JP2022121163A - 冷却ユニット及び空調機 - Google Patents

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Abstract

【課題】気化フィルタを効率的に交換することができる冷却ユニット及び空調機を提供する。【解決手段】冷却ユニットは、被空調空間を冷却する空調機に用いられる冷却ユニットであって、着脱自在に装着され、通過する空気を水の潜熱によって冷却する気化フィルタを備え、前記気化フィルタは、矩形状を成し、上方から水が浸透するフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントの側面に設けられた矩形状の板部材とを含み、前記フィルタエレメントの下端部は、前記板部材における前記フィルタエレメントに対向する面の下縁よりも下方に突出している。【選択図】図1

Description

本発明は、冷却ユニット及び空調機に関する。
室内の空気を吸い込み、水の気化熱を利用し雰囲気温度を低下させて冷却した空気を室内に吹き出す気化冷却式の空調機が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1の空調機(冷風扇)は、ケーシング内に配置された送風手段と、吸込口と第1吹出口とを連通し、送風手段によって発生した空気流を第1吹出口に導く第1流路と、吸込口と第2吹出口とを連通し、送風手段によって発生した空気流を第2吹出口に導く第2流路と、第2流路に配置され、水の気化熱により第2流路を流れる空気を冷却する気化手段とを備え、第2流路の気化手段によって冷却された空気流と第1流路を流れる空気流との間で熱交換を行う熱交換器が設けられている。気化手段が備えられている第2流路において、気化手段の下流側には、気化手段によって散布された霧状の水(未蒸発の散布水)及び、気化した水(蒸発した散布水)により絶対湿度が増加した空気が流れる。この湿度が増加した空気は、第2流路の出口となる第2吹出口から排気として吹き出される。熱交換器を介して冷却された第1流路を流れる空気流は、第1吹出口から給気として被空調空間に吹き出される。
特許文献1の空調機において、送風手段によって送風される第2流路を流れる空気は、顕熱交換器が有する複数のチューブ内を通過し、送風手段によって送風される第1流路を流れる空気は、当該複数のチューブの周りを通過することにより、第2流路を流れる空気と、第1流路を流れる空気とが熱交換される。
特開2014-092338号公報
しかしながら、特許文献1の空調機においては、気化手段に含まれる気化フィルタを効率的に交換する点に関する考慮がされていない。
発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、気化フィルタを効率的に交換することができる冷却ユニット及び空調機を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る冷却ユニットは、被空調空間を冷却する空調機に用いられる冷却ユニットであって、着脱自在に装着され、通過する空気を水の潜熱によって冷却する気化フィルタを備え、前記気化フィルタは、矩形状を成し、上方から水が浸透するフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントの側面に設けられた矩形状の板部材とを含み、前記フィルタエレメントの下端部は、前記板部材における前記フィルタエレメントに対向する面の下縁よりも下方に突出している。
本態様にあたっては、通過する空気を水の潜熱によって冷却する気化フィルタは、上方から水が浸透するフィルタエレメントと、フィルタエレメントの側面に設けられた矩形状の板部材とを備える。当該板部材をフィルタエレメントの側面に設けることにより、硬質な板部材によって、当該板部材よりも軟質なフィルタエレメントの形状を維持し、又は形状が変形することを抑制して、冷却ユニット(ユニット本体)に対する気化フィルタの着脱を容易に行うことができる。フィルタエレメントの下端部は、当該フィルタエレメント側面に設けられた板部材の下端部、より具体的には当該板部材におけるフィルタエレメントに対向する面の下縁よりも下方に突出している。板部材におけるフィルタエレメントに対向する面とは、当該フィルタエレメントの側面に密着している面(密着面)に相当する。水の浸透方向となる高さ方向において、フィルタエレメントは、板部材の密着面(フィルタエレメントに対向する面)の長さよりも長い。このような構成とすることにより、フィルタエレメントを大きくし、当該フィルタエレメントに浸透する水の量を増加させ、気化効率を向上させることができる。更に、板部材よりも下方に突出するフィルタエレメントの下端部は、気化フィルタにて気化せず滴下した水を受けるドレンパンを覆うため、ドレンパン内の水が飛散することを抑制することができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記気化フィルタは、前記フィルタエレメントに貫通する複数の芯部材を備え、前記芯部材の端部は、前記板部材に接合されている。
本態様にあたっては、フィルタエレメントに貫通する複数の芯部材は、板部材におけるフィルタエレメントの側面に密着している面(密着面)に接合されている。当該芯部材により、比較的に軟質なフィルタエレメントの形状を維持し、又は形状が変形することを抑制し、ユニット本体に対する気化フィルタの着脱を容易に行うことができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記フィルタエレメントには、前記板部材が設けられている側の角部を切り欠いた切欠き部が設けられており、前記板部材が設けられている側面の長手方向の長さは、前記板部材が設けられていない側面の長手方向の長さよりも、小さい。
本態様にあたっては、フィルタエレメントには切欠き部が設けられていることにより、板部材が設けられている側面の長手方向の長さは、板部材が設けられていない側面の長手方向の長さよりも、小さい。従って、ユニット本体に装着された気化フィルタを取り出す際、板部材を手前側として気化フィルタを引き出すにあたり、切欠き部によって長手方向の長さが小さくされた側面から引き出すことができ、気化フィルタの取り出しを容易化し、着脱性を向上させることができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記板部材には、前記板部材を着脱する際に把持される把持部が設けられている。
本態様にあたっては、板部材には、板部材を着脱する際に把持される把持部が設けられており、当該把持部は、板部材におけるフィルタエレメントの側面に密着している面(密着面)の反対側の面(表面)から、突設されている。ユニット本体に装着された気化フィルタを取り出す際、板部材を手前側として気化フィルタを引き出すにあたり把持部を用いることによって、気化フィルタの取り出しを容易化し着脱性を向上させることができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記気化フィルタが装着される装着部を含み、前記装着部には、前記気化フィルタが挿入される矩形状の挿入孔が形成されており、前記フィルタエレメントにおける前記板部材が設けられていない側面の長手方向の長さは、前記挿入孔の長手方向の長さよりも、大きい。
本態様にあたっては、気化フィルタは、ユニット本体に設けられた装着部に装着されるにあたり、板部材を手前側として、当該装着部に形成されている挿入孔に挿入される。
板部材が設けられていない側面の長手方向の長さは、挿入孔の長手方向の長さよりも大きくしてあるが、比較的に軟質なフィルタエレメントは変形が許容されるため、気化フィルタを挿入孔に容易に挿入することができる。挿入孔から挿入され、装着部に装着された気化フィルタのフィルタエレメントは、元の形状に戻ることにより、板部材が設けられていない側面の長手方向の長さは、挿入孔の長手方向の長さよりも大きくなる。これにより、空気が通過するフィルタエレメントの流路断面積を大きくすることができ、気化効率を向上させることができる。また、挿入孔の長手方向の長さは、フィルタエレメントにおける板部材が設けられていない側面の長手方向の長さよりも小さいため、挿入孔から、気化フィルタにて気化せず滴下した水が流出することを抑制することができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記板部材には、前記板部材の外縁から突出されるフランジ部が設けられており、前記フランジ部により、前記挿入孔は閉塞される。
本態様にあたっては、板部材の外縁から突出されるフランジ部により、挿入孔は閉塞されるため、当該挿入孔から空気が流出することを抑制することができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記フランジ部における前記挿入孔の側の面には、枠状を成すシール部材が設けられている。
本態様にあたっては、フランジ部における挿入孔の側の面には、当該フランジ部に沿って枠状を成すシール部材(枠状シール部材)が設けられているため、シール部材(枠状シール部材)は、フランジ部と、挿入孔の周縁に位置する装着部の部位とによって押圧され、当該挿入孔から空気が流出することを更に抑制することができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記装着部は、前記気化フィルタの底部を保持する保持部を含み、前記保持部には、前記フィルタエレメントに付着した塵埃を捕集する板状の塵埃フィルタが設けられており、前記塵埃フィルタと、前記フィルタエレメントの底面との間には、空隙が形成されている。
本態様にあたっては、塵埃フィルタと、フィルタエレメントの底面との間には、空隙が形成されているため、気化フィルタを装着部から引き出す際、塵埃フィルタに捕集された塵埃に接することなく、ユニット本体に装着された気化フィルタを取り出すことができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記装着部は、前記気化フィルタの底部を保持する保持部を含み、前記保持部には、前記フィルタエレメントに付着した塵埃を捕集する板状の塵埃フィルタが設けられており、前記塵埃フィルタと、前記フィルタエレメントの底面とは、当接している。
本態様にあたっては、塵埃フィルタと、フィルタエレメントの底面とは、当接しているため、空気が気化フィルタを通過する際、フィルタエレメントを通過せずバイパスすることを抑制することができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記装着部は、前記気化フィルタの底部を保持する保持部を含み、前記保持部には、前記フィルタエレメントに付着した塵埃を捕集する板状の塵埃フィルタが設けられており、前記塵埃フィルタと前記フィルタエレメントの底面とが弾接することにより、前記フィルタエレメントの底部は撓んでいる。
本態様にあたっては、塵埃フィルタとフィルタエレメントの底面とが弾接し、フィルタエレメントの底部が撓んだ状態で気化フィルタは、ユニット本体の装着部に装着されている。これにより、空気が気化フィルタを通過する際、フィルタエレメントを通過せずバイパスすることを更に抑制することができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記気化フィルタは、前記被空調空間に吹き出される第1空気を水の潜熱によって冷却する第1気化フィルタと、前記第1空気と顕熱交換される第2空気を水の潜熱によって冷却する第2気化フィルタとを含み、前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタは、L字状に配置される。
本態様にあたっては、気化フィルタは、第1気化フィルタ及び第2気化フィルタからなる2つの気化フィルタにより構成されるため、冷却能力を向上させることができる。これら第1気化フィルタ及び第2気化フィルタは、本体ユニットによってL字状に装着されているため、収納性を向上することができ、本体ユニット(冷却ユニット)を収納する空調機の筐体の小型化を図ることができる。
本開示の一態様に係る冷却ユニットにおいては、前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタを固定する固定部材を備え、前記固定部材は、前記第1気化フィルタの前記板部材を押圧して固定する第1押圧部と、前記第2気化フィルタの前記板部材を押圧して固定する第2押圧部とを含む。
本態様にあたっては、冷却ユニットの固定部材は、第1気化フィルタの板部材を押圧して固定する第1押圧部と、第2気化フィルタの板部材を押圧して固定する第2押圧部とを含むため、ユニット本体に装着された第1気化フィルタ及び第2気化フィルタを、単一の固定部材により効率的に固定することができる。
本開示の一態様に係る空調機は、本開示の一態様に係る冷却ユニットと、前記冷却ユニットを収納する筐体を備えた空調機であって、前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタは、それぞれの前記板部材を隣り合わせて、前記冷却ユニットに装着されており、前記筐体において、前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタのそれぞれの前記板部材が設けられている側の側面には、点検孔を閉塞する扉部が開閉自在に設けられており、前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタは、前記筐体に対し、前記点検孔を介して着脱自在に設けられている。
本態様にあたっては、L字状に装着されている第1気化フィルタ及び第2気化フィルタのそれぞれの板部材は、当該L字状の角部に位置するものとなり、第1気化フィルタの板部材と、第2気化フィルタの板部材とは、隣り合わせた状態となって、これら気化フィルタは、ユニット本体に装着される。冷却ユニットを収納する筐体において、第1気化フィルタ及び第2気化フィルタそれぞれの板部材が設けられている側の側面には、点検孔が形成されており、空調機の運転時、当該点検孔は扉部によって閉塞される。第1気化フィルタ及び第2気化フィルタは、点検孔を介して筐体の内外に着脱自在に構成されているため、空調機のメンテナンス作業時は、扉部を開き点検孔を介して筐体の内外を連通させ、第1気化フィルタ及び第2気化フィルタの交換等を含むメンテナンスの作業効率を向上させることができる。
本開示の一態様に係る空調機においては、前記第1気化フィルタを前記筐体に着脱する際の移動方向と、前記第2気化フィルタを前記筐体に着脱する際の移動方向とは、交差する。
本態様にあたっては、第1気化フィルタ及び第2気化フィルタは、L字状に装着されているため、第1気化フィルタを筐体の内外に着脱自在する際の移動方向と、第2気化フィルタを筐体の内外に着脱自在する際の移動方向とは、交差するものとなる。このように第1気化フィルタ及び第2気化フィルタそれぞれの移動方向を交差させることにより、これら気化フィルタを着脱するための第1気化フィルタの移動空間と、第2気化フィルタの移動空間との間にて、一部の空間領域を重複させることができ、これにより点検孔のサイズが大きくなることを抑制することができる。すなわち、これら気化フィルタを着脱する際、点検孔は、第1気化フィルタ及び第2気化フィルタにて共用されるものとなるが、それぞれの移動方向を交差させることにより、点検孔に対する移動方向の角度(進入角度)を互いに異ならせることができるため、点検孔のサイズを小さくし、筐体の剛性を向上させることができる。
気化フィルタを効率的に交換する冷却ユニット及び空調機を提供することができる。
実施形態1に係る空調機の一構成を例示する模式的正面図である。 空調機の外観を例示する斜視図である。 顕熱交換器の配置態様を例示する模式的平面図である。 冷却ユニットの一構成を例示する模式的斜視図である。 気化フィルタ(第1気化フィルタ、第2気化フィルタ)の一構成を例示する模式的斜視図である。 気化フィルタ(第1気化フィルタ、第2気化フィルタ)の一構成を例示する模式的側面図である。 ユニット本体の装着部の一構成を例示する模式的斜視図である。 ユニット本体の装着部に気化フィルタ(第1気化フィルタ、第2気化フィルタ)を装着した状態の一構成を例示する模式的側面図である。 固定部材(前側)の一構成を例示する模式的斜視図である。 固定部材(後側)の一構成を例示する模式的斜視図である。 固定部材が設けられた状態を説明する説明図である。 固定部材が取り外された状態を説明する説明図である。 気化フィルタ(第1気化フィルタ、第2気化フィルタ)を着脱する際の移動方向を説明する説明図である。 実施形態2に係る気化フィルタ(第1気化フィルタ、第2気化フィルタ)の一構成を例示する模式的側面図である。 ユニット本体の装着部に気化フィルタ(第1気化フィルタ、第2気化フィルタ)を装着した状態の一構成を例示する模式的側面図である。
(実施形態1)
以下、実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る空調機1の一構成を例示する模式的正面図である。図2は、空調機1の外観を例示する斜視図である。なお、図1は、図2におけるA-A線において切断した断面を、上方向から模式的に示したものである。空調機1は、箱状の筐体11と、当該筐体11(本体)とは別体で構成されるタンク12とを備え、例えば、車両等の移動体に載置され、当該移動体の操作者の周辺空間を被空調空間として冷却する。又は、空調機1は、工場等の屋内に載置されるものであってもよい。図1に示す空調機1の載置状態(正面視、上方からの視点)を、当該空調機1の通常の使用態様として、前後左右を示す。図2に示す空調機1の載置状態を、当該空調機1の通常の使用態様として、上下及び前後左右を示す。
空調機1は、水を貯水するタンク12、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32からなる2つの気化フィルタを含む冷却ユニット3を備える。空調機1は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32によって、タンク12から供給された水の気化熱を用いて雰囲気温度を低下させ、被空調空間を冷却するものであり、例えば気化冷却式の空調機である。
冷却ユニット3は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32と、これら気化フィルタ(第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32)が着脱自在に装着されるユニット本体300、給水部33、及びドレンパン34を含む。ユニット本体300の詳細は、後述する。給水部33は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の上部に備えられ、下方の第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32に水を供給する。ドレンパン34は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32にて気化しなかった水を受ける。冷却ユニット3の詳細は、後述する。
空調機1は、更に顕熱交換器4を備え、第2気化フィルタ32を通過した第2空気と、第1気化フィルタ31を通過する前の第1空気との間で熱交換させて第1空気を冷却し、冷却した第1空気を第1気化フィルタ31に通過させることにより当該第1空気を2段階で冷却する。第1空気は、顕熱交換により湿度を上昇させないで冷却された後に気化冷却されることで、2段階で冷却された第1空気は、給気(SA:Service Air)として被空調空間に吹き出される。第2空気は、排気(EA:Exhaust Air)として、筐体11の外部に排出される。
空調機1の筐体11には、被空調空間の空気を吸い込む2つの吸込口5、顕熱交換器4及び第1気化フィルタ31を通過し2段階で冷却された第1空気を被空調空間に給気として吹き出す第1吹出口71、及び第2気化フィルタ32及び顕熱交換器4及通過し、第1空気と顕熱交換された第2空気を排気として吹き出す第2吹出口72が設けられている。第1吹出口71及び第2吹出口72は、筐体11の同じ側面(本実施形態では左側面)に設けられている。
空調機1は、第1空気及び第2空気を搬送するためのファンを備え、当該ファンは、第1空気を搬送する第1ファン81と、第2空気を搬送する第2ファン82とを含む。図1における第1ファン81及び第2ファン82の形状は、外殻形状の一例を表している。第1ファン81及び第2ファン82を含むファンは、例えば、シロッコファン等の遠心ファン又は、プロペラファンであってもよい。第1ファン81は、第1吹出口71の近傍に設けられており、第2ファン82は、第2吹出口72の近傍に設けられている。すなわち、空調機1の空気の流れとして、2つの吸込口5を最上流端とし、第1吹出口71及び第2吹出口72を最下流端とした場合、第1ファン81及び第2ファン82は、当該空気の流れ方向において、顕熱交換器4及び冷却ユニット3よりも下流側に設けられている。第1ファン81及び第2ファン82を下流側に設けることにより、これらファンは、いわゆる吸い込みファンとして機能し、空調機1における空気の流通経路内を負圧に保っている。空気の流路内を負圧に保つことで、給水部33から第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32への水の浸透(吸収)を促進する構成を採用している。本実施例においては、後述のように給水部33から第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32への水の滴下を促進する構成を採用している。
第1ファン81及び第2ファン82は、単一のファンモータ8を共用しており、ファンモータ8の両端の夫々に設けられたシャフト夫々に締結されている。第2ファン82と第1ファン81との間には、第2ファン82が設けられている空間と、第1ファン81が設けられている空間とを仕切る仕切板83が設けられている。当該仕切板83によって、第1ファン81によって搬送される第1空気と、第2ファン82によって搬送される第2空気とが、混合することを防止することができる。
ファンモータ8、第1ファン81及び第2ファン82は、ファンケーシング84により区画化されたファン室に配置されている。当該ファン室は、例えば、一部が発泡スチロール等の断熱性を有する伝熱抑制部材によって構成されるファンケーシング84により区画化される。第2ファン82と第1ファン81との間に設けられる仕切板83は、ファンケーシング84の一部を構成する。
空調機1には、空気の流通経路として、吸込流路51、分岐流路52、第1流路61及び第2流路62が設けられている。分岐流路52は、吸込流路51を、第1流路61及び第2流路62に分岐する。吸込流路51は、後方向及び右方向にある2つの吸込口5を起点とし、分岐流路52を介して顕熱交換器4に連通している。第1流路61は、図1において給気(SA)を表す矢印に沿って連通する空間である。第2流路62は、図1において排気(EA)を表す矢印に沿って連通する空間である。また、吸込流路51及び分岐流路52は、第1流路61及び第2流路62へ空気が分配される前の共通領域である。換言すると、吸込流路51及び分岐流路52内部の空気は、第1空気でも第2空気でもある。
分岐流路52は、顕熱交換器4の2つの入口に連通している。顕熱交換器4の2つの入口は、第1空気が流入する顕熱交換器4の第1経路41の入口と、第2空気が流入する顕熱交換器4の第2経路42の入口とを含む。第1経路41の入口は、第1入口側開口面431に形成される。第2経路42の入口は、第2入口側開口面432に形成される。第1経路41は、第1流路61の一部を構成する。第2経路42は、第2流路62の一部を構成する。すなわち、吸込流路51に流れる吸込空気の流れ方向において吸込流路51の下流には、分岐流路52、及び顕熱交換器4が、この順番で設けられている。
吸込空気は、分岐流路52において、顕熱交換器4における第1経路41又は第2経路42のいずれかの入口に流入する。すなわち、吸込空気は、分岐流路52において、第1経路41に流入する第1空気と、第2経路42に流入する第2空気とに、分流される。
2つの吸込口5と、顕熱交換器4の2つの入口(第1経路41の入口及び第2経路42の入口)との間には、集塵フィルタ53が、介在して設けられている。集塵フィルタ53は、ポリエステル又はオレフィン系繊維により形成され、塵埃を捕獲するフィルタ部と、当該フィルタ部を固定する格子状の枠体とを含む。集塵フィルタ53は、樹脂金型の内部にフィルタ部を載置した後、枠体の材料となる樹脂を流し込むことによるインサート成形によって、形成されるものであってもよい。樹脂製からなる枠体にて構成される集塵フィルタ53は、可撓性を有し、顕熱交換器4の第1経路41及び第2経路42の入口それぞれを覆うように湾曲して設けられている。集塵フィルタ53を湾曲して設けるにあたり、筐体11の内面には、集塵フィルタ53の長手方向の縁部が篏合する溝等により構成されるガイド部が、設けられているものであってもよい。
集塵フィルタ53は、第1入口側開口面431と第2入口側開口面432とが、顕熱交換器4の異なる端面(側面)に設けられているため、図1に示すように湾曲させて設けられている。これにより、集塵フィルタ53は、第1入口側開口面431と、第2入口側開口面432とを1枚で覆うことができる。集塵フィルタ53を1枚にすることで、当該集塵フィルタ53の着脱の手間が軽減され、メンテナンス作業の工数削減を図ることができる。
集塵フィルタ53のそれぞれの両端部には、シール部材531が設けられている。集塵フィルタ53の両端部は、第1経路41の側の端部と、第2経路42の側の端部とを含む。第1経路41の側の端部は、第1経路41の入口が設けられている第1入口側開口面431と、当該第1入口側開口面431に対向する筐体11の内面との接触箇所に位置している。第2経路42の側の端部は、後述するドレンパン34と、当該ドレンパン34に近接する筐体11の内面との間に位置している。シール部材531は、筐体11の内面と集塵フィルタ53との隙間を埋める。
顕熱交換器4の2つの入口(第1経路41の入口、第2経路42の入口)と、吸込口5との間の空間は、第1空気及び第2空気の流れ方向における上流側空間と、下流側空間とに集塵フィルタ53により区切られる。換言すると、集塵フィルタ53は、吸込口5を有する筐体11及び集塵フィルタ53に囲まれた空間である上流側空間と、集塵フィルタ53、第1入口側開口面431及び第2入口側開口面432に囲まれた空間である下流側空間とに区画化する。上流側空間は、吸込流路51に相当する。下流側空間は、分岐流路52に相当する。吸込流路51は、分岐流路52の上流において第1経路41及び第2経路42に共用される経路である。そのため、2つの吸込口5についても第1経路41及び第2経路42にて共用することができ、2つの吸込口5の開口面積を大きくして吸込空気における流路抵抗(圧力損失)を低減することができる。また、流路抵抗を低減するため、2つの吸込口を連結する構成を採用してもよい。具体的には集塵フィルタ53と同様に筐体11の側面を湾曲させ、湾曲した側面に1つの吸込口5を形成して開口面積を広くしてもよい。この場合、上流側空間の体積を最小にすることができ、上流側空間において発生する可能性がある乱流等の影響を最小限にできる。
顕熱交換器4には、上述のとおり、第1空気が流れる第1経路41と、第2空気が流れる第2経路42とが、設けられている。第1経路41は、第1吹出口71に連通している第1流路61の一部を構成する。第2経路42は、第2吹出口72に連通している第2流路62の一部を構成する。顕熱交換器4における第1経路41と第2経路42とは、中空構造を有する複数の樹脂プレートにより構成され、これら樹脂プレート夫々を並列に設けることにより構成される。当該樹脂プレートの板厚を薄くすることにより伝熱性を向上させると共に、顕熱交換器4の重量を低減させることができる。当該中空構造は、金属プレートにより構成されるものであってもよい。
第1経路41を構成する樹脂プレートと、第2経路42を構成する樹脂プレートとは、第1空気及び第2空気の流れ方向に対し垂直となるように積層されて設けられており、これら樹脂プレートを介して、第1空気及び第2空気との間の顕熱交換が行われる。第1経路41と第2経路42とは、互いに直交することにより、第1経路41を流れる第1空気と、第2経路42を流れる第2空気とによって、直交流が形成される。
顕熱交換器4におけるそれぞれの端面(側面)には、第1経路41の入口、第2経路42の入口、第1経路41の出口、及び第2経路42の出口が、設けられている。第1経路41の入口が設けられている端面(側面)は、第1入口側開口面431に相当する。第2経路42の入口が設けられている端面(側面)は、第2入口側開口面432に相当する。第1経路41の出口が設けられている端面(側面)は、第1出口側開口面441に相当する。第2経路42の出口が設けられている端面(側面)は、第2出口側開口面442に相当する。つまり、第1経路41は、第1入口側開口面431から第1出口側開口面441に向けて連通された複数の空間が積層されて形成されている。また、第2経路42は、第2入口側開口面432から第2出口側開口面442に向けて連通された複数の空間が積層されて形成されている。
第2空気の流れ方向において、第2入口側開口面432の上流側には、第2気化フィルタ32が設けられている。図1の正面視にて矩形状を成す第2気化フィルタ32は、一面を第2入口側開口面432に対向させて設けられている。第1空気の流れ方向において、第1出口側開口面441の下流側には、第1気化フィルタ31が設けられている。図1の正面視にて矩形状を成す第1気化フィルタ31は、一面を第1出口側開口面441に対向させて設けられている。
分岐流路52にて分流された第2空気は、第2気化フィルタ32を通過し、当該第2気化フィルタ32によって冷却された後、第2入口側開口面432に設けられた第2経路42の入口から、顕熱交換器4の内部(第2経路42)に流入する。分岐流路52にて分流された第1空気は、第1入口側開口面431に設けられた第1経路41の入口から、顕熱交換器4の内部(第1経路41)に流入する。
第1経路41に流れる第1空気と、第2経路42に流れる第2空気とは、顕熱交換器4を介して熱交換される。第2経路42に流れる第2空気は、第2気化フィルタ32によって冷却されており、第2空気の温度は、吸込口5にて吸い込まれた直後の吸込空気の温度よりも低い。第1経路41の入口に流入した直後の第1空気の温度は、吸込口5にて吸い込まれた直後の吸込空気の温度と同じ(同等)であるが、顕熱交換器4を介し、第2経路42に流れる第2空気によって冷却される。具体的には、第1空気は、第2空気の温度よりも高いため、第2空気に熱が奪われる。これにより、第1空気と第2空気は吸込空気及び筐体11外部の空気よりも低い温度状態になる。
第1経路41の出口から流出した第1空気は、第1気化フィルタ31よって、更に冷却される。これにより、第1空気は2段階にて冷却されるものとなる。すなわち、第1空気は、第2気化フィルタ32の第2空気を介した間接的な冷熱源として用い、第1気化フィルタ31を直接的な冷熱源として用いた2つの冷熱源によって、冷却される。つまり、1段階目では顕熱のみを交換し、2段階目で全熱交換をしている。これにより、気化又は顕熱交換のみの冷却及び気化冷却からの顕熱交換による冷却よりも湿球温度が低くなる。また、全熱交換時に気化する水の量も減少できるため、不快な湿度上昇も防ぐことができる。
顕熱交換器4の第1経路41の出口(第1出口側開口面441に設けられた出口)から流出し、第1気化フィルタ31を通過した第1空気は、第1気化フィルタ31よりも下流側に位置する第1ファン81によって搬送され、第1吹出口71から被空調空間に給気(SA)として吹き出される。第1吹出口71には、例えば蛇腹構造にて構成される吹出ダクト711が設けられており、第1空気は、当該吹出ダクト711によって調整された吹出方向に給気(SA)として吹き出されるものであってもよい。これにより、移動体の操作者の周辺空間を被空調空間として冷却することができる。第1ファン81は第1気化フィルタ31よりも下流側に位置するとしたがこれに限定されず、第1ファン81は、第1気化フィルタ31よりも上流側に位置するものであってもよい。
顕熱交換器4の第2経路42の出口(第2出口側開口面442に設けられた出口)から流出した第2空気は、顕熱交換器4の第2経路42の出口よりも下流側に位置する第2ファン82によって搬送され、第2吹出口72から筐体11の外部に排気(EA)として吹き出される。
第1吹出口71及び第2吹出口72は、筐体11の同じ側面(本実施形態では左側面)に設けられている。第2吹出口72は、第1吹出口71の方向に向いており、第2吹出口72から吹き出された排気(EA)は、第1吹出口71に取り付けられた吹出ダクト711の周辺近傍に吹き出されるものであってもよい。より具体的には、第2吹出口72は、第2ファン82よりも前方向に設けられることで、第2ファン82から送られる第2空気は左前方向に吹き出される。また、吹出ダクト711がある場合は、直射日光や照明による吹出ダクト711の外表温度の上昇を抑制することができる。
本実施形態における図示のとおり、筐体11の側面の内、2つの吸込口5、第1吹出口71及び第2吹出口72が設けられていない側面には、開閉自在に構成された扉部111が設けられている。扉部111が設けられている側面は、第1気化フィルタ31の端部と、第2気化フィルタ32の端部とが隣接する箇所に対応した側面であり、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32に最も近接した側面である。扉部111を開く(開状態にする)ことにより、筐体11の外部から内部にアクセスでき、例えば第1気化フィルタ31又は第2気化フィルタ32の交換等のメンテナンス作業を行うことができる。扉部111は、上方向の端部以外の1つの端部を蝶番により筐体11に連結され、扉部111の蝶番により連結された端部と対向する端部を開閉自在なロック機構により筐体11に固定される構成で筐体11に固定されることが好ましい。これにより、開放時における扉部111の脱落を防止でき、かつ、メンテナンス時の開状態の維持がしやすい。第1気化フィルタ31の端部と、第2気化フィルタ32の端部とが隣接する箇所には、これら端部それぞれに当接し、扉部111が閉塞された状態において、これら端部を押圧することにより、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を固定する固定部材38が、設けられている。上述した第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の交換等のメンテナンス作業も含め、扉部111、固定部材38及び気化フィルタ(第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32)の配置関係等については、後述する。
当該メンテナンス作業を行うにあたり、扉部111を開けた後、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を水平方向にスライドさせて脱着可能とすることができ、筐体11の高さ、すなわち製品の高さを低くすることができる。これにより、メンテナンス性を向上させることができる。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、いずれか一つの側面のみ樹脂部材等の板部材36(図5参照)と一体成型されている。これにより、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32に対するメンテナンス性を向上させつつ、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれのエレメント部分からの風のリーク、すなわち当該エレメント部分を通過することなく空気が流れることを抑制できる。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の一つの側面に一体成型された樹脂部材(板部材36)には、取手部又は把持部361が設けられている。メンテナンス作業を行うにあたり、作業者は、当該取手部を持つことにより、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の脱着を容易に行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32から成る2つの気化フィルタが交差する関係で引き出せるものであってもよい。このような構成とすることで、部品の共通化を図り、部品コストの削減によるコストダウンを期待することができる。また、筐体11のサイズに応じて限られた点検口スペースから、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を抜き出せるものとなり、筐体11のサイズ、すなわち製品サイズの小型化を図ることができる。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32から成る2つの気化フィルタが移動しないように、これら気化フィルタを固定する抑え部等の固定部が設けられており、当該抑え部(固定部)が、扉部111の一部と接触及び押圧することにより、扉部111を圧接している。このような構成とすることにより、第1空気と第2空気とのリーク、すなわち第1空気と第2空気とが混合することを抑制することができる。更に、振動等により、気化フィルタのずれが発生することを抑制することができる。更に、メンテナンス作業等における気化フィルタの脱着時に、当該気化フィルタが正しく設置されない状態となることを防止することができる。
扉部111の内面には、第1気化フィルタ31を通過することなく第1流路61に空気が侵入することを抑制するための抑制部材が、設けられているものであってもよい。抑制部材は、例えばシール材により形成されるものであり、扉部111を閉める(閉状態)ことにより、扉部111の内面と、第1気化フィルタ31の縁部、又は固定部材38の端面とによって挟み込まれてシール機能を発揮し、第1気化フィルタ31を通過することなく第1流路61に空気が侵入することを抑制することができる。
空調機1は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32に供給する水を貯水するタンク12を備える。当該タンク12は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32等を収納する筐体11とは、別体として構成されている。空調機1において本体となる筐体11と、別体として構成されるタンク12とは、供給水路91及び回収水路92によって接続(連通)されている。タンク12から、筐体11に収納される第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32に供給する水は、供給水路91を流れる。第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32にて気化しなかった水は、回収水路92を流れて、タンク12に回収される。供給水路91及び回収水路92は、軟性樹脂によるホース、又は硬性樹脂による配管によって構成される。本実施形態のように移動体に設置される場合、タンク12は給水及び交換がしやすい操作者の背面又は足元に設置されるのが好ましい。また、供給水路91及び回収水路92は、操作者の視認性確保及び、操作時に引っ掛けて漏水することを防止するために、ヘッドガードの柱などに結束しておくことが好ましい。
供給水路91には、給水ポンプ913及び供給水センサが設けられている。筐体11とタンク12とが、異なる場所に載置され、筐体11及びタンク12の間で高低差(揚程)が生じる場合、当該揚程に対応した送水能力を有する給水ポンプ913によって、下方にあるタンク12から、上方の筐体11に水を送り出すことができる。供給水センサは、例えば、供給水路91の内部に設けられ、当該供給水路91に流れる水量に応じたセンサ値(検出値)を出力する。
タンク12から延設された供給水路91の一部は、筐体11の内部に収納され、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の上方に取り付けられている給水部33に連通している。筐体11に内部に収納される供給水路91の一部は、集塵フィルタ53により区切られる上流側空間(吸込流路51)に設けられている。空調機1が移動体に載置され屋外で使用される際、タンク12内の水の温度は、直射日光等により熱され、外気温度(吸込空気の温度)よりも高くなる場合がある。このような場合であっても、上流側空間(吸込流路51)に位置する供給水路91に流れる水(供給水)は、当該吸込流路51に流れる吸込空気と熱交換され、当該水(供給水)を吸込空気により冷却し、空調機1における冷却効率を向上させることができる。上流側空間に配置される供給水路91の外周面には、例えばフィン等が設けられており、吸込空気と熱交換する際の伝熱面積を増加させることにより、伝熱効率を向上させるものであってもよい。また、供給水路91内の水を冷却する構成として、第2流路62の顕熱交換器4の下流を供給水路91が通るように配置してもよい。
給水部33に流入した水(供給水)は、第1気化フィルタ31側の第1供給水路911と、第2気化フィルタ32側の第2供給水路912とにより分流され、給水部33に設けられた第1給水孔331を通過して第1気化フィルタ31に滴下し、第2給水孔332を通過して第2気化フィルタ32に滴下する。第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32に滴下した水は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32それぞれに浸透する。この時、水(供給水)は、給水ポンプ913による水圧、水の自重、及び、第1流路61及び第2流路62内部が負圧であることから、第1給水孔331及び第2給水孔332から順次滴下される。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32に浸透した水は、第1空気及び第2空気が通過する際に気化されるが、給水量及び空調機1が使用される環境の相対湿度によっては、供給された水の一部が液体の状態で、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の下方に位置するドレンパン34に流れ込む。
本実施形態における図示のとおり、給水ポンプ913及び回収ポンプ923は、顕熱交換器4の上方に並んで設けられている。給水ポンプ913は、実施形態1と同様に供給水路91に設けられており、当該供給水路91において、筐体11(本体)とタンク12(別体)とは、例えば止め弁(閉鎖弁)を介して、供給水路91は連通している。
回収ポンプ923及び給水ポンプ913を顕熱交換器4の上方にて横並びに載置し、筐体11の天板を開けることにより、これらポンプに対しアクセス可能とするものであってもよい。これにより、空調機1のメンテナンス時等における回収ポンプ923及び給水ポンプ913の点検又は交換等の作業効率を向上させることができる。給水ポンプ913と回収ポンプ923を横並びに載置することにより、上下それぞれに載置スペースを設ける必要がなくなり、筐体11の高さを小さくし製品の小型化を図ることができる。
給水ポンプ913によって、タンク12からくみ上げられた水(供給水)は、供給水路91を介して、給水部33(第1給水部33A、第2給水部33B)に供給される。給水ポンプ913と、第1給水部33A及び第2給水部33Bとの間の供給水路91には、第1供給水路911及び第2供給水路912に分岐する分岐路が設けられている。当該分岐路は、顕熱交換器4の上方に位置するものであってもよい。供給水路91にて形成されている分岐路によって、分岐された第1供給水路911及び第2供給水路912は、第1給水部33A及び第2給水部33Bに接続されている。すなわち、第1供給水路911は第1給水部33Aに連通し、第2供給水路912は第2給水部33Bに連通している。
第1供給水路911を介して第1給水部33Aに流入した水(供給水)は、実施形態1と同様に第1給水孔331を介して、第1気化フィルタ31に滴下される。第2供給水路912を介して第2給水部33Bに流入した水(供給水)は、実施形態1と同様に第2給水孔332を介して、第2気化フィルタ32に滴下される。
ドレンパン34とタンク12とは、回収水路92によって連通している。回収ポンプ923は、回収水路92に設けられており、当該回収水路92において、筐体11(本体)とタンク12(別体)とは、例えば止め弁(閉鎖弁)を介して、回収水路92は連通している。ドレンパン34に流れ落ちた水(回収水)は、回収水路92を介して、タンク12に回収される。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32から流れ落ちた水は、ドレンパン34で1箇所に集約し、回収水路92として合流され、回収ポンプ923に接続されるものであってもよい。すなわち、ドレンパン34において、第1気化フィルタ31を追加した後の第1回収水路921と、第2気化フィルタ32を追加した後の第2回収水路922とが、1箇所に集約(合流)するものであってもよい。このような構成とすることにより、例えば空調機1が移動体に載置され、当該移動体の挙動により筐体11が傾いた場合であっても、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32から流れ落ちた水をドレンパン34の1箇所、すなわち回収水路92と連通している連通孔に集約し、水を確実に回収ポンプ923によって搬送することができる。すなわち、例えばドレンパン34に複数の連通孔が設けられている場合、筐体11が傾いた際、いずれかの連通孔から空気が回収ポンプ923によって引かれ、他方の連通孔から水を引くことができなくなることが懸念されるところ、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32から流れ落ちた水をドレンパン34で1箇所に集約して、回収水路92を介して回収ポンプ923により搬送することにより、当該水を確実にタンク12に回収することができる。
タンク12と、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32とは、供給水路91及び回収水路92により連通される。従って、タンク12、供給水路91、給水部33、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32、ドレンパン34、及び回収水路92を経て、タンク12に水が回収(戻る)される循環回路が形成される。当該循環回路により、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32にて気化しなかった水をタンク12内に効率的に回収し、筐体11の内部に残存する水の量を低減させ、筐体11内における衛生度を向上させることができる。
図3は、顕熱交換器4の配置態様を例示する模式的平面図である。図3は、集塵フィルタ53及び給水部33などの一部構成を省略している。顕熱交換器4は、正面視にて矩形状を成し、例えば直方体の外観を有する。顕熱交換器4に設けられている第1経路41及び第2経路42は、直交しており、本実施形態においては、第1経路41及び第2経路42の交差角度は、例えば90°である。
顕熱交換器4は、端面(側面)として、第1入口側開口面431、第2入口側開口面432、第1出口側開口面441及び第2出口側開口面442を備え、隣接するそれぞれの端面(側面)による角度は、例えば90°である。第1入口側開口面431、第2入口側開口面432、第1出口側開口面441、及び第2出口側開口面442は、顕熱交換器4を正面視した際の周方向にて、この順番で設けられている。すなわち、第1入口側開口面431は第2入口側開口面432に隣接し、第2入口側開口面432は第1出口側開口面441に隣接し、第1出口側開口面441は第2出口側開口面442に隣接し、第2出口側開口面442は第1入口側開口面431に隣接している。
筐体11の内面と、当該内面に対向する顕熱交換器4の端面とが、鋭角を成すように顕熱交換器4は、筐体11に収納されている。以下説明のため、筐体11の前側の内面と、第1出口側開口面441との成す角を角度θと定める。例えば角度θは、10度より大きく50度未満となる鋭角を成す。角度θの下限値10度は、第1流路61の経路径を確保するために定められればよい。また、角度θの上限値は、第2経路42下流に備えられるファンモータ8及び電気ユニット13の配置及び仕切板83の配置によって定められればよい。具体的には、第1出口側開口面441の左側端部と、仕切板83の右側端部とが接続可能な位置関係になるように角度θを定められればよい。また、ファンモータ8及び電気ユニット13にも第2空気が流れやすいように、ファンモータ8及び電気ユニット13の少なくとも一方の後ろ側端部よりも前方に第1出口側開口面441の左側端部と、仕切板83の右側端部とが配置される構成を採用し、角度θの上限値を定めるのが好ましい。これにより、第2空気がファンモータ8及び電気ユニット13に流れ込みやすく、ファンモータ8及び電気ユニット13の冷却効率を高めることができる。顕熱交換器4は、筐体11の内面と、当該内面に対抗する顕熱交換器4の端面とが成す角度が0度である平行状態(姿勢位置)から、当該鋭角に相当する角度θだけ回転された状態で、筐体11に収納されている。これにより、例えば、筐体11は直方体であり、顕熱交換器4は立方体であるため、第1入口側開口面431と第1入口側開口面431に対抗する筐体11の後側の内面との角度と、第1出口側開口面441と第1出口側開口面441に対抗する筐体11の前側の内面との角度は、等しい値となる。このように所定の回転角度で回転された状態で、顕熱交換器4を筐体11に収納することにより、当該筐体11のサイズに対し、顕熱交換器4における熱交換可能な面積(熱交換面積)を大きく確保することができる。また、θが10度より大きく50度未満の範囲、かつ、45度とならない角度に設定することで、45度で設置するよりも筐体11の前後左右方向の長さを小さくすることができる。これにより、熱交換面積に対する筐体11の前後左右の長さを抑えることができるため小型化できる。同様に、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、顕熱交換器4の第2入口側開口面432及び第1出口側開口面441に沿って備えられるため、冷却ユニット3の左右方向の長さを短くすることができ、メンテナンス用に備えられた扉部111の面積も小さくすることができる。
筐体11を所定の鋭角に相当する角度θを付けて回転させて配置することにより、第1出口側開口面441と、第1出口側開口面441に対向する筐体11の前側の内面との面間距離を、第1空気の下流側に向けて段階的に大きくすることができる。具体的には、図3に示すように面間距離は、第1吹出口71に近づくにつれて、段階的に大きくなる(d3>d2>d1)。すなわち、最も下流側における第1出口側開口面441と、筐体11の内面との面間距離とを、最も大きくすることができる。これにより第1出口側開口面441から第1空気から流出する際の流路抵抗(圧力損失)を低減することができる。ちなみに第2入口側開口面432と、第2入口側開口面432に対向する筐体11の右側の内面との面間距離は、第1出口側開口面441から離れるにつれて小さくなる(k3>k2>k1)。
第1出口側開口面441に対向する第1気化フィルタ31と、第2入口側開口面432に対向する第2気化フィルタ32は、ユニット本体300に着脱自在に装着されてL字状となるように配置されている。ユニット本体300は、下方に備えられるドレンパン34を含むものであり、従って、ユニット本体300に装着された第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、当該ドレンパン34の上部を覆うケーシングに締結されるものであてもよく、この場合、ドレンパン34の上部を覆うケーシングは、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を締結する締結部材として機能する。L字状に屈曲して配置される第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32により形成される角度(β)は、第1経路41及び第2経路42の交差角度(α)以上であり、例えば、60度から120度である。また、例えば顕熱交換器4がひし形である場合等を考慮して角度(β)と角度(α)の関係を式で表すと、β=α±30(度)程度であることが好ましい。第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32をL字状に屈曲させて設けることにより、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれに端面より形成されるL字の内側を顕熱交換器4の角部に沿わせて、これらフィルタを配置することができる。これにより、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の収納性を向上させ、筐体11の小型化を図ることができる。図3では、第1出口側開口面441と第1気化フィルタ31の長さは、小型化のために第1気化フィルタ31の長さがわずかに短くなっている。しかし、第1気化フィルタ31の長さは適宜変更してもよい。一例として、第1出口側開口面441と第1気化フィルタ31の長さは、流路段面積が同程度となるように決定されることが好ましい。これにより流路断面積が変化することによる圧力損失を軽減できる。また、第1出口側開口面441を通った第1空気は第1気化フィルタ31を通るように、第1出口側開口面441と第1気化フィルタ31の間には流路を規定する壁面(シール部材)が設置されることが好ましい。この壁面は、第1気化フィルタ31のケーシングに形成されていても、顕熱交換器4を固定する部材に形成されていてもよい。第2気化フィルタ32についても第1気化フィルタ31と同様に適宜変更されてもよい。第2入口側開口面432と第2気化フィルタ32の長さは、小型化のために第2気化フィルタ32の長さがわずかに短くなっている。しかし、第2気化フィルタ32の長さは適宜変更してもよい。一例として、第2出口側開口面442と第2気化フィルタ32の長さは、流路段面積が同程度となるように決定されることが好ましい。これにより流路断面積が変化することによる圧力損失を軽減できる。また、第2出口側開口面442を通った第2空気は第2気化フィルタ32を通るように、第2出口側開口面442と第2気化フィルタ32の間には流路を規定する壁面が形成されることが好ましい。
図4は、冷却ユニットの一構成を例示する模式的斜視図である。冷却ユニット3は、ユニット本体300、第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32、ドレンパン34、及び給水部33を備え、当該給水部33は、別個に構成される第1給水部33A及び第2給水部33Bを含む。第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、ユニット本体300に着脱自在に装着されており、ドレンパン34は、当該ユニット本体300の下方に設けられている。第1気化フィルタ31の端部と、第2気化フィルタ32の端部とが隣接する箇所、すなわち第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32により構成されるL字の角部に相当する個所には、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を固定する固定部材38が、設けられている。
ドレンパン34は、例えば樹脂製又は金属製であり、上方に開口面を有する皿状を成す。ドレンパン34は正面視にてL字状を成し、屈曲している。当該L字を構成するそれぞれの辺を構成する領域には、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32が載置されている。第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、ドレンパン34上に載置されることにより、L字状に配置されている。
第1気化フィルタ31の上部には第1給水部33Aが載置され、第2気化フィルタ32の上部には第2給水部33Bが載置され、これにより第1給水部33A及び第2給水部33Bは、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32と同様にL字状を成すように配置される。このような構成とすることにより、冷却ユニット3の外殻がL字状となるように構成することができ、冷却ユニット3の収納性を向上させ、当該冷却ユニット3を収納する空調機1の筐体11の小型化を図ることができる。
本実施形態における図示において、給水部33を構成する第1給水部33Aに基づき、当該第1給水部33Aの構造を説明する。第1給水部33Aは、内部が中空構造となっている箱体を成す。第1給水部33Aの底面には、複数の第1給水孔331が、当該容器部333の長手方向に沿って設けられている。すなわち第1給水孔331は、第1給水部33Aが載置される第1気化フィルタ31の長手方向に沿って設けられている。一例として、第1給水孔331は、容器部333の中央に設けられた第1給水孔331を中心点として点対称に長手方向に配置される。容器部333を、第1気化フィルタ31を通過する第1空気の上流側に配置することにより、容器部333に設けられた第1給水孔331を第1空気の上流側に偏倚させるものであってもよい。第2給水部33Bの構造は、第1給水部33Aの構造と同様であり、第2給水部33Bの底面には、複数の第2給水孔332が、当該容器部333の長手方向に沿って設けられている。第1給水部33Aに関する記載を、第2給水部33Bに関する記載に読み替えることにより、当該第2給水部33Bに関する構造が説明される。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、ユニット本体300に着脱自在に装着されてL字状となるように配置されている。ユニット本体300は下方に備えられるドレンパン34を含むものであり、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、L字状のドレンパン34の上に載置されることにより、L字状に屈曲して配置されている。L字状に構成される第1気化フィルタ31と第2気化フィルタ32との角度は、例えば60度から120度である。このように第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32をL字状に屈曲させて設けることにより、L字の内側を、矩形状を成す顕熱交換器4の角部に向け、当該角部にL字の内側を沿わせて、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を配置することができ、これらフィルタ等の収納性を向上させて筐体11の小型化を図ることができる。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、矩形状のフィルタエレメント35を含み、当該フィルタエレメント35は、例えばレーヨン・ポリエステル、不織布等によって成形されている。第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、吸水性を有し、タンク12から供給された水(供給水)が第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32(フィルタエレメント35)の全面に浸透することにより、当該水の気化を促進する。
図5は、気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)の一構成を例示する模式的斜視図である。図6は、気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)の一構成を例示する模式的側面図である。冷却ユニット3のユニット本体300に装着される第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、矩形状のフィルタエレメント35、及びフィルタエレメント35の側面に設けられた矩形状の板部材36を含み、同一構成及び形状からなる同一部品(共通部品)であってもよい。
フィルタエレメント35は、例えばレーヨン・ポリエステル、不織布等、外力による変形を許容する軟性の材料によってよって構成されている。フィルタエレメント35は吸水性を有し、タンク12から供給された水(供給水)が、当該フィルタエレメント35の全面に浸透することにより、当該水の気化を促進する。フィルタエレメント35は、側面視にて矩形状又は正方形状を成し、当該フィルタエレメント35の厚みに応じた直方体を成す。
矩形状を成すフィルタエレメント35において、滴下される水の流れ方向での下方の角部(本実施形態では左下の角部)には、切欠き部351が設けられている。当該切欠き部351によって、フィルタエレメント35の下面には段差構造が形成される。当該段差構造は、1段による段差構造に限定されず、2段以上の複数段による段差構造であってもよい。また、切欠き部351は、このような段差構造を形成するものに限定されず、例えば、角部を斜めに切断したテーパ状によるものであってもよい。フィルタエレメント35の厚みにより形成される左右の側面それぞれは、上下方向に長い矩形状を成す。当該フィルタエレメント35の両側面において、切欠き部351が設けられた側の側面の長手方向の長さは、切欠き部351が設けられていない側の側面の長手方向の長さよりも、小さい。
切欠き部351が設けられた側の側面には、例えば樹脂製等による板部材36が設けられている。すなわち、当該板部材36の裏面は、切欠き部351が設けられた側の側面に対向して、板部材36はフィルタエレメント35の側面に貼付されている。切欠き部351が設けられた側の側面に対向する板部材36の後面の面積は、当該側面の面積以下となっている。
板部材36の上端と、フィルタエレメント35の上端とは、上下方向において同位置となるように位置合わせして、板部材36は設けられている。板部材36の下端は、フィルタエレメント35の下端よりも、若干上方向にとなるように位置合わせして、板部材36は設けられている。又は、板部材36の下端と、フィルタエレメント35の下端とは、上下方向において同位置となるように位置合わせして、板部材36は設けられているものであってもよい。
板部材36において、フィルタエレメント35とは反対に位置する前面には、当該前面の板部材36の外縁から突出されるフランジ部362が設けられている。前面にはフランジ部362が設けられることにより、前面の面積は、後面の面積よりも大きいものとなる。
前面には、板状の把持部361が設けられている。把持部361は、前面から垂直方向に突出して設けられている。前面には、フランジ部362よりも内側となる部位に凹部が設けられており、把持部361は、当該凹部の底面から突出して設けられているものであってもよい。把持部361の突出高さは、凹部の深さよりも大きいものであってもよい。
フランジ部362におけるフィルタエレメント35側の面(フランジ部362の裏面)の周縁部には、フランジ部362の周縁に沿って貼付された枠状(矩形環状)の枠状シール部材363が設けられている。当該枠状シール部材363は、例えばEPDM発泡体により構成される。
フィルタエレメント35には、複数の芯部材37が貫通して設けられており、当該芯部材37の端部は、板部材36の後面に接合されている。芯部材37は、板部材36と同様の樹脂製等によるものであり、水の滴下方向(上下方向)に対し、垂直方向(左右方向)にフィルタエレメント35内を貫通している。
フィルタエレメント35、板部材36及び板部材36を含む気化フィルタ(第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32)は、樹脂金型の内部にフィルタエレメント35を載置した後、板部材36及び板部材36の材料となる樹脂を流し込むことによるインサート成形によって、形成されるものであってもよい。
図7は、ユニット本体300の装着部301の一構成を例示する模式的斜視図である。図8は、ユニット本体300の装着部301に気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)を装着した状態の一構成を例示する模式的側面図である。ユニット本体300は、冷却ユニット3の外殻を構成し、気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)が着脱自在に装着される装着部301を含む。ユニット本体300は、装着された第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の下方に位置するドレンパン34を含むものであってもよく又は、当該ドレンパン34は、ユニット本体300とは別体として構成され、当該ユニット本体300から着脱自在に構成されるものであってもよい。
ユニット本体300は、第1気化フィルタ31が装着される装着部301と、第2気化フィルタ32が装着される装着部301とによる2つの装着部301を備える。第1気化フィルタ31が装着される装着部301は、矩形状の枠体を成し、第1気化フィルタ31が挿入される挿入孔304、及び挿入された第1気化フィルタ31の底部を保持する保持部302を含む。
第2気化フィルタ32が装着される装着部301も、第1気化フィルタ31が装着される装着部301と同様の構成を成す。第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32それぞれが挿入される2つの装着部301は、ユニット本体300においてL字状となるように設けられている。
挿入孔304は、装着部301の枠体の内縁により構成され、フィルタエレメント35の側面と同様に上下方向に長い矩形状の孔部である。第1気化フィルタ31が装着される装着部301の挿入孔304と、第2気化フィルタ32が装着される装着部301の挿入孔304とが隣接する箇所は、2つの装着部301により形成されるL字の角部に相当する。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、板部材36が設けられていない側の側面を、それぞれの挿入孔304に向けて、当該挿入孔304から挿入され、それぞれの装着部301に装着される。装着された第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、装着部301の枠体の内部に収納されるものとなる。
保持部302は、上部が開口した箱体を成し、当該箱体にはドレンパン34に連通する複数の連通孔が設けられている。第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32が装着部301に装着された状態において、これら第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のフィルタエレメント35の底部(下部)は、保持部302の箱体内に位置するものとなり、保持部302によって保持される。
箱体の底面には、板状の塵埃フィルタ303が設けられており、当該塵埃フィルタ303の下面と、箱体の底面とは、対向した状態となって、塵埃フィルタ303は箱体内に収納されるものとなる。塵埃フィルタ303を設けることにより、給水部33から供給された水が気化せず、液体の状態にてフィルタエレメント35から下方に滴下した際、当該滴下した水に塵埃が含まれる場合であっても、塵埃フィルタ303によって当該塵埃を捕集することができる。塵埃フィルタ303は、着脱可能であり清掃することが可能である。
装着部301の挿入孔304と、気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)との寸法関係について、第1気化フィルタ31が装着部301に装着された状態に基づき、説明する。なお、第2気化フィルタ32は第1気化フィルタ31と同様の構成であり、第1気化フィルタ31に関する記載を、第2気化フィルタ32に関する記載に読み替えることにより、当該第2気化フィルタ32が装着部301に装着された状態が説明される。
第1気化フィルタ31のフィルタエレメント35には、切欠き部351が設けられているため、フィルタエレメント35の下面には段差構造が形成される。これにより、当該フィルタエレメント35において、切欠き部351が設けられた側の側面の長手方向の長さ(h2)は、切欠き部351が設けられていない側の側面の長手方向の長さ(h3)よりも、小さいものとなっている(h2<h3)。装着部301の挿入孔304の長手方向の長さ(h1)は、切欠き部351が設けられた側の側面の長手方向の長さ(h2)よりも大きく、切欠き部351が設けられていない側の側面の長手方向の長さ(h3)よりも、小さいものとなっている(h2<h1<h3)。
このような構成とすることにより、ユニット本体300に装着された第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を取り出す際、板部材36を手前側とし、切欠き部351によって長手方向の長さが小さくされた側面から引き出すことができる。当該切欠き部351が設けられた側の側面の長手方向の長さ(h2)は、装着部301の挿入孔304の長手方向の長さ(h1)よりも小さいため、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32取り出しを容易化し、着脱性を向上させることができる。
板部材36には、板部材36を着脱する際、メンテナンス作業を行う作業者によって把持される把持部361が設けられているため、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の取り出しを容易化し、メンテナンス作業の作業効率を向上させることができる。
切欠き部351が設けられていない側の側面の長手方向の長さ(h3)は、装着部301の挿入孔304の長手方向の長さ(h1)よりも大きいものなっているが、フィルタエレメント35は、レーヨン・ポリエステル又は不織布等の軟質部材により形成されているため挿入孔304に挿入される際に一時的に変形し、ユニット本体300に装着される。挿入孔304から挿入され、装着部301に装着されたフィルタエレメント35は元の形状に戻ることにより、板部材36が設けられていない側面の長手方向の長さは、挿入孔304の長手方向の長さよりも大きくなる。従って、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32において、空気が通過するフィルタエレメント35の流路断面積を比較的に大きくすることができ、気化効率を向上させることができる。
挿入孔304は、第1気化フィルタ31が装着部301に装着された状態において、第1気化フィルタ31の板部材36のフランジ部362によって閉塞される。挿入孔304を形成する枠体のあたり面と、当該あたり面に対向するフランジ部362の裏面との間には、枠状シール部材363が設けられているため、シール性を向上させることができる。
第1気化フィルタ31が装着部301に装着された状態において、フィルタエレメント35の底面(下面)と、保持部302内に設けられた塵埃フィルタ303との間には、空隙が形成されている。すなわち、フィルタエレメント35の天面(上面)から底面(下面)までの長さ(高さ)は、第1気化フィルタ31を装着部301に装着した状態におけるフィルタエレメント35の天面(上面)と、塵埃フィルタ303の上面との面間距離よりも、短い(小さい)ものとなっている。このような構成とすることにより、塵埃フィルタ303と、フィルタエレメント35の底面との間には、空隙が形成されているため、第1気化フィルタ31を装着部301から引き出す際、フィルタエレメント35の底面が、塵埃フィルタ303に捕集された塵埃に接することなく、ユニット本体300に装着された第1気化フィルタ31を取り出すことができる。
又は、フィルタエレメント35の底面(下面)と、保持部302内に設けられた塵埃フィルタ303の上面とは、当接しているのであってもよい。すなわち、フィルタエレメント35の天面(上面)から底面(下面)までの長さ(高さ)は、第1気化フィルタ31を装着部301に装着した状態におけるフィルタエレメント35の天面(上面)と、塵埃フィルタ303の上面との面間距離と、同じものとなっている。このような構成とすることにより、塵埃フィルタ303と、フィルタエレメント35の底面とは、当接しているため、空気が第1気化フィルタ31を通過する際、第1気化フィルタ31のフィルタエレメント35を通過せずバイパスすることを効率的に抑制することができる。
又は、フィルタエレメント35の底面(下面)と、保持部302内に設けられた塵埃フィルタ303の上面とは、弾接しており、フィルタエレメント35の底部は、塵埃フィルタ303に弾接することによって撓んでいるものであってもよい。すなわち、フィルタエレメント35の天面(上面)から底面(下面)までの長さ(高さ)は、第1気化フィルタ31を装着部301に装着した状態におけるフィルタエレメント35の天面(上面)と、塵埃フィルタ303の上面との面間距離よりも、長い(大きい)ものとなっている。このような構成とすることにより、塵埃フィルタ303とフィルタエレメント35の底面とが弾接し、フィルタエレメント35の底部が撓んだ状態で第1気化フィルタ31は、ユニット本体300の装着部301に装着されている。これにより、空気が第1気化フィルタ31を通過する際、第1気化フィルタ31のフィルタエレメント35を通過せずバイパスすることを更に抑制することができる。
図9は、固定部材38(前側)の一構成を例示する模式的斜視図である。図10は、固定部材38(後側)の一構成を例示する模式的斜視図である。固定部材38は、開口部を有する箱体を成し、第1気化フィルタ31の板部材36を押圧して固定する第1押圧部381と、第2気化フィルタ32の板部材36を押圧して固定する第2押圧部382とを含む。
固定部材38は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32がユニット本体300に装着された状態において、当該第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれの板部材36が隣接する箇所に設けられている。すなわち、固定部材38は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれの板部材36の間に配置され、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32により形成されるL字の角部に位置するものとなる。
固定部材38は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれの板部材36の間に配置されるにあたり、開口部をこれら板部材36と逆側に向けて、配置されている。すなわち、固定部材38は、開口部を、筐体11の側面に設けられた扉部111に向けて、配置されている。これにより、固定部材38を構成する箱体の底板部(底面)は、第2気化フィルタ32の板部材36を押圧する第2押圧部382として機能する。固定部材38を構成する箱体の左側の側板部(左側面)は、第1気化フィルタ31の板部材36を押圧する第1押圧部381として機能する。
筐体11の側面に設けられた扉部111を閉めることにより、扉部111の内面が固定部材38の開口部の縁部を押圧する。これにより、固定部材38の第1押圧部381(側板部)及び第2押圧部382(底板部)は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれの板部を押圧して、これら第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を固定し、装着部301に第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32が装着された状態を保持することができる。
これら第1押圧部381(側板部)及び第2押圧部382(底板部)には凹部等による窪み部383が形成されており、箱体の内部に向かって窪んだ形状となっている。固定部材38を第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれの板部材36の間に配置して、これら第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を押圧して固定する際、それぞれの板部材36に設けられた把持部361は、窪み部383内に位置するものとなる。
固定部材38を構成する箱体の上側及び下側の側板部には、これら側板部の外面から突設された凸部等の係合部が設けられており、これら凸部がユニット本体300に設けられた凹部等の被係合部に係合することにより、ユニット本体300に対する固定部材38の位置決めがされる。このような構成とすることにより、単一の固定部材38によって、ユニット本体300に装着された第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を効率的に固定することができる。
図11は、固定部材38が設けられた状態を説明する説明図である。図12は、固定部材38が取り外された状態を説明する説明図である。図13は、気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)を着脱する際の移動方向を説明する説明図である。本実施形態における図示においては、筐体11の側面に設けられた扉部111が開かれた状態(開状態)にて、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32の着脱に関し、説明する。
固定部材38は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32により構成されるL字の角部に位置する場所に設けられており、すなわち第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれの板部材36の間に配置される。固定部材38が配置された状態、すなわちユニット本体300に取り付けられた状態において、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれの板部材36は、固定部材38によって覆われる。
固定部材38をユニット本体300から取り外すことにより、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のそれぞれの板部材36は露出し、すなわち筐体11の側面に設けられた扉部111から視認できる状態となる。この状態において、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32は、それぞれの板部材36に設けられた把持部361を引き出すことによりユニット本体300から取り外され、これら第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を筐体11の外に出すことができる。
第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32はL字状となるようにユニット本体300に装着されているため、第1気化フィルタ31をユニット本体300から引き出す際の移動方向は、L字の縦辺方向となり、第2気化フィルタ32をユニット本体300から引き出す際の移動方向とは、L字の横辺方向となる。従って、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32をユニット本体300から引き出す際のそれぞれ移動方向は、交差する。
同様に第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32をユニット本体300に装着する際、すなわち装着部301の挿入孔304に挿入する際のそれぞれ移動方向も、交差する。このように第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を筐体11の内外に着脱自在する際のそれぞれの移動方向は、交差するものとなり、これにより第1気化フィルタ31の移動空間と、第2気化フィルタ32の移動空間との間にて、一部の空間領域を重複させることができ、これにより点検孔のサイズが大きくなることを抑制することができる。
(実施形態2)
図14は、実施形態2に係る気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)の一構成を例示する模式的側面図である。図15は、ユニット本体の装着部301に気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)を装着した状態の一構成を例示する模式的側面図である。実施形態2の気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)は、実施形態1と同様に、矩形状のフィルタエレメント35、及びフィルタエレメント35の側面に設けられた矩形状の板部材36を含む。
実施形態2の第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32のフィルタエレメント35には、切欠き部351は設けられておらず、フィルタエレメント35は、当該切欠き部351によって欠落した部位を有さない直方体を成す。これにより、フィルタエレメント35の生成性を向上させることができる。
板部材36は、実施形態1と同様に、フィルタエレメント35とは反対に位置する前面と、フィルタエレメント35の側に位置する後面とを含む。当該後面は、フィルタエレメント35の側面に密着している面(密着面)に相当する。すなわち、板部材36の後面(密着面)と、フィルタエレメント35における板部材36側の側面とは、対向して、板部材36とフィルタエレメント35とは、接合されている。
実施形態2における装着部301の挿入孔304と、気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)との寸法関係について、第1気化フィルタ31が装着部301に装着された状態に基づき、説明する。実施形態2におけるユニット本体の装着部301の構成は、実施形態1と同様である。
第1気化フィルタ31のフィルタエレメント35において、板部材36が設けられた側の側面の長手方向の長さと、板部材36が設けられていない側の側面の長手方向の長さとは、等しい長さ(フィルタエレメント35の側面の長手方向の長さ:L3)となっている。板部材36におけるフィルタエレメント35の側面に密着している後面(密着面)の長手方向の長さ(L2)は、フィルタエレメント35の側面の長手方向の長さ(L3)よりも小さい(L2<L3)。
実施形態1と同様に、板部材36の上端と、フィルタエレメント35の上端とは、上下方向において同位置となるように位置合わせして、板部材36は設けられているため、フィルタエレメント35の側面の下端部は、板部材36の後面(密着面)の下縁よりも下方に突出している。装着部301の挿入孔304の長手方向の長さ(L1)は、板部材36の後面(密着面)の長手方向の長さ(L2)よりも大きく、フランジ部362が設けられている板部材36の前面の長手方向の長さ(L4)より小さい(L2<L1<L4)。フィルタエレメント35の側面の長手方向の長さ(L3)は、実施形態1と同様に、装着部301の挿入孔304の長手方向の長さ(L1)よりも大きく、フランジ部362が設けられている板部材36の前面の長手方向の長さ(L4)よりも小さい(L1<L3<L4)。
従って、装着部301の挿入孔304の長手方向の長さ(L1)、板部材36の後面(密着面)の長手方向の長さ(L2)、フィルタエレメント35の側面の長手方向の長さ(L3)、及びフランジ部362が設けられている板部材36の前面の長手方向の長さ(L4)の長さ関係は、(L2<L1<L3<L4)の関係となる。このような寸法関係とすることにより、挿入孔304の長手方向の長さ(L1)よりも大きいフィルタエレメント35を装着部301に装着しつつ、板部材36のフランジ部362によって挿入孔304を閉塞し、当該板部材36の把持部を用いて気化フィルタ(第1気化フィルタ31、第2気化フィルタ32)を効率的に交換することができる。ただし、L3とL4の関係は適宜変更されてもよく、L3≧L4であってもよい。
保持部302は、実施形態1と同様に上部が開口した箱体を成し、当該箱体の底面にはドレンパン34に連通する複数の連通孔が設けられている。箱体を成す保持部302の底面には、塵埃フィルタ303を保持するための保持リブ305が設けられている。保持リブ305は、例えば、保持部302の底面から、上方に向けて突出して設けられた1本以上の突条(線状リブ)により構成され、第1気化フィルタ31又は第2気化フィルタ32を着脱する際の移動方向と平行になるように設けられている。保持リブ305は、第1気化フィルタ31等を着脱する際の移動方向と平行かつ、塵埃フィルタ303よりも上方に突出した突条に構成されているため、当該保持リブ305は、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を着脱する際の移動ガイド部として機能する。これにより、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を着脱する際の作業操作性を向上させることができる。保持リブ305により第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を着脱する際に、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32と塵埃フィルタが当接することを防ぐことができる。これにより、塵埃フィルタ303に堆積した異物等と、第1気化フィルタ31又は第2気化フィルタ32との接触を防ぐことができる。また、保持リブ305により容易に塵埃フィルタ303を保持することができる。
箱体を成す保持部302において、第1気化フィルタ31又は第2気化フィルタ32を着脱する際の移動方向と平行となる壁面(側面)には、壁面の高さが一部にて低くなっている低壁部306が形成されている。低壁部306は、当該壁面における挿入孔304の側の上端部が切りかかれることにより形成されるものであってもよい。低壁部306が、壁面における挿入孔304の側の上端部に形成されることにより、第1気化フィルタ31及び第2気化フィルタ32を、当該挿入孔304から挿入する際の装着性を向上させることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 空調機
11 筐体(本体)
111 扉部
12 タンク(別体)
13 電気ユニット
3 冷却ユニット
300 ユニット本体
301 装着部
302 保持部
303 塵埃フィルタ
304 挿入孔
305 保持リブ
306 低壁部
31 第1気化フィルタ
32 第2気化フィルタ
33 給水部
33A 第1給水部
33B 第2給水部
331 第1給水孔
332 第2給水孔
333 容器部
34 ドレンパン
35 フィルタエレメント
351 切欠き部
36 板部材
361 把持部
362 フランジ部
363 枠状シール部材
37 芯部材
38 固定部材
381 第1押圧部
382 第2押圧部
383 窪み部
4 顕熱交換器
41 第1経路
42 第2経路
431 第1入口側開口面
432 第2入口側開口面
441 第1出口側開口面
442 第2出口側開口面
5 吸込口
51 吸込流路
52 分岐流路
53 集塵フィルタ
531 シール部材
61 第1流路
62 第2流路
71 第1吹出口
711 吹出ダクト
72 第2吹出口
8 ファンモータ
81 第1ファン
82 第2ファン
83 仕切板
84 ファンケーシング
91 供給水路
911 第1供給水路
912 第2供給水路
913 給水ポンプ
92 回収水路
921 第1回収水路
922 第2回収水路
923 回収ポンプ

Claims (14)

  1. 被空調空間を冷却する空調機に用いられる冷却ユニットであって、
    着脱自在に装着され、通過する空気を水の潜熱によって冷却する気化フィルタを備え、
    前記気化フィルタは、
    矩形状を成し、上方から水が浸透するフィルタエレメントと、
    前記フィルタエレメントの側面に設けられた矩形状の板部材とを含み、
    前記フィルタエレメントの下端部は、前記板部材における前記フィルタエレメントに対向する面の下縁よりも下方に突出している
    ことを特徴とする冷却ユニット。
  2. 前記気化フィルタは、
    前記フィルタエレメントに貫通する複数の芯部材を備え、
    前記芯部材の端部は、前記板部材に接合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却ユニット。
  3. 前記フィルタエレメントには、前記板部材が設けられている側の角部を切り欠いた切欠き部が設けられており、
    前記板部材が設けられている側面の長手方向の長さは、前記板部材が設けられていない側面の長手方向の長さよりも、小さい
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却ユニット。
  4. 前記板部材には、前記板部材を着脱する際に把持される把持部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷却ユニット。
  5. 前記気化フィルタが装着される装着部を含み、
    前記装着部には、前記気化フィルタが挿入される矩形状の挿入孔が形成されており、
    前記フィルタエレメントにおける前記板部材が設けられていない側面の長手方向の長さは、前記挿入孔の長手方向の長さよりも、大きい
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却ユニット。
  6. 前記板部材には、前記板部材の外縁から突出されるフランジ部が設けられており、
    前記フランジ部により、前記挿入孔は閉塞される
    ことを特徴とする請求項5に記載の冷却ユニット。
  7. 前記フランジ部における前記挿入孔の側の面には、枠状を成すシール部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項6に記載の冷却ユニット。
  8. 前記装着部は、前記気化フィルタの底部を保持する保持部を含み、
    前記保持部には、前記フィルタエレメントに付着した塵埃を捕集する板状の塵埃フィルタが設けられており、
    前記塵埃フィルタと、前記フィルタエレメントの底面との間には、空隙が形成されている
    ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の冷却ユニット。
  9. 前記装着部は、前記気化フィルタの底部を保持する保持部を含み、
    前記保持部には、前記フィルタエレメントに付着した塵埃を捕集する板状の塵埃フィルタが設けられており、
    前記塵埃フィルタと、前記フィルタエレメントの底面とは、当接している
    ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の冷却ユニット。
  10. 前記装着部は、前記気化フィルタの底部を保持する保持部を含み、
    前記保持部には、前記フィルタエレメントに付着した塵埃を捕集する板状の塵埃フィルタが設けられており、
    前記塵埃フィルタと前記フィルタエレメントの底面とが弾接することにより、前記フィルタエレメントの底部は撓んでいる
    ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の冷却ユニット。
  11. 前記気化フィルタは、前記被空調空間に吹き出される第1空気を水の潜熱によって冷却する第1気化フィルタと、前記第1空気と顕熱交換される第2空気を水の潜熱によって冷却する第2気化フィルタとを含み、
    前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタは、L字状に配置される
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の冷却ユニット。
  12. 前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタを固定する固定部材を備え、
    前記固定部材は、
    前記第1気化フィルタの前記板部材を押圧して固定する第1押圧部と、
    前記第2気化フィルタの前記板部材を押圧して固定する第2押圧部とを含む
    ことを特徴とする請求項11に記載の冷却ユニット。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の冷却ユニットと、
    前記冷却ユニットを収納する筐体を備えた空調機であって、
    前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタは、それぞれの前記板部材を隣り合わせて、前記冷却ユニットに装着されており、
    前記筐体において、前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタのそれぞれの前記板部材が設けられている側の側面には、点検孔を閉塞する扉部が開閉自在に設けられており、
    前記第1気化フィルタ及び前記第2気化フィルタは、前記筐体に対し、前記点検孔を介して着脱自在に設けられている
    空調機。
  14. 前記第1気化フィルタを前記筐体に着脱する際の移動方向と、前記第2気化フィルタを前記筐体に着脱する際の移動方向とは、交差する
    ことを特徴とする請求項13に記載の空調機。
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