JP2022109682A - 紅茶抽出物入りミルク飲料及びその製造方法 - Google Patents

紅茶抽出物入りミルク飲料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紅茶感とミルク感がいずれも高力価で、且つ、両者のバランスに優れた紅茶抽出物入りミルク飲料及びその製造方法を提供する。【解決手段】紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、乳固形分の含有量が8.4~12.3重量%、ポリフェノールの総含有量が0.09~0.19重量%、カテキン類の含有量が0.0045~0.012重量%、及びカフェインの含有量が0.01~0.024重量%であり、{(ポリフェノールの総含有量)-(カテキン類の含有量)}/(カテキン類の含有量)が10~20であり、(ポリフェノールの総含有量)/(乳固形分の含有量)が0.01~0.02である。【選択図】なし

Description

本発明は、紅茶抽出物入りミルク飲料及びその製造方法に関する。
牛乳に紅茶抽出物を混合して提供される紅茶抽出物入りミルク飲料は、紅茶抽出物の豊かな風味と、牛乳本来の甘さやコクが調和した飲料であり、古くから全世界的に好まれてきた。このような紅茶抽出物入りミルク飲料においては、紅茶感とミルク感それぞれの強さと両者のバランスが重要であり、これらに優れていると、嗜好性が高いと見做される。有名な紅茶抽出物入りミルク飲料としては、ロイヤルミルクティーが挙げられるが、アッサム茶葉が通常用いられ、ミルクの量は通常50~60重量%程度である。
また、牛乳はいろいろな風味のものがあり、特に殺菌方法の違いで風味に違いがある。
特許文献1には、ミルク入り紅茶飲料の嗜好性を高めることを目的として、バニリンとβ-ダマセノンとを特定の比率で特定量含有するミルク入り紅茶飲料が開示されており、該ミルク入り紅茶飲料中の乳固形分量は1~5重量%であると記載されている。
特開2018-38336号公報
特許文献1で開示されているミルク入り紅茶飲料は、乳固形分量が少なく、ミルク感が不足しており、また、ミルク感と紅茶感のバランスも好ましいものではない。
以上の状況に鑑み、本発明の目的は、紅茶感とミルク感がいずれも高力価で、且つ、両者のバランスに優れた紅茶抽出物入りミルク飲料及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、紅茶抽出物入りミルク飲料中、乳固形分の含有量と、紅茶抽出物中の成分であるポリフェノール、カテキン類、及び、カフェインをそれぞれ特定量とし、且つ、カテキン類以外のポリフェノール量/カテキン類量の比率、及び、ポリフェノール量/乳固形分量の比率がそれぞれ特定の値になるように制御することで、紅茶感とミルク感がいずれも高力価で、且つ、両者のバランスに優れた紅茶抽出物入りミルク飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、乳固形分の含有量が8.4~12.3重量%、ポリフェノールの総含有量が0.09~0.19重量%、カテキン類の含有量が0.0045~0.012重量%、及びカフェインの含有量が0.01~0.024重量%であり、
{(前記ポリフェノールの総含有量)-(前記カテキン類の含有量)}/(前記カテキン類の含有量)が10~20であり、
(前記ポリフェノールの総含有量)/(前記乳固形分の含有量)が0.01~0.02である、紅茶抽出物入りミルク飲料に関する。
好ましくは、前記紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、(C+GC+EC+EGCの合計量)が0.0011~0.0024重量%、(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.004~0.01重量%、且つ(C+GC+EC+EGCの合計量)/(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.2~0.34である。
C:カテキン
GC:ガロカテキン
EC:エピカテキン
EGC:エピガロカテキン
CG:カテキンガレート
GCG:ガロカテキンガレート
ECG:エピカテキンガレート
EGCG:エピガロカテキンガレート
好ましくは、前記ポリフェノール及び前記カフェインの合計含有量の70重量%以上が、ダージリン茶葉由来である。
好ましくは、前記紅茶抽出物入りミルク飲料は、紅茶抽出物及び乳原料を含む混合物が、1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の速度で50~95℃まで昇温され、該温度で15~300秒間保持された後、2次加熱として0.1~5℃/秒の速度で110~135℃まで昇温され、該温度で2~10秒間加熱処理されたものである。
好ましくは、前記紅茶抽出物入りミルク飲料は、生乳が、1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の速度で50~95℃まで昇温され、該温度で15~300秒間保持された後、2次加熱として0.1~5℃/秒の速度で110~135℃まで昇温され、該温度で2~10秒間加熱処理されたものを、乳原料として含む。
本発明の第二は、混合物全体中、乳固形分の含有量が8.4~12.3重量%、ポリフェノールの総含有量が0.09~0.19重量%、カテキン類の含有量が0.0045~0.012重量%、及びカフェインの含有量が0.01~0.024重量%であり、{(前記ポリフェノールの総含有量)-(前記カテキン類の含有量)}/(前記カテキン類の含有量)が10~20であり、(前記ポリフェノールの総含有量)/(前記乳固形分の含有量)が0.01~0.02であるように紅茶抽出物及び乳原料を配合した混合物を、
1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の速度で50~95℃まで昇温し、該温度で15~300秒間保持した後、2次加熱として0.1~5℃/秒の速度で110~135℃まで昇温し、該温度で2~10秒間加熱処理する工程を含む、紅茶抽出物入りミルク飲料の製造方法に関する。
好ましくは、前記混合物全体中、(C+GC+EC+EGCの合計量)が0.0011~0.0024重量%、(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.004~0.01重量%、且つ(C+GC+EC+EGCの合計量)/(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.2~0.34である。
本発明に従えば、紅茶感とミルク感がいずれも高力価で、且つ、両者のバランスに優れた紅茶抽出物入りミルク飲料及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態に係る紅茶抽出物入りミルク飲料は、乳原料由来の乳固形分と紅茶抽出物とを含む飲料を指し、乳固形分、ポリフェノール、カテキン類、及び、カフェインの含有量がそれぞれ特定範囲であり、カテキン類以外のポリフェノール量/カテキン類量の比率、及び、ポリフェノール量/乳固形分量の比率がそれぞれ特定の値であることが特徴である。
前記乳固形分は、乳原料から水分を除いた固形分を意味する。該乳固形分の含有量は、紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、8.4~12.3重量%であることが好ましく、8.4~11.7重量%がより好ましく、8.4~10.4重量%が更に好ましい。乳固形分の含有量が8.4重量%より少ないと、ミルク感が弱く感じられたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。一方、12.3重量%より多いと、ミルク感が強くなりすぎて、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。紅茶抽出物入りミルク飲料を作製する際には、乳固形分を含む乳原料を用いることが好ましい。
前記乳固形分の含有量は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令記載の方法に準じた測定法で測定することができる。具体的には、常圧乾燥法やマイクロ波法、FT-IR乳成分測定法などで測定することができる。なお、乳固形分の含有量を算出する際には、紅茶抽出物入りミルク飲料を作製する際に用いる乳原料中の固形分の含有量を測定し、紅茶抽出物入りミルク飲料中の該乳原料の配合比率を乗じて算出することができる。あるいは、紅茶抽出物入りミルク飲料中の全固形分から、紅茶抽出物中の固形分や、甘味料中の固形分など、乳以外の原料に由来する固形分を差し引くことで算出しても良い。
前記紅茶抽出物入りミルク飲料を作製する際に用いる乳原料としては、生乳が好ましい。生乳の使用量は、前記紅茶抽出物入りミルク飲料が前記乳固形分の含有量を満足するように設定すればよい。
生乳以外の乳原料を使用することもできる。そのような乳原料としては、例えば、牛乳、脱脂乳、部分脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、乳清(ホエー)、乳清蛋白質濃縮物(WPC)、乳清蛋白質分離物(WPI)、全乳蛋白質濃縮物(TMP)、クリーム、クリームパウダー、ホエーパウダー等も用いることができる。これらの乳原料も、前記紅茶抽出物入りミルク飲料が前記乳固形分の含有量を満足するような量で使用すればよい。また、生乳と、生乳以外の乳原料を併用してもよい。
前記紅茶抽出物は、紅茶葉を抽出処理に付することにより得られるものである。該紅茶抽出物としては、紅茶飲料の製造に従来使用されている紅茶抽出物を、特に限定なく使用できる。具体例としては、紅茶葉からの抽出液や、その加工品類(例えば、濃縮液体エキス、粉末エキスなど)等が挙げられる。
ここで、「紅茶葉」とは、ツバキ科の常緑樹である茶樹(Camellia sinensis var.)の芽、葉または茎を萎凋させ、揉捻を行い、発酵させた後に乾燥させたものを意味する。
前記紅茶葉としては、茶期や、茶葉の形状、産地、品種、種類、等級など特に限定されず、一般に飲用で市販されている乾燥茶葉を使用することができる。茶葉の種類は、スリランカ産茶葉(例えば、ウバ、ディンブラ、キャンディ、ラトナプラ、ギャル、ルフナ)、インド産茶葉(例えば、アッサム、ダージリン、ニルギリ)、ケニア、キーマン、ジャワなどが挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種を使用すればよい。本実施形態においては、乳原料との相性の観点から、ダージリン茶葉が好ましい。
前記抽出処理としても特に限定されず、食品加工分野で一般的に用いられている種々の抽出方法を用いることができる。例えば、溶媒抽出、気流抽出、圧搾抽出などが挙げられる。これら抽出処理に加えて、必要に応じて、沈殿もしくは濾過などの固液分離、濃縮、遠心分離、乾燥(例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥)、希釈、粉末化などの処理をさらに施してもよい。
前記抽出処理で用いる抽出溶媒は、水、グリセリン、プロピレングリコール、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、アセトン、トリアセチンなどが例示でき、これらの群より選ばれる少なくとも1種を使用できる。中でも、食品の安全性やコストを考えると、水又はエタノールが好ましく、水がより好ましい。
前記ポリフェノールは、以下に示すフォーリン・チオカルト法で定量されるものを指し、好ましくは紅茶抽出物由来ポリフェノールである。前記ポリフェノールとしては、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のカテキン類;カテキン類の酸化2量体であるテアフラビン類;カテキン類又はテアフラビン類を構成単位とする多量体のタンニン類などが挙げられる。
前記フォーリン・チオカルト法とは、ISOの公定法(ISO14502-1:2005)記載の方法に基づいた測定法である。具体的には、試料液を50%エタノール溶液で定容し、適宜希釈後、Folin-Ciocalteu試薬及び0.4mmol/L 炭酸ナトリウム溶液と混合し、30℃30分間静置後、遠心分離し、紫外可視分光光度計にて660nmの吸光度を測定すれば良い。なお、ポリフェノール量は、(+)―カテキン換算値として算出した。
前記ポリフェノールの総含有量は、紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、0.09~0.19重量%が好ましく、0.1~0.18重量%がより好ましく、0.12~0.16重量%が更に好ましい。ポリフェノールの総含有量が0.09重量%より少ないと、紅茶感が弱く感じられたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。一方、0.19重量%より多いと、渋味が強く感じられたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。
前記カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(CG)、ガロカテキンガレート(GCG)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECG)及びエピガロカテキンガレート(EGCG)の8種類を総称するものをいう。カテキン類としては、紅茶抽出物由来カテキン類が好ましい。
前記カテキン類の含有量は、紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、0.0045~0.012重量%が好ましく、0.006~0.011重量%がより好ましく、0.007~0.0105重量%が更に好ましい。カテキン類の含有量が0.0045重量%より少ないと、紅茶感が弱く感じられたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。一方、0.012重量%より多いと、渋味が強く感じられたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。
前記カテキン類含有量の測定方法としては、高速液体クロマトグラフィー法(HPLC)及び液体クロマトグラフィータンデム型質量分析法(LC/MS/MS)などが挙げられる。具体的には、試料液をメタノール及びシュウ酸水溶液の混液(8:2)で抽出後、遠心分離し、定容後、HPLC分析及びLC/MS/MS分析すればよい。エピカテキン、エピカテキンガレート、及びエピガロカテキンガレートの含有量は、HPLC分析により測定し、カテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、ガロカテキンガレート、及びカテキンガレートの含有量はLC/MS/MS分析により測定すればよい。その際の測定条件は、以下の通りである。
(HPLC操作条件)
カラム:YMC-Pack ODS-A、φ6.0mmx150mm、粒径5μm
移動相:水、メタノール、及び0.02mmol/L リン酸緩衝液(pH3.0)の混液
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
測定波長:270nm
蛍光励起波長:280nm
蛍光測定波長:310nm
(LC/MS/MS操作条件)
カラム:InertSustain C18、φ2.1mmx150mm、粒径3μm
移動相:1%酢酸及びアセトニトリルの混液
流量:0.2mL/min
カラム温度:40℃
イオン化法:エレクトロスプレー(正イオン検出モード)
設定質量数(m/z):カテキン ;291.2→139.0
ガロカテキン ;307.2→139.1
エピガロカテキン ;307.2→139.1
ガロカテキンガレート;459.0→138.9
カテキンガレート ; 443.2→122.9
前記カテキン類は、前記紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、(C+GC+EC+EGCの合計量)が0.0011~0.0024重量%、(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.004~0.01重量%、且つ(C+GC+EC+EGCの合計量)/(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.2~0.34を満足することが好ましい。前記(C+GC+EC+EGCの合計量)は、0.0014~0.002重量%がより好ましく、0.0016~0.002重量%が更に好ましい。0.0011重量%よりも少ないと、紅茶感が弱すぎたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。0.0024重量%よりも多いと、紅茶感が強すぎたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。前記(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)は、0.005~0.009重量%がより好ましく、0.006~0.0085重量%が更に好ましい。0.004重量%よりも少ないと、紅茶感が弱すぎたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。0.01重量%よりも多いと、紅茶感が強すぎたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。前記(C+GC+EC+EGCの合計量)/(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)は、0.2~0.32がより好ましく、0.2~0.3が更に好ましい。前記範囲を外れると、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。
前記カフェインは、プリン環を持つプリンアルカロイドの一種を指し、化学名は1.3.7-トリメチルキサンチン、CAS登録番号58-08-2をいう。カフェインとしては、紅茶抽出物由来カフェインが好ましい。
前記カフェインの含有量は、紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、0.01~0.024重量%であることが好ましく、0.012~0.022重量%がより好ましく、0.014~0.02重量%が更に好ましい。カフェインの含有量が0.01重量%より少ないと、紅茶感が弱く感じられたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。一方、0.024重量%より多いと、苦味が強く感じられたり、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。
前記カフェイン含有量の測定方法としては、HPLC分析等が挙げられる。具体的には、試料液をメタノールで抽出後、メンブレンフィルター(孔径0.45μm)でろ過し、HPLC分析すればよい。その際の測定条件は、以下の通りである。
(HPLC操作条件)
機種:LC-20AD(株式会社島津製作所)
検出器:紫外可視吸光光度計 SPD-20A(株式会社島津製作所)
カラム:CAPCELL PAK C18 MG、φ3.0mmx150mm、粒径5μm(株式会社大阪ソーダ)
カラム温度:50℃
移動相:0.01mmol/L 酢酸アンモニウム溶液及びメタノールの混液(10:1)
流量:0.8mL/min
測定波長:270nm
注入量:5μm
本実施形態に係る紅茶抽出物入りミルク飲料は、{(前記ポリフェノールの総含有量)-(前記カテキン類の含有量)}/(前記カテキン類の含有量)が、10~20を満足することが好ましく、11~19がより好ましく、12~17が更に好ましい。前記範囲を外れると、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。
本実施形態に係る紅茶抽出物入りミルク飲料は、(前記ポリフェノールの総含有量)/(前記乳固形分の含有量)が0.01~0.02を満足することが好ましく、0.012~0.018がより好ましく、0.014~0.016が更に好ましい。前記範囲を外れると、紅茶感とミルク感のバランスが悪くなる場合がある。
前記ポリフェノール、及び、前記カフェインは、風味の観点から、前記紅茶抽出物由来であることが好ましい。しかし、紅茶以外のものから抽出したポリフェノール等や、合成したポリフェノール等を配合してもよい。但し、紅茶抽出物由来以外のポリフェノール等を配合する場合、その使用量は、各成分の含有量の内、10重量%未満であることが望ましい。
本実施形態では、紅茶の渋味と酸味のバランスの観点から、紅茶抽出物入りミルク飲料中の前記ポリフェノール及び前記カフェインの合計含有量の70重量%以上が、ダージリン茶葉に由来するポリフェノール及びカフェインが占めることが好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上が更に好ましく、100重量%が特に好ましい。
本実施形態に係る紅茶抽出物入りミルク飲料には、前記乳固形分と前記紅茶抽出物以外に、発明の効果を損なわない範囲で、水、甘味料(ショ糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、パラチノース、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、還元デンプン糖化物、ステビア、グリチルリチン、タウマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテーム、サッカリン、アセスルファムK、スクラロース、ズルチンなど)、酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウムなど)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、香料(紅茶フレーバーなど)等を適宜配合することができる。
前記甘味料としては、ショ糖が好ましい。ショ糖としては、上白糖やグラニュー糖が挙げられる。甘味料の配合量は、紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、0~8重量%が好ましく、1~8重量%がより好ましく、2~6重量%が更に好ましく、3~5重量%が特に好ましい。甘味料の配合量が8重量%より多いと、甘味が強くなりすぎる場合がある。
本実施形態に係る紅茶抽出物入りミルク飲料を製造する方法について説明する。該紅茶抽出物入りミルク飲料は、紅茶抽出物と乳原料を含む混合物を所定の条件で加熱処理することにより製造することができ、また、乳原料を所定の条件で加熱処理した後、該乳原料を紅茶抽出物と混合することによっても製造することができる。
まず、紅茶抽出物と乳原料を含む混合物を加熱処理することによる製造方法について説明する。前記混合物は、混合物全体中、乳固形分の含有量が8.4~12.3重量%、ポリフェノールの総含有量が0.09~0.19重量%、カテキン類の含有量が0.0045~0.012重量%、及びカフェインの含有量が0.01~0.024重量%であり、{(前記ポリフェノールの総含有量)-(前記カテキン類の含有量)}/(前記カテキン類の含有量)が10~20であり、(前記ポリフェノールの総含有量)/(前記乳固形分の含有量)が0.01~0.02となるように紅茶抽出物及び乳原料を配合した混合物である。前記混合物は、前記混合物全体中、(C+GC+EC+EGCの合計量)が0.0011~0.0024重量%、(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.004~0.01重量%、且つ(C+GC+EC+EGCの合計量)/(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.2~0.34であることが好ましい。各成分及びその含有量に関しては、紅茶抽出物入りミルク飲料について説明したものと同様である。前記混合物は、紅茶抽出物と生乳を配合したものであってもよいし、紅茶抽出物と乳固形分と水を配合したものであってもよい。また、前記混合物は、甘味料等の任意成分を更に配合したものであってもよい。
該混合物を、1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の速度で50~95℃まで昇温し、該温度で15~300秒間保持した後、2次加熱として0.1~5℃/秒の速度で110~135℃まで昇温し、該温度で2~10秒間加熱処理することにより、紅茶抽出物入りミルク飲料を製造することができる。
前記1次加熱時の昇温速度は、0.1~5℃/秒が好ましい。該昇温速度が0.1℃/秒より遅くなると、加熱殺菌に時間を要し、生産性が低下する。一方、該昇温速度が5℃/秒より速くなると、加熱に必要な蒸気等のユーティリティーの使用量が多くなり、生産コストが上昇したり、加熱面に乳原料中のタンパク質が付着し、コゲによる風味低下が起こる場合がある。前記1次加熱時の昇温速度は、0.5~2.5℃/秒がより好ましく、1.3~1.8℃/秒が更に好ましい。
前記1次加熱時の保持温度は、50~95℃が好ましい。該保持温度が50℃より低くなると、1次加熱による殺菌処理の効果を得ることが難しくなり、95℃より高くなると、紅茶感とミルク感がいずれも高力価で、且つ、両者のバランスに優れているという効果を達成することが難しくなる場合がある。前記1次加熱時の保持温度は、60~70℃がより好ましく、60~65℃が更に好ましい。なお、加熱時の温度とは、当該加熱時における、紅茶抽出物と乳原料を含む混合物の温度を指す。
前記1次加熱時の保持時間は、15~300秒間が好ましい。該保持時間が15秒間より短くなると、1次加熱中に、均質化処理をするための配管長を確保することが難しくなり、300秒間より長くなると、紅茶感とミルク感がいずれも高力価で、且つ、両者のバランスに優れているという効果を達成することが難しくなる場合がある。前記1次加熱時の保持時間は15~120秒間がより好ましく、15~80秒間が更に好ましく、15~60秒間が特に好ましい。なお、加熱の保持時間とは、当該加熱時に、紅茶抽出物と乳原料を含む混合物の温度を所定の温度範囲に保持する時間を指し、昇温にかかる時間は含まない。
前記1次加熱処理を実施するための装置は特に限定されず、生乳の加熱殺菌に用いる装置を適宜選択することができるが、生産性を考慮して、流路式殺菌装置が好ましい。そのような殺菌装置としては、例えば、プレート式殺菌装置、チューブ式殺菌装置、スピンジェクション式殺菌装置、ジュール式殺菌装置等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記1次加熱中に、乳原料に含まれる脂肪球の径をそろえて品質を安定化することを目的に、従来公知の均質化処理をあわせて実施してもよい。その場合、ホモゲナイザー、マイクロフルダイザー、コロイドミル等の装置を用いることができる。なお、このような均質化処理は、2次加熱後の冷却中に行うこともできる。
前記2次加熱時の昇温速度は、0.1~5℃/秒が好ましい。該昇温速度が0.1℃/秒より遅くなると、加熱殺菌に時間を要し、生産性が低下しすぎる場合がある。一方、該昇温速度が5℃/秒より速くなると、加熱に必要な蒸気等のユーティリティーの使用量が多くなり、生産コストが上昇したり、加熱面に乳原料中のタンパク質が付着し、コゲによる風味低下が起こる場合がある。前記2次加熱時の昇温速度は、0.5~2.5℃/秒がより好ましく、0.8~1.3℃/秒が更に好ましい。
前記2次加熱時の保持温度は、110~135℃が好ましい。該保持温度が110℃より低くなると、2次加熱による殺菌処理の効果を得ることが難しい場合があり、135℃より高くなると、紅茶感とミルク感がいずれも高力価で、且つ、両者のバランスに優れているという効果を達成することが難しい場合がある。前記2次加熱時の保持温度は、115~132℃がより好ましく、115~125℃が更に好ましい。
前記2次加熱時の保持時間は、2~10秒間が好ましい。該保持時間が2秒間より短くなると、2次加熱による殺菌処理の効果を得ることが難しい場合があり、10秒間より長くなると、紅茶感とミルク感がいずれも高力価で、且つ、両者のバランスに優れているという効果を得ることが難しい場合がある。前記2次加熱時の保持時間は、2~8秒間がより好ましく、2~5秒間が更に好ましい。また、2次加熱終了後の紅茶抽出物入りミルク飲料は直ちに冷却することが好ましい。
次に、乳原料を所定の条件で加熱処理した後、該乳原料を紅茶抽出物と混合することによる製造方法について説明する。該製造方法で用いる乳原料は、風味の観点から、生乳であることが好ましい。
前記乳原料を加熱処理する際には、1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の速度で50~95℃まで昇温し、該温度で15~300秒間保持した後、2次加熱として0.1~5℃/秒の速度で110~135℃まで昇温し、該温度で2~10秒間加熱処理することが好ましい。以上の加熱処理の条件の詳細は、上述した混合物を加熱処理する際の条件と同様である。このように加熱処理された乳原料は、タンパク還元価が4~9、且つ変性ホエータンパク率が70~90%であることを容易に満足することができる。
前記タンパク還元価は、乳原料を加熱するとタンパク質の変性によるSH基の増加および褐変反応により形成された化合物により増加する還元力をフェリシアナイド還元法によって測定するものである。タンパク還元価の測定は、「日本薬学会編 乳製品試験法・注解」(金原出版株式会社、p.131、昭和59年3月20日発行)に準拠することができる。前記乳原料中のタンパク還元価は4~9であることが好ましい。これにより、従来の加熱殺菌処理による過度の加熱変性で生じていた加熱臭を抑制することができ、紅茶感とミルク感がいずれも高力価で、且つ、両者のバランスに優れているという効果を享受することができる。前記タンパク還元価は、より好ましくは5~9であり、さらに好ましくは5.5~9であり、特に好ましくは6~9である。
前記変性ホエータンパク率とは、乳原料中の全ホエータンパクに対する、加熱によって変性したホエータンパクの割合を示す指標である。変性ホエータンパク率が低いほど、加熱によるホエータンパクの変性が少ないことを表す。一般的に変性ホエータンパク率は生乳で20~45%、UHT殺菌牛乳では85~95%程度である。
なお、変性ホエータンパク率の測定は以下の通りである。蓋つき試験管に乳原料を20mL入れ、NaClを8.0g加えた後、蓋をして30分間37℃±1℃の水浴につける。この間、試験管をよく振とうして、乳原料を完全にNaClで飽和させる。その後、冷却することなくすぐに定量ろ紙(No.7)にて桐山ロートを用いて吸引濾過を行い、ろ液を3mL採取する。ろ液が混濁している場合は、ろ紙で再度ろ過し、透明なろ液を得る。NaCl飽和溶液10mLを採取した試験管に、ろ液1.0mLを加えて混合する。その後23%HCl溶液を5mLピペットで2滴添加して混合し、液を混濁させる。
HCl溶液添加前のNaCl飽和溶液10mLに、ろ液1.0mLを加えて混合したものの混濁度(N100)を420nmの波長で測定する。そして、HCl溶液添加後5~10分以内に420nmの波長で測定した混濁度(N)も用いて、以下の式で変性ホエータンパク率を算出する。尚、測定はU-2900型分光光度計(株式会社日立製作所製)にて%Tモード設定にて行うことができる。
変性ホエータンパク率(%)={(N/N100)×100}
ろ液について二反復試験を行い、得られた2点の変性ホエータンパク率の測定値が2%以内の誤差であれば、その2点の平均値を以て変性ホエータンパク率とする。2点の変性ホエータンパク率の測定値の誤差が2%を超える場合は、再試験を繰り返し、4点の測定値を得て、その4点の平均値を以て変性ホエータンパク率とする。
以上のようにタンパク還元価が4~9、且つ変性ホエータンパク率が70~90%の乳原料を紅茶抽出物と混合することによって、本実施形態に係る紅茶抽出物入りミルク飲料を容易に得ることができる。該乳原料を紅茶抽出物と混合する際に、甘味料等の任意成分を更に混合してもよい。
以上によって製造された紅茶抽出物入りミルク飲料を、箱詰めまたは瓶詰めするなど容器に詰めることで製品化することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
また、実施例及び比較例で使用した原料は以下の通りである。
1)生乳(乳固形分含量:13.0%)
2)三栄源エフ・エフ・アイ(株)製「FD紅茶エキスパウダー No.17259」:ダージリン茶葉の粉末エキス
3)ハニー珈琲(株)製「紅茶アッサムアロマ」
4)三井製糖(株)製「スプーン印グラニュー糖」
<各含有量の測定方法>
乳固形分の含有量については、前述した乳及び乳製品の成分規格等に関する省令記載の方法に準じた測定法に従って測定した。
ポリフェノールの総含有量は、前述したフォーリン・チオカルト法に基づいて測定した。
カテキン類の含有量、及び、カフェインの含有量はそれぞれ、前述したHPLC分析法及びLC/MS/MS分析法に基づいて測定した。
<紅茶抽出物入りミルク飲料の官能評価>
実施例及び比較例で得られた紅茶抽出物入りミルク飲料を10℃に温調した後、熟練した10人のパネラーに飲用してもらい、紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスの観点で各人が官能評価を行い、その評価点の平均値を官能評価の評価値として各表に記載した。その際の評価基準は以下の通りとした。
(紅茶感)
5点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりも良く、紅茶感が非常にしっかりと感じられる
4点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料と同等で、紅茶感がしっかりと感じられる
3点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりもやや劣るものの、紅茶感が感じられる
2点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりも悪く、紅茶感が殆ど感じられない
1点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりも非常に悪く、紅茶感が全く感じられない
(ミルク感)
5点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりも良く、ミルク感が非常にしっかりと感じられる
4点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料と同等で、ミルク感がしっかりと感じられる
3点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりもやや劣るものの、ミルク感が感じられる
2点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりも悪く、ミルク感が殆ど感じられない
1点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりも非常に悪く、ミルク感が全く感じられない
(紅茶感とミルク感のバランス)
5点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりも良く、紅茶感とミルク感のバランスが極めて良好である
4点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料と同等で、紅茶感とミルク感のバランスが非常に良好である
3点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりもやや劣るが、紅茶感とミルク感のバランスが良好である
2点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりも悪く、紅茶感とミルク感のバランスが悪い
1点:実施例3の紅茶抽出物入りミルク飲料よりも非常に悪く、紅茶感とミルク感のバランスが極めて悪い
(紅茶抽出物入りミルク飲料の総合評価)
紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスの各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスが全て4.5点以上5.0点以下を満たすもの
B:紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスが全て4.0点以上5.0点以下であって、且つ4.0以上4.5未満が少なくとも一つあるもの
C:紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスが全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0以上4.0未満が少なくとも一つあるもの
D:紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスが全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0以上3.0未満が少なくとも一つあるもの
E:紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスの評価において、2.0未満が少なくとも一つあるもの
(実施例1) 紅茶抽出物入りミルク飲料の作製
表1の配合に従って、生乳70.0重量部、紅茶エキスパウダー0.3重量部、グラニュー糖4.0重量部、及び、水25.7重量部を混合し、混合液を得た。該混合液を、チューブラー式熱交換器にて、1.5℃/秒の昇温速度で5℃から63℃に昇温し、この温度で17秒間保持して1次加熱を行った。1次加熱中に、ホモゲナイザーにて17MPaの圧力下で均質化処理を実施した後、チューブラー式熱交換器にて0.9℃/秒の昇温速度で125℃に昇温し、この温度で2秒間保持して殺菌(2次加熱)を行った後、同チューブラー式熱交換器にて4℃に冷却し、紅茶抽出物入りミルク飲料を得た。得られた紅茶抽出物入りミルク飲料について、乳固形分、総ポリフェノール、カテキン類、及び、カフェインそれぞれの含有量の測定と、紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスの官能評価を行い、その結果を表1に示した。
Figure 2022109682000001
(実施例2~5及び比較例1~4)
表1の配合に従って、生乳、紅茶エキスパウダー、グラニュー糖、及び、水それぞれの配合量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紅茶抽出物入りミルク飲料を得た。得られた紅茶抽出物入りミルク飲料について、乳固形分、総ポリフェノール、カテキン類、及び、カフェインそれぞれの含有量の測定と、紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスの官能評価を行い、その結果を表1に示した。
(比較例5)
表1の配合に従って、紅茶エキスパウダーと水の配合量を変更し、更に紅茶抽出エキス3.0重量部を混合したこと以外は、実施例1と同様にして紅茶抽出物入りミルク飲料を得た。得られた紅茶抽出物入りミルク飲料について、乳固形分、総ポリフェノール、カテキン類、及び、カフェインそれぞれの含有量の測定と、紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスの官能評価を行い、その結果を表1に示した。
表1より、実施例1~5は、紅茶感とミルク感がそれぞれ強く感じられると共に、紅茶感とミルク感のバランスが良好であり、総合評価がC以上であったことが分かる。一方、比較例1は、紅茶感が弱く、紅茶感とミルク感のバランスも悪く、総合評価はDであった。また、比較例2及び3は、ミルク感が十分に感じられず、総合評価がDであった。更に、比較例4及び5は、ミルク感が十分に感じられず、紅茶感とミルク感のバランスも悪く、総合評価がE又はDであった。
(実施例6) 紅茶抽出物入りミルク飲料の作製
実施例1と同様に生乳70.0重量部、紅茶エキスパウダー0.3重量部、グラニュー糖4.0重量部、及び、水25.7重量部を混合し、混合液を得た。該混合液を、表2に記載した加熱処理条件に変更した以外は実施例1と同様に、加熱処理及び冷却して、紅茶抽出物入りミルク飲料を得た。得られた紅茶抽出物入りミルク飲料について、乳固形分、総ポリフェノール、カテキン類、及び、カフェインそれぞれの含有量の測定と、紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスの官能評価を行い、その結果を表2に示した。
Figure 2022109682000002
(実施例7~11)
混合液を加熱処理する際の加熱処理条件を表2の記載に従って変更したこと以外は、実施例6と同様にして紅茶抽出物入りミルク飲料を得た。得られた紅茶抽出物入りミルク飲料について、乳固形分、総ポリフェノール、カテキン類、及び、カフェインそれぞれの含有量の測定と、紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスの官能評価を行い、その結果を表2に示した。
表2より、実施例6~11は、紅茶感とミルク感がそれぞれ強く感じられると共に、紅茶感とミルク感のバランスが良好であり、総合評価がC以上であったことが分かる。
(実施例12)
生乳のみを、チューブラー式熱交換器にて、1.5℃/秒の昇温速度で5℃から63℃に昇温し、この温度で17秒間保持して1次加熱を行った。1次加熱中に、ホモゲナイザーにて17MPaの圧力下で均質化処理を実施した後、チューブラー式熱交換器にて0.9℃/秒の昇温速度で125℃に昇温し、この温度で2秒間保持して殺菌(2次加熱)を行った後、同チューブラー式熱交換器にて4℃に冷却し、殺菌後の牛乳を得た。得られた牛乳70.0重量部と、紅茶エキスパウダー0.3重量部及びグラニュー糖4.0重量部を水25.7重量部に溶解した混合液とを混ぜ合わせて、紅茶抽出物入りミルク飲料を得た。得られた紅茶抽出物入りミルク飲料について、乳固形分、総ポリフェノール、カテキン類、及び、カフェインそれぞれの含有量の測定と、紅茶感、ミルク感、及び、紅茶感とミルク感のバランスの官能評価を行った。
その結果、乳固形分の含有量が9.1重量%、総ポリフェノールの含有量が0.14重量%、カテキン類の含有量が0.0087重量%、カフェインの含有量が0.017重量%、{(前記ポリフェノールの総含有量)-(前記カテキン類の含有量)}/(前記カテキン類の含有量)が15.1、(前記ポリフェノールの総含有量)/(前記乳固形分の含有量)が0.015、前記紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、(C+GC+EC+EGCの合計量)が0.0017重量%、(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.007重量%、且つ(C+GC+EC+EGCの合計量)/(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.24であった。また、官能評価では、紅茶感が4.8点、ミルク感が4.1点、及び、紅茶感とミルク感のバランスが4.7点であり、総合評価はBであった。

Claims (7)

  1. 紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、乳固形分の含有量が8.4~12.3重量%、ポリフェノールの総含有量が0.09~0.19重量%、カテキン類の含有量が0.0045~0.012重量%、及びカフェインの含有量が0.01~0.024重量%であり、
    {(前記ポリフェノールの総含有量)-(前記カテキン類の含有量)}/(前記カテキン類の含有量)が10~20であり、
    (前記ポリフェノールの総含有量)/(前記乳固形分の含有量)が0.01~0.02である、紅茶抽出物入りミルク飲料。
  2. 前記紅茶抽出物入りミルク飲料全体中、(C+GC+EC+EGCの合計量)が0.0011~0.0024重量%、(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.004~0.01重量%、且つ(C+GC+EC+EGCの合計量)/(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.2~0.34である、請求項1に記載の紅茶抽出物入りミルク飲料。
    C:カテキン
    GC:ガロカテキン
    EC:エピカテキン
    EGC:エピガロカテキン
    CG:カテキンガレート
    GCG:ガロカテキンガレート
    ECG:エピカテキンガレート
    EGCG:エピガロカテキンガレート
  3. 前記ポリフェノール及び前記カフェインの合計含有量の70重量%以上が、ダージリン茶葉由来である、請求項1又は2に記載の紅茶抽出物入りミルク飲料。
  4. 紅茶抽出物及び乳原料を含む混合物が、1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の速度で50~95℃まで昇温され、該温度で15~300秒間保持された後、2次加熱として0.1~5℃/秒の速度で110~135℃まで昇温され、該温度で2~10秒間加熱処理されたものである、請求項1~3のいずれか1項に記載の紅茶抽出物入りミルク飲料。
  5. 生乳が、1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の速度で50~95℃まで昇温され、該温度で15~300秒間保持された後、2次加熱として0.1~5℃/秒の速度で110~135℃まで昇温され、該温度で2~10秒間加熱処理されたものを、乳原料として含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の紅茶抽出物入りミルク飲料。
  6. 混合物全体中、乳固形分の含有量が8.4~12.3重量%、ポリフェノールの総含有量が0.09~0.19重量%、カテキン類の含有量が0.0045~0.012重量%、及びカフェインの含有量が0.01~0.024重量%であり、{(前記ポリフェノールの総含有量)-(前記カテキン類の含有量)}/(前記カテキン類の含有量)が10~20であり、(前記ポリフェノールの総含有量)/(前記乳固形分の含有量)が0.01~0.02であるように紅茶抽出物及び乳原料を配合した混合物を、
    1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の速度で50~95℃まで昇温し、該温度で15~300秒間保持した後、2次加熱として0.1~5℃/秒の速度で110~135℃まで昇温し、該温度で2~10秒間加熱処理する工程を含む、紅茶抽出物入りミルク飲料の製造方法。
  7. 前記混合物全体中、(C+GC+EC+EGCの合計量)が0.0011~0.0024重量%、(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.004~0.01重量%、且つ(C+GC+EC+EGCの合計量)/(CG+GCG+ECG+EGCGの合計量)が0.2~0.34である、請求項6に記載の紅茶抽出物入りミルク飲料の製造方法。
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