JP2022131724A - 耐火材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】火災時などに加熱されると膨張しやすく、かつ水にさらされても機能が損なわれにくい耐火材料を提供する。【解決手段】耐火材料は、炭化剤(a)と、無機酸類(b)とを含有する。炭化剤(a)は、カルボキシル基を有する化合物(a1)を含有する。【選択図】なし

Description

本開示は、耐火材料に関し、詳しくは炭化剤と無機酸類とを含有する耐火材料に関する。
建築物に耐火性を付与するための耐火材料として、例えば特許文献1には、温度上昇により不燃性ガスを発生する発泡剤と、炭化して多孔質な炭化層を形成するペンタエリスリトールなどの炭化剤と、これらを結合する結合材とを含有する発泡耐火塗料が開示されている。このような耐火材料は、火災の炎などにさらされた場合に発泡して断熱層を形成し、この断熱層が火災の炎などから建築物などを保護できるとされている。ペンタエリスリトールなどの炭化剤は水溶性であるため、耐火材料が水にさらされると炭化剤が溶出してしまうことがあり、そうすると耐火材料の機能が損なわれる。
そこで、特許文献1の開示では、構造物の表面に構造物側から発泡耐火塗料より形成される発泡耐火塗料層と、結露防止塗料より形成される結露防止塗料層とが積層されている耐火被覆構造を構成することで、発泡耐火塗料層が水にさらされないようにしている。
特開2001-200597号公報
本開示の課題は、火災時などに加熱されると膨張しやすく、かつ水にさらされても機能が損なわれにくい耐火材料を提供することである。
本開示の一態様に係る耐火材料は、炭化剤(a)と、無機酸類(b)とを含有し、前記炭化剤(a)は、カルボキシル基を有する化合物(a1)を含有する。
本開示の一態様によれば、火災時などに加熱されると膨張しやすく、かつ水にさらされても機能が損なわれにくい耐火材料を提供できる。
発明者は、炭化剤と無機酸類とを含有する耐火材料の性能向上のために、火災などで加熱された場合の耐火材料の膨張性を高めるべく、研究開発を進めてきた。さらに、特許文献1に開示されているペンタエリスリトールなどの水溶性の炭化剤を使用する場合には、耐火材料の性能が水によって劣化しないように結露防止塗料層などを設けると施工の手間が増えてしまうため、水にさらされても機能が損なわれにくい耐火材料の研究開発も進めてきた。その結果、本開示の完成に至った。
以下、本開示の実施形態について説明する。なお本開示は下記の実施形態に限られない。下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎず、本開示の目的を達成できれば設計に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態に係る耐火材料は、炭化剤(a)と、無機酸類(b)とを含有し、炭化剤(a)は、カルボキシル基を有する化合物(a1)を含有する。
このため、本実施形態によれば、耐火材料を、火災時などに加熱されると膨張しやすくし、かつ水にさらされても機能が損なわれにくくできる。その理由は次のように推察される。耐火材料が加熱されると化合物(a1)のカルボキシル基と無機酸類(b)とが反応することで発泡し、これにより耐火材料が膨張しやすい。さらに、カルボキシル基を有する化合物(a1)は、一般的な炭化剤であるペンタエリスリトールなどのように水酸基を有する化合物と比べると水に溶解しにくく、そのため、耐火材料が水にさらされても炭化剤(a)が溶出しにくくなる。これにより、耐火材料が良好な耐水性を有すると、考えられる。
耐火材料の構成について更に具体的に説明する。
耐火材料は、例えばシート材(耐火シート)であってもよく、塗料(耐火塗料)であってもよい。耐火材料が耐火シートである場合、建築物などの対象に耐火シートを設けることで、この耐火シートにより建築物などの対象を保護できる。耐火材料が耐火塗料である場合には、耐火塗料を建築物などの対象の表面上に膜状に成形することで耐火塗膜を作製し、この耐火塗膜により建築物などの対象を保護できる。なお、耐火材料は前記のシート材及び塗料のみには制限されず、種々の形態を有しうる。
炭化剤(a)は、上述のとおり、カルボキシル基を有する化合物(a1)を含有する。化合物(a1)は一分子当たり複数のカルボキシル基を有することが好ましい。特に、化合物(a1)は、一分子当たり四個以上のカルボキシル基を有する化合物(a11)を含有することが好ましい。この場合、加熱時に耐火材料がより膨張しやすくなる。これは、四個以上のカルボキシル基が無機酸類(b)と反応すると、化合物(a11)の粘弾性が上昇しやすくなり、このため耐火材料内に発生した気泡が耐火材料内に留まりやすくなるためであると、推察される。さらに、化合物(a11)によって、耐火材料の耐水性がより向上しやすい。
また、化合物(a1)は、窒素原子を有する化合物(a12)を含有することが好ましい。化合物(a1)が化合物(a11)を含有し、かつ化合物(a11)が窒素原子を有することも好ましい。この場合、加熱時に耐火材料がより膨張しやすくなる。これは窒素原子を有することで、化合物(a12)及び化合物(a11)が熱分解してガスを発生させやすくなり、このため加熱時の耐火材料の発泡性が高まるためであると、推察される。また、本実施形態では、耐火材料は発泡剤を含有しても含有しなくてもよいが、特に化合物(a1)は、窒素原子を有する化合物(a12)を含有する場合、及び化合物(a1)が化合物(a11)を含有し、かつ化合物(a11)が窒素原子を有する場合は、耐火材料の発泡性が高まることで、耐火材料が発泡剤を含有しない場合であっても、耐火材料は優れた発泡性を有しやすい。
化合物(a1)は、窒素原子とカルボキシル基とを有するアミノ酢酸類、すなわち「>N-CHCOH」との構造を有する化合物を、含有することがより好ましい。カルボキシル基を4個以上有するアミノ酢酸類を含有することが更に好ましい。化合物(a1)は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)と、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)とのうち、少なくとも一方を含有することが特に好ましい。この場合、加熱時に耐火材料がより膨張しやすくなる。特に炭化剤(a)がDTPAを含有する場合、加熱時の耐火材料の発泡性が非常に高くなりやすい。
耐火材料全体に対する炭化剤(a)の割合は、耐火材料中の炭化剤(a)以外の成分の種類などに応じて変動しうるため、一概に規定されないが、例えば5質量%以上70質量%以下である。また、耐火材料全体に対する化合物(a1)の割合は、例えば5質量%以上70質量%以下である。
炭化剤(a)は、化合物(a1)のみを含有してもよく、化合物(a1)以外の成分を更に含有してもよい。例えば炭化剤(a)は、ペンタエリスリトールなどのような従来から使用されている成分を更に含有してもよい。ただし、耐火材料の耐水性及び膨張性を高めるためには、炭化剤(a)全体に対する化合物(a1)の百分比は50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であればより好ましく、90質量%以上であれば更に好ましい。炭化剤(a)が化合物(a1)のみを含有すれば特に好ましい。
無機酸類(b)は、炭化剤(a)と反応してガスを発生させうる成分である。無機酸類(b)は、例えばリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、及びポリリン酸メラミンなどのリン化合物、並びにホウ酸亜鉛、及びホウ酸ソーダなどのホウ素化合物、などからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。なお、無機酸類(b)が含有しうる成分は前記のみには制限されない。
無機酸類(b)がポリリン酸アンモニウムとポリリン酸メラミンとのうち少なくとも一方を含有することが、好ましい。ポリリン酸アンモニウム及びポリリン酸メラミンの各々は、炭化剤(a)と反応して水蒸気、アンモニアなどのガスを発生させうる。また、ポリリン酸アンモニウム及びポリリン酸メラミンは、重合体であるため水に溶出しにくく、そのため耐火材料の耐水性を損なわせにくい。ポリリン酸アンモニウム及びポリリン酸メラミンの各々の重合度は20以上であることが好ましい。この場合、ポリリン酸アンモニウム及びポリリン酸メラミンの各々は水に特に溶出しにくい。ポリリン酸アンモニウム及びポリリン酸メラミンの各々の重合度は100以上であれば更に好ましい。重合度の上限に制限はないが、例えば10000以下である。
無機酸類(b)は粒状であり、かつ有機材料で被覆されていることが好ましい。この場合、耐火材料の耐水性が、より向上しやすい。これは、無機酸類(b)が有機材料で被覆されることで、無機酸類(b)が水に溶出しにくくなるためであると推察される。
無機酸類(b)を被覆する有機材料の、25℃での水への溶解度は、0.4g/100mL以下であることが好ましく、0.2g/100mL以下であればより好ましい。この場合、耐火材料の耐水性が、より向上しやすい。
無機酸類(b)を被覆する有機材料は、メラミン、メラミン樹脂及びシラン化合物のうち、少なくとも一種を含有することが好ましい。シラン化合物は、例えばポリアルコキシシランなどの、オルガノポリシランである。この場合、耐火材料の耐水性が、更に向上しやすい。
耐火材料中の無機酸類(b)の量は、例えば炭化剤(a)1mmolに対して0.01g以上1.0g以下である。無機酸類(b)の量が0.01g以上であれば、耐火材料が充填材を更に含有する場合に、耐火材料が加熱されると灰化層が特に形成されやすくなる。また無機酸類(b)の量が1.0g以下であれば、耐火材料が加熱されると炭化層が特に形成されやすい。無機酸類(b)の量は0.04g以上であればより好ましく、0.1g以上であれば更に好ましい。また、無機酸類(b)の量は0.7g以下であればより好ましく、0.4g以下であれば更に好ましい。
耐火材料は、充填材(c)を更に含有してもよい。耐火材料が充填材(c)を含有すると、耐火材料中の炭化剤(a)が無機酸類(b)と反応してガスを発し、かつ炭化することで、多孔質な炭化層が作製された後、炭化層が更に加熱されることで炭化層中の炭素が酸化されて失われても、残留する灰分と充填材とが多孔質な層(灰化層)を構成しやすい。この灰化層が、引き続き、火災の炎などから建築物などを保護できる。このため、耐火材料によって、建築物などが火災の炎などから長時間保護されやすい。
充填材(c)は、例えば無機充填材を含有する。無機充填材は、例えば酸化チタン、珪藻土、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、石灰、アロフェン、カオリン、ハロイサイト、軽石、白土、シラス、セライト、タルク、石膏、バーミキュライト、ベントナイト、アスベスト、ポゾラン、セメント、セピオライト、アルミナシリケート、シリカアルミネート、カルシウムシリケート、マグネシアシリケート、及びシリカマグネシアネートなどからなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有する。無機充填材(c)が酸化チタンを含有すると、灰化層が特に作製されやすくなる。なお、無機充填材が含有しうる材料は前記のみには制限されない。
耐火材料中の充填材(c)の割合は耐火材料全体に対して3質量%以上30質量%以下であることが好ましい。この割合が3質量%以上であると灰化層が特に形成されやすい。またこの割合が30質量%以下であると耐火材料の成形性が向上する。充填材(c)の割合が3質量%以上25質量%以下であればより好ましく、5質量%以上20質量%以下であれば更に好ましい。
耐火材料は、バインダー(d)を更に含有してもよい。バインダー(d)は耐火材料の成形性を高めることができる。
耐火材料がシート材である場合、バインダー(d)は例えば熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂は、耐火材料をシート状に成形させやすくできる。さらに、熱可塑性樹脂は、シート材である耐火材料に可撓性を付与しやすく、そのため耐火材料の取扱性、並びに耐火材料を建築物などに設けるに当たっての施工性を、高めることができる。熱可塑性樹脂は、例えばポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)、アクリル樹脂、及びポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)などからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
耐火材料が塗料である場合、バインダー(d)は適宜の反応硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを含有してよい。例えばバインダーは、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びポリエステル樹脂などからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
なお、バインダー(d)が含みうる成分は上記のみには制限されない。
耐火材料中のバインダー(d)の割合は耐火材料全体に対して10質量%以上50質量%以下であることが好ましい。この割合が15質量%以上であると耐火材料の成形性が向上するという利点がある。またこの割合が30質量%以下であると、炭化層及び灰化層が特に形成されやすくなるという利点がある。バインダー(d)の割合が15質量%以上40質量%以下であればより好ましく、20質量%以上35質量%以下であれば更に好ましい。
耐火材料が塗料である場合、塗料は溶剤(e)を含有してもよい。溶剤(e)は例えば適宜の有機溶媒及び水などからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。溶剤(e)の量は、例えば塗料である耐火材料が塗布されやすい粘度を有するように、適宜調整される。
上述のとおり、耐火材料は、発泡剤(f)を含有してもよく、含有しなくてもよい。発泡剤(f)は、加熱されることで分解又は気化などすることでガスを発する材料である。耐火材料が発泡剤(f)を含有すると、発泡剤(f)は、耐火材料が加熱されることで炭化層が作製される際に耐火材料において発生するガスの量を、増大させることができる。このため、発泡剤(f)は炭化層の多孔質性を高め、かつ炭化層の体積を増大させることができ、これにより炭化層の断熱性を高めることができる。
発泡剤(f)は、例えばメラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾジカルボンアミド、尿素、並びにチオ尿素などからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
耐火材料中の発泡剤(f)の量は炭化剤(a)1モルに対して0.5モル以上20.0モル以下であることが好ましい。この割合が0.5モル以上であると炭化層及び灰化層が特に形成されやすくなるという利点がある。またこの量が20.0モル以下であると耐火材料の成形性が向上するという利点がある。発泡剤(f)の量が炭化剤(a)1モルに対して0.5モル以上10.0モル以下であればより好ましく、炭化剤(a)1モルに対して1モル以上4モル以下であれば更に好ましい。
耐火材料は、上記の耐火材料の原料を混合し、更に必要に応じて成形することで作製される。例えば耐火材料が耐火シートである場合は、耐火材料は、上記の耐火材料の材料を混練してから、熱プレスなどを用いて圧縮成形することで作製される。なお、耐火材料の製造方法は、前記のみには制限されない。
耐火材料の、示差熱分析により得られるDTA曲線における、0℃以上450℃以下の範囲内に存在する最大の吸熱ピークの位置は、200℃以上350℃以下の範囲内にあることが好ましい。この場合、耐火材料が加熱された場合の膨張性が、より高まりやすい。その理由は明らかではないが、200℃未満で生じる発熱は分解により生じる水蒸気によるものであって耐火材料の膨張には寄与しにくいのに対し、200℃以上の場合は炭酸ガスなどが生じることで膨張に寄与しやすくなり、かつ吸熱ピークの位置が350℃以下の比較的低温域に生じると耐火材料が軟化しかつ炭化が大きく進んでいない状態で、耐火材料が大きく発泡するため、膨張しやすくなると、推察される。吸熱ピークの位置は、220℃以上にあることが好ましい。また、吸熱ピークの位置は、300℃以下にあることが好ましく、250℃未満にあることが更に好ましい。
本実施形態においては、炭化剤(a)の選択により、吸熱ピークを上記の範囲に生じさせることができる。例えば耐火材料における、炭化剤(a)中の化合物(a1)、特にジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)とエチレンジアミン四酢酸(EDTA)とのうち少なくとも一方の、含有率が高いことが好ましい。また、発泡剤(f)の吸熱ピークは高温側に現れやすいので、耐火材料が発泡剤(f)を含有せず、又は耐火材料中の発泡剤(f)の含有率が低いことが好ましい。
以下、本開示の具体的な実施例について説明する。なお、本開示は下記の実施例のみには制限されない。
1.耐火材料の作製
表1及び表2の「原料」の欄に記載されている原料を混練・押出成形評価試験装置を用いて100℃、10rpm、5分間の条件で混練することで、混合物を得た。この混合物を、熱プレス機を用いて圧縮成形することで、厚み1.0mmの耐火シートを作製した。
原料の詳細は下記のとおりである。
-ポリエチレン:スミカセン社製、品番GH030。
-DTPA:ジエチレントリアミン五酢酸。東京化成工業株式会社製。
-EDTA:エチレンジアミン四酢酸。東京化成工業株式会社製。
-ヘスペリジン:東京化成工業株式会社製。
-ペンタエリスリトール:東京化成工業株式会社製。
-AP462:メラミン樹脂で被覆されたポリリン酸アンモニウム。クラリアントケミカルズ株式会社製、品番EXOLIT AP462。
-C-70:メラミン樹脂で被覆されたポリリン酸アンモニウム。ブーデンハイム社製、品番TERRAJU C-70。
-C-80:メラミン樹脂で被覆されたポリリン酸アンモニウム。ブーデンハイム社製、品番TERRAJU C-80。
-FR CROS 486:シラン化合物で被覆されたポリリン酸アンモニウム。ブーデンハイム社製、品番FR CROS 486。
-FR CROS 490:メラミンで被覆されたポリリン酸アンモニウム。ブーデンハイム社製、品番FR CROS 490。
-AP422:被覆を有さないポリリン酸アンモニウム。クラリアントケミカルズ株式会社製、品番EXOLIT AP422。
-メラミン:日産化学株式会社製。
-酸化チタン:ハンツマン社製、品番TR92。
2.評価試験
(1)熱分析
耐火シートから平面視10mm×10mmの寸法のサンプルを切り出し、このサンプルについて、熱重量示差熱分析装置(NETZCH社製、型番STA2500Regulus)を用いて、設定温度0~800℃、昇温速度10℃/minの条件で示差熱分析を行い、DTA曲線を得た。このDTA曲線の、0℃以上450℃以下の範囲内での最大吸熱ピークの温度、及びこの範囲内での他の吸熱ピークの温度を確認した。その結果を表1及び表2の「熱分析(0~450℃の範囲内の吸熱ピーク)」の欄に示す。
(2)発泡性
耐火シートを切断することで、平面視10mm×10mmの寸法の評価用サンプルを得た。評価用サンプルをセラミック板の上で、電気炉を用いて、空気雰囲気下、昇温速度20℃/minで800℃まで加熱し、続いて800℃の温度に10分間維持した。セラミック板の上面から評価用サンプルの平面視における中心部の上端までの高さを測定した。この高さの、加熱前の評価用サンプルの厚みに対する倍率を、発泡倍率とした。この結果を、表1及び表2の「発泡性」の欄に示す。
(3)耐水性(40℃24h)
耐火シートを切断することで、平面視10mm×10mmの寸法の評価用サンプルを得た。この評価用サンプルの重量を測定した。この測定結果を初期重量Wとする。続いて、評価用サンプルを40℃、34.5cmのイオン交換水に24時間浸漬した後、乾燥させてから、評価用サンプルの重量を再度測定した。この測定結果を、浸漬後重量Wとする。これらの測定結果から、{(W-W)/W}×100(重量%)の式により、重量減少率を算出した。
また、イオン交換水に浸漬した後の評価用サンプルについて、上記の「(2)発泡性」の試験を行った。これらの結果を表1及び表2の「耐水性(40℃24h)」の欄に示す。
Figure 2022131724000001
Figure 2022131724000002
以上の実施形態及び実施例から明らかなように、本開示の第一の態様に係る耐火材料は、炭化剤(a)と、無機酸類(b)とを含有し、炭化剤(a)は、カルボキシル基を有する化合物(a1)を含有する。
第一の態様によると、火災時などに加熱されると膨張しやすく、かつ水にさらされても機能が損なわれにくい耐火材料が得られる。
本開示の第二の態様に係る耐火材料では、第一の態様において、化合物(a1)は、一分子中にカルボキシル基を4個以上有する化合物(a11)を含有する。
第二の態様によると、この場合、加熱時に耐火材料がより膨張しやすくなる。
本開示の第三の態様に係る耐火材料では、第一又は第二の態様において、化合物(a1)は、窒素原子を有する化合物(a12)を含有する。
第三の態様によると、加熱時に耐火材料がより膨張しやすくなる。
本開示の第四の態様に係る耐火材料では、第二の態様において、化合物(a11)は、窒素原子を有する。
第四の態様によると、加熱時に耐火材料がより膨張しやすくなる。
本開示の第五の態様に係る耐火材料では、第一から第四のいずれか一の態様において、無機酸類は、ポリリン酸アンモニウムとポリリン酸メラミンとのうち、少なくとも一種を含む。
第五の態様によると、耐火材料は、加熱時により膨張しやすく、かつ水にさらされた場合に機能がより損なわれにくくなる。
本開示の第六の態様に係る耐火材料では、第一から第五のいずれか一の態様において、無機酸類は、有機材料で被覆されている。
第六の態様によると、耐火材料は、水にさらされた場合に機能がより損なわれにくくなる。
本開示の第七の態様に係る耐火材料では、第六の態様において、有機材料は、メラミン、メラミン樹脂、及びシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
第七の態様によると、耐火材料は、水にさらされた場合に機能がより損なわれにくくなる。
本開示の第八の態様に係る耐火材料では、第一から第七のいずれか一の態様において、耐火材料の、示差熱分析により得られるDTA曲線における、0℃以上450℃以下の範囲内に存在する最大の吸熱ピークの位置は、200℃以上350℃以下の範囲内にある。
第八の態様によると、耐火材料は、加熱時により膨張しやすくなる。
本開示の第九の態様に係る耐火材料は、第一から第八のいずれか一の態様において、シート材である。
第九の態様によると、建築物などの対象に耐火材料を容易に設けることができ、この耐火材料により建築物などの対象を保護できる。

Claims (9)

  1. 炭化剤(a)と、無機酸類(b)とを含有し、
    前記炭化剤(a)は、カルボキシル基を有する化合物(a1)を含有する、
    耐火材料。
  2. 前記化合物(a1)は、一分子中にカルボキシル基を4個以上有する化合物(a11)を含有する、
    請求項1に記載の耐火材料。
  3. 前記化合物(a1)は、窒素原子を有する化合物(a12)を含有する、
    請求項1又は2に記載の耐火材料。
  4. 前記化合物(a11)は、窒素原子を有する、
    請求項2に記載の耐火材料。
  5. 前記無機酸類は、ポリリン酸アンモニウムとポリリン酸メラミンとのうち、少なくとも一種を含む、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の耐火材料。
  6. 前記無機酸類は、有機材料で被覆されている、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の耐火材料。
  7. 前記有機材料は、メラミン、メラミン樹脂、及びシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する、
    請求項6に記載の耐火材料。
  8. 前記耐火材料の、示差熱分析により得られるDTA曲線における、0℃以上450℃以下の範囲内に存在する最大の吸熱ピークの位置は、200℃以上350℃以下の範囲内にある、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の耐火材料。
  9. シート材である、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の耐火材料。
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