JP2022094287A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、その製造方法、および印刷物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、その製造方法、および印刷物 Download PDF

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和哉 岡本
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Abstract

【課題】活性エネルギー線による硬化性を有し、硬化性や印刷時のインキ壺逃げトラブルの解消および印刷物のドットゲインの向上させた活性エネルギー線硬化型インキの提供を目的とする。【解決手段】水酸基含有ポリエステル樹脂と、イソシアネート化合物と、水酸基含有アクリル化合物とを反応させてなる樹脂(A)、および多官能アクリル化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、前記水酸基含有ポリエステル樹脂が、3価以上のアルコールを含む多価アルコールと多塩基酸との、OH/COOHモル比が1.10~2.20であり、かつ、多価アルコール全体に対する3価以上のアルコールの量が13モル%以上の条件で反応させてなる樹脂であり、水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価が、50以上であり、水酸基含有ポリエステル樹脂の重量平均分子量が、3000以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、新規にして有用なる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物および製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、硬化性に優れ、印刷インキを始めとした各種塗料等として広範に利用し得る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
近年、印刷の短納期化・環境対応の要求の高まりから従来使用されていた油性インキに替わり、速乾性で溶剤を使用しない活性エネルギー線硬化型インキの使用が拡大している。活性エネルギー線硬化性インキはアクリルエステル化合物のような活性エネルギー線硬化性を有する不飽和化合物を構成成分として含有しており、活性エネルギー線照射とともに瞬時に硬化し、上記不飽和化合物の3次元架橋による強靭な皮膜を形成する。瞬時に硬化することから、印刷直後に後加工を行うことが出来るため、生産性向上および意匠の保護のため強い皮膜が要求される包装用パッケージ印刷や商業分野におけるフォーム印刷等において活性エネルギー線硬化性インキが好適に使用されている。
活性エネルギー線硬化性インキに使用される不飽和化合物としては、ポリオールとアクリル酸の反応により得られるアクリルエステル化合物、またはポリエステルアクリレートやポリウレタンアクリレート等のオリゴマーが挙げられる。さらなる生産性向上が求められており、硬化速度を速めるために、高分子量のTgの高い樹脂にアクリル基を導入した樹脂も検討されている。例えば、特許文献1~3には、ポリエステルポリオールにイソシアネート化合物を介してアクリル基を導入した樹脂が開示されている。特許文献1では、ポリエステルポリオールの合成には3価以上のアルコールは使用されていない。特許文献2では用いるアルコールに含まれるOHと一塩基酸及び多塩基酸に含まれるCOOHの比(OH/COOH)は1.10未満となっている。また、特許文献3では用いているアルコール全量に対して3価以上のアルコールの割合は13.0モル%以上の記載は無い。これでは樹脂中へのアクリル基の導入量は限られてしまうため、更なるアクリル基の導入による硬化性の向上が求められる。
また、油性インキと比較して活性エネルギー線硬化型インキは、インキの流動性が乏しいために印刷時にインキ壺からインキがローラーに掻き取られなくなるトラブル(インキ壺逃げ)や、印刷物のドットゲインが低く印刷再現性が低下する問題がある。
特開平7-286019号公報 特開2001-348516号公報 特開2020-90603号公報
本発明は、硬化性の向上と印刷時のインキ壺逃げトラブルの解消および印刷物のドットゲインの向上させた活性エネルギー線硬化型インキの提供、および前記インキに用いる樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、水酸基を多く含むポリエステル樹脂、イソシアネート化合物、および水酸基含有アクリル化合物を反応させることにより活性エネルギー線硬化性のアクリル基を多く含む樹脂を得ることができ、当該樹脂を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化性および流動性の優れたインキ等を提供し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)、イソシアネート化合物(a2)、および水酸基含有アクリル化合物(a3)を反応させてなる樹脂(A)、
および多官能アクリル化合物(B)
を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)が、3価以上のアルコールを含む多価アルコールと多塩基酸とを、OH/COOHモル比が1.10~2.20の範囲で反応させ、かつ、多価アルコール全体に対し3価以上のアルコールを13モル%以上の割合で反応させた樹脂であり、
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の水酸基価が、50以上であり、
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の重量平均分子量が3000以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。
また、本発明の第2の発明は、
イソシアネート化合物(a2)が、イソシアネート基を2つ有するジイソシアネート化合物である第1の発明に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。
また、本発明の第3の発明は、
インキ組成物である第1、2の発明いずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。
また、本発明の第4の発明は、
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)、イソシアネート化合物(a2)、および水酸基含有アクリル化合物(a3)を、多官能アクリル化合物(B)中で反応させて樹脂(A)を得ることを特徴とする第1~3の発明いずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法に関するものである。
また、本発明の第5の発明は、
第1~3の発明いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、基材上に印刷してなる印刷物に関するものである。
本発明により、硬化性の向上と印刷時のインキ壺逃げトラブルの解消および印刷物のドットゲインの向上させた活性エネルギー線硬化型インキ、および前記インキに用いる樹脂組成物が提供できる。本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、広範な用途に利用することができ、工業上極めて有用である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下に記載の実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
本発明における活性エネルギー線とは、硬化反応の出発物質が基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーのことを表し、本発明における活性エネルギー線とは、紫外線や電子線をさす。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、樹脂(A)、および多官能アクリル化合物(B)からなる。樹脂(A)は、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)と、イソシアネート化合物(a2)と、水酸基含有アクリル化合物(a3)とを反応させてなる。
なお、本発明の樹脂(A)は、水酸基含有ポリエステルと、イソシアネート化合物と、水酸基含有アクリル化合物とを反応させて得られる、複雑な構造を有する樹脂であり、一般式(構造)で表すことは不可能であるか、およそ現実的ではないため、製造方法により記載する。
(水酸基含有ポリエステル樹脂(a1))
本発明で用いられる水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)は3価以上のアルコールを含む多価アルコールと多塩基酸とを、OH/COOHモル比が1.10~2.20の範囲で反応させた樹脂である。ここでOHとは、多価アルコールの水酸基モル数であり、COOHとは理論上アルコールと反応可能なカルボキシル基のモル数である。例えば、カルボン二酸無水物1モルの場合は、当該COOHは2モルである。
3価以上のアルコールを使用し、OH/COOHモル比が1.10~2.20の範囲で多価アルコールと多塩基酸とを反応させることにより、ポリエステル樹脂(a1)中に水酸基末端を多く導入することが可能となり、次工程のイソシアネート化合物(a2)および水酸基含有アクリル化合物(a3)との反応で多くの活性エネルギー線硬化性アクリル基を多く導入することが可能となる。十分な水酸基を導入するためには多価アルコール全体に対し3価以上のアルコールを13モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上50モル%以下含むことがさらに好ましい。50モル%を超えるとポリエステル樹脂(a1)合成時にゲル化し易くなる。ただし、安息香酸などの一塩基酸を併用すれば多価アルコール全体に対し3価以上のアルコールを50モル%以上用いることができる。
3価以上の多価アルコールとしては、特に限定されるものではなく、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ソルビタン、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、イノシトール、トリペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、2価アルコールも使用することができる。2価アルコールとしては、特に限定されるものではなく、直鎖状アルキレン2価アルコールであるエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール等が、分岐状アルキレン2価アルコールである2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ジメチルペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等が、環状アルキレン2価アルコールである1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA 、水添ビスフェノールF 、水添ビスフェノールS 、水添カテコール、水添レゾルシン、水添ハイドロキノン等、さらにポリエチレングリコール(n=2~20)、ポリプロピレングリコール(n=2~20)、ポリテトラメチレングリコール(n=2~20)等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等を例示することができる。
多塩基酸としては、特に限定されるものではなく、脂肪族多塩基酸としてシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライ酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、芳香族多塩基酸としてオフソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、3-メチルハイミック酸、4-メチルハイミック酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,8-ナフタル酸およびこれらの無水物、脂環族多塩基酸として1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸およびこれらの無水物が挙げられる。
上記多官能アルコールと多塩基酸との反応の際に1価アルコールや一塩基酸を併用することもできる。
1価アルコールとしては、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、アミルアルコール、tert-ペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、α-フェニルエチルアルコール等が挙げられる。
一塩基酸としては、安息香酸、メチル安息香酸、t-ブチル安息香酸、ナフトエ酸、オルトベンゾイル安息香酸、プロピオン酸、酪酸、α-メチル酪酸、吉草酸、シクロヘキサンカルボン酸が挙げられる。
さらに、乳酸、12-ヒドロキシステアリン酸等のオキシ酸、カプロラクロン等の環状エステルを併用することもできる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)は、上記多価アルコールと多塩基酸とを常法により加熱、脱水縮合反応することにより容易に得ることが出きる。多価アルコールと多塩基酸とはOH/COOHモル比が1.10~2.20の範囲で反応させるが、1.10~1.50の範囲がさらに好ましい。1.10未満では水酸基末端が少なくなり、2.20を超えると分子量が伸び難く好ましくない。
縮合反応は無触媒でも進行するが、硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒を用いても良い。必要に応じてキシレン等の適当な溶媒を使用することもできる。ポリエステル樹脂(a1)の重量平均分子量としては、好ましくは3000~10万、より好ましくは5000~2万である。重量平均分子量が3000未満では硬化性向上の効果が小さくなり易く、10万を越えると最終的に得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり易く好ましくない。また、ポリエステル樹脂(a1)の水酸基価は50以上であることが好ましく、50未満ではイソシアネート化合物(a2)を介した水酸基含有アクリル化合物(a3)の反応が十分行われず硬化性向上の効果が小さくなり、好ましくない。
(イソシアネート化合物(a2))
イソシアネート化合物(a2)としては。特に限定されるものではなく、トリレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’-ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。反応制御の点で2官能であることが好ましい。
(水酸基含有アクリル化合物(a3))
水酸基含有アクリル化合物(a3)としては、特に限定されるものではなく、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチルアクリレート類、グリセリンアクリレート、グリセリンジアクリレート、ジグリセリンジアクリレート、ジグリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ジトリメチロールプロパンジアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
(樹脂(A))
樹脂(A)は、上記、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)と、イソシアネート化合物(a2)と、水酸基含有アクリル化合物(a3)とを反応させてなる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)、イソシアネート化合物(a2)、および水酸基含有アクリル化合物(a3)との反応は、同時に行っても良く、イソシアネート化合物(a2)および水酸基含有アクリル化合物(a3)を予め反応させた後に、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)を反応させても良い。水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)同士をイソシアネート化合物(a2)で反応させてもよく、粘弾性を必要とされるインキに使用する際には好ましい。ポリエステル樹脂(a1)および水酸基含有アクリル化合物(a3)の合計の水酸基と、イソシアネート化合物(a2)のイソシアネート基のモル比率は、NCO/OHは1以下であることが好ましい。反応は無触媒でも進行するが、触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒、スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。また、必要に応じて溶剤中で反応させることもできるが、後述の多官能アクリル化合物(B)中で反応させることもでき、樹脂(A)を多官能アクリル化合物に溶解する工程および溶剤を除去する工程を省けるため好ましい。
(多官能アクリル化合物(B))
本発明で用いられる多官能アクリル化合物(B)の含有量としては、組成物全体に対して、10~90重量%であり、好ましくは40~80重量%である。ラジカル重合禁止剤の含有量としては、0.01~5重量%であり、好ましくは0.1~1重量%である。
多官能アクリル化合物(B)としては、特に限定されるものではなく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=2~20)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=2~20)、アルカン(炭素数4~12)グリコールジ(メタ)アクリレート、アルカン(炭素数4~12)グリコールエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジ(メタ)アクリレート、アルカン(炭素数4~12)グリコールプロピレンオキサイド付加物(2~20モル)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジ(メタ)アクリレート等の2官能アクリル化合物、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンエチレンオキサイド付加物(3~30モル)トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(3~30モル)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)トリ(メタ)アクリレート等の3官能アクリル化合物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(6~60モル)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(6~60モル)ヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上のアクリル化合物およびそれらの混合物が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、要求される硬化被膜物性に応じて、多官能アクリル化合物(B)以外の活性エネルギー線硬化性化合物や、ラジカル重合禁止剤などの添加剤を適宜選択することが可能であり、例えば、単官能アクリル化合物、ビニル化合物、または活性エネルギー線硬化性オリゴマーを使用することができる。
単官能アクリル化合物としては、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
ビニル化合物としては、N-ビニルピロリドン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性オリゴマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。
ラジカル重合禁止剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p -ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-tert-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が例示される。
(インキ組成物)
次に、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の一形態であるインキ組成物の使用形態について説明する。以下、インキ組成物は、活性エネルギー線硬化型インキともいう。
本発明における活性エネルギー線硬化型インキは、インキ全体に対して、顔料0~30重量%、バインダー樹脂5~40重量%、上記ラジカル重合性二重結合を有するモノマー20~70重量% 、上記ラジカル重合禁止剤0.01~1重量%、光重合開始剤および
/または増感剤1~ 20重量%、その他添加剤0~10重量部からなる組成にて調整される。
ここで、本発明で用いられる樹脂(A)は、バインダー樹脂に該当する。
活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、例えば、活性エネルギー線である光で硬化する。光硬化方法には、一般的にメタルハライドランプあるいは高圧水銀ランプ、LEDのような紫外線を発光する光源が用いられている。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキにおいて、着色剤である顔料を含有させず、透明な構成にすれば、OPニスになり、下記に示す顔料を含有させた場合にはカラー印刷用インキとなる。
顔料としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラなどが、有機顔料としては、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系などの溶性アゾ顔料、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系などの多環式顔料および複素環式顔料などの公知公用の各種顔料が使用可能である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキには、さらに必要に応じて樹脂(A)以外のバインダー樹脂を用いることができる。
本発明で用いられる樹脂(A)の含有量は、インキ全体に対して、5~40重量部が好ましく、10~30重量部が更に好ましい。5重量部より少ないと本発明の効果が十分に発揮できず、40重量部より多いとインキの粘度が高くなり過ぎて印刷に適さない。
本発明で用いられる樹脂(A)以外のバインダー樹脂としては、ジアリルオルソフタレート樹脂、ジアリルイソフタレート樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油(系)樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン-アクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は、その中の1種または2種以上を用いることができる。
光重合開始剤としては、光開裂型開始剤および水素引き抜き型重合開始剤が挙げられる。
光開裂型開始剤としては、α-(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物およびα-モルフォリノアルキルフェノン化合物が挙げられる。
より具体的には、α-(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物として、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1または2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルフォリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン等が挙げられ、α-モルフォリノアルキルフェノン化合物として、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
さらに、水素引き抜き型重合開始剤としては、ジアルキルベンゾフェノン化合物およびチオキサントン化合物が挙げられる。
より具体的には、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物として、4,4’-ビス-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の4,4’-ジアルキルアミノベンゾフェノン類、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド等が挙げられジアルキルアミノベンゾフェノン化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。チオキサントン化合物としては、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-ジイソプロピルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-クロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9Hチオキサントン-2-イロキシ-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミン塩酸塩などが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
増感剤としては、ベンゾフェノン、4-メチル-ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、2,3,4-トリメチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、3,3‘-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4-(1,3-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、メチル-o-ベンゾイルベンゾエート、〔4-(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン、(4-ベンゾイルベンジル)塩化トリメチルアンモニウム、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-スチリルプロパン-1-オン重合物、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型インキには、必要に応じてその他の添加剤を使用することが可能である。
例えば、インキの保存安定性を付与する添加剤として、上記ラジカル重合禁止剤を例示することができる。また、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックス等を例示することができる。
その他、要求性能に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキの製造方法は、従来の活性エネルギー線硬化型インキと同様の方法によって行えばよく、例えば、常温から100℃の間で、上記顔料、本発明の樹脂組成物、ラジカル重合性二重結合を有するモノマー、重合禁止剤、光重合開始剤および増感剤、その他添加剤などインキ組成物成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
印刷方法としては、平版印刷(湿し水を使用する通常の平版印刷および湿し水を使用しない水無し平版印刷)、凸版印刷、凹版印刷、孔版印刷などが挙げられ、好ましくは平版印刷である。
印刷物の基材としては、特に制限はなく、紙、プラスチック、シール、ラベル、金属などあらゆる材料への印刷が挙げられ、好ましくは紙への印刷である。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、「部」は、「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
また、本発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミネイションクロマトグラフィ(HLC-8320。)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM-M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。さらに、本発明において、特に断らない限り、「分子量」とは、重量平均分子量を示す。また、水酸基価は、通常の水酸化カリウム滴定法により求めた。
(合成例1)
攪拌機、ディーンスターク管、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に原料としてグリセリン10部、エチレングリコール20部、無水フタル酸53部を入れ、撹拌しながら220℃まで加熱した。反応の進行に伴い生成する縮合水を系外へ除きながら反応を行い、理論脱水量に達したところで反応を終了しポリエステル樹脂1を得た。(分子量:4200、水酸基価:187mgKOH/g)
(合成例2~25)
表1の組成に従って、各原料を変更した以外は合成例1と同様にして樹脂2~25を得た。
合成した樹脂の物性をあわせて表1に示す。
Figure 2022094287000001
(製造例1)
攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内にイソシアネート化合物(a2)であるトルエン-2,4-ジイソシアネート7部、水酸基含有アクリル化合物(a3)であるジペンタエリスリトールペンタアクリレート35部、多官能アクリル化合物(B)であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート17.8部とジトリメチロールプロパンテトラアクリレート20部、重合禁止剤としてターシャリーブチルヒドロキノン0.2部を入れ、撹拌しながら100℃で5時間反応させた。次いで、ポリエステル樹脂(a1)である樹脂1を20部入れ、さらに110℃で5時間反応させ樹脂組成物1を得た。
(製造例2~30)
表2の組成に従って、各原料を変更した以外は製造例1と同様にして樹脂組成物2~30を得た。
(製造例31)
攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、ポリエステル樹脂(a1)である樹脂2を25部、多官能アクリル化合物(B)であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート53.4部とジトリメチロールプロパンテトラアクリレート20部、重合禁止剤としてターシャリーブチルヒドロキノン0.2部を入れ、撹拌しながら100℃で1時間溶解させた。次いで、イソシアネート化合物(a2)であるトルエン-2,4-ジイソシアネート1.4部を入れ、110℃で5時間反応させ樹脂組成物31を得た。
(製造例32、33)
表2の組成に従って、各原料を変更した以外は製造例31と同様にして樹脂組成物32、33を得た。
(製造例34)
攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、ポリエステル樹脂(a1)である樹脂2を30部、多官能アクリル化合物(B)であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート49.8部とジトリメチロールプロパンテトラアクリレート20部、重合禁止剤としてターシャリーブチルヒドロキノン0.2部を入れ、撹拌しながら100℃で1時間溶解させ樹脂組成物34を得た。
Figure 2022094287000002
Figure 2022094287000003

(実施例1~24、比較例1~10)
表3の組成に従って、樹脂組成物1~34と開始剤を混合することで実施例1~24および比較例1~10のサンプルを得た。得られたサンプルのUV硬化膜を作製しMEK(メチルエチルケトン)ラビング試験による評価を行い、その結果をあわせて表3に示す。
<MEKラビング試験>
MEKラビングは、コロナ処理を施したPET基材(三菱化学株式会社製 A-PETシート ノバクリアー A2012 厚み0.25mm)へRIテスター(簡易展色機)を用いてMEKラビング用サンプルを塗工し、メタルハライドランプ(出力:96W/cm、ランプ距離:10cm、コンベア速度:100m/min、通過回数:1回)を用いて硬化させた。MEKを染み込ませた綿棒でUV硬化膜を往復して擦り、UV硬化膜が傷付いたときの綿棒の往復回数から判断した。◎および○が実用レベルである。
(評価基準)◎:100回以上、○:100回未満50以上、△:50回未満25回以上、×:25回未満
Figure 2022094287000004
実施例1~24より、本願発明の樹脂組成物はMEKラビングに対して優れることがわかった。
(実施例25~48、比較例11~20)
表4の組成に従って、実施例25~48および比較例11~20の活性エネルギー線硬化型インキを三本ロールミルにて練肉することによって得た。得られた活性エネルギー線硬化型インキ組成物の「粘度」および「流動性」を測定し、印刷物の「ドットゲイン」および印刷機上での「インキ壺逃げ」を調べた。その結果をあわせて表4に示す。
<粘度の測定方法>
粘度は、ThermoFisherScientific(株)製粘弾性測定装置(HAAKE RheoStress6000)を使用し、測定温度25℃、コーンプレート(直径:20mm、傾斜角:0.5°)の条件で測定した。
<流動性の測定方法>
インキ2.1mlを半球状の窪みのついた金属板に入れ、2分間静置させた後、60度に傾け10分間で流れた長さを測定し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。値が高いほどインキのしまりが少なく、流動性が良好であることを示す。◎および○が実用レベルである。
(評価基準)◎:100mm以上、○:100mm未満~75mm以上、△:75mm未満~50mm以上、×:50mm未満
<印刷物のドットゲイン評価方法>
実機のオフセット枚葉印刷機LITHRONE L426(小森コーポレーション)にて印刷を10000枚/時間の速度で行い、版面上の50%網点が5000枚印刷終了時の印刷物でどれだけ膨張したか(ドットゲイン)をGretagMacbeth社製SpectroEyeを用いて測定した。○が実用レベルである。
(評価基準)○:ドットゲイン10%以上、△:ドットゲイン10%未満8%以上、×:ドットゲイン8%未満
<インキ壺逃げの評価方法>
上記印刷条件にて印刷を行い、印刷中のインキ壺にてインキが供給ローラーに掻き取られない「インキ壺逃げ」トラブル発生の有無を観察した。◎および○が実用レベルである。
(評価基準)◎:20分以上発生しない、○:20分未満10分以上発生しない、△:10分未満5分以上発生しない×:5分未満で発生する
<硬化性の評価方法>
硬化性は、PEコート紙へRIテスター(簡易展色機)を用いてインキを1g/m2
塗布量で展色し、メタルハライドランプ(アイグラフィックス株式会社製、出力:96W/cm、ランプ距離:10cm)を用いてコンベア速度を変えて(80、100、120m/分)硬化させ、綿布で擦りインキ塗膜の表面状態を評価した。◎および○が実用レベルである。
(評価基準)◎:全く傷無し、○:やや傷有り、△:傷有り、×:塗膜無し
Figure 2022094287000005
Figure 2022094287000006
本発明の実施例25~48は、比較例11~20のインキよりも硬化性と流動性に優れており、印刷時のトラブルを解消できる活性エネルギー線硬化型インキを得ることができることが分かった。
本発明の樹脂組成物は、水酸基含有ポリエステル樹脂へ多くのアクリル化合物を反応させることで樹脂組成物の活性エネルギー線に対する硬化反応性を高めることができ、硬化後は高度な架橋構造が形成した膜になることが可能である。そのため、具体的に説明したオフセット枚葉以外の各種印刷インキ、塗料、コーティング剤、フォトレジスト等に対しても有用である。

Claims (5)

  1. 水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)と、イソシアネート化合物(a2)と、水酸基含有アクリル化合物(a3)とを反応させてなる樹脂(A)、および
    多官能アクリル化合物(B)
    を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
    前記水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)が、3価以上のアルコールを含む多価アルコールと多塩基酸との、OH/COOHモル比が1.10~2.20であり、かつ、多価アルコール全体に対する3価以上のアルコールの量が13モル%以上の条件で反応させてなる樹脂であり、
    水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の水酸基価が、50以上であり、
    水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の重量平均分子量が、3000以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. イソシアネート化合物(a2)が、ジイソシアネート化合物である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. インキ組成物である請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. 水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)、イソシアネート化合物(a2)、および水酸基含有アクリル化合物(a3)を、多官能アクリル化合物(B)中で反応させて樹脂(A)を得る工程を含む請求項1~3いずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1~3いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、基材上に印刷してなる印刷物。
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