JP2023041621A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、インキおよび印刷物 - Google Patents

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隼也 末永
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Abstract

【課題】本発明の課題は、水銀を使用せず環境にやさしいが照射強度が比較的低いLEDランプや、従来のUV照射装置でも少ないエネルギーで硬化可能となるような、環境対応インキ、コーティング剤に使われる活性エネルギー線硬化性の高い樹脂組成物を提供することである。【解決手段】水酸基価の非常に高いポリエステルポリオールをゲル化させることなく合成し、それに複数個の硬化性二重結合と水酸基を有する化合物をジイソシアネートを用いて結合させることで、非常に多くの硬化性二重結合を有するポリエステル化合物が優れた活性エネルギー線硬化性を有することを見出し、これを用いたインキ、硬化性組成物により上記課題は解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性に優れ、印刷インキをはじめとした各種塗料等として広範に利用可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物関する。
近年、印刷の短納期化・環境対応の要求の高まりから従来使用されていた油性インキに替わり、速乾性で溶剤を使用しない活性エネルギー線硬化型インキの使用が拡大している。活性エネルギー線硬化性インキは(メタ)アクリルエステル化合物のような活性エネルギー線硬化性を有する不飽和化合物を構成成分として含有しており、活性エネルギー線照射とともに瞬時に硬化し、上記不飽和化合物の3次元架橋による強靭な皮膜を形成する。瞬時に硬化することから、印刷直後に後加工を行うことが出来るため、生産性向上および意匠の保護のため強い皮膜が要求される包装用パッケージ印刷や商業分野におけるフォーム印刷等において活性エネルギー線硬化性インキが好適に使用されている。
活性エネルギー線硬化性インキに使用される不飽和化合物としては、ポリオールと(メタ)アクリル酸の反応により得られる(メタ)アクリルエステル化合物、またはポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸の反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレート、ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート等のオリゴマーが挙げられる。例えば、特許文献1~3には、ポリエステルポリオールにイソシアネート化合物を介して(メタ)アクリル基を導入した樹脂が開示されている。ただし、これらの文献には、(メタ)アクリル基の導入量が少ない。特許文献1では、ポリエステルポリオールの合成には3価以上のアルコールは使用されていない。特許文献2では用いるアルコールに含まれるOHと一塩基酸及び多塩基酸に含まれるCOOHの比(OH/COOH)は1.10未満となっている。また、特許文献3では用いているアルコール全量に対して3価以上のアルコールの割合は13.0モル%以上の記載は無い。これでは得られるポリエステル樹脂の水酸基価が低く、水酸基を通じて樹脂中に導入される(メタ)アクリル基の量は限られてしまい硬化性を上げられない。そこで、硬化性向上のための(メタ)アクリル基を多数導入するための水酸基が多い化合物、具体的に水酸基価の高いポリエステルが求められている。
特開平7-286019号公報 特開2001-348516号公報 特開2020-90603号公報
しかし、水酸基の導入量を多くするために原料となる3価以上のアルコールの割合を高めると、ポリエステル合成中に3次元架橋してゲル化してしまうため、一分子中に多数の水酸基を持つ水酸基価の高いポリエステル合成は非常に難しかった。
本発明は、硬化性向上のため、水酸基価の高いポリエステルを安定して合成し、さらにイソシアネート化合物を介し水酸基及び(メタ)アクリル基を有する化合物を付加させることで、非常に多くの(メタ)アクリル基を有し極めて硬化性の高い活性エネルギー線硬化樹脂組成物の提供、それを用いた硬化性が高く光開始剤の低減、あるいは照射エネルギーを低減することによる環境にも優しいインキ組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、水酸基を多く含むポリエステル樹脂、イソシアネート化合物、および水酸基含有(メタ)アクリル化合物を適切な条件で反応させることにより活性エネルギー線硬化性の(メタ)アクリル基を多く含む樹脂を得ることができ、当該樹脂を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化性の優れたインキ等を提供し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)と、イソシアネート化合物(a2)と、水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)とを反応させてなる樹脂(A)、および多官能アクリル化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、前記水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)が、3価以上のアルコールを含む多価アルコールと多塩基酸との、OH/COOHモル比が1.5以上の条件で反応させてなる樹脂であり、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の水酸基価が、200以上であり、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の重量平均分子量が、250以上3000未満であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、イソシアネート化合物(a2)が、ジイソシアネート化合物を含むことを特徴とする前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、3価以上のアルコールがグリセリンを含むことを特徴とする前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、さらに、前記樹脂(A)が、樹脂(A)中の(メタ)アクリル基と、2級アミン化合物とをマイケル付加反応させて得られる3級アミン構造を有する樹脂を含むことを特徴とする、前記活性エネルギー線硬化樹脂組成物に関する。
また、本発明は、インキ組成物である前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含む、オフセットインキ用インキ組成物に関する。
また、本発明は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含む、フレキソインキ用インキ組成物に関する。
また、本発明は、前記インキ組成物を、基材上に印刷してなる印刷物に関する。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化性の優れたインキ、コーティング剤等として、広範な用途に利用することができ、工業上極めて有用である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下に記載の実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
本発明における活性エネルギーとは、硬化反応の出発物質が基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーのことを表し、本発明における活性エネルギー線とは、紫外線又は電子線をさす。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、樹脂(A)と、多官能(メタ)アクリル化合物(B)と、を含有する。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)と、イソシアネート化合物(a2)と、水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)とを反応させてなる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)、イソシアネート化合物(a2)、及び水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)との反応は、同時に行ってもよく、イソシアネート化合物(a2)及び水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)を予め反応させた後に、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)を反応させてもよい。水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)及び水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)の合計の水酸基と、イソシアネート化合物(a2)のイソシアネート基のモル比率は、NCO/OHは1以下であることが好ましい。反応は無触媒でも進行するが、触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒、スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。また、必要に応じて溶剤中で反応させることもできるが、後述の多官能(メタ)アクリル化合物(B)中で反応させることもでき、樹脂(A)を多官能(メタ)アクリル化合物に溶解する工程及び溶剤を除去する工程を省けるため好ましい。
樹脂(A)は、エチレン性不飽和結合を有する官能基を2つ以上有し、かつ多塩基酸としてのジカルボン酸及び/又はジカルボン酸の無水物と水酸基含有化合物としての多価アルコールを縮合反応させて得られる水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)に、イソシアネート化合物(a2)、及び水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)とを付加反応させて得られる、つまり、水酸基と多塩基酸との反応、残存水酸基とイソシアネート基との反応、といった複数の反応を経由して複雑な構造を有する樹脂であり、一般式(構造)で表すことは不可能であるか、およそ現実的ではないため、製造方法により記載する。
(水酸基含有ポリエステル樹脂(a1))
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)は3価以上のアルコールを含む多価アルコールと多塩基酸とを反応させた化合物である。水酸基含有化合物として、3価以上のアルコールを含む多価アルコールを用いることで、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)に水酸基をもたせることができるため、次工程でエチレン性不飽和二重結合を導入しやすくなる。ここでOHとは、多価アルコールの水酸基モル数であり、COOHとは理論上アルコールと反応可能なカルボキシル基のモル数である。例えば、カルボン二酸無水物1モルの場合は、当該COOHは2モルである。
3価以上のアルコールを使用し、OH/COOHモル比が1.50以上の範囲で多価アルコールと多塩基酸とを反応させることにより、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)中に水酸基末端を多く導入することが可能となり、次工程のイソシアネート化合物(a2)および水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)との反応で多くの活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル基を多く導入することが可能となる。十分な水酸基を導入するためには多価アルコール全体に対し3価以上のアルコールを50モル%以上含むことが好ましく、60モル%~100モル%含むことがさらに好ましい。50モル%より少ないと水酸基の導入量が少なく、結果として水酸基含有ポリエステル樹脂の(メタ)アクリル基の密度が低くなるため硬化性が上がらなくなってしまう可能性がある。
3価以上の多価アルコールとしては、特に限定されるものではなく、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ソルビタン、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、イノシトール、トリペンタエリスリトール等が挙げられる。その中でも、1級水酸基を2つ有し、その他の水酸基は2級以上となるグリセリン、ジグリセリンが特に望ましい。
多価アルコールとしては、2価アルコールも使用することができる。2価アルコールとしては、特に限定されるものではなく、直鎖状アルキレン2価アルコールであるエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール等が、分岐状アルキレン2価アルコールである2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ジメチルペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等が、環状アルキレン2価アルコールである1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA 、水添ビスフェノールF 、水添ビスフェノールS 、水添カテコール、水添レゾルシン、水添ハイドロキノン等、さらにポリエチレングリコール(n=2~20)、ポリプロピレングリコール(n=2~20)、ポリテトラメチレングリコール(n=2~20)等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等を例示することができる。
多塩基酸としては、特に限定されるものではなく、脂肪族多塩基酸としてシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライ酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、芳香族多塩基酸としてオフソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、3-メチルハイミック酸、4-メチルハイミック酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,8-ナフタル酸およびこれらの無水物、脂環族多塩基酸として1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸およびこれらの無水物が挙げられる。
さらに、乳酸、12-ヒドロキシステアリン酸等のオキシ酸、カプロラクトン等の環状エステルを併用することもできる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)は、上記多価アルコールと多塩基酸とを常法により加熱、脱水縮合反応することにより容易に得ることが出きる。多価アルコールと多塩基酸とはOH/COOHモル比が1.50以上の範囲で反応させるが、1.50~4の範囲が好ましく、1.50~3の範囲がより好ましく、1.60~3.0の範囲がさらに好ましい。1.50未満では水酸基末端が少なくなり好ましくない。
縮合反応は無触媒でも進行するが、硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒を用いても良い。必要に応じてキシレン等の適当な溶媒を使用することもできる。水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の重量平均分子量としては、250~3000であり、好ましくは280~3000、より好ましくは400~2000である。重量平均分子量が250未満ではポリエステルにならず、3000を越える高硬化性活性エネルギー線硬化樹脂組成物としたときの粘度が高すぎて、フレキソインキやコーティング剤として添加できる量が少なくなり、高硬化性の効果が薄れてしまい好ましくない。また、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の水酸基価は200以上であることが好ましく、200未満ではイソシアネート化合物(a2)を介した水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)の反応が十分行われず硬化性向上の効果が小さくなり、好ましくない。
重量平均分子量は、例えば、東ソー株式会社製ゲルパーミネイションクロマトグラフィ(HLC-8320)で測定することができる。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成できる。測定は、例えば、溶離液にはテトラヒドロフラン、カラムにはTSKgel SuperHM-M(東ソー株式会社製)3本を用い、流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行うことができる。
(イソシアネート化合物(a2))
イソシアネート化合物(a2)としては。特に限定されるものではなく、トリレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’-ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、及びダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。反応制御の点で2官能であることが好ましい。
(水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3))
水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)としては、特に限定されるものではなく、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類、グリセリン(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。高硬化性とするためには(メタ)アクリル基の量が多い方が望ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、あるいはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが望ましい。
(2級アミン)
本発明の2級アミンは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の樹脂(A)の(メタ)アクリル基とマイケル付加反応されることにより、樹脂(A)に3級アミンを導入するために用いられる。この3級アミンは活性エネルギー線硬化過程で、(メタ)アクリル基のラジカル架橋反応時の酸素による架橋阻害を抑制することにより、特に空気との界面となる表面のラジカル架橋反応を促進する効果がある。
2級アミンとしては、例えば、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ブチルメチルアミン、メチルヘキシルアミン、ジ-N-オクチルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、エチルイソアミルアミン、メチルエチルアミン、メチルイソプロピルアミン、ブチルエチルアミン、2-(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、4-メチルアミノブタノール、ジベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ピぺリジン、2-ピぺコリン、3-ピぺコリン、4-ピぺコリン、2、4-ルペチジン、2,6-ルペチジン、3,5-ルペチジン、N-メチル-3-ピぺリジンメタノール、4-ピぺリジンメタノール、2-ピぺリジンエタノール、4-ピぺリジンエタノール、イソニコペチン酸メチル、イソニペコチン酸エチル、4-ピペリジノール、N-
メチル-4-ピペリジノール、N-ベンジル-4-ピペリジノール、N,N-ジメチル-4-ピぺリジンアミン、2,2,6,6,-テトラメチルピぺリジン、4-ピペリジノピぺリジン、ピロリジン、3-ピロリジノール、1-アセチルピペラジン、1-シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。これらの2級アミンはアクリル基に対して5~50mol%、好ましくは15~50mol%マイケル付加する。5mol%より少ないと酸素による重合阻害を防ぐ効果が発揮されづらくなり、50mol%より多いと重合阻害を防ぐ効果よりもアクリル基が少なくなることによる硬化性低下のデメリットが起こってしまう。
2級アミンのアクリル基へのマイケル付加は、合成した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に対して2級アミンを添加することで行われる。フラスコに仕込んだ活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に対し撹拌しながら2級アミンを滴下し、滴下終了後徐々に加熱して80~100℃で数時間保持することによりマイケル付加反応を完結させる。IRにより反応度を確認することで、原料のピークが消失していれば、すべての2級アミンがマイケル付加したと考えられる。
(多官能(メタ)アクリル化合物(B))
本発明で用いられる多官能(メタ)アクリル化合物(B)の含有量としては、組成物全体に対して、10~90重量%であり、好ましくは40~80重量%である。ラジカル重合禁止剤の含有量としては、0.01~5重量%であり、好ましくは0.1~1重量%である。
多官能(メタ)アクリル化合物(B)としては、特に限定されるものではなく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=2~20)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=2~20)、アルカン(炭素数4~12)グリコールジ(メタ)アクリレート、アルカン(炭素数4~12)グリコールエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジ(メタ)アクリレート、アルカン(炭素数4~12)グリコールプロピレンオキサイド付加物(2~20モル)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリル化合物、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンエチレンオキサイド付加物(3~30モル)トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(3~30モル)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)トリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリル化合物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(6~60モル)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(6~60モル)ヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリル化合物およびそれらの混合物が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、要求される硬化被膜物性に応じて、多官能(メタ)アクリル化合物(B)以外に、ラジカル重合禁止剤などの添加剤を適宜添加することが可能であり、例えば、単官能(メタ)アクリル化合物、ビニル化合物、または活性エネルギー線硬化性オリゴマーを使用することができる。
単官能(メタ)アクリル化合物としては、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
ビニル化合物としては、N-ビニルピロリドン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性オリゴマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ラジカル重合禁止剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p -ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-tert-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が挙げられる。
(インキ組成物)
次に、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の一形態であるインキ組成物の使用形態について説明する。以下、インキ組成物は、活性エネルギー線硬化性インキ又は活性エネルギー線硬化型インキともいう。
本発明のインキ組成物は、オフセットインキ、フレキソインキ等に用いることができる。ただし活性エネルギー線硬化型インキは基本的に溶剤を用いないために、インキを構成する樹脂、モノマーの粘度等がインキの性状に大きな影響を与える。
オフセットインキの場合は、インキそのものの粘度が高いためバインダー樹脂の分子量や粘度を請求項の範囲で比較的自由に設定できる。
フレキソインキの場合は、インキの粘度が低いために、バインダー樹脂の粘度が低くなるように制御された構造を有する。
本発明における活性エネルギー線硬化性インキは、インキ全体に対して、顔料0~30重量%、バインダー樹脂5~40重量%、上記ラジカル重合性二重結合を有する化合物、モノマー30~95重量% 、上記ラジカル重合禁止剤0.01~1重量%、光重合開始剤および/または増感剤0~ 20重量%、その他添加剤0~10重量部からなる組成にて調整される。
ここで、本発明で開示された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の樹脂(A)は、バインダー樹脂に相当する。
本発明で用いられる活性エネルギー線硬化樹脂組成物中の樹脂(A)の含有量は、インキ全体に対して、5~40重量部が好ましく、10~30重量部が更に好ましい。5重量部以上であれば、本発明の効果を十分に発揮でき、40重量部以下であるとインキの粘度が印刷に適した範囲となり、好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキには、さらに必要に応じて樹脂(A)以外のバインダー樹脂を用いることができる。
<バインダー樹脂>
本発明で用いられる樹脂(A)以外のバインダー樹脂としては、ジアリルオルソフタレート樹脂、ジアリルイソフタレート樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油(系)樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン-(メタ)アクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は、その中の1種または2種以上を用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキにおいて、着色剤である顔料を含有させず、透明な構成にすれば、OPニスになり、下記に示す顔料を含有させた場合にはカラー印刷用インキとなる。
<顔料(C)>
顔料としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラなどが使用可能であり、有機顔料としては、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系などの溶性アゾ顔料、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系などの多環式顔料および複素環式顔料などの公知公用の各種顔料が使用可能である。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、例えば、活性エネルギー線である光で硬化する。光硬化方法には、一般的にメタルハライドランプあるいは高圧水銀ランプ、LEDのような紫外線を発光する光源が用いられている。また、電子線を光源として使用でき、その際は一般的に光重合開始剤を使用せずに硬化可能である。
(光重合開始剤)
本発明において活性エネルギー線として紫外線を使用する際は、光重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤を光硬化性組成物に配合する。光ラジカル重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。具体例としては、ベンゾインイソブチルエーテル、2、4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4、6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、ビス(2、4、6-ジメトキシベンゾイル)-2、4、4-トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、1,2-オクタンジオン、1-(4-(フェニルチオ)-2,2-(O-ベンゾイルオキシム))、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オンおよび2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルスルフィド等も併用できる。
また上記光重合開始剤に対し、増感剤としては、ベンゾフェノン、4-メチル-ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、2,3,4-トリメチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、3,3‘-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4-(1,3-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、メチル-o-ベンゾイルベンゾエート、〔4-(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン、(4-ベンゾイルベンジル)塩化トリメチルアンモニウム、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-スチリルプロパン-1-オン重合物、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
光重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、またはビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイドを用いることが特に好ましい。
光ラジカル重合開始剤と増感剤は光重合性組成物の全固形分中100質量%に対して1質量%~15質量%の範囲で用いることが好ましい。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性インキには、必要に応じてその他の添加剤を使用することが可能である。
例えば、インキの保存安定性を付与する添加剤として、上記ラジカル重合禁止剤を例示することができる。また、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックス等を例示することができる。
その他、要求性能に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキの製造方法は、従来の活性エネルギー線硬化性インキと同様の方法によって行えばよく、例えば、常温から100℃の間で、上記顔料、本発明の組成物、ラジカル重合性二重結合を有するモノマー、重合禁止剤、光重合開始剤および増感剤、その他添加剤などインキ組成物成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
印刷方法としては、平版印刷(湿し水を使用する通常の平版印刷および湿し水を使用しない水無し平版印刷)、凸版印刷、凹版印刷、孔版印刷、フレキソ印刷などが挙げられ、好ましくはフレキソ印刷である。
印刷物の基材としては、特に制限はなく、紙、プラスチック、シール、ラベル、金属などあらゆる材料への印刷が挙げられ、好ましくは紙への印刷である。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、「部」は、「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
また、本発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミネイションクロマトグラフィ(HLC-8320。)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM-M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。さらに、本発明において、特に断らない限り、「分子量」とは、重量平均分子量を示す。また、水酸基価は、通常の水酸化カリウム滴定法、具体的には、JIS K 0070を準用した方法により求めた。
(合成例1)
攪拌機、ディーンスターク管、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に原料としてグリセリン276.3部、無水コハク酸200.1部を入れ、撹拌しながら加熱し180~200℃に保持した。反応の進行に伴い生成する縮合水を系外へ除きながら反応を行い、理論脱水量に達したところで反応を終了し水酸基含有ポリエステル化合物1(化合物1)を得た。(分子量:510、水酸基価:550mgKOH/g)
(合成例2~8、比較合成例1~2)
表1の組成に従って、各原料を変更した以外は合成例1と同様にして水酸基含有ポリエステル化合物 化合物2~8、比較化合物1~2を得た。
合成したポリエステル化合物の物性をあわせて表1に示す。
なお、表1中の「3価以上のアルコール/全アルコール[mol%]」は、各原料の重量部をそれぞれの分子量で割りモル数に変換し、3価以上のアルコールのモル数を全アルコールのモル数で除したものである。
Figure 2023041621000001
(製造例1)
攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内にイソシアネート化合物(a2)であるトルエン-2,4-ジイソシアネート(TDI)18部、水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)であるジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)を33%含むジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)およびジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物182部、重合禁止剤としてターシャリーブチルヒドロキノン0.1部を入れ、撹拌しながら100℃で5時間反応させた。次いで、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)である化合物1を8.6部入れ、さらに110℃で5時間反応させ硬化性樹脂1を得た。
(製造例2~8、比較製造例1~2)
水酸基含有ポリエステル樹脂である化合物の種類および配合量を表2に従って変更した以外は、製造例1と同様にして、硬化性樹脂2~8、比較硬化性樹脂1~2を得た。
(製造例9)
攪拌機、冷却器、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に合成例1の化合物200部を仕込み、乾燥空気をガス導入管から流しながら60℃まで加熱した。そこにジブチルアミン20.7部とジエタノールアミン16.8部を1時間かけて滴下した。その後80℃まで昇温して4時間保持することで、硬化性樹脂9を得た。
Figure 2023041621000002
(実施例1)
(インキ組成物1(活性エネルギー線硬化性組成物1)の調製)
硬化性樹脂1を8.4部、着色剤としてLIONOL BLUE FG-7400Gを18部、分散剤としてアジスパーPB821を3部、その他重合性化合物としてEBECRYL225を5部、4-アクリロイルモフォリンを15部、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートを20部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを16.6部、光重合開始剤としてイルガキュア369を3部、Chemrak DEABPを3部、SB-P1718を4部、ワックスとしてTワックスコンパウンドを4部加え、バタフライミキサーを用いて撹拌混合し、三本ロールにて最大粒径が15μm以下になるように分散して、インキ組成物1を調製した。
(実施例2~9、比較例1~2)
(インキ組成物2~9、比較インキ組成物1~2の調製)
硬化性樹脂1を表3に従って変更した以外は、インキ組成物1の調製と同様にして、インキ組成物2~9、比較インキ組成物1~2を調製した。
Figure 2023041621000003
上記インキ組成物に使用されている原料の詳細は以下の通りである。
・LIONOL BLUE FG-7400-G:トーヨーカラー株式会社製、C.I.Pigment Blue15:3
・アジスパーPB821:味の素ファインテクノ株式会社製、塩基性官能基含有の櫛形分散剤
・EBECRYL225:ダイセル・オルネクス株式会社製、10官能の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、Mw1,200、有効成分60質量%
・イルガキュア369:BASF社製、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1
・Chemark DEABP:ソート社製、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
・SB-PI718: ソート社製、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフ
ォスフィンオキサイド
・Tワックスコンパウンド:東新油脂株式会社製、ポリエチレンワックス
得られたインキ組成物を、以下の方法により評価を行なった。結果を表3に示す。
[粘度]
得られたインキ組成物を、E型粘度計(東機産業株式会社製 TVE-25型粘度計、type E)を用いて、25℃、回転数100rpmでの粘度を測定した。2以上が、実用上問題ないレベルである。
(評価基準)
5:600mPa・s以上~1400mPa・s未満
4:500mPa・s以上~600mPa・s未満、
あるいは1400mPa・s以上~1600mPa・s未満
3:400mPa・s以上~500mPa・s未満、
あるいは1600mPa・s以上~1800mPa未満
2:300mPa・s以上~400mPa・s未満、
あるいは1800mPa以上・s~2000mPa・s未満
1:300mPa・s未満または2000mPa・s以上
[TI値]
得られたインキ組成物を、E型粘度計(東機産業株式会社製 TVE-25型粘度計、type E)を用いて、25℃、回転数50rpm及び100rpmでの粘度を測定した。そして、50rpmでの粘度を100rpmでの粘度で除算することによりTI値を算出した。3以上を実用上問題ないレベルであると評価する。
(評価基準)
5:1.00以上1.05未満
4:1.05以上1.10未満
3:1.10以上1.15未満
2:1.15以上1.20未満
1:1.20以上
[硬化性]
硬化性については、RIテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、被記録媒体であるコート紙上に0.75cc/1000cmの盛量でベタ画像を印刷(フレキソ印刷)した。その後、コンベア速度を40m/分から160m/分まで、10m/分ごとに変え、LEDランプ(エアーモーションシステム株式会社製「XP-9」、照射距離10mm、出力30%)でインキ組成物を硬化させた。硬化後、インキ塗膜表面を綿棒で擦り、綿棒にインキが擦れ落ちない最も速い速度を評価した。以下の基準により判定した。3以上を実用上問題ないレベルであると評価する。
(評価基準)
5:コンベア速度160m/分でも擦れ落ちない
4:コンベア速度130m/分以上160m/分未満
3:コンベア速度100m/分以上130m/分未満
2:コンベア速度70m/分以上100m/分未満
1:コンベア速度40m/分以上70m/分未満
表3の結果から、実施例に提示した活性エネルギー線硬化樹脂組成物は、単独、およびフレキソインキに組み込んでも、比較例に比べて粘度やTI値は同等ながら、優れた硬化性を発現することがわかった。

Claims (7)

  1. 水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)と、イソシアネート化合物(a2)と、水酸基含有(メタ)アクリル化合物(a3)との反応生成物である樹脂(A)、および
    多官能(メタ)アクリル化合物(B)
    を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
    前記水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)が、3価以上のアルコールを含む多価アルコールと多塩基酸との、OH/COOHモル比が1.5以上の条件で反応させてなる樹脂であり、
    水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の水酸基価が、200mgKOH/g以上であり、水酸基含有ポリエステル樹脂(a1)の重量平均分子量が、250以上3000未満であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. イソシアネート化合物(a2)が、ジイソシアネート化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 3価以上のアルコールがグリセリンを含むことを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、前記樹脂(A)が、樹脂(A)中の(メタ)アクリル基と、2級アミン化合物とをマイケル付加反応させてなる3級アミン構造を有する樹脂を含むことを特徴とする、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含む、オフセットインキ用インキ組成物。
  6. 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含む、フレキソインキ用インキ組成物。
  7. 請求項5または6に記載のインキ組成物を、基材上に印刷してなる印刷物。
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