JP2022087730A - プリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビアホールの形状の段差が抑制されたプリント配線板等の提供。【解決手段】第1面を有する樹脂層、樹脂層の第1面に接し且つ樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層、及び、内層回路基板をこの順で備えたプリント配線板であって、樹脂層及び絶縁層を厚さ方向に貫通するビアホールを有し、ビアホールのトップ径をa(μm)とし、ビアホール内の第1面の端部から、第1面と絶縁層との接触面の端部までの距離をd(μm)としたとき、[d/{(1/2)×a}]×100≦5の関係を満たす、プリント配線板。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板、その製造方法、並びにプリント配線板の絶縁層の形成に用いる樹脂組成物及び樹脂シートに関する。
近年、変性ポリイミド又は液晶ポリマー等電気特性に優れた絶縁材料を用いることで高周波特性の求められる基板のニーズが高まってきている。変性ポリイミド又は液晶ポリマー等を積層するには高温処理が必要になる。よって、熱硬化性樹脂をボンディングシートとし、ボンディングシートと変性ポリイミド又は液晶ポリマー等電気特性に優れた絶縁材料とを2層化することが一般的である。このようなボンディングシートとしては、例えば、特許文献1に記載されている樹脂組成物を含めて数多くなされてきている。
特開2017-59779号公報
近年、プリント配線板の電気特性等を向上させるために、変性ポリイミド又は液晶ポリマー等の層を内層回路基板に積層させることがある。このような層を単層で積層させるには、一般に、高温条件下による処理が要求される。そこで、通常は、ボンディングシートとして機能する絶縁層を用いて積層させることが多い。ボンディングシートとは、接着性を有するシートで、多層を形成するそれぞれの層の間に設けることにより各層を貼り合わせるとともに、各層を絶縁する絶縁層として機能する。
プリント配線板を製造するにあたって、絶縁層及び変性ポリイミド等の層にビアホールを形成することがある。「ビアホール」とは、通常、絶縁層及び変性ポリイミド等の層を貫通する孔を表す。ビアホールを形成する方法として、レーザーを用いる方法が考えられる。
本発明者らは、レーザーを照射すると熱が発生し、この熱により絶縁層と変性ポリイミド等の層との間に界面剥離が生じたり、絶縁層のビアホール周囲の樹脂がより侵食されたりすることで、絶縁層と変性ポリイミド等の層との界面付近でビアホールの断面形状に段差が生じる場合があることを見出した。また、通常、ビアホールを形成後にデスミア処理を行うが、各層の表面の粗化の進行度合いは各層に含まれる成分によって異なることから、デスミア処理を行うことで絶縁層と変性ポリイミド等の層との界面付近でビアホールの断面形状に段差が生じてしまう場合があることを見出した。この段差が大きいと、電気接続の信頼性が劣る場合がある。
本発明の課題は、ビアホールの形状の段差が抑制されたプリント配線板;その製造方法、並びにプリント配線板の絶縁層の形成に用いる樹脂組成物及び樹脂シートを提供することにある。
すなわち、本発明は、下記の内容を含む。
[1] 第1面を有する樹脂層、樹脂層の第1面に接し且つ樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層、及び、内層回路基板をこの順で備えたプリント配線板であって、
樹脂層及び絶縁層を厚さ方向に貫通するビアホールを有し、
ビアホールのトップ径をa(μm)とし、
ビアホール内の第1面の端部から、第1面と絶縁層との接触面の端部までの距離をd(μm)としたとき、
[d/{(1/2)×a}]×100≦5の関係を満たす、プリント配線板。
[2] ビアホールのトップ径が50μm以下である、[1]に記載のプリント配線板。
[3] 樹脂組成物が、無機充填材を含む、[1]又は[2]に記載のプリント配線板。
[4] 無機充填材の含有量が、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%以下である、[3]に記載のプリント配線板。
[5] 樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数が、40ppm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のプリント配線板。
[6] 樹脂層が、熱可塑性樹脂で形成されている、[1]~[5]のいずれかに記載のプリント配線板。
[7] 樹脂層が、ポリイミド樹脂、及び液晶ポリマーのいずれかを含む、[1]~[6]のいずれかに記載のプリント配線板。
[8] 無機充填材を含む樹脂組成物であって、
樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合の無機充填材の含有量が50質量%以下である、ボンディングシート用樹脂組成物。
[9] 支持体と、該支持体上に設けられた、[8]に記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む、樹脂シート。
[10] (A)[9]に記載の樹脂シートの樹脂組成物層の支持体と接合していない面に樹脂層を形成する工程、
(B)内層回路基板上に、樹脂層が形成された樹脂シートを積層し、樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程、
(C)樹脂層の表面にプラズマ処理を行い、樹脂層及び絶縁層を貫通するビアホールを形成する工程、
(D)粗化処理する工程、及び
(E)樹脂層の表面に導体層を形成する工程、を含む、プリント配線板の製造方法。
本発明によれば、ビアホールの形状の段差が抑制されたプリント配線板;その製造方法、並びにプリント配線板の絶縁層の形成に用いる樹脂組成物及び樹脂シートを提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るプリント配線板を模式的に示す断面図である。
以下、実施形態及び例示物を示して、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に挙げる実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
本発明のプリント配線板、及びその製造方法を説明する前に、プリント配線板の絶縁層の形成に用いられる樹脂組成物、及びプリント配線板を製造する際に用いる樹脂シートについて説明する。
[樹脂組成物]
絶縁層の形成に用いられる樹脂組成物の硬化物は絶縁層であるとともに、内層回路基板と樹脂層とを接着させるボンディングシートとして機能しうる。よって、樹脂組成物はボンディングシート用として用いられるものでありうる。
樹脂組成物としては、その硬化物が十分な絶縁性及び接着性を有するものであればよい。斯かる樹脂組成物としては、例えば、(a)硬化性樹脂を含む組成物が挙げられる。樹脂組成物は、(a)成分に加えて、必要に応じて、さらに、(b)無機充填材、(c)硬化促進剤、(d)熱可塑性樹脂、(e)エラストマー、及び(f)その他の添加剤を含んでいてもよい。以下、樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
<(a)硬化性樹脂>
樹脂組成物は、(a)硬化性樹脂を含有する。(a)硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられるが、プリント配線板の絶縁層を形成する際に使用され得る熱硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アミン系樹脂、酸無水物系樹脂等が挙げられる。(a)成分は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。以下、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アミン系樹脂、酸無水物系樹脂のように、エポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させることができる樹脂を、まとめて「硬化剤」ということがある。樹脂組成物としては、絶縁層を形成する観点から、(a)成分として、エポキシ樹脂及び硬化剤を含むことが好ましく、エポキシ樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂及びフェノール系樹脂のいずれかを含むことがより好ましく、エポキシ樹脂、シアネートエステル系樹脂及び活性エステル系樹脂のいずれかを含むことがさらに好ましい。
(a)成分としてのエポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、(a)成分として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、(a)成分の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。樹脂組成物は、(a)成分として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよいが、本発明の効果を顕著に得る観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含むことが好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、シクロヘキサン型エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」、三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)成分として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、好ましくは1:0.1~1:20、より好ましくは1:1~1:15、特に好ましくは1:5~1:10である。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比が斯かる範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。さらに、通常は、樹脂シートの形態で使用する場合に、適度な粘着性がもたらされる。また、通常は、樹脂シートの形態で使用する場合に、十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する。さらに、通常は、十分な破断強度を有する硬化物を得ることができる。
(a)成分としてのエポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5000g/eq.、より好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、さらに好ましくは80g/eq.~2000g/eq.、さらにより好ましくは110g/eq.~1000g/eq.である。この範囲となることで、樹脂組成物の硬化物の架橋密度が十分な硬化体をもたらすことができる。エポキシ当量は、1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
(a)成分としてのエポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(a)成分としてのエポキシ樹脂の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す硬化物を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
(a)成分としてのエポキシ樹脂の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下である。樹脂成分とは、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分のうち、(b)無機充填材を除いた成分をいう。
(a)成分としての活性エステル系樹脂としては、1分子中に1個以上の活性エステル基を有する樹脂を用いることができる。中でも、活性エステル系樹脂としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する樹脂が好ましい。当該活性エステル系樹脂は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に、耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系樹脂が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系樹脂がより好ましい。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系樹脂の好ましい具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂、ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系樹脂、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系樹脂が挙げられる。中でも、ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系樹脂の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含むナフタレン型活性エステル系樹脂として「EXB9416-70BK」、「EXB-8100L-65T」、「EXB-8150L-65T」、「EXB-8150-65T」、「HPC-8150-60T」、「HPC-8150-62T」、「HPB-8151-62T」(DIC社製)、「PC1300-02-65T」(エア・ウォーター社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系樹脂として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系樹脂として「YLH1026」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系樹脂として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系樹脂として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);「EXB-8500-65T」(DIC社製);等が挙げられる。
(a)成分としての活性エステル系樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
(a)成分としての活性エステル系樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上であり、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
(a)成分としてのフェノール系樹脂及びナフトール系樹脂としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するものが好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系樹脂が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系樹脂がより好ましい。
フェノール系樹脂及びナフトール系樹脂の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN-495V」「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA-3018-50P」、「EXB-9500」等が挙げられる。
(a)成分としてのフェノール系樹脂及びナフトール系樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
(a)成分としてのフェノール系樹脂及びナフトール系樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
(a)成分としてのシアネートエステル系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル、等の2官能シアネート樹脂;フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂;これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマー;などが挙げられる。シアネートエステル系樹脂の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」、「PT30S」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「ULL-950S」(多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。シアネートエステル系樹脂は、樹脂組成物が(b)無機充填材を含まない場合の硬化剤として用いることが好ましい。
(a)成分としてのベンゾオキサジン系樹脂の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OD100」(ベンゾオキサジン環当量218)、「JBZ-OP100D」(ベンゾオキサジン環当量218)、「ODA-BOZ」(ベンゾオキサジン環当量218);四国化成工業社製の「P-d」(ベンゾオキサジン環当量217)、「F-a」(ベンゾオキサジン環当量217);昭和高分子社製の「HFB2006M」(ベンゾオキサジン環当量432)等が挙げられる。
(a)成分としてのカルボジイミド系樹脂の具体例としては、日清紡ケミカル社製のカルボジライト(登録商標)V-03(カルボジイミド基当量:216、V-05(カルボジイミド基当量:216)、V-07(カルボジイミド基当量:200);V-09(カルボジイミド基当量:200);ラインケミー社製のスタバクゾール(登録商標)P(カルボジイミド基当量:302)が挙げられる。
(a)成分としてのアミン系樹脂としては、1分子内中に1個以上のアミノ基を有する樹脂が挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、本発明の所望の効果を奏する観点から、芳香族アミン類が好ましい。アミン系樹脂は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系樹脂の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、ジフェニルジアミノスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン系樹脂は市販品を用いてもよく、例えば、日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」、三菱ケミカル社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
(a)成分としての酸無水物系樹脂としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する樹脂が挙げられる。酸無水物系樹脂の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
(a)成分としてエポキシ樹脂及び硬化剤を含有する場合、エポキシ樹脂とすべての硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01~1:5の範囲が好ましく、1:0.05~1:3がより好ましく、1:0.1~1:2がさらに好ましい。ここで、「エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在するエポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「硬化剤の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する硬化剤の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。(a)成分として、エポキシ樹脂と硬化剤との量比をかかる範囲内とすることにより、柔軟性に優れる硬化体を得ることができる。
(a)成分としての硬化剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
(a)成分としての硬化剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、15質量%以下である。
<(b)無機充填材>
樹脂組成物は、(b)無機充填材を含有していてもよい。(b)無機充填材の材料としては、無機化合物を用いる。無機充填材の材料の例としては、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも炭酸カルシウム、シリカが好適であり、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては、球状シリカが好ましい。(b)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)成分の市販品としては、例えば、デンカ社製の「UFP-30」;日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SP60-05」、「SP507-05」、「SPH516-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;アドマテックス社製の「SC2500SQ」などが挙げられる。
(b)成分の比表面積としては、好ましくは1m/g以上、より好ましくは2m/g以上、特に好ましくは3m/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m/g以下、50m/g以下又は40m/g以下である。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
(b)成分の平均粒径は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。
(b)成分の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で(C)成分の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出できる。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA-960」等が挙げられる。
(b)成分は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、ビニルシラン系カップリング剤、(メタ)アクリル系カップリング剤、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、ビニルシラン系カップリング剤、(メタ)アクリル系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤が好ましい。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM1003」(ビニルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM503」(3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量部は、0.2質量部~5質量部の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量部~3質量部で表面処理されていることが好ましく、0.3質量部~2質量部で表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及びシート形態での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
(b)成分の含有量は、線熱膨張係数を低くし、ビアホールの断面段差を抑制する観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以下、より好ましくは48質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下であり、好ましくは0質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、30質量%以上である。
また、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、樹脂成分の量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは52質量%以上、更に好ましくは55質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下である。
<(c)硬化促進剤>
樹脂組成物は、(c)硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
(c)硬化促進剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、特に好ましくは0.03質量%以上であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。
(c)硬化促進剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、特に好ましくは0.03質量%以上であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。
<(d)熱可塑性樹脂>
樹脂組成物は、(d)熱可塑性樹脂を含有していてもよい。(d)熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、フェノキシ樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(d)熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは38000以上、より好ましくは40000以上、さらに好ましくは42000以上である。上限は、好ましくは100000以下、より好ましくは70000以下、さらに好ましくは60000以下である。(d)熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、(d)熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として島津製作所社製LC-9A/RID-6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K-800P/K-804L/K-804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「FX280」及び「FX293」、三菱ケミカル社製の「YX7800BH30」、「YX8000BH30」、「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、例えば、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」、積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006-37083号公報記載のポリイミド)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002-12667号公報及び特開2000-319386号公報等に記載のポリイミド)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、三菱ガス化学社製のオリゴフェニレンエーテル・スチレン樹脂「OPE-2St 1200」等が挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「スミプロイK」等が挙げられる。ポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、GE社製の「ウルテム」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合樹脂;ポリプロピレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン系エラストマー等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂等が挙げられる。
中でも、(d)熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。したがって好適な一実施形態において、熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される1種以上を含む。中でも、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂が好ましく、重量平均分子量が40,000以上のフェノキシ樹脂が特に好ましい。
(d)熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。上限は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
(d)熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは30.5量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
<(e)エラストマー>
樹脂組成物は、(e)エラストマーを含有していてもよい。(e)成分としてのエラストマーは、柔軟性を有する樹脂であり、好ましくは、ゴム弾性を有する樹脂または他の成分と重合してゴム弾性を示す樹脂である。ゴム弾性としては、例えば、日本工業規格(JIS K7161)に準拠し、温度25℃、湿度40%RHにて、引っ張り試験を行った場合に、1GPa以下の弾性率を示す樹脂が挙げられる。
一実施形態において、(e)エラストマーは、分子内に、ポリブタジエン構造、ポリシロキサン構造、ポリ(メタ)アクリレート構造、ポリアルキレン構造、ポリアルキレンオキシ構造、ポリイソプレン構造、ポリイソブチレン構造、ポリカーボネート構造、ポリスチレン構造から選択される1種以上の構造を有する樹脂であることが好ましい。「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及びアクリレートを指す。
また、別の一実施形態において、(e)エラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下の樹脂及び25℃以下で液状である樹脂から選択される1種以上であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が25℃以下である樹脂のガラス転移温度は、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下である。ガラス転移温度の下限は特に限定されないが、通常-15℃以上とし得る。また、25℃で液状である樹脂としては、好ましくは20℃以下で液状である樹脂、より好ましくは15℃以下で液状である樹脂である。ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定)により測定しうる。
(e)エラストマーは、通常、有機溶剤に溶解しうる不定形の樹脂成分である。この(e)エラストマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(e)エラストマーとしては、例えば、ポリブタジエン構造を含有する樹脂が挙げられる。ポリブタジエン構造は、主鎖に含まれていてもよく、側鎖に含まれていてもよい。また、ポリブタジエン構造は、一部又は全てが、水素添加されていてもよい。ポリブタジエン構造を含有する樹脂を「ポリブタジエン樹脂」ということがある。ポリブタジエン樹脂の具体例としては、クレイバレー社製の「Ricon 130MA8」、「Ricon 130MA13」、「Ricon 130MA20」、「Ricon 131MA5」、「Ricon 131MA10」、「Ricon 131MA17」、「Ricon 131MA20」、「Ricon 184MA6」(酸無水物基含有ポリブタジエン)、日本曹達社製の「GQ-1000」(水酸基、カルボキシル基導入ポリブタジエン)、「G-1000」、「G-2000」、「G-3000」(両末端水酸基ポリブタジエン)、「GI-1000」、「GI-2000」、「GI-3000」(両末端水酸基水素化ポリブタジエン)、ナガセケムテックス社製の「FCA-061L」(水素化ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂)、等が挙げられる。また、ポリブタジエン樹脂の具体例としては、ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を原料とする線状ポリイミド(特開2006-37083号公報、国際公開第2008/153208号に記載のポリイミド)、フェノール性水酸基含有ブタジエン等が挙げられる。該ポリイミド樹脂のブタジエン構造の含有率は、好ましくは60質量%~95質量%、より好ましくは75質量%~85質量%である。該ポリイミド樹脂の詳細は、特開2006-37083号公報、国際公開第2008/153208号の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
(e)エラストマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート構造を含有する樹脂が挙げられる。ポリ(メタ)アクリレート構造を含有する樹脂を「ポリ(メタ)アクリル樹脂」ということがある。ポリ(メタ)アクリル樹脂の具体例としては、ナガセケムテックス社製のテイサンレジン、根上工業社製の「ME-2000」、「W-116.3」、「W-197C」、「KG-25」、「KG-3000」等が挙げられる。
(e)エラストマーとしては、例えば、ポリカーボネート構造を含有する樹脂が挙げられる。ポリカーボネート構造を含有する樹脂を「ポリカーボネート樹脂」ということがある。ポリカーボネート樹脂の具体例としては、旭化成ケミカルズ社製の「T6002」、「T6001」(ポリカーボネートジオール)、クラレ社製の「C-1090」、「C-2090」、「C-3090」(ポリカーボネートジオール)等が挙げられる。またヒドロキシル基末端ポリカーボネート、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を原料とする線状ポリイミドを使用することもできる。該ポリイミド樹脂のカーボネート構造の含有率は、好ましくは60質量%~95質量%、より好ましくは75質量%~85質量%である。該ポリイミド樹脂の詳細は、国際公開第2016/129541号の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
(e)エラストマーとしては、例えば、ポリシロキサン構造を含有する樹脂が挙げられる。ポリシロキサン構造を含有する樹脂を「シロキサン樹脂」ということがある。シロキサン樹脂の具体例としては、信越シリコーン社製の「SMP-2006」、「SMP-2003PGMEA」、「SMP-5005PGMEA」、アミン基末端ポリシロキサンおよび四塩基酸無水物を原料とする線状ポリイミド(国際公開第2010/053185号、特開2002-12667号公報及び特開2000-319386号公報等)等が挙げられる。
(e)エラストマーとしては、例えば、ポリアルキレン構造又はポリアルキレンオキシ構造を含有する樹脂が挙げられる。ポリアルキレン構造を含有する樹脂を「アルキレン樹脂」ということがある。また、ポリアルキレンオキシ構造を含有する樹脂を「アルキレンオキシ樹脂」ということがある。ポリアルキレンオキシ構造は、炭素原子数2~15のポリアルキレンオキシ構造が好ましく、炭素原子数3~10のポリアルキレンオキシ構造がより好ましく、炭素原子数5~6のポリアルキレンオキシ構造が特に好ましい。アルキレン樹脂及びアルキレンオキシ樹脂の具体例としては、旭化成せんい社製の「PTXG-1000」、「PTXG-1800」等が挙げられる。
(e)エラストマーとしては、例えば、ポリイソプレン構造を含有する樹脂が挙げられる。ポリイソプレン構造を含有する樹脂を「イソプレン樹脂」ということがある。イソプレン樹脂の具体例としては、クラレ社製の「KL-610」、「KL613」等が挙げられる。
(e)エラストマーとしては、例えば、ポリイソブチレン構造を含有する樹脂が挙げられる。ポリイソブチレン構造を含有する樹脂を「イソブチレン樹脂」ということがある。イソブチレン樹脂の具体例としては、カネカ社製の「SIBSTAR-073T」(スチレン-イソブチレン-スチレントリブロック共重合体)、「SIBSTAR-042D」(スチレン-イソブチレンジブロック共重合体)等が挙げられる。
(e)エラストマーとしては、例えば、ポリスチレン構造を含有する樹脂が挙げられる。ポリスチレン構造を含有する樹脂を「スチレン樹脂」ということがある。スチレン樹脂としては、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン-ブタジエンジブロック共重合体、水素化スチレン-ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン-イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン-ブタジエンランダム共重合体等が挙げられる。スチレン樹脂の具体例としては、水添スチレン系熱可塑性エラストマー「H1041」、「タフテックH1043」、「タフテックP2000」、「タフテックMP10」(旭化成社製);エポキシ化スチレン-ブタジエン熱可塑性エラストマー「エポフレンドAT501」、「CT310」(ダイセル社製);ヒドロキシル基を有する変成スチレン系エラストマー「セプトンHG252」(クラレ社製);カルボキシル基を有する変性スチレン系エラストマー「タフテックN503M」、アミノ基を有する変性スチレン系エラストマー「タフテックN501」、酸無水物基を有する変性スチレン系エラストマー「タフテックM1913」(旭化成ケミカルズ社製);未変性スチレン系エラストマー「セプトンS8104」(クラレ社製);スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体「FG1924」(Kraton社製)が挙げられる。
(e)エラストマーの数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000以上、より好ましくは1500以上、さらに好ましくは3000以上、特に好ましくは5000以上であり、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは900,000以下である。数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を使用して、ポリスチレン換算で測定できる。
(e)エラストマーの含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。
(e)エラストマーの含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
<(f)その他の添加剤>
樹脂組成物は、上述した成分以外に、任意の成分として、更にその他の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、難燃剤;有機充填材;有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物;増粘剤;消泡剤;レベリング剤;密着性付与剤;着色剤等の樹脂添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。それぞれの含有量は当業者であれば適宜設定できる。
樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合成分を、必要により溶媒等とともに、回転ミキサーなどを用いて混合・分散する方法などが挙げられる。
樹脂組成物を、190℃で1.5時間硬化させた硬化物(絶縁層)は、通常、線熱膨張係数(CTE)が低いという特性を示す。線熱膨張係数としては、好ましくは55ppm/℃以下、より好ましくは50ppm/℃以下、さらに好ましくは40ppm/℃以下である。線熱膨張係数は、セイコーインスツル社製の熱機械的分析装置(TMA、SS6100)によって測定することができ、詳細は後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。
[樹脂シート]
樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた、樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含む。樹脂組成物は、上記において説明したとおりである。
樹脂組成物層の厚みは、プリント配線板の薄型化、及び当該樹脂組成物の硬化物が薄膜であっても絶縁性に優れた硬化物を提供できるという観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下、30μm以下、20μm以下である。樹脂組成物層の厚みの下限は、特に限定されないが、通常、1μm以上、5μm以上等とし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ社製の「ルミラーT60」、帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等のアルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルム;デュポンフィルム社製の「U2-NR1」;等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
一実施形態において、樹脂シートは、さらに必要に応じて、その他の層を含んでいてもよい。斯かるその他の層としては、例えば、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に設けられた、支持体に準じた保護フィルム等が挙げられる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを抑制することができる。
樹脂シートは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類;セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN-メチルピロリドン等のアミド系溶剤等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
樹脂シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。樹脂シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
[プリント配線板、プリント配線板の製造方法]
本発明の一実施形態に係るプリント配線板1は、図1に一例を示すように、内層回路基板2、上述した樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層3、及び、樹脂層4をこの順に備える。樹脂層4は、絶縁層3側の表面としての第1面4aと、この第1面4aとは反対側の表面としての第2面4bとを有する。樹脂層4の第1面4aには絶縁層3が接しているので、通常、樹脂層4と絶縁層3との間には他の層は無い。また、図1に示すように、通常は、樹脂層4の第2面4bには、導体層5が設けられうる。そして、絶縁層3及び樹脂層4には、当該絶縁層3及び樹脂層4を厚さ方向に貫通するビアホール6が形成されている。このビアホール6は、一般に、導体層5と内層回路基板2が備える配線等の金属層(図示せず)との導通に用いられる。例えば、樹脂層4の第2面4b上だけでなくビアホール6内にも導体層5(図示せず)が形成されて、導体層5と内層回路基板2の金属層との導通が達成される。
前記のビアホール6内には、樹脂層4の第1面4aの位置において、段差が形成されることがありうる。このような段差は、例えば、下記のような仕組みで形成されうる。通常、ビアホール6を形成した後、ビアホール6内のスミアを除去するために、デスミア処理を行う。デスミア処理では、一般に、酸化剤溶液を絶縁層3及び樹脂層4に接触させる。このデスミア処理では、酸化剤溶液との接触により、絶縁層3及び樹脂層4に含まれる樹脂成分の脱落及び溶解が生じて、各層の表面の粗化が進行する。このとき、各層の表面の粗化の進行度合いは、各層に含まれる成分によって異なりうる。よって、樹脂層4の第1面4aの位置に、段差が形成されうる。
前記のような段差が形成されると、ビアホール6内の第1面4aの端部41と、第1面4aと絶縁層3との接触面の端部42との間には、距離dが空くことがある。ここで、「ビアホール6内の第1面4aの端部41」とは、別に断らない限り、第1面4aの端部のうち、ビアホール6の中心に近い側の端部を表す。また、「第1面4aと絶縁層3との接触面の端部42」とは、別に断らない限り、第1面4aと絶縁層3との接触面の端部のうち、ビアホール6の中心に近い側の端部を表す。また、前記の距離dを、以下、「段差距離」dということがある。
レーザーを照射してビアホール6を形成した場合、レーザー照射によって発生した熱により、樹脂層4と絶縁層3との間で界面剥離が生じうる。また、レーザー照射による熱によって絶縁層3のビアホール6周囲の樹脂が劣化しうる。これらの界面剥離及び樹脂劣化が生じると、デスミア処理の際に絶縁層3が大きく浸食され、その結果、段差距離dが大きくなることがあった。このように段差距離dが大きくなると、ビアホール6内に導体層5を形成するにあたって、導体層が形成されない箇所が発生し、電気接続において信頼性が劣る場合がある。
本発明のプリント配線板1では、樹脂組成物中の成分を調整し、更に好ましくはビアホール6をプラズマ処理で形成することで、段差距離dを小さくすること可能となる。具体的には、ビアホール6のトップ径a(μm)と、ビアホール6内の段差距離d(μm)とが、
[d/{(1/2)×a}]×100≦5
の関係を満たすことが可能となる。ここで、ビアホール6のトップ径aとは、別に断らない限り、ビアホール6の内層回路基板2とは反対側の開口の直径を表す。これにより、ビアホール6内に導体層5を形成するにあたって、導体層が形成されない箇所の発生が抑制され、電気接続において信頼性を向上させることができる。
[d/{(1/2)×a}]×100の値は、通常5以下、好ましくは4.5以下、より好ましくは4以下である。また、好ましくは0以上、より好ましくは0.5以上等とし得る。[d/{(1/2)×a}]×100は、後述する実施例の記載に沿って測定することができる。
本発明のプリント配線板は、通常、ビアホールの底面及び側壁の、無機充填材が掘り出された箇所の凹凸差を小さくすることができる。その結果、ビアホール内に形成された導体層の厚みを均一にすることが可能となり、電気接続において信頼性を向上させることが可能となる。本発明の樹脂組成物が無機充填材を含む場合、無機充填材は平均粒径が小さく、その含有量が樹脂組成物の不揮発成分を100質量%としたとき50質量%以下とすることで凹凸差を小さくすることができる。
絶縁層の厚みとしては、プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下、30μm以下、20μm以下であり、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上である。
樹脂層の厚みとしては、プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下、30μm以下、20μm以下であり、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上である。
絶縁層と樹脂層との合計厚みとしては、プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80μm以下、60μm以下、40μm以下であり、好ましくは2μm以上、より好ましくは6μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。
樹脂層の厚みをbとし、絶縁層の厚みをcとしたとき、プリント配線板の薄型化の観点から、b/cとしては、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1.5以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。
本発明のプリント配線板の製造方法は、
(A)樹脂シートの樹脂組成物層の支持体と接合していない面に樹脂層を形成する工程、
(B)内層回路基板上に、樹脂層が形成された樹脂シートを積層し、樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程、
(C)樹脂層の表面にプラズマ処理を行い、ビアホールを形成する工程、
(D)粗化処理する工程、及び
(E)樹脂層の表面に導体層を形成する工程、を含む。
本発明のプリント配線板で用いる絶縁層は、各層を絶縁する絶縁層として機能するとともに、内層回路基板と樹脂層とを接着させるボンディングシートして機能する。
プリント配線板の製造方法は、工程(A)、工程(B)、工程(C)、工程(D)及び工程(E)の順で行うことが好ましい。以下、プリント配線板の製造方法の各工程について説明する。
<工程(A)>
工程(A)は、樹脂シートの樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に樹脂層を形成する。具体的には、フィルム状の樹脂層を樹脂組成物層の支持体と接合していない面に積層させることで樹脂組成物層上に樹脂層を形成する。樹脂組成物層と樹脂層との積層は、後述する内層回路基板と樹脂組成物層との積層条件と同様でありうる。また、有機溶剤に樹脂層の材料を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて樹脂組成物層上に塗布し、さらに乾燥させて樹脂層を形成してもよい。有機溶剤は上記したとおりである。
樹脂層は、熱可塑性樹脂で形成されていてもよい。樹脂層の材料としては、例えば、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、アラミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドが挙げられる。中でも、樹脂層の材料としては、ポリイミド樹脂、及び液晶ポリマーのいずれかであることが好ましい。
樹脂層の表面は、コロナ処理、プラズマ処理、又はUV処理が施されていてもよい。このような樹脂層を使用することで、樹脂層と絶縁層との密着力を高めることができる。コロナ処理、プラズマ処理、又はUV処理の処理条件は、樹脂層の材料等に応じて適宜決定してよい。
また、工程(A)では、樹脂層及び銅箔等の金属箔が積層した積層板を、樹脂層が樹脂組成物層の支持体と接合していない面側となるように積層板を樹脂組成物層に積層させ、樹脂組成物層上に樹脂層を形成してもよい。この場合、工程(A)終了後工程(B)開始前、又は工程(B)終了後に金属箔はエッチングにより除去される。
樹脂層は市販品を用いてもよく、例えば、クラレ社製「Vecstar-FCCL:CTF-25」、ポリイミド銅張積層板(エスパネックス:MC12-25-00HRM、新日鐵化学社製)が挙げられる。
本発明のプリント配線板は、通常、樹脂組成物層と樹脂層との間のラミネート性に優れるという特性を示す。これにより、ビアホール内に形成された導体層の厚みを均一にすることが可能となり、電気接続において信頼性を向上させることが可能となる。ラミネート性は具体的に樹脂シートの樹脂組成物層の支持体と接合していない面に樹脂層を形成する。樹脂層を形成した樹脂シートを適切な大きさにカットすると、通常、カット部分から樹脂層及び樹脂組成物層の密着不足によりカット周辺部に浮きが確認されない。ラミネート性は、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。
<工程(B)>
工程(B)は、内層回路基板上に、樹脂層が形成された樹脂シートを積層し、樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程である。工程(B)では、通常、内層回路基板の主表面上に絶縁層を形成する。内層回路基板の主表面とは、絶縁層が設けられる、内層回路基板の表面を表す。
工程(B)を行うにあたって、(B-1)内層回路基板を準備する工程を含んでいてもよい。内層回路基板は、通常、支持基板と、支持基板の表面に設けられた金属層を備える。金属層は、内層回路基板の主表面に露出している。
支持基板の材料としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。金属層の材料としては、銅箔、キャリア付き銅箔、後述する導体層の材料等が挙げられ、銅箔が好ましい。
工程(B)では、例えば、内層回路基板の主表面上に、樹脂層が形成された樹脂シートの樹脂組成物層を積層させ、樹脂組成物層を熱硬化させることで絶縁層を形成する。
内層回路基板と樹脂シートの積層は、例えば、支持体を剥離した後に樹脂層側から樹脂シートを内層回路基板に加熱圧着することにより行うことができる。通常、前記の積層は、内層回路基板と樹脂組成物層とが接合するように行われる。樹脂シートを内層回路基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シートに直接プレスするのではなく、内層回路基板の表面凹凸に樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層回路基板と樹脂シートの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃~160℃、より好ましくは80℃~140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を樹脂層側からプレスすることにより、積層された樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
樹脂シートを内層回路基板に積層した後、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度は好ましくは120℃~240℃、より好ましくは150℃~220℃、さらに好ましくは170℃~210℃である。硬化時間は好ましくは5分間~120分間、より好ましくは10分間~100分間、さらに好ましくは15分間~100分間とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上115℃以下、より好ましくは70℃以上110℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間、さらに好ましくは15分間~100分間)予備加熱してもよい。
なお、樹脂シートを用いて絶縁層を形成する代わりに、内層回路基板の主表面上に直接樹脂組成物を塗布した後に樹脂層を形成し、樹脂組成物を熱硬化させることで絶縁層を形成してもよい。その際の絶縁層を形成する条件は、樹脂シートを用いて絶縁層を形成する条件と同様である。また、塗布する樹脂組成物は上記において説明したとおりである。樹脂層は、樹脂組成物上に積層させることで形成され、樹脂層及びその積層条件は上記において説明したとおりである。
工程(B)終了後工程(C)を行う前に、絶縁層にビアホールを効果的に形成するために、プラズマ処理用のマスクを絶縁層上に形成する工程を行ってもよい。マスクを形成する工程は、例えば、(B-2)樹脂層上にドライフィルムをラミネートする工程、及び(B-3)フォトマスクを用いてドライフィルムに露光及び現像を行い、パターンドライフィルムを得る工程を含んでいてもよい。
工程(B-2)では、内層回路基板の主表面上に形成された樹脂層上にドライフィルムをラミネートする。樹脂層とドライフィルムとの積層条件は、内層回路基板と樹脂シートとの積層条件と同様であり得る。
工程(B-2)にて用いるドライフィルムとしては、露光及び現像によりパターンドライフィルムが得られるものであれば良く、工程(C)でのプラズマ処理に対して耐性があるフィルムであればなお良い。また、ドライフィルムとしては、フォトレジスト組成物からなる感光性のドライフィルムを用いることができる。このようなドライフィルムとしては、例えば、ノボラック樹脂、アクリル樹脂等の樹脂で形成されたドライフィルムを用いることができる。
ドライフィルムの厚みとしては、ビアホールの加工性を向上させる観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上、さらに好ましくは20μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。
工程(B-3)において、所定のパターンを有するフォトマスクを通して、活性エネルギー線を照射し露光を行う。露光の詳細は、通常、ドライフィルムの表面に、フォトマスクを通して活性エネルギー線を照射して、ドライフィルムの露光部分を光硬化させる。活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられ、紫外線が好ましい。紫外線の照射量及び照射時間は、ドライフィルムに応じて適切に設定できる。露光方法としては、例えば、マスクパターンをドライフィルムに密着させて露光する接触露光法、マスクパターンをドライフィルムに密着させずに平行光線を使用して露光する非接触露光法などが挙げられる。
露光後、現像を行うことでドライフィルムの露光部分及び非露光部分の一方(通常は、非露光部分)を除去して、マスクとしてパターンドライフィルムを形成する。現像は、ウェット現像、ドライ現像のいずれを行ってもよい。現像の方式としては、例えば、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング方式、スクラッピング方式等が挙げられる。
後述する工程(C)において、パターンドライフィルムをマスクとしプラズマ処理を行い、ビアホールを形成する。
<工程(C)>
工程(C)は、樹脂層の表面にプラズマ処理を行い、樹脂層及び絶縁層にビアホールを形成する工程である。絶縁層は本発明の樹脂組成物の硬化物を含むので、プラズマ処理にてビアホールを形成しても、ビアホール内の第1面の端部から第1面と絶縁層との積層面の端部までの段差距離dを小さくすることができ、その結果、電気接続において信頼性を向上させることが可能となる。また、プラズマ処理は、サンドブラスト処理とは異なり、熱可塑性樹脂のように柔軟な材料で樹脂層が形成されている場合でも、ビアホールを円滑に形成できる。
プラズマ処理は、プラズマ発生装置内にガスを導入することで発生させたプラズマで、樹脂層の表面を処理することで、樹脂層及び絶縁層にビアホールを形成する。プラズマの発生方法としては特に制限はなく、マイクロ波によりプラズマを発生させるマイクロ波プラズマ、高周波を用いた高周波プラズマ、大気圧下で発生させる大気圧プラズマ、真空下で発生させる大気圧プラズマ等が挙げられ、真空下で発生させる大気圧プラズマが好ましい。
また、工程(C)で用いるプラズマは、高周波で励起するRFプラズマであることが好ましい。
プラズマ化する気体としては、絶縁層中の樹脂成分の硬化物のみをエッチングし、無機充填材を脱落させる気体を用いることができる。このような気体としては、CF、Ar、O、N及びこれらの組み合わせからなるガスが好ましく、O及びCF、Ar、Nを含む混合ガスがより好ましく、CF及びOの混合ガスがさらに好ましい。
プラズマ処理における照射時間としては、絶縁層がプラズマ加工性に優れる樹脂組成物を含むので、1分以上が好ましく、2分以上がより好ましく、3分以上がさらに好ましい。上限については特に限定されないが、60分以下が好ましく、30分以下がさらに好ましく、20分以下がより好ましい。
本発明はプラズマ処理にてビアホールを形成するので、ビアホールのトップ径aを小さくすることができる。前記のトップ径aとしては、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、20μm以下である。下限は特に限定されないが、1μm以上等とし得る。
<工程(D)>
工程(D)は、樹脂層及び絶縁層表面を粗化処理する工程であり、詳細は、工程(C)により脱落した絶縁層及び樹脂層に含まれる樹脂成分及び無機充填材等の異物を、処理液によりビアホールから除去する工程である。工程(C)後の樹脂層及び絶縁層の表面には、異物が存在しうる。この異物には、例えばプラズマ処理によって掘り出された無機充填材、又は樹脂層の樹脂成分が含まれ得る。この異物は導体層の密着強度の低下の原因となり得る。そこで、これら異物を除去するために工程(D)を行う。工程(D)の詳細は、工程(C)終了後、樹脂層表面を処理液に接触させて前記の異物を除去する工程である。工程(D)は1回行ってもよく、複数回行ってもよい。
工程(D)の手順、条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理することができる。粗化処理に用いる膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」、「スウェリングディップ・セキュリガントP」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃~90℃の膨潤液に絶縁層を1分間~20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃~80℃の膨潤液に絶縁層を5分間~15分間浸漬させることが好ましい。粗化処理に用いる酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃~100℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間~30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%~10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、粗化処理に用いる中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。中和液による処理は、酸化剤による粗化処理がなされた処理面を30℃~80℃の中和液に1分間~30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による粗化処理がなされた対象物を、40℃~70℃の中和液に5分間~20分間浸漬する方法が好ましい。
<工程(E)>
工程(E)は、樹脂層の表面に導体層を形成する工程である。また、この工程では、通常、ビアホール内にも導体層が形成される。よって、導体層は、ビアホール内に露出した絶縁層の表面にも形成されていてもよい。導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、硬化体と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm~35μm、好ましくは5μm~30μmである。
工程(E)の好適な一実施形態として、導体層はスパッタにより形成する。スパッタにより導体層を形成するに際して、通常、まずスパッタにより、樹脂層表面に導体シード層を形成した後、スパッタにより該導体シード層上に導体スパッタ層が形成される。スパッタによる導体シード層形成前に、逆スパッタにより樹脂層表面をクリーニングしてもよい。該逆スパッタに用いるガスとしては、各種のガスを用いることができるが、中でもAr、O、Nが好ましい。シード層がCu及びCu合金の場合はArまたはOあるいはAr、O混合ガス、シード層がTiの場合はArまたはNあるいはAr、N混合ガス、シード層がCr及びCr合金(ニクロムなど)の場合はArまたはOあるいはAr、O混合ガスが好ましい。スパッタは、マグネトロンスパッタ、ミラートロンスパッタ等の各種スパッタ装置を用いて行うことができる。導体シード層を形成する金属としては、Cr、Ni、Ti、ニクロム等が挙げられる。特にCr、Tiが好ましい。導体シード層の厚みは通常、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上であり、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下となるように形成される。導体スパッタ層を形成する金属としては、Cu、Pt、Au、Pd等が挙げられる。特にCuが好ましい。導体スパッタ層の厚みは、通常、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、好ましくは3000nm以下、より好ましくは1000nm以下となるように形成される。
スパッタにより導体層を形成した後、該導体層上に、さらに電解銅めっきにより銅めっき層を形成してもよい。銅めっき層の厚みは、通常、好ましくは5μm以上、より好ましくは8μm以上であり、好ましくは75μm以下、より好ましくは35μm以下となるように形成される。回路形成には、サブトラクティブ法、セミアディティブ法等の公知の方法を用いることができる。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、プリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明の製造方法により得られたプリント配線板を用いて製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
本発明の半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、等が挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものでは無い。以下の説明において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示の無い限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。また、以下に説明する操作は、別途明示の無い限り、常温常圧の環境で行った。
<使用した無機充填材>
無機充填材1:球状シリカ(デンカ社製「UFP-30」、平均粒径0.078μm、比表面積30.7m/g)100部に対して、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM573)2部で表面処理したもの。
無機充填材2:球形シリカ(アドマテックス社製「SC2500SQ」、平均粒径0.63μm、比表面積11.2m/g)100部に対して、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM573)1部で表面処理したもの。
<樹脂組成物1の調製>
ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)6部、ナフタレン型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ESN475V」、エポキシ当量約332)5部、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YL7760」、エポキシ当量約238)15部、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製「HP6000L」、エポキシ当量約213)2部、シクロヘキサン型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「ZX1658GS」、エポキシ当量約135)2部、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YL7500BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:メチルエチルケトン(MEK)の1:1溶液、Mw=44000)2部、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製「P2000」スチレン/エチレン・ブチレン・ブタジエン比=67/33)5部を、ソルベントナフサ20部及びシクロヘキサノン10部及びトルエン10部の混合溶剤に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック系硬化剤(DIC社製「LA-3018-50P」、水酸基当量約151、固形分50%の2-メトキシプロパノール溶液)4部、活性エステル系硬化剤(DIC社製「HP-B-8151-62T」、活性基当量238、固形分62%のトルエン溶液)6部、無機充填材1を30部、アミン系硬化促進剤(4-ジメチルアミノピリジン(DMAP))0.05部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散した後に、カートリッジフィルター(ROKITECHNO社製「SHP020」)で濾過して、樹脂組成物1を調製した。
<樹脂組成物2の調製>
樹脂組成物1の調製において、無機充填材1の量を30部から60部に変えた。以上の事項以外は樹脂組成物1の調製と同様にして樹脂組成物2を調製した。
<樹脂組成物3の調製>
樹脂組成物1の調製において、無機充填材1 30部を、無機充填材2 60部に変えた。以上の事項以外は樹脂組成物1の調製と同様にして樹脂組成物3を調製した。
樹脂組成物1~3の調製に用いた成分とその配合量を下記表に示した。なお、下記表中の略語等は以下のとおりである。
YX4000HK:ビキシレノール型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製、エポキシ当量約185g/eq.
ESN475V:ナフタレン型エポキシ樹脂、新日鉄住金化学社製、エポキシ当量約332g/eq.
YL7760:ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製、エポキシ当量約238g/eq.
HP6000L:ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、DIC社製、エポキシ当量約213g/eq.
・ZX1658GS:シクロヘキサン型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製、エポキシ当量約135g/eq.
・BS230S:シアネート系硬化剤、ロンザジャパン社製、シアネート当量232g/eq.
・LA-3018-50P:トリアジン骨格含有クレゾールノボラック系硬化剤、DIC社製、水酸基当量約151g/eq.、固形分50%の2-メトキシプロパノール溶液
・HPB-8151-62T:DIC社製、活性基当量238g/eq.、固形分62%のトルエン溶液
・YX7500BH30:フェノキシ樹脂、三菱化学社製、固形分30質量%のシクロヘキサノン:メチルエチルケトン(MEK)の1:1溶液、Mw=44000
・P2000:旭化成社製、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン/エチレン・ブチレン・ブタジエン比=67/33)
・DMAP:アミン系硬化促進剤、4-ジメチルアミノピリジン
・硬化剤の含有量:樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合の硬化剤の含有量
・活性エステル系硬化剤の含有量:樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合の活性エステル系硬化剤の含有量
・無機充填材の含有量:樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合の無機充填材の含有量
Figure 2022087730000002
<樹脂シートの作製>
支持体として、アルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL-5」)で離型処理したPETフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃、「離型PET」)を用意した。樹脂組成物1~4をそれぞれ支持体の離型剤上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが15μmとなるよう、ダイコーターにて均一に塗布し、70℃から95℃で2分間乾燥することにより、離型PET上に樹脂組成物層を得た。次いで、樹脂シートの支持体と接合していない面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子エフテックス社製「アルファンMA-411」、厚み15μm)の粗面を、樹脂組成物層と接合するように積層した。これにより、離型PET(支持体)、樹脂組成物層、及び保護フィルムの順からなる樹脂シートを得た。
<樹脂組成物層等の厚みの測定>
厚みは、接触式膜厚計(ミツトヨ社製、MCD-25MJ)を用いて、測定した。
<評価用基板の作製>
(1)シリコンウェハの用意
基板として、片面に銅層を積層したシリコンウェハ(銅の厚さ1μm、基板厚み0.8mm、8インチサイズ)を用意し、130℃のオーブンに投入後30分間乾燥した。
(2)樹脂層のラミネート
作製した各樹脂シートから保護フィルムを剥がし、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製、1ステージビルドアップラミネーター、V160)を用いて、液晶ポリマーフィルム(Vecstar-FCCL:CTF-25、クラレ社製、厚み25μm)が樹脂組成物層に接するようにラミネートした。ラミネートは20秒減圧して気圧を13hPa以下とし、上板の温度を80℃、下板の温度を60℃として大気圧で20秒間圧着させた。これを、樹脂層をラミネートした樹脂シートAという。
なお、実施例3は、液晶ポリマーフィルム(Vecstar-FCCL:CTF-25、クラレ社製)を、フレキシブルポリイミド銅張積層板(エスパネックス:MC12-25-00HRM、新日鐵化学社製)に変え、ポリイミドフィルムが樹脂組成物層に接するようにラミネートした。
(3)樹脂層をラミネートした樹脂シートとシリコンウェハとのラミネート
樹脂層をラミネートした各樹脂シートAから支持体を剥がし、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製、2ステージビルドアップラミネーター、CVP700)を用いて、樹脂組成物層がシリコンウェハと接するように、ウェハの片面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、130℃、圧力0.74MPaにて45秒間圧着させることにより実施した。次いで、120℃、圧力0.5MPaにて75秒間熱プレスを行った。
(4)樹脂組成物層の熱硬化
樹脂シートがラミネートされたシリコンウェハを、100℃のオーブンに投入後30分間、次いで180℃のオーブンに移し替えた後30分間、熱硬化して絶縁層を形成した。これにより絶縁層と樹脂層との合計厚みが40μmの基板Aを得た。この時、フレキシブル銅張積層板の銅は塩化鉄(III)によりエッチアウトした。
(5)ドライフィルムのパターン形成
基板Aの樹脂層表面に厚さ20μmのドライフィルム(ニッコー・マテリアルズ社製、「ALPHO 20A263」)を貼りあわせた。ドライフィルムの積層は、バッチ式真空加圧ラミネーター(名機製作所社製「MVLP-500」)を用いて、30秒間減圧して気圧を13hPa以下にした後、圧力0.1MPa、温度70℃にて、20秒間加圧して行った。その後、ビアパターンを有するガラスマスクをドライフィルムの保護層であるポリエチレンテレフタレートフィルム上に置き、UVランプにより照射強度150mJ/cmにてUV照射を行い、トップ径が40μmのビアホールが形成されるようパターニングを行った。UV照射後、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて噴射圧0.15MPaにて30秒間スプレー処理した。
(6)プラズマ加工
実施例1~3は、真空プラズマエッチング装置(ニッシン社製M120W)を使用して、CF/Oを混合比1:7(sccm)にて、圧力120Paの条件にて、40分間処理を行い、ビア加工基板の樹脂層にトップ径(直径)が約40μmのビアホールを形成し、その後ドライフィルムを剥離し、ビア評価基板を得た。
(7)UV-YAGレーザービア加工
比較例3は、UV-YAGレーザー加工機(ビアメカニクス社製「LU-2L212/M50L」)を使用して、基板Aの樹脂層にレーザー光を照射して、トップ径(直径)が約40μmの複数個のビアホールを形成した。レーザー光の照射条件は、パワー0.8W、ショット数50であった。この基板をレーザー評価基板とする。
レーザー評価基板を、膨潤液(アトテックジャパン社製「スウェリングディップ・セキュリガントP」、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び水酸化ナトリウムの水溶液)に、60℃で5分間浸漬した。次に粗化液(アトテックジャパン社製のコンセントレート・コンパクトP(KMnO:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液))に、80℃で15分間浸漬した。最後に中和液(アトテックジャパン社製のリダクションショリューシン・セキュリガントP(硫酸の水溶液))に40℃で5分間浸漬した。80℃で30分乾燥した。
<ビアホール断面の観察>
ビア評価基板及びレーザー評価基板を150℃で30分間加熱した後、スパッタリング装置(キャノンアネルバ社製「E-400S」)を用いて、樹脂層上に銅層(厚さ200nm)を形成した。その後FIB-SEM複合装置(SIIナノテクノロジー社製「SMI3050SE」)を用いて、断面観察を行い、[d/{(1/2)×a}]×100を求めた。また、以下の基準で評価した。
〇:[d/{(1/2)×a}]×100が5%以下。
×:[d/{(1/2)×a}]×100が5%を超える。
<ビアホール壁面の観察>
ビア評価基板及びレーザー評価基板を150℃で30分間加熱した後、スパッタリング装置(キャノンアネルバ社製「E-400S」)を用いて、絶縁層上に銅層(厚さ200nm)を形成した。その後FIB-SEM複合装置(SIIナノテクノロジー社製「SMI3050SE」)を用いて、断面観察を行い以下の基準で評価した。
〇:絶縁層及び樹脂層に形成されたビアホールの壁面に銅層が均一且つ途切れることなく形成されている。
×:凹凸により銅層が均一に形成されていない。
<ラミネート性の評価>
樹脂層付き樹脂シートAを、シリコンウェハへのラミネートを実施する際に適切な大きさにカットし、以下の基準で評価した。
〇:カット部分から樹脂層及び樹脂組成物層の密着不足によりカット周辺部に浮きが確認されない。
×:カット部分から樹脂層及び樹脂組成物層の密着不足によりカット周辺部に浮きが確認される。
<線熱膨張係数(CTE)の測定>
(評価用硬化物の作製)
離型剤処理されたPETフィルム(リンテック社製「501010」、厚み38μm、240mm角)の離型剤未処理面に、ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(松下電工社製「R5715ES」、厚み0.7mm、255mm角)を重ね四辺をポリイミド接着テープ(幅10mm)で固定した(以下、「固定PETフィルム」)。
樹脂組成物1~3をアルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL-5」)で離型処理したPETフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃、以下「離型PET」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80℃~120℃(平均100℃)で10分間乾燥し樹脂シートを得た。各樹脂シート(厚み40μm、200mm角)を、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター、CVP700)を用いて、樹脂組成物層が固定PETフィルムの離型剤処理面と接するように、中央にラミネート処理し、樹脂シートを得た。ラミネート処理は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。
次いで、支持体付き樹脂シートから離型PETを剥離した後、190℃のオーブンに投入後1.5時間の硬化条件で熱硬化させた。
熱硬化後、ポリイミド接着テープを剥がし、硬化物をガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板から取り外し、更にPETフィルム(リンテック社製「501010」)も剥離して、シート状の硬化物を得た。得られた硬化物を「評価用硬化物」と称する。
評価用硬化物を幅5mm、長さ15mmの試験片に切断し、セイコーインスツル社製の熱機械的分析装置(TMA、SS6100)を用いて、引張加重法にて熱機械分析を行った。詳細には、試験片を前記熱機械分析装置に装着した後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。そして2回の測定において、25℃から150℃までの範囲における平面方向の線熱膨張係数(ppm/℃)を算出した。
Figure 2022087730000003
比較例1、2は、樹脂シートの樹脂組成物層と樹脂層とをラミネートすることができなかったため、ビアホールのトップ径等を観察、測定することができなかった。
1 プリント配線板
2 内層回路基板
3 絶縁層
4 樹脂層
4a 第1面
4b 第2面
41 ビアホール内の第1面の端部
42 第1面と絶縁層との接触面の端部
5 導体層
6 ビアホール
a トップ径
d 段差距離

Claims (10)

  1. 第1面を有する樹脂層、樹脂層の第1面に接し且つ樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層、及び、内層回路基板をこの順で備えたプリント配線板であって、
    樹脂層及び絶縁層を厚さ方向に貫通するビアホールを有し、
    ビアホールのトップ径をa(μm)とし、
    ビアホール内の第1面の端部から、第1面と絶縁層との接触面の端部までの距離をd(μm)としたとき、
    [d/{(1/2)×a}]×100≦5の関係を満たす、プリント配線板。
  2. ビアホールのトップ径が50μm以下である、請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 樹脂組成物が、無機充填材を含む、請求項1又は2に記載のプリント配線板。
  4. 無機充填材の含有量が、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%以下である、請求項3に記載のプリント配線板。
  5. 樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数が、40ppm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプリント配線板。
  6. 樹脂層が、熱可塑性樹脂で形成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のプリント配線板。
  7. 樹脂層が、ポリイミド樹脂、及び液晶ポリマーのいずれかを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のプリント配線板。
  8. 無機充填材を含む樹脂組成物であって、
    樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合の無機充填材の含有量が50質量%以下である、ボンディングシート用樹脂組成物。
  9. 支持体と、該支持体上に設けられた、請求項8に記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む、樹脂シート。
  10. (A)請求項9に記載の樹脂シートの樹脂組成物層の支持体と接合していない面に樹脂層を形成する工程、
    (B)内層回路基板上に、樹脂層が形成された樹脂シートを積層し、樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程、
    (C)樹脂層の表面にプラズマ処理を行い、樹脂層及び絶縁層を貫通するビアホールを形成する工程、
    (D)粗化処理する工程、及び
    (E)樹脂層の表面に導体層を形成する工程、を含む、プリント配線板の製造方法。
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