JP2022122260A - 免震装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明に係る免震装置が天板及び第二慣性ユニットを更に備えている場合、異なる方向からの相対的変位の反応程度を減少させ、更に好ましい免震効果を提供する。本発明に係る免震装置に可変慣性機構を増設した後、免震装置の反応が大きい場合に、慣性係数を大幅に増加するように制御することで、免震装置の変位及び速度反応を大幅に低下させ、且つ加速反応を免震装置を装設していないときよりも小さくする。
図2に示すように、本発明に係る免震装置100は、物30を積載するための免震サポート10及び免震サポート10の側辺に設置されている慣性ユニット20を備え、地震が発生した際に、地表の水平力により免震サポート10内部で相対的に変位し、慣性ユニット(inerter)20が動作するように連動し、慣性係数(inertance)を提供する。
ローラー13が上部リセット溝111と下部リセット溝121との間に形成されている位置限定空間中に設置され、地震が発生した際に、免震サポート10の下板12が地表の水平力により押動されて免震サポート10が水平方向に変位し、ローラー13が転動し、上板11と下板12との間に相対的変位が生じる。本実施例では、ローラー13、上部リセット溝111、及び下部リセット溝121の数量は各々2つ設置されているが、但しこれに限られない。
これにより、免震サポート10の上板11と下板12との間に相対的な変位が発生すると、慣性係数を提供する。慣性係数は慣性ユニット20中で慣性力と上板11及び下板12との間の相対加速度の比率であり、上板11と下板12との間の変位応答を大幅に低下させ、変位応答過程で摩擦により減衰振動が過大になって地震後に残留変位が生じる問題を更に回避している。
上板11と下板12との間に相対的な水平変位が存在する場合、ラック16は下板12の変位に従って同時にギア23を回転させ、ギア23により回転ロッド21を回転するように連動する。ギア組立部材24が回転ロッド21の回転速度を速めることで、フライホイール22の回転速度も追随して速くなり、例えば、数倍または数十倍に速めると、上板11と下板12との間の水平な相対的変位が僅かとなっても、フライホイール22は高速な回転速度で回転する。これにより、微少な質量のフライホイール22で構成されているシステムが上板11及び下板12が相対的に変位すると、大きな慣性係数を提供し、上板11と下板12との間の変位応答を低下させ、上板11と下板12との間の変位が過大になって衝突する問題を回避し、免震サポート10に積載された物30が衝突により毀損するのを更に回避している。
また、慣性ユニット20’に設置されている電磁ダンパー25が発電用モーターであるため、部分的な回転エネルギーを電気エネルギーに変換する目的を更に達成している。
換言すれば、本発明は慣性ユニット20,20’を増設する方式により、免震サポート10の上板11及び下板12が相対的に変位するか、免震サポート10が加速度の影響を受けた場合に、慣性ユニット20,20’が発生させる慣性係数により比率に応じて対応する慣性力を増加させることで、加速度が免震サポート10に与える影響を低下させている。また、本発明は慣性ユニット20,20’を設置することにより、変位が僅かに増えるだけで、フライホイールが高速回転し、慣性係数が大幅に増加する。よって、本発明は好ましい免震効果を提供し、免震サポートが衝突して免震効果に影響が出るのを回避する目的を達成している。
これにより、天板17及び上板11が相対的に変位すると、慣性ユニット20”が変位応答を低下させるために慣性係数を提供し、且つ天板17及び上板11が発生させる相対的変位の方向が、上板11及び下板12が発生させる相対的変位の方向とは異なっている。よって、前述の第1実施例では単一の方向の相対的変位の反応程度のみが減少したのに比べ、本実施例では、異なる方向からの相対的変位の反応程度も更に減少し、更に好ましい免震効果を提供している。
以上は2つの慣性ユニット及び上板、下板、及び天板の組合せを例として説明しているが、本発明はこれに限定されず、本発明は複数の慣性ユニット及び対応する免震サポートの個数により複数の異なる方向からの相対的変位の反応程度を同時に減少させることも可能である。また、本実施例は需要に応じて前述の第2実施例の電磁ダンパー及びギア部材を増設してもよい。
可変慣性システム20Aを免震サポート10の側面に増設し、両者を組み合わせた免震装置は新規の可変慣性同調質量ダンパー200(Tuned mass damper with varying inerter、略称TMDVI)となる。残りは第2実施例と同じ技術内容であるため、その説明を省略する。また、上述の第1実施例及び第3実施例のフライホイール22及び22”も可変慣性機構を備えたフライホイール22Aに置換してもよい。
本実施例の可変慣性機構は2つのガイドロッド221,221”と、2つの質量ブロック222,222”と、2つのバネ223,223”と、を備えている。各ガイドロッド221,221”の一端は回転ロッド21に固定され、他端はバッフル224,224”を有している。各ガイドロッド221,221”は1つのバネ223,223”及び1つの質量ブロック222,222”を対応するように貫通し、2つのバネ223,223”を2つのガイドロッド221,221”の外面にそれぞれ覆設させている。各バネ223,223”の一端は1つの質量ブロック222,222”に連結され、バネ223,223”の他端は回転ロッド21またはバッフル224,224”に選択的に固定されている。これにより、バネ223,223”の最大変形量が回転ロッド21及びバッフル224,224”の間隔に制限され、同時に質量ブロック222,222”及び回転ロッド21の最長距離も制限されている。
以上は2つのガイドロッド221,221”、2つの質量ブロック222,222”、及び2つのバネ223,223”を組み合わせた例について説明しているが、これはガイドロッド、質量ブロック、及びバネの個数を制限するものではない。
これにより、このTMDVI200の免震サポート10の下板12が建築物の主構造の床スラブ40の上方に安置され、且つ免震サポート10の上板11の上面に高床41が安置されることにより、TMDVI200及び高床41の両者が免震床板を構成し、同調質量ダンパー床板と呼んでもよい。この免震床板は必要に応じ、例えば、回転を低下させ、離調効果(detuning effect)を回避する等の異なる需要に応じ、異なる位置または異なる階層にそれぞれ装設することが可能である。
左方のクラッチ26Lを例にすると、ラチェット261Lは棘状辺縁を有しているフライホイールである。デテント262Lの一端は回転ベース263Lに連結され、他端はラチェット261Lの棘状辺縁に係止している。回転ベース263Lは、上板11の側辺に固定されていると共に下方のピニオン23Lに回転可能に設置されているシャフト264Lを備えている。ラチェット261Lは回転ロッド21Lを介してその上方にあるフライホイール22L、モーター25L、及びギアボックス24Lに連結されている。ちなみに、回転ロッド21Lと回転ベース263Lのシャフト264Lとの間は直接連結されていない。
1.各バネを調整することで異なる最大伸縮長さを有し、慣性係数を段階的に表現し、大きさの異なる振動が入力される状況を制御している。
2.従来の同調質量ダンパー(TMD)には大質量の質量ブロックが必要であるという問題を改善し、小質量の質量ブロックを有している慣性システムにより代替している。
3.従来の定慣性係数の同調質量ダンパー(TMDI)が加速反応及び変位応答を兼ね備えることができないという問題を改善している。
4.従来のTMDと比較し、本発明のTMDVIは振動反応を大幅に低下させているため、高床に応用でき、同調質量ダンパー床板を形成し、同時に従来の質量ブロックは巨大な空間を占拠するという問題を解決している。
5.各免震階層の周期を小幅に調整することにより、免震床板の周期が主構造の周期と僅かに異なることで離調効果(detuning)が発生することがないようにしている。
100A 免震装置
10 免震サポート
11 上板
171 上部リセット溝
111 上部リセット溝
12 下板
112 下部リセット溝
121 下部リセット溝
13 ローラー
13” ローラー
14 ベアリング
14” ベアリング
15 取付金具
15” 取付金具
16 ラック
16” ラック
17 天板
200 可変慣性係数の同調質量ダンパー
20 慣性ユニット
20’ 慣性ユニット
20” 慣性ユニット
20L 慣性ユニット
20R 慣性ユニット
20A 可変慣性システム
21 回転ロッド
21” 回転ロッド
21L 回転ロッド
22 フライホイール
22” フライホイール
22L フライホイール
22R フライホイール
22A 可変慣性機構を備えたフライホイール
221 ガイドロッド
221” ガイドロッド
222 質量ブロック
222” 質量ブロック
223 バネ
223” バネ
224 バッフル
224” バッフル
23 ギア
23” ギア
23L ピニオン
23R ピニオン
24 ギア組立部材
24L ギアボックス
24R ギアボックス
25 電磁ダンパー
25L モーター
25R モーター
26L クラッチ
26R クラッチ
261L ラチェット
261R ラチェット
262L デテント
262R デテント
263L 回転ベース
263R 回転ベース
264L シャフト
30 物
40 床スラブ
41 高床
Claims (10)
- 上板及び下板を含む免震サポートと、
回転ロッド及びフライホイールを含み、前記回転ロッドは前記上板の側辺に設置されていると共に上端及び下端を有し、前記回転ロッドの下端は前記下板の側辺まで延伸され、前記回転ロッドの上端は前記フライホイールを連動させ、前記上板及び前記下板が相対変位すると、変位応答を低下させるための慣性係数を提供する慣性ユニットと、を備えていることを特徴とする、
免震装置。 - 前記免震サポートは前記下板の側辺に設置されているラックを更に備え、前記慣性ユニットはギアと、ギア組立部材と、電磁ダンパーと、を更に含み、前記ギアは前記回転ロッドの下端に設置されていると共に前記ラックに噛合し、前記ギア組立部材は前記回転ロッドを介して前記電磁ダンパーと連動し、前記電磁ダンパーは前記回転ロッドを介して前記フライホイールと連動していることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
- 前記ギア組立部材は変速ギア部材であり、前記電磁ダンパーは発電用モーターであることを特徴とする請求項2に記載の免震装置。
- 前記免震サポートは、前記上板と前記下板との間に位置している少なくとも1つのローラーと、前記上板の側辺に設置されているベアリングと、前記ベアリングを前記上板の側辺に固定するための取付金具と、を更に備え、これにより前記回転ロッドを前記ベアリング中に貫設していることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
- 前記下板の上面には少なくとも1つの下部リセット溝を有し、前記上板の下面には前記下部リセット溝に対応する少なくとも1つの上部リセット溝を有し、前記少なくとも1つのローラーは前記上部リセット溝と前記下部リセット溝との間に位置していることを特徴とする請求項4に記載の免震装置。
- 第二慣性ユニットを更に備え、前記免震サポートは天板及び少なくとも1つのローラーを更に含み、前記天板は前記上板の上方に設置され、前記少なくとも1つのローラーは前記天板と前記上板との間に設置され、前記第二慣性ユニットは前記天板及び前記上板の側辺に設置され、前記天板及び前記上板が相対変位すると、変位応答を低下させるための他の慣性係数を提供し、前記天板及び前記上板が発生させる相対変位の方向は前記上板及び前記下板が発生させる相対変位の方向とは異なっていることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
- 前記フライホイールは可変慣性機構を備えたフライホイールであり、前記可変慣性機構を備えたフライホイールは前記回転ロッドの回転速度の違いに従って異なる慣性係数を提供することを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
- 前記可変慣性機構を備えたフライホイールは少なくとも2つのガイドロッドと、2つの質量ブロックと、2つのバネと、を備え、前記各ガイドロッドの一端は前記回転ロッドに固定され、他端はバッフルを有し、前記2つのバネは前記2つのガイドロッドにそれぞれ覆設され、前記2つのガイドロッドは前記2つの質量ブロックをそれぞれ貫通し、前記各質量ブロックが前記各バネの一端に連結され、前記各バネの他端は前記回転ロッド及び前記バッフルのうちの何れか1つに選択的に固定されていることを特徴とする請求項7に記載の免震装置。
- 前記免震サポートの前記下板は床スラブの上方に設置され、前記上板の上面には高床が設置されていることを特徴とする請求項8に記載の免震装置。
- 前記慣性ユニットの数量は少なくとも2つであり、共に前記免震サポートの同じ側辺に設置されている第一慣性ユニット及び第二慣性ユニットを含み、前記第一慣性ユニットは第一クラッチ及び第一フライホイールを備え、前記第二慣性ユニットは第二クラッチ及び第二フライホイールを備え、前記上板が前記下板に対し第一方向に変位すると、前記第一クラッチが前記第一フライホイールを反時計回りに回転するように連動すると同時に前記第二フライホイールを静止させ、前記上板が前記下板に対し第二方向に変位すると、前記第二クラッチが前記第二フライホイールを時計回りに回転するように連動すると同時に前記第一フライホイールを静止させることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
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