JP2022097602A - フィルムコーティング用組成物および固形製剤 - Google Patents

フィルムコーティング用組成物および固形製剤 Download PDF

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豪 佐野
Takeshi Sano
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雅己 深澤
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Abstract

【課題】食品原料や食品添加物として取り扱われている材料のみで組成物を構成し、フィルムコーティング法により被覆するだけで、固形製剤に十分な光沢性を付与することができる組成物の提供。【解決手段】水溶性高分子を基剤とし、融点が40~70℃の乳化剤と平面を有する無機物が配合されてなる可食性組成物。水溶性高分子が、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、またはポリビニルピロリドンである。乳化剤が、好ましくは脂肪酸エステルである。平面を有する無機物としては、例えば、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムを構成成分とする可食物(真珠末、卵殻粉、貝殻未焼成カルシウム、石灰石、またはドロマイト)を配合する。【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルムコーティング用組成物および該フィルムコーティング用組成物で被覆されてなる固形製剤に関するものである。
糖衣は、素錠等の固形芯材に対して、光、湿度等の周囲雰囲気から保護したり、芯材の有する苦み、臭い、刺激等をマスキングして経口摂取し易くしたり、光沢性を持たせて美観上の観点から商品価値を高める等の目的で、従来から施されていた。その際には、糖衣液に含まれる水分の芯材への影響を低減するために、芯材の種類に応じて、前処理としてフィルムコーティングが適宜行われていた。
而して、糖衣を施すには多大な時間と労力を必要とするため、製造コストが高くなることから、最近では、フィルムコーティング自体の物性が改善されてきたこともあって、糖衣を比較的簡便な手法であるフィルムコーティングに代替させる試みが模索されている。
しかしながら、製造性、光沢性等の点で未だ改善の余地がある。
例えば、特許文献1では、フィルムコーティングされた錠剤に後処理として水を噴霧することが提案され、特許文献2では、光沢性向上に寄与する溶融性物質をフィルムコーティング剤とし、素錠をその融点以上に加熱した上で接触させることが提案されているが、これらの手法は、いずれも、煩雑な作業を過酷な条件で実施することが要求されており、フィルムコーティングが糖衣に対して有していた優位性が低減されてしまう。
また、特許文献3、4では、フィルムコーティング用組成物の光沢性向上に寄与する物質を含ませることが提案されているが、その物質は医薬品原料であるポリエチレングリコールやタルクであり、食品用には使用できない。
特許文献5では、ガラスフレークをベースとすることで光沢性を持たせることが提案されているが、ガラスフレーク以外の特定の形状の添加物とその他添加物との組合せにより光沢性が得られることは示唆されていない。
特許文献6では、水溶性多糖類とタルクとを一定の比率で配合することで艶を付与することが提案されているが、フィルム形成能を有する水溶性多糖類の比率が少ないことからフィルムコートが脆くなりやすく、この組成ではどうしても製造時の扱いがデリケートにならざるをえないことが判明した。
特開2013-087056号公報 WO2008/136380 特開2012-211101号公報 特開2013-095730号公報 特開2004-292816号公報 特開2012-211101号公報
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、食品原料や食品添加物として取り扱われている材料のみで組成物を構成しながら、従来と同様の簡便なフィルムコーティング法により被覆するだけで、固形製剤、特に錠剤に十分な光沢性を付与することができる、新規且つ有用なフィルムコーティング用組成物の提供を、その目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)被覆されたフィルム層表面の凹凸を、乾燥途中の塑性的な流動により平滑化させることで光沢性を高められること、
(2)食品原料や食品添加物のみで組成物を構成しても特定のものであれば、上記塑性的な流動を実現できること、
(3)通常のフィルムコーティング法では錠剤どうしが擦れ合いながら乾燥していくが、その擦れ合いが上記塑性的な流動を自然に促進すること、
(4)平面を有する無機物が上記塑性的な流動の下で平面がフィルム表面を向いて整列する傾向があり、光沢剤として有用であること
を見出し、本発明を為すに至った。
また、固形製剤は投与が簡便で苦痛もなく、苦みは上述のように、フィルムコーティングすれば改善させることが可能であるが、最近薬効が認められている化合物は難水溶性であることが多い。従って、薬効に悪影響を及ぼさずに水への溶解度を向上させることが求められている。
本発明者らは、上記の光沢性の改善に着目した試験において、芯材への影響を確認しているときに、予想外にも、水への溶解度が向上することも見出した。しかも、上記の無機物が配合されていても実質的な悪影響は生じない。
従って、本発明は、光沢性と共に、難水溶性成分の水への溶解度を向上させる目的を積極的に意図して利用することも可能となっている。
本発明のフィルムコーティング用組成物は、可食性であり、水溶性高分子を基剤とし、融点が40~70℃の乳化剤と平面を有する無機物が配合されてなるものである。
好ましくは、水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または、ポリビニルピロリドンである。
好ましくは、基剤100質量部に対して、乳化剤が30~100質量部の範囲で配合されている。
好ましくは、乳化剤が脂肪酸エステルである。
より好ましくは、無機物が炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムを構成成分とする可食物である。
最も好ましくは、可食物が、真珠末、卵殻粉、貝殻未焼成カルシウム、石灰石またはドロマインである。
被覆対象となっている固形芯材には、積極的に難水溶性成分を含ませることができる。
好ましくは、難水溶性成分が、ヒューペリジンA、クルクミノイド、レスベラトロール、ショウガオール、ジンゲロール、ヘスペリジン、ノビレチン、セサミン、β-クリプトキサンチン、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン、ケルセチンから選ばれるいずれか1つまたは2つ以上の組合せからなる。
難水溶性成分として挙げた成分は、日本薬局方通則において「溶けにくい」から「ほとんど溶けない」の溶解度のものを指す。これは溶質1gを溶かすのに要する水の量が100mL以上、つまり水への溶解度が10000ppm以下の成分を指す。水への溶解度は、ヘスペリジン(Hesperidin)は2690ppm、ヒューペリジンA(Huperzine A)、クルクミノイド、レスベラトロール、ショウガオール、ジンゲロール、ノビレチン、セサミン、ケルセチンは1~300ppm、β-クリプトキサンチン、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテインは1ppm以下である。
本発明のフィルムコーティング用組成物によれば、既存のコーティング装置を利用し、従来と同様なフィルムコーティング法により固形芯材に被覆するだけで、その固形製剤に優れた光沢性を付与することができる。
特に、錠剤の場合には、光沢性や含まれる難水溶性成分の水への溶解度を効果的に高めることができる。
本発明におけるフィルム層の固化進行下における変化イメージ図である。 実施例2の試験結果図である。 実施例2の試験結果図である。 実施例2の試験結果図である。 淡水真珠末(炭酸カルシウム)のSEM画像である。 カルホープ(卵殻粉)のSEM画像である。 サンマグ協和(酸化マグネシウム)のSEM画像である。 フローライト(ケイ酸カルシウム)のSEM画像である。
(フィルムコーティング用組成物)
基剤は、水溶性高分子であり、従来からフィルムコーティング用に使用されてきたものを本発明でも使用できるが、後述する乳化剤との相性から、セルロース系が好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(PVP)がより好ましい。
上記のものを含めて、市販のものを用いることができる。例えば、HPMCでは「メトローズ SE-06」(信越化学工業株式会社)、HPCでは「セルニーSL」(日本曹達株式会社)が挙げられる。
上記の基剤に、乳化剤が配合されている。この乳化剤は、常温で固体であり、融点が40~70℃、好ましくは50~60℃のものが好ましい。この融点範囲であれば、定法のフィルムコーティング法に従って擦れ合わされながら乾燥されていく途中で、芯材の表面に付着したフィルム層の塑性的な流動が自然に促進される。
該当するものとしては、脂肪酸エステルがある。
脂肪酸エステルとしては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
上記のものを含めて、市販のものを用いることができる。
例えば、グリセリン脂肪酸エステルとしては、「ポエムS-100(常温:固体粉末、融点:約67℃、HLB:4.3)」(理研ビタミン株式会社)、「ポエムJ-2081V(常温:固体顆粒、融点:約62℃、HLB:6)」(理研ビタミン株式会社)、「ポエムW-60(常温:固体フレーク状、融点:約45℃、HLB:9.5)」(理研ビタミン株式会社)、「ポエムDP-95RF(常温:固体ビーズ状、融点:約67℃、HLB:8)」(理研ビタミン株式会社)、「リョートーポリグリエステルS-28D(常温:固体粉末、融点:約59℃、HLB:9)」(三菱化学フーズ株式会社)が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、「リョートーシュガーエステルS-370F(常温:固体粉末、融点:約58℃、HLB:3)」(三菱化学フーズ株式会社)、「リョートーシュガーエステルS-1670(常温:固体粉末、融点:約60℃、HLB:16)」(三菱化学フーズ株式会社)、「リョートーシュガーエステルL-1695(常温:固体粉末、融点:約47℃、HLB:16)」(三菱化学フーズ株式会社)が挙げられる。
なお、固形芯材に難水溶性成分を含ませ、その水への溶解度を高めたい場合には、乳化剤として、HLB:6以上が好ましく、HLB:9以上がより好ましく、HLB:16以上がより一層好ましい。
基剤100質量部に対して、乳化剤30~100質量部の範囲で配合させるのが好ましい。より好ましくは、基剤100質量部に対して、乳化剤50~70質量部の範囲で配合させるのが好ましい。
30質量部以上で光沢性が有意的に発現し、一方、100質量部を超えると光沢性が減ずる方向に転ずるからである。
また、固形芯材に含ませた難水溶性成分は、乳化剤により乳化されて水への溶解度が高まると推測される。乳化剤だけに頼ると製剤が大型化するが、水溶性高分子による乳化安定化効果が都合よく発現するので、従来と同様なサイズで製剤化が可能となっている。溶解度の向上が有意的に発現する配合範囲も、光沢性が有意的に発現する上記範囲と重なっており、両方の効果が同時に享受できる。
コーティング用組成物を芯材に配合すると、他の配合成分との間に化学的相互作用が生じたり、サイズ制限のために他の配合成分の配合量が制限されたり、製剤加工の際に障害、例えば、成分の偏析、錠剤のスティッキングやキャッピングやラミネーションなどの打錠障害が引き起こされたり、造粒工程などの更なる加工工程が必要となったりする可能性があり、芯材の処方の自由度を低下させる恐れがある。
而して、本発明では、難水溶性成分の水への溶解度を向上させる成分は全てフィルムコーティングに含ませることができ、芯材に配合させた場合と同様の効果を確認できている。
これに、可食性の平面を有する無機物を光沢剤として添加することが好ましい。
この無機物は、フィルム層に埋め込まれており、平面がフィルム層の表面側を向くことで、フィルム層の表面を通り抜けて層内に入ってきた光の鏡面反射を促しているものと推測される。
従って、ある程度の平面を有するものであれば、不定形であっても該当すると考えられる。ある程度とは、芯材、例えば素錠の表面の凹凸を塞ぐようなサイズであり、該当するものとしては、食品添加物に分類される炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが挙げられる。
化学的な合成反応によるものに限定されず、食品添加物の成分規格に合うもの、例えば、ドロマイト、淡水真珠、ホタテ貝殻(未焼成カルシウム)、卵殻、石灰石等の天然鉱物を粉砕して粉状乃至粒子状にしたものも該当する。これらはいずれもサイズの違いはあっても、外面に「平面」が含まれており、サイズが大きいものは鱗片状になっている。
上記のものを含めて、市販のものを用いることができる。例えば、ドロマイト(協和発酵バイオ株式会社)、淡水真珠末(株式会社中原)、ホタテ真珠末(協和発酵バイオ株式会社)、カルホープ(卵殻、キューピー株式会社)、特級ママカルソ(天然鉱物、日東粉化工業株式会社)が挙げられる。これらは、図1に示すように、適度な粒径(メジアン径)で、しかもいずれも平面を有している。
このうち、ホタテ真珠末(協和発酵バイオ株式会社)、カルホープ(卵殻、キユーピー株式会社)、特級ママカルソ(天然鉱物、日東粉化工業株式会社)は粒子形状が鱗片状の形状を有しており、コーティング層内でより平滑に並びやすくなっている。
また、サンマグ協和(協和発酵バイオ株式会社)、フローライト(冨田製薬株式会社)は、通常、本発明で定義するところの「平面」は有していない。
これらの形状は、図5~図8に示すSEM画像で確認できる。
基剤100質量部に対して、無機物50~300質量部の範囲で配合させるのが好ましい。より好ましくは、基剤100質量部に対して、無機物130~240質量部の範囲で配合させるのが好ましい。
50質量部以上で光沢性が有意的に発現し、一方、300質量部を超えると光沢性が減ずる方向に転ずるからである。
この他の添加剤、例えば着色剤も、適量であれば含むことができ、積極的に着色することも可能となっている。
着色剤としては、例えば、食用赤色3号、食用黄色1号、食用黄色5号、リボフラビンリン酸エステルナトリウムが挙げられる。
本発明では、フィルムコーティング用組成物は上記のように構成されており、溶媒に溶解乃至分散させて、フィルムコーティング用のコーティング液としている。
この溶媒は、水であり、それにエタノール等の有機物を溶かし易いものを適宜併用するのが好ましい。
固形製剤が通常の経口摂取用のサイズの場合には、組成物の含有量は、通常のフィルムコーティング法と同様に、固形芯材100質量%に対して、1~20質量%の範囲に収めるのが好ましく、より好ましくは2~15質量%、特に好ましくは3~10質量%の範囲である。20質量%を超えても光沢性を付与することは可能であるが、生産性・コストを圧迫してしまう。特に、固形芯材に難水溶性成分を配合する場合には、水への溶解度を有意的に向上させるために、3質量%以上に設定することが好ましい。
被覆対象となっている固形芯材は、特に限定されないが、本発明では素錠が主に想定されている。素錠は、有効成分をなす原料の他、賦形剤、香料等も適宜含ませて定法により造形したものである。
本発明で利用するフィルムコーティング法は、特別なものではなく、定法をそのまま利用できる。
但し、固形芯材の表面へ乗せられたコーティング液に対して擦れ合いの下での乾燥を促すために、芯材を転がしながらコーティング液を噴霧できるパン型コーティング装置を用いるのが好ましく、例えば、「HICOATER」(フロイント産業株式会社)を使用すれば快適にフィルムコーティング工程を実施することができる。
図1は、フィルムコーティング工程の進行によるフィルム層の変化のイメージ図である。この図に示すように、フィルム層Fの表面の凹凸が擦れ合いにより平滑に変化していき、それと共に無機物Pの平面Sもフィルム層Fの表面を向くように整列していく。
なお、無機物Pは視認し易いように、極端に大きく、かつ大きな平面Sが有る延べ板状に誇張して描かれている。また、芯材である素錠Tの表面の凹凸も誇張して描かれている。整列状態も誇張されている。
完成品である錠剤は、反射イメージ図に示されているように、フィルム層Fの表面が平滑になるのでそこでの反射は鏡面反射になり、光沢性が改善される。また、コーティング液からは非晶質状に固化するため、フィルム層Fには透明感があり、従来からフィルム層は光が透過され易かったが、フィルム層Fに入り込んだ光は整列した無機物Pの平面Sで鏡面反射することになり、光沢性に優れたものとなっている。
≪実施例1≫
(製造例の製造)
結晶セルロース(VIVAPUR102、JRS PHARM)480g、マルチトール(アマルティMR-50、三菱商事フードテック)480g、微粒二酸化ケイ素(サイロページ720、富士シリシア化学)10g、及びステアリン酸カルシウム(太平化学産業)30gを用いて打錠用混合末を製し、ロータリー式打錠機(ペガサス1024AHUK-AWCZ型打錠機、菊水製作所)で9mmφの臼杵にて、1錠当たりの質量300mgとなるように打錠して素錠を得た。
次に、種々の材料を種々の組成比で配合した組成物を精製水とエタノールの混合液に溶解・懸濁し、コーティング液500gを得た。
次いで、素錠1000gをコーティング機(HICOATER HCT-30、フロイント産業)に入れ、素錠1錠当りの質量増が10mg(固形芯材100質量%に対して3.33質量%)となるようにコーティングを行ない、1錠当りの質量310mgのフィルムコーティング錠を得た。
(比較例の製造)
比較例として、不適な乳化剤を含ませたものや、平面を有さない無機物を含ませた組成物についても、同様にしてフィルムコーティング錠を得た。
(対照例の製造)
対照例として、HPMC18g、ポリエチレングリコール10.5gとタルク34.5gを同様に溶媒に溶解・懸濁し、コーティング液500gを得た。そして、同様にしてフィルムコーティング錠を得た。
(評価)
コーティング光沢は、目視により評価して、結果を分類した。
△:光沢性向上
○:ポリエチレングリコールとタルクを併用したフィルムコーティング剤を使用したものと同等
◎:ポリエチレングリコールとタルクを併用したフィルムコーティング剤を使用したもの以上
Figure 2022097602000001
Figure 2022097602000002
Figure 2022097602000003
≪実施例2≫
[錠剤の作製]
(錠剤1の作製)
クルクミン粉末300gとコーンスターチ1500gと結晶セルロース1170gとステアリン酸カルシウム30gとを用いて、実施例1と同様に処理して9mmφ300mgの錠剤を得た。
(錠剤2の作製)
セサミン粉末112gとコーンスターチ1500gと結晶セルロース1358gとステアリン酸カルシウム30gとを用いて、上記の錠剤1と同様に処理して9mmφ300mgの錠剤を得た。
[コーティング液の作製]
(コーティング液1(製造例)の作製)
メトローズSE-06 36g、リョートーシュガーエステルL-1695(HLB16)21g、カルホープ69gを、水600g、エタノール274gの混合液に溶解・懸濁し、コーティング液1000gを得た。
(コーティング液2(製造例)の作製)
リョートーシュガーエステルL-1695(HLB16)をポエムJ-2081V(HLB6)に変更する以外はコーティング液1と同様に処理して、コーティング液を得た。
(コーティング液3(製造例)の作製)
リョートーシュガーエステルL-1695(HLB16)をリョートーポリグリエステルS-28D(HLB9)に変更する以外はコーティング液1と同様に処理して、コーティング液を得た。
(コーティング液4(比較例)の作製)
メトローズSE-06 36gを、水300g、エタノール114gの混合液に溶解・懸濁し、コーティング液500gを得た。
[フィルムコーティング錠の作製]
(フィルムコーティング錠1(製造例)の作製)
錠剤1 1000gおよびコーティング液1を用い、コーティング機(HICOATER HCT-30、フロイント産業)にて1錠あたり10mgコーティングし、フィルムコーティング錠を得た。
(フィルムコーティング錠2(製造例)の作製)
1錠あたり100mgコーティングする以外はフィルムコーティング錠1と同様に処理してフィルムコーティング錠を得た。
(フィルムコーティング錠3(製造例)の作製)
1錠あたり300mgコーティングする以外はフィルムコーティング錠1と同様に処理してフィルムコーティング錠を得た。
(フィルムコーティング錠4(製造例)の作製)
コーティング液1の代わりにコーティング液2を用いる以外はフィルムコーティング錠1と同様に1錠あたり10mgコーティングしてフィルムコーティング錠を得た。
(フィルムコーティング錠5(製造例)の作製)
コーティング液1の代わりにコーティング液3を用いる以外はフィルムコーティング錠1と同様に1錠あたり10mgコーティングしてフィルムコーティング錠を得た。
(フィルムコーティング錠6(比較例)の作製)
コーティング液1の代わりにコーティング液4を用いる以外はフィルムコーティング錠1と同様に1錠あたり10mgコーティングしてフィルムコーティング錠を得た。
(フィルムコーティング錠7(製造例)の作製)
錠剤2 1000gおよびコーティング液1を用い、コーティング機(HICOATER HCT-30、フロイント産業)にて1錠あたり10mgコーティングし、フィルムコーティング錠を得た。
(フィルムコーティング錠8(製造例)の作製)
コーティング液1の代わりにコーティング液3を用いる以外はフィルムコーティング錠7と同様に1錠あたり10mgコーティングしてフィルムコーティング錠を得た。
(フィルムコーティング錠9(比較例)の作製)
コーティング液1の代わりにコーティング液4を用いる以外はフィルムコーティング錠7と同様に1錠あたり10mgコーティングしてフィルムコーティング錠を得た。
[溶出試験1]
試験液は水900mL(37℃)、パドル回転数50rpmにてフィルムコーティング錠1~6について溶出試験を行った。
サンプリングポイント0、30、60、120分で試験液を約1mL採取し、孔径0.2μmPTFEフィルターにてろ過した液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)にて溶解度を測定した。
[分析試験条件1]
高速液体クロマトグラフ:Shimadzu Prominence
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:245nm)
カラム:YMC Triart C18 (5μm,12nm)
150×4.6mmI.D.
カラム温度:40℃
移動相:水/アセトニトリル/酢酸=56/43/1
流速:1.4mL/min
注入量:50μL
[溶出試験2]
試験液は水900mL(37℃)、パドル回転数50rpmにてフィルムコーティング錠7~9について溶出試験を行った。
サンプリングポイント0、30、60、120分で試験液を約1mL採取し、孔径0.45μmPTFEフィルターにてろ過した液をHPLCにて溶解度を測定した。
[分析試験条件2]
高速液体クロマトグラフ:Shimadzu Prominence
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)
カラム:COSMOSIL Packed Column
5C18-AR 4.6×150mm(ナカライテスク)
カラム温度:40℃
移動相:メタノール/水=80/20
流速:1.5mL/min
注入量:10μL
(評価)
難水溶性成分の水への溶解度は、図2~図4に示すものである。
いずれも、本発明の固形製剤(製造例)では、溶解度が向上していたことが確認された。

Claims (11)

  1. 水溶性高分子を基剤とし、融点が40~70℃の乳化剤と平面を有する無機物が配合されてなる、可食性の固形製剤のフィルムコーティング用組成物。
  2. 請求項1に記載したフィルムコーティング用組成物において、
    基剤100質量部に対して、乳化剤が30~100質量部の範囲で配合されていることを特徴とするフィルムコーティング用組成物。
  3. 請求項1または2に記載したフィルムコーティング用組成物において、
    水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または、ポリビニルピロリドンであることを特徴とするフィルムコーティング用組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載したフィルムコーティング用組成物において、
    乳化剤が脂肪酸エステルであることを特徴とするフィルムコーティング用組成物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載したフィルムコーティング用組成物において、
    平面を有する無機物が鱗片状であることを特徴とするフィルムコーティング用組成物。
  6. 請求項5に記載したフィルムコーティング用組成物において、
    炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムを構成成分とする可食物であることを特徴とするフィルムコーティング用組成物。
  7. 請求項6に記載したフィルムコーティング用組成物において、
    可食物が、真珠末、卵殻粉、貝殻未焼成カルシウム、石灰石、またはドロマイトであることを特徴とするフィルムコーティング用組成物。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載したフィルムコーティング用組成物でフィルムコーティング法により固形芯材が被覆されてなる固形製剤。
  9. 請求項8に記載した固形製剤において、剤型が錠剤であることを特徴とする固形製剤。
  10. 請求項8または9に記載された固形製剤において、
    固形芯材に難水溶性成分が含まれていることを特徴とする固形製剤。
  11. 請求項10に記載された固形製剤において、
    難水溶性成分が、ヒューペリジンA、クルクミノイド、レスベラトロール、ショウガオール、ジンゲロール、ヘスペリジン、ノビレチン、セサミン、β-クリプトキサンチン、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン、ケルセチンから選ばれるいずれか1つまたは2つ以上の組合せからなることを特徴とする固形製剤。
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