JP2022102719A - 改装内額縁 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、改装内額縁に関する。
従来、建物の開口に設けられた既設枠を覆うように新設枠を取り付けた改装建具が知られている。改装建具の室内側には、既設枠の既設内額縁を覆う、新設枠の改装内額縁が取り付けられる。改装内額縁は、施工の際に取付位置を安定させるため、見付け方向へ向かって延びる面が二重に形成され、二重の面の間にねじ等の固定部材を挿入するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
改装内額縁は、新設枠及び既設内額縁との間の寸法を合わせるため、施工の現場で切断される。見付け方向に向かって延びる面が二重になっていると、切断が容易でない場合があった。
本開示は、建物の開口に設けられた既設枠を覆う新設枠の室内側に設けられる改装内額縁であって、断面視で略L字状に形成され、見込み方向に沿って延び、端部が前記新設枠に接するように配置される板状の見込み面部と、見付け方向に沿って延び、端部が既設内額縁に接するように配置される板状の見付け面部と、を備える、改装内額縁に関する。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書において、「見付け方向」とは、建物に形成された開口に納められた建具におけるドア本体の幅方向(すなわち、左右方向)を意味し、「見込み方向」とは、上記ドア本体の奥行き方向を意味する。左右とは、室外側から視た場合の左右を意味する。
図1は、本実施形態に係る改装建具10(以下、単に建具10ともいう)を室外側から視た図である。本実施形態における改装建具10は、建物100に固定されている既設の部材の一部を建物100に取り付けたままで、新たな部材を新設して形成するリフォーム用の改装建具10である。
改装建具10は、図1に示すように、玄関ドア等のドアであり、建物100に形成された開口101(図2参照)に納められる。改装建具10は、新設枠としての新設ドア枠2と、戸体としてのドア本体4と、外額縁5と、改装内額縁としての内額縁1(図2及び図3参照)と、を有する。
ドア本体4は、長方形の板材により構成され、開口101を開閉するように取り付けられる。ドア本体4は、丁番41を介して室外側(図中手前側)で開閉可能に吊り込まれる。ドア本体4の戸先側には、シリンダー錠42及びハンドル43が取り付けられている。
図2及び図3に示すように、開口101は、建物100の躯体としての梁部材71及び左右の柱部材72と、室内側の床材73と、により四周を区画されている。梁部材71及び左右の柱部材72の内面側には、既設内額縁8が配置されている。既設内額縁8は、開口101の室内側の三方を囲う型材である。既設内額縁8は、梁部材71に対してはスペーサ75を介して固定され、柱部材72に対しては直接固定される。
梁部材71及び左右の柱部材72の少なくとも室内側には、断熱材79が配置される。断熱材79及び梁部材71の間には、スペーサ75が配置される。梁部材71及び左右の柱部材72の室外側には、外装パネル78が配置されている。
床材73は、化粧材76及びモルタル77により構成されている。化粧材76は、改装建具10の室外側及び室内側ともに、モルタル77の上面側に水平に配置されている。
図2及び図3に示すように、新設ドア枠2は、既設枠としての既設ドア枠3の幅方向の内側かつ室外側に取り付けられる。図2及び図3において、既設ドア枠3は、破線で示されている。
既設ドア枠3は、開口101の内側に設けられ、長方形の枠状に形成される。既設ドア枠3は、既設上枠31と、既設下枠32と、左右の既設縦枠33と、により構成される。
図2に示すように、既設上枠31は、梁部材71の下方にスペーサ75を介して固定されている。既設上枠31は、室内部分311及び室外部分312を有する。室内部分311は、梁部材71に固定される。室外部分312は、室内部分311に連結されて室外側に配置され、室外側に突出する。室外部分312は、中空の断面方形(ホロー構造)の部材により形成される。
既設下枠32は、平板状の部材が屈曲して形成されている。既設下枠32は、既設上枠31の下方でモルタル77の上に固定され、室外側と室内側に跨って配置されている。
左右の既設縦枠33は、図3に示すように、それぞれ室内部分331及び室外部分332を有する。室内部分331は、断面視略コの字型の形状をし、開口側が柱部材72に当接するように固定される。室外部分332は、室内部分331に連結されて室外側に配置され、室外側に突出する。室外部分332は、中空の断面方形(ホロー構造)の部材により形成される。
新設ドア枠2は、開口101の内側に配置され、ドア本体4を内側に配置可能な長方形の枠状に形成される。新設ドア枠2は、既設ドア枠3の内周面の一部を覆って既設ドア枠3に部分的に重なるように取り付けられる。新設ドア枠2は、内部が中空ホロー構造を有する型材により構成され、新設上枠21と、新設下枠22と、左右の新設縦枠23と、を有する。
図2に示すように、新設上枠21は、既設上枠31の室外部分312の下方に配置される。新設下枠22は、既設下枠32の上に重ねて配置され、一部がモルタル77の上に固定される。図3に示すように、左右の新設縦枠23は、左右の既設縦枠33の室外部分332の内側に配置される。
外額縁5は、図2及び図3に示すように、新設上枠21及び左右の新設縦枠23に連結され、既設ドア枠3を覆うように取り付けられる額縁部材である。外額縁5は、断面視で略コの字状の形状を有する。外額縁5は、改装建具10の開口101の開口縁に沿って、新設ドア枠2の新設上枠21及び左右の新設縦枠23の三方に取り付けられる。
内額縁1は、改装建具10に取り付けられ、開口101の室内側の周囲に配置される室内側の額縁部材である。内額縁1は、新設ドア枠2の室内側に設けられる。詳細には、内額縁1は、新設ドア枠2の室内側と既設内額縁8の新設ドア枠2側との間に形成される角に取り付けられる。図2及び図3に示すように、内額縁1は、既設ドア枠3及び新設ドア枠2と既設内額縁8との間に形成される空間を覆う。内額縁1は、新設上枠21と既設内額縁8との間、及び左右の新設縦枠23と既設内額縁8との間に取り付けられ、開口101の三方に延びるように配置される長尺の部材である。新設上枠21側に取り付けられる内額縁1と、左右の新設縦枠23側に取り付けられる内額縁1とは寸法に違いがある。しかし、構成は共通するため、同じ用語で説明する。図4に示すように、内額縁1は、断面視略L字状に形成され、見込み面部11と、見付け面部12と、凹部13と、複数の切り込みとしての長さ調整溝14と、を有する。
見込み面部11は、図2及び図3に示すように、新設上枠21及び左右の新設縦枠23に端部が接するように配置され、新設上枠21及び左右の新設縦枠23からそれぞれ見込み方向に延びる板状の部分である。見込み面部11は、新設上枠21又は左右の新設縦枠23と略同じ程度の長さ寸法を有し、見込み方向に延びる幅寸法を有する長方形の形状を有する。見込み面部11の外側面は、平坦な面である。見込み面部11は、内側面に、後述する長さ調整溝14を有する。見込み面部11の幅方向の寸法は、内額縁1の大きさによって適宜変更されるが、例えば90mm~110mmを例示できる。
見付け面部12は、見込み面部11に対して略直交する方向に延びる板状の部分である。見付け面部12は、新設上枠21に取り付けられる場合、新設上枠21の見付け方向、すなわち開口101の幅方向に沿って延びる。見付け面部12は、新設縦枠23に取り付けられる場合は、開口101の幅方向の両側で、見付け方向に沿って延びる。見付け面部12は、端部が既設内額縁8に接するように配置され、固定部材としてのねじ16で取り付けられる。見付け面部12は、内額縁1が新設上枠21側の既設内額縁8に取り付けられる際は、見付け方向かつ上下方向に延びる一つの面で構成される。内額縁1が左右の新設縦枠23側の既設内額縁8に取り付けられる際は、見付け方向に延びる一つの面で構成される。一つの面とは、内額縁1の型材を構成する面が一つという意味であり、例えば、基材の上に化粧材が接着されたような場合も一つである。見付け面部12は、新設上枠21又は左右の新設縦枠23と略同程度の長さ寸法を有し、上下方向又は見付け方向に延びる幅寸法を有する長方形の形状を有する。見付け面部12の外側面は、平坦な面である。見付け面部12は、内側面に、後述する長さ調整溝14を有する。見付け面部12の幅方向の寸法は、内額縁1の大きさによって適宜変更されるが、例えば75mm~85mmを例示できる。
凹部13は、図4に示すように、見込み面部11と見付け面部12とが接続される角部15に形成される。凹部13が形成されているため、厳密には、見込み面部11と見付け面部12とが接続される部分には、交差する面が突き合う尖った部分は形成されていない。しかし、見込み面部11と見付け面部12とを延長した場合に仮想上交差する部分を角部15と呼ぶ。凹部13は、見込み面部11の角部15側の端部が角部15の内側に屈曲し、見付け面部12の角部15側の端部から見付け面部12に沿って離間した位置に接合されて形成される。凹部13は、見込み面部11に対して平行になる面が凹部13の底面13aとなり、見込み面部11の角部15側の端部から屈曲する面13bとこの面13bに対向する見付け面部12の角部15側の内側の面13cとが凹部13の側面となる。凹部13には、ねじ16が設けられ、螺合される。凹部13の底面13aの幅(すなわち、面13b、13cの間隔)は、ねじの頭部161を挿入可能な幅である。凹部13の底面13aにねじ16の頭部161を配置し、ねじ16の軸部162が見付け面部12と略平行となるようにねじ16が固定される。凹部13は、ねじ16が螺合された後、樹脂のキャップ17で塞がれる。
長さ調整溝14は、見込み面部11及び見付け面部12の幅を、内額縁1を取り付ける施工現場で調整可能とするために形成された線状の部分である。長さ調整溝14は、見込み面部11及び見付け面部12の内側面に形成され、厚さが薄い薄肉に形成される複数の切り込みである。長さ調整溝14は、見込み面部11と見付け面部12とが接続される角部15から離れる方向に対して直交する方向に延び、互いに間を空けて配置される。詳細には、長さ調整溝14は、見込み面部11においては、見込み方向に沿って所定間隔で形成され、上下方向に延びる。見付け面部12においては、新設上枠21に取り付けられる見付け面部12では、上下方向に沿って所定間隔で形成され、見付け方向に延びる。新設縦枠23に取り付けられる見付け面部12では、見付け方向に沿って所定間隔で形成され、上下方向に延びる。すなわち、見付け面部12では、見込み面部11と接続される角部15部から既設内額縁8に向かって所定間隔で形成され、前記既設内額縁に向かう方向に直交する方向に延びる。
内額縁1の施工方法の一例について説明する。内額縁1を、一方の端部を新設上枠21又は左右の新設縦枠23に、他方の端部を既設内額縁8に当接するように配置する。このとき、見込み面部11及び見付け面部12の内面には、複数の長さ調整溝14が形成されているので、内額縁1の端部を新設ドア枠2及び既設内額縁8に突き当てた際に、内額縁1が美観よく納まる寸法となるように切断する位置を選ぶ。選んだ位置で、長さ調整溝14に沿ってカッターで切れ目を形成する。カッターで切れ目を形成した後、ペンチ等の工具を用いて切断し、内額縁1の寸法を調整する。ペンチを使用する場合は、切れ目を入れた位置から外側の端部をペンチで挟み、段階的に外側へ折り曲げることで切れ目から切断される。
内額縁1の施工時に、位置決め材としてのセッティングブロック19を用いてもよい。セッティングブロック19は、ゴム等の樹脂で形成された立方体の形状を有する。例えば、図5に示すように、新設上枠21及び既設上枠31の室内部分311との間の角にセッティングブロック19aを配置する。これにより見込み面部11が新設上枠21に対して平行に延びやすくなり、傾きにくくなる。また、見付け面部12の端部と既設内額縁8とが接する入隅において、見付け面部12の端部の外側面と、既設内額縁8とが接する角にセッティングブロック19bを配置する(位置決め材配置工程S1)。これにより、既設内額縁8に対して直交する方向に見付け面部12が延びるように、セッティングブロック19bが見付け面部12を支持する。セッティングブロック19は、両面テープ等で固定してよい。セッティングブロック19によって内額縁1の断面の略L字形状の角部15の角度が、新設上枠21及び既設内額縁8に対して略90度になるように配置した状態で、凹部13にねじ16を螺合させて内額縁1を既設内額縁8に固定する(固定工程S2)。内額縁1を固定後、セッティングブロック19を取り外せばよい(取り外し工程S3)。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。建物100の開口101に設けられた既設ドア枠3を覆う新設ドア枠2の室内側に設けられる改装内額縁1を、断面視で略L字状に形成され、見込み方向に沿って延び、端部が新設ドア枠2に接するように配置される板状の見込み面部11と、見付け方向に沿って延び、端部が既設内額縁8に接するように配置される板状の見付け面部12と、を含んで構成した。
従来の内額縁では、見付け面部は二重に形成されており、見付け面部の外側の面と、その内側で外側の面と略平行に延びる面との間にねじを挿入するように構成されていた。これにより、内側の面を例えば梁部材71や柱部材72に当接させて、内額縁を安定した状態で固定しやすくすることができた。二重の見付け面部の二つの端部と、見込み面部の端部との三点で開口101の周囲に接することによっても、内額縁を安定した状態で固定しやすくすることができた。しかし、見付け面部が二重になっていると、長さを調節する際に二枚切断しないといけないこととなり、切断が容易でなかった。特に内額縁を大型化させた場合には、成形の都合で二重の見付け面部が断面視方形のホロー構造となる場合があった。見付け面部がホロー構造となると、長さを調整するための切断がさらに難しくなる。
内額縁1を断面視略L字状に形成したため、見付け面部12が一つの面で構成されており、二重になっていない。このため、長さ調整の際に切断が容易で、施工性が大きく向上した。内額縁1が断面視略L字状に形成されていることで、見付け面部12に従来の二重の場合に内側にあった面がなくなるため、内額縁1の内側のスペースが広くなる。このため、開口101周囲の既設ドア枠3、新設ドア枠2及び既設内額縁8の多様な納まりに対応することができる。内額縁1を押し出し成形で形成する際に、ホロー構造にすることなく大型化することができるので、サイズ展開の幅が広がる。内額縁1を成形するための材料が少なくて済むので、製造コストも低減することができる。
本実施形態によれば、見込み面部11及び見付け面部12を、それぞれの内側面に、見込み面部11及び見付け面部12が接続される角部15から離れる方向に対して直交する方向に延び、互いに間を空けて配置される長さ調整溝14を含んで構成した。長さ調整溝14にカッターで切り込みを入れることにより、内額縁1の寸法を調整することができ、施工性が向上する。さらに、現場での寸法を調整することができるため、建物100の仕上がりの美観も向上する。
本実施形態によれば、上記の内額縁1の施工方法を、見付け面部12の端部と、既設内額縁8とが接する入隅にセッティングブロック19を配置する位置決め材配置工程S1と、位置決め材配置工程S1の後に、内額縁1を既設内額縁8に固定する固定工程S2と、固定工程S2の後に、セッティングブロック19を取り外す取り外し工程S3と、を含んで構成した。これにより、内額縁1が断面視略L字状で形成され、見付け面部12が一つの面で構成されていても、セッティングブロック19bによって見付け面部12がずれないように位置決めされるので、ねじ16を安定して挿入し固定しやすい。
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。内額縁は、断面視が略L字状であれば、見付け面部に平行して延び、しかし既設内額縁8まで達しない延出部が形成されるような場合も含まれる。
上記の説明において、大型の内額縁の寸法を例示した。内額縁1の寸法は、特に限定されない。小型から特大まで、自由に変更が可能である。
1 内額縁(改装内額縁)、2 新設ドア枠(新設枠)、 3 既設ドア枠(既設枠)、 8 既設内額縁、 11 見込み面部、 12 見付け面部、 13 凹部、 14 長さ調整溝(複数の切り込み)、 15 角部、 19 セッティングブロック(位置決め材)、 100 建物、 101 開口
Claims (3)
- 建物の開口に設けられた既設枠を覆う新設枠の室内側に設けられる改装内額縁であって、
断面視で略L字状に形成され、
見込み方向に沿って延び、端部が前記新設枠に接するように配置される板状の見込み面部と、
見付け方向に沿って延び、端部が既設内額縁に接するように配置される板状の見付け面部と、を備える、改装内額縁。 - 前記見込み面部及び前記見付け面部は、それぞれの内側面に、前記見込み面部及び前記見付け面部が接続される角部から離れる方向に対して直交する方向に延び、互いに間を空けて配置される複数の切り込みを有する、請求項1に記載の改装内額縁。
- 請求項1又は2に記載の改装内額縁の施工方法であって、
前記見付け面部の端部と、前記既設内額縁とが接する入隅に位置決め材を配置する位置決め材配置工程と、
前記位置決め材配置工程の後に、前記改装内額縁を前記既設内額縁に固定する固定工程と、
前記固定工程の後に、前記位置決め材を取り外す取り外し工程と、を有する、施工方法。
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