JP2022088343A - セルロース粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】球形度が高いセルロース粒子を簡便性高く製造できる製造方法、及び、球形度が高く、細孔容積が小さいセルロース粒子を提供する。【解決手段】[1]セルロースを含有する油中水型エマルションと、オクタノール/水分配係数ClogPが0.5以上であるアルコールとを混合し、前記セルロースを析出させてセルロース粒子を得る工程を含む、セルロース粒子の製造方法、及び[2]球形度が0.80以上、細孔容積が0.3mL/g以下である、セルロース粒子である。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース粒子及びその製造方法に関する。
球状粒子は、例えば、滑り性向上等のために化粧料等で使用されている。
ここで、セルロースの球状粒子を製造する方法が知られている。
特許文献1には、セルロース溶液を、該セルロース溶液に不活性な気体の気流中に供給して霧状とし、気相で微小な液滴とする工程;及び液滴を凝固液に接触させて再生セルロース球状粒子を形成する工程を有する、再生セルロース球状粒子の製造方法が記載されている。
特許文献2には、アルカリ水溶液と原料セルロース粉末とを混合して作製したセルロースドープを-12℃より低い温度に冷却する工程と、前記冷却する工程の後に、セルロースドープを15℃より高い温度に調整する工程を含むことを特徴とする多孔質セルロースビーズの製造方法が記載されている。
特開2013-133355号公報 国際公開第2018/186222号
特許文献1の方法は簡便性に課題があり、特許文献2の方法は球状という観点からは十分に検討がなされているとはいえない。
本発明の一実施形態は、球形度が高いセルロース粒子を簡便性高く製造できる製造方法を提供することに関する。
本発明者らは、特定のアルコールとセルロースの油中水型エマルションとを接触させてセルロースを析出させることで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の一実施形態は、次の[1]及び[2]に関する。
〔1〕セルロースを含有する油中水型エマルションと、オクタノール/水分配係数ClogPが0.5以上であるアルコールとを混合し、前記セルロースを析出させてセルロース粒子を得る工程を含む、セルロース粒子の製造方法。
〔2〕球形度が0.80以上、細孔容積が0.3mL/g以下である、セルロース粒子。
本発明の一実施形態によれば、球形度が高いセルロース粒子を簡便性高く製造できる製造方法を提供することができる。また、球形度が高く、細孔容積が小さいセルロース粒子を提供することができる。
実施例1で得られたセルロース粒子の外観及び割断面のSEM画像を示す図である。
[セルロース粒子の製造方法]
本発明の一実施形態のセルロース粒子の製造方法は、セルロースを含有する油中水型エマルションと、オクタノール/水分配係数ClogPが0.5以上であるアルコールとを混合し、前記セルロースを析出させてセルロース粒子を得る工程を含む。
本発明の一実施形態のセルロース粒子の製造方法は、セルロース及び有機溶媒を含有する油中水型エマルションと、オクタノール/水分配係数ClogPが0.5以上であるアルコールとを混合し、前記セルロースを析出させてセルロース粒子を得る工程を含む。
本発明の一実施形態のセルロース粒子の製造方法は、以下の工程(A)~工程(C)をこの順で含むことが好ましい。
工程(A):アルカリ水溶液とセルロースとを混合し、アルカリ水溶液中にセルロースが溶解したセルロース水溶液を得る工程
工程(B):セルロース水溶液と有機溶媒とを混合し、セルロースの油中水型エマルションを得る工程
工程(C):油中水型エマルションと、オクタノール/水分配係数ClogPが0.5以上であるアルコールとを混合し、セルロースを析出させてセルロース粒子を得る工程
本実施形態に係るセルロース粒子の製造方法によれば、球形度が高いセルロース粒子を簡便性高く製造することができる。
本実施形態において、オクタノール/水分配係数ClogPとは、オクタノール相と水相の間での物質の分配を表す尺度をいい、化学物質の疎水性を表す指標となる。ClogPは、Perkin Elmer社のChemDraw Professional 19.1に従って求められる、下式で定義されるオクタノール-水-分配係数(logP)の計算値を表す。
logP=log([物質]オクタノール/[物質]水)
上記式中、[物質]オクタノールは、1-オクタノール相中の物質のモル濃度を示し、[物質]水は、水相中の物質のモル濃度を示す。
本実施形態に係るセルロース粒子の球形度が高い理由は定かではないが、次のように考えられる。
オクタノール/水分配係数ClogPが上記範囲内にあるアルコールは、セルロースの油中水型エマルションの分散媒である有機溶媒との相溶性は良好であるが、分散質である水との相溶性は低い。そのため、セルロースの油中水型エマルションを上記アルコールに接触させると、エマルション中の水分が徐々にアルコールと置換されるため、セルロースの析出速度が遅く、球形度がより高い状態を維持したままセルロースの相分離が起きると考えられる。アルコールと接触後、エマルションの凝集が生じたとしても、セルロースの析出速度が遅いため、同様に球形度の高いセルロース粒子が得られると考えられる。また、セルロースの析出速度が遅いため、粒子の多孔度が低下して中実に近いセルロース粒子が得られると考えられる。
以上の理由から、本実施形態に係るセルロース粒子の製造方法によれば、球形度が高いセルロース粒子を得ることが可能になったと考えられる。
以下、本発明の製造方法で用いられる各成分、及び各工程等について順次説明する。
<工程(A)>
工程(A)は、アルカリ水溶液とセルロースとを混合し、アルカリ水溶液中にセルロースが溶解したセルロース水溶液を得る工程である。ここで、「セルロースが溶解した」状態とは、目視でセルロース水溶液が透明な状態をいい、セルロースの一部が分散状態であってもよい。
本実施形態に係るセルロース粒子の原料に用いるセルロース(以下、「原料セルロース」ともいう。)としては、化学的に純粋なセルロースを用いることができる。また、原料セルロースとしては、例えば、各種木材チップ、各種樹木の剪定枝材、間伐材、枝木材、建築廃材、工場廃材等の木材;木材から製造される木材パルプ、綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等のパルプ;新聞紙、段ボール、雑誌、上質紙等の紙;稲わら、とうもろこし茎等の植物茎・葉;籾殻、パーム殻、ココナッツ殻等の植物殻等の種々のセルロース含有原料を用いることができる。これらの中では、原料中のセルロース純度、セルロースの重合度、及び入手容易性の観点から、各種木材チップ、各種樹木の剪定枝材、間伐材、枝木材、建築廃材、工場廃材等の木材;木材から製造されるウッドパルプ、綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等のパルプが好ましい。
原料セルロースの形状としては、例えば、粉末状、シート状、綿状等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ水溶液への溶解性に優れる観点から、粉末状であることが好ましい。
原料セルロースの重合度は、アルカリ水溶液への溶解性を向上させる観点から、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下であり、得られるセルロース粒子の機械的強度及び球形度をより向上させる観点から、好ましくは10以上、より好ましくは50以上、更に好ましくは100以上、更に好ましくは150以上である。
また、原料セルロースが粉末状である場合、原料セルロースの周長円相当平均径は、取り扱い性や生産性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上であり、アルカリ水溶液への溶解性を向上させる観点から、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
ここで、本実施形態に係る周長円相当径とは、粒子の周長と同じ周長を持つ円の直径のことである。本実施形態に係る周長円相当平均径は、無作為に選択した50個の粒子の周長円相当径の数平均値である。粒子の周長円相当径は、例えば、画像解析式粒度分布測定ソフトウェアMac-View ver.4を使用し、電子顕微鏡(SEM)画像から算出することができる。
本実施形態に係るアルカリ水溶液は、アルカリ性を示し、セルロースを溶解できるものであれば特に限定されない。ここで、「セルロースを溶解できる」とは、例えばアルカリ水溶液に、濃度が4質量%溶液となる分量でセルロースを混合し、目視で溶解を確認できることが挙げられる。
本実施形態に係るアルカリ水溶液中の塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される少なくとも一種がより好ましく、入手容易性の観点から、水酸化ナトリウムが更に好ましい。
上記の塩基性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリ水溶液の塩基性化合物濃度は、セルロースの溶解性を向上させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
また、アルカリ水溶液中の塩基性化合物の濃度は、濃度が異なるアルカリ水溶液を分けて添加して、最終的に上記範囲になるように調整してもよい。
アルカリ水溶液へのセルロースの溶解は、例えば、アルカリ水溶液にセルロースを添加し、撹拌混合することにより行うことが好ましい。
アルカリ水溶液中にセルロースを溶解させる際の温度は、凍結させずにセルロースの溶解性を向上させる観点から、好ましくは-20℃以上、より好ましくは-10℃以上、更に好ましくは-5℃以上であり、好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下、更に好ましくは0℃以下である。
撹拌時間は、製造のスケールや、アルカリ水溶液の濃度、添加量、温度にも依存し、適宜設定されるため特に限定されず、通常、目視でセルロースが溶解されるまでおこなう。
セルロース水溶液のセルロース濃度は、セルロースの溶解性やセルロース水溶液の取り扱い性、目的とするセルロース粒子の粒子径等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、そして好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
<工程(B)>
工程(B)は、工程(A)で得られたセルロース水溶液と有機溶媒とを混合し、セルロースの油中水型エマルションを得る工程である。有機溶媒は、オクタノール/水分配係数ClogPが0.5以上であるアルコールを除くことが好ましい。
本工程では、工程(A)で得られたセルロース水溶液と有機溶媒とを混合することにより、セルロース水溶液が有機溶媒中に乳化した油中水型エマルションを調製することができる。
有機溶媒は、セルロース水溶液の油中水型エマルションを調製でき、エマルションの状態を安定に保つことができるものあれば特に限定されない。
有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogPは、工程(B)において油中水型のエマルションを得る観点、及び得られるセルロース粒子の球形度をより高める観点から、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.90以上、更に好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.2以上、更に好ましくは2.0以上、更に好ましくは3.0以上である。有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogPの上限値は特に限定されないが、例えば、工程(C)におけるアルコールへの溶解性の観点から、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.5以下、更に好ましくは4.0以下である。
本実施形態において、有機溶媒が混合溶媒の場合、有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogPは、混合溶媒を構成する各溶媒のClogPの加重平均値を採用することができる。
有機溶媒としては、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン等の脂環式炭化水素;トルエン、キシレン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、脂肪酸グリセリンエステル等のエステル等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。ここで、本実施形態において、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素及びエステルには一部がハロゲン化されたハロゲン化物も含まれる。これらの観点から、好ましい有機溶媒は、ハロゲン原子を有していてもよい、炭化水素及びエステルから選ばれる一種以上である。
炭化水素及びエステルの炭素数は、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、そして好ましくは22以下、より好ましくは12以下である。
これらの中でも、炭素数が6以上10以下の脂肪族炭化水素、炭素数が6以上10以下の脂環式炭化水素、炭素数が6以上10以下の芳香族炭化水素及び炭素数が4以上10以下のエステルから選択される少なくとも一種が好ましく、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ジクロロベンゼン及びn-ヘキサンから選択される少なくとも一種がより好ましく、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ジクロロベンゼン及びn-ヘキサンから選択される少なくとも一種が更に好ましく、ジクロロベンゼン及びn-ヘキサンから選択される少なくとも一種が更に好ましく、n-ヘキサンが更に好ましい。
有機溶媒の混合量は、セルロース水溶液を十分に乳化できる量であるとともに、目的とするセルロース粒子の粒子径等を考慮して適宜決定すればよいが、油中水型エマルションの乳化安定性を向上させる観点から、セルロース水溶液100質量部に対して、好ましくは100質量部以上、より好ましくは200質量部以上、更に好ましくは300質量部以上、更に好ましくは400質量部以上であり、そして、好ましくは1000質量部以下、より好ましくは800質量部以下、更に好ましくは600質量部以下である。
工程(B)において、油中水型エマルションの乳化安定性を向上させる観点から、セルロース水溶液及び有機溶媒と共に、界面活性剤を更に混合することが好ましい。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、油中水型エマルションの乳化安定性をより向上させる観点から、非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリグリセリン脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。これらの中でも、油中水型エマルションの乳化安定性をより向上させる観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリエーテル変性シリコーンから選択される少なくとも一種が好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びモノオレイン酸ソルビタンから選択される少なくとも一種がより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;アルキルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
界面活性剤は、混合前のセルロース水溶液及び有機溶媒の少なくとも一方に添加してもよいし、セルロース水溶液と有機溶媒とを混合した後の液体に添加してもよいが、混合前の有機溶媒に溶解させておくことが好ましい。
界面活性剤を更に混合する場合、界面活性剤の添加量は、油中水型エマルションの乳化安定性を向上させる観点から、有機溶媒100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上であり、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
セルロースの油中水型エマルションの調製は、例えば、ノニオン界面活性剤を溶解させた有機溶媒にセルロース水溶液を添加し、撹拌混合することにより行うのが好ましい。
例えば、高速乳化分散機等の混合機を用いて、例えば、-20℃以上60℃以下の範囲で混合撹拌する方法が挙げられる。
撹拌時の回転速度を上げるほど形成される液滴は径が小さくなることから、目的とするセルロースの粒子径に応じて、混合器の回転速度を適宜調節することができる。
<工程(C)>
工程(C)は、油中水型エマルションと、オクタノール/水分配係数ClogPが0.5以上であるアルコールとを混合し、セルロースを析出させてセルロース粒子を得る工程である。
本工程では、アルコールと油中水型エマルションとを混合し、エマルション中の水が溶媒と置き換わることにより、セルロースが析出してセルロース粒子が得られる。
アルコールのオクタノール/水分配係数ClogPは、得られるセルロース粒子の球形度をより高める観点から、0.5以上、好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上、同様の観点から、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.3以下である。
本実施形態において、アルコールが2種以上のアルコールを含む混合アルコールの場合、アルコールのオクタノール/水分配係数ClogPは、混合アルコールを構成する各アルコールのClogPの加重平均値を採用することができる。
また、有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogPは、得られるセルロース粒子の球形度をより高める観点から、アルコールのオクタノール/水分配係数ClogPより大きいことが好ましく、[有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogP]-[アルコールのオクタノール/水分配係数ClogP]は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.5以上であり、同様の観点から、好ましくは4.5以下、更に好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.4以下である。
アルコールの25℃における水への溶解度は、セルロース粒子の生産性の観点から、好ましくは0.1g/100mL以上、より好ましくは0.3g/100mL以上、更に好ましくは0.5g/100mL以上であり、得られるセルロース粒子の球形度をより高める観点から、好ましくは100g/100mL以下、より好ましくは50g/100mL以下、更に好ましくは30g/100mL以下、更に好ましくは20g/100mL以下である。
アルコールの炭素数は、得られるセルロース粒子の球形度をより高める観点から、好ましくは4以上であり、そして好ましくは8以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下である。
アルコールとしては、具体的には、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ヘキサノール及び1-ペンタノールから選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
アルコールの混合量は、得られるセルロース粒子の凝集を抑制し、球形度をより高める観点から、油中水型エマルション100質量部に対して、好ましくは500質量部以上、より好ましくは700質量部以上、更に好ましくは900質量部以上であり、そして、好ましくは2000質量部以下、より好ましくは1500質量部以下、更に好ましくは1200質量部以下である。
工程(C)では酸をさらに混合してもよい。酸をさらに混合することで、使用するアルコール量を減らすことができる。この理由は、酸を混合することで、エマルション中の水の排出を促進することができるためと考えられる。
酸としては、無機酸、有機酸であってもよく、具体的には、有機酸を含むことが好ましく、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。その場合に使用する酸はアルコールと相溶することが望ましい。
用いる酸の混合量は、アルコール100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上であり、そして、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
工程(C)において、酸をさらに混合する場合、油中水型エマルションに対して、アルコールと酸を同時に混合してもよいし、逐次的に混合してもよいが、アルコールと酸を同時に混合することが好ましい。
アルコールと油中水型エマルションとの混合は、例えば、アルコールに油中水型エマルションを添加し、撹拌混合することにより行うのが好ましい。ここで、アルコールに油中水型エマルションを添加する際は、液滴同士が結合しないように、アルコールを撹拌した状態で油中水型エマルションを添加することが好ましい。
アルコールと油中水型エマルションとを混合する際の温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは15℃以上であり、球形度をより高める観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下である。
得られたセルロース粒子は、例えば、遠心分離、濾過、デカンテーション、乾燥等の公知の方法を用いて分離して回収することができる。また、回収したセルロース粒子は水やアルコール等で洗浄してもよい。
得られたセルロース粒子は、粒径を調整するために、篩等を用いて分級してもよい。
[セルロース粒子]
本実施形態に係るセルロース粒子の製造方法によれば、球形度が高いセルロース粒子を得ることができる。また、本実施形態に係るセルロース粒子の製造方法によれば、セルロースをアセチル基等により化学修飾する必要がないため、化学修飾基を有さないセルロース粒子を得ることができる。
本実施形態に係るセルロース粒子の球形度は、滑り性を向上させる観点から、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.85以上、更に好ましくは0.88以上、更に好ましくは0.90以上である。本実施形態に係るセルロース粒子の球形度は高ければ高いほど好ましいため、その上限値は特に限定されないが、例えば、1.0以下である。
ここで、本実施形態において、セルロース粒子の球形度は、無作為に選択した50個のセルロース粒子の円形度の数平均値である。セルロース粒子の円形度は、例えば、画像解析式粒度分布測定ソフトウェアMac-View ver.4を使用し、電子顕微鏡(SEM)画像から算出することができる。
また、本実施形態に係るセルロース粒子の周長円相当平均径は、用途により適切な範囲が選択されるため特に限定されないが、取り扱い性や生産性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは5μm以上であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。周長円相当平均径の算出方法は前述したとおりである。
また、本実施形態に係るセルロース粒子の細孔容積は、実施例記載の水銀圧入法で求めることができる。本実施形態に係るセルロース粒子の細孔容積は、圧縮による変形を防いで滑り性を向上させる観点から、好ましくは0.3mL/g以下、より好ましくは0.2mL/g以下、更に好ましくは0.1mL/g以下、更に好ましくは0.05mL/g以下である。本実施形態に係るセルロース粒子の細孔容積は低ければ低いほど好ましいため、その下限値は特に限定されないが、例えば、0.0001mL/g以上であってもよい。
本実施形態に係るセルロース粒子は、例えば、化粧品、トイレタリー用品、オーラルケア用品、医薬部外品、医薬品、ハウスホールド製品、農業製品等に配合又は使用することができる。
また、本実施形態に係るセルロース粒子は、球形度が高く、滑り性に優れているため、化粧品、トイレタリー用品、オーラルケア用品、医薬部外品等に好適に用いることができる。
また、本実施形態に係るセルロース粒子は球形度が高いため、例えば、各種クロマトグラフィー用充填剤、高分子担体、バイオリアクターの担体、検査薬の担体、体液浄化用担体等としても好適に用いることができる。
また、本実施形態に係るセルロース粒子は、天然植物由来のセルロースから構成されているため、環境にやさしく、マイクロプラスチックの代替材料としても好適に用いることができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の態様を開示する。
[1]
セルロース及び好ましくは有機溶媒を含有する油中水型エマルションと、オクタノール/水分配係数ClogPが0.5以上であるアルコールとを混合し、前記セルロースを析出させてセルロース粒子を得る工程を含む、セルロース粒子の製造方法。
[2]
前記オクタノール/水分配係数ClogPが0.6以上4.0以下である、[1]に記載の製造方法。
[3]
前記オクタノール/水分配係数ClogPが0.6以上3.0以下である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
前記オクタノール/水分配係数ClogPが0.7以上2.5以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
前記オクタノール/水分配係数ClogPが0.8以上2.3以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
以下の工程(A)~工程(C)をこの順で含む、[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
工程(A):アルカリ水溶液とセルロースとを混合し、前記アルカリ水溶液中に前記セルロースが溶解したセルロース水溶液を得る工程
工程(B):前記セルロース水溶液と有機溶媒とを混合し、前記油中水型エマルションを得る工程
工程(C):前記油中水型エマルションと、前記アルコールとを混合し、前記セルロースを析出させて前記セルロース粒子を得る工程
[7]
[有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogP]-[アルコールのオクタノール/水分配係数ClogP]が、4.5以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]
[有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogP]-[アルコールのオクタノール/水分配係数ClogP]が、0.5以上4.5以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]
[有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogP]-[アルコールのオクタノール/水分配係数ClogP]が、1.0以上4.0以下である、[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]
[有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogP]-[アルコールのオクタノール/水分配係数ClogP]が、1.5以上3.4以下である、[1]~[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]
前記アルコールの25℃における水への溶解度が0.1g/100mL以上100g/100mL以下である、[1]~[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]
前記アルコールの25℃における水への溶解度が0.3g/100mL以上30g/100mL以下である、[1]~[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]
前記アルコールの25℃における水への溶解度が0.5g/100mL以上20g/100mL以下である、[1]~[12]のいずれかに記載の製造方法。
[14]
前記アルコールの炭素数が4以上8以下である、[1]~[13]のいずれかに記載の製造方法。
[15]
前記アルコールの炭素数が4以上7以下である、[1]~[14]のいずれかに記載の製造方法。
[16]
前記アルコールの炭素数が4以上6以下である、[1]~[15]のいずれかに記載の製造方法。
[17]
前記アルコールが1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ヘキサノール及び1-ペンタノールから選択される少なくとも一種を含む、[1]~[16]のいずれかに記載の製造方法。
[18]
前記有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogPが0.70以上である、[1]~[17]のいずれかに記載の製造方法。
[19]
前記有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogPは、1.0以上6.0以下である、[1]~[18]のいずれかに記載の製造方法。
[20]
前記有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogPは、2.0以上5.0以下である、[1]~[19]のいずれかに記載の製造方法。
[21]
前記有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogPは、3.0以上4.5以下である、[1]~[20]のいずれかに記載の製造方法。
[22]
前記有機溶媒が、ハロゲン原子を有していてもよい、炭化水素及びエステルから選択される少なくとも一種を含む、[1]~[21]のいずれかに記載の製造方法。
[23]
前記アルコールの混合量は、前記油中水型エマルション100質量部に対して、好ましくは500質量部以上2000質量部以下である、[1]~[22]のいずれかに記載の製造方法。
[24]
前記アルコールの混合量は、前記油中水型エマルション100質量部に対して、好ましくは700質量部以上1500質量部以下である、[1]~[23]のいずれかに記載の製造方法。
[25]
前記アルコールの混合量は、前記油中水型エマルション100質量部に対して、好ましくは900質量部以上1200質量部以下である、[1]~[24]のいずれかに記載の製造方法。
[26]
前記セルロース粒子の球形度が0.80以上である、[1]~[25]のいずれかに記載の製造方法。
[27]
前記セルロース粒子の球形度が0.85以上である、[1]~[26]のいずれかに記載の製造方法。
[28]
前記セルロース粒子の球形度が0.90以上である、[1]~[27]のいずれかに記載の製造方法。
[29]
前記工程(C)において、酸をさらに混合する、[1]~[28]のいずれかに記載の製造方法。請求項1~8のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
[30]
前記セルロース粒子の細孔容積が0.3mL/g以下である、[1]~[29]のいずれかに記載の製造方法。
[31]
前記セルロース粒子の細孔容積が0.1mL/g以下である、[1]~[30]のいずれかに記載の製造方法。
[32]
前記セルロース粒子の細孔容積が0.05mL/g以下である、[1]~[31]のいずれかに記載の製造方法。
[33]
球形度が0.80以上、細孔容積が0.3mL/g以下である、セルロース粒子。
[34]
球形度が0.85以上である、[33]に記載のセルロース粒子。
[35]
球形度が0.90以上である、[33]又は[34]に記載のセルロース粒子。
[36]
細孔容積が0.1mL/g以下である、[33]~[35]のいずれかに記載のセルロース粒子。
[37]
細孔容積が0.05mL/g以下である、[33]~[36]のいずれかに記載のセルロース粒子。
[38]
周長円相当平均径が1μm以上300μm以下である、[33]~[37]のいずれかに記載のセルロース粒子。
[39]
周長円相当平均径が2μm以上100μm以下である、[33]~[38]のいずれかに記載のセルロース粒子。
[40]
周長円相当平均径が5μm以上20μm以下である、[33]~[39]のいずれかに記載のセルロース粒子。
[41]
化学修飾基を有していない、[33]~[40]のいずれかに記載のセルロース粒子。
[42]
[1]~[32]のいずれかに記載の製造方法により得られる、[33]~[41]のいずれかに記載のセルロース粒子。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
各種物性については、以下の方法により、測定及び評価を行った。
[測定方法]
(1)電子顕微鏡(SEM)観察
セルロース粒子の乾燥品を、電子顕微鏡(株式会社キーエンス製、VE-9800)を用いて観察し、SEM画像を得た。
(2)球形度の測定
画像解析式粒度分布測定ソフトウェアMac-View ver.4を使用し、得られたSEM画像から無作為にセルロース粒子を50個選択し円形度をそれぞれ測定した。得られた50個の円形度の数平均を球形度とした。円形度は以下の式から算出した。
円形度=4πS/L
ただし、SはSEM画像におけるセルロース粒子1つの面積であり、Lはセルロース粒子1つの周長である。
(3)周長円相当平均径の測定
画像解析式粒度分布測定ソフトウェアMac-View ver.4を使用し、得られたSEM画像から無作為に粒子を50個選択し周長円相当径をそれぞれ測定した。得られた50個の周長円相当径の数平均を周長円相当平均径とした。
(4)細孔容積の測定
株式会社島津製作所製の水銀ポロシメーター(Auto PoreIV 9500)を使用し、水銀圧入法にて評価を実施した。粉体サンプル約0.05gをセルの中に入れ、測定圧0.01MPaから210MPaの範囲で測定を実施した。水銀圧入法では測定圧(圧入圧力)が細孔径と対応しており、測定圧と水銀圧入量の関係から細孔径分布を測定することができる。粒子内細孔の容積を評価するため、細孔径1μm以下の細孔容積の評価を実施した。
[セルロース粒子の製造]
実施例1
(1)工程(A)
原料セルロースには、セルロース粉末(旭化成株式会社製セオラス(登録商標)PH-101、重合度:170、周長円相当平均径:50μm)を使用した。NaOH濃度4質量%の水溶液189.4gにセルロース粉末10.6g加え、-2℃に冷却した。その後、-2℃を保持しつつ、NaOH濃度22質量%の水溶液を50g加えて、スパチュラで素早く撹拌しセルロースを溶解した。
得られたセルロース水溶液はセルロース濃度4質量%、NaOH濃度7.6質量%である。
(2)工程(B)
ノニオン性界面活性剤(花王株式会社製エマルゲン102KG、ポリオキシエチレンラウリルエーテル)2.52gを有機溶媒(n-ヘキサン)180gに加えてスパチュラで予備撹拌した。次いで、工程(A)で得られたセルロース水溶液40gを加え、ホモミクサーMARK II 2.5型(プライミクス株式会社製)を使用して、20℃、4000回転/分の条件で、10分間撹拌混合して乳化させて、セルロースの油中水型エマルションを得た。
(3)工程(C)
工程(B)で得られたエマルションを、セルロース粒子を析出させるためのアルコール(1-ブタノール)に加え、セルロース粒子を析出させた。エマルション50gに対し、500gのアルコールで析出させた。なお、エマルションをアルコールに加える際、スターラーを用いて500回転/分の条件でアルコールを撹拌した。アルコールの温度は室温(20℃)とした。
セルロース粒子を析出させた後、得られた液体を濾紙(Millipore社製OMNIPORE DISC PTFE PHILIC 1.0UM 90MM WH PLN 25/PK、目開き1μm)を使用して減圧濾過(700hPa)した。その後、濾過後の残渣を純水300gに分散し、50%乳酸水溶液を使用して、pH7.0程度になるまで中和した。中和後の液を再度減圧濾過し、純水で洗浄した。回収粉体を、70℃の乾燥器(ヤマト科学株式会社製、ADP300)で乾燥し、セルロース粒子を得た。得られたセルロース粒子の外観及び割断面のSEM画像を図1に示す。また、得られたセルロース粒子の細孔容積は0.0011mL/gであった。
得られたセルロース粒子について前記方法で評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2~9及び比較例1~5
工程(A)~工程(C)の各条件を表1に示す条件に変更した以外は実施例1と同様の方法でセルロース粒子を製造し、前記方法で評価を行った。結果を表1に示す。
ここで、表1におけるSPAN80は東京化成工業株式会社製の界面活性剤(モノオレイン酸ソルビタン)、レオドールSP-O10Vは花王株式会社製の界面活性剤(モノオレイン酸ソルビタン)、変性シリコーンKF-6048は信越化学工業株式会社製の界面活性剤(セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤)、ショ糖脂肪酸エステルER-290は三菱ケミカル株式会社製の界面活性剤(ショ糖エルカ酸エステル)を示す。
また、比較例5では、アルコールの代わりに酢酸を、エマルション100質量部に対して、1000質量部用いた。
実施例10
実施例10では、工程(C)で1-ブタノールと共に酢酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)を、1-ブタノール100質量部あたり、40質量部用いたことを除いて、実施例9と同様にして、セルロース粒子を製造し、前記方法で評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2022088343000001
以上、実施例及び比較例の結果から、本発明の製造方法によれば、球形度が高いセルロース粒子を製造できた。また、本発明の製造方法は、液体の状態で大量処理が可能なため簡便性に優れていた。

Claims (15)

  1. セルロースを含有する油中水型エマルションと、オクタノール/水分配係数ClogPが0.5以上であるアルコールとを混合し、前記セルロースを析出させてセルロース粒子を得る工程を含む、セルロース粒子の製造方法。
  2. 以下の工程(A)~工程(C)をこの順で含む、請求項1に記載のセルロース粒子の製造方法。
    工程(A):アルカリ水溶液とセルロースとを混合し、前記アルカリ水溶液中に前記セルロースが溶解したセルロース水溶液を得る工程
    工程(B):前記セルロース水溶液と有機溶媒とを混合し、前記油中水型エマルションを得る工程
    工程(C):前記油中水型エマルションと、前記アルコールとを混合し、前記セルロースを析出させて前記セルロース粒子を得る工程
  3. [有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogP]-[アルコールのオクタノール/水分配係数ClogP]が4.5以下である、請求項2に記載のセルロース粒子の製造方法。
  4. 前記アルコールの25℃における水への溶解度が0.1g/100mL以上100g/100mL以下である、請求項1~3のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
  5. 前記アルコールの炭素数が4以上8以下である、請求項1~4のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
  6. 前記アルコールが1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ヘキサノール及び1-ペンタノールから選択される少なくとも一種を含む、請求項1~5のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
  7. 前記有機溶媒のオクタノール/水分配係数ClogPが0.70以上である、請求項2~6のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
  8. 前記有機溶媒が、ハロゲン原子を有していてもよい、炭化水素及びエステルから選択される少なくとも一種を含む、請求項2~7のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
  9. 前記セルロース粒子の球形度が0.80以上である、請求項1~8のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
  10. 前記工程(C)において、酸をさらに混合する、請求項1~9のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
  11. 前記セルロース粒子の細孔容積が0.3mL/g以下である、請求項1~10のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
  12. 球形度が0.80以上、細孔容積が0.3mL/g以下である、セルロース粒子。
  13. 周長円相当平均径が1μm以上300μm以下である、請求項12に記載のセルロース粒子。
  14. 球形度が0.90以上、細孔容積が0.05mL/g以下である、請求項12又は13に記載のセルロース粒子。
  15. 請求項1~11のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法により得られる、請求項12~14のいずれかに記載のセルロース粒子。
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