JP2022088147A - 遊星減速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高効率化と低騒音化とを達成することのできる、遊星減速機を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の遊星減速機は、太陽歯車と、内歯歯車と、前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた遊星減速機であって、入力軸に近い側の前記キャリアプレート及び出力軸に近い側の前記キャリアプレートのうち、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面が他の部材と当接する箇所において、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面に、又は、前記他の部材の側面に、又は、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面と前記他の部材の側面との間に、環状部材を配置している。【選択図】図1

Description

本発明は、遊星減速機に関する。
遊星減速機は、入力軸の回転を、遊星歯車減速機構を介して出力軸へ減速して伝達するものである。具体的には、遊星減速機は、駆動源から回転伝達される入力軸と、出力軸との間に、内歯歯車内で自転ならびに公転運動する遊星歯車を設けて遊星歯車を保持し公転運動をするキャリアプレートを出力側に、遊星歯車の中心に位置する太陽歯車を入力側に設けてなる遊星歯車減速機構を有する(例えば、特許文献1~3)。
特開2008-261398号公報 特開2017-201194号公報 特開2019-065899号公報
近年、遊星減速機においては軽量化、コンパクト化が求められ、それらを追求するあまり、遊星減速機全体の剛性が低下し、遊星歯車の支軸や歯面の歪み等により、遊星歯車にスラスト力が発生して、それを内包保持するキャリア全体が軸線方向の片側へと押し付けられる現象が発生する場合があった。このことは、キャリアプレートのスラスト当接面の摩擦抵抗による、遊星減速機の効率の低下を招いていた。さらに、キャリアプレートのクリアランスが過大になると駆動時の衝突音が大きくなってしまうという問題もあった。
そこで、本発明は、高効率化と低騒音化とを達成することのできる、遊星減速機を提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)太陽歯車と、内歯歯車と、前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた遊星減速機であって、
入力軸に近い側の前記キャリアプレート及び出力軸に近い側の前記キャリアプレートのうち、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面が他の部材と当接する箇所において、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面に、又は、前記他の部材の側面に、又は、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面と前記他の部材の側面との間に、環状部材を配置したことを特徴とする、遊星減速機。
(2)1段目の減速機ユニットにおいては、前記環状部材は、前記入力軸側のフランジ面に、又は前記キャリアプレートの側面に固定され、
前記減速機ユニットを複数段有する場合の2段目以降の前記減速機ユニットにおいては、前記環状部材は、前段の前記減速機ユニットの前記出力軸に近い側の前記キャリアプレート、又は後段の前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートに固定されている、上記(1)に記載の遊星減速機。
(3)前記環状部材の前記キャリアプレートとの当接面に、1つ以上の溝を有する、上記(1)又は(2)に記載の遊星減速機。
(4)前記環状部材は、固定具で固定され、
前記固定具を収納する空間部を有し、
前記空間部は、潤滑剤を溜めるように構成され、
前記溝と前記空間部とが連通されている、上記(3)に記載の遊星減速機。
(5)前記環状部材は、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面と前記他の部材の側面との間において、フローティング状態である、上記(1)に記載の遊星減速機。
(6)潤滑剤を溜めるように構成された潤滑剤溜め部を有し、
前記環状部材は、摺動する両側の側面にそれぞれ1つ以上の溝を有し、
前記潤滑剤溜め部に連通し、且つ、両側の側面それぞれの前記溝にも連通する小孔を形成している、上記(5)に記載の遊星減速機。
(7)前記環状部材は、板状部材として一体形成されており、
前記板状部材が、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートに固定されている、上記(1)に記載の遊星減速機。
(8)前記環状部材の前記キャリアプレートとの当接面に、1つ以上の溝を有する、上記(7)に記載の遊星減速機。
(9)前記環状部材は、固定具で固定され、
前記固定具を収納する空間部を有し、
前記空間部は、潤滑剤を溜めるように構成され、
前記溝と前記空間部とが連通されている、上記(8)に記載の遊星減速機。
本発明によれば、高効率化と低騒音化とを達成することのできる、遊星減速機を提供することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる遊星減速機の断面図である。 図1のA-A断面図である。 図1のB-B断面図である。 図2のD-D断面の拡大図である。 図1のC部の拡大図である。 環状部材のキャリアプレートとの当接面に配置した溝の例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる遊星減速機について説明するための図である。 本発明の第2の実施形態にかかる遊星減速機で用いる環状部材を説明するための平面図及び断面図である。 A寸を説明するための図である。 B寸を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態にかかる遊星減速機について説明するための図である。 第3の実施形態における環状部材の取り付けについて説明するための平面図である。 第3の実施形態における環状部材の取り付けについて説明するための平面図である。 本発明の第3の実施形態の変形例を示す図である。 遊星減速機について説明するための斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる遊星減速機の断面図である。また、図14は、遊星減速機について説明するための斜視図である。図1に示すように、この遊星減速機1は、この例で二段の減速機ユニットで構成されている(図14では一段のみの場合を示している)。入力軸6側の前段の減速機ユニットは、太陽歯車2と、内歯歯車3と、太陽歯車2及び内歯歯車3に噛合する、遊星歯車4と、遊星歯車4を保持するキャリアプレート5と、を備えている。また、出力軸7側の後段の減速機ユニットは、内歯歯車3と、内歯歯車3に噛合する遊星歯車4と、遊星歯車4を保持するキャリアプレート5と、を備えている。なお、本発明の遊星減速機は、二段の構成に限定されるものではなく、一段又は三段以上であっても良い。
前段の減速機ユニットでは、例えばモータにより入力軸6が回転して太陽歯車2に回転が入力されると、太陽歯車2の回転は、太陽歯車2と噛合している遊星歯車4に伝達される。遊星歯車4は、遊星支持軸8と一体のキャリアプレート5によって保持されているため、遊星歯車4は、減速機保持ケース24に固定される内歯歯車3の歯面に沿って自転運動しながら公転運動を行い、この公転運動がキャリアプレート5の遊星支持軸8(図5参照)から減速して後段の減速機ユニットの太陽歯車2へ出力される。
後段の減速機ユニットでは、前段の減速機ユニットで減速された、太陽歯車2からの入力により遊星歯車4に伝達される。遊星歯車4は、キャリアプレート5によって保持されているため、遊星歯車4は、減速機保持ケース24に固定される内歯歯車3の歯面に沿って自転運動しながら公転運動を行い、この公転運動が出力軸7から、さらに減速して出力される。
前段及び後段の減速機ユニットにおいて、減速比は、太陽歯車2と、内歯歯車3、ならびに遊星歯車4の歯数を選定することにより適宜調整することができる。
ここで、上記のような構成の遊星減速機では、遊星減速機の遊星歯車4が動力伝達時に遊星支持軸8や各歯面の変形等で姿勢が保てず、軸線方向のスラスト力が発生しキャリア全体が軸線方向(図1における図示の左右)のいずれかに移動する可能性がある。例えば右側(入力軸6側)への移動により、キャリアプレート5のスラスト当接面が摺動することとなるが、このときの摩擦抵抗が遊星減速機の効率を低下させる原因となる。また、スラスト当接面での潤滑剤の不足によっても遊星減速機の効率が低下する。さらに、キャリアプレートのクリアランスが過大になると駆動時の衝突音が大きくなってしまうという問題もあった。
図5は、図1のC部の拡大図である。上記のような問題に対し、図5に示すように、第1の実施形態の遊星減速機1では、前段の減速機ユニットにおいて、入力軸6に近い側(図示右側)のキャリアプレート5b及び出力軸7に近い側(図示左側)のキャリアプレート5aのうち、入力軸6に近い側のキャリアプレート5bの側面が他の部材(1段目においては入力軸6のフランジ面)と当接する箇所において、入力軸6のフランジ面6aに環状部材10(環状の軸方向は遊星支持軸8の軸線方向である)を配置している。環状部材10は、入力軸6のフランジ面6aに固定具(例えばボルト)で固定されている。これにより減速機ユニットの右移動に対して、右側キャリアプレート5bの内周側(キャリアプレート5bの側面が、上記フランジ面6aと当接し得る面である当接面を内周側と外周側とに2等分した際の内周側)で局所的に当接させ、軸線方向右側への移動を規制することができる。なお、本実施例では、環状部材10の固定具による取り付け位置は、入力軸側のフランジ面6a側となっているが、右側キャリアプレート5bの側面側に取り付けてもよく、機能的には変わらない。
さらに、図5に示すように、第1の実施形態では、後段の減速機ユニットにおいて、入力軸6に近い側(図示右側)のキャリアプレート5b及び出力軸7に近い側(図示左側)のキャリアプレート5aのうち、入力軸6に近い側のキャリアプレート5bの側面が他の部材(2段目においては前段の減速機ユニットの右側キャリアプレート5a)と当接する箇所において、前段の減速機ユニットの右側キャリアプレート5aの側面に、環状部材9を配置している。環状部材9は、前段の減速機ユニットの出力軸7側の(左側の)キャリアプレートに固定具(例えばボルト)で固定されている。これにより、前段の減速機ユニットは、軸線方向左側への移動も規制される。この場合においても、前記前段の場合と同様、環状部材9の固定具による取り付け位置は、後段の、右側キャリアプレート5bの側面側に取り付けてもよく、機能的には変わらない。なお、後段の減速機ユニットでは、出力軸7を支持する2列のボールベアリング26a、26bの軸方向拘束手段により軸線方向右側への移動が規制され、また、入力軸6についても2列のボールベアリング28a、28bの軸方向拘束手段により軸線方向右側への移動が規制される構造であることから、本発明では、入力軸と最終段の減速ユニットに挟まれる減速ユニットで適応される。
この構成によれば、遊星減速機1の動力伝達時に、遊星歯車4が、スラスト力を受けて軸方向(図示左右のいずれか)に移動する場合に、キャリアプレート5と環状部材10(9)とを、摺動速度が相対的に遅い内周側で局所的に当接させて、スラスト接触による摩擦抵抗を低減して、遊星減速機の効率を高めることができる。さらに、この構成によれば、環状部材の厚さを適切に選定することで、最適なクリアランスを確保することができるため、クリアランスが狭いことによる焼き付きや、クリアランスが大きいことによる動力伝達時の当接衝撃音を抑制することもできる。環状部材は着脱可能な構成とし、必要なクリアランスに応じた厚さのものに適宜交換することができる。さらに、環状部材10(9)をフランジ面や前段のキャリアプレートに固定する本方式では、摺動する面が確定されるため正確な摺動速度を設計段階で把握できることから、基材の選定や材料選定等で優位である。
ここで、遊星減速機が複数段の減速機ユニットから構成されている場合、各段の減速機ユニットにおいて、上記環状部材を上記の位置に配置することが好ましい。各段の減速機ユニットにおいて上記の効果を得ることができ、前段の減速機ユニットの左移動も規制することができるからである。
図2は、図1のA-A断面図であり、図3は、図1のB-B断面図であり、図4は、図2のD-D断面の拡大図である。図2、図3、図4は、二段の減速機ユニットからなる遊星減速機における2か所(各1か所)での環状部材9(10)の取り付け構造を示している。図2、図4に示すように、環状部材10は、図示例では周上に等間隔(120°の間隔)の3か所において、固定具(ボルト)13により入力軸6側のフランジ面6aに固定されている。また、図3に示すように、環状部材9は、図示例では周上に等間隔(120°の間隔)の3か所において、固定具(ボルト)13により(前段の減速機ユニットの)右側のキャリアプレートの側面に固定されている。
図5に示すように、この遊星減速機では、2つの潤滑剤溜め部12、12aを有している。潤滑剤溜め部12、12aは、潤滑剤(例えばグリス)を溜めておくためのポケット構造のものである。図5に示す例では、出力軸7に近い側の潤滑剤溜め部12aはキャリアプレート5の内周側に位置し、他方の潤滑剤溜め部12は入力軸6側の内周側に位置している。潤滑剤溜め部12、12aに溜められた潤滑剤は、キャリアプレート5の遠心力により、左右のキャリアプレート5の当接面へと流れ込む。
一方で、キャリアプレート5の遠心力によるのみでは潤滑剤がうまく当接面へと流れ込まず、潤滑剤を十分に供給することができない場合もあった。そこで、図4に示すように、固定具13(ボルトの頭部13a)を収納する空間部14が設けられている。空間部14は、潤滑剤(例えばグリス)を溜めるように構成されている。従って、この空間部14もグリスポケットとして機能する。図6は、環状部材のキャリアプレートとの当接面に配置した溝の例を示す平面図(図2のE部の詳細図)である。環状部材10は、キャリアプレート5bとの当接面に、1つ以上の溝10aを有している。図6に示すように、環状部材10は、入力軸6のフランジ6aに固定具13で固定されている。そして、溝10aと空間部14とが連通されている。
このように、環状部材10のキャリアプレート5bとの当接面に、1つ以上の溝10aを有することにより、潤滑剤を溝10aによって当接面へと供給しやすくし、摩擦損失の少ない効率の良い遊星減速機を得ることができる。さらに、溝10aと(潤滑剤が溜まった)空間部14とを連通させることにより、環状部材10のキャリアプレート5bとの当接面の周方向相対速度に対する潤滑剤の楔効果(油膜圧力の発生)を得ることができ、潤滑の持続と最適化により、摩擦損失の少ない効率の良い遊星減速機を得ることができる。
なお、本例では、各固定具13に対応させて(それぞれに)1本の溝10aを設けているが、複数段の減速機ユニットを有する構成において、回転数の小さい後段の減速機ユニットでは、回転数が減速され遠心力が低いため、上記の溝の構成以外にも、単に、環状部材10の内周側から外周側へ連通する溝を設けても良い。溝の面積、個数等は、潤滑剤の粘度や運転条件に応じて適宜設定すれば良い。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態にかかる遊星減速機について説明するための図である。図8は、本発明の第2の実施形態にかかる遊星減速機で用いる環状部材を説明するための平面図及び断面図である。図7に示すように、第2の実施形態の遊星減速機1も、第1の実施形態の遊星減速機1と基本的には同様の構成となっているが、第2の実施形態では、環状部材10が、入力軸6側のフランジ面(2段目以降については前段の減速機ユニットの左側キャリアプレートの側面)に固定具等により固定はされておらず、環状部材10は、入力軸に近い側のキャリアプレート5bの側面と他の部材(1段目では入力軸6、2段目以降では前段の左側キャリアプレート5a)の側面との間において、フローティング状態であるである点で、第1の実施形態と異なっている。この場合でも、軸線方向右側へのスラスト力が発生した場合に、環状部材10とキャリアプレート5bとが当接することとなる。従って、第1の実施形態と同様に、キャリアプレート5bと環状部材10とを、摺動速度が相対的に遅い内周側で局所的に当接させて、スラスト接触による摩擦抵抗を低減して、遊星減速機の効率を高めることができる。さらに、この場合でも、環状部材の厚さを適切に選定することで、最適なクリアランスを確保することができるため、クリアランスが狭いことによる焼き付きや、動力伝達時の当接衝撃音を抑制することもできる。また、前段の減速機ユニットの左移動も規制することができる。また、第2の実施形態のように、環状部材を固定しない方式では、環状部材の左右の当接面で摩擦係数が異なることにより摺動速度が変化するため、幅広い摺動速度条件に対応できる材質の選定が必要となるが、固定ボルトが不要のため、組付け、取り外しが簡便で、製作費の低減効果も得られる。
第2の実施形態にかかる遊星減速機の場合は、環状部材の両側の側面が摺動する可能性があるため、両側の側面へ潤滑剤が供給されるようにすることが好ましい。一例として、図8に示すように、環状部材10の両側の側面に1本以上の溝17を設け、潤滑剤溜め部12から、入力軸挿通孔15に接続された内周側小孔16と溝17とを連通させることにより、両側の側面へ潤滑剤が供給されるようにすることができる。
図9は、A寸を説明するための図であり、図10は、B寸を説明するための図である。環状部材を用いることにより、減速機ユニットの少なくとも1か所において、複数個の厚さランクの環状部材を用意し、適切に潤滑するのに必要な適度なサイドクリアランスの調整を、組付けの最終段階で実行できるようにすることができる。最適なクリアランス「C」は、例えば0.02~0.07mmとすることが、摩擦の低減と衝突音の低減との観点から好ましい。
図9に示すように、組付け工程時の前段の減速機ユニットをモータの内部に挿通させ、右側のキャリアプレートを入力軸側のフランジ面に固定された環状部材に確実に当接させた後(この場合の環状部材の当接面のクリアランス「C」は0とする)、前段の減速機ユニットの挿通口の基準面位置から前段の減速機ユニットの左側のキャリアプレートの環状部材の取り付け面までの距離「A」を計測する。さらに、事前に計測済みである、図10に示す後段の遊星減速機のサブアッシー化された状態での、基準面位置から後段の減速機ユニットの右側のキャリアプレート側面までの幅を「B」としたとき、前段の減速機ユニットと後段の減速機ユニットとの間に設けられる環状部材の厚さtは、以下の式1で表される。
(式1)t=A-B-(2×C)
この厚さの式により、環状部材の厚さのランク選別・組付けをおこなう。前記式において「C」に乗じられた「2」の数字は遊星減速機の段数を示す。本例では、二段の遊星減速機の配置で示しているが、3段以上の遊星減速機の場合でも、最終段の環状部材の厚さでランク調整を行うことができ、N段の場合に、以下の式2、
(式2)t=A-B-(N×C)
で、環状部材の厚さを求めることができる。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態にかかる遊星減速機について説明するための図である。図12A、図12Bは、第3の実施形態における環状部材の取り付けについて説明するための平面図である。図11に示すように、第3の実施形態では、前段の減速機ユニットにおいて、環状部材は、薄い板状部材(シムプレート)19として一体形成されており、板状部材19が、入力軸6に近い側のキャリアプレート5bの側面にボルト等の固定具により固定されている。図11、図12A、図12Bに示すように、板状部材19には、環状突起(環状の軸方向は、キャリア軸の軸線方向)21が形成されており、この部分が第1及び第2の実施形態の環状部材の役割を果たす。後段の減速機ユニットにおいて、環状部材は、板状部材(シムプレート)18として一体形成されており、板状部材18が、後段の減速機ユニットの入力軸6に近い側のキャリアプレート5bにボルト等の固定具により固定されている。
図12Aに示す例では、板状部材19は、平面視で略三角形状であり、3つの頂点位置のそれぞれにおいて固定具13により板状部材19を固定している。図12Bに示す例では、板状部材19は、平面視で略四角形状であり、4つの頂点位置のそれぞれにおいて固定具13により板状部材19を固定している。
この構成によっても、スラスト当接面の構造が第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と同様の作用効果により、遊星減速機の効率を高め、さらに当接衝撃音を抑制することもできる。なお、クリアランスの調整は、板状部材の厚さの調整で行うことができる。特に第3の実施形態のように、板状部材の一部がフローティング設置された遊星支持軸8の端面に重なるようにすることで、フローティング設置された遊星支持軸8の右側への移動を規制する抜け防止手段として利用することができる。
第3の実施形態においても第1の実施形態と同様に、環状部材(ここでは環状突起21)の当接面に、1つ以上の溝21a(図12A、図12B参照)を有することが好ましい。潤滑剤を溝21aによって当接面へと供給しやすくし、摩擦損失の少ない効率の良い遊星減速機を得ることができるからである。また、環状部材は、固定具13で固定される構成で、太陽歯車2の内周側の潤滑剤溜め部のグリスが半径方向の外周側へ溝21aを通して連通することで環状突起21の当接面の周方向相対速度に対する潤滑剤の楔効果(油膜圧力の発生)を得ることができ、潤滑の持続と最適化により、摩擦損失の少ない効率の良い遊星減速機を得ることができる。
(第3の実施形態の変形例)
図13は、本発明の第3の実施形態の変形例を示す図である。キャリアプレート側に環状部材を有する場合の変形例として、図13に示すように、前段の減速機ユニットの場合、入力軸6側の(右側の)キャリアプレートに環状突起を直接取り付けることもできる。この場合も上述の第3の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。この場合、スラスト方向のクリアランスは、加工精度により調整して確保することができる。
ここで、上記各実施形態において、環状部材とキャリアプレートとの摩擦抵抗は小さいことが好ましいため、環状部材に様々な表面処理等を行って摩擦抵抗を小さくすることが好ましい。例えば、耐摩耗性や低摩擦で有効な高硬度材又は樹脂材等を環状部材の基材として用いることが好ましい。さらに耐摩耗性や高効率を求める場合には、当該環状部材の当接面へ硬質皮膜を付与する、あるいは、表面処理により動摩擦係数を低減することや微細な凹凸を形成することも好ましい。この場合、着脱可能な環状部材単品に対して、これらの処理を行うことができるため、容易に所望の表面性状とすることができる。例えば、DLCや、イオンプレーティング、各種硬質メッキ、化成処理、二硫化モリブデン等の表面処理や焼き付け処理等を行うことができる。また、基材として低摩擦で有効な樹脂材やPTFE、PEEK等を選定することもできる。また、基材表面や各表面処理を施行した表面に、ナノレーザー加工や、マイクロピーニング等により、微細溝や微細凹凸面を附加するなど、単品の高機能部品として容易に処理することができる。
1:遊星減速機
2:太陽歯車
3:内歯歯車
4:遊星歯車
5:キャリアプレート
6:入力軸
7:出力軸
8:遊星支持軸
9:環状部材
10:環状部材
11: 潤滑剤溜め部
12:潤滑剤溜め部
13:固定具
14:空間部
15:入力軸挿通孔
16:内周側小孔
17:溝
18:板状部材
19:板状部材
20:環状突起
21:環状突起
22:キャリア軸端当接部
23:出力軸保持ケース
24:減速機保持ケース
25:サークリップ
26a、26b:出力軸保持ベアリング
27:太陽歯車位置決め部材
28a、28b:入力軸保持ベアリング

Claims (9)

  1. 太陽歯車と、
    内歯歯車と、
    前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、
    前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた遊星減速機であって、
    入力軸に近い側の前記キャリアプレート及び出力軸に近い側の前記キャリアプレートのうち、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面が他の部材と当接する箇所において、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面に、又は、前記他の部材の側面に、又は、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面と前記他の部材の側面との間に、環状部材を配置したことを特徴とする、遊星減速機。
  2. 1段目の減速機ユニットにおいては、前記環状部材は、前記入力軸側のフランジ面に、又は前記キャリアプレートの側面に固定され、
    前記減速機ユニットを複数段有する場合の2段目以降の前記減速機ユニットにおいては、前記環状部材は、前段の前記減速機ユニットの前記出力軸に近い側の前記キャリアプレート、又は後段の前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートに固定されている、請求項1に記載の遊星減速
    機。
  3. 前記環状部材の前記キャリアプレートとの当接面に、1つ以上の溝を有する、請求項2に記載の遊星減速機。
  4. 前記環状部材は、固定具で固定され、
    前記固定具を収納する空間部を有し、
    前記空間部は、潤滑剤を溜めるように構成され、
    前記溝と前記空間部とが連通されている、請求項3に記載の遊星減速機。
  5. 前記環状部材は、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートの側面と前記他の部材の側面との間において、フローティング状態である、請求項1に記載の遊星減速機。
  6. 潤滑剤を溜めるように構成された潤滑剤溜め部を有し、
    前記環状部材は、摺動する両側の側面にそれぞれ1つ以上の溝を有し、
    前記潤滑剤溜め部に連通し、且つ、両側の側面それぞれの前記溝にも連通する小孔を形成している、請求項5に記載の遊星減速機。
  7. 前記環状部材は、板状部材として一体形成されており、
    前記板状部材が、前記入力軸に近い側の前記キャリアプレートに固定されている、請求項1に記載の遊星減速機。
  8. 前記環状部材の前記キャリアプレートとの当接面に、1つ以上の溝を有する、請求項7に記載の遊星減速機。
  9. 前記環状部材は、固定具で固定され、
    前記固定具を収納する空間部を有し、
    前記空間部は、潤滑剤を溜めるように構成され、
    前記溝と前記空間部とが連通されている、請求項8に記載の遊星減速機。
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