JP2023028959A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属ビアパッドとビアホール内のメッキとの間のボイド及び隙間の発生を抑制し、導通信頼性を向上可能なプリント配線板の製造方法等の提供。【解決手段】(A)金属ビアパッドが形成された基板上に、樹脂組成物を含む樹脂組成物層及び金属箔の順で積層させる工程、(B)樹脂組成物層を硬化させ、絶縁層を形成する工程、(C)金属ビアパッド上にビアホールを形成する工程、(D)金属箔を除去する工程、及び(E)導体層を形成する工程、をこの順で含み、金属箔を、25℃のエッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE1(μm/min)とし、金属ビアパッドの金属種を、25℃の該エッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE2(μm/min)としたとき、E1/E2≧1.5を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板の製造方法、及び金属箔付き樹脂シートに関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化が進み、プリント配線板においては、配線の微細化及びビアホールの小径化が求められている。このため、例えば、特許文献1のように、平滑面に無電解メッキを行う方法、及び特許文献2のように銅箔等の金属箔を利用し、金属箔に形成された表面凹凸を樹脂組成物層に転写する方法等が検討されている。
特開2004-031583号公報 特開2015-221870号公報
金属箔を利用し、金属箔に形成された表面凹凸を樹脂組成物層に転写する方法において、樹脂組成物層に金属箔の表面凹凸を転写した後、通常、金属箔及び絶縁層上にビアホールを形成し、金属箔をエッチングにて除去する。
しかし、金属箔をエッチングにて除去する際、ビアホール底部に有する金属ビアパッドもエッチングされてしまう。このため、エッチング後に絶縁層上及びビアホール内にメッキ導体層を形成すると、図7のように金属ビアパッド12とビアホール13内のメッキ30との間にボイド(図示せず)及び界面41のいずれかが発生することがある。ボイドが存在することで導通信頼性が劣ることがあり、界面が発生することでメッキの剥離が起こり、導通信頼性が劣ることがある。また、図8のようにエッチングにより金属ビアパッド12のへこみ12aが発生してしまうことで金属ビアパッド12とビアホール13内のメッキ40との間に隙間が発生すると、導通信頼性が劣ることがある。特に、ビアパッドの径が小さい場合に導通信頼性の悪化が顕著に表れる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明は、ビアパッドとビアホール内のメッキとの間のボイド及び隙間の発生を抑制し、導通信頼性を向上可能なプリント配線板の製造方法;及びその製造方法に用いる金属箔付き樹脂シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討した結果、金属箔のエッチングレートと、基板の金属ビアパッドのエッチングレートとが所定の関係を満たすと上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)金属ビアパッドが形成された基板上に、樹脂組成物を含む樹脂組成物層及び金属箔の順で積層させる工程、
(B)樹脂組成物層を硬化させ、絶縁層を形成する工程、
(C)ビアホールを形成する工程、
(D)金属箔を除去する工程、及び
(E)導体層を形成する工程、をこの順で含み、
金属箔を、25℃のエッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE1(μm/min)とし、金属ビアパッドの金属種を、25℃の該エッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE2(μm/min)としたとき、E1/E2≧1.5を満たす、プリント配線板の製造方法。
[2] 工程(A)が、支持体と、該支持体上に金属箔及び樹脂組成物層の順で形成された金属箔付き樹脂シートを用い、金属ビアパッドが形成された基板上に、金属箔付き樹脂シートを、樹脂組成物層が基板と接合するように積層させる、[1]に記載のプリント配線板の製造方法。
[3] 工程(A)が、金属ビアパッドが形成された基板上に、支持体上に金属箔が形成された金属箔付きシートを、樹脂組成物層を介して金属箔が基板と接合するように積層させる、[1]に記載のプリント配線板の製造方法。
[4] 工程(B)後工程(C)の前に支持体を除去する工程を含む、[2]又は[3]に記載のプリント配線板の製造方法。
[5] 金属ビアパッドの直径が、30μm以上である、[1]~[4]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[6] ビアホールの開口径が、5μm以上である、[1]~[5]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[7] 樹脂組成物層の厚みが、2μm以上50μm以下である、[1]~[6]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[8] 樹脂組成物が、硬化性樹脂を含む、[1]~[7]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[9] 金属箔が、ニッケル、チタン、及びコバルトから選択される1種以上の金属と、銅との合金からなる箔を含む、[1]~[8]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[10] 金属ビアパッドが、銅を含む、[1]~[9]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[11] エッチング液が、過酸化水素、硫酸、及び硝酸のいずれかを含むエッチング液;フッ化物を含むエッチング液;過酸化水素及びアンモニア水を含むエッチング液;及び硫酸銅、硫酸鉄、及び塩化銅のいずれかを含むエッチング液;からなる群から選択される1種以上である、[1]~[10]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[12] 支持体と、該支持体上に設けられた金属箔及び樹脂組成物を含む樹脂組成物層を含む金属箔付き樹脂シートであって、
金属箔付き樹脂シートを金属ビアパッドが形成された基板上に樹脂組成物層及び金属箔の順で積層させた際、金属箔を、25℃のエッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE1(μm/min)とし、金属ビアパッドの金属種を、25℃の該エッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE2(μm/min)としたとき、E1/E2≧1.5を満たす、金属箔付き樹脂シート。
本発明によれば、ビアパッドとビアホール内のメッキとの間のボイド及び隙間の発生を抑制し、導通信頼性を向上可能なプリント配線板の製造方法;及びその製造方法に用いる金属箔付き樹脂シートを提供することができる。
図1は、プリント配線板の製造方法の一例としての基板の模式的な断面図である。 図2は、プリント配線板の製造方法の一例としての金属箔付き樹脂シートを基板に接合した様子を示す模式的な断面図である。 図3は、プリント配線板の製造方法の一例としての絶縁層を形成した後の基板の様子を示す模式的な断面図である。 図4は、プリント配線板の製造方法の一例としてのビアホールを形成した基板の模式的な断面図である。 図5は、プリント配線板の製造方法の一例としての金属箔を除去した後の基板の模式的な断面図である。 図6は、プリント配線板の製造方法の一例としての導体層を形成した基板の様子を示す模式的な断面図である。 図7は、金属ビアパッドとビアホール内のメッキとの間に界面が発生した様子を示す模式的な断面図である。 図8は、金属ビアパッドとビアホール内のメッキとの間に隙間が発生した様子を示す模式的な断面図である。 図9は、へこみ量の様子を示す模式的な断面図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施され得る。
[プリント配線板の製造方法]
本発明のプリント配線板の製造方法は、
(A)金属ビアパッドが形成された基板上に、樹脂組成物を含む樹脂組成物層及び金属箔の順で積層させる工程、
(B)樹脂組成物層を硬化させ、絶縁層を形成する工程、
(C)ビアホールを形成する工程、
(D)金属箔を除去する工程、及び
(E)導体層を形成する工程、をこの順で含み、
金属箔を、25℃のエッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE1(μm/min)とし、金属ビアパッドの金属種を、25℃の該エッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE2(μm/min)としたとき、E1/E2≧1.5を満たす。
金属箔は、その表面凹凸を絶縁層に転写するために用いられる。また、金属箔及び絶縁層に穴あけしビアホールを形成後、通常、ビアホール内のスミア(残渣)を除去するためにデスミア処理を行うが、金属箔は、デスミア処理に用いる薬液により絶縁層表面が粗化されることを抑制するためにも用いられる。そして、金属箔は通常、ビアホールを形成し、デスミア処理後にエッチング処理により除去される。従来は、このエッチング処理に用いるエッチング液により、ビアホールの下部に有する、基板に形成された金属ビアパッドもエッチングされてしまい、ビアパッドとビアホール内のメッキとの間のボイド及び隙間が発生し、導通信頼性が劣っていた。
本発明の製造方法によれば、25℃のエッチング液に2分間浸漬した場合の金属箔のエッチングレートE1、及び金属ビアパッドの金属種のエッチングレートE2が、E1/E2≧1.5を満たす金属箔及び金属ビアパッドを用いることで、ビアパッドとビアホール内のメッキとの間のボイド及び隙間の発生を抑制することが可能となる。また、通常は、金属箔を除去した後の金属ビアパッドのへこみ量を減少させることができ、絶縁層表面の算術平均粗さRaが低くても、絶縁層と導体層との間の密着強度を向上させることも可能である。
エッチングレート比(E1/E2)は、ビアパッドとビアホール内のメッキとの間のボイド及び隙間の発生を抑制する観点から、E1/E2≧1.5を満たし、好ましくはE1/E2≧1.6を満たし、より好ましくはE1/E2≧1.7、E1/E2≧1.8を満たす。上限としては、好ましくは20≧E1/E2を満たし、より好ましくは15≧E1/E2を満たし、さらに好ましくは10≧E1/E2、5≧E1/E2を満たす。エッチングレートとは、金属箔又は金属ビアパッドの金属種を、25℃の所定のエッチング液に2分間浸漬した場合の単位時間当たりの厚みの減少量(μm/min)を示す。エッチングレート比は後述する実施例に記載の方法で測定できる。なお、エッチングレートE1及びエッチングレートE2の測定において用いるエッチング液は同一のエッチング液を用い、エッチング液は、後述する<工程(D)>にて説明するエッチング液と同様のものを用いる。
<工程(A)>
工程(A)において、金属ビアパッドが形成された基板上に、樹脂組成物を含む樹脂組成物層及び金属箔の順で積層させる。
工程(A)を行うにあたって、図1に一例を示すように、支持基板11上に金属ビアパッド12が形成された基板10を準備する工程を含んでいてもよい。支持基板11の材料の例としては、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の絶縁性基材が挙げられる。
金属ビアパッド12の材料は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含むことが好ましい。金属ビアパッドは、単金属層であっても合金層であってもよい。合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、電解銅メッキ等で形成される銅の単金属層が更に好ましい。金属ビアパッド12は、支持基板11の片面又は両面に有していてもよく、パターン加工されていてもよい。また、金属ビアパッド12は、単層構造であってもよく、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。
金属ビアパッドのエッチングレートE2としては、エッチング液によるへこみ量を減少させる観点から、好ましくは4μm/min以下、より好ましくは2μm/min以下、さらに好ましくは1μm/min以下である。エッチングレートE2の下限は特に限定されないが、0.001μm/min以上等とし得る。エッチングレートE2は、以下の方法により計測できる。金属ビアパッドが形成された基板を、25℃のエッチング液に2分間浸漬させる。浸漬後、水洗、80℃で10分間乾燥させ、金属ビアパッドの断面を、SEMでエッチングされた厚みを測定することによりエッチングレートE2を計測することができる。
金属ビアパッドの直径としては、好ましくは、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100μm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。
金属ビアパッドの厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm~35μm、好ましくは5μm~30μmである。
工程(A)の実施形態としては、図2に一例を示すように、支持体23と、該支持体23上に金属箔22及び樹脂組成物を含む樹脂組成物層21の順で形成された金属箔付き樹脂シート20を用い、金属ビアパッド12が形成された基板10上に、金属箔付き樹脂シート20を、樹脂組成物層21が基板10と接合するように積層させる。
金属箔付き樹脂シート20は、支持体23と、該支持体23上に設けられた金属箔22及び樹脂組成物を含む樹脂組成物層21を含み、支持体23、金属箔22、及び樹脂組成物層21の順で形成されている。金属箔付き樹脂シートについては後述する。
基板と金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層との積層は、例えば、支持体側から金属箔付き樹脂シートを基板に加熱圧着することにより行うことができる。金属箔付き樹脂シートを基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール等)が挙げられる。なお、加熱圧着部材を金属箔付き樹脂シートに直接プレスするのではなく、基板の表面凹凸に金属箔付き樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
基板と樹脂組成物層との積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃~160℃、より好ましくは80℃~140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施され得る。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、大気圧下、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された金属箔付き樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
<<金属箔付き樹脂シート>>
金属箔付き樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた金属箔及び樹脂組成物を含む樹脂組成物層を含み、支持体、金属箔、及び樹脂組成物層の順で形成されている。また、金属箔付き樹脂シートを金属ビアパッドが形成された基板上に樹脂組成物層及び金属箔の順で積層させた際、金属箔を、25℃のエッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE1(μm/min)とし、金属ビアパッドの金属種を、25℃の該エッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE2(μm/min)としたとき、E1/E2≧1.5を満たす。エッチングレート比(E1/E2)については上述したとおりである。以下、金属箔付き樹脂シートを構成する各層について説明する。
(支持体)
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルムが好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体は、金属箔と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、金属箔と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、セルロース、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型剤は市販品を用いてもよく、例えば、信越化学社製の「HP55」等が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ社製の「ルミラーT60」、帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
(金属箔)
金属箔としては、金属ビアパッドと異なる金属であり、銅を含むことが好ましい。金属箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属との合金からなる箔を用いてもよいが、本発明の効果を顕著に得る観点から、銅と他の金属との合金からなる箔が好ましい。
他の金属としては、例えば、ニッケル、チタン、コバルト、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ジルコニウム、ケイ素等が挙げられ、ニッケル、チタン、コバルトが好ましい。
金属箔としては、ニッケル、チタン、及びコバルトから選択される1種以上の金属と、銅との合金からなる箔であることが好ましく、ニッケルと銅とを含む合金からなる箔、チタンと銅とを含む合金からなる箔、ニッケル、コバルト及び銅を含む合金からなる箔のいずれかであることがより好ましい。
金属箔のエッチングレートE1としては、導通信頼性を向上させる観点から、好ましくは6μm/min以下、より好ましくは4μm/min以下、さらに好ましくは2μm/min以下であり、好ましくは0.01μm/min以上、より好ましくは0.1μm/min以上、さらに好ましくは0.2μm/min以上である。エッチングレートE1は、以下の方法により計測できる。金属箔を、25℃のエッチング液に2分間浸漬させる。浸漬後、水洗、80℃で10分間乾燥させ、金属箔の断面を、SEMでエッチングされた厚みを測定することによりエッチングレートE1を計測することができる。
金属箔の樹脂組成物層と接合する面の算術平均粗さRaは、好ましくは300nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。算術平均粗さRaの下限は特に限定されないが、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上、さらに好ましくは5nm以上等とし得る。
金属箔の厚みは、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上、さらに好ましくは150nm以上である。好ましくは5000nm以下、より好ましくは3000μnm以下、さらに好ましくは2500nm以下である。なお、金属箔は単層構造であってもよく、複層構造であってもよい。金属箔が複層構造の場合、金属箔全体の厚さが斯かる範囲であることが好ましい。
金属箔の製造方法は特に限定されないが、例えば、スパッタ法、電解法、圧延法等の公知の方法により製造することができる。
(樹脂組成物層)
樹脂組成物層は樹脂組成物を含み、樹脂組成物は、その硬化物が十分な硬度と絶縁性を有するものが好ましい。斯かる樹脂組成物としては、例えば、(a)硬化性樹脂を含む組成物が挙げられる。また、樹脂組成物は、必要に応じて、さらに(b)無機充填材、(c)熱可塑性樹脂、(d)硬化促進剤、及び(e)その他の添加剤を含んでいてもよい。
-(a)硬化性樹脂-
(a)硬化性樹脂としては、プリント配線板の絶縁層を形成する際に使用され得る硬化性樹脂を用いることができる。(a)硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂、及び光硬化性樹脂のいずれを用いてもよく、熱硬化性樹脂が好ましい。
(a)成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アミン系樹脂、酸無水物系樹脂等が挙げられる。(a)成分は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。以下、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アミン系樹脂、酸無水物系樹脂のように、エポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させることができる樹脂を、まとめて「硬化剤」ということがある。樹脂組成物としては、その硬化物が十分な硬度と絶縁性を有するものとする観点から、(a)成分として、エポキシ樹脂及び硬化剤を含むことが好ましく、エポキシ樹脂及び活性エステル系樹脂を含むことがより好ましい。
(a)成分としてのエポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、(a)成分として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、熱硬化性樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。樹脂組成物は、熱硬化性樹脂として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含んでいてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」、「HP6000L」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」、三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「WHR-991S」(フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、好ましくは1:0.01~1:20、より好ましくは1:0.1~1:10、特に好ましくは1:0.2~1:5である。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比が斯かる範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。さらに、通常は、支持体付き樹脂シートの形態で使用する場合に、適度な粘着性がもたらされる。また、通常は、支持体付き樹脂シートの形態で使用する場合に、十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する。さらに、通常は、十分な破断強度を有する硬化物を得ることができる。
熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5000g/eq.、より好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、さらに好ましくは80g/eq.~2000g/eq.、さらにより好ましくは110g/eq.~1000g/eq.である。この範囲となることで、樹脂組成物の硬化物の架橋密度が十分な硬化体をもたらすことができる。エポキシ当量は、1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す硬化体を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
熱硬化性樹脂としての活性エステル系樹脂としては、1分子中に1個以上の活性エステル基を有する樹脂を用いることができる。中でも、活性エステル系樹脂としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する樹脂が好ましい。当該活性エステル系樹脂は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に、耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系樹脂が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系樹脂がより好ましい。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系樹脂の好ましい具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂、ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系樹脂、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系樹脂が挙げられる。中でも、ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系樹脂の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂として「EXB9416-70BK」、「EXB-8150-65T」、「HPB-8151-62T」(DIC社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系樹脂として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系樹脂として「YLH1026」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系樹脂として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系樹脂として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてのフェノール系樹脂及びナフトール系樹脂としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するものが好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系樹脂がより好ましい。
フェノール系樹脂及びナフトール系樹脂の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN-495V」「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA-3018-50P」、「EXB-9500」等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてのベンゾオキサジン系樹脂の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OD100」(ベンゾオキサジン環当量218)、「JBZ-OP100D」(ベンゾオキサジン環当量218)、「ODA-BOZ」(ベンゾオキサジン環当量218);四国化成工業社製の「P-d」(ベンゾオキサジン環当量217)、「F-a」(ベンゾオキサジン環当量217);昭和高分子社製の「HFB2006M」(ベンゾオキサジン環当量432)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてのシアネートエステル系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル、等の2官能シアネート樹脂;フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂;これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマー;などが挙げられる。シアネートエステル系樹脂の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」、「PT30S」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「ULL-950S」(多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)、「BADCy」(ビスフェノールAジシアネート)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてのカルボジイミド系樹脂の具体例としては、日清紡ケミカル社製のカルボジライト(登録商標)V-03(カルボジイミド基当量:216、V-05(カルボジイミド基当量:216)、V-07(カルボジイミド基当量:200);V-09(カルボジイミド基当量:200);ラインケミー社製のスタバクゾール(登録商標)P(カルボジイミド基当量:302)が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてのアミン系樹脂としては、1分子内中に1個以上のアミノ基を有する樹脂が挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、本発明の所望の効果を奏する観点から、芳香族アミン類が好ましい。アミン系樹脂は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系硬化剤の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、ジフェニルジアミノスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン系樹脂は市販品を用いてもよく、例えば、日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」、三菱ケミカル社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としての酸無水物系樹脂としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する樹脂が挙げられる。酸無水物系樹脂の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としての硬化剤としては、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アミン系樹脂、及び酸無水物系樹脂のいずれかが好ましく、活性エステル系樹脂、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、及びシアネートエステル系樹脂のいずれかが好ましく、活性エステル系樹脂、及びシアネートエステル系樹脂から選択される1種以上であることがより好ましい。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂及び硬化剤を含有する場合、エポキシ樹脂とすべての硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01~1:5の範囲が好ましく、1:0.05~1:3がより好ましく、1:0.1~1:2がさらに好ましい。ここで、「エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在するエポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「硬化剤の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する硬化剤の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂と硬化剤との量比をかかる範囲内とすることにより、柔軟性に優れる硬化体を得ることができる。
熱硬化性樹脂としての硬化剤の含有量は、柔軟性に優れる硬化体を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
熱硬化性樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは13質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
-(b)無機充填材-
樹脂組成物は、(b)無機充填材を含有する。無機充填材の材料としては、無機化合物を用いる。無機充填材の材料の例としては、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも炭酸カルシウム、シリカが好適であり、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては、球状シリカが好ましい。(b)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)成分の市販品としては、例えば、デンカ社製の「UFP-30」、「ASFP-20」;日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SP60-05」、「SP507-05」、「SPH516-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;アドマテックス社製の「SC2500SQ」、「SO-C4」、「SO-C2」、「SO-C1」;などが挙げられる。
(b)成分の比表面積としては、好ましくは1m/g以上、より好ましくは2m/g以上、特に好ましくは3m/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m/g以下、50m/g以下又は40m/g以下である。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
(b)成分の平均粒径は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは4μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
(b)成分の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で(b)成分の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出できる。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA-960」等が挙げられる。
(b)成分は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、ビニルシラン系カップリング剤、(メタ)アクリル系カップリング剤、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、ビニルシラン系カップリング剤、(メタ)アクリル系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤が好ましく、アミノシラン系カップリング剤がより好ましい。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM1003」(ビニルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM503」(3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量部は、0.2質量部~5質量部の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量部~3質量部で表面処理されていることが好ましく、0.3質量部~2質量部で表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及びシート形態での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
無機充填材の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
-(c)熱可塑性樹脂-
樹脂組成物は、任意の成分として(c)熱可塑性樹脂を含有していてもよい。(c)熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、フェノキシ樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(c)熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは10000以上、より好ましくは15000以上、さらに好ましくは18000以上である。上限は、好ましくは100000以下、より好ましくは70000以下、さらに好ましくは60000以下である。(c)熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、(c)熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として島津製作所社製LC-9A/RID-6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K-800P/K-804L/K-804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX7800BH40」(フルオレン骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「FX280」及び「FX293」、三菱ケミカル社製の「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、例えば、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」、積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006-37083号公報記載のポリイミド)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002-12667号公報及び特開2000-319386号公報等に記載のポリイミド)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、三菱ガス化学社製のオリゴフェニレンエーテル・スチレン樹脂「OPE-2St 1200」等が挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「スミプロイK」等が挙げられる。ポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、GE社製の「ウルテム」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合樹脂;ポリプロピレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン系エラストマー等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂等が挙げられる。
中でも、(c)熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。したがって好適な一実施形態において、熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される1種以上を含む。中でも、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂が好ましく、重量平均分子量が40,000以上のフェノキシ樹脂が特に好ましい。
(c)熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。上限は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
-(d)硬化促進剤-
樹脂組成物は、任意の成分として(d)硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
(d)硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、特に好ましくは0.03質量%以上であり、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。
-(e)その他の添加剤-
樹脂組成物は、上述した成分以外に、任意の成分として、更にその他の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、難燃剤;有機充填材;有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物;増粘剤;消泡剤;レベリング剤;密着性付与剤;着色剤等の樹脂添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物層の厚みは、プリント配線板の薄型化、及び当該樹脂組成物の硬化物が薄膜であっても絶縁性に優れた硬化物を提供できるという観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは45μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、2μm以上、又は5μm以上等とし得る。
金属箔付き樹脂シートは、例えば、支持体上に金属箔を形成した後、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて金属箔上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、工程(A)の他の実施形態としては、金属ビアパッドが形成された基板上に、支持体上に金属箔が形成された金属箔付きシートを、樹脂組成物層を介して金属箔が基板と接合するように積層させる。金属箔付きシートは、支持体と、該支持体上に設けられた金属箔を含む。支持体、及び金属箔は、金属箔付き樹脂シートにおける支持体及び金属箔と同じである。
工程(A)の他の実施形態の詳細は、支持体と、該支持体上に設けられた、樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含む樹脂シートを用いる。まず、樹脂シートの樹脂組成物層が基板と接合するように積層させ、支持体を剥離した後、金属箔付きシートの金属箔が樹脂組成物層と接合するように積層させる。また、樹脂シートを用いる代わりに、樹脂組成物を直接基板上に塗布し、樹脂組成物層を形成してもよい。樹脂組成物及び樹脂組成物層は、金属箔付き樹脂シートにおける樹脂組成物及び樹脂組成物層と同じである。樹脂組成物層と金属箔付きシートとの積層は、基板と金属箔付き樹脂シートとの積層と同じ条件で行いうる。
<工程(B)>
工程(B)において、図3に一例を示すように、樹脂組成物層21を硬化させ、絶縁層21aを形成する。樹脂組成物層の硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して採用される条件を使用してよい。樹脂組成物層は、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって硬化させてもよいが、通常は、加熱により熱硬化させる。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類によっても異なるが、一実施形態において、硬化温度は好ましくは120℃~240℃、より好ましくは150℃~220℃、さらに好ましくは170℃~210℃である。硬化時間は好ましくは5分間~120分間、より好ましくは10分間~100分間、さらに好ましくは15分間~100分間とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃~120℃、好ましくは60℃~115℃、より好ましくは70℃~110℃の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上、好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間、さらに好ましくは15分間~100分間予備加熱してもよい。
<工程(C)>
工程(C)において、図4に一例を示すように、金属箔22及び絶縁層21aを穴あけし、金属ビアパッド12上にビアホール13を形成する。
工程(C)の一実施形態として、金属箔22及び絶縁層21a上にレーザーを照射し、絶縁層21a及び金属箔22を穴あけしビアホール13を形成する。必要に応じて、金属箔22上に図示しないマスクを設けてからレーザーを照射し、ビアホール13を形成してもよい。
ビアホールの形状は、特に限定されないが、一般的には円形(略円形)とされる。また、工程(C)を行うことで形成可能となるビアホールの開口径(トップ径)は、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、30μm以上、40μm以上、50μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは80μm以下、70μm以下である。ここで、ビアホールの開口径(トップ径)とは、絶縁層の表面でのビアホールの開口の直径をいう。
ビアホールの形成に用いられ得るレーザー光源としては、例えば、COレーザー(炭酸ガスレーザー)、UV-YAGレーザー、UVレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。中でも、加工速度、コストの観点から、COレーザー、又はUV-YAGレーザーが好ましい。
レーザーを照射するにあたって、ショット数としては、ビアホールの加工性を向上させる観点から、好ましくは5以下、より好ましくは2以下である。ショット数を上記範囲内とするために、レーザーのエネルギー及びパルス幅を一定値以上にすることが好ましい。レーザーの出力は、好ましくは0.1W以上、より好ましくは0.3W以上、さらに好ましくは0.5W以上であり、好ましくは30W以下、より好ましくは10W以下、さらに好ましくは5W以下である。また、レーザーのパルス幅は、好ましくは0.5μsec以上、より好ましくは1μsec以上、さらに好ましくは3μsec以上であり、好ましくは30μsec以下、より好ましくは15μsec以下、さらに好ましくは10μsec以下である。
ビアホールの形成は、市販されているレーザー装置を用いて実施することができる。市販されている炭酸ガスレーザー装置としては、例えば、日立ビアメカニクス社製「LC-2E21B/1C」、三菱電機社製「ML605GTWII」、三菱電機社製「605GTWIII(-P)」、松下溶接システム社製の基板穴あけレーザー加工機が挙げられる。また、UV-YAGレーザー装置としては、例えば、ビアメカニクス社製「LU-2L212/M50L」等が挙げられる。
工程(B)の後、工程(D)の前に、支持体を除去する工程を行ってもよい。支持体を除去する工程は、工程(C)の後、工程(D)の前に行うことが好ましい。支持体は、手動で剥離除去してもよく、自動剥離装置により機械的に剥離除去してもよい。
工程(C)の後、工程(D)の前に、デスミア処理を行い、ビアホール内のスミアを除去する工程を行ってもよい。デスミア処理は、ビアホール内(金属ビアパッド上)のスミアを除去することができれば、手順、条件は特に限定されない。また、支持体が離型層を有する場合、離型層もデスミア処理にて除去することが好ましい。デスミア処理としては、例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順にて実施する。
デスミア処理に用いる膨潤液としては、例えば、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液である。アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃~90℃の膨潤液に対象物を1分間~20分間浸漬することにより行うことができる。本発明の効果を顕著に得る観点から、40℃~80℃の膨潤液に対象物を5分間~15分間浸漬させることが好ましい。
デスミア処理に用いる酸化剤としては、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃~100℃に加熱した酸化剤溶液に対象物を10分間~30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%~10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。
デスミア処理に用いる中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。中和液による処理は、酸化剤によるデスミア処理がなされた処理面を30℃~80℃の中和液に1分間~30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤によるデスミア処理がなされた対象物を、30℃~70℃の中和液に3分間~20分間浸漬する方法が好ましい。
<工程(D)>
工程(D)において、図5に一例を示すように金属箔22を除去する。金属箔22を除去する方法は、絶縁層21a表面の損傷なしに金属箔22を除去し得る方法が挙げられ、例えば湿式エッチング等のエッチングにより金属箔22を除去する。
湿式エッチングでは、金属箔22を形成する金属を溶解させるとともに、金属箔のエッチングレートE1及びエッチングレートE2が上記した範囲となる溶液をエッチング液として使用する。
このようなエッチング液としては、過酸化水素、硫酸、及び硝酸のいずれかを含むエッチング液;フッ化物を含むエッチング液;過酸化水素及びアンモニア水を含むエッチング液;並びに硫酸銅、硫酸鉄、及び塩化銅のいずれかを含むエッチング液;からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
金属箔が銅を含む場合、エッチング液としては、過酸化水素、硫酸、及び硝酸のいずれかを含むエッチング液;フッ化物を含むエッチング液;過酸化水素及びアンモニア水を含むエッチング液;並びに硫酸銅、硫酸鉄、及び塩化銅のいずれかを含むエッチング液;から選択される1種以上のエッチング液を用いることが好ましい。
金属箔がニッケル及び銅を含む合金である場合、エッチング液としては、過酸化水素、硫酸、及び硝酸のいずれかを含むエッチング液;並びに硫酸銅、硫酸鉄、及び塩化銅のいずれかを含むエッチング液を用いることが好ましい。
金属箔がチタン及び銅を含む合金である場合、エッチング液としては、過酸化水素及びアンモニア水を含むエッチング液を用いることが好ましい。
過酸化水素、硫酸、及び硝酸のいずれかを含むエッチング液としては、例えば、硫酸及び過酸化水素を含むエッチング液;硝酸及び過酸化水素を含むエッチング液が挙げられる。過酸化水素、硫酸、及び硝酸のいずれかを含むエッチング液は、市販品を用いることができる。市販品としては、メック社製の「NH-1866」(硝酸及び過酸化水素を含むエッチング液)、JCU社製の「SAC」(硫酸及び過酸化水素を含むエッチング液)、三菱瓦斯化学社製の「CPE-800D」などが挙げられる。
フッ化物を含むエッチング液としては、過酸化水素1重量%、フッ酸1重量%含有する水溶液等が挙げられるフッ化物を含むエッチング液は市販品を用いることができる。市販品としては、三菱瓦斯化学社製の「クリーンエッチ ピュータックス」等が挙げられる。
過酸化水素及びアンモニア水を含むエッチング液としては、アンモニア水でpHが調製されたアルカリ性のエッチング液を用いることができる。pHとしては、好ましくは7.1以上、より好ましくは7.3以上、さらに好ましくは7.5以上であり、好ましくは14以下、より好ましくは13以下、さらに好ましくは10以下である。過酸化水素及びアンモニア水を含むエッチング液は、市販品を用いることができる。市販品としては、三菱ガス化学社製の「WCT-T」等が挙げられる。
硫酸銅、硫酸鉄、及び塩化銅のいずれかを含むエッチング液としては、例えば、硫酸銅を含むエッチング液、硫酸鉄を含むエッチング液、塩化銅を含むエッチング液が挙げられ、硫酸鉄を含むエッチング液が好ましい。硫酸銅、硫酸鉄、及び塩化銅のいずれかを含むエッチング液は、市販品を用いることができる。市販品としては、メルテックス社製の「SE-300」、Atotech社性「CupraEtch DE」等が挙げられる。
工程(D)を実施する際の温度は、金属箔を効果的に除去し得る温度であれば特に限定されないが、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上、さらに好ましくは20℃以上であり、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。
工程(D)を実施する際の時間は、金属箔の厚さ、金属箔を形成する金属種によっても異なるが、好ましくは0.05~60分間、より好ましくは0.1~15分間である。
なお、金属箔上に支持体及び/又は離型層の残渣が存在する場合であっても、斯かる残渣は工程(D)において金属箔と共に除去することができる。
工程(D)終了後の絶縁層の露出表面の算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下、さらにより好ましくは80nm以下、70nm以下又は60nm以下である。Ra値の下限は好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1nm以上等とし得る。絶縁層の算術表面粗さは、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
<工程(E)>
工程(E)において、絶縁層上に導体層を形成する。詳細は、図6に一例を示すように、絶縁層21a上、及びビアホール13内に導体層30を形成する。
導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であってもよく、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm~35μm、好ましくは5μm~30μmである。
導体層の形成方法は、メッキ法、スパッタ法、蒸着法などが挙げられ、メッキ法によって形成することが好ましい。導体層は、例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の方法により絶縁層の表面にメッキして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。中でも、製造の簡便性の観点から、セミアディティブ法により形成することが好ましい。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
絶縁層の表面に、無電解メッキによりメッキシード層を形成する。次いで、形成されたメッキシード層上に、所望の配線パターンに対応してメッキシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出したメッキシード層上に、電解メッキにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なメッキシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
本発明の製造方法により製造されたプリント配線板は、通常、金属箔を除去した後であっても金属ビアパッドのへこみ量を抑制することができる。へこみ量は、図9に示すように、金属箔22を除去する前の金属ビアパッド12の厚みが最も大きい箇所12bと、金属箔22を除去した後において、金属ビアパッド12の厚みが最も小さい箇所12cとの差Dである。へこみ量は、好ましくは2μm以下、より好ましくは1.5μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。下限は特に限定されないが、0.01μm以上等とし得る。へこみ量は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本発明は、金属箔のエッチングレートE1と、金属ビアパッドのエッチングレートE2が所定の関係を満たすので、ビアパッドとビアホール内のメッキとの間のボイド、界面及び隙間の発生を抑制することができる。本発明の製造方法により製造されたプリント配線板は、ビアパッドとビアホール内のメッキとの間にボイド、界面及び隙間が発生していない。ボイド、界面及び隙間は、後述する実施例に記載の方法で観察できる。
本発明の製造方法により製造されたプリント配線板において、樹脂組成物を100℃で30分間加熱し、さらに170℃で30分間熱硬化させて得られた硬化物は、めっきとの間のめっきピール強度を高くすることができる。例えば、後述する実施例に記載の方法で絶縁層及びめっき導体層の形成を行った場合、絶縁層及び導体層との間のピール強度は、好ましくは0.3kgf/cm以上、より好ましくは0.4kgf/cm以上、特に好ましくは0.5kgf/cm以上である。めっきピール強度の上限値は、特に限定されないが、例えば、10.0kgf/cm以下でありうる。ピール強度は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
[半導体装置]
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、上述したプリント配線板の製造方法により製造されたプリント配線板を含む。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、別途明示のない限り、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
<実施例1>
(1)極薄金属箔1の用意
支持体としてのPETフィルムに離型層として、HP55(信越化学社製、セルロース)のMEKとシクロヘキサノン15%溶液を塗工し、乾燥させることで離型層付支持体を用意した。その後、離型層に、金属箔として厚さが200nmのNi-Cu合金層をスパッタにて形成し、支持体付き極薄金属箔1を用意した。金属箔の算術平均粗さは25nmであった。
(2)樹脂組成物1の調製
ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX4000HK」、エポキシ当量約185g/eq.)6部、ナフタレン型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ESN475V」、エポキシ当量約332g/eq.)5部、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YL7760」、エポキシ当量約238g/eq.)15部、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製「HP6000L」、エポキシ当量約213g/eq.)2部、シクロヘキサン型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「ZX1658GS」、エポキシ当量約135g/eq.)2部、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YL7500BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:メチルエチルケトン(MEK)の1:1溶液、Mw=44000)2部を、ソルベントナフサ20部及びシクロヘキサノン10部の混合溶剤に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック系樹脂(DIC社製「LA-3018-50P」、水酸基当量約151g/eq.、固形分50%の2-メトキシプロパノール溶液)4部、活性エステル系樹脂(DIC社製「EXB-8000L-65TM」、活性基当量約220g/eq.、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)6部、無機充填材1を60部、アミン系硬化促進剤(4-ジメチルアミノピリジン(DMAP))0.05部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散した後に、カートリッジフィルター(ROKITECHNO社製「SHP020」)で濾過して、樹脂組成物1を調製した。
なお、無機充填材1は、アドマテック社製「SC2500SQ」100部に対して、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM573)1部で表面処理したものである。
(3)極薄金属箔付き樹脂シート1の作製
樹脂組成物1を、支持体付き極薄金属箔1のNi-Cu合金層上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80℃~120℃(平均100℃)で10分間乾燥し樹脂シート1を得た。
(4)評価基板の作製
極薄金属箔付き樹脂シート1を、Cu配線パターン及び径が100μmのCuパッドが形成された配線板に、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製、2ステージビルドアップラミネーター、CVP700)を用いて、樹脂組成物層が配線板と接するように、配線板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、130℃、圧力0.74MPaにて45秒間圧着させることにより実施した。次いで、120℃、圧力0.5MPaにて75秒間熱プレスを行った。真空ラミネートにより、積層し、100℃で30分、その後170℃で30分の熱硬化を行い、絶縁層を形成した。
熱硬化後、径が100μmのCuパッド上に、COレーザーにより、径が約50μmのビアを形成した。COレーザー加工は、日立ビアメカニックス社製の炭酸ガスレーザーにより、出力0.6W、パルス幅3μs、ショット数2回の条件で実施した。
レーザー加工後、PETフィルムを剥離し、パッド上のスミアと極薄金属箔上の離型層を除去するために下記1)~3)の順にてデスミア処理を行った。
1)膨潤液への浸漬(アトテックジャパン社製のジエチレングリコールモノブチルエーテル含有のスエリング・ディップ・セキュリガントP(グリコールエーテル類、水酸化ナトリウムの水溶液)、60℃で10分間)
2)酸化剤(粗化液)への浸漬(アトテックジャパン社製のコンセントレート・コンパクトP(KMnO:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液、80℃で20分間)
3)中和液(アトテックジャパン社製のリダクションショリューシン・セキュリガントP(硫酸の水溶液)、40℃で5分間)
デスミア処理後、エッチング液(メック社製、NH-1866の水溶液、硝酸/過酸化水素系)に1分30秒間浸漬し、Ni-Cu合金層を除去した。
(5)評価基板の観察(Cuパッド(金属ビアパッド)のへこみ量の観察)
Ni-Cu合金層を除去した後、FIBによる断面観察により、Cuパッドのへこみ量を測定した。へこみ量は、Ni-Cu合金層を除去する前のCuパッドの厚みが最も大きい箇所と、Ni-Cu合金層を除去した後において、Cuパッドの厚みが最も小さい箇所との差である。
(6)ボイド、界面及び隙間の有無の観察、及びメッキピール強度の測定
Ni-Cu合金層を除去した基板に対して、PdClを含む無電解メッキ用溶液に40℃で5分間浸漬し、次に、無電解銅メッキ液に25℃で20分間浸漬した。その後、150℃にて30分間加熱して、アニール処理を行った。硫酸銅電解メッキを行い、厚さが20μmの導体層を形成した。次に、アニール処理を200℃にて60分間行った。その後、FIBによる径が50μmのビアの断面観察を実施し、ボイドの有無、Cuパッドとの界面や隙間の有無を観察し、以下の基準で評価した。
〇:ボイド、界面及び隙間が発生していない。
×:ボイド、界面及び隙間が発生している。
また、電解銅メッキ後、電解銅メッキ表面から、幅10mm、長さ100mmの矩形部分を囲む切込みを形成した。矩形部分の一端を剥がして、つかみ具(ティー・エス・イー社製、オートコム型試験機「AC-50C-SL」)で掴んだ。つかみ具により、室温中にて、50mm/分の速度で前記の矩形部分を垂直方向に引きはがし、35mmを引き剥がした時の荷重(kgf/cm)をメッキピール強度として測定した。
(7)算術表面粗さRaの測定
Ni-Cu合金層を除去した基板の絶縁層の表面の算術平均粗さRaを測定した。測定は、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIモード、50倍レンズにより、測定範囲を121μm×92μmとして測定した。この測定は、10か所の測定点で行い、その平均値をRa値とした。
(8)エッチングレート比の測定
極薄金属箔1、及び電解銅メッキにより金属ビアパッドが形成されている基板(図1における基板10)をメック社製NH-1866の水溶液(温度25℃)に2分間浸漬させた。その後、水洗し、80℃で10分乾燥後、浸漬前の極薄金属箔及び電解銅メッキが形成されている基板も含めて、研磨により、断面を形成した。その後、SEMによるエッチングされた厚みを測定し、極薄金属箔1と電解銅メッキとのエッチングレート比(E1/E2)を計算した。
<実施例2>
実施例1において、
1)Ni-Cu合金層を、Ti-Cu合金層に変え、
2)エッチング液(メック社製、NH-1866の水溶液、硝酸/過酸化水素系)を、アンモニア水でpH8に調製されたWLC-T(三菱ガス化学社製、アンモニア/過酸化水素系)水溶液に変えた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして行った。
<実施例3>
実施例1において、
1)Ni-Cu合金層を、Ni、Co、及びCuを含む合金からなる金属箔(JX金属社製、JXUT-I、厚み2μm)に変え、
2)エッチング液(メック社製、NH-1866の水溶液、硝酸/過酸化水素系)を、エッチング液(JCU社製、SAC(硫酸/過酸化水素系の水溶液)に変えた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして行った。
<実施例4>
実施例3において、エッチング液(JCU社製、SAC(硫酸/過酸化水素系の水溶液)を、鉄イオン含有フラッシュエッチング液(メルテックス社製、SE-300)に変えた。以上の事項以外は実施例3と同様にして行った。
<実施例5>
実施例1において、
1)Ni-Cu合金層を、Ni、Ti、及びCuを含む合金からなる金属箔(スパッタ装置による製造、厚み150nm)に変え、
2)エッチング液(メック社製、NH-1866の水溶液、硝酸/過酸化水素系)を、エッチング液(三菱瓦斯化学社製、「クリーンエッチ ピュータックス」(フッ酸1質量%及び過酸化水素1質量%含有する水溶液))に変えた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして行った。
<比較例1>
実施例3において、Ni、Co、及びCuの合金からなる金属箔(JX金属社製、JXUT-I、厚み2μm)を、極薄銅箔付き金属箔(三井金属社製、MT-Ex、厚さ3μm)に変えた。以上の事項以外は、実施例3と同様にして行った。
Figure 2023028959000001
10 基板
11 支持基板
12 金属ビアパッド
12b 金属ビアパッドの厚みが最も大きい箇所
12c 金属ビアパッドの厚みが最も小さい箇所
13 ビアホール
20 金属箔付き樹脂シート
21 樹脂組成物層
21a 絶縁層
22 金属箔
23 支持体
30 導体層
41 界面
D 金属ビアパッドの厚みが最も大きい箇所と金属ビアパッドの厚みが最も小さい箇所との差

Claims (12)

  1. (A)金属ビアパッドが形成された基板上に、樹脂組成物を含む樹脂組成物層及び金属箔の順で積層させる工程、
    (B)樹脂組成物層を硬化させ、絶縁層を形成する工程、
    (C)ビアホールを形成する工程、
    (D)金属箔を除去する工程、及び
    (E)導体層を形成する工程、をこの順で含み、
    金属箔を、25℃のエッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE1(μm/min)とし、金属ビアパッドの金属種を、25℃の該エッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE2(μm/min)としたとき、E1/E2≧1.5を満たす、プリント配線板の製造方法。
  2. 工程(A)が、支持体と、該支持体上に金属箔及び樹脂組成物層の順で形成された金属箔付き樹脂シートを用い、金属ビアパッドが形成された基板上に、金属箔付き樹脂シートを、樹脂組成物層が基板と接合するように積層させる、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 工程(A)が、金属ビアパッドが形成された基板上に、支持体上に金属箔が形成された金属箔付きシートを、樹脂組成物層を介して金属箔が基板と接合するように積層させる、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 工程(B)後工程(C)の前に支持体を除去する工程を含む、請求項2又は3に記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 金属ビアパッドの直径が、30μm以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  6. ビアホールの開口径が、5μm以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  7. 樹脂組成物層の厚みが、2μm以上50μm以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  8. 樹脂組成物が、硬化性樹脂を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  9. 金属箔が、ニッケル、チタン、及びコバルトから選択される1種以上の金属と、銅との合金からなる箔を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  10. 金属ビアパッドが、銅を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  11. エッチング液が、過酸化水素、硫酸、及び硝酸のいずれかを含むエッチング液;フッ化物を含むエッチング液;過酸化水素及びアンモニア水を含むエッチング液;及び硫酸銅、硫酸鉄、及び塩化銅のいずれかを含むエッチング液;からなる群から選択される1種以上である、請求項1~10のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  12. 支持体と、該支持体上に設けられた金属箔及び樹脂組成物を含む樹脂組成物層を含む金属箔付き樹脂シートであって、
    金属箔付き樹脂シートを金属ビアパッドが形成された基板上に樹脂組成物層及び金属箔の順で積層させた際、金属箔を、25℃のエッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE1(μm/min)とし、金属ビアパッドの金属種を、25℃の該エッチング液に2分間浸漬した場合のエッチングレートをE2(μm/min)としたとき、E1/E2≧1.5を満たす、金属箔付き樹脂シート。
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