JP2022113107A - Ag合金膜、および、Ag合金スパッタリングターゲット - Google Patents

Ag合金膜、および、Ag合金スパッタリングターゲット Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、耐硫化性に優れたAg合金膜、およびこのAg合金膜を成膜するためのAg合金スパッタリングターゲットを提供する。【解決手段】Gaを0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなる組成のAg合金からなるAg合金膜であって、前記Ag合金膜の表面側領域に、Gaが濃集したGa偏析部を有することを特徴とする。前記Ga偏析部の膜厚方向長さが2.0nm以上12.0nm以下の範囲であることが好ましい。また、前記Ga偏析部には、Ga酸化物が存在することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、Gaを含むAg合金膜、および、このAg合金膜を成膜する際に用いられるAg合金スパッタリングターゲットに関するものである。
一般に、Ag膜又はAg合金膜は、光学特性および電気特性に優れていることから、ディスプレイやLED等の反射電極膜、タッチパネル等の配線膜等の各種部品の反射膜及び導電膜として使用されている。
Ag合金膜として、特定の元素を添加して膜の表面に酸化物を形成するなどによって、例えば、反射電極膜として用いた際の反射率、導電率などを改善できることが知られている。
例えば、特許文献1には、Ag合金としてAgSbMgまたはAgSbZnを用い、Sbを酸化物にしたAg合金膜が記載されている。このようなAg合金膜は、低抵抗性、耐熱性、および耐塩化性に優れているとされている。
また、例えば、特許文献2には、Ag合金としてAgInを用い、Inを酸化物にしたAg合金膜が記載されている。このようなAg合金膜は、反射率を高めることができるとされている。
また、例えば、特許文献3には、Ag合金としてAgSbAlまたはAgSbMnを用いてSbを酸化物にしたAg合金膜が記載されている。このようなAg合金膜は、低抵抗性、耐熱性、および耐塩化性に優れているとされている。
更に、例えば、特許文献4には、Ag合金としてAgSbを用い、Sbを酸化物にしたAg合金膜が記載されている。このようなAg合金膜は、耐湿性、耐硫化性、耐熱性に優れ、高反射率、かつ低抵抗であるとされている。
ここで、上述の各種Ag合金膜は、Ag合金からなるスパッタリングターゲットによって成膜されている。
特開2014-074225号公報 特開2014-019932号公報 特開2014-005503号公報 特開2013-209724号公報
ところで、上述のAg合金膜においては、製造プロセス中の熱処理時の熱や雰囲気に含まれる微量の硫黄(硫化水素)により、Ag合金膜の表面や端部に突起状の欠陥が生じ、電気的短絡などの原因となるおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、耐熱性、耐硫化性に優れたAg合金膜、およびこのAg合金膜を成膜するためのAg合金スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、Gaを含むAg合金の表面側領域に、Gaが濃集したGa偏析部を形成することによって、Ag合金膜の耐熱性および耐硫化性を向上させることができるとの知見を得た。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明のAg合金膜は、Gaを0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなる組成のAg合金からなるAg合金膜であって、前記Ag合金膜の表面側領域に、Gaが濃集したGa偏析部を有することを特徴とする。
本発明のAg合金膜によれば、Gaを0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなる組成のAg合金で構成されているので、耐熱性に優れており、例えば反射導電膜用途として特に適している。
そして、前記Ag合金膜の表面側領域に、Gaが濃集したGa偏析部を有しているので、Ag合金膜の耐熱性および耐硫化性を向上させることができる。
ここで、本発明のAg合金膜においては、前記Ag合金は、さらに、Cu,Mgから選択される1種以上を合計で0.5質量ppm以上50.0質量ppm以下の範囲で含んでいてもよい。
この場合、Cu,Mgを添加することで、Ag原子の熱による拡散移動を抑制でき、Ag合金膜の耐熱性をさらに向上させることができる。
また、本発明のAg合金膜においては、前記Ag合金は、さらに、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有しており、Pdの含有量が40質量ppm以下、Ptの含有量が20質量ppm以下、Auの含有量が20質量ppm以下、Rhの含有量が10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量が1質量ppm以上50質量ppm以下とされていることが好ましい。
この場合、Pd,Pt,Au,RhがAg中に固溶することで、耐熱性および耐硫化性をさらに向上させることが可能となる。
また、Pd,Pt,Au,Rhは、硝酸の還元反応において触媒として作用するため、これらの元素を多く含むと成膜したAg合金膜を硝酸エッチング液でエッチングした際に膜のエッチングレートが高くなるおそれがある。このため、Ag合金にPd,Pt,Au,Rhが含まれる場合、Pd,Pt,Au,Rhの含有量を上述のように制限することで、硝酸を含むエッチング液を用いてエッチング処理しても、エッチングレートを低く抑えることが可能となる。
また、本発明のAg合金膜においては、前記Ag合金は、さらに、Caを0.005質量%以上0.05質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
この場合、CaがAgの結晶粒界に偏析して存在することにより、Agの粒界拡散を抑制でき、さらに耐熱性を向上させることができる。
また、本発明のAg合金膜においては、前記Ag合金は、さらに、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を合計で0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
この場合、Gaと同様に、In,Sn,Ti,AlがAg合金膜の表面側領域に偏析することにより、耐熱性および耐硫化性をさらに向上させることができる。
また、本発明のAg合金膜においては、前記Ga偏析部の膜厚方向長さが2.0nm以上12.0nm以下の範囲内であることが好ましい。
この場合、前記Ga偏析部の膜厚方向長さが上述の範囲内とされているので、耐熱性および耐硫化性を十分に向上させるとともに、反射率の低下を防止することができる。
また、本発明のAg合金膜においては、前記Ga偏析部には、Ga酸化物が存在していてもよい。
この場合、Ag合金膜の表面側領域に形成された前記Ga偏析部に、Ga酸化物が存在することで、より耐硫化性を向上させることができる。また、Ga酸化物は透明酸化物であるため、Ag合金膜の反射率をさらに向上させることができる。
さらに、本発明のAg合金膜においては、前記Ga偏析部は、酸化物として結晶粒界に沿い網目状に分布していてもよい。
この場合、Ag合金膜の表面側領域に形成された前記Ga偏析部が、酸化物として結晶粒界に沿い網目状に分布することで、より耐硫化性を向上させることができるとともに、反射率を向上させることができる。
本発明のAg合金スパッタリングターゲットは、Gaを0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなる組成のAg合金からなることを特徴とする。
本発明のAg合金スパッタリングターゲットによれば、スパッタ成膜することにより、表面側領域にGaが濃集したGa偏析部を有し、耐熱性および耐硫化性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
ここで、本発明のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、さらに、Cu,Mgから選択される1種以上を合計で0.5質量ppm以上50.0質量ppm以下の範囲で含んでいてもよい。
この場合、Gaに加えてCu,Mgから選択される1種以上を含み、さらに耐熱性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
また、本発明のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、さらに、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有しており、Pdの含有量が40質量ppm以下、Ptの含有量が20質量ppm以下、Auの含有量が20質量ppm以下、Rhの含有量が10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量が1質量ppm以上50質量ppm以下とされていてもよい。
この場合、Gaに加えてPd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有し、さらに耐熱性および耐硫化性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
また、本発明のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、さらに、Caを0.005質量%以上0.05質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
この場合、Gaに加えCaを含有し、さらに耐熱性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
また、本発明のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、さらに、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を合計で0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
この場合、Gaに加えIn,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を含有し、さらに耐熱性および耐硫化性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
また、本発明のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、酸素含有量が0.005質量%以下であることが好ましい。
この場合、酸素含有量が0.005質量%以下に制限されているので、スパッタ成膜時に酸素原子が成長中のAg合金膜に化学吸着することを抑制でき、反射率、耐熱性、耐硫化性が低下することを抑制できる。
また、本発明のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、複数のAg合金結晶粒を含む多結晶体からなり、複数の測定箇所で測定された前記Ag合金結晶粒の粒径から算出される平均結晶粒径Cが10μm以上200μm以下の範囲内とされているとともに、それぞれの測定箇所での前記Ag合金結晶粒の粒径の平均値Dのうち前記平均結晶粒径Cとの偏差の絶対値が最大となる平均値をDmaxとした場合に、E(%)=(Dmax-C)/C×100で定義される前記Ag合金結晶粒の粒径ばらつきEが20%以下であることが好ましい。
この場合、Ag合金結晶粒の粒径ばらつきが小さく、かつ、平均結晶粒径Cが上述の範囲内とされているので、スパッタ成膜時の異常放電の発生を抑制でき、安定してAg合金膜を成膜することができる。
本発明によれば、耐熱性、耐硫化性に優れたAg合金膜、およびこのAg合金膜を成膜するためのAg合金スパッタリングターゲットを提供することが可能となる。
本発明例102のAg合金膜(熱処理後)をXPS分析した結果を示すグラフである。 本発明例102のAg合金膜(熱処理後)の最表面のスペクトル例である。 本発明例102のAg合金膜(熱処理前)の最表面のスペクトル例である。 実施例におけるAg合金膜の熱処理後の表面観察結果である。(a)が本発明例120、(b)が比較例101である。
以下に、本発明の一実施形態であるAg合金膜およびこれを成膜するためのスパッタリングターゲットについて説明する。
本発明の一実施形態であるAg合金膜は、反射率、耐熱性、耐硫化性に優れ、例えば、有機EL素子において有機層に接して形成される反射電極膜としての用途に特に適している。
本実施形態であるAg合金膜は、Gaを0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなる組成のAg合金からなり、Ag合金膜の表面側領域にGaが濃集したGa偏析部が形成されている。
このGa偏析部は、Gaの濃度が、他の部分よりも高くなっている部位である。ここで、この他の部分よりも高くなっている部位は、Ag合金膜の表面側領域を含む。なお、Ga偏析部は、その周辺の領域との間に明瞭な界面等が存在する層として形成されるものではなく、Ga濃度のピーク位置からその濃度が徐々に変化するGa濃度の濃化部分であり、XPS分析のピーク強度によって特定される。
なお、本実施形態であるAg合金膜は、0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有されたGaと、残部としてAgおよび不可避不純物とを含み、Ag合金膜の表面側領域にGaが濃集したGa偏析部が形成されている。
ここで、本実施形態におけるAg合金膜においては、該Ag合金膜の膜厚方向の両端部に存在する2つの表面のうち少なくとも一方の表面の表面側領域に、Ga偏析部が形成されている。例えば、基板上にAg合金膜を成膜した場合には、少なくとも基板とは反対側の表面の表面側領域にGa偏析部が形成されている。なお、基板側の表面の表面側領域にもGa偏析部が形成されていてもよい。
また、本実施形態において、Ag合金膜の表面側領域とは、Ag合金膜の表面から厚さ方向にAg合金膜の全厚の20%までの領域である。
本実施形態であるAg合金膜を構成するAg合金においては、さらに、Cu,Mgから選択される1種以上を合計で0.5質量ppm以上50.0質量ppm以下の範囲で含んでいてもよい。
本実施形態であるAg合金膜を構成するAg合金においては、さらに、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有しており、Pdの含有量が40質量ppm以下、Ptの含有量が20質量ppm以下、Auの含有量が20質量ppm以下、Rhの含有量が10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量が1質量ppm以上50質量ppm以下とされていてもよい。
本実施形態であるAg合金膜を構成するAg合金においては、さらに、Caを0.005質量%以上0.05質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
本実施形態であるAg合金膜を構成するAg合金においては、さらに、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を合計で0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
本実施形態であるAg合金膜においては、Ga偏析部の膜厚方向長さが1.0nm以上15.0nm以下の範囲内であることが好ましい。
本実施形態であるAg合金膜においては、Ga偏析部に、Ga酸化物が存在していることが好ましい。
本実施形態であるAg合金膜においては、Ga偏析部は、酸化物として結晶粒界に沿い網目状に分布していることが好ましい。また、本実施形態であるAg合金膜においては、Ga偏析部は、Ag合金膜の表面側領域において、酸化物として結晶粒界に沿って全体的に分布してもよいし、酸化物として結晶粒界に沿って部分的に分布してもよい。
本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットは、上述の本実施形態であるAg合金膜を成膜するためのものであり、成膜するAg合金膜と同様の組成とされている。
すなわち、Gaを0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなる組成のAg合金で構成されている。
なお、Gaに加えて、Cu,Mgから選択される1種以上を合計で0.5質量ppm以上50.0質量ppm以下の範囲で含んでいてもよい。
また、Gaに加えて、さらに、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有しており、Pdの含有量が40質量ppm以下、Ptの含有量が20質量ppm以下、Auの含有量が20質量ppm以下、Rhの含有量が10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量が1質量ppm以上50質量ppm以下とされていてもよい。
また、Gaに加えて、さらに、Caを0.005質量%以上0.05質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
また、Gaに加えて、さらに、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を合計で0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
さらに、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットにおいては、酸素含有量が50質量ppm以下であることが好ましい。
また、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットにおいては、複数のAg合金結晶粒を含む多結晶体からなり、複数の測定箇所で測定された前記Ag合金結晶粒の粒径から算出される前記平均結晶粒径Cが10μm以上200μm以下の範囲内とされているとともに、それぞれの測定箇所での前記Ag合金結晶粒の粒径の平均値Dのうち前記平均結晶粒径Cとの偏差の絶対値が最大となる平均値をDmaxとした場合に、下記の式で定義される前記Ag合金結晶粒の粒径ばらつきEが20%以下であることが好ましい。
(1)式:E(%)=(Dmax-C)/C×100
本実施形態において、Ag合金膜のGa偏析部、Ag合金膜およびAg合金スパッタリングターゲットを構成するAg合金の組成、Ag合金スパッタリングターゲットの酸素含有量、Ag合金スパッタリングターゲットの結晶組織を、上述のように規定した理由について、以下に説明する。
(Ga偏析部)
Ag合金膜の表面に、Gaが偏析したGa偏析部が形成されることにより、耐熱性および耐硫化性が向上し、熱処理や硫化雰囲気においても突起状欠陥の発生を抑制することが可能となる。なお、Ag合金膜をスパッタ成膜した後に、例えば200℃以上300℃以下の熱処理を行うことにより、Ag合金膜の表面側領域にGa偏析部を確実に形成することが可能となる。
ここで、Ga偏析部の膜厚方向長さが1.0nm以上である場合には、耐熱性および耐硫化性を確実に向上することができる。また、Ga偏析部の膜厚方向長さが15.0nm以下である場合には、反射率を高く維持することが可能となる。
なお、耐熱性および耐硫化性をさらに確実に向上するためには、Ga偏析部の膜厚方向長さの下限を2.0nm以上とすることがさらに好ましく、5.0nm以上とすることがより好ましい。また、反射率をさらに確実に高く維持するためには、Ga偏析部の膜厚方向長さの上限を12.0nm以下とすることがさらに好ましく、10.0nm以下とすることがより好ましい。
Ga偏析部に、Ga酸化物が存在する場合には、Ag合金膜の耐硫化性を向上させることができる。Ag合金膜の表面側領域にGa酸化物が形成されることで、硫黄(硫化水素)に対しより強固なバリアとして働き、Ag合金膜の耐硫化性が向上する。さらに、Ga酸化物は透明酸化物であるため、Ag合金膜の反射率を向上させることができる。
また、Ga偏析部が、酸化物として結晶粒界に沿い網目状に分布している場合には、Ag合金膜の耐硫化性をさらに向上させることができるとともに、Ag合金膜の反射率をさらに向上させることができる。
(Ag合金膜およびAg合金スパッタリングターゲットの組成)
Ag合金膜およびAg合金スパッタリングターゲットを構成するAg合金において、Gaの含有量が0.3質量%未満の場合には、上述のGa偏析部を十分に形成できないおそれがある。一方、Gaの含有量が3.5質量%を超える場合には、Ag合金膜の反射率が低下するおそれがある。
このため、本実施形態では、Ag合金膜およびAg合金スパッタリングターゲットを構成するAg合金におけるGaの含有量を0.3質量%以上3.5%質量%以下の範囲内に設定している。
なお、Gaの含有量の下限は0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。一方、Gaの含有量の上限は2.5質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることがさらに好ましい。
また、Ag合金膜およびAg合金スパッタリングターゲットを構成するAg合金において、Gaに加えて、Cu,Mgから選択される1種以上を合計で0.5質量ppm以上含有する場合には、Ag原子の熱による拡散を抑制でき、耐熱性をより向上させることが可能となる。一方、Cu,Mgから選択される1種以上の合計含有量を50.0質量ppm以下に制限することにより、耐硫化性の低下を抑制することが可能となる。
なお、さらなる耐熱性の向上を図るには、Cu,Mgから選択される1種以上の合計含有量の下限を1.0質量ppm以上とすることがさらに好ましく、2.0質量ppm以上とすることがより好ましい。一方、耐硫化性の低下を確実に抑制するためには、Cu,Mgから選択される1種以上の合計含有量の上限を20.0質量ppm以下とすることがさらに好ましく、10.0質量ppm以下とすることがより好ましい。
また、Ag合金膜およびAg合金スパッタリングターゲットを構成するAg合金において、Gaに加えて、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有しており、PdとPtとAuとRhの合計含有量が1質量ppm以上とされている場合には、これらの元素がAgに固溶することにより、耐熱性および耐硫化性をより向上させることが可能となる。
なお、Pd,Pt,Au,Rhといった元素は、硝酸の還元反応において触媒として作用するため、Ag合金膜を硝酸エッチング液でエッチングした際に、膜のエッチングレートが高くなり、安定してエッチング処理をできなくなるおそれがある。このため、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有する場合には、Pdの含有量を40質量ppm以下、Ptの含有量を20質量ppm以下、Auの含有量を20質量ppm以下、Rhの含有量を10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量を50質量ppm以下とすることが好ましい。また、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有する場合には、Pdの含有量を40質量ppm以下、Ptの含有量を14質量ppm以下、Auの含有量を13質量ppm以下、Rhの含有量を10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量を50質量ppm以下とすることがさらに好ましい。なお、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有する場合には、PdとPtとAuとRhの合計含有量は50質量ppm以下とすることが好ましく、40質量ppm以下とすることがさらに好ましい。
ここで、耐熱性および耐硫化性をさらに向上させるためには、PdとPtとAuとRhの合計含有量を2質量ppm以上とすることがさらに好ましく、3質量ppm以上とすることがより好ましい。
また、硝酸エッチング液によるエッチング時のエッチングレートをさらに低く抑えるためには、Pdの含有量を20質量ppm以下、Ptの含有量を10質量ppm以下、Auの含有量を10質量ppm以下、Rhの含有量含有量を8質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量含有量を20質量ppm以下とすることがさらに好ましく、Pdの含有量を10質量ppm以下、Ptの含有量を5質量ppm以下、Auの含有量を5質量ppm以下、Rhの含有量含有量を5質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量含有量を10質量ppm以下とすることがより好ましい。
また、Ag合金膜およびAg合金スパッタリングターゲットを構成するAg合金において、Gaに加えて、さらに、Caを0.005質量%以上含んでいる場合には、添加したCaがAgの粒界に偏析してAgの粒界拡散を抑制し、さらなる耐熱性の向上を図ることが可能となる。一方、Caの含有量を0.050質量%以下に制限することにより、Ag合金スパッタリングターゲットを製造する際に割れが発生することを抑制できる。
なお、さらなる耐熱性の向上を図るには、Caの含有量の下限を0.008質量%以上とすることがさらに好ましく、0.010質量%以上とすることがより好ましい。一方、Ag合金スパッタリングターゲットを製造する際の割れを確実に抑制するためには、Caの含有量の上限を0.040質量%以下とすることがさらに好ましく、0.030質量%以下とすることがより好ましい。
また、Ag合金膜およびAg合金スパッタリングターゲットを構成するAg合金において、Gaに加えて、さらに、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を合計で0.1質量%以上含有する場合には、Gaと同様に、In,Sn,Ti,AlがAg合金膜の表面側領域に凝集し、耐熱性および耐硫化性をさらに向上させることが可能となる。一方、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上の合計含有量を1.5質量%以下に制限することにより、反射率を高く維持することが可能となる。
なお、さらなる耐熱性および耐硫化性の向上を図るには、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上の合計含有量の下限を0.2質量%以上とすることがさらに好ましく、0.3質量%以上とすることがより好ましい。一方、反射率の低減をさらに抑制するためには、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上の合計含有量の上限を1.0質量%以下とすることがさらに好ましく、0.8質量%以下とすることがより好ましい。
(Ag合金スパッタリングターゲットの酸素含有量)
本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットにおいて、酸素含有量が0.005質量%以下である場合には、スパッタ成膜時に、酸素元素が成長中のAg合金膜に化学吸着されることを抑制でき、Ag合金膜の結晶性の低下による反射率、耐熱性、耐硫化性の劣化を抑制することができる。
なお、反射率、耐熱性、耐硫化性の劣化をさらに確実に抑制するためには、Ag合金スパッタリングターゲットの酸素含有量は、0.004質量%以下であることがさらに好ましく、0.002質量%以下であることがより好ましい。
(Ag合金スパッタリングターゲットの結晶粒径)
本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットにおいて、複数の箇所で測定されたAg合金結晶粒の平均結晶粒径Cと、測定した各箇所でのAg合金結晶粒の粒径の平均値のうち平均結晶粒径Cとの偏差の絶対値が最大となる平均値Dmaxとから、上記(1)式で定義されるAg合金結晶粒の粒径ばらつきEが20%以下とされている場合には、スパッタが進行してもスパッタ面に凹凸が生じることを抑制でき、スパッタが進行した後でもスパッタ時の異常放電の発生を抑制することが可能となる。
また、Ag合金結晶粒の平均結晶粒径Cが200μm以下である場合には、異常放電の発生を抑制することができる。なお、Ag合金結晶粒の平均結晶粒径Cを10μm未満にすることは製造コストが増大するため好ましくない。
ここで、異常放電の発生をさらに抑制するためには、Ag合金結晶粒の粒径ばらつきEを19%以下とすることがさらに好ましく、18%以下とすることがより好ましい。また、Ag合金結晶粒の平均結晶粒径Cを180μm以下とすることがさらに好ましく、150μm以下とすることがより好ましい。
また、Ag合金スパッタリングターゲットの製造コストをさらに抑制するためには、Ag合金結晶粒の平均結晶粒径Cの下限は、20μm以上とすることがさらに好ましく、30μm以上とすることがより好ましい。
次に、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットの製造方法の一例を説明する。
まず、純度が99.99質量%以上のAg原料と、純度が99.9質量%以上のGa原料を準備する。また、必要に応じて、純度が99.9質量%以上の各種原料(Cu,Mg,Pd,Pt,Au,Rh,Ca,In,Sn,Ti,Al)を準備する。
なお、Ag合金の純度を向上させるために、Ag原料を硝酸または硫酸で浸出した後、所定の銀濃度の電解液を用いて電解精錬を行い、精錬したAg原料の不純物分析を実施した。これらを繰り返し行うことで、Ag原料の不純物量を低減することが好ましい。
次に、上述のAg原料とGa原料と必要に応じて各種原料を秤量する。そして、Ag原料を、雰囲気溶解炉の坩堝内に装入する。
次いで、高真空下雰囲気又は不活性ガス雰囲気下でAg原料を溶解し、得られたAg溶湯に、Gaおよび各種原料を添加し、Ag合金溶湯を得た。このAg合金溶湯を所定の形状の鋳型に流し込むことでAg合金インゴットを得る。
ここで、Ag合金インゴット中の添加元素を均一化するために、高周波で溶湯を攪拌できる高周波誘導溶解炉を用いることが好ましい。
また、Ag合金インゴット中の酸素含有量を低減するためには、易酸化性の添加元素(Ga,Cu,Mg,In,Sn,Al,Ti,Ca)については、溶解炉に投入する直前まで、真空パック等で大気に晒されない状態としておくことが好ましい。さらに、投入時および溶解時には、溶解炉内を、不活性ガス雰囲気の置換操作を数回実施した状態としておくことが好ましい。
また、Ag合金インゴットにおける添加元素の偏析や結晶粒径のばらつきを抑制するためには、水冷した鋳型に流し込んで急冷することが好ましい。
なお、鋳造方法としては、例えば、一方向凝固法を用いて実施することができる。一方向凝固法は、例えば、鋳型の底部を水冷させた状態で、抵抗加熱により予め側面部を加熱した鋳型に、溶湯を鋳込み、その後、鋳型下部の抵抗加熱部の設定温度を徐々に低下させることで実施できる。なお、鋳造方法としては、上記説明した一方向凝固法に替えて、完全連続鋳造法や半連続鋳造法等を用いて行ってもよい。
次いで、Ag合金インゴットに対して塑性加工を行い、所定の形状に成形する。なお、塑性加工は、熱間および冷間のいずれで実施してもよい。
本実施形態では、Ag合金インゴットに対して圧延を行い、板材を成形する構成とされている。なお、累計圧延率は70%以上であることが好ましい。また、結晶粒径の微細化の観点から、少なくとも圧延の最後の1パスは、圧下率が20%以上であることが好ましい。
次いで、加工硬化除去および結晶組織の均一化のために、板材に対して熱処理を実施する。熱処理温度は500℃以上700℃以下、保持時間は1時間以上5時間以下とすることが好ましい。また、熱処理後には、空冷又は水冷によって急冷する。なお、熱処理の雰囲気に特に制限はなく、例えば、大気雰囲気、不活性雰囲気であってもよい。
ここで、熱処理温度が500℃未満の場合には、加工硬化除去の効果が十分ではないおそれがある。一方、熱処理温度が700℃を超える場合には、結晶粒が粗大化したり、液相が出現したりするおそれがある。また、保持時間が1時間未満の場合には、結晶粒径を十分に均一化できないおそれがある。
次に、上述の熱処理を施した熱処理材に対して機械加工(切削加工)を行い、所定の形状および寸法に仕上げる。
以上のような工程により、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットが製造される。
次に、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットを用いて、本実施形態であるAg合金膜を成膜する方法について説明する。
まず、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットをスパッタ成膜装置のターゲットホルダにセットする。そして、成膜する基板を取り付けて、基板上にAg合金膜を成膜する。
成膜条件の一例を以下に示す。
成膜電力密度:2.0~5.0(W/cm
成膜ガス:Ar
成膜ガス圧:0.2~0.4(Pa)
ターゲット-基板間距離:60~80(mm)
上述したAg合金スパッタリングターゲットを用い、上述した条件でスパッタリングを行うことにより、Gaを含むAg合金膜の表面側領域に、Gaが濃集したGa偏析部が形成される。
次に、この成膜されたAg合金膜を熱処理することにより、Ga偏析部におけるGaの酸化を促進させることができる。Ag合金膜を熱処理条件としては、例えば、酸素を含む雰囲気下で250~300℃で1~2時間程度加熱すればよい。酸素を含む雰囲気下としては、酸素を2%以上含む雰囲気、例えば、空気中での加熱であればよい。
以上のような構成とされた本実施形態であるAg合金膜においては、Gaを0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなる組成のAg合金で構成されているので、耐熱性に優れている。
そして、Ag合金膜の表面側領域にGaが濃集したGa偏析部を有しているので、Ag合金膜の耐熱性および耐硫化性を向上させることができる。
本実施形態のAg合金膜において、Gaに加えて、さらに、Cu,Mgから選択される1種以上を合計で0.5質量ppm以上50.0質量ppm以下の範囲で含んでいる場合には、Cu,MgによってAg原子の熱による拡散移動を抑制でき、Ag合金膜の耐熱性をさらに向上させることができる。
本実施形態のAg合金膜において、Gaに加えて、さらに、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有しており、Pdの含有量が40質量ppm以下、Ptの含有量が20質量ppm以下、Auの含有量が20質量ppm以下、Rhの含有量が10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量が1質量ppm以上50質量ppm以下とされている場合には、Pd,Pt,Au,RhがAg中に固溶することで、耐熱性および耐硫化性をさらに向上させることが可能となるとともに、硝酸を含むエッチング液を用いてエッチング処理しても、エッチングレートを低く抑えることが可能となる。
本実施形態のAg合金膜において、Gaに加えて、さらに、Caを0.005質量%以上0.05質量%以下の範囲で含んでいる場合には、CaがAgの結晶粒界に偏析して存在することにより、Agの粒界拡散を抑制でき、さらに耐熱性を向上させることが可能となる。
本実施形態のAg合金膜において、Gaに加えて、さらに、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を合計で0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲で含んでいる場合には、In,Sn,Ti,Alが、Gaと同様にAg合金膜の表面側領域に偏析することにより、耐熱性および耐硫化性をさらに向上させることができる。
本実施形態のAg合金膜において、Ga偏析部の膜厚方向長さが1.0nm以上15.0nm以下の範囲内である場合には、耐熱性および耐硫化性を十分に向上させるとともに、反射率の低下を防止することができる。
本実施形態のAg合金膜において、Ga偏析部に透明酸化物であるGa酸化物が存在している場合には、Ag合金膜の反射率をさらに向上させることができるとともに、より耐硫化性を向上させることができる。
本実施形態のAg合金膜において、Ga偏析部が、酸化物として結晶粒界に沿い網目状に分布している場合には、さらに耐硫化性を向上させることができるとともに、さらに反射率を向上させることができる。
本実施形態のAg合金スパッタリングターゲットによれば、スパッタ成膜することにより、表面側領域にGaが濃集したGa偏析部を有し、耐熱性および耐硫化性に優れた本実施形態であるAg合金膜を成膜することができる。
本実施形態のAg合金スパッタリングターゲットにおいて、Gaに加えて、さらに、Cu,Mgから選択される1種以上を合計で0.5質量ppm以上50.0質量ppm以下の範囲で含んでいる場合には、さらに耐熱性に優れたAg合金膜を成膜することが可能となる。
本実施形態のAg合金スパッタリングターゲットにおいて、Gaに加えて、さらに、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有しており、Pdの含有量が40質量ppm以下、Ptの含有量が20質量ppm以下、Auの含有量が20質量ppm以下、Rhの含有量が10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量が1質量ppm以上50質量ppm以下とされている場合には、さらに耐熱性および耐硫化性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
本実施形態のAg合金スパッタリングターゲットにおいて、Gaに加えて、さらに、Caを0.005質量%以上0.05質量%以下の範囲で含んでいる場合には、さらに耐熱性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
本実施形態のAg合金スパッタリングターゲットにおいて、Gaに加えて、さらに、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を合計で0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲で含んでいる場合には、さらに耐熱性および耐硫化性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
本実施形態のAg合金スパッタリングターゲットにおいて、酸素含有量が0.005質量%以下である場合には、スパッタ成膜時に酸素原子が成長中のAg合金膜に化学吸着することを抑制でき、成膜したAg合金膜の反射率、耐熱性、耐硫化性が低下することを抑制できる。
本実施形態のAg合金スパッタリングターゲットにおいて、複数の測定箇所で測定された前記Ag合金結晶粒の粒径から算出される前記平均結晶粒径Cが10μm以上200μm以下の範囲内とされているとともに、それぞれの測定箇所での前記Ag合金結晶粒の粒径の平均値Dのうち前記平均結晶粒径Cとの偏差の絶対値が最大となる平均値をDmaxとした場合に、E(%)=(Dmax-C)/C×100で定義される前記Ag合金結晶粒の粒径ばらつきEが20%以下とされている場合には、スパッタ成膜時の異常放電の発生を抑制でき、安定してAg合金膜を成膜することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、板形状のAg合金スパッタリングターゲットとして説明したが、これに限定されることはなく、円筒形状のAg合金スパッタリングターゲットであってもよい。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
(試料の作製)
純度99.99質量%以上のAg原料を準備し、このAg原料を真空雰囲気下の溶解炉で融解し、溶解炉内の雰囲気をArガスに置換する置換操作を3回実施した後、純度99.9質量%以上のGaおよび各種原料(Cu,Mg,Pd,Pt,Au,Rh,Ca,In,Sn,Ti,Al)を添加し、所定の組成のAg合金溶湯を溶製した。そして、このAg合金溶湯を、鋳造後に水冷してAg合金インゴットを製造した。なお、Ag原料は、必要に応じて、発明の実施の形態の欄に記載されたように、電解精錬によってPd,Pt,Au,Rhの含有量を低減した。
得られたAg合金インゴットに対して、冷間圧延(圧下率80%、最終圧下率25%)を行い、その後、熱処理温度600℃、保持時間1時間の条件で熱処理を実施した。そして、熱処理後に機械加工を実施し、直径152.4mm、厚さ6mmの円板形状で表1~3に示すAg合金スパッタリングターゲットを製造した。
上記の方法で作製したAg合金スパッタリングターゲットを用いて、次の条件で基板にAg合金膜の成膜を行った。
成膜開始真空度:7.0×10-4Pa以下
スパッタガス:高純度アルゴン100vol%
チャンバー内スパッタガス圧力:0.4Pa
直流電力:100W
なお、上述した成膜条件で30分間放電を行った後(空スパッタ)、成膜レートを算出するための成膜を行った。そして、算出した成膜レートから膜厚100nmのAg合金膜を成膜し、表4~6に示すAg合金膜を得た。
(成分組成)
それぞれのAg合金スパッタリングターゲットから分析用サンプルを切り出し、ICP発光分光分析法によって成分組成を測定した。また、酸素含有量は、分析用サンプルを入れた黒鉛るつぼを高周波加熱し、不活性ガス中で融解させ、赤外線吸収法にて検出して分析を行った。測定結果を表1~3に示す。
また、Ag合金膜については、4インチシリコン基板上に、上述のAg合金スパッタリングターゲットを用いて厚さ500nmでスパッタ成膜したものから分析用サンプルを採取して、ICP発光分光分析法によって成分組成を測定した。その結果、成膜に用いたAg合金スパッタリングターゲットと同等の組成であることを確認した。
(Ag合金スパッタリングターゲットの結晶粒径)
スパッタ面内で均等に16か所の地点から一辺が10mm程度の立方体の試料片を採取する。次に各試料片のスパッタ面を研磨する。この際、#180~#4000の耐水紙で研磨を行い、次いで3μm~1μmの砥粒でバフ研磨をする。さらに、光学顕微鏡で粒界が見える程度にエッチングする。ここで、エッチング液には、過酸化水素水とアンモニア水との混合液を用い、室温で1~2秒間浸漬し、粒界を現出させる。次に、各試料について、光学顕微鏡で写真を撮影する。写真の倍率は結晶粒を計数し易い倍率を選択する。各写真において、60mmの線分を、井げた状に20mm間隔で縦横に合計4本引き、それぞれの直線で切断された結晶粒の数を数える。なお、線分の端の結晶粒は、0.5個とカウントする。平均切片長さ:L(μm)を、L=60000/(M・N)(ここで、Mは実倍率、Nは切断された結晶粒数の平均値である)で求める。次に、求めた平均切片長さ:L(μm)から、試料の平均粒径:d(μm)を、d=(3/2)・Lで算出する。このように16カ所からサンプリングした試料の平均粒径の平均値をターゲットの銀合金結晶の結晶粒径とする。
そして、複数の箇所で測定されたAg合金結晶粒の平均結晶粒径Cと、それぞれの測定箇所での前記Ag合金結晶粒の粒径の平均値Dのうち前記平均結晶粒径Cとの偏差の絶対値が最大となる平均値をDmaxとから、前記Ag合金結晶粒の粒径ばらつきEを算出した。具体的には、16カ所で求めた16個の平均粒径のうち、平均粒径の平均値との偏差の絶対値(|〔(ある1個の箇所の平均粒径)-(16カ所の平均粒径の平均値)〕|)が最大となるものを特定する。次いで、その特定した平均粒径(特定平均粒径)を用いて、下記の式により粒径のばらつきを算出した。
{|〔(特定平均粒径)-(16カ所の平均粒径の平均値)〕|/(16カ所の平均粒径の平均値)}×100(%)
(異常放電発生回数)
スパッタ装置内を5×10-5Paまで排気した後、Arガス圧:0.4Pa、投入電力:直流500W、ターゲット基板間距離:70mmの条件で予備スパッタとして1時間放電を実施したのち、本スパッタとして6時間連続放電を実施し、本スパッタ中の異常放電合計回数を計測した。異常放電の計測には、MKSインスツルメント社製DC電源(RPDG-50A)のアークカウント機能を用いた。
(Ga偏析部の確認)
成膜したAg合金膜の表面(この場合、基板とは反対側の面)から基板側の方向(膜厚方向)にかけて、ULVAC-PHI社製X線光電子分光分析装置 PHI Quanteraにより、X線光分子分光法(XPS)を用いて深さ方向分析を行い、Ga偏析部の有無、Ga偏析部の厚さを算出した。具体的には、まず、100nmのAgを掘りきる時間(スキャン回数)からエッチングレート(nm/スキャン)を算出しておく。次に100nmの半分である50nmを掘りきるスキャン回数でのGaのピーク位置のピーク強度(カウント数/sec)を確認し、基準ピーク強度とする。
そして、上述の基準ピーク強度の2.0倍以上のGaのピーク強度が得られているスキャン回数の領域をGaが濃集しているGa偏析部とみなし、Ga偏析部の厚さを前述のスキャン回数×エッチングレートにて算出する。
また、XPSの深さ分析の各検出ピークの位置により、Ga偏析部の酸化状態を確認した。なお、現実的には、成膜してXPSにて分析するまでには大気搬送や大気熱処理等によってGaは酸化してGa酸化物のGaになるので、Gaのピーク強度を用いる場合と同様に、Gaのピーク強度の変化でGaが濃集しているGa偏析部の有無を判断してもよい。それぞれの検出ピーク位置は以下のとおりである。
Ga:1116.5eV
Ga:1119.2eV
図1に本発明例102のAg合金膜(熱処理後)のXPS分析結果を示す。図2に本発明例102のAg合金膜(熱処理後)の最表面のGa2p3スペクトル(XPS)を示す。Gaが酸化状態であることが確認される。
また、図3に、本発明例102のAg合金膜(熱処理前)の最表面のGa2p3スペクトルを示す。金属と酸化物の中間にピークを有し、Gaが不完全な酸化状態であることが確認される。
また、Ga酸化物の網目状分布の確認として、ULVAC-PHI社製走査型オージェ電子分光分析装置PHI700により、オージェ電子分光分析法(AES)を用いて表面分析を行った。具体的には、100nmのAg膜表面に対して倍率20万倍にてSEM像及びGa元素のオージェマップを取得した。なお、最表層の汚染物を除去する目的でArスパッタリングを500eVで30秒行い、測定はその後に行っている。Ga元素のオージェマップからGa酸化物の網目状分布の有無を確認した。
(反射率)
反射率は分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製U-4100)を用いて測定した。成膜後に、大気中にて250℃で2時間熱処理した後のAg合金膜の反射率を表4~6に示す。なお、表には波長450nmにおける反射率を記載した。
(耐熱性評価)
成膜後に大気中にて250℃で2時間熱処理した後のAg合金膜について、走査型電子顕微鏡(SEM)により倍率20000倍(観察面積:6000nm×4500nm)にて3箇所観察を行い、直径200nm以上のヒロック(突起)発生の有無(個数)を確認した。評価結果を表4~6に示す。また、観察結果の一例を図4に示す。(a)が本発明例120のAg合金膜、(b)が比較例101のAg合金膜である。比較例101では、ヒロック(突起)が多く発生していることが確認される。
(耐硫化性評価)
耐硫化性評価として、成膜後に大気中にて250℃で2時間熱処理した後のAg合金膜をガス腐食試験機にて25℃-75%RH雰囲気下にて3質量ppmのHSを導入して1時間保管したのち、分光光度計にて反射率を測定し、硫化処理前後における反射率の変化量を評価した。評価結果を表4~6に示す。
(エッチング特性評価)
ガラス基板上に成膜された厚さ100nmのAg合金単膜に、フォトリソグラフィーによって配線パターン(配線膜)を形成した。具体的には、成膜したAg合金膜上にフォトレジスト剤(東京応化工業株式会社製OFPR-8600)をスピンコーターにより塗布し、110℃でプリベーク後に露光し、その後現像液(東京応化工業株式会社製NMD-W)によりパターンを現像し、150℃でポストベークを行った。これにより、Ag合金膜上に幅100μm、間隔100μmの櫛形配線パターンを形成した。そして、上述のAg合金膜に対してウェットエッチングを行った。エッチング液としては、関東化学社製SEA-5を用い、液温40℃、浸漬時間30秒にてエッチングを行った。以上のようにして得られた配線膜について、配線断面を観察するために基板を劈開し、その断面を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した。そして、SEMにより観察されたAg合金膜端部とフォトレジスト端部の平行な位置の差分をAg合金膜のオーバーエッチング量として測定した。評価結果を表4~6に示す。
Figure 2022113107000001
Figure 2022113107000002
Figure 2022113107000003
Figure 2022113107000004
Figure 2022113107000005
Figure 2022113107000006
比較例1のAg合金スパッタリングターゲットで成膜された比較例101のAg合金膜においては、Gaの含有量が本発明の範囲よりも少なく、Ag合金膜の表面側領域にGa偏析部が形成されなかった。このため、耐熱性および耐硫化性が不十分であった。
比較例2のAg合金スパッタリングターゲットで成膜された比較例102のAg合金膜においては、Gaの含有量が本発明の範囲よりも多く、Ag合金膜の成膜後の反射率が低くなった。
比較例3のAg合金スパッタリングターゲットで成膜された比較例103のAg合金膜および比較例4のAg合金スパッタリングターゲットで成膜された比較例104のAg合金膜においては、Cu,Mgの合計含有量が本発明の範囲よりも多く、耐硫化性が不十分であった。
比較例5のAg合金スパッタリングターゲットで成膜された比較例105のAg合金膜においては、PdとPtとAuとRhの合計含有量が本発明の範囲よりも多く、オーバーエッチング量が大きくなった。
比較例6においては、Caの含有量が本発明の範囲よりも多く、圧延加工時に割れが発生し、Ag合金スパッタリングターゲットを製造することができなかった。
比較例7のAg合金スパッタリングターゲットで成膜された比較例107のAg合金膜、比較例8のAg合金スパッタリングターゲットで成膜された比較例108のAg合金膜および比較例9のAg合金スパッタリングターゲットで成膜された比較例109のAg合金膜においては、In,Sn,Ti,Alの合計含有量が本発明の範囲よりも多く、Ag合金膜の成膜後の反射率が低くなった。
これに対して、本発明例1~42のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、スパッタ成膜時の異常放電を抑制でき、安定してAg合金膜を成膜することができた。
また、本発明例1~42のAg合金スパッタリングターゲットで成膜された本発明例101~142のAg合金膜においては、反射率が高く、かつ、耐熱性および耐硫化性に優れていた。また、オーバーエッチング量が少なかった。
以上のことから、本発明例によれば、耐熱性、耐硫化性に優れたAg合金膜、およびこのAg合金膜を成膜するためのAg合金スパッタリングターゲットを提供可能であることが確認された。

Claims (15)

  1. Gaを0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなる組成のAg合金からなるAg合金膜であって、
    前記Ag合金膜の表面側領域に、Gaが濃集したGa偏析部を有することを特徴とするAg合金膜。
  2. 前記Ag合金は、さらに、Cu,Mgから選択される1種以上を合計で0.5質量ppm以上50.0質量ppm以下の範囲で含むことを特徴とする請求項1に記載のAg合金膜。
  3. 前記Ag合金は、さらに、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有しており、Pdの含有量が40質量ppm以下、Ptの含有量が20質量ppm以下、Auの含有量が20質量ppm以下、Rhの含有量が10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量が1質量ppm以上50質量ppm以下とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のAg合金膜。
  4. 前記Ag合金は、さらに、Caを0.005質量%以上0.05質量%以下の範囲で含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のAg合金膜。
  5. 前記Ag合金は、さらに、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を合計で0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲で含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のAg合金膜。
  6. 前記Ga偏析部の膜厚方向長さが2.0nm以上12.0nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のAg合金膜。
  7. 前記Ga偏析部には、Ga酸化物が存在することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のAg合金膜。
  8. 前記Ga偏析部は、酸化物として結晶粒界に沿い網目状に分布していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のAg合金膜。
  9. Gaを0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなる組成のAg合金からなることを特徴とするAg合金スパッタリングターゲット。
  10. さらに、Cu,Mgから選択される1種以上を合計で0.5質量ppm以上50.0質量ppm以下の範囲で含むことを特徴とする請求項9に記載のAg合金スパッタリングターゲット。
  11. さらに、Pd,Pt,Au,Rhから選択される1種又は2種以上を含有しており、Pdの含有量が40質量ppm以下、Ptの含有量が20質量ppm以下、Auの含有量が20質量ppm以下、Rhの含有量が10質量ppm以下、かつ、PdとPtとAuとRhの合計含有量が1質量ppm以上50質量ppm以下とされていることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のAg合金スパッタリングターゲット。
  12. さらに、Caを0.005質量%以上0.05質量%以下の範囲で含むことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか一項に記載のAg合金スパッタリングターゲット。
  13. さらに、In,Sn,Ti,Alから選択される1種又は2種以上を合計で0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲で含むことを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか一項に記載のAg合金スパッタリングターゲット。
  14. 酸素含有量が0.005質量%以下であることを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか一項に記載のAg合金スパッタリングターゲット。
  15. 複数のAg合金結晶粒を含む多結晶体からなり、
    複数の測定箇所で測定された前記Ag合金結晶粒の粒径から算出される平均結晶粒径Cが10μm以上200μm以下の範囲内とされているとともに、
    それぞれの測定箇所での前記Ag合金結晶粒の粒径の平均値Dのうち前記平均結晶粒径Cとの偏差の絶対値が最大となる平均値をDmaxとした場合に、下記の式で定義される前記Ag合金結晶粒の粒径ばらつきEが20%以下であることを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか一項に記載のAg合金スパッタリングターゲット。
    E(%)=(Dmax-C)/C×100
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