JP2022111368A - 電力制御システム、機器および情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることを目的とする。
ここで、前記機器は、自装置における皮相電力の調整が可能であり、前記制御手段は、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を前記機器に生成させる場合に、当該機器における皮相電力の当該機器による調整を制限させてもよい。この場合、機器における皮相電力の機器による調整が無条件でされる場合に比べて、電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、前記取得手段は、前記電線の容量に関する容量情報を取得し、前記制御手段は、前記容量情報に基づき、前記制限をさせてもよい。この場合、電線の容量とは無関係に機器における皮相電力が調整される場合に比べて、電線における短絡や発火の発生を抑制できる。
また、前記取得手段は、前記機器が電流を生成する能力に関する能力情報を取得し、前記制御手段は、前記能力情報に基づき、前記制限をさせてもよい。この場合、機器による電流の生成の能力とは無関係に機器における皮相電力が調整される場合に比べて、機器に不具合が生じることを抑制できる。
また、前記制御手段は、前記電線における皮相電力の改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させてもよい。この場合、電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流が機器に生成される場合に比べて、電線における皮相電力の変化に起因して電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、前記制御手段は、前記電線情報が予め定められた条件を満たす場合に、前記改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させてもよい。この場合、電線情報に関わらず電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流が機器に生成される場合に比べて、電線における皮相電力の変化に起因して電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、前記電線情報には、将来における前記電線に関する情報が含まれ、前記条件は、前記電線における将来の皮相電力について定められてもよい。この場合、電線における将来の皮相電力に関わらず電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流が機器に生成される場合に比べて、電線における皮相電力の変化に起因して電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
また、他の観点から捉えると、本開示の機器は、配電系統の電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器であって、前記電線に関する電線情報を取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力を調整する調整手段と、を備えた、機器である。この場合、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることができる。
また、他の観点から捉えると、本開示の情報処理装置は、配電系統の電線に関する電線情報を取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を、当該電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器に生成させる制御手段と、を備えた、情報処理装置である。この場合、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線に電流を供給することなく供給側の電線における皮相電力を調整する場合に比べて、配電用変圧器よりも電力の供給側の電線における皮相電力の調整に対する、配電用変圧器よりも電力の受給側の電線における状態の影響を生じにくくすることができる。
図1は、本実施形態に係る電力制御システム1の一例を示した図である。
電力制御システム1は、皮相電力を制御するシステムである。
電力制御システム1には、電力系統10と、複数の電力消費施設20と、制御サーバ30と、指示サーバ40とが設けられている。
送電線12は、発電所11に生成された電力を構成する電流が流れる線路である。送電線12は、発電所11から供給側変電所13にわたって設けられている。
供給側変電所13は、送電線12を通じて供給された電圧を変換する。供給側変電所13としては、例えば、50万Vの電圧を15.4万Vに変換する変電所、15.4万Vの電圧を6.6万Vに変換する変電所、6.6万Vの電圧を2.2万Vに変換する変電所等が挙げられる。
SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を調整する。より具体的には、SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を検出する。そして、SVR15は、検出した電圧が予め定められた範囲でない場合に、この電圧が予め定められた範囲に収まるように、電圧を調整する。
受給側変電所16は、供給側配電線14を通じて供給された電圧を変換する設備である。受給側変電所16としては、例えば、供給された電圧を6600Vに変換する変電所等が挙げられる。
柱上変圧器18は、受給側配電線17を通じて供給された電圧を変換する設備である。柱上変圧器18としては、例えば、6600Vの電圧を200Vに変換する変圧器や、6600Vの電圧を100Vに変換する変圧器等が挙げられる。
以上の通り、電力系統10は、電力消費施設20の外側に設けられている系統であって、生成された電力を電力の需要家に配るための系統である。そのため、電力系統10は、配電系統としても捉えられる。また、柱上変圧器18は、配電用変圧器としても捉えられる。また、受給側変電所16も、広義には、配電用変圧器の一例である。
上記式(2)において、V1は基本波電圧である。また、Vnはn次高調波電圧である。
電線用センサ10Sは、例えば、予め定められた時間ごとに、皮相電力に関する上記のパラメータを検出する。なお、電線における皮相電力に関するパラメータを、以下では、電力情報と称することがある。また、予め定められた時間としては、何れの時間でもよいが、例えば、1時間である。そして、電線用センサ10Sは、電力情報を検出すると、検出した電力情報を、検出の対象である電線を識別する電線識別情報とともに、指示サーバ40へ送信する。
また、図示の例では、電力系統10に一つの受給側変電所16が示されているが、受給側変電所16の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の受給側変電所16が設けられても良い。
また、供給側配電線14や受給側配電線17の数は、図示の例に限定されない。電力系統10には、図示した数よりも多くの供給側配電線14や受給側配電線17が設けられてもよい。この場合において、供給側配電線14ごとに電線用センサ10Sが設けられても良いし、受給側配電線17ごとに電線用センサ10Sが設けられても良い。
また、電線用センサ10Sが検出する電力情報は、皮相電力に関する一種類のパラメータに限定されない。電線用センサ10Sは、上述したパラメータのうちの複数種類のパラメータを検出してもよい。そして、検出した複数種類の各々のパラメータが示された電力情報を指示サーバ40へ送信してもよい。また、検出の対象になるパラメータの種類ごとに電線用センサ10Sが設けられてもよい。
電線における皮相電力に関するパラメータのHPS21による調整の手法の他の一例を説明する。電線に無効電力が生じている場合において、HPS21が電線に電流を供給することにより、電線における無効電力を低減する。また、電線における無効電力の減少に伴い、電線における力率が向上する。
このように、本実施形態では、HPS21を用いて電力系統10の電線における皮相電力に関するパラメータを調整する。また、HPS21は、電線の調整と同様の手法により、HPS21における皮相電力に関するパラメータを調整する。ここで、皮相電力に関するパラメータが変化することに伴い、皮相電力も変化する。そのため、皮相電力に関する上記の各パラメータの調整は、広義には、皮相電力の調整として捉えられる。以下では、調整の対象としての皮相電力に関する各パラメータを、「皮相電力」と総称することがある。
HPS21は、制御サーバ30から電線における皮相電力の調整を指示されると、受けた指示に応じて電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力を調整する。
また、本実施形態では、各電力消費施設20に、HPSセンサ21Sが設けられている。HPSセンサ21Sは、HPS21における皮相電力に関する情報を検出する。なお、HPSセンサ21Sについては、後に詳述する。
指示サーバ40は、皮相電力の調整が必要な電線を特定すると、この電線における皮相電力の調整の指示を、制御サーバ30へ送信する。この場合に、指示サーバ40は、調整が必要である電線に係る電力情報や、調整閾値の情報等を含む複数の情報を、制御サーバ30に送信する。
サーバには、CPU31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33が設けられている。また、サーバには、ハードディスク装置などにより構成され、情報を記憶する記憶装置35が設けられている。さらに、サーバには、外部との通信を行う通信装置34(通信I/F)が設けられている。
この他、サーバには、キーボード、マウス等の情報の入力に用いられる入力用装置、液晶ディスプレイ等の表示装置が設けられている。
CPU31により、ROM32や記憶装置35に格納されたプログラムが実行されることで、後述する各機能部が実現される。
HPS21には、調整部211と、電力変換装置212と、受電経路213と、アクティブフィルタ(AF:Active Filter)214とが設けられている。
調整部211は、温度や湿度を調整する。調整部211には、受給した電力を用いて動作するモータ(不図示)が設けられている。また、調整部211には、熱交換器(不図示)が設けられており、この熱交換器を通じて、電力消費施設20内の空気や液体が熱交換される。
受電経路213は、HPS21において電力変換装置212が受ける電力が通る経路である。
また、AF214は、電力系統10の電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力を調整する。
電力系統10の電線における皮相電力の調整に用いられる機器は、電線に電流を供給できる機器であればよい。電線に電流を供給できる機器としては、電力変換装置を有する機器等が挙げられる。より具体的には、電線に電流を供給できる機器としては、インバータおよびコンバータの少なくとも一方が設けられている電力変換装置を有する機器等が挙げられる。また、電力変換装置を有する機器としては、電気自動車や蓄電池等が挙げられる。また、電力変換装置を有する機器としては、太陽光発電システムや風力発電システム等の再生可能エネルギーを生成するシステム等が挙げられる。
制御サーバ30には、取得部301と、記憶部302と、電線算出部303と、HPS算出部304と、供給量算出部305と、送信部306とが設けられている。
取得手段の一例としての取得部301は、制御サーバ30に送信された情報や制御サーバ30に入力された情報を取得する。取得部301に取得された情報は、記憶部302に記憶される。
記憶部302は、情報を記憶する。記憶部302に記憶される情報については、後に詳述する。
送信部306は、電線供給量が示された情報を、HPS21へ送信する。
電線管理テーブルでは、「電線」に、電線識別情報が示されている。「電線」に示された「14」は、供給側配電線14であることを意味する。また、「電線」に示された「17」は、受給側配電線17であることを意味する。また、「17」とともに付された「A」および「B」は、それぞれ、複数の受給側配電線17のうちの何れであるかを識別するための情報である。
また、電線管理テーブルでは、「前回値」に、「電線」についての過去の電力情報が示されている。より具体的には、「前回値」には、「電線」についての電線用センサ10Sによる前回の検出結果が示されている。
取得部301は、電線用センサ10Sによる最新の検出結果を取得するたびに、「最新値」に示されていた電力情報を「前回値」に書き込むとともに、最新の検出結果としての電力情報を「最新値」に書き込む。
指示サーバ40は、「最新値」および「前回値」が更新されるたびに、「電線」における将来の皮相電力を算出し、算出した値を「予測値」に書き込む。
電流値の容量までの空きの量を算出する手法の例を説明する。電力制御システム1のユーザは、各電線の容量を予め指示サーバ40に入力する。また、指示サーバ40は、「最新値」から、「電線」に流れている電流値を算出する。そして、算出した電流値を「電線」の容量から減算して得られた値を、「空き容量」として算出する。
指示サーバ40は、「最新値」が更新されるたびに、「電線」における電流値の容量までの空きの量を算出し、算出した値を「空き容量」に書き込む。
HPS管理テーブルでは、「HPS」に、HPS識別情報が示されている。「HPS」の「21」とともに付された「A」乃至「J」は、それぞれ、複数のHPS21のうちの何れであるかを識別するための情報である。
電力制御システム1のユーザは、HPS21ごとに、HPS21への電力の供給において経由された電線の電線識別情報を、制御サーバ30に入力する。取得部301は、制御サーバ30に取得された電線識別情報を取得すると、対象の「電線」に関連付けられた「経由電線」に電線識別情報を書き込む。
電力制御システム1のユーザは、HPS21ごとに、AF214の電流値の容量が示された電流容量情報を、制御サーバ30に入力する。取得部301は、電流容量情報を取得すると、電流容量情報に示された電流値の容量を、対象の「電線」に関連付けられた「容量」に書き込む。ここで、電流容量情報は、HPS21が電流を生成する能力に関する能力情報としても捉えられる。
取得部301は、電線における皮相電力の調整の指示を受けたか否かを判定する(ステップ(以下、「S」と称する)101)。取得部301は、指示サーバ40から指示情報を取得したか否かにより、上記の判定をする。否定結果が継続している間、取得部301は、ステップ101の判定を繰り返す。一方、取得部301が指示情報を取得した場合、肯定結果を得て、ステップ102へ進む。
以下では、電線算出部303により電線必要量が「100」として算出された場合について説明する。
制御サーバ30は、HPS管理テーブル(図6参照)において調整対象電線に係る電線識別情報が「経由電線」に関連付けられた「HPS」を、調整に用いるHPS21に決定する。そして、調整に用いることを決定したHPS21について、供給量算出処理をする。なお、供給量算出処理の対象であるHPS21を、以下では、対象HPS21と称することがある。また、対象HPS21におけるAF214を、以下では、対象AF214と称することがある。
電線算出部303は、HPS管理テーブル(図6参照)を参照する。そして、対象HPS21に関連付けられた「容量」から、対象HPS21についての電線調整量を決定する。電線算出部303は、対象HPS21の「容量」が大きいほど、対象HPS21についての電線調整量を大きくしてもよい。
空き条件は、調整対象電線における電流値の容量までの空きの量と、合計必要量との関係について定められた条件である。本実施形態では、調整対象電線における短絡や発火が発生することなく合計必要量の電流を調整対象電線に流す観点から、空き条件が定められている。また、本実施形態では、調整対象電線における電流値の容量までの空きの量が合計必要量以上であることが空き条件として定められている。供給量算出部305は、空き容量情報に示された調整対象電線の「空き容量」が合計必要量以上であるか否かにより、合計必要量が空き条件を満たすか否かを判定する。
電流容量条件は、対象AF214の電流値の容量と、合計必要量との関係について定められた条件である。本実施形態では、対象AF214に不具合が生じることを抑制する観点から、電流容量条件が定められている。また、本実施形態では、対象AF214の電流値の容量が合計必要量以上であることが電流容量条件として定められている。供給量算出部305は、HPS管理テーブルを参照する。そして、対象HPS21の「容量」が合計必要量以上であるか否かにより、合計必要量が電流容量条件を満たすか否かを判定する。
一方、合計必要量が空き条件および電流容量条件の少なくとも一方を満たさない場合(S203にてNO)、供給量算出部305は、合計必要量が空き条件および電流容量条件の何れか一方の条件を満たすか否かを判定する(S205)。
満たす条件が空き条件である場合(S206にてYES)、合計必要量が電流容量条件を満たさないことを意味する。この場合、供給量算出部305は、対象HPS21の受電経路213における皮相電力を調整するために対象AF214に供給させる電流値を、HPS必要量よりも小さくする。対象HPS21の受電経路213における皮相電力を調整するために対象AF214に供給させる電流値を、以下では、HPS調整量と称することがある。供給量算出部305は、HPS調整量と、対象HPS21の電線調整量との合計値が、対象HPS21の「容量」以下になるように、HPS調整量を制限する。そして、制限したHPS調整量と、電線調整量との合計値を、電線供給量として算出する(S207)。
調整に用いる全てのHPS21のうちの何れかについて電線供給量が算出されていない場合(S211にてNO)、電線供給量が算出されていないHPS21について、ステップ201以降の処理が繰り返される。
また、全てのHPS21について電線供給量が算出されると(S211にてYES)、供給量算出処理が終了する。
このように、本実施形態では、電線算出部303、供給量算出部305、および送信部306により、調整対象電線における皮相電力のHPS21による調整が制御される。そのため、電線算出部303、供給量算出部305、および送信部306は、制御手段としても捉えられる。
この例では、電線算出処理(図7参照)において、電線調整量が「100」と算出されたものとする。また、「17A」の電線における電流値の容量までの空きの量が「140」であるものとする。また、「21A」、「21B」、「21C」、「21D」、「21E」のHPS21についての各々の電線調整量が、それぞれ、「25」、「25」、「25」、「20」、「5」であるものとする。
供給量算出部305は、「21A」のHPS21の合計必要量を算出する(S202)。「21A」のHPS21のHPS必要量は、「10」(図6参照)である。そのため、「21A」のHPS21の電線調整量およびHPS必要量の合計値である合計必要量は、「35」である。
この場合、供給量算出部305は、合計必要量「35」を、「21A」のHPS21の電線供給量として算出する(S204)。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21B」乃至「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
供給量算出部305は、合計必要量「35」を、「21B」のHPS21の電線供給量として算出する(S204)。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21C」乃至「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
供給量算出部305は、合計必要量「35」を、「21C」のHPS21の電線供給量として算出する(S204)。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21D」および「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
この場合、供給量算出部305は、「21D」のHPS21についてのHPS調整量および電線調整量の合計値が「25」以下になるように、HPS調整量を、HPS必要量である「10」よりも小さい「5」に制限する。そして、制限したHPS調整量である「5」と電線調整量である「20」の合計値である「25」を、「21D」のHPS21の電線供給量として算出する(S207)。
供給量算出部305は、全てのHPS21について電線供給量を算出したか否かを判定する(S211)。この例では、「21E」のHPS21についての電線供給量が算出されていないため(S211にてNO)、ステップ201に戻る。
この場合、供給量算出部305は、「21E」のHPS21についてのHPS調整量および電線調整量の合計値が「10」以下になるように、HPS調整量を、HPS必要量である「10」よりも小さい「5」に制限する。そして、制限したHPS調整量である「5」と電線調整量である「5」の合計値である「10」を、「21E」のHPS21の電線供給量として算出する(S207)。
この場合、HPS21における皮相電力のHPS21による調整が制限される分だけ、調整対象電線における皮相電力のHPS21による調整の制約が緩和される。そのため、HPS21における皮相電力のHPS21による調整が無条件でされる場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることが抑制される。
この場合、調整対象電線の容量に基づいてHPS21における皮相電力の調整が制限される分だけ、調整対象電線における容量を超える電流が調整対象電線に流れることが抑制される。そのため、調整対象電線における皮相電力の調整およびHPS21における皮相電力の調整が調整対象電線の容量とは無関係にされる場合に比べて、調整対象電線における短絡や発火の発生を抑制できる。
この場合、HPS21が電流を生成する能力に基づいてHPS21における皮相電力の調整が制限される分だけ、HPS21に生じる負荷が低減される。そのため、調整対象電線における皮相電力の調整およびHPS21における皮相電力の調整が、HPS21による電流の生成の能力とは無関係にされる場合に比べて、HPS21に不具合が生じることを抑制できる。
時刻の経過とともに調整対象電線における皮相電力が変化している場合、HPS21から調整対象電線に電流が供給されるときには、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な電流が電線必要量よりも大きくなっている場合がある。この場合であっても、電線必要量よりも大きい電流が調整対象電線に供給されることで、調整対象電線における皮相電力を改善することができる。そのため、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、指示情報の内容に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、調整対象電線における将来の皮相電力に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
HPS算出部304は、HPS21の電力変換装置212の受電経路213における皮相電力を調整するためにAF214から供給されている電流値を算出してもよい。そして、算出された電流値が、供給量算出部305による電線供給量の算出に用いられてもよい。
取得部301は、太陽光発電システムや風力発電システム等の再生可能エネルギーを生成するシステムに生成される電力量に関する情報を取得してもよい。そして、電線算出部303は、取得部301に取得された電力量に関する情報から、調整対象電線における皮相電力の傾向を算出することで、将来必要量を算出してもよい。また、取得部301は、調整対象電線が設けられている地域の天気に関する情報を取得してもよい。そして、電線算出部303は、取得部301に取得された天気に関する情報から、電力需要の傾向を算出してもよい。そして、算出した電力需要の傾向から、調整対象電線における皮相電力の傾向を算出することで、将来必要量を算出してもよい。
例えば、指示サーバ40が制御サーバ30の機能を有してもよい。言い換えると、指示サーバ40が、取得部301、記憶部302および電線算出部303等の機能を備えてもよい。そして、指示サーバ40が、電線調整量、電線必要量および将来必要量を算出し、算出した結果が示された情報を、制御サーバ30に送信してもよい。
例えば、HPS21が制御サーバ30の機能を有してもよい。言い換えると、HPS21に、各種の機能を実現するためのCPU31(図2参照)、ROM32、RAM33、通信装置34、記憶装置35が設けられてもよい。また、このHPS21が、制御サーバ30の取得部301、記憶部302、電線算出部303、HPS算出部304、供給量算出部305、送信部306等の機能を備えてもよい。そして、HPS21が、指示情報を取得してもよい。また、HPS21が、取得した指示情報に基づき電線供給量を算出し、算出した電線供給量の電流を調整対象電線に供給してもよい。また、HPS21が、HPS21における皮相電力のHPS21による調整を制限してもよい。
本実施形態の電力制御システム1の供給量算出部305は、取得部301に取得された指示情報に基づき、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられる電流をHPS21に生成させる。
この場合、調整対象電線に電流を供給することなく調整対象電線における皮相電力を調整する場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整に対する、需要家側配電線19における状態の影響を生じにくくすることができる。
この場合、調整対象電線における皮相電力のHPS21による調整の制約が緩和されるため、HPS21における皮相電力のHPS21による調整が無条件でされる場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、調整対象電線における容量を超える電流が調整対象電線に流れることが抑制される。そのため、調整対象電線の容量とは無関係にHPS21における皮相電力が調整される場合に比べて、調整対象電線における短絡や発火の発生を抑制できる。
この場合、HPS21に生じる負荷が低減される。そのため、HPS21による電流の生成の能力とは無関係にHPS21における皮相電力が調整される場合に比べて、HPS21に不具合が生じることを抑制できる。
この場合、時刻の経過とともに調整対象電線における皮相電力が変化している場合であっても、調整対象電線における皮相電力が改善されやすくなる。そのため、調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、指示情報に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、調整対象電線における将来の皮相電力に関わらず調整対象電線における皮相電力の改善に必要な量以下の電流がHPS21に生成される場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の変化に起因して調整対象電線における皮相電力の調整が不十分になることを抑制できる。
この場合、調整対象電線に電流を供給することなく調整対象電線における皮相電力を調整する場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整に対する、需要家側配電線19における状態の影響を生じにくくすることができる。
この場合、調整対象電線に電流を供給することなく調整対象電線における皮相電力を調整する場合に比べて、調整対象電線における皮相電力の調整に対する、需要家側配電線19における状態の影響を生じにくくすることができる。
上記にて説明した構成に限らず、上記にて説明した各構成の一部を省略したり、上記にて説明した各構成に対して他の機能を付加したりしても良い。
Claims (9)
- 配電系統の電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器と、
前記電線に関する電線情報を取得する取得手段と、
前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を前記機器に生成させる制御手段と、
を備えた、電力制御システム。 - 前記機器は、自装置における皮相電力の調整が可能であり、
前記制御手段は、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を前記機器に生成させる場合に、当該機器における皮相電力の当該機器による調整を制限させることを特徴とする請求項1記載の電力制御システム。 - 前記取得手段は、前記電線の容量に関する容量情報を取得し、
前記制御手段は、前記容量情報に基づき、前記制限をさせることを特徴とする請求項2記載の電力制御システム。 - 前記取得手段は、前記機器が電流を生成する能力に関する能力情報を取得し、
前記制御手段は、前記能力情報に基づき、前記制限をさせることを特徴とする請求項2記載の電力制御システム。 - 前記制御手段は、前記電線における皮相電力の改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させることを特徴とする請求項1記載の電力制御システム。
- 前記制御手段は、前記電線情報が予め定められた条件を満たす場合に、前記改善に必要な電流よりも大きい電流を前記機器に生成させることを特徴とする請求項5記載の電力制御システム。
- 前記電線情報には、将来における前記電線に関する情報が含まれ、
前記条件は、前記電線における将来の皮相電力について定められていることを特徴とする請求項6記載の電力制御システム。 - 配電系統の電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器であって、
前記電線に関する電線情報を取得する取得手段と、
前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力を調整する調整手段と、
を備えた、機器。 - 配電系統の電線に関する電線情報を取得する取得手段と、
前記取得手段に取得された前記電線情報に基づき、前記電線における皮相電力の調整に用いられる電流を、当該電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器に生成させる制御手段と、
を備えた、情報処理装置。
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