JP2022080052A - 硬貨処理装置及び現金取扱装置 - Google Patents

硬貨処理装置及び現金取扱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】分離部における硬貨の分離異常の低減と処理時間の短縮とをバランス良く両立させる。【解決手段】現金自動預払機1の硬貨処理装置10は、入金処理を行う場合、前段の入金計数処理で上分離部15において分離異常が発生していなければ、後段の入金収納処理で搬送ベルト48を通常の速度で走行させ、比較的短い時間で繰り出しを完了させる。一方、硬貨処理装置10は、入金計数処理で上分離部15において分離異常が発生していれば、入金収納処理で搬送ベルト48の走行速度を低下させ、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出にやや時間を要するものの、分離異常の発生を抑止する。これにより硬貨処理装置10は、上分離部15における分離異常の発生を効果的に抑えながら、できるだけ短い時間で入金収納処理を完了することができる。【選択図】図9

Description

本発明は硬貨処理装置及び現金取扱装置に関し、例えば使用者に紙幣や硬貨を投入させて所望の取引を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に適用して好適なものである。
従来、金融機関等で使用される現金自動預払機等においては、使用者との取引内容に応じて、例えば使用者に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また使用者へ現金を出金するものが広く普及している。この現金自動預払機としては、例えば硬貨に関する処理を行う硬貨処理装置を内部に有するものがある。硬貨処理装置は、例えば使用者との間で硬貨の授受を行う入出金部、集積された硬貨を1枚ずつに分離する分離部、硬貨を搬送する搬送部、投入された硬貨の金種や真偽等を識別する識別部(認識部とも呼ぶ)、及び金種ごとに硬貨を収納する収納部等を有している。
このうち分離部は、例えば硬貨よりも十分に大きい直径を有する円盤と、円盤の一面との間に空間を形成するように設けられた集積タンクとを有し、該円盤と該集積タンクとの間に硬貨を集積する集積空間を形成するものがある。この分離部は、円盤を回転させると、該円盤の表面に立設された突起(爪状の部材)により、集積空間内の硬貨を1枚ずつ引っ掛けるようにして分離し、搬送部等に順次引き渡すことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2020-86583号公報
ところで上述した硬貨処理装置の分離部では、例えば1個の突起に2枚以上の硬貨が引っかかった場合等に、これらの硬貨を分離できずに搬送部等に引き渡そうとする結果、詰まり等の障害(以下、これを分離異常とも呼ぶ)を発生させる可能性がある。
このような場合、分離部は、例えば円板を一時的に逆回転させる等の障害解消動作を行い、障害の解消を試みる。しかしながら分離部では、このような障害解消動作を行うと、搬送部等に対する硬貨の引き渡しを完了するまでの時間が増加することになる。また分離部は、この障害解消動作を行ったものの障害を解消できなかった場合、保守作業者等による保守作業が必要となってしまう。
そうすると硬貨処理装置では、入金処理や出金処理のような一連の処理の完了までに要する時間が増加してしまい、或いは保守作業を行うために当該処理を中断する場合もあり、使用者を大幅に待たせる恐れがある、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、分離部における硬貨の分離異常の低減と処理時間の短縮とをバランス良く両立させ得る硬貨処理装置及び現金取扱装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の硬貨処理装置においては、複数の硬貨を1枚ずつ分離する分離処理を行う分離部と、分離部において硬貨の分離に関する分離情報を取得する情報取得部と、分離部により分離された硬貨を収納する収納部と、収納部に収納されている硬貨を搬送して分離部に繰り出す収納搬送部と、分離情報を基に、分離部による次回の分離処理において硬貨を正常に分離し得ない分離異常が発生する蓋然性の有無を判定する蓋然性判定部と、収納搬送部における硬貨の搬送を制御する搬送制御部とを設け、搬送制御部は、蓋然性判定部により分離異常が発生する蓋然性があると判定された場合、収納部から分離部へ繰り出す単位時間あたりの硬貨の数量を低減させるよう、収納搬送部を制御するようにした。
また本発明の現金取扱装置においては、使用者の操作を受け付ける操作部と、上述した硬貨処理装置とを設けるようにした。
本発明は、例えば入金処理のように分離部での硬貨の分離処理を複数回行う場合に、先の分離処理において該分離部から得られた分離情報を用いるため、同一の硬貨に対する次回の分離処理において該分離部で分離異常が発生する蓋然性の有無を、高い精度で判定できる。これにより本発明は、分離異常が発生する蓋然性が低い場合、収納部から分離部へ繰り出す単位時間あたりの硬貨の数量を通常通りとして、分離異常を殆ど発生させず時間の短縮を図る。その一方で本発明は、分離異常が発生する蓋然性が高い場合、収納部から分離部へ繰り出す単位時間あたりの硬貨の数量を通常よりも低減させ、時間を要しながらも分離異常の発生を抑えることができる。
本発明によれば、分離部における硬貨の分離異常の低減と処理時間の短縮とをバランス良く両立させ得る硬貨処理装置及び現金取扱装置を実現できる。
現金自動預払機の構成を示す略線的斜視図である。 硬貨処理装置の構成を示す略線図である。 上分離部及び一時保留部の構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による硬貨制御部の機能ブロック構成を示す略線図である。 入金計数処理における硬貨の進行経路を示す略線図である。 入金収納処理における硬貨の進行経路を示す略線図である。 第1の実施の形態による入金計数搬送処理手順を示すフローチャートである。 入金計数処理における硬貨の様子を示す略線図である。 第1の実施の形態による入金収納搬送処理手順を示すフローチャートである。 入金収納処理における硬貨の様子を示す略線図である。 第2の実施の形態による硬貨制御部の機能ブロック構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による入金計数搬送処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態による入金収納搬送処理手順を示すフローチャートである。 第3の実施の形態による硬貨制御部の機能ブロック構成を示す略線図である。 第3の実施の形態による入金計数搬送処理手順を示すフローチャートである。 第3の実施の形態による入金収納搬送処理手順を示すフローチャートである。 第4の実施の形態による硬貨制御部の機能ブロック構成を示す略線図である。 補充繰出処理における硬貨の進行経路を示す略線図である。 第4の実施の形態による補充繰出搬送処理手順を示すフローチャートである。 第5の実施の形態による硬貨制御部の機能ブロック構成を示す略線図である。 第5の実施の形態による入金計数搬送処理手順を示すフローチャートである。 第5の実施の形態による入金収納搬送処理手順を示すフローチャートである。 他の実施の形態による入金収納搬送処理手順を示すフローチャートである。 他の実施の形態による入金収納搬送処理手順を示すフローチャートである。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1-1.現金自動預払機の構成]
図1に外観を示すように、現金取扱装置としての現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関や各種商業施設等に設置され、使用者(すなわち金融機関や商業施設の顧客等)との間で、入金処理や出金処理等の現金に関する取引を行う。
筐体2は、その前側に使用者が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に応対部3が設けられている。応対部3は、使用者との間で例えば現金やカード等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになっており、通帳入出口4、カード入出口5、硬貨入出金口6、紙幣入出金口7及び操作表示部8等が設けられている。
通帳入出口4は、通帳が挿入され、また排出する部分である。通帳入出口4の奥側には、通帳の裏表紙等に設けられた磁気記録部から磁気情報を読み取り、また該通帳に取引の内容を記録する通帳処理部(図示せず)が設けられている。カード入出口5は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口5の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。
硬貨入出金口6は、使用者によって入金される硬貨が投入されると共に、使用者へ出金する硬貨が排出される部分である。紙幣入出金口7は、使用者によって入金される紙幣が投入されると共に、使用者へ出金する紙幣が排出される部分である。この硬貨入出金口6及び紙幣入出金口7は、それぞれシャッタを駆動して開放又は閉塞するようになっている。操作部としての操作表示部8は、取引に際して操作画面や取引内容等を表示する液晶表示パネルと、使用者の入力操作を検知するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルである。
以下では、現金自動預払機1のうち使用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した使用者から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2の内部には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、取引対象である硬貨に関する種々の処理を行う硬貨処理装置10、及び紙幣に関する種々の処理を行う紙幣処理装置(図示せず)等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行し、入金処理や出金処理等の種々の処理を行う。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
硬貨処理装置10は、全体として直方体に類似した形状に構成されており、図示しないスライドレールを介して筐体2に取り付けられている。また筐体2の前面側又は後面側には、開閉可能な扉(図示せず)が設けられている。このため現金自動預払機1は、保守作業等が行われる場合、筐体2の前面側又は後面側の扉を開放した上で、硬貨処理装置10を前方又は後方へスライドさせることにより、該硬貨処理装置10を該筐体2の外部に位置させ、また該筐体2の内部に収納させることができる。
[1-2.硬貨処理装置の構成]
硬貨処理装置10は、図2に模式的な右側面図を示すように、硬貨処理装置筐体11の内部に、硬貨に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。この硬貨は、例えば銅及びニッケルの合金やアルミニウム等、十分な強度を有する非磁性体の材料でなり、円形や多角形の薄い板状に形成されている。因みに硬貨処理装置10では、直径や厚さが異なる複数種類の硬貨を取り扱うことが想定されている。
硬貨処理装置筐体11の内部には、比較的上側ないし中央付近に、入出金部13、シュート部14、上分離部15、認識搬送部16、受渡部17、ピンベルト搬送部18、6個のスタッカ部21、出金搬送部22、及び一時保留部23が設けられている。また硬貨処理装置筐体11の内部には、比較的下側に、硬貨制御部12、補充回収庫24、第1補充リジェクト庫25、第2補充リジェクト庫26、リジェクト庫27、取忘取込庫28及び下分離部29が設けられている。
硬貨制御部12は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から硬貨処理プログラム等の各種プログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等に関する種々の処理を行い、硬貨処理装置10を統括制御する。また硬貨制御部12は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
入出金部13は、使用者に硬貨を入金させ、又は該使用者に硬貨を出金する。該入出金部13は、上側に開口部を有し硬貨を収容する収容器13A、該開口部を開閉するシャッタ13B等、及び収容器13A内における硬貨の有無等を検知するセンサ(図示せず)を有している。
入出金部13は、シャッタ13Bを開放した状態で使用者により硬貨が収容器13Aに投入されると、該シャッタ13Bを閉塞し、硬貨を収容器13A内からシュート部14に引き渡して該シュート部14内を下降させ、上分離部15内に到達させる。また入出金部13は、シャッタ13Bを閉塞した状態で、後述するピンベルト搬送部18から硬貨が搬送されてくると、該硬貨を収容器13A内に収容した後、シャッタ13Bを開放して使用者に受け取らせる。
上分離部15は、下側の比較的大きい容積を占める部分である集積分離部15Aと、該集積分離部15Aから上方に突出するように形成された分離搬送部15Bとにより構成されている。
図3に模式的な拡大図を示すように、集積分離部15Aには、円盤31、円盤モータ32、集積タンク33、集積空間34、回転センサ35及び残留センサ36等により構成されている。円盤31は、盤面を右方向からやや上方向に向けた円形の板状部材であり、回転軸31Xを中心として回転可能に構成されている。また円盤31の盤面には、法線方向に向けて突出した突起31Pが複数設けられている。この突起31Pは、円盤31の盤面からの突出量が、硬貨1枚の厚さよりもやや小さく(低く)なっている。また突起31P同士の間隔は、硬貨1枚の直径よりもやや大きく(長く)なっている。
円盤モータ32は、硬貨制御部12の制御に基づいて駆動力を発生し、円盤31に伝達することにより、該円盤31を回転させる。集積タンク33は、中空の半球状に形成されており、円盤31の右側を覆り、該円盤31の盤面との間に集積空間34を形成している。因みに図3では、集積タンク33における一部の外形を曲線により表している。また集積タンク33及び円盤31の間には、硬貨が通過し得ない程度の狭い隙間が形成されている。このような構成により、上分離部15は、集積空間34内に多数の硬貨を収納することができる。
回転センサ35は、円盤31の回転を検知し、該円盤31の回転に応じた波形でなる円盤回転信号を生成して硬貨制御部12へ送信する。残留センサ36は、集積空間34内に硬貨が残留しているか否かを検知し、検知結果を表す残留検知信号を生成して硬貨制御部12へ送信する。以下では、円盤回転信号及び残留検知信号を、上分離部15における硬貨の分離に関する情報を表すものと見なし、両者をまとめて分離情報とも呼ぶ。硬貨制御部12は、この分離情報を基に、円盤31の回転状態や、集積空間34内における残留硬貨の有無等を認識することができる。
分離搬送部15Bは、硬貨の移動範囲を規制しながら案内する搬送ガイド37や硬貨の搬送路に沿って進行するピンベルト38等を有している。ピンベルト38は、硬貨の搬送路の外側(左側)に張架されるベルト、及び当該ベルトにおける所定間隔毎に設けられ当該搬送路内に突出した複数のピンにより構成されている。因みにピンベルト38は、円盤モータ32から駆動力が伝達される。
かかる構成により上分離部15の集積分離部15Aは、シュート部14から落下してくる硬貨を、集積空間34内に集積することができる。また集積分離部15Aは、円盤31を矢印R1方向に回転させることにより、集積空間34内の硬貨を1つの突起31Pに1枚ずつ引っ掛けて持ち上げ、分離搬送部15Bに順次引き渡す。分離搬送部15Bは、ピンベルト38を走行させることにより、集積分離部15Aから硬貨を受け取り、搬送ガイド37に沿って硬貨を上方向へ進行させた後、後方向へ進行させて認識搬送部16に引き渡す。以下では、上分離部15によるこのような処理を分離処理とも呼ぶ。
ところで上分離部15では、例えば集積分離部15Aにおいて1個の突起31Pに複数枚の硬貨が引っ掛かり、分離搬送部15Bに硬貨を引き渡す箇所等においてこの複数枚の硬貨を同時に搬送ガイド37内へ搬送しようとし、詰まりが発生する場合がある。以下、このように上分離部15において硬貨を正常に分離できなくなる状態を、分離異常と呼ぶ。
硬貨制御部12は、例えば回転センサ35から通知される円盤回転信号を基に、円盤31が正常に回転していないことを検知した場合に、上分離部15においてこの分離異常が発生したことを認識できる。この分離異常が発生した場合、上分離部15では、硬貨制御部12の制御に基づき、例えば円盤31を通常と逆の方向に回転させると共にピンベルト38を通常と逆の方向に走行させる等の異常解消処理を行い、分離異常の解消を図ることができる。
認識搬送部16(図2)は、シュート部14の右側に位置しており、硬貨を搬送しながら撮像し、得られた画像信号を基に当該硬貨の金種や真偽、或いは損傷の程度等を基に当該硬貨が取扱可能であるか否かを判定する。そのうえで認識搬送部16は、得られた判定結果を当該硬貨の認識結果として硬貨制御部12に通知すると共に、当該硬貨を受渡部17に引き渡す。受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨をピンベルト搬送部18に引き渡す。
ピンベルト搬送部18は、スタッカ部21の前側下部、下側、後側及び上側をそれぞれ取り囲み、硬貨を搬送する経路である搬送経路を形成している。ピンベルト搬送部18は、分離搬送部15B(図3)と類似した構成であり、搬送ガイド及びピンベルト等により構成されている。ピンベルト搬送部18は、ピンベルトを走行させ、受渡部17から受け取った硬貨を搬送経路に沿って搬送し、入出金部13の収容器13A内へ放出する。
またピンベルト搬送部18には、スタッカ部21の前側下部及び下側に配置された部分における複数箇所に、硬貨の搬送経路を分岐させる分岐部19がそれぞれ設けられている。各分岐部19は、それぞれ回動可能な案内板及びアクチュエータ等(何れも図示せず)を有すると共に、その左側に硬貨を案内する案内部30がそれぞれ設けられている。各分岐部19は、硬貨制御部12の制御に基づき、硬貨を引き続きピンベルト搬送部18に沿って進行させるか、或いは各案内部30へ分岐させるかを切り替える。各案内部30は、それぞれ補充回収庫24、第1補充リジェクト庫25又は第2補充リジェクト庫26、一時保留部23、リジェクト庫27及び取忘取込庫28等へ硬貨を進行させる。
さらにピンベルト搬送部18には、6個のスタッカ部21のそれぞれ上側となる6箇所に、スタッカ分岐部20が設けられている。各スタッカ分岐部20は、各分岐部19と同様に構成されており、硬貨制御部12の制御に基づいて案内板を回動させ、硬貨を引き続きピンベルト搬送部18に沿って進行させるか、或いは各スタッカ部21へ分岐させるかを切り替える。
スタッカ部21は、それぞれ所定の金種の硬貨と対応付けられており、硬貨をスタッカ分岐部20から受け取ると、筒状の集積部(図示せず)内に集積させる。またスタッカ部21は、硬貨制御部12の制御に基づき、集積部内に集積している硬貨を下端近傍から1枚ずつ繰り出し、下方の出金搬送部22又は一時保留部23へ落下させる。
出金搬送部22は、ピンベルト搬送部18の右側、すなわち図2における紙面の手前側に位置しており、上側及び前側が開放されると共に、内部に硬貨を収容し得る空間を形成している。また出金搬送部22は、底部にベルトやローラ等でなるベルト搬送機構が組み込まれており、スタッカ部21から繰り出された硬貨をベルト上に載置若しくは集積する。この出金搬送部22は、ベルトの上に硬貨が載置若しくは集積された状態で、該ベルトの上側部分を前方へ向けて走行させると、該硬貨を前側の一時保留部23へ落下させる。
一時保留部23(図3)は、一時保留搬送部41、後ガイド42、保留空間43、残留センサ44及び繰出シャッタ45等により構成されている。このうち一時保留搬送部41は、後ローラ46、前ローラ47、搬送ベルト48及び搬送モータ49等を有している。
後ローラ46及び前ローラ47は、中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に形成されており、図示しない支持部材により回転可能に支持されている。前ローラ47は、後ローラ46の前上側であり、且つ上分離部15における集積空間34の上側に位置している。搬送ベルト48は、可撓性を有する無端ベルトであり、後ローラ46及び前ローラ47の周囲を周回するように張架されている。搬送ベルト48の上側部分は、後下側及び前上側を結ぶように傾斜した平面を形成している。搬送モータ49は、硬貨制御部12の制御に基づき、駆動力を発生させて後ローラ46に供給し、矢印R2方向に回転する。これにより一時保留搬送部41は、搬送ベルト48の上面部分を前上側へ進行させるようにして、該搬送ベルト48を走行させることができる。このとき一時保留搬送部41は、保留空間43内に硬貨が収納(保留)され、搬送ベルト48上に硬貨が載置されていれば、当該硬貨を前斜め上方向へ搬送することができる。
後ガイド42は、板面を概ね前後方向に向けた板状の部材であり、その下端を一時保留搬送部41における後ローラ46の直近に位置させている。保留空間43は、前下側が一時保留搬送部41における搬送ベルト48の上面により仕切られ、後側が後ガイド42により仕切られ、且つ上側が解放された空間となっており、多数の硬貨を収納すること(すなわち保留すること)ができる。残留センサ44は、保留空間43内に硬貨が残留しているか否かを検知し、得られた検知結果を基に残留検知信号を生成し、これを硬貨制御部12へ送信する。
繰出シャッタ45は、一時保留搬送部41における前ローラ47の上側に位置しており、前後方向に薄い板状のシャッタ板45Bやアクチュエータ45A等を有している。この繰出シャッタ45は、硬貨制御部12の制御に基づいてアクチュエータ45Aを駆動させると、シャッタ板45Bを上方向又は下方向へ移動させることができる。
すなわち繰出シャッタ45は、シャッタ板45Bを上方向へ移動させ、搬送ベルト48の上面から引き離した開放状態であれば、一時保留搬送部41により搬送される硬貨をそのまま通過させ、搬送ベルト48の前端から硬貨を繰り出させることができる。一方、繰出シャッタ45は、シャッタ板45Bを下方向へ移動させ、その下端を搬送ベルト48に当接させ若しくは直近に位置させた閉塞状態であれば、一時保留搬送部41により搬送される硬貨を堰き止め、搬送ベルト48の前端から硬貨が繰り出されることを阻止する。
かかる構成により一時保留部23は、スタッカ部21から繰り出された硬貨や出金搬送部22から搬送されてきた硬貨を、保留空間43内に収納(保留)し、一時保留搬送部41の搬送ベルト48上に載置する。また一時保留部23は、搬送ベルト48を硬貨が載置された状態で走行させると、該硬貨を搬送して前側の上分離部15へ繰り出し、その内部へ落下させることができる。
補充回収庫24(図2)は、硬貨処理装置筐体11に対して着脱可能に構成されると共に、内部に硬貨を集積する集積部や、該集積部に集積されている硬貨を搬送する搬送機構等を有している。この補充回収庫24は、案内部30により案内されてきた硬貨を集積し、また搬送機構を動作させて硬貨を後方へ搬送して下分離部29に引き渡す。第1補充リジェクト庫25及び第2補充リジェクト庫26は、それぞれ内部に硬貨を集積する空間を有しており、案内部30により案内されてきた硬貨を集積する。リジェクト庫27及び取忘取込庫28は、それぞれ内部に硬貨を集積する空間を有しており、案内部30により案内されてきた硬貨をそれぞれ集積する。
下分離部29は、補充回収庫24の後側に隣接する位置に配置されている。この下分離部29は、上分離部15と類似した構成となっており、集積分離部15A及び分離搬送部15Bとそれぞれ対応する集積分離部29A及び分離搬送部29Bを有している。すなわち下分離部29は、上分離部15(図3)と同様に円盤31、集積空間34、回転センサ35及び残留センサ36等を有している。このため下分離部29は、上分離部15と同等の機能や硬貨の分離性能を有しており、該上分離部15と同様に硬貨の分離処理を行うことができる。
ただし下分離部29は、硬貨処理装置筐体11に対する取付方向が上分離部15とは相違しており、また硬貨の搬送方向が上方向及び前方向となっている。この下分離部29は、補充回収庫24から硬貨を受け取って内部に集積し、また分離処理により集積されている硬貨を1枚ずつに分離して1枚ずつ上方へ搬送し、一時保留部23内へ放出する。
ところで硬貨制御部12は、上述した硬貨処理プログラムの他に、各処理を実行するための処理プログラムや、各部を制御するための制御プログラム等を有している。例えば硬貨制御部12は、入金取引等において一時保留部23の一時保留搬送部41を制御する場合、記憶部から一時保留搬送制御プログラムを読み出して実行することにより、図4に示すように、情報取得部51、計数部52、情報判定部53、履歴記憶部54、蓋然性判定部55及び搬送制御部56といった複数の機能ブロックを内部に形成する。
情報取得部51は、上分離部15(図3)の回転センサ35から円盤回転信号を取得し、残留センサ36から残留検知信号を取得し、認識搬送部16から認識結果を取得すると共に、一時保留部23の残留センサ44から残留検知信号を取得する。計数部52は、認識搬送部16から通知される認識結果を基に、上分離部15において分離された硬貨の枚数を計数し、これを分離枚数とする。
情報判定部53は、上分離部15の回転センサ35から得られた円盤回転信号を基に、円盤31が正常に回転しているか否か、すなわち分離異常が発生したか否かを判定する。履歴記憶部54は、上分離部15において分離異常が発生したか否かを履歴として記憶する。
蓋然性判定部55は、履歴記憶部54の記憶内容を基に、上分離部15における今後の分離処理において、ある程度の確度で分離異常が発生する可能性があるか否か、すなわち上分離部15において分離異常が発生する蓋然性があるか否かを判定する。搬送制御部56は、一時保留搬送部41の搬送モータ49を制御することにより、搬送ベルト48を走行又は停止させ、或いは走行速度を変化させる。
[1-3.各種取引における硬貨の搬送]
次に、硬貨処理装置10において硬貨の搬送を伴う種々の処理、すなわち入金処理及び出金処理等における硬貨の搬送や集積等について説明する。ここでは、現金自動預払機1と使用者との間で入金取引を行う場合を例として、硬貨処理装置10での各処理について、図5及び図6を参照しながらそれぞれ説明する。因みに図5及び図6は、硬貨処理装置10における内部の構成を模式的に表しており、また太線の矢印により硬貨の搬送経路を示している。
現金自動預払機1(図1)において使用者との間で入金取引が行われる場合、硬貨処理装置10は、前段の入金計数処理により、使用者に入金された硬貨の金種等を認識しながら枚数を計数し、これに続く後段の入金収納処理により、各硬貨を適切な収納箇所へ搬送して収納する。
具体的に硬貨処理装置10は、前段の入金計数処理において、図5に示すように、使用者に入出金部13に硬貨を投入させると、まず全ての硬貨をシュート部14経由で上分離部15に集積させる。続いて硬貨処理装置10は、上分離部15において硬貨を1枚ずつに分離し、認識搬送部16において各硬貨を搬送しながら認識した後、受渡部17を介してピンベルト搬送部18により各硬貨を順次搬送し、一時保留部23に収納する。
このとき硬貨処理装置10は、認識搬送部16による各硬貨の認識結果を基に入金額を集計して操作表示部8(図1)に表示し、使用者に入金取引を継続するか、又は中止するかを選択させる。硬貨処理装置10は、使用者により継続が選択されると、後段の入金収納処理を行い、中止が選択されると、入金取引を中止し、後述する出金処理の場合と同様に硬貨を入出金部13へ搬送して返却する。
硬貨処理装置10は、後段の入金収納処理において、図6に示すように、硬貨を一時保留部23から順次繰り出して上分離部15に集積させる。続いて硬貨処理装置10は、上分離部15において硬貨を1枚ずつに分離し、認識搬送部16において各硬貨を搬送しながら認識した後、受渡部17を介してピンベルト搬送部18により各硬貨を搬送する。さらに硬貨処理装置10は、認識搬送部16による各硬貨の認識結果を基に、当該硬貨の金種に応じたスタッカ分岐部20を適宜動作させ、当該硬貨の金種に応じたスタッカ部21に収納させる。
このように硬貨処理装置10では、入金処理を行う場合、前段の入金計数処理において上分離部15により硬貨の分離処理を行い、また後段の入金収納処理において再び上分離部15により硬貨の分離処理を行うようになっている。
因みに現金自動預払機1(図1)において使用者との間で出金取引が行われる場合、硬貨処理装置10は、出金処理により、使用者に指示された金額の硬貨をスタッカ部21から繰り出し、各部を経由して入出金部13へ搬送して出金する。また硬貨処理装置10は、補充回収庫24から該スタッカ部21へ硬貨を補充する補充処理、或いは該スタッカ部21から補充回収庫24へ硬貨を回収する回収処理等も行い得るようになっている。
[1-4.入金処理における搬送ベルトの制御]
ところで硬貨処理装置10では、入金処理(すなわち入金計数処理及び入金収納処理)が行われる場合に、上分離部15における分離異常の発生を抑制する目的で、硬貨制御部12により一時保留部23の一時保留搬送部41を制御するようになっている。以下では、硬貨制御部12により一時保留搬送部41を制御する具体的な処理について、前段の入金計数処理と後段の入金収納処理とに分けて、それぞれ説明する。まず、前段の入金計数処理について、図7のフローチャート及び図8の模式図を参照しながら説明する。
硬貨制御部12は、入金計数処理を開始すると、硬貨処理装置10(図2)の各部を制御してそれぞれを動作させる。例えば硬貨制御部12は、入出金部13のシャッタ13Bを適宜開放又は閉塞させ、上分離部15(図3)において円盤31を回転させると共にピンベルト38を走行させて分離処理を開始させ、また認識搬送部16により硬貨の搬送及び認識処理を行わせる。これらに加えて硬貨制御部12は、一時保留搬送制御プログラムを実行し、図4に示した各機能ブロックを形成した上で、図7に示した入金計数搬送処理手順RT1を開始し、最初のステップSP1に移る。
因みに情報取得部51は、各部からの各種情報を随時取得している。例えば情報取得部51は、上分離部15から円盤回転信号及び残留検知信号を取得し、認識搬送部16から硬貨の認識結果を取得し、一時保留部23から残留検知信号を取得している。
ステップSP1において硬貨制御部12は、履歴記憶部54に記憶している異常履歴を初期化し、次のステップSP2に移る。ステップSP2において硬貨制御部12は、情報判定部53により、上分離部15において分離異常が発生したか否かを判定する。具体的に硬貨制御部12は、情報取得部51により上分離部15から取得した円盤回転信号を基に、情報判定部53において円盤31(図3)が正常に回転しているか否かを判定し、該円盤31が正常に回転していないと判定した場合に、分離異常が発生したものとして認識する。
ここで肯定結果が得られると、このことは、入出金部13に投入された硬貨の枚数が比較的多く、或いは硬貨の品質が低い等の理由により、上分離部15での分離処理において分離異常が発生しているため、後段の入金収納処理においても、同様に上分離部15での分離処理において分離異常が発生する蓋然性が有ることを表している。このとき硬貨制御部12は、次のステップSP3に移る。
ステップSP3において硬貨制御部12は、履歴記憶部54に記憶している異常履歴を更新することにより、上分離部15において分離異常が発生したことを記憶させ、次のステップSP4に移る。因みにこのとき硬貨制御部12は、所定の分離制御プログラムを別途実行しており、当該分離異常が発生したことに伴い、円盤31を逆回転させる等の異常解消処理を適宜実行させる。
一方、ステップSP2において否定結果が得られると、このことは履歴記憶部54の異常履歴を更新する必要が無いことを表している。このとき硬貨制御部12は、次のステップSP4に移る。
ステップSP4において硬貨制御部12は、計数部52により、上分離部15において分離された硬貨の枚数を分離枚数として計数し、次のステップSP5に移る。具体的に計数部52は、情報取得部51により認識搬送部16から認識結果を取得すると、当該認識結果を取得した数を硬貨の枚数、すなわち分離枚数として計数し、この分離枚数を逐次更新する。
ステップSP5において硬貨制御部12は、最後に一時保留搬送部41の搬送ベルト48を走行させた後に、上分離部15において所定数量(例えば5枚)を分離したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはこの時点において一時保留搬送部41の搬送ベルト48を走行させる必要が無いことを表している。このとき硬貨制御部12は次のステップSP7に移る。
一方、ステップSP5において肯定結果が得られると、このことは最後に一時保留搬送部41の搬送ベルト48を走行させた後に一定枚数の硬貨が分離されており、これに伴い一時保留部23において当該一定枚数の硬貨が当該搬送ベルト48の後端近傍に集積されていることを表している。仮に、搬送ベルト48上の後端近傍に硬貨をさらに集積させた場合、後の入金収納処理において上分離部15へ硬貨を繰り出す際に、一度に大量の硬貨が繰り出されて分離異常を引き起こす可能性が高まってしまう。そこで硬貨制御部12は、次のステップSP6に移る。
ステップSP6において硬貨制御部12は、搬送制御部56により一時保留部23の搬送モータ49(図3)を制御し、搬送ベルト48を所定距離だけ走行させ、次のステップSP7に移る。これにより一時保留部23では、搬送ベルト48上に堆積されている硬貨が、前斜め上方向へ所定距離だけ移動すると共に後端近傍に新たな空間を形成し、ピンベルト搬送部18により新たな硬貨が搬送されてきた際に、当該硬貨を新たな空間に堆積させることができる。因みに一時保留部23では、このとき繰出シャッタ45のシャッタ板45Bを下方向へ移動させた閉塞状態としているため、硬貨を誤って上分離部15へ繰り出してしまうことを防止している。
ステップSP7において硬貨制御部12は、情報取得部51により上分離部15の残留センサ36から取得した残留検知信号を基に、該上分離部15の集積空間34内に硬貨が残留していない否か、すなわち該集積空間34内に集積されていた硬貨を全て分離したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、硬貨制御部12は再度ステップSP2に戻り、残りの硬貨が上分離部15において分離される間、一連の処理を繰り返す。
一方、ステップSP7において肯定結果が得られると、このことは集積空間34内に集積されていた全ての硬貨を分離し終えており、一時保留部23への搬送を間もなく完了すること、若しくは既に完了したことを表している。このとき硬貨制御部12は、次のステップSP8に移って入金計数搬送処理手順RT1を終了する。
次に、後段の入金収納処理について、図9のフローチャート及び図10の模式図を参照しながら説明する。上述したように、硬貨処理装置10は、前段の入金計数処理が終了すると入金額を操作表示部8(図1)に表示し、ここで使用者から入金取引の継続が指示されると、後段の入金収納処理を開始する。
硬貨制御部12は、入金収納処理を開始すると、硬貨処理装置10(図2)の各部を制御してそれぞれを動作させる。例えば硬貨制御部12は、上分離部15において円盤31を回転させると共にピンベルト38を走行させて分離処理を開始させ、認識搬送部16により硬貨の搬送及び認識処理を行わせ、ピンベルト搬送部18の動作を開始させる。
これらに加えて硬貨制御部12は、入金計数処理において形成した各機能ブロック(図4)を維持したまま、図9に示した入金収納搬送処理手順RT2を開始し、最初のステップSP21に移る。ステップSP21において硬貨制御部12は、蓋然性判定部55(図4)により、前段の入金収納処理において分離異常が発生したか否か、具体的には履歴記憶部54に記憶されている分離異常の発生回数が1回以上であったか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、前段の入金計数処理において、上分離部15(図3)の集積空間34内に全ての硬貨が集積された状態で分離処理を行った際に分離異常が発生しなかったことを表している。このことは、後段の入金収納処理において、仮に全ての硬貨を一時保留部23から上分離部15へ繰り出したとしても、該上分離部15において分離不良が発生する可能性が極めて低い、すなわち当該分離不良が発生する蓋然性が無いと見なし得ることを表している。このとき硬貨制御部12は、次のステップSP22に移る。
ステップSP22において硬貨制御部12は、搬送制御部56(図4)によって、一時保留搬送部41の搬送モータ49を制御し、搬送ベルト48の通常の速度による走行を開始させて、次のステップSP24に移る。これにより一時保留部23は、上分離部15に対し、単位時間あたりに繰り出す硬貨の数量を比較的多くすることになり、該上分離部15の集積空間34内に比較的多い硬貨を集積させる。
一方、ステップSP21において肯定結果が得られると、前段の入金計数処理において、上分離部15(図3)の集積空間34内に全ての硬貨が集積された状態で分離処理を行った際に分離異常が発生したことを表している。このことは、後段の入金収納処理において、仮に全ての硬貨を一時保留部23から上分離部15へ繰り出した場合、該上分離部15において分離不良が発生する可能性が高い、すなわち当該分離不良が発生する蓋然性が有ると見なし得ることを表している。このとき硬貨制御部12は、次のステップSP23に移る。
ステップSP23において硬貨制御部12は、搬送制御部56(図4)によって、一時保留搬送部41の搬送モータ49を制御し、搬送ベルト48の通常よりも低い速度による走行を開始させて、次のステップSP24に移る。これにより一時保留部23は、上分離部15に対し、単位時間あたりに繰り出す硬貨の数量を低減させることになり、該上分離部15の集積空間34内に比較的少ない硬貨を集積させる。
ステップSP24において硬貨制御部12は、情報取得部51により一時保留部23の残留センサ44から取得した残留検知信号を基に、該一時保留部23の保留空間43内に硬貨が残留していない状態であるか否か、すなわち該保留空間43内に集積されていた硬貨を全て繰り出したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、硬貨制御部12はこのステップSP24を繰り返し、保留空間43内の全ての硬貨を上分離部15へ繰り出し終えるのを待ち受ける。
一方、ステップSP24において肯定結果が得られると、硬貨制御部12は次のステップSP25に移り、搬送制御部56(図4)によって、一時保留搬送部41の搬送モータ49を制御し、搬送ベルト48を停止させる。その後、硬貨制御部12は次のステップSP26に移って入金収納搬送処理手順RT2を終了する。
[1-5.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態による現金自動預払機1の硬貨処理装置10は、入金処理を行う場合、前段の入金計数処理における上分離部15での分離異常の有無に応じて、後段の入金収納処理において該上分離部15へ硬貨を繰り出す一時保留部23の搬送ベルト48における搬送速度を制御するようにした。
硬貨処理装置10では、入金計数処理において上分離部15で分離異常が発生していなかった場合、入金収納処理において同数の硬貨が上分離部15に集積されたとしても、該分離異常が発生する蓋然性が無いと見なし得る。そこで硬貨処理装置10は、入金計数処理において上分離部15で分離異常が発生していなければ、入金収納処理において搬送ベルト48を通常の速度で走行させる。これにより上分離部15は、集積分離部15Aから分離搬送部15Bに殆ど途切れること無く硬貨を順次引き渡すこと、すなわち比較的短い時間で分離処理を完了することができる。この結果、硬貨処理装置10は、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出を比較的短い時間で完了でき、このとき分離異常を殆ど発生させる恐れが無い。
その一方で硬貨処理装置10では、入金計数処理において上分離部15で分離異常が発生していた場合、入金収納処理において同数の硬貨が上分離部15に集積された場合にも、該分離異常が発生する蓋然性が有ると見なし得る。そこで硬貨処理装置10は、入金計数処理において上分離部15で分離異常が発生していれば、入金収納処理において搬送ベルト48を通常よりも低い速度で走行させる。これにより上分離部15は、集積分離部15Aから分離搬送部15Bに対する硬貨の引き渡しが一時的に途切れる可能性があり、分離処理の完了までにやや時間を要する可能性があるものの、分離異常が発生する可能性を格段に低減させることができる。この結果、硬貨処理装置10は、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出にやや時間がかかるものの、このとき分離異常の発生を効果的に抑止できる。
このように硬貨処理装置10は、入金計数処理における分離異常の有無に応じて、入金収納処理における搬送ベルト48の搬送速度を制御することにより、上分離部15における分離異常の発生を抑えながら、できるだけ短い時間で入金収納処理を完了することができる。これを換言すれば、硬貨処理装置10は、上分離部15における分離異常が発生する可能性の低減と、入金収納処理の完了に要する時間の短縮とを、バランス良く両立させることができる。
これを他の観点から見ると、硬貨処理装置10では、入金処理を行う場合、入金計数処理及び入金収納処理の双方において、入金された全ての硬貨を上分離部15において1枚ずつに分離する分離処理をそれぞれ行うことになる。このため硬貨処理装置10では、入金計数処理において分離異常が発生していれば、入金収納処理でも分離異常が発生する可能性が高く、入金計数処理において分離異常が発生していなければ、入金収納処理でも分離異常が発生しない可能性が高い。
また上分離部15は、入金計数処理では入出金部13からシュート部14を介してほぼ全ての硬貨を一度にまとめて受け取る一方、入金収納処理では一時保留部23から搬送ベルト48の走行速度に応じた時間を掛けて硬貨を受け取ることになる。そこで硬貨処理装置10は、入金計数処理における分離異常の有無に応じて搬送ベルト48の走行速度を切り替えることにより、入金収納処理における分離異常の発生を抑止しながら、必要最小限の時間で分離処理を完了させることができる。
また硬貨処理装置10は、入金計数処理において、上分離部15から所定枚数(例えば5枚)の硬貨が分離される度に、一時保留搬送部41の搬送ベルト48を所定距離ずつ走行させるようにした(図7、ステップSP5及びSP6)。このため硬貨処理装置10は、搬送ベルト48上における一部の箇所に硬貨が集中して堆積することを回避し、該搬送ベルト48上において広い範囲に分散するように硬貨を堆積させることができる。
これにより硬貨処理装置10は、後段の入金収納処理において、一時保留部23から上分離部15へ硬貨を繰り出す際に、搬送ベルト48の走行速度に応じて、単位時間あたりに繰り出す硬貨の数量を容易に変化させることができる。すなわち硬貨処理装置10は、入金計数処理において分離異常が発生しており、入金収納処理において搬送ベルト48の搬送速度を低下させる場合に、一時保留部23から上分離部15に繰り出される硬貨の単位時間の数量を確実に低下させ、分離異常の発生を効果的に抑制できる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による現金自動預払機1の硬貨処理装置10は、入金処理を行う場合、前段の入金計数処理で上分離部15において分離異常が発生していなければ、後段の入金収納処理で搬送ベルト48を通常の速度で走行させ、比較的短い時間で繰り出しを完了させる。一方、硬貨処理装置10は、入金計数処理で上分離部15において分離異常が発生していれば、入金収納処理で搬送ベルト48の走行速度を低下させ、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出にやや時間を要するものの、分離異常の発生を抑止する。これにより硬貨処理装置10は、上分離部15における分離異常の発生を効果的に抑えながら、できるだけ短い時間で入金収納処理を完了することができる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による現金自動預払機201(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、硬貨処理装置10に代わる硬貨処理装置210を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。硬貨処理装置210は、第1の実施の形態による硬貨処理装置10(図2)と比較して、硬貨制御部12に代わる硬貨制御部212を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
硬貨制御部212は、第1の実施の形態による硬貨制御部12と同様、図示しないCPU、ROM、RAM及びフラッシュメモリ等を有し、硬貨処理装置210を統括制御すると共に種々の情報を記憶する。この硬貨制御部212は、一時保留搬送制御プログラムを実行すると、図4と対応する図11に示すように、第1の実施の形態と同様の情報取得部51、計数部52、情報判定部53及び搬送制御部56を形成する他、枚数記憶部254及び蓋然性判定部255を形成する。
枚数記憶部254は、予め設定された基準枚数(例えば30枚)を記憶すると共に、計数部52において計数された分離枚数(上分離部15において分離された硬貨の枚数)を記憶し、適宜更新する。蓋然性判定部255は、枚数記憶部254の記憶内容を基に、上分離部15において分離異常が発生する蓋然性があるか否かを判定する。
[2-1.入金処理における搬送ベルトの制御]
ところで硬貨処理装置210では、第1の実施の形態と同様に、入金処理が行われる場合に、上分離部15における分離異常の発生を抑制する目的で、硬貨制御部212により一時保留部23の一時保留搬送部41を制御するようになっている。以下では、硬貨制御部212により一時保留搬送部41を制御する具体的な処理について説明する。
硬貨制御部212は、前段の入金計数処理を開始すると、第1の実施の形態と同様に、硬貨処理装置210(図2)の各部をそれぞれ動作させる。また硬貨制御部212は、一時保留搬送制御プログラムの実行により、図11に示した各機能ブロックを形成した上で、図7と対応する図12に示す入金計数搬送処理手順RT21を開始し、最初のステップSP201に移る。
ステップSP201において硬貨制御部212は、枚数記憶部254に記憶している分離枚数を初期化し、次のステップSP202に移る。硬貨制御部212は、ステップSP202~SP205において、入金計数搬送処理手順RT1(図7)のステップSP4~SP7と同様の処理を行い、次のステップSP206に移る。具体的に硬貨制御部212は、分離枚数を計数し、上分離部15から所定枚数の硬貨が分離される度に搬送ベルト48を所定距離ずつ走行させる処理を、該上分離部15内の全ての硬貨を分離し終えるまで繰り返す。
ステップSP206において硬貨制御部212は、計数部52において計数された分離枚数を枚数記憶部254に記憶させた後、次のステップSP207に移って入金計数搬送処理手順RT21を終了する。
硬貨処理装置210は、入金計数処理が終了すると、第1の実施の形態と同様に入金額を操作表示部8(図1)に表示し、ここで使用者から入金取引の継続が指示されると入金収納処理を開始する。硬貨制御部212は、入金収納処理を開始すると、硬貨処理装置210(図2)の各部を動作させる。また硬貨制御部212は、入金計数処理において形成した各機能ブロック(図11)を維持したまま、図9と対応する図13に示す入金収納搬送処理手順RT22を開始し、最初のステップSP221に移る。
ステップSP221において硬貨制御部212は、蓋然性判定部255(図11)により、枚数記憶部254に記憶している分離枚数が、該枚数記憶部254に予め記憶している基準枚数以上であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは分離枚数が比較的少ないため、仮に全ての硬貨を一時保留部23から上分離部15へ繰り出したとしても、該上分離部15において分離不良が発生する可能性が極めて低い、すなわち当該分離不良が発生する蓋然性が無いと見なし得ることを表している。このとき硬貨制御部212は、次のステップSP222に移る。
ステップSP222において硬貨制御部12は、搬送制御部56(図11)によって、入金収納搬送処理手順RT2のステップSP22(図9)と同様に、一時保留搬送部41の搬送モータ49を制御し、搬送ベルト48の通常の速度による走行を開始させて、次のステップSP224に移る。これにより一時保留部23は、上分離部15に対し、単位時間あたりに繰り出す硬貨の数量を比較的多くする。
一方、ステップSP221において肯定結果が得られると、このことは分離枚数が比較的多いため、仮に全ての硬貨を一時保留部23から上分離部15へ繰り出した場合、該上分離部15において分離不良が発生する可能性が高い、すなわち当該分離不良が発生する蓋然性が有ると見なし得ることを表している。このとき硬貨制御部212は、次のステップSP223に移る。
ステップSP223において硬貨制御部12は、搬送制御部56(図11)によって、入金収納搬送処理手順RT2のステップSP23(図9)と同様に、一時保留搬送部41の搬送モータ49を制御し、搬送ベルト48の通常よりも低い速度による走行を開始させて、次のステップSP24に移る。これにより一時保留部23は、上分離部15に対し、単位時間あたりに繰り出す硬貨の数量を低減させる。
硬貨制御部212は、ステップSP224~SP226において、入金収納搬送処理手順RT2のステップSP24~SP26(図9)と同様の処理を行う。すなわち硬貨制御部212は、保留空間43内の全ての硬貨を上分離部15へ繰り出し終えるまで待機した後、搬送ベルト48を停止させ、入金収納搬送処理手順RT2を終了する。
[2-2.効果等]
以上の構成において、第2の実施の形態による現金自動預払機201の硬貨処理装置210は、入金処理における後段の入金収納処理において、前段の入金計数処理で得られた分離枚数と基準枚数との比較結果に応じて、一時保留部23の搬送ベルト48における搬送速度を制御するようにした。
硬貨処理装置210では、入金計数処理において得られた分離枚数が比較的少なかった場合、入金収納処理において同数の硬貨が上分離部15に集積されたとしても、分離異常が発生する蓋然性が無いと見なし得る。そこで硬貨処理装置210は、分離枚数が基準枚数未満であれば、入金収納処理において搬送ベルト48を通常の速度で走行させる。これにより硬貨処理装置210は、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出を比較的短い時間で完了でき、このとき分離異常を殆ど発生させることが無い。
その一方で硬貨処理装置210では、入金計数処理において得られた分離枚数が比較的多かった場合、入金収納処理において同数の硬貨が上分離部15にまとめて集積された際にも、分離異常が発生する蓋然性が有ると見なし得る。そこで硬貨処理装置210は、分離枚数が基準枚数以上であれば、入金収納処理において搬送ベルト48を通常よりも低い速度で走行させる。これにより硬貨処理装置210は、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出にやや時間がかかるものの、このとき分離異常の発生を効果的に抑止できる。
このように硬貨処理装置210は、入金計数処理において得られた分離枚数と基準枚数との比較結果に応じて、入金収納処理における搬送ベルト48の搬送速度を制御することにより、上分離部15における分離異常の発生を抑えながら、できるだけ短い時間で入金収納処理を完了できる。これを換言すれば、硬貨処理装置210は、第1の実施の形態と同様、上分離部15における分離異常が発生する可能性の低減と、入金収納処理の完了に要する時間の短縮とを、バランス良く両立させることができる。
これを他の観点から見ると、硬貨処理装置210は、上分離部15において分離異常が発生する蓋然性の有無を、入金計数処理における分離異常の有無に関わらず、基準枚数に対する分離枚数の大小のみを基に判定するようにした。これにより硬貨処理装置210は、仮に入金計数処理において分離異常が発生していたとしても、分離枚数が基準枚数未満であれば、入金収納処理において分離異常が発生する可能性が低い(蓋然性は無い)ものと見なし、短時間で入金収納処理を完了できる。また硬貨処理装置210は、仮に入金計数処理において分離異常が発生していなかったとしても、分離枚数が基準枚数以上であれば、入金収納処理において分離異常が発生する可能性が高い(蓋然性が有る)ものと見なし、分離異常の発生を抑えながらやや時間をかけて入金収納処理を完了できる。
その他の点においても、第2の実施の形態による硬貨処理装置210は、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による現金自動預払機201の硬貨処理装置210は、入金処理を行う場合、前段の入金計数処理で得られた分離枚数が基準枚数未満であれば、後段の入金収納処理で搬送ベルト48を通常の速度で走行させ、比較的短い時間で繰り出しを完了させる。一方、硬貨処理装置210は、入金計数処理で得られた分離枚数が基準枚数以上であれば、入金収納処理で搬送ベルト48の走行速度を低下させ、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出にやや時間を要するものの、分離異常の発生を抑止できる。これにより硬貨処理装置210は、上分離部15における分離異常の発生を効果的に抑えながら、できるだけ短い時間で入金収納処理を完了することができる。
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態による現金自動預払機301(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、硬貨処理装置10に代わる硬貨処理装置310を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。硬貨処理装置310は、第1の実施の形態による硬貨処理装置10(図2)と比較して、硬貨制御部12に代わる硬貨制御部312を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
硬貨制御部312は、第1の実施の形態による硬貨制御部12と同様、図示しないCPU、ROM、RAM及びフラッシュメモリ等を有し、硬貨処理装置310を統括制御すると共に種々の情報を記憶する。この硬貨制御部312は、一時保留搬送制御プログラムを実行すると、図4等と対応する図14に示すように、第1の実施の形態と同様の情報取得部51、計数部52、情報判定部53及び搬送制御部56を形成する他、履歴枚数記憶部354及び蓋然性判定部355を形成する。
履歴枚数記憶部354は、上分離部15において分離異常が発生したか否かを異常履歴として記憶すると共に、計数部52において計数された分離枚数(上分離部15において分離された硬貨の枚数)を記憶し、適宜更新する。これに加えて履歴枚数記憶部354は、過去に上分離部15において分離異常が発生した際の分離枚数を異常発生枚数として記憶する。この異常発生枚数は、第2の実施の形態における基準枚数に代わるものである。蓋然性判定部355は、履歴枚数記憶部354の記憶内容を基に、上分離部15において分離異常が発生する蓋然性があるか否かを判定する。
[3-1.入金処理における搬送ベルトの制御]
ところで硬貨処理装置310では、第1の実施の形態等と同様に、入金処理が行われる場合に、上分離部15における分離異常の発生を抑制する目的で、硬貨制御部312により一時保留部23の一時保留搬送部41を制御するようになっている。以下では、硬貨制御部312により一時保留搬送部41を制御する具体的な処理について、前段の入金計数処理と後段の入金収納処理とに分けて、それぞれ説明する。
硬貨制御部312は、入金計数処理を開始すると、第1の実施の形態と同様に、硬貨処理装置310(図2)の各部をそれぞれ動作させる。また硬貨制御部312は、一時保留搬送制御プログラムの実行により、図14に示した各機能ブロックを形成した上で、図7と対応する図15に示す入金計数搬送処理手順RT31を開始し、最初のステップSP301に移る。
ステップSP301において硬貨制御部312は、履歴枚数記憶部354に記憶している異常履歴及び分離枚数を初期化し、次のステップSP302に移る。ステップSP302~SP307において硬貨制御部312は、入金計数搬送処理手順RT1(図7)のステップSP2~SP7と同様の処理を行う。具体的に硬貨制御部312は、上分離部15において分離異常が発生した場合に異常履歴を更新し、該上分離部15から所定枚数の硬貨が分離される度に搬送ベルト48を所定距離ずつ走行させる処理を、該上分離部15内の全ての硬貨を分離し終えるまで繰り返し、その後、次のステップSP308に移る。
ステップSP308において硬貨制御部312は、履歴枚数記憶部354を参照し、異常履歴が記憶されているか否か、すなわち現在の入金計数処理において分離異常が発生したか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは分離枚数を新たな異常発生枚数として記憶すべきである可能性があることを表している。このとき硬貨制御部312は、次のステップSP309に移る。
ステップSP309において硬貨制御部312は、履歴枚数記憶部354を参照し、異常発生枚数が初期値のままであるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは今回の分離枚数を無条件で異常発生枚数として記憶させるべきであることを表している。このとき硬貨制御部312は、次のステップSP311に移る。
一方、ステップSP309において否定結果が得られると、このことは、異常発生枚数が既に初期値と異なる値に更新されているため、この異常発生枚数と今回の分離枚数との比較結果に応じて当該異常枚数を更新すべきであることを表している。このとき硬貨制御部312は、次のステップSP310に移る。
ステップSP310において硬貨制御部312は、履歴枚数記憶部354を参照し、分離枚数が異常発生枚数未満であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、過去に分離異常が発生した場合よりも少ない枚数の硬貨が集積された状態で、上分離部15において分離異常が発生したことを表している。これはすなわち、今後の入金収納処理において、搬送ベルト48の走行速度を決定する際の比較対象として、今回の分離枚数を用いるべきであることを表している。このとき硬貨制御部312は、次のステップSP311に移る。ステップSP311において硬貨制御部312は、現在の分離枚数を新たな異常発生枚数とすることにより当該異常発生枚数を更新し、次のステップSP312に移り、入金計数搬送処理手順RT31を終了する。
一方、ステップSP308において否定結果が得られると、このことは今回の入金計数処理において分離異常が発生していないため、異常発生枚数を更新する必要が無いことを表している。このとき硬貨制御部312は、次のステップSP312に移り、入金計数搬送処理手順RT31を終了する。また、ステップSP310において否定結果が得られると、このことは、今回の分離枚数が異常発生枚数以上であったため、当該異常発生枚数を更新する必要が無いことを表している。このとき硬貨制御部312は、次のステップSP312に移り、入金計数搬送処理手順RT31を終了する。
硬貨処理装置310は、前段の入金計数処理が終了すると、第1の実施の形態と同様、入金額を操作表示部8(図1)に表示し、ここで使用者から入金取引の継続が指示されると後段の入金収納処理を開始する。硬貨制御部312は、入金収納処理を開始すると、硬貨処理装置310(図2)の各部を動作させる。また硬貨制御部212は、入金計数処理において形成した各機能ブロック(図14)を維持したまま、図9と対応する図16に示す入金収納搬送処理手順RT32を開始し、最初のステップSP321に移る。
ステップSP321において硬貨制御部312は、履歴枚数記憶部354を参照し、異常発生枚数が1以上であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは過去に分離異常が発生しておらず、異常発生枚数が初期値の値「0」のままであるため、この異常発生枚数を分離枚数との比較対象としては採用し得ないことを表している。またこのことは、現在の入金処理における入金計数処理においても分離異常が発生していないため、今回の入金収納処理においても分離異常が発生する可能性が極めて低いことを表している。このとき硬貨制御部312は、次のステップSP323に移る。
一方、ステップSP321において肯定結果が得られると、このことは過去に分離異常が発生しており、その際の分離枚数が異常発生枚数として記憶されているため、この異常発生枚数を今回の分離枚数との比較対象として採用し得ることを表している。このとき硬貨制御部312は、次のステップSP322に移る。
ステップSP322において硬貨制御部312は、入金収納搬送処理手順RT22(図13)のステップSP221において「基準枚数」を「異常発生枚数」に置き換えた処理を行う。また硬貨制御部312は、ステップSP323~SP327において、入金収納搬送処理手順RT22(図13)のステップSP222~SP226と同様の処理を行った後、入金収納搬送処理手順RT32を終了する。
[3-2.効果等]
以上の構成において、第3の実施の形態による現金自動預払機301の硬貨処理装置310は、入金処理における後段の入金収納処理において、前段の入金計数処理で得られた分離枚数と異常発生枚数との比較結果に応じて、一時保留部23の搬送ベルト48における搬送速度を制御するようにした。
硬貨処理装置310では、入金計数処理において得られた分離枚数が異常発生枚数よりも少なかった場合、入金収納処理において当該分離枚数の硬貨が上分離部15に集積されたとしても、分離異常が発生する蓋然性が無いと見なし得る。そこで硬貨処理装置310は、分離枚数が異常発生枚数未満であれば、入金収納処理において搬送ベルト48を通常の速度で走行させる。これにより硬貨処理装置310は、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出を比較的短い時間で完了でき、このとき分離異常を殆ど発生させることが無い。
その一方で硬貨処理装置310では、入金計数処理において得られた分離枚数が異常発生枚数よりも多かった場合、入金収納処理において当該分離枚数の硬貨が上分離部15にまとめて集積されると、分離異常が発生する蓋然性が有ると見なし得る。そこで硬貨処理装置310は、分離枚数が異常発生枚数以上であれば、入金収納処理において搬送ベルト48を通常よりも低い速度で走行させる。これにより硬貨処理装置310は、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出にやや時間がかかるものの、このとき分離異常の発生を効果的に抑止できる。
このように硬貨処理装置310は、入金計数処理において得られた分離枚数と異常発生枚数との比較結果に応じて、入金収納処理における搬送ベルト48の搬送速度を制御することにより、上分離部15における分離異常の発生を抑えながら、できるだけ短い時間で入金収納処理を完了できる。これを換言すれば、硬貨処理装置310は、第1の実施の形態等と同様、上分離部15における分離異常が発生する可能性の低減と、入金収納処理の完了に要する時間の短縮とを、バランス良く両立させることができる。
特に硬貨処理装置310では、過去に実際に分離異常が発生した際の分離枚数を異常発生枚数として記憶しておき、この異常発生枚数を、入金収納処理において分離枚数との比較対象として採用している。すなわち硬貨処理装置310は、分離異常が発生した実績のある分離枚数を異常発生枚数としているため、第2の実施の形態のように予め設定された基準枚数を用いる場合と比較して、分離異常が発生する蓋然性の有無を、より高い精度で判定することができる。
また硬貨処理装置310は、入金計数処理において分離異常が発生し、且つこのときの分離枚数が既存の異常発生枚数未満であった場合には、当該分離枚数を新たな異常発生枚数として更新するようにした。このため硬貨処理装置310は、入金計数処理において以前よりも少ない分離枚数で分離異常が発生する度に、入金収納処理における分離異常が発生する蓋然性の有無を、さらに高い精度で判定できるようになる。
その他の点においても、第3の実施の形態による硬貨処理装置310は、第1及び第2の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第3の実施の形態による現金自動預払機301の硬貨処理装置310は、入金計数処理において分離異常が発生した際の分離枚数を異常発生枚数として記憶し、また適宜更新する。そのうえで硬貨処理装置310は、入金処理を行う場合、入金計数処理で得られた分離枚数が以上発生したか未満であれば、入金収納処理で搬送ベルト48を通常の速度で走行させ、比較的短い時間で繰り出しを完了させる。一方、硬貨処理装置310は、入金計数処理で得られた分離枚数が異常発生枚数以上であれば、入金収納処理で搬送ベルト48の走行速度を低下させ、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出にやや時間を要するものの、分離異常の発生を抑止できる。これにより硬貨処理装置310は、上分離部15における分離異常の発生を効果的に抑えながら、できるだけ短い時間で入金収納処理を完了することができる。
[4.第4の実施の形態]
第4の実施の形態による現金自動預払機401(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、硬貨処理装置10に代わる硬貨処理装置410を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。硬貨処理装置410は、第1の実施の形態による硬貨処理装置10(図2)と比較して、硬貨制御部12に代わる硬貨制御部412を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
硬貨制御部412は、第1の実施の形態による硬貨制御部12と同様、図示しないCPU、ROM、RAM及びフラッシュメモリ等を有し、硬貨処理装置410を統括制御すると共に種々の情報を記憶する。この硬貨制御部412は、一時保留搬送制御プログラムの実行により、図4等と対応する図17に示すように、第1の実施の形態と同様の搬送制御部56を形成する他、情報取得部451、情報判定部453、履歴記憶部454及び蓋然性判定部455を形成する。
情報取得部451は、第1の実施の形態による情報取得部51(図4)と同様に、上分離部15(図3)の回転センサ35から円盤回転信号を取得し、残留センサ36から残留検知信号を取得すると共に、一時保留部23の残留センサ44から残留検知信号を取得する。これに加えて情報取得部451は、下分離部29からも円盤回転信号及び残留検知信号を取得するようになっている。
情報判定部453は、第1の実施の形態による情報判定部53(図4)と同様に、上分離部15の回転センサ35から得られた円盤回転信号を基に、円盤31が正常に回転しているか否か、すなわち分離異常が発生したか否かを判定する。これに加えて情報判定部453は、下分離部29についても円盤回転信号を基に、分離異常が発生したか否かを判定するようになっている。
履歴記憶部454は、下分離部29において分離異常が発生したか否かを異常履歴として記憶する。蓋然性判定部455は、履歴記憶部454の記憶内容を基に、上分離部15において分離異常が発生する蓋然性があるか否かを判定する。
[4-1.補充処理における硬貨の搬送]
ところで硬貨処理装置410では、例えば営業時間の終了後やスタッカ部21に収納されている硬貨の数量が減少してきた場合等に、金融機関の職員や保守作業者等(以下これを作業者とも呼ぶ)により、該スタッカ部21に硬貨を補充する補充処理が行われる。以下では、補充処理における硬貨の搬送や集積等について説明する。
補充処理が行われる場合、硬貨処理装置410(図2)では、補充回収庫24が硬貨処理装置筐体11から一時的に取り外され、その内部に補充用の硬貨が収納されてから、再び硬貨処理装置筐体11に装着される。続いて硬貨処理装置410は、作業者により現金自動預払機401の操作表示部8(図1)を介して所定の操作が行われると、硬貨制御部412により補充処理を開始する。
補充処理は、大きく分けて、前段の補充繰出処理と後段の補充収納処理とにより構成されている。硬貨処理装置410は、補充繰出処理において、図5と対応する図18に示すように、まず補充回収庫24から全ての硬貨を繰り出して下分離部29に引き渡す。下分離部29は、上分離部15(図3)と同様の分離処理を行い、硬貨を1枚ずつに分離した上で上方向へ搬送し、一時保留部23に引き渡して収納させる。その後、硬貨処理装置410は、補充収納処理において、入金収納処理(図6)とほぼ同様の処理を行う。
[4-2.補充処理における搬送ベルトの制御]
ところで硬貨処理装置410では、補充処理が行われる場合に、上分離部15における分離異常の発生を抑制する目的で、硬貨制御部412により一時保留部23の一時保留搬送部41を制御するようになっている。以下では、硬貨制御部412により一時保留搬送部41を制御する具体的な処理について、前段の補充繰出処理と後段の補充収納処理とに分けて、それぞれ説明する。
硬貨制御部412は、補充繰出処理を開始すると、下分離部29において分離処理を開始させると共に、補充回収庫24の内部に組み込まれた搬送機構を動作させることにより、収納している硬貨を後方へ送り出し、下分離部29に順次引き渡す。また硬貨制御部412は、一時保留搬送制御プログラムの実行により、図17に示した各機能ブロックを形成した上で、図7と対応する図19に示す補充繰出搬送処理手順RT41を開始し、最初のステップSP401に移る。
ステップSP401において硬貨制御部412は、入金計数搬送処理手順RT1(図7)のステップSP1と同様、履歴記憶部454に記憶している異常履歴を初期化し、次のステップSP402に移る。ステップSP402において硬貨制御部412は、情報判定部453により、下分離部29において分離異常が発生したか否かを判定する。具体的に硬貨制御部412は、情報取得部51により下分離部29から取得した円盤回転信号を基に、情報判定部453において円盤31が正常に回転しているか否かを判定し、該円盤31が正常に回転していないと判定した場合に、分離異常が発生したものとして認識する。
ここで肯定結果が得られると、このことは、補充回収庫24から繰り出された硬貨の枚数が比較的多く、或いは硬貨の品質が低いなどの理由により、下分離部29での分離処理において分離異常が発生していることを表している。この場合、後段の補充収納処理において、下分離部29と同様に構成され同等の機能を有する上分離部15により分離処理を行う際に、同様に分離異常が発生する蓋然性が有ることを表している。このとき硬貨制御部412は、次のステップSP403に移る。
ステップSP403において硬貨制御部412は、履歴記憶部454に記憶している異常履歴を更新することにより、下分離部29において分離異常が発生したことを記憶させ、次のステップSP404に移る。因みにこのとき硬貨制御部412は、所定の分離制御プログラムを別途実行しており、当該分離異常が発生したことに伴い、円盤31を逆回転させる等の異常解消処理を適宜実行させる。
一方、ステップSP402において否定結果が得られると、このことは履歴記憶部454の異常履歴を更新する必要が無いことを表している。このとき硬貨制御部412は、次のステップSP404に移る。
ステップSP404において硬貨制御部412は、情報取得部451により下分離部29の残留センサ36から取得した残留検知信号を基に、該下分離部29の集積空間34内に硬貨が残留していない状態であるか否か、すなわち該集積空間34内に集積されていた硬貨を全て分離したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、硬貨制御部412は再度ステップSP402に戻り、残りの硬貨が下分離部29において分離される間、一連の処理を繰り返す。
一方、ステップSP404において肯定結果が得られると、このことは下分離部29の集積空間34内に集積されていた全ての硬貨を分離し終えており、一時保留部23への搬送を間もなく完了すること、若しくは既に完了したことを表している。このとき硬貨制御部412は、次のステップSP405に移って補充繰出搬送処理手順RT41を終了する。
その後、硬貨制御部412は、後段の補充収納処理において、第1の実施の形態における入金収納処理と同様の処理を行うこと、すなわち入金収納搬送処理手順RT2(図9)とほぼ同様の各処理を行い、一時保留部23内の硬貨をスタッカ部21へ搬送して金種ごとに収納させる。
[4-3.効果等]
以上の構成において、第4の実施の形態による現金自動預払機401の硬貨処理装置410は、補充処理を行う際に、前段の補充繰出処理において下分離部29で分離異常が発生したか否かに応じて、後段の補充収納処理において一時保留部23の搬送ベルト48における搬送速度を制御するようにした。
硬貨処理装置410では、補充繰出処理において下分離部29において分離異常が発生しなかった場合、補充収納処理において下分離部29と同等の機能を有する上分離部15に同数の硬貨が集積されたとしても、分離異常が発生する蓋然性が無いと見なし得る。そこで硬貨処理装置410は、下分離部29において分離異常が発生しなかった場合、補充収納処理において搬送ベルト48を通常の速度で走行させる。これにより硬貨処理装置410は、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出を比較的短い時間で完了でき、このとき分離異常を殆ど発生させることが無い。
その一方で硬貨処理装置410では、補充繰出処理において下分離部29において分離異常が発生した場合、補充収納処理において下分離部29と同等の機能を有する上分離部15に同数の硬貨が集積されると、分離異常が発生する蓋然性が有ると見なし得る。そこで硬貨処理装置410は、下分離部29において分離異常が発生した場合、補充収納処理において搬送ベルト48を通常よりも低い速度で走行させる。これにより硬貨処理装置410は、一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出にやや時間がかかるものの、このとき分離異常の発生を効果的に抑止できる。
このように硬貨処理装置410は、補充繰出処理における下分離部29での分離異常の有無に応じて、補充収納処理における搬送ベルト48の搬送速度を制御することにより、上分離部15における分離異常の発生を抑えながら、できるだけ短い時間で補充収納処理を完了できる。これを換言すれば、硬貨処理装置410は、第1~第3の実施の形態と同様、上分離部15における分離異常が発生する可能性の低減と、補充収納処理の完了に要する時間の短縮とを、バランス良く両立させることができる。
これを他の観点から見ると、硬貨処理装置410では、上分離部15と下分離部29とが硬貨の分離処理に関して同等の機能を有している点に着目し、下分離部29において分離異常が発生したか否かを基に、上分離部15において分離異常が発生する蓋然性を判定するようにした。これにより硬貨処理装置410では、補充繰出処理において実際には上分離部15により分離処理を行わないものの、補充収納処理において該上分離部15において分離異常が発生する蓋然性を精度良く判定することができる。
以上の構成によれば、第4の実施の形態による現金自動預払機401の硬貨処理装置410は、補充処理を行う際に、前段の補充繰出処理において下分離部29で分離異常が発生したか否かに応じて、後段の補充収納処理において上分離部15へ硬貨を繰り出す一時保留部23の搬送ベルト48における搬送速度を制御する。硬貨処理装置410は、分離異常が発生していなければ、搬送ベルト48を通常の速度で走行させ、比較的短い時間で硬貨の繰出を完了させる一方、分離異常が発生していれば、搬送ベルト48の走行速度を低下させ、硬貨の繰出にやや時間を要するものの、分離異常の発生を抑止できる。これにより硬貨処理装置410は、上分離部15における分離異常の発生を効果的に抑えながら、できるだけ短い時間で入金収納処理を完了することができる。
[5.第5の実施の形態]
第5の実施の形態による現金自動預払機501(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、硬貨処理装置10に代わる硬貨処理装置510を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。硬貨処理装置510は、第1の実施の形態による硬貨処理装置10(図2)と比較して、硬貨制御部12に代わる硬貨制御部512を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
硬貨制御部512は、第1の実施の形態による硬貨制御部12と同様、図示しないCPU、ROM、RAM及びフラッシュメモリ等を有し、硬貨処理装置510を統括制御すると共に、種々の情報を記憶する。この硬貨制御部512は、一時保留搬送制御プログラムの実行により、図4と対応する図20に示すように、第1の実施の形態と同様の情報取得部51及び計数部52を形成する他、枚数記憶部554及び搬送制御部556を形成する。搬送制御部556は、第1の実施の形態と一部異なる手法により、一時保留搬送部41における搬送ベルト48の搬送を制御する。
ところで硬貨処理装置510では、第1の実施の形態と同様に、入金処理(すなわち入金計数処理及び入金収納処理)が行われる場合に、上分離部15における分離異常の発生を抑制する目的で、硬貨制御部512により一時保留部23の一時保留搬送部41を制御するようになっている。以下では、硬貨制御部512により一時保留搬送部41を制御する具体的な処理について、前段の入金計数処理と後段の入金収納処理とに分けて、それぞれ説明する。
硬貨制御部512は、入金計数処理を開始すると、第1の実施の形態と同様に、硬貨処理装置510(図2)の各部をそれぞれ動作させる。また硬貨制御部512は、一時保留搬送制御プログラムの実行により、図20に示した各機能ブロックを形成した上で、図7と対応する図21に示す入金計数搬送処理手順RT51を開始し、最初のステップSP501に移る。
硬貨制御部512は、ステップSP501~SP505において、入金計数搬送処理手順RT1(図7)のステップSP4~SP8と同様の処理を行う。ただし硬貨制御部512は、ステップSP502において、所定枚数の硬貨を分離したか否かでは無く、1枚の硬貨を分離したか否かを判定するようになっている。これにより硬貨制御部512は、上分離部15から1枚の硬貨が分離される度に搬送ベルト48を所定距離ずつ走行させる処理を、該上分離部15内の全ての硬貨を分離し終えるまで繰り返す。
硬貨処理装置510は、第1の実施の形態と同様、入金計数処理が終了すると入金額を操作表示部8(図1)に表示し、ここで使用者から入金取引の継続が指示されると入金収納処理を開始する。硬貨制御部512は、入金収納処理を開始すると、硬貨処理装置510(図2)の各部を動作させる。また硬貨制御部212は、入金計数処理において形成した各機能ブロック(図20)を維持したまま、図22に示す入金収納搬送処理手順RT52を開始し、最初のステップSP521に移る。
ステップSP521において硬貨制御部512は、搬送制御部556の制御によって搬送ベルト48を所定の距離だけ走行させることにより、最初に一時保留部23から上分離部15へある程度の枚数の硬貨を繰り出させる初期繰出動作を行い、次のステップSP522へ移る。ステップSP522において硬貨制御部512は、計数部52により、上分離部15において分離された硬貨の枚数を分離枚数として計数し、次のステップSP523に移る。
ステップSP523において硬貨制御部512は、計数部52において計数された分離枚数を基に、上分離部15において1枚の硬貨を分離したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはこの時点で一時保留搬送部41の搬送ベルト48を走行させる必要が無いことを表している。このとき硬貨制御部12は次のステップSP525に移る。
一方、ステップSP523において肯定結果が得られると、硬貨制御部512は、次のステップSP524に移り、搬送制御部556により一時保留部23の搬送モータ49(図3)を制御し、搬送ベルト48を所定距離だけ走行させ、次のステップSP525に移る。これにより一時保留部23では、搬送ベルト48上に堆積されている硬貨が、前斜め上方向へ所定距離だけ移動し、その前端から上分離部15へ少量ずつ繰り出されていく。
ステップSP525において硬貨制御部512は、情報取得部51により一時保留部23の残留センサ44から取得した残留検知信号を基に、保留空間43内に集積されていた硬貨を上分離部15へ全て繰り出したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、硬貨制御部512は再度ステップSP522に戻り、残りの硬貨が上分離部15へ順次繰り出される間、一連の処理を繰り返す。これにより搬送ベルト48は、上分離部15において1枚の硬貨が分離される度に、間欠的に走行することになる。
一方、ステップSP525において肯定結果が得られると、このことは保留空間43内に収納されていた全ての硬貨を繰り出し終えたことを表している。このとき硬貨制御部512は、次のステップSP526に移って入金収納搬送処理手順RT52を終了する。
以上の構成において、第5の実施の形態による現金自動預払機501の硬貨処理装置510は、入金処理における前段の入金計数処理及び後段の入金収納処理の双方において、上分離部15により硬貨を1枚分離する度に一時保留部23の搬送ベルト48を少しずつ走行させるように、すなわち間欠走行させるようにした。
これにより硬貨処理装置510は、入金計数処理において、搬送ベルト48における広い範囲に分散するように硬貨を堆積させることができる。また硬貨処理装置310は、入金収納処理において、一時保留部23から上分離部15へ硬貨を少量ずつ繰り出すことができる。かくして硬貨処理装置510は、上分離部15に一度に多量の硬貨が収納されることを回避でき、該上分離部15における分離異常の発生を効果的に抑止できる。
[6.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、入金計数処理における上分離部15での分離異常の有無に応じて、入金収納処理における一時保留部23の搬送ベルト48の速度を通常の速度、又は通常より遅い速度の2段階に切り替える場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば1回の入金計数処理における上分離部15での分離異常の発生回数(以下これを分離異常回数とも呼ぶ)に応じて、搬送ベルト48の速度を複数段階に切り替えても良い。これにより、分離異常が発生する蓋然性の度合いに応じて、一時保留部23から上分離部15へ硬貨を繰り出す速度(すなわち単位時間あたりの数量)を適切に調整することができる。これと同様に、第2の実施の形態において、入金計数処理における上分離部15での分離枚数に応じて、入金収納処理における搬送ベルト48の速度を複数段階に切り替えても良い。この場合、例えば所定の関数等を用いた演算処理により分離枚数を基に速度を算出しても良く、或いは分離枚数と速度との対応を記憶したテーブルを予め用意しておき、このテーブルに従って速度を設定しても良い。
また上述した第1の実施の形態においては、入金計数処理において分離異常が発生していれば、入金収納処理において搬送ベルト48の速度を通常よりも低下させ、一時保留部23から上分離部15へ硬貨を繰り出す速度を減少させる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば搬送ベルト48を間欠走行させることにより、上分離部15へ硬貨を繰り出す速度を減少させても良く、また例えば入金収納処理において搬送ベルト48を通常の速度で走行させたまま、繰出シャッタ45(図3)におけるシャッタ板45Bの移動により硬貨を繰り出すか否かを間欠的に制御し、上分離部15へ硬貨を繰り出す速度を減少させても良い。第2~第5の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、入金計数処理において上分離部15で所定枚数の硬貨を分離する度に、一時保留部23において搬送ベルト48を所定距離ずつ走行させる場合について述べた(図7、ステップSP5及びSP6)。しかし本発明はこれに限らず、例えば入金計数処理において搬送ベルト48を比較的低い速度で継続的に走行させても良く、また上分離部15における分離枚数とは無関係に間欠的に走行させても良い。或いは、入金計数処理の間、搬送ベルト48を停止させても良い。第2~第5の実施の形態についても同様である。さらに第5の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、入金計数処理において上分離部15で所定枚数の硬貨を分離する度に搬送ベルト48を所定距離ずつ走行させても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、上分離部15(図3)の回転センサ35から送信される円盤回転信号を基に、硬貨制御部12(図4)の情報判定部53により該上分離部15において分離異常が発生したか否かを判定する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば分離部15に分離異常が発生したことを直接検知して分離異常信号を送信する分離異常センサを設け、硬貨制御部12が該分離異常信号を基に、上分離部15において分離異常が発生したか否かを認識しても良い。第3及び第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、入金計数処理において計数された分離枚数と基準枚数との比較結果に応じて搬送ベルト48の速度を切り替える場合について述べた(図13、ステップSP221)。しかし本発明はこれに限らず、例えば認識搬送部16において認識された金種に応じて枚数を補正する等、分離枚数を適宜補正した上で、基準枚数と比較しても良い。具体的には、例えば硬貨の大きさを表す値(例えば直径や厚さ、或いは重量等)に応じた補正係数を金種ごとに設定しておき、この補正係数を乗算した上で枚数を計数すれば良い。例えば比較的大きい硬貨を、比較的小さい硬貨の1.3枚分等として分離枚数に加算することができる。これにより、分離異常が発生する蓋然性を判定する際の精度を高めることができる。第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第3の実施の形態においては、入金計数処理において上分離部15において分離異常が発生し、且つ分離枚数が異常発生枚数未満であれば該異常発生枚数を更新する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば分離異常が発生しておらず、且つ分離枚数が異常発生枚数よりも多かった場合に、該異常発生枚数を更新しても良い。或いは、例えば上分離部15において最初に分離異常が発生した際の分離枚数を異常発生枚数として記憶し、以降もこの異常発生枚数を保持し続けるようにしても良い。
さらに上述した第4の実施の形態においては、補充繰出処理において下分離部29で分離異常が発生したか否かに応じて、入金収納処理において一時保留部23での搬送ベルト48の速度を切り替える場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば下分離部29により分離された硬貨の搬送を検知する搬送検知センサを設け、該搬送検知センサから得られる搬送信号を基に、硬貨制御部412において分離枚数を計数し、第2の実施の形態と同様に、この分離枚数と基準枚数との比較結果に応じて搬送ベルト48の速度を切り替えるようにしても良い。
さらに上述した第5の実施の形態においては、入金計数処理における分離異常の有無に関わらず、入金収納処理において上分離部15により1枚の硬貨が分離される度に、一時保留部23の搬送ベルト48を所定距離ずつ走行させる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば第1の実施の形態と組み合わせ、入金計数処理において分離異常が発生しなかった場合に搬送ベルト48を通常の速度で継続的に走行させるようにしても良い。具体的には、図9及び図22と対応する図23に示す入金収納搬送処理手順RT62のように、分離異常が発生しなかった場合にはステップSP622~SP624により入金収納搬送処理手順RT2(図9)のステップSP22、SP24及びSP25と同様の処理を行う。また分離異常が発生した場合にはステップSP625~SP629において入金収納搬送処理手順RT52(図22)のステップSP521~SP525と同様の処理を行う。これにより、第5の実施の形態と比較して、入金計数処理において分離異常が発生しなかった場合に、入金収納処理において一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出を高速化でき、より短い時間で完了することができる。
また本発明は、例えば第5の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせ、入金計数処理における分離枚数が基準枚数未満であった場合に搬送ベルト48を通常の速度で継続的に走行させるようにしても良い。具体的には、図13及び図22と対応する図24に示す入金収納搬送処理手順RT72のように、分離枚数が基準枚数未満であった場合にはステップSP722~SP724により入金収納搬送処理手順RT22(図13)のステップSP222、SP224及びSP225と同様の処理を行う。また分離枚数が基準枚数以上であった場合にはステップSP725~SP729において入金収納搬送処理手順RT52(図22)のステップSP521~SP525と同様の処理を行う。これにより、第5の実施の形態と比較して、入金計数処理において分離枚数が基準枚数未満であった場合に、入金収納処理において一時保留部23から上分離部15への硬貨の繰出を高速化でき、より短い時間で完了することができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、入金収納処理において一時保留部23の搬送ベルト48を通常よりも遅い速度で走行させる際に、使用者に対する通知等を何ら行わない場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば入金収納処理において一時保留部23の搬送ベルト48を通常よりも遅い速度で走行させる際に、硬貨制御部12が現金自動預払機1(図1)の主制御部9と連携し、操作表示部8に所定の通知画面を表示して使用者に状況を通知するようにしても良い。具体的には、例えば通知画面に「ただいま硬貨の処理に時間がかかっています。しばらくお待ちください。」といった文章のメッセージを表示することができる。第2~第5の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、上分離部15(図3)において集積分離部15Aの円盤31を回転させて硬貨を1枚ずつに分離しながら分離搬送部15Bに引き渡して搬送する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、上分離部15において、例えば回転可能な円筒状の硬貨収容器を設け、当該硬貨収容器を回転させて硬貨を分離する分離部等、種々の手法により硬貨を1枚ずつに分離するようにしても良い。第2~第5の実施の形態についても同様である。特に第4の実施の形態においては、下分離部29が上分離部15と同様に構成され同等の機能を有していれば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、使用者との間で種々の取引を行う現金自動預払機1(図1)の硬貨処理装置10に本発明を適用する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば金融機関やスーパーマーケットの店舗内等に設置され、当該店舗の職員や係員等の操作に従って硬貨の計数や分類等の処理を行う現金管理装置等、硬貨を取り扱う種々の装置に本発明を適用しても良い。第2~第5の実施の形態についても同様である。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した第1の実施の形態においては、分離部としての上分離部15と、情報取得部としての情報取得部51と、収納部としての一時保留部23と、収納搬送部としての一時保留搬送部41と、蓋然性判定部としての蓋然性判定部55と、搬送制御部としての搬送制御部56とによって硬貨処理装置としての硬貨処理装置10を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる分離部と、情報取得部と、収納部と、収納搬送部と、蓋然性判定部と、搬送制御部とによって硬貨処理装置を構成しても良い。
本発明は、例えば使用者との間で硬貨に関する取引処理を行う現金自動預払機等で利用できる。
1、201、301、401、501……現金自動預払機、8……操作表示部、9……主制御部、10、210、310、410、510……硬貨処理装置、11……硬貨処理装置筐体、12、212、312、412、512……硬貨制御部、15……上分離部、16……認識搬送部、18……ピンベルト搬送部、23……一時保留部、24……補充回収庫、29……下分離部、31……円盤、34……集積空間、35……回転センサ、36……残留センサ、37……搬送ガイド、41……一時保留搬送部、43……保留空間、44……残留センサ、45……繰出シャッタ、48……搬送ベルト、49……搬送モータ、51、451……情報取得部、52……計数部、53、453……情報判定部、54、454……履歴記憶部、55、255、355、455……蓋然性判定部、56、556……搬送制御部、254、554……枚数記憶部、354……履歴枚数記憶部。

Claims (12)

  1. 複数の硬貨を1枚ずつ分離する分離処理を行う分離部と、
    前記分離部において前記硬貨の分離に関する分離情報を取得する情報取得部と、
    前記分離部により分離された前記硬貨を収納する収納部と、
    前記収納部に収納されている前記硬貨を搬送して前記分離部に繰り出す収納搬送部と、
    前記分離情報を基に、前記分離部による次回の前記分離処理において前記硬貨を正常に分離し得ない分離異常が発生する蓋然性の有無を判定する蓋然性判定部と、
    前記収納搬送部における前記硬貨の搬送を制御する搬送制御部と
    を具え、
    前記搬送制御部は、前記蓋然性判定部により前記分離異常が発生する蓋然性があると判定された場合、前記収納部から前記分離部へ繰り出す単位時間あたりの前記硬貨の数量を低減させるよう、前記収納搬送部を制御する
    ことを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 前記情報取得部は、前記分離処理において前記分離異常が発生したか否かを前記分離情報として取得し、
    前記蓋然性判定部は、前記分離部において前記分離異常が発生した場合に、次回の前記分離処理において前記分離異常が発生する蓋然性があると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  3. 前記情報取得部は、前記分離処理において前記分離異常が発生した回数である分離異常回数を前記分離情報として取得し、
    前記蓋然性判定部は、前記分離異常回数が1回以上であった場合に、次回の前記分離処理において前記分離異常が発生する蓋然性があると判定し、
    前記搬送制御部は、前記蓋然性判定部により前記分離異常が発生する蓋然性があると判定された場合、前記収納部から前記分離部へ繰り出す単位時間あたりの前記硬貨の数量を、前記分離異常回数に応じて低減させるよう、前記収納搬送部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  4. 前記情報取得部は、前記分離処理において前記分離部により分離された前記硬貨の数量である分離枚数を前記分離情報として取得し、
    前記蓋然性判定部は、前記分離枚数が所定の基準枚数以上であった場合に、次回の前記分離処理において前記分離異常が発生する蓋然性があると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  5. 前記情報取得部は、前記分離枚数に加えて、前記分離処理において前記分離異常が発生したか否かを前記分離情報として取得し、
    前記蓋然性判定部は、前記分離枚数が、前記分離部において過去に前記分離異常が発生した際の前記分離枚数である異常発生枚数以上であった場合に、次回の前記分離処理において前記分離異常が発生する蓋然性があると判定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の硬貨処理装置。
  6. 前記収納搬送部は、搬送ベルトを走行させることにより前記硬貨を搬送し、
    前記搬送制御部は、前記蓋然性判定部により前記分離異常が発生する蓋然性があると判定された場合、前記搬送ベルトの走行速度を低下させるよう、前記収納搬送部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  7. 前記収納搬送部は、搬送ベルトを走行させることにより前記硬貨を搬送し、
    前記搬送制御部は、前記蓋然性判定部により前記分離異常が発生する蓋然性があると判定された場合、前記搬送ベルトを間欠走行させるよう、前記収納搬送部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  8. 前記情報取得部は、前記分離部から繰り出された前記硬貨の数量である分離枚数を前記分離情報として取得し、
    前記搬送制御部は、前記蓋然性判定部により前記分離異常が発生する蓋然性があると判定された場合、前記分離部により所定数量の前記硬貨が分離される度に、前記搬送ベルトを所定距離ずつ走行させる
    ことを特徴とする請求項7に記載の硬貨処理装置。
  9. 前記収納搬送部は、搬送ベルトを走行させることにより前記硬貨を搬送し、
    前記搬送制御部は、前記分離部により分離された前記硬貨を前記収納部に収納させる際に前記搬送ベルトを走行させるよう、前記収納搬送部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  10. 前記情報取得部は、前記分離部により分離された前記硬貨の数量である分離枚数を前記分離情報として取得し、
    前記搬送制御部は、前記分離部により分離された前記硬貨を前記収納部に収納させる際に、前記分離枚数に応じた距離ずつ前記搬送ベルトを走行させる
    ことを特徴とする請求項9に記載の硬貨処理装置。
  11. 前記収納搬送部は、前記収納部に収納されている前記硬貨を搬送し、前記分離部と同等の機能を有する他の分離部へ繰り出す
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  12. 使用者の操作を受け付ける操作部と、
    請求項1乃至請求項11の何れかに記載の硬貨処理装置と
    を具えることを特徴とする現金取扱装置。

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