JP6873293B1 - 交流回転電機の制御装置 - Google Patents

交流回転電機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6873293B1
JP6873293B1 JP2020050536A JP2020050536A JP6873293B1 JP 6873293 B1 JP6873293 B1 JP 6873293B1 JP 2020050536 A JP2020050536 A JP 2020050536A JP 2020050536 A JP2020050536 A JP 2020050536A JP 6873293 B1 JP6873293 B1 JP 6873293B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric machine
temperature
switching element
value
rotary electric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020050536A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021151140A (ja
Inventor
信一朗 四元
信一朗 四元
優 岸和田
優 岸和田
健 岡部
健 岡部
信吾 原田
信吾 原田
卓哉 田村
卓哉 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2020050536A priority Critical patent/JP6873293B1/ja
Priority to CN202110279495.6A priority patent/CN113507248A/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP6873293B1 publication Critical patent/JP6873293B1/ja
Publication of JP2021151140A publication Critical patent/JP2021151140A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/14Estimation or adaptation of machine parameters, e.g. flux, current or voltage
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M1/00Details of apparatus for conversion
    • H02M1/32Means for protecting converters other than automatic disconnection
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/14Estimation or adaptation of machine parameters, e.g. flux, current or voltage
    • H02P21/20Estimation of torque
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P25/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details
    • H02P25/02Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details characterised by the kind of motor
    • H02P25/022Synchronous motors
    • H02P25/024Synchronous motors controlled by supply frequency
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P27/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage
    • H02P27/04Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage
    • H02P27/06Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage using dc to ac converters or inverters
    • H02P27/08Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage using dc to ac converters or inverters with pulse width modulation
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/02Providing protection against overload without automatic interruption of supply
    • H02P29/032Preventing damage to the motor, e.g. setting individual current limits for different drive conditions
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P2207/00Indexing scheme relating to controlling arrangements characterised by the type of motor
    • H02P2207/05Synchronous machines, e.g. with permanent magnets or DC excitation

Abstract

【課題】大電流通電によるスイッチング素子の温度上昇を抑制し、限界温度以下に過熱保護できる交流回転電機の制御装置を提供する。
【解決手段】スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度を取得するスイッチング素子温度取得部31と、交流回転電機状態量取得部29により取得される交流回転電機18の状態量に基づいて補償値を算出するスイッチング素子温度補償値演算部30と、スイッチング素子温度と上記補償値の和が、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度を超えないように、交流回転電機18の許容トルクを調整する許容トルク調整部32、32a、32bを備える。
【選択図】図1

Description

本願は、交流回転電機の制御装置に関するものである。
一般に、電気自動車、あるいはハイブリッド自動車など電動化された車両には車両を駆動するために、あるいは車両の減速エネルギーを回収するために交流回転電機が搭載されている。そして、その交流回転電機にはスイッチング素子を有する電力変換回路が接続されており、直流電源(バッテリ)の直流電力を交流電力に変換したり、交流回転電機により発生した交流電力を直流電力に変換したりする。ここで言うスイッチング素子とは、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)、あるいはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などである。
通常、スイッチング素子には絶対超えてはならない温度である限界温度が設けられており、その温度を超過すると破損してしまう可能性がある。従って、スイッチング素子が持つ限界温度を超過しないように過熱保護の制御が提案されている。
例えば、特許文献1に開示された従来の電力変換装置によれば、電力用半導体の温度が設定温度以上となったときに、電力用半導体の温度が設定温度と一致するように交流回転電機のトルク指令値を補正する方法が提案されている。
特許第6107936号公報
一般に、インバータで駆動される交流回転電機として、永久磁石同期電動機が広く使用されている。永久磁石同期電動機のトルクは、回転子が持つ磁力と固定子コイルに通電する電流で決定されるが、回転子の磁力は磁石の種類あるいは構造で決定されるため、交流回転電機のトルクは、固定子コイルに通電する電流で制御することになる。すなわち、固定子コイルに通電する電流が大きいほど、永久磁石同期電動機は大きいトルクを得ることができる。加えて、交流回転電機の回転数を一定とした場合には、永久磁石同期電動機は大きい出力を得ることができる。
しかし、永久磁石同期電動機を一例とする交流回転電機に通電できる電流は、電力変換回路に使用するスイッチング素子の仕様、あるいはスイッチング素子を冷やすための冷却性能によって決まるのが一般的である。それは前述の通り、スイッチング素子には限界温度が存在し、その温度を超過すると破損してしまう可能性があるからである。
通電によるスイッチング素子の温度上昇は、通電によるスイッチング素子の損失と、スイッチング素子から冷却媒体までの熱抵抗の積で求められる。スイッチング素子の損失は通電する電流と正の相関を持ち、スイッチング素子から冷却体までの熱抵抗は一次遅れの応答を持っている。従って、同様の電流を通電したとしても、通電時間が異なればスイッチング素子の温度上昇は異なる。すなわち、スイッチング素子の温度上昇が同じであっても短時間であるほど大電流を通電でき、より大きい出力を得ることができる。
電気自動車、あるいはハイブリッド自動車のような電動化された車両において使用される交流回転電機の使い方には、短時間に大電流を出力させる場面がある。それは、エンジンを始動させる場面、あるいは減速時に回生エネルギーを回収する場面である。このような状況では、交流回転電機に大電流を通電する必要があり、トルクを指令した直後にスイッチング素子の温度が限界温度を超過してしまう可能性がある。
上記特許文献1では、スイッチング素子温度が設定温度以上となった場合に、スイッチング素子温度を設定温度と一致させる制御が提案されているが、瞬時に大トルクが印加された場合に、スイッチング素子の温度がオーバーシュートしてしまい、限界温度を超過してしまう可能性がある。また、スイッチング素子の温度がオーバーシュートし、限界温度を超過してしまうことを予め想定し、スイッチング素子の設定温度を低く設定した場合においては、交流回転電機に通電する電流を低下するように作用し、必要以上の出力低下を招く原因となる。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、大電流通電によるスイッチング素子の温度上昇を抑制し、限界温度以下に過熱保護できる交流回転電機の制御装置を提供することを目的とする。
本願に開示される交流回転電機の制御装置は、交流回転電機を駆動する電力変換回路に接続されたスイッチング素子の温度情報を取得するスイッチング素子温度取得部と、上記交流回転電機の状態量を取得する交流回転電機状態量取得部と、上記交流回転電機の状態量に応じてスイッチング素子温度に対する補償値を演算するスイッチング素子温度補償値演算部と、上記スイッチング素子温度取得部で取得された上記スイッチング素子の温度情報と上記スイッチング素子温度補償値演算部で演算された上記補償値の和が、予め設定された上記スイッチング素子の制限温度を超えないように、上記交流回転電機の出力可能なトルクを調整する許容トルク調整部と、を備えたことを特徴とする。
本願に開示される交流回転電機の制御装置によれば、大電流通電によるスイッチング素子の温度上昇を抑制し、限界温度以下に過熱保護できる交流回転電機の制御装置を提供することができる。
実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置の構成図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置の動作を説明するフローチャートである。 実施形態1に係る交流回転電機の制御装置における過熱保護およびトルク指令部の異なる構成を示す図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置のスイッチング素子温度補償値演算部における補償値の第1推移例を示す図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置のスイッチング素子温度補償値演算部における補償値の第2推移例を示す図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置のスイッチング素子温度補償値演算部における規定値の決め方について説明する図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置におけるスイッチング素子の温度を検出するときの第1実施例図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置におけるスイッチング素子の温度を検出するときの第2実施例図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置の温度検知素子によるスイッチング素子温度と実際のスイッチング素子温度の関係を説明する推移例図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置における最大電流調整部の一例を示す構成図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置の許容トルク演算部における許容トルクの上限値の算出方法を説明する図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置の許容トルク演算部における許容トルクの下限値の算出方法を説明する図である。 実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置によりスイッチング素子の温度制御を行ったときの挙動を示す図である。 従来の交流回転電機の制御装置によりスイッチング素子の温度制御を行ったときの挙動を示す図である。 実施形態1に係る交流回転電機の制御装置における過熱保護およびトルク指令部の更に異なる構成を示す図である。 実施の形態2に係る交流回転電機の制御装置のスイッチング素子温度補償値演算部における補償値の推移例を示す図である。 実施形態1に係る交流回転電機の制御装置における過熱保護およびトルク指令部の更に異なる構成を示す図である。 実施の形態3に係る交流回転電機の制御装置のスイッチング素子温度補償値演算部における補償値の推移例を示す図である。 実施形態1に係る交流回転電機の制御装置における過熱保護およびトルク指令部の更に異なる構成を示す図である。 実施の形態4に係る交流回転電機の制御装置のスイッチング素子温度補償値演算部における補償値の推移例を示す図である。 実施形態1に係る交流回転電機の制御装置における過熱保護およびトルク指令部の異なる構成を示す図である。 実施の形態5に係る交流回転電機の制御装置の許容トルク制御量演算部の一例を示す構成図である。 実施の形態5に係る交流回転電機の制御装置の許容トルク演算部の一例を示す構成図である。 実施の形態5に係る交流回転電機の制御装置の許容トルク演算部における許容トルクの上限値の算出方法を説明する図である。 実施の形態5に係る交流回転電機の制御装置の許容トルク演算部における許容トルクの下限値の算出方法を説明する図である。
以下、本願に係る交流回転電機の制御装置の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置の構成図である。当該交流回転電機の制御装置は、図1に示すように、直流電源10、電圧検出部11、インバータ12、磁極位置検出部13、電気角速度演算部14、電流センサ15a〜15c、インバータ制御部16、過熱保護およびトルク指令部17を備えて構成されており、交流回転電機18を制御する。
実施の形態1に係る交流回転電機の制御装置は上記のように構成されており、以下、その各部の構成について説明する。
直流電源10は充放電可能な電源で、インバータ12を介して交流回転電機18と電力の授受を行う。直流電源10は、高電圧側ノードPと低電圧側ノードNとを有している。直流電源10とインバータ12とは、高電圧側ノードPとの間に昇圧コンバータを設け、直流電源10から供給される直流電圧をDC/DC変換により昇圧してもよい。また、直流電圧を平滑化する平滑コンデンサを、高電圧側ノードPと低電圧側ノードNとの間に接続してもよい。
電圧検出部11は、直流電源10の直流電圧Vdcを検出する。具体的には、電圧検出部11は、高電圧側ノードPと低電圧側ノードNとの間の端子間電圧を計測し、直流電圧Vdcとして出力する。
インバータ12は、図1に示すように、上アーム側にスイッチング素子19a〜19cを備え、下アーム側にスイッチング素子20a〜20cを備えて構成されている。インバータ12は、上アーム側のスイッチング素子19a〜19c、および下アーム側のスイッチング素子20a〜20cのスイッチング動作を用いて直流電源10からの直流電圧をDC/AC変換により交流電圧にする。そして、得られた交流電圧は交流回転電機18に印加される。
インバータ12において、上アーム側のスイッチング素子19a〜19c、および下アーム側のスイッチング素子20a〜20cには、それぞれ逆並列に整流素子D1〜D3、およびD4〜D6が接続されている。スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cがMOSFETの場合においては、整流素子はMOSFET自体に内在している。一方、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cとしてIGBTを使用してもよく、その場合のスイッチング素子と整流素子の接続方法としては、例えばスイッチング素子のコレクタ電極に整流素子のカソード電極が接続され、スイッチング素子のエミッタ電極に整流素子のアノード電極が接続される。
交流回転電機18は、インバータ12から出力される交流電圧が印加されることにより、車両の駆動力および制動力を制御する。交流回転電機18は、例えば永久磁石同期電動機で構成される。本実施の形態では、交流回転電機18として3相の電機子巻線を備えた交流回転電機を例に挙げて説明する。しかしながら、交流回転電機18の相数は、3相に限定されず、任意の相数としてよい。すなわち、本実施の形態に係る制御装置は、多相電機子巻線を備えた交流回転電機に適用可能である。
磁極位置検出部13は、交流回転電機18の磁極位置を検出する。磁極位置検出部13は、ホール素子あるいはレゾルバ、またはエンコーダを備えて構成される。磁極位置検出部13は、交流回転電機18の回転子の基準回転位置に対する磁極の回転角度を検出し、検出した回転角度の検出値を示す信号を磁極位置θとして出力する。なお、ここで、磁極位置θはq軸の回転角度を示す。また、回転子の基準回転位置は、任意の位置に予め適宜設定されている。
電気角速度演算部14は、磁極位置検出部13から出力される磁極位置θを用いて、電気角速度ωを演算する。また、電気角速度演算部14は、交流回転電機18の電気角速度ωをホール素子あるいはエンコーダなどで直接的に検出する構成であってもよい。
電流センサ15a〜15cは、交流回転電機18のU相、V相、W相を流れる電流量iU、iV、iWをそれぞれ検出し、三相−二相電流変換部21へ出力する。図1では、3つの電流センサ15a〜15cを設けて、U相、V相、W相のそれぞれの電流量を検出しているが、これに限らず電流センサの個数は2つにしてもよい。その場合には、電流量の検出は2相のみとし、もう1相の電流量は検出した2相の電流量から演算により求める。
インバータ制御部16は、インバータ12に含まれる上アーム側のスイッチング素子19a〜19c、および下アーム側のスイッチング素子20a〜20cのスイッチング動作を制御して、インバータ12と交流回転電機18との接続ノードUac、Vac、Wacの電位を調整することで、交流回転電機18に流れる電流量を制御する。以下、インバータ制御部16の構成について説明する。
インバータ制御部16は、図1に示すように、電流指令演算部22、d軸電流制御器23、q軸電流制御器24、二相−三相電圧変換部25、PWM(Pulse Width Modulation)回路26、ゲートドライバ27、および三相−二相電流変換部21を備えて構成されている。インバータ制御部16は、dqベクトル制御によってインバータ12を制御することにより交流回転電機18の回転制御を行う。以下、インバータ制御部16を構成する各部について説明する。
電流指令演算部22には、交流回転電機18に発生させるトルクを指令する調整後のトルク指令値Ctrq_adjが、過熱保護およびトルク指令部17のトルク指令調整部28から入力される。電流指令演算部22は、トルク指令値Ctrq_adjに基づいて、d軸電流指令値Cid及びq軸電流指令値Ciqを演算して、d軸電流制御器23およびq軸電流制御器24に出力する。
三相−二相電流変換部21は、磁極位置検出部13からの磁極位置θに基づいて、電流センサ15a〜15cからの3相の電流量iU、iV、iWを2相の電流量、すなわち、d軸電流値id及びq軸電流値iqに変換する。変換後のd軸電流値idは、d軸電流指令値Cidと減算され、減算結果はd軸電流制御器23へ入力される。また、変換後のq軸電流値iqは、q軸電流指令値Ciqと減算され、減算結果はq軸電流制御器24へ入力される。
d軸電流制御器23は、電流指令演算部22からのd軸電流指令値Cidと三相−二相電流変換部21からのd軸電流値idとの偏差が「0」となるように直流のd軸電圧指令値Cvdを演算し、二相−三相電圧変換部25に出力する。
q軸電流制御器24は、電流指令演算部22からのq軸電流指令値Ciqと三相−二相電流変換部21からのq軸電流値iqとの偏差が「0」となるように直流のq軸電圧指令値Cvqを演算し、二相−三相電圧変換部25に出力する。
二相−三相電圧変換部25は、磁極位置検出部13からの磁極位置θに基づいて、2相直流のd軸電圧指令値Cvdおよびq軸電圧指令値Cvqを3相交流電圧指令値Cvu、Cvv、Cvwに変換し、PWM回路26に出力する。
PWM回路26は、インバータ12に含まれるスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cを制御する制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを生成し、ゲートドライバ27に出力する。
ゲートドライバ27は、PWM回路26からの各制御信号に基づいて、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cのスイッチング動作を制御し、インバータ12でのDC/AC変換を行う。
過熱保護およびトルク指令部17は、交流回転電機状態量取得部29、スイッチング素子温度補償値演算部30、スイッチング素子温度取得部31、許容トルク調整部32、およびトルク指令調整部28を備えて構成され、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護とトルク指令の調整を行う。許容トルク調整部32は、制御量調整部33と許容トルク演算部34で構成されている。以下、過熱保護およびトルク指令部17を構成する各部について説明する。
交流回転電機状態量取得部29は、制御対象である交流回転電機18の状態量を取得する。具体的な状態量は、交流回転電機18に通電している電流の検出量、交流回転電機18に通電する電流の指令量、交流回転電機18が出力しているトルクの推定量、交流回転電機18が出力するトルクの指令量のいずれか1つ、もしくは2つ以上を用いて得る。取得された交流回転電機18の状態量は、スイッチング素子温度補償値演算部30に出力される。
スイッチング素子温度補償値演算部30は、交流回転電機状態量取得部29からの状態量に応じ、零または正の値の補償値を演算する。演算された補償値はスイッチング素子温度補償値として出力する。スイッチング素子温度補償値演算部30の具体的な動作については後述する。
スイッチング素子温度取得部31は、インバータ12のスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度を取得する。スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度の取得方法としては、例えば、温度に比例して出力電圧が変化する温度検知素子をスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cと同一基板上に設置し、温度検知素子の出力電圧を測定および温度換算することにより、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度を取得する。あるいは、各動作パターンで発生するスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの損失と、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cと冷却体間の熱抵抗とを乗算することにより、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度上昇値を得て、その温度上昇値と冷却体温度の和を以てスイッチング素子温度の推定値を取得してもよい。スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度を推定するアルゴリズムについては公知であるため、ここでは詳細の説明を省略する。また、他の推定アルゴリズムを用いて、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度を推定するようにしてもよい。
制御量調整部33は、交流回転電機18の制御量を調整し、調整後の制御量Cadjを出力する。制御量調整部33は、スイッチング素子温度とスイッチング素子温度補償値の和が、予め設定されたスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度を超えないように交流回転電機18の制御量を制限する。これにより、インバータ12のスイッチング素子温度が、予め設定された制限温度に対してオーバーシュートすることが抑えられ、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱による破損を防止することができる。ここで言う交流回転電機18の制御量とは、交流回転電機18に通電する電流の最大値、もしくは許容トルクを制限するための制御量を指す。制御量調整部33の具体的な構成および動作については後述する。
許容トルク演算部34は、制御量調整部33から出力される調整後の制御量Cadjに基づいて、許容トルクCtrq_alwを算出する。許容トルク演算部34における許容トルクCtrq_alwの算出方法については後述する。
トルク指令調整部28は、許容トルク演算部34から出力される許容トルクCtrq_alwの範囲内になるように、交流回転電機18のトルク指令値Ctrqを調整する。トルク指令調整部28は、調整後のトルク指令値Ctrq_adjを電流指令演算部22に出力する。
次に、図1に示した過熱保護およびトルク指令部17における動作の流れについて、図2のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS100において、図1に示す制御装置の制御を開始する。
次に、ステップS101で、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度を取得する。その後、ステップS102に移行する。
ステップS102で、スイッチング素子温度取得部31により、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度を取得する。その後、ステップS103に移行する。
ステップS103では、交流回転電機状態量取得部29より、交流回転電機18の状態量を取得する。その後、ステップS104に移行する。
ステップS104では、交流回転電機状態量取得部29より出力された状態量に基づき、スイッチング素子温度に対する補償値が演算される。その後、ステップS105に移行する。
ステップS105では、ステップS102で取得したスイッチング素子温度と、ステップS104で演算した補償値との和を加算器により算出し、スイッチング素子補償後温度を得る。その後、ステップS106に移行する。
ステップS106では、ステップS105で演算したスイッチング素子補償後温度と、ステップS101で取得したスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度との温度偏差ΔTを減算器により算出する。その後、ステップS107に移行する。
ステップS107では、制御量調整部33により、ステップS106で算出した温度偏差ΔTに基づいて、ステップS105で算出したスイッチング素子補償後温度が、ステップS101で取得したスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度を超えないように制御量を調整し、制御量Cadjを得る。その後、ステップS108に移行する。
ステップS108では、ステップS107による制御量Cadjを基に、許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperと許容トルクの下限値Ctrq_alw_lowerを算出する。その後、ステップS109に移行する。
ステップS109では、交流回転電機18に指令するトルク指令値Ctrqを取得する。その後、ステップS110に移行する。
ステップS110では、ステップS108で算出した許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperとステップS109で取得したトルク指令値Ctrqとを比較する。トルク指令値Ctrq>許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperが真であればYESの方に進み、ステップS112を実行し、トルク指令値Ctrq>許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperが偽であればNOの方に進み、ステップS111を実行する。
ステップS111では、ステップS108で算出した許容トルクの下限値Ctrq_alw_lowerとステップS109で取得したトルク指令値Ctrqとを比較する。トルク指令値Ctrq<許容トルクの下限値Ctrq_alw_lowerが真であればYESの方に進み、ステップS113を実行し、トルク指令値Ctrq<許容トルクの下限値Ctrq_alw_lowerが偽であればNOの方に進み、ステップS114を実行する。
ステップS112では、調整後のトルク指令値Ctrq_adjは、ステップS108で算出された許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperとして設定される。その後、ステップS115に移行する。
ステップS113では、調整後のトルク指令値Ctrq_adjは、ステップS108で算出された許容トルクの下限値Ctrq_alw_lowerとして設定される。その後、ステップS115に移行する。
ステップS114では、調整後のトルク指令値Ctrq_adjは、ステップS109で取得したトルク指令値Ctrqとして設定される。その後、ステップS115に移行する。
ステップS115では一連の動作を終了する。
このような順序をもって、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護機能を備えた交流回転電機18のトルク制御が実施される。
次に、図1に示した過熱保護およびトルク指令部17について、交流回転電機18の状態量を相電流検出値、制御量を最大電流値として図3に基づいて詳細に説明する。
図3は、図1に示した過熱保護およびトルク指令部17において、交流回転電機状態量取得部29を相電流検出値演算部29aへ置き換え、制御量調整部33を最大電流調整部33aへと置き換えて、過熱保護およびトルク指令部17aとしている。しかしながら、図3に示すような置き換えは一例であり、上述の通り、交流回転電機18の状態量は、相電流指令値あるいはトルク推定値、もしくはトルク指令値でもよく、また、制御量は、許容トルクを制限するための制御量としてもよい。ここでは、一例として図3の場合について説明する。なお、図3において、符号30aはスイッチング素子温度補償値演算部、符号32aは許容トルク調整部、符号34aは許容トルク演算部を示している。また、上述した図1の動作と同一の動作の部分については説明を省略する。
相電流検出値演算部29aは、三相−二相電流変換部21により変換されたd軸電流値idおよびq軸電流値iqを用いて、交流回転電機18に通電している相電流の実効値iuvw_rmsを演算する。演算した相電流の実効値iuvw_rmsは、相電流検出値としてスイッチング素子温度補償値演算部30aに出力される。
スイッチング素子温度補償値演算部30aは、相電流検出値演算部29aからの相電流検出値iuvw_rmsに応じ、零または正の値の補償値を演算する。演算された補償値は、スイッチング素子温度補償値として出力する。
ここで、相電流検出値iuvw_rmsに応じ、スイッチング素子温度補償値を演算する方法について説明する。
図4に、相電流検出値iuvw_rmsに対するスイッチング素子温度補償値の第1推移例を示す。
図4の横軸は相電流検出値iuvw_rmsを示し、縦軸はスイッチング素子温度補償値を示している。図4において、相電流検出値iuvw_rmsが規定値、すなわち、規定の相電流検出値Ia以下の場合、スイッチング素子温度補償値は「0」が演算される。一方、相電流検出値iuvw_rmsが規定の相電流検出値Iaより大きい場合は、スイッチング素子温度補償値の上限値Tcuを上限に、相電流検出値iuvw_rmsに比例した正の値の補償値が演算される。
なお、スイッチング素子温度補償値は、図5の第2推移例のように、相電流検出値iuvw_rmsに対する補償値が曲線状に演算されてもよい。ここで示した図4、図5における相電流検出値Ibは、制御上、交流回転電機18に流し得る最大の相電流実効値に設定される。
次に、図4および図5における規定の相電流検出値Iaとスイッチング素子温度補償値の上限値Tcuについて、図6に基づいて説明する。
図6は、相電流検出値に対するスイッチング素子温度の関係を示すグラフである。一般に、交流回転電機18に通電する電流を大きくするとスイッチング素子温度は高くなる。
図6におけるTchは、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cが仕様上、絶対超えてはならない限界温度である。規定の相電流検出値Iaは、スイッチング素子温度補償値演算部30aによる補償なしのとき、スイッチング素子温度が限界温度Tchとなる電流値である。換言すると、規定の相電流検出値Iaは、スイッチング素子温度補償値演算部30aの補償なしでもスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの限界温度Tchを超えない最大の相電流検出値である。
図6におけるTmaxは、交流回転電機18に通電し得る最大の相電流実効値Ibを通電した際にスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cが達する温度を表している。この温度Tmaxは、通常、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの限界温度Tchより高く、Tmax=Tch+αと表される。このように表現されたときのαが、スイッチング素子温度補償値の上限値Tcuとして設定される。すなわち、交流回転電機18に通電し得る最大の相電流実効値Ibを通電したときのスイッチング素子温度が、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの限界温度Tch以下となるのに必要な温度低下分の最小値αに設定される。
なお、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護に関し、以下の事に留意しておく必要がある。
温度検知素子より得られたスイッチング素子温度と、実際のスイッチング素子温度には少なからず乖離があるため、実際のスイッチング素子温度は、温度検知素子で得た温度情報よりも高い可能性があるということである。その場合、守るべきは温度検知素子によるスイッチング素子温度ではなく、温度が高い実際のスイッチング素子温度であるため、実際のスイッチング素子温度が限界温度以下となるよう過熱保護しなければならない。
次に、温度検知素子より得たスイッチング素子温度と、実際のスイッチング素子温度に乖離がある例について図7と図8を用いて説明する。
スイッチング素子温度を検出するためにスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cと同一基板上に温度検知素子が搭載される場合、図7および図8のように温度検知素子50が設置されることが考えられる。
図7は、温度検知素子50がスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cを配置する基板51上の隅に位置している場合である。一方、図8は、温度検知素子50がスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cを配置する基板51上の中央に位置している場合である。図7と図8において、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cを搭載可能な有効領域52を比較すると、図7のように、温度検知素子50がスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cを設置する基板51に対して隅にある方が、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cを搭載可能な有効領域52を広く設けることができる。
その理由は、図7の配置の方が図8よりも配線のための面積を多く必要としないからである。スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cを搭載できる領域が広い場合、つまり、図7の配置の場合、図8の場合よりも大電流を通電することが可能となる。しかしながら、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cを配置する基板51上の中で、最も温度が上がりやすい箇所はスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cを配置する基板51の中央付近53である。そのため、図7のような温度検知素子50の配置が採用された場合、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの最も高い温度と、温度検知素子50により検出した温度とでは差異が生じてしまうことになる。
図9は、図7に示す温度検知素子50の配置における実際のスイッチング素子温度Aと、温度検知素子50によるスイッチング素子温度Bの時間推移例を示す図で、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cに一定の損失が発生した場合における温度をそれぞれ示している。
上述の通り、実際のスイッチング素子温度Aは、温度検知素子50によるスイッチング素子温度Bより高い温度で推移する。その理由は、中央付近53と温度検知素子50の間に熱抵抗と熱容量が存在するからである。そのため、温度検知素子50によるスイッチング素子温度の温度は、実際のスイッチング素子温度の温度上昇に対して遅れ、時間変化する温度差異を持つ。
次に、図3に戻り、最大電流調整部33aについて説明する。
最大電流調整部33aは、スイッチング素子補償後温度と、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度の温度偏差ΔTに基づき、最大電流Imaxを調整し、調整後の最大電流Imax_adjを出力する。すなわち、図1における調整後の制御量Cadjを、調整後の最大電流Imax_adjに置き換えた場合に相当する。調整後の最大電流Imax_adjは、次式で示される相電流絶対値に対して、現時点で許容される最大の電流値を示す。
相電流絶対値=√{(d軸電流値id)+(q軸電流値iq)
最大電流調整部33aは、スイッチング素子補償後温度が、予め設定されたスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度を超えないように、最大電流Imaxの値を調整する。これにより、インバータ12のスイッチング素子温度が、予め設定された制限温度に対してオーバーシュートすることが抑えられ、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱による破損を防止することができる。
図10に最大電流調整部33aの構成例を示す。図10の構成例においては、最大電流調整部33aが比例調整器54、積分調整器55、加算器56、および上下限制限部57を備えて構成されている。最大電流調整部33aには、予め設定された制限温度と、スイッチング素子補償後温度との温度偏差ΔTが入力される。当該温度偏差ΔTは、制限温度からスイッチング素子補償後温度を減算した値である。従って、スイッチング素子補償後温度が制限温度を超えている場合、温度偏差ΔTの値は負の値となる。従って、この場合、スイッチング素子補償後温度が高くなればなるほど温度偏差ΔTの値は小さくなる。
図10の構成例では、比例調整器54の比例ゲインKpaは正の値であるとする。比例調整器54は、入力された偏差に比例ゲインKpaを乗算した値を出力する。
図10の構成例では、積分調整器55の初期値を「最大電流Imaxの上限値」として比例調整器54の出力を積分する。「最大電流Imaxの上限値」とは、上記式によって示された「相電流絶対値」が設計上の最大のd軸電流と最大のq軸電流を用いて計算された場合の値である。すなわち、いかなる条件でも、意図的に「最大電流Imaxの上限値」よりも大きい「相電流絶対値」の電流を流すことはない。一方、最大電流Imaxは、変化する量であり、「0」と「最大電流Imaxの上限値」との間で調整される。
図10の構成例では、スイッチング素子補償後温度が制限温度よりも高くなると、比例調整器54の出力は負の値となり、これに伴い、積分調整器55の出力は減少する。具体的には、スイッチング素子補償後温度が制限温度よりも高い場合には、温度偏差ΔTは負の値となる。比例調整器54は、偏差に比例ゲインKpaを乗算した値を出力する。そのため、温度偏差ΔTが負の値の場合には、比例調整器54の出力は負の値となる。また、積分調整器55は負の値を積分するため、積分調整器55の出力は、初期値から徐々に減少する。一方、スイッチング素子補償後温度が制限温度以下の場合には、比例調整器54の出力は正の値となり、これに伴い積分調整器55の出力は増加する。図10の構成例では、比例調整器54の出力と積分調整器55の出力とを加算器56により加算する。当該加算器56の出力が、比例・積分調整の出力値となる。このようにして比例調整器54および積分調整器55により、上記温度偏差ΔTに対する比例・積分調整を行う。
図10の構成例では、次に、上下限制限部57において、比例・積分調整の出力値に対する上限制限および下限制限を行う。上下限制限部57では、上限値を、「最大電流Imaxの上限値」とし、下限値を「0」とする。上下限制限部57は、当該上限値および下限値を用いて、比例・積分調整の出力値に対する上限制限および下限制限を行うことで、調整後の最大電流Imax_adjを算出する。
具体的には、比例調整器54の出力と積分調整器55の出力とを加算器56で算出した加算結果が、上下限制限部57に入力される。上下限制限部57は、当該加算結果が、上限値以下で、且つ、下限値以上の場合には、加算結果をそのまま、調整後の最大電流Imax_adjとして出力する。一方、加算結果が上限値より大きい場合には、上限値を調整後の最大電流Imax_adjとして出力する。また、加算結果が下限値より小さい場合には、下限値を調整後の最大電流Imax_adjとして出力する。
図10の構成例では、上限値が「最大電流Imaxの上限値」に設定されているため、調整後の最大電流Imax_adjが「最大電流Imaxの上限値」を超えることはない。また、下限値が「0」に設定されているため、調整後の最大電流Imax_adjが、負の値となることを防止することができる。
なお、最大電流調整部33aの構成例について図10の構成例を示したが、他の手法により交流回転電機18に通電する最大電流Imaxが調整されてもよい。
次に、図3における許容トルク演算部34aについて説明する。
許容トルク演算部34aは、まず、電圧検出部11から検出された直流電圧Vdcと、予め設定された最大変調率MFmaxとを用いて、演算式
Vmax=sqrt(3/2)×Vdc×(1/2)×MFmax
に基づいて、最大電圧Vmaxを演算する。
次に、許容トルク演算部34aは、最大電圧Vmaxと、電気角速度演算部14からの電気角速度ωとを用いて、演算式
FLmax=Vmax÷ω
に基づいて、最大鎖交磁束FLmaxを演算する。
さらに、許容トルク演算部34aは、最大鎖交磁束FLmaxと、最大電流調整部33aからの調整後の最大電流Imax_adjとに基づいて、許容トルクCtrq_alwの上限値Ctrq_alw_upperと下限値Ctrq_alw_lowerとを求める。
許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperと下限値Ctrq_alw_lowerとを求める一例として、図11および図12にテーブルの一例を示す。
図11が許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperを求めるためのテーブルであり、図12が許容トルクの下限値Ctrq_alw_lowerを求めるためのテーブルである。図11および図12において、横軸は最大鎖交磁束FLmax、縦軸は調整後の最大電流Imax_adjを示す。許容トルク演算部34aは、例えば、図11および図12のテーブルを用いて、許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperと下限値Ctrq_alw_lowerとをそれぞれ求める。
なお、図11および図12に示す曲線は、同じ許容トルクの点を線で結んだ等高線を示している。許容トルクの算出方法を具体的に説明すると、次のとおりである。
図11に示す許容トルクの上限値のテーブルにおいて、例えば、破線で示すように「最大鎖交磁束FLmax」と「調整後の最大電流Imax_adj」が入力された場合、交差点の黒丸を囲う格子四隅の4点の座標A、B、C、Dを用いて、線形補間により許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperを算出する。この算出方法は、図12に示す許容トルクの下限値のテーブルにおいても同様である。
許容トルク演算部34aで求められた、許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperと下限値Ctrq_alw_lowerは、トルク指令調整部28に入力され、調整後のトルク指令値Ctrq_adjが設定される。
トルク指令調整部28は、次の(1)から(3)に示すように、調整後のトルク指令値Ctrq_adjの値を設定する。
(1)トルク指令値>許容トルクの上限値の場合:
Ctrq_adj=Ctrq_alw_upper
(2)許容トルクの上限値≧トルク指令値≧許容トルクの下限値の場合:
Ctrq_adj=Ctrq
(3)トルク指令値<許容トルクの下限値の場合:
Ctrq_adj=Ctrq_alw_lower
このようにして、調整後のトルク指令値Ctrq_adjが設定され、調整後のトルク指令値Ctrq_adjは、電流指令演算部22に受け渡されることになる。
上述の通り、実施の形態1においては、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度情報をそのまま用いるのではなく、交流回転電機18の相電流検出値に応じてスイッチング素子温度に対する補償値を算出し、その補償値をスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度情報に加算した補償後温度を用いることにより、最大電流を調整するようにした。一方、上記特許文献1においては、スイッチング素子の温度情報をそのまま使用して、交流回転電機のトルク指令値を調整している。その場合、短時間に大電流が通電される場合においては、スイッチング素子の温度が限界温度を超過する恐れがあり、それによってスイッチング素子が破壊される可能性がある。対して、実施の形態1では、短時間に大電流を通電する場合においても、スイッチング素子温度が限界温度を超過することはなく、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの破壊を防ぐことができる。
また、図10に示す比例調整器54の比例ゲインKpaを適切に設定することで、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの補償後温度が予め設定した制限温度に対してオーバーシュートしないように、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度制御を行うことができる。
次に、実施の形態1を適用し、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護を行った場合と、従来の制御手法でスイッチング素子の過熱保護を行った場合のそれぞれの挙動について説明する。なお、ここで言う従来の制御方法とは、実施の形態1において、交流回転電機18の状態量に応じた補償値がスイッチング素子温度に加算されず、スイッチング素子の過熱保護動作が実施される場合を指す。
図13(a)〜(d)に実施の形態1を適用してスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護を行った場合のグラフを示す。
図13(a)〜(d)に示す全てのグラフの横軸は時間を示している。また、図13(a)に示すグラフの縦軸は、実際のスイッチング素子温度を示し、図13(b)に示すグラフの縦軸は、温度検知素子によるスイッチング素子温度を示し、図13(c)に示すグラフの縦軸は、スイッチング素子補償後温度を示し、図13(d)に示すグラフの縦軸は、スイッチング素子温度補償値を示し、図13(e)に示すグラフの縦軸は、相電流検出値を示している。
また、図14(a)〜(c)に従来の制御手法でスイッチング素子の過熱保護を行った場合のグラフを示す。
図14(a)〜(c)に示す全てのグラフの横軸は時間を示している。また、図14(a)に示すグラフの縦軸は、実際のスイッチング素子温度を示し、図14(b)に示すグラフの縦軸は、温度検知素子によるスイッチング素子温度を示し、図14(c)に示すグラフの縦軸は、相電流検出値を示している。
図14(a)〜(c)に示す従来の制御手法では、開始直後に、最大トルクが印加されたことにより、相電流検出値は上限値をとる。それに伴い、図14(b)に示す温度検知素子によるスイッチング素子温度は上昇し、制限温度に到達する。その瞬間、図14(c)に示す相電流検出値は減少を開始する。つまり、交流回転電機18に通電する電流を低下させることにより、スイッチング素子の過熱保護動作を開始する。しかしながら、図14(a)に示す実際のスイッチング素子温度は、温度検知素子によるスイッチング素子温度が制限温度に達する前に限界温度を超過し、オーバーシュートする。このオーバーシュートは、過熱保護を開始する制限温度を下げることで解消することができるが、定常的に制限温度を低く設定することは、過熱保護により通電電流を過剰に制限することになるので、必要以上に出力を低下させてしまう。
次に、図13(a)〜(e)に示す実施の形態1の制御手法でスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護を行った場合について説明する。
図13(a)〜(e)に示す実施の形態1の制御手法では、開始直後に、最大トルクが印加されたことにより相電流検出値が上限値となる。それに伴い、図13(b)に示す温度検知素子によるスイッチング素子温度は上昇する。また、相電流検出値が上昇するのと同時に、図13(d)に示すスイッチング素子温度補償値も増加し、上限値をとる。これは、実施の形態1において、交流回転電機18の状態量に応じた補償値が演算されることを意味する。演算された補償値は、図13(b)の温度検知素子によるスイッチング素子温度と加算されることにより、図13(c)のスイッチング素子補償後温度となる。このスイッチング素子補償後温度を以て、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護が実行されることになる。そのため、図13(a)〜(e)に示すように、スイッチング素子補償後温度が制限温度に達すると過熱保護が開始され、相電流検出値が減少する。そのタイミングは、温度検知素子によるスイッチング素子温度が制限温度に達するタイミングより前である。
このように、早期にスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護が開始されることで、図13(a)に示す実際のスイッチング素子温度は、限界温度を超過することなく、過熱を保護できる。すなわち、実施の形態1の制御手法では、従来の制御手法において限界温度を超過していたスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの最大温度を低減することができる。
また、図13(a)〜(e)において、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護動作開始後のスイッチング素子温度補償値に着目すると、時間の経過に伴いスイッチング素子温度補償値は「0」に収束することが分かる。これは、交流回転電機18の通電電流が規定の相電流検出値Iaを下回れば、スイッチング素子温度補償値が「0」となることを示している。すなわち、実施の形態1においては、大電流通電が指令された直後に発生するスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの最大温度を低下した後、相電流検出値が規定の相電流検出値Iaを下回れば、スイッチング素子温度に補償値が加算されることはなく、必要以上の出力制限を回避することができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る交流回転電機の制御装置について図15を用いて説明する。
図15は、実施の形態1に係る図3の相電流検出値演算部29aを、相電流指令値演算部29bへと置き換えた図であり、符号17bは過熱保護およびトルク指令部を示している。実施の形態2については、実施の形態1と異なる点について説明し、同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態が実施の形態1と異なる点は、交流回転電機18の状態量として、相電流指令値を使用する点である。次に、相電流指令値演算部29bについて説明する。
相電流指令値演算部29bは、図1のd軸電流指令値Cid及びq軸電流指令値Ciqを利用し、交流回転電機18に指令する相電流の実効値Ciuvw_rmsを演算する。演算された相電流指令値Ciuvw_rmsは、スイッチング素子温度補償値演算部30bへ出力される。
スイッチング素子温度補償値演算部30bは、交流回転電機18の状態量である相電流指令値Ciuvw_rmsに応じ、スイッチング素子温度に対する補償値を演算する。図16に相電流指令値Ciuvw_rmsに対するスイッチング素子温度補償値の推移例を示す。補償値の演算は、実施の形態1における交流回転電機18の状態量である相電流検出値iuvw_rmsを、相電流指令値Ciuvw_rmsの場合に置き換えて実行される。
規定の相電流指令値Ci_aおよびスイッチング素子温度補償値の上限値Tcuは、実施の形態1と同様の観点で設定される。つまり、規定の相電流指令値Ci_aには、スイッチング素子温度に対する補償が実施されない場合において、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの限界温度を超えない最大の相電流指令値が設定される。
また、スイッチング素子温度補償値の上限値Tcuには、制御上、交流回転電機18に通電し得る最大の相電流指令値Ci_bを指令した場合におけるスイッチング素子温度が、スイッチング素子温度の限界温度以下となるのに必要な温度低下分の最小値に設定される。
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る交流回転電機の制御装置について図17を用いて説明する。
図17は、実施の形態1に係る図3の相電流検出値演算部29aを、トルク指令値(調整後)29cへと置き換えた図であり、符号17cは過熱保護およびトルク指令部を示している。実施の形態3については、実施の形態1と異なる点について説明し、同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態が実施の形態1と異なる点は、交流回転電機18の状態量として、調整後のトルク指令値を使用する点である。ここで、調整後のトルク指令値を採用するのは、実際に交流回転電機18に指令するトルクを使用するためである。次に、トルク指令値(調整後)29cについて説明する。
トルク指令値(調整後)29cは、トルク指令調整部28により調整されたトルク指令値Ctrq_adjを使用する。すなわち、交流回転電機18の状態量として、トルク指令調整部28の出力である調整後のトルク指令値Ctrq_adjを用いることになる。調整後のトルク指令値Ctrq_adjは、スイッチング素子温度補償値演算部30cへ出力される。
スイッチング素子温度補償値演算部30cは、交流回転電機18の状態量である調整後のトルク指令値Ctrq_adjに応じ、スイッチング素子温度に対する補償値を演算する。図18に、調整後のトルク指令値Ctrq_adjに対するスイッチング素子温度補償値の推移例を示す。補償値の演算は、実施の形態1における交流回転電機18の状態量である相電流検出値iuvw_rmsを、調整後のトルク指令値Ctrq_adjの場合に置き換えて実行される。
規定のトルク指令値Ctrq_aおよびスイッチング素子温度補償値の上限値Tcuは、実施の形態1と同様の観点で設定される。つまり、規定のトルク指令値Ctrq_aには、スイッチング素子温度に対する補償が実施されない場合において、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの限界温度を超えない最大のトルク指令値が設定される。また、スイッチング素子温度補償値の上限値Tcuには、制御上、交流回転電機18に指令し得る最大のトルク指令Ctrq_bを印加した場合におけるスイッチング素子温度が、スイッチング素子温度の限界温度以下となるのに必要な温度低下分の最小値に設定される。
実施の形態4.
次に、実施の形態4に係る交流回転電機の制御装置について図19を用いて説明する。
図19は、実施の形態1に係る図3の相電流検出値演算部29aを、トルク推定値演算部29dへと置き換えた図であり、符号17dは過熱保護およびトルク指令部を示している。実施の形態4については、実施の形態1と異なる点について説明し、同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態が実施の形態1と異なる点は、交流回転電機18の状態量として、トルク推定値を使用する点である。次に、トルク推定値演算部29dについて説明する。
トルク推定値演算部29dは、交流回転電機18が出力しているトルクを演算により推定する。例えば、交流回転電機18が出力する機械的出力を演算し、その機械的出力を交流回転電機18の機械角速度で除算することで、交流回転電機18が出力しているトルクを推定することが可能である。
ここで、機械的出力を演算する一例を説明する。直流電源10による直流電圧Vdcと、直流電源10からインバータ12に流れる電流を乗算し、インバータ入力電力を演算する。次に、インバータ12の電力変換効率をインバータ入力電力に乗算し、インバータ出力電力を演算する。そして、インバータ出力電力から交流回転電機18の損失を減算することで機械的出力を得る。このとき、インバータ12の電力変換効率と交流回転電機18の損失は、交流回転電機18の動作状態によって変化するため、その動作状態に応じたマップ(以下、MAP)がインバータ12の制御装置に格納されている。トルク推定値の演算方法については、公知であるため詳細な説明は省略する。なお、他の推定アルゴリズムを用いて、交流回転電機18のトルクを推定してもよい。演算後のトルク推定値Etrqは、スイッチング素子温度補償値演算部30dへ出力される。
スイッチング素子温度補償値演算部30dは、交流回転電機18の状態量であるトルク推定値Etrqに応じ、スイッチング素子温度に対する補償値を演算する。図20に、トルク推定値Etrqに対するスイッチング素子温度補償値の推移例を示す。補償値の演算は、実施の形態1における交流回転電機18の状態量である相電流検出値iuvw_rmsを、トルク推定値Etrqの場合に置き換えて実行される。
規定のトルク推定値Etrq_a、およびスイッチング素子温度補償値の上限値Tcuは、実施の形態1と同様の観点で設定される。つまり、規定のトルク推定値Etrq_aには、スイッチング素子温度に対する補償が実施されない場合において、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの限界温度を超えない最大のトルク推定値が設定される。また、スイッチング素子温度補償値の上限値Tcuには、制御上、交流回転電機18が出力し得る最大のトルクEtrq_bを印加した場合におけるスイッチング素子温度が、スイッチング素子温度の限界温度以下となるのに必要な温度低下分の最小値に設定される。
実施の形態5.
次に、実施の形態5に係る交流回転電機の制御装置について図21を用いて説明する。
図21は、実施の形態1に係る図1の過熱保護およびトルク指令部17において、制御量調整部33を、許容トルク制御量演算部33bへと置き換えた図であり、符号17eは過熱保護およびトルク指令部を示している。実施の形態5については、実施の形態1と異なる点について説明し、同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態が実施の形態1と異なる点は、許容トルク制御量演算部33bが許容トルクを制限するための制御量を出力し、その制御量を用いて許容トルク演算部34bが許容トルクを演算する点である。
次に、許容トルク制御量演算部33bについて説明する。
許容トルク制御量演算部33bは、スイッチング素子補償後温度と、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度の温度偏差ΔTに基づき、制御量Kcを調整し、調整後の制御量Kc_adjを出力する。すなわち、図1における調整後の制御量Cadjを調整後の制御量Kc_adjに置き換えた場合に相当する。調整後の制御量Kc_adjは、「0」から「1」の間の値を取り、許容トルク演算部34bへ出力される。
許容トルク制御量演算部33bは、スイッチング素子補償後温度が、予め設定されたスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度を超えないように、制御量Kcの値を調整する。これにより、スイッチング素子温度が予め設定された制限温度に対してオーバーシュートすることが抑えられ、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱による破損を防止することができる。
図22に、許容トルク制御量演算部33bの構成例を示す。図22の構成例においては、許容トルク制御量演算部33bが、比例調整器58、積分調整器59、および上下限制限部60を備えて構成されている。許容トルク制御量演算部33bには、予め設定された制限温度とスイッチング素子補償後温度との温度偏差ΔTが入力される。当該温度偏差ΔTは、制限温度からスイッチング素子補償後温度を減算した値である。従って、スイッチング素子補償後温度が制限温度を超えている場合、温度偏差ΔTの値は負の値となる。従って、この場合、スイッチング素子補償後温度が高くなればなるほど温度偏差ΔTの値は小さくなる。
図22の構成例では、比例調整器58の比例ゲインKpbは正の値であるとする。比例調整器58は、入力された偏差に比例ゲインKpbを乗算した値を出力する。また、積分調整器59は、初期値を「1」として、比例調整器58の出力を積分する。
図22の構成例では、スイッチング素子補償後温度が制限温度よりも高くなると、比例調整器58の出力は負の値となり、これに伴い、積分調整器59の出力は減少する。具体的には、スイッチング素子補償後温度が制限温度よりも高い場合には、温度偏差ΔTは負の値となる。比例調整器58は、温度偏差ΔTに比例ゲインKpbを乗算した値を出力する。そのため、温度偏差ΔTが負の値の場合には、比例調整器58の出力は負の値となる。また、積分調整器59は負の値を積分するため、積分調整器59の出力は初期値から徐々に減少する。一方、スイッチング素子補償後温度が制限温度以下の場合には、比例調整器58の出力は正の値となり、これに伴い、積分調整器59の出力は増加する。図22の構成例では、比例調整器58の出力と積分調整器59の出力とを加算器61により加算する。加算器61の出力が、比例・積分調整の出力値となる。上記のようにして、比例調整器58および積分調整器59により、上記温度偏差ΔTに対する比例・積分調整を行う。
図22の構成例では、次に、上下限制限部60において、比例・積分調整の出力値に対する上限制限および下限制限を行う。上下限制限部60では、上限値を「1」とし、下限値を「0」とする。上下限制限部60は、当該上限値および下限値を用いて、比例・積分調整の出力値に対する上限制限および下限制限を行うことで、調整後の制御量Kc_adjを算出する。
具体的には、比例調整器58の出力と積分調整器59との出力とを加算器61で加算した加算結果が、上下限制限部60に入力される。上下限制限部60は、当該加算結果が上限値以下で、且つ、下限値以上の場合には、加算結果をそのまま調整後の制御量Kc_adjとして出力する。一方、加算結果が上限値より大きい場合には、上限値を調整後の制御量Kc_adjとして出力する。また、加算結果が下限値より小さい場合には、下限値を調整後の制御量Kc_adjとして出力する。
なお、図22の構成例では、上限値が「1」に設定されているため、調整後の制御量Kc_adjが、「1」を超えることはない。また、下限値が「0」に設定されているため、調整後の制御量Kc_adjが、負の値となることを防止することができる。
許容トルク制御量演算部33bの構成例について、図22の構成例を示したが、他の手法により、許容トルクを制限する制御量Kcが調整されてもよい。すなわち、他の手法により、許容トルクを制限するための比率(係数)、あるいは許容トルク低減量が調整されてもよい。許容トルク制御量演算部33bで演算された制御量Kc_adjは、許容トルク演算部34bへ出力される。
次に、図21における許容トルク演算部34bについて説明する。
図23は、許容トルク演算部34bの構成例である。まず、電気角速度演算部14より演算された電気角速度ωを用いて、回転数演算部62により交流回転電機18の回転数Nを演算する。演算式は、N[rpm]=60×ω÷(2πp)である。ここで、pは交流回転電機18の極対数である。演算された回転数Nは、許容トルク(上限)MAP63と許容トルク(下限)MAP64へ出力される。
許容トルク(上限)MAP63および許容トルク(下限)MAP64は、回転数Nと直流電圧Vdcに基づいて、MAP上、そのときに出力可能なトルク値の上限値および下限値をそれぞれ出力する。すなわち、許容トルク(上限)MAP63は、MAP上出力可能なトルクの上限値であるCtrq_MAP_upperを出力し、許容トルク(下限)MAP64は、MAP上出力可能なトルクの下限値であるCtrq_MAP_lowerを出力する。
許容トルク(上限)MAP63および許容トルク(下限)MAP64には、予め、図24および図25に一例を示すMAPが設定されている。許容トルク(上限)MAP63は図24を用い、回転数Nと直流電圧Vdcに応じて、MAP上出力可能なトルクの上限値であるCtrq_MAP_upperを求める。一方、許容トルク(下限)MAP64は図25を用い、回転数Nと直流電圧Vdcに応じて、MAP上出力可能なトルクの下限値であるCtrq_MAP_lowerを求める。
許容トルク(上限)MAP63から出力されたCtrq_MAP_upperは、許容トルク制御量演算部33bで演算された制御量Kc_adjと乗算され、乗算した結果の値は、許容トルクの上限値Ctrq_alw_upperとして、トルク指令調整部28へ出力される。
一方、許容トルク(下限)MAP64から出力されたCtrq_MAP_lowerは、許容トルク制御量演算部33bで演算された制御量Kc_adjと乗算され、乗算した結果の値は、許容トルクの下限値Ctrq_alw_lowerとして、トルク指令調整部28へ出力される。
実施の形態5は、スイッチング素子補償後温度とスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度の温度偏差ΔTに応じて、「0」から「1」の間をとる制御量Kc_adjを演算し、その制御量Kc_adjをMAP上出力可能なトルクの上限値と下限値に乗算することで、許容トルクの上限値であるCtrq_alw_upperと、許容トルクの下限値であるCtrq_alw_lowerを調整する。すなわち、スイッチング素子補償後温度とスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの制限温度の温度偏差ΔTに応じて、許容トルクが調整できる。そして、許容トルクが調整されたのち、後段のトルク指令調整部28でトルク指令値が調整されるため、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱を防止するようスイッチング素子温度を制御することができる。
なお、実施の形態5における許容トルク調整部32bは、実施の形態1から4における許容トルク調整部32aの代わりに適用されてもよい。
実施の形態1から5に係る交流回転電機の制御装置で過熱保護動作を行った場合、次に列挙する効果が得られる。
本実施の形態に係る制御装置においては、交流回転電機状態量取得部29で演算した交流回転電機18の状態量に応じてスイッチング素子温度に対する補償値を算出し、算出した補償値とスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度情報の和をもって制御量を調整することにより、許容トルクが算出される。また、算出した許容トルクに基づいて、トルク指令値を調整することで、スイッチング素子温度を制御することができ、その結果、過熱によるスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの破損を防止することができる。
また、本実施の形態に係る制御装置においては、スイッチング素子温度補償値演算部30、30a、30b、30c、30dは、上述のように交流回転電機状態量の適切な規定値以上では、正の値の補償値が演算され、交流回転電機状態量の規定値以下では、補償値は「0」としている。このことにより、早期にスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの過熱保護を開始することはなく、必要以上の過熱保護動作を回避することができる。
また、本実施の形態に係る制御装置においては、スイッチング素子温度補償値演算部30、30a、30b、30c、30dは、上述のように交流回転電機状態量の適切な規定値から、正の値の補償値が演算されることで、大電流通電が指令された直後に発生するスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの最大温度を低下した後、交流回転電機状態量が規定値を下回れば、補償値が「0」となるため、スイッチング素子温度に補償値が加算されることはなく、必要以上の出力制限を回避することができる。
また、本実施の形態に係る制御装置においては、スイッチング素子温度補償値演算部30、30a、30b、30c、30dは、上述のように適切なスイッチング素子温度補償値の上限値Tcuが設定されることで、スイッチング素子温度を、実用上、絶対こえてはならない限界温度以内とすることができ、且つ、必要以上の電流制限、すなわち出力低下を招くことを防止することができる。
また、実施の形態1から4に係る制御装置においては、最大電流調整部33aは、スイッチング素子温度補償値演算部30、30a、30b、30c、30dにより得られた補償値と、スイッチング素子温度取得部31によって取得されたスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度情報との和が、予め設定された制限温度を超えないように、最大電流Imaxを調整することで、スイッチング素子温度を制御することができる。
また、実施の形態5に係る制御装置においては、許容トルク制御量演算部33bは、スイッチング素子温度補償値演算部30、30a、30b、30c、30dにより得られた補償値と、スイッチング素子温度取得部31によって取得されたスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの温度情報との和が、予め設定された制限温度を超えないように、制御量Kcを調整することで、スイッチング素子温度を制御することができる。
また、本実施の形態に係る制御装置においては、交流回転電機18の状態量に応じた補償値をスイッチング素子温度に加算し、交流回転電機18の制御量を調整するだけであるので、複雑な補償、あるいは推定を行うことなく、簡単にスイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの最大温度を低減することができる。すなわち、簡単に、スイッチング素子温度の最大温度を限界温度以内とすることができ、スイッチング素子19a〜19c、20a〜20cの故障を防ぐことができる。
なお、上記実施の形態1から5に係る制御装置における各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。インバータ制御部16、スイッチング素子温度補償値演算部30、30a、30b、30c、30d、制御量調整部33、許容トルク演算部34、34a、34b、およびトルク指令調整部28の各部の機能それぞれを個別の処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
一方、処理回路がプロセッサの場合、インバータ制御部16、スイッチング素子温度補償値演算部30、30a、30b、30c、30d、制御量調整部33、許容トルク演算部34、34a、34b、およびトルク指令調整部28の各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリに格納される。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、制御装置は、処理回路により実行されるときに、インバータ制御ステップ、温度補償値演算ステップ、制御量調整ステップ、許容トルク演算ステップ、および、トルク指令調整ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを備える。
これらのプログラムは、上述した各部の手順あるいは方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリが該当する。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどもメモリに該当する。
なお、上述した各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
10 直流電源、11 電圧検出部、12 インバータ、13 磁極位置検出部、14 電気角速度演算部、15a〜15c 電流センサ、16 インバータ制御部、17、17a、17b、17c、17d、17e 過熱保護およびトルク指令部、18 交流回転電機、19a〜19c、20a〜20c スイッチング素子、21 三相−二相電流変換部、22 電流指令演算部、23 d軸電流制御器、24 q軸電流制御器、25 二相−三相電圧変換部、26 PWM回路、27 ゲートドライバ、28 トルク指令調整部、29 交流回転電機状態量取得部、29a 相電流検出値演算部、29b 相電流指令値演算部、29c トルク指令値(調整後)、29d トルク推定値演算部、30、30a、30b、30c、30d スイッチング素子温度補償値演算部、31 スイッチング素子温度取得部、32、32a、32b 許容トルク調整部、33 制御量調整部、33a 最大電流調整部、33b 許容トルク制御量演算部、34、34a、34b 許容トルク演算部、50 温度検知素子、51 基板、52 有効領域、53 中央付近、54、58 比例調整器、55、59 積分調整器、56、61 加算器、57、60 上下限制限部、62 回転数演算部、63 許容トルク(上限)MAP、64 許容トルク(下限)MAP、P 高電圧側ノード、N 低電圧側ノード、D1〜D3、D4〜D6 整流素子、Uac、Vac、Wac 接続ノード。

Claims (10)

  1. 交流回転電機を駆動する電力変換回路に接続され、上記電力変換回路のスイッチング素子の温度情報を取得するスイッチング素子温度取得部と、
    上記交流回転電機の状態量を取得する交流回転電機状態量取得部と、
    上記交流回転電機の状態量に応じてスイッチング素子温度に対する補償値を演算するスイッチング素子温度補償値演算部と、
    上記スイッチング素子温度取得部で取得された上記スイッチング素子の温度情報と上記スイッチング素子温度補償値演算部で演算された上記補償値の和が、予め設定された上記スイッチング素子の制限温度を超えないように、上記交流回転電機の出力可能なトルクを調整する許容トルク調整部と、を備えたことを特徴とする交流回転電機の制御装置。
  2. 上記状態量は、上記交流回転電機に通電している電流の検出量、上記交流回転電機に通電する電流の指令量、上記交流回転電機が出力しているトルクの推定量、および上記交流回転電機が出力するトルクの指令量、の何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載の交流回転電機の制御装置。
  3. 上記状態量は、上記交流回転電機に通電している電流の検出量、上記交流回転電機に通電する電流の指令量、上記交流回転電機が出力しているトルクの推定量、および上記交流回転電機が出力するトルクの指令量、の2つ以上を用いて決められることを特徴とする請求項1に記載の交流回転電機の制御装置。
  4. 上記スイッチング素子の温度情報は、上記スイッチング素子の温度の検出量であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の交流回転電機の制御装置。
  5. 上記スイッチング素子の温度情報は、上記スイッチング素子の温度の推定量であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の交流回転電機の制御装置。
  6. 上記許容トルク調整部は、上記交流回転電機の制御量を調整する制御量調整部と、上記交流回転電機が出力可能なトルクを演算する許容トルク演算部を備え、許容トルクを調整することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の交流回転電機の制御装置。
  7. 上記制御量調整部は、上記交流回転電機に通電する電流の最大値を調整することを特徴とする請求項6に記載の交流回転電機の制御装置。
  8. 上記スイッチング素子温度補償値演算部は、上記交流回転電機の状態量が規定値以下の場合は零を出力し、上記交流回転電機の状態量が規定値よりも大きい場合は、上限補償値を上限に上記交流回転電機の状態量に応じて正の値を出力することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の交流回転電機の制御装置。
  9. 上記規定値は、上記スイッチング素子温度補償値演算部による補償値が上記スイッチング素子の温度情報に加算されない場合であっても、上記スイッチング素子の温度情報が上記スイッチング素子の限界温度を超えない最大値が設定されることを特徴とする請求項8に記載の交流回転電機の制御装置。
  10. 上記上限補償値は、上記スイッチング素子の温度情報が上記スイッチング素子の限界温度以下となる温度低下分の最小値に設定されることを特徴とする請求項8または9に記載の交流回転電機の制御装置。
JP2020050536A 2020-03-23 2020-03-23 交流回転電機の制御装置 Active JP6873293B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020050536A JP6873293B1 (ja) 2020-03-23 2020-03-23 交流回転電機の制御装置
CN202110279495.6A CN113507248A (zh) 2020-03-23 2021-03-16 交流旋转电机的控制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020050536A JP6873293B1 (ja) 2020-03-23 2020-03-23 交流回転電機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6873293B1 true JP6873293B1 (ja) 2021-05-19
JP2021151140A JP2021151140A (ja) 2021-09-27

Family

ID=75896342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020050536A Active JP6873293B1 (ja) 2020-03-23 2020-03-23 交流回転電機の制御装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6873293B1 (ja)
CN (1) CN113507248A (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4835171B2 (ja) * 2006-01-27 2011-12-14 トヨタ自動車株式会社 モータ駆動装置
JP6207431B2 (ja) * 2014-03-11 2017-10-04 三菱電機株式会社 モータ制御装置
JP6421894B2 (ja) * 2014-06-13 2018-11-21 日本精工株式会社 モータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置
JP6844702B2 (ja) * 2017-07-28 2021-03-17 日産自動車株式会社 機器保護装置及び機器保護方法
JP2019187086A (ja) * 2018-04-10 2019-10-24 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 制御装置、電力変換装置、空調システム、制御方法、及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
CN113507248A (zh) 2021-10-15
JP2021151140A (ja) 2021-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10608576B2 (en) Motor control apparatus
KR100973763B1 (ko) 모터구동장치 및 이를 구비한 차량
JP4462243B2 (ja) 負荷駆動装置およびそれを備える車両
JP5217579B2 (ja) 電動機の制御方法及び制御装置
US9595908B2 (en) Power converter
US11183964B2 (en) Control device for an AC rotating electric machine
JP2007159368A (ja) モータ駆動システムの制御装置
CN106936367B (zh) 电机控制装置
JP5063379B2 (ja) 電力変換装置、及び電力変換装置用モジュール、並びに、空気調和機及び冷凍装置
JP2008312398A (ja) 負荷駆動装置
JP6852539B2 (ja) 回転電機制御装置
JP6873293B1 (ja) 交流回転電機の制御装置
JP4406244B2 (ja) 負荷駆動装置およびそれにおける制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP6949242B2 (ja) 交流回転電機の制御装置
JP5277846B2 (ja) 交流電動機の制御システム
WO2023170740A1 (ja) 電力変換器の過熱保護制御装置
JP5332393B2 (ja) 車両駆動用モータ制御装置
JP7385538B2 (ja) 電力変換装置、温度推定方法及びプログラム
US20220385226A1 (en) Control device for motor generator
JP2024039777A (ja) 電力変換器の過熱保護制御装置
JP2021129354A (ja) インバータ制御装置及び車載用流体機械
CN115425885A (zh) 旋转电机控制装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210323

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210420

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6873293

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250