JP2021082391A - リチウムイオン電池モジュール及び電池パック - Google Patents

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真功 西口
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Kotaro Nasu
浩太郎 那須
水野 雄介
Yusuke Mizuno
雄介 水野
堀江 英明
Hideaki Horie
英明 堀江
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Abstract

【課題】減圧によってリチウムイオン電池モジュールの上面及び底面に凹みが生じたとしても、積層して接続した場合に接触不良が生じないリチウムイオン電池モジュールを提供する。【解決手段】リチウムイオン単電池100を複数個直列に積層した蓄電素子200を電池外装容器110に収容したリチウムイオン電池モジュール300であって、蓄電素子200が、最外層にある正極集電体が電池外装容器110の上面側、最外層にある負極集電体が電池外装容器110の底面側となるように枠体120に囲われた開口部に収容されて外装材150により開口部が覆われており、正極端子130と、蓄電素子200の最外層にある正極集電体とが、第一の集電部材160を介して電気的に接続され、かつ、負極端子140と、蓄電素子200の最外層にある負極集電体とが、第二の集電部材170を介して電気的に接続されている。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン電池モジュール及び電池パックに関する。
電気自動車及びハイブリッド電気自動車等の電源等に使用できる電池として高エネルギー密度のリチウムイオン電池が知られている。そして、リチウムイオン電池は、単電池を直列に接続した蓄電素子を電池外装容器に収容し、必要な電圧に調整したリチウムイオン電池モジュールや、リチウムイオン電池モジュールを複数組み合わせて電圧及び容量を調整した電池パックにして電源として使用される。
このようなリチウムイオン電池モジュールとして、例えば、特許文献1には、シート状の電極が電解質層を挟んで積層された積層物を、シート状のラミネートシートにより密閉してなる積層型電池であって、上記ラミネートシートは、密閉内部では、上記積層物の最外層の上記集電体と接触するため、外部では、電流を取り出す端子として機能するために、一部に導電層が露出されている積層型電池が開示されている。
特開2005―276486号公報
通常、リチウムイオン電池を積層した蓄電素子を電池外装容器に収容してリチウムイオン電池モジュールを作製する際には、空気や水分等を除去するために、減圧環境下で作業が行われる。
特許文献1に記載の複数のバイポーラ電池を積層した積層型電池(電池モジュールともいう)は、バイポーラ電池の厚さの均一性及び表面の平滑性等の影響により、複数積層したバイポーラ電池をラミネートシートに密封して電池モジュールを製造する際の減圧により、ラミネートシートに変形(電池モジュールの上面及び底面の一部又は全部に凹み)が生じることがある。そのため、露出された導電層の部分に凹みが生じると、電池モジュール同士を積層して接続した場合に電極間に隙間が出来て電池モジュール間の接触不良が生じることがあった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、リチウムイオン電池モジュールを製造する際の減圧によってリチウムイオン電池モジュールの上面及び底面に凹みが生じたとしても、リチウムイオン電池モジュール同士を積層して接続した場合に接触不良が生じないリチウムイオン電池モジュールの提供を目的とする。
本発明は、リチウムイオン単電池を複数個直列に積層した蓄電素子を電池外装容器に収容したリチウムイオン電池モジュールであって、上記リチウムイオン単電池が、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体がこの順に積層され、上記正極集電体と上記負極集電体とを最外層に有し、上記正極活物質層及び上記負極活物質層の外周を封止することで電解液が封入された構成であり、上記電池外装容器が、上記蓄電素子の積層方向の厚みよりも厚く硬質な枠体と、上記枠体の上面に設けられた正極端子と、上記枠体の底面に設けられた負極端子と、上記枠体に囲われた開口部を覆う外装材とを有し、上記蓄電素子が、最外層にある正極集電体が上記電池外装容器の上面側、最外層にある負極集電体が上記電池外装容器の底面側となるように上記枠体に囲われた開口部に収容されて上記外装材により開口部が覆われており、上記蓄電素子の最外層にある正極集電体と上記電池外装容器の外装材との間に第一の集電部材が配置され、上記蓄電素子の最外層にある負極集電体と上記電池外装容器の外装材との間に第二の集電部材が配置されており、上記正極端子と、上記蓄電素子の最外層にある正極集電体とが、上記第一の集電部材を介して電気的に接続され、かつ、上記負極端子と、上記蓄電素子の最外層にある負極集電体とが、上記第二の集電部材を介して電気的に接続されていることを特徴とするリチウムイオン電池モジュール。上記リチウムイオン電池モジュールを複数個含み、上記リチウムイオン電池モジュールが有する枠体の上面に設けられた正極端子と、上記リチウムイオン電池モジュールの枠体の底面に設けられた負極端子とを重ねることで、上記リチウムイオン電池モジュールの正極と負極とを直列に接続した電池パック、及び、上記リチウムイオン電池モジュールを複数個含み、上記リチウムイオン電池モジュールが有する枠体の上面に設けられた正極端子同士と、上記リチウムイオン電池モジュールの枠体の底面に設けられた負極端子同士とをそれぞれ接続し、上記リチウムイオン電池モジュールの正極と負極とを並列に接続した電池パックである。
本発明のリチウムイオン電池モジュールは、リチウムイオン電池モジュールを製造する際の減圧によってリチウムイオン電池モジュールの上面及び底面に凹みが生じたとしても、リチウムイオン電池モジュール同士を積層して接続した場合に接触不良が生じない。
図1は、リチウムイオン単電池の一例を模式的に示す断面図である。 図2Aは、本発明のリチウムイオン電池モジュールの好ましい態様の一例を模式的に示す断面図であり、図2Bは、本発明のリチウムイオン電池モジュールの好ましい態様の一例を模式的に示す斜視図である。 図3は、電池パックの第一の態様の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、電池パックの第二の態様の一例を模式的に示す断面図である。 図5は、電池パックの第二の態様の別の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明のリチウムイオン電池モジュールを説明する。
なお、モジュールとは、複数の単電池を直列に接続することでひとつの電源として機能する様に組み合わせた組み合わせ単位を意味する。
本発明のリチウムイオン電池モジュールは、リチウムイオン単電池を複数個直列に積層した蓄電素子を電池外装容器に収容したリチウムイオン電池モジュールであって、上記リチウムイオン単電池が、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体がこの順に積層され、上記正極集電体と上記負極集電体とを最外層に有し、上記正極活物質層及び上記負極活物質層の外周を封止することで電解液が封入された構成であり、上記電池外装容器が、上記蓄電素子の積層方向の厚みよりも厚く硬質な枠体と、上記枠体の上面に設けられた正極端子と、上記枠体の底面に設けられた負極端子と、上記枠体に囲われた開口部を覆う外装材とを有し、上記蓄電素子が、最外層にある正極集電体が上記電池外装容器の上面側、最外層にある負極集電体が上記電池外装容器の底面側となるように上記枠体に囲われた開口部に収容されて上記外装材により開口部が覆われており、上記蓄電素子の最外層にある正極集電体と上記電池外装容器の外装材との間に第一の集電部材が配置され、上記蓄電素子の最外層にある負極集電体と上記電池外装容器の外装材との間に第二の集電部材が配置されており、上記正極端子と、上記蓄電素子の最外層にある正極集電体とが、上記第一の集電部材を介して電気的に接続され、かつ、上記負極端子と、上記蓄電素子の最外層にある負極集電体とが、上記第二の集電部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
まずは、リチウムイオン単電池について説明する。
[リチウムイオン単電池]
リチウムイオン単電池は、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体がこの順に積層され、上記正極集電体と上記負極集電体とを最外層に有し、上記正極活物質層及び上記負極活物質層の外周を封止することで電解液が封入された構成である。
図1は、リチウムイオン単電池の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すリチウムイオン単電池100は、正極集電体11、正極活物質層13、セパレータ30、負極活物質層23及び負極集電体21がこの順に積層されており、正極集電体11と負極集電体21とを最外層に有する。正極活物質層13及び負極活物質層23の外周は、封止材40により封止され、電解液が封入された構成を有する。
以下、リチウムイオン単電池の各構成について説明する。
(正極集電体)
正極集電体11としては、公知のリチウムイオン単電池に用いられる集電体を用いることができ、例えば公知の金属集電体及び導電材料と樹脂とを含む導電性樹脂組成物から構成されてなる樹脂集電体(特開2012−150905号公報及び国際公開第2015−005116号等に記載の樹脂集電体等)を用いることができる。
正極集電体11は、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。
金属集電体としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン及びこれらの金属を1種以上含む合金、並びに、ステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属材料が挙げられる。これらの金属材料は薄板や金属箔等の形態で用いてもよい。また、上記金属材料以外で構成される基材表面にスパッタリング、めっき、塗布等の方法により上記金属材料による皮膜を形成したものを金属集電体として用いてもよい。
樹脂集電体としては、導電性フィラーとマトリックス樹脂とを含むことが好ましい。
マトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
導電性フィラーは、導電性を有する材料から選択される。
具体的には、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電性フィラーは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電性フィラーとしては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電性フィラーの材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電性フィラーの平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μmであることが好ましく、0.02〜5μmであることがより好ましく、0.03〜1μmであることがさらに好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
導電性フィラーの形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている形態であってもよい。
導電性フィラーは、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。
導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだ繊維状のポリプロピレン樹脂も好ましい。
導電性フィラーが導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1〜20μmであることが好ましい。
樹脂集電体中の導電性フィラーの重量割合は、5〜90重量%であることが好ましく、20〜80重量%であることがより好ましい。
特に、導電性フィラーがカーボンの場合、導電性フィラーの重量割合は、20〜30重量%であることが好ましい。
樹脂集電体は、マトリックス樹脂及び導電性フィラーのほかに、その他の成分(分散剤、架橋促進剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤等)を含んでいてもよい。また、導電性樹脂組成物からなる複数の層を積層して用いてもよく、樹脂集電体と金属箔とを積層して用いても良い。
正極集電体11の厚さは特に限定されないが、5〜150μmであることが好ましい。複数の層を積層して正極集電体として用いる場合には、積層後の全体の厚さが5〜150μmであることが好ましい。
正極集電体11は、例えば、マトリックス樹脂、導電性フィラー及び必要により用いるフィラー用分散剤を溶融混練して得られる導電性樹脂組成物を公知の方法でフィルム状に成形することにより得ることができる。
導電性樹脂組成物をフィルム状に成形する方法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法及びカレンダー法等の公知のフィルム成形法が挙げられる。なお、正極集電体11は、フィルム成形以外の成形方法によっても得ることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層13は、正極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。
ここで、非結着体とは、正極活物質層中において正極活物質の位置が固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質同士及び正極活物質と集電体とが不可逆的に固定されていないことを意味する。
正極活物質層13が非結着体である場合、正極活物質同士は不可逆的に固定されていないため、正極活物質同士の界面で破壊を生じることなく分離することができ、正極活物質層13に応力がかかった場合でも正極活物質が移動することで正極活物質層13の破壊を防止することができ好ましい。
非結着体である正極活物質層13は、正極活物質と電解液とを含みかつ結着剤を含まない混合物を正極活物質層13にする等の方法で得ることができる。
なお、本明細書において、結着剤とは、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は、溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで固体化して、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを不可逆的に固定するものである。
正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO、LiNi1−xCo、LiMn1−yCo、LiNi1/3Co1/3Al1/3及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM’M’’(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ−p−フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
正極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜35μmであることがより好ましく、2〜30μmであることがさらに好ましい。
正極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆正極活物質であってもよい。
正極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、正極の体積変化が緩和され、正極の膨張を抑制することができる。
被覆材を構成する高分子化合物としては、特開2017−054703号公報及び国際公開第2015−005117号等に活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
被覆材には、導電剤が含まれていてもよい。
導電剤としては、正極集電体11に含まれる導電性フィラーと同様のものを好適に用いることができる。
正極活物質層13には、粘着性樹脂が含まれていてもよい。
粘着性樹脂としては、例えば、特開2017−054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調整したもの、及び、特開平10−255805公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。
なお、粘着性樹脂は、粘着性(水、溶剤、熱などを使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、上述した溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤は、溶剤を揮発、留去させることで粘着性を有すことなく固体化するものを意味する。
従って、上述した結着剤と粘着性樹脂とは異なる材料である。
正極活物質層13には、電解質と非水溶媒を含む電解液が含まれていてもよい。
電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiN(FSO及びLiClO等の無機酸のリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO等の有機酸のリチウム塩等が挙げられ、LiN(FSO(LiFSIともいう)が好ましい。
非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
ラクトン化合物としては、5員環(γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等)及び6員環のラクトン化合物(δ−バレロラクトン等)等を挙げることができる。
環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びブチレンカーボネート等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及びプロピオン酸メチル等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2−ジメトキシエタン等が挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリクロロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)、2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン、2−トリフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン及び2−メトキシエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒の内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン化合物、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルであり、更に好ましいのはラクトン化合物、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、特に好ましいのは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。最も好ましいのはエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液、又は、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合液である。
正極活物質層13には、導電助剤が含まれていてもよい。
導電助剤としては、正極集電体11に含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
正極活物質層13における導電助剤の重量割合は、3〜10重量%であることが好ましい。
正極活物質層13は、例えば、正極活物質及び電解液を含む混合物を正極集電体11又は基材の表面に塗布し、余分な電解液を除去する方法、正極活物質及び電解液を含む混合物を基材の上で圧力を加える等して成形する方法等によって作製することができる。
基材の表面に正極活物質層13を形成した場合、転写等の方法によって正極活物質層13を正極集電体11と組み合わせればよい。
上記混合物には、必要に応じて、導電助剤や粘着性樹脂が含まれていてもよい。また、正極活物質は被覆正極活物質であってもよい。
正極活物質層13の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150〜600μmであることが好ましく、200〜450μmであることがより好ましい。
(負極集電体)
負極集電体21としては、正極集電体11で記載した構成と同様のものを適宜選択して用いることができ、同様の方法により得ることができる。
負極集電体21は、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。
負極集電体21の厚さは特に限定されないが、5〜150μmであることが好ましい。
(負極活物質層)
負極活物質層23は、負極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。負極活物質層が非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である負極活物質層23を得る方法等は、正極活物質層13が非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である正極活物質層13を得る方法と同様である。
負極活物質としては、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素−炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素−アルミニウム合金、珪素−リチウム合金、珪素−ニッケル合金、珪素−鉄合金、珪素−チタン合金、珪素−マンガン合金、珪素−銅合金及び珪素−スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
上記負極活物質のうち、内部にリチウム又はリチウムイオンを含まないものについては、予め負極活物質の一部又は全部にリチウム又はリチウムイオンを含ませるプレドープ処理を施してもよい。
これらの中でも、電池容量等の観点から、炭素系材料、珪素系材料及びこれらの混合物が好ましく、炭素系材料としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素及びアモルファス炭素がさらに好ましく、珪素系材料としては、酸化珪素及び珪素−炭素複合体がさらに好ましい。
負極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、2〜10μmであることがさらに好ましい。
本明細書において、負極活物質の体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
負極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆負極活物質であってもよい。
負極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、負極の体積変化が緩和され、負極の膨張を抑制することができる。
被覆材としては、被覆正極活物質を構成する被覆材と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層23は、電解質と非水溶媒を含む電解液を含有する。
電解液の組成は、正極活物質層13に含まれる電解液と同様の電解液を好適に用いることができる。
負極活物質層23には、導電助剤が含まれていてもよい。
導電助剤としては、正極活物質層13に含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
負極活物質層23における導電助剤の重量割合は、2〜10重量%であることが好ましい。
負極活物質層23には、粘着性樹脂が含まれていてもよい。
粘着性樹脂としては、正極活物質層13の任意成分である粘着性樹脂と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層23は、例えば、負極活物質及び電解液を含む混合物を負極集電体21又は基材の表面に塗布し、余分な電解液を除去する方法によって作製することができる。
基材の表面に負極活物質層23を形成した場合、転写等の方法によって負極活物質層23を負極集電体21と組み合わせればよい。
上記混合物には、必要に応じて、導電助剤や粘着性樹脂等が含まれていてもよい。また、負極活物質は被覆負極活物質であってもよい。
負極活物質層23の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150〜600μmであることが好ましく、200〜450μmであることがより好ましい。
(セパレータ)
セパレータ30としては、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム、上記多孔性フィルムの積層フィルム(多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンとの積層フィルム等)、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)又はガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン単電池に用いられるセパレータが挙げられる。
(リチウムイオン単電池)
リチウムイオン単電池100は、正極活物質層13及び負極活物質層23の外周を封止することで電解液が封入された構成である。
正極活物質層13及び負極活物質層23の外周を封止する方法としては、例えば、封止材40を用いて封止する方法が挙げられる。
封止材40は、正極集電体11及び負極集電体21の間に配置されており、セパレータ30の外周を封止する機能を有する。
封止材40としては、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、高分子材料(エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリフッ化ビニリデン樹脂等)が好ましく、なかでも、耐久性が高く取り扱いが容易である観点から、エポキシ系樹脂がより好ましい。
また、封止材40としては、上述した電解液に対して耐久性のある材料からなるシートの中央部等に、正極活物質層13又は負極活物質層23を収容する貫通孔を設けて枠状にしたもの(以下、枠状封止材ともいう)等であっても良い。
リチウムイオン単電池100の製造方法としては、例えば、正極集電体11、正極活物質層13、セパレータ30、負極活物質層23及び負極集電体21をこの順に重ね合わせた後、電解液を注入し、正極活物質層13及び負極活物質層23の外周を封止材40で封止する方法等で得ることができる。正極活物質層13及び負極活物質層23の外周を封止材40で封止する方法としては、液状の封止材を塗布し硬化して封止する方法が挙げられる。
また、封止材40が枠状封止材である場合には、例えば、枠状封止材の枠面に正極集電体11を接合して貫通孔の一端を封止した後、枠状封止材の貫通孔に正極活物質及び電解液を含む混合物を塗布して正極活物質層13を形成する。その一方で、別の枠状封止材の枠面に負極集電体21を接合して貫通孔の一端を封止した後、枠状封止材の貫通孔に負極活物質及び電解液を含む混合物を塗布して負極活物質層23を形成する。次いで、いずれかの枠状封止材の集電体を接合していない方の枠面上にセパレータを挿入し、正極活物質層13と負極活物質層23とが、セパレータを挟んで対向した状態となるように枠状封止材同士を接着して封止する方法でリチウムイオン単電池100を得ることができる。
[リチウムイオン電池モジュール]
本発明のリチウムイオン電池モジュールは、上述したリチウムイオン単電池100を複数個直列に積層した蓄電素子を電池外装容器に収容し、上記電池外装容器が、上記蓄電素子の積層方向の厚みよりも厚く硬質な枠体と、上記枠体の上面に設けられた正極端子と、上記枠体の底面に設けられた負極端子と、上記枠体に囲われた開口部を覆う外装材とを有し、上記蓄電素子が、最外層にある正極集電体が上記電池外装容器の上面側、最外層にある負極集電体が上記電池外装容器の底面側となるように上記枠体に囲われた開口部に収容されて上記外装材により開口部が覆われており、上記蓄電素子の最外層にある正極集電体と上記電池外装容器の外装材との間に第一の集電部材が配置され、前記蓄電素子の最外層にある負極集電体と上記電池外装容器の外装材との間に第二の集電部材が配置されており、上記正極端子と、上記蓄電素子の最外層にある正極集電体とが、上記第一の集電部材を介して電気的に接続され、かつ、上記負極端子と、上記蓄電素子の最外層にある負極集電体とが、上記第二の集電部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
図2Aは、本発明のリチウムイオン電池モジュールの好ましい態様の一例を模式的に示す断面図であり、図2Bは、本発明のリチウムイオン電池モジュールの好ましい態様の一例を模式的に示す斜視図である。
図2A及び図2Bに示すリチウムイオン電池モジュール300では、リチウムイオン単電池100を複数個直列に積層した蓄電素子200が、電池外装容器110に収容されている。
電池外装容器110は、蓄電素子200の積層方向の厚みよりも厚く硬質な枠体120と、枠体120の上面に設けられた正極端子130と、枠体120の底面に設けられた負極端子140と、枠体120に囲われた開口部を覆う外装材150とを有している。
蓄電素子200は、最外層にある正極集電体が電池外装容器110の上面側、最外層にある負極集電体が電池外装容器の底面側となるように枠体120に囲われた開口部に収容されて外装材150により開口部が覆われている。
蓄電素子200の最外層にある正極集電体と外装材150との間に第一の集電部材160が配置され、蓄電素子200の最外層にある負極集電体と外装材150との間に第二の集電部材170が配置されており、正極端子130と、蓄電素子200の最外層にある正極集電体とが、第一の集電部材160を介して電気的に接続され、かつ、負極端子140と、蓄電素子200の最外層にある負極集電体とが、第二の集電部材170を介して電気的に接続されている。
リチウムイオン電池モジュール300では、蓄電素子200の最外層にある正極集電体と第一の集電部材160との間及び/又は蓄電素子200の最外層にある負極集電体と第二の集電部材170との間に、導電性の弾性部材180が設けられている。
以下、本発明のリチウムイオン電池モジュールについて説明する。
(蓄電素子)
本発明のリチウムイオン電池モジュール300は、上述したリチウムイオン単電池100を複数個直列に積層した蓄電素子200を有する。
蓄電素子200は、リチウムイオン単電池100を含む。
蓄電素子200は、リチウムイオン単電池100を1つ含む構成であってもよいし、リチウムイオン単電池100を複数個直列に積層された構成であってもよい。
リチウムイオン電池モジュールの出力を向上する観点から、蓄電素子200は、リチウムイオン単電池100が複数個直列に積層された構成であることが好ましく、例えば、リチウムイオン単電池100が5個以上直列に積層された構成であることが好ましく、7個以上直列に積層された構成であることがより好ましい。
なお、蓄電素子200が、リチウムイオン単電池100が複数個直列に積層された構成である場合には、隣接する一のリチウムイオン単電池100の正極と他のリチウムイオン単電池100の負極とが接触するように、すなわち、各リチウムイオン単電池100が同じ向きとなるように積層されていることが好ましい。複数個のリチウムイオン単電池100を同じ向きとなるように積層して蓄電素子200を構成した場合、蓄電素子200に含まれるいずれかのリチウムイオン単電池200に不良があった場合には、端子の接続をやり直す等の作業をすることなく不良のリチウムイオン単電池100のみを置き換えるだけで正常な蓄電素子200にすることができるので好ましい。
(電池外装容器)
電池外装容器110は、蓄電素子200の積層方向の厚みよりも厚く硬質な枠体120と、枠体120の上面に設けられた正極端子130と、枠体120の底面に設けられた負極端子140と、枠体120に囲われた開口部を覆う外装材150とを有する。
<枠体>
枠体120は、蓄電素子200の積層方向の厚みよりも厚く、硬質な材料により形成される。
枠体120がこのような性質を有することにより、リチウムイオン電池モジュールを製造する際の減圧によってリチウムイオン電池モジュール300の上面及び底面の一部に凹み(外装材150の部分の凹み)が生じたとしても、枠体120が変形することがなく、正極端子130が設けられた枠体の上面及び負極端子140が設けられた枠体の底面が平滑に保たれるので、リチウムイオン電池モジュール300同士を積層した場合に枠体120上にある正極端子130と負極端子140とを隙間無く面接触させて接続することができ、接触不良が生じない。
枠体120は、正極端子130と負極端子140との間の短絡を防ぐ観点から、絶縁であり、かつ、透湿性の低い材料又は透湿性を有さない材料であることが好ましい。
そのような材料としては、例えば、ガラスや、アルミナ系材料、シリカ系材料、セリア系材料、ジルコニア系材料等のセラミック、及び、透湿度の低い樹脂(エポキシ樹脂等)等を用いることができる。枠体120は、1種類の材料で構成されていても、複数の材料で構成されていてもよく、複数の材料で構成されている場合には、枠体120の内側から外側に向けて異なる材料による層を有して構成していることが好ましい。枠体120が、その内側から外側に向けて異なる材料による層を有する場合も、その層の少なくとも一つが、絶縁であり、かつ、非透湿性の低い又は透湿性を有さない材料であることも好ましい。また、枠体120が、その内側から外側に向けて異なる材料による層を有する場合には、絶縁性の材料からなる層と、透湿性の低い又は透湿性を有さない材料からなる層とを別々に設けてもよく、最も内側にある層を絶縁性の材料で構成することが更に好ましい。
枠体120は、蓄電素子200の積層方向の厚みよりも厚い。
枠体120の厚みとしては、蓄電素子200の積層方向の厚みと同じ以上であることが好ましく、蓄電素子200の積層方向の厚みよりもさらに0.1〜1mm厚いことが好ましい。
なお、枠体120の厚みとは、枠体120の底面から上面までの長さを意味する。
枠体120に囲われた開口部の大きさとしては、蓄電素子200を収容できる大きさであれば特に限定されず、収容する蓄電素子200に応じて適宜選択することができる。
枠体120の壁面の厚みとしては、充分な硬度を付与できる厚みがあれば特に限定されず、例えば、3〜10mmであることが好ましく、3〜5mmであることがより好ましい。
枠体120の形状としては、特に限定されず、三角形、四角形、五角形等の多角形や、円形、楕円形等が挙げられるが、四角形であることが好ましい。
枠体120を形成する方法としては、枠体120の底面及び下面を平滑な状態で形成できる方法であれば特に限定されず、例えば、枠体120を構成する材料に対して、打ち抜き加工を施す方法、枠体120を構成する材料を直方体状に成形し、枠状になるように接合する方法等が挙げられる。
<外装材>
外装材150は、枠体に囲われた開口部を覆う部材である。
外装材150が枠体120の上面において固定されることで、枠体120に囲われた開口部の内側に蓄電素子200が封入される。
外装材150としては、例えば、金属シートと高分子シートとの複合材料及びラミネート容器等に用いられる高分子金属複合フィルムや、金属製電池缶に用いられる金属シート等が挙げられる。
高分子金属複合フィルムとして好ましいものとしては、内側から順に、樹脂層aと、金属層bと、樹脂層cとを有するものが挙げられる。
樹脂層aとしては、金属層bに積層した熱融着性樹脂フィルムであっても、金属層bにコーティングした熱融着性樹脂であってもよく、なかでも熱融着性樹脂フィルムであることが好ましい。
熱融着性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン、アイオノマー、エチレンビニルアセテート(EVA)等の熱融着性樹脂製のフィルムを用いることができる。
熱融着性樹脂フィルムは、蓄電素子200を内部に収容する際にはシール層としても作用する。また、熱融着性樹脂フィルムは、絶縁層としての役割も有する。
樹脂層aの厚さとしては特に限定されないが、例えば、10μm〜1000μmである。
金属層bとしては、例えば、金属箔及び金属シート等を用いることができ、金属としてはアルミニウム、ニッケル、ステンレス及び銅等を用いることができる。
金属層bの厚さとしては特に限定されないが、例えば、10μm〜300μmである。
樹脂層cとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル製フィルムや、樹脂層aで例示した熱融着製樹脂フィルムや、ポリアミド(ナイロン(登録商標))等のポリアミド系合成繊維等の樹脂シートを用いることができる。
樹脂層cの厚さとしては特に限定されないが、例えば、10μm〜1000μmである。
外装材150の具体的な構成としては例えば、内側から順に、ポリエチレン(PE)/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート(PET)が積層された構成;ポリエチレン(PE)/アルミニウム箔/ナイロン(登録商標)が積層された構成;アイオノマー/ニッケル箔/ポリエチレンテレフタレート(PET)が積層された構成;エチレンビニルアセテート(EVA)/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート(PET)が積層された構成;アイオノマー/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート(PET)が積層された構成等が挙げられる。
<端子>
リチウムイオン電池モジュール300では、正極端子130が枠体120の上面に設けられ、負極端子140が枠体120の底面に設けられている。
正極端子130及び負極端子140は、それぞれリチウムイオン電池モジュール300の外側に露出するように設けられていれば厚みや幅は特に限定されない。
正極端子130の厚みや幅としては、例えば、厚みを100〜500μmに、幅を1〜3mmにすることができる。
また、負極端子140の厚みや幅としては、例えば、厚みを100〜500μmに、幅を1〜3mmにすることができる。
正極端子130及び負極端子140としては、電気伝導性を有する材料を枠体120の上面及び底面にそれぞれ配置したものが挙げられる。
電気伝導性を有する材料としては、ニッケル、チタン、アルミニウム、銀、銅、白金、鉄、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、アンチモン及びカリウム等の金属又はこれらの金属を含む合金等の電気抵抗の低い金属を好ましく用いることができる。
正極端子130及び負極端子140は、正極端子及び負極端子が枠体120の枠面上で後述する集電部材と接触する様に配置してあればその配置方法に特に限定はない。
正極端子130及び負極端子140を枠体120の枠面に配置する方法としては、例えば、前記の電気伝導性を有する材料をシート状にし、外装材150の下に挿入された集電部材と接触できるようにしたまま外装材150の上から配置する方法、及びこれらの電気伝導性を有する材料を枠内120の上に集電部材と重ねて配置された外装材150の上から蒸着等の方法で配置する方法等が挙げられる。この他、公知の導線を枠体120の上に配置して用いることもできる。
また、枠体120の枠面上に集電部材と外装材150とを導電性粘着層を有する市販の導電性金属テープ(例えば、導電性アルミ箔テープ等)を用いて固定した場合には、枠面上に接着した導電性金属テープを端子とすることもできる。
(集電部材)
リチウムイオン電池モジュール300は、蓄電素子200の最外層にある正極集電体と電池外装容器110の外装材150との間に第一の集電部材160が配置され、蓄電素子200の最外層にある負極集電体と電池外装容器110の外装材150との間に第二の集電部材170が配置されている。
リチウムイオン電池モジュール300では、正極端子130と、蓄電素子200の最外層にある正極集電体とが、第一の集電部材160を介して電気的に接続され、かつ、負極端子140と、蓄電素子200の最外層にある負極集電体とが、第二の集電部材170を介して電気的に接続されている。
第一の集電部材160及び第二の集電部材170としては、電気抵抗値の低い材料からなるシート状部材を用いることができ、例えば、金属、導電性炭素材料等を電気抵抗値の低い材料として好適に用いることができる。
蓄電素子200の最外層にある正極集電体及び負極集電体が樹脂集電体である場合、樹脂集電体は、厚み方向へは電気抵抗が低いが、面方向へは厚み方向に比べて電気抵抗値が高い。そのため、樹脂集電体と端子(正極端子130、負極端子140)との接続だけでは、効率的に電気的に接続することが困難な場合がある。
正極集電体及び負極集電体として樹脂集電体を用いた場合に、集電部材として金属及び導電性炭素材料等からなるシート等の面方向に対しても電気抵抗値の低い材料を用いることで、蓄電素子200の最外層にある正極集電体又は負極集電体と端子(正極端子130、負極端子140)との間を低い電気抵抗で接続することが可能になる。
第一の集電部材160及び第二の集電部材170を構成する金属としては、ニッケル、チタン、アルミニウム、銀、銅、白金、鉄、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、アンチモン及びカリウム等の金属又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。
第一の集電部材160及び第二の集電部材170を構成する導電性炭素材料としては、非晶質カーボン粒子(カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及びリグニンブラック等)、カーボンナノチューブ、炭素繊維、グラファイト及びグラフェン等が挙げられる。
また、炭素繊維を用いた織物若しくは不織物(カーボンクロス)、又はシート状のグラファイト(グラファイトシートともいう)等の導電性炭素シートを用いることもできる。
特に、第一の集電部材160及び第二の集電部材170として、カーボンクロス等を用いた場合には、短絡等の原因により大電流が流れたときにカーボンクロスが焼けて切断されるため、安全装置として機能することもできる。
第一の集電部材160及び第二の集電部材170の形態としては、蓄電素子200の最外層にある正極集電体上又は負極集電体上に配置できる形態であれば特に限定されず、シート状、メッシュ状、多孔質体等であってもよい。
外装材150として、上述した高分子金属複合フィルムを用いた場合、外装材150の樹脂層cを剥離して金属層bを露出させることにより、金属層bを第一の集電部材160又は第二の集電部材170として用いることもできる。
樹脂層cを剥離して金属層bを露出させる方法としては、例えば、トルエン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、四塩化炭素などの有機溶剤を用いて高温処理をすることにより樹脂層cを剥離して、金属層bを露出する方法等を用いることができる。
第一の集電部材160及び第二の集電部材170の厚みとしては、蓄電素子200の最外層にある正極集電体又は負極集電体と、端子(正極端子130、負極端子140)とが電気的に接続できる厚みであれば特に限定されない。
(弾性部材)
リチウムイオン電池モジュール300は、蓄電素子200の最外層にある正極集電体と第一の集電部材160との間及び/又は蓄電素子200の最外層にある負極集電体と第二の集電部材170との間に、導電性の弾性部材180を有することが好ましい。
リチウムイオン電池モジュール300では、弾性部材180を有することにより、正極集電体と第一の集電部材160との間及び負極集電体と第二の集電部材170との間に生じる接触不良をより好適に防止することができる。
弾性部材180は、蓄電素子200の最外層にある正極集電体と第一の集電部材160との間及び/又は蓄電素子200の最外層にある負極集電体と第二の集電部材170との間に有しており、蓄電素子200にかかる応力によって変形できる柔軟性を有する弾性体であれば制限はないが、例えば、金属又は金属繊維からなる弾性体を好適に用いることができる。
弾性部材180を構成する金属としては、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、白金、鉄、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、アンチモン及びカリウム等の金属又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。
弾性部材180としてこれらの金属を用いることにより、高い電気伝導性を得ることができる。
弾性部材180としては、例えば、植物繊維及び/又は金属以外の繊維(ガラス繊維、炭素繊維等)の織物又は不織物に対して、導電性炭素材料を混合又はコーティングして担持した弾性体を用いることもできる。
導電性炭素材料としては、非晶質カーボン粒子(カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及びリグニンブラック等)、カーボンナノチューブ、炭素繊維、グラファイト及びグラフェンからなる少なくとも1つ以上を選択することができる。
また、炭素繊維からなる織物若しくは不織物(カーボンクロス)、又はシート状のグラファイト(グラファイトシートともいう)等の導電性炭素シートを用いることもできる。
なかでも、蓄電素子200のゆがみを好適に吸収することができ、かつ、高い電気伝導性を備える観点から、カーボンクロス又はグラファイトシートであることが好ましい。
弾性部材180としては、弾性を有する高分子材料に対して、上述の導電性炭素材料又は金属を混合した弾性体や、弾性を有する高分子材料の表面に上述の導電性炭素材料又は金属をコーティングした弾性体を用いることもできる。
このような弾性を有する高分子材料としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、クロロプレーンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、エチレンゴム、プロピレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソブチレン、塩化ポリエチレン、イソプレンゴム、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンを用いることができる。
蓄電素子200の最外層の正極集電体又は蓄電素子200の最外層の負極集電体の面積に対する弾性部材180の面積の割合は、70%以上であることが好ましい。
弾性部材180がこのような面積の割合を有することにより、蓄電素子200のゆがみや電極の厚さのムラに起因する接触不良を好適に防止することができる。また、リチウムイオン電池モジュール300の正極として機能する面と負極として機能する面とを平滑にすることができる。
弾性部材180の面積の割合は、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
弾性部材180の厚さは特に限定されず、第一の集電部材160又は第二の集電部材170と、蓄電素子200の最外層の正極集電体又は負極集電体との双方に接する厚さがあればよく、例えば、50μm〜500μmである。
弾性部材180の弾性率としては、例えば、25℃で0.01〜50MPa/mmとすることが好ましい。
弾性部材180の弾性率は、例えば、0.01MPa/mmよりも小さい場合には、弾性部材180が変形してしまうことがあり、50MPa/mmよりも大きい場合には蓄電素子200との接触面に対する追従性が低下してしまうことがある。
弾性部材180の弾性率は、従来公知の弾性率測定方法によって求めることができ、例えば、荷重試験器(JIS K 6272の4.(試験機の等級分類)に規定する力計測系1級以上の精度を持つ試験装置を使用する。例えば、今田製作所(株)製の引張圧縮試験機SDWS)で弾性部材180に所定の荷重をかけた時の変位量から算出する方法によって求めることができる。弾性部材180がゴムの場合、JIS K 6254:2010に記載のA法によって求めることができる。また、弾性部材180の許容ひずみとしては、例えば、30〜99%であることが好ましい。
(リチウムイオン電池モジュールの製造方法)
リチウムイオン電池モジュール300の製造方法としては、蓄電素子200を前記の構成を備えた電池外装容器110に収容できれば特に限定されないが、例えば、枠体120を準備し、枠体120に囲われた開口部に、最外層にある正極集電体が上面側、最外層にある負極集電体が底面側となるように蓄電素子200を収容する。次いで、蓄電素子200の上面側に、必要に応じて用いる弾性部材180を介して第一の集電部材160を配置し、蓄電素子200の底面側に、必要に応じて用いる弾性部材180を介して第二の集電部材170を配置する。その後、枠体120の開口部に外装材150を配置し、枠体120の上面に正極端子130としての導電性金属テープを、枠体120の底面に負極端子140としての導電性金属テープ等をそれぞれ配置して封止すること等により、リチウムイオン電池モジュール300を製造することができる。
なお、枠体120に蓄電素子200を封入する工程は、負圧環境下で行うことが好ましい。負圧環境下で封止を行うと、リチウムイオン電池モジュール300を常圧下に出した時に外装材150が大気圧によって枠体120の内側に向けて押され、蓄電素子200と集電部材(第一の集電部材160及び第二の集電部材170)との密着性が高まり好ましい。
[電池パック]
電池パックとは、用途に合わせて電源としての容量及び電圧等を調整すること等を目的として、複数個の電池モジュールを直列又は並列に繋いで構成された電池システムを意味し、電池モジュールの他に充放電制御回路等が組み合わされていてもよい。
(電池パックの第一の態様)
本発明の電池パックの第一の態様は、リチウムイオン電池モジュールを複数個含み、リチウムイオン電池モジュールが有する枠体の上面に設けられた正極端子と、リチウムイオン電池モジュールの枠体の底面に設けられた負極端子とを重ねることで、リチウムイオン電池モジュールの正極と負極とを直列に接続した構成を有する。
図3は、電池パックの第一の態様の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示す電池パック400は、リチウムイオン電池モジュール300を複数個含み、リチウムイオン電池モジュール300が有する枠体の上面に設けられた正極端子130と、リチウムイオン電池モジュール300の枠体の底面に設けられた負極端子140とを重ねることで、リチウムイオン電池モジュール300の正極と負極とが直列になるように接続されている。
電池パック400において、リチウムイオン電池モジュール300は、隣接する一のリチウムイオン電池モジュール300の正極端子130と他のリチウムイオン電池モジュール300の負極端子140とが接触するように、すなわち、各リチウムイオン電池モジュール300内における蓄電素子200の向きが一致するように積層されている。
電池パック400は、このような構成を有するため、出力を高めることができる。
リチウムイオン電池モジュール300は、枠体が蓄電素子の積層方向の厚みよりも厚く、硬質な材料により形成されているため、リチウムイオン電池モジュールを製造する際の減圧によってリチウムイオン電池モジュール300の上面及び底面に凹みが生じたとしても、枠体が変形することがなく、正極端子130が設けられた枠体の上面及び負極端子140が設けられた枠体の底面が平滑に保たれるので、リチウムイオン電池モジュール300同士を直列接続しても電気的接続が良好である。
電池パックの出力を向上する観点から、例えば、リチウムイオン電池モジュール300を5個以上直列に接続した構成であることが好ましく、7個以上直列に接続した構成であることがより好ましい。
電池パック400は、複数のリチウムイオン電池モジュール300間を接続する部材を使用することなく、積層することにより形成されているので、リチウムイオン電池モジュール300の一つに不良品があった場合でも、リチウムイオン電池モジュール300間の配線をやり直すことなく不良品を取り換えるだけで、後の良品をそのまま使用できるため、メンテナンス性と経済性に優れる。
(電池パックの第二の態様)
本発明の電池パックの第二の態様は、リチウムイオン電池モジュールを複数個含み、リチウムイオン電池モジュールが有する枠体の上面に設けられた正極端子同士と、リチウムイオン電池モジュールの枠体の底面に設けられた負極端子同士とをそれぞれ接続し、リチウムイオン電池モジュールの正極と負極とを並列に接続した構成を有する。
図4は、電池パックの第二の態様の一例を模式的に示す断面図である。
図4に示す電池パック500は、リチウムイオン電池モジュール300を複数個含み、リチウムイオン電池モジュール300の正極端子130が正極集電板310と電気的に接続されており、負極端子140が負極集電板320と電気的に接続するように、並列に接続されている。
電池パック500は、このような構成を有するため、高容量の電源として用いることができる。
電池パック500の寿命を向上する観点から、例えば、リチウムイオン電池モジュール300を5個以上並列に接続した構成であることが好ましく、7個以上並列に接続した構成であることがより好ましい。
電池パック500では、リチウムイオン電池モジュール300の上面及び底面に凹みが生じたとしても、正極端子130が設けられた枠体の上面及び負極端子140が設けられた枠体の底面は平滑に保たれるので、リチウムイオン電池モジュール300の正極端子130と正極集電板310との電気的接続、及び負極端子140と負極集電板320との電気的接続が良好である。
正極集電板310及び負極集電板320を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン電池用の集電板として公知の高導電性材料を用いることができる。
集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。
軽量、耐食性、高導電性の観点から、アルミニウム、銅であることがより好ましく、アルミニウムであることが特に好ましい。
なお、正極集電板310及び負極集電板320は、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
電池パック500は、複数のリチウムイオン電池モジュール300を正極集電板310と負極集電板320との間に挟むことにより形成されているので、リチウムイオン電池モジュール300の一つに不良品があった場合でも、不良品を抜き取るだけで、後の良品をそのまま使用でき、メンテナンス性と経済性に優れる。
本発明の電池パックの第二の態様としては、本発明のリチウムイオン電池モジュール300が、正極端子同士、負極端子同士が接するように上下反転させながら複数個積層されており、正極端子同士、及び、負極端子同士が、それぞれ出力端子に接続されることにより、並列に接続された構成であってもよい。
図5は、電池パックの第二の態様の別の一例を模式的に示す断面図である。
図5に示す電池パック600は、リチウムイオン電池モジュール300が、正極端子130同士、負極端子140同士が接するように上下反転させながら複数個積層されており、正極端子130同士、及び、負極端子140同士が、それぞれ接続手段330を介して、出力端子340及び350に接続されることにより、並列に接続されている。電池パック600では、出力端子340及び350を介して充放電が行われる。
電池パック600は、このような構成を有するため、高容量の電源として用いることができる。
電池パック600の寿命を向上する観点から、例えば、リチウムイオン電池モジュール300を5個以上並列に接続した構成であることが好ましく、7個以上並列に接続した構成であることがより好ましい。
電池パック600では、リチウムイオン電池モジュール300の上面及び底面に凹みが生じたとしても、正極端子130が設けられた枠体の上面及び負極端子140が設けられた枠体の底面は平滑に保たれるので、電気的接続が良好である。
接続手段330、並びに、出力端子340及び350としては、特に限定されず、リチウムイオン電池用に用いられる公知のものを適宜選択して用いることができる。
電池パック600は、電池モジュール300が上下反転させながら複数個積層されることにより形成されているので、リチウムイオン電池モジュール300の一つに不良品があった場合でも、不良品を抜き取るだけで、後の良品をそのまま使用でき、メンテナンス性と経済性に優れる。
本発明のリチウムイオン電池モジュールは、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター、ハイブリッド自動車及び電気自動車用に用いられるリチウムイオン電池モジュールとして有用である。
11 正極集電体
13 正極活物質層
21 負極集電体
23 負極活物質層
30 セパレータ
40 封止材
100 リチウムイオン単電池
110 電池外装容器
120 枠体
130 正極端子
140 負極端子
150 外装材
160 第一の集電部材
170 第二の集電部材
180 弾性部材
200 蓄電素子
300 リチウムイオン電池モジュール
310 正極集電板
320 負極集電板
330 接続手段
340、350 出力端子
400、500、600 電池パック

Claims (7)

  1. リチウムイオン単電池を複数個直列に積層した蓄電素子を電池外装容器に収容したリチウムイオン電池モジュールであって、
    前記リチウムイオン単電池が、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体がこの順に積層され、前記正極集電体と前記負極集電体とを最外層に有し、前記正極活物質層及び前記負極活物質層の外周を封止することで電解液が封入された構成であり、
    前記電池外装容器が、前記蓄電素子の積層方向の厚みよりも厚く硬質な枠体と、前記枠体の上面に設けられた正極端子と、前記枠体の底面に設けられた負極端子と、前記枠体に囲われた開口部を覆う外装材とを有し、
    前記蓄電素子が、最外層にある正極集電体が前記電池外装容器の上面側、最外層にある負極集電体が前記電池外装容器の底面側となるように前記枠体に囲われた開口部に収容されて前記外装材により開口部が覆われており、
    前記蓄電素子の最外層にある正極集電体と前記電池外装容器の外装材との間に第一の集電部材が配置され、前記蓄電素子の最外層にある負極集電体と前記電池外装容器の外装材との間に第二の集電部材が配置されており、
    前記正極端子と、前記蓄電素子の最外層にある正極集電体とが、前記第一の集電部材を介して電気的に接続され、かつ、
    前記負極端子と、前記蓄電素子の最外層にある負極集電体とが、前記第二の集電部材を介して電気的に接続されている
    ことを特徴とするリチウムイオン電池モジュール。
  2. 前記蓄電素子の最外層にある正極集電体と前記第一の集電部材との間及び/又は前記蓄電素子の最外層にある負極集電体と前記第二の集電部材との間に、導電性の弾性部材を有する請求項1に記載のリチウムイオン電池モジュール。
  3. 前記導電性の弾性部材が、カーボンクロス又はグラファイトシートである請求項2に記載のリチウムイオン電池モジュール。
  4. 前記蓄電素子の最外層の正極集電体又は前記蓄電素子の最外層の負極集電体の面積に対する前記弾性部材の面積の割合が、70%以上である請求項2又は3に記載のリチウムイオン電池モジュール。
  5. 前記正極集電体及び/又は前記負極集電体が、樹脂集電体である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン電池モジュール。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン電池モジュールを複数個含み、前記リチウムイオン電池モジュールが有する枠体の上面に設けられた正極端子と、前記リチウムイオン電池モジュールの枠体の底面に設けられた負極端子とを重ねることで、前記リチウムイオン電池モジュールの正極と負極とを直列に接続した電池パック。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン電池モジュールを複数個含み、前記リチウムイオン電池モジュールが有する枠体の上面に設けられた正極端子同士と、前記リチウムイオン電池モジュールの枠体の底面に設けられた負極端子同士とをそれぞれ接続し、前記リチウムイオン電池モジュールの正極と負極とを並列に接続した電池パック。
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