JP2022127041A - エレベータかご内衛生管理システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2022127041000001
【課題】低コストで飛沫清掃の必要性を検出し、また飛沫に利用者が接触するリスクを回避でき、かご内の非衛生的な箇所を特定して、運行効率の妨げを極力回避する。
【解決手段】エレベータの乗りかご内の利用者が発する音声強度を測定して音圧データを生成する音声強度測定手段と、生成された音声データを音圧強度別に複数の音圧レベルに分類し、分類された音圧レベルに基づいて、前記利用者の飛沫に起因する衛生リスクを判定して衛生リスクデータを生成するリスク判定手段と、前記衛生リスクデータに基づいてエレベータの運行を制御する運行制御手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、エレベータかご内衛生管理システムに関する。
通常、エレベータは不特定の利用者が使用する。利用者の中に感染症疾患者がいた場合、疾患者の飛沫が操作盤等に付着し、その操作盤を他の利用者が接触することで、感染するリスクが存在する。操作部を衛生的に保つための一例としては、かご内の操作部表面をシートで覆い、シートが回転体によりスクロールし、同一部分を複数の利用者が触れることを回避して感染リスク(衛生リスク)を低減する工夫がある。また、かご内の利用者の体温と音声を計測し、かご内利用者が疾患者であることを検出した場合に、途中の乗り場呼び登録階を通過してかご操作盤の行き先登録階へ最優先で直行する技術もある。これにより、かご内疾患者と通過する乗り場の利用者との接触を回避し、衛生リスクを低減する。
特開2011-51716号公報 特開2012-62163号公報
しかしながら、上述したように、かご内の操作部を自動清掃する機構を設ける場合、エレベータに必要な制御機器以外の多くの装置が新たに必要となり、コストがかかることで導入が困難であるばかりか、結果として、清掃が行われないおそれがある。
また、疾患者と乗り場利用者との接触機会を低減させる工夫をしても、かご内で疾患者が咳、くしゃみをした際にかご内機器に付着した飛沫を他の利用者が接触してしまうリスクは取り除くことができないおそれがある。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたもので、低コストで飛沫清掃の必要性を検出し、また飛沫に利用者が接触するリスクを回避でき、かご内の非衛生的な箇所を特定して、運行効率の妨げを極力回避するエレベータの乗りかご衛生管理システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため実施形態は、エレベータの乗りかご内の利用者が発する音声強度を測定して音圧データを生成する音声強度測定手段と、生成された音声データを音圧強度別に複数の音圧レベルに分類し、分類された音圧レベルに基づいて、前記利用者の飛沫に起因する衛生リスクを判定して衛生リスクデータを生成するリスク判定手段と、前記衛生リスクデータに基づいてエレベータの運行を制御する運行制御手段と、を備える。
エレベータの乗りかご内の機器構成図。 エレベータの乗り場の機器構成図。 本発明の第1~4実施形態の構成を示すブロック図。 本発明の第1、第3実施形態におけるかご衛生解析部の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第1、第2実施形態におけるエレベータ制御部の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第2、第4実施形態におけるかご衛生解析部の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第3実施形態におけるエレベータ制御部の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第4実施形態におけるエレベータ制御部の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第5実施形態の構成を示すブロック図。 本発明の第5実施形態の動作を示す説明図。 本発明の第5実施形態におけるかご衛生解析部の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第5実施形態におけるエレベータ制御部の処理手順を示すフローチャート。
<第1実施形態>
第1実施形態の構成について図1と図2を参照して説明する。
図1は、一般的なエレベータの乗り場と乗りかごの機器構成図であり、図2は、本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
まず、図1のエレベータの乗り場と乗りかごの機器構成図について説明する。図1Aは、かご内から見たかご内機器構成を示し、図1Bは乗り場から見た機器構成を示している。
乗りかご1において、利用者が操作するかご操作盤2には、エレベータの運転情報(方向や階床)を表示するかご表示器3と、利用者が目的階を登録するかご呼びボタン4が配置されている。利用者のかご呼びボタン4の押下により、乗りかご1の行き先階が登録され、ボタンが点灯することでその登録を示し、また、かご表示器3により、乗りかご1の移動方向や現在位置する階床を表示する。また、かご操作盤2には、ドア閉ボタン5とドア開ボタン6が配置され、利用者がかごドア9の開閉操作をする際に用いられる。また、かご操作盤2には、非常用ボタン7とインターホン子機8が配置されている。利用者が非常用ボタン7の押下により、インターホン子機8はかご外に配置されるインターホンや遠隔監視センター端末と通信を開始し、外部との音声通話を行うために使用される。また、かごドア9の収納部には、投光素子と受光素子とから成るドアセンサ10が配置されている。
また、乗りかご1にはアナウンス装置11が配置され、エレベータのドア開閉の案内等の運転案内メッセージを利用者に伝えるために使用される。また、乗りかご1には、かご内カメラ12が配置され、図1Aでは、一例として天井に設置され、かご内の防犯を目的としてかご内の撮影を行う。
図1Bに示すように、エレベータの乗り場には、乗り場表示器14と乗り場呼びボタン15が配置されている。乗り場呼びボタン15は、利用者の押下により、乗りかご1を呼び寄せるために使用される。乗り場表示器14は、乗りかご1が現在位置する階床や運転方向を利用者に示すことに使用される。乗りかご1が乗り場階へ到着時には、乗り場ドア13がかごドア9とともに開き、乗り場利用者は乗りかご1へ乗ることができる。
続いて、図2を参照して本発明の第1実施形態の構成を説明する。図2は、本発明の第1実施形態の制御部周りのブロック図である。なお、図2では、乗りかごがA号機とB号機の2つある場合について図示し、実際の制御手順等については、A号機の乗りかごを例に説明する。
インターホン子機8は乗りかごに対して1つは配置されるため、図2では、A号機のインターホン子機8aとB号機のインターホン子機8bを記載している。また非常用ボタン7も同様に乗りかごに対し1つは配置されるため、A号機にはA号機非常用ボタン7aが配置され、B号機にはB号機非常用ボタン7bを記載する。
インターホン親機16は、A号機インターホン子機8aの呼出端子から出力される呼出信号を受信するための入力線によってA号機インターホン子機8aと接続されている。A号機インターホン子機8aの呼出信号は、A号機非常用ボタン7aの押下信号がA号機インターホン子機8aへ入力されることでインターホン親機16に対して出力される。
インターホン親機16は、A号機インターホン子機8aへの送話信号の出力線と、A号機インターホン子機8aからの送話信号を受信する入力線とで接続されている。A号機インターホン子機8aから呼出信号が出力されている場合、インターホン親機16に備わるA号機インターホン子機8aの選択スイッチ押下により、A号機インターホン子機8aに対して送話信号の出力が開始される。これにより、A号機インターホン子機8aとの通話回線が確立され、互いに音声信号を送受することが可能となる。ここでの通話回線の確立の意味することを具体的に説明すると、インターホン親機16のA号機インターホン子機8aへの送話端子が信号出力不能な状態から出力可能な状態へ切り替わり、それに応じてA号機インターホン子機8aの送話端子も信号出力不能な状態から出力可能な状態へ切り替わることで、両者の送話端子から音声信号が出力可能な状態となったことを示す。このとき、B号機インターホン子機8bの送話端子は信号出力不能な状態のままであるため、インターホン親機16の受話端子へは、A号機インターホン子機8aからの送話信号のみが入力される。
図2においては、インターホン親機16の受話端子はA号機インターホン子機8aとB号機インターホン子機8bからの送話信号を受信する共通の端子である。このため、インターホン親機16の受話端子に同時に複数の子機から送話信号が入力されないので、A号機インターホン子機8a又はB号機インターホン子機8bのいずれか一方とのみ回線が確立される。ただし、インターホン親機16がA号機インターホン子機8aとB号機インターホン子機8bからの送話信号を共通の端子ではなく個別の専用端子へ入力して、前述のA号機インターホン子機8a又はB号機インターホン子機8bのいずれか一方とのみ回線を確立するように構成してもよい。なお、以下の説明では、A号機とB号機の各機器を区別するときのみ、B号機の機器に符号bを付し、A号機の機器の符号aは省略する。
続いて、A号機エレベータ制御部18aの周辺のブロック構成について説明する。エレベータ制御部18aは、エレベータを構成する機器の制御を行うものであるが、ここでは本発明の構成に必要な機器について説明する。
エレベータ制御部18は、A号機インターホン子機8aとA号機非常用ボタン7aを有するA号機の乗りかごの制御部である。B号機エレベータ制御部18bは、B号機インターホン子機8bとB号機非常用ボタン7bを有する乗りかごの制御部である。B号機エレベータ制御部18bの周辺のブロック構成については、エレベータ制御部18と同様であるため記載を省略する。
A号機エレベータ制御部18は、荷重検出器17が出力する乗りかご1内の荷重信号を受信する入力線で接続され、巻上機20と乗りかご1の上昇、下降のための制御信号の出力線で接続される。また、ドアセンサ10が出力するドアセンサ信号を受信する入力線で接続される。かご表示器3と乗り場表示器14に対し、エレベータの運転方向や、かご位置の表示指令を出力する信号線で接続される。また、アナウンス装置11に対し、エレベータの運行案内メッセージの再生指令の出力を行う信号線で接続される。また、かご呼びボタン4、乗り場呼びボタン15、ドア閉ボタン5、ドア開ボタン6からのボタン押下信号の入力線と、ボタン点灯又は消灯指令の出力線で接続される。また、ドアモータ19とドアの開閉指令の出力線で接続される。また、遠隔監視端末50とエレベータの運行情報などのデータの送受を行う通信路で接続される。
次に、第1実施形態のエレベータかご内衛生管理システムを実現するためのA号機のかご衛生解析部21の構成について説明する。
A号機かご衛生解析部21は、インターホン親機16のA号機インターホン子機8aからの呼出信号の受話端子と入力線で接続されており、A号機インターホン子機8aからの呼出信号がインターホン親機16へ入力状態を検出可能である。また、A号機かご衛生解析部21は、インターホン親機16の受話端子と入力線で接続されており、A号機インターホン子機8aと回線確立中である場合、A号機インターホン子機8aからの送話信号を受信することが可能である。
A号機かご衛生解析部21は、インターホン親機16のA号機インターホン子機8a選択スイッチ回路へダミー選択信号を出力する出力線で接続されている。インターホン親機16へダミー選択信号を出力することで、A号機インターホン子機8aとの回線確立を行うことが可能である。
A号機かご衛生解析部21がA号機インターホン子機8aのダミー選択信号を出力した場合、インターホン親機16と回線確立したA号機インターホン子機8aは、自身に備わるスピーカーとマイクロフォンにより、受話信号の再生動作と送話信号の出力動作を開始するため、A号機かご衛生解析部21は、A号機インターホン子機8aの送話信号をインターホン親機16の受話端子を経由して受信することが可能となる。
A号機かご衛生解析部21は、A号機インターホン子機8a用に設けられており、B号機インターホン子機8bに対しては、B号機かご衛生解析部21bが設けられている。A号機かご衛生解析部21とB号機かご衛生解析部21bは双方向にデータ送受が可能な通信路で接続される。また、インターホン親機16へダミー選択信号の出力が同時に出力されないように同期をとることが可能である。
ここでは、インターホン親機16を経由した例を示した。他の構成としては、A号機かご衛生解析部21をA号機インターホン子機8aの送話端子と送話機能を有効にする回路とへ接続し、インターホン親機16を経由せず直接A号機インターホン子機8aの送話信号を受信するようにしてもよい。
さらに、A号機かご衛生解析部21は、アナウンス装置11へのアナウンス再生状態を示す信号と、かご呼びボタン4、ドア閉ボタン5又はドア開ボタン6のボタン押下検出信号と、荷重検出器17の出力する荷重信号と、ドアセンサ10の出力するドアセンサ信号といったエレベータ制御のステータス信号を、エレベータ制御部18から受信する入力線で接続されている。
A号機かご衛生解析部21は、A号機インターホン子機8aから受信した受話信号を解析する音声解析部23と、音声解析部23が算出した音声解析データを参照して乗りかご1内の衛生レベルを判定する判定処理部22とを備えている。
A号機かご衛生解析部21は、判定処理部22が所定の衛生リスクを検出した場合に、衛生レベルに応じた信号を送信する出力線でA号機エレベータ制御部18と接続されている。
B号機かご衛生解析部21bの構成については、A号機かご衛生解析部21の構成と同様であるため、説明は省略する。
《第1実施形態の処理手順》
次に、本発明の第1実施形態の動作例について、図3A、図3Bを参照して説明する。ここでは、A号機インターホン子機8aを使用した動作例について説明する。
図3AのステップS1~S9は、A号機かご衛生解析部21の処理手順、図3BのステップS21~S24は、A号機エレベータ制御部18の処理手順を示している。
ステップS1の処理では、A号機かご衛生解析部21は、B号機かご衛生解析部21bがダミー選択信号を出力しておらず、自身がダミー選択信号を出力する周期であることを確認する。確認した後、インターホン親機16へA号機インターホン子機8aのダミー選択信号を出力して、A号機インターホン子機8aからの送話信号を受信する。
送話信号の受信方法としては、例えば5秒周期中ごとに4.5秒間の受話信号の受信をA号機かご衛生解析部21とB号機かご衛生解析部21bが交互に行う方法がある。
ステップS2の処理では、A号機インターホン子機8aから取得した受話信号を、音声解析部23により音声波形を解析し、音圧データを作成する。
音圧データの作成方法としては、例えば、ステップS1の処理で取得した4.5秒間の音声電圧波形を10msecでサンプリングすることで、450点の電圧値が得られる。そして、450点の電圧値の中から最大値より10点の電圧値の平均をとることでアナログ値である音声電圧波形を1つのデジタル値の音圧データとして置き換えることができる。
ステップS3の処理は、判定処理部22で実施される。この処理では、ステップS2の処理で得られた音圧データを所定の音圧レベルのいずれに分類されるかを判定し、音圧レベルごとに検出回数をカウントして、音圧レベルカウントデータを作成する。
音圧レベルの分類方法は、A号機インターホン子機8aの送話信号として出力可能な電圧波形の最大振幅値を10Vとした場合に、例えば、ステップS2の処理で得られた音圧データが0V以上3V未満の場合はレベル“0”へ分類する。また、3V以上7V未満は音圧レベル“1”へ分類し、7V以上はレベル“2”に分類する。このように設定しておくことで、音圧データを音圧レベルごとに分類して音圧レベルごとにカウントが可能となり、音圧レベルカウントデータを作成することができる。
実施形態において、「利用者が発する音声」には、通常会話の肉声のみならず、くしゃみ、咳等が含まれる。音圧レベル“1”又は“2”へ分類された場合、かご内利用者の大声での会話、咳、くしゃみ等による飛沫の発生リスクが高いものとして扱われ、後述するステップS5の処理における衛生リスクデータの出力判定の指標となる。なお、上記した音圧データを3段階の音圧レベルへ分類するための電圧閾値は一例であり、実際に使用するインターホンの感度と信号出力性能に応じて、各レベルの電圧閾値の設定を変更する。又は、音圧レベルを2段階で分類するといった工夫を行うことで、多種のインターホンに対して音圧レベルカウントデータの作成を行うことができる。
ステップS4の処理では、判定処理部22は、音圧レベルカウントデータが閾値を超えているか否かを判定する。
ステップS5の処理では、音圧レベルカウントデータが閾値を超えた場合にエレベータ制御装置18へ衛生リスクデータを送信する。
衛生リスクデータの出力方法としては、例えば各音圧レベルのカウント値に応じて出力を行う方法がある。具体的には、
音圧レベル“1”のカウント値が“50”以上、又は音圧レベル“2”のカウント値が“20”以上の時点で、衛生リスクデータ“小”を出力する。
音圧レベル“1”のカウント値が“100”以上、又は音圧レベル“2”のカウント値が“50”以上の時点で、衛生リスクデータ“中”を出力する。
音圧レベル“1”のカウント値が“200”以上、又は音圧レベル“2”のカウント値が“100”以上の時点で、衛生リスクデータ“大”を出力する方法である。
複数の条件が同時成立した場合、例えば、レベル“1”のカウント値が“150”で衛生リスクデータ“小”と“中”の条件に合致、レベル“2”のカウント値が“200”で衛生リスクデータ“小”、“中”、“大”に合致した場合、リスクデータの最も大きい“大”を優先して送信する方法をとる。
なお、上記の衛生リスクデータ送信条件は一例のため、累計カウント値ではなく、所定期間内でのカウント発生頻度、例えば、N秒間でM回以上のカウントアップが発生した場合に衛生リスクデータの種類を選択して、出力してもよい。
ステップS6、ステップS7の処理では、衛生リスクデータの各音圧レベルのカウント値については、所定期間以上該当するレベルの検出が発生しない場合に、カウント値の減算処理を実施する。なお、このステップS6、ステップS7の処理は、省略することもできる。
ステップS8、ステップS9の処理では、A号機かご衛生解析部21は、A号機エレベータ制御部18からかご内の清掃が完了したことを示す清掃要求フラグオフ通知を受信した場合、各音圧レベルカウント値をクリアして、ゼロから音圧レベルカウントを行う。清掃要求フラグオフ通知の送信処理に関しては、後述するステップS24で説明する。
ステップS21の処理では、A号機エレベータ制御部18は、A号機かご衛生解析部21から受信した衛生リスクデータによりオペレーションの実行判定を行う。受信した衛生リスクデータが前回受信した衛生リスクデータと異なる場合は、再度実行判定を行う。
ステップS22の処理は、衛生リスクデータ受信ありの場合の処理である。A号機エレベータ制御部18内の記憶領域に清掃要求フラグをセットし、受信した衛生リスクデータの種類に応じて、かご表示器3と乗り場表示器14の表示内容の切替指令の出力、アナウンス装置11の再生メッセージの変更指令の出力、かご呼びボタン4と乗り場呼びボタン15の点灯方法の切替指令の出力、エレベータの運転方式の切替のいずれか又はすべてを行う。
例えば、第1オペレーションとして、A号機エレベータ制御部18が衛生リスクデータ“小”を受信した場合は、A号機エレベータ制御部18の内部のデータ格納エリアに乗りかご内機器の清掃要求フラグを保持する。そして、次回保守員が点検の際にリスクデータ“小”の清掃要求フラグの有無を確認し適宜清掃作業を行い、かご内衛生を保つ。
第2オペレーションとして、A号機エレベータ制御部18が衛生リスクデータ“中”を受信した場合は、上述した第1オペレーションを行うとともに、かご表示器3と乗り場表示器14へかご操作盤2の清掃を推奨するお知らせの表示指令を行う。表示方法としては通常の運行方向、階床表示の妨げにならないよう、表示可能エリアの一部のエリアに表示するか、時間ごとに表示全体を通常表示と清掃のお知らせ表示へ交互に表示すればよい。また、アナウンス装置11へ清掃を推奨するお知らせメッセージを所定時間経過ごとに再生し、ビル管理者や清掃員への気づきを促す。
第3オペレーションとして、A号機エレベータ制御部18が衛生リスクデータ“大”を受信した場合は、第1オペレーションと第2オペレーションを行う。また、A号機エレベータ制御部18はエレベータの運転方式を各階停止の自動運転へ切り替え、さらに、かご表示器3と乗り場表示器14へ自動運転中の表示指令を行い、アナウンス装置11へ自動運転中の案内メッセージの再生指令を行う。また、衛生的でないと判断されたかご操作盤2へ利用者が触れることを回避するため、かご呼びボタン4と乗り場呼びボタン15へ常時点灯又は点滅での点灯指令を行う。
ステップS23の処理では、各オペレーションの終了判定は、所定時間が経過するか、清掃要求フラグがオフされたことを条件に終了する。
ステップS24の処理では、オペレーション終了時には、所定時間の経過による場合、清掃要求フラグがオンのままのため、清掃要求フラグのオフ処理を実行する。オフ処理の実行時に清掃要求フラグオフ通知をA号機かご衛生解析部21へ送信する。他の動作例として、所定時間経過によるオペレーション終了時は清掃作業が行われたか不明であるため、この場合は清掃要求フラグオフと清掃要求フラグオフ通知を実行しなくてもよい。
以上に述べた第1実施形態によれば、エレベータの標準機器を利用することで専用機器の導入コストを最小限にとどめ、エレベータの衛生的利用を目的とした運行モードへの切り替えを実現することが可能となる。
《第1実施形態の変形例》
なお、他の例として、A号機エレベータ制御部18が上記の第1オペレーション、第2オペレーション、第3オペレーションを実行する際に、遠隔保守端末27へ衛生リスクデータを送信することで、臨時的に保守員の作業派遣を行う工夫をしてもよい。
上記と同様の工程をB号機インターホン子機8bに対しても行うことで、各乗りかごを衛生的に利用することができる。
また、第1実施形態のブロック図の説明図である図2において、A号機かご衛生解析部21とA号機エレベータ制御部18とを分離した構成とした。しかし、A号機かご衛生解析部21のインターホン親機16に対する入出力インタフェースとA号機かご衛生解析部21のソフトウェア処理をA号機エレベータ制御部18に組み込み、A号機かご衛生解析部21とB号機衛生解析部21bとの同期処理を行うための双方向通信路についてはA号機エレベータ制御部18とB号機エレベータ制御部18bとの間でデータを送受する既存の通信路へ置き換えることで、一般的なエレベータ制御機器に対してインターホン親機16に対する入出力信号線の追加のみで、本発明の作用を得る構成とすることが可能である。
また、既設のエレベータシステムに対しては、A号機かご衛生解析部21と、A号機かご衛生解析部21の周辺信号線の追加と、A号機エレベータ制御部18のソフトウェア更新によって、第1実施形態と同様の作用を得ることも可能である。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の特徴は、エレベータの運転状態に応じて音圧データの作成処理の実行判定を行うことで、最小限の音圧データの作成処理で、効果的な衛生リスクレベルの判定を行うことを可能とすることである。なお、実施形態のブロック構成は図2と同一のため説明は省略する。
図4に示すA号機かご衛生解析部21の動作において、ステップS1~S9の処理は、図3Aと同一のため説明を省略する。また、A号機エレベータ制御部18の動作については、図3Bと同一のため、図示は省略する。
ステップS10の処理では、A号機かご衛生解析部21は、インターホン親機16へA号機インターホン子機8aが呼出信号を出力していることを検出中は、本来のインターホンの利用目的を阻害しないよう、ダミー選択信号の出力と音圧データの作成を行わない。
仮にA号機かご衛生解析部21が、ダミー選択信号の出力と同時に、A号機インターホン子機8aから呼出信号が出力された場合、当該処理サイクルにおいては音圧データの作成処理を実行する。次サイクルのステップS10の処理では、A号機インターホン子機8aの呼出信号を検出し、A号機かご衛生解析部21から選択信号は出力されなくなる。
ステップS11の処理では、A号機かご衛生解析部21は、A号機エレベータ制御部18から出力されるアナウンス装置11が再生中であることを示す信号を受信し、音圧データの作成要否を判定する。A号機かご衛生解析部21はアナウンス再生指令の受信中は、音圧データの作成は実行せず、アナウンス装置11の音声を衛生リスクデータに反映しないよう回避する。
ステップS12の処理では、A号機かご衛生解析部21は、A号機エレベータ制御部18からドアセンサ10の検出信号と荷重検出器17の荷重データを複数回受信し、A号機インターホン子機8aへの選択信号の出力と音圧データの作成要否を判定する。例えば、ドアセンサ10の検出時は、乗りかご1への利用者の乗り降りに起因して荷重検出器17の荷重データが、ドアセンサ10の検出信号の受信後で、増加又は減少することで利用者の乗降を判定することができる。また、荷重検出器17の荷重データ単独でかご内利用者の有人、無人状態が判定できる。A号機かご衛生解析部21は、ドアセンサ10の検出信号を受信するとA号機インターホン子機8aへ選択信号を出力し、所定時間、受話信号の取得を開始する。受話信号の取得完了時に荷重データが有人の値である場合のみ音圧データの作成を実行し、無人時の不必要な音圧データ作成を回避する。
上記のA号機インターホン子機8aへ選択信号を出力と音圧データの作成判定後の動作であるステップS1~S7の処理については、図3Aと同一であり、またA号機エレベータ制御部18の動作についても、図3Bと同一のため説明は省略する。
以上に述べた第2実施形態によれば、最小限の音圧データの作成処理で、効果的な衛生リスクレベルの判定を行うことが可能となる。このため、音圧データ作成による衛生リスクレベルの判定精度が向上し、不要な音圧データの作成処理の削減を実現することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態の動作例について説明する。
第3実施形態の特徴は、エレベータのかご操作盤の清掃中に不要な呼び登録の発生を防止し、運行効率の妨げを回避させるものである。
なお、エレベータ機器構成は図1、実施形態のブロック構成は図2と同一のため説明は省略する。
以下、第3実施形態の動作例について、図1と図2と図5を参照して説明する。
A号機かご衛生解析部21の動作は、図3Aと同一のため、図示およびその説明を省略する。また、図5に示すA号機エレベータ制御部18の動作についても、ステップS21~S24の処理は、図3Bと同一のため説明を省略する。
図5に示すステップS25、ステップS26の処理では、A号機エレベータ制御部18は、清掃要求フラグがセットされているときに限り、ドア閉ボタン5の押下信号を検出中は、かご呼びボタン4の入力を検出してもかご呼び登録機能を無効とする。
清掃作業をエレベータ保守員以外の作業者が行うことを考慮して、かご表示器3やアナウンス装置11に「ドア閉ボタンを押しながら操作盤を清掃してください」といった案内を表示、再生してもよい。
上記処理により、ドア閉ボタン5を押下しながら、かご操作盤の清掃を行うことで作業中にかご呼びボタン4を押下して、不要なかご呼び登録が発生することが回避できる。ここではドア閉ボタン5を使用した他のボタンの無効処理を記載したが、ドア閉ボタン5とは異なるボタン、例えば乗りかご1の停止する階に該当するかご呼びボタン4や、ドア開ボタン6を代わりに使用してもよい。
以上に述べた第3実施形態では、かご操作盤の清掃中に不要な呼び登録の発生を防止し、運行効率の妨げの回避を実現することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態の動作例について説明する。
第4実施形態の特徴は、清掃作業後に特別なメンテナンス機器を必要とせず、エレベータの運行モードを通常運転へ復帰が可能としたことである。
なお、エレベータ機器構成は図1、実施形態のブロック構成は図2と同一のため説明は省略する。
以下、第4実施形態の動作例について、図1と図2と図6を参照して説明する。
A号機かご衛生解析部21の動作は、図4と同一のため、図示およびその説明を省略する。また、図6に示すA号機エレベータ制御部18の動作についても、ステップS21~S26の処理は図5と同一のため説明を省略する。
図6において、ステップS27の処理では、A号機エレベータ制御部18は、清掃要求フラグがセットされているときに限り、運行モード復帰入力の判定処理を実行する。
例えば、ドア閉ボタン5とドア開ボタン6の両者の押下が5秒以上など通常のエレベータ利用操作で発生し難い入力を運行モード復帰入力として設定する。
ステップS28では、モード復帰入力がありの場合、A号機エレベータ制御部18は清掃要求フラグをクリアする。本処理での清掃要求フラグクリアにより、前述したステップS23のオペレーション終了判定処理により、通常運行モードへ復帰する。
上記処理により、特別なメンテナンス機器を使用せずに、前述した第2、第3オペレーションで変更したエレベータの運行モードを通常運行モードに復帰させることが可能となる。
清掃作業をエレベータ保守員以外の作業者が行うことを考慮して、かご表示器3やアナウンス装置11に「清掃作業後、ドア閉ボタンとドア開ボタンを押し続けてください」といった案内を表示、再生してもよい。
以上に述べた第4実施形態では、特別なメンテナンス機器を必要とせず、衛生的利用を目的としたエレベータ運行モードから通常運行モードへの復帰を実現することができる。
<第5実施形態>
第5実施形態の特徴は、かご内の衛生レベルをかごロケーションごとに管理することで、清掃箇所の特定と案内を可能としたことである。
図7は、本発明の第5実施形態の構成ブロック図を示し、図8は、本発明の第5実施形態のエレベータのかご内配置構成を俯瞰的に示す。なお、図7において、図2と同一の構成部分には、同一番号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、乗りかご1には、かごドア9の左右に、左側かご操作盤2Lと右側かご操作盤2Rとが配置され、それぞれに左側集音装置25Lと右側集音装置25Rとが設置されている。なお、本構成は一例であり、2つの集音装置25L,25Rの代わりに、集音装置1つとかご内インターホン1つを配置した場合や、3つ以上配置した場合でもよい。また、映像撮影装置26の配置もかご内利用者全体の撮影可能な配置であれば別な配置でもよいし、エレベータに使用される防犯カメラの映像データにより映像解析部24が映像解析データを作成してもよい。
左側集音装置25Lと右側集音装置25Rは、乗りかご1内で発生する音を集音信号としてA号機かご衛生解析部21に出力する。
映像撮影装置26は、乗りかご1内に設置され、乗りかご1内の利用者全体を撮影することが可能なものであり、撮影した映像データをA号機かご衛生解析部21に出力する。
図7に示すように、A号機かご衛生解析部21は、第1~4実施形態と同様に音声解析部23と判定処理部22とを備え、更に、第5実施形態では映像解析部24を備える。判定処理部22は第1~4実施形態とは異なり、音声解析部23に加えて映像解析部24の映像解析データを判定処理に使用する。
また、図8の俯瞰図では、動作説明の便宜上、乗りかご1には、3人の利用者41,42,43が乗車しているものとする。各利用者41,42,43が向いている方向の定義のため、かごドア9の方向を正面方向30Fとし、左方向30L、右方向30R、背面方向30Bとして図示している。また、乗りかご1内に記載されているエリア1~9についても後述する動作説明に用いるためのかご内のロケーションを図示したものである。
次に、本発明の第5実施形態の動作例について図7~図9を参照して説明する。図9は本発明の第5実施形態の動作フローチャートであり、図9AはA号機かご衛生解析部21の処理、図9BはA号機エレベータ制御部18の処理を示す。なお、図9Aに示すA号機かご衛生解析部21の処理であるステップS6~S10は図4と同一のため、その説明を省略する。また、図9Bに示すA号機エレベータ制御部18の処理であるステップS23~S28は図6と同一のため、その説明を省略する。
ステップS31では、A号機かご衛生解析部21の音声解析部23は、左側集音装置25Lと右側集音装置25Rから受信した集音信号を解析し、音圧データと音圧ロケーションデータを作成する。
集音信号から音圧データを作成し、音圧レベルへの分類とカウントする方法は、前述のステップS2の処理、ステップS3の処理と同様に集音装置25L,25Rが集音信号として出力可能な電圧波形の最大振幅値を10Vとした場合で、音圧データを算出することができる。
音圧ロケーションデータの作成方法は、例えば右側集音装置25Rの音圧データが左側集音装置25Lより音圧差異データ値以上、大きい場合はエリア3,6へ設定し、小さい場合はエリア1,4へ設定し、所定値未満の差であれば、エリア2,5,7,8,9へと設定する。
具体的には、右側集音装置25Rの音圧データ値が6V、左側集音装置25Lの音圧データ値が2Vであった場合で音圧差異データ値を2Vと設定しておいた場合、
6V-2V=4V>2V
となるため、音圧ロケーションデータはエリア3,6と判定される。
この場合、右側集音装置25Rの音圧データ値6Vは、音圧レベル“1”に分類されるため、[エリア3,6:音圧レベル“1”]の算出結果を得ることができる。
上記は一例であり、乗りかご1の床面積の小さい場合については、右側集音装置25Rと左側集音装置25Lの間隔距離を大きくとる、音圧差異データ値を絞るといった工夫により微小な音圧データ値差異でもロケーションデータを得ることもできる。
ステップS32では、A号機かご衛生解析部21の映像解析部24は、映像撮影装置26から受信した映像データを解析し、利用者ロケーションデータと利用者方向データを作成する。
図8の場合、映像撮影装置26をかごドア9側のかご上部へ設置した例である。これは、主として衛生リスク管理を行う対象である右側かご操作盤2R、左側かご操作盤2Lが正面方向30Fに配置されているため、利用者41,42,43の顔の向き、つまり飛沫方向を映像データで解析する際に、正面方向30Fからの映像撮影が適しているためである。
利用者ロケーションデータは、例えば無人状態の乗りかご1の映像データと有人状態との映像データの差異により、乗りかご1内にいる人物がどのエリアに位置しているかを判別することで作成できる。また、利用者方向データは、例えば映像データへ顔認識技術を利用してどの方向を向いているのかを判別することで作成できる。第5実施形態では、正面方向30Fを向いた利用者の顔の映像データを捉えやすいが、帽子着用や頭髪形状により、利用者の方向が判別不能であれば、利用者方向データは、未分類としてデータを作成する。作成されるデータの例として、
利用者41は、[エリア3、正面方向30F]
利用者42は、[エリア4、未分類]
利用者43は、[エリア7、正面方向30F]
として、データ算出がなされる。
ステップS33では、A号機かご衛生解析部21の判定処理部22は、ステップS31の処理で音圧レベル算出後、ステップS32の処理で作成した利用者ロケーションデータと比較処理を実行し、エリア音圧データを作成する。
エリア音圧データの作成方法は、ステップS31、ステップS32の音圧ロケーションデータ、利用者ロケーションデータと利用者方向データを例にすると、音圧ロケーションデータ[エリア3,6:音圧レベル“1”]に対し、エリア3に利用者41が正面方向30Fで登録されているため、エリア音圧データは、[エリア3:音圧レベル“1”:正面方向30F:発生回数1]として算出結果を得ることができる。
仮に、音圧ロケーションデータが[エリア1,4:音圧レベル“1”]であった場合、エリア4に利用者42が存在するが、利用者方向データは未分類のため、カウントしないか、又は発生回数を全方向に対して1/4(=0.25)の発生回数とカウントしてもよい。
ステップS34では、A号機かご衛生解析部21の判定処理部22は、ステップS33のエリア音圧データが閾値を越えたかの判定処理を実行する。
例えば、エリア音圧データの閾値条件を音圧レベル“0”の発生回数が“100”以上でエリア衛生リスクデータ“小”、音圧レベル“1”のカウント値が“100”以上でエリア衛生リスクデータ“中”、音圧レベル“2”のカウント値が“100”以上とする。この場合、エリア衛生リスクデータ“大”を出力すると設定したとき、[エリア3:音圧レベル“1”:正面方向30F:発生回数“100”]の結果が得られた場合、
[エリア3:音圧レベル“1”:正面方向30F:発生回数“100”]≧[音圧レベル“1”:閾値“100”]
となる。このため、エリア衛生リスクデータは、
[エリア3:正面方向30F:リスク“中”]として作成される。
ステップS35では、A号機かご衛生解析部21の判定処理部22は、ステップS34で閾値を超えたと判定した場合に、A号機エレベータ制御部18へ、エリア衛生リスクデータを送信する。
A号機エレベータ制御部18へ送信するエリア衛生リスクデータは、[エリア3:正面方向30F:リスク“中”]として送信され、リスクレベル“小”、“中”、“大”だけでなくエリア情報と方向情報が含まれる。
利用者が触れる左側かご操作盤2Lが位置するエリア1と、右側かご操作盤2Rが位置するエリア3をリスク重点管理箇所として登録したい場合は、上記の閾値を一律ではなくエリアごとにエリア閾値として設定する。例えば、
エリア閾値条件:
[エリア1,3:音圧レベル“1”:閾値“50”]
[エリア1,3:音圧レベル“2”:閾値“30”]
[エリア2,4,5,6,7,8,9:音圧レベル“1”:閾値“100”]
[エリア2,4,5,6,7,8,9:音圧レベル“2”:閾値“60”]
上記のようなエリア閾値を設定すれば、エリア1の左側かご操作盤2Lとエリア3の右側かご操作盤2Rの各近傍のエリア衛生リスクデータを重点的に検出することが可能となる。さらに、上記の判定条件に対して、方向データによる重みづけ処理を行ってもよい。例えば、右側かご操作盤2R[エリア3:正面方向30F]へ重みづけ“2”を重みづけ条件とした場合、
重みづけ条件:[エリア3:正面方向30F:重みづけ“2”]
となり、ステップS33の処理において算出されたエリア音圧データは、重みづけ条件に合致するため、
[エリア3:音圧レベル“1”:正面方向30F:発生回数+1]は、重みづけ処理後
[エリア3:音圧レベル“1”:正面方向30F:発生回数+1×2]
となり、右側かご操作盤2Rに対するリスクを重視した結果を得ることができる。
次に、図9Bのフローチャートに基づき、A号機エレベータ制御部18の処理を説明する。
ステップS41では、A号機エレベータ制御部18は、A号機かご衛生解析部21からエリア衛生リスクデータを受信して、オペレーションの実行判定を行う。
ステップS42では、A号機エレベータ制御部18内の記憶領域に清掃要求フラグをセットし、受信したエリア衛生リスクデータからエリア情報と方向情報をもとに、かご表示器3又は乗り場表示器14へ清掃箇所の案内表示を行う。その他、リスクデータ“小”、“中”、“大”に対するオペレーションについては、前述のステップS22と同様であるため説明を省略する。
また、他のオペレーションとしては、図8に示すように、かご操作盤が2つ配置されている場合、エリア衛生リスクデータがエリア3のみ清掃が必要と算出され、エリア1は音圧レベル閾値を超えていない場合を想定する。この場合は、右側かご操作盤2Rが操作不能であり、左側かご操作盤2Lを使用することを促す表示指令、アナウンス指令をA号機エレベータ制御部18が行ってもよい。
以上に述べた第5実施形態によれば、かご内の衛生レベルをかご内のロケーションごとに管理することで、清掃箇所の特定と案内を実現することができ、効果的な清掃作業を行うことが可能となる。
以上、本発明のいくつか実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…乗りかご、2…かご操作盤、3…かご表示器、4…かご呼びボタン、5…ドア閉ボタン、6…ドア開ボタン、7…非常用ボタン、7a…A号機非常用ボタン、7b…B号機非常用ボタン、8…インターホン子機、8a…A号機インターホン子機、8b…B号機インターホン子機、9…かごドア、10…ドアセンサ、11…アナウンス装置、12…かご内カメラ、13…乗り場ドア、14…乗り場表示器、15…乗り場呼びボタン、16…インターホン親機、17…荷重検出器、18…A号機エレベータ制御部、18b…B号機エレベータ制御部、19…ドアモータ、20…巻上機、21…A号機かご衛生解析部、21b…B号機かご衛生解析部、22…判定処理部(リスク判定手段)、23…音声解析部(音声強度測定手段)、24…映像解析部、25L…左側集音装置、25R…右側集音装置、26…映像撮影装置、27…遠隔保守端末、30F…正面方向、30L…左方向、30R…右方向、30B…背面方向、41,42,43…利用者

Claims (9)

  1. エレベータの乗りかご内の利用者が発する音声強度を測定して音圧データを生成する音声強度測定手段と、
    生成された音声データを音圧強度別に複数の音圧レベルに分類し、分類された音圧レベルに基づいて、前記利用者の飛沫に起因する衛生リスクを判定して衛生リスクデータを生成してリスク種別を判定するリスク判定手段と、
    前記衛生リスクデータのリスク種別に基づいてエレベータの運行を制御する運行制御手段と、
    を備えるエレベータかご内衛生管理システム。
  2. 前記音声強度測定手段は、前記利用者が発生する音声をかご内に設置されたインターホンからの受話信号により収集し、収集された受話信号の音声強度を測定して音圧データを生成する請求項1に記載のエレベータかご内衛生管理システム。
  3. 前記音声強度測定手段は、かごドアに設置されたドアセンサからの検出信号と、利用者の有無を検出可能な荷重検出器からの荷重データとに基づき、かご内が有人である場合に前記インターホンからの受話信号を取得する、請求項2に記載のエレベータかご内衛生管理システム。
  4. かご内の所定箇所に配置された複数の集音装置と、かご内の利用者を撮影可能な撮影する撮影装置と、該撮影装置で撮影された映像データに基づいてかご内の利用者が立つかご内の位置と顔の向きとを解析する映像解析手段と、を更に備え、
    前記音声強度測定手段は、前記複数の集音装置で収集された集音信号の各音声強度を測定して各音圧データを生成し、
    前記リスク判定手段は、前記各音声データ間の差分を演算して差分データを生成するとともに、前記集音信号と前記映像データの解析により音源の発生場所と音源が発せられる方向を判定したエリア別の衛生リスクデータを生成してリスク種別を判定し、
    前記運行制御手段は、前記エリア別の衛生リスクデータのリスク種別に基づいてエレベータの運行を制御する、請求項1に記載のエレベータかご内衛生管理システム。
  5. 前記運行制御手段は、前記リスク判定手段により生成された前記衛生リスクデータのリスク種別に応じて、乗り場に設置された乗り場表示装置又は乗りかご内に設置されたかご表示装置の表示内容を切り替える、請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータかご内衛生管理システム。
  6. 前記運行制御手段は、前記リスク判定手段により生成された前記衛生リスクデータのリスク種別に応じて、かご呼びボタン、乗り場呼びボタンの点灯方法を切替える、請求項1~5の何れか1項に記載のエレベータかご内衛生管理システム。
  7. 前記運行制御手段は、前記リスク判定手段により前記衛生リスクデータのリスク種別が中程度と判定された場合には、清掃を推奨する指示を外部に出力し、前記衛生リスクデータのリスク種別が高程度の場合には、各階停止の自動運転に切り替える、又は、かご内の利用者の行先階へ直行する運行を実施する、請求項1~6の何れか1項に記載のエレベータかご内衛生管理システム。
  8. 前記運行制御手段は、前記リスク判定手段から前記衛生リスクデータのリスク種別に応じて、かご操作盤に配置されたかご操作ボタンの中で特定のボタンが押下されている間は、他の操作ボタンの入力を無効とする、請求項1~7の何れか1項に記載のエレベータかご内衛生管理システム。
  9. 前記運行制御手段は、前記かご操作盤の清掃終了後に所定のボタン操作がされた場合に通常運行モードに復帰する、請求項8に記載のエレベータかご内衛生管理システム。
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