JP2022098560A - 動物用トイレ - Google Patents
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Abstract
【課題】仕切部の傾斜部上に尿が残留しにくい動物用トイレを提供する。【解決手段】動物用トイレ1は、仕切部20と、上部空間S1と、下部空間S2とを備えている。仕切部20は、尿を通過させる貫通孔23が形成された底部22、及び底部22に向かって下方に傾斜する傾斜部24を有している。上部空間S1は、仕切部20の上方に存在し、複数の粒状体30が配設される空間である。下部空間S2は、仕切部20の下方に存在し、貫通孔23を通過した尿が溜まる空間である。傾斜部24の上面には、互いに離間した複数の凸部25が格子状に設けられている。隣り合う複数の凸部25どうしの間隔は、各粒状体30の粒径よりも小さい。【選択図】図1
Description
本発明は、動物用トイレに関する。
従来の動物用トイレとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載の動物用トイレは、仕切部(上部容器の底面部)、上部空間(上部容器内の空間)、及び下部空間(下部容器内の空間のうち仕切部の下方に存在する部分)を備えている。仕切部の底部(平面部)には、尿を通過させる貫通孔が形成されている。平面部の周囲は、当該平面部に向かって下方に傾斜する傾斜部となっている。上部空間には、尿を透過させる複数の粒状体が配設されている。下部空間には、尿を吸収する吸水性シートが配設されている。この動物用トイレにおいて、粒状体上に排泄された尿は、粒状体どうしの隙間を通り抜けた後、仕切部の貫通孔を通じて上部空間から下部空間へと移動する。
上述の動物用トイレにおいて、仕切部の傾斜部には尿を通過させる貫通孔が形成されていない。それゆえ、粒状体どうしの隙間を通り抜けた尿が傾斜部に到達した場合、当該尿は、傾斜部を伝って平面部まで流れた後に貫通孔を通じて下部空間へ移動することになる。しかしながら、仕切部上に敷設された粒状体によって尿の流れが妨げられ、それにより傾斜部上に尿が残留してしまうことがある。このことは、動物用トイレの外に悪臭が漂う原因となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、仕切部の傾斜部上に尿が残留しにくい動物用トイレを提供することを目的とする。
本発明による動物用トイレは、尿を通過させる貫通孔が形成された底部、及び上記底部に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する仕切部と、上記仕切部の上方に存在し、複数の粒状体が配設される上部空間と、上記仕切部の下方に存在し、上記貫通孔を通過した上記尿が溜まる下部空間と、を備え、上記傾斜部の上面には、互いに離間した複数の凸部が格子状に設けられており、隣り合う上記複数の凸部どうしの間隔は、上記各粒状体の粒径よりも小さいことを特徴とする。
この動物用トイレにおいては、仕切部の傾斜部の上面に、互いに離間した複数の凸部が格子状に設けられている。これにより、凸部どうしの間に尿の流路を確保することができる。また、隣り合う凸部どうしの間隔が各粒状体の粒径よりも小さいため、上記流路は、当該粒状体によって塞がれにくい。このため、粒状体によって尿の流れが妨げられてしまう事態を起こりにくくすることができる。それにより、傾斜部上に尿が残留しにくくなる。
本発明によれば、仕切部の傾斜部上に尿が残留しにくい動物用トイレが実現される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明による動物用トイレの一実施形態を示す端面図である。同図を参照しつつ、動物用トイレ1の構成の概略を説明する。動物用トイレ1は、容器10、引出部14、仕切部20、複数の粒状体30、及び吸水性シート40を備えている。容器10は、底面部10a及び側面部10bを有する箱状をしている。本実施形態において容器10は、略直方体状をしている。容器10の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックを用いることができる。
容器10は、側面部10bから容器10の内側に張り出すように設けられた張出部10cを有している。張出部10cは、突起であってもよいし、突条であってもよい。張出部10cは、側面部10bと一体に成形されてもよいし、側面部10bと別々に成形された後に側面部10bに取り付けられてもよい。張出部10cの張出長さ(当該張出部10cが設けられた側面部10bの内面に垂直な方向の長さ)は、例えば5mm以上15mm以下である。
引出部14は、側面部10bに形成された開口12を通じて、容器10に対して抜き挿しすることが可能である。引出部14には、吸水性シート40が収容される。引出部14の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックを用いることができる。
仕切部20は、張出部10c上に載置されている。仕切部20は、容器10に固定されていない。仕切部20は、容器10に対して着脱可能である。仕切部20は、板状の部材からなる。仕切部20は、尿を通過させる貫通孔23を有している。仕切部20は、吸水性シート40及び容器10の上端の双方から離間した位置に設けられている。これにより、仕切部20は、容器10内を上下に区画している。すなわち、仕切部20は、容器10の内部空間を上部空間S1と下部空間S2とに区画するように配置されている。上部空間S1は、仕切部20の上方に存在し、複数の粒状体30が配設される空間である。下部空間S2は、仕切部20の下方に存在し、貫通孔23を通過した尿が溜まる空間である。このように、動物用トイレ1は、仕切部20によって画された上部空間S1及び下部空間S2を備えている。仕切部20の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックを用いることができる。
上部空間S1には、排泄物(尿)を処理するための複数の粒状体30が配設される。以下の記述において「複数の粒状体30」は、別段の断りがない限り、上部空間S1に配設される全ての粒状体30を指すものとする。複数の粒状体30は、仕切部20上に敷設された状態で上部空間S1に配設されている。動物用トイレ1の使用時、粒状体30は、排泄された尿を直接に受けることになる。粒状体30は、撥水性を有している。すなわち、粒状体30は、尿等の液体を全く吸収しないか、あるいは吸収するとしても殆ど吸収しない性質を有する。
粒状体30が撥水性を有するというには、次の試験により測定される撥水率が80%以上であることが必要である。まず、内径10cm、目開き1mmの篩に50g相当の粒状体30(サンプル)を入れる。篩の下には、空のビーカーを設置する。そして、サンプルに対し、外筒の内径3cm、筒先の内径4mmのシリンジ(テルモ社製60mlシリンジ)を用いて、30mlの水を10秒かけて滴下する。1分間放置した後、ビーカー内の水量を計測する。計測した水量の滴下した水量(30ml)に対する割合をもって撥水率とする。すなわち、ビーカー内の水量が24ml以上であれば、撥水率が80%以上となるため、粒状体30が撥水性を有するといえる。参考として、市販されている一般的な吸水性の猫砂の撥水率は、5%程度である。
粒状体30は、粒状に成形されている。かかる粒状の形状としては、例えば、球、円柱、楕円体等が挙げられる。粒状体30の粒径は、例えば、10mm以上25mm以下である。各粒状体30の粒径は、15mmよりも大きいことが好ましい。ここで、粒径は、粒状体30を内包することが可能な最小の球の直径として定義される。粒状体30は、有機物を主材料とすることが好ましい。ここで、主材料とは、粒状体30を構成する1又は2以上の材料のうち、当該粒状体30に占める重量割合が最大のものをいう。有機物としては、例えば、紙類、茶殻、プラスチック類又はオカラを用いることができる。
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙の他にも、塩ビ壁紙分級物、印画紙、剥離紙、フラッフパルプ、製紙スラッジ、パルプスラッジ等が挙げられる。塩ビ壁紙分級物は、紙及びポリ塩化ビニルを含有する塩ビ壁紙からポリ塩化ビニルの一部が除去されてなる。プラスチック類としては、例えば、通常のプラスチックの他にも、アルミ蒸着フィルム、紙おむつ分級物(紙おむつを分級することにより得られるプラスチック)等が挙げられる。オカラは、乾燥オカラであることが好ましい。これらの材料には、撥水処理が施されていてもよい。
粒状体30を構成する材料は、1つのみであってもよいし、2つ以上であってもよい。前者の場合、粒状体30を構成する材料は、上述の主材料のみということになる。後者の場合、粒状体30は、主材料と他の材料との混合物によって構成されることになる。他の材料としては、例えば石膏が挙げられる。石膏を加えることにより、粒状体30の撥水性を高めることができる。石膏の量は、例えば、粒状体30の全体に対して5重量%以上15重量%以下である。
粒状体30は、例えば、次の方法により製造することができる。まず、造粒装置を用いて被造粒材料(粒状体30を構成する材料)を造粒することにより、粒状体30となる造粒物を形成する。造粒装置としては、例えば押出造粒機を用いることができる。造粒物には、必要に応じて撥水処理を施してもよい。撥水処理は、例えば、造粒物の表面を撥水剤でコーティングすることにより行うことができる。撥水処理を行わない場合、造粒時に被造粒材料に加わる圧力を高めることにより、造粒物内に隙間が極力生じないようにすることが好ましい。かかる隙間は、粒状体30の内部に尿等の水分が浸入する経路となるからである。造粒に先立って、被造粒材料には、粉砕、混錬、加水等の前処理が必要に応じて行われる。また、造粒後には、篩分け(分粒)、乾燥等の後処理が必要に応じて行われる。
下部空間S2には、吸水性シート40が配設される。本実施形態において吸水性シート40は、引出部14に収容された状態で下部空間S2に配設されている。吸水性シート40は、仕切部20の貫通孔23を通過した尿を吸収する。すなわち、貫通孔23を通過した尿は、吸水性シート40に吸収された状態で下部空間S2に溜まる。
動物用トイレ1の使用時、粒状体30上に排泄された尿は、粒状体30どうしの隙間を通り抜けて下方へと流れる。当該尿は、仕切部20の貫通孔23を通じて、上部空間S1から下部空間S2へと移動し、吸水性シート40に吸収される。
以下、図2~図10を参照しつつ、動物用トイレ1の各部の構成を詳細に説明する。図2、図3及び図4は、それぞれ、容器10を示す端面図、正面図及び平面図である。図2及び図3に示すように、容器10の側面部10bには、引出部14を抜き挿しするための開口12が形成されている。開口12は、底面部10aの近傍に位置し、横長の長方形状をしている。開口12の横方向(図3の左右方向)の長さは、容器10の内側の横幅に略等しく、例えば20cm以上40cm以下である。開口12の縦方向(図3の上下方向)の長さは、例えば2cm以上5cm以下である。また、図4に示すように、本実施形態において張出部10cは、平面視で側面部10bの内面の全周にわたって環状に設けられた突条からなる。
図5は、引出部14を示す斜視図である。引出部14は、底板14a、前板14b、先板14c、及び一対の側板14dを有している。底板14aの大きさは、容器10の底面部10aの大きさに略等しい。前板14bは、開口12と略同一の形状及び大きさをしている。前板14bには、把手15が取り付けられている。
図6は、仕切部20を示す平面図である。また、図7及び図8は、それぞれ、図6のVII-VII線及びVIII-VIII線に沿った端面図である。仕切部20は、平面視で(図6参照)、略長方形状をしている。ここで、略長方形とは、長方形に限らず、角丸長方形のように長方形に近い形状も含む趣旨である。仕切部20は、底部22、傾斜部24、及び縁部26を有している。
底部22は、平面視で、仕切部20の中央部に位置する。平面視で仕切部20に占める底部22の面積割合は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。底部22は、長方形の平板状をしており、仕切部20の底面を構成している。仕切部20は、底部22が水平になるように、容器10内に配置される。底部22には、貫通孔23が形成されている。本実施形態において底部22には、複数の貫通孔23が形成されている。貫通孔23は、尿を通過させる一方、粒状体30は通過させない。すなわち、貫通孔23は、尿を通過させる一方で、粒状体30を通過させない大きさ及び形状をしている。
傾斜部24は、底部22の周囲に位置している。具体的には、傾斜部24は、4つの部分からなる。傾斜部24の4つの部分は、底部22の4辺のそれぞれに接続されている。傾斜部24の各部分は、台形の平板状をしている。図7及び図8からわかるように、傾斜部24は、底部22に向かって下方に傾斜している。傾斜部24の傾斜角度αは、10°以上50°以下であることが好ましく、20°以上40°以下であることがより好ましい。
図9に示すように、傾斜部24の各部分の上面には、互いに離間した複数の凸部25が格子状に設けられている。同図は、傾斜部24の上面に垂直な方向から凸部25を見た図である。複数の凸部25は、二次元的に規則的に配列されている。複数の凸部25は、傾斜部24の上面の略全体にわたって設けられている。本実施形態において各凸部25の平面形状は、正方形である。ここで、各凸部25の平面形状は、当該凸部25が設けられた傾斜部24の上面に垂直な方向から見たときの当該凸部25の形状として定義される。
複数の凸部25は、斜格子状に設けられている。ここで、斜格子状とは、1つの凸部25(凸部25a)に着目したとき、凸部25aの中心と凸部25aに最近接の凸部25(凸部25b)の中心とを通る直線L1と、凸部25aの中心と凸部25aに次近接の凸部25(凸部25c)の中心とを通る直線L2とが斜めに交わるということである。凸部25bは、凸部25aとの中心間距離が最小の凸部25である。凸部25cは、直線L1上にない凸部25のうち、凸部25aとの中心間距離が最小の凸部25である。なお、凸部25aと凸部25cとの中心間距離は、凸部25aと凸部25bとの中心間距離に等しくてもよい。
隣り合う凸部25どうしの間隔は、各粒状体30の粒径よりも小さい。当該間隔は、8mm以下であることが好ましく、4mm以下であることがより好ましい。ここで、隣り合う凸部25どうしの間隔は、2つの凸部25の中心を通る直線に沿った両凸部25間の距離として定義される。例えば、凸部25aと凸部25bとの間隔d1は、直線L1と凸部25aとの交点(凸部25bに近い方の交点)から、直線L1と凸部25bとの交点(凸部25aに近い方の交点)までの距離に等しい。同様に、凸部25aと凸部25cとの間隔d2は、直線L2と凸部25aとの交点(凸部25cに近い方の交点)から、直線L2と凸部25cとの交点(凸部25aに近い方の交点)までの距離に等しい。
各凸部25の高さh1(図10参照)は、当該凸部25に隣り合う凸部25との間隔よりも大きいことが好ましい。ここで、高さh1は、当該凸部25が設けられた傾斜部24の上面に垂直な方向の寸法として定義される。高さh1は、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましい。
各凸部25の径は、当該凸部25に隣り合う凸部25との間隔よりも大きいことが好ましい。ここで、各凸部25の径は、当該凸部25の平面形状を内包することが可能な最小の円の直径として定義される。本実施形態におけるように凸部25の平面形状が正方形である場合、凸部25の径は、当該正方形の対角線の長さに等しい。各凸部25の径は、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましい。
縁部26は、傾斜部24の周囲に位置し、仕切部20の縁を構成している。縁部26は、傾斜しておらず、底部22に対して平行に設けられている。縁部26は、容器10の張出部10c上に載置される部分である。傾斜部24は、下端が底部22に接続されるとともに、上端が縁部26に接続されている。傾斜部24は、縁部26から底部22に向かって下方に傾斜している。なお、傾斜部24及び縁部26には、貫通孔23が形成されていない。すなわち、仕切部20に設けられた全ての貫通孔23は、底部22にのみ存在する。
動物用トイレ1の効果を説明する。動物用トイレ1においては、仕切部20の傾斜部24の上面に、互いに離間した複数の凸部25が格子状に設けられている。これにより、凸部25どうしの間に尿の流路を確保することができる。また、隣り合う凸部25どうしの間隔が各粒状体30の粒径よりも小さいため、上記流路は、粒状体30によって塞がれにくい。このため、粒状体30によって尿の流れが妨げられてしまう事態を起こりにくくすることができる。それにより、傾斜部24上に尿が残留しにくくなる。したがって、仕切部20の傾斜部24上に尿が残留しにくい動物用トイレ1が実現されている。
また、このように仕切部20が底部22及び傾斜部24を有する場合、底部22は、平面視で仕切部20の一部にのみ存在することになる。このため、尿が貫通孔23を通じて下部空間S2に落下する領域を限定することができる。この場合、吸水性シート40は、仕切部20の下部全体をカバーする大きさでなくても、上記領域(底部22の下部)をカバーする大きさであれば充分である。それゆえ、吸水性シート40の選択の自由度を高めることができる。
かかる観点から、平面視で仕切部20に占める底部22の面積割合は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。他方、当該面積割合が小さすぎると、平面視で仕切部20に占める貫通孔23の面積割合も小さくなり、上部空間S1から下部空間S2への尿の円滑な移動が阻害されかねない。かかる観点から、上記面積割合は、10%以上であることが好ましい。
ところで、傾斜部に尿の流路を確保する手段としては、一方向に延びる複数の溝を設けることも考えられる。しかし、その場合、尿の流路が一方向に限定されるため、溝に詰まった汚れ等により、尿の流れが妨げられやすくなってしまう。これに対し、本実施形態におけるように複数の凸部25を格子状に配置した場合、尿の流路が複数方向に確保されるため、尿が分散しやすく、尿の流れが妨げられにくいという利点がある。
尿の流路が粒状体30によって塞がれにくいようにするには、隣り合う凸部25どうしの間隔を小さくした方が有利である。かかる観点から、当該間隔は、8mm以下であることが好ましく、4mm以下であることがより好ましい。他方、上記間隔が小さすぎると、尿の流路が狭くなり、尿の円滑な流れが阻害されかねない。かかる観点から、上記間隔は、2mm以上であることが好ましい。
各凸部25の高さh1が上記間隔よりも大きい場合、凸部25の高さ方向に尿の流路を広く確保することができる。かかる観点から、高さh1は、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましい。他方、高さh1が大きすぎると、尿の流路が深くなり、当該流路に詰まった汚れ等を除去しにくくなってしまう。かかる観点から、高さh1は、20mm以下であることが好ましい。
各凸部25の径が上記間隔よりも大きい場合、凸部25の上面が広くなるため、粒状体30を仕切部20上に安定的に敷設するのに有利である。かかる観点から、各凸部25の径は、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましい。他方、各凸部25の径が大きすぎると、凸部25の上面に尿が残留しやすくなってしまう。かかる観点から、各凸部25の径は、30mm以下であることが好ましい。
各凸部25の平面形状は、正方形である。このように各凸部25の平面形状が正多角形である場合、複数の凸部25を格子状に配列したときに、全体として幾何学的対称性が高くなる。このことは、仕切部20ひいては動物用トイレ1の美観の向上に資する。
複数の凸部25は、斜格子状に設けられている。この場合、図11に示すように、尿90の流路の先に凸部25が存在することになるため、当該凸部25によって尿90の流れが分断されすくなる。これにより、尿の分散が促進されるため、尿の流れが一層妨げられにくくなる。
複数の凸部25は、傾斜部24の上面の略全体にわたって設けられている。これにより、傾斜部24の何れの位置においても、尿を円滑に流れやすくすることができる。
傾斜部24の傾斜角度αが大きい方が、傾斜部24における尿の円滑な流れを確保するのに有利である。かかる観点から、傾斜角度αは、10°以上であることが好ましく、20°以上であることがより好ましい。他方、傾斜角度αが大きすぎると、傾斜部24上に粒状体30を安定的に敷設しにくくなる。かかる観点から、傾斜角度αは、50°以下であることが好ましく、40°以下であることがより好ましい。
各粒状体30は、撥水性を有している。この場合、粒状体30上に排泄された尿の大部分は、粒状体30に吸収されずに、粒状体30どうしの隙間を透過することになる。これにより、尿を仕切部20まで円滑に導くことができる。
大粒径(15mmよりも大きい粒径)の粒状体30を用いた場合、凸部25どうしの間に粒状体30が入り込みにくくなる。これにより、尿の流路が粒状体30によって塞がれにくいようにすることができる。
動物用トイレ1には、仕切部20によって上部空間S1と下部空間S2とに区画された内部空間を有する容器10が設けられている。この場合、1つの容器(容器10)で上部空間S1及び下部空間S2を有する動物用トイレ1を実現することができる。このことは、動物用トイレ1の構成を簡易化するのに有利である。
仕切部20は、容器10に固定されていない。この場合、容器10に対する仕切部20の着脱が容易になる。
仕切部20は、張出部10c上に載置されている。これにより、容器10に固定することなく仕切部20を容器10内の所定の位置に留めておくことができる。
下部空間S2には、吸水性シート40が配設されている。これにより、下部空間S2に溜まった尿を吸水性シート40内に閉じ込めることができる。このため、当該尿に起因する悪臭の発生を緩和することができる。
動物用トイレ1には、容器10に対して抜き挿しすることが可能な引出部14が設けられている。これにより、使用済みの吸水性シート40を新しいものと交換する作業を楽に行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、複数の凸部25が斜格子状に配列されている場合を例示した。しかし、複数の凸部25は、図12に示すように正方格子状に配列されていてもよい。ここで、正方格子状とは、図9で説明した直線L1と直線L2とが直交するということである。
上記実施形態においては、各凸部25の平面形状が正方形である場合を例示した。しかし、各凸部25の平面形状は、任意である。例えば、当該平面形状としては、正方形以外の正多角形、正多角形以外の多角形、円形、又は楕円形等が考えられる。
上記実施形態においては、上部空間S1及び下部空間S2が1つの容器10で構成されている場合を例示した。しかし、例えば図13に示すように、上部空間S1を構成する容器52と下部空間S2を構成する容器54とが別々に設けられていてもよい。同図において各容器52,54は、底面部及び側面部を有する箱状をしている。容器52は、容器54上に積み重ねられている。そして、容器52の底面部が仕切部20となっている。ただし、本例において仕切部20は、底部22及び傾斜部24を有する一方で、縁部26は有していない。
上記実施形態においては、引出部14が設けられた場合を例示した。しかし、引出部14を設けることは必須でない。引出部14を設けない場合、吸水性シート40は、底面部10a上に直接配設される。その場合、当然ながら、側面部10bに開口12は設けられない。
上記実施形態においては、下部空間S2に吸水性シート40が配設される場合を例示した。しかし、下部空間S2に吸水性シート40を配設することは必須でない。吸水性シート40を配設しない場合、引出部14も設けられない。
上記実施形態においては、粒状体30として撥水性の粒状体を用いる場合を例示した。しかし、粒状体30としては、透水性の粒状体を用いてもよい。透水性の粒状体は、その内部を尿が通過するように構成されている。
1 動物用トイレ
10 容器
10a 底面部
10b 側面部
10c 張出部
12 開口
14 引出部
15 把手
20 仕切部
22 底部
23 貫通孔
24 傾斜部
25 凸部
26 縁部
30 粒状体
40 吸水性シート
52 容器
54 容器
90 尿
S1 上部空間
S2 下部空間
10 容器
10a 底面部
10b 側面部
10c 張出部
12 開口
14 引出部
15 把手
20 仕切部
22 底部
23 貫通孔
24 傾斜部
25 凸部
26 縁部
30 粒状体
40 吸水性シート
52 容器
54 容器
90 尿
S1 上部空間
S2 下部空間
Claims (25)
- 尿を通過させる貫通孔が形成された底部、及び前記底部に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する仕切部と、
前記仕切部の上方に存在し、複数の粒状体が配設される上部空間と、
前記仕切部の下方に存在し、前記貫通孔を通過した前記尿が溜まる下部空間と、を備え、
前記傾斜部の上面には、互いに離間した複数の凸部が格子状に設けられており、
隣り合う前記複数の凸部どうしの間隔は、前記各粒状体の粒径よりも小さいことを特徴とする動物用トイレ。 - 請求項1に記載の動物用トイレにおいて、
前記間隔は、8mm以下である動物用トイレ。 - 請求項2に記載の動物用トイレにおいて、
前記間隔は、4mm以下である動物用トイレ。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記各凸部の高さは、前記間隔よりも大きい動物用トイレ。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記各凸部の高さは、5mm以上である動物用トイレ。 - 請求項5に記載の動物用トイレにおいて、
前記各凸部の高さは、10mm以上である動物用トイレ。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記各凸部の径は、前記間隔よりも大きい動物用トイレ。 - 請求項1乃至7の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記各凸部の径は、10mm以上である動物用トイレ。 - 請求項8に記載の動物用トイレにおいて、
前記各凸部の径は、20mm以上である動物用トイレ。 - 請求項1乃至9の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記各凸部の平面形状は、正多角形である動物用トイレ。 - 請求項10に記載の動物用トイレにおいて、
前記平面形状は、正方形である動物用トイレ。 - 請求項1乃至9の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記各凸部の平面形状は、円形又は楕円形である動物用トイレ。 - 請求項1乃至12の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記複数の凸部は、斜格子状に設けられている動物用トイレ。 - 請求項1乃至13の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記複数の凸部は、前記傾斜部の前記上面の略全体にわたって設けられている動物用トイレ。 - 請求項1乃至14の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
平面視で前記仕切部に占める前記底部の面積割合は、50%以下である動物用トイレ。 - 請求項15に記載の動物用トイレにおいて、
平面視で前記仕切部に占める前記底部の面積割合は、25%以下である動物用トイレ。 - 請求項1乃至16の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記傾斜部の傾斜角度は、10°以上50°以下である動物用トイレ。 - 請求項17に記載の動物用トイレにおいて、
前記傾斜部の傾斜角度は、20°以上40°以下である動物用トイレ。 - 請求項1乃至18の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記各粒状体は、撥水性を有する動物用トイレ。 - 請求項1乃至19の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記各粒状体の粒径は、15mmよりも大きい動物用トイレ。 - 請求項1乃至20の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
底面部及び側面部を有する箱状の容器を備え、
前記仕切部は、前記容器の内部空間を前記上部空間と前記下部空間とに区画するように配置される動物用トイレ。 - 請求項21に記載の動物用トイレにおいて、
前記仕切部は、前記容器に固定されていない動物用トイレ。 - 請求項22に記載の動物用トイレにおいて、
前記容器は、前記側面部から当該容器の内側に張り出すように設けられた張出部を有し、
前記仕切部は、前記張出部上に載置されている動物用トイレ。 - 請求項21乃至23の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記下部空間に配設され、前記貫通孔を通過した前記尿を吸収する吸水性シートを備える動物用トイレ。 - 請求項24に記載の動物用トイレにおいて、
前記吸水性シートが収容される引出部を備え、
前記容器の前記側面部には、開口が形成されており、
前記引出部は、前記開口を通じて前記容器に対して抜き挿しすることが可能である動物用トイレ。
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