JP2022111368A - 電力制御システム、機器および情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくする。【解決手段】電力制御システムは、配電系統の電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器と、電線に関する電線情報を取得する取得手段と、取得手段に取得された電線情報に基づき、電線における皮相電力の調整に用いられる電流を機器に生成させる制御手段と、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、電力制御システム、機器および情報処理装置に関する。
特許文献1には、力率調整手段は制御指令信号の入力を受けることで配電変圧器ごとに順次作動されて調相制御が実施され、配電線の無効電力を消費、低減するように構成された配電線の無効電力調整システムが記載されている。
配電用変圧器よりも電力の受給側に設けられている電線に電流を供給することで、配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられている電線における皮相電力を調整することがある。しかしながら、この場合、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態によっては、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力が改善されないことがある。
本開示は、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることを目的とする。
本開示は、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることを目的とする。
本開示の電力制御システムは、配電系統の電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器と、前記電線に関する電線情報を取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を前記機器に生成させる制御手段と、を備えた、電力制御システムである。この場合、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることができる。
ここで、前記機器は、自装置における皮相電力の調整が可能であり、前記制御手段は、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を前記機器に生成させる場合に、当該機器における皮相電力の当該機器による調整を制限させてもよい。この場合、機器における皮相電力の機器による調整が無条件でされる場合に比べて、電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、前記取得手段は、前記電線の容量に関する容量情報を取得し、前記制御手段は、前記容量情報に基づき、前記制限をさせてもよい。この場合、電線の容量とは無関係に機器における皮相電力が調整される場合に比べて、電線における短絡や発火の発生を抑制できる。
また、前記取得手段は、前記機器が電流を生成する能力に関する能力情報を取得し、前記制御手段は、前記能力情報に基づき、前記制限をさせてもよい。この場合、機器による電流の生成の能力とは無関係に機器における皮相電力が調整される場合に比べて、機器に不具合が生じることを抑制できる。
また、前記制御手段は、前記電線における皮相電力の改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させてもよい。この場合、電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流が機器に生成される場合に比べて、電線における皮相電力の変化に起因して電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、前記制御手段は、前記電線情報が予め定められた条件を満たす場合に、前記改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させてもよい。この場合、電線情報に関わらず電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流が機器に生成される場合に比べて、電線における皮相電力の変化に起因して電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、前記電線情報には、将来における前記電線に関する情報が含まれ、前記条件は、前記電線における将来の皮相電力について定められてもよい。この場合、電線における将来の皮相電力に関わらず電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流が機器に生成される場合に比べて、電線における皮相電力の変化に起因して電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、他の観点から捉えると、本開示の機器は、配電系統の電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器であって、前記電線に関する電線情報を取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力を調整する調整手段と、を備えた、機器である。この場合、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることができる。
また、他の観点から捉えると、本開示の情報処理装置は、配電系統の電線に関する電線情報を取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を、当該電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器に生成させる制御手段と、を備えた、情報処理装置である。この場合、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることができる。
ここで、前記機器は、自装置における皮相電力の調整が可能であり、前記制御手段は、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を前記機器に生成させる場合に、当該機器における皮相電力の当該機器による調整を制限させてもよい。この場合、機器における皮相電力の機器による調整が無条件でされる場合に比べて、電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、前記取得手段は、前記電線の容量に関する容量情報を取得し、前記制御手段は、前記容量情報に基づき、前記制限をさせてもよい。この場合、電線の容量とは無関係に機器における皮相電力が調整される場合に比べて、電線における短絡や発火の発生を抑制できる。
また、前記取得手段は、前記機器が電流を生成する能力に関する能力情報を取得し、前記制御手段は、前記能力情報に基づき、前記制限をさせてもよい。この場合、機器による電流の生成の能力とは無関係に機器における皮相電力が調整される場合に比べて、機器に不具合が生じることを抑制できる。
また、前記制御手段は、前記電線における皮相電力の改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させてもよい。この場合、電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流が機器に生成される場合に比べて、電線における皮相電力の変化に起因して電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、前記制御手段は、前記電線情報が予め定められた条件を満たす場合に、前記改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させてもよい。この場合、電線情報に関わらず電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流が機器に生成される場合に比べて、電線における皮相電力の変化に起因して電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、前記電線情報には、将来における前記電線に関する情報が含まれ、前記条件は、前記電線における将来の皮相電力について定められてもよい。この場合、電線における将来の皮相電力に関わらず電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流が機器に生成される場合に比べて、電線における皮相電力の変化に起因して電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、他の観点から捉えると、本開示の機器は、配電系統の電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器であって、前記電線に関する電線情報を取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力を調整する調整手段と、を備えた、機器である。この場合、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることができる。
また、他の観点から捉えると、本開示の情報処理装置は、配電系統の電線に関する電線情報を取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を、当該電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器に生成させる制御手段と、を備えた、情報処理装置である。この場合、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることができる。
以下、添付図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電力制御システム1の一例を示した図である。
電力制御システム1は、皮相電力を制御するシステムである。
電力制御システム1には、電力系統10と、複数の電力消費施設20と、制御サーバ30と、指示サーバ40とが設けられている。
図1は、本実施形態に係る電力制御システム1の一例を示した図である。
電力制御システム1は、皮相電力を制御するシステムである。
電力制御システム1には、電力系統10と、複数の電力消費施設20と、制御サーバ30と、指示サーバ40とが設けられている。
電力系統10は、電力の需要家に電力を供給するための設備が設けられているシステムである。電力系統10には、発電所11、送電線12、供給側変電所13、供給側配電線14、自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)15、受給側変電所16、受給側配電線17、柱上変圧器18、および需要家側配電線19が設けられている。
発電所11は、発電をする設備である。発電所11としては、例えば、火力発電所、水力発電所、原子力発電所、太陽光発電所、風力発電所、地熱発電所等が挙げられる。
送電線12は、発電所11に生成された電力を構成する電流が流れる線路である。送電線12は、発電所11から供給側変電所13にわたって設けられている。
送電線12は、発電所11に生成された電力を構成する電流が流れる線路である。送電線12は、発電所11から供給側変電所13にわたって設けられている。
供給側変電所13は、電圧を変換する設備である。供給側変電所13は、受給側変電所16よりも、電力の供給側に設けられている。本実施形態では、電力における最も供給側に位置する設備は、発電所11である。また、電力における最も受給側に位置する設備は、電力消費施設20である。
供給側変電所13は、送電線12を通じて供給された電圧を変換する。供給側変電所13としては、例えば、50万Vの電圧を15.4万Vに変換する変電所、15.4万Vの電圧を6.6万Vに変換する変電所、6.6万Vの電圧を2.2万Vに変換する変電所等が挙げられる。
供給側変電所13は、送電線12を通じて供給された電圧を変換する。供給側変電所13としては、例えば、50万Vの電圧を15.4万Vに変換する変電所、15.4万Vの電圧を6.6万Vに変換する変電所、6.6万Vの電圧を2.2万Vに変換する変電所等が挙げられる。
供給側配電線14は、供給側変電所13に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。供給側配電線14は、供給側変電所13から受給側変電所16にわたって設けられている。また、供給側配電線14は、受給側配電線17よりも電力の供給側に設けられている。
SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を調整する。より具体的には、SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を検出する。そして、SVR15は、検出した電圧が予め定められた範囲でない場合に、この電圧が予め定められた範囲に収まるように、電圧を調整する。
受給側変電所16は、供給側配電線14を通じて供給された電圧を変換する設備である。受給側変電所16としては、例えば、供給された電圧を6600Vに変換する変電所等が挙げられる。
SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を調整する。より具体的には、SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を検出する。そして、SVR15は、検出した電圧が予め定められた範囲でない場合に、この電圧が予め定められた範囲に収まるように、電圧を調整する。
受給側変電所16は、供給側配電線14を通じて供給された電圧を変換する設備である。受給側変電所16としては、例えば、供給された電圧を6600Vに変換する変電所等が挙げられる。
受給側配電線17は、受給側変電所16に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。受給側配電線17は、受給側変電所16から柱上変圧器18にわたって設けられている。なお、本実施形態では、供給側配電線14および受給側配電線17を特に区別することなく説明する場合、単に「電線」と称することがある。
柱上変圧器18は、受給側配電線17を通じて供給された電圧を変換する設備である。柱上変圧器18としては、例えば、6600Vの電圧を200Vに変換する変圧器や、6600Vの電圧を100Vに変換する変圧器等が挙げられる。
柱上変圧器18は、受給側配電線17を通じて供給された電圧を変換する設備である。柱上変圧器18としては、例えば、6600Vの電圧を200Vに変換する変圧器や、6600Vの電圧を100Vに変換する変圧器等が挙げられる。
需要家側配電線19は、柱上変圧器18に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。電力系統10には、複数の需要家側配電線19が設けられている。より具体的には、需要家側配電線19は、電力消費施設20ごとに設けられている。各需要家側配電線19は、柱上変圧器18から電力消費施設20にわたって設けられている。
以上の通り、電力系統10は、電力消費施設20の外側に設けられている系統であって、生成された電力を電力の需要家に配るための系統である。そのため、電力系統10は、配電系統としても捉えられる。また、柱上変圧器18は、配電用変圧器としても捉えられる。また、受給側変電所16も、広義には、配電用変圧器の一例である。
以上の通り、電力系統10は、電力消費施設20の外側に設けられている系統であって、生成された電力を電力の需要家に配るための系統である。そのため、電力系統10は、配電系統としても捉えられる。また、柱上変圧器18は、配電用変圧器としても捉えられる。また、受給側変電所16も、広義には、配電用変圧器の一例である。
また、電力系統10には、複数の電線用センサ10Sが設けられている。電線用センサ10Sは、供給側配電線14に接続されている。より具体的には、電線用センサ10Sは、供給側配電線14のうちのSVR15よりも電力の供給側の部分に接続されている。また、電線用センサ10Sは、それぞれ、受給側配電線17の各々に接続されている。言い換えると、電線用センサ10Sは、供給側配電線14および受給側配電線17ごとに設けられている。
電線用センサ10Sは、接続されている電線における皮相電力に関するパラメータを検出する。皮相電力に関するパラメータとは、皮相電力に影響を及ぼすパラメータである。皮相電力に関するパラメータとしては、例えば、皮相電力、無効電力、無効電圧、高調波電圧、電流、力率、予め定められた期間における皮相電力量や無効電力量等が挙げられる。皮相電力に関するパラメータとしての電流には、高調波電流が含まれる。また、高調波電圧や高調波電流としては、特定の次数の高調波電圧や高調波電流であってもよい。特定の次数としては、例えば、第5次の高調波が挙げられる。また、皮相電力に関するパラメータとしては、例えば、電流の総合高調波歪み率(THD:Total Harmonic Distortion)や電圧のTHD等が挙げられる。ここで、電流のTHDは、下記式(1)から算出される。また、電圧のTHDは、下記式(2)から算出される。
上記式(1)において、I1は基本波電流である。また、Inはn次高調波電流である。
上記式(2)において、V1は基本波電圧である。また、Vnはn次高調波電圧である。
電線用センサ10Sは、例えば、予め定められた時間ごとに、皮相電力に関する上記のパラメータを検出する。なお、電線における皮相電力に関するパラメータを、以下では、電力情報と称することがある。また、予め定められた時間としては、何れの時間でもよいが、例えば、1時間である。そして、電線用センサ10Sは、電力情報を検出すると、検出した電力情報を、検出の対象である電線を識別する電線識別情報とともに、指示サーバ40へ送信する。
上記式(2)において、V1は基本波電圧である。また、Vnはn次高調波電圧である。
電線用センサ10Sは、例えば、予め定められた時間ごとに、皮相電力に関する上記のパラメータを検出する。なお、電線における皮相電力に関するパラメータを、以下では、電力情報と称することがある。また、予め定められた時間としては、何れの時間でもよいが、例えば、1時間である。そして、電線用センサ10Sは、電力情報を検出すると、検出した電力情報を、検出の対象である電線を識別する電線識別情報とともに、指示サーバ40へ送信する。
なお、図示の例では、電力系統10に一つの供給側変電所13が示されているが、供給側変電所13の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の供給側変電所13が設けられても良い。
また、図示の例では、電力系統10に一つの受給側変電所16が示されているが、受給側変電所16の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の受給側変電所16が設けられても良い。
また、供給側配電線14や受給側配電線17の数は、図示の例に限定されない。電力系統10には、図示した数よりも多くの供給側配電線14や受給側配電線17が設けられてもよい。この場合において、供給側配電線14ごとに電線用センサ10Sが設けられても良いし、受給側配電線17ごとに電線用センサ10Sが設けられても良い。
また、電線用センサ10Sが検出する電力情報は、皮相電力に関する一種類のパラメータに限定されない。電線用センサ10Sは、上述したパラメータのうちの複数種類のパラメータを検出してもよい。そして、検出した複数種類の各々のパラメータが示された電力情報を指示サーバ40へ送信してもよい。また、検出の対象になるパラメータの種類ごとに電線用センサ10Sが設けられてもよい。
また、図示の例では、電力系統10に一つの受給側変電所16が示されているが、受給側変電所16の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の受給側変電所16が設けられても良い。
また、供給側配電線14や受給側配電線17の数は、図示の例に限定されない。電力系統10には、図示した数よりも多くの供給側配電線14や受給側配電線17が設けられてもよい。この場合において、供給側配電線14ごとに電線用センサ10Sが設けられても良いし、受給側配電線17ごとに電線用センサ10Sが設けられても良い。
また、電線用センサ10Sが検出する電力情報は、皮相電力に関する一種類のパラメータに限定されない。電線用センサ10Sは、上述したパラメータのうちの複数種類のパラメータを検出してもよい。そして、検出した複数種類の各々のパラメータが示された電力情報を指示サーバ40へ送信してもよい。また、検出の対象になるパラメータの種類ごとに電線用センサ10Sが設けられてもよい。
電力消費施設20は、需要家側配電線19を通じて発電所11から供給された電力を受給して消費する施設である。各電力消費施設20には、ヒートポンプシステム(HPS:Heat Pump System)21と、負荷22とが設けられている。
機器の一例としてのHPS21は、電力系統10から受給した電力を用いて、温度や湿度を調整する。HPS21による調整の対象としては、電力消費施設20内の空間の温度や湿度が挙げられる。また、HPS21による調整の対象としては、電力消費施設20に設けられている液体の温度が挙げられる。
また、本実施形態のHPS21は、電流を供給することができる。HPS21は、電流を供給することで、このHPS21における皮相電力に関する上記のパラメータを調整する。さらに、HPS21は、電力系統10における電線に電流を供給することができる。HPS21は、電力系統10における電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力に関する上記のパラメータを調整する。
電線における皮相電力に関するパラメータのHPS21による調整の手法の一例を説明する。電線に高調波電流が生じている場合において、HPS21が、この高調波電流を打ち消す位相の電流を電線に供給することにより、電線における高調波電流を低減する。
電線における皮相電力に関するパラメータのHPS21による調整の手法の他の一例を説明する。電線に無効電力が生じている場合において、HPS21が電線に電流を供給することにより、電線における無効電力を低減する。また、電線における無効電力の減少に伴い、電線における力率が向上する。
このように、本実施形態では、HPS21を用いて電力系統10の電線における皮相電力に関するパラメータを調整する。また、HPS21は、電線の調整と同様の手法により、HPS21における皮相電力に関するパラメータを調整する。ここで、皮相電力に関するパラメータが変化することに伴い、皮相電力も変化する。そのため、皮相電力に関する上記の各パラメータの調整は、広義には、皮相電力の調整として捉えられる。以下では、調整の対象としての皮相電力に関する各パラメータを、「皮相電力」と総称することがある。
電線における皮相電力に関するパラメータのHPS21による調整の手法の他の一例を説明する。電線に無効電力が生じている場合において、HPS21が電線に電流を供給することにより、電線における無効電力を低減する。また、電線における無効電力の減少に伴い、電線における力率が向上する。
このように、本実施形態では、HPS21を用いて電力系統10の電線における皮相電力に関するパラメータを調整する。また、HPS21は、電線の調整と同様の手法により、HPS21における皮相電力に関するパラメータを調整する。ここで、皮相電力に関するパラメータが変化することに伴い、皮相電力も変化する。そのため、皮相電力に関する上記の各パラメータの調整は、広義には、皮相電力の調整として捉えられる。以下では、調整の対象としての皮相電力に関する各パラメータを、「皮相電力」と総称することがある。
HPS21としては、温度や湿度を調整するシステム等が挙げられる。より具体的には、HPS21としては、例えば、空気調和装置、内部の温度を調和するショーケース、冷蔵機、冷凍機、給湯器等、HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)システムに用いられる機器が挙げられる。
HPS21は、制御サーバ30から電線における皮相電力の調整を指示されると、受けた指示に応じて電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力を調整する。
HPS21は、制御サーバ30から電線における皮相電力の調整を指示されると、受けた指示に応じて電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力を調整する。
負荷22は、需要家側配電線19を通じて発電所11から供給された電力を受給して消費する。
また、本実施形態では、各電力消費施設20に、HPSセンサ21Sが設けられている。HPSセンサ21Sは、HPS21における皮相電力に関する情報を検出する。なお、HPSセンサ21Sについては、後に詳述する。
また、本実施形態では、各電力消費施設20に、HPSセンサ21Sが設けられている。HPSセンサ21Sは、HPS21における皮相電力に関する情報を検出する。なお、HPSセンサ21Sについては、後に詳述する。
なお、図示の例では、需要家側配電線19ごとに一つの電力消費施設20が設けられているが、これに限定されない。需要家側配電線19ごとに、複数の電力消費施設20が設けられても良い。また、電力消費施設20に設けられるHPS21の数や負荷22の数は、図示の例に限定されない。電力消費施設20には、図示した数よりも多くのHPS21や負荷22が設けられても良い。また、HPS21や負荷22が設けられていない電力消費施設20が設けられてもよい。
制御サーバ30は、HPS21の動作を制御するサーバ装置である。より具体的には、制御サーバ30は、電力系統10の電線における皮相電力を調整するためのHPS21の動作を制御する。制御サーバ30は、電線における皮相電力の調整の指示を指示サーバ40から受けると、この調整のためにHPS21に供給させる電流値、単位時間あたりの電流値若しくは所定時間における電流値を決定する。なお、電流値、単位時間あたりの電流値、および所定時間における電流値を特に区別することなく説明する場合、単に「電流値」と総称することがある。また、電力系統10の電線における皮相電力を調整するためにHPS21に供給させる電流値を、以下では、電線調整量と称することがある。
また、本実施形態では、制御サーバ30は、HPS21における皮相電力を調整するためのこのHPS21の動作を制御する。より具体的には、電線調整量に基づいて、このHPS21の自装置における皮相電力の調整を制限する。
指示サーバ40は、電力系統10の電線における皮相電力の調整を指示するサーバ装置である。指示サーバ40は、電線用センサ10Sから電力情報を取得すると、取得した電力情報から、皮相電力を調整する必要がある電線を特定する。より具体的には、指示サーバ40は、電力情報から特定される皮相電力が調整閾値に達した電線を、皮相電力を調整する必要がある電線として特定する。調整閾値は、電線における皮相電力を調整する必要の有無の判定に用いられる閾値である。調整閾値は、電線における皮相電力の改善が必要になる閾値として定められる。
指示サーバ40は、皮相電力の調整が必要な電線を特定すると、この電線における皮相電力の調整の指示を、制御サーバ30へ送信する。この場合に、指示サーバ40は、調整が必要である電線に係る電力情報や、調整閾値の情報等を含む複数の情報を、制御サーバ30に送信する。
指示サーバ40は、皮相電力の調整が必要な電線を特定すると、この電線における皮相電力の調整の指示を、制御サーバ30へ送信する。この場合に、指示サーバ40は、調整が必要である電線に係る電力情報や、調整閾値の情報等を含む複数の情報を、制御サーバ30に送信する。
指示サーバ40や制御サーバ30は、例えば、コンピュータにより実現される。指示サーバ40や制御サーバ30は、単一のコンピュータにより構成しても良いし、複数のコンピュータによる分散処理により実現しても良い。また、指示サーバ40や制御サーバ30は、クラウドコンピューティングにより提供される仮想的なハードウエア上にて実現しても良い。なお、以下では、指示サーバ40および制御サーバ30を特に区別することなく説明する場合、単に「サーバ」と称することがある。
本実施形態では、制御サーバ30と、各電力消費施設20に設けられている各機器および指示サーバ40とは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。また、指示サーバ40と、各電線用センサ10Sとは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。これらのネットワークは、データの送受信が可能であれば良い。また、データの送受信に用いられる通信回線は、有線であっても無線であっても良いし、電力線通信(PLC:Power Line Communication)であっても良い。また、複数のネットワークや通信回線を介して通信先に接続される構成であっても良い。
また、制御サーバ30や指示サーバ40の数は、図示の例に限定されない。電力制御システム1には、二つ以上の制御サーバ30や二つ以上の指示サーバ40が設けられても良い。また、制御サーバ30は、例えば、電力消費施設20ごとに設けられても良い。
図2は、制御サーバ30および指示サーバ40のハードウエアの構成を示した図である。
サーバには、CPU31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33が設けられている。また、サーバには、ハードディスク装置などにより構成され、情報を記憶する記憶装置35が設けられている。さらに、サーバには、外部との通信を行う通信装置34(通信I/F)が設けられている。
この他、サーバには、キーボード、マウス等の情報の入力に用いられる入力用装置、液晶ディスプレイ等の表示装置が設けられている。
サーバには、CPU31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33が設けられている。また、サーバには、ハードディスク装置などにより構成され、情報を記憶する記憶装置35が設けられている。さらに、サーバには、外部との通信を行う通信装置34(通信I/F)が設けられている。
この他、サーバには、キーボード、マウス等の情報の入力に用いられる入力用装置、液晶ディスプレイ等の表示装置が設けられている。
ROM32、記憶装置35は、CPU31により実行されるプログラムを記憶する。CPU31は、ROM32や記憶装置35に記憶されているプログラムを読み出し、RAM33を作業エリアにしてプログラムを実行する。
CPU31により、ROM32や記憶装置35に格納されたプログラムが実行されることで、後述する各機能部が実現される。
CPU31により、ROM32や記憶装置35に格納されたプログラムが実行されることで、後述する各機能部が実現される。
ここで、CPU31によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバへ提供できる。また、CPU31によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、サーバへ提供しても良い。
図3は、HPS21の機能構成を示した図である。
HPS21には、調整部211と、電力変換装置212と、受電経路213と、アクティブフィルタ(AF:Active Filter)214とが設けられている。
調整部211は、温度や湿度を調整する。調整部211には、受給した電力を用いて動作するモータ(不図示)が設けられている。また、調整部211には、熱交換器(不図示)が設けられており、この熱交換器を通じて、電力消費施設20内の空気や液体が熱交換される。
HPS21には、調整部211と、電力変換装置212と、受電経路213と、アクティブフィルタ(AF:Active Filter)214とが設けられている。
調整部211は、温度や湿度を調整する。調整部211には、受給した電力を用いて動作するモータ(不図示)が設けられている。また、調整部211には、熱交換器(不図示)が設けられており、この熱交換器を通じて、電力消費施設20内の空気や液体が熱交換される。
電力変換装置212は、インバータ(不図示)およびコンバータ(不図示)を有する。電力変換装置212は、電力系統10から受電した電力を、インバータおよびコンバータを用いて、特定の電圧および特定の周波数からなる電力に変換する。特定の電圧および特定の周波数とは、調整部211に設けられているモータの動作に必要な電圧および周波数である。電力変換装置212は、変換した電力を、調整部211に供給する。
受電経路213は、HPS21において電力変換装置212が受ける電力が通る経路である。
受電経路213は、HPS21において電力変換装置212が受ける電力が通る経路である。
調整手段の一例としてのAF214は、電力変換装置212の受電経路213に対して、電力変換装置212と電気的に並列して接続されている。AF214は、電力変換装置212の受電経路213に電流を供給することで、この受電経路213における皮相電力を調整する。
また、AF214は、電力系統10の電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力を調整する。
また、AF214は、電力系統10の電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力を調整する。
また、HPSセンサ21Sは、電力変換装置212の受電経路213における皮相電力を検出する。HPSセンサ21Sは、例えば、予め定められた時間ごとに、皮相電力を検出する。予め定められた時間としては、何れの時間でもよいが、例えば、1時間である。そして、HPSセンサ21Sは、皮相電力を検出すると、検出した情報を、検出の対象であるHPS21を識別するHPS識別情報とともに、制御サーバ30へ送信する。
なお、図3ではHPS21の機能構成を示したが、電力系統10の電線における皮相電力の調整に用いられる機器は、HPS21に限定されない。
電力系統10の電線における皮相電力の調整に用いられる機器は、電線に電流を供給できる機器であればよい。電線に電流を供給できる機器としては、電力変換装置を有する機器等が挙げられる。より具体的には、電線に電流を供給できる機器としては、インバータおよびコンバータの少なくとも一方が設けられている電力変換装置を有する機器等が挙げられる。また、電力変換装置を有する機器としては、電気自動車や蓄電池等が挙げられる。また、電力変換装置を有する機器としては、太陽光発電システムや風力発電システム等の再生可能エネルギーを生成するシステム等が挙げられる。
電力系統10の電線における皮相電力の調整に用いられる機器は、電線に電流を供給できる機器であればよい。電線に電流を供給できる機器としては、電力変換装置を有する機器等が挙げられる。より具体的には、電線に電流を供給できる機器としては、インバータおよびコンバータの少なくとも一方が設けられている電力変換装置を有する機器等が挙げられる。また、電力変換装置を有する機器としては、電気自動車や蓄電池等が挙げられる。また、電力変換装置を有する機器としては、太陽光発電システムや風力発電システム等の再生可能エネルギーを生成するシステム等が挙げられる。
図4は、制御サーバ30の機能構成を示した図である。
制御サーバ30には、取得部301と、記憶部302と、電線算出部303と、HPS算出部304と、供給量算出部305と、送信部306とが設けられている。
取得手段の一例としての取得部301は、制御サーバ30に送信された情報や制御サーバ30に入力された情報を取得する。取得部301に取得された情報は、記憶部302に記憶される。
記憶部302は、情報を記憶する。記憶部302に記憶される情報については、後に詳述する。
制御サーバ30には、取得部301と、記憶部302と、電線算出部303と、HPS算出部304と、供給量算出部305と、送信部306とが設けられている。
取得手段の一例としての取得部301は、制御サーバ30に送信された情報や制御サーバ30に入力された情報を取得する。取得部301に取得された情報は、記憶部302に記憶される。
記憶部302は、情報を記憶する。記憶部302に記憶される情報については、後に詳述する。
電線算出部303は、電線調整量を算出する。電線における皮相電力の調整が指示サーバ40から制御サーバ30に指示されると、電線算出部303は、調整の対象である電線における皮相電力の改善のために必要な電流値を算出する。より具体的には、電線算出部303は、電線の調整の指示とともに制御サーバ30に送信された電力情報および調整閾値に基づき、調整の対象である電線における皮相電力の改善のために必要な電流値を算出する。電線における皮相電力の改善のために必要な電流値を、以下では、電線必要量と称することがある。また、皮相電力の調整の対象である電線を、以下では、調整対象電線と称する。電力情報に示された皮相電力と、調整閾値との差が大きいほど、電線算出部303は、電線必要量を大きく算出してもよい。そして、電線算出部303は、算出した電線必要量に基づき、電線調整量を算出する。より具体的には、電線算出部303は、調整対象電線における皮相電力の傾向から、電線必要量を電線調整量として算出するか、電線必要量よりも大きい値を電線調整量として算出するかを決定する。
HPS算出部304は、HPS21の電力変換装置212の受電経路213における皮相電力を改善するために必要な電流値を算出する。なお、HPS21の電力変換装置212の受電経路213における皮相電力を改善するために必要な電流値を、以下では、HPS必要量と称する。HPS算出部304は、HPSセンサ21Sに検出された情報を用いて、HPS必要量を算出する。HPS算出部304は、HPSセンサ21Sによる検出結果が制御サーバ30に送信されるたびに、最新のHPS必要量を算出する。
供給量算出部305は、HPS21のAF214から電力系統10における電線に供給させる電流値を算出する。より具体的には、供給量算出部305は、電線算出部303に算出された電線調整量、およびHPS算出部304に算出されたHPS必要量に基づき、AF214から電力系統10における電線に供給させる電流値を算出する。なお、AF214から電力系統10における電線に供給させる電流値を、以下では、電線供給量と称する。電線供給量は、電線における皮相電力の調整のためにAF214に供給させる電流値と、HPS21の受電経路213における皮相電力の調整のためにAF214に供給させる電流値との合計値である。
送信部306は、電線供給量が示された情報を、HPS21へ送信する。
送信部306は、電線供給量が示された情報を、HPS21へ送信する。
図5は、電線管理テーブルを示した図である。電線管理テーブルは、電力系統10における電線を管理するためのテーブルである。電線管理テーブルは、指示サーバ40に記憶されている。
電線管理テーブルでは、「電線」に、電線識別情報が示されている。「電線」に示された「14」は、供給側配電線14であることを意味する。また、「電線」に示された「17」は、受給側配電線17であることを意味する。また、「17」とともに付された「A」および「B」は、それぞれ、複数の受給側配電線17のうちの何れであるかを識別するための情報である。
電線管理テーブルでは、「電線」に、電線識別情報が示されている。「電線」に示された「14」は、供給側配電線14であることを意味する。また、「電線」に示された「17」は、受給側配電線17であることを意味する。また、「17」とともに付された「A」および「B」は、それぞれ、複数の受給側配電線17のうちの何れであるかを識別するための情報である。
また、電線管理テーブルでは、「最新値」に、「電線」についての最新の電力情報が示されている。言い換えると、「電力情報」には、「電線」についての電線用センサ10Sによる最新の検出結果が示されている。
また、電線管理テーブルでは、「前回値」に、「電線」についての過去の電力情報が示されている。より具体的には、「前回値」には、「電線」についての電線用センサ10Sによる前回の検出結果が示されている。
取得部301は、電線用センサ10Sによる最新の検出結果を取得するたびに、「最新値」に示されていた電力情報を「前回値」に書き込むとともに、最新の検出結果としての電力情報を「最新値」に書き込む。
また、電線管理テーブルでは、「前回値」に、「電線」についての過去の電力情報が示されている。より具体的には、「前回値」には、「電線」についての電線用センサ10Sによる前回の検出結果が示されている。
取得部301は、電線用センサ10Sによる最新の検出結果を取得するたびに、「最新値」に示されていた電力情報を「前回値」に書き込むとともに、最新の検出結果としての電力情報を「最新値」に書き込む。
また、電線管理テーブルでは、「予測値」に、「電線」における皮相電力の予測値が示されている。より具体的には、「予測値」には、予め定められた時間の経過後の「電線」における皮相電力として算出された値が示されている。言い換えると、「予測値」には、「電線」における将来の皮相電力として算出された値が示されている。予め定められた時間は、何れの時間であってもよいが、例えば、1時間である。
将来の皮相電力を算出する手法の例を説明する。指示サーバ40は、「最新値」および「前回値」から、「電線」における皮相電力の傾向を算出し、算出した傾向から、「電線」における将来の皮相電力を算出してもよい。また、指示サーバ40は、「電線」における過去の電力情報を蓄積し、蓄積した電力情報を用いて、将来の皮相電力を算出してもよい。より具体的には、指示サーバ40は、季節ごとの電力情報や、一日における時間帯ごとの電力情報など、時期ごとの電力情報を蓄積する。そして、蓄積した電力情報のうちの、将来の皮相電力として算出する対象の時期に最も近い時期の電力情報を抽出し、抽出した電力情報に近似するように、将来の皮相電力を算出してもよい。
指示サーバ40は、「最新値」および「前回値」が更新されるたびに、「電線」における将来の皮相電力を算出し、算出した値を「予測値」に書き込む。
指示サーバ40は、「最新値」および「前回値」が更新されるたびに、「電線」における将来の皮相電力を算出し、算出した値を「予測値」に書き込む。
また、電線管理テーブルでは、「空き容量」に、「電線」における電流値の容量までの空きの量が示されている。電線における電流値の容量とは、電線に流すことができる最大の電流値である。
電流値の容量までの空きの量を算出する手法の例を説明する。電力制御システム1のユーザは、各電線の容量を予め指示サーバ40に入力する。また、指示サーバ40は、「最新値」から、「電線」に流れている電流値を算出する。そして、算出した電流値を「電線」の容量から減算して得られた値を、「空き容量」として算出する。
指示サーバ40は、「最新値」が更新されるたびに、「電線」における電流値の容量までの空きの量を算出し、算出した値を「空き容量」に書き込む。
電流値の容量までの空きの量を算出する手法の例を説明する。電力制御システム1のユーザは、各電線の容量を予め指示サーバ40に入力する。また、指示サーバ40は、「最新値」から、「電線」に流れている電流値を算出する。そして、算出した電流値を「電線」の容量から減算して得られた値を、「空き容量」として算出する。
指示サーバ40は、「最新値」が更新されるたびに、「電線」における電流値の容量までの空きの量を算出し、算出した値を「空き容量」に書き込む。
電線管理テーブルの内容について、一例を説明する。「電線」の「17A」から特定される受給側配電線17は、「最新値」として「P2」が示され、「前回値」として「Pa2」が示され、「予測値」として「Pr2」が示され、「空き容量」として「M2」が示されている。
指示サーバ40は、電線における皮相電力の調整を制御サーバ30に指示する場合に、調整対象電線についての指示情報を制御サーバ30に送信する。指示情報は、調整対象電線における皮相電力の調整の指示に関する情報である。指示情報には、調整対象電線における皮相電力の調整の指示、最新値情報、前回値情報、および予測値情報が含まれる。最新値情報は、調整対象電線についての「最新値」が示された情報である。前回値情報は、調整対象電線についての「前回値」が示された情報である。予測値情報は、調整対象電線についての「予測値」が示された情報である。また、指示サーバ40は、指示情報とともに空き容量情報を制御サーバ30に送信する。空き容量情報は、調整対象電線についての「空き容量」が示された情報である。なお、指示情報は、電線に関する電線情報としても捉えられる。また、空き容量情報は、電線の容量に関する容量情報としても捉えられる。
図6は、HPS管理テーブルを示した図である。HPS管理テーブルは、HPS21を管理するためのテーブルである。HPS管理テーブルは、記憶部302に記憶されている。
HPS管理テーブルでは、「HPS」に、HPS識別情報が示されている。「HPS」の「21」とともに付された「A」乃至「J」は、それぞれ、複数のHPS21のうちの何れであるかを識別するための情報である。
HPS管理テーブルでは、「HPS」に、HPS識別情報が示されている。「HPS」の「21」とともに付された「A」乃至「J」は、それぞれ、複数のHPS21のうちの何れであるかを識別するための情報である。
また、HPS管理テーブルでは、「経由電線」に、電線識別情報が示されている。「経由電線」に示された電線識別情報は、電力系統10から「HPS」への電力の供給において経由された電線の電線識別情報である。「経由電線」の「17」とともに付された「A」および「B」は、それぞれ、複数の受給側配電線17のうちの何れであるかを識別するための情報である。
電力制御システム1のユーザは、HPS21ごとに、HPS21への電力の供給において経由された電線の電線識別情報を、制御サーバ30に入力する。取得部301は、制御サーバ30に取得された電線識別情報を取得すると、対象の「電線」に関連付けられた「経由電線」に電線識別情報を書き込む。
電力制御システム1のユーザは、HPS21ごとに、HPS21への電力の供給において経由された電線の電線識別情報を、制御サーバ30に入力する。取得部301は、制御サーバ30に取得された電線識別情報を取得すると、対象の「電線」に関連付けられた「経由電線」に電線識別情報を書き込む。
また、HPS管理テーブルでは、「容量」に、HPS21におけるAF214の電流値の容量が示されている。AF214の電流値の容量とは、AF214が発生させることができる最大の電流値である。AF214の電流値の容量としては、HPS21の仕様書に記載されている情報が用いられてもよい。
電力制御システム1のユーザは、HPS21ごとに、AF214の電流値の容量が示された電流容量情報を、制御サーバ30に入力する。取得部301は、電流容量情報を取得すると、電流容量情報に示された電流値の容量を、対象の「電線」に関連付けられた「容量」に書き込む。ここで、電流容量情報は、HPS21が電流を生成する能力に関する能力情報としても捉えられる。
電力制御システム1のユーザは、HPS21ごとに、AF214の電流値の容量が示された電流容量情報を、制御サーバ30に入力する。取得部301は、電流容量情報を取得すると、電流容量情報に示された電流値の容量を、対象の「電線」に関連付けられた「容量」に書き込む。ここで、電流容量情報は、HPS21が電流を生成する能力に関する能力情報としても捉えられる。
また、HPS管理テーブルでは、「HPS必要量」に、HPS算出部304に算出されたHPS必要量が示されている。HPS算出部304は、最新のHPS必要量を算出するたびに、算出した最新のHPS必要量を、対象の「電線」に関連付けられた「HPS必要量」に書き込む。
HPS管理テーブルの内容について、一例を説明する。「21A」から特定される「HPS」には、「経由電線」として「17A」が関連付けられ、「容量」として「35」が関連付けられ、「HPS必要量」として「10」が関連付けられている。
図7は、電線算出処理の流れを示したフローチャートである。電線算出処理は、制御サーバ30が電線調整量を算出する処理である。
取得部301は、電線における皮相電力の調整の指示を受けたか否かを判定する(ステップ(以下、「S」と称する)101)。取得部301は、指示サーバ40から指示情報を取得したか否かにより、上記の判定をする。否定結果が継続している間、取得部301は、ステップ101の判定を繰り返す。一方、取得部301が指示情報を取得した場合、肯定結果を得て、ステップ102へ進む。
取得部301は、電線における皮相電力の調整の指示を受けたか否かを判定する(ステップ(以下、「S」と称する)101)。取得部301は、指示サーバ40から指示情報を取得したか否かにより、上記の判定をする。否定結果が継続している間、取得部301は、ステップ101の判定を繰り返す。一方、取得部301が指示情報を取得した場合、肯定結果を得て、ステップ102へ進む。
電線算出部303は、指示情報に含まれている最新の電力情報に基づいて、電線必要量を算出する(S102)。
以下では、電線算出部303により電線必要量が「100」として算出された場合について説明する。
以下では、電線算出部303により電線必要量が「100」として算出された場合について説明する。
電線算出部303は、調整対象電線における将来の皮相電力を改善するために必要な電流値が、電線必要量よりも大きいか否かを算出する(S103)。電線における将来の皮相電力を改善するために必要な電流値を、以下では、将来必要量と称する場合がある。電線算出部303は、指示情報に含まれる予測情報から、将来必要量を算出する。そして、算出した将来必要量が電線必要量よりも大きいか否かにより、上記の判定をする。
将来必要量が電線必要量以下である場合(S103にてNO)、次のステップに進む。電線算出部303は、最新の電力情報が変化条件を満たすか否かを判定する(S104)。変化条件は、調整対象電線における皮相電力が変化する傾向について定められた条件である。本実施形態では、調整対象電線における皮相電力が変化する傾向が大きい場合であっても、調整対象電線における将来の皮相電力を改善する観点から、変化条件が定められている。また、本実施形態の変化条件は、電線管理テーブル(図5参照)において調整対象電線に関連付けられている「最新値」が、「前回値」に対して予め定められた割合以上変化していることである。予め定められた割合は、何れの割合であってもよいが、例えば、10%である。電線算出部303は、指示情報に含まれる最新値情報および前回値情報に基づいて、最新の電力情報が変化条件を満たすか否かを判定する。
最新の電力情報が変化条件を満たさない場合(S104にてNO)、電線算出部303は、電線必要量を電線調整量として算出する(S105)。この例では、電線必要量である「100」を、電線調整量として算出する。
一方で、将来必要量が電線必要量よりも大きい場合(S103にてYES)、または最新の電力情報が変化条件を満たす場合(104にてYES)、電線算出部303は、電線必要量よりも大きい値を、電線調整量として算出する(S106)。この例では、電線必要量である「100」よりも大きい「110」を、電線調整量として算出する。
図8は、供給量算出処理の流れを示したフローチャートである。供給量算出処理は、制御サーバ30が電線供給量を算出する処理である。
制御サーバ30は、HPS管理テーブル(図6参照)において調整対象電線に係る電線識別情報が「経由電線」に関連付けられた「HPS」を、調整に用いるHPS21に決定する。そして、調整に用いることを決定したHPS21について、供給量算出処理をする。なお、供給量算出処理の対象であるHPS21を、以下では、対象HPS21と称することがある。また、対象HPS21におけるAF214を、以下では、対象AF214と称することがある。
制御サーバ30は、HPS管理テーブル(図6参照)において調整対象電線に係る電線識別情報が「経由電線」に関連付けられた「HPS」を、調整に用いるHPS21に決定する。そして、調整に用いることを決定したHPS21について、供給量算出処理をする。なお、供給量算出処理の対象であるHPS21を、以下では、対象HPS21と称することがある。また、対象HPS21におけるAF214を、以下では、対象AF214と称することがある。
電線算出部303は、電線算出処理(図7参照)において算出した電線調整量から、一の対象HPS21についての電線調整量を決定する(S201)。付言すると、電線算出処理では、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられる全てのHPS21についての合計の電線調整量が算出される。これに対し、供給量算出処理では、一のHPS21についての電線調整量が算出される。
電線算出部303は、HPS管理テーブル(図6参照)を参照する。そして、対象HPS21に関連付けられた「容量」から、対象HPS21についての電線調整量を決定する。電線算出部303は、対象HPS21の「容量」が大きいほど、対象HPS21についての電線調整量を大きくしてもよい。
電線算出部303は、HPS管理テーブル(図6参照)を参照する。そして、対象HPS21に関連付けられた「容量」から、対象HPS21についての電線調整量を決定する。電線算出部303は、対象HPS21の「容量」が大きいほど、対象HPS21についての電線調整量を大きくしてもよい。
供給量算出部305は、対象HPS21の電線調整量と、対象HPS21のHPS必要量との合計値を算出する(S202)。対象HPS21の電線調整量と、対象HPS21のHPS必要量との合計値を、以下では、合計必要量と称することがある。供給量算出部305は、HPS管理テーブルに示された対象HPS21の「HPS必要量」と、対象HPS21の電線調整量との合計値を、合計必要量として算出する。
供給量算出部305は、算出した合計必要量が、空き条件および電流容量条件の何れの条件も満たすか否かを判定する(S203)。
空き条件は、調整対象電線における電流値の容量までの空きの量と、合計必要量との関係について定められた条件である。本実施形態では、調整対象電線における短絡や発火が発生することなく合計必要量の電流を調整対象電線に流す観点から、空き条件が定められている。また、本実施形態では、調整対象電線における電流値の容量までの空きの量が合計必要量以上であることが空き条件として定められている。供給量算出部305は、空き容量情報に示された調整対象電線の「空き容量」が合計必要量以上であるか否かにより、合計必要量が空き条件を満たすか否かを判定する。
電流容量条件は、対象AF214の電流値の容量と、合計必要量との関係について定められた条件である。本実施形態では、対象AF214に不具合が生じることを抑制する観点から、電流容量条件が定められている。また、本実施形態では、対象AF214の電流値の容量が合計必要量以上であることが電流容量条件として定められている。供給量算出部305は、HPS管理テーブルを参照する。そして、対象HPS21の「容量」が合計必要量以上であるか否かにより、合計必要量が電流容量条件を満たすか否かを判定する。
空き条件は、調整対象電線における電流値の容量までの空きの量と、合計必要量との関係について定められた条件である。本実施形態では、調整対象電線における短絡や発火が発生することなく合計必要量の電流を調整対象電線に流す観点から、空き条件が定められている。また、本実施形態では、調整対象電線における電流値の容量までの空きの量が合計必要量以上であることが空き条件として定められている。供給量算出部305は、空き容量情報に示された調整対象電線の「空き容量」が合計必要量以上であるか否かにより、合計必要量が空き条件を満たすか否かを判定する。
電流容量条件は、対象AF214の電流値の容量と、合計必要量との関係について定められた条件である。本実施形態では、対象AF214に不具合が生じることを抑制する観点から、電流容量条件が定められている。また、本実施形態では、対象AF214の電流値の容量が合計必要量以上であることが電流容量条件として定められている。供給量算出部305は、HPS管理テーブルを参照する。そして、対象HPS21の「容量」が合計必要量以上であるか否かにより、合計必要量が電流容量条件を満たすか否かを判定する。
合計必要量が空き条件および電流容量条件の何れの条件も満たす場合(S203にてYES)、供給量算出部305は、合計必要量を、対象HPS21の電線供給量として算出する(S204)。
一方、合計必要量が空き条件および電流容量条件の少なくとも一方を満たさない場合(S203にてNO)、供給量算出部305は、合計必要量が空き条件および電流容量条件の何れか一方の条件を満たすか否かを判定する(S205)。
一方、合計必要量が空き条件および電流容量条件の少なくとも一方を満たさない場合(S203にてNO)、供給量算出部305は、合計必要量が空き条件および電流容量条件の何れか一方の条件を満たすか否かを判定する(S205)。
合計必要量が空き条件および電流容量条件の何れか一方の条件を満たす場合(S205にてYES)、供給量算出部305は、満たす条件が空き条件であるか否かを判定する(S206)。
満たす条件が空き条件である場合(S206にてYES)、合計必要量が電流容量条件を満たさないことを意味する。この場合、供給量算出部305は、対象HPS21の受電経路213における皮相電力を調整するために対象AF214に供給させる電流値を、HPS必要量よりも小さくする。対象HPS21の受電経路213における皮相電力を調整するために対象AF214に供給させる電流値を、以下では、HPS調整量と称することがある。供給量算出部305は、HPS調整量と、対象HPS21の電線調整量との合計値が、対象HPS21の「容量」以下になるように、HPS調整量を制限する。そして、制限したHPS調整量と、電線調整量との合計値を、電線供給量として算出する(S207)。
満たす条件が空き条件である場合(S206にてYES)、合計必要量が電流容量条件を満たさないことを意味する。この場合、供給量算出部305は、対象HPS21の受電経路213における皮相電力を調整するために対象AF214に供給させる電流値を、HPS必要量よりも小さくする。対象HPS21の受電経路213における皮相電力を調整するために対象AF214に供給させる電流値を、以下では、HPS調整量と称することがある。供給量算出部305は、HPS調整量と、対象HPS21の電線調整量との合計値が、対象HPS21の「容量」以下になるように、HPS調整量を制限する。そして、制限したHPS調整量と、電線調整量との合計値を、電線供給量として算出する(S207)。
また、ステップ206にて否定結果が得られた場合、合計必要量が電流容量条件を満たす一方で空き条件を満たさないことを意味する。この場合、供給量算出部305は、HPS調整量を、HPS必要量よりも小さくする。より具体的には、供給量算出部305は、HPS調整量と、対象HPS21の電線調整量との合計値が、調整対象電線の「空き容量」以下になるように、HPS調整量を制限する。そして、制限したHPS調整量と、電線調整量との合計値を、電線供給量として算出する(S208)。
また、合計必要量が空き条件および電流容量条件の何れも満たさない場合(S205にてNO)、供給量算出部305は、対象HPS21の受電経路213における皮相電力を調整するために対象AF214に供給させる電流値を、HPS必要量よりも小さくする。より具体的には、供給量算出部305は、HPS調整量と、対象HPS21の電線調整量との合計値が、調整対象電線の「空き容量」以下であり且つ対象HPS21の「容量」以下になるように、HPS調整量を制限する。そして、制限したHPS調整量と、電線調整量との合計値を、電線供給量として算出する(S209)。
ステップ204、ステップ207、ステップ208、およびステップ209の何れかが処理されると、供給量算出部305は、調整対象電線における電流値の容量までの空きの量を更新する(S210)。より具体的には、供給量算出部305は、調整対象電線における電流値の容量までの空きの量から、電線供給量を減算して得られた値を、調整対象電線における電流値の容量までの最新の空きの量として更新する。
調整対象電線における皮相電力の調整に用いる全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。
調整に用いる全てのHPS21のうちの何れかについて電線供給量が算出されていない場合(S211にてNO)、電線供給量が算出されていないHPS21について、ステップ201以降の処理が繰り返される。
また、全てのHPS21について電線供給量が算出されると(S211にてYES)、供給量算出処理が終了する。
調整に用いる全てのHPS21のうちの何れかについて電線供給量が算出されていない場合(S211にてNO)、電線供給量が算出されていないHPS21について、ステップ201以降の処理が繰り返される。
また、全てのHPS21について電線供給量が算出されると(S211にてYES)、供給量算出処理が終了する。
送信部306は、供給量算出処理において決定した電線供給量が示された情報を、動作の指示として、指示の対象であるHPS21に送信する。HPS21は、指示を受けると、受けた指示の内容により動作する。より具体的には、指示を受けたHPS21は、指示された電線供給量の電流を、電力系統10における調整対象電線に供給する。
このように、本実施形態では、電線算出部303、供給量算出部305、および送信部306により、調整対象電線における皮相電力のHPS21による調整が制御される。そのため、電線算出部303、供給量算出部305、および送信部306は、制御手段としても捉えられる。
このように、本実施形態では、電線算出部303、供給量算出部305、および送信部306により、調整対象電線における皮相電力のHPS21による調整が制御される。そのため、電線算出部303、供給量算出部305、および送信部306は、制御手段としても捉えられる。
以下では、電線識別情報が「17A」(図5参照)である電線における皮相電力の調整において、HPS識別情報が「21A」乃至「21E」(図6参照)までの五つのHPS21が用いられる場合に順次行われる供給量算出処理について説明する。
この例では、電線算出処理(図7参照)において、電線調整量が「100」と算出されたものとする。また、「17A」の電線における電流値の容量までの空きの量が「140」であるものとする。また、「21A」、「21B」、「21C」、「21D」、「21E」のHPS21についての各々の電線調整量が、それぞれ、「25」、「25」、「25」、「20」、「5」であるものとする。
この例では、電線算出処理(図7参照)において、電線調整量が「100」と算出されたものとする。また、「17A」の電線における電流値の容量までの空きの量が「140」であるものとする。また、「21A」、「21B」、「21C」、「21D」、「21E」のHPS21についての各々の電線調整量が、それぞれ、「25」、「25」、「25」、「20」、「5」であるものとする。
まず、「21A」のHPS21について供給量算出処理がされる。電線算出部303は、「21A」のHPS21についての電線調整量を、上述の通り、「25」に決定する(S201)。
供給量算出部305は、「21A」のHPS21の合計必要量を算出する(S202)。「21A」のHPS21のHPS必要量は、「10」(図6参照)である。そのため、「21A」のHPS21の電線調整量およびHPS必要量の合計値である合計必要量は、「35」である。
供給量算出部305は、「21A」のHPS21の合計必要量を算出する(S202)。「21A」のHPS21のHPS必要量は、「10」(図6参照)である。そのため、「21A」のHPS21の電線調整量およびHPS必要量の合計値である合計必要量は、「35」である。
供給量算出部305は、「21A」のHPS21の合計必要量が空き条件および電流容量条件の何れの条件も満たすか否かを判定する(S203)。ここで、「21A」のHPS21の合計必要量「35」は、「17A」の電線における電流値の容量までの空きの量である「140」よりも小さい。そのため、合計必要量は、空き条件を満たす。また、合計必要量「35」は、「21A」のHPS21の「容量」である「35」である。そのため、合計必要量は、電流容量条件も満たす(S203にてYES)。
この場合、供給量算出部305は、合計必要量「35」を、「21A」のHPS21の電線供給量として算出する(S204)。
この場合、供給量算出部305は、合計必要量「35」を、「21A」のHPS21の電線供給量として算出する(S204)。
供給量算出部305は、「17A」の電線における電流値の容量までの空きの量であった「140」から、「21A」のHPS21の電線供給量である「35」を減算して得られた値「105」を、最新の空きの量として更新する(S210)。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21B」乃至「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21B」乃至「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
続いて、「21B」のHPS21について供給量算出処理がされる。電線算出部303は、「21B」のHPS21についての電線調整量を、上述の通り、「25」に決定する(S201)。また、「21B」のHPS21のHPS必要量は、「10」(図6参照)であるため、供給量算出部305は、合計必要量を「35」として算出する(S202)。この合計必要量は、「17A」の電線における電流値の容量までの最新の空きの量である「105」よりも小さく、且つ、「21B」のHPS21の「容量」である「35」である。そのため、合計必要量は、空き条件および電流容量条件の何れも満たす(S203にてYES)。
供給量算出部305は、合計必要量「35」を、「21B」のHPS21の電線供給量として算出する(S204)。
供給量算出部305は、合計必要量「35」を、「21B」のHPS21の電線供給量として算出する(S204)。
供給量算出部305は、「17A」の電線における電流値の容量までの空きの量であった「105」から、「21B」のHPS21の電線供給量である「35」を減算して得られた値である「70」を、最新の空きの量として更新する(S210)。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21C」乃至「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21C」乃至「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
続いて、「21C」のHPS21について供給量算出処理がされる。電線算出部303は、「21C」のHPS21についての電線調整量を、上述の通り、「25」に決定する(S201)。また、「21C」のHPS21のHPS必要量は、「10」(図6参照)であるため、供給量算出部305は、合計必要量を「35」として算出する(S202)。この合計必要量は、「17A」の電線における電流値の容量までの最新の空きの量である「70」よりも小さく、且つ、「21C」のHPS21の「容量」である「35」である。そのため、合計必要量は、空き条件および電流容量条件の何れも満たす(S203にてYES)。
供給量算出部305は、合計必要量「35」を、「21C」のHPS21の電線供給量として算出する(S204)。
供給量算出部305は、合計必要量「35」を、「21C」のHPS21の電線供給量として算出する(S204)。
供給量算出部305は、「17A」の電線における電流値の容量までの空きの量であった「70」から、「21C」のHPS21の電線供給量である「35」を減算して得られた値である「35」を、最新の空きの量として更新する(S210)。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21D」および「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21D」および「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
続いて、「21D」のHPS21について供給量算出処理がされる。電線算出部303は、「21D」のHPS21についての電線調整量を、上述の通り、「20」に決定する(S201)。また、「21D」のHPS21のHPS必要量は、「10」(図6参照)であるため、供給量算出部305は、合計必要量を「30」として算出する(S202)。この合計必要量は、「17A」の電線における電流値の容量までの最新の空きの量である「35」よりも小さい。一方で、合計必要量は、「21D」のHPS21の「容量」である「25」よりも大きい。そのため、合計必要量は、空き条件を満たす一方で電流容量条件を満たさない(S206にてYES)。
この場合、供給量算出部305は、「21D」のHPS21についてのHPS調整量および電線調整量の合計値が「25」以下になるように、HPS調整量を、HPS必要量である「10」よりも小さい「5」に制限する。そして、制限したHPS調整量である「5」と電線調整量である「20」の合計値である「25」を、「21D」のHPS21の電線供給量として算出する(S207)。
この場合、供給量算出部305は、「21D」のHPS21についてのHPS調整量および電線調整量の合計値が「25」以下になるように、HPS調整量を、HPS必要量である「10」よりも小さい「5」に制限する。そして、制限したHPS調整量である「5」と電線調整量である「20」の合計値である「25」を、「21D」のHPS21の電線供給量として算出する(S207)。
供給量算出部305は、「17A」の電線における電流値の容量までの空きの量であった「35」から、「21D」のHPS21の電線供給量である「25」を減算して得られた値である「10」を、最新の空きの量として更新する(S210)。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
続いて、「21E」のHPS21について供給量算出処理がされる。電線算出部303は、「21E」のHPS21についての電線調整量を、上述の通り、「5」に決定する(S201)。また、「21E」のHPS21のHPS必要量は、「10」(図6参照)であるため、供給量算出部305は、合計必要量を「15」として算出する(S202)。この合計必要量は、「21D」のHPS21の「容量」である「20」よりも小さい。一方、合計必要量は、「17A」の電線における電流値の容量までの最新の空きの量である「10」よりも大きい。そのため、合計必要量は、電流容量条件を満たす一方で空き条件を満たさない(S206にてNO)。
この場合、供給量算出部305は、「21E」のHPS21についてのHPS調整量および電線調整量の合計値が「10」以下になるように、HPS調整量を、HPS必要量である「10」よりも小さい「5」に制限する。そして、制限したHPS調整量である「5」と電線調整量である「5」の合計値である「10」を、「21E」のHPS21の電線供給量として算出する(S207)。
この場合、供給量算出部305は、「21E」のHPS21についてのHPS調整量および電線調整量の合計値が「10」以下になるように、HPS調整量を、HPS必要量である「10」よりも小さい「5」に制限する。そして、制限したHPS調整量である「5」と電線調整量である「5」の合計値である「10」を、「21E」のHPS21の電線供給量として算出する(S207)。
供給量算出部305は、「17A」の電線における電流値の容量までの空きの量であった「10」から、「21E」のHPS21の電線供給量である「10」を減算して得られた値である「0」を、最新の空きの量として更新する(S210)。また、「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されたことにより、全てのHPS21について電線供給量を算出されている。これにより、供給量算出処理が終了する。
以上の通り、本実施形態では、制御サーバ30の取得部301が指示サーバ40から指示情報を取得すると、供給量算出部305は、HPS21についての電線供給量を算出する。また、送信部306は、供給量算出部305に算出された電線供給量が示された情報を、動作の指示として、指示の対象であるHPS21に送信する。HPS21は、指示を受けると、指示された電線供給量の電流を、電力系統10における調整対象電線に供給する。言い換えると、本実施形態の供給量算出部305は、取得部301に取得された指示情報に基づき、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられる電流をHPS21に生成させる。
ここで、本実施形態とは異なる態様により、調整対象電線における皮相電力を調整する構成も考えられる。一例としては、HPS21が電力消費施設20や需要家側配電線19に電流を供給し、電力消費施設20における皮相電力や需要家側配電線19における皮相電力を改善する構成が挙げられる。この構成によると、電力消費施設20における皮相電力や需要家側配電線19における皮相電力が改善されることに伴い、結果的に、供給側配電線14における皮相電力や受給側配電線17における皮相電力が改善されることがある。しかしながら、この構成によると、受給側配電線17に接続されている複数の需要家側配電線19のうちの何れかにおける皮相電力に問題が生じている場合には、供給側配電線14における皮相電力や受給側配電線17における皮相電力が改善されにくくなる。皮相電力に問題が生じている場合とは、力率が低下している場合等である。
これに対し、本実施形態のように、HPS21が調整対象電線に電流を供給する構成であると、調整対象電線における皮相電力の調整に対する需要家側配電線19の状態の影響を生じにくくすることができる。
特に、本実施形態では、柱上変圧器18および需要家側配電線19を介して、供給側配電線14や受給側配電線17に複数の電力消費施設20が接続されている。ここで、複数の電力消費施設20の何れかの電力消費施設20における皮相電力に問題が生じていることに起因して、問題が生じている電力消費施設20に接続されている供給側配電線14や受給側配電線17における皮相電力にも問題が発生することがある。この場合であっても、HPS21を用いて調整対象電線における皮相電力を改善することで、調整対象電線のみならず、問題が生じている電力消費施設20等、調整対象電線よりも電力の受給側に設けられている設備における皮相電力も改善される。言い換えると、特定の電力消費施設20に設けられているHPS21が、この特定の電力消費施設20とは異なる電力消費施設20において問題が生じている皮相電力を改善することができる。
また、本実施形態のHPS21は、自装置における皮相電力の調整が可能である。そして、供給量算出部305は、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられる電流をHPS21に生成させる場合に、HPS21における皮相電力のHPS21による調整を制限させる。
この場合、HPS21における皮相電力のHPS21による調整が制限される分だけ、調整対象電線における皮相電力のHPS21による調整の制約が緩和される。そのため、HPS21における皮相電力のHPS21による調整が無条件でされる場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることが抑制される。
この場合、HPS21における皮相電力のHPS21による調整が制限される分だけ、調整対象電線における皮相電力のHPS21による調整の制約が緩和される。そのため、HPS21における皮相電力のHPS21による調整が無条件でされる場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることが抑制される。
特に、本実施形態では、供給量算出部305は、空き容量情報に基づき、HPS21における皮相電力のHPS21による調整の制限をさせる。
この場合、調整対象電線の容量に基づいてHPS21における皮相電力の調整が制限される分だけ、調整対象電線における容量を超える電流が調整対象電線に流れることが抑制される。そのため、調整対象電線における皮相電力の調整およびHPS21における皮相電力の調整が調整対象電線の容量とは無関係にされる場合に比べて、調整対象電線における短絡や発火の発生を抑制できる。
この場合、調整対象電線の容量に基づいてHPS21における皮相電力の調整が制限される分だけ、調整対象電線における容量を超える電流が調整対象電線に流れることが抑制される。そのため、調整対象電線における皮相電力の調整およびHPS21における皮相電力の調整が調整対象電線の容量とは無関係にされる場合に比べて、調整対象電線における短絡や発火の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、供給量算出部305は、電流容量情報に基づき、HPS21における皮相電力のHPS21による調整の制限をさせる。
この場合、HPS21が電流を生成する能力に基づいてHPS21における皮相電力の調整が制限される分だけ、HPS21に生じる負荷が低減される。そのため、調整対象電線における皮相電力の調整およびHPS21における皮相電力の調整が、HPS21による電流の生成の能力とは無関係にされる場合に比べて、HPS21に不具合が生じることを抑制できる。
この場合、HPS21が電流を生成する能力に基づいてHPS21における皮相電力の調整が制限される分だけ、HPS21に生じる負荷が低減される。そのため、調整対象電線における皮相電力の調整およびHPS21における皮相電力の調整が、HPS21による電流の生成の能力とは無関係にされる場合に比べて、HPS21に不具合が生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、電線算出部303は、電線調整量を電線必要量よりも大きく算出する。また、供給量算出部305は、電線供給量を電線調整量以上に算出する。そして、HPS21は、電線供給量の電流を、電力系統10における調整対象電線に供給する。言い換えると、電線算出部303および供給量算出部305は、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な電流よりも大きい電流をHPS21に生成させる。
時刻の経過とともに調整対象電線における皮相電力が変化している場合、HPS21から調整対象電線に電流が供給されるときには、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な電流が電線必要量よりも大きくなっている場合がある。この場合であっても、電線必要量よりも大きい電流が調整対象電線に供給されることで、調整対象電線における皮相電力を改善することができる。そのため、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
時刻の経過とともに調整対象電線における皮相電力が変化している場合、HPS21から調整対象電線に電流が供給されるときには、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な電流が電線必要量よりも大きくなっている場合がある。この場合であっても、電線必要量よりも大きい電流が調整対象電線に供給されることで、調整対象電線における皮相電力を改善することができる。そのため、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、本実施形態では、電線算出部303は、指示情報に含まれる予測情報から将来必要量を算出し、算出した将来必要量が電線必要量よりも大きい場合に、電線調整量を電線必要量よりも大きく算出する。また、電線算出部303は、指示情報に含まれている最新の電力情報が変化条件を満たす場合に、電線調整量を電線必要量よりも大きく算出する。言い換えると、電線算出部303および供給量算出部305は、指示情報が予め定められた条件を満たす場合に、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な電流よりも大きい電流をHPS21に生成させる。予め定められた条件としては、指示情報に含まれる予測情報から算出される将来必要量が電線必要量よりも大きいことが挙げられる。また、予め定められた条件としては、指示情報に含まれている最新の電力情報が変化条件を満たすことが挙げられる。
この場合、指示情報の内容に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、指示情報の内容に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
特に、本実施形態では、予め定められた条件は、将来必要量が電線必要量よりも大きいことである。言い換えると、予め定められた条件は、調整対象電線における将来の皮相電力について定められている。
この場合、調整対象電線における将来の皮相電力に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、調整対象電線における将来の皮相電力に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、本実施形態では、HPS調整量が制限される一方で、電線必要量よりも大きい電流が調整対象電線に流れる。そのため、HPS調整量が制限される場合であっても、HPS21の電力変換装置212の受電経路213における皮相電力を改善することができる。
なお、本開示では、HPS算出部304が、HPS必要量を算出しているが、これに限定されない。
HPS算出部304は、HPS21の電力変換装置212の受電経路213における皮相電力を調整するためにAF214から供給されている電流値を算出してもよい。そして、算出された電流値が、供給量算出部305による電線供給量の算出に用いられてもよい。
HPS算出部304は、HPS21の電力変換装置212の受電経路213における皮相電力を調整するためにAF214から供給されている電流値を算出してもよい。そして、算出された電流値が、供給量算出部305による電線供給量の算出に用いられてもよい。
また、電線算出部303による将来必要量の算出に用いられる情報は、上記の例に限定されない。
取得部301は、太陽光発電システムや風力発電システム等の再生可能エネルギーを生成するシステムに生成される電力量に関する情報を取得してもよい。そして、電線算出部303は、取得部301に取得された電力量に関する情報から、調整対象電線における皮相電力の傾向を算出することで、将来必要量を算出してもよい。また、取得部301は、調整対象電線が設けられている地域の天気に関する情報を取得してもよい。そして、電線算出部303は、取得部301に取得された天気に関する情報から、電力需要の傾向を算出してもよい。そして、算出した電力需要の傾向から、調整対象電線における皮相電力の傾向を算出することで、将来必要量を算出してもよい。
取得部301は、太陽光発電システムや風力発電システム等の再生可能エネルギーを生成するシステムに生成される電力量に関する情報を取得してもよい。そして、電線算出部303は、取得部301に取得された電力量に関する情報から、調整対象電線における皮相電力の傾向を算出することで、将来必要量を算出してもよい。また、取得部301は、調整対象電線が設けられている地域の天気に関する情報を取得してもよい。そして、電線算出部303は、取得部301に取得された天気に関する情報から、電力需要の傾向を算出してもよい。そして、算出した電力需要の傾向から、調整対象電線における皮相電力の傾向を算出することで、将来必要量を算出してもよい。
なお、本開示では、制御サーバ30が、電線調整量、電線必要量および将来必要量を算出しているが、これに限定されない。
例えば、指示サーバ40が制御サーバ30の機能を有してもよい。言い換えると、指示サーバ40が、取得部301、記憶部302および電線算出部303等の機能を備えてもよい。そして、指示サーバ40が、電線調整量、電線必要量および将来必要量を算出し、算出した結果が示された情報を、制御サーバ30に送信してもよい。
例えば、指示サーバ40が制御サーバ30の機能を有してもよい。言い換えると、指示サーバ40が、取得部301、記憶部302および電線算出部303等の機能を備えてもよい。そして、指示サーバ40が、電線調整量、電線必要量および将来必要量を算出し、算出した結果が示された情報を、制御サーバ30に送信してもよい。
また、本開示では、制御サーバ30の供給量算出部305が、HPS21における皮相電力のHPS21による調整を制限させることを説明した。ここで、HPS21における皮相電力のHPS21による調整を制限させることには、HPS21における皮相電力をHPS21に調整させないことも含まれる。
また、本開示では、指示情報に、最新値情報、前回値情報、および予測値情報が含まれることを説明したが、これに限定されない。指示サーバ40は、調整対象電線における皮相電力の調整の指示とは別に、最新値情報、前回値情報、および予測値情報を制御サーバ30に送信してもよい。また、指示サーバ40は、調整対象電線における皮相電力の調整の指示とは別に、空き容量情報を制御サーバ30に送信してもよい。
また、本開示では、電力系統10に指示サーバ40および制御サーバ30が設けられていることを説明したが、これに限定されない。電力系統10に設けられる一のサーバが、指示サーバ40および制御サーバ30の機能を有してもよい。そして、この一のサーバが、皮相電力の調整が必要な電線の特定、および電線における皮相電力の調整のHPS21への指示をしてもよい。
また、本開示では、制御サーバ30が、電線における皮相電力の調整をHPS21に指示することを説明したが、これに限定されない。制御サーバ30とは異なる他のサーバが、電線における皮相電力の調整の指示を制御サーバ30から受け、受けた指示をHPS21に送ってもよい。
また、本開示では、電線調整量、電線必要量、HPS必要量、電線の「空き容量」、将来必要量、電線供給量、合計必要量、HPS調整量等のパラメータが電流値である例を説明したが、これに限定されない。各パラメータは、皮相電力に関するパラメータとして上述した何れかのパラメータであれば良い。
また、本開示では、制御サーバ30が、HPS21の動作を制御する構成としたが、これに限定されない。
例えば、HPS21が制御サーバ30の機能を有してもよい。言い換えると、HPS21に、各種の機能を実現するためのCPU31(図2参照)、ROM32、RAM33、通信装置34、記憶装置35が設けられてもよい。また、このHPS21が、制御サーバ30の取得部301、記憶部302、電線算出部303、HPS算出部304、供給量算出部305、送信部306等の機能を備えてもよい。そして、HPS21が、指示情報を取得してもよい。また、HPS21が、取得した指示情報に基づき電線供給量を算出し、算出した電線供給量の電流を調整対象電線に供給してもよい。また、HPS21が、HPS21における皮相電力のHPS21による調整を制限してもよい。
例えば、HPS21が制御サーバ30の機能を有してもよい。言い換えると、HPS21に、各種の機能を実現するためのCPU31(図2参照)、ROM32、RAM33、通信装置34、記憶装置35が設けられてもよい。また、このHPS21が、制御サーバ30の取得部301、記憶部302、電線算出部303、HPS算出部304、供給量算出部305、送信部306等の機能を備えてもよい。そして、HPS21が、指示情報を取得してもよい。また、HPS21が、取得した指示情報に基づき電線供給量を算出し、算出した電線供給量の電流を調整対象電線に供給してもよい。また、HPS21が、HPS21における皮相電力のHPS21による調整を制限してもよい。
ここで、上記にて説明した実施形態の各々は、以下のように捉えることができる。
本実施形態の電力制御システム1の供給量算出部305は、取得部301に取得された指示情報に基づき、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられる電流をHPS21に生成させる。
この場合、調整対象電線に電流を供給することなく調整対象電線における皮相電力を調整する場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整に対する、需要家側配電線19における状態の影響を生じにくくすることができる。
本実施形態の電力制御システム1の供給量算出部305は、取得部301に取得された指示情報に基づき、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられる電流をHPS21に生成させる。
この場合、調整対象電線に電流を供給することなく調整対象電線における皮相電力を調整する場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整に対する、需要家側配電線19における状態の影響を生じにくくすることができる。
また、供給量算出部305は、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられる電流をHPS21に生成させる場合に、HPS21における皮相電力のHPS21による調整を制限させる。
この場合、調整対象電線における皮相電力のHPS21による調整の制約が緩和されるため、HPS21における皮相電力のHPS21による調整が無条件でされる場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、調整対象電線における皮相電力のHPS21による調整の制約が緩和されるため、HPS21における皮相電力のHPS21による調整が無条件でされる場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、供給量算出部305は、空き容量情報に基づき、HPS21における皮相電力のHPS21による調整の制限をさせる。
この場合、調整対象電線における容量を超える電流が調整対象電線に流れることが抑制される。そのため、調整対象電線の容量とは無関係にHPS21における皮相電力が調整される場合に比べて、調整対象電線における短絡や発火の発生を抑制できる。
この場合、調整対象電線における容量を超える電流が調整対象電線に流れることが抑制される。そのため、調整対象電線の容量とは無関係にHPS21における皮相電力が調整される場合に比べて、調整対象電線における短絡や発火の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、供給量算出部305は、電流容量情報に基づき、HPS21における皮相電力のHPS21による調整の制限をさせる。
この場合、HPS21に生じる負荷が低減される。そのため、HPS21による電流の生成の能力とは無関係にHPS21における皮相電力が調整される場合に比べて、HPS21に不具合が生じることを抑制できる。
この場合、HPS21に生じる負荷が低減される。そのため、HPS21による電流の生成の能力とは無関係にHPS21における皮相電力が調整される場合に比べて、HPS21に不具合が生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、電線算出部303および供給量算出部305は、電線必要量よりも大きい電流をHPS21に生成させる。
この場合、時刻の経過とともに調整対象電線における皮相電力が変化している場合であっても、調整対象電線における皮相電力が改善されやすくなる。そのため、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、時刻の経過とともに調整対象電線における皮相電力が変化している場合であっても、調整対象電線における皮相電力が改善されやすくなる。そのため、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、本実施形態では、電線算出部303および供給量算出部305は、指示情報が予め定められた条件を満たす場合に、電線必要量よりも大きい電流をHPS21に生成させる。
この場合、指示情報に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、指示情報に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、本実施形態では、予め定められた条件は、調整対象電線における将来の皮相電力について定められている。
この場合、調整対象電線における将来の皮相電力に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、調整対象電線における将来の皮相電力に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、他の観点から捉えると、本実施形態のHPS21は、取得手段に取得された指示情報に基づき、調整対象電線における皮相電力を調整する。
この場合、調整対象電線に電流を供給することなく調整対象電線における皮相電力を調整する場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整に対する、需要家側配電線19における状態の影響を生じにくくすることができる。
この場合、調整対象電線に電流を供給することなく調整対象電線における皮相電力を調整する場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整に対する、需要家側配電線19における状態の影響を生じにくくすることができる。
また、他の観点から捉えると、本実施形態の制御サーバ30の供給量算出部305は、取得部301に取得された指示情報に基づき、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられる電流をHPS21に生成させる。
この場合、調整対象電線に電流を供給することなく調整対象電線における皮相電力を調整する場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整に対する、需要家側配電線19における状態の影響を生じにくくすることができる。
この場合、調整対象電線に電流を供給することなく調整対象電線における皮相電力を調整する場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整に対する、需要家側配電線19における状態の影響を生じにくくすることができる。
また、上記で説明した各構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更できる。言い換えると、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解される。
上記にて説明した構成に限らず、上記にて説明した各構成の一部を省略したり、上記にて説明した各構成に対して他の機能を付加したりしても良い。
上記にて説明した構成に限らず、上記にて説明した各構成の一部を省略したり、上記にて説明した各構成に対して他の機能を付加したりしても良い。
1…電力制御システム、10…電力系統、10S…電線用センサ、11…発電所、14…供給側配電線、16…受給側変電所、17…受給側配電線、19…需要家側配電線、20…電力消費施設、21S…HPSセンサ、21…HPS、30…制御サーバ、40…指示サーバ、211…調整部、212…電力変換装置、213…受電経路、214…AF
Claims (9)
- 配電系統の電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器と、
前記電線に関する電線情報を取得する取得手段と、
前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を前記機器に生成させる制御手段と、
を備えた、電力制御システム。 - 前記機器は、自装置における皮相電力の調整が可能であり、
前記制御手段は、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を前記機器に生成させる場合に、当該機器における皮相電力の当該機器による調整を制限させることを特徴とする請求項1記載の電力制御システム。 - 前記取得手段は、前記電線の容量に関する容量情報を取得し、
前記制御手段は、前記容量情報に基づき、前記制限をさせることを特徴とする請求項2記載の電力制御システム。 - 前記取得手段は、前記機器が電流を生成する能力に関する能力情報を取得し、
前記制御手段は、前記能力情報に基づき、前記制限をさせることを特徴とする請求項2記載の電力制御システム。 - 前記制御手段は、前記電線における皮相電力の改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させることを特徴とする請求項1記載の電力制御システム。
- 前記制御手段は、前記電線情報が予め定められた条件を満たす場合に、前記改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させることを特徴とする請求項5記載の電力制御システム。
- 前記電線情報には、将来における前記電線に関する情報が含まれ、
前記条件は、前記電線における将来の皮相電力について定められていることを特徴とする請求項6記載の電力制御システム。 - 配電系統の電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器であって、
前記電線に関する電線情報を取得する取得手段と、
前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力を調整する調整手段と、
を備えた、機器。 - 配電系統の電線に関する電線情報を取得する取得手段と、
前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を、当該電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器に生成させる制御手段と、
を備えた、情報処理装置。
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