JP2022129694A - 温度監視装置、及び温度監視方法 - Google Patents

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Kenji Nakajima
聖 山脇
Sei Yamawaki
隆志 藤澤
Takashi Fujisawa
真人 横田
Masato Yokota
亮介 阿部
Ryosuke Abe
尭信 松浦
Takanobu Matsuura
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Abstract

【課題】モータ、ドライバ、及び動力ケーブルを含む系全体の過熱保護を可能とする。【解決手段】温度監視装置は、ドライバから動力ケーブルを通じてモータに供給される駆動電流に基づいて、モータ及びドライバの少なくとも一方と動力ケーブルとの熱負荷演算を行う演算部と、モータ及びドライバの少なくとも一方の熱負荷演算、及び動力ケーブルの熱負荷演算の結果に基づいて、モータ、ドライバ及び動力ケーブルのいずれかの過熱状態を検出する検出部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、温度監視装置、及び温度監視方法に関する。
従来、モータと動力ケーブルを介して接続され、動力ケーブルを通じてモータに駆動電流を供給するドライバの過熱保護を行う技術がある(例えば、特許文献1)。
特許第6493259号公報
従来技術では、モータとドライバとを接続する動力ケーブルの保護まで考慮していなかった。そのため、ユーザが選定した動力ケーブルが細線だった場合や動力ケーブルの敷設条件によっては、動力ケーブルの過熱保護を行うことが困難であった。このため、オーバースペックとならない範囲で適正な性能を有する動力ケーブルを用いることが困難であった。
本開示は、モータ、ドライバ、及び動力ケーブルを含む系全体の過熱保護が可能な温度監視装置を提供することを目的とする。
本開示に係る温度監視装置は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用する。すなわち、温度監視装置は、ドライバから動力ケーブルを通じてモータに供給される駆動電流に基づいて、モータ及びドライバの少なくとも一方と、動力ケーブルとについての熱負荷演算を行う演算部と、熱負荷演算の結果に基づいて、モータ、ドライバ及び動力ケーブルのいずれかの過熱状態を検出する検出部とを備える。
本開示に係る発明は、上述した温度監視装置と同様の特徴を有する、温度監視方法、温度監視用のプログラム、そのようなプログラムを記録した記録媒体なども含む。
上記課題を解決するために、本開示に係る温度監視装置は、モータとモータの動作制御を行うドライバを接続する動力ケーブルそれぞれの温度を監視する温度監視装置であって、動力ケーブルの温度監視装置は、モータに供給される電流値を取得する電流値取得部と、電流値と動力ケーブルの発熱量との関係を示す第1熱モデルによって該動力ケーブルの発熱量を第1発熱量として推定する発熱量推定部と、発熱量推定部によって推定された第1発熱量と所定の第1閾値とを比較することによって、動力ケーブルの発熱異常の有無を判定する異常判定部と、を備えることを特徴としている。
上記の構成では、モータに供給される電流値に基づいて、第1熱モデルによって動力ケーブルにおける発熱量が第1発熱量として推定される。そして、推定された第1発熱量に基づいて、動力ケーブルにおける発熱異常の有無が判定される。
ここで、モータに供給される電流値は、モータの制御において必要とされる値であるので、電流値を取得する構成を別途設ける必要はない。すなわち、温度センサなどドライバの発熱量を測定するための構成を別途設けることなく、動力ケーブルにおける発熱量を推
定し、発熱異常を検知することが可能となる。
また、ドライバで動力ケーブルにおける発熱異常を検知することが可能となるので、例えば複数種類のモータに対応できるようなドライバの場合に、いかなる種類の動力ケーブルが接続されたとしても、動力ケーブルの発熱異常をドライバ自体で検知し、トラブル発生を防止することができる。
また、発熱異常が発生した場合にも、ドライバとしての機能でモータの動作を止めるなどの対応を行うことが可能となる。
本開示に係る温度監視装置では、異常判定部が、発熱異常があると判定した場合に、発熱異常発生の情報を出力する出力部をさらに備えるものであってもよい。
上記の構成によれば、発熱異常が発生した場合に、その旨を外部に出力することが可能となるので、例えばモータ制御システムの管理者などが異常事態発生を的確に認識することが可能となる。
本開示に係る温度監視装置は、電流値取得部が、ドライバからモータへの電力供給時において動力ケーブルを流れる電流の実測値を測定することによって電流値を取得するものであってもよい。
本開示によれば、モータ、ドライバ、及び動力ケーブルを含む系全体の過熱保護が可能となる。
図1は、モータ制御システムの概略構成を示す図である。 図2は、モータが組み込まれて構成される制御システムの概略構成を示す図である。 図3は、ドライバで形成される制御構造を示す図である。 図4は、モータ用の算出モデルの構成例を示す図である。 図5Aは、ドライバ用の算出モデルの構成例を示す図であり、図5Bは、動力ケーブル用の算出モデルを示す図である。 図6は、電子サーマル部の処理例を示すフローチャートである。 図7は、設定部の処理例を示すフローチャートである。 図8A及びBは、サーマル曲線(過熱特性グラフ)の説明図である。 図9は、第2実施形態の説明図である。 図10A及びBは、第2実施形態の説明図である。
本開示に係る温度監視装置は、ドライバから動力ケーブルを通じてモータに供給される駆動電流に基づいて、モータ及びドライバの少なくとも一方と、動力ケーブルとについての熱負荷演算を行う演算部と、熱負荷演算の結果に基づいて、モータ、ドライバ及び動力ケーブルのいずれかの過熱状態(必要以上に熱くなった状態)を検出する検出部とを備える。これによって、モータ及びドライバの少なくとも一方と動力ケーブルとの過熱状態が把握可能となる。
従来では、モータとドライバとを接続する動力ケーブルの保護まで考慮されていなかった。また、モータ及びドライバのユーザが選定した動力ケーブルが細線だった場合やケーブル敷設条件が多重布設の場合、ケーブルの過熱保護ができない問題があった。本開示に
係る温度監視装置は、動力ケーブルの過熱保護が可能となり、モータ、ドライバ、及び動力ケーブルを含む系全体の過熱保護が可能となる。
温度監視装置における演算部は、モータの熱負荷演算を行う第1の演算と、ドライバの熱負荷演算を行う第2の演算と、動力ケーブルの熱負荷演算を行う第3の演算とを行うようにしてもよい。もっとも、演算部は、モータの熱負荷演算を行う第1の演算と、ドライバの熱負荷演算を行う第2の演算とを行うようにしてもよい。この場合、温度監視装置は、さらに設定部を含み、設定部は、動力ケーブルの熱負荷演算(過熱状態の検出)のオンを示す情報の入力時に、第1の演算に設定中のモータの熱負荷演算用のパラメータをモータ及び動力ケーブルの熱負荷演算用のパラメータに変更するとともに、第1の演算の結果と比較するモータの過熱状態の判定用閾値をモータ及び動力ケーブルの過熱状態の判定用閾値に変更することと、第2の演算に設定中のドライバの熱負荷演算用のパラメータをドライバ及び動力ケーブルの熱負荷演算用のパラメータに変更するとともに、第2の演算の結果と比較するドライバの過熱状態の判定用閾値をドライバ及び動力ケーブルの過熱状態の判定用閾値に変更することの、少なくとも一方を行う構成を採用してもよい。このようにすれば、演算部の回路規模、或いは負荷を減らすことができる。
また、温度監視装置は以下の構成を採用してもよい。すなわち、設定部が、動力ケーブルの種別を示す情報と、動力ケーブルの敷設条件を示す情報との少なくとも一方の入力に応じた動力ケーブルの保護レベルを算出する。設定部は、保護レベルに対応する動力ケーブルについての熱負荷演算用のパラメータを演算部に設定するとともに、演算部の熱負荷演算の結果と比較する動力ケーブルの過熱状態の判定用閾値であって保護レベルに対応する判定用閾値を検出部に設定する。このようにすれば、動力ケーブルの規格、状態、及び使用環境に応じた熱負荷演算及び過熱状態の検出を行うことが可能となる。
また、温度監視装置の制御部は、動力ケーブルの種別を示す情報と、動力ケーブルの敷設条件を示す情報との少なくとも一方に対応する、動力ケーブルの過負荷特性を示す情報を出力する制御部をさらに含む構成を採用してもよい。このようにすれば、動力ケーブルの過負荷特性をユーザが把握し、過熱状態を回避する駆動電流の制御を行うことが可能となる。
以下、図面に基づいて本願の実施形態に係る温度監視装置について説明する。実施形態の構成は例示であり、実施形態の構成に限定されない。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態の温度監視装置としても作動するドライバ4を含む制御システムの概略構成図である。当該制御システムは、ネットワーク1と、モータ2と、負荷装置3と、ドライバ4と、標準PLC(Programmable Logic Controller)5と、動力ケーブル8と
、端末9とを備える。
当該制御システムは、モータ2とともに負荷装置3を駆動制御するためのシステムである。そして、モータ2及び負荷装置3が、当該制御システムによって制御される制御対象6とされる。ここで、負荷装置3としては、各種の機械装置(例えば、産業用ロボットのアームや搬送装置)が例示できる。また、モータ2はその負荷装置3を駆動するアクチュエータとして負荷装置3内に組み込まれている。例えば、モータ2は、巻線が巻かれた固定子(ステータ)と回転子を有するACサーボモータである。モータ2は、その固定子に巻線が巻かれるとともに回転子を有する構成であればよく、その具体的な構成はACサーボモータに限定されない。
なお、モータ2には図示しないエンコーダが取り付けられており、当該エンコーダによ
りモータ2の動作に関するパラメータ信号がドライバ4にフィードバック送信されている。このフィードバック送信されるパラメータ信号(以下、フィードバック信号という)は、たとえばモータ2の回転軸の回転位置(角度)についての位置情報、その回転軸の回転速度の情報等を含む。
ドライバ4は、ネットワーク1を介して標準PLC5からモータ2の動作(モーション)に関する動作指令信号を受けるとともに、モータ2に接続されているエンコーダから出力されたフィードバック信号を受ける。ドライバ4は、標準PLC5からの動作指令信号およびエンコーダからのフィードバック信号に基づいて、モータ2の駆動に関するサーボ制御、すなわち、モータ2の動作に関する指令値を算出するとともに、モータ2の動作がその指令値に追従するように、モータ2に動力ケーブル8を介してu,v,wの3相の駆動電流を供給する。なお、モータ2に供給される駆動電流は、交流電源7からドライバ4に対して送られる交流電力が利用される。
本実施形態では、ドライバ4は三相交流を受けるタイプのものであるが、単相交流を受けるタイプのものでもよい。なお、ドライバ4によるサーボ制御については、ドライバ4が有する位置制御器41、速度制御器42、電流制御器43を利用したフィードバック制御である。
ここで、図1に示すように、ドライバ4は、位置制御器41、速度制御器42、電流制御器43を備え、これらの処理により上記サーボ制御が実行される。また、ドライバ4は、モータ2、ドライバ4、及び動力ケーブル8を過熱による損傷から保護するために電子サーマル部150(図2を参照)を有している。
電子サーマル部150は、モータ2の巻線温度、ドライバ4の温度、及び動力ケーブル8の夫々の温度を推定し、その推定温度に基づいてモータ2の過熱状態を判断する。
そこで、図2に示す、ドライバ4に形成される制御構造に基づいて、ドライバ4による上記サーボ制御及び電子サーマル部150によるモータ2の保護制御の説明を行う。当該制御構造は、所定の演算装置及びメモリ等を有するドライバ4において所定の制御プログラムが実行されることで形成される。
位置制御器41は、例えば、比例制御(P制御)を行う。具体的には、標準PLC5から通知された位置指令と検出位置との偏差である位置偏差に、位置比例ゲインKppを乗ずることにより速度指令を算出する。なお、位置制御器41は、予め制御パラメータとして、位置比例ゲインKppを有している。次に、速度制御器42は、例えば、比例積分制御(PI制御)を行う。具体的には、位置制御器41により算出された速度指令と検出速度との偏差である速度偏差の積分量に速度積分ゲインKviを乗じ、その算出結果と当該速度偏差の和に速度比例ゲインKvpを乗ずることにより、トルク指令を算出する。なお、速度制御器42は、予め制御パラメータとして、速度積分ゲインKviと速度比例ゲインKvpを有している。また、速度制御器42はPI制御に代えてP制御を行ってもよい。この場合には、速度制御器42は、予め制御パラメータとして、速度比例ゲインKvpを有することになる。次に、電流制御器43は、速度制御器42により算出されたトルク指令に基づいてアンプ44を駆動するための指令電圧を生成する。生成された指令電圧に応じてアンプ44がモータ2を駆動するための駆動電流を出力し、それによりモータ2が駆動制御される。電流制御器43は、トルク指令に関するフィルタ(1次のローパスフィルタ)や一又は複数のノッチフィルタを含み、制御パラメータとして、これらのフィルタの性能に関するカットオフ周波数等を有している。
そして、ドライバ4の制御構造は、速度制御器42、電流制御器43、制御対象6を前
向き要素とする速度フィードバック系を含み、更に、当該速度フィードバック系と位置制御器41を前向き要素とする位置フィードバック系を含んでいる。このように構成される制御構造によって、ドライバ4は標準PLC5から供給される位置指令に追従するようにモータ2をサーボ制御することが可能となる。
このようにモータ2がサーボ制御される際に、モータ2に対して過大な負荷(例えば、モータ2の定格負荷を超える負荷)が比較的長時間掛けられると、モータ2の巻線に対して過大な電流が長時間流れることになる。これによって、巻線温度が過度に上昇し、その焼損を招く虞がある。また、ドライバ4からモータ2へ定格以上の電流が長時間供給されることで、ドライバ4又は動力ケーブル8の温度が過度に上昇し、焼損する虞もある。このような、モータ2、ドライバ4、及び動力ケーブル8の焼損などの損傷からこれらを保護するために、ドライバ4は電子サーマル部150を有している。
具体的には、電子サーマル部150は、算出モデル100(演算部の一例)と、過負荷判定部110(検出部の一例)とを有している。図3に示すように、算出モデル100は、モータ2用の算出モデル100aと、ドライバ4用の算出モデル100bと、動力ケーブル8用の算出モデル100cとを含む。また、過負荷判定部110は、算出モデル100aに対応する、モータ2用の過負荷判定部110aと、算出モデル100bに対応する、ドライバ4用の過負荷判定部110bと、算出モデル100cに対応する、動力ケーブル8用の過負荷判定部110cとを備える。
図4は、モータ2の算出モデル100aの概略構造を示している。算出モデル100aは、電子サーマル部150においてモータ2の巻線温度を算出するプログラムであり、その入力としてモータ2における熱流が与えられると、モータ2の巻線温度を出力する。なお、当該熱流は、モータ2の巻線コイルの電気抵抗に起因して生じる、いわゆる銅損とみなすことができ、巻線コイルを流れる電流の二乗に比例する。算出モデル100aは、モータ2に供給される電流値とモータ2の発熱量との関係を示す熱モデルであり、熱流は、例えば、算出モデル100が電力制御部43の指令電圧によりモータ2に供給される電流を検出することでその電流値を取得し、この電流値から単位時間当たりの熱量を求めることによって算出される。算出モデル100は、モータ2に供給される電流値を取得する電流値取得部として動作する。
図4に示すように、算出モデル100aは、算出モデル100a自身を構成するサブのモデルとして、巻線温度特性モデル101と固定子温度特性モデル102とを含む。巻線温度特性モデル101は、モータ2において仮想的に固定子の熱的影響を除いたときの、巻線の温度特性を算出するためのモデルである。
固定子温度特性モデル102は、基準モデル102’と、モータ2の回転子の回転速度(rpm)を引数とする鉄損係数Krとを含む。基準モデル102’は、モータ2において仮想的に巻線の熱的影響を除いたときの、固定子の温度特性を算出するためのモデルである。鉄損係数Krは、回転子の回転速度に応じてその数値が変動し得る。
固定子温度特性モデル102では、入力の熱流に(1+Kr)が乗じられたものが基準モデル102’に入力されて、固定子温度特性モデル102の出力が算出されることになる。算出モデル100aがこのような固定子温度特性モデル102を有することで、固定子の温度特性に回転子の回転に起因する鉄損を反映させることができ、過負荷保護のためのモータ2の巻線温度の推定をより好適に実現することができる。
このように、算出モデル100aが巻線温度特性モデル101と固定子温度特性モデル102とを含み、図4に示すように、各モデルの出力の和がモータ2の巻線温度として算
出される。これによって、固定子と巻線との相関が考慮された上でモータの巻線温度が算出される。
ここで、巻線温度特性モデル101について説明する。巻線温度特性モデル101は、巻線の温度特性に関連するパラメータ(巻線関連パラメータ)である巻線に関する熱抵抗Raや熱時定数Taを含んで、下記の式1で表される。なお、熱抵抗Raは、熱の伝えにくさを表す値で、単位時間で発生する熱量あたりの温度上昇量を意味するパラメータである。本実施形態では、モータ2の巻線を熱的に均質な物体として捉えたときの熱抵抗が採用される。また、熱時定数Taは、巻線の温度変化に対する応答性の度合いを表すパラメータであり、巻線が初期の熱平衡状態から別の熱平衡状態に遷移する際に、その温度差の63.2%変化するのに要する時間として定義される。
巻線温度特性モデル = Ra/(Ta・s+1) ・・・(式1)
次に、固定子温度特性モデル102について説明する。固定子温度特性モデル102の基準モデル102’は、固定子の温度特性に関連するパラメータ(固定子関連パラメータ)である固定子に関する熱抵抗Rbや熱時定数Tbを含んで、下記の式2で表される。なお、熱抵抗Rbの定義は上記の熱抵抗Raの定義と同じであり、本実施形態では、モータの固定子を熱的に均質な物体として捉えたときの熱抵抗が採用される。また、熱時定数Tbは、固定子の温度変化に対する応答性の度合いを表すパラメータであり、上記の熱時定数Taの定義と同じである。
固定子温度特性モデル = Rb/(Tb・s+1) ・・・(式2)
そして、算出モデル100aにおいては、入力(モータ2における熱流)が、巻線温度特性モデル101及び固定子温度特性モデル102に引き渡される。そして、各モデルの出力が加算されて、算出モデルの出力、すなわちモータ巻線の推定温度とされる。なお、各モデル101、102の出力の加算の際に、各モデル101、102の出力に対して所定のゲインを乗じた値を加算するようにしてもよい。このように算出モデル100aが構成されることで、モータの巻線温度が固定子と巻線との相関を考慮して推定される。
図5Aは、ドライバ用の算出モデル100bの構成例を示す。算出モデル100bは、ドライバ温度特性モデル101bを備える。ドライバ温度特性モデル101bは、ドライバ4の所定位置の温度特性を算出するためのモデルである。所定位置は、モータ2への電流の供給に応じて発熱する位置であればどこでもよく、例えば、ドライバ4が備えるIGBTなどの所定の回路が実装された位置である。
ドライバ温度特性モデル101bは、所定位置(回路など)の温度特性に関連するパラメータである熱抵抗Rcや熱時定数Tcを含んで、下記の式3で表される。なお、熱抵抗Rcの定義は上記の熱抵抗Raの定義と同じであり、本実施形態では、ドライバ4の全体又は所定位置を熱的に均質な物体として捉えたときの熱抵抗が採用される。また、熱時定数Tcは、上記全体又は所定位置の温度変化に対する応答性の度合いを表すパラメータであり、上記の熱時定数Taの定義と同じである。
ドライバ温度特性モデル = Rc/(Tc・s+1) ・・・(式3)
算出モデル100bは、モータ2に供給される電流の値とドライバ4の発熱量との関係を示す熱モデルであり、アンプ44の出力として検出された電流(検出電流)に依存する熱流を入力として、ドライバ温度特性モデル101bを用いて算出されるドライバ4の温度(「ドライバ温度」と称する)を算出する。なお、ドライバ4について、上記した所定位置のドライバ温度特性モデル101bを含めて、複数個所(複数の所定位置)の温度特性モデルを用意し、これらの温度特性モデルの算出結果を加算してドライバ温度が算出されてもよい。すなわち、ドライバ温度がドライバ4の複数の位置に基づいて算出されても
よい。
図5Bは、動力ケーブル用の算出モデル100cの構成例を示す。算出モデル100cは、ケーブル温度特性モデル101cを備える。ケーブル温度特性モデル101cは、動力ケーブル8をなす導線の温度特性を算出するためのモデルである。図5Bの例に示すように、1つのケーブル温度特性モデルが用意されてもよく、或いは、u,v,wの夫々の導線に対応する温度特性モデルが用意されてもよい。ケーブル温度特性モデル101cは、モータ2に供給される電流(検出電流)の値と動力ケーブル8の発熱量との関係を示す第1熱モデルに対応する。
ケーブル温度特性モデル101cは、動力ケーブル8の温度特性に関連するパラメータである熱抵抗Rdや熱時定数Tdを含んで、下記の式4で表される。なお、熱抵抗Rdの定義は上記の熱抵抗Raの定義と同様であり、本実施形態では、動力ケーブル8の全体を熱的に均質な物体として捉えたときの熱抵抗が採用される。また、熱時定数Tdは、上記した動力ケーブル8の全体の温度変化に対する応答性の度合いを表すパラメータであり、上記の熱時定数Taの定義と同様である。
ケーブル温度特性モデル = Rd/(Td・s+1) ・・・(式4)
算出モデル100cは、算出モデル100によって検出される、アンプ44から出力される電流値に依存する熱流を入力として、ケーブル温度特性モデル101cを用いて算出される動力ケーブル8の温度(ケーブル温度と称する)を算出する。なお、電流値は、ドライバ4がモータ2に電力を供給する動力ケーブル8を流れる電流を測定することによって取得されてもよい。
上記の通り、算出モデル100a、100b及び100cの夫々は、モータ2の温度、ドライバ温度、及びケーブル温度の夫々を出力する。過負荷判定部110の過負荷判定部110aは、算出モデル100aの出力であるモータ2の温度に基づいて、モータ2が過負荷状態に至る可能性があるか、換言するとモータ2の巻線が過度に昇温するおそれがあるかについて判定を行う。
過負荷判定部110の過負荷判定部110bは、算出モデル100bの出力であるドライバ温度に基づいて、ドライバ4が過負荷状態に至る可能性があるか、換言するとドライバ4が全体的に又は局所的に過度に昇温するおそれがあるかについて判定を行う。また、過負荷判定部110の過負荷判定部110cは、算出モデル100cの出力であるケーブル温度に基づいて、動力ケーブル8が過負荷状態に至る可能性があるか、換言すると動力ケーブル8が全体的に又は局所的に過度に昇温するおそれがあるかについて判定を行う。
過負荷判定部110a、110b、及び110cによって、モータ2、ドライバ4及び動力ケーブル8のいずれか一つが過負荷状態に置かれていると判定された場合には、ドライバ4は、モータ2、ドライバ4及び動力ケーブル8を含む系を保護するためにその駆動を停止することができる。なお、算出モデル100は発熱量推定部に相当し、過負荷判定部110は異常判定部及び出力部に相当する。
図6は、電子サーマル部150の処理例を示すフローチャートである。ステップS101では、電子サーマル部150の算出モデル100a、100b、及び100cは、モータ2の温度、ドライバ温度、及びケーブル温度を算出する。すなわち、算出モデル100aは、モータ2の熱負荷演算として熱流に応じたモータ2の温度(推定値)を演算する。算出モデル100bは、ドライバ4の熱負荷演算として熱流に応じたドライバ温度(推定値)を演算する。算出モデル100cは、動力ケーブル8の熱負荷演算として熱流に応じたケーブル温度(推定値)を演算する。各温度の演算の順序は任意であり、並列に実行さ
れてもよい。
ステップS102では、過負荷判定部110が、モータ2の温度、ドライバ温度及びケーブル温度のいずれかが閾値を超過するかを判定する。すなわち、過負荷判定部110aが、モータ2の温度がモータ2用の閾値を超過するかを判定し、過負荷判定部110bが、ドライバ温度がドライバ4用の閾値を超過するかを判定し、過負荷判定部110cが、ケーブル温度が動力ケーブル8用の閾値を超過するかを判定する。これらの判定の順序は任意であり、これらの判定は並列に実行されてもよい。いずれかの閾値の超過が判定された時点で、残りの判定が中止または停止されてもよい。モータ2の温度、ドライバ温度及びケーブル温度のいずれか一つが閾値を超過すると判定される場合、処理がステップS103に進み、そうでない場合には、処理がステップS101に進む。
ステップS103では、電子サーマル部150は、モータ2、ドライバ4、動力ケーブル8の異常な温度上昇が検出されたものとして、モータ2、ドライバ4、又は動力ケーブル8の過熱状態(異常や警告)を示す情報を出力する。情報は、LEDの発光または点滅、警告音の出力、ディスプレイへの情報の表示などによって出力される。出力を行う構成はドライバ4に設けられていてもよく、端末9が備えるディスプレイやスピーカを用いて情報が報知(表示等)されてもよい。また、電子サーマル部150は、異常・警告を示す情報の出力とともに、ドライバ4の動作を自動的に停止させる構成を有していてもよい。もっとも、ドライバ4の動作停止は、情報を受けたユーザがマニュアルで行ってもよい。
端末9は、ドライバ4が備える設定部120を通じて、ユーザが電子サーマル部150に各種の設定を行うために使用される。また、端末9は、上述した異常・警告を示す情報などの表示等によって、様々な情報をユーザに報知するために使用される。設定部120は、電子サーマル部150と同様に、ドライバ4が備えるプロセッサ(CPU)のプログラム実行によって実現されても、ドライバ4に実装された専用の回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
端末9は、プロセッサ、メモリ、入力装置、ディスプレイ、通信インタフェースなどを有している。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムの実行によって、メモリに対する情報の読み書き、ユーザが入力装置を用いて入力した情報の受け付け、或いはディスプレイへの表示、通信インタフェースの制御による設定部120との情報の送受信などを行う。
例えば、ユーザは、モータ2、ドライバ4、及び動力ケーブル8の夫々に関する熱負荷演算のオンオフを操作することができる。すなわち、ユーザは、算出モデル100a、100b、及び100cの夫々のオン又はオフを示す情報を入力装置から端末9に入力することができる。
オン又はオフを示す情報は、ネットワーク1を介して設定部120に送られる。設定部120は、オン又はオフを示す情報に基づいて、対応する算出モデル100a、100b、及び100cのオンオフを行う。これによって、動力ケーブル8の熱負荷演算のオンオフ(有効/無効の設定)を行うことができる。熱負荷演算のオフにより、プロセッサ(CPU)の演算負荷を下げることができる。なお、モータ2及びドライバ4の夫々関する熱負荷演算の有効/無効の設定(算出モデル100a、100bのオンオフ)は、可能であってもなくてもよい。
また、ユーザは、端末9に、動力ケーブルの種別と、動力ケーブルの敷設条件を入力することで、動力ケーブル8の保護レベルを設定することができる。例えば、下記要件を幾つか入力すると、端末9のプロセッサ、又はドライバ4の設定部120が、入力された情
報に対応する動力ケーブル8の保護レベルを算出する。
・ケーブル被覆材種, 被覆材の熱抵抗, 或いはケーブル最高使用温度
・ケーブル電線の外径と線長
・ケーブル電線の導体材質,或いは電気抵抗率(抵抗率、比抵抗)[Ω・m]
・ケーブル電線の導体径 (AWG, sq.)或いは断面積
・ケーブル敷設時の周囲温度
・多条布設の場合は多条敷設条件
・配線ダクトに配線する場合は配線ダクトの材質、或いは配線ダクト材の最高使用温度
例えば、端末9はディスプレイに上記のメニューを表示して、ユーザが選択肢の選択又は数値の入力をすることを可能に構成する。
・ケーブル最高使用温度 (選択肢:80℃, 85℃, 105℃)
・ケーブル電線の導体径 (値を入力:AWG/SQ)
・ケーブル敷設時の周囲温度 (選択肢:0℃ 25℃ 40℃ 55℃ 70℃ 85℃)
・多条敷設 (あり なし)
・多条敷設ありの場合の配線ダクト材の最高使用温度 (選択肢:65℃, 80℃, 85℃, 105℃)
ドライバ4が有するメモリ(端末9が有するメモリでもよい)には、保護レベルに対応する動力ケーブル8の算出モデル100cに設定するパラメータ(熱抵抗Rd、時定数Tdなど)のセットが1又は2以上記憶されており、設定部120は、自身による算出によって取得、又は端末9から取得した保護レベルに対応するパラメータを算出モデル100cに設定する。例えば、熱抵抗Rdの値は、ケーブル電線の導体径が太くなるほど小さくなるように設定される。また、例えば、時定数Tdの値は、多条数が増えるにつれて小さくなるように設定される。また、周囲温度が高くなる程、算出モデル100cが出力する温度の推定値が嵩上げされるように、パラメータを設定してもよい。このような周囲温度に応じたケーブル温度演算のパラメータ設定の代わりに、過熱状態を検出する閾値を下げてもよい。パラメータのセットは入力された情報に基づいて、パラメータ算出用のアルゴリズムを用いて計算されてもよい。また、予めメモリに記憶された、保護レベルに対応する閾値を設定部120は取得し、過負荷判定部110cに設定する。これによって、多条敷設された動力ケーブル8に関して、許容電流の低減率に応じた熱負荷演算が可能となり、好適な動力ケーブル8の保護を図ることができる。
また、動力ケーブル8が多条敷設される場合、ユーザが端末9を介して、動力ケーブル8の敷設条件(条敷(列及び段)、配列、中心距離)を示す情報を設定部120に入力することができる。この場合、設定部120は、敷設条件に対応する許容電流と、許容電流に対応する算出モデル100c用のパラメータを、例えばメモリに記憶された対応表を用いて算出する。また、許容電流に対応する閾値を算出する。設定部120は、算出したパラメータを算出モデル100cに設定し、算出した閾値を過負荷判定部110cに設定する。これによって、多条敷設された動力ケーブル8に関して、許容電流の低減率に応じた熱負荷演算及び過負荷判定が可能となり、好適な動力ケーブル8の保護を図ることができる。
図7は、設定部120の処理例を示すフローチャートである。ステップS201では、設定部120は、端末9から動力ケーブル8の種別及び敷設条件を示す情報を取得する。ステップS202では、設定部120は、ステップS201で取得した情報に対応する熱負荷演算のパラメータ及び閾値を算出する。ステップS203では、設定部120は、ステップS202で算出したパラメータを算出モデル100cに設定し、閾値を過負荷判定部110cに設定する。
また、設定部120が、モータ2の稼働時間(通電時間)、或いはモータ2の周囲温度に応じて、熱負荷演算のパラメータ(熱時定数Tdなど)及び閾値を自動的に変化させるようにしてもよい。ドライバ4は、モータ2の稼働時間(通電時間)を計測しており、その計測値をパラメータ及び閾値の変化に使用することができる。また、周囲温度は、モータ2の温度から予測してもよく、或いは、外気温を計測する温度センサの値を周囲温度として使用してもよい。
パラメータの変化の例として、稼働時間が所定時間を超える場合、設定部120は、熱時定数の値を基準値よりも小さくする。また、周囲温度が基準温度又は基準温度の範囲より高い場合には、設定部120は閾値を低下させる。逆に、周囲温度が基準温度の範囲より低い場合には、設定部120は閾値を上げる。このようにして、モータ2の使用状況に応じて、動力ケーブル8を保護しつつモータ2を好適に使用することができる。
また、設定部120は、「制御部」として動作し、動力ケーブル8の種別及び敷設条件に依存する動力ケーブル8用の熱負荷演算のパラメータ及び閾値を用いて、動力ケーブル8に係るサーマル曲線(過負荷特性グラフ)を示す情報を生成及び出力することができる。過負荷特性グラフは、定格電流より大きい電流が通電された場合における、過熱状態が検出されるまでの時間(検出時間)の変化を示すグラフである。過負荷特性は、通常、横軸に定格以上の電流をとり、縦軸に過負荷(過熱状態)が検出されるまでの時間(検出時間)をとったグラフで表される。
図8Aは、動力ケーブル8の過負荷特性を示すグラフCを示す。過負荷特性グラフは、電流が大きくなる程、検出時間が短くなる。グラフCの元になる数値は、ドライバ4において生成されてもよく、端末9において生成されてもよい。端末9のプロセッサは、グラフCを端末9のディスプレイに表示する。これによって、ユーザは、動力ケーブル8の種別や敷設条件に応じた過負荷特性を把握することができる。なお、図8Bに示す様に、グラフCに加えて、モータ2の過負荷特性を示すグラフMと、ドライバ4の過負荷特性を示すグラフDとが表示されるようにしてもよい。グラフCと同様に、グラフM及びDの元となる数値は、ドライバ4が生成しても端末9が生成してもよい。
第1実施形態によれば、算出モデル100a、100b、及び100cによって、モータ2の熱負荷演算及びドライバ4の熱負荷演算(いずれか片方でもよい)と、動力ケーブル8の熱負荷演算とが行われる。そして、過負荷判定部110a、110b、及び110cによって、モータ2、ドライバ4、及び動力ケーブル8のいずれかの過熱状態が検出される。これによって、ユーザは、これらの過熱状態を把握できる。また、過熱状態の検出に応じてドライバ4の動作が停止することで、これらの保護が図られる。また、過熱が生じないように適正な駆動電流の制御を行うことが可能となる。さらに、オーバースペックの動力ケーブルを用いる場合の無駄(デメリット)を回避することができる。第1実施形態によれば、モータ、ドライバ、及び動力ケーブルを含む系全体の過熱保護が可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態と同様の構成を有するため、主として相違点について説明する。図9は、第2実施形態に係るモータ制御システムにおけるドライバ4が備える電子サーマル部150Aの構成例を示す。電子サーマル部150Aでは、動力ケーブル8に係る算出モデル100c及び過負荷判定部110cが省略され、モータ2の熱負荷演算(第1の演算)を行う算出モデル100aと、ドライバ4の熱負荷演算(第2の演算)を行う算出モデル100bとが用意されている。
第2実施形態では、算出モデル100a及び100bの夫々に設定される熱負荷演算の
パラメータの初期値として、第1実施形態と同様のパラメータ、すなわち、モータ2の温度の推定値を求めるパラメータと、ドライバ温度(ドライバ4の温度の推定値)を求めるパラメータとが設定される。また、過負荷判定部110a及び110bの夫々に第1実施形態と同様の閾値が初期値として設定される。これによって、図10Aに示すように、モータ2の過負荷特性を示すグラフMと、ドライバ4の過負荷特性を示すグラフDとの夫々は、第1実施形態のグラフM及びD(図8B)と同様となる。
ここで、第2実施形態における動力ケーブル8が、図10Aに示すような、第1実施形態と同様の過負荷特性を有すると仮定する。この場合、図10Aに破線で示すグラフ20のような過負荷特性が示されれば、モータ2、ドライバ4及び動力ケーブル8の全てについて適正な過熱状態の検出(異常・警告の出力)が行われることになる。ところが、グラフM及びグラフDでは、図10Aに示す領域30(網掛け部分)については動力ケーブル8が過熱状態であるのに過熱状態が検出されず、警告等が出力されない。
このため、第2実施形態における設定部120(図2)は、端末9から動力ケーブル8の過熱状態の検出のオン(有効)を示す情報を受信すると、算出モデル100aに設定中のパラメータ(初期値)と、過負荷判定部110aの閾値(初期値)を、モータ2及び動力ケーブル8について適正な過熱状態を検出可能なパラメータ及び閾値に変更する。モータ2及び動力ケーブル8の熱負荷演算のパラメータ及び閾値として、例えば、図10Bに示すように、初期値に基づくグラフMが、領域30についても過熱状態が検出されるグラフM1に変更するためのパラメータ及び閾値が、算出モデル100a及び過負荷判定部110aに設定される(パラメータ及び閾値が変更される)。算出モデル100a及び過負荷判定部110aのパラメータ及び閾値の変更に際し、算出モデル100b及び過熱判定部110bについては、オンの状態が維持される。すなわち、図10Bに示すグラフDの過負荷特性に従って過熱状態が検出される。よって、グラフM1及びDの過負荷特性を以て、モータ2、ドライバ4、及び動力ケーブル8の保護が図られる。
算出モデル100a及び過負荷判定部110aのパラメータ及び閾値の変更の代わりに、算出モデル100b及び過負荷判定部110bのパラメータ及び閾値(初期値)が、ドライバ4及び動力ケーブル8について適正な過熱状態を検出可能なパラメータ及び閾値に変更してもよい。変更後のパラメータ及び閾値として、図10Bに示すグラフDが領域30についても過熱状態を検出可能なグラフD1となるパラメータ及び閾値を適用することができる。グラフD1が採用される場合、モータ2に係るグラフM及び動力ケーブル8に係るグラフCは、グラフD1に基づく過熱状態の検出領域に包含される。このため、グラフD1に応じた算出モデル100b及び過負荷判定部110bのパラメータ及び閾値の変更に伴い、算出モデル100a及び過負荷判定部110aの処理がオフとなる構成を採用してもよい。
なお、動力ケーブル8の過熱状態の検出のオンを示す情報の受信に応じて、算出モデル100a及び100b、並びに過負荷判定部110a及び110bのパラメータ及び閾値が上述したように変更されてもよい。また、動力ケーブル8の過熱状態の検出のオフ(無効)を示す情報を設定部120が端末9から受信した場合に、設定部120は、変更中のパラメータ及び閾値を、元の初期値に戻す。
第2実施形態によれば、算出モデル100c及び過負荷判定部110cを省略することで、ドライバ4のプロセッサ(CPU)の負荷、或いは回路規模を減らす一方で、動力ケーブル8の過熱状態を適正に検出することができ、モータ、ドライバ、及び動力ケーブルを含む系全体の過熱保護が可能となる。本発明はその目的を逸脱しない範囲において実施形態の構成を適宜変更可能である。
<付記>
ドライバ(4)から動力ケーブル(8)を通じてモータ(2)に供給される駆動電流に基づいて、前記モータ(2)及び前記ドライバ(4)の少なくとも一方の熱負荷演算(100a)と、前記動力ケーブル(8)の熱負荷演算(100b)とを行う演算部(100)と、
前記モータ(2)及び前記ドライバ(4)の少なくとも一方の熱負荷演算、及び前記動力ケーブルの熱負荷演算の結果に基づいて、前記モータ(2)、前記ドライバ(4)及び前記動力ケーブル(8)のいずれかの過熱状態を検出する検出部(110)と、
を備える温度監視装置(4)。
1・・・ネットワーク
2・・・モータ
3・・・負荷装置
4・・・ドライバ
5・・・標準PLC
6・・・制御対象
7・・・交流電源
8・・・動力ケーブル
9・・・端末
41・・・位置制御器
42・・・速度制御器
43・・・電流制御器
44・・・アンプ
100・・・算出モデル
110・・・過負荷判定部
120・・・設定部
150・・・電子サーマル部

Claims (9)

  1. ドライバから動力ケーブルを通じてモータに供給される駆動電流に基づいて、前記モータ及び前記ドライバの少なくとも一方と、前記動力ケーブルとについての熱負荷演算を行う演算部と、
    前記熱負荷演算の結果に基づいて、前記モータ、前記ドライバ及び前記動力ケーブルのいずれかの過熱状態を検出する検出部と、
    を備える温度監視装置。
  2. 前記演算部は、前記モータの熱負荷演算を行う第1の演算と、前記ドライバの熱負荷演算を行う第2の演算とを行い、
    前記動力ケーブルの過熱状態の検出のオンを示す情報の入力時に、前記第1の演算に設定中の前記モータの熱負荷演算用のパラメータを前記モータ及び前記動力ケーブルの熱負荷演算用のパラメータに変更するとともに、前記第1の演算の結果と比較する前記モータの過熱状態の判定用閾値を前記モータ及び前記動力ケーブルの過熱状態の判定用閾値に変更することと、前記第2の演算に設定中の前記ドライバの熱負荷演算用のパラメータを前記ドライバ及び前記動力ケーブルの熱負荷演算用のパラメータに変更するとともに、前記第2の演算の結果と比較する前記ドライバの過熱状態の判定用閾値を前記ドライバ及び前記動力ケーブルの過熱状態の判定用閾値に変更することの、少なくとも一方を行う設定部をさらに含む
    請求項1に記載の温度監視装置。
  3. 前記設定部は、前記動力ケーブルの種別を示す情報と、前記動力ケーブルの敷設条件を示す情報との少なくとも一方の入力に応じた前記動力ケーブルの保護レベルを示す情報を取得し、前記保護レベルに対応する前記動力ケーブルについての熱負荷演算用のパラメータを前記演算部に設定するとともに、前記演算部の熱負荷演算の結果と比較する前記動力ケーブルの過熱状態の判定用閾値であって前記保護レベルに対応する判定用閾値を前記検出部に設定する
    請求項2に記載の温度監視装置。
  4. 前記動力ケーブルの種別を示す情報と、前記動力ケーブルの敷設条件を示す情報との少なくとも一方に対応する、前記動力ケーブルの過負荷特性を示す情報を出力する制御部をさらに含む
    請求項2又は3に記載の温度監視装置。
  5. ドライバから動力ケーブルを通じてモータに供給される駆動電流に基づいて、前記モータ及び前記ドライバの少なくとも一方の熱負荷演算と、前記動力ケーブルの熱負荷演算とを行うことと、
    前記モータ及び前記ドライバの少なくとも一方の熱負荷演算、及び前記動力ケーブルの熱負荷演算の結果に基づいて、前記モータ、前記ドライバ及び前記動力ケーブルのいずれかの過熱状態を検出することと、
    を情報処理装置が実行する温度監視方法。
  6. 前記情報処理装置は、前記モータの熱負荷演算を行う第1の演算と、前記ドライバの熱負荷演算を行う第2の演算とを行い、
    前記動力ケーブルの過熱状態の検出のオンを示す情報の入力時に、前記第1の演算に設定中の前記モータの熱負荷演算用のパラメータを前記モータ及び前記動力ケーブルの熱負荷演算用のパラメータに変更するとともに、前記第1の演算の結果と比較する前記モータの過熱状態の判定用閾値を前記モータ及び前記動力ケーブルの過熱状態の判定用閾値に変更することと、前記第2の演算に設定中の前記ドライバの熱負荷演算用のパラメータを前
    記ドライバ及び前記動力ケーブルの熱負荷演算用のパラメータに変更するとともに、前記第2の演算の結果と比較する前記ドライバの過熱状態の判定用閾値を前記ドライバ及び前記動力ケーブルの過熱状態の判定用閾値に変更することの、少なくとも一方を行う
    請求項5に記載の温度監視方法。
  7. モータと前記モータの動作制御を行うドライバとを接続する動力ケーブルの温度を監視する温度監視装置であって、
    前記モータに供給される電流値を取得する電流値取得部と、
    前記電流値と前記動力ケーブルの発熱量との関係を示す第1熱モデルによって前記動力ケーブルの発熱量を第1発熱量として推定する発熱量推定部と、
    前記発熱量推定部によって推定された第1発熱量と所定の第1閾値とを比較することによって、前記動力ケーブルの発熱異常の有無を判定する異常判定部と、
    を備える温度監視装置。
  8. 前記異常判定部が、発熱異常があると判定した場合に、発熱異常発生の情報を出力する出力部をさらに備える
    請求項7に記載の温度監視装置。
  9. 前記電流値取得部が、前記ドライバから前記モータへの電力供給時において前記動力ケーブルを流れる電流の実測値を測定することによって前記電流値を取得する
    請求項7又は8に記載の温度監視装置。
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