビス無水トリメリット酸モノアセテート、及びエチレングリコールビス無水トリメリット酸等の2官能の酸無水物硬化剤、無水トリメリット酸等の3官能の酸無水物硬化剤、並びに、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、及びポリアゼライン酸無水物等の4官能以上の酸無水物硬化剤等が挙げられる。
上記硬化性組成物が上記エポキシ化合物(D)を含む場合に、上記硬化性組成物100重量%中、上記エポキシ化合物(D)の含有量は、好ましくは4重量%以上、より好ましくは6重量%以上、さらに好ましくは8重量%以上、特に好ましくは10重量%以上である。また、上記硬化性組成物100重量%中、上記エポキシ化合物(D)の含有量は、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。上記エポキシ化合物(D)の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基板と硬化物部との接着性をより一層高めることができる。
上記硬化性組成物100重量%中、上記硬化剤の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上、特に好ましくは4重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。上記硬化剤の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、上記エポキシ化合物(D)を良好に硬化させることができる。
上記エポキシ化合物(D)100重量部に対して、上記硬化剤の含有量は、好ましくは10重量部以上、より好ましくは20重量部以上、さらに好ましくは25重量部以上、特に好ましくは30重量部以上であり、好ましくは60重量部以下、より好ましくは55重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下である。上記硬化剤の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、上記エポキシ化合物(D)を良好に硬化させることができる。
<カップリング剤(E)>
上記カップリング剤(E)としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記カップリング剤(E)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記カップリング剤(E)としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記カップリング剤(E)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
基板と硬化物部との接着性をより一層高める観点から、上記カップリング剤(E)は、シランカップリング剤であることが好ましい。上記シランカップリング剤としては、メタクリルシラン、アクリルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン、ビニルシラン、及びエポキシシラン等が挙げられる。基板と硬化物部との接着性をより一層高める観点から、上記カップリング剤(E)は、アクリルシラン又はエポキシシランであることが好ましい。
上記アクリルシランとしては、3-(メタクリロキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、及び3-(アクリロキシ)プロピルトリメトキシシランが挙げられる。基板と硬化物部との接着性をより一層良好にする観点から、上記アクリルシランは、3-(アクリロキシ)プロピルトリメトキシシランであることが好ましい。
上記エポキシシランとしては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。粘度上昇率を良好にし、インクジェット吐出性をより一層高め、かつ、貯蔵安定性をより一層高める観点から、上記エポキシシランは、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることが好ましい。
上記硬化性組成物が上記カップリング剤(E)を含む場合に、上記硬化性組成物100重量%中、上記カップリング剤(E)の含有量は、好ましくは0.8重量%以上、より好ましくは1重量%以上、であり、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1.8重量%以下である。上記カップリング剤(E)の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基板と硬化物部との接着性をより一層良好にすることができる。
上記硬化性組成物が、上記エポキシ化合物(D)を含まず、かつ、上記カップリング剤(E)を含む場合、上記硬化性組成物100重量%中、上記カップリング剤(E)の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上であり、好ましくは8重量%以下、より好ましくは6重量%以下である。上記カップリング剤(E)の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基板と硬化物部との接着性をより一層良好にすることができる。
上記硬化性組成物100重量%中、上記エポキシ化合物(D)及び上記カップリング剤(E)の含有量の合計は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上、特に好ましくは4重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。上記エポキシ化合物(D)及び上記カップリング剤(E)の含有量の合計が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基板と硬化物部との接着性をより一層高め、かつ、粘度上昇率を良好にし、インクジェット吐出性をより一層高め、かつ、貯蔵安定性をより一層高めることができる。上記硬化性組成物が、上記エポキシ化合物(D)を含みかつ上記カップリング剤を含まない場合に、「上記エポキシ化合物(D)及び上記カップリング剤(E)の含有量の合計」は、「上記エポキシ化合物(D)の含有量」を意味する。上記硬化性組成物が、上記エポキシ化合物(D)を含まずかつ上記カップリング剤を含む場合に、「上記エポキシ化合物(D)及び上記カップリング剤(E)の含有量の合計」は、「上記カップリング剤(E)の含有量」を意味する。上記硬化性組成物が、上記エポキシ化合物(D)と上記カップリング剤とを含む場合に、「上記エポキシ化合物(D)及び上記カップリング剤(E)の含有量の合計」は、「上記エポキシ化合物(D)の含有量と上記カップリング剤(E)の含有量との合計」を意味する。
<その他の成分>
上記硬化性組成物は、充填剤、消泡剤、硬化剤、硬化促進剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、安定剤、タレ防止剤又は蛍光体等を含んでいてもよい。
上記硬化性組成物は、充填剤、消泡剤、硬化剤、硬化促進剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、安定剤、タレ防止剤又は蛍光体等を含んでいてもよい。
上記硬化性組成物は、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)以外の、第2の多官能(メタ)アクリレート化合物を含んでいてもよい。
上記第2の多官能(メタ)アクリレート化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、及びエトキシ化シクロヘキサンメタノールジアクリレートが挙げられる。
基板と硬化物部との接着性をより一層良好にする観点から、上記第2の多官能(メタ)アクリレート化合物は、トリシクロデカン骨格を有することが好ましい。上記第2の多官能(メタ)アクリレート化合物は、は、下記式(2)で表される骨格を有することが好ましい。下記式(2)において、右端部及び左端部は、他の基との結合部位である。
上記式(2)で表される骨格を有する上記第2の多官能(メタ)アクリレート化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートが挙げられる。基板と硬化物部との接着性をより一層良好にする観点から、上記第2の多官能(メタ)アクリレート化合物は、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートであることが好ましい。
また、上記硬化性組成物は、単官能(メタ)アクリレート化合物を含んでいてもよい。基板と硬化物部との接着性をより一層良好にする観点から、上記単官能(メタ)アクリレート化合物は、フェノキエチルアクリレートであることが好ましい。
(LEDモジュール及びLEDモジュールの製造方法)
本発明に係るLEDモジュールは、複数のLEDチップを上面に有する基板と、複数の上記LEDチップの間隙に配置された硬化物部とを備える。本発明に係るLEDモジュールでは、上記硬化物部が、上述した硬化性組成物の硬化物である。
本発明に係るLEDモジュールは、複数のLEDチップを上面に有する基板と、複数の上記LEDチップの間隙に配置された硬化物部とを備える。本発明に係るLEDモジュールでは、上記硬化物部が、上述した硬化性組成物の硬化物である。
また、本発明に係るLEDモジュールの製造方法は、複数のLEDチップを上面に有する基板において、複数の上記LEDチップの間隙に、上述した硬化性組成物をインクジェット方式で塗布する塗布工程を備える。本発明に係るLEDモジュールの製造方法は、塗布された上記硬化性組成物に光を照射して、上記硬化性組成物を硬化させて、複数の上記LEDチップの間隙に配置された硬化物部を形成する硬化工程を備える。
本発明に係るLEDモジュール及びLEDモジュールの製造方法では、1)硬化物部の表面平坦性を高め、2)基板と硬化物部との接着性を高め、3)基板上のLEDチップ間の配線を隠すことができ、4)LEDチップの明るさを維持することができ、5)LEDチップとLEDチップの間隙(硬化物部)とのコントラストを良好にすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るLED樹脂組成物を用いて得られるLEDモジュールを模式的に示す断面図である。
図1に示すLEDモジュール1は、硬化物部11を備える。硬化物部11は、上記硬化性組成物により形成されており、上記硬化性組成物の硬化物である。上記硬化性組成物は、上記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)と、光重合開始剤(B)と、着色剤(C)と、エポキシ化合物(D)又はカップリング剤(E)とを含む。本実施形態では、上記硬化性組成物は、特定の粘度特性を有する。
LEDモジュール1は、硬化物部11と、基板12とを有する。基板12は、基板本体12Aと、複数のLEDチップ12Bと、複数の電極12Cと、配線12Dとを備える。
LEDモジュール1では、LEDチップ12Bを上面に有する基板12が用いられている。LEDチップ12Bは、電極12Cを介して、基板本体12A上に搭載されている。基板12では、複数のLEDチップ12Bが間隔を隔てて並んで配置されている。基板12では、複数のLEDチップ12Bが、基板本体12A上に配列されている。基板12では、複数のLEDチップ12Bの間隙に、配線12Dが配置されている。基板12では、電極12Cが、配線12Dにより電気的に接続されている。
LEDモジュール1では、LEDチップ12Bを上面に有する基板12が用いられている。LEDチップ12Bは、電極12Cを介して、基板本体12A上に搭載されている。基板12では、複数のLEDチップ12Bが間隔を隔てて並んで配置されている。基板12では、複数のLEDチップ12Bが、基板本体12A上に配列されている。基板12では、複数のLEDチップ12Bの間隙に、配線12Dが配置されている。基板12では、電極12Cが、配線12Dにより電気的に接続されている。
硬化物部11は、基板本体12A上に配列された複数のLEDチップ12Bの間隙に配置(形成)されている。硬化物部11は、複数のLEDチップ12Bの間隙を覆っている。硬化物部11は、配線12Dの上部に配置(形成)されている。LEDチップ12Bの間隙が、硬化物部11により覆われている。配線12Dの上部が、硬化物部11により覆われている。硬化物部11は、複数のLEDチップの上部には配置(形成)されていない。LEDチップ12Bの上面は、硬化物部11により覆われていない。
上記LEDチップは、赤色LEDチップであってもよく、青色LEDチップであってもよく、緑色LEDチップであってもよく、これらのLEDチップの組み合わせであってもよい。
1つの基板当たりの上記LEDチップの数は、好ましくは10000個以上、より好ましくは20000個以上、好ましくは80000個以下、より好ましくは60000個以下である。
本発明に係るLEDモジュールの製造方法において、複数のLEDチップの間隙に、上記硬化性組成物を塗布することが好ましい。上記硬化性組成物は、インクジェット装置のインクジェットヘッドから吐出される。
塗布された上記硬化性組成物に光を照射して、上記硬化性組成物を硬化させて、硬化物部を形成することができる。上記硬化性組成物を光硬化させるために用いられる光源としては、紫外線又は可視光線等の活性エネルギー線を発光する照射装置が挙げられる。上記光源としては、例えば、超高圧水銀灯、Deep UV ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ及びエキシマレーザーが挙げられる。これらの光源は、硬化性組成物の構成成分の感光波長に応じて適宜選択される。光の照射エネルギーは、所望とする層厚又は硬化性組成物の構成成分により適宜選択される。光の照射エネルギーは、一般に、10mJ/cm2~3000mJ/cm2の範囲内である。
本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、特定の領域に硬化性組成物を塗布した後、塗布された硬化性組成物の全体に対して光を照射して硬化物部を形成してもよい。本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、硬化性組成物を複数滴塗布するごとに、塗布された硬化性組成物に対して光を照射して硬化物部を形成してもよい。本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、硬化性組成物の塗布と、光の照射とを複数回行ってもよい。
本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、上記塗布工程は、基板の厚み方向にて硬化性組成物が重ならないように、基板の厚み方向にて、1回のみ行われてもよい。本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、上記塗布工程は、基板の厚み方向にて硬化性組成物が重なるように、基板の厚み方向にて、複数回行われてもよい。上記塗布工程が、基板の厚み方向にて硬化性組成物が重なるように、基板の厚み方向にて、複数回行われることにより、硬化物部の厚みを大きくすることができる。
上記LEDモジュールの形状は、特に限定されない。上記LEDモジュールの形状は、丸型であってもよく、矩形型であってもよく、三角形型であってもよい。
(LED表示装置)
本発明に係るLED表示装置は、複数の上述したLEDモジュールを備える。本発明に係るLED表示装置では、複数の上述したLEDモジュールが連結されている。
本発明に係るLED表示装置は、複数の上述したLEDモジュールを備える。本発明に係るLED表示装置では、複数の上述したLEDモジュールが連結されている。
本発明に係るLED表示装置では、上記の構成が備えられているので、3)基板上のLEDチップ間の配線を隠すことができ、4)LEDチップの明るさを維持することができ、5)LEDチップとLEDチップの間隙(硬化物部)とのコントラストを良好にすることができる。結果として、LED表示装置の表示を良好にすることができ、消費電力を小さくすることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係るLED樹脂組成物を用いて得られるLED表示装置を模式的に示す部分切欠断面図である。
図2に示すLED表示装置21は、複数のLEDモジュール1を備える。複数のLEDモジュール1が、連結されている。複数のLEDモジュール1が側面にて、連結されている。図2では、左右方向に複数のLEDモジュール1が並んで連結されている。図1において、手前-奥方向にも、複数のLEDモジュール1が並んで連結されていてもよい。この場合には、LED表示装置21を大型化することができる。
LED表示装置21では、連結されるLEDモジュール1において、基板本体12A上の電極12Cが配線12Dにより互いに電気的に接続されている。
上記LEDモジュールを連結させて、LED表示装置を得る方法としては、製造した複数のモジュールを並べる方法等が挙げられる。上記LEDモジュールを連結させる方法としては、接着剤を用いる方法、連結具を用いる方法、及び、並んだLEDモジュールを嵌合させる方法等が挙げられる。
上記LED表示装置において、連結された上記LEDモジュールの数は、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上である。上記LEDモジュールの数が上記下限以上であると、LED表示装置をより一層大型化することができる。上記LED表示装置において、連結された上記LEDモジュールの数は、好ましくは35個以下、より好ましくは30個以下である。上記LEDモジュールの数が上記上限以下であると、LED表示装置を軽量にすることができる。
上記LED表示装置の形状は、特に限定されない。上記LED表示装置の形状は、丸型であってもよく、矩形型であってもよく、三角形型であってもよい。複数のLEDモジュールを連結させることで、様々な形状のLED表示装置を得ることができる。
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。
以下の材料を用意した。
第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A):
エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(エチレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物、大阪有機化学工業社製「ビスコート♯700HV」、単独重合体のガラス転移温度:75℃)
プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(プロピレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物、共栄社化学社製「ライトアクリレートBP-4PA」、単独重合体のガラス転移温度:80℃)
ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート(上記式(1)で表される化合物、共栄社化学社製「ライトアクリレート4EG-A」、単独重合体のガラス転移温度:50℃、上記式(1)中のm=4)
ポリプロピレングリコールジアクリレート(上記式(1)で表される化合物、新中村化学社製「APG-700」、単独重合体のガラス転移温度:32℃、上記式(1)中のm=12)
エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(エチレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物、大阪有機化学工業社製「ビスコート♯700HV」、単独重合体のガラス転移温度:75℃)
プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(プロピレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物、共栄社化学社製「ライトアクリレートBP-4PA」、単独重合体のガラス転移温度:80℃)
ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート(上記式(1)で表される化合物、共栄社化学社製「ライトアクリレート4EG-A」、単独重合体のガラス転移温度:50℃、上記式(1)中のm=4)
ポリプロピレングリコールジアクリレート(上記式(1)で表される化合物、新中村化学社製「APG-700」、単独重合体のガラス転移温度:32℃、上記式(1)中のm=12)
他の多官能(メタ)アクリレート化合物(第1の多官能(メタ)アクリレート化合物(A)以外の第2の多官能(メタ)アクリレート化合物):
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(ダイセル・オルネクス社製「IRR-214K」、単独重合体のガラス転移温度:190℃)
エトキシ化シクロヘキサンメタノールジアクリレート(第一工業製薬社製「HBPE-4」、単独重合体のガラス転移温度:50℃)
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製「ビスコート♯230」、単独重合体のガラス転移温度:63℃)
1,9-ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製「ビスコート#260」、単独重合体のガラス転移温度:68℃)
ヒドロキシブチルアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートHOB-A」、単独重合体のガラス転移温度:-18℃)
酸変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート(65重量%)及びエチルジグリコートアセテート(35重量%)の混合物(日本化薬社製「KAYARAD ZAR-2000」)
ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製「EBECRYL8405」)
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(ダイセル・オルネクス社製「IRR-214K」、単独重合体のガラス転移温度:190℃)
エトキシ化シクロヘキサンメタノールジアクリレート(第一工業製薬社製「HBPE-4」、単独重合体のガラス転移温度:50℃)
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製「ビスコート♯230」、単独重合体のガラス転移温度:63℃)
1,9-ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製「ビスコート#260」、単独重合体のガラス転移温度:68℃)
ヒドロキシブチルアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートHOB-A」、単独重合体のガラス転移温度:-18℃)
酸変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート(65重量%)及びエチルジグリコートアセテート(35重量%)の混合物(日本化薬社製「KAYARAD ZAR-2000」)
ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製「EBECRYL8405」)
単官能(メタ)アクリレート化合物:
フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートPO-A」、単独重合体のガラス転移温度:-22℃)
フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートPO-A」、単独重合体のガラス転移温度:-22℃)
光重合開始剤(B):
2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(IGM Resins社製「Omnirad379EG」)
2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジル-1-ブタノン(IGM Resins社製「Omnirad369」)
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(IGM Resins社製「OmniradTPO」)
フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド(IGM Resins社製「Omnirad819」)
(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)(4-((1-メトキシプロパン-2-イル)オキシ)-2-メチルフェニル)メタノン-O-アセチルオキシム(アデカ社製「NCI-831」)
2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(IGM Resins社製「Omnirad379EG」)
2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジル-1-ブタノン(IGM Resins社製「Omnirad369」)
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(IGM Resins社製「OmniradTPO」)
フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド(IGM Resins社製「Omnirad819」)
(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)(4-((1-メトキシプロパン-2-イル)オキシ)-2-メチルフェニル)メタノン-O-アセチルオキシム(アデカ社製「NCI-831」)
着色剤(C):
アントラキノン系染料(有本化学社製「DA-158」)
カーボンブラック分散体(山陽色素社製「SF BLACK BJ2304」)
アントラキノン系染料(有本化学社製「DA-158」)
カーボンブラック分散体(山陽色素社製「SF BLACK BJ2304」)
エポキシ化合物(D):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON850」)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON830」)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON850」)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON830」)
硬化剤:
4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン(クミアイ化学工業社製「キュアハードMED」)
3官能ブロックイソシアネート(Baxenden Ghemicals社製「BI7982」)
4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン(クミアイ化学工業社製「キュアハードMED」)
3官能ブロックイソシアネート(Baxenden Ghemicals社製「BI7982」)
カップリング剤(E):
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン、信越シリコーン社製「KBM403」)
3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(アクリルシラン、信越シリコーン社製「KBM5103」)
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン、信越シリコーン社製「KBM403」)
3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(アクリルシラン、信越シリコーン社製「KBM5103」)
(実施例1~10、及び比較例1~7)
下記の表1~6に示す成分を下記の表1~6に示す配合量(単位は重量部)で配合して、硬化性組成物を得た。
下記の表1~6に示す成分を下記の表1~6に示す配合量(単位は重量部)で配合して、硬化性組成物を得た。
(評価)
(1)硬化性組成物の25℃での粘度(η1)
作製直後の硬化性組成物について、25℃での粘度(η1)を測定した。上記粘度(η1)は、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、JIS K2283に準拠して、25℃及び1rpmの条件で測定した。
(1)硬化性組成物の25℃での粘度(η1)
作製直後の硬化性組成物について、25℃での粘度(η1)を測定した。上記粘度(η1)は、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、JIS K2283に準拠して、25℃及び1rpmの条件で測定した。
(2)貯蔵安定性(粘度上昇率)
得られた硬化性組成物を、90℃で24時間加熱した。なお、加熱は酸素が存在しない環境下で行った。加熱後の硬化性組成物の粘度(η2)を、粘度(η1)と同様にして測定した。粘度(η2)及び粘度(η1)から、粘度上昇率([(η2-η1)/η1]×100(%))を求め、貯蔵安定性を以下の基準で判定した。
得られた硬化性組成物を、90℃で24時間加熱した。なお、加熱は酸素が存在しない環境下で行った。加熱後の硬化性組成物の粘度(η2)を、粘度(η1)と同様にして測定した。粘度(η2)及び粘度(η1)から、粘度上昇率([(η2-η1)/η1]×100(%))を求め、貯蔵安定性を以下の基準で判定した。
[貯蔵安定性(粘度上昇率)の判定基準]
〇〇:粘度上昇率が10%以下
〇:粘度上昇率が10%を超え50%以下
×:粘度上昇率が50%を超える
〇〇:粘度上昇率が10%以下
〇:粘度上昇率が10%を超え50%以下
×:粘度上昇率が50%を超える
(3)インクジェット吐出性
紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、得られたインクジェット用硬化性組成物の吐出試験を行った。硬化性組成物のインクジェット吐出性を、以下の基準で判定した。
紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、得られたインクジェット用硬化性組成物の吐出試験を行った。硬化性組成物のインクジェット吐出性を、以下の基準で判定した。
[インクジェット吐出性の判定基準]
○○:硬化性組成物をヘッドから10時間以上連続して吐出可能である
○:硬化性組成物をヘッドから10時間以上連続して吐出可能であるが、10時間の連続吐出の間にわずかに吐出むらが生じる
△:硬化性組成物をヘッドから連続して吐出可能であるが、10時間以上連続して吐出不可能である
×:硬化性組成物をヘッドから吐出する初期段階で吐出不可能である
○○:硬化性組成物をヘッドから10時間以上連続して吐出可能である
○:硬化性組成物をヘッドから10時間以上連続して吐出可能であるが、10時間の連続吐出の間にわずかに吐出むらが生じる
△:硬化性組成物をヘッドから連続して吐出可能であるが、10時間以上連続して吐出不可能である
×:硬化性組成物をヘッドから吐出する初期段階で吐出不可能である
(4)表面平坦性
ガラス基板(5cm×5cmの大きさ)上にて、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドからの得られた硬化性組成物の吐出と、紫外線照射による硬化とを繰り返して、厚みが150μmである硬化物を作製した。得られた硬化物の表面平坦性を、レーザー顕微鏡(オリンパス社製「OLS4100」)を用いて確認した。表面平坦性を、以下の基準で判定した。
ガラス基板(5cm×5cmの大きさ)上にて、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドからの得られた硬化性組成物の吐出と、紫外線照射による硬化とを繰り返して、厚みが150μmである硬化物を作製した。得られた硬化物の表面平坦性を、レーザー顕微鏡(オリンパス社製「OLS4100」)を用いて確認した。表面平坦性を、以下の基準で判定した。
[表面平坦性の判定基準]
〇〇:硬化物の表面に凹凸が無いか、又は硬化物の表面の凹凸の高低差が10μm未満
〇:硬化物の表面の凹凸の高低差が10μm以上15μm未満
×:硬化物の表面の凹凸の高低差が15μm以上
〇〇:硬化物の表面に凹凸が無いか、又は硬化物の表面の凹凸の高低差が10μm未満
〇:硬化物の表面の凹凸の高低差が10μm以上15μm未満
×:硬化物の表面の凹凸の高低差が15μm以上
(5)基板と硬化物部との接着性
ガラス基板(5cm×5cmの大きさ)上にて、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドからの硬化性組成物の吐出と、紫外線照射による硬化とを繰り返して、厚みが150μmである硬化物を作製した。得られた硬化物に1mm間隔で縦方向及び横方向に切り込みを入れ、100個のマス目を作製した。カッターを用いて、硬化物に1Nの圧力を加えた。基板と硬化物部との接着性を以下の基準で判定した。
ガラス基板(5cm×5cmの大きさ)上にて、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドからの硬化性組成物の吐出と、紫外線照射による硬化とを繰り返して、厚みが150μmである硬化物を作製した。得られた硬化物に1mm間隔で縦方向及び横方向に切り込みを入れ、100個のマス目を作製した。カッターを用いて、硬化物に1Nの圧力を加えた。基板と硬化物部との接着性を以下の基準で判定した。
[基板と硬化物部との接着性の判定基準]
〇〇:硬化物が剥がれたマス目の数が0~10個
〇:硬化物が剥がれたマス目の数が11~15個
×:硬化物が剥がれたマス目の数が16個以上
〇〇:硬化物が剥がれたマス目の数が0~10個
〇:硬化物が剥がれたマス目の数が11~15個
×:硬化物が剥がれたマス目の数が16個以上
(6)硬化物部形成後のLEDチップの明るさ(輝度)
基板本体の表面上に、複数のLEDチップ(高さ:100μm)と、複数の電極と、配線とを備える基板を用意した。紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドからの硬化性組成物の吐出と、紫外線照射による硬化とを繰り返して、上記LEDチップの間隙(上記配線の上部)に、厚みが100μmである硬化物部を形成した。その後、輝度計(コニカミノルタ社製「LS-150」)を用いて、硬化性組成物を配置する前のLEDチップの輝度及び硬化物部を形成した後のLEDチップの輝度を測定し、硬化物部を形成した後のLEDチップの輝度の、硬化性組成物を配置する前のLEDチップの輝度に対する比(%)を求めた。なお、LEDチップの真上から、上記比を測定した。硬化物部形成後のLEDチップの明るさを、以下の基準で判定した。
基板本体の表面上に、複数のLEDチップ(高さ:100μm)と、複数の電極と、配線とを備える基板を用意した。紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドからの硬化性組成物の吐出と、紫外線照射による硬化とを繰り返して、上記LEDチップの間隙(上記配線の上部)に、厚みが100μmである硬化物部を形成した。その後、輝度計(コニカミノルタ社製「LS-150」)を用いて、硬化性組成物を配置する前のLEDチップの輝度及び硬化物部を形成した後のLEDチップの輝度を測定し、硬化物部を形成した後のLEDチップの輝度の、硬化性組成物を配置する前のLEDチップの輝度に対する比(%)を求めた。なお、LEDチップの真上から、上記比を測定した。硬化物部形成後のLEDチップの明るさを、以下の基準で判定した。
[硬化物部形成後のLEDチップの明るさ(輝度)の判定基準]
〇〇:上記比が80%以上
〇:上記比が40%以上80%未満
×:上記比が40%未満
〇〇:上記比が80%以上
〇:上記比が40%以上80%未満
×:上記比が40%未満
(7)配線隠蔽性
ガラス基板(5cm×5cmの大きさ)上に、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドからの硬化性組成物の吐出と、紫外線照射による硬化とを繰り返して、厚みが100μmである硬化物を作製した。硬化物の厚み100μmでの可視光線透過率を、分光光度計(日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて、JIS R3211:1998に準拠して、波長380nm~700nmとして測定し、硬化物の可視光線透過率を測定した。硬化物部の配線隠蔽性を、以下の基準で判定した。
ガラス基板(5cm×5cmの大きさ)上に、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドからの硬化性組成物の吐出と、紫外線照射による硬化とを繰り返して、厚みが100μmである硬化物を作製した。硬化物の厚み100μmでの可視光線透過率を、分光光度計(日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて、JIS R3211:1998に準拠して、波長380nm~700nmとして測定し、硬化物の可視光線透過率を測定した。硬化物部の配線隠蔽性を、以下の基準で判定した。
[配線隠蔽性の判定基準]
〇〇:波長380nm~700nmの全領域において、可視光線透過率が1%以下
〇:〇〇に該当せず、かつ波長380nm~700nmの全領域において、可視光線透過率が10%以下
×:波長380nm~700nmの少なくとも一部の領域において、可視光線透過率が10%を超える
〇〇:波長380nm~700nmの全領域において、可視光線透過率が1%以下
〇:〇〇に該当せず、かつ波長380nm~700nmの全領域において、可視光線透過率が10%以下
×:波長380nm~700nmの少なくとも一部の領域において、可視光線透過率が10%を超える
(8)コントラスト
上記(6)硬化物部形成後のLEDチップの明るさ(輝度)及び上記(7)配線隠蔽性の結果より、LEDチップとLEDチップの間隙(硬化物部)とのコントラストを以下の基準で判定した。
上記(6)硬化物部形成後のLEDチップの明るさ(輝度)及び上記(7)配線隠蔽性の結果より、LEDチップとLEDチップの間隙(硬化物部)とのコントラストを以下の基準で判定した。
[コントラストの判定基準]
〇〇:上記比が80%以上、かつ、波長380nm~700nmの全領域において、可視光線透過率が1%以下
〇:〇〇に該当せず、上記比が40%以上、かつ、波長380nm~700nmの全領域において、可視光線透過率が10%以下
×:上記比が40%未満、又は、波長380nm~700nmの少なくとも一部の領域において、可視光線透過率が10%を超える
〇〇:上記比が80%以上、かつ、波長380nm~700nmの全領域において、可視光線透過率が1%以下
〇:〇〇に該当せず、上記比が40%以上、かつ、波長380nm~700nmの全領域において、可視光線透過率が10%以下
×:上記比が40%未満、又は、波長380nm~700nmの少なくとも一部の領域において、可視光線透過率が10%を超える
硬化性組成物の組成及び結果を以下の表1~6に示す。
1…LEDモジュール
11…硬化物部
12…基板
12A…基板本体
12B…LEDチップ
12C…電極
12D…配線
21…LED表示装置
11…硬化物部
12…基板
12A…基板本体
12B…LEDチップ
12C…電極
12D…配線
21…LED表示装置
Claims (11)
- 複数の(メタ)アクリロイル基を有し、かつポリオール骨格を有する第1の多官能(メタ)アクリレート化合物と、
光重合開始剤と、
着色剤と、
エポキシ化合物又はカップリング剤とを含み、
25℃での粘度が、150mPa・s以上2000mPa・s以下であり、
90℃で24時間加熱した後の粘度上昇率が、50%以下である、インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物。 - 前記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物が、エチレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物又はプロピレンオキサイド変性の多官能(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1に記載のインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物。
- 前記第1の多官能(メタ)アクリレート化合物以外の第2の多官能(メタ)アクリレート化合物を含み、前記第2の多官能(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカン骨格を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物。
- 前記カップリング剤が、アクリルシラン又はエポキシシランである、請求項1~4のいずれか1項に記載のインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物。
- 前記カップリング剤を含み、
前記インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物100重量%中、前記カップリング剤の含有量が、1重量%以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載のインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物。 - 前記光重合開始剤が、2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジル-1-ブタノン、又は、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノンを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物。
- 前記インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物100重量%中、前記光重合開始剤の含有量が、5重量%以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載のインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物。
- 複数のLEDチップを上面に有する基板と、
複数の前記LEDチップの間隙に配置された硬化物部とを備え、
前記硬化物部が、請求項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物の硬化物である、LEDモジュール。 - 複数のLEDチップを上面に有する基板において、複数の前記LEDチップの間隙に、請求項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物をインクジェット方式で塗布する塗布工程と、
塗布された前記インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物に光を照射して、前記インクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物を硬化させて、複数の前記LEDチップの間隙に配置された硬化物部を形成する硬化工程とを備える、LEDモジュールの製造方法。 - 複数のLEDモジュールを備え、
複数の前記LEDモジュールが連結されており、
前記LEDモジュールは、複数のLEDチップを上面に有する基板と、複数の前記LEDチップの間隙に配置された硬化物部とを備え、
前記LEDモジュールにおいて、前記硬化物部が、請求項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット塗布用及びLED用硬化性組成物の硬化物である、LED表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021035529A JP2022135603A (ja) | 2021-03-05 | 2021-03-05 | インクジェット塗布用及びled用硬化性組成物、ledモジュール、ledモジュールの製造方法及びled表示装置 |
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JP2021035529A Pending JP2022135603A (ja) | 2021-03-05 | 2021-03-05 | インクジェット塗布用及びled用硬化性組成物、ledモジュール、ledモジュールの製造方法及びled表示装置 |
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2021
- 2021-03-05 JP JP2021035529A patent/JP2022135603A/ja active Pending
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