JP2022121256A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像品質を維持しつつ、不要な輻射ノイズを抑制する画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、画素の主走査方向に沿った露光領域と非露光領域のパターンである露光パターンを示すパターン情報を格納する格納手段と、第1画像データに基づきパターン情報が示す露光パターンを使用して露光手段を駆動する駆動信号を生成する生成手段と、を備え、パターン情報は、第1画素については複数の露光パターンを示し、第1画素の複数の露光パターンの内の同じ露光パターンを主走査方向において隣接させても、異なる2つの露光パターンを主走査方向において隣接させても、隣接する2つ露光パターンの境界において非露光領域は連続せず、生成手段は、第1画素の複数の露光パターンを主走査方向において連続して使用する場合、当該複数の露光パターンからランダムに選択する、或いは、当該複数の露光パターンから所定順序に従い選択する。【選択図】図9
Description
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、より詳しくは、画像形成装置から放出される不要輻射ノイズを抑制する技術に関する。
画像形成装置においては、形成される画像の品質を保つことが要求される。一方、電子写真を用いた画像形成装置においては、感光体に形成された静電潜像のエッジ部分にトナーが過剰に付着する、掃き寄せやエッジ効果と呼ばれる現象が生じ得る。掃き寄せとは、静電潜像のエッジの内、感光体の回転方向に対して後側のエッジ部分にトナーが過剰に付着する現象を意味する。エッジ効果とは、静電潜像の周囲のエッジ部分にトナーが過剰に付着する現象を意味する。特許文献1及び特許文献2は、パルス幅変調により露光量を調整することで、掃き寄せやエッジ効果を抑制する構成を開示している。
特許文献1及び特許文献2の構成では、静電潜像のエッジ部分にトナーが過剰に付着することを抑えることができるが、パルス幅変調により不要な輻射ノイズ(輻射される電磁波)を発生させてしまう。
本発明は、画像品質を維持しつつ、不要な輻射ノイズを抑制する画像形成装置を提供するものである。
本発明の一態様によると、画像形成装置は、感光体と、前記感光体を主走査方向に走査して露光することにより前記感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤で現像して前記感光体に画像を形成する現像手段と、画素の前記主走査方向に沿った露光領域と非露光領域のパターンである露光パターンを示すパターン情報を格納する格納手段と、第1画像データに基づき前記パターン情報が示す露光パターンを使用して前記露光手段を駆動する駆動信号を生成する生成手段と、を備え、前記パターン情報は、第1画素については複数の露光パターンを示し、前記第1画素の複数の露光パターンの内の同じ露光パターンを前記主走査方向において隣接させても、異なる2つの露光パターンを前記主走査方向において隣接させても、隣接する2つ露光パターンの境界において前記非露光領域が連続しない様に前記第1画素の複数の露光パターンは選択されており、前記生成手段は、前記第1画素の複数の露光パターンを前記主走査方向において連続して使用する場合、当該複数の露光パターンから使用する露光パターンをランダムに選択する、或いは、当該複数の露光パターンから所定順序に従い使用する露光パターンを選択することを特徴とする。
本発明によると、画像品質を維持しつつ、不要な輻射ノイズを抑制することができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第一実施形態>
図1は、本実施形態による画像形成装置101の構成図である。像担持体である感光体1は、画像形成時、図中の矢印の方向に回転駆動される。帯電部2は、感光体1の表面を一様な電位に帯電させる。露光部7は、帯電した感光体1の表面を、画像データに基づく光72で走査・露光して感光体1に静電潜像を形成する。露光部7が感光体1を光72で走査する方向は主走査方向と呼ばれる。なお、露光部7は、画像演算部9が出力する駆動信号71により駆動される。画像演算部9の露光制御部19は、電圧Vaによって露光部7による露光強度が目標値となるように調整する。
図1は、本実施形態による画像形成装置101の構成図である。像担持体である感光体1は、画像形成時、図中の矢印の方向に回転駆動される。帯電部2は、感光体1の表面を一様な電位に帯電させる。露光部7は、帯電した感光体1の表面を、画像データに基づく光72で走査・露光して感光体1に静電潜像を形成する。露光部7が感光体1を光72で走査する方向は主走査方向と呼ばれる。なお、露光部7は、画像演算部9が出力する駆動信号71により駆動される。画像演算部9の露光制御部19は、電圧Vaによって露光部7による露光強度が目標値となるように調整する。
現像部3は、現像剤であるトナーを貯蔵する容器13と、現像ローラ14とを備えている。トナーは、非磁性一成分トナーであっても、二成分トナーであっても、磁性トナーであっても良い。規制ブレード15は、現像ローラ14に供給されるトナーの層厚を所定値に規制するために設けられる。規制ブレード15は、トナーに電荷を付与するように構成することもできる。現像ローラ14により、トナーは現像領域16へと搬送される。なお、現像領域16とは、現像ローラ14と感光体1とが近接または接触する領域であり、かつ、静電潜像へのトナーの付着が実行される領域である。現像部3により、感光体1に形成された静電潜像にトナーが付着され、トナー像として可視化される。転写部4は、感光体1に形成されたトナー像を記録材Pに転写する。定着部6は、トナー像が転写された記録材Pに熱及び圧力を加え、トナー像を記録材Pに定着させる。
画像演算部9のCPU10は、画像形成装置101の全体を統括的に制御する制御部である。なお、以下で説明する制御の総てをCPU10で実行する構成のみならず、その一部をASIC18が実行する構成とすることができる。また、以下で説明する制御の総てをASIC18が実行する構成とすることもできる。メモリ11は、記憶部であり、画像メモリ111に画像データを記憶すると共にLUT112を保持している。LUT112は、ルックアップテーブルであり、画像処理に関する各種情報を示している。画像演算部9は、ホストコンピュータ8から送信される画像データを受信し、LUT112が保持する情報に基づきエッジ効果や掃き寄せの影響を抑え、トナー消費量が削減されるように画像データの補正を行う。
続いて、現像方式について図2を用いて説明する。図2(A)は、ジャンピング現像方式を使用する現像部3を示している。ジャンピング現像方式においては、現像ローラ14と感光体1を接触させず、所定距離のギャップ17を設ける。そして、現像ローラ14が出力する現像バイアスとして、直流バイアスを重畳した交流バイアスを使用する。図2(B)は、接触現像方式を使用する現像部3の構成を示している。接触現像方式においては、現像ローラ14と感光体1を接触させる。そして、現像ローラ14が出力する現像バイアスとして、直流バイアスを使用する。
続いて、静電潜像に付着するトナーの量が、静電潜像のエッジ部分において増加するエッジ効果及び掃き寄せの発生原理についてそれぞれ説明する。エッジ効果とは、感光体1に形成された静電潜像、つまり、感光体1の露光領域と、それ以外の非露光領域との境界に電界が集中することで、静電潜像の各エッジにトナーが過剰に付着する現象である。図3(A)は、エッジ効果が生じたトナー像400を示している。図3(A)の矢印Aは、トナー像の搬送方向、つまり、感光体1の回転方向である。なお、トナー像400の元となった画像データは、総ての画素の画素値が同じ、つまり、トナー像400は一様な濃度の画像としている。エッジ効果が生じた場合、トナー像400の総てのエッジ領域402aにトナーが集中して付着する。その結果、エッジ領域402aの濃度は、非エッジ領域401aの濃度より高くなる。なお、エッジ効果は、感光体1と現像ローラ14との間にギャップがあるジャンピング現像方式で主に発生する。
一方、掃き寄せとは、感光体1の回転方向において、静電潜像の後端にトナーが集中する現象である。図3(B)は、掃き寄せが生じたトナー像410を示している。図3(B)の矢印Aは、トナー像の搬送方向、つまり、感光体1の回転方向である。なお、トナー像410の元となった画像データは、総ての画素の画素値が同じ、つまり、トナー像410は一様な濃度の画像としている。掃き寄せが生じた場合、トナー像410の後端領域402bのトナー量が増加する。これは、現像ローラ14の周速が感光体1の周速よりも速い場合、現像領域16にある後端領域402bを現像領域16に進入してくる現像ローラ14の部分が追い越す際に、当該部分に保持されたトナーが後端領域402bに集中して付着するからである。その結果、後端領域402bの濃度は、それ以外の領域401bの濃度より高くなる。
図4は、露光部7の制御構成である。露光制御部19は、8ビットのDAコンバータ(DAC)2021と、レギュレータ(REG)2022と、を含むIC2003を備えている。IC2003は、CPU10により設定された強度調整信号73に基づきレギュレータ2022が出力する電圧VrefHを調整する。電圧VrefHはDAコンバータ2021の基準電圧となる。IC2003がDAコンバータ2021の入力データ2020を設定することで、DAコンバータ2021は電圧Vaを露光部7に出力する。露光部7のVI変換回路2306は電圧Vaを電流値Idの電流に変換してドライバIC2009に出力する。ドライバIC2009は、電流値Idにより露光部7のレーザダイオード(LD)に流れる電流ILを制御することで露光部7のLDの発光強度、つまり、露光強度を制御する。よって、露光制御部19は電圧Vaにより、露光部7による露光強度を制御することができる。また、ドライバIC2009は、画像演算部9が出力する駆動信号71に応じて、ドライバIC2009のスイッチ(SW)を切り替える。SWは、電流ILを、露光部7のLDに流すか、ダミー抵抗R1に流すかを切換えることで、LDの発光のON/OFF制御を行う。なお、本実施形態では、駆動信号71がハイレベルであるとLDが発光するものとするが、駆動信号71がローレベルであるとLDが発光する構成であっても良い。
続いて、本実施形態における1画素の複数の露光パターンについて説明する。本実施形態では、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)を用いて、1画素における主走査方向の露光時間(露光区間)を調整することで露光量を調整する。図5(A)~(D)は、いずれも、露光量50%とするための露光パターンを示している。なお、図5(A)~図5(D)と、後に説明する画素列を示す図においては、図の左から右に向かう方向を主走査方向とする。図5(A)においては、1画素を2つの領域に分割し、1番目の領域を露光領域とし、2番目の領域を非露光領域としている。なお、以下の説明において、1番目、2番目といった番号は主走査方向に沿って大きくなるものとする。つまり、図の左側から右側に向けて番号が順に大きくなるものとする。図5(B)においては、1画素を2つの領域に分割し、1番目の領域を非露光領域とし、2番目の領域を露光領域としている。さらに、図5(C)においては、1画素を3つの領域に分割し、1番目と3番目の領域を非露光領域とし、2番目の領域を露光領域としている。さらに、図5(D)においては、1画素を3つの領域に分割し、1番目と3番目の領域を露光領域とし、2番目の領域を非露光領域としている。
図5は、露光量が50%の場合を示しているため、図5(A)~図5(D)のそれぞれにおいて1画素内の露光領域と非露光量域の面積は同じである。なお、本例では、主走査方向の分割数を最大で3としているが、4以上の領域に分割することもできる。また、図5(C)及び図5(D)において、1番目と3番目の領域の主走査方向の長さを同じとしているが、異なるものであっても良い。以下の説明において、図5(A)、図5(B)、図5(C)及び図5(D)に示す1画素の露光パターンを、それぞれ、パターン#A、#B、#C及び#Dと表記する。
図6は、エッジ効果又は掃き寄せを抑制し、かつ、不要輻射ノイズを抑えるためのCPU10の機能ブロック図である。なお、図6に示す機能ブロックは、既に説明した様に、ASIC18及びCPU10の全体で実現する構成とすることも、ASIC18のみで実現する構成とすることもできる。LUT112(図1)は、補正画素特定情報、露光量補正情報及びパターン情報を保持している。設定部602は、LUT112が保持している補正画素特定情報、露光量補正情報及びパターン情報を、画像解析部601、露光量調整部603及び駆動信号生成部604に通知・設定する。ホストコンピュータ8から送信されメモリ11に格納された画像データ605は、画像解析部601に入力される。画像解析部601は、補正画素特定情報に基づき画像データ605により形成される画像の画素から、エッジ効果又は掃き寄せが生じ得る補正対象画素を特定し、特定した補正対象画素を、画像データ605と共に露光量調整部603に通知する。なお、ここでの画像とは、連続してトナーが付着する領域を意味する。つまり、1つの記録材Pに形成されるのが1つの画像ではなく、トナーの付着状態に応じて1つの記録材Pには1つ以上の画像が形成され得る。補正画素特定情報は、例えば、エッジ効果又は掃き寄せが生じ得る画素の範囲を、画像のエッジの画素からの画素数で示すものとすることができる。例えば、補正画素特定情報が"5"であれば、トナーが連続して付着する領域(画像)内において、そのエッジから5つの画素が補正対象画素であると判定される。なお、エッジ効果又は掃き寄せが生じ得る画素を特定できる任意のパラメータを補正画素特定情報とすることができる。
露光量調整部603は、画像データ605が示す補正対象画素の画素値を、露光量補正情報に基づき補正し、補正後の画像データ605を駆動信号生成部604に出力する。露光量補正情報は、補正対象画素の露光量の補正量を示すものである。一例として、露光量の削減割合を示すものを露光量補正情報とすることができる。駆動信号生成部604は、露光量調整部603による補正後の画像データ605と、パターン情報とに基づき駆動信号71を生成する。パターン情報は、最大値と最小値を除く各画素値の画素について、1画素の複数の露光パターンを示す情報である。例えば、最大の画素値を255とする場合、露光量50%、つまり、画素値128に対するパターン情報は、図5(A)~図5(D)の内の2つ以上とすることができる。なお、最大値と最小値を除くのは、最大値の場合には画素の全領域が露光され、最小値の場合は画素の全領域が露光されないからである。つまり、画素の最大値と最小値については1つの露光パターンしかないからである。
図7(A)は、画像データ605の例を示している。なお、図7(A)では、画像データ605により形成される画像の画素位置に、当該画素の画素値を示している。また、以下の説明では、最大濃度の画素値を255とする。よって、画素値が255であると、露光量100%であり、画素の全領域が露光される。図7(A)の画像データ605においては、図の上から3行~7行の内の左から2~10列の位置にある45個の画素に連続してトナーが付着する。つまり、この45個の画素が1つの画像を形成している。例えば、掃き寄せを抑制するものとし、補正画素特定情報が"2"であるものとする。また、感光体1の回転方向を図7の下側から上側に向かう方向とする。この場合、画像解析部601は、画像を構成する45画素の内、下側のエッジから上側に向けて2つの行の画素列が補正対象画素であると判定する。図7(B)は、この場合の補正対象画素を示している。なお、図7(B)では、補正対象画素を"1"で示し、補正対象ではない画素を"0"で示している。
露光量調整部603は、補正対象画素の画素値を、露光量補正情報により補正する。図8(A)は、補正対象画素を含む図7(A)の上から6行目の画素列の画素値を示している。図8(B)は、図8(A)の補正対象画素の露光量補正情報が50%である場合の露光量調整部603による補正後の画素値を示している。また、図8(C)は、図8(A)の補正対象画素の露光量補正情報が25%である場合の露光量調整部603による補正後の画素値を示している。この様に、露光量調整部603は、露光量補正情報に基づき画像データ605を補正する。なお、露光量補正情報が示す露光量の補正量は、画素のエッジからの距離に応じて異ならせることができる。さらに、露光量補正情報が示す露光量の補正量は、画素値に応じて異ならせることができる。さらに、露光量補正情報が示す露光量の補正量は、画素のエッジからの距離及び当該画素の画素値に応じて異ならせることができる。
駆動信号生成部604は、露光量調整部603による補正後の画像データ605と、パターン情報と、に基づき駆動信号71を生成する。図9は、図8(B)の画素値"128"が9個連続する部分に対する駆動信号71の説明図である。図9(A)は、連続する9個の画素にパターン#Cのみを使用した場合を示している。また、図9(B)は、連続する9個の画素にパターン#Dのみを使用した場合を示している。図9(A)や図9(B)に示す様に、同じ画素値が主走査方向に連続する場合に同じ露光パターンを使用し続けると、露光領域と非露光領域が規則的に繰り返すパターンとなる。つまり、PWMである駆動信号71は、ハイレベル(露光領域に対応)とローレベル(非露光領域に対応)が規則的に繰り返す信号となり、この規則的な繰り返しに対応する周波数成分が強くなって不要輻射ノイズが生じ易くなる。よって、本実施形態では、図9(C)又は図9(D)に示す様に、駆動信号71が規則的に繰り返す信号とはならない様にする。図9(C)では、パターン#Aとパターン#Dを使用している。なお、ある画素に対してパターン#Aとパターン#Dのどちらを使用するかついては、例えば、ランダムに選択・決定することができる。同様に、図9(D)においては、パターン#Bとパターン#Dをランダムに使用している。
なお、図9(C)に示す様に、パターン#Aとパターン#Dを使用する場合、パターン#Aが連続しても、パターン#Dが連続しても、パターン#Aの後にパターン#Dがきても、パターン#Dの後にパターン#Aがきても、連続する2つの画素の非露光領域は連続しない。また、パターン#A及びパターン#Dの非露光領域の長さは同じである。したがって、パターン#A及びパターン#Dから使用する露光パターンをランダムに選択しても、主走査方向において隣接する2つの画素の非露光領域は連続せず、よって、非露光領域の主走査方向の長さは一定となる。同じ画素値が連続する部分において、非露光領域の主走査方向の長さを一定にすることによって画像品質を維持することができる。図9(D)に示す様に、パターン#Bとパターン#Dを使用する場合も同様である。
このため、本実施形態では、主走査方向に連続させても先に露光する画素の非露光領域と後に露光する画素の非露光領域が連続しない様にパターン情報が示す2つの露光パターンを選択する。図9(C)は、パターン情報がパターン#A及びパターン#Dを示す場合の例であり、図9(D)は、パターン情報がパターン#B及びパターン#Dを示す場合の例である。
なお、図9(C)及び図9(D)では、ある画素について、2つの露光パターンから選択を行っていたが、3つ以上の露光パターンから選択する構成とすることもできる。つまり、パターン情報が示す各画素の露光パターンの数については、複数(2つ以上)とすることができる。なお、ある画素の複数の露光パターンの各露光パターンをどの様な順序で主走査方向に連続させても、露光パターンの境界において非露光領域が連続しない様に複数の露光パターンを選択しておく。また、ある画素の複数の露光パターンの非露光領域の主走査方向の長さは一定としておく。なお、パターン情報は、画素値が最大の画素と最小の画素、本例では、255と0を除く、各画素値に対して設けられる。さらに、主走査方向において連続する複数の同じ画素値の画素に対する複数の露光パターンをパターン情報に追加する構成とすることもできる。この場合、同じ画素値の連続数に応じて、当該画素値の当該連続数に対応する複数の露光パターンから適用する露光パターンをランダムに選択して駆動信号71を生成する。いずれにしても、ハイレベルとローレベルが規則的に繰り返すことがない様な駆動信号71とすることで、不要輻射ノイズを低減することができる。
図10は、本実施形態による画像形成処理のフローチャートである。CPU10は、ホストコンピュータ8から画像データ605を受信すると、S10で、装置状態などを考慮して露光量の調整が必要であるか否かを判定する。露光量の調整が必要ではない場合、CPU10は、S13で画像データ605に基づき駆動信号71を生成し、S14で駆動信号71に基づき画像を形成する。一方、露光量の調整が必要である場合、CPU10は、S11で、補正画素特定情報に基づいて補正対象画素を判定する。その後、CPU10は、S12で、露光量補正情報に基づき露光量を補正、より詳しくは、補正対象画素の画素値を補正する。その後、CPU10は、S13で、補正後の画像データ605に基づき駆動信号71を生成し、S14で画像を形成する。続いて、CPU10は、S15で画像形成が終了したかを判定し、画像形成が終了するまでS10から処理を繰り返す。
以上、本実施形態では、最大値と最小値を除く各画素値の画素について、複数の露光パターンを示すパターン情報を予め画像形成装置に記憶させておく。画素の露光パターンとは、主走査方向に沿った露光領域と非露光領域のパターンである。なお、同じ画素に対する複数の露光パターンのそれぞれは異なるが、露光領域の面積の合計は、当該画素の画素値に応じた同じ値である。また、同じ画素値の画素の複数の露光パターンの非露光領域の主走査方向の長さは一定とする。ここで、本実施形態において、ある画素に対する複数の露光パターンは、同じ露光パターンを主走査方向に2つ並べても、任意の異なる2つの露光パターンを主走査方向に並べても、露光パターンの境界において非露光領域が連続しない様に選択しておく。そして、同じ画素の露光パターンを主走査方向において連続して使用する場合、使用する露光パターンを、当該画素の複数の露光パターンからランダムに選択する。この構成により不要輻射ノイズを抑えることができる。また、露光パターンの境界において非露光領域が連続しない様に、ある画素の複数の露光パターンを選択しておくことで、非露光領域の主走査方向の長さが変化せず、画像品質を維持することができる。
なお、例えば、同じ画素値が連続する場合に複数の露光パターンから適用する露光パターンをランダムに選択するのは、露光量調整部603による補正後の画像データの全体を対象とすることができる。また、同じ画素値が連続する場合に複数の露光パターンから適用する露光パターンをランダムに選択するのは、補正対象画素に限定する構成とすることができる。いずれにしても、安価な構成で不要輻射ノイズを抑制すると共に、エッジ効果または掃き寄せを低減し、これにより、画像品質を高くすると共に不要なトナーの消費を抑えることができる。
なお、本実施形態では、同じ画素の露光パターンを主走査方向において連続して使用する場合、使用する露光パターンを、当該画素の複数の露光パターンからランダムに選択していた。しかしながら、同じ画素の露光パターンを主走査方向において連続して使用する場合、その選択順序(所定順序)を予め決めておき、この選択順序に従って使用する露光パターンを選択する構成とすることもできる。この選択順序は、不要輻射ノイズを抑える様に決めておき、例えば、LUT112が保持する情報の1つとすることができる。
<第二実施形態>
続いて、第二実施形態について第一実施形態との相違点を中心に説明する。第一実施形態において、パターン情報が示す複数の露光パターンは、主走査方向においてどの様に連続させても非露光領域が連続しない様に設定していた。本実施形態では、その様な制限を設けない。つまり、本実施形態において、パターン情報が示すある画素の複数の露光パターンは、主走査方向に連続させると非露光領域が連続することになる少なくとも1組(2つ)の露光パターンを含むことを許容する。以下では、一例として、パターン情報が、露光量50%の画素に対して図5のパターン#A、#B及び#Dの3つの露光パターンを示すものとして本実施形態について説明する。
続いて、第二実施形態について第一実施形態との相違点を中心に説明する。第一実施形態において、パターン情報が示す複数の露光パターンは、主走査方向においてどの様に連続させても非露光領域が連続しない様に設定していた。本実施形態では、その様な制限を設けない。つまり、本実施形態において、パターン情報が示すある画素の複数の露光パターンは、主走査方向に連続させると非露光領域が連続することになる少なくとも1組(2つ)の露光パターンを含むことを許容する。以下では、一例として、パターン情報が、露光量50%の画素に対して図5のパターン#A、#B及び#Dの3つの露光パターンを示すものとして本実施形態について説明する。
図11(A)~図11(I)は、パターン情報が、パターン#A、#B及び#Dを示す場合において、主走査方向に連続する露光量50%の2つの画素に適用され得る露光パターンの可能な組み合わせ示している。図11(A)に示す様に、パターン#Aの後にパターン#Bを適用すると非露光領域が連続してしまう。なお、図11(B)~図11(I)に示す様に、それ以外の組み合わせにおいて非露光領域は連続しない。本実施形態において、CPU10は、同じ画素値の画素が連続している場合、画素に適用する露光パターンを3つの露光パターンからランダムに選択した後、選択した露光パターンが1つ前の画素の露光パターンの非露光領域と連続するかを判定する。なお、1つ前の画素とは、主走査方向において1つ前に露光する画素を意味する。非露光領域が連続する場合、CPU10は、当該画素の露光パターンの再選択を行う。
本実施形態による画像形成処理のフローチャートは、図10と同様であるが、S13の駆動信号71の生成処理において、CPU10は、同じ画素値の画素が主走査方向に連続する場合に、画素間において非露光領域が連続しないための処理を行う。図12は、図10のS13における駆動信号71の生成処理において、同じ画素値が連続する場合にCPU10が行う処理のフローチャートである。CPU10は、S20で、決定対象画素の露光パターンをパターン#A、#B及び#Dからランダムに選択する。なお、最初の決定対象画素は、同じ画素値の画素が連続する場合の2番目の画素である。CPU10は、S21において、S20で選択した露光パターンによる決定対象画素の非露光領域が、1つ前の同じ画素値の画素の非露光領域と連続するかを判定する。連続している場合、CPU10は、非露光領域が連続しなくなるまで、S20から処理を繰り返す。決定対象画素の非露光領域が1つ前の画素の非露光領域と連続しない場合、CPU10は、S22で連続している最後の画素に対する処理が終了したかを判定する。最後の画素に対する終了がしていない場合、CPU10は決定対象画素を次に露光する画素に変更し、最後の画素に対する処理が終了するまでS20から処理を繰り返す。なお、図12の処理は、同じ画素値の画素が連続している部分が生じる度に実行される。
図9(E)は、パターン情報が、パターン#A、#B及び#Dの3つの露光パターンを示す場合において、図12の処理により決定された駆動信号71の例を示している。なお、図9(E)は、図8(B)の画素値"128"が9個連続する部分に対する駆動信号71の例である。パターン#Aの後にパターン#Bが選択されたとしても(図11(A))再選択を行うため(図12のS21)、露光パターンの境界において非露光領域は連続しない。
以上、本実施形態において、パターン情報が示す複数の露光パターンは、主走査方向において連続させたとき、露光パターンの境界において非露光領域が連続し得る。このため、CPU10は、同じ画素の露光パターンを主走査方向において連続させる場合、2つの露光パターンの境界において非露光領域が連続しないとの条件の下、露光パターンをランダムに選択する。例えば、同じ画素値の画素が主走査方向に連続する場合において、CPU10は、2番目以降の画素については、露光パターンをランダムに選択した後、選択した露光パターンの非露光領域が1つ前の画素の非露光領域と連続しているかを判定する。そして、連続している場合には、連続しなくなるまで当該画素の露光パターンのランダムな選択を繰り返す。この構成により、掃き寄せやエッジ効果の影響を抑えつつ、第一実施形態と同様に、画像品質を維持し、かつ、不要な輻射ノイズを抑制することができる。
なお、本実施形態においても、同じ画素の露光パターンを主走査方向において連続して使用する場合、その選択順序(所定順序)を予め決めておき、この選択順序に従って使用する露光パターンを選択する構成とすることもできる。この選択順序は、非露光領域の主走査方向の長さが変化しない様に、つまり、露光パターンの境界において非露光領域が連続しない様に決めておく。さらに、この選択順序は、不要輻射ノイズを抑える様に決めておく。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1:感光体、7:露光部、3:現像部、11:メモリ、604:駆動信号生成部
Claims (13)
- 感光体と、
前記感光体を主走査方向に走査して露光することにより前記感光体に静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像を現像剤で現像して前記感光体に画像を形成する現像手段と、
画素の前記主走査方向に沿った露光領域と非露光領域のパターンである露光パターンを示すパターン情報を格納する格納手段と、
第1画像データに基づき前記パターン情報が示す露光パターンを使用して前記露光手段を駆動する駆動信号を生成する生成手段と、
を備え、
前記パターン情報は、第1画素については複数の露光パターンを示し、
前記第1画素の複数の露光パターンの内の同じ露光パターンを前記主走査方向において隣接させても、異なる2つの露光パターンを前記主走査方向において隣接させても、隣接する2つ露光パターンの境界において前記非露光領域が連続しない様に前記第1画素の複数の露光パターンは選択されており、
前記生成手段は、前記第1画素の複数の露光パターンを前記主走査方向において連続して使用する場合、当該複数の露光パターンから使用する露光パターンをランダムに選択する、或いは、当該複数の露光パターンから所定順序に従い使用する露光パターンを選択することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1画素の複数の露光パターンは、第1露光パターンと、第2露光パターンの2つの露光パターンであり、
前記第1露光パターンは、前記主走査方向に沿って前記第1画素を3つの領域に分割し、1番目と3番目の領域を前記露光領域とし、かつ、2番目の領域を前記非露光領域とする露光パターンであり、
前記第2露光パターンは、前記主走査方向に沿って前記第1画素を2つの領域に分割し、1番目の領域を前記露光領域とし、かつ、2番目の領域を前記非露光領域とする露光パターンであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記第1画素の複数の露光パターンは、第1露光パターンと、第3露光パターンの2つの露光パターンであり、
前記第1露光パターンは、前記主走査方向に沿って前記第1画素を3つの領域に分割し、1番目と3番目の領域を前記露光領域とし、かつ、2番目の領域を前記非露光領域とする露光パターンであり、
前記第3露光パターンは、前記主走査方向に沿って前記第1画素を2つの領域に分割し、1番目の領域を前記非露光領域とし、かつ、2番目の領域を前記露光領域とする露光パターンであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 感光体と、
前記感光体を主走査方向に走査して露光することにより前記感光体に静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像を現像剤で現像して前記感光体に画像を形成する現像手段と、
画素の前記主走査方向に沿った露光領域と非露光領域のパターンである露光パターンを示すパターン情報を格納する格納手段と、
第1画像データに基づき前記パターン情報が示す露光パターンを使用して前記露光手段を駆動する駆動信号を生成する生成手段と、
を備え、
前記パターン情報は、第1画素については複数の露光パターンを示し、
前記生成手段は、前記第1画素の複数の露光パターンを前記主走査方向において連続して使用する場合、前記主走査方向において隣接する2つ露光パターンの境界において前記非露光領域が連続しないとの条件の下、当該複数の露光パターンから使用する露光パターンをランダムに選択することを特徴とする画像形成装置。 - 前記生成手段は、前記第1画素の複数の露光パターンからランダムに選択した露光パターンの前記非露光領域が前記主走査方向において1つ前に使用すると決定した露光パターンの前記非露光領域と連続する場合、前記主走査方向において1つ前に使用すると決定した露光パターンの前記非露光領域と連続しなくなるまで、前記第1画素の複数の露光パターンからランダムに選択することを繰り返すことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 感光体と、
前記感光体を主走査方向に走査して露光することにより前記感光体に静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像を現像剤で現像して前記感光体に画像を形成する現像手段と、
画素の前記主走査方向に沿った露光領域と非露光領域のパターンである露光パターンを示すパターン情報を格納する格納手段と、
第1画像データに基づき前記パターン情報が示す露光パターンを使用して前記露光手段を駆動する駆動信号を生成する生成手段と、
を備え、
前記パターン情報は、第1画素については複数の露光パターンを示し、
前記生成手段は、前記第1画素の複数の露光パターンを前記主走査方向において連続して使用する場合、当該複数の露光パターンから所定順序に従い使用する露光パターンを選択することを特徴とする画像形成装置。 - 前記所定順序は、前記主走査方向において隣接する2つ露光パターンの境界において前記非露光領域が連続しない様に設定されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記第1画素の複数の露光パターンは、第1露光パターンと、第2露光パターンと、第3露光パターンの3つの露光パターンであり、
前記第1露光パターンは、前記主走査方向に沿って前記第1画素を3つの領域に分割し、1番目と3番目の領域を前記露光領域とし、かつ、2番目の領域を前記非露光領域とする露光パターンであり、
前記第2露光パターンは、前記主走査方向に沿って前記第1画素を2つの領域に分割し、1番目の領域を前記露光領域とし、かつ、2番目の領域を前記非露光領域とする露光パターンであり、
前記第3露光パターンは、前記主走査方向に沿って前記第1画素を2つの領域に分割し、1番目の領域を前記非露光領域とし、かつ、2番目の領域を前記露光領域とする露光パターンであることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第1画素の複数の露光パターンの各露光パターンの前記非露光領域の前記主走査方向の長さは等しいことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 第2画像データで形成される画像の画素の内の補正対象画素を特定する特定手段と、
前記第2画像データが示す前記補正対象画素の画素値を補正して前記第1画像データを生成する補正手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記補正対象画素は、エッジ効果又は掃き寄せが生じると判定される画素であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記第1画素は、前記第1画像データが示す画素の内、その画素値が画素値の最大値及び最小値ではない画素であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記第1画素は、前記補正対象画素の内、その画素値が画素値の最大値及び最小値ではない画素であることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。
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