JP2022122755A - 樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents

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Kenji Kunimoto
俊彦 大森
Toshihiko Omori
哲也 須田
Tetsuya Suda
卓也 奥元
Takuya Okumoto
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Abstract

【課題】耐候性に優れた樹脂組成物、及び前記樹脂組成物を含む樹脂成形体を提供する。【解決手段】透明樹脂(A)、紫外線吸収剤(B)及びヒンダードアミン系光安定剤(C)を含む樹脂組成物であって、前記紫外線吸収剤(B)が、吸光度の最大値を示す波長が200nm以上330nm以下の範囲にあり、且つ、分子量200以上550以下である、樹脂組成物。前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)が、分子量400以上1000以下である、前記樹脂組成物。前記樹脂組成物を含む樹脂成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂成形体に関する。
従来から、屋外看板や屋外照明のカバー材料として、メタクリル系樹脂が用いられている。
しかしながら、屋外看板や屋外照明は、長期にわたり太陽光等の紫外線に曝されると変色するため、メタクリル系樹脂には優れた耐候性が求められていた。
メタクリル系樹脂の耐候性を向上する方法として、特許文献1には、メタクリル系樹脂にヒンダードアミン系光安定剤を配合する技術が提案されている。また、特許文献2には、メタクリル系樹脂にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を配合する技術が提案されている。
国際公開2002/014388号公報 特開平11-035779号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、耐候性が不十分であった。
特に、厚みが薄いメタクリル系樹脂製品においては、多量の紫外線吸収剤や光安定剤の添加が必要となり、また、メタクリル系樹脂と紫外線吸収剤や光安定剤は相溶し難いため、成形加工時のプレートアウトやブリードアウト、保存時のブリードアウト等が生じ、長期にわたり耐候性の安定した製品を得ることができない。
本発明はこれらの問題点を解決することを目的とする。すなわち、本発明の課題は、耐候性に優れた樹脂成形体、及び前記樹脂成形体を得るための樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明の第一の要旨は、透明樹脂(A)、紫外線吸収剤(B)及びヒンダードアミン系光安定剤(C)を含む樹脂組成物であって、前記紫外線吸収剤(B)が、吸光度の最大値を示す波長が200nm以上330nm以下の範囲にあり、且つ、分子量200以上550以下である、樹脂組成物にある。
本発明の第二の要旨は、前記樹脂組成物を含む樹脂成形体にある。
本発明により、耐候性に優れた樹脂成形体、及び前記樹脂成形体を得るための樹脂組成物を提供することができる。
本発明の樹脂組成物及び樹脂成形体は、耐候性に優れているので、屋外看板や屋外照明のカバー材料等の用途に好適に使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」から選ばれる少なくとも1種を意味する。
本明細書において、「単量体」は未重合の化合物を意味し、「繰り返し単位」及び「構造単位」は単量体が重合することによって形成された該単量体に由来する単位を意味する。繰り返し単位及び構造単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換されたものであってもよい。
本明細書において、「質量%」は全体量100質量%中に含まれる所定の成分の含有割合を示す。
特に断らない限り、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味し、「A~B」は、A以上B以下であることを意味する。
<樹脂組成物>
本発明における樹脂組成物は、後述する透明樹脂(A)、後述する紫外線吸収剤(B)及び後述するヒンダードアミン系光安定剤(C)を含む樹脂組成物である。
前記樹脂組成物は、透明樹脂(A)を含有するので、得られた樹脂成形体の透明性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、紫外線吸収剤(B)及びヒンダードアミン系光安定剤(C)を含有するので、得られた樹脂成形体の耐候性に優れる。
<透明樹脂(A)>
透明樹脂(A)は、本発明の樹脂成形体を構成する構成成分の1つである。
透明樹脂(A)は、少なくとも可視光領域で高い光線透過率を有する透明樹脂であれば、特に制限されるものではなく、公知の透明樹脂を用いることができる。メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリスチレン樹脂から選ばれる少なくとも一種は、透明性に優れる観点から好ましい。メタクリル系樹脂は、特に透明性に優れているので、受付カウンターやサービスカウンターなどの対面式カウンターの用途に好適である。
上述した透明樹脂(A)には、衝撃強度改質剤、離型剤、紫外線吸収剤、重合抑制剤、酸化防止剤、難燃化剤等の公知の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で含有させてもよい。
(メタクリル系樹脂)
本発明において透明樹脂(A)として用いることができるメタクリル系樹脂は、特に限定されないが、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略する。)の単独重合体、又はMMAとMMA以外の単量体(以下、「他の単量体」と略する。)との共重合体(以下、「MMA共重合体」と略する。)であって、MMA由来の繰り返し単位(以下、「MMA単位」と略する。)の含有率が、MMA共重合体の総質量の70質量%以上100質量%未満であるMMA共重合体が好ましい。
また、メタクリル系樹脂を共重合可能な公知の架橋性単量体により架橋することも可能である。
上記他の単量体は、MMAと共重合可能なものであれば、特に限定されない。上記他の単量体の例は、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル等の炭素数1~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体等である。
メタクリル系樹脂は、後述する製造方法を用いて製造することができる。具体的には、セルキャスト法や連続キャスト法等の公知の注型重合法を用いて製造されるメタクリル系樹脂が挙げられる。
<紫外線吸収剤(B)>
紫外線吸収剤(B)は、本発明の樹脂組成物を構成する構成成分の1つである。
本発明の樹脂組成物が、紫外線吸収剤(B)を含むことで、得られた樹脂成形体の耐候性を優れたものにできる。
前記紫外線吸収剤(B)の吸光度の最大値を示す波長は、後述するヒンダードアミン系光安定剤(C)と組み合わせて用いることで、得られた樹脂成形体が長時間紫外線に晒されたときの耐候性に優れる観点から、200nm以上330nm以下の範囲内にある。240nm以上300nm以下がより好ましく、260nm以上280nm以下がさらに好ましい。
前記紫外線吸収剤(B)の分子量の上限は、紫外線吸収剤(B)が、樹脂成形体の表面にブリードアウトすることなく、表面近傍に局在化することで、樹脂成形体の耐候性がより優れる観点から、550以下である。500以下がより好ましく、450以下がさらに好ましい。一方、前記分子量の下限は、特に限定されないが、樹脂成形体の表面に紫外線吸収剤(B)がブリードアウトすることを抑制でき、樹脂成形体のアンチブロッキング性を維持できる観点から、200以上が好ましい。300以上がより好ましく、400以上がさらに好ましい。
上記の好ましい上限及び好ましい下限は任意に組み合わせることができる。即ち、前記紫外線吸収剤(B)の分子量は、200以上550以下であり、300以上500以下が好ましく、400以上450以下がより好ましい。
前記紫外線吸収剤(B)の構造は、特に制限されるものではないが、透明樹脂(A)がメタクリル系樹脂である場合に、樹脂組成物への溶解性が良好となり、得られた樹脂成形体の耐候性がより優れる観点から、複素環式化合物であることが好ましい。
前記紫外線吸収剤(B)の種類は、特に制限されるものではないが、透明樹脂(A)がメタクリル系樹脂である場合に、樹脂組成物への溶解性が良好となり、得られた樹脂成形体の耐候性がより優れる観点から、トリアジン系化合物であることが好ましい。
トリアジン系化合物としては、例えば、1,3,5-トリアジン骨格を有する化合物等が挙げられ、具体的には、Tinuvin1577ED(製品名、BASFジャパン社製)等の市販品を入手できる。
前記紫外線吸収剤(B)の構造は、特に制限されるものではないが、透明樹脂(A)がメタクリル系樹脂である場合に、樹脂組成物への溶解性が良好となり、得られた樹脂成形体の耐候性がより優れる観点から、分子内に芳香族環を3個以上有することが好ましい。
また、前記紫外線吸収剤(B)の構造は、特に制限されるものではないが、透明樹脂(A)がメタクリル系樹脂である場合に、樹脂組成物への溶解性が良好となり、得られた樹脂成形体の耐候性がより優れる観点から、分子内にヒドロキシル基を1個以上含むことが好ましい。
また、前記紫外線吸収剤(B)の種類は、特に制限されるものではないが、透明樹脂(A)がメタクリル系樹脂である場合に、樹脂組成物への溶解性が良好となり、得られた樹脂成形体の耐候性と製品外観がより優れる観点から、ヒドロキシトリフェニルトリアジン系化合物が好ましい。
前記紫外線吸収剤(B)の構造は、特に制限されるものではないが、透明樹脂(A)がメタクリル系樹脂である場合に、樹脂組成物への溶解性が良好となり、得られた樹脂成形体の耐候性と製品外観がより優れる観点から、下記一般式(I)で示される化合物が好ましい。
Figure 2022122755000001
(式(I)中、Rは、炭素数1~8の直鎖又は分岐のアルコキシ基又はアルキル基であり、RおよびRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~8の直鎖又は分岐のアルキル基であり、R、RおよびRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、RおよびRは、互いに独立に、水素原子又はヒドロキシル基である。)
前記一般式(I)で示される化合物としては、2-[4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノールが挙げられる。具体的には、Tinuvin1577ED(製品名、BASFジャパン社製)等の市販品を用いることができる。
本発明の樹脂組成物に含まれる前記紫外線吸収剤(B)の含有割合の下限は、特に制限されるものではないが、得られた樹脂成形体の耐候性に優れる観点から、前記樹脂組成物の総質量100%に対して、0.01質量%以上が好ましい。0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。一方、前記紫外線吸収剤(B)の含有割合の上限は、特に制限されるものではないが、樹脂組成物への溶解性が良好であり、得られた樹脂成形体の耐候性と製品外観を良好に維持できる観点から、前記樹脂組成物の総質量100%に対して、2.0質量%以下が好ましい。1.0質量%以下がより好ましく、0.7質量%以下がさらに好ましい。
上記の好ましい上限及び好ましい下限は任意に組み合わせることができる。即ち、樹脂組成物に含まれる前記紫外線吸収剤(B)の含有割合は、前記樹脂組成物の総質量100%に対して、0.01質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上0.7質量%以下がさらに好ましい。
<ヒンダードアミン系光安定剤(C)>
ヒンダードアミン系光安定剤(C)は、本発明のメタクリル系樹脂組成物の構成成分の一つである。
本発明の樹脂組成物が、ヒンダードアミン系光安定剤(C)を含有することにより、得られた樹脂成形体が紫外線に長時間曝露されたときの、耐候性を優れたものにできる。
本発明の樹脂組成物において、ヒンダードアミン系光安定剤(C)を、前記紫外線吸収剤(B)と組み合わせて用いることで、得られた樹脂成形体の耐候性はより優れたものになる。
前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)の分子量の上限は、特に限定されないが、ヒンダードアミン系光安定剤(C)が、得られた樹脂成形体の表面にブリードアウトすることなく、表面近傍に局在化することで、樹脂成形体の耐候性がより優れる観点から、分子量1000以下が好ましい。分子量800以下がより好ましく、分子量600以下がさらに好ましい。一方、前記分子量の下限は、特に限定されないが、樹脂成形体の表面にヒンダードアミン系光安定剤(C)がブリードアウトすることを抑制でき、樹脂成形体のアンチブロッキング性を維持できる観点から分子量400以上が好ましい。分子量450以上がより好ましく、分子量500以上がさらに好ましい。
上記の好ましい上限及び好ましい下限は任意に組み合わせることができる。即ち、前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)の分子量は、400以上1000以下が好ましく、450以上800以下がより好ましく、500以上600以下がさらに好ましい。
本発明におけるヒンダードアミン系光安定剤(C)としては、特に限定されるものではなく、セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)として、例えば、Tinuvin770DF(商品名、BASF社製)、LA-77(商品名、ADEKA社製)、SanolLS-770(商品名、BASF社製)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)として、例えば、Tinuvin765(商品名、BASF社製)、SanolLS-765(商品名、BASF社製)、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン重縮合物として、例えば、Tinuvin622SF(商品名、BASF社製)、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)として、例えば、LA-52(商品名、ADEKA社製)、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸1-ヘキサデシル-2,3,4-トリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)として、例えば、LA-57(商品名、ADEKA社製)、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール及び3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物として、例えば、LA-63P(商品名、ADEKA社製)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、得られた樹脂成形体が、耐候性に優れている観点から、セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンの重縮合物、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸1-ヘキサデシル-2,3,4-トリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)が好ましい。
上述したヒンダードアミン系光安定剤(C)の中でも、前記紫外線吸収剤(B)と組み合わせて用いることで、得られた樹脂成形体の耐候性がより優れたものとなる観点から、前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)は、吸光度の最大値を示す波長が、200nm以上300nm以下の範囲にあることが好ましく、220nm以上270nm以下の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物に含まれる前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)の含有割合の下限は、特に制限されるものではないが、得られた樹脂成形体の耐候性に優れる観点から、前記樹脂組成物の総質量100%に対して、0.01質量%以上が好ましい。0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましい。一方、前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)の含有割合の上限は、特に制限されるものではないが、樹脂組成物への溶解性が良好であり、得られた樹脂成形体の耐候性と製品外観を良好に維持できる観点から、前記樹脂組成物の総質量100%に対して、1.0質量%以下が好ましい。0.7質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
上記の好ましい上限及び好ましい下限は任意に組み合わせることができる。即ち、樹脂組成物に含まれる前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)の含有割合は、前記樹脂組成物の総質量100%に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.7質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上0.5質量%以下がさらに好ましい。
<樹脂成形体>
本発明の樹脂成形体は、本発明の樹脂組成物を含む樹脂成形体である。
本発明の樹脂成形体の全体の厚さは、特に制限されるものではないが、機械的強度や成形加工性の観点から、100~5000μmとすることができる。
<樹脂組成物及び樹脂成形体の製造方法>
本発明の樹脂成形体は、後述する重合性原料を重合して、樹脂組成物を得た後に、得られた樹脂組成物を、射出成形法や押し出し成形法等の公知の溶融成形法を用いて、所望の形状の樹脂成形体に成形して得ることができる。
或いは又、本発明の樹脂成形体は、前記透明樹脂が前記メタクリル系樹脂である場合、セルキャスト法や連続キャスト法等の公知の注型重合法を用いて、後述する重合性原料を重合することで、所望の形状の樹脂成形体として得ることができる。
以下、前記透明樹脂が前記メタクリル系樹脂である場合に、注型重合法を用いて樹脂成形体を製造する方法について説明する。
注型重合法は、対向配置された2枚の無機ガラス板または金属板(例えば、SUS板)の外周部を、軟質樹脂製のガスケットでシールして、これを鋳型とし、続いて、樹脂組成物の原料である後述する重合性原料を前記鋳型内に注入して、重合させることによりシート状の樹脂組成物を形成する。次いで、得られた樹脂組成物を鋳型から剥離して、板状の樹脂成形体を得る方法である。
注型重合用の鋳型の形態は特に限定されるものではなく、公知の鋳型を用いることができる。例えば、セルキャスト用の鋳型と連続キャスト用の鋳型が挙げられる。
セルキャスト用の鋳型としては、例えば、無機ガラス板、クロムメッキ金属板、ステンレス鋼板(SUS板)等の2枚の板状体を所定間隔で対向配置し、その縁部に軟質樹脂製のガスケットを配置して、板状体とガスケットにより密封空間を形成させたものが挙げられる。
連続キャスト用の鋳型としては、例えば、同一方向へ同一速度で走行する一対のエンドレスベルトの対向する面と、エンドレスベルトの両側辺部においてエンドレスベルトと同一速度で走行するガスケットとにより密封空間を形成させたものが挙げられる。
注型重合法を用いた場合の重合方法は、特に制限されるものではなく、例えば、メタクリル系樹脂の製造に用いられる公知の重合方法を採用できる。具体的には、単量体を重合溶媒として用いるいわゆるバルク重合法(塊状重合法)を、公知のラジカル重合の条件を用いて行うことができる。
注型重合法を用いる場合、下記工程(1)~(3)を順次行うことができる。
工程(1):対向配置された2枚の金属板(SUS板)の外周部を、軟質樹脂製のガスケットでシールした鋳型を作成し、この鋳型を反応容器とする。次いで、後述する重合性原料を、前記反応容器に注入し、該反応容器を重合装置に導入する。
工程(2):前記反応容器中の重合性原料を、重合装置内の、第1加熱領域にて50℃以上100℃以下の温度範囲に加熱し、且つ、第2加熱領域にて100℃以上150℃以下の温度範囲に加熱して重合し、重合物を得る。
工程(3):前記得られた重合物を前記反応容器から取り出して、前記透明樹脂としてメタクリル系樹脂を含有する樹脂組成物からなる、板状の樹脂成形体を得る。
前記メタクリル系樹脂の重量平均分子量は、この分野の当業者が技術常識に従って、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が20,000以上3,000,000以下となるように、重合方法や、重合時の重合開始剤の種類や添加量、連載移動剤の種類や添加量、重合温度、単量体の仕込み組成等を調整することにより制御できる。
<重合性原料>
重合性原料は、本発明における樹脂組成物又は樹脂成形体の原料である。
重合性原料として、具体的には、メタクリル酸メチルの単独物、前記光拡散剤、及び公知の重合開始剤の混合物、又は、MMA80質量%以上100質量%未満、及び上述した(メタ)アクリル酸アルキルエステル0質量%を超えて20質量%以下を含む単量体組成物、前記光拡散剤、及び公知の重合開始剤の混合物を用いることができる。
なお、公知の重合開始剤としては、メタクリル系樹脂の製造に用いられる、上述した公知のアゾ系開始剤や過酸化物系開始剤を使用できる。
さらに、重合性原料に、n-オクチルメルカプタンやn-ブチルメルカプタン等の上述した公知のメルカプタン化合物を連鎖載移動剤として含有させることで、メタクリル系樹脂の重量平均分子量を制御することができる。
さらに、重合性原料に、衝撃強度改質剤、離型剤、紫外線吸収剤、重合抑制剤、酸化防止剤、難燃化剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、充填剤、顔料、染料、蛍光剤、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤等の公知の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、実施例及び比較例で使用した化合物の略号は以下のとおりである。
MMA:メタクリル酸メチル
BA:アクリル酸ブチル
HPP:t-ヘキシルパーオキシピバレート(商品名:パーヘキシルPV、日油(株)製)
AVN:2,2´-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(商品名:V-65、富士フイルム和光純薬(株)製)
紫外線吸収剤(B-1):トリアジン系紫外線吸収剤、2-[4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(ヘキシルオキシ)フェノール(商品名:Tinuvin1577ED、BASFジャパン社製、分子量426、吸光度の最大値を示す波長が274nm)
ヒンダードアミン系光安定剤(C-1):セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)(商品名:Tinuvin765、BASFジャパン社製、分子量509)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(D-1):2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル(商品名:Tinuvin P、ADEKA社製、分子量225、吸光度の最大値を示す波長が341nm)
染料(1):カラーインデックスがPigment Green 7の染料
染料(2):カラーインデックスがPigment Yellow 183の染料
染料(3):カラーインデックスがPigment Yellow 138の染料
染料(4):カラーインデックスがPigment White 21の染料
スチレン系樹脂粒子(1):スチレン-アクリル系共重合体の微粒子(商品名:ダイヤナール BR-50、三菱ケミカル社製)
<評価方法>
実施例及び比較例における評価は以下の方法により実施した。
(1)耐候性試験
実施例及び比較例で得られた樹脂成形体について、カーボンアーク式のサンシャインウェザーメーター(SWOM)を用いて、JIS K7350-4に準拠して、以下の工程(1)を1サイクルとする促進耐候性試験を行った。促進耐候性試験前及び試験開始3000時間後の樹脂成形体について、L*a*b*表色系における色差(ΔE*ab)を評価した。
工程(1)UV照射工程(波長300~700nm領域の紫外線照射強度:255W/m、ブラックパネルの温度:63℃、ウェザーメーター槽内の温度:40℃、ウェザーメーター槽内の湿度:50%RH、1サイクル:120分(途中シャワーあり:18分))
(2)ブリード試験:実施例及び比較例で得られた樹脂成形体を40℃のオーブンに7日間放置し、ブリードの有無を目視にて確認した。
以下、実施例に、本発明の樹脂組成物及び樹脂成形体の一例を開示する。
[実施例1]
(1)シラップの製造
冷却管、温度計及び攪拌機を備えた反応器(重合釜)にMMA98.5質量部、BA1.5質量部を供給し、撹拌しながら、窒素ガスでバブリングした後、加熱を開始した。内温が60℃になった時点で、ラジカル重合開始剤であるAVN0.05質量部を添加し、更に内温100℃まで加熱した後、10分間保持した。次いで、反応器を室温まで冷却して、重合体20質量%と単量体80質量%からなるシラップ(S)を得た。
(2)注型重合
上記のシラップ(S)100質量部に、重合開始剤としてHPP0.2質量部、拡散剤としてスチレン系樹脂粒子(1)を1.5質量部、紫外線吸収剤(B)を1000質量ppm、ヒンダードアミン系光安定剤(C)を1000質量ppm、さらに、最終的に得られた樹脂成形体の3刺激値(X,Y,Z)が表1に記載の数値となるように、染料(1)~(4)を配合して、重合性組成物を得た。対向して配置した2枚のSUS板の間の周縁部に、2枚のSUS板の空隙間隔が2.2mmとなるように軟質樹脂製ガスケットを設置して、鋳型を作製した。前記鋳型の中に、前記重合性組成物を流し込み、軟質樹脂製ガスケットで完全に封止した後、82℃の湯浴中で30分間保持した後、熱風循環炉にて130℃で30分間加熱して、重合硬化させた。その後、室温まで冷却し、軟質樹脂製ガスケットとSUS板を取り除いて、樹脂組成物からなる板状の樹脂成形体(縦500mm×横500mm×厚さ2mm)を得た。前記樹脂組成物を、H-NMR法を用いて分析したところ、MMA単位98.5質量%及びBA単位1.5質量%からなるメタクリル系樹脂(1)であった。得られた樹脂成形体の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
紫外線吸収剤(B)の含有割合を表1に記載のとおりに変更し、さらに、最終的に得られた樹脂成形体の3刺激値(X,Y,X)が表1に記載の数値となるように染料(1)~(4)の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
紫外線吸収剤(B)及びヒンダードアミン系光安定剤(C)の代わりに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(D-1)を用いて、その含有割合を表1に記載のとおりに変更し、さらに、最終的に得られた樹脂成形体の3刺激値(X,Y,X)が表1に記載の数値となるように染料(1)~(4)の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の評価結果を表1に示す。
Figure 2022122755000002
実施例1~2で得られた樹脂成形体は、耐候性が良好であった。
比較例1で得られた樹脂成形体は、紫外線吸収剤(B)及びヒンダードアミン系光安定剤(C)を含まないため、耐候性が劣っていた。
本発明の樹脂組成物及び、本発明の樹脂組成物を含む樹脂成形体は、耐候性に優れているため、屋外看板や屋外照明のカバー材料等の用途に好適に用いることができる。

Claims (15)

  1. 透明樹脂(A)、紫外線吸収剤(B)及びヒンダードアミン系光安定剤(C)を含む樹脂組成物であって、
    前記紫外線吸収剤(B)が、吸光度の最大値を示す波長が200nm以上330nm以下の範囲にあり、且つ、分子量200以上550以下である、樹脂組成物。
  2. 前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)が、分子量400以上1000以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記紫外線吸収剤(B)が、分子量300以上500以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記紫外線吸収剤(B)が、吸光度の最大値を示す波長が240nm以上300nm以下の範囲にある、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記紫外線吸収剤(B)が、複素環式化合物である、請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記紫外線吸収剤(B)が、トリアジン系化合物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記紫外線吸収剤(B)が、分子内に芳香族環を3個以上有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記紫外線吸収剤(B)が、分子内にヒドロキシル基を1個以上含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記紫外線吸収剤(B)が、ヒドロキシトリフェニルトリアジン系化合物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記紫外線吸収剤(B)が、下記一般式(I)で示される化合物である、請求項1~9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
    Figure 2022122755000003
    (式(I)中、Rは、炭素数1~8の直鎖又は分岐のアルコキシ基又はアルキル基であり、RおよびRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~8の直鎖又は分岐のアルキル基であり、R、RおよびRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、RおよびRは、互いに独立に、水素原子又はヒドロキシル基である。)
  11. 前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)が、分子量400以上600以下である、請求項1~10のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  12. 前記透明樹脂(A)が、メタクリル系樹脂である、請求項1~11のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  13. 前記樹脂組成物が、該樹脂組成物の総質量100%に対して、前記透明樹脂(A)90質量%以上、前記紫外線吸収剤(B)0.01質量%以上2.0質量%以下を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  14. 前記樹脂組成物が、該樹脂組成物の総質量100%に対して、前記ヒンダードアミン系光安定剤(C)0.01質量%以上1.0質量%以下を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む樹脂成形体。
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