JP2022086134A - 熱接着性複合繊維およびそれからなる不織布。 - Google Patents

熱接着性複合繊維およびそれからなる不織布。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、カード加工性に優れ、嵩高性と柔軟性を兼ね備えた不織布用途に好適に用いられる熱接着性複合繊維を提供する。【解決手段】鞘成分と芯成分からなる同心円芯鞘型複合繊維であって、前記鞘成分は、ポリオレフィン系樹脂からなり、前記芯成分は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル樹脂からなり、少なくとも2種類の単繊維繊度の異なる繊維を紡糸混繊してからなる熱接着性複合繊維であり、単繊維繊度が1.5dtex以下の繊維が25%以上75%以下且つ、少なくとも2種類の単繊維繊度の異なる繊維のうち最太繊度が6.0dtex以上であることを特徴とする熱接着性複合繊維。【選択図】なし

Description

本発明は、熱接着性複合繊維とその製造方法に関する。更に詳しくは、カード加工性に優れ、かつ、嵩高性と柔軟性を有する不織布用途に適した熱接着性複合繊維とそれからなる不織布に関するものである。
熱風や加熱ロール等の熱エネルギーを利用して、熱融着による成形ができる熱接着性複合繊維は、嵩高性や柔軟性に優れた不織布を得ることが容易であることから、従来から、おむつ、ナプキンおよびパッド等の衛生材料、あるいは生活用品やフィルター等の産業資材等に広く用いられている。特に衛生材料は、人肌に直接触れるものであるため、不織布の柔軟性および嵩高性に対する重要度が極めて高い。
不織布の嵩高性を得るためには、剛性の高い樹脂からなる繊維を用いる手法や、単繊維繊度の太い繊維を用いる手法が代表的であるが、その場合、柔軟性が劣る不織布となる。また、不織布の柔軟性を得るためには、剛性の低い樹脂からなる繊維を用いる手法や、単繊維繊度の細い繊維を用いる手法が代表的であるが、その場合、カード加工性が悪くなり、ネップが多く、さらには、厚み斑がある不織布となり、その品位が劣る。また、嵩高性が大幅に低下する。
そのため、嵩高性と柔軟性の両立が可能な繊維および不織布を得る方法が数多く提案されてきた。
特許文献1では、第一成分を、ポリエチレンを含む成分とし、第二成分を、ポリエチレンテレフタレートを含む成分とし、第二成分の重心位置が繊維の重心位置からずれるように配置させた偏心芯鞘原綿であって、波形状捲縮および螺旋状捲縮から選ばれる少なくとも一種の捲縮を有している、顕在捲縮性複合短繊維が提案されている。
特許文献2では、第一成分を、メタロセン触媒を用いて重合した直鎖状ポリエチレンを含む成分、第二成分を、ポリトリメチレンテレフタレートを50質量%以上含むポリエステルとした複合繊維であって、第二成分の重心位置が複合繊維の重心位置からずれており、複合繊維が波形状捲縮及び螺旋状捲縮から選ばれる少なくとも一種の捲縮を有している、顕在捲縮性複合繊維が提案されている。
特許文献3では、具体的に、2層の不織布構成であり、1層目の不織布表面層に、芯成分がポリプロピレン樹脂で、鞘成分をポリエチレン樹脂とした同心円型芯鞘繊維を使用することにより、表面柔軟性を付与し、また2層目の不織布に、芯成分がポリエステル樹脂で、鞘成分をポリエチレン樹脂とした偏心芯鞘型繊維を使用することにより、嵩高性を有する不織布が提案されている。
特許文献4では、芯成分がポリエステル樹脂で、鞘成分を低密度ポリエチレン樹脂とする芯鞘型複合繊維を用いることにより、柔らかさや、新しい触感を有する不織布が提案されている。
特許文献5では、繊維を高伸度化するなど繊維物性を調整することにより、柔軟性を有する不織布が提案されている。
特開2016-106188号公報 特開2008-274448号公報 特開2019-10527号公報 特開2017-106159号公報 特開2018-172827号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、単繊維繊度が細くなるにつれ、カード加工性が悪くなることにより、不織布の表面品位が悪化し、さらには、嵩高性が低下すると言う課題がある。また、特許文献2に記載の技術では、第二成分にポリトリメチレンテレフタレートを含むため、繊維の剛性が低く、カード加工性が悪くなることにより、不織布の表面品位が悪化し、さらには、嵩高性が低下すると言う課題がある。また、特許文献3に記載の2層構造の不織布の提案では、1層目の繊維は、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂を構成成分とする芯鞘繊維のため、剛性が低く、カード加工性が悪くなることにより、不織布の表面品位が悪化する。加えて2層目に用いられる偏心芯鞘型繊維は、安定した繊維発現加工が難しく、均一な嵩高性の不織布が得られないという課題がある。また、特許文献4、5に記載の技術では、上記の提案では、低密度ポリエチレン繊維は、繊維の剛性が低く、カード加工性が悪くなることにより、不織布の表面品位が悪化し、さらには、嵩高性が低下すると言う課題がある。また、特許文献6、7に記載の技術では、繊維を高伸度化するに伴い繊維の強度が低くなることで、不織布の強度が低下し、不織布の寸法安定性が悪化するという課題がある。
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術における課題に鑑み、良好なカード加工性に加え、不織布の嵩高性と柔軟性を兼ね備えた熱接着性複合繊維を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、鞘成分と芯成分からなる同心円型芯鞘複合繊維であって、前記鞘成分はポリオレフィン系樹脂からなり、前記芯成分はポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル樹脂からなり、少なくとも2種類の単繊維繊度の異なる繊維を紡糸混繊してなる熱接着性複合繊維であり、単繊維繊度が1.5dtex以下の繊維が25%以上75%以下且つ、最も繊度の大きな繊維の単繊維繊度が1.5dtexを超え6.0dtex以下であることを特徴とする熱接着性複合繊維である。
本発明の熱接着性複合繊維は、カード加工性に優れ、かつ、嵩高性と柔軟性を兼ね備えた熱接着性複合繊維である。本発明の熱接着性複合繊維は、上記特性を備えており、特に不織布等の製造に好適に使用することができる。
次に、本発明の熱接着性複合繊維の実施態様について、具体的に説明する。
本発明の熱接着性複合繊維は、少なくとも2種類の単繊維繊度の異なる繊維を同時に紡糸し混繊して得られた熱接着性複合繊維であって、いずれの繊維も鞘成分と芯成分からなる同心円型芯鞘複合繊維であって、前記の鞘成分はポリオレフィン系樹脂からなり、前記の芯成分はポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル系樹脂で構成されている。
鞘部を構成する成分のポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリブテン-1、ポリヘキセン-1、ポリオクテン-1、ポリ4-メチルペンテン-1、ポリメチルペンテン、1,2-ポリブタジエン、および1,4-ポリブタジエンなどの重合体が挙げられる。
また、ポリオレフィン系樹脂として、これらの重合体に、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、および4-メチルペンテン-1等のα-オレフィンが、共重合成分として少量共重合され含有されていている共重合体を用いることができる。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂としては、入手の容易性や原料コスト、得られる繊維の熱接着特性、および不織布の風合いや強度特性などを考慮すると、高密度ポリエチレンが好ましく用いられる。高密度ポリエチレンのメルトマスフローレイトは、紡糸可能な範囲であれば特に限定されることはないが、JIS K 6922-2に準じた測定法で、荷重2.16kg、温度190℃での測定値が、8~25g/10分であることが好ましく、より好ましくは10~20g/10分である。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、紡曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、および顔料等の添加物、あるいは他の重合体を必要に応じて添加することができる。
また、本発明の熱接着性複合繊維の芯部を構成する成分は、ポリエステル系樹脂を含む成分で構成される。ポリエステル系樹脂は、原料コストおよび得られる繊維の熱安定性などを考慮すると、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。ポリエチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルであり、ホモポリマーであってもよいが、90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなっており、10モル%以下の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含む共重合体も用いられる。
共重合可能な化合物としては、酸成分として、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸およびセバシン酸などのジカルボン酸類が挙げられる。一方、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、0.60~0.75であることが好ましい。固有粘度は、さらに好ましくは、0.62~0.72である。固有粘度が0.60未満では、繊維の捲縮保持率が低下し、十分な嵩高を有する繊維構造体を得られない場合がある。一方、固有粘度が0.75を超えると、溶融粘度が高くなり繊維の製造が困難となる場合がある。
また、ポリエチエレンテレフタレートのような構成単位中に芳香族を含む芳香族ポリエステルの他に、脂肪族ポリエステルも用いることができる。好ましい脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸やポリブチレンサクシネートが挙げられる。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂には、防透けや艶消しなどの機能を付与するために、無機粒子を添加することができる。無機粒子としては、シリカゾル、シリカ、アルキルコートシリカ、アルミナゾル酸化チタンおよび炭酸カルシウムなどが挙げられるが、ポリエステル系樹脂中に添加した際に化学的に安定していればよく、特に化学的安定性、対凝集性およびコストの面から、二酸化チタンが好ましく用いられる。
無機粒子の濃度は、目標とする機能に応じて調整することができるが、ポリエステル系樹脂質量に対して0.01~20.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05~8.0質量%であり、製糸操業性、高次加工性および維のコスト面からより好ましい態様である。
これらの添加剤の添加方法としては、無機微粒子のパウダーを樹脂に直接添加する方法、あるいは樹脂に無機微粒子を練り込み、マスターバッチ化して添加する方法などを挙げることができる。
本発明の2種類以上の異なる単繊維繊度の繊維を得るためには、例えば口金ホール数が異なる口金を取り付けたり、紡出するポリマー吐出量を変更したりして、目標の繊度に調整すればよい。
口金ホール数が異なる口金を取り付ける場合は、ポリマー吐出量を全ての口金で一定にすることで、口金の単孔あたりの吐出量が調整でき、繊度を調整することができる。紡出するポリマー吐出量を変更する場合は、単孔あたりの吐出量を調整することで、所定の繊度に調整して得ることができる。また、1枚の口金で繊度の異なる繊維を同時に紡糸混繊する場合は、口金の孔径、孔長等を調整し、1枚の口金のなかに複数の孔径や孔長等を存在させることにより、少なくとも2つ以上の異繊度を同時に紡糸することができる。
本発明では、紡糸時に、異なる繊維を紡糸する口金を紡糸機全体に均等に振り分け取り付けることが好ましい。例えば、2種類の異繊度を50%ずつの割合で混繊する場合は、得られる繊度の繊維が異なる口金を交互に取り付ける。片方の繊維(A)の混繊率が66%で、もう片方の繊維(B)の混繊率が33%の場合(小数点以下切り捨て)は、前記(A)の口金を2錘並べて取り付けた横に前記(B)の口金を1錘並べて取り付け、これを繰り返す。また例えば、3種類の異繊度混繊の場合、各33%(小数点以下切り捨て)ずつの割合で混繊する場合は、得られる繊維が異なる口金((A)、(B)および(C)の口金)を並べて取り付け、これを繰り返す。いずれか1種の口金を紡糸機の1箇所に固めて取り付け紡糸を行うと、紡糸での混繊状態が悪くなり均一性が劣る傾向を示すことから、それぞれを均等に振り分けることが好ましい。
上記の通り、本発明の熱接着性複合繊維を紡糸する際には、異なる単繊維繊度の繊維を同時に紡糸することが必要である。
本発明の熱接着性複合繊維の単繊維繊度は、いずれの繊維も1.0dtex以上、が好ましく、さらに好ましくは1.2dtex以上である。また、単繊維繊度の上限は6.0dtexであり、好ましくは5.0dtex以下である。単繊維繊度が1.0dtex未満になると、繊度が小さいため、不織布製造工程でのカード加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。また、単繊維繊度が6.0dtexを超えると、繊度が高くなるため、繊維の剛性が高くなり、得られた不織布の柔軟性に劣る。
本発明の熱接着性複合繊維の混繊比率は、質量比で単繊維繊度1.5dtex以下の繊維が25%以上75%以下であることが好ましく、より好ましくは質量比で30%以上70%以下である。単繊維繊度1.5dtex以下の繊維の混繊率が20%未満であれば得られた不織布の柔軟性が低下する。75%を超えると、カード加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。なお、単繊維繊度1.5dtex以下の繊維以外の繊維は、単繊維繊度が1.5dtexを超え、6.0dtex以下である。
本発明の鞘成分のポリオレフィン系樹脂と、芯成分のポリエステル系樹脂からなる熱接着性複合繊維の複合比率は、質量比で(鞘成分)/(芯成分)=60/40~40/60の範囲であることが好ましく、より好ましくは質量比で55/45~45/55の範囲である。
芯成分が60質量%を超えると、ポリエステル系樹脂の構成が高くなることにより不織布の柔軟性が悪化するとともに、熱接着性成分である鞘成分の構成が低くなるため、不織布の接着強力が低下する。逆に鞘成分が60質量%を超えると、芯成分の構成が小さくなるため、不織布の機械的強度に問題が生じてくる。
本発明の熱接着性複合繊維は、好適には不織布用途に用いられることから捲縮繊維であることが好ましい。本発明の熱接着性複合繊維の捲縮数は、10~20山/25mmであることが好ましく、さらに好ましくは12~18山/25mmである。捲縮数が10山/25mm未満になると、繊維の絡合性が低下することにより、不織布製造工程でのカード加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。捲縮数が20山/25mmを超えると、繊維の絡合性が強く、繊維の開繊性が悪くなることにより不織布製造工程でのカード加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。
本発明の熱接着性複合繊維を捲縮繊維とする場合の捲縮率は、10~25%であることが好ましく、さらに好ましくは14~20%である。捲縮率が10%未満になると、繊維の絡合性が低下することにより、不織布製造工程でのカード加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。また、捲縮率が25%を超えると、繊維の絡合性が強く、繊維の開繊性が悪くなることにより不織布製造工程でのカード加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。
本発明の熱接着性複合繊維の140℃処理における乾熱収縮率は、0.3~3%であることが好ましく、さらに好ましくは、0.5~2.5%である。乾熱収縮率が0.3%未満の繊維を得るためには、乾燥温度条件を高くすることになり、その結果、ポリエチレンが溶融接着しやすくなるため安定的に繊維を得ることが難しい。乾熱収縮率が2.5%を超える繊維は、熱接着工程において不織布の寸法安定性が劣り、安定した製品を得ることが出来ない。
次に、本発明で用いられる熱接着性複合繊維の製造方法について、具体的に一態様を例示して説明する。
本発明の熱接着性複合繊維は、鞘成分をポリオレフィン樹脂とし、芯成分をポリエステル系樹脂とし、芯鞘形状となるようにして溶融紡出し、未延伸糸を得て熱延伸後、スタッファボックス式捲縮機などの捲縮機を用いて捲縮付与をすることにより製造することができる。以下、これらについてさらに詳述する。
まず、ポリオレフィン系樹脂およびポリエステル系樹脂溶融し、紡糸パックを経由して、芯鞘型口金からポリマーを吐出する。吐出孔を好ましくは200~1000孔有する紡糸口金を通して、ポリエステル系樹脂の融点よりも10~30℃程度高い紡糸温度で紡出し、直後に好ましくは10~25℃の温度の空気を好ましくは50~100m/分の風量で冷却させ、紡糸油剤を付与し、好ましくは引き取り速度1000~1500m/分で一旦、缶に納めることにより未延伸糸トウを得る。
次いで、得られた未延伸糸トウを、好ましくは温度80~100℃の液浴を用いて、2.0~4.0倍の延伸倍率で延伸し、スタッファボックス式捲縮機などの捲縮機を用いて捲縮を付与し、100~115℃の温度の熱風雰囲気下で加熱処理を行う。加熱処理温度が100℃未満であれば、3%以下とする乾熱収縮率を得ることが難しい。また、加熱処理温度が115℃を超えると、ポリエチレンが溶融接着するため安定的に繊維を得ることが難しい。
熱風雰囲気下で加熱処理された繊維は冷却され、繊維を短繊維にカットされる。繊維長は、用途に応じて選択することができ特に限定されないが、カーディング処理を行う場合には30~76mmであることが好ましく、より好ましくは32~51mmである。
繊維に親水性能や撥水性能を付与するために、捲縮付与前後や乾燥後など任意の工程で油剤を付与することができる。
本発明によれば、柔軟性、嵩高性および平滑性に優れた熱接着性複合繊維が得られる。本発明で得られる熱可塑性繊維は、柔軟性、嵩高性および平滑性に優れた不織布用途に好適に用いられる熱接着性複合繊維である。本発明の熱接着性複合繊維を用いた不織布繊維特性は、上記の本発明の熱可塑性複合繊維の特性を生かし、紙おむつや生理用ナプキンなどの各種衛生材料、医療用材料、衣料用材料、および包装用材料として好適に利用することができる。衛生材料のなかでも、特に紙おむつのシートに好適に利用することができる。
次に、本発明の熱接着性複合繊維について、実施例を用いて詳細に説明する。繊維物性等の測定方法は、次のとおりである。
(1)単繊維繊度、捲縮数、捲縮率および繊維長:
JIS L1015(2010年)に準じて、繊維物性(単繊維繊度、捲縮数、捲縮率および繊維長)を測定した。
(2)カード通過性
トヨタCK-7フラットカードにて、紡出速度63.5m/min、カードウエブを2.5g/m3で排出し、計測機器工業株式会社製NEP&Trash測定器で0.7mm以上のネップ数を測定した。
ウエブ100cmをN10測定し、その平均値を算出し、ネップ数が、10個未満は◎(非常に良い)、10個以上20個未満は〇(良い)、20個以上は×(悪い)とした。○(良い)以上を、合格とした。
(3)不織布の嵩高性
熱接着性複合繊維を用いて、熱加工温度150℃処理、目付20g/mとするエアスルー不織布を作製し、JIS L 1913A法(2010年)に準じて、0.2kPa荷重時における不織布の厚みを測定、N=10の平均値で算出した。不織布の厚みが1.5mm以上を合格として評価した。
(4)不織布の柔軟性
JIS L 1913 6.7剛軟度(ハンドルオメーター法)(2010年)に準じて測定、N=3の平均値で算出した。カード機の流れ方向(MD方向)に対する不織布の柔軟性が65mN未満を合格として評価した。
[実施例1]
熱接着性複合繊維を、次の方法で製造した。固有粘度(IV)が0.650のポリエチレンテレフタレート(芯成分)と、メルトマスフローレイト(MFR)を18とした高密度ポリエチレン樹脂(鞘成分)とを、質量比で(芯成分)/(鞘成分)=50/50となるように溶融し、質量比で単繊維繊度1.3dtex/単繊維繊度3.3dtex=30/70となるように交互に取り付けた異なる孔数の芯鞘複合口金から紡糸して、同心円型芯鞘複合繊維の未延伸糸を得た。
次いで、得られた未延伸糸を、85℃の温度の液浴を用いて、3.0倍の延伸倍率で1段延伸を施し、スタフィングボックス式捲縮機を用いて捲縮を付与し、110℃の温度で乾燥・切断し、熱接着性複合繊維を得た。結果を表1に示すとおり、カード加工性は問題なく、不織布厚み、柔軟性ともに良好な不織布を得た。
[実施例2]
質量比で単繊維繊度1.3dtex/単繊維繊度3.3dtex=70/30となるように未延伸糸を得た以外は、実施例1と同じ条件で熱接着性複合繊維を製造した。結果を表1に示すとおり、カード加工性は問題なく、不織布厚み、柔軟性ともに良好な不織布を得た。
[比較例1]
質量比で単繊維繊度1.3dtex/単繊維繊度3.3dtex=20/80となるように未延伸糸を得た以外は、実施例1と同じ条件で熱接着性複合繊維を製造した。結果を表1に示すとおり、カード加工性、不織布厚みは問題なかったものの、単糸繊度1.3dtex品の混率が低いため、柔軟性が劣る結果であった。
[比較例2]
質量比で単繊維繊度1.3dtex/単繊維繊度3.3dtex=80/20となるように未延伸糸を得た以外は、実施例1と同じ条件で熱接着性複合繊維を製造した。結果を表1に示すとおり、柔軟性は問題なかったものの、単糸繊度1.3dtex品の混率が高いため、カード加工性、不織布厚み劣る結果であった。
Figure 2022086134000001

Claims (2)

  1. 鞘成分と芯成分からなる同心円型芯鞘複合繊維であって、前記鞘成分はポリオレフィン系樹脂からなり、前記芯成分はポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル樹脂からなり、少なくとも2種類の単繊維繊度の異なる繊維を紡糸混繊してなる熱接着性複合繊維であり、単繊維繊度が1.5dtex以下の繊維が25%以上75%以下且つ、最も繊度の大きな繊維の単繊維繊度が1.5dtexを超え6.0dtex以下であることを特徴とする熱接着性複合繊維。
  2. 請求項1に記載の熱接着性複合繊維からなる不織布。
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