JP2022130880A - 基板処理装置、および、基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板近傍における気体の供給を抑制する。【解決手段】基板処理装置は、基板保持部と、基板保持部を囲む処理カップと、気体を供給する気体供給部と、処理カップに供給された気体を排気する排気部とを備え、気体供給部から、処理カップに囲まれた内側の領域および基板を経て、排気部に至る気体の流路を第1の流路とし、気体供給部から、処理カップの外側の領域を経て、基板を経ずに排気部に至る気体の流路を第2の流路とし、気体の流路を、第1の流路と第2の流路との間で切り替え可能な切り替え部をさらに備える。【選択図】図4

Description

本願明細書に開示される技術は、基板処理に関するものである。
従来より、基板の製造工程では、基板処理装置を用いて基板に対して様々な処理が行われている。たとえば、大気圧プラズマを利用する照射、または、液中プラズマで活性種を含む処理液などを、基板の濡れ性の向上または有機物の除去などに用いる技術が開示されている(たとえば、特許文献1を参照)。
特開2007-273865号公報
基板処理が行われるチャンバ内には、チャンバ内の雰囲気を循環させるために気体が供給される。一方で、たとえば、上記のプラズマを用いる処理のような、基板近傍における雰囲気を安定化させて行う基板処理では、循環のためにチャンバ内に供給される気体が基板近傍の雰囲気の流出を促し、基板処理の効果を低下させる場合がある。
本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を鑑みてなされたものであり、基板近傍における気体の供給を抑制するための技術である。
本願明細書に開示される技術の第1の態様である基板処理装置は、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部を囲む処理カップと、前記処理カップに向けて気体を供給する気体供給部と、前記処理カップに供給された前記気体を排気する排気部とを備え、前記気体供給部から、前記処理カップに囲まれた内側の領域および前記基板を経て、前記排気部に至る前記気体の流路を第1の流路とし、前記気体供給部から、前記処理カップの外側の領域を経て、前記基板を経ずに前記排気部に至る前記気体の流路を第2の流路とし、前記気体の流路を、前記第1の流路と前記第2の流路との間で切り替え可能な切り替え部をさらに備える。
本願明細書に開示される技術の第2の態様である基板処理装置は、第1の態様である基板処理装置に関連し、前記基板にプラズマ処理を行うためのプラズマ処理部をさらに備え、前記切り替え部は、前記プラズマ処理部が前記基板保持部に接近する際に、前記気体の流路を前記第2の流路に切り替える。
本願明細書に開示される技術の第3の態様である基板処理装置は、第1または2の態様である基板処理装置に関連し、前記切り替え部は、前記処理カップの側壁に設けられる、開閉可能なシャッター部材である。
本願明細書に開示される技術の第4の態様である基板処理装置は、第1から3のうちのいずれか1つの態様である基板処理装置に関連し、前記排気部は、前記処理カップの内側の領域から前記気体を排気する。
本願明細書に開示される技術の第5の態様である基板処理装置は、第1から4のうちのいずれか1つの態様である基板処理装置に関連し、前記気体供給部が供給する前記気体の供給量および前記排気部が排気する前記気体の排気量は、前記切り替え部による前記第1の流路と前記第2の流路との間の切り替えの前後で一定である。
本願明細書に開示される技術の第6の態様である基板処理装置は、第1から5のうちのいずれか1つの態様である基板処理装置に関連し、前記気体供給部は、前記基板保持部の上方に配置される略平板構造であり、前記気体供給部の下面には、前記気体を供給するための複数の供給口が形成される。
本願明細書に開示される技術の第7の態様である基板処理方法は、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部を囲む処理カップとを備える基板処理装置を用いる基板処理方法であり、前記処理カップに向けて気体を供給する工程と、前記処理カップに供給された前記気体を排気する工程とを備え、供給された前記気体が前記処理カップに囲まれた内側の領域および前記基板を経て排気される流路を第1の流路とし、供給された前記気体が前記処理カップの外側の領域を経て、前記基板を経ずに排気される流路を第2の流路とし、前記気体の流路を、前記第1の流路と前記第2の流路との間で切り替える工程をさらに備える。
本願明細書に開示される技術の第8の態様である基板処理方法は、第7の態様である基板処理方法に関連し、前記基板にプラズマ処理を行う工程をさらに備え、前記気体の流路を、前記第1の流路と前記第2の流路との間で切り替える工程は、前記プラズマ処理の際に前記気体の流路を前記第2の流路に切り替える工程である。
本願明細書に開示される技術の少なくとも第1、7の態様によれば、気体の循環を継続しつつ、特定のタイミングで気体の流路を切り替えて基板近傍における気体の供給を抑制することができる。そのため、基板処理の内容に応じて、当該基板処理に有効な雰囲気を基板近傍に形成することができる。
また、本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
実施の形態に関する、基板処理システムの構成の例を概略的に示す平面図である。 図1に示された制御部の構成の例を概念的に示す図である。 実施の形態における処理ユニットの構成の例を概略的に示す側面図である。 図3に示された構成の一部を詳細に例示する図である。 基板処理装置の動作の例を示すフローチャートである。 実施の形態に関する、基板処理装置の動作を説明するための図である。 実施の形態に関する、基板処理装置の動作を説明するための図である。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、技術の説明のために詳細な特徴なども示されるが、それらは例示であり、実施の形態が実施可能となるためにそれらすべてが必ずしも必須の特徴ではない。
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化が図面においてなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
また、本願明細書に記載される説明において、ある構成要素を「備える」、「含む」または「有する」などと記載される場合、特に断らない限りは、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、本願明細書に記載される説明において、「第1の」または「第2の」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
また、本願明細書に記載される説明において、「…軸正方向」または「…軸負方向」などの表現は、図示される…軸の矢印に沿う方向を正方向とし、図示される…軸の矢印とは反対側の方向を負方向とするものである。
また、本願明細書に記載される説明において、等しい状態であることを示す表現、たとえば、「同一」、「等しい」、「均一」または「均質」などは、特に断らない限りは、厳密に等しい状態であることを示す場合、および、公差または同程度の機能が得られる範囲において差が生じている場合を含むものとする。
また、本願明細書に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置または方向を意味する用語が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、実際に実施される際の位置または方向とは関係しないものである。
また、本願明細書に記載される説明において、「…の上面」または「…の下面」などと記載される場合、対象となる構成要素の上面自体または下面自体に加えて、対象となる構成要素の上面または下面に他の構成要素が形成された状態も含むものとする。すなわち、たとえば、「甲の上面に設けられる乙」と記載される場合、甲と乙との間に別の構成要素「丙」が介在することを妨げるものではない。
<実施の形態>
以下、本実施の形態に関する基板処理装置、および、基板処理方法について説明する。
<基板処理システムの構成について>
図1は、本実施の形態に関する基板処理システム1の構成の例を概略的に示す平面図である。基板処理システム1は、ロードポート400と、インデクサロボット402と、センターロボット406と、制御部90と、少なくとも1つの処理ユニット100(図1においては4つの処理ユニット)とを備える。
それぞれの処理ユニット100は、基板W(ウエハ)を処理するためのものであり、そのうちの少なくとも1つが、基板処理装置に対応する。基板処理装置は、基板処理に用いることができる枚葉式の装置であり、具体的には、基板Wに付着している有機物を除去する処理などを行う装置である。基板Wに付着している有機物は、たとえば、使用済のレジスト膜である。当該レジスト膜は、たとえば、イオン注入工程用の注入マスクとして用いられたものである。
ここで、処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのflat panel display(FPD)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板、セラミック基板、電界放出ディスプレイ(field emission display、すなわち、FED)用基板、または、太陽電池用基板などが含まれる。
なお、処理ユニット100は、チャンバ80を有することができる。その場合、チャンバ80内の雰囲気を制御部90によって制御することで、処理ユニット100は、所望の雰囲気中における処理を行うことができる。
制御部90は、基板処理システム1におけるそれぞれの構成(後述のスピンチャック10のスピンモータ10D、処理液供給源29、バルブ25、交流電源40、ノズル移動機構220、プラズマ移動機構230またはシャッター移動機構240など)の動作を制御することができる。キャリアCは、基板Wを収容する収容器である。また、ロードポート400は、複数のキャリアCを保持する収容器保持機構である。インデクサロボット402は、ロードポート400と基板載置部404との間で基板Wを搬送することができる。センターロボット406は、基板載置部404および処理ユニット100間で基板Wを搬送することができる。
インデクサロボット402、基板載置部404およびセンターロボット406は、それぞれの処理ユニット100とロードポート400との間で基板Wを搬送する。
未処理の基板WはキャリアCからインデクサロボット402によって取り出される。そして、未処理の基板Wは、基板載置部404を介してセンターロボット406に受け渡される。
センターロボット406は、当該未処理の基板Wを処理ユニット100に搬入する。そして、処理ユニット100は基板Wに対して処理を行う。
処理ユニット100において処理済みの基板Wは、センターロボット406によって処理ユニット100から取り出される。そして、処理済みの基板Wは、必要に応じて他の処理ユニット100を経由した後、基板載置部404を介してインデクサロボット402に受け渡される。インデクサロボット402は、処理済みの基板WをキャリアCに搬入する。以上によって、基板Wに対する処理が行われる。
図2は、図1に示された制御部90の構成の例を概念的に示す図である。制御部90は、電気回路を有する一般的なコンピュータによって構成されていてよい。具体的には、制御部90は、中央演算処理装置(central processing unit、すなわち、CPU)91、リードオンリーメモリー(read only memory、すなわち、ROM)92、ランダムアクセスメモリー(random access memory、すなわち、RAM)93、記憶装置94、入力部96、表示部97および通信部98と、これらを相互に接続するバスライン95とを備える。
ROM92は基本プログラムを格納している。RAM93は、CPU91が所定の処理を行う際の作業領域として用いられる。記憶装置94は、フラッシュメモリまたはハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって構成されている。入力部96は、各種スイッチまたはタッチパネルなどによって構成されており、オペレータから処理レシピなどの入力設定指示を受ける。表示部97は、たとえば、液晶表示装置およびランプなどによって構成されており、CPU91の制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、local area network(LAN)などを介してのデータ通信機能を有する。
記憶装置94には、図1の基板処理システム1におけるそれぞれの構成の制御についての複数のモードがあらかじめ設定されている。CPU91が処理プログラム94Pを実行することによって、上記の複数のモードのうちの1つのモードが選択され、当該モードでそれぞれの構成が制御される。なお、処理プログラム94Pは、記録媒体に記憶されていてもよい。この記録媒体を用いれば、制御部90に処理プログラム94Pをインストールすることができる。また、制御部90が実行する機能の一部または全部は、必ずしもソフトウェアによって実現される必要はなく、専用の論理回路などのハードウェアによって実現されてもよい。
図3は、本実施の形態における処理ユニット100の構成の例を概略的に示す側面図である。
なお、図3に示される構成は、図1におけるチャンバ80に囲まれていてよい。また、チャンバ80内の圧力は、およそ大気圧(たとえば、0.5気圧以上、かつ、2気圧以下)であってよい。言い換えれば、後述するプラズマ処理は、大気圧で行われる大気圧プラズマ処理であってよい。
処理ユニット100は、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持しつつ、基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線Z1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック10と、基板Wに処理液を吐出する処理液ノズル20と、処理液ノズル20を移動させるノズル移動機構220と、処理液ノズル20に処理液を供給する処理液供給源29と、処理液供給源29から処理液ノズル20への処理液の供給および供給停止を切り替えるバルブ25と、基板Wの上方に基板W全体を覆うように配置され、かつ、大気圧下でプラズマを生じさせる大気圧プラズマ源としてのプラズマ処理部30と、プラズマ処理部30に交流電圧を印加する交流電源40と、樹脂(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))などからなり、かつ、プラズマ処理部30を支持する支持部60と、プラズマ処理部30および支持部60を移動させるプラズマ移動機構230と、基板Wの回転軸線Z1まわりにスピンチャック10を取り囲む筒状の処理カップ12と、処理カップ12の側壁に取り付けられたシャッター部材14と、シャッター部材14を移動させるシャッター移動機構240と、処理カップ12に囲まれた内側の領域の気体を排気する排気ダクト50とを備える。
ここで、処理液には、処理ユニット100における基板処理の用途に応じてさまざまな液を用いることができる。たとえば、エッチング液として、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸、硝酸、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸、ペルオキソ硫酸塩、過酸化水素水または水酸化テトラメチルアンモニウムなどを含む液を用いることができる。また、洗浄液として、アンモニアと過酸化水素水との混合液(SC1)、または、塩酸と過酸化水素水との混合水溶液(SC2)などを含む液を用いることができる。また、洗浄液およびリンス液として脱イオン水(DIW)を用いることができる。
本実施の形態においては、主に、基板Wの上面に形成されたレジスト膜を除去するための処理が説明される。この場合には、処理液としては、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸およびペルオキソ硫酸円のうちの少なくとも1つを含む液、または、過酸化水素を含む液などが想定される。
処理液ノズル20は、複数種の処理液が想定される場合には、それぞれの処理液に対応して複数設けられていてもよい。処理液ノズル20は、基板Wの上面に処理液の液膜が形成されるように、基板Wに処理液を供給する。
ノズル移動機構220は、たとえば、アーム機構によって処理液ノズル20を移動させる。具体的には、アクチュエータなどによって角度調整可能なアーム部材に処理液ノズル20が取り付けられることによって、処理液ノズル20がたとえば基板Wの半径方向に揺動可能となる。
スピンチャック10は、略水平姿勢の基板Wの下面に対向する円板状のスピンベース10Aと、スピンベース10Aの外周部から基板Wを挟持する複数のチャックピン10Eと、スピンベース10Aの中央部から下方に延びる回転軸10Cと、回転軸10Cを回転させることによって、スピンベース10Aに保持されている基板Wを回転させるスピンモータ10Dとを備える。複数のチャックピン10Eは、円形の基板Wの円周上に沿って、均等な間隔をあけて配置される。なお、スピンチャック10の代わりに、基板Wの下面を真空吸着する吸着式のチャックが用いられてもよい。
支持部60は、スピンチャック10に保持される基板W全体を覆うように設けられ、基板Wの上面における雰囲気を外部と遮断させる遮断板としての機能も有する。また、支持部60の内部には経路60Aが形成され、図示しない気体供給源から供給された気体を経路60Aを介して流し、プラズマ処理部30に気体を供給することができる。なお、図3に例が示される支持部60の形状および経路60Aは、図3に示される場合に限られるものではなく、たとえば、支持部60は平面視で基板Wの一部に重なる範囲のみに設けられていてもよいし、経路60Aは形成されていなくてもよい。
シャッター部材14は、処理カップ12の側壁に沿って移動することによって(たとえば、図3におけるZ軸方向に移動することによって)、処理カップ12の側壁に形成された開口(ここでは図示せず)を開閉することができる。
シャッター部材14を移動させるためのシャッター移動機構240は、たとえば、モータ機構またはシリンダー機構などによって実現される。
排気ダクト50は、処理カップ12の側壁およびチャンバ80の側壁を貫通して設けられる。排気ダクト50は、図示しない真空ポンプなどを用いて、平面視で処理カップ12に囲まれた内側の領域における気体を、チャンバ80の外部へ排気する。
プラズマ移動機構230は、アクチュエータを有する直動機構などであり、支持部60およびプラズマ処理部30を、たとえば図3のZ軸方向に移動させる。
なお、図3においては、処理液ノズル20とプラズマ処理部30とが別々に設けられているが、処理液ノズル20がプラズマ処理部30と一体的に設けられ、ともに、支持部60によって支持されていてもよい。
図4は、図3に示された構成の一部を詳細に例示する図である。図4に例が示されるように、プラズマ処理部30は、石英などからなる板状の誘電部材30Aと、誘電部材30Aの上面において櫛形状に配置される複数の電極棒30Bと、誘電部材30Aの下面において櫛形状に配置される複数の電極棒30Cと、樹脂(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))などからなり、かつ、複数の電極棒30Bおよび複数の電極棒30Cを一端において保持する保持部30Dと、石英などからなり、かつ、それぞれの電極棒30Bを覆う誘電管30Eと、石英などからなり、かつ、それぞれの電極棒30Cを覆う誘電管30Fと、複数の電極棒30Bに共通して接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Gと、複数の電極棒30Cに共通して接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Hとを備える。集合電極30Gと集合電極30Hとは、たとえば、合わせて平面視で円形状となるように配置され、当該円内に、複数の電極棒30Bおよび複数の電極棒30Cが収容される。
電極棒30Bおよび電極棒30Cは、たとえば、タングステンなどから形成される。なお、本実施の形態では棒形状の電極部材が用いられているが、電極部材の形状は棒形状に限られるものではない。また、複数の電極棒30Bと複数の電極棒30Cとは、平面視で重ならないように互い違いに配置される。すなわち、平面視で見れば、電極棒30Bと電極棒30Cとは、交互に配列される。
それぞれの電極棒30Bを覆う誘電管30Eは、電極棒30Bの保持部30Dに保持されない側の端部において保持部30Dに保持される。また、それぞれの電極棒30Cを覆う誘電管30Fは、電極棒30Cの保持部30Dに保持されない側の端部において保持部30Dに保持される。
これによって、電極棒30Bは、一端が保持部30Dによって直接保持され、他端が誘電管30Eを介して保持部30Dによって保持される。同様に、電極棒30Cは、一端が保持部30Dによって直接保持され、他端が誘電管30Fを介して保持部30Dによって保持される。
交流電源40(図3を参照)によって、集合電極30Gおよび集合電極30Hとの間に交流電圧が印加されると、集合電極30Gに接続される電極棒30Bと集合電極30Hに接続される電極棒30Cとの間で沿面放電が生じる。そして、当該放電の放電経路の周囲で気体のプラズマ化が生じて、電極棒30Bと電極棒30Cとを隔てる誘電部材30Aの表面に沿って2次元的に広がるプラズマ空間が形成される。
上記のプラズマ空間が形成される際には、プラズマ処理部30に、たとえば、O(オゾンガス)、Ne、CO、空気、不活性ガスまたはそれらの組み合わせである気体がキャリアガスとして供給される。当該気体は、たとえば、100L/minで供給される。また、当該気体は、たとえば、支持部60に形成された経路60Aを介して供給される。不活性ガスは、たとえば、Nまたは希ガスである。希ガスは、たとえば、HeまたはArなどである。
ここで、上記のプラズマ空間が形成される際に、プラズマ処理部30の下方の空間(すなわち、基板Wの上方の空間)にも、上記のような気体が供給されてもよい。
また、処理カップ12は、スピンチャック10を平面視において囲んで配置され、かつ、基板Wの径方向外側へ排除される処理液を受ける外周カップ12Aと、平面視において、スピンチャック10と外周カップ12Aとの間に配置されるカップ12Bおよびカップ12Cと、基板Wの径方向外側へ排除される処理液を受けるガード12Dおよびガード12Eとを備える。処理カップ12を平面視で見ると、基板Wが保持される位置に対応する開口112Bが形成されている。
ガード12Dおよびガード12Eは、図示しない昇降機構によって昇降可能である。
カップ12Bおよびカップ12Cは、円筒状であり、外周カップ12Aよりも径方向内側でスピンチャック10を囲んで配置される。カップ12Cは、カップ12Bよりも径方向外側に配置される。カップ12Cは、たとえば、ガード12Eと一体であり、ガード12Eとともに昇降する。カップ12Bまたはカップ12Cの底部に導かれた処理液は、回収配管または廃液配管(ここでは、図示しない)を通じて、回収または廃棄される。
ガード12Dおよびガード12Eは、平面視において、基板W、スピンチャック10および支持部60を囲んで配置される。
ガード12Dは、外周カップ12Aよりも径方向内側でスピンチャック10を取り囲む筒状部44Aと、筒状部44Aから径方向内側に延びる延設部44Bとを備える。延設部44Bは、径方向内側へ向かうにしたがって上方へ向かうように水平方向に対して傾斜している。延設部44Bは、外周カップ12Aの径方向内側に延びる延設部に下方から対向している。
ガード12Eは、ガード12Dの筒状部44Aよりも径方向内側でスピンチャック10を取り囲む筒状部45Aと、筒状部45Aから径方向内側に延びる延設部45Bとを備える。延設部45Bは、延設部44Bに下方から対向している。
外周カップ12Aの側壁には、開口112Aが形成されている。開口112Aは、シャッター移動機構240(図3を参照)の駆動でシャッター部材14がZ軸方向に沿って移動することによって開閉する。なお、図4に示される例では、シャッター部材14がZ軸方向の正方向に移動した状態であるため、開口112Aは開いている。
また、チャンバ80の天井壁には、処理ユニット100が設置されているクリーンルーム内の空気をさらに清浄化してチャンバ80内の処理空間に供給するためのファンフィルタユニット(FFU)16が取り付けられている。FFU16は、スピンチャック10の上方に配置される、上面および下面が略平面状態の略平板構造である。また、FFU16の下面には、複数の供給口16Aが形成されている。FFU16は、その下面が略水平となるように、図示しない固定器具によってチャンバ80の図示しない隔壁に固定される。このようにFFU16を配置することで、複数の供給口16Aから供給される気体が、FFU16の略下方に向けて流れ、いわゆるダウンフロー状態を実現する。FFU16は、クリーンルーム内の空気を取り込んで当該空気をチャンバ80内の処理カップ12に送り出すためのファンおよびフィルタ(たとえば、high efficiency particulate air filter(HEPA)フィルタ)を備えている。
FFU16は、チャンバ80内の処理空間に清浄空気のダウンフロー(図4における矢印160を参照)を形成する。清浄空気は、たとえば、3000L/minで供給される。FFU16から供給された清浄空気を均一に分散させるために、多数の吹出し孔が形成されたパンチングプレートをチャンバ80の天井壁の直下に設けてもよい。
<基板処理装置の動作について>
次に、基板処理装置の動作について説明する。本実施の形態に関する基板処理装置による処理方法は、処理ユニット100へ搬送された基板Wに対し薬液処理を行う工程と、薬液処理が行われた基板Wに対し洗浄処理を行う工程と、洗浄処理が行われた基板Wに対し乾燥処理を行う工程と、乾燥処理が行われた基板Wを処理ユニット100から搬出する工程とを備える。
以下では、基板処理装置の動作に含まれる、薬液処理中または薬液処理後に基板Wに付着している有機物(たとえば、使用済みのレジスト膜)を除去する工程(すなわち、上記の工程のうちの、薬液処理を行う工程、または、洗浄処理を行う工程に属する工程)について、図5、図6および図7を参照しつつ説明する。ここで、図5は、基板処理装置の動作の例を示すフローチャートである。また、図6および図7は、本実施の形態に関する基板処理装置の動作を説明するための図である。
まず、スピンチャック10が基板Wを保持する(図5におけるステップST01)。そして、スピンチャック10の駆動によって、基板Wが回転する。
この際、シャッター部材14は、制御部90がシャッター移動機構240(図3を参照)の駆動を制御することによって、外周カップ12Aの側壁に設けられた開口112Aを閉じる位置(Z軸方向の負方向に移動した状態)に配置されている。この場合、FFU16から供給される清浄空気は、処理カップ12の上部に形成される開口112Bから処理カップ12に囲まれた内側の領域に入って基板Wの上面に吹き付けられた後、さらに、カップ12Bまたはカップ12Cなどを経て、処理カップ12に囲まれた内側の領域に通じる排気ダクト50から排気される(矢印160Aを参照)。このような流路を基板経由流路とする。なお、基板経由流路は、基板Wの近傍を通る流路であればよく、必ずしも基板Wの上面に気体が吹き付けられる流路である必要はないものとする。
次に、図6に例が示されるように、処理液供給源29から処理液ノズル20へ処理液101が供給され、基板Wが回転している状態で、処理液ノズル20から基板Wの上面へ処理液101が吐出される(図5におけるステップST02)。この際、図示しないノズルアームなどによって処理液ノズル20の基板Wの上面における位置が調整される。なお、本実施の形態においては、基板Wが回転している状態で処理液101が吐出される場合が示されるが、基板Wは回転していなくともよいし、基板Wが低速回転するパドリング状態であってもよい。
処理液ノズル20から処理液101が吐出されることによって、図6に例が示されるように、基板Wの上面に処理液101の液膜101Aが形成される(図5におけるステップST03)。ここで、液膜101Aの膜厚は、たとえば、0.1mm以上、かつ、2.0mm以下であり、好ましくは0.2mm程度である。
この際、シャッター部材14は、上記と同様に、制御部90がシャッター移動機構240(図3を参照)の駆動を制御することによって、外周カップ12Aの側壁に設けられた開口112Aを閉じる位置(Z軸方向の負方向に移動した状態)に配置されている。そのため、FFU16から供給される清浄空気は、開口112Bから処理カップ12に囲まれた内側の領域に入る基板経由流路を経て排気ダクト50から排気される(矢印160Aを参照)。
一方で、集合電極30Gおよび集合電極30Hとの間に交流電源40からの所定の交流電圧が印加されることによって、プラズマ処理部30における誘電部材30Aの表面にプラズマが生じる(図5におけるステップST04)。具体的には、誘電部材30Aの表面に沿って2次元的に広がるプラズマ空間が形成される。当該プラズマ空間におけるプラズマの作用によって、当該空間近傍の気体に活性種が生じる。活性種には、電荷を有するイオン、または、電気的に中性であるラジカルなどが含まれる。たとえば、気体がOを含むものである場合は、プラズマ処理部30におけるプラズマの作用によって、活性種の一種である酸素ラジカルが生じる。
ここで、プラズマ処理部30は、上記のようにプラズマを生じさせる段階においては所定の待機位置(たとえば、図6に例が示されるような、基板WからZ軸正方向に十分に離間する位置)に待機しておき、誘電部材30Aの表面に適度に均一なプラズマが生じた後で、キャリアガスを供給しつつ、基板W近傍の処理位置(たとえば、図7に例が示されるような、基板WのZ軸正方向側で基板Wに十分に近接する位置)に移動することが望ましい。このような態様であれば、均一なプラズマが生じた状態で基板Wの表面における液膜101Aにプラズマを作用させることで、均一な処理を行うことができる。なお、基板Wに十分に近接する位置とは、たとえば、基板Wから数mm離れる位置であり、当該位置であれば、基板Wの上面に形成される薄い液膜101Aに十分にプラズマを作用させることができる。
そして、図7に例が示されるように、プラズマ処理部30におけるプラズマ102の作用で生じた活性種が、液膜101Aへと供給される(図5におけるステップST05)。すなわち、プラズマ処理部30によって、基板Wに対してプラズマ処理が行われる。
活性種が液膜101Aへと供給されることによって、液膜101A中で活性種が処理液101を活性化する。たとえば、活性種が酸素ラジカルを含む場合、酸素ラジカルの酸化力によって基板W上のレジスト膜の除去が促進される。
上記のようにプラズマ処理部30が基板Wに接近して近接する際、シャッター部材14は、制御部90がシャッター移動機構240(図3を参照)の駆動を制御することによって、外周カップ12Aの側壁に設けられた開口112Aを開く位置(Z軸方向の正方向に移動した状態)に配置されている。この場合、FFU16から供給される清浄空気は、処理カップ12の平面視における外側の領域を通って、処理カップ12の側壁に形成される開口112Aから外周カップ12Aの内側の領域に入った後、さらに、カップ12B、カップ12Cおよび基板Wを経ずに排気ダクト50から排気される(矢印160Bを参照)。このような流路を基板迂回流路とする。
ここで、処理カップ12の上部には開口112Bも形成されているため、FFU16から供給される清浄空気は、開口112Bから処理カップ12に囲まれた領域に入る基板経由流路も取り得る。しかしながら、基板経由流路は、カップ12Bと筒状部45Aとの間の隙間、または、カップ12Cと筒状部44Aとの間の隙間などを通る流路であり、障害物となる構成が少ない外部流路よりも圧力損失が高い流路である。そのため、シャッター部材14が開口112Aを開いている状態では、FFU16から供給される清浄空気の大部分は、基板迂回流路を経て排気ダクト50から排気されることとなる。すなわち、シャッター部材14の動作によって、基板経由流路と基板迂回流路とが切り替えられる。
FFU16から供給される清浄空気が基板迂回流路を流れる場合、基板Wの上面にキャリアガス以外の気体が供給されることを抑制することができる。すなわち、基板Wの上面とプラズマ処理部30との間の空間における雰囲気を安定させることができる。そうすると、プラズマ処理部30がプラズマ処理(プラズマ空間を形成する処理、プラズマ処理部30が基板Wに接近する動作、および、液膜101Aに活性種を供給する処理を含む)を行う場合に、十分な濃度のキャリアガスを当該空間に留めて効果的に処理を実施することができる。
また、基板経由経路と基板迂回流路との間で切り替えが行われる際、FFU16から供給される気体の流量と、排気ダクト50から排気される気体の流量とは、ともに大きくは変化せず一定に維持されるものとする。ただし、多少の流量のゆらぎは生じ得るものとする。そのため、チャンバ80内外の圧力差、または、他のチャンバ80との間の排気量差などを考慮せずに(すなわち、これらの調整のために、気体供給量または排気量の制御時間を要せずに)、任意のタイミングで気体の流路を変更することができる。
なお、上記の説明では、処理液ノズル20の動作の後にプラズマ処理部30の動作が行われているが、動作順序はこれに限られるものではなく、たとえば、処理液ノズル20の動作とプラズマ処理部30の動作とがほぼ同時に行われてもよい。
また、本実施の形態ではプラズマ処理部30は基板Wの上面全体を覆うように配置されているが、プラズマ処理部30が基板Wの一部のみを覆うように配置される場合には、プラズマ処理部30の基板Wの上面における位置を、基板Wの回転に伴って基板Wの上面に沿って基板Wの回転方向および径方向に図示しない駆動機構によって移動させてもよい。
また、液膜101Aの形成は、基板Wの上面への処理液101の供給を開始することによって開始され、基板Wの上面への処理液101の供給を停止することによって停止されるが、処理液ノズル20からの処理液101の供給を停止した後も、基板Wが高速回転していなければ(たとえば、基板Wが低速回転するパドリング、または、基板Wが回転していない状態など)、液膜101Aは維持され得る。活性種の液膜101Aへの供給は、処理液101の供給を開始した後、かつ、処理液101の供給を停止する前に行われるが、液膜101Aが維持されている場合には、処理液101の供給が停止された後に活性種の液膜101Aへの供給が行われてもよい。
なお、上記の除去処理の後、通常は、基板Wのリンス工程(洗浄工程)および乾燥工程が行われる。たとえば、リンス工程は、基板Wへ純水(DIW)を吐出することによって行われ、乾燥工程は、イソプロピルアルコール(IPA)乾燥によって行われる。
<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。すなわち、以下では便宜上、対応づけられる具体的な構成のうちのいずれか1つのみが代表して記載される場合があるが、代表して記載された具体的な構成が対応づけられる他の具体的な構成に置き換えられてもよい。
以上に記載された実施の形態によれば、基板処理装置は、基板保持部と、処理カップ12と、気体供給部と、排気部とを備える。ここで、基板保持部は、たとえば、スピンチャック10などに対応するものである。また、気体供給部は、たとえば、FFU16などに対応するものである。また、排気部は、たとえば、排気ダクト50などに対応するものである。スピンチャック10は、基板Wを保持する。処理カップ12は、スピンチャック10を囲む。FFU16は、処理カップ12に向けて気体を供給する。排気ダクト50は、処理カップ12に供給された気体を排気する。ここで、FFU16から、処理カップ12に囲まれた内側の領域および基板Wを経て、排気ダクト50に至る気体の流路を第1の流路とする。ここで、第1の流路は、たとえば、基板経由流路に対応するものである。また、FFU16から、処理カップ12の外側の領域を経て、基板Wを経ずに排気ダクト50に至る気体の流路を第2の流路とする。ここで、第2の流路は、たとえば、基板迂回流路に対応するものである。そして、基板処理装置は、切り替え部を備える。ここで、切り替え部は、たとえば、シャッター部材14に対応するものである。シャッター部材14は、気体の流路を、基板経由流路と基板迂回流路との間で切り替え可能である。
このような構成によれば、処理カップ12内の気体の循環を継続しつつ、特定のタイミングで気体の流路を切り替えて基板W近傍における気体の供給を抑制することができる。そのため、基板処理の内容に応じて、当該基板処理に有効な雰囲気を基板W近傍に形成することができる。
なお、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、基板処理装置は、基板Wにプラズマ処理を行うためのプラズマ処理部30を備える。そして、シャッター部材14は、プラズマ処理部30がスピンチャック10に接近する際に、気体の流路を基板迂回流路に切り替える。このような構成によれば、プラズマ処理部30が基板Wに接近してプラズマ処理を行う際に基板迂回流路に切り替えることができるため、プラズマ処理の際に基板近傍の雰囲気を安定させることができる。よって、プラズマ処理に用いられるキャリアガスを基板W近傍に十分に留めて、プラズマ処理の安定性および均一性を高めることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、切り替え部は、処理カップ12の側壁に設けられる、開閉可能なシャッター部材14である。このような構成によれば、処理カップ12の側壁に設けられた簡易な構成によって、気体の流路を切り替えることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、排気ダクト50は、処理カップ12の内側の領域から気体を排気する。このような構成によれば、処理カップ12の内側の領域に配置される基板Wに供給される気体を、処理カップ12から有効に排気することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、FFU16が供給する気体の供給量および排気ダクト50が排気する気体の排気量は、シャッター部材14による基板経由流路と基板迂回流路との間の切り替えの前後で一定である。このような構成によれば、気体供給源からの気体の供給量、および、排気ダクト50からの排気量を変更せずに、気体の流路を変更することができる。そのため、チャンバ80内外の圧力差、または、他のチャンバ80との間の排気量差などを考慮せずに(すなわち、これらの調整のために、気体供給量または排気量を制御せずに)、任意のタイミングで気体の流路を変更することができる。
以上に記載された実施の形態によれば、基板処理方法において、処理カップ12に向けて気体を供給する。そして、処理カップ12に供給された気体を排気する。ここで、供給された気体が処理カップ12に囲まれた内側の領域および基板Wを経て排気される流路を基板経由流路とする。また、供給された気体が処理カップ12の外側の領域を経て、基板Wを経ずに排気される流路を基板迂回流路とする。そして、基板処理方法において、気体の流路を、基板経由流路と基板迂回流路との間で切り替える。
このような構成によれば、処理カップ12内の気体の循環を継続しつつ、特定のタイミングで気体の流路を切り替えて基板W近傍における気体の供給を抑制することができる。そのため、基板処理の内容に応じて、当該基板処理に有効な雰囲気を基板W近傍に形成することができる。
なお、特段の制限がない場合には、それぞれの処理が行われる順序は変更することができる。
また、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、基板処理方法において、基板Wにプラズマ処理を行う。ここで、気体の流路を、基板経由流路と基板迂回流路との間で切り替える工程は、プラズマ処理の際に気体の流路を基板迂回流路に切り替える工程である。このような構成によれば、プラズマ処理部30がプラズマ処理を行う際に基板迂回流路に切り替えることができるため、プラズマ処理の際に基板近傍の雰囲気を安定させることができる。よって、プラズマ処理に用いられるキャリアガスを基板W近傍に十分に留めて、プラズマ処理の安定性および均一性を高めることができる。
<以上に記載された実施の形態の変形例について>
以上に記載された実施の形態では、プラズマ処理部30は、誘電部材30Aを電極棒30Bおよび電極棒30CがZ軸方向で挟む構造であったが、このような構造に限られるものではない。
また、以上に記載された実施の形態では、気体の流路を切り替えるための構成としてシャッター部材14が用いられたが、気体の流路を切り替える手段はこのような構成に限られるものではなく、たとえば、処理カップ12のZ軸方向における移動に伴って処理カップ12内部を通る流路の圧力損失が変化し、結果として処理カップ12内外の流路の圧力損失の大小関係が変化するような機構であってもよい。
また、以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、限定的なものではないものとする。
したがって、例が示されていない無数の変形例、および、均等物が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
また、以上に記載された実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。
1 基板処理システム
10 スピンチャック
10A スピンベース
10C 回転軸
10D スピンモータ
10E チャックピン
12 処理カップ
12A 外周カップ
12B,12C カップ
12D,12E ガード
14 シャッター部材
16 FFU
16A 供給口
20 処理液ノズル
25 バルブ
29 処理液供給源
30 プラズマ処理部
30A 誘電部材
30B,30C 電極棒
30D 保持部
30E,30F 誘電管
30G,30H 集合電極
40 交流電源
44A,45A 筒状部
44B,45B 延設部
50 排気ダクト
60 支持部
60A 経路
80 チャンバ
90 制御部
91 CPU
92 ROM
93 RAM
94 記憶装置
94P 処理プログラム
95 バスライン
96 入力部
97 表示部
98 通信部
100 処理ユニット
101 処理液
101A 液膜
102 プラズマ
112A,112B 開口
160,160A,160B 矢印
220 ノズル移動機構
230 プラズマ移動機構
240 シャッター移動機構
400 ロードポート
402 インデクサロボット
404 基板載置部
406 センターロボット

Claims (8)

  1. 基板を保持する基板保持部と、
    前記基板保持部を囲む処理カップと、
    前記処理カップに向けて気体を供給する気体供給部と、
    前記処理カップに供給された前記気体を排気する排気部とを備え、
    前記気体供給部から、前記処理カップに囲まれた内側の領域および前記基板を経て、前記排気部に至る前記気体の流路を第1の流路とし、
    前記気体供給部から、前記処理カップの外側の領域を経て、前記基板を経ずに前記排気部に至る前記気体の流路を第2の流路とし、
    前記気体の流路を、前記第1の流路と前記第2の流路との間で切り替え可能な切り替え部をさらに備える、
    基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であり、
    前記基板にプラズマ処理を行うためのプラズマ処理部をさらに備え、
    前記切り替え部は、前記プラズマ処理部が前記基板保持部に接近する際に、前記気体の流路を前記第2の流路に切り替える、
    基板処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理装置であり、
    前記切り替え部は、前記処理カップの側壁に設けられる、開閉可能なシャッター部材である、
    基板処理装置。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか1つに記載の基板処理装置であり、
    前記排気部は、前記処理カップの内側の領域から前記気体を排気する、
    基板処理装置。
  5. 請求項1から4のうちのいずれか1つに記載の基板処理装置であり、
    前記気体供給部が供給する前記気体の供給量および前記排気部が排気する前記気体の排気量は、前記切り替え部による前記第1の流路と前記第2の流路との間の切り替えの前後で一定である、
    基板処理装置。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか1つに記載の基板処理装置であり、
    前記気体供給部は、前記基板保持部の上方に配置される略平板構造であり、
    前記気体供給部の下面には、前記気体を供給するための複数の供給口が形成される、
    基板処理装置。
  7. 基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部を囲む処理カップとを備える基板処理装置を用いる基板処理方法であり、
    前記処理カップに向けて気体を供給する工程と、
    前記処理カップに供給された前記気体を排気する工程とを備え、
    供給された前記気体が前記処理カップに囲まれた内側の領域および前記基板を経て排気される流路を第1の流路とし、
    供給された前記気体が前記処理カップの外側の領域を経て、前記基板を経ずに排気される流路を第2の流路とし、
    前記気体の流路を、前記第1の流路と前記第2の流路との間で切り替える工程をさらに備える、
    基板処理方法。
  8. 請求項7に記載の基板処理方法であり、
    前記基板にプラズマ処理を行う工程をさらに備え、
    前記気体の流路を、前記第1の流路と前記第2の流路との間で切り替える工程は、前記プラズマ処理の際に前記気体の流路を前記第2の流路に切り替える工程である、
    基板処理方法。
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