JP2022111097A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護フィルム剥離時の樹脂剥がれの発生を抑制可能なプリント配線板の製造方法、及びプリント配線板の製造に用いる仮付け装置を提供する。【解決手段】プリント配線板の製造方法は、支持体2及び支持体2と接合している樹脂組成物層からなる接着シート4と、接着シート4の樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルム5とを含む保護フィルム付き接着シート1を準備する工程、保護フィルム付き接着シートを加温し、保護フィルムを剥離する工程及び樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように配置する工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板の製造方法及び仮付け装置に関する。
プリント配線板の層間絶縁層の形成に用いられる保護フィルム付き接着シートは、一般に支持体/樹脂組成物層/保護フィルムの層構成を有する。絶縁層は、例えば特許文献1、2に記載されているように、保護フィルム付き接着シートの保護フィルムを剥離した後、内層回路基板に樹脂組成物層をラミネートした後、樹脂組成物層を硬化させることにより形成することができる。
特開2016-25318号公報 特開2014-24961号公報
絶縁層を効率よく形成する方法としては、ロール状の保護フィルム付き接着シートを仮付け装置(オートカッター装置)にセットし、保護フィルム付き接着シートを搬送しつつ、その搬送途中で保護フィルムを剥離する。保護フィルムが剥離された接着シートは、樹脂組成物層が回路基板と接するように仮付けされる。接着シートが仮付けされた回路基板はラミネート装置に搬送され、樹脂組成物層と回路基板をラミネートする。これらは、一般的に異物の混入を防ぐために20~25℃の恒温クリーンルーム環境下で行われる。
しかし、これら方法にて保護フィルムを剥離する際、樹脂組成物層の一部までもが保護フィルムとともに剥離除去されてしまう現象(以下、「樹脂剥がれ」ということがある。)が起こる場合があり、プリント配線板の歩留まりを下げる要因となっている。
特許文献1では、保護フィルムの剥離面の帯電量を一定値以下とし、特許文献2では支持体と保護フィルムの剥離強度の差を特定範囲に設定することで樹脂剥がれの発生を抑制しようとしているが、汎用性の観点から必ずしも満足のいく方法であるとはいえず、より簡便で汎用性に優れる方法が求められていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、樹脂剥がれの発生を抑制可能なプリント配線板の製造方法、及びプリント配線板の製造に用いる仮付け装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題につき鋭意検討した結果、保護フィルム付き接着シートの保護フィルムを剥離する前に保護フィルム付き接着シートを加温することで樹脂剥がれの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む保護フィルム付き接着シートを準備する工程、
(B)保護フィルムを剥離する工程、及び
(C)樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように配置する工程、を含み、
工程(B)において保護フィルムを剥離する前に保護フィルム付き接着シートを加温する、プリント配線板の製造方法。
[2] (B)工程において、保護フィルムを剥離するときの保護フィルム付き接着シートの保護フィルムの表面温度が26℃以上110℃以下である、[1]に記載のプリント配線板の製造方法。
[3] (B)工程において、保護フィルムを剥離するときの保護フィルム付き接着シートの保護フィルムの表面温度が80℃以下である、[1]又は[2]に記載のプリント配線板の製造方法。
[4] (D)回路基板上に接着シートが仮付けされた積層体を加熱及び加圧し、回路基板に接着シートをラミネート処理する工程、及び
(E)樹脂組成物層を熱硬化し、絶縁層を形成する工程、を含む、[1]~[3]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[5] 支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む保護フィルム付き接着シートの保護フィルムを剥離し、樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように回路基板上に仮付けする仮付け装置であって、
仮付け装置は、保護フィルム付き接着シートを加温する加温手段を備える、仮付け装置。
本発明によれば、樹脂剥がれの発生を抑制可能なプリント配線板の製造方法、及びプリント配線板の製造に用いる仮付け装置を提供することができる。
図1は、保護フィルム付き接着シートの概略端面図である。 図2は、仮付け装置による回路基板への接着シートの仮付けを模式的に示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は適宜変更可能である。以下の説明に用いる図面において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明については省略する場合がある。また、本発明の実施形態にかかる構成は、必ずしも図示例の配置により、製造されたり、使用されたりするとは限らない。
本発明のプリント配線板の製造方法について詳細に説明する前に、本発明のプリント配線板の製造方法において使用される保護フィルム付き接着シートについて説明する。
[保護フィルム付き接着シート]
保護フィルム付き接着シートは、支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む。
図1に、保護フィルム付き接着シートの一例を示した概略端面図を示す。保護フィルム付き接着シート1は、支持体2及び該支持体と接合している樹脂組成物層3からなる接着シート4と、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルム5とを含む。以下、保護フィルム付き接着シートにおける支持体、樹脂組成物層、及び保護フィルムについて説明する。
<支持体>
保護フィルム付き接着シートは支持体を含む。支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合している側の表面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられ、中でも、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤を含むことが好ましい。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ社製の「ルミラーT60」、帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等のアルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルム;デュポンフィルム社製の「U2-NR1」;等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
<樹脂組成物層>
保護フィルム付き接着シートは、樹脂組成物からなる樹脂組成物層を含む。樹脂組成物層は、支持体と接合し接着シートを形成しており、プリント配線板の製造に際しては、回路基板上に樹脂組成物層が積層され、熱硬化により絶縁層を形成する。樹脂組成物層を形成する樹脂組成物は特に限定されないが、その硬化物が十分な硬度と絶縁性を有するものであればよい。斯かる樹脂組成物としては、例えば、(a)硬化性樹脂、及び(b)無機充填材を含む組成物が挙げられる。硬化性樹脂としては、プリント配線板の絶縁層を形成する際に使用される従来公知の硬化性樹脂を用いることができ、エポキシ樹脂、硬化剤が好ましい。樹脂組成物は、必要に応じて、さらに(c)硬化促進剤、(d)熱可塑性樹脂、及び(e)その他の添加剤を含んでいてもよい。
<(a)硬化性樹脂>
樹脂組成物は、(a)成分として硬化性樹脂を含有する。(a)硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられるが、プリント配線板の絶縁層を形成する際に使用され得る熱硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アミン系樹脂、酸無水物系樹脂等が挙げられる。(a)成分は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。以下、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アミン系樹脂、酸無水物系樹脂のように、エポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させることができる樹脂を、まとめて「硬化剤」ということがある。樹脂組成物としては、絶縁層を形成する観点から、(a)成分として、エポキシ樹脂及び硬化剤を含み、エポキシ樹脂、ナフトール系樹脂、及び活性エステル系樹脂のいずれかを含むことがより好ましい。
(a)成分としてのエポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、(a)成分として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、(a)成分の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。樹脂組成物は、(a)成分として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよいが、本発明の効果を顕著に得る観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含むことが好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」、「EXA4032SS」、「EXA-7311G4S」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」、三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)成分として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、好ましくは1:0.1~1:20、より好ましくは1:1~1:10、特に好ましくは1:5~1:5である。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比が斯かる範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。さらに、通常は、接着シートの形態で使用する場合に、適度な粘着性がもたらされる。また、通常は、接着シートの形態で使用する場合に、十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する。さらに、通常は、十分な破断強度を有する硬化物を得ることができる。
(a)成分としてのエポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5000g/eq.、より好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、さらに好ましくは80g/eq.~2000g/eq.、さらにより好ましくは110g/eq.~1000g/eq.である。この範囲となることで、樹脂組成物の硬化物の架橋密度が十分な硬化体をもたらすことができる。エポキシ当量は、1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
(a)成分としてのエポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(a)成分としてのエポキシ樹脂の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す硬化物を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
(a)成分としての活性エステル系樹脂としては、1分子中に1個以上の活性エステル基を有する樹脂を用いることができる。中でも、活性エステル系樹脂としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する樹脂が好ましい。当該活性エステル系樹脂は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に、耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系樹脂が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系樹脂がより好ましい。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系樹脂の好ましい具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂、ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系樹脂、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系樹脂が挙げられる。中でも、ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系樹脂の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「EXB9460S-65T」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含むナフタレン型活性エステル系樹脂として「EXB9416-70BK」、「EXB-8100L-65T」、「EXB-8150L-65T」、「EXB-8150-65T」、「HPC-8150-60T」、「HPC-8150-62T」、「HPB-8151-62T」(DIC社製)、「PC1300-02-65T」(エア・ウォーター社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系樹脂として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系樹脂として「YLH1026」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系樹脂として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系樹脂として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);「EXB-8500-65T」(DIC社製);等が挙げられる。
(a)成分としての活性エステル系樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
(a)成分としてのフェノール系樹脂及びナフトール系樹脂としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するものが好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系樹脂が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系樹脂がより好ましい。
フェノール系樹脂及びナフトール系樹脂の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN-495V」「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA-3018-50P」、「EXB-9500」等が挙げられる。
(a)成分としてのフェノール系樹脂及びナフトール系樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
(a)成分としてのシアネートエステル系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル、等の2官能シアネート樹脂;フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂;これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマー;などが挙げられる。シアネートエステル系樹脂の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」、「PT30S」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「ULL-950S」(多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。シアネートエステル系樹脂は、樹脂組成物が(b)無機充填材を含まない場合の硬化剤として用いることが好ましい。
(a)成分としてのベンゾオキサジン系樹脂の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OD100」(ベンゾオキサジン環当量218g/eq.)、「JBZ-OP100D」(ベンゾオキサジン環当量218g/eq.)、「ODA-BOZ」(ベンゾオキサジン環当量218g/eq.);四国化成工業社製の「P-d」(ベンゾオキサジン環当量217g/eq.)、「F-a」(ベンゾオキサジン環当量217g/eq.);昭和高分子社製の「HFB2006M」(ベンゾオキサジン環当量432g/eq.)等が挙げられる。
(a)成分としてのカルボジイミド系樹脂の具体例としては、日清紡ケミカル社製のカルボジライト(登録商標)V-03(カルボジイミド基当量:216g/eq.、V-05(カルボジイミド基当量:216g/eq.)、V-07(カルボジイミド基当量:200);V-09(カルボジイミド基当量:200g/eq.);ラインケミー社製のスタバクゾール(登録商標)P(カルボジイミド基当量:302g/eq.)が挙げられる。
(a)成分としてのアミン系樹脂としては、1分子内中に1個以上のアミノ基を有する樹脂が挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、本発明の所望の効果を奏する観点から、芳香族アミン類が好ましい。アミン系樹脂は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系樹脂の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、ジフェニルジアミノスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン系樹脂は市販品を用いてもよく、例えば、日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」、三菱ケミカル社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
(a)成分としての酸無水物系樹脂としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する樹脂が挙げられる。酸無水物系樹脂の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
(a)成分としてエポキシ樹脂及び硬化剤を含有する場合、エポキシ樹脂とすべての硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01~1:5の範囲が好ましく、1:0.05~1:3がより好ましく、1:0.1~1:2がさらに好ましい。ここで、「エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在するエポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「硬化剤の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する硬化剤の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。(a)成分として、エポキシ樹脂と硬化剤との量比をかかる範囲内とすることにより、柔軟性に優れる硬化体を得ることができる。
(a)成分としての硬化剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
<(b)無機充填材>
樹脂組成物は、(b)成分として(b)無機充填材を含有する。(b)無機充填材の材料としては、無機化合物を用いる。無機充填材の材料の例としては、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも炭酸カルシウム、シリカが好適であり、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては、球状シリカが好ましい。(b)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)成分の市販品としては、例えば、デンカ社製の「UFP-30」;新日鉄住金マテリアルズ社製の「SP60-05」、「SP507-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;アドマテックス社製の「SC2500SQ」、「SO-C4」、「SO-C2」、「SO-C1」、「SC2050-SXF」;などが挙げられる。
(b)成分の比表面積としては、好ましくは1m/g以上、より好ましくは2m/g以上、特に好ましくは3m/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m/g以下、50m/g以下又は40m/g以下である。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
(b)成分の平均粒径は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。
(b)成分の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で(b)成分の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出できる。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA-960」等が挙げられる。
(b)成分は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、ビニルシラン系カップリング剤、(メタ)アクリル系カップリング剤、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、ビニルシラン系カップリング剤、(メタ)アクリル系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤が好ましい。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM1003」(ビニルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM503」(3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量部は、0.2質量部~5質量部の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量部~3質量部で表面処理されていることが好ましく、0.3質量部~2質量部で表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及びシート形態での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
(b)成分の含有量は、絶縁層の機械強度を向上させる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
<(c)硬化促進剤>
樹脂組成物は、(c)硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
(c)硬化促進剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、特に好ましくは0.03質量%以上であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。
<(d)熱可塑性樹脂>
樹脂組成物は、(d)熱可塑性樹脂を含有していてもよい。(d)熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、フェノキシ樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(d)熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは38000以上、より好ましくは40000以上、さらに好ましくは42000以上である。上限は、好ましくは100000以下、より好ましくは70000以下、さらに好ましくは60000以下である。(d)熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、(d)熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として島津製作所社製LC-9A/RID-6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K-800P/K-804L/K-804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「FX280」及び「FX293」、三菱ケミカル社製の「YX7800BH30」、「YX8000BH30」、「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、例えば、デンカ社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」、積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006-37083号公報記載のポリイミド)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002-12667号公報及び特開2000-319386号公報等に記載のポリイミド)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、三菱ガス化学社製のオリゴフェニレンエーテル・スチレン樹脂「OPE-2St 1200」等が挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「スミプロイK」等が挙げられる。ポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、GE社製の「ウルテム」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合樹脂;ポリプロピレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン系エラストマー等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂等が挙げられる。
中でも、(d)熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。したがって好適な一実施形態において、熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される1種以上を含む。中でも、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂が好ましく、重量平均分子量が40,000以上のフェノキシ樹脂が特に好ましい。
(d)熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。上限は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
<(e)その他の添加剤>
樹脂組成物は、上述した成分以外に、任意の成分として、更にその他の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、エラストマー;難燃剤;有機充填材;有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物;増粘剤;消泡剤;レベリング剤;密着性付与剤;着色剤等の樹脂添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。それぞれの含有量は当業者であれば適宜設定できる。
樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合成分を、必要により溶媒等とともに、回転ミキサーなどを用いて混合・分散する方法などが挙げられる。
樹脂組成物層の厚みは、3μm~200μmが好ましく、5μm~150μmがより好ましく、20μm~100μmが更に好ましい。
<保護フィルム>
保護フィルム付き接着シートは保護フィルムを含む。保護フィルムは、仮付け装置に接着シートをセットする際に樹脂組成物層表面を物理的ダメージから守り、またゴミ等の異物付着を防止するなどの利点がある。
保護フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、PET、PEN等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド等が挙げられる。好適な一実施形態において、保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される1種以上の材料を含むことが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
保護フィルムの厚みは、5μm~75μmの範囲が好ましく、5μm~30μmの範囲がより好ましい。
<保護フィルム付き接着シートの製造方法>
保護フィルム付き接着シートは、例えば、下記工程(1)及び(2)を含む製造方法により製造することができる。以下、保護フィルム付き接着シートの製造方法の各工程について説明する。
(1)支持体と接合するように樹脂組成物層を設けて接着シートを形成する工程、
(2)上記(1)で得た接着シートの樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設ける工程
工程(1)では、支持体と接合するように樹脂組成物層を設けて接着シートを形成する。樹脂組成物層は、公知の方法で、支持体と接合するように設けることができる。例えば、溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどの塗布装置を用いて支持体表面に塗布し、樹脂ワニスを乾燥させて樹脂組成物層を設けることができる。
樹脂ワニスの調製に用いる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。溶剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂ワニスの乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の乾燥方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
工程(2)では、工程(1)で得た接着シートの樹脂組成物層と接合するように保護フィルムを設ける。工程(2)においては、ロールやプレス圧着等で保護フィルムを接着シートの樹脂組成物層にラミネート処理することが好ましい。
工程(2)におけるラミネート処理において、圧着圧力は、通常0.02kgf/cm~11kgf/cm(0.196×10N/m~107.9×10N/m)の範囲であり、好ましくは0.03kgf/cm~5kgf/cm(0.294×10N/m~78.4×10N/m)の範囲、より好ましくは0.04kgf/cm~2kgf/cm(0.392×10N/m~49×10N/m)の範囲である。
工程(2)の後、得られた保護フィルム付き接着シートをロール状に巻き取ることで、ロール状保護フィルム付き接着シートを製造することができる。ロール状保護フィルム付き接着シートは、後述するプリント配線板の製造方法に用いることができる。
上記の保護フィルム付き接着シートの製造方法は、ロール状に巻き取られた支持体から支持体を連続的に搬送し、樹脂ワニスの塗布及び乾燥により支持体上に樹脂組成物層を形成した後、樹脂組成物層と接合するように保護フィルム(ロール状に巻き取られた保護フィルムを利用し得る)を設けることにより、連続的に実施することができる。
[プリント配線板の製造方法、仮付け装置]
本発明のプリント配線板の製造方法は、
(A)支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む保護フィルム付き接着シートを準備する工程、
(B)保護フィルムを剥離する工程、
(C)樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように配置する工程、を含み、工程(B)において保護フィルムを剥離する前に保護フィルム付き接着シートを加温する。
また、本発明のプリント配線板の製造方法は、必要に応じて、下記工程(D)及び(E)を含んでいてもよい。
(D)回路基板上に接着シートが仮付けされた積層体を加熱及び加圧し、回路基板に接着シートをラミネート処理する工程
(E)樹脂組成物層を熱硬化し、絶縁層を形成する工程
以下、プリント配線板の製造方法の各工程を説明する。
工程(A)では、保護フィルム付き接着シートを準備する。保護フィルム付き接着シートについては上記したとおりである。
工程(B)では、保護フィルムを剥離する前に保護フィルム付き接着シートを加温してから保護フィルムを剥離する。また、工程(C)では、樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように配置する。
図2は、本発明の仮付け装置の一例を示す模式図である。仮付け装置10は、支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シート4と、該接着シート4の樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルム5とを含む保護フィルム付き接着シート1の保護フィルム5を剥離し、樹脂組成物層が露出した接着シート4を、樹脂組成物層が回路基板6と接合するように回路基板6上に仮付けする装置であり、本発明の仮付け装置10は、保護フィルム付き接着シート1を加温する加温手段を備える。図2に一例を示すように、工程(B)では、適切な幅に予めスリットされたロール状の保護フィルム付き接着シート11を、仮付け装置(オートカッター装置)10内にセットする。図2においては、回路基板6の片面(図2において上面)に接着シート4を設ける態様を示し、回路基板6の上方に1本のロール状保護フィルム付き接着シート11がセットされている。以下においては、斯かる図2の記載に基づいて、回路基板6の片面に接着シート4を設ける態様について説明するが、回路基板6の下方にも1本のロール状保護フィルム付き接着シート11をさらにセットし、回路基板6の両面に接着シート4を設けてもよい。
工程(B)において、ロール状保護フィルム付き接着シート11から保護フィルム付き接着シート1を搬送し、保護フィルム付き接着シート1を加温手段により加温してから保護フィルム5を剥離する。工程(B)の詳細は、保護フィルム付き接着シート1が保護フィルム取り出し具13を通過する際に保護フィルム付き接着シート1から保護フィルム5を剥離する。剥離された保護フィルム5は保護フィルム巻き取りロール12により回収することができる。なお、保護フィルム取り出し具(治具)13の形状、機構は特に限定されず、例えば、円柱状(ロール等)、角柱状(ブレード等)であってよい。また、保護フィルム付き接着シート1の搬送方向に対する保護フィルム取り出し角度は特に限定されず、任意に設定してよい。
仮付け装置10は、保護フィルム付き接着シート1を加温する加温手段を備える。加温手段としては、保護フィルム付き接着シートを加温することができればよく、公知の加温手段を用いることができる。保護フィルム付き接着シートの加温は、保護フィルム付き接着シート全体に行ってもよく、保護フィルム側から行ってもよく、支持体側から行ってもよい。通常使用される保護フィルム付き接着シートの厚みの範囲では、保護フィルム付き接着シート全体、保護フィルム側または支持体側のいずれから加温しても容易に保護フィルム付き接着シート全体が加温される傾向にある。保護フィルム付き接着シート1の加温手段による加温方法としては、保護フィルム取り出し具13にホットプレート等の加温手段を設けて保護フィルム付き接着シート1を加温する方法、仮付け装置10内全体を加温して保護フィルム付き接着シート1を加温する方法、保護フィルム付き接着シート1を保護フィルム取り出し具13に通過させる前にホットプレート等の加温手段(図示せず)にて保護フィルム付き接着シート1を加温する方法、等が挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、保護フィルム取り出し具13に加温手段を設ける方法が好ましい。
保護フィルム付き接着シートを加温することにより、保護フィルムを剥離する際の樹脂剥がれの発生を抑制することができる。本発明において、保護フィルム付き接着シートを加温することにより保護フィルムを剥離する際の樹脂剥がれを抑制することができる理由については、接着シートの樹脂組成物層に含まれる硬化性樹脂等の成分が適度に柔らかくなり保護フィルムを剥離する際に樹脂剥がれのきっかけとなる樹脂組成物層のクラックが発生しにくくなる結果、樹脂剥がれが抑制されるものと推察している。
加温温度としては、保護フィルムの表面温度において、樹脂組成物層と回路基板とをラミネートする際の恒温クリーンルーム内の温度(20~25℃)よりも高くなる温度で加温することが好ましい。具体的には、保護フィルムの表面温度が恒温クリーンルーム内の温度より、好ましくは1℃以上、より好ましくは2℃以上、さらに好ましくは3℃以上、さらに好ましくは5℃以上高くなるように加温する。または季節の状況に応じて、10℃以上、好ましくは15℃以上高くなるように加温することもできる。具体的には、保護フィルムの表面温度が、好ましくは26℃以上、より好ましくは27℃以上、さらに好ましくは28℃以上、さらに好ましくは29℃以上である。または好ましくは30℃以上、好ましくは35℃以上、好ましくは40℃以上とすることができる。一方温度が高すぎる場合、樹脂組成物層が過度に柔軟化し、保護フィルムを剥離する際、保護フィルムの表面上に樹脂組成物層の一部が付着してしまう現象(以下、「樹脂付着」ということがある。)が発生する場合がある。従って加温温度の上限としては、好ましくは剥離後の保護フィルムに樹脂付着が観察されない(樹脂付着が生じない)温度以下であり、樹脂組成物によっても異なるが、例えば、保護フィルムの表面温度が、好ましくは110℃以下、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは70℃以下、さらに好ましくは65℃以下、さらに好ましくは60℃以下、さらに好ましくは55℃以下である。
工程(B)における保護フィルム付き接着シート1(あるいは接着シート4)の搬送速度は特に限定されないが、プリント配線板の生産速度の向上に寄与する観点から、搬送速度は好ましくは1m/分以上、より好ましくは2m/分以上、さらに好ましくは3m/分以上である。上限は特に限定されないが、10m/分以上等とし得る。保護フィルム付き接着シートを加温する本発明によれば、搬送速度が高い場合であっても、保護フィルムを剥離する際の樹脂剥がれを抑制し得るため有利である。
工程(B)における保護フィルム付き接着シート1(あるいは接着シート4)の搬送手段は特に限定されず、例えば、支持体側からバキューム吸着で吸い付けることにより接着シートを固定した後、機械的に行うことができる。
工程(C)において、樹脂組成物層が露出した接着シート4を、樹脂組成物層が回路基板6と接合するように配置する。例えば、コンベア装置15により搬送される回路基板6に対して、誘導ロール16及び17により接着シート4を位置合わせすることができる。
回路基板としては、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成されたものをいう。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も本発明でいう「回路基板」に含まれる。
工程(C)において、接着シート4の一部を支持体側から加熱及び加圧することで部分的に接着シート4を回路基板6に接着してもよい。例えば、回路基板6の送り方向において前方の一部(図2において回路基板6の右側の一部)のうち、ラミネート処理を必要とする回路に重なっていない不要部分において、接着シート4の一部を接触式ヒーター装置18等により支持体側から加熱及び加圧することで、部分的に接着シート4を回路基板6に接着することができる。部分的に接着シート4を回路基板6に圧着する際の加熱温度としては、樹脂組成物層に使用した樹脂組成物とその溶融粘度特性にもよるが、好ましくは60℃~130℃、より好ましくは60℃~120℃である。加熱時間としては、好ましくは1秒間~20秒間、より好ましくは5秒間~15秒間である。圧着時の圧力としては、好ましくは0.02kgf/cm~0.25kgf/cm(0.196N/m~2.45N/m)、より好ましくは0.05kgf/cm~0.20kgf/cm(0.49N/m~1.96N/m)である。
工程(C)終了後、接着シート4を回路基板6のサイズに応じてカッター14でカットすることにより、カットされた接着シートを回路基板の表面に設けてもよい。カットする際、樹脂組成物の切りカス(レジンチップ)が発生するのを低減する目的で、40℃~80℃の範囲で加温されたカッターバックアップヒーターが設置されていることが好ましい。
上記の工程(A)乃至(C)は全て、仮付け装置内で連続的に実施することができる。市販されている仮付け装置としては、例えば、伯東社製のドライフィルムラミネーターMachシリーズ;新栄機工社製のオートカッターFAC500、SAC-500、SAC-500/600;ニッコー・マテリアルズ社製のNT-100、NT-300などが挙げられる。
工程(D)は、回路基板上に接着シートが仮付けされた積層体を加熱及び加圧し、回路基板に接着シートをラミネート処理する。かかる工程(D)において、接着シートの全体を回路基板の表面にラミネート処理する。
積層体の加熱及び加圧は、例えば、加熱されたSUS鏡板等の金属板を支持体側からプレスすることにより行うことができる。この場合、金属板を直接プレスするのではなく、回路基板の回路凹凸に接着シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスを行うのが好ましい。
プレス温度は、好ましくは70℃~140℃の範囲であり、プレス圧力は好ましくは1kgf/cm~11kgf/cm(9.8×10N/m~107.9×10N/m)の範囲で行われる。
工程(D)において、好ましくは20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下で積層体を加熱及び加圧する。
ラミネート処理の後に、好ましくは、金属板による熱プレスにより、ラミネート処理された接着シートの平滑化処理を行う。該平滑化処理は、常圧下(大気圧下)で、加熱されたSUS鏡板等の金属板により、接着シートを加熱および加圧することにより行われる。加熱および加圧条件は、上記ラミネート処理と同様の条件とすることができる。
ラミネート処理(及び平滑化処理)は、市販されている真空ラミネーターによって連続的に行うことができる。市販されている真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン社製バキュームアップリケーター等が挙げられる。
ラミネート処理(及び平滑化処理)の後、支持体を剥離して樹脂組成物層を露出させる。あるいは、支持体の剥離は、工程(E)の後に実施してもよい。支持体の剥離は、手動で剥離してもよく、自動剥離装置により機械的に剥離してもよい。
工程(E)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。
工程(E)における樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、一般に硬化温度は170℃~190℃の範囲、硬化時間は15分間~60分間の範囲とすることができる。
本発明のプリント配線板の製造方法は、さらに絶縁層に穴あけする穴あけ工程、該絶縁層を粗化処理する粗化工程、粗化された絶縁層表面にメッキにより導体層を形成するメッキ工程、及び導体層に回路を形成する回路形成工程をさらに含んでもよい。これらの工程は、当業者に公知である、プリント配線板の製造に用いられている各種方法に従って行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<接着シートの表面温度の測定>
保護フィルム剥離前の保護フィルム付き接着シートの温度を、非接触型温度計(OPTEX社製、THERMO-HUNTER PT-2LD)を用いて保護フィルム側から測定した。
<樹脂剥がれの判定方法>
保護フィルム付き接着シートから保護フィルムが剥離される際に樹脂組成物層の一部が保護フィルムと共に剥離されて支持体が露出した場合を樹脂剥がれがあると判定した。樹脂剥がれの有無は目視にて判定し、以下の基準で評価した。
〇:樹脂剥がれがない。
×:樹脂剥がれがある。
<樹脂付着の判定方法>
保護フィルム付き接着シートから保護フィルムが剥離される際に、樹脂組成物層が保護フィルムと共に剥離されて支持体が露出するまではないものの、保護フィルムの表面上に樹脂組成物層の一部が付着した場合を樹脂付着があると判定した。樹脂付着の有無は目視にて判定し、以下の基準で評価した。
〇:樹脂付着がない。
△:保護フィルムに樹脂付着がある。
×:保護フィルムの半分以上の面積に樹脂付着がある。
<実施例1>
1.樹脂ワニスの調製
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180g/eq.、三菱ケミカル社製「jER828EL」)28質量部、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(エポキシ当量163g/eq.、DIC社製「HP-4700」)28質量部を、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と略称する。)15質量部及びシクロヘキサノン15質量部の混合溶剤に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、ノボラック構造を有するナフトール系硬化剤(フェノール性水酸基当量215、新日鉄住金化学社製「SN-485」、固形分50%のMEK溶液)110部、硬化促進剤(四国化成工業社製「2E4MZ」)0.1質量部、球形シリカ(アドマテックス社製「SO-C2」、平均粒径0.5μm)70質量部、ポリビニルブチラール樹脂溶液(積水化学工業社製「KS-1」、ガラス転移温度105℃、固形分15%のエタノールとトルエンの1:1の混合溶液)35質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを調製した。樹脂ワニス中の無機充填材の含有量は、樹脂ワニス中の不揮発成分を100質量%としたとき、38質量%であった。
2.接着シートの作製
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製「AL5」、厚さ38μm)を用意した。ロール状の上記支持体を発出し、上記で得た樹脂ワニスを、該支持体の離型層側表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃~105℃(平均90℃)で4.5分間乾燥させて樹脂組成物層を形成した。得られた接着シートにおいて、樹脂組成物層の厚さは30μm、残留溶剤量は2.9質量%であった。
3.保護フィルム付き接着シートの作製
続いて、上記で得た接着シートの樹脂組成物層側表面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子特殊紙社製「アルファンMA-411」、厚さ15μm)を、常圧下、60℃、線圧6kgf/cmにて連続的にラミネートし、保護フィルム付き接着シート1を作製した。得られた保護フィルム付き接着シートをロール状に巻き取った(巻き取り長60m)。得られたロール状体を幅340mmにスリットして、ロール状保護フィルム付き接着シート(幅340mm、長さ60m)を得た。
4.保護フィルムの剥離
ロール状保護フィルム付き接着シートから290mm×210mmの保護フィルム付き接着シートaを切り出し、支持体側から30℃に加温したホットプレート上に置き、保護フィルム付き接着シートaの保護フィルム側の表面温度がホットプレート設定温度と同じ温度になったことを確認した後に保護フィルムを手で剥離した。保護フィルム剥離後の樹脂剥がれと、保護フィルムへの樹脂付着とを上記方法にて評価した。なお、保護フィルムの剥離は、22℃の恒温クリーンルーム環境下で実施した。
<実施例2>
実施例1において、ホットプレートの温度を30℃から40℃に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き接着シートaの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<実施例3>
実施例1において、ホットプレートの温度を30℃から50℃に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き接着シートaの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<実施例4>
実施例1において、ホットプレートの温度を30℃から60℃に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き接着シートaの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<実施例5>
実施例1において、ホットプレートの温度を30℃から80℃に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き接着シートaの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<実施例6>
実施例1において、ホットプレートの温度を30℃から100℃に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き接着シートaの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<実施例7>
1.樹脂ワニスの調製
ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量144g/eq.、DIC社製「EXA4032SS」)6質量部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量190g/eq.、三菱ケミカル社製「YX4000HK」)12質量部、及びビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量約290g/eq.、日本化薬社製「NC3000H」)9質量部を、メチルエチルケトン(MEK)4質量部及びソルベントナフサ25質量部の混合溶剤に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、活性エステル硬化剤(活性基当量約223、DIC社製「EXB-9460S-65T」、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)45質量部、フェノキシ樹脂(重量平均分子量35000、三菱ケミカル社製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK溶液)5質量部、硬化促進剤として4-ジメチルアミノピリジンの5質量%のMEK溶液5質量部、及びフェニルアミノシラン(信越化学工業社製、「KBM573」)で表面処理した球形シリカ(アドマテックス社製「SC2500SQ」、平均粒子径0.5μm)160質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを調製した。樹脂ワニス中の無機充填材の含有量は、樹脂ワニス中の不揮発成分を100質量%としたとき、73質量%であった。
2.接着シートの作製
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、「AL5」、厚さ38μm)を用意した。ロール状の上記支持体を発出し、上記で得た樹脂ワニスを、該支持体の離型層側表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃~105℃(平均90℃)で4.5分間乾燥させて樹脂組成物層を形成した。得られた接着シートにおいて、樹脂組成物層の厚さは30μm、残留溶剤量2.5質量%であった。
3.保護フィルム付き接着シートの作製
続いて、上記で得た接着シートの樹脂組成物層側表面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子特殊紙社製、「アルファンMA-411」の平滑面側、厚み15μm)を、常圧下、60℃、圧着圧力0.06kgf/cmにてラミネート処理し、保護フィルム付き接着シートを作製した。得られた保護フィルム付き接着シートをロール状に巻き取った(巻き取り長50m)。得られたロール状体を幅507mmにスリットして、ロール状保護フィルム付き接着シートを得た。
4.保護フィルムの剥離
ロール状保護フィルム付き接着シートから290mm×210mmの保護フィルム付き接着シートbを切り出し、支持体側から30℃に加温したホットプレート上に置き、保護フィルム付き接着シートbの保護フィルム側の表面温度がホットプレート設定温度と同じ温度になったことを確認した後に保護フィルムを手で剥離した。保護フィルム剥離後の樹脂剥がれと、保護フィルムへの樹脂付着とを上記方法にて評価した。なお、保護フィルムの剥離は、22℃の恒温クリーンルーム環境下で実施した。
<実施例8>
実施例7において、ホットプレートの温度を30℃から40℃に変えた。以上の事項以外は実施例7と同様にして保護フィルム付き接着シートbの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<実施例9>
実施例7において、ホットプレートの温度を30℃から50℃に変えた。以上の事項以外は実施例7と同様にして保護フィルム付き接着シートbの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<実施例10>
実施例7において、ホットプレートの温度を30℃から60℃に変えた。以上の事項以外は実施例7と同様にして保護フィルム付き接着シートbの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<実施例11>
実施例7において、ホットプレートの温度を30℃から80℃に変えた。以上の事項以外は実施例7と同様にして保護フィルム付き接着シートbの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<実施例12>
実施例7において、ホットプレートの温度を30℃から100℃に変えた。以上の事項以外は実施例7と同様にして保護フィルム付き接着シートbの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<比較例1>
実施例1において、ホットプレートを加温しなかった。保護フィルム側の表面温度は22℃であった。以上の事項以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き接着シートaの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
<比較例2>
実施例7において、ホットプレートを加温しなかった。保護フィルム側の表面温度は22℃であった。以上の事項以外は実施例7と同様にして保護フィルム付き接着シートbの保護フィルムを剥離し、樹脂剥がれと樹脂付着との評価を行った。
Figure 2022111097000002
Figure 2022111097000003
Figure 2022111097000004
保護フィルムを剥離する前に保護フィルム付き接着シートを加温した実施例1~12は、樹脂剥がれが抑制されていることがわかる。保護フィルムを剥離する前に保護フィルム付き接着シートを加温していない比較例1、2は、樹脂剥がれが発生した。
1 保護フィルム付き接着シート
2 支持体
3 樹脂組成物層
4 接着シート
5 保護フィルム
6 回路基板
10 仮付け装置(オートカッター装置)
11 ロール状保護フィルム付き接着シート
12 保護フィルム巻き取りロール
13 保護フィルム取り出し具
14 カッター
15 コンベア装置
16、17 誘導ロール
18 接触式ヒーター

Claims (5)

  1. (A)支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む保護フィルム付き接着シートを準備する工程、
    (B)保護フィルムを剥離する工程、及び
    (C)樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように配置する工程、を含み、
    工程(B)において保護フィルムを剥離する前に保護フィルム付き接着シートを加温する、プリント配線板の製造方法。
  2. (B)工程において、保護フィルムを剥離するときの保護フィルム付き接着シートの保護フィルムの表面温度が26℃以上110℃以下である、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. (B)工程において、保護フィルムを剥離するときの保護フィルム付き接着シートの保護フィルムの表面温度が80℃以下である、請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. (D)回路基板上に接着シートが仮付けされた積層体を加熱及び加圧し、回路基板に接着シートをラミネート処理する工程、及び
    (E)樹脂組成物層を熱硬化し、絶縁層を形成する工程、を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 支持体及び該支持体と接合している樹脂組成物層からなる接着シートと、該接着シートの樹脂組成物層と接合するように設けられた保護フィルムとを含む保護フィルム付き接着シートの保護フィルムを剥離し、樹脂組成物層が露出した接着シートを、樹脂組成物層が回路基板と接合するように回路基板上に仮付けする仮付け装置であって、
    仮付け装置は、保護フィルム付き接着シートを加温する加温手段を備える、仮付け装置。
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