JP2022123461A - 制震装置 - Google Patents

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伸也 牛坂
Shinya Ushizaka
和彦 森川
Kazuhiko Morikawa
徹也 半澤
Tetsuya Hanzawa
直人 吉田
Naoto Yoshida
佳久 北村
Yoshihisa Kitamura
智貴 濱
Tomoki Hama
浩一 岡田
Koichi Okada
貴 青木
Takashi Aoki
大輔 上原
Daisuke Uehara
勇樹 服部
Yuki Hattori
克彦 今井
Katsuhiko Imai
宏 佐藤
Hiroshi Sato
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Abstract

【課題】所定の大きさ以下の地震動で生じる免震層の変形領域では作用させず、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重でのみ作用させ、フェールセーフとして免震層の過大変形を抑制することができる制震装置を提供する。【解決手段】制震装置1は、建物の構造体18,19間の免震層12に設置される制震装置であって、建物の構造体18,19間に接続された引張材3と、免震層12の変位に引張材3を追従させる変位追従部材6と、引張材3に設けられたストッパー機構5と、を備え、免震層12が引張方向に所定量変位した場合に、ストッパー機構5が変位追従部材6に当接する。【選択図】図1

Description

本発明は、制震装置に関するものである。
従来から、免震建物に設置される支承材及びダンパー部材には装置としての限界変形がある。告示で決められたいわゆるLv2地震動に対して性能保証変形以下、または案件に応じて設定する余裕度検討用としてLv2の1.5倍程度地震に対し限界変形以下となるように設計することが一般的である。
一方、近年、Lv2の1.5倍を超えるような極大地震が発生しており、設計の想定を超える外力が作用して、これらの限界変形を超えてしまう可能性がある。そこで、想定を超えるような地震動に対しても免震層を健全に保つことができるよう限界変形や免震クリアランス以下に変形を抑えるフェールセーフ装置のニーズがある。
従来のフェールセーフ装置には、擁壁との免震クリアランスに防舷材などの緩衝ゴムを設置する(下記の特許文献1参照)方法がある。
特開2020-133243号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、擁壁の衝突時の復元力メカニズムが明確でなく解析モデルの構築が困難であるという問題点がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、所定の大きさ以下の地震動で生じる免震層の変形領域では作用させず、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重でのみ作用させ、フェールセーフとして免震層の過大変形を抑制することができる制震装置を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る制震装置は、建物の構造体間の免震層に設置される制震装置であって、前記建物の構造体間に接続された引張材と、前記免震層の変位に前記引張材を追従させる変位追従部材と、前記引張材に設けられたストッパー機構と、を備え、前記免震層が引張方向に所定量変位した場合に、前記ストッパー機構が前記変位追従部材に当接する。
このように構成された制震装置では、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重において、フェールセーフとして、ストッパー機構が変位追従部材に当接して、ストッパー機構と変位追従部材との間の距離(ギャップ)が消失する。これによって、引張材に剛性及び耐力が付加されて、免震層変形を限界変形以下に抑制し、免震層に設置された積層ゴムの座屈や免震層の脱落及び擁壁衝突を回避して、免震層の過大変形を抑制することができる。
また、所定の大きさ以下の地震動では、ストッパー機構と変位追従部材との間の距離が消失せず(ギャップ量以下となり)、制震装置は荷重負担しないため、免震による長周期化やエネルギー吸収を阻害することなく免震効果を通常通り発揮できる。
また、本発明に係る制震装置では、前記ストッパー機構は、前記引張材の軸方向に弾性変形可能な弾性部材を有し、該弾性部材は、前記免震層が引張方向に所定量以上変位した場合に、前記変位追従部材に当接して弾性変形してもよい。
このように構成された制震装置では、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重において、ストッパー機構が変位追従部材に当接する際に、弾性部材が弾性変形して圧縮され、ストッパー機構及び変位追従部材の損傷を抑制することができる。
また、本発明に係る制震装置は、建物の構造体間の免震層に設置される制震装置であって、前記建物の構造体間に接続された引張材と、前記免震層の変位に前記引張材を追従させる変位追従部材と、前記引張材に設けられたストッパー機構と、前記免震層の残留変形を復元するジャッキと、を備え、前記変位追従部材は、前記ジャッキに取り付けられ、前記免震層が引張方向に所定量変位した場合に、前記ストッパー機構が前記ジャッキに当接する。
このように構成された制震装置では、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重において、フェールセーフとして、ストッパー機構がジャッキに当接して、ストッパー機構とジャッキとの間の距離(ギャップ)が消失する。これによって、引張材に剛性及び耐力が付加されて、免震層変形を限界変形以下に抑制し、免震層に設置された積層ゴムの座屈や免震層の脱落及び擁壁衝突を回避して、免震層の過大変形を抑制することができる。
また、制震装置に引張力が作用した場合には、ジャッキによって、免震層の残留変形をジャッキの押圧力により、引張材を介して原位置に復元できる。
また、所定の大きさ以下の地震動では、ストッパー機構とジャッキとの間の距離が消失せず(ギャップ量以下となり)、制震装置は荷重負担しないため、免震による長周期化やエネルギー吸収を阻害することなく免震効果を通常通り発揮できる。
また、本発明に係る制震装置では、前記ストッパー機構は、前記引張材の軸方向に弾性変形可能な弾性部材を有し、該弾性部材は、前記免震層が引張方向に所定量以上変位した場合に、前記ジャッキに当接して弾性変形してもよい。
このように構成された制震装置では、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重において、ストッパー機構がジャッキに当接する際に、弾性部材が弾性変形して圧縮され、ストッパー機構及びジャッキの損傷を抑制することができる。
また、本発明に係る制震装置は、前記建物の構造体間に接続された制震ダンパーを備え、前記引張材は、前記制震ダンパーと並列に設けられていてもよい。
このように構成された制震装置では、引張材と並列に制振ダンパーが設置されているため、地震や風荷重の免震効果を高めることができる。
また、本発明に係る制震装置では、前記変位追従部材は、前記免震層の水平二方向の変位に前記引張材を追従させてもよい。
このように構成された制震装置では、変位追従部材は免震層の水平二方向の変位に引張材を追従させるため、免震層の変形に円滑に対応することができる。
また、本発明に係る制震装置では、前記変位追従部材は、前記構造体に接続された取付部と、該取付部に設けられ、前記引張材を該引張材の軸方向に相対移動可能に支持する支持部と、を有していてもよい。
このように構成された制震装置では、変位追従部材の支持部は引張材を軸方向に相対移動可能に支持するため、引張材が変位する際の抵抗を抑えて、引張材が円滑に変位することができる。
また、本発明に係る制震装置では、前記支持部は、前記取付部に対して上下方向を軸線方向とする軸線回りに回動可能に設けられるとともに、内部に前記引張材が挿通可能な挿通孔が形成されていてもよい。
このように構成された制震装置では、変位追従部材の支持部は、取付部に対して上下方向を軸線方向とする軸線回りに回動して、免震層の水平二方向の変位に対応することができる。
本発明に係る制震装置によれば、所定の大きさ以下の地震動で生じる免震層の変形領域では作用させず、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重でのみ作用させ、フェールセーフとして免震層の過大変形を抑制することができる。
本発明の第一実施形態の制震装置の構成を示す側面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置の構成を示す平面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置のトラニオン部材及びストッパー機構の構成を示す(a)平面図であり、(b)(a)のA1-A1断面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置のストッパー機構の分解平面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置のトラニオン部材の構成を示す(a)斜視図であり、(b)トラニオン部材が回動した状態を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態の制震装置に圧縮力が作用して制震ダンパーが一方向に変位した場合の(a)制振装置の変位を示す平面図であり、(b)免震ゴムの変位を示す平面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置に引張力が作用して制震ダンパーが一方向に変位した場合の(a)制振装置の変位を示す平面図であり、(b)免震ゴムの変位を示す平面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置に引張力が作用して制震ダンパーが一方向に変位した場合のトラニオン部材の変位を示す(a)平面図であり、(b)(a)のA2-A2断面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置にさら引張力が作用して制震ダンパーが一方向に変位した場合のトラニオン部材の変位を示す(a)平面図であり、(b)(a)のA3-A3断面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置に圧縮力が作用して制震ダンパーが二方向に変位した場合の(a)制振装置の変位を示す平面図であり、(b)免震ゴムの変位を示す平面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置に引張力が作用して制震ダンパーが二方向に変位した場合の(a)制振装置の変位を示す平面図であり、(b)免震ゴムの変位を示す平面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置に圧縮力及び引張力が作用して制震ダンパーが二方向に変位した場合のトラニオン部材の変位を示す平面図である。 本発明の第二実施形態の制震装置の構成を示す側面図である。 本発明の第二実施形態の制震装置の構成を示す平面図である。 本発明の第二実施形態の制震装置の構成を示す平面図であり、ジャッキがジャッキアップした状態を示した図である。 本発明の第二実施形態の制震装置に圧縮力が作用して制震ダンパーが二方向に変位した場合の(a)制振装置の変位を示す平面図であり、(b)免震ゴムの変位を示す平面図である。 本発明の第二実施形態の制震装置に引張力が作用して制震ダンパーが二方向に変位した場合の(a)制振装置の変位を示す平面図であり、(b)免震ゴムの変位を示す平面図である。 本発明の第三実施形態の制震装置の構成を示す側面図である。 本発明の第三実施形態の制震装置の構成を示す平面図である。 本発明の第三実施形態の制震装置に圧縮力が作用して免震層が二方向に変位した場合の(a)制振装置の変位を示す平面図であり、(b)免震ゴムの変位を示す平面図である。 本発明の第三実施形態の制震装置に引張力が作用して免震層が二方向に変位した場合の(a)制振装置の変位を示す平面図であり、(b)免震ゴムの変位を示す平面図である。 本発明の第一実施形態の制震装置を用いた極大地震時応答変形比較(Lv2×2.0倍)の解析結果であり、(a)応答層変形を示し、(b)応答加速度を示す。 本発明の第一実施形態の制震装置を用いた極大地震時応答変形比較(Lv2×1.0倍)の解析結果であり、(a)応答層変形を示し、(b)応答加速度を示す。 本発明の第一実施形態の制震装置の1本あたりの復元力特性のイメージである。 本発明の第一実施形態の制震装置の時刻歴応答解析で得られた左右一対1本あたりの荷重変形関係を示す。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係る制震装置について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る制震装置1は、例えば建築物10の下層部分の上下の構造体の免震層12に設置されている。免震層12では、上部構造体18に設けられた上部接合部18aと、下部構造体19に設けられた下部接合部19aとの間に免震ゴム11が設置されている。
制震装置1は、鋼材ダンパー装置1Xと、オイルダンパー(制震ダンパー)2と、を備えている。鋼材ダンパー装置1Xは、タイロッド(引張材)3と、回動固定部4と、ストッパー部材(ストッパー機構)5と、トラニオン部材(変位追従部材)6と、を備えている。鋼材ダンパー装置1Xは、いわゆる免震用ギャップ付き鋼材ダンパーである。回動固定部4及びトラニオン部材6は、タイロッド3に設けられ、オイルダンパー2の水平二方向の変位にタイロッド3を追従させるものである。オイルダンパー2の変位は、免震層12の変位と同一である。
制震装置1は、下部構造体19の大梁16に支持され上方に延びる束柱16aと、上部構造体18の大梁17に支持され下方に延びる束柱17aとの間に設置されている。
大梁16,17の延在方向をX方向とする。水平方向のうちX方向と直交する方向をY方向とする。
図2に示すように、オイルダンパー2は、伸縮方向(軸方向)をX方向に向けている。オイルダンパー2は、束柱16a,17aの間に配置されている。
束柱16aには、接合プレート16bが設けられている。オイルダンパー2の一方の端部21は、接合プレート16bに設けられたダンパー接合部16cに取り付けられている。オイルダンパー2の端部21は、ダンパー接合部16cに対して上下方向を軸線方向として軸線回りに回動可能に取り付けられている。
束柱17aには、接合プレート17bが設けられている。オイルダンパー2の他方の端部22は、接合プレート17bに設けられたダンパー接合部17cに取り付けられている。オイルダンパー2の端部22は、ダンパー接合部17cに対して上下方向を軸線方向として軸線回りに回動可能に取り付けられている。
タイロッド3は、鋼材ダンパーである。タイロッド3は、オイルダンパー2と並列に設けられている。タイロッド3は、棒状に形成された軸部30を有している。軸部30の長さ方向は、オイルダンパー2の伸縮方向(X方向)と平行である。タイロッド3は、オイルダンパー2の周囲に複数本配置されている。束柱16a,17aの偏心曲げ及びねじりを回避するために、タイロッド3はオイルダンパー2の上下またはY方向の両側(左右両側)にバランスよく配置されている。本実施形態では、オイルダンパー2の上下及びY方向の両側に4本配置されている。
タイロッド3の一方の端部31は、接合プレート16bに設けられた上下のタイロッド接合部16dに回動固定部4を介して取り付けられている。タイロッド3の端部31は、タイロッド接合部16dにピン支持されている。タイロッド3の端部31は、タイロッド接合部16dに対して上下方向を軸線方向として軸線回りに回動可能に取り付けられている。
回動固定部4は、締結部材162を有している。タイロッド接合部16dは、上下2枚の板状部材である。2枚のタイロッド接合部16dは、タイロッド3の端部31を上下方向から挟み込んでいる。上下2枚のタイロッド接合部16d及びタイロッド3の端部31に形成された貫通孔に、上下方向を軸線方向とする締結部材162が挿通されている。締結部材162は、タイロッド接合部16d及びタイロッド3の端部31を、締結部材162の軸線方向回りに回動可能に接合している。図10に示すように、タイロッド3は、タイロッド接合部16dに対して、締結部材162を中心に回動可能とされている。
図3及び図4に示すように、タイロッド3の他方の端部32には、ストッパー部材5が設けられている。ストッパー部材5は、外側ナット51Aと、内側ナット51Bと、ゴムリング52と、リングワッシャー53と、皿ばね54と、を有している。図3に示すように、タイロッド3の軸方向Xの中心側から端部32側に向けて、内側ナット51B、ゴムリング52、リングワッシャー53、皿ばね54、外側ナット51Aの順で配列されている。
図4に示すように、タイロッド3の端部32には、アプセット加工がされている。タイロッド3の端部32は、タイロッド3の軸部30よりも大径に形成された大径部33を有している。大径部33の端部には、雄ねじ34が形成されている。
大径部33の軸部30側の端面には、テーパー部35が形成されている。テーパー部35は、軸部30から雄ねじ34に向かうにしたがって次第に大径となる傾斜面である。
ゴムリング52は、台座部521と、ゴムリング本体部(弾性部材)522と、を有している。台座部521は、円盤状に形成されている。台座部521の中央には、内側ナット51Bが収容可能かつタイロッド3の雄ねじ34を挿通可能な円孔523が形成されている。台座部521には、ボルト526が取り付けられている。
ゴムリング本体部522は、タイロッド3の軸方向Xに弾性変形可能なゴム製の部材から形成されている。ゴムリング本体部522は、内側ナット51Bの厚みよりも大きな厚みの円盤状に形成されている。ゴムリング52の中央には、台座部521の円孔523と対応した形状の円孔524が形成されている。円孔524には、タイロッド3の雄ねじ34に螺合された内側ナット51Bが配置されている。
図3に示すように、ゴムリング本体部522と後述するトラニオン部材6との間には、通常の状態(オイルダンパー2に変位が生じていない初期設定位置)で軸方向に距離G離間している。距離Gは、オイルダンパー2の引張方向の変位を許容するギャップである。
図4に示すように、リングワッシャー53は、円盤状に形成されている。リングワッシャー53の中央には、タイロッド3の雄ねじ34が挿通可能な円孔531が形成されている。
リングワッシャー53の外縁側には、ゴムリング52のボルト526が挿通可能な取付孔532が複数形成されている。ボルト526が、リングワッシャー53の取付孔532に挿通されている。ボルト526にはワッシャー527が挿通され、ナット528が螺合されている。これによって、ゴムリング52とリングワッシャー53とが、固定されている。また、外側ナット51A及び内側ナット51Bを締め付けた後に、ゴムリング52はリングワッシャー53から取り外し可能である。
外側ナット51Aは、リングワッシャー53との間に皿ばね54を介して雄ねじ32に締め込まれている。皿ばね54を設けることで、外側ナット51Aには、常時軸力を与え、微振動等で生じる供回りによる外側ナット51Aの緩みを防止するとともに、外側ナット51Aを位置決めする。
図1に示すように、タイロッド3の軸部30には、トラニオン部材6が設けられている。トラニオン部材6は、オイルダンパー2のX方向及びY方向(水平二方向)の変位にタイロッド3を追従させるものである。
束柱17aには、上下方向に離間して3枚の接合プレート171が固定されている。上側の接合プレート171と上下方向の中間の接合プレート171との間には、上側に位置するタイロッド3のトラニオン部材6が配置されている。上下方向の中間の接合プレート171と下側の接合プレート171との間には、下側に位置するタイロッド3のトラニオン部材6が配置されている。
接合プレート171には、上下方向に向かい合う他の接合プレート171側を向く面に取付プレート172が固定されている。取付プレート172は、板状に形成されている。取付プレート172の板面は、上下方向を向いている。
図5(a)に示すように、トラニオン部材6は、ピン部材(取付部)61と、筒状部材(支持部)62と、を有している。ピン部材61は、取付プレート172において、上下方向に向かい合う他の取付プレート172側を向く面に取り付けられている。ピン部材61は、上下方向を軸線方向とする棒状部材である。
筒状部材62は、上下のピン部材61の間に設けられている。筒状部材62を挟んで上下のピン部材61は、同軸上に配置されている。図5(b)に示すように、筒状部材62の上部は上側のピン部材61に、ピン部材61の軸線回りに回動可能に取り付けられている。筒状部材62の下部は下側のピン部材61に、ピン部材61の軸線回りに回動可能に取り付けられている。
筒状部材62は、水平方向を軸線方向とする筒状部材である。筒状部材62の内部には、貫通孔(挿通孔)62hが形成されている。図3(a)に示すように、貫通孔62hの径は、タイロッド3の軸部30の径よりもわずかに大きい。図8(a)に示すように、貫通孔62hの径は、タイロッド3の大径部33と略同一である。通常の状態、貫通孔62hには、タイロッド3の軸部30が挿通されている。筒状部材62は、タイロッド3を軸方向(X方向)に相対移動可能に支持している。
図3(a)に示すように、貫通孔62hのストッパー部材5に対向する開口には、テーパー開口62tが形成されている。テーパー開口62tは、貫通孔62hのX方向の中央側から開口縁に向かうにしたがって次第に大径となる傾斜面である。
ストッパー部材5のゴムリング本体部522とトラニオン部材6の筒状部材62の対向面(ストッパー部材5側を向く面)62aとの通常の状態における離間距離(ギャップ)Gは、外側ナット51A及び内側ナット51Bの締め付け位置に応じて調整することができる。
次に、制震装置1の動作について説明する。
図1及び図2に示す初期設定位置(地震力を受けていない位置)Fでは、ストッパー部材5のゴムリング本体部522とトラニオン部材6との離間距離は、距離Gである。
力が作用して、オイルダンパー2が一方向(X方向)に変位した場合について説明する。
制震装置1にX方向の圧縮力(束柱16aと束柱17aとを近接させる方向の力)が作用すると、図6に示すように、オイルダンパー2の全長(端部21と端部22との離間距離)が短くなるように変位する。これにともない、トラニオン部材6の筒状部材62の貫通孔62h内をタイロッド3の軸部30が摺動し、トラニオン部材6の筒状部材62が回動固定部4に近接する方向に変位する。
制震装置1にX方向の引張力(束柱16aと束柱17aとを離間させる方向の力)が作用すると、図7に示すように、オイルダンパー2の全長(端部21と端部22との離間距離)が長くなるように変位する。これにともない、トラニオン部材6の筒状部材62の貫通孔62h内をタイロッド3の軸部30が摺動し、トラニオン部材6の筒状部材62が回動固定部4から離間し、ストッパー部材5に近接する方向に変位する。
図8に示すように、タイロッド3の大径部33の端面にはテーパー部35が形成されるとともに、トラニオン部材6の筒状部材62の貫通孔62hにテーパー開口62tが形成されている。これによって、タイロッド3の大径部33がトラニオン部材6の筒状部材62の貫通孔62h内に侵入する際には、タイロッド3の大径部33が筒状部材62の貫通孔62hに引っかかることなく円滑に侵入し、タイロッド3の大径部33が筒状部材62の貫通孔62h内を円滑に摺動する。
制震装置1にX方向の引張力がさらに大きくなる(オイルダンパー2が引張方向に所定量変位する)と、ゴムリング52のゴムリング本体部522が筒状部材62の対向面62aに当接する。
図9に示すように、引張力がさらに大きくなる(オイルダンパー2が引張方向に所定量以上変位する)と、ゴムリング本体部522がX方向に圧縮変形されて、ギャップGが消滅し、トラニオン部材6の変位を抑制するストッパーとして機能する。
次に、力が作用して、オイルダンパー2が二方向(X方向及びY方向)に変位した場合について説明する。
制震装置1にX方向及びY方向の圧縮力が作用すると、図10に示すように、オイルダンパー2の全長が短くなるように変位するとともに、X方向に対して傾斜する。これにともない、トラニオン部材6の筒状部材62の貫通孔62h内をタイロッド3の軸部30が摺動し、トラニオン部材6の筒状部材62が回動固定部4に近接する方向に変位する。
図12に実線で示すように、トラニオン部材6の筒状部材62は、ピン部材61の軸線回りに回動する。筒状部材62の貫通孔62hに挿通されたタイロッド3のX方向に対する傾斜角度は、オイルダンパー2のX方向に対する傾斜角度と略同一である。
制震装置1にX方向及びY方向の引張力が作用すると、図11に示すように、オイルダンパー2の全長が長くなるように変位するとともに、X方向に対して傾斜する。これにともない、トラニオン部材6の筒状部材62の貫通孔62h内をタイロッド3の軸部30が摺動し、トラニオン部材6の筒状部材62が回動固定部4から離間し、ストッパー部材5に近接する方向に変位する。筒状部材62の貫通孔62hに挿通されたタイロッド3のX方向に対する傾斜角度は、オイルダンパー2のX方向に対する傾斜角度と略同一である。引張力がさらに大きくなる(オイルダンパー2が引張方向に所定量変位する)と、ゴムリング52のゴムリング本体部522が筒状部材62の対向面62aに当接する。
図12に二点鎖線で示すように、引張力がさらに大きくなる(オイルダンパー2が引張方向に所定量以上変位する)と、ゴムリング本体部522が圧縮変形されて、ギャップGが消滅し、トラニオン部材6の変位を抑制するストッパーとして機能する。
このように構成された制震装置1では、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重において、フェールセーフとして、ストッパー部材5がトラニオン部材6に当接して、ストッパー部材5とトラニオン部材6との間のギャップGが消失する。これによって、タイロッド3に剛性及び耐力が付加されて、免震層変形を限界変形以下に抑制し、免震層12に設置された積層ゴムの座屈や免震層12の脱落及び擁壁衝突を回避して、免震層12の過大変形を抑制することができる。
また、所定の大きさ以下の地震動では、ストッパー部材5とトラニオン部材6との間の距離が消失せず(ギャップ量以下となり)、制震装置1は荷重負担しないため、免震による長周期化やエネルギー吸収を阻害することなく免震効果を通常通り発揮できる。
また、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重において、ストッパー部材5がトラニオン部材6に当接する際に、ゴムリング52が弾性変形して圧縮され、ストッパー部材5及びトラニオン部材6の損傷を抑制することができる。
また、タイロッド3と並列にオイルダンパー2が設置されているため、地震や風荷重の免震効果を高めることができる。
また、トラニオン部材6はオイルダンパー2の水平二方向の変位にタイロッド3を追従させるため、免震層12の変形に円滑に対応することができる。
また、トラニオン部材6の筒状部材62はタイロッド3を軸方向に相対移動可能に支持するため、タイロッド3が変位する際の抵抗を抑えて、タイロッド3が円滑に変位することができる。
また、トラニオン部材6の筒状部材62は、ピン部材61に対して上下方向を軸線方向とする軸線回りに回動して、オイルダンパー2の水平二方向の変位に対応することができる。
また、タイロッド3は、オイルダンパー2が取り付けられる束柱16a,17aに取り付けられている。よって、タイロッド3を取り付けるための柱等を別に設置する必要がないため、省スペース化を図ることができる。
また、タイロッド3には引張力にのみ作用させることで、圧縮に対する座屈補剛材が不要になり装置をコンパクト化できる。
また、一般的に、1台で高耐力なオイルダンパーは、試験機の最大能力よりも高耐力となることが多く出荷試験自体が困難であり性能保証が難しい。本実施形態では、タイロッド3を複数本並列化することで制震装置1全体として高耐力化しているため、オイルダンパー2を個々に出荷試験を行えば良く、性能保証が容易な高耐力ダンパーを実現できる。
また、制震装置1は設置スペースが小さいため、接続部の簡易な補強のみで既存の免震用オイルダンパーにタイロッド3、回動固定部4、ストッパー部材5及びトラニオン部材6を併設して追加設置することができる。よって、既存免震建物の改修としても利用できる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に係る制震装置について、主に図13~図17を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図13に示すように、制震装置1Aは、鋼材ダンパー装置1Xと、オイルダンパー(制震ダンパー)2と、センターホールジャッキ(ジャッキ)7と、を備えている。鋼材ダンパー装置1Xは、タイロッド(引張材)3と、回動固定部4と、ストッパー部材(ストッパー機構)5と、トラニオン部材(変位追従部材)6と、を備えている。センターホールジャッキ7は、免震層12の残留変形を復元するものである。
図14に示すように、センターホールジャッキ7は、例えば油圧式等のジャッキである。センターホールジャッキ7は、略円柱状に形成されたジャッキ本体71と、ジャッキ本体71からX方向に延びる支持部72と、を有している。ジャッキ本体71及び支持部72には、X方向に貫通孔が形成されている。貫通孔にタイロッド3の軸部30がX方向に摺動可能に挿通されている。例えば、トラニオン部材6の筒状部材62の貫通孔(不図示)の内部にジャッキ本体71が固定されている。
図15に示すように、センターホールジャッキ7がジャッキアップした状態では、ストッパー部材5のゴムリング52のゴムリング本体部522(図8参照)がセンターホールジャッキ7の支持部72に当接する。ゴムリング本体部522がX方向に圧縮変形されて、ギャップGが消滅するし、トラニオン部材6の変位を抑制するストッパーとして機能する。台風など頻度の高い強風時に、センターホールジャッキ7をジャッキアップしてストッパーを作用させることで免震層12を固定し、風揺れによる免震層変形を抑制する耐風ロック装置としても機能する。
図14に示すように、ゴムリング本体部522とセンターホールジャッキ7の支持部72との間には、通常の状態(オイルダンパー2に変位が生じていない初期設定位置)で軸方向に距離G1離間している。距離G1は、オイルダンパー2の引張方向の変位を許容するギャップである。
図16に示すように、制震装置1AにX方向及びY方向の圧縮力が作用すると、オイルダンパー2の全長が短くなるように変位するとともに、X方向に対して傾斜する。これにともない、ジャッキ本体71及び支持部72の貫通孔内をタイロッド3の軸部30が摺動し、トラニオン部材6の筒状部材62が回動固定部4に近接する方向に変位する。
トラニオン部材6の筒状部材62は、ピン部材61の軸線回りに回動する。タイロッド3のX方向に対する傾斜角度は、オイルダンパー2のX方向に対する傾斜角度と略同一である。
図17に示すように、制震装置1AにX方向及びY方向の引張力が作用すると、オイルダンパー2の全長が長くなるように変位するとともに、X方向に対して傾斜する。これにともない、ジャッキ本体71及び支持部72の貫通孔内をタイロッド3の軸部30が摺動し、トラニオン部材6の筒状部材62が回動固定部4から離間し、ストッパー部材5に近接する方向に変位する。タイロッド3のX方向に対する傾斜角度は、オイルダンパー2のX方向に対する傾斜角度と略同一である。引張力がさらに大きくなる(オイルダンパー2が引張方向に所定量変位する)と、センターホールジャッキ7の支持部72がストッパー部材5のゴムリング本体部522に当接する。引張力がさらに大きくなる(オイルダンパー2が引張方向に所定量以上変位する)と、ゴムリング本体部522が圧縮変形されて、ギャップG1が消滅し、トラニオン部材6の変位を抑制するストッパーとして機能する。
このように構成された制震装置1Aでは、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重において、フェールセーフとして、ストッパー部材5がセンターホールジャッキ7の支持部72に当接して、ストッパー部材5とセンターホールジャッキ7の支持部72との間のギャップG1が消失する。これによって、タイロッド3に剛性及び耐力が付加されて、免震層変形を限界変形以下に抑制し、免震層12に設置された積層ゴムの座屈や免震層12の脱落及び擁壁衝突を回避して、免震層12の過大変形を抑制することができる。
また、所定の大きさ以下の地震動では、ストッパー部材5とセンターホールジャッキ7の支持部72との間の距離が消失せず(ギャップ量以下となり)、制震装置1Aは荷重負担しないため、免震による長周期化やエネルギー吸収を阻害することなく免震効果を通常通り発揮できる。
また、制震装置1Aに引張力が作用した場合には、センターホールジャッキ7によって、免震層12の残留変形をセンターホールジャッキ7の押圧力により、タイロッド3を介して原位置に復元できる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係る制震装置について、主に図18~図21を用いて説明する。
図18に示すように、制震装置1Bは、鋼材ダンパー装置1Xと、センターホールジャッキ(ジャッキ)7と、を備えている。鋼材ダンパー装置1Xは、タイロッド(引張材)3と、回動固定部4と、ストッパー部材(ストッパー機構)5と、トラニオン部材(変位追従部材)6と、を備えている。センターホールジャッキ7は、免震層12の残留変形を復元するものである。
図19に示すように、センターホールジャッキ7のジャッキ本体71及び支持部72にX方向に貫通するように形成された貫通孔に、タイロッド3の軸部30がX方向に摺動可能に挿通されている。トラニオン部材6の筒状部材62の貫通孔(不図示)の内部にジャッキ本体71が固定されている。
図20に示すように、制震装置1BにX方向及びY方向の圧縮力が作用すると、タイロッド3がX方向に対して傾斜し、ジャッキ本体71及び支持部72の貫通孔内をタイロッド3の軸部30が摺動し、トラニオン部材6の筒状部材62が回動固定部4に近接する方向に変位する。トラニオン部材6の筒状部材62は、ピン部材61の軸線回りに回動する。
図21に示すように、制震装置1BにX方向及びY方向の引張力が作用すると、タイロッド3がX方向に対して傾斜し、ジャッキ本体71及び支持部72の貫通孔内をタイロッド3の軸部30が摺動し、トラニオン部材6の筒状部材62が回動固定部4から離間し、ストッパー部材5に近接する方向に変位する。引張力がさらに大きくなると、センターホールジャッキ7の支持部72がストッパー部材5のゴムリング本体部522に当接する。引張力がさらに大きくなると、ゴムリング本体部522が圧縮変形されて、ギャップG1が消滅し、トラニオン部材6の変位を抑制するストッパーとして機能する。
このように構成された制震装置1Bでは、所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重において、フェールセーフとして、ストッパー部材5がセンターホールジャッキ7の支持部72に当接して、ストッパー部材5とセンターホールジャッキ7の支持部72との間のギャップG1が消失する。これによって、タイロッド3に剛性及び耐力が付加されて、免震層変形を限界変形以下に抑制し、免震層12に設置された積層ゴムの座屈や免震層12の脱落及び擁壁衝突を回避して、免震層12の過大変形を抑制することができる。
また、所定の大きさ以下の地震動では、ストッパー部材5とセンターホールジャッキ7の支持部72との間の距離が消失せず(ギャップ量以下となり)、制震装置1Bは荷重負担しないため、免震による長周期化やエネルギー吸収を阻害することなく免震効果を通常通り発揮できる。
また、制震装置1Bに引張力が作用した場合には、センターホールジャッキ7によって、免震層12の残留変形をセンターホールジャッキ7の押圧力により、タイロッド3を介して原位置に復元できる。
次に、免震層を有する建物の解析モデルについて、上記に示す制震装置1を設置した効果を時刻歴応答解析で確認した。
モデル建物の固有周期は、固定時で約1.5秒である。免震周期は、200%歪み時で約5.0秒の建物であり、天然ゴム系積層ゴム、鉛プラグ入り積層ゴム、オイルダンパー8台(1方向あたり)からなる。オイルダンパー1台あたり、タイロッド3は4本設置され、計32本(1方向あたり)とした。ここで、本装置(制震装置1)は引張にのみ作用するため、実際に荷重を負担するのは16本分である。
図22及び図23では、「ギャップ付き鋼材ダンパーあり」は上記に示す制震装置1であり、比較例として「ギャップ付き鋼材ダンパーなし」(オイルダンパー2を備え、タイロッド3、回動固定部4、ストッパー部材5及びトラニオン部材6を備えていない構成)及び「免震クリアランス(擁壁衝突)」を示している。図22に示すよう告示神戸Lv2の2.0倍の入力に対し、本装置(制震装置1)の有無の比較から、設置前は最大変形が約700mmに対し、設置後は約650mm以下に変形が抑制されており、約50mmの変形低減効果が確認できる。ただし、応答加速度については、設置後の方が増加する。
一方、図23に示すようLv2の1.0倍入力では本装置(制震装置1)は作用せず免震の性能を阻害しないことが分かる。
また、図24に、ギャップ変位を550mmとした本装置の復元力特性イメージを示す。図25に、応答解析で得られた実際の履歴(左右一対で表現)を示す。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、第三実施形態の制震装置がセンターホールジャッキ7を備えていなくてもよい。この場合には、トラニオン部材6は、第一実施形態のような構成であり、束柱17aに設けられた取付プレート172に取り付けられている。所定の大きさを超えるような極大地震や風荷重において、フェールセーフとして、ストッパー部材5がトラニオン部材6に当接して、ストッパー部材5とトラニオン部材6との間のギャップGが消失する。これによって、タイロッド3に剛性及び耐力が付加されて、免震層変形を限界変形以下に抑制し、免震層12に設置された積層ゴムの座屈や免震層12の脱落及び擁壁衝突を回避して、免震層12の過大変形を抑制することができる。また、所定の大きさ以下の地震動では、ストッパー部材5とトラニオン部材6との間の距離が消失せず(ギャップ量以下となり)、制震装置1は荷重負担しないため、免震による長周期化やエネルギー吸収を阻害することなく免震効果を通常通り発揮できる。
1,1A,1B 制震装置
1X 鋼材ダンパー装置
2 制震ダンパー
3 タイロッド(引張材)
5 ストッパー部材(ストッパー機構)
6 トラニオン部材(変位追従部材)
7 センターホールジャッキ(ジャッキ)
12 免震層
18 上部構造体
19 下部構造体
61 ピン部材(取付部)
62 筒状部材(支持部)
62h 貫通孔(挿通孔)
522 ゴムリング本体部(弾性部材)

Claims (8)

  1. 建物の構造体間の免震層に設置される制震装置であって、
    前記建物の構造体間に接続された引張材と、
    前記免震層の変位に前記引張材を追従させる変位追従部材と、
    前記引張材に設けられたストッパー機構と、を備え、
    前記免震層が引張方向に所定量変位した場合に、前記ストッパー機構が前記変位追従部材に当接する制震装置。
  2. 前記ストッパー機構は、前記引張材の軸方向に弾性変形可能な弾性部材を有し、
    該弾性部材は、前記免震層が引張方向に所定量以上変位した場合に、前記変位追従部材に当接して弾性変形する請求項1に記載の制震装置。
  3. 建物の構造体間の免震層に設置される制震装置であって、
    前記建物の構造体間に接続されれた引張材と、
    前記免震層の変位に前記引張材を追従させる変位追従部材と、
    前記引張材に設けられたストッパー機構と、
    前記免震層の残留変形を復元するジャッキと、を備え、
    前記変位追従部材は、前記ジャッキに取り付けられ、
    前記免震層が引張方向に所定量変位した場合に、前記ストッパー機構が前記ジャッキに当接する制震装置。
  4. 前記ストッパー機構は、前記引張材の軸方向に弾性変形可能な弾性部材を有し、
    該弾性部材は、前記免震層が引張方向に所定量以上変位した場合に、前記ジャッキに当接して弾性変形する請求項3に記載の制震装置。
  5. 前記建物の構造体間に接続された制震ダンパーを備え、
    前記引張材は、前記制震ダンパーと並列に設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の制震装置。
  6. 前記変位追従部材は、前記免震層の水平二方向の変位に前記引張材を追従させる請求項1から5のいずれか一項に記載の制震装置。
  7. 前記変位追従部材は、
    前記構造体に接続された取付部と、
    該取付部に設けられ、前記引張材を該引張材の軸方向に相対移動可能に支持する支持部と、を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の制震装置。
  8. 前記支持部は、前記取付部に対して上下方向を軸線方向とする軸線回りに回動可能に設けられるとともに、内部に前記引張材が挿通可能な挿通孔が形成されている請求項7に記載の制震装置。
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