JP2022104564A - 硬化性接着剤組成物及び偏光板 - Google Patents

硬化性接着剤組成物及び偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に好適な硬化性接着剤組成物、並びに、偏光子、接着剤層及び熱可塑性樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの密着性が良好な偏光板を提供する。【解決手段】無水マレイン酸変性化合物(A)、未変性ポリブタジエン(B)、(メタ)アクリレート化合物(C)及び光重合開始剤(D)を含む硬化性接着剤組成物、並びに、偏光子、接着剤層及び熱可塑性樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、該接着剤層が上記硬化性接着剤組成物の硬化物層である偏光板が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、硬化性接着剤組成物及び偏光板に関する。
液晶表示装置、有機EL表示装置に代表される画像表示装置等に広く用いられている偏光板は通常、偏光子の片面又は両面に保護フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムを貼合した構成を有する。偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合には通常、接着剤が用いられる。該接着剤としては、活性エネルギー線硬化性接着剤や水系接着剤が知られている〔例えば、特開2009-008860号公報(特許文献1)〕。
特開2009-008860号公報
本発明の目的は、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に好適な硬化性接着剤組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、偏光子、接着剤層及び熱可塑性樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの密着性が良好な偏光板を提供することにある。
本発明は、以下に示す硬化性接着剤組成物及び偏光板を提供する。
[1] 無水マレイン酸変性化合物(A)、未変性ポリブタジエン(B)、(メタ)アクリレート化合物(C)及び光重合開始剤(D)を含む硬化性接着剤組成物。
[2] 前記無水マレイン酸変性化合物(A)の含有量が、前記無水マレイン酸変性化合物(A)及び未変性ポリブタジエン(B)の合計量100質量%中、40質量%以上90質量%以下である[1]に記載の硬化性接着剤組成物。
[3] 前記(メタ)アクリレート化合物(C)は、単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)を含む[1]又は[2]に記載の硬化性接着剤組成物。
[4] 前記単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)の含有量が、前記(メタ)アクリレート化合物(C)100質量%中、60質量%以上99質量%以下である[3]に記載の硬化性接着剤組成物。
[5] 前記単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)は、脂環式アルキル(メタ)アクリレート化合物及び芳香族(メタ)アクリレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含む[3]又は[4]に記載の硬化性接着剤組成物。
[6] 石油樹脂(E)をさらに含む[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[7] 前記無水マレイン酸変性化合物(A)は、無水マレイン酸変性重合体(A-1)を含む[1]~[6]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[8] 前記硬化性接着剤組成物からなる厚み10μmの硬化膜は、温度40℃、相対湿度90%において400g/(m・24hr)以下の透湿度を有する[1]~[7]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[9] 偏光子、接着剤層及び熱可塑性樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、
前記接着剤層は、[1]~[8]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物の硬化物層である偏光板。
[10] 前記熱可塑性樹脂フィルムは、(メタ)アクリル系樹脂フィルムである[9]に記載の偏光板。
偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に好適な硬化性接着剤組成物、並びに、偏光子、接着剤層及び熱可塑性樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの密着性が良好な偏光板を提供することができる。
本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の層構成の他の一例を示す概略断面図である。
<硬化性接着剤組成物>
本発明に係る硬化性接着剤組成物(以下、「接着剤組成物」ともいう。)は、熱可塑性樹脂フィルムの接着に好適であり、例えば、熱可塑性樹脂フィルムと他の熱可塑性樹脂フィルム(又は層)との貼合に用いることができる。本発明に係る接着剤組成物の適用の一例は偏光板用であり、すなわち、偏光板を作製するために用いることができる。より具体的には、本発明に係る接着剤組成物は、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に用いられる接着剤組成物として有用である。
本明細書において偏光板とは、偏光子と、その片面又は両面に積層される熱可塑性樹脂フィルムとを含む積層光学フィルムを指す。偏光板において、偏光子と上記熱可塑性樹脂フィルムとは、接着剤層を介して積層されている。接着剤層は、接着剤組成物から形成される層であり、より具体的には接着剤組成物の硬化物層である。
偏光板は、偏光子及び上記熱可塑性樹脂フィルム以外のフィルム又は層を含んでいてもよい。
上記接着剤組成物は、無水マレイン酸変性化合物(A)、未変性ポリブタジエン(B)、(メタ)アクリレート化合物(C)及び光重合開始剤(D)を含む硬化性の接着剤組成物である。接着剤組成物は、これら以外の成分を含んでいてもよい。
なお、本明細書において接着剤組成物に含まれる又は含まれ得る各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で、又は、複数種を組み合わせて使用することができる。
〔1〕無水マレイン酸変性化合物(A)
無水マレイン酸変性化合物(A)は、無水マレイン酸構造を分子内に含む化合物である。接着剤組成物は、1種の無水マレイン酸変性化合物(A)を含んでいてもよいし、2種以上の無水マレイン酸変性化合物(A)を含んでいてもよい。
無水マレイン酸変性化合物(A)としては、無水マレイン酸変性重合体(A-1)が挙げられる。
無水マレイン酸変性重合体(A-1)は、無水マレイン酸構造が高分子の側鎖として導入されることによって変性された重合体である。接着剤組成物は、1種の無水マレイン酸変性重合体(A-1)を含んでいてもよいし、2種以上の無水マレイン酸変性重合体(A-1)を含んでいてもよい。
上記の無水マレイン酸構造とは、下記の構造をいう。
Figure 2022104564000002

(*は主鎖への結合手を表す。)
無水マレイン酸変性重合体(A-1)において、無水マレイン酸変性される重合体としては、ジエン系重合体、ポリオレフィン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリエーテル系重合体等が挙げられる。これらの重合体は、1種のモノマーから構成される単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーから構成される共重合体であってもよい。
本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記についても同様である。
無水マレイン酸変性重合体(A-1)は、無水マレイン酸変性ポリブタジエンであることが好ましい。これらの重合体は、それぞれ、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。共重合体である場合の共重合モノマーは、例えばオレフィンモノマーである。
ポリブタジエンは、1,4-ポリブタジエンであってもよいし、1,2-ポリブタジエンであってもよいし、1,4-付加によって形成される構成単位及び1,2-付加によって形成される構成単位の両方を含んでいてもよい。1,4-付加は、trans付加であってもよいし、cis付加であってもよい。
無溶剤型で接着能力の良好な接着剤組成物を調製し得ることから、無水マレイン酸変性重合体(A-1)は、液状であることが好ましい。液状とは、温度25℃において流動性を示すことをいう。
液状の無水マレイン酸変性重合体(A-1)の25℃における粘度は、塗工性が良好な接着剤組成物を得る観点から、通常1Pa・sec以上1300Pa・sec以下であり、好ましくは10Pa・sec以上1000Pa・sec以下であり、より好ましくは15Pa・sec以上700Pa・sec以下であり、さらに好ましくは15Pa・sec以上150Pa・sec以下である。
無水マレイン酸変性重合体(A-1)の数平均分子量は、通常500以上15000以下であり、粘度及び塗工性の観点から、好ましくは600以上12000以下であり、より好ましくは700以上10000以下であり、さらに好ましくは2000以上10000以下である。
無水マレイン酸変性重合体(A-1)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
無水マレイン酸変性重合体(A-1)の酸価は、通常10KOHmg/g以上200KOHmg/g以下であり、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力等の観点から、好ましくは15KOHmg/g以上150KOHmg/g以下であり、より好ましくは20KOHmg/g以上100KOHmg/g以下であり、さらに好ましくは45KOHmg/g以上80KOHmg/g以下である。酸価が該範囲にある無水マレイン酸変性重合体(A-1)を使用することは、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力を高めるうえで有利であり、とりわけ、偏光子としてポリビニルアルコール系偏光子を用いる場合において、ポリビニルアルコール系偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性が高い接着剤組成物を提供するうえで有利である。
無水マレイン酸変性重合体(A-1)の酸価は、JIS K 0070:1992に従う、フェノールフタレインを指示薬とする中和滴定法によって測定される。
接着剤組成物の全量を100質量%とするとき、無水マレイン酸変性化合物(A)の含有量は、通常3質量%以上40質量%以下であり、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点、とりわけ、偏光子としてポリビニルアルコール系偏光子を用いる場合において、ポリビニルアルコール系偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を高める観点から、好ましくは5質量%以上35質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
〔2〕未変性ポリブタジエン(B)
未変性ポリブタジエン(B)は、変性されていないポリブタジエンであり、1,3-ブタジエンの付加重合によって得られる重合体である。変性されていないとは、側鎖に反応性基や極性基を含まないことをいう。接着剤組成物は、1種の未変性ポリブタジエンを含んでいてもよいし、2種以上の未変性ポリブタジエンを含んでいてもよい。
未変性ポリブタジエン(B)は、1,4-ポリブタジエンであってもよいし、1,2-ポリブタジエンであってもよいし、1,4-付加によって形成される構成単位(1,4-付加単位)及び1,2-付加によって形成される構成単位(1,2-付加単位)の両方を含んでいてもよい。1,4-付加は、trans付加であってもよいし、cis付加であってもよい。
未変性ポリブタジエン(B)が1,4-付加単位及び1,2-付加単位の両方を含む場合、それらの含有量はモル比で、通常、1,4-付加単位/1,2-付加単位=50~95/50~5であり、好ましくは70~90/30~10であり、より好ましくは75~90/25~10である。
未変性ポリブタジエン(B)に含まれるビニル基の割合は、35%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、1%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。
無溶剤型で接着能力の良好な接着剤組成物を調製し得ることから、未変性ポリブタジエン(B)は、液状であることが好ましい。液状とは、温度25℃において流動性を示すことをいう。
液状の未変性ポリブタジエン(B)の25℃における粘度は、塗工性が良好な接着剤組成物を得る観点から、好ましくは0.1Pa・sec以上100Pa・sec以下であり、より好ましくは0.2Pa・sec以上50Pa・sec以下であり、さらに好ましくは0.5Pa・sec以上10Pa・sec以下である。
未変性ポリブタジエン(B)の数平均分子量は、通常500以上15000以下であり、粘度及び塗工性の観点から、好ましくは600以上10000以下であり、より好ましくは700以上9000以下であり、さらに好ましくは1000以上5000以下である。
未変性ポリブタジエン(B)の数平均分子量は、GPCによる標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
接着剤組成物の全量を100質量%とするとき、未変性ポリブタジエン(B)の含有量は、通常1質量%以上20質量%以下であり、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点、とりわけ、偏光子としてポリビニルアルコール系偏光子を用いる場合において、ポリビニルアルコール系偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を高める観点から、好ましくは2質量%以上18質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上15質量%以下である。
接着剤組成物の全量を100質量%とするとき、無水マレイン酸変性化合物(A)及び未変性ポリブタジエン(B)の合計量は、通常4質量%以上60質量%以下であり、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点、とりわけ、偏光子としてポリビニルアルコール系偏光子を用いる場合において、ポリビニルアルコール系偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を高める観点から、好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上30質量%以下である。
接着剤組成物における無水マレイン酸変性化合物(A)及び未変性ポリブタジエン(B)の合計量を100質量%とするとき、未変性ポリブタジエン(B)の含有量は、通常5質量%以上65質量%以下であり、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点、とりわけ、偏光子としてポリビニルアルコール系偏光子を用いる場合において、ポリビニルアルコール系偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を高める観点から、好ましくは10質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上50質量%以下である。
接着剤組成物における無水マレイン酸変性化合物(A)及び未変性ポリブタジエン(B)の合計量を100質量%とするとき、無水マレイン酸変性化合物(A)の含有量は、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点、とりわけ、偏光子としてポリビニルアルコール系偏光子を用いる場合において、ポリビニルアルコール系偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を高める観点から、好ましくは40質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上80質量%以下である。
〔3〕(メタ)アクリレート化合物(C)
(メタ)アクリレート化合物(C)は、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するラジカル重合性化合物である。
接着剤組成物は、(メタ)アクリレート化合物(C)を1種又は2種以上含有することができる。
(メタ)アクリレート化合物(C)としては、分子内に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)、分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物(C-2)、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物(C-3)が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(C)は、単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)、2官能(メタ)アクリレート化合物(C-2)及び多官能(メタ)アクリレート化合物(C-3)を、それぞれ、1種又は2種以上含有することができる。
単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)の一例は、アルキル(メタ)アクリレートである。アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)の他の例としては、例えば、
ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート、並びに、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート等のフェノキシ(メタ)アクリレート等の、エステル結合(-C(=O)-O-)の-O-に結合する基が芳香環を含む芳香族(メタ)アクリレート化合物;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の、エステル結合(-C(=O)-O-)の-O-に結合する基が脂環式環を含む脂環式アルキル(メタ)アクリレート化合物;
N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート化合物;
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の、エステル結合(-C(=O)-O-)の-O-に結合する基がエーテル結合を含む(メタ)アクリレート化合物であって、上記以外のもの
等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)のさらに他の例としては、例えば、
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート等の、エステル結合(-C(=O)-O-)の-O-に結合する基が水酸基を含む(メタ)アクリレート化合物;
2-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(n≒2)モノ(メタ)アクリレート、1-[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]フタル酸、1-[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘキサヒドロフタル酸、1-[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]コハク酸、4-[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]トリメリット酸、N-(メタ)アクリロイルオキシ-N’,N’-ジカルボキシメチル-p-フェニレンジアミン等の、エステル結合(-C(=O)-O-)の-O-に結合する基がカルボキシル基を含む(メタ)アクリレート化合物
等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート化合物(C-2)としては、例えば、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ハロゲン置換アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、脂肪族ポリオールのジ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエン又はトリシクロデカンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコール又はジオキサンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA又はビスフェノールFのエポキシジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート化合物(C-2)のより具体的な例を挙げれば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル]プロパン、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3-ジオキサン-2,5-ジイルジ(メタ)アクリレート〔別名:ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンとのアセタール化合物〔化学名:2-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-5-エチル-5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン〕のジ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFのジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールFのジ(メタ)アクリレート等である。
2官能(メタ)アクリレート(C-2)は、分子内に少なくとも1つの脂環式骨格、又は、少なくとも1つの芳香環を有することが好ましく、少なくとも1つの芳香環を有することがより好ましい。
2官能(メタ)アクリレート(C-2)は、硬化物の透湿性、無水マレイン酸変性化合物(A)との相溶性、熱可塑性樹脂フィルム(特に(メタ)アクリル系樹脂フィルム)との密着性の観点から、下式で表される化合物を含むことが好ましく、下式で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2022104564000003
(式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、Xはエチレンオキサイド(-CO-)、又はプロピレンオキサイド(-CO-)を表し、nは1~20の整数を表し、mは1~20の整数を表す。)
Xは、エチレンオキサイドであることが好ましく、また、mとnとの合計の平均が2~20であることが好ましく、3~15であることがより好ましく、4~13であることがさらに好ましい。
分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物(C-3)としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、アルコキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の脂肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレート;
3官能以上のハロゲン置換ポリオールのポリ(メタ)アクリレート;
グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート;
1,1,1-トリス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ]プロパン;
トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
接着剤組成物の粘度を低減させる観点、並びに熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点から、(メタ)アクリレート化合物(C)は、単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)を含むことが好ましい。
接着剤組成物の粘度を低減させる観点、並びに熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点から、単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)は、脂環式アルキル(メタ)アクリレート化合物及び芳香族(メタ)アクリレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。
接着剤組成物の全量を100質量%とするとき、(メタ)アクリレート化合物(C)の含有量は、通常15質量%以上75質量%以下であり、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点から、好ましくは15質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上60質量%以下である。
(メタ)アクリレート化合物(C)の全量を100質量%とするとき、単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)の含有量は、通常60質量%以上であり、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点から、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。
(メタ)アクリレート化合物(C)の全量を100質量%とするとき、単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)の含有量は、100質量%であってもよいが、接着剤組成物の硬化物の機械的強度、ひいては、接着剤組成物を用いて作製される偏光板の機械的強度の観点から、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは98質量%以下であり、90質量%以下であってもよい。
単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)の含有量が100質量%未満である場合、(メタ)アクリレート化合物(C)の残部は、2官能(メタ)アクリレート化合物(C-2)及び/又は多官能(メタ)アクリレート化合物(C-3)であり、好ましくは2官能(メタ)アクリレート化合物(C-2)を含む。
〔4〕光重合開始剤(D)
光重合開始剤(D)は、光の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、(メタ)アクリレート化合物(C)の重合を開始させ得る化合物であれば特に限定されない。
接着剤組成物は、光重合開始剤(D)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
光重合開始剤(D)としては、特に制限されないが、O-アシルオキシム化合物等のオキシム系化合物、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
O-アシルオキシム化合物は、下記式(d)で表される構造を有する化合物である。以下、*は結合手を表す。
Figure 2022104564000004
O-アシルオキシム化合物としては、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセチルオキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエチルオキシ)フェニルスルファニルフェニル]プロパン-1-オン-2-イミン、N-アセチルオキシ-1-[4-(1-メチル-2-メトキシエトキシ)-2-メチルフェニル]-1-(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)メタン-1-イミン等が挙げられる。
イルガキュア(商品名)OXE01、同OXE02、同OXE03(以上、BASF社製)、N-1919、NCI-930、NCI-831(以上、ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。
アルキルフェノン化合物は、下記式(d4)で表される部分構造又は下記式(d5)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。
Figure 2022104564000005
式(d4)で表される構造を有する化合物としては、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]ブタン-1-オン等が挙げられる。
Omnirad(商品名)369、同907、同379(以上、IGM Resins B.V.社製)等の市販品を用いてもよい。
式(d5)で表される構造を有する化合物としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-イソプロペニルフェニル)プロパン-1-オンのオリゴマー、α,α-ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
Omnirad(商品名)184(IGM Resins B.V.社製)等の市販品を用いてもよい。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド(例えば、商品名「Omnirad 819」(IGM Resins B.V.社製))、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
光重合開始剤(D)のさらなる例としては、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;
ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4,4’-ジ(N,N’-ジメチルアミノ)-ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;
2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のキサントン化合物;
9,10-ジメトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセン等のアントラセン化合物;
9,10-フェナンスレンキノン、2-エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;
ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物
等が挙げられる。
接着剤組成物の全量を100質量%とするとき、光重合開始剤(D)の含有量は通常、0.1質量%以上20質量%以下であり、接着剤組成物の硬化性の観点及び熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点から、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上10質量%以下(例えば8質量%以下)である。
(メタ)アクリレート化合物(C)の全量を100質量部とするとき、光重合開始剤(D)の含有量は通常、0.1質量部以上30質量部以下であり、接着剤組成物の硬化性の観点及び熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点から、好ましくは0.5質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上10質量部以下である。
〔5〕粘着付与剤
接着剤組成物は、粘着付与剤をさらに含むことができる。粘着付与樹脂は、特に制限はなく、公知のものから適宜選択することができ、例えば、ロジン誘導体(例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン)、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂)、石油樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。
中でも、接着剤組成物は、石油樹脂(E)をさらに含むことが好ましい。接着剤組成物が石油樹脂(E)をさらに含むことにより、接着性を向上させ得るとともに、接着剤組成物から形成される硬化膜の透湿度を低減させることができる。
低透湿性の硬化膜を形成することができる接着剤組成物は、該硬化膜を介した水分の出入りを抑制することが求められる用途に好適である。例えば、偏光子の少なくとも一方の面に接着剤層を介して熱可塑性樹脂フィルムが積層されている偏光板又はこれを含む画像表示パネルにおいて、該接着剤層が低透湿性であると、水分の出入りに起因する偏光板又は画像表示パネルのカール(反り)を抑制することが可能となる。
接着剤組成物が石油樹脂(E)をさらに含むことは、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの密着性を向上させるうえでも有利となり得る。
石油樹脂(E)としては、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、環式脂肪族系石油樹脂、脂肪族・芳香族石油樹脂、クマロン系樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂を水素添加したもの等も挙げられる。
芳香族系石油樹脂は、芳香族炭化水素に由来する構成単位を1種又は2種以上含む樹脂であり、該樹脂を水素添加したもの、又は、該樹脂を変性したものであってもよい。
芳香族系石油樹脂は、好ましくはC9系石油樹脂である。C9系石油樹脂は、C9留分を共重合することにより得られる樹脂であり、該樹脂を水素添加したもの、又は、該樹脂を変性したものであってもよい。
C9系石油樹脂は、C9留分と他のモノマー成分とを共重合することにより得られる樹脂であってもよく、該樹脂を水素添加したもの、又は、該樹脂を変性したものであってもよい。他のモノマー成分としては、C5留分が挙げられる。
C9留分としては、例えば、スチレン、アルキルスチレン、ビニルトルエン、1-メチル-1-フェニルエチレン、インデン、メチルインデン等の炭素数8~10個程度の石油留分が挙げられる。
C5留分としては、例えば、シクロペンタジエン、ペンテン、ペンタジエン、イソプレン、ピペリレン等の炭素数4~5個程度の石油留分が挙げられる。
また、石油樹脂(E)は、上述したC5留分を共重合することにより得られるC5系石油樹脂、該C5系石油樹脂を水素添加したもの、又は、該樹脂を変性したものであってもよい。さらに、C5留分を環化二量体化した後に重合させた脂環式炭化水素系樹脂であってもよい。脂環式炭化水素系樹脂としては、ジシクロペンタジエン由来の構成単位を含む重合体等が挙げられる。
石油樹脂(E)の重量平均分子量は、通常500以上10000以下であり、接着剤組成物から形成される硬化膜の透湿度を低減させる観点、及び、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点から、好ましくは500以上7000以下であり、より好ましくは600以上5000以下であり、さらに好ましくは600以上3000以下である。
石油樹脂(E)の重量平均分子量は、GPCによる標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
接着剤組成物が石油樹脂(E)を含む場合において、接着剤組成物の全量を100質量%とするとき、石油樹脂(E)の含有量は、接着剤組成物から形成される硬化膜の透湿度を低減させる観点、及び、熱可塑性樹脂フィルム(又は層)に対する接着剤組成物の接着能力の観点、とりわけ、偏光子としてポリビニルアルコール系偏光子を用いる場合において、ポリビニルアルコール系偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を高める観点から、好ましくは20質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上65質量%以下である。
接着剤組成物から形成される硬化膜の透湿度は、低いことが好ましい。接着剤組成物からなる厚み10μmの硬化膜は、JIS Z 0208に規定されるカップ法により、温度40℃、相対湿度90%の条件下で測定される透湿度が、好ましくは400g/(m・24hr)以下であり、より好ましくは300g/(m・24hr)以下であり、さらに好ましくは200g/(m・24hr)以下である。該透湿度は、通常1g/(m・24hr)以上、例えば5g/(m・24hr)以上である。
接着剤組成物からなる硬化膜の透湿度Jは、具体的には、透湿度が既知の基材フィルム上に該硬化膜を形成してなる積層体を作製して該積層体の透湿度を上記方法で測定し、測定結果を用いて下記式に基づいて求めることができる。
1/Jt=(1/J)+(1/Jsub)
上記式中、Jtは上記積層体の透湿度であり、Jsubは上記基材フィルムの透湿度である。基材フィルムとしては、後述する熱可塑性樹脂フィルムと同様のものを用いることができる。JIS Z 0208に従って積層体の透湿度を測定する際、積層体は、上記硬化膜を外側に向けてカップに取り付けられる。
上記積層体に関し、上記基材フィルムとして例えば厚み60μmの(メタ)アクリル系樹脂フィルムを用いた場合、該(メタ)アクリル系樹脂フィルムと、接着剤組成物からなる厚み10μmの硬化膜との積層体は、JIS Z 0208に規定されるカップ法により、温度40℃、相対湿度90%の条件下で測定される透湿度が、好ましくは55g/(m・24hr)以下であり、より好ましくは50g/(m・24hr)以下である。該透湿度は、通常1g/(m・24hr)以上、例えば5g/(m・24hr)以上である。
〔6〕その他の成分
接着剤組成物は、上記以外のその他の成分を含むことができる。
その他の成分としては、(メタ)アクリレート化合物(C)以外の硬化性成分、架橋剤;カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の添加剤が挙げられる。
〔7〕接着剤組成物の粘度
接着剤組成物の25℃における粘度は、10000mPa・sec以下であることが好ましく、2mPa・sec以上7000mPa・sec以下であることがより好ましく、300mPa・sec以上5000mPa・sec以下であることがさらに好ましい。
接着剤組成物の25℃における粘度は、E型粘度計によって測定することができる。
<偏光板>
上記本発明に係る接着剤組成物は、熱可塑性樹脂フィルムの接着に好適であり、例えば、熱可塑性樹脂フィルムと他の熱可塑性樹脂フィルム(又は層)との貼合に用いることができる。本発明に係る接着剤組成物の適用の一例は偏光板用であり、すなわち、偏光板を作製するために用いることができる。より具体的には、本発明に係る接着剤組成物は、偏光子とその上に積層される保護フィルムのような熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に用いられる接着剤組成物として有用である。
本発明に係る偏光板は、偏光子と、その少なくとも一方の面に上記接着剤組成物から形成される接着剤層を介して積層される熱可塑性樹脂フィルムとを含むものである。上記接着剤層は、上記接着剤組成物の硬化物層である。
本発明に係る偏光板は、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとを上記接着剤組成物を用いて接着しているので、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性が良好となり得、また、偏光板の湿熱耐久性を良好なものとし得る。すなわち、本発明によれば、湿熱環境下に置かれた後においても偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性が良好な偏光板を提供することが可能である。
本発明に係る偏光板は、液晶表示装置、有機EL装置等の画像表示装置に好適に用いることができる。
〔1〕偏光板の構成
本発明に係る偏光板の層構成の例を図1及び図2に示す。
図1に示されるように本発明に係る偏光板は、偏光子30、第1接着剤層15及び第1熱可塑性樹脂フィルム10をこの順に含むものであることができ、すなわち、偏光子30と、その一方の面に第1接着剤層15を介して積層貼合される第1熱可塑性樹脂フィルム10とを含むものであることができる。
第1接着剤層15と第1熱可塑性樹脂フィルム10とは直接接していることが好ましい。
偏光子30と第1接着剤層15とは直接接していることが好ましい。
また図2に示されるように本発明に係る偏光板は、偏光子30と、その一方の面に第1接着剤層15を介して積層貼合される第1熱可塑性樹脂フィルム10と、偏光子30の他方の面に第2接着剤層25を介して積層貼合される第2熱可塑性樹脂フィルム20とを含むものであってもよい。
第1接着剤層15と第1熱可塑性樹脂フィルム10とは直接接していることが好ましい。
偏光子30と第1接着剤層15とは直接接していることが好ましい。
第2接着剤層25と第2熱可塑性樹脂フィルム20とは直接接していることが好ましい。
偏光子30と第2接着剤層25とは直接接していることが好ましい。
偏光板が第1接着剤層15及び第2接着剤層25を有する場合、いずれか一方が本発明に係る接着剤組成物から形成されるものであってもよいし、両接着剤層が本発明に係る接着剤組成物から形成されるものであってもよい。本発明に係る接着剤組成物から形成される接着剤層は、視認側の接着剤層(後述する粘着剤層から遠い接着剤層)であることが好ましい。
両接着剤層が本発明に係る接着剤組成物から形成される場合において、これらの接着剤組成物は、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
図1及び図2の例に限らず、本発明に係る偏光板は、上記以外の他の層(又はフィルム)を含むことができる。他の層としては、例えば、第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20及び/又は偏光子30の外面に積層される粘着剤層;該粘着剤層の外面に積層されるセパレートフィルム(「剥離フィルム」とも呼ばれる。);第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20及び/又は偏光子30の外面に積層されるプロテクトフィルム(「表面保護フィルム」とも呼ばれる。);第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20及び/又は偏光子30の外面に接着剤層や粘着剤層を介して積層される光学機能性フィルム(又は層)等が挙げられる。
〔2〕偏光子
偏光子30は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過する機能を有するフィルムである。偏光子30としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素としてのヨウ素を吸着・配向させたヨウ素系偏光子、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素としての二色性染料を吸着・配向させた染料系偏光子、及びリオトロビック液晶状態の二色性染料をコーティングし、配向・固定化した塗布型偏光子等が挙げられる。これらの偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を吸収するため吸収型偏光子と呼ばれている。
偏光子30は、吸収型偏光子に限定されず、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を反射する反射型偏光子、又はもう一方向の直線偏光を散乱する散乱型偏光子でも構わないが、偏光板を画像表示装置等に適用したときの視認性に優れる点から吸収型偏光子が好ましい。
中でも、偏光子30は、ポリビニルアルコール系樹脂で構成されるポリビニルアルコール系偏光子であることがより好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性色素を吸着・配向させたポリビニルアルコール系偏光子であることがさらに好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着・配向させたポリビニルアルコール系偏光子であることが特に好ましい。
ポリビニルアルコール系偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム(又は層)を用いて従来公知の方法によって製造することができる。
偏光子30の厚みは、30μm以下とすることができ、好ましくは25μm以下(例えば20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下、なおさらには8μm以下)である。偏光子30の厚みは、通常2μm以上である。偏光子30の厚みを小さくすることは、偏光板、ひいてはこれが適用される画像表示装置等の薄型化に有利である。
〔3〕熱可塑性樹脂フィルム
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムであることができる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、延伸されていないフィルム、又は一軸若しくは二軸延伸されたフィルムのいずれであってもよい。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、第1方向に延伸した後でこれとは異なる第2方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、偏光子30を保護する役割を担う保護フィルムであってもよいし、位相差フィルム等の光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。
例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該熱可塑性樹脂フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、メタクリル酸エステルを主たる単量体とする(50質量%以上含有する)重合体であることができ、メタクリル酸エステルと他の共重合成分とが共重合されている共重合体であることが好ましい。
1つの実施形態において(メタ)アクリル系樹脂は、共重合成分としてメタクリル酸メチルを含むか、又はメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとを含む。
アクリル酸メチル以外の他の共重合成分としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-、i-又はt-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;
アクリル酸エチル、アクリル酸n-、i-又はt-ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類;
2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2-(1-ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸n-、i-又はt-ブチル等のヒドロキシアルキルアクリル酸エステル類;
メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類;
クロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類;
ビニルトルエン、α-メチルスチレン等の置換スチレン類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;
無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物類;
フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;
等の単官能単量体が挙げられる。
上記他の単官能単量体は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記他の共重合成分として多官能単量体が用いられてもよい。
多官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコール又はそのオリゴマーの両末端ヒドロキシル基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;
プロピレングリコール又はそのオリゴマーの両末端ヒドロキシル基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのヒドロキシル基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;
ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、又はこれらのハロゲン置換体の両末端ヒドロキシル基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールを(メタ)アクリル酸でエステル化したもの、並びにこれら末端ヒドロキシル基にグリシジル(メタ)アクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;
コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸、これらのハロゲン置換体等の二塩基酸、又はこれらのアルキレンオキサイド付加物等にグリシジル(メタ)アクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;
アリール(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物;
等が挙げられる。
中でも、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましく用いられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、共重合体が有する官能基間の反応によって変性されたものであってもよい。該反応としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルのメチルエステル基と2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルのヒドロキシル基との高分子鎖内脱メタノール縮合反応、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基と2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルのヒドロキシル基との高分子鎖内脱水縮合反応等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは80℃以上160℃以下である。ガラス転移温度は、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体との重合比、それぞれのエステル基の炭素鎖長及びそれら有する官能基の種類、並びに単量体全体に対する多官能単量体の重合比の調整によって制御可能である。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高めるための手段として、高分子の主鎖に環構造を導入することも有効である。環構造は、環状酸無水物構造、環状イミド構造及びラクトン構造等の複素環構造であることが好ましい。具体的には、無水グルタル酸構造、無水コハク酸構造等の環状酸無水物構造;グルタルイミド構造、コハクイミド構造等の環状イミド構造;ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン環構造が挙げられる。
主鎖中の環構造の含有量を大きくするほど(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高くすることができる傾向にある。
環状酸無水物構造、環状イミド構造は、無水マレイン酸、マレイミド等の環状構造を有する単量体を共重合させることによって導入する方法;重合後脱水・脱メタノール縮合反応により環状酸無水物構造を導入する方法;アミノ化合物を反応させて環状イミド構造を導入する方法等によって導入することができる。
ラクトン環構造を有する樹脂(重合体)は、高分子鎖にヒドロキシル基とエステル基とを有する重合体を調製した後、得られた重合体におけるヒドロキシル基とエステル基とを、加熱により、必要に応じて有機リン化合物等の触媒の存在下に環化縮合させてラクトン環構造を形成する方法によって得ることができる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、耐衝撃性改良剤、界面活性剤等を挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、フィルムへの製膜性やフィルムの耐衝撃性等の観点から、衝撃性改良剤であるアクリル系ゴム粒子を含有していてもよい。アクリル系ゴム粒子とは、アクリル酸エステルを主体とする弾性重合体を必須成分とする粒子であり、実質的にこの弾性重合体のみからなる単層構造のものや、この弾性重合体を1つの層とする多層構造のものが挙げられる。
上記弾性重合体の例として、アクリル酸アルキルを主成分とし、これに共重合可能な他のビニル系単量体及び架橋性単量体を共重合させた架橋弾性共重合体が挙げられる。
弾性重合体の主成分となるアクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルへキシル等、アルキル基の炭素数が1以上8以下程度のものが挙げられ、炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルが好ましく用いられる。
上記アクリル酸アルキルに共重合可能な他のビニル系単量体としては、分子内に重合性炭素-炭素二重結合を1個有する化合物を挙げることができ、より具体的には、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル;スチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル等のビニルシアン化合物等が挙げられる。
上記架橋性単量体としては、分子内に重合性炭素-炭素二重結合を少なくとも2個有する架橋性の化合物を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルケニルエステル;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の少なくともいずれか一方は、(メタ)アクリル系樹脂を含むフィルム((メタ)アクリル系樹脂フィルム)であることが好ましく、該(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、本発明に係る接着剤組成物から形成される接着剤層を介して偏光子30に積層貼合されることが好ましい。
本発明に係る接着剤組成物は、熱可塑性樹脂フィルムが(メタ)アクリル系樹脂フィルムである場合においてとりわけ、良好な密着性を示すことができる。したがって、本発明に係る接着剤組成物は、偏光子と(メタ)アクリル系樹脂フィルムとの貼合に好適に用いることができる。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、好ましくはその樹脂成分が(メタ)アクリル系樹脂からなる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、同じ熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよいし、互いに異なる熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよい。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、厚み、添加剤の有無やその種類、位相差特性等において同じであってもよいし、異なっていてもよい。
1つの実施形態において、第1熱可塑性樹脂フィルム10は(メタ)アクリル系樹脂フィルムであり、第2熱可塑性樹脂フィルム20はポリオレフィン系樹脂フィルム(好ましくは、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム)、セルロースエステル系樹脂又はポリエステル系樹脂フィルムである。
他の実施形態において、第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムである。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、その外面(偏光子30とは反対側の表面)にハードコート層、防眩層、反射防止層、光拡散層、帯電防止層、防汚層、導電層等の表面処理層(コーティング層)を備えていてもよい。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みはそれぞれ、通常5μm以上200μm以下であり、好ましくは10μm以上120μm以下、より好ましくは10μm以上85μm以下、さらに好ましくは15μm以上65μm以下である。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みはそれぞれ、50μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みを小さくすることは、偏光板、ひいてはこれが適用される画像表示装置等の薄型化に有利である。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の接着剤組成物が塗布される面に、密着性向上の観点より、ケン化処理、プラズマ処理、コロナ処理、プライマー処理等の表面改質処理を行ってもよい。
〔4〕偏光板の製造、及び接着剤層
偏光子30の一方の面に第1接着剤層15を介して第1熱可塑性樹脂フィルム10を積層接着することにより、図1に示される構成の偏光板を得ることができ、偏光子30の他方の面に第2接着剤層25を介して第2熱可塑性樹脂フィルム20をさらに積層接着することにより、図2に示される構成の偏光板を得ることができる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20(以下、これらを総称して単に「熱可塑性樹脂フィルム」ともいう。)の双方を有する偏光板を製造する場合、これらの熱可塑性樹脂フィルムは、段階的に片面ずつ積層接着してもよいし、両面の熱可塑性樹脂フィルムを同時に積層接着してもよい。
図1に示される構成の偏光板において第1接着剤層15は、本発明に係る接着剤組成物から形成される。第1接着剤層15は、本発明に係る接着剤組成物の硬化物層である。
図2に示される構成の偏光板において第1接着剤層15及び第2接着剤層25は、それらの少なくともいずれか一方が本発明に係る接着剤組成物から形成される。第1接着剤層15及び/又は第2接着剤層25は、本発明に係る接着剤組成物の硬化物層である。
図2に示される構成の偏光板において第1接着剤層15及び第2接着剤層25は、いずれか一方が本発明に係る接着剤組成物から形成され、他方が本発明に係る接着剤組成物とは異なる他の接着剤組成物から形成されてもよい。
他の接着剤組成物としては、従来公知の水系接着剤又は活性エネルギー線硬化性接着剤が挙げられる。
水系接着剤としては、例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂又はウレタン樹脂を用いた従来公知の接着剤組成物が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、紫外線、可視光、電子線、X線等の活性エネルギー線の照射によって硬化する接着剤である。活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、偏光板が有する接着剤層は、当該接着剤の硬化物層である。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する接着剤であることができ、好ましくは、かかるエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する紫外線硬化性接着剤である。エポキシ系化合物とは、分子内に平均1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。エポキシ系化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ系化合物としては、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られる水素化エポキシ系化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル);脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ系化合物;脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ系化合物である脂環式エポキシ系化合物等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、硬化性成分として、上記エポキシ系化合物の代わりに、又はこれとともにラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物を含有することができる。(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含む場合、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄-アレン錯体等を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、(メタ)アクリル系化合物等のラジカル重合性成分を含む場合、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、チオキサントン系開始剤、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン等を挙げることができる。
偏光子30と熱可塑性樹脂フィルムとの接着は、偏光子30の貼合面及び/又は熱可塑性樹脂フィルムの貼合面に接着剤組成物を塗工するか、又は偏光子30と熱可塑性樹脂フィルムとの間に接着剤組成物を注入し、接着剤組成物の層を介して両者のフィルムを重ね、例えば貼合ロール等を用いて上下から押圧して貼合する工程を含むことができる。
接着剤組成物層の形成には、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーター等の種々の塗工方式が利用できる。また、偏光子30及び熱可塑性樹脂フィルムを両者の貼合面が内側となるように連続的に供給しながら、その間に接着剤組成物を流延させる方式であってもよい。
接着剤組成物を適用する前に、偏光子30及び熱可塑性樹脂フィルムの貼合面の一方又は両方に対して、ケン化処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、プライマー処理、アンカーコーティング処理等の易接着処理(表面活性化処理)を施してもよい。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、活性エネルギー線を照射して接着剤組成物層を硬化させる。
活性エネルギー線を照射するために用いる光源は、紫外線、電子線、X線等を発生できるものであればよい。特に波長400nm以下に発光分布を有する、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が好適に用いられる。
本発明に係る接着剤組成物から形成される接着剤層の厚みは、偏光板において、例えば0.1μm以上100μm以下であり、好ましくは0.5μm以上80μm以下であり、より好ましくは1μm以上60μm以下であり、さらに好ましくは2μm以上50μm以下である。偏光板の薄型化の観点から、該接着剤層の厚みを30μm以下、さらには20μm以下とすることも好ましい。
第1接着剤層15と第2接着剤層25とは、厚みが同じであってもよいし、異なっていてもよい。
〔5〕偏光板のその他の構成要素
〔5-1〕光学機能性フィルム
偏光板は、所望の光学機能を付与するための、偏光子30以外の他の光学機能性フィルムを備えることができ、その好適な一例は位相差フィルムである。
上述のように、第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20が位相差フィルムを兼ねることもできるが、熱可塑性樹脂フィルムとは別途に位相差フィルムを積層することもできる。後者の場合、位相差フィルムは、粘着剤層や接着剤層を介して第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20の外面に積層することができる。
位相差フィルムとしては、透光性を有する熱可塑性樹脂の延伸フィルムから構成される複屈折性フィルム;ディスコティック液晶又はネマチック液晶が配向固定されたフィルム;基材フィルム上に上記の液晶層が形成されたもの等が挙げられる。
基材フィルムは通常、熱可塑性樹脂からなるフィルムであり、熱可塑性樹脂の一例は、トリアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂である。
複屈折性フィルムを形成する熱可塑性樹脂としては、第1及び第2熱可塑性樹脂フィルム10,20について記述したものを使用することができる。
偏光板に含まれ得る他の光学機能性フィルム(光学部材)の例は、集光板、輝度向上フィルム、反射層(反射フィルム)、半透過反射層(半透過反射フィルム)、光拡散層(光拡散フィルム)等である。これらは一般的に、偏光板が液晶セルの背面側(バックライト側)に配置される偏光板である場合に設けられる。
〔5-2〕粘着剤層
本発明に係る偏光板は、これを液晶セル、有機EL素子等の画像表示素子、又は他の光学部材に貼合するための粘着剤層を含むことができる。粘着剤層は、図1に示される構成の偏光板においては偏光子30の外面、図2に示される構成の偏光板においては第1熱可塑性樹脂フィルム10又は第2熱可塑性樹脂フィルム20の外面に積層することができる。
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、(メタ)アクリル系樹脂や、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂等をベースポリマーとするものを用いることができる。中でも、透明性、粘着力、信頼性、耐候性、耐熱性、リワーク性等の観点から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。
粘着剤層の厚みは、その接着力等に応じて決定されるが、1μm以上50μm以下の範囲が適当であり、好ましくは2μm以上40μm以下である。
偏光板は、粘着剤層の外面に積層されるセパレートフィルムを含み得る。セパレートフィルムは、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等からなるフィルムであることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムが好ましい。
粘着剤層は、必要に応じて、ガラス繊維、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粉や他の無機粉末からなる充填剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を含むことができる。
〔5-3〕プロテクトフィルム
本発明に係る偏光板は、その表面(熱可塑性樹脂フィルム表面や偏光子表面等)を保護するためのプロテクトフィルムを含むことができる。プロテクトフィルムは、例えば画像表示素子や他の光学部材に偏光板が貼合された後、それが有する粘着剤層ごと剥離除去される。
プロテクトフィルムは、例えば、基材フィルムとその上に積層される粘着剤層とで構成される。粘着剤層については上述の記述が引用される。
基材フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り、質量基準である。フィルム及び接着剤層(硬化膜)の厚みは、(株)ニコン製のデジタルマイクロメーター「MH-15M」を用いて測定した。
<実施例1>
(1)硬化性接着剤組成物の調製
表1に示される成分を表1に示される配合量で混合して、硬化性接着剤組成物Aを調製した。表1に示される各成分の配合量の単位は質量部である。
表1に示される各成分の詳細は次のとおりである。
(Aa):無水マレイン酸変性液状ポリブタジエン(Synthomer社製の商品名「Lithene ultra N4-5000-10MA」、数平均分子量:5500、25℃における粘度:25~60Pa・sec、酸価:54KOHmg/g)
(Ab):無水マレイン酸変性液状ポリブタジエン(Synthomer社製の商品名「Lithene ultra N4-B-10MA」、数平均分子量:8200、25℃における粘度:60~90Pa・sec、酸価:54KOHmg/g)
(Ba):未変性液状ポリブタジエン(Synthomer社製の商品名「Lithene ultra PM4」、数平均分子量:1500、25℃における粘度:0.7~0.95Pa・sec)
(Bb):未変性液状ポリブタジエン(Synthomer社製の商品名「Lithene ultra N4-9000」、数平均分子量:9000、25℃における粘度:12~16Pa・sec)
(C-1):ジシクロペンタニルアクリレート(日立化成株式会社製の商品名「FA-513AS」)
(C-2):エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製の商品名「A-BPE-10」、EO 10モル)
(D):フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド(IGM Resins B.V.社製の商品名「Omnirad 819」)
(E):石油樹脂(JXTGエネルギー株式会社製の商品名「T-REZ HA105」、水添樹脂(ジシクロペンタジエンをモノマー成分とする脂環族飽和炭化水素樹脂)、軟化点(公称値):104.5℃、重量平均分子量(公称値):610)
(2)偏光板の作製
厚み60μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムの表面にコロナ処理を施し、そのコロナ処理面に、上記(1)で調製した硬化性接着剤組成物Aを接着剤塗工装置を用いて塗工した。得られた塗工層と厚み23μmのポリビニルアルコール-ヨウ素系偏光子とをニップロールを用いて積層し、PMMAフィルム付偏光子を得た。
次いで、環状ポリオレフィン系樹脂からなる厚み50μmの位相差フィルム〔日本ゼオン(株)製の商品名「ZEONOR」〕の表面にコロナ処理を施し、そのコロナ処理面に、下記に従って調製した硬化性接着剤組成物Bを接着剤塗工装置を用いて塗工した。得られた塗工層とPMMAフィルム付偏光子の偏光子面とをニップロールを用いて積層して積層体を得た。この積層体における位相差フィルム側から、総積算光量(波長320~400nmの波長領域における光照射強度の積算量)が約200mJ/cm(測定器:FusionUV社製UV Power PuckIIによる測定値)の紫外線(UVB)を照射することにより硬化性接着剤組成物Bの層及び硬化性接着剤組成物Aの層を硬化させて、偏光板を作製した。なお、硬化性接着剤組成物Aの硬化層の厚みは約10μmであり、硬化性接着剤組成物Bの硬化層の厚みは2.5μmであった。
硬化性接着剤組成物Bは、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(株式会社ダイセル製の商品名「セロキサイド2021P」)100質量部に対して、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製の商品名「EX-214L」)25質量部、及び、光重合開始剤(サンアプロ株式会社製の商品名「CPI-100P」)5.6質量部を添加し、混合することによって調製した。
<実施例2~7>
配合成分の配合量を表1に示されるとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして硬化性接着剤組成物Aを調製した。また、この硬化性接着剤組成物Aを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。
<測定及び評価>
(1)硬化性接着剤組成物Aから形成される硬化膜の透湿度
コロナ処理を施した厚み60μmのPMMAフィルムに、硬化性接着剤組成物Aを接着剤塗工装置を用いて塗工した。
硬化性接着剤組成物Aの塗工層上に未処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを積層し、ニップロールを用いて貼合した。次いで、総積算光量(波長320~400nmの波長領域における光照射強度の積算量)が約200mJ/cm(測定器:FusionUV社製UV Power PuckIIによる測定値)の紫外線(UVB)を照射することにより接着剤層を硬化させて、PMMAフィルム/硬化した接着剤層/PETフィルムの層構成を有する積層体を得た。その後、PETフィルムを剥離して、PMMAフィルム/硬化した接着剤層(硬化膜)の層構成を有する積層体(透湿度測定用サンプル)を得た。
得られた積層体(透湿度測定用サンプル)について、JIS Z 0208に規定されるカップ法により、温度40℃、相対湿度90%での透湿度〔g/(m・24hr)〕を測定した。なお、測定においては、上記積層体のうち硬化した接着剤層(硬化膜)が温度40℃、相対湿度90%の環境下になるようにした。また、積層体は、硬化膜を外側に向けてカップに取り付けた。
結果を表1の「積層体の透湿度」の欄に示す。括弧内の数値は、積層体が有する硬化膜の厚み(単位:μm)を示す。
また、得られた積層体の透湿度(Jt)を用い、下記式に基づき、硬化膜それ自体の温度40℃、相対湿度90%における透湿度(J)を求めた。
1/Jt=(1/J)+(1/Jsub)
基材フィルムである厚み60μmのPMMAフィルムは、JIS Z 0208に規定されるカップ法により、温度40℃、相対湿度90%の条件下で測定される透湿度(Jsub)が70g/(m・24hr)であった。
結果を表1の「硬化膜の透湿度」の欄に示す。括弧内の数値は、硬化膜の厚み(単位:μm)を示す。
(2)偏光板における偏光子とPMMAフィルムとの間の密着性の評価(初期)
得られた偏光板のPMMAフィルム側に粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層付偏光板を長さ(偏光子の吸収軸方向と平行)200mm×幅25mmの大きさに裁断し、粘着剤層をガラス板に貼合して積層体を得た。得られた積層体を偏光子とPMMAフィルムとの間の剥離強さを測定するための試験片とした。試験片の偏光子とPMMAフィルムとの間にカッターの刃を入れ、長さ方向に端から30mm剥がして、その剥がした部分を試験機のつかみ部でつかみ、つかみ下部はガラス板をつかんだ。この状態の試験片について、温度23℃及び相対湿度55%の雰囲気中にて、JIS K 6854-2:1999「接着剤-はく離接着強さ試験方法-第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で剥離試験を行い、つかみ部の30mmを除く170mmの長さにわたる平均剥離力を求め、これを、偏光子とPMMAフィルムとの間の剥離強さとした。結果を表1に示す。剥離強さは、偏光板を作製してから温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に24時間置いた後に測定した。
表1中、「破断」とは、剥離強さが非常に大きく、フィルムが剥離される前にPMMAフィルム又は偏光子が破断してしまったことを意味する。
(3)偏光板における偏光子とPMMAフィルムとの間の密着性の評価(高温高湿環境暴露後)
得られた偏光板のPMMAフィルム側に粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層付偏光板を長さ(偏光子の吸収軸方向と平行)200mm×幅25mmの大きさに裁断し、粘着剤層をガラス板に貼合して積層体を得た。得られた積層体を温度80℃、相対湿度90%RHの高温高湿環境下に24時間置いた後、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に24時間置いた。その後、得られた積層体の偏光子とPMMAフィルムとの間にカッターの刃を入れ、長さ方向に端から30mm剥がして、その剥がした部分を試験機のつかみ部でつかみ、つかみ下部はガラス板をつかんだ。この状態の試験片について、温度23℃及び相対湿度55%の雰囲気中にて、JIS K 6854-2:1999「接着剤-はく離接着強さ試験方法-第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で剥離試験を行い、つかみ部の30mmを除く170mmの長さにわたる平均剥離力を求め、これを、偏光子とPMMAフィルムとの間の剥離強さとした。結果を表1に示す。
Figure 2022104564000006
<実施例8>
(1)硬化性接着剤組成物の調製
表2に示される成分を表2に示される配合量で混合して、硬化性接着剤組成物Cを調製した。表2に示される各成分の配合量の単位は質量部である。
表2に示される各成分の詳細は次のとおりである。
(Aa):無水マレイン酸変性液状ポリブタジエン(Synthomer社製の商品名「Lithene ultra N4-5000-10MA」、数平均分子量:5500、25℃における粘度:25~60Pa・sec、酸価:54KOHmg/g)
(Ac):無水マレイン酸変性液状ポリブタジエン(Synthomer社製の商品名「Lithene ultra PM4-7.5MA」、数平均分子量:1600、25℃における粘度:2~6Pa・sec、酸価:40KOHmg/g)
(Ba):未変性液状ポリブタジエン(Synthomer社製の商品名「Lithene ultra PM4」、数平均分子量:1500、25℃における粘度:0.7~0.95Pa・sec)
(Bb):未変性液状ポリブタジエン(Synthomer社製の商品名「Lithene ultra N4-9000」、数平均分子量:9000、25℃における粘度:12~16Pa・sec)
(Bc):未変性液状ポリブタジエン(Synthomer社製の商品名「Lithene ultra AL」、数平均分子量:700、25℃における粘度:3~5Pa・sec)
(C-1):ジシクロペンタニルアクリレート(日立化成株式会社製の商品名「FA-513AS」)
(C-2):エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製の商品名「A-BPE-10」、EO 10モル)
(D):フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド(IGM Resins B.V.社製の商品名「Omnirad 819」)
(E):石油樹脂(JXTGエネルギー株式会社製の商品名「T-REZ HA105」、水添樹脂(ジシクロペンタジエンをモノマー成分とする脂環族飽和炭化水素樹脂)、軟化点(公称値):104.5℃、重量平均分子量(公称値):610)
(2)偏光板の作製
厚み60μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムの表面にコロナ処理を施し、そのコロナ処理面に、上記(1)で調製した硬化性接着剤組成物Cを接着剤塗工装置を用いて塗工した。得られた塗工層と厚み23μmのポリビニルアルコール-ヨウ素系偏光子とをニップロールを用いて積層し、PMMAフィルム付偏光子を得た。
次いで、環状ポリオレフィン系樹脂からなる厚み50μmの位相差フィルム〔日本ゼオン(株)製の商品名「ZEONOR」〕の表面にコロナ処理を施し、そのコロナ処理面に、下記に従って調製した硬化性接着剤組成物Bを接着剤塗工装置を用いて塗工した。得られた塗工層とPMMAフィルム付偏光子の偏光子面とをニップロールを用いて積層して積層体を得た。この積層体における位相差フィルム側から、総積算光量(波長320~400nmの波長領域における光照射強度の積算量)が約200mJ/cm(測定器:FusionUV社製UV Power PuckIIによる測定値)の紫外線(UVB)を照射することにより硬化性接着剤組成物Bの層及び硬化性接着剤組成物Cの層を硬化させて、偏光板を作製した。なお、硬化性接着剤組成物Cの硬化層の厚みは約10μmであり、硬化性接着剤組成物Bの硬化層の厚みは2.5μmであった。
硬化性接着剤組成物Bは、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(株式会社ダイセル製の商品名「セロキサイド2021P」)100質量部に対して、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製の商品名「EX-214L」)25質量部、及び、光重合開始剤(サンアプロ株式会社製の商品名「CPI-100P」)5.6質量部を添加し、混合することによって調製した。
<実施例9及び比較例1>
配合成分の配合量を表2に示されるとおりに変更したこと以外は実施例8と同様にして硬化性接着剤組成物Cを調製した。また、この硬化性接着剤組成物Cを用いたこと以外は実施例8と同様にして偏光板を作製した。
<測定及び評価>
(1)硬化性接着剤組成物Cから形成される硬化膜の透湿度
コロナ処理を施した厚み60μmのPMMAフィルムに、硬化性接着剤組成物Cを接着剤塗工装置を用いて塗工した。
硬化性接着剤組成物Cの塗工層上に未処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを積層し、ニップロールを用いて貼合した。次いで、総積算光量(波長320~400nmの波長領域における光照射強度の積算量)が約200mJ/cm(測定器:FusionUV社製UV Power PuckIIによる測定値)の紫外線(UVB)を照射することにより接着剤層を硬化させて、PMMAフィルム/硬化した接着剤層/PETフィルムの層構成を有する積層体を得た。その後、PETフィルムを剥離して、PMMAフィルム/硬化した接着剤層(硬化膜)の層構成を有する積層体(透湿度測定用サンプル)を得た。
得られた積層体(透湿度測定用サンプル)について、JIS Z 0208に規定されるカップ法により、温度40℃、相対湿度90%での透湿度〔g/(m・24hr)〕を測定した。なお、測定においては、上記積層体のうち硬化した接着剤層(硬化膜)が温度40℃、相対湿度90%の環境下になるようにした。また、積層体は、硬化膜を外側に向けてカップに取り付けた。
結果を表2の「積層体の透湿度」の欄に示す。括弧内の数値は、積層体が有する硬化膜の厚み(単位:μm)を示す。
また、得られた積層体の透湿度(Jt)を用い、下記式に基づき、硬化膜それ自体の温度40℃、相対湿度90%における透湿度(J)を求めた。
1/Jt=(1/J)+(1/Jsub)
基材フィルムである厚み60μmのPMMAフィルムは、JIS Z 0208に規定されるカップ法により、温度40℃、相対湿度90%の条件下で測定される透湿度(Jsub)が70g/(m・24hr)であった。
結果を表2の「硬化膜の透湿度」の欄に示す。括弧内の数値は、硬化膜の厚み(単位:μm)を示す。
(2)偏光板における偏光子とPMMAフィルムとの間の密着性の評価(初期)
得られた偏光板のPMMAフィルム側に粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層付偏光板を長さ(偏光子の吸収軸方向と平行)200mm×幅25mmの大きさに裁断し、粘着剤層をガラス板に貼合して積層体を得た。得られた積層体を偏光子とPMMAフィルムとの間の剥離強さを測定するための試験片とした。試験片の偏光子とPMMAフィルムとの間にカッターの刃を入れ、長さ方向に端から30mm剥がして、その剥がした部分を試験機のつかみ部でつかみ、つかみ下部はガラス板をつかんだ。この状態の試験片について、温度23℃及び相対湿度55%の雰囲気中にて、JIS K 6854-2:1999「接着剤-はく離接着強さ試験方法-第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で剥離試験を行い、つかみ部の30mmを除く170mmの長さにわたる平均剥離力を求め、これを、偏光子とPMMAフィルムとの間の剥離強さとした。結果を表2に示す。剥離強さは、偏光板を作製してから温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に24時間置いた後に測定した。
表2中、「破断」とは、剥離強さが非常に大きく、フィルムが剥離される前にPMMAフィルム又は偏光子が破断してしまったことを意味する。
(3)偏光板における偏光子とPMMAフィルムとの間の密着性の評価(高温高湿環境暴露後)
得られた偏光板のPMMAフィルム側に粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層付偏光板を長さ(偏光子の吸収軸方向と平行)200mm×幅25mmの大きさに裁断し、粘着剤層をガラス板に貼合して積層体を得た。得られた積層体を温度80℃、相対湿度90%RHの高温高湿環境下に24時間置いた後、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に24時間置いた。その後、得られた積層体の偏光子とPMMAフィルムとの間にカッターの刃を入れ、長さ方向に端から30mm剥がして、その剥がした部分を試験機のつかみ部でつかみ、つかみ下部はガラス板をつかんだ。この状態の試験片について、温度23℃及び相対湿度55%の雰囲気中にて、JIS K 6854-2:1999「接着剤-はく離接着強さ試験方法-第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で剥離試験を行い、つかみ部の30mmを除く170mmの長さにわたる平均剥離力を求め、これを、偏光子とPMMAフィルムとの間の剥離強さとした。結果を表2に示す。
Figure 2022104564000007
10 第1熱可塑性樹脂フィルム、15 第1接着剤層、20 第2熱可塑性樹脂フィルム、25 第2接着剤層、30 偏光子。

Claims (10)

  1. 無水マレイン酸変性化合物(A)、未変性ポリブタジエン(B)、(メタ)アクリレート化合物(C)及び光重合開始剤(D)を含む硬化性接着剤組成物。
  2. 前記無水マレイン酸変性化合物(A)の含有量が、前記無水マレイン酸変性化合物(A)及び未変性ポリブタジエン(B)の合計量100質量%中、40質量%以上90質量%以下である請求項1に記載の硬化性接着剤組成物。
  3. 前記(メタ)アクリレート化合物(C)は、単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)を含む請求項1又は2に記載の硬化性接着剤組成物。
  4. 前記単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)の含有量が、前記(メタ)アクリレート化合物(C)100質量%中、60質量%以上99質量%以下である請求項3に記載の硬化性接着剤組成物。
  5. 前記単官能(メタ)アクリレート化合物(C-1)は、脂環式アルキル(メタ)アクリレート化合物及び芳香族(メタ)アクリレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含む請求項3又は4に記載の硬化性接着剤組成物。
  6. 石油樹脂(E)をさらに含む請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化性接着剤組成物。
  7. 前記無水マレイン酸変性化合物(A)は、無水マレイン酸変性重合体(A-1)を含む請求項1~6のいずれか1項に記載の硬化性接着剤組成物。
  8. 前記硬化性接着剤組成物からなる厚み10μmの硬化膜は、温度40℃、相対湿度90%において400g/(m・24hr)以下の透湿度を有する請求項1~7のいずれか1項に記載の硬化性接着剤組成物。
  9. 偏光子、接着剤層及び熱可塑性樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、
    前記接着剤層は、請求項1~8のいずれか1項に記載の硬化性接着剤組成物の硬化物層である偏光板。
  10. 前記熱可塑性樹脂フィルムは、(メタ)アクリル系樹脂フィルムである請求項9に記載の偏光板。
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