JP2022111543A - 電池セルの製造装置及び電池セルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程における異物のコンタミネーションの発生及び電極組成物の成形性の低下を抑制しつつ減圧装置による減圧空間の体積を抑えることができ、生産性向上を図ることができる電池セルの製造装置及び製造方法を提供する。【解決手段】電池セルの製造装置100は、電極活物質粒子を含む電極組成物と、電極組成物の周囲を囲むように環状に配置される枠体と、を有するリチウムイオン電池用電極材19が載置される搬送用フィルム111を供給する搬送用フィルム供給部121と、リチウムイオン電池用電極材が載置された面とは反対側の面を覆う被覆フィルム112を供給する被覆フィルム供給部131と、搬送用フィルムと被覆フィルムとに挟まれた空間を減圧する減圧部102と、減圧部による減圧空間とは別個に設けられ、空間内が減圧された状態で枠体を溶着する溶着部103と、搬送用フィルム及び被覆フィルムを剥離する剥離部104とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電池セルの製造装置及び電池セルの製造方法に関する。
リチウムイオン(二次)電池は、高容量で小型軽量な二次電池として、近年様々な用途に多用されている。
リチウムイオン電池は、一般に、バインダを用いて正極または負極活物質等を正極用または負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成している。このようなリチウムイオン電池を製造する方法として、ロールプレスを用いて電極活物質を圧縮成形する工程を含む方法が知られている。
特許文献1には、電極活物質、バインダ及び溶媒を含む造粒体を一対のロール間に供給し、造粒体を一対のロールで圧縮成形することにより、電極合材層を形成する工程と、電極合材層を電極集電体上に配置する工程と、を備える電極の製造方法が開示されている。
特開2018-85182号公報 特許第6126546号公報
特許文献1に開示の方法では、電極活物質を粉体の状態でロールプレスする工程を含む。当該工程において電極活物質粉末と共に空気がロールに巻き込まれて圧縮されることがあり、そうすると当該圧縮された空気が噴出することに起因して電極形状が崩れてしまう(言い換えれば、電極組成物の成形性が低下してしまう)という問題がある。また、電極活物質をロールプレスする工程において、異物のコンタミを生じるおそれもある。
この問題を解決する手法として、電極活物質を粉体の状態でロールプレスする処理を減圧環境下で行うことを本発明者らは見出した。当該本発明者らが見出した構成によれば、電極活物質を粉体の状態でロールプレスする工程において、電極活物質粉末と共に空気がロールに巻き込まれて圧縮されることが抑制されるため、また、異物のコンタミを生じる可能性も低減されるため、前述した問題を解決することが可能となる。このような本発明者らが見出した構成のうち、単に減圧環境下で所定の処理を行う構成、という点に限って言えば、例えば特許文献2に開示されている。
具体的には、特許文献2には、電極バインダと負極活物質とを含む負極合剤スラリーを負極集電体の表面に塗布し、窒素雰囲気又は真空中で熱ロールプレスすることが開示されている。しかし、特許文献2は、負極集電体として銅箔を用いた場合、銅の酸化を防ぐために、非酸素環境下として例えば真空で行うことを開示しているにすぎず(特許文献2の例えば段落0018、0020等)、電極組成物の成形性の低下を抑制するために真空環境下で行う具体的な構成を開示したものではない。また、特許文献2の図4Bに開示されているように、負極集電体だけでなく熱プレスローラ及び冷却ローラを含む全体を非酸素環境下に置くための窒素置換箱(非酸素ガス置換室)を用いた構成とすると、当該非酸素ガス置換室の容量によっては真空引きに多くの時間を費やしてしまい、その結果、生産効率向上の障害となってしまうおそれもある。
本発明は、製造工程における異物のコンタミネーションの発生及び電極組成物の成形性の低下を抑制しつつ減圧装置による減圧空間の体積を抑えることができ、生産性向上を図ることができる電池セルの製造装置及び電池セルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の電池セルの製造装置は、電極活物質粒子を含む電極組成物と、前記電極組成物の周囲を囲むように環状に配置される枠体と、を有するリチウムイオン電池用電極材が載置される搬送用フィルムを供給する搬送用フィルム供給部と、前記リチウムイオン電池用電極材が載置された面とは反対側の面を覆う被覆フィルムを供給する被覆フィルム供給部と、前記搬送用フィルムと前記被覆フィルムとに挟まれた空間を減圧する減圧部と、前記減圧部による減圧空間とは別個に設けられ、前記空間内が減圧された状態で前記枠体を溶着する溶着部と、前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムを剥離する剥離部と、を備える。
本発明の一態様の電池セルの製造方法は、電極活物質粒子を含む電極組成物と、前記電極組成物の周囲を囲むように環状に配置される枠体と、を有するリチウムイオン電池用電極材を載置した搬送用フィルムを搬送する搬送用フィルム供給工程と、前記リチウムイオン電池用電極材が載置された面とは反対側の面を被覆フィルムで覆う被覆フィルム供給工程と、前記搬送用フィルムと前記被覆フィルムとに挟まれた空間を減圧する減圧工程と、前記減圧工程の減圧空間とは別に区分され、前記空間内が減圧された状態で前記枠体を溶着する溶着工程と、前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムを剥離する剥離工程と、を含む。
本発明によれば、製造工程における異物のコンタミネーションの発生及び電極組成物の成形性の低下を抑制しつつ減圧装置による減圧空間の体積を抑えることができ、生産性向上を図ることができる電池セルの製造装置及び電池セルの製造方法を提供することができる。
実施形態の電池セルの製造方法に用いる電池セルの製造装置の斜視図。 実施形態の電池セルの製造方法に用いる電池セルの製造装置の側面図。 実施形態の電池セルの断面模式図。 実施形態の変形例の電池セルの製造方法に用いる電池セルの製造装置の側面図。 実施形態の他の変形例の電池セルの製造方法に用いる電池セルの製造装置の側面図。
以下、図面を参照して本発明を適用した一実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
<単セル(電池セル)の製造方法>
単セルの製造方法は、準備工程、載置工程、被覆工程、減圧工程、圧縮工程、溶着工程及び剥離工程を含む。準備工程、載置工程、被覆工程、減圧工程、圧縮工程、溶着工程及び剥離工程は、この順で行われる。
図1は、実施形態の単セルの製造方法に用いる単セルの製造装置100の斜視図である。図2は、実施形態の単セルの製造方法に用いる単セルの製造装置100の側面図である。
図1に示すように、本実施形態の単セルの製造装置100は、被覆部101、減圧装置102(減圧部)、溶着装置103(溶着部)及び剥離部104を含む。被覆部101、減圧装置102、溶着装置103及び剥離部104は、1つの搬送ライン110に順次配置されている。ここで、搬送ライン110は、フィルムの搬送ライン(フィルムが搬送される経路)を意味する。
本実施形態では、2枚のフィルム111,112をそれぞれ供給しつつ巻き取ることにより1つの搬送ライン110を形成している。以下、2枚のフィルム111,112の一方を「第一フィルム111」(搬送用フィルム)、2枚のフィルム111,112の他方を「第二フィルム112」(被覆フィルム)ともいう。本実施形態の単セルの製造装置100は、第一フィルム111を搬送する第一搬送装置120と、第二フィルム112を搬送する第二搬送装置130と、を含む。
第一フィルム111は、第一搬送装置120により矢印V方向に搬送される。以下、第一フィルム111が搬送される方向を「搬送方向」、第一フィルム111の厚さ方向及び搬送方向のそれぞれと直交する方向を「幅方向」ともいう。第一フィルム111の幅方向の寸法(幅寸法)は、単セル20の幅寸法よりも大きい。第一フィルム111及び第二フィルム112の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂が挙げられるが、これに限定されない。
第一搬送装置120は、第一フィルム111を供給する第一供給部121(搬送用フィルム供給部)と、第一供給部121から供給された第一フィルム111を巻き取る第一巻取部122と、第一供給部121と第一巻取部122との間に配置された複数の第一搬送ローラと、を備える。第一供給部121、第一巻取部122及び複数の第一搬送ローラは、それぞれ第一フィルム111の幅方向と平行な回転軸(中心軸)を有する。以下、搬送方向において第一供給部121の側を「搬送方向上流側」、搬送方向において第一巻取部122の側を「搬送方向下流側」ともいう。
複数の第一搬送ローラは、第一上流ローラ123及び第一下流ローラ124を含むが、これに限定されない。例えば、複数の第一搬送ローラは、正逆回転可能な駆動ローラ、駆動ローラの回転に従って回転する従動ローラ、第一フィルム111の張力を調整するテンションローラ等の他のローラを含んでいてもよい。
第一フィルム111は、搬送方向上流側から搬送方向下流側に向けて第一上流ローラ123と第一下流ローラ124との間を略水平に搬送される。第一上流ローラ123と第一下流ローラ124との間の搬送ライン110は、略水平な直線状の1つの経路を形成する。本実施形態の単セルの製造方法は、載置工程、被覆工程、減圧工程、圧縮工程、溶着工程及び剥離工程を、1つの搬送ライン110で順次行う。
第二搬送装置130は、第二フィルム112を供給する第二供給部131(被覆フィルム供給部)と、第二供給部131から供給された第二フィルム112を巻き取る第二巻取部132と、第二供給部131と第二巻取部132との間に配置された複数の第二搬送ローラと、を備える。第二供給部131、第二巻取部132及び複数の第二搬送ローラは、それぞれ第二フィルム112の幅方向と平行な回転軸(中心軸)を有する。
複数の第二搬送ローラは、第二上流ローラ133及び第二下流ローラ134を含むが、これに限定されない。例えば、複数の第二搬送ローラは、正逆回転可能な駆動ローラ、駆動ローラの回転に従って回転する従動ローラ、第二フィルム112の張力を調整するテンションローラ等の他のローラを含んでいてもよい。例えば、第一搬送装置120及び第二搬送装置130のいずれか一方が駆動ローラを含む場合は、他方は従動ローラを含んでいてもよい。
第二上流ローラ133は、第一上流ローラ123よりも搬送方向下流側に配置される。第二上流ローラ133は、第二フィルム112を介して第一フィルム111と対向する。第二フィルム112は、第二供給部131から第二巻取部132に向けて第一フィルム111の搬送に同期して搬送されることが好ましい。
<準備工程>
準備工程では、載置工程に先立ってリチウムイオン電池用電極材19を準備する。このリチウムイオン電池用電極材19は、第一フィルム111上に載置される電極活物質粒子を含む電極活物質層32と、電極活物質層32の周囲を囲むように環状に配置される枠体45とからなる。このリチウムイオン電池用電極材19における枠体45は溶着されていない。準備工程の後、載置工程に移行する。
<載置工程>
載置工程では、第一フィルム111の上にリチウムイオン電池用電極材19を載置する。載置工程では、第一上流ローラ123と第二上流ローラ133との間の第一フィルム111の上面に対しリチウムイオン電池用電極材9を上方から載置する。例えば、載置工程では、矩形板状のリチウムイオン電池用電極材19の長手方向を第一フィルム111の幅方向に沿わせる。例えば、リチウムイオン電池用電極材19の載置は、不図示のロボットハンド等の載置装置により自動的に行ってもよい。
第一フィルム111の幅寸法は、リチウムイオン電池用電極材19の幅寸法(長手方向の寸法)よりも大きい。載置工程では、第一フィルム111の幅方向の両縁とリチウムイオン電池用電極材19の長手方向の両端(短辺)との間にそれぞれ間隔を設ける。本実施形態のように第一フィルム111が可撓性を有する場合には、略水平に搬送される第一フィルム111の上面にリチウムイオン電池用電極材19が載置されることで、第一フィルム111はリチウムイオン電池用電極材19の自重によってリチウムイオン電池用電極材19の形状に沿って撓む。そのため、第一フィルム111上でリチウムイオン電池用電極材19の位置がずれることを抑制することができる。載置工程の後、リチウムイオン電池用電極材19は、第一フィルム111と共に矢印V方向に搬送される。載置工程の後、被覆工程に移行する。
<被覆工程>
被覆工程では、リチウムイオン電池用電極材19における第一フィルム111が配置されている面とは反対側の面を、第二フィルム112で覆う。被覆工程では、第一フィルム111の幅方向の両縁と第二フィルム112の幅方向の両縁とをそれぞれ一致させてもよい。被覆工程では、2枚のフィルム111,112の幅方向の両端とリチウムイオン電池用電極材19の長手方向の両端(短辺)との間にそれぞれ間隔を設けてもよい。
被覆工程は、第二上流ローラ133により行われる。第二上流ローラ133は、第二フィルム112を介して第一フィルム111と対向する。第二上流ローラ133が第一フィルム111と対向する部分は、リチウムイオン電池用電極材19を2枚のフィルム111,112で挟む被覆部101として機能する。
例えば、第二上流ローラ133の外周面は、弾性部材により形成されていることが好ましい。第二上流ローラ133の長さ(幅寸法)は、第二フィルム112の幅寸法よりも大きい。第二上流ローラ133は、第二フィルム112を介してリチウムイオン電池用電極材19の上面を押圧した状態で、回転しながら搬送方向の定位置に配置される。第二上流ローラ133は、リチウムイオン電池用電極材19を介して第一フィルム111上に第二フィルム112を被せる。被覆工程の後、リチウムイオン電池用電極材19は、第一フィルム111及び第二フィルム112と共に矢印V方向に搬送される。被覆工程の後、減圧工程に移行する。
<減圧工程>
減圧工程では、リチウムイオン電池用電極材19を覆う第一フィルム111と第二フィルム112とで挟まれた空間を減圧する。これにより、リチウムイオン電池用電極材19における電極活物質層32(正極活物質層32a及び負極活物質層32b)は、それぞれ、2枚のフィルム111、112と、枠体45とによって固定される(図3参照)。
減圧工程は、減圧装置102により行われる。例えば、減圧装置102は、第一フィルム111の下方に配置される第一ケース141と、第二フィルム112の上方に配置される第二ケース142と、不図示の減圧ポンプにつながる排気管143と、を備える。
第一ケース141及び第二ケース142は、2枚のフィルム111,112を介して上下方向に対向する。第一ケース141は、上方に開口する矩形箱状に形成される。図2に示すように、第一ケース141は、矩形枠状の下部周壁141aと、下部周壁141aの下端に連結される矩形板状の底壁141bと、を備える。下部周壁141aの幅寸法は、第一フィルム111の幅寸法よりも大きい。
第二ケース142は、下方に開口する矩形箱状に形成される。第二ケース142は、矩形枠状の上部周壁142aと、上部周壁142aの上端に連結される矩形板状の天壁142bと、を備える。上部周壁142a及び下部周壁141aは、上下方向から見て互いに重なる。上部周壁142aの幅寸法は、第二フィルム112の幅寸法よりも大きい。
排気管143は、第一ケース141の底壁141bに接続される。
図1に示すように、第一ケース141及び第二ケース142は、それぞれ上下方向に移動可能である。例えば、2枚のフィルム111,112を搬送する場合、第一ケース141は第一フィルム111の下方に移動され、第二ケース142は第二フィルム112の上方に移動される。
例えば、減圧工程の場合、第一ケース141は第一フィルム111の下面に接し、第二ケース142は第二フィルム112の上面に接する。さらに、減圧工程の場合、第一ケース141の下部周壁141a上端及び第二ケース142の上部周壁142a下端は互いに接する。これにより、図4に示すように、減圧工程の場合、減圧装置102内には密閉した内部空間140が形成される。例えば、下部周壁141a上端及び上部周壁142a下端の少なくとも一方には、弾性変形可能なシール部材が設けられていてもよい。
減圧工程では、第一ケース141の下部周壁141a上端及び第二ケース142の上部周壁142a下端は、2枚のフィルム111,112を介して互いに接する。減圧工程では、下部周壁141a上端及び上部周壁142a下端の幅方向の両端と2枚のフィルム111,112の幅方向の両端との間にそれぞれ隙間を設ける。
減圧工程では、排気管143から不図示の減圧ポンプにより真空引きを行うことで、減圧装置102の内部空間140を減圧する。これにより、2枚のフィルム111,112の間の空気が抜かれ、リチウムイオン電池用電極材19を挟んだ状態で2枚のフィルム111,112が密着される。このように、減圧工程では、2枚のフィルム111,112の間を減圧して2枚のフィルム111,112をシールする(真空パック化)。
減圧工程の後、第一ケース141を第一フィルム111の下方に移動し、第二ケース142を第二フィルム112の上方に移動する。すなわち、減圧工程の後、第一ケース141及び第二ケース142を2枚のフィルム111,112から離す。減圧工程の後、圧縮工程に移行する。
なお、本実施形態における減圧装置102は、図示の態様に限定されない。例えば、リチウムイオン電池用電極材を内部に搬入可能な箱状の真空チャンバーと、当該真空チャンバーの内部空間を画定する隔壁に形成された搬入口(上流側開口)及び搬出口(下流側開口)を開閉可能なシャッターと、当該真空チャンバーの内部を減圧する減圧ポンプと、を有する減圧装置102としてもよい。この場合、例えば、リチウムイオン電池用電極材を真空チャンバー内に搬入する際に、搬入口のシャッターを開けて内部に搬入し、搬入口のシャッターを閉じ、減圧ポンプにより真空引きを行うことで第一フィルム111と第二フィルム112とで挟まれた空間を減圧して2枚のフィルムをシールし(真空パック化)、その後、搬出口からリチウムイオン電池用電極材を搬出するようにしてもよい。
<圧縮工程>
圧工程の後、減圧装置102の内部空間140を開放することにより、リチウムイオン電池用電極材19を2枚のフィルム111,112で挟んだ部分は減圧装置102の外へ出る。これにより、リチウムイオン電池用電極材19を2枚のフィルム111,112で挟んだ部分は大気中に曝される。そのため、2枚のフィルム111,112は、大気圧により収縮する。すなわち、2枚のフィルム111,112は、大気圧により外側から押されることにより互いに貼り付く。これにより、圧縮工程から剥離工程の前まで、2枚のフィルム111,112の密着状態が維持される。圧縮工程の後、溶着工程に移行する。
<溶着工程>
溶着工程では、2枚のフィルム111,112の外側からリチウムイオン電池用電極材19における正極側枠体45aと負極側枠体45b(図3参照)とを溶着する。溶着工程は、溶着装置103により行われる。溶着装置103は、例えば、第一フィルム111の下方に配置される第一溶着治具151と、第二フィルム112の上方に配置される第二溶着治具152と、を備えた構成としてもよい。
第一溶着治具151及び第二溶着治具152は、2枚のフィルム111,112を介して上下方向に対向する。第一溶着治具151は、枠状の第一発熱体151aを有する。第一発熱体151aは、上下方向から見て枠体45(図3参照)と略同じ形状に形成される。第二溶着治具152は、枠状の第二発熱体152aを有する。第二発熱体152aは、上下方向から見て枠体45(図3参照)と略同じ形状に形成される。第一発熱体151a及び第二発熱体152aは、上下方向から見て略同じ形状を有する。
図1に示すように、第一溶着治具151及び第二溶着治具152は、それぞれ上下方向に移動可能である。例えば、2枚のフィルム111,112を搬送する場合、第一溶着治具151は第一フィルム111の下方に移動され、第二溶着治具152は第二フィルム112の上方に移動される。
溶着工程の場合、2枚のフィルム111,112の搬送を停止する。例えば、溶着工程の場合、第一溶着治具151は第一フィルム111の下面に接し、第二溶着治具152は第二フィルム112の上面に接する。溶着工程の場合、第一発熱体151a及び第二発熱体152aは、2枚のフィルム111,112を介して枠体45(図3参照)を保持する。
溶着工程では、第一発熱体151a及び第二発熱体152aは、2枚のフィルム111,112を介して枠体45を加熱する。これにより、第一発熱体151a及び第二発熱体152aは、枠体45の一部(少なくとも正極側枠体45a及び負極側枠体45bが互いに接する部分)を溶融させる。
溶着工程では、枠体45を溶融させた後、第一溶着治具151を第一フィルム111の下方に移動し、第二溶着治具152を第二フィルム112の上方に移動する。すなわち、枠体45を溶融させた後、第一発熱体151a及び第二発熱体152aを2枚のフィルム111,112から離す。これにより、枠体45を冷却し硬化させる。これにより、リチウムイオン電池用電極材19における正極側枠体45aと負極側枠体45bとを溶着し一体化させる(図3参照)。
溶着工程では、2枚のフィルム111,112を介して枠体45を加熱する。例えば、枠体45の形成材料としては、フィルムの形成材料よりも融点が低い樹脂材料等が挙げられるが、これに限定されない。例えば、フィルムの形成材料は、溶着工程の際に第一フィルム111及び第二フィルム112が互いに接着せず、かつ、剥離工程の際に剥離が容易なものであることが好ましい。例えば、非接着性を有し且つ剥離容易なフィルムとしては、ポリプロピレン等が挙げられる。
溶着工程を経ることにより、単セル20が形成される。単セル20は、2枚のフィルム111,112の間に挟み込まれている。溶着工程の後、剥離工程に移行する。
以上説明した溶着工程における溶着装置103は、枠状の第一発熱体151aと、枠状の第二発熱体152aとを有しているが、これに限定されない。例えば、枠状の発熱体を用いずに、1辺ずつ熱溶着するための線状(棒状)の発熱体を複数用いて順次熱溶着する構成としても良いし、2つのコ字形状の部材に分割された発熱体を用いて熱溶着する構成としても良く、リチウムイオン電池の外縁部を熱溶着可能な構成であれば、他の様々な構成を適用可能である。
<剥離工程>
剥離工程では、2枚のフィルム111,112を剥離して単セル20を取り出す。剥離工程では、単セル20を下方から覆う第一フィルム111を下方に剥がすとともに、単セル20を上方から覆う第二フィルム112を上方に剥がす。剥離工程では、第一フィルム111及び第二フィルム112を剥離するタイミングを互いに同期させることが好ましい。
剥離工程は、第一下流ローラ124及び第二下流ローラ134により行われる。第一下流ローラ124は、第一フィルム111を介して単セル20の下面と対向する。第一下流ローラ124が単セル20の下面と対向する部分は、第一フィルム111を剥離する剥離部104として機能する。第一下流ローラ124の長さ(幅寸法)は、第一フィルム111の幅寸法よりも大きい。第一下流ローラ124は、第一フィルム111を介して単セル20の下面を押圧した状態で、回転しながら搬送方向の定位置に配置される。第一下流ローラ124は、回転しながら第一巻取部122と共に第一フィルム111を下方へ引っ張ることにより、第一フィルム111を単セル20の下面から剥がす。
第二下流ローラ134は、第二フィルム112を介して単セル20の上面と対向する。第二下流ローラ134が単セル20の上面と対向する部分は、第二フィルム112を剥離する剥離部104として機能する。第二下流ローラ134の長さ(幅寸法)は、第二フィルム112の幅寸法よりも大きい。第二下流ローラ134は、第二フィルム112を介して単セル20の上面を押圧した状態で、回転しながら搬送方向の定位置に配置される。第二下流ローラ134は、回転しながら第二巻取部132と共に第二フィルム112を上方へ引っ張ることにより、第二フィルム112を単セル20の上面から剥がす。
剥離工程を経ることにより、2枚のフィルム111,112の間から単セル20が取り出させる。図4に示すように、取り出された単セル20は、所定の場所で厚さ方向に複数積層される。例えば、複数の単セル20は、電池10(図1参照)の製造工程に供されてもよい。
以上説明した実施形態において、減圧部による空間内の減圧の後(減圧工程の後)、溶着部による溶着の前に(溶着工程の前)、搬送用フィルム及び被覆フィルムで覆われたリチウムイオン電池用電極材を加圧成形する加圧成形部を更に含んでもよい。加圧成形部360は、搬送用フィルム及び被覆フィルムで覆われたリチウムイオン電池用電極材をロールプレスする一対のローラ361,362を有してもよい(図5参照)。この一対のローラ361,362によりロールプレスする工程は、前述した準備工程において準備するリチウムイオン電池用電極材19における電極活物質層32を所望の厚さに調整しておくことにより省略することができる。なお、減圧装置102が、搬送用フィルム及び被覆フィルムで覆われたリチウムイオン電池用電極材を格納する筐体(真空チャンバー)と、筐体内の空気を吸引する真空ポンプとを有する場合、前述した一対のローラは、当該真空チャンバーの外部に配置されてもよい。
以上説明したように本実施形態は、電極活物質粒子を含む電極組成物と、電極組成物の周囲を囲むように環状に配置される枠体と、を有するリチウムイオン電池用電極材が載置される搬送用フィルムを供給する搬送用フィルム供給部と、リチウムイオン電池用電極材が載置された面とは反対側の面を覆う被覆フィルムを供給する被覆フィルム供給部と、搬送用フィルムと被覆フィルムとに挟まれた空間を減圧する減圧部と、減圧部による減圧空間とは別個に設けられ、空間内が減圧された状態で枠体を溶着する溶着部と、搬送用フィルム及び被覆フィルムを剥離する剥離部と、を含む。この実施形態において、リチウムイオン電池用電極材を被覆フィルムと搬送用フィルムとで覆い、当該搬送用フィルムと被覆フィルムとで挟まれた空間を減圧し、この減圧状態で枠体を溶着するので、少なくとも減圧後から枠体を溶着までの工程において異物のコンタミネーションの発生を防止しながら製造することができる。特に、搬送用フィルムと被覆フィルムとで挟まれた空間を減圧することで被覆フィルムと搬送用フィルムとが密着され、リチウムイオン電池用電極材を固定することができるので、製造工程において電極組成物(電極活物質層)の成形性の低下を抑制することができる。また、リチウムイオン電池の構成部材に含まれる枠体を溶着する溶着部が、減圧部による減圧空間とは別個に設けられているので、他の部材(例えばフィルムをプレスするロール等の製造装置)を内部に含む減圧装置と比較して、減圧部による減圧空間の体積を抑えることができる。その結果、従来の真空チャンバーによる真空パック化を行う製造工程と比較して、真空引きに多くの時間を費やすことがないので、生産性の向上を図ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、コンタミネーションの発生を防止しながら製造工程において電極組成物の成形性の低下を抑制することができ、更に、減圧部による減圧空間の体積を抑制して生産性の向上を図ることができる。
本実施形態では、溶着工程の後、2枚のフィルム111,112を剥離して単セル20を取り出す剥離工程を更に含むことで、以下の効果を奏する。
剥離工程の前までの製造工程においては、単セル20は2枚のフィルム111,112によって保護されているため、単セル20に異物等が混入することを抑制することができる。
本実施形態では、減圧工程及び溶着工程を、フィルムの搬送ライン110で順次行うことで、以下の効果を奏する。
減圧工程と溶着工程との間でフィルム111,112の連続搬送が可能となるため、減圧工程及び溶着工程をそれぞれ別のラインで行う場合と比較して、製造効率が向上する。
本実施形態では、減圧工程の前、リチウムイオン電池用電極材19を2枚のフィルム111,112で挟む被覆工程と、溶着工程の後、2枚のフィルム111,112を剥離して単セル20を取り出す剥離工程と、を更に含み、被覆工程、減圧工程、溶着工程及び剥離工程を、フィルムの搬送ライン110で順次行うことで、以下の効果を奏する。
被覆工程、減圧工程、溶着工程及び剥離工程の間でフィルム111,112の連続搬送が可能となるため、被覆工程、減圧工程、溶着工程及び剥離工程の少なくとも1つを別のラインで行う場合と比較して、単セル20の製造効率が向上する。
以上説明した搬送用フィルム供給工程において第一フィルム111(搬送用フィルム)上に載置する、リチウムイオン電池用電極材19について説明する。
上述したように、リチウムイオン電池用電極材19は、電極活物質粒子を含む電極活物質層32と、電極活物質層32の周囲を囲むように環状に配置される枠体45と、を有する(図3参照)。
図3は、単セル20の断面模式図である。
図3に示すように、単セル20は、2つの電極(電池用電極)としての正極30aおよび負極30bと、セパレータ40と、を有する。
セパレータ40は、正極30aと負極30bとの間に配置される。セパレータ40は、正極30aおよび負極30bの電極活物質層32の間に配置され、これらが互いに接触することを抑制する。これにより、セパレータ40は、正極30aと負極30bとの間の隔壁として機能する。
正極30aおよび負極30bは、それぞれ、集電体31と、電極活物質層32と、枠体45と、を有する。電極活物質層32と集電体31とは、セパレータ40側からこの順に並ぶ。枠体45は、電極活物質層32の周囲を囲む。正極30aの枠体45と負極30bの枠体45とは、互いに溶着され一体化されている。
なお、正極30aおよび負極30bの電極活物質層32を互いに区別する場合、これらをそれぞれ正極活物質層32a、負極活物質層32bと呼ぶ。また、正極30aの枠体45と負極30bの枠体45とを互いに区別する場合、それぞれ正極側枠体45a、負極側枠体45bと呼ぶ。
枠体45は、集電体31同士の接触や単セル20の端部における短絡を防止する。枠体45を構成する材料としては、絶縁性、シール性(液密性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよく、樹脂材料が好適である。枠体45は、例えば樹脂材料により形成されていてもよい。
集電体31は、導電性のシート状の部材である。集電体31を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂や、金属が挙げられる。軽量化の観点からは、集電体31は、導電性を有する樹脂によって形成された樹脂集電体であることが好ましい。なお、単セル20間のリチウムイオンの移動を遮断する観点からは、樹脂製の集電体31の一部に金属層を設けてもよい。
リチウムイオン電池用電極材19は、前述したように、第一フィルム111上に載置される電極活物質粒子を含む電極活物質層32と、電極活物質層32の周囲を囲むように環状に配置される枠体45とからなる。電極活物質層32及び枠体45を第一フィルム111上に配置する順序は特に限定されないが、第一フィルム111上にまず枠体45を配置し、続いて、枠体45の内側に電極活物質層32を配置することが好ましい。
リチウムイオン電池用電極材19は、第一フィルム111上に直接載置されていてもよいし、他の材料を介して載置されていてもよい。第一フィルム111とリチウムイオン電池用電極材19の間に配置される材料としては、例えば、電極集電体が挙げられる。
枠体を第一フィルム111上に配置する方法は特に限定されず、あらかじめ所定形状に成形した枠体を第一フィルム111上に載置する方法や、所定の操作によって枠体となる枠体前駆体を第一フィルム111上に付与し、第一フィルム111上で枠体を形成する方法等が挙げられる。所定の操作とは、例えば、加熱や光照射等が挙げられる。
電極活物質層の厚さは特に限定されないが、枠体の厚さ以上であることが好ましい。枠体の厚さに対する電極活物質層の厚さの割合は、100%~200%であることが好ましく、100~150%であることが好ましく、110~130%であることがより好ましい。枠体が変形しにくい場合に、枠体の厚さに対する電極活物質層の厚さの割合が100%未満であると、後述する加圧成形工程において、電極活物質層を充分に加圧成形できない場合がある。
枠体の厚さに対する電極活物質層の割合が100%を超える場合、枠体から電極活物質層がはみ出すこととなる。電極活物質層は真空包装工程において包装材内に固定されるため、枠体からの電極活物質層のはみだしは、加圧成形工程において問題とはならない。
枠体は、融点が75~90℃のポリオレフィンを含むことが好ましい。
融点が75~90℃のポリオレフィンは、分子内に極性基を有するものであってもよく、極性基を有しないものであってもよい。極性基としては、ヒドロキシ基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、ホルミル基(-CHO)、カルボニル基(=CO)、アミノ基(-NH2)、チオール基(-SH)、1,3-ジオキソ-3-オキシプロピレン基等が挙げられる。ポリオレフィンが極性基を有しているかどうかは、ポリオレフィンをフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)や核磁気共鳴分光法(NMR)で分析することにより確認することができる。
融点が75~90℃のポリオレフィンとしては、東ソー(株)製 メルセン(登録商標)G(融点:77℃)や三井化学(株)製 アドマーXE070(融点:84℃)等が挙げられる。東ソー(株)製 メルセン(登録商標)Gは極性基を有する樹脂の例であり、三井化学(株)製 アドマーXE070は極性基を有しない樹脂の例である。
枠体は、融点が75~90℃のポリオレフィンに加えて、非導電性フィラーを含有していてもよい。非導電性フィラーとしては、ガラス繊維等の無機繊維及びシリカ粒子等の無機粒子が挙げられる。
枠体の一部は、耐熱性環状支持部材で構成されていてもよい。枠体の一部が耐熱性環状支持部材で構成されていると、枠体の機械的強度及び耐熱性を向上させることができる。
耐熱性環状支持部材は電極集電体及びセパレータとの接着性が低いため、耐熱性環状支持部材は、枠体の厚さ方向の中央部に配置されることが好ましい。この場合、平面視形状が互いに同一の、融点が75~90℃のポリオレフィンを含む層、耐熱性環状支持部材、融点が75~90℃のポリオレフィンを含む層が、搬送基板側(電極集電体側)からこの順で配置されることが好ましい。上記構成であると、枠体に機械的強度及び耐熱性を付与しつつ、電極集電体及びセパレータとの接着性を高めることができる。
耐熱性環状支持部材は、溶融温度が150℃以上である耐熱性樹脂組成物を含んでいることが望ましく、溶融温度が200℃以上である耐熱性樹脂組成物を含んでいることがより望ましい。耐熱性環状支持部材が、溶融温度が150℃以上である耐熱性樹脂組成物を含むことで、枠体が熱に対してより変形しにくくなる。耐熱性樹脂組成物の溶融温度(単に融点ともいう)は、JIS K7121-1987に準拠して示差走査熱量測定によって測定される。
耐熱性樹脂組成物を構成する樹脂としては、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂及びポリイミド等)、エンジニアリング樹脂[ポリアミド(ナイロン6 溶融温度:約230℃、ナイロン66 溶融温度:約270℃等)、ポリカーボネート(PCともいう 溶融温度:約150℃)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEKともいう 溶融温度:約330℃)等]及び高融点熱可塑性樹脂{ポリエチレンテレフタレート(PETともいう 溶融温度:約250℃)、ポリエチレンナフタレート(PENともいう 溶融温度:約260℃)及び高融点ポリプロピレン(溶融温度:約160~170℃)等}等が挙げられる。なお、高融点熱可塑性樹脂とは、JIS K7121-1987に準拠して示差走査熱量測定によって測定される溶融温度が150℃以上の熱可塑性樹脂を指す。
耐熱性樹脂組成物は、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、高融点ポリプロピレン、ポリカーボネート及びポリエーテルエーテルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが望ましい。
耐熱性樹脂組成物はフィラーを含んでいてもよい。耐熱性樹脂組成物がフィラーを含むことで、溶融温度を向上させることができる。上記フィラーとしては、ガラス繊維等の無機フィラー及び炭素繊維等が挙げられる。フィラーを含む耐熱性樹脂組成物としては、ガラス繊維に硬化前のエポキシ樹脂を含浸させて硬化させたもの(ガラスエポキシともいう)及び炭素繊維強化樹脂などが挙げられる。
枠体を上面視した際の、外形形状と内形形状との間の距離を枠体の幅ともいう。
枠体の幅は特に限定されないが、3~20mmであることが好ましい。枠体の幅が3mm未満であると、枠体の機械的強度が不足して、電極活物質層が枠体の外へ漏れてしまう場合がある。一方、枠体の幅が20mmを超えると、電極活物質層の占める割合が減少してしまい、エネルギー密度が低下してしまう場合がある。
枠体の厚さは特に限定されないが、0.1~10mmであることが望ましい。
電極活物質粒子は、正極活物質粒子又は負極活物質粒子が挙げられる。電極活物質粒子として正極活物質粒子を用いた電極活物質層を正極組成物ともいい、電極活物質粒子として負極活物質粒子を用いた電極活物質層を負極組成物ともいう。また、正極組成物の周囲を環状に囲む枠体を正極枠体ともいい、負極組成物の周囲を環状に囲む枠体を負極枠体ともいう。
正極活物質粒子としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO、LiNi1-xCo、LiMn1-yCo、LiNi1/3Co1/3Al1/3及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM’M’’(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ-p-フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等の粒子が挙げられ、2種以上を併用してもよい。なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
負極活物質粒子としては、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiO)、珪素-炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素-アルミニウム合金、珪素-リチウム合金、珪素-ニッケル合金、珪素-鉄合金、珪素-チタン合金、珪素-マンガン合金、珪素-銅合金及び珪素-スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-アルミニウム合金及びリチウム-アルミニウム-マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等の粒子が挙げられる。上記負極活物質粒子のうち、内部にリチウム又はリチウムイオンを含まないものについては、予め負極活物質粒子の一部又は全部にリチウム又はリチウムイオンを含ませるプレドープ処理を施してもよい。
これらの中でも、電池容量等の観点から、炭素系材料、珪素系材料及びこれらの混合物が好ましく、炭素系材料としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素及びアモルファス炭素がさらに好ましく、珪素系材料としては、酸化珪素及び珪素-炭素複合体がさらに好ましい。
電極活物質粒子の平均粒子径は、5~200μmであることが好ましい。
電極活物質粒子の平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、レーザー回折・散乱式の粒子径分布測定装置[マイクロトラック・ベル(株)製のマイクロトラック等]を用いることができる。
電極活物質粒子は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層により被覆された被覆活物質粒子であってもよい。電極活物質粒子の周囲が被覆層で被覆されていると、電極の体積変化が緩和され、電極の膨張を抑制することができる。なお、電極活物質粒子として正極活物質粒子を使用した場合の被覆活物質粒子を被覆正極活物質粒子といい、電極活物質粒子として負極活物質粒子を使用した場合の被覆活物質粒子を被覆負極活物質粒子という。
被覆層を構成する高分子化合物(被覆用高分子化合物ともいう)としては、特開2017-054703号公報に非水系二次電池活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
被覆層は、必要に応じて、後述する導電助剤を含んでいてもよい。
電極活物質層に含まれる被覆用高分子化合物の重量割合は、電極活物質層の重量を基準として、0.1~10重量%であることが好ましい。電極活物質層に含まれる被覆用高分子化合物の含有量が、電極活物質層の重量を基準として0.1重量%未満であると、電極活物質層に含まれる被覆用高分子化合物の含有量が少なすぎて、電極割れが生じたり、成形性が低下してしまうことがある。一方、電極活物質層に含まれる被覆用高分子化合物の含有量が、電極活物質層の重量を基準として10重量%を超える場合には、電極活物質層に含まれる被覆用高分子化合物の含有量が多すぎて、電気抵抗を増加させてしまうことがある。
電極活物質層に含まれる電極活物質粒子の重量割合は、電極活物質層の重量を基準として70~95重量%であることが好ましい。なお、電極活物質粒子が被覆活物質粒子である場合、被覆活物質粒子を構成する被覆層は、電極活物質粒子の重量に含めないものとする。
電極活物質層は、電極活物質粒子以外に、導電助剤、溶液乾燥型の公知の電極用バインダ(結着剤ともいう)及び粘着性樹脂を含有していてもよい。また、リチウムイオン電池の製造に用いられる非水電解液を構成する電解質や溶媒等を含有していてもよい。ただし、電極活物質層は、公知の電極用バインダを含有していないことが好ましい。
導電助剤は、導電性を有する材料から選択される。具体的には、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電助剤の材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電助剤の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01~10μmであることが好ましく、0.02~5μmであることがより好ましく、0.03~1μmであることがさらに好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数~数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
導電助剤の形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性材料として実用化されている形態であってもよい。
導電助剤は、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。
導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。
導電助剤が導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1~20μmであることが好ましい。
電極活物質層に含まれる導電助剤の重量割合は、電極活物質層の重量を基準として0~5重量%であることが好ましい。
溶液乾燥型の公知の電極用バインダとしては、デンプン、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
ただし、公知の電極用バインダの含有量は、電極活物質層全体の重量を基準として、2.0重量%以下であることが好ましい。
電極活物質層に含まれる公知の電極用バインダの重量割合は、電極活物質層の重量を基準として0~2重量%であることが好ましく、0~0.5重量%であることがより好ましい。
電極活物質層は、公知の電極用バインダではなく、粘着性樹脂を含むことが好ましい。
電極活物質層が上記溶液乾燥型の公知の電極用バインダを含む場合には、圧縮成形体を形成した後に乾燥工程を行うことで一体化する必要があるが、粘着性樹脂を含む場合には、乾燥工程を行うことなく常温において僅かな圧力で電極活物質層を一体化することができる。乾燥工程を行わない場合、加熱による圧縮成形体の収縮や亀裂の発生がおこらないため好ましい。
なお、溶液乾燥型の電極用バインダは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して電極活物質粒子同士を強固に固定するものを意味する。一方、粘着性樹脂は、粘着性(水、溶媒、熱等を使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。
溶液乾燥型の電極用バインダと粘着性樹脂とは異なる材料である。
粘着性樹脂としては、被覆層を構成する高分子化合物(特開2017-054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂等)に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調整したもの、及び、特開平10-255805公報等に粘着剤として記載されたものを好適に用いることができる。
電極活物質層に含まれる粘着性樹脂の重量割合は、電極活物質層の重量を基準として0~2重量%であることが好ましい。
電極活物質層に含まれる樹脂成分(被覆用高分子化合物、電極用バインダ及び粘着性樹脂)の合計重量の割合は、0.1~10重量%であることが好ましい。
電解質としては、公知の非水電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF及びLiClO等の無機酸のリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPFである。
溶媒としては、公知の非水電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
以上説明した、搬送用フィルム供給部から供給される第一フィルム111、及び、被覆フィルム供給部から供給される第二フィルム112は、電極集電体であってもよい。第一フィルム111及び第二フィルム112が電極集電体であると、電極集電体上にリチウムイオン電池用電極材が載置された状態で得られるため、リチウムイオン電池用電極材を用いてリチウムイオン電池を製造する際に、電極活物質層を電極集電体と接触させる工程を省略することができる。なお、電極集電体以外にも、樹脂フィルムや金属箔などを2枚のフィルム111、112として用いてもよい。
電極集電体以外のものを2枚のフィルム111、112として用いた場合には、2枚のフィルム111、112と電極集電体及び枠体との間に、電極集電体をさらに配置してもよい。
電極集電体としては、正極集電体又は負極集電体が挙げられる。
正極集電体を構成する材料としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子及び導電性ガラス等が挙げられる。また、正極集電体として、導電剤と樹脂からなる樹脂集電体を用いてもよい。
負極集電体を構成する材料としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料等が挙げられる。なかでも、軽量化、耐食性、高導電性の観点から、好ましくは銅である。負極集電体としては、焼成炭素、導電性高分子及び導電性ガラス等からなる集電体であってもよく、導電剤と樹脂からなる樹脂集電体であってもよい。
正極集電体、負極集電体とも、樹脂集電体を構成する導電剤としては、電極活物質層に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
樹脂集電体を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
なお、上述した搬送用フィルム供給部から供給される第一フィルム111及び被覆フィルム供給部から供給される第二フィルム112のそれぞれが電極集電体である場合、前記電極集電体は、アラミドを含むフィルムにより形成されていてもよい。例えば、電極集電体は、ポリアミド(アラミド、PA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上の樹脂フィルムにより形成されていてもよい。例えば、電極集電体は、Tgが50℃程度のPAやPBT、Tgが57℃程度のPLA、Tgが69℃程度のPET等により形成されていてもよい。
<実施形態の変形例>
図4は、実施形態の変形例の単セルの製造方法に用いる単セルの製造装置200の側面図である。実施形態では、供給部から供給されたフィルムが巻取部に巻かれる例を挙げて説明したが、これに限らない。図4に示すように、実施形態の変形例は、搬送装置220,230の態様が上述した実施形態と相違している。なお、以下の説明においては、上述した実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態の変形例では、2枚のフィルム211,212は、それぞれ単セルの製造過程で周回可能な無端状に形成される。実施形態の変形例の単セルの製造装置200は、無端状の第一フィルム211を搬送する第一搬送装置220と、無端状の第二フィルム212を搬送する第二搬送装置230と、を含む。
第一搬送装置220は、第一フィルム211を搬送する複数の第一搬送ローラを備える。複数の第一搬送ローラは、それぞれ第一フィルム211の幅方向と平行な回転軸(中心軸)を有する。第一フィルム211は、複数の第一搬送ローラのそれぞれに巻き掛けられている。第一フィルム211は、図4の側面視で複数の第一搬送ローラを囲むループ状を有する。
複数の第一搬送ローラは、第一下部ローラ221、第二下部ローラ222、第三下部ローラ223及び第四下部ローラ224を含むが、これに限定されない。例えば、複数の第一搬送ローラは、正逆回転可能な駆動ローラ、駆動ローラの回転に従って回転する従動ローラ、第一フィルム211の張力を調整するテンションローラ等の他のローラを含んでいてもよい。
第一下部ローラ221及び第二下部ローラ222は、互いに略水平に離れて配置される。第一下部ローラ221は、第四下部ローラ224の略直上に配置される。第二下部ローラ222は、第三下部ローラ223の略直上に配置される。第一フィルム211は、搬送方向上流側から搬送方向下流側に向けて第一下部ローラ221と第二下部ローラ222との間を略水平に搬送される。第一下部ローラ221と第二下部ローラ222との間の搬送ラインは、略水平な直線状の1つの経路を形成する。
第二搬送装置230は、第一搬送装置220の上方に配置される。第二搬送装置230は、第二フィルム212を搬送する複数の第二搬送ローラを備える。複数の第二搬送ローラは、それぞれ第二フィルム212の幅方向と平行な回転軸(中心軸)を有する。第二フィルム212は、複数の第二搬送ローラのそれぞれに巻き掛けられている。第二フィルム212は、図4の側面視で複数の第二搬送ローラを囲むループ状を有する。
複数の第二搬送ローラは、第一上部ローラ231、第二上部ローラ232、第三上部ローラ233及び第四上部ローラ234を含むが、これに限定されない。例えば、複数の第二搬送ローラは、正逆回転可能な駆動ローラ、駆動ローラの回転に従って回転する従動ローラ、第二フィルム212の張力を調整するテンションローラ等の他のローラを含んでいてもよい。例えば、第一搬送装置220及び第二搬送装置230のいずれか一方が駆動ローラを含む場合は、他方は従動ローラを含んでいてもよい。
第一上部ローラ231及び第二上部ローラ232は、互いに略水平に離れて配置される。第三上部ローラ233は、第二上部ローラ232の略直上に配置される。第四上部ローラ234は、第一上部ローラ231の略直上に配置される。第一上部ローラ231は、第一下部ローラ221よりも搬送方向下流側に配置される。第一上部ローラ231は、第二フィルム212を介して第一フィルム211と対向する。第二フィルム212は、第一フィルム211の搬送に同期して搬送されることが好ましい。
実施形態の変形例では、2枚のフィルム211,212は、それぞれ単セル20の製造過程で周回可能な無端状に形成されることで、以下の効果を奏する。
単セル20の製造過程でフィルム211,212を再利用可能となる。これにより、フィルム交換等の工程が削減できるため、2枚のフィルムをそれぞれ供給部から供給して巻取部で巻き取る場合と比較して、製造効率が向上する。
<実施形態の他の変形例>
なお、上記実施形態では、溶着工程において2枚のフィルムの外側から正極側枠体と負極側枠体とを溶着する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、溶着工程では、2枚のフィルムの一方の外側から正極側枠体と負極側枠体とを溶着してもよい。
上記実施形態では、溶着工程において正極側枠体と負極側枠体とを加熱することにより溶着(熱融着)する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、溶着工程では、紫外線照射により溶着してもよいし、レーザー照射により溶着してもよい。例えば、溶着工程の態様及び溶着装置の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、溶着工程の後、フィルムを剥離して単セルを取り出す剥離工程を更に含む例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、単セルの製造方法は、剥離工程を有しなくてもよい。例えば、溶着工程の後、フィルムを剥離せず、フィルムを単に破くようにしてもよい。
上記実施形態では、被覆工程、減圧工程、溶着工程及び剥離工程を、フィルムの搬送ラインで順次行う例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、被覆工程、減圧工程、溶着工程及び剥離工程の少なくとも1つを別のラインで行ってもよい。
上記実施形態では、減圧工程及び溶着工程のそれぞれの処理対象は、1つのリチウムイオン電池用電極材である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、減圧工程及び溶着工程のそれぞれの処理対象は、複数のリチウムイオン電池用電極材であってもよい。例えば、各工程の処理対象の数は、要求仕様に応じて変更することができる。
以上、本発明の実施形態及びその変形例を説明したが、実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
19…リチウムイオン電池用電極材、20…単セル(電池セル)、45a…正極側枠体、45b…負極側枠体、100,200…単セルの製造装置(電池セルの製造装置)、101…被覆部、102…減圧装置(減圧部)、103…溶着装置(溶着部)、104…剥離部、110…搬送ライン、111,211…第一フィルム(フィルム)、112,212…第二フィルム(フィルム)

Claims (12)

  1. 電極活物質粒子を含む電極組成物と、前記電極組成物の周囲を囲むように環状に配置される枠体と、を有するリチウムイオン電池用電極材が載置される搬送用フィルムを供給する搬送用フィルム供給部と、
    前記リチウムイオン電池用電極材が載置された面とは反対側の面を覆う被覆フィルムを供給する被覆フィルム供給部と、
    前記搬送用フィルムと前記被覆フィルムとに挟まれた空間を減圧する減圧部と、
    前記減圧部による減圧空間とは別個に設けられ、前記空間内が減圧された状態で前記枠体を溶着する溶着部と、
    前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムを剥離する剥離部と、
    を備える電池セルの製造装置。
  2. 前記溶着部は、前記搬送用フィルムの外側及び前記被覆フィルムの外側から前記枠体を加熱して熱溶着する部位である、
    請求項1に記載の電池セルの製造装置。
  3. 前記搬送用フィルム供給部から供給される搬送用フィルム、及び、被覆フィルム供給部から供給される被覆フィルムは、電極集電体であり、
    前記電極集電体は、アラミドを含むフィルムから成る、
    請求項1又は2に記載の電池セルの製造装置。
  4. 前記減圧部による前記空間内の減圧の後、前記溶着部による溶着の前に、前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムで覆われたリチウムイオン電池用電極材を大気に曝す圧縮部を更に含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の電池セルの製造装置。
  5. 前記減圧部による前記空間内の減圧の後、前記溶着部による溶着の前に、前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムで覆われたリチウムイオン電池用電極材を加圧成形する加圧成形部を更に含む、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の電池セルの製造装置。
  6. 前記減圧部は、前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムで覆われたリチウムイオン電池用電極材を格納する筐体と、前記筐体内の空気を吸引する減圧装置と、を有し、
    前記加圧成形部は、前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムで覆われたリチウムイオン電池用電極材をロールプレスする一対のローラを有し、
    前記ローラは、前記筐体の外部に配置されている、
    請求項5に記載の電池セルの製造装置。
  7. 前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムは、前記電池セルの製造過程で周回可能な無端状に形成される
    請求項1または6のいずれか一項に記載の電池セルの製造装置。
  8. 前記減圧部、前記溶着部及び前記剥離部は、前記フィルムの搬送ラインに順次配置されている
    請求項1から7のいずれか一項に記載の電池セルの製造装置。
  9. 電極活物質粒子を含む電極組成物と、前記電極組成物の周囲を囲むように環状に配置される枠体と、を有するリチウムイオン電池用電極材を載置した搬送用フィルムを搬送する搬送用フィルム供給工程と、
    前記リチウムイオン電池用電極材が載置された面とは反対側の面を被覆フィルムで覆う被覆フィルム供給工程と、
    前記搬送用フィルムと前記被覆フィルムとに挟まれた空間を減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程の減圧空間とは別に区分され、前記空間内が減圧された状態で前記枠体を溶着する溶着工程と、
    前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムを剥離する剥離工程と、
    を含む電池セルの製造方法。
  10. 前記搬送用フィルム及び前記被覆フィルムは、前記電池セルの製造過程で周回可能な無端状に形成される
    請求項9に記載の電池セルの製造方法。
  11. 前記減圧工程、前記溶着工程及び前記剥離工程を、前記フィルムの搬送ラインで順次行う
    請求項9又は10に記載の電池セルの製造方法。
  12. 前記搬送用フィルム供給工程において供給される搬送用フィルム、及び、被覆フィルム供給工程において供給される被覆フィルムは、電極集電体であり、
    前記電極集電体は、アラミドを含むフィルムから成る、
    請求項9乃至11のいずれか一項に記載の電池セルの製造方法。
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