JP2024039777A - 電力変換器の過熱保護制御装置 - Google Patents

電力変換器の過熱保護制御装置 Download PDF

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Koki Amano
健 岡部
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Abstract

【課題】電力変換器に対する過剰な保護を抑制し、電力変換器の運転効率の低下を抑制することができる電力変換器の過熱保護制御装置を得ることを目的とする。【解決手段】DC電力指令部78は、熱量演算部75により算出された熱量相当値に基づいて、インバータ20の電力を制御する。DC電力指令部78は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値以上になると、DC電力制限値を下げる。DC電力指令部78は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第2判定熱量相当値以下になると、DC電力制限値を上げる。【選択図】図1

Description

本開示は、電力変換器の過熱保護制御装置に関するものである。
従来の電力変換装置では、制御部は、交流電動機の過負荷運転時に、内蔵の電子カウンタの積算値を、電流検出器の検出電流に応じた重み値で電子的に加算する。また、制御部は、交流電動機が過負荷運転でないときに、電子カウンタの積算値を、過負荷時の電流検出器における検出電流の2乗時間積値に見合った重み値で減算する。
また、制御部は、電子カウンタの積算値が熱時限特性上の設定値に達したとき、ドライブ回路にインバータの停止信号を送り、交流電動機を停止させる(例えば、特許文献1参照)。
特許第5520639号公報
上記のような従来の電力変換装置では、過熱保護時にインバータの動作が停止されるため、インバータへの出力が過保護に制限され、インバータの運転効率が低下する恐れがある。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電力変換器に対する過剰な保護を抑制し、電力変換器の運転効率の低下を抑制することができる電力変換器の過熱保護制御装置を得ることを目的とする。
本開示に係る電力変換器の過熱保護制御装置は、直流電源と交流回転電機との間に設けられている電力変換器における電力を算出する電力演算部、電力演算部によって算出された電力と、電力の閾値である第1判定出力値とに基づいて、熱量相当値を算出する熱量演算部、及び熱量演算部によって算出された熱量相当値に基づいて、電力変換器における電力を制御する電力指令部を備え、熱量演算部は、電力が第1判定出力値以上である場合、直流電源と電力変換器との間に流れる電流の2乗に時間を掛けた値である電流2乗時間積値を、前回の熱量相当値に加算し、電力が第1判定出力値未満である場合、前回の熱量相当値から減算値を減算し、電力指令部は、熱量演算部によって算出された熱量相当値が、第1判定熱量相当値以上になると、電力変換器における電力を制限し、熱量演算部によって算出された熱量相当値が、第1判定熱量相当値よりも小さい第2判定熱量相当値以下になると、電力変換器における電力の制限を解除し、第2判定熱量相当値は、熱量相当値が第1判定熱量相当値以上になったときから、熱量相当値が第2判定熱量相当値以下になるまで固定される。
本開示の電力変換器の過熱保護制御装置によれば、電力変換器に対する過剰な保護を抑制し、電力変換器の運転効率の低下を抑制することができる。
実施の形態1による車両駆動システムを示す構成図である。 図1の第1ローパスフィルタ及び第2ローパスフィルタを用いない場合における第1判定熱量相当値設定部への入力信号と、第1判定熱量相当値設定部からの出力信号とを示すグラフである。 図1の第1ローパスフィルタ及び第2ローパスフィルタへの入力信号と、第1判定熱量相当値設定部からの出力信号とを示すグラフである。 熱量相当値と温度との関係の一例を示すグラフである。 図1のDC電力指令部によるDC電力制限値の切り替え時におけるDC電力制限値の変化を、漸増処理を行う場合と行わない場合とで比較して示すグラフである。 図1のDC電力指令部によるDC電力制限値の切り替え時におけるDC電力制限値の変化を、漸減処理を行う場合と行わない場合とで比較して示すグラフである。 図1の過熱保護制御装置の要部を示すブロック図である。 図7の最大電流調整部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。 図7の最大電流調整部における入力と出力との関係の第1例を示すグラフである。 図7の最大電流調整部における入力と出力との関係の第2例を示すグラフである。 図7の許容トルク演算部において、許容トルクの上限値を求める方法の一例を示すテーブルである。 図7の許容トルク演算部において、許容トルクの下限値を求める方法の一例を示すテーブルである。 図1の過熱保護制御装置の動作における前半部分を示すフローチャートである。 図1の過熱保護制御装置の動作における後半部分を示すフローチャートである。 水温と、DC電力と、第1判定熱量相当値との関係の一例を示す表である。 図15に対応する水温と、DC電力と、第1判定熱量相当値との関係を示すグラフである。 水温と、DC電力と、減算値との関係の一例を示す表である。 図17に対応する水温と、DC電力と、減算値との関係を示すグラフである。 図1のインバータに接続されている導体の温度の時間変化を、高水温時と低水温時とのそれぞれにおいて測定した結果を示すグラフである。 水温と制限時DC電力制限値との関係の一例を示す表である。 図20に対応する水温と制限時DC電力制限値との関係を示すグラフである。 実施の形態1の過熱保護動作を示すタイミングチャートである。 実施の形態2による過熱保護制御装置の要部を示すブロック図である。 回転数とAC電流との関係の一例を示すグラフである。 回転数と、第1判定熱量相当値との関係の一例を示すグラフである。 実施の形態3による過熱保護制御装置の要部を示すブロック図である。 AC電流とDC電流との関係の一例を示すグラフである。 AC電流と、第1判定熱量相当値との関係の一例を示すグラフである。 実施の形態4による過熱保護制御装置の要素を示すブロック図である。 実施の形態5による過熱保護制御装置の要素を示すブロック図である。 実施の形態6による過熱保護制御装置の要素を示すブロック図である。 実施の形態7による過熱保護制御装置の要素を示すブロック図である。 水温と、DC電力と、第2判定熱量相当値との関係の一例を示す表である。 図33に対応する水温と、DC電力と、第2判定熱量相当値との関係を示すグラフである。 実施の形態8による過熱保護制御装置の要部を示すブロック図である。 回転数と、第1判定熱量相当値及び第2判定熱量相当値との関係の一例を示すグラフである。 実施の形態9による過熱保護制御装置の要部を示すブロック図である。 AC電流と、第1判定熱量相当値及び第2判定熱量相当値との関係の一例を示すグラフである。 実施の形態1~9のインバータ制御装置及び過熱保護制御装置の各機能を実現する処理回路の第1例を示す構成図である。 実施の形態1~9のインバータ制御装置及び過熱保護制御装置の各機能を実現する処理回路の第2例を示す構成図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
<車両駆動システム>
図1は、実施の形態1による車両駆動システムを示す構成図である。図において、車両駆動システムは、直流電源10、電圧検出器11、電流検出器12、平滑コンデンサ13、電力変換器としてのインバータ20、交流回転電機30、磁極位置検出器31、第1電流センサ33a、第2電流センサ33b、第3電流センサ33c、インバータ制御装置40、電気角速度演算部50、過熱保護制御装置70、及び水温検出器80を有している。
直流電源10は、充放電可能な電源である。また、直流電源10は、インバータ20を介して、交流回転電機30と電力のやり取りを行う。また、直流電源10は、高電圧側ノードPと、低電圧側ノードNとを有している。
平滑コンデンサ13は、高電圧側接続点Pcapと低電圧側接続点Ncapとにおいて、高電圧側ノードPと低電圧側ノードNとの間に接続されている。なお、高電圧側ノードPとインバータ20との間に、図示しない昇圧コンバータが設けられてもよい。この場合、直流電源10から供給されるDC電圧が、DC/DC変換により昇圧される。
電圧検出器11は、直流電源10のDC電圧Vdcを検出する。具体的には、電圧検出器11は、高電圧側ノードPと低電圧側ノードNとの間の端子間電圧を、DC電圧Vdcとして出力する。なお、電圧検出器11は、DC電圧Vdcとして、高電圧側接続点Pcapと低電圧側接続点Ncapとの間の電圧を出力してもよい。
電流検出器12は、直流電源10とインバータ20との間に流れるDC電流Idcを検出する。具体的には、電流検出器12は、高電圧側ノードPと、複数の端子Pu,Pv,Pwとの間の電流を、DC電流Idcとして出力する。又は、電流検出器12は、低電圧側ノードNと、複数の端子Nu,Nv,Nwとの間の電流を、DC電流Idcとして出力する。
なお、DC電力(Vdc×Idc)とAC電力(Vac×Iac)とが等しいとして、DC電流Idcは、次式により推定されてもよい。
Idc=(Vac×Iac)/Vdc ・・・(1)
この場合、AC電流Iacは、次式により、d軸電流id及びq軸電流iqから推定されてもよい。
AC電圧Vacは、例えばU-V間の線間電圧であれば、Vu-Vvにより算出することができる。また、AC電圧Vacは、V-W間の線間電圧であれば、Vv-Vwにより算出することができる。また、AC電圧Vacは、W-U間の線間電圧であれば、Vw-Vuにより算出することができる。また、AC電圧Vacは、複数の線間電圧の平均から求められてもよい。
水温検出器80は、インバータ20の冷却水の温度、即ち水温を検出する。
<インバータ>
インバータ20は、複数のスイッチング素子を有している。また、インバータ20は、複数のスイッチング素子のスイッチング動作により、直流電源10からのDC電圧を、DC/AC変換する。DC/AC変換により得られたAC電圧は、交流回転電機30に印加される。
複数のスイッチング素子には、上アーム側の複数のスイッチング素子と、下アーム側の複数のスイッチング素子とが含まれている。上アーム側の複数のスイッチング素子としては、第1上アームスイッチング素子21a、第2上アームスイッチング素子21b、及び第3上アームスイッチング素子21cが用いられている。下アーム側のスイッチング素子としては、第1下アームスイッチング素子22a、第2下アームスイッチング素子22b、及び第3下アームスイッチング素子22cが用いられている。
<交流回転電機>
交流回転電機30は、インバータ20からのAC電圧が印加されることにより、車両の駆動力及び制動力を制御する。車両は、電気自動車、ハイブリッド自動車等の電動化車両である。また、交流回転電機30は、例えば永久磁石同期電動機である。実施の形態1では、交流回転電機30として、3相の電機子巻線を備えた交流回転電機が用いられている。しかし、交流回転電機30の相数は、3相に限定されず、任意の相数としてもよい。
磁極位置検出器31は、交流回転電機30の磁極位置を検出する。また、磁極位置検出器31は、例えば、ホール素子、レゾルバ、又はエンコーダを有している。また、磁極位置検出器31は、交流回転電機30の回転子の基準回転位置に対する磁極の回転角度を検出し、検出した回転角度の検出値を示す信号を磁極位置θとして出力する。なお、磁極位置θは、q軸の回転角度を示す。また、回転子の基準回転位置は、任意の位置に予め設定されている。
電気角速度演算部50は、磁極位置検出器31から出力される磁極位置θを用いて、電気角速度ωを算出する。なお、電気角速度演算部50は、ホール素子、エンコーダ等により、交流回転電機30の電気角速度ωを直接検出してもよい。
第1電流センサ33aは、交流回転電機30のU相を流れる電流量iUを検出する。第2電流センサ33bは、交流回転電機30のV相を流れる電流量iVを検出する。第3電流センサ33cは、交流回転電機30のW相を流れる電流量iWを検出する。
なお、電流センサの数は、2つにしてもよい。その場合、2相の電流量のみが検出され、残りの1相の電流量は、検出された2相の電流量から演算により求められる。
<インバータ制御装置>
インバータ制御装置40は、インバータ20に含まれる複数のスイッチング素子のスイッチング動作を制御する。これにより、インバータ制御装置40は、インバータ20と交流回転電機30との接続ノードの電位Vu,Vv,Vwを調整し、交流回転電機30に流れる電流量を制御する。
インバータ制御装置40は、機能ブロックとして、電流指令演算部41、d軸電流制御器42、q軸電流制御器43、二相-三相電圧変換部44、PWM(Pulse Width Modulation)回路45、ゲートドライバ46、及び三相-二相電流変換部47を有している。また、インバータ制御装置40は、dqベクトル制御によりインバータ20を制御することによって、交流回転電機30の回転制御を行う。
電流指令演算部41には、過熱保護制御装置70からトルク指令が入力される。トルク指令は、交流回転電機30に発生させるトルクに関する指令である。電流指令演算部41は、トルク指令に基づいて、d軸電流指令値Cid及びq軸電流指令値Ciqを算出する。また、電流指令演算部41は、d軸電流指令値Cidをd軸電流制御器42に出力する。また、電流指令演算部41は、q軸電流指令値Ciqをq軸電流制御器43に出力する。
三相-二相電流変換部47には、第1電流センサ33a、第2電流センサ33b、及び第3電流センサ33cから、それぞれ電流量iU,iV,iWが入力される。三相-二相電流変換部47は、磁極位置検出器31からの磁極位置θに基づいて、3相の電流量iU,iV,iWを、2相の電流量、即ちd軸電流id及びq軸電流iqに変換する。
また、三相-二相電流変換部47は、d軸電流idをd軸電流制御器42に出力するとともに、q軸電流iqをq軸電流制御器43に出力する。
d軸電流制御器42は、電流指令演算部41からのd軸電流指令値Cidと三相-二相電流変換部47からのd軸電流idとの偏差が「0」となるように、直流のd軸電圧指令値Cvdを算出し、二相-三相電圧変換部44に出力する。
q軸電流制御器43は、電流指令演算部41からのq軸電流指令値Ciqと三相-二相電流変換部47からのq軸電流iqとの偏差が「0」となるように、直流のq軸電圧指令値Cvqを算出し、二相-三相電圧変換部44に出力する。
二相-三相電圧変換部44は、磁極位置検出器31からの磁極位置θに基づいて、2相直流のd軸電圧指令値Cvd及びq軸電圧指令値Cvqを、3相交流の電圧指令値Cvu,Cvv,Cvwに変換し、PWM回路45に出力する。
PWM回路45は、複数のスイッチ制御信号をゲートドライバ46に出力する。各スイッチ制御信号は、インバータ20に含まれる複数のスイッチング素子のうち、対応するスイッチング素子を制御する信号である。
ゲートドライバ46は、PWM回路45からの各スイッチ制御信号に基づいて、対応するスイッチング素子にスイッチング動作をさせる。
<過熱保護制御装置>
過熱保護制御装置70は、機能ブロックとして、DC電力演算部71、第1判定出力値設定部72、熱量演算部75、第1判定熱量相当値設定部76、第2判定熱量相当値設定部77、DC電力指令部78、最大電流調整部81、許容トルク演算部82、トルク指令演算部83、放熱量設定部84、第1ローパスフィルタ85、及び第2ローパスフィルタ86を有している。
また、過熱保護制御装置70は、監視対象部品の過熱保護を行う。即ち、過熱保護制御装置70は、監視対象部品が過熱状態とならないように、監視対象部品を保護する。監視対象部品は、高電圧側ノードPと低電圧側ノードNとの間の部品、及び高電圧側接続点Pcapと低電圧側接続点Ncapとの間の部品、又はそれらの周囲の部品である。また、過熱保護制御装置70は、電流指令演算部41にトルク指令を出力する。
DC電力演算部71は、インバータ20における電力を算出する。具体的には、DC電力演算部71は、DC電圧VdcとDC電流Idcとに基づいて、インバータ20に供給されているDC電力を算出する。DC電力は、DC電圧VdcとDC電流Idcとの積を絶対値処理した値である。DC電力は、絶対値処理が施されているため、力行動作と回生動作とのどちらにも対応できる値である。
DC電力演算部71は、DC電力を、熱量演算部75、第1判定熱量相当値設定部76、及び最大電流調整部81に出力する。
なお、DC電力は、DC電圧とDC電流との積を絶対値処理する演算処理に限らず、他の演算処理によって算出されてもよい。例えば、DC電力は、交流回転電機30の力行動作では、トルクと回転数との積を、モータ効率とインバータ効率とにより除した値を絶対値処理する演算処理によって算出されてもよいし、AC電力をインバータ効率により除した値から算出されてもよい。また、DC電力は、交流回転電機30の回生動作では、トルクと、回転数と、モータ効率と、インバータ効率との積を絶対値処理する演算処理によって算出されてもよいし、AC電力とインバータ効率との積によって算出されてもよい。これらの算出方法を用いた場合も、力行動作と回生動作とのどちらにも対応できる。
第1判定出力値設定部72は、第1判定出力値を記憶している。第1判定出力値は、予め設定されているDC電力の閾値である。また、第1判定出力値は、連続で出力されると、監視対象部品の温度が限界温度を超えて、監視対象部品が破損する最小値に設定されている。限界温度は、監視対象部品に固有の温度である。第1判定出力値設定部72からの第1判定出力値は、熱量演算部75に入力される。
熱量演算部75には、DC電力演算部71により算出されたDC電力と、第1判定出力値設定部72からの第1判定出力値と、水温検出器80により検出された水温とが入力される。また、熱量演算部75は、電流2乗時間積演算部73と、減算値取得部74とを有している。
電流2乗時間積演算部73は、電流2乗時間積値を算出する。電流2乗時間積値は、直流電源10とインバータ20との間に流れるDC電流Idcの2乗に時間を掛けた値である。減算値取得部74は、減算値を取得する。減算値は、DC電力と、水温検出器80により検出される水温とに基づいて設定される値である。また、減算値を設定するときのDC電力と水温とは、それぞれローパスフィルタ処理を施した値であってもよい。
熱量演算部75は、DC電力演算部71により算出されたDC電力と、第1判定出力値設定部72からの第1判定出力値とを比較し、比較結果に基づいて、熱量相当値を算出する。
DC電力の値が第1判定出力値以上である場合、熱量演算部75は、電流2乗時間積演算部73により算出された電流2乗時間積値を、前回の熱量相当値に加算することにより、今回の熱量相当値を算出する。
DC電力の値が第1判定出力値未満である場合、熱量演算部75は、前回熱量相当値から、減算値取得部74により取得した減算値を減算することにより、今回の熱量相当値を算出する。
熱量演算部75は、熱量相当値をDC電力指令部78と第2判定熱量相当値設定部77とに出力する。このとき、熱量演算部75により算出される熱量相当値の最小値は、0とする。熱量相当値が負の値まで下がると、過熱保護温度相当の熱量相当値になるまでに加算される電流2乗時間積値が増えることになり、設定した過熱保護温度以上の温度になる。
放熱量設定部84には、放熱量設定値が予め設定されている。放熱量設定値は、監視対象部品の放熱量に相当する値である。熱量演算部75により算出された熱量相当値から放熱量設定値が減算されることで、監視対象部品が過熱保護温度以下となる。
DC電力演算部71からの出力は、第1ローパスフィルタ85を介して、第1判定熱量相当値設定部76に入力される。水温検出器80からの出力は、第2ローパスフィルタ86を介して、第1判定熱量相当値設定部76に入力される。第1ローパスフィルタ85及び第2ローパスフィルタ86のそれぞれには、予め設定されている周波数fc以上の周波数帯域の信号振幅を低下させるゲインが設定されている。
ここで、図2は、図1の第1ローパスフィルタ85及び第2ローパスフィルタ86を用いない場合における第1判定熱量相当値設定部76への入力信号と、第1判定熱量相当値設定部76からの出力信号とを示すグラフである。また、図3は、図1の第1ローパスフィルタ85及び第2ローパスフィルタ86への入力信号と、第1判定熱量相当値設定部76からの出力信号とを示すグラフである。図2及び図3において、横軸は時間を示している。
図2に示すように、第1ローパスフィルタ85及び第2ローパスフィルタ86を用いない場合、即ちローパスフィルタ処理を施さない場合、第1判定熱量相当値設定部76への入力信号がノイズ成分を含むため、入力信号の振幅が大きい。これにより、ノイズ成分を含んだ入力信号に対応した出力信号が、第1判定熱量相当値設定部76から出力される。
これに対して、第1ローパスフィルタ85及び第2ローパスフィルタ86を用いた場合、ローパスフィルタ処理を施された入力信号が第1判定熱量相当値設定部76に入力される。これにより、図3に示すように、ノイズ成分が抑制された入力信号に対応した出力信号が、第1判定熱量相当値設定部76から出力される。
また、図4は、熱量相当値と温度との関係の一例を示すグラフである。熱量相当値、即ち発熱量は、DC電流Idcの2乗に時間を掛けた値により表される。当然、発熱量が大きいと、監視対象部品の温度も高くなる。
図1に戻って、第1判定熱量相当値設定部76は、第1判定熱量相当値を設定する。第1判定熱量相当値は、水温、DC電力、回転数、及びAC電流のいずれか1つ以上に対してローパスフィルタ処理を施した値に応じて変化する熱量相当値である。実施の形態1では、水温及びDC電力に対してローパスフィルタ処理が施されている。また、第1判定熱量相当値は、監視対象部品が過熱保護温度相当となる熱量相当値である。第1判定熱量相当値設定部76からの第1判定熱量相当値は、DC電力指令部78に入力される。第1判定熱量相当値の設定方法は、後述する。
第2判定熱量相当値設定部77は、第2判定熱量相当値を設定する。第2判定熱量相当値は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値以上になったときの熱量相当値から事前に取得した放熱量設定値を減算した熱量相当値である。また、第2判定熱量相当値は、監視対象部品が過熱保護温度相当以下となる熱量相当値である。
また、第2判定熱量相当値は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値以上になったときから、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第2判定熱量相当値以下になるまで固定される。第2判定熱量相当値設定部77からの第2判定熱量相当値は、DC電力指令部78に入力される。第2判定熱量相当値は、第1判定熱量相当値よりも小さい値である。第2判定熱量相当値の具体的な設定方法は、後述する。
DC電力指令部78は、熱量演算部75により算出された熱量相当値に基づいて、インバータ20の電力を制御する。より詳細には、DC電力指令部78は、熱量演算部75により算出された熱量相当値と、第1判定熱量相当値及び第2判定熱量相当値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、DC電力制限値を設定する。
DC電力指令部78は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値以上になると、DC電力制限値を下げる。これにより、インバータ20におけるDC電力がDC電力制限値に制限され、監視対象部品が過熱状態から保護される。
DC電力指令部78は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第2判定熱量相当値以下になると、DC電力制限値を上げる。これにより、インバータ20におけるDC電力の制限が解除され、DC電力制限値がDC電力以上となり、監視対象部品に対する保護が解除される。
DC電力指令部78は、DC電力制限値を切り替える際、予め設定された傾きでDC電力制限値を漸減又は漸増させる。
図5は、図1のDC電力指令部78によるDC電力制限値の切り替え時におけるDC電力制限値の変化を、漸増処理を行う場合と行わない場合とで比較して示すグラフである。図5の横軸は、時間を示している。図5の縦軸は、DC電力制限値を示している。
図5の上段は、漸増処理を行わない場合のDC電力制限値の状態であり、例えば、時間taにおいてDC電力制限値は、PaからPbとなる。図5の下段は、漸増処理後を行う場合のDC電力制限値の状態であり、漸増する傾きが例えば(Pb-Pa)/(tb-ta)である場合、DC電力制限値をPaからPbに切り替える際、DC電力制限値は、時間(tb-ta)をかけてPaからPbとなる。
図6は、図1のDC電力指令部78によるDC電力制限値の切り替え時におけるDC電力制限値の変化を、漸減処理を行う場合と行わない場合とで比較して示すグラフである。図6の横軸は、時間を示している。図6の縦軸は、DC電力制限値を示している。
図6の上段は、漸減処理を行わない場合のDC電力制限値の状態であり、例えば、時間taにおいてDC電力制限値は、PbからPaとなる。図6の下段は、漸減処理を行う場合のDC電力制限値の状態であり、漸減する傾きが例えば(Pa-Pb)/(tb-ta)である場合、DC電力制限値をPbからPaに切り替える際、DC電力制限値は、時間(tb-ta)をかけてPbからPaとなる。
図1に戻って、最大電流調整部81は、交流回転電機30の最大電流を調整し、調整後の最大電流Imax_adjを許容トルク演算部82に出力する。
最大電流調整部81は、DC電力演算部71により得られたDC電力が、DC電力指令部78により設定されたDC電力制限値を超えないように、交流回転電機30の最大電流を制限する。これにより、監視対象部品の温度が、予め設定された制限温度を超過することが抑制され、監視対象部品の過熱による破損が防止される。
最大電流調整部81の具体的な構成及び動作については、後述する。また、制御を実施する調整部は、温度を抑制することができるパラメータの調整部であれば、電流の調整部でなくてもよい。
許容トルク演算部82は、最大電流調整部81から出力される調整後の最大電流Imax_adjに基づいて、許容トルクCtrq_alwを算出する。許容トルクCtrq_alwの具体的な算出方法については、後述する。
トルク指令演算部83は、許容トルク演算部82から出力される許容トルクCtrq_alwの範囲内になるように、トルク指令値Ctrqを算出し電流指令演算部41に出力する。
<最大電流調整部>
図7は、図1の過熱保護制御装置70の要部を示すブロック図である。最大電流調整部81は、DC電力と、DC電力指令部78により設定されたDC電力制限値の電力偏差ΔPdcとに基づいて、最大電流Imaxを調整し、調整後の最大電流Imax_adjを出力する。調整後の最大電流Imax_adjは、許容される最大の電流値である。
また、最大電流調整部81は、DC電力指令部78により設定されるDC電力制限値が、予め設定された監視対象部品の温度を超えないように、最大電流Imaxの値を調整する。これにより、監視対象部品の温度が、予め設定された制限温度に対して超過することが抑制され、監視対象部品の過熱による破損が防止される。
図8は、図7の最大電流調整部81の詳細な構成の一例を示すブロック図である。図8の例において、最大電流調整部81は、比例調整器60、積分調整器61、及び上下限制限部62を有している。
最大電流調整部81には、DC電力と、DC電力指令部78により設定されたDC電力制限値との電力偏差ΔPdcが入力される。電力偏差ΔPdcは、DC電力指令部78により設定されたDC電力制限値から、DC電力を減算した値である。従って、DC電力の値がDC電力制限値を超えている場合、DC電力偏差ΔPdcは負の値となる。この場合、DC電力の値が大きくなるほど、DC電力偏差ΔPdcの値は小さくなる。
比例調整器60は、入力された偏差に、比例ゲインKpaを乗算した値を出力する。この例では、比例調整器60における比例ゲインKpaは、正の値であるとする。
積分調整器61は、初期値を「最大電流Imaxの上限値」として、比例調整器60の出力を積分する。「最大電流Imaxの上限値」とは、上記の式(2)によって示された「相電流絶対値」が、設計上最大のd軸電流と設計上最大のq軸電流とを用いて計算された場合の値である。
即ち、いかなる条件でも、意図的に、「最大電流Imaxの上限値」よりも大きい「相電流絶対値」の電流を流すことはない。一方、最大電流Imaxは、変化する値であり、「ゼロ」と「最大電流Imaxの上限値」との間で調整される。
DC電力の値が、DC電力指令部78により設定されたDC電力制限値よりも大きくなると、比例調整器60の出力は負の値となり、これに伴い、積分調整器61の出力は減少する。
比例調整器60は、偏差に比例ゲインKpaを乗算した値を出力する。このため、DC電力偏差ΔPdcが負の値の場合には、比例調整器60の出力は負の値となる。この場合、積分調整器61は負の値を積分するため、積分調整器61の出力は、初期値から徐々に減少する。
一方、DC電力が、DC電力指令部78により設定されたDC電力制限値以下の場合には、比例調整器60の出力は正の値となり、これに伴い、積分調整器61の出力は増加する。
このように、比例調整器60及び積分調整器61により、DC電力偏差ΔPdcに対する比例調整及び積分調整が行われる。そして、比例調整器60の出力と、積分調整器61の出力とは、加算器に入力される。加算器は、比例調整器60の出力と、積分調整器61の出力とを加算した値を、比例調整及び積分調整後の出力値として出力する。
上下限制限部62は、加算器からの出力値に対して、上限制限及び下限制限を行う。上下限制限部62において、上限値は「最大電流Imaxの上限値」であり、下限値は「0」である。
上下限制限部62は、上限値及び下限値を用いて上限制限及び下限制限を行うことにより、調整後の最大電流Imax_adjを算出する。
具体的には、加算器からの出力値が、上限値以下であり、かつ下限値以上である場合、上下限制限部62は、加算器からの出力値をそのまま調整後の最大電流Imax_adjとして出力する。
一方、加算器からの出力値が、上限値よりも大きい場合、上下限制限部62は、上限値を調整後の最大電流Imax_adjとして出力する。また、加算器からの出力値が、下限値よりも小さい場合、上下限制限部62は、下限値を調整後の最大電流Imax_adjとして出力する。
図9は、図7の最大電流調整部81における入力と出力との関係の第1例を示すグラフであり、図9の上段は入力の状態を示し、図9の下段は出力の状態を示している。また、図9は、DC電力偏差ΔPdcが正の場合を示している。図10は、図7の最大電流調整部81における入力と出力との関係の第2例を示すグラフであり、図10の上段は入力の状態を示し、図10の下段は出力の状態を示している。また、図10は、DC電力偏差ΔPdcが負の場合を示している。
出力である最大電流Imax_adjの初期値は、最大電流Imaxの上限値であり、例えば1000Aである。
まず、図9に示すDC電力偏差ΔPdcが正の場合を考える。DC電力の値がDC電力制限値よりも小さいので、比例調整器60の出力は正となり、積分調整器61の出力も正となり、上下限制限部62の出力は増加していく。これにより、調整後の最大電流Imax_adjは加算され続け、上下限制限部62から、調整後の最大電流Imax_adjとして、上限値である1000Aが出力される。
次に、図10に示すDC電力偏差ΔPdcが負の場合を考える。DC電力の値がDC電力制限値よりも大きいので、比例調整器60の出力は負となり、積分調整器61の出力も負となり、上下限制限部62の出力は減少していく。これにより、調整後の最大電流Imax_adjは減算され続け、上下限制限部62の出力は、上限値1000Aから減少した値となる。
このとき、DC電力の値がDC電力制限値となるときの電流が500Aであるとすると、最大電流Imaxが500Aとなるまで、上下限制限部62に入力する値は減少する。電流が500Aに落ち着くと、DC電力の値とDC電力制限値との均衡が保たれるので、DC電力偏差ΔPdcが0になる。これにより、調整後の最大電流Imax_adjは、DC電力制限値の電流になるようにフィードバック制御され続け、上下限制限部62から、調整後の最大電流Imax_adjとして、500Aが出力される。
図8の例では、上限値が「最大電流Imaxの上限値」に設定されているため、調整後の最大電流Imax_adjが、「最大電流Imaxの上限値」を超えることはない。また、下限値が「0」に設定されているため、調整後の最大電流Imax_adjが、負の値となることが抑制されている。
なお、最大電流調整部81の構成は、図8の例に限らず、交流回転電機30に通電する最大電流Imaxは、他の方法により調整されてもよい。
<許容トルク演算部>
次に、図7における許容トルク演算部82について説明する。許容トルク演算部82は、まず、電圧検出器11により検出されたDC電圧Vdcと、予め設定された最大変調率MFmaxとを用い、以下の演算式により、最大電圧Vmaxを算出する。
次に、許容トルク演算部82は、最大電圧Vmaxと、電気角速度演算部50により検出された電気角速度ωとを用いて、以下の演算式により、最大鎖交磁束FLmaxを算出する。
FLmax=Vmax÷ω
また、許容トルク演算部82は、最大鎖交磁束FLmaxと、最大電流調整部81から入力された調整後の最大電流Imax_adjとに基づいて、許容トルクCtrq_alwの上限値Ctrq_alw_upperと下限値Ctrq_alw_lowerとを求める。
図11は、図7の許容トルク演算部82において、許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperを求める方法の一例を示すテーブルである。図12は、図7の許容トルク演算部82において、許容トルクの下限値Ctrq_alw_lowerを求める方法の一例を示すテーブルである。
図11及び図12において、横軸は最大鎖交磁束FLmax、縦軸は調整後の最大電流Imax_adjを示している。許容トルク演算部82は、例えば、図11及び図12に示すテーブルを用いて、許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperと下限値Ctrq_alw_lowerとをそれぞれ求める。
許容トルク演算部82により求められた、許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperと下限値Ctrq_alw_lowerとは、トルク指令演算部83に入力され、トルク指令演算部83によりトルク指令値Ctrqが設定される。
<トルク指令演算部>
トルク指令演算部83は、以下の(1)~(3)に示すように、調整後のトルク指令値Ctrqの値を設定する。
(1)トルク指令値>許容トルクの上限値の場合:
→Ctrq=Ctrq_alw_upper
(2)許容トルクの上限値≧トルク指令値≧許容トルクの下限値の場合:
→Ctrq=Ctrq
(3)トルク指令値<許容トルクの下限値の場合:
→Ctrq=Ctrq_alw_lower
このようにして、トルク指令演算部83により、調整後のトルク指令値Ctrqが設定される。この後、調整後のトルク指令値Ctrqは、トルク指令演算部83から、インバータ制御装置40の電流指令演算部41に受け渡される。
<過熱保護制御装置の動作>
次に、過熱保護制御装置70における動作の流れについて、図13及び図14を用いて説明する。図13は、図1の過熱保護制御装置70の動作における前半部分を示すフローチャートである。図14は、図1の過熱保護制御装置70の動作における後半部分を示すフローチャートである。
図13の動作は、ステップS100において、一定時間ごとにコールされる。図13の動作が開始されると、過熱保護制御装置70は、ステップS101において、第1判定出力値設定部72において設定された第1判定出力値Pdc_1を取得する。続いて、過熱保護制御装置70は、ステップS102において、非制限時DC電力制限値Pdc_N_Reを取得する。非制限時DC電力制限値Pdc_N_Reは、インバータ20において許容できる最大DC電力である。さらに、過熱保護制御装置70は、ステップS103において、水温検出器80から水温情報を取得する。
この後、過熱保護制御装置70は、ステップS104において、取得した水温情報に基づいて、制限時DC電力制限値Pdc_Reを取得する。続いて、過熱保護制御装置70は、ステップS105において、DC電流Idcを取得する。さらに、過熱保護制御装置70は、ステップS106において、DC電圧Vdcを取得する。
この後、過熱保護制御装置70は、ステップS107において、DC電力Pdcを算出する。そして、過熱保護制御装置70は、ステップS108において、取得した水温情報と算出したDC電力Pdcとに対して、ローパスフィルタ処理を施す。さらに、過熱保護制御装置70は、ステップS109において、第1判定熱量相当値N_1を算出する。
次に、過熱保護制御装置70は、ステップS110において、ステップS107の処理により取得したDC電力Pdcと、ステップS101の処理により取得した第1判定出力値Pdc_1とを比較する。
DC電力Pdcが第1判定出力値Pdc_1以上の場合、過熱保護制御装置70は、ステップS111において、電流2乗時間積値Nを算出する。電流2乗時間積値Nは、ステップS105の処理により取得したDC電流Idcの2乗に時間を掛け算した値である。
電流2乗時間積値Nを算出した後、過熱保護制御装置70は、ステップS112において、前回熱量相当値に、ステップS111の処理により算出した電流2乗時間積値Nを加算する。
一方、DC電力Pdcが第1判定出力値Pdc_1未満の場合、過熱保護制御装置70は、ステップS113において、ステップS103の処理により取得した水温と、ステップS107の処理により算出したDC電力Pdcとに基づいて、減算値N_decを算出する。
減算値N_decを算出した後、過熱保護制御装置70は、ステップS114において、前回熱量相当値から、ステップS113の処理により算出した減算値N_decを減算する。
続いて、過熱保護制御装置70は、ステップS115において、放熱量設定値を取得する。さらに、過熱保護制御装置70は、ステップS116において、ステップS112の処理又はステップSS114の処理により取得した熱量相当値から、ステップS115の処理により取得した放熱量設定値を減算し、第2判定熱量相当値N_2を算出する。その後、過熱保護制御装置70は、図14のステップS117の処理に進む。
次に、過熱保護制御装置70は、図14のステップS117において、ステップS112の処理又はステップS114の処理により算出した熱量相当値と、ステップS109の処理により取得した第1判定熱量相当値N_1とを比較する。
熱量相当値が第1判定熱量相当値N_1以上の場合、過熱保護制御装置70は、ステップS118において、保護フラグが“1”であるか否かを判定する。保護フラグが“1”である場合、過熱保護制御装置70は、ステップS125の処理に進む。
保護フラグが“0”である場合、過熱保護制御装置70は、ステップS119において、保護フラグを“1”にセットする。さらに、過熱保護制御装置70は、ステップS120において、第2判定熱量相当値N_2を固定し、ステップS125の処理に進む。
一方、熱量相当値が第1判定熱量相当値N_1よりも小さい場合、過熱保護制御装置70は、ステップS121において、ステップS112の処理又はステップS114の処理により算出した熱量相当値と、ステップS116の処理により取得した第2判定熱量相当値N_2とを比較する。
熱量相当値が第2判定熱量相当値N_2以下の場合、過熱保護制御装置70は、ステップS122において、保護フラグを“0”にセットする。さらに、過熱保護制御装置70は、ステップS123において、第2判定熱量相当値N_2の固定を解除し、ステップS125の処理に進む。
一方、熱量相当値が第2判定熱量相当値N_2よりも大きい場合、過熱保護制御装置70は、ステップS124において、前回の保護フラグを保持し、ステップS125の処理に進む。
次に、過熱保護制御装置70は、ステップS125において、保護フラグが“1”であるか否かを判定する。
保護フラグが“1”である場合、過熱保護制御装置70は、ステップS126において、DC電力制限値を、ステップS104の処理により取得した制限時DC電力制限値Pdc_Reに設定し、出力を制限する。
保護フラグが“0”である場合、過熱保護制御装置70は、ステップS127において、DC電力制限値を、ステップS102の処理により取得した非制限時DC電力制限値Pdc_N_Reに設定し、出力を制限しない。
この後、過熱保護制御装置70は、ステップS128において、前回熱量相当値に今回の熱量相当値を代入し、熱量相当値情報を最新値に更新する。
このような動作により、監視対象部品の過熱保護機能を備えた、インバータ20の制御が実施される。なお、図13及び図14の処理は、一定時間Δtごとに繰り返し実行される。Δtは、例えばマイクロコンピューターの演算処理周期であってもよい。演算処理周期Δtが短いほど、熱量相当値を更新する頻度が高くなり、温度を精度良く推定することができる。
次に、過熱保護制御装置70におけるデータ取得方法について説明する。
<電流2乗時間積値N>
電流2乗時間積値Nは発熱量に相当し、DC電流Idcの2乗に比例する値が、電流検出する時間Δtごとに算出される。一般的に知られているジュール熱の考え方と同様に、発熱量は、当然、電流が大きいほど大きくなり、電流が流れる時間が長いほど大きくなる。また、発熱量は、電流が小さいほど小さくなり、電流が流れる時間が短いほど小さくなる。
<第1判定熱量相当値N_1>
第1判定熱量相当値N_1は、過熱保護する温度に相当し、水温、DC電力、回転数、及びAC電流のいずれか1つ以上に対してローパスフィルタ処理を施した値に応じて基づいて決まる値である。
図15は、水温と、DC電力と、第1判定熱量相当値N_1との関係の一例を示す表である。図16は、図15に対応する水温と、DC電力と、第1判定熱量相当値N_1との関係を示すグラフである。
図15及び図16に示す値は、それぞれ事前に取得したデータをもとに決められた値であって、製品、使用環境等により異なる値となる。即ち、第1判定熱量相当値N_1は、図15及び図16に示した値に限定されない。
まず、水温が変化する場合を考える。例えば、水温が25℃、DC電力が15kWの場合、第1判定熱量相当値N_1は、15,000,000である。また、水温が65℃、DC電力が15kWの場合、第1判定熱量相当値N_1は、4,000,000である。さらに、水温が85℃、DC電力が15kWの場合、第1判定熱量相当値N_1は、0である。
このように、水温が高いほど、第1判定熱量相当値N_1は小さく設定される。水温が高いほど、同じ発熱量でも監視対象部品の温度は高くなるため、第1判定熱量相当値N_1を小さくすることで、過熱保護温度を一定値に調整することができる。また、第1判定熱量相当値N_1が0の場合、第1判定出力値以上の出力は制限される。
水温が、予め設定された温度以外である場合、予め設定された2点の水温から線形補間して、第1判定熱量相当値N_1が算出される。例えば水温が75℃、DC電力が15kWの場合、水温65℃、DC電力15kWにおける値と、水温85℃、DC電力15kWにおける値とを線形補間して、第1判定熱量相当値N_1は、2,000,000となる。
次に、DC電力が変化する場合を考える。例えば、水温が25℃、DC電力が15kWの場合、第1判定熱量相当値N_1は、15,000,000である。また、水温が25℃、DC電力が19kWの場合、第1判定熱量相当値N_1は、7,500,000である。さらに、水温が25℃、DC電力が20kWの場合、第1判定熱量相当値N_1は、6,100,000である。
このように、DC電力が高いほど、第1判定熱量相当値N_1は小さく設定される。DC電力が高いほど、同じ水温でも監視対象部品の温度は高くなるため、第1判定熱量相当値N_1を小さくすることで、過熱保護温度を一定値に調整することができる。
DC電力の値が、予め設定された値以外である場合、予め設定された2点のDC電力から線形補間して、第1判定熱量相当値N_1が算出される。例えば水温が25℃、DC電力が19.5kWの場合、水温25℃、DC電力19kWにおける値と、水温25℃、DC電力20kWにおける値とを線形補間して、第1判定熱量相当値N_1は、6,800,000となる。
<第2判定熱量相当値N_2>
第2判定熱量相当値N_2は、過熱保護を解除する温度に相当し、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値N_1以上になったときの熱量相当値から、事前に取得した放熱量設定値を減算した熱量相当値である。
第2判定熱量相当値N_2は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値N_1以上になったときから、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第2判定熱量相当値N_2以下になるまで固定される。
熱量演算部75により算出された熱量相当値から、放熱量設定値、即ち放熱量相当値分が減算されることにより、監視対象部品の温度が過熱保護温度相当以下に抑えられる。
<減算値N_dec>
減算値N_decは、温度低下分に相当し、水温とDC電力とによって決まる値である。水温及びDC電力のそれぞれは、ローパスフィルタ処理を施した値であってもよい。
図17は、水温と、DC電力と、減算値N_decとの関係の一例を示す表である。図18は、図17に対応する水温と、DC電力と、減算値N_decとの関係を示すグラフである。
図17及び図18に示す値は、それぞれ事前に取得したデータをもとに決められた値であって、製品、使用環境等により異なる値となる。即ち、減算値N_decは、図17及び図18に示した値に限定されない。
また、図17及び図18に示す減算値N_decは、例えば10msごとに処理されることを想定した値であるとする。この場合、実際の処理周期が1msであれば、減算値N_decとしては、図17及び図18に示す値の10分の1倍の値が用いられる。
図17及び図18に示すデータを取得する際には、第1温度から、第1温度よりも低い第2温度まで低下するのにかかる時間を測定するとともに、第1温度及び第2温度を熱量相当値に換算することにより、時間当たりの減算値N_decが算出される。
図19は、図1のインバータ20に接続されている導体の温度の時間変化を、高水温時と低水温時とのそれぞれにおいて測定した結果を示すグラフである。
水温が低い場合、導体の温度が第1温度TAから第2温度TBになるまでに必要な時間は、tB-tAとなる。一方、水温が高い場合、温度が下がりにくくなるため、第1温度TAから第2温度TBになるまでに必要な時間は、tC-tAとなり、水温が低い場合よりも長くなる。
図4に示した関係から温度を熱量相当値に換算すれば、時間当たりの減算値N_decを算出することができる。算出される減算値N_decは、水温が低い場合よりも、水温が高い場合に小さくなる。
まず、水温が変化する場合を考える。例えば、水温が25℃、DC電力が0kWの場合、減算値N_decは120である。また、水温が65℃、DC電力が0kWの場合、減算値N_decは75である。さらに、水温が85℃以上、DC電力が0kWの場合、減算値N_decは0である。
このように、水温が高いほど、減算値N_decは小さくなる。水温が高いほど、同じ発熱量でも監視対象部品の温度は下がりにくいため、減算値N_decを小さくすることで、時系列変化に対応した温度推移を模擬することができる。反対に、水温が低いほど、同じ発熱量でも監視対象部品の温度は下がりやすいため、減算値N_decを大きくすることで、時系列変化に対応した温度推移を模擬することができる。
水温が、予め設定された温度以外である場合、2点の水温から線形補間して、減算値N_decが算出される。例えば水温75℃、DC電力0kWの場合、水温65℃、DC電力0kWにおける値と、水温85℃、DC電力0kWにおける値とを線形補間して、減算値N_decは37.5となる。
次に、DC電力が変化する場合を考える。例えば、水温が25℃、DC電力が0kWの場合、減算値N_decは120である。また、水温が25℃、DC電力が10kWの場合、減算値N_decは70である。さらに、水温が25℃、DC電力が13kWの場合、減算値N_decは0となる。
このように、DC電力が高いほど減算値N_decは小さく設定される。DC電力が高いほど、発熱量が大きく、監視対象部品の温度は下がりにくいため、減算値を小さくすることで、時系列変化に対応した温度推移を模擬することができる。反対に、DC電力が低いほど、発熱量が小さく、監視対象部品の温度は下がりやすいため、減算値を大きくすることで、時系列変化に対応した温度推移を模擬することができる。
DC電力の値が、予め設定された値以外である場合、予め設定された2点のDC電力から線形補間して、減算値N_decが算出される。例えば水温が25℃、DC電力が11.5kWの場合、水温25℃、DC電力10kWにおける値と、水温25℃、DC電力13kWにおける値とを線形補間して、減算値N_decは35となる。
<制限時DC電力制限値Pdc_Re>
制限時DC電力制限値Pdc_Reは、最大出力に相当し、水温によって決まる値である。
図20は、水温と制限時DC電力制限値Pdc_Reとの関係の一例を示す表である。図21は、図20に対応する水温と制限時DC電力制限値Pdc_Reとの関係を示すグラフである。
図20及び図21に示す値は、それぞれ事前に取得したデータをもとに決められた値であって、製品、使用環境等により異なる値となる。即ち、制限時DC電力制限値Pdc_Reは、図20及び図21に示した値に限定されない。
例えば水温が25℃の場合、制限時DC電力制限値Pdc_Reは、12kWである。また、水温が65℃の場合、制限時DC電力制限値Pdc_Reは、8kWである。さらに、水温が85℃の場合、制限時DC電力制限値Pdc_Reは、0kWである。
このように、水温が高いほど、制限時DC電力制限値Pdc_Reは小さく設定される。水温が高いほど、同じ発熱量でも監視対象部品の温度は高いため、制限時DC電力制限値Pdc_Reを小さくすることで、監視対象部品の温度を過熱保護温度内とすることができる。また、制限時DC電力制限値Pdc_Reが0kWの場合、これ以上発熱量を増やすことができないため、出力が0kWに制限される。
水温が、予め設定された温度以外の場合、予め設定された2点の水温から線形補間して、制限時DC電力制限値Pdc_Reが算出される。例えば水温が75℃の場合、水温65℃における値と、水温85℃における値とを線形補間して、制限時DC電力制限値Pdc_Reは、4kWとなる。
<タイミングチャート>
次に、図22は、実施の形態1の過熱保護動作を示すタイミングチャートである。以下、図22を用いて、過熱保護動作及び過熱保護解除動作について説明する。
図22(a)において、横軸は時間を示し、縦軸はDC電力指令値を示している。また、図22(a)では、第1判定出力値Pdc_1と制限時DC電力制限値Pdc_Reとを併記している。
図22(b)において、横軸は時間を示し、縦軸はDC電力を示している。また、図22(b)では、第1判定出力値Pdc_1と制限時DC電力制限値Pdc_Reとを併記している。
図22(c)において、横軸は時間を示し、縦軸はDC電流を示している。また、図22(c)では、DC電圧がVdcの場合、第1判定出力値Pdc_1時の電流Pdc_1/Vdcと、制限時DC電力制限値Pdc_Re時の電流Pdc_Re/Vdcとを併記している。
図22(d)において、横軸は時間を示し、縦軸は熱量相当値を示している。また、図22(d)では、熱量相当値と、第1判定熱量相当値N_1と、第2判定熱量相当値N_2とを併記している。
図22(e)において、横軸は時間を示し、縦軸はDC電力制限値を示している。また、図22(e)では、非制限時DC電力制限値Pdc_N_Reと制限時DC電力制限値Pdc_Reとを併記している。
図22(f)において、横軸は時間を示し、縦軸は過熱保護フラグを示している。
例えば、初期の熱量相当値が0の場合、区間t0~t1では、DC電力が第1判定出力値Pdc_1以下であるため、熱量相当値は加算されず、t1時点における熱量相当値は0となる。
区間t1~t2では、DC電力が第1判定出力値Pdc_1以上であるため、熱量相当値が加算される。このときの加算値である電流2乗時間積値Nは、N=Idc t2-t1×(t2-t1)となり、t2時点における熱量相当値はIdc t2-t1×(t2-t1)となる。
区間t2~t3では、DC電力が第1判定出力値Pdc_1以下であるため、熱量相当値が減算される。このとき、減算値は、図17を参照して、N_dect2-t3となる。そして、t3時点における熱量相当値は、Idc t2-t1×(t2-t1)-N_dect2-t3×(t3-t2)となる。
区間t3~t4では、DC電力が第1判定出力値Pdc_1以上であるため、熱量相当値が加算される。このときの加算値である電流2乗時間積値Nは、N=Idc t4-t3×(t4-t3)となる。そして、t4時点における熱量相当値は、Idc t2-t1×(t2-t1)-N_dect2-t3×(t3-t2)+Idc t4-t3×(t4-t3)となる。
熱量相当値の加算条件が続くことにより、t4時点における熱量相当値は、第1判定熱量相当値N_1に達するため、過熱保護フラグが“0”から“1”に切り替わる。また、第2判定熱量相当値N_2は、過熱保護フラグが“1”に切り替わったタイミングで、固定される。過熱保護フラグが“1”になると、DC電力指令部78によって、DC電力制限値が、非制限時DC電力制限値Pdc_N_Reから制限時DC電力制限値Pdc_Reに抑制される。
このとき、制限時DC電力制限値Pdc_Reは、図20を参照して設定される。但し、DC電力制限値は、図6に示すように、非制限時DC電力制限値Pdc_N_Reから制限時DC電力制限値Pdc_Reとなるまで一定時間で漸減される。これにより、DC電力指令値及びDC電力も、DC電力制限値に沿って漸減する。
しかし、出力制限後も、区間t4~t5では、DC電力が第1判定出力値Pdc_1以上であるため、熱量相当値が加算される。このときのDC電力は変化しており、DC電圧Vdcが一定の場合、Idct5-t4は変化する。
簡易的に説明するため、区間t4~t5のDC電流を平均化した値をIdct5-t4とすると、このときの加算値は、N=Idc t5-t4×(t5-t4)となる。そして、t5時点における熱量相当値は、Idc t2-t1×(t2-t1)-N_dect2-t3×(t3-t2)+Idc t4-t3×(t4-t3)+Idc t5-t4×(t5-t4)となる。
区間t5~t6では、出力が制限されており、DC電力は、引き続きDC電力制限値に沿って漸減し続け、第1判定出力値Pdc_1以下になる。このため、熱量相当値が減算される。このとき、減算値N_decは、図17を参照してN_dect5-t6となる。
区間t6~t7では、DC電力は、制限時DC電力制限値Pdc_Reに制限されており、第1判定出力値Pdc_1以下である。このため、熱量相当値は、減算される。このときの減算値N_decは、図17を参照してN_dect6-t7となる。そして、t7時点における熱量相当値は、Idc t2-t1×(t2-t1)-N_dect2-t3×(t3-t2)+Idc t4-t3×(t4-t3)+Idc t5-t4×(t5-t4)-N_dect5-t6×(t6-t5)-N_dect6-t7×(t7-t6)となる。
区間t7~t8では、DC電力指令値が制限時DC電力制限値Pdc_Reよりも小さい値となっており、DC電力の値も制限時DC電力制限値Pdc_Reよりも小さい値となっている。DC電力が第1判定出力値Pdc_1以下であるため、熱量相当値が減算される。このときの減算値N_decは、図17を参照してN_dect7-t8となる。区間t7~t8では、区間t6~t7に比べ、DC電力が小さいため、減算値が小さくなっている。
そして、t8時点における熱量相当値は、Idc t2-t1×(t2-t1)-N_dect2-t3×(t3-t2)+Idc t4-t3×(t4-t3)+Idc t5-t4×(t5-t4)-N_dect5-t6×(t6-t5)-N_dect6-t7×(t7-t6)-N_dect7-t8×(t8-t7)となる。
熱量相当値の減算条件が続くことにより、t8時点における熱量相当値は、第2判定熱量相当値N_2に達するため、過熱保護フラグが“1”から“0”に切り替わる。また、第2判定熱量相当値N_2は、過熱保護フラグが“0”に切り替わったタイミングで、固定された状態から解除される。過熱保護フラグが“0”になると、DC電力指令部78によって、DC電力制限値が、制限時DC電力制限値Pdc_Reから非制限時DC電力制限値Pdc_N_Reに解除される。
このとき、DC電力制限値は、非制限時DC電力制限値Pdc_N_Ret8となる。DC電力制限値の切り替えによって、DC電力制限値は、非制限時DC電力制限値Pdc_N_Ret8となるまで、図5のように一定時間で漸増される。これにより、DC電力指令値及びDC電力もDC電力制限値に沿って漸増する。
区間t8~t9では、出力制限が解除され、DC電力は、DC電力制限値に沿って漸増するが、第1判定出力値Pdc_1以下であるため、熱量相当値が減算される。このときの減算値N_decは、図17を参照してN_dect8-t9となる。
そして、t9時点における熱量相当値は、Idc t2-t1×(t2-t1)-N_dect2-t3×(t3-t2)+Idc t4-t3×(t4-t3)+Idc t5-t4×(t5-t4)-N_dect5-t6×(t6-t5)-N_dect6-t7×(t7-t6)-N_dect7-t8×(t8-t7)-N_dect8-t9×(t9-t8)となる。
区間t9~t10では、DC電力が再び第1判定出力値Pdc_1以上になるため、熱量相当値が加算される。このときの加算値である電流2乗時間積値Nは、区間t9~t10におけるDC電流を平均化した値をIdct10-t9とすると、N=Idc t10-t9×(t10-t9)となる。
そして、t10時点における熱量相当値は、Idc t2-t1×(t2-t1)-N_dect2-t3×(t3-t2)+Idc t4-t3×(t4-t3)+Idc t5-t4×(t5-t4)-N_dect5-t6×(t6-t5)-N_dect6-t7×(t7-t6)-N_dect7-t8×(t8-t7)-N_dect8-t9×(t9-t8)+Idc t10-t9×(t10-t9)となる。
このような過熱保護制御装置70において、熱量演算部75は、DC電力の値が第1判定出力値Pdc_1以上である場合、電流2乗時間積演算部73によって算出された電流2乗時間積値Nを、前回の熱量相当値に加算する。また、熱量演算部75は、DC電力の値が第1判定出力値Pdc_1未満である場合、前回熱量相当値から、減算値取得部74により取得した減算値N_decを減算することにより、今回の熱量相当値を算出する。
また、DC電力指令部78は、熱量演算部75によって算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値N_1以上になると、インバータ20におけるDC電力を制限する。また、DC電力指令部78は、熱量演算部75によって算出された熱量相当値が第2判定熱量相当値N_2以下になると、インバータ20におけるDC電力の制限を解除する。
このため、監視対象部品に対する過熱保護を実施する際にも、インバータ20の動作が停止されることがない。これにより、インバータ20に対する過剰な保護を抑制することができ、インバータ20の運転効率の低下を抑制することができる。
また、第2判定熱量相当値N_2は、電力制限開始時の熱量相当値から放熱量設定値を減算した熱量相当値である。また、第2判定熱量相当値N_2は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値N_1以上になったときから、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第2判定熱量相当値N_2以下になるまで固定される。即ち、第2判定熱量相当値N_2は、電力の制限開始時から制限解除時まで固定される。
このため、電力制限開始により電力が低下しても、期待するタイミングで電力制限を解除することができ、監視対象部品が過熱保護温度相当以下になるまで制限が維持され、監視対象部品の故障をより確実に抑制することができる。
また、第1判定熱量相当値N_1は、水温及びDC電力のそれぞれに対してローパスフィルタ処理を施した値に応じて変化する熱量相当値である。このため、水温、及びDC電力にノイズ成分が含まれても、監視対象部品の温度が過熱保護温度相当により制限され、監視対象部品の故障をより確実に抑制することができる。
また、第2判定熱量相当値N_2は、電力の制限開始時の熱量相当値から放熱量設定値を減算した値に設定される。これにより、監視対象部品の温度を、より確実に過熱保護温度相当以下とすることができる。
実施の形態2.
次に、図23は、実施の形態2による過熱保護制御装置70の要部を示すブロック図である。実施の形態2では、実施の形態1に対して、第1判定熱量相当値設定部76による第1判定熱量相当値N_1の設定方法が変更されている。その他に関しては実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。
実施の形態2における第1判定熱量相当値N_1は、水温及びDC電力のそれぞれに対してローパスフィルタ処理を施した値と、交流回転電機30の回転数とに応じて変化する熱量相当値である。
図23に示すように、実施の形態2では、第1判定熱量相当値設定部76に回転数ωが入力されている。回転数ωとして、ローパスフィルタ処理が施された値が用いられてもよい。
図24は、回転数とAC電流との関係の一例を示すグラフである。図25は、回転数と、第1判定熱量相当値N_1との関係の一例を示すグラフである。
例えば、T-N特性の肩口までの回転数では、DC電力、DC電圧、DC電流、及び水温がそれぞれ一定の場合、回転数が増加するとAC電流は減少する。AC電流が減少すると、AC側の発熱量が減少する。AC側の発熱量がDC側に影響を与える場合、回転数が増加すると、DC側の温度が低くなる。よって、回転数が高いほど、同じ水温、同じ電力でも監視対象部品の温度が低くなるため、第1判定熱量相当値N_1を大きくすることで、過熱保護温度を一定値に調整することができる。
このように、第1判定熱量相当値N_1が、回転数ωに応じて変化する熱量相当値である場合も、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
次に、図26は、実施の形態3による過熱保護制御装置70の要部を示すブロック図である。実施の形態3では、実施の形態1に対して、第1判定熱量相当値設定部76による第1判定熱量相当値N_1の設定方法が変更されている。その他に関しては実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。
実施の形態3における第1判定熱量相当値N_1は、水温及びDC電力のそれぞれに対してローパスフィルタ処理を施した値と、AC電流とに応じて変化する熱量相当値である。
図26に示すように、実施の形態3では、実施の形態1における第1判定熱量相当値設定部76にAC電流、即ち相電流実効値が入力されている。相電流実効値として、ローパスフィルタ処理が施された値が用いられてもよい。
図27は、AC電流とDC電流との関係の一例を示すグラフである。図28は、AC電流と、第1判定熱量相当値N_1との関係の一例を示すグラフである。
DC電圧、水温、及び回転数が一定の場合、AC電流が増加するとDC電流も増加し、発熱量が増加する。よって、AC電流が高いほど、同じ水温、同じ回転数でも監視対象部品の温度が高くなるため、第1判定熱量相当値N_1を小さくすることで、過熱保護温度を一定値に調整することができる。
このように、第1判定熱量相当値N_1が、AC電流に応じて変化する熱量相当値である場合も、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
次に、図29は、実施の形態4による過熱保護制御装置70の要素を示すブロック図である。実施の形態4では、実施の形態1に対して、第2判定熱量相当値設定部77による第2判定熱量相当値N_2の設定方法が変更されている。その他に関しては実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。
実施の形態4では、第2判定熱量相当値N_2が、第1判定熱量相当値N_1を用いて算出される場合について説明する。
図29に示すように、実施の形態4では、実施の形態1における第2判定熱量相当値設定部77に第1判定熱量相当値N_1が入力されている。
第2判定熱量相当値N_2は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値N_1以上になったときの第1判定熱量相当値N_1から放熱量設定値を減算した熱量相当値に設定される。即ち、第2判定熱量相当値N_2は、電流の制限開始時における第1判定熱量相当値N_1から放熱量設定値を減算した熱量相当値に設定される。
第2判定熱量相当値N_2は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値N_1以上になったときから、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第2判定熱量相当値N_2以下になるまで固定される。
このように、第2判定熱量相当値N_2が、第1判定熱量相当値N_1を用いて算出される場合にも、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
次に、図30は、実施の形態5による過熱保護制御装置70の要素を示すブロック図である。実施の形態5では、実施の形態4に対して、第1判定熱量相当値設定部76による第1判定熱量相当値N_1の設定方法が変更されている。その他に関しては実施の形態4と同様であるため、実施の形態4と異なる部分についてのみ説明する。
実施の形態5では、第1判定熱量相当値N_1が、交流回転電機30の回転数ωによって変化する場合について説明する。
図30に示すように、実施の形態5では、実施の形態4における第1判定熱量相当値設定部76に回転数ωが入力されている。回転数ωとして、ローパスフィルタ処理が施された値が用いられてもよい。
実施の形態2と同様、T-N特性の肩口までの回転数では、DC電力、DC電圧、DC電流、及び水温がそれぞれ一定の場合、回転数が増加するとAC電流は減少する。AC電流が減少すると、AC側の発熱量が減少する。AC側の発熱量がDC側に影響を与える場合、回転数が増加すると、DC側の温度が低くなる。よって、回転数が高いほど、同じ水温、同じ電力でも監視対象部品の温度が低くなるため、第1判定熱量相当値N_1を大きくすることで、過熱保護温度を一定値に調整することができる。
実施の形態6.
次に、図31は、実施の形態6による過熱保護制御装置70の要部を示すブロック図である。実施の形態6では、実施の形態4に対して、第1判定熱量相当値設定部76による第1判定熱量相当値N_1の設定方法が変更されている。その他に関しては実施の形態4と同様であるため、実施の形態4と異なる部分についてのみ説明する。
実施の形態6では、第1判定熱量相当値N_1が、AC電流によって変化する場合について説明する。
図31に示すように、実施の形態6では、実施の形態4における第1判定熱量相当値設定部76にAC電流、即ち相電流実効値が入力されている。相電流実効値として、ローパスフィルタ処理が施された値が用いられてもよい。
実施の形態3と同様、DC電圧、水温、及び回転数が一定の場合、AC電流が増加するとDC電流も増加し、発熱量が増加する。よって、AC電流が高いほど、同じ水温、同じ回転数でも監視対象部品の温度が高くなるため、第1判定熱量相当値N_1を小さくすることで、過熱保護温度を一定値に調整することができる。
実施の形態7.
次に、図32は、実施の形態7による過熱保護制御装置70の要素を示すブロック図である。実施の形態7では、実施の形態1に対して、第2判定熱量相当値設定部77による第2判定熱量相当値N_2の設定方法が変更されている。その他に関しては実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。
実施の形態7における第2判定熱量相当値N_2は、水温、DC電力、回転数、及びAC電流のいずれか1つ以上に応じて変化する熱量相当値に設定される。水温、DC電力、回転数、及びAC電流として、ローパスフィルタ処理が施された値が用いられてもよい。
図32に示すように、実施の形態7では、実施の形態1における第2判定熱量相当値設定部77に水温とDC電力が入力されている。第2判定熱量相当値N_2は、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第1判定熱量相当値N_1以上になったときから、熱量演算部75により算出された熱量相当値が第2判定熱量相当値N_2以下になるまで固定される。
図33は、水温と、DC電力と、第2判定熱量相当値N_2との関係の一例を示す表である。図34は、図33に対応する水温と、DC電力と、第2判定熱量相当値N_2との関係を示すグラフである。
図33及び図34に示す値は、それぞれ事前に取得したデータをもとに決められた値であって、製品、使用環境等によって異なる値となる。即ち、第2判定熱量相当値N_2は、図33及び図34に示した値に限定されない。
まず、水温が変化する場合を考える。例えば、水温が25℃、DC電力が15kWの場合、第2判定熱量相当値N_2は、13,300,000である。また、水温が65℃、DC電力が15kWの場合、第2判定熱量相当値N_2は、2,300,000である。さらに、水温が85℃、DC電力が15kWの場合、第2判定熱量相当値N_2は、0である。
このように、水温が高いほど、第2判定熱量相当値N_2は小さく設定される。水温が高いほど、同じ発熱量でも監視対象部品の温度は高くなるため、第2判定熱量相当値N_2を小さくすることで、過熱保護を解除する温度を一定値に調整することができる。なお、使用状況によっては、過熱保護を解除する温度を調整することも可能である。
水温が、予め設定された温度以外である場合、予め設定された2点の水温から線形補間して、第2判定熱量相当値N_2が算出される。例えば水温が75℃、DC電力が15kWの場合、水温65℃、DC電力15kWにおける値と、水温85℃、DC電力15kWにおける値とを線形補間して、第2判定熱量相当値N_2は、1,150,000となる。
次に、DC電力が変化する場合を考える。例えば、水温が25℃、DC電力が15kWの場合、第2判定熱量相当値N_2は、13,300,000である。また、水温が25℃、出力が19kWの場合、第2判定熱量相当値N_2は、5,800,000である。さらに、水温が25℃、出力が20kWの場合、第2判定熱量相当値N_2は、4,400,000である。
このように、DC電力が高いほど、第2判定熱量相当値N_2は小さく設定される。DC電力が高いほど、同じ水温でも監視対象部品の温度は高くなるため、第2判定熱量相当値N_2を小さくすることで、過熱保護を解除する温度を一定値に調整することができる。
DC電力の値が、予め設定された値以外である場合、予め設定された2点のDC電力から線形補間して、第2判定熱量相当値N_2が算出される。例えば水温が25℃、DC電力が19.5kWの場合、水温25℃、DC電力19kWにおける値と、水温25℃、DC電力20kWにおける値とを線形補間して、第2判定熱量相当値N_2は、5,100,000となる。
このように、第2判定熱量相当値N_2が、水温、DC電力、回転数、及びAC電流のいずれか1つ以上に応じて変化する熱量相当値に設定される場合も、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、第2判定熱量相当値N_2が、水温、DC電力、回転数、及びAC電流のいずれか1つ以上にローパスフィルタ処理を施した値に基づいて算出される場合、ノイズ成分を除去することができ、より適正なタイミングにおいて、過熱保護の解除を行うことができる。
実施の形態8.
次に、図35は、実施の形態8による過熱保護制御装置70の要部を示すブロック図である。実施の形態8では、実施の形態7に対して、第1判定熱量相当値設定部76による第1判定熱量相当値N_1の設定方法、及び第2判定熱量相当値設定部77による第2判定熱量相当値N_2の設定方法が変更されている。その他に関しては実施の形態7と同様であるため、実施の形態7と異なる部分についてのみ説明する。
実施の形態8では、第1判定熱量相当値N_1及び第2判定熱量相当値N_2が、交流回転電機30の回転数ωによって変化する。回転数ωとして、ローパスフィルタ処理が施された値が用いられてもよい。
図35に示すように、実施の形態8では、第1判定熱量相当値設定部76及び第2判定熱量相当値設定部77にそれぞれ回転数ωが入力されている。
図36は、回転数と、第1判定熱量相当値N_1及び第2判定熱量相当値N_2との関係の一例を示すグラフである。
実施の形態2と同様、T-N特性の肩口までの回転数では、DC電力、DC電圧、DC電流、及び水温がそれぞれ一定の場合、回転数が増加するとAC電流は減少する。AC電流が減少すると、AC側の発熱量が減少する。AC側の発熱量がDC側に影響を与える場合、回転数が増加すると、DC側の温度が低くなる。よって、回転数が高いほど、同じ水温、同じ電力でも監視対象部品の温度が低くなるため、第1判定熱量相当値N_1を大きくすることで、過熱保護温度を一定値に調整することができる。
第2判定熱量相当値N_2についても、同様のことが言える。回転数が高いほど、同じ水温、同じ電力でも、監視対象部品の温度が低くなるため、第2判定熱量相当値N_2を大きくすることで、過熱保護を解除する温度を一定値に調整することができる。なお、使用状況によっては、過熱保護を解除する温度を調整することも可能である。
実施の形態9.
次に、図37は、実施の形態9による過熱保護制御装置70の要部を示すブロック図である。実施の形態9では、実施の形態7に対して、第1判定熱量相当値設定部76による第1判定熱量相当値N_1の設定方法、及び第2判定熱量相当値設定部77による第2判定熱量相当値N_2の設定方法が変更されている。その他に関しては実施の形態7と同様であるため、実施の形態7と異なる部分についてのみ説明する。
実施の形態9では、第1判定熱量相当値N_1及び第2判定熱量相当値N_2が、AC電流によって変化する場合について説明する。
図37に示すように、実施の形態9では、実施の形態7における第1判定熱量相当値設定部76及び第2判定熱量相当値設定部77にAC電流、即ち相電流実効値がそれぞれ入力されている。相電流実効値として、ローパスフィルタ処理が施された値が用いられてもよい。
図38は、AC電流と、第1判定熱量相当値N_1及び第2判定熱量相当値N_2との関係の一例を示すグラフである。
実施の形態3と同様、DC電圧、水温、及び回転数が一定の場合、AC電流が増加するとDC電流も増加し、発熱量が増加する。よって、AC電流が高いほど、同じ水温、同じ回転数でも監視対象部品の温度が高くなるため、第1判定熱量相当値N_1を小さくすることで、過熱保護温度を一定値に調整することができる。
第2判定熱量相当値N_2についても、同様のことが言える。AC電流が高いほど、同じ水温、同じ回転数でも監視対象部品の温度が高くなるため、第2判定熱量相当値N_2を小さくすることで、過熱保護を解除する温度を一定値に調整することができる。なお、使用状況によっては、過熱保護を解除する温度を調整することも可能である。
なお、実施の形態1~9は、インバータ20における直流電源10側の部品、即ちDC側の部品を監視対象部品とした。しかし、監視対象部品は、AC側の部品であってもよい。
また、実施の形態1~9のインバータ制御装置40及び過熱保護制御装置70の各機能は、処理回路によって実現される。図39は、実施の形態1~9のインバータ制御装置40及び過熱保護制御装置70の各機能を実現する処理回路の第1例を示す構成図である。
第1例の処理回路100は、専用のハードウェアである。
また、処理回路100は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。また、インバータ制御装置40及び過熱保護制御装置70の各機能それぞれを個別の処理回路100で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路100で実現してもよい。
また、図40は、実施の形態1~9のインバータ制御装置40及び過熱保護制御装置70の各機能を実現する処理回路の第2例を示す構成図である。第2例の処理回路200は、プロセッサ201及びメモリ202を備えている。
処理回路200では、インバータ制御装置40及び過熱保護制御装置70の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
メモリ202に格納されたプログラムは、上述した各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ202とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ202に該当する。
なお、上述した各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
10 直流電源、20 インバータ(電力変換器)、30 交流回転電機、70 過熱保護制御装置、71 DC電力演算部、75 熱量演算部、77 第2判定熱量相当値設定部、78 DC電力指令部。

Claims (6)

  1. 直流電源と交流回転電機との間に設けられている電力変換器における電力を算出する電力演算部、
    前記電力演算部によって算出された前記電力と、前記電力の閾値である第1判定出力値とに基づいて、熱量相当値を算出する熱量演算部、及び
    前記熱量演算部によって算出された前記熱量相当値に基づいて、前記電力変換器における電力を制御する電力指令部
    を備え、
    前記熱量演算部は、
    前記電力が前記第1判定出力値以上である場合、前記直流電源と前記電力変換器との間に流れる電流の2乗に時間を掛けた値である電流2乗時間積値を、前回の前記熱量相当値に加算し、
    前記電力が前記第1判定出力値未満である場合、前回の前記熱量相当値から減算値を減算し、
    前記電力指令部は、
    前記熱量演算部によって算出された前記熱量相当値が、第1判定熱量相当値以上になると、前記電力変換器における前記電力を制限し、
    前記熱量演算部によって算出された前記熱量相当値が、前記第1判定熱量相当値よりも小さい第2判定熱量相当値以下になると、前記電力変換器における前記電力の制限を解除し、
    前記第2判定熱量相当値は、前記熱量相当値が前記第1判定熱量相当値以上になったときから、前記熱量相当値が前記第2判定熱量相当値以下になるまで固定される
    電力変換器の過熱保護制御装置。
  2. 前記第1判定熱量相当値は、前記電力変換器の冷却水の水温、前記電力演算部によって算出された前記電力、前記交流回転電機の回転数、及びAC電流のいずれか1つ以上に対してローパスフィルタ処理を施した値に応じて変化する熱量相当値である請求項1記載の電力変換器の過熱保護制御装置。
  3. 前記第2判定熱量相当値は、前記電力の制限開始時の前記熱量相当値から、監視対象部品の放熱量に相当する値である放熱量設定値を減算した値に設定される請求項1記載の電力変換器の過熱保護制御装置。
  4. 前記第2判定熱量相当値は、前記電力の制限開始時における前記第1判定熱量相当値から、監視対象部品の放熱量に相当する値である放熱量設定値を減算した値に設定される請求項1記載の電力変換器の過熱保護制御装置。
  5. 前記第2判定熱量相当値は、前記電力の制限開始時における、前記電力変換器の冷却水の水温、前記電力演算部によって算出された前記電力、前記交流回転電機の回転数、及びAC電流のいずれか1つ以上に基づいて算出される請求項1記載の電力変換器の過熱保護制御装置。
  6. 前記第2判定熱量相当値は、前記水温、前記電力、前記回転数、及び前記AC電流のいずれか1つ以上にローパスフィルタ処理を施した値に基づいて算出される請求項5記載の電力変換器の過熱保護制御装置。
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