JP2022058879A - 紙幣処理機 - Google Patents

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元喜 下野
Motoki Shimono
康貴 中司
Yasutaka Nakatsuka
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【課題】機体の小型化が可能となる紙幣処理機を提供する。【解決手段】入金処理時に入金部20から繰り出され識別部31で受け入れ可能と識別された紙幣を金種混合で繰り出し可能に一時貯留する一時貯留部57と、収納処理時に一時貯留部57から繰り出された紙幣を識別部31の識別結果に基づいて収納する複数の収納部48と、を有し、複数の収納部48のそれぞれの上方には、底部43が開閉可能であって紙幣を繰り出し可能に一時貯留する一時貯留領域部47が設けられており、複数の収納部48は、それぞれ、上方の底部43が開かれた状態の一時貯留領域部47を介して紙幣を受け入れて収納することになり、一時貯留部57は、底部53が開閉可能であり、底部53の下方には、底部53が開かれた状態の一時貯留部57を介して紙幣を受け入れて収納する収納領域部58が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、紙幣処理機に関する。
取引口に投入された紙幣を識別部で識別し、正常と識別された紙幣を金種混合で一時貯留部に一時貯留する入金処理を行った後、操作者による入金確定の指示入力が操作部を介してなされると、一時貯留部の紙幣を識別部で識別し複数の収納部に分類して収納する収納処理を行う紙幣処理機がある(例えば、特許文献1参照)。
特許第5866171号公報
ところで、紙幣処理機には、入金を確定することでその管理下となった紙幣を移動する収納処理等において生じた、金種識別できない金種識別不良の紙幣と、重送、斜行あるいはニアフィード等の搬送異常の紙幣とからなるリジェクト紙幣を、管理下においたまま収納する専用の収納部を有するものがある。このような紙幣処理機において、機体の小型化が求められている。
本発明は、機体の小型化が可能となる紙幣処理機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、入金処理時に機外から紙幣が投入される入金部と、入金処理時に前記入金部から繰り出され識別部で受け入れ可能と識別された紙幣を金種混合で繰り出し可能に一時貯留する一時貯留部と、収納処理時に前記一時貯留部から繰り出された紙幣を識別部の識別結果に基づいて収納する複数の収納部と、を有する紙幣処理機であって、前記複数の収納部のそれぞれの上方には、底部が開閉可能であって紙幣を繰り出し可能に一時貯留する一時貯留領域部が設けられており、前記複数の収納部は、それぞれ、上方の底部が開かれた状態の前記一時貯留領域部を介して紙幣を受け入れて収納することになり、前記一時貯留部は、底部が開閉可能であり、該底部の下方には、該底部が開かれた状態の前記一時貯留部を介して紙幣を受け入れて収納する収納領域部が設けられていることを特徴とする。
上記第1の態様によれば、入金処理時に入金部に機外から投入された紙幣は、入金部から繰り出され、識別部で識別される。そして、識別部で受け入れ可能と識別された紙幣は金種混合で一時貯留部に一時貯留されることになる。その後の収納処理時には、一時貯留部から繰り出された紙幣を識別部の識別結果に基づいて複数の収納部に収納することになる。このように入金処理時に紙幣を金種混合で繰り出し可能に一時貯留する一時貯留部について、その底部を開閉可能とし、この底部の下方に、この底部が開かれた状態で紙幣を受け入れて収納する収納領域部を設けている。よって、この収納領域部を別途の位置に設ける場合と比べて機体の小型化が可能となる。
本発明に係る第2の態様は、上記第1の態様において、収納処理時に、前記一時貯留部から繰り出された紙幣のうち、識別部で前記複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を、前記複数の収納部のうちの所定の収納部の上方の底部が閉状態の前記一時貯留領域部に当該所定の収納部に収納すべき紙幣とともに一時貯留し、前記一時貯留部の紙幣がなくなると、前記一時貯留領域部に一時貯留されている紙幣を前記一時貯留部に戻し、当該一時貯留部に戻された紙幣のうち、前記所定の収納部に収納すべき紙幣を当該所定の収納部に収納する一方、前記複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を前記所定の収納部以外の収納部の上方の底部が閉状態の所定の一時貯留領域部に一時貯留し、その後、当該所定の一時貯留領域部に一時貯留されている紙幣を、前記一時貯留部の底部を開状態として前記収納領域部に収納することを特徴とする。
上記第2の態様によれば、収納処理時に、一時貯留部から繰り出された紙幣を識別部の識別結果に基づいて複数の収納部に振り分けることになるが、その際に、一時貯留部から繰り出された紙幣のうち、識別部で複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を、複数の収納部のうちの所定の収納部の上方の、底部が閉状態の一時貯留領域部に、当該所定の収納部に収納すべき紙幣とともに一時貯留する。そして、一時貯留部の紙幣がなくなると、一時貯留領域部に一時貯留されている紙幣を一時貯留部に戻し、一時貯留部に戻された紙幣のうち、前記所定の収納部に収納すべき紙幣を前記所定の収納部に収納する一方、複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を前記所定の収納部以外の収納部の上方の底部が閉状態の所定の一時貯留領域部に一時貯留する。その後、当該所定の一時貯留領域部に一時貯留されている紙幣を、底部が開状態の一時貯留部の下方の収納領域部に、一時貯留部を介して収納する。このようにして、収納領域部に、収納処理時に一時貯留部から繰り出された紙幣のうち、識別部で複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を収納することができる。よって、収納処理時に一時貯留部から繰り出された紙幣のうち、識別部で複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を収納する部位を別途の位置に設ける場合と比べて機体の小型化が可能となる。
本発明に係る第3の態様は、上記第2の態様において、前記所定の収納部は、入金処理時の識別部の識別結果から割り出される、収納処理時において収納のため搬送される紙幣量が最も少ない収納部であることを特徴とする。
上記第3の態様によれば、前記所定の収納部が、入金処理時の識別部の識別結果から割り出される、収納処理時において収納のため搬送される紙幣量が最も少ない収納部となるため、収納処理時に、識別部で複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を、収納のため搬送される紙幣量が最も少ない収納部の上方の、底部が閉状態の一時貯留領域部に、当該所定の収納部に収納すべき搬送量が最も少ない紙幣とともに一時貯留する。そして、この一時貯留領域部に一時貯留されている紙幣を一時貯留部に戻し、一時貯留部に戻された紙幣のうち、前記所定の収納部に収納すべき搬送量が最も少ない紙幣を前記所定の収納部に収納する一方、複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を前記所定の収納部以外の収納部の上方の底部が閉状態の所定の一時貯留領域部に一時貯留する。よって、この作動に要する時間を短縮できる。
本発明に係る第4の態様は、上記第2または第3の態様において、収納処理時に、前記複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を収納する部位が、前記収納領域部以外には設けられていないことを特徴とする。
上記第4の態様によれば、収納処理時に、複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を収納する部位が、収納領域部以外には設けられていないため、機体を小型化できる。
本発明に係る第5の態様は、上記第1乃至第4のいずれか一態様において、収納処理時に、前記一時貯留部から繰り出された紙幣のうち、識別部で前記複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を、前記複数の収納部のうちの所定の収納部の上方の底部が閉状態の前記一時貯留領域部に当該所定の収納部に収納すべき紙幣とともに一時貯留し、前記一時貯留領域部に一時貯留されている紙幣を前記一時貯留部に戻し、再度、前記一時貯留部から繰り出して識別部で識別することを特徴とする。
上記第5の態様によれば、収納処理時に、複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を、一旦、所定の収納部の上方の底部が閉状態の一時貯留領域部に当該所定の収納部に収納すべき紙幣とともに一時貯留することになるが、当該一時貯留領域部から紙幣を繰り出して一時貯留部に戻し、再度、一時貯留部から繰り出して識別部で識別する。このように、複数の収納部に収納不可と一旦識別した紙幣を、一時貯留部から再度繰り出す際に識別部で再度識別することができる。
本発明によれば、機体の小型化が可能となる紙幣処理機を提供することができる。
本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図である。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、入金処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、収納処理の第1処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、収納処理の第2処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、収納処理の第3処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、収納処理の第3処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、収納処理の第3処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、収納処理の第4処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、第2満杯解消処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、第2満杯解消処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、第2満杯解消処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、第2満杯解消処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、第2満杯解消処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、返却処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、バラ紙幣出金処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、束紙幣出金処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、ローカル整理処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、回収処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、回収処理の紙幣搬送ルートを太線で示すものである。 本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を概略的に示す側断面図であって、精査処理の往路ルートを太線で示すものである。
本発明に係る一実施形態の紙幣処理機を図面を参照して以下に説明する。本実施形態の紙幣処理機11は、紙幣についての入出金処理等を行うものである。以下では、バラ紙幣を単に紙幣と称し、紙幣を所定の結束単位枚数(100枚)で結束した紙幣を束紙幣と称す。
図1に示すように、本実施形態の紙幣処理機11は、その機体10の前面側の上部に入金部20および出金返却部21が設けられている。出金返却部21は入金部20の上側に設けられている。
入金部20は、開閉可能な図示略のシャッタを有しており、シャッタが開状態とされて機外から紙幣が投入され、その後、シャッタが閉じられて紙幣を機内に繰り出す。入金部20には、機体前面側から見て紙幣が左右方向に長手方向を沿わせた姿勢で下から上に集積されて載置されることになり、下部に、入金部20上に集積された紙幣を下端のものから一枚ずつ分離し所定の間隔をあけて機内へ繰り出す入金繰出部24が設けられている。紙幣は、紙幣処理機11内で、基本的にその短手方向を搬送方向に沿わせた姿勢で搬送される。
入金部20から紙幣を繰り出す入金繰出部24は、入金部20に集積された紙幣のうちの最も下側の紙幣の短手方向の中間部に当接して、これを機内側に蹴り出す蹴出ローラ24aと、蹴出ローラ24aで蹴り出された紙幣を機内に繰り出す繰出ローラ24bと、繰出ローラ24bに対し停止することで、繰出ローラ24bが機内に繰り出す紙幣を一枚ずつに分離する分離ローラ24cとを有している。入金繰出部24の直後位置には、入金繰出部24から繰り出された紙幣に、複数枚重なった状態の重送、搬送方向に対し斜めの姿勢となる斜行、あるいは隣り合う紙幣同士の搬送間隔が狭いニアフィード等の搬送異常があるか否かと、半券等の形状異常があるか否かとを光学的に検出する入口センサ25が設けられている。
出金返却部21は、開閉可能な図示略のシャッタを有しており、シャッタが閉状態とされて機内から出金用の紙幣が繰り出され、その後、シャッタが開かれることで紙幣が機外に取り出される。言い換えれば、出金返却部21は、紙幣を機外に取り出し可能とする。出金返却部21は、機内から繰り出された紙幣が、機体前面側から見て左右方向に長手方向を沿わせた姿勢で下から上に集積されて載置されることになる。出金返却部21は、シャッタが閉じられた状態で、紙幣を貯留可能であり、貯留している紙幣を機内に繰り出し可能となっている。
紙幣処理機11の後部には、入金部20から繰り出された紙幣の真偽と、真紙幣の金種と、重送、斜行あるいはニアフィード等の搬送異常の有無等を識別する識別部31が設けられている。識別部31は、紙幣の表裏、上下(天地)および左右等も識別する。
入金部20および出金返却部21の後方には、紙幣を整列させて所定の結束単位枚数ずつ集積させる複数、具体的には2カ所の整列部35,36が設けられている。また、これらの整列部35,36の後方には、整列部35,36で集積された結束単位枚数の紙幣を上方に搬送する昇降搬送部37が設けられている。また、整列部35,36の上方には、整列部35,36で集積され昇降搬送部37で搬送されてきた結束単位枚数の紙幣に結束テープを巻き回して束紙幣とする結束部38が設けられている。この結束部38の前側には結束部38で作成された束紙幣を機外に取り出し可能に繰り出す束出金部39が設けられている。束出金部39も開閉可能な図示略のシャッタを有しており、シャッタが閉状態とされて機内から束紙幣が繰り出され、その後、シャッタが開かれることで束紙幣が機外に取り出される。結束部38の側方には、結束部38で結束された束紙幣を収納する図示略の束収納部が設けられている。
紙幣処理機11の下部には、複数具体的には4個の同様の構造の収納庫41が、上下左右の位置を合わせて前後に並べられている。これら収納庫41は、紙幣を一時貯留可能であって一時貯留している紙幣を繰り出し可能であり、紙幣を収納可能であって収納している紙幣を繰り出し可能である。これら収納庫41は、機体10から取り外し不可であり、機体10から一体に引き出し可能となっている。
紙幣処理機11において、最も奥側に配置された収納庫41(A)、奥から2番目に配置された収納庫41(B)および奥から3番目に配置された収納庫41(C)は、いずれも所定の単一金種の汚損のない紙幣を下から上に集積させた状態で繰り出し可能となるように収納するものである。奥から4番目に配置された収納庫41(D)は、所定のその他の紙幣を下から上に集積させた状態で繰り出し可能となるように収納するものである。
収納庫41(A)は、紙幣処理機11に受け入れ可能な受入可能紙幣のうち、所定の第1種の紙幣(例えば現行万円券の汚損のない正常紙幣)を、収納庫41(B)は、所定の第2種の紙幣(例えば現行五千円券の汚損のない正常紙幣)を、収納庫41(C)は、所定の第3種の紙幣(例えば現行千円券の汚損のない正常紙幣)を、収納庫41(D)は、第1~第3種以外の第4種の紙幣(例えば、すべての二千円券、現行万円券の汚損のある汚損紙幣、すべての旧万円券、現行五千円券の汚損のある汚損紙幣、すべての旧五千円券、現行千円券の汚損のある汚損紙幣、およびすべての旧千円券)を、それぞれ繰り出し可能に収納する。すなわち、紙幣処理機11は、単一金種の現行の汚損のない正常紙幣用の収納庫41(A)~41(C)を複数個、金種別に有している。なお、収納庫41は、紙幣を分類して収納できるように複数個設けられていれば良く、収納パターンは、上記に限らない。
収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの上部には、それぞれの内部に紙幣を取り込んで下から上に集積させるとともに内部の紙幣を最上のものから一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出す取込繰出部42が設けられている。収納庫41(A)~41(D)のそれぞれには、紙幣を収容する内部空間を上下に仕切る昇降可能かつ開閉可能なセパレータ43(底部)と、内部空間内を昇降するエレベータ44とが設けられている。
取込繰出部42は、セパレータ43上あるいはエレベータ44上に集積された紙幣のうちの最上位置の紙幣の短手方向の中間部に当接して、これを収納庫41外に向け蹴り出す蹴出ローラ42aと、蹴出ローラ42aで蹴り出された紙幣を収納庫41外に繰り出す繰出ローラ42bと、繰出ローラ42bに対し停止することで、繰出ローラ42bが収納庫41外に繰り出す紙幣を一枚ずつに分離する分離ローラ42cとを有している。繰出ローラ42bは、この繰り出し時とは逆向きに回転することで、連れ回りする分離ローラ42cとで紙幣を挟持して収納庫41内に取り込む。
セパレータ43は、同一高さで水平に配置された一対の昇降支軸43aと、一対の板状のセパレータ本体43bとを有している。一方のセパレータ本体43bは一方の昇降支軸43aに支持されており、この昇降支軸43aを中心に回転可能となっている。他方のセパレータ本体43bは他方の昇降支軸43aに支持されており、この昇降支軸43aを中心に回転可能となっている。セパレータ43は、閉状態にあるとき、一方のセパレータ本体43bが一方の昇降支軸43aから他方の昇降支軸43aに向けて水平に延出し、他方のセパレータ本体43bが他方の昇降支軸43aから一方の昇降支軸43aに向けて水平に延出する。
セパレータ43は、開状態にあるとき、一方のセパレータ本体43bが閉状態に対して90度回転して一方の昇降支軸43aから鉛直下方に延出することになり、他方のセパレータ本体43bが閉状態に対して90度回転して他方の昇降支軸43aから鉛直下方に延出することになる。セパレータ43は、一対の昇降支軸43aが常に高さを合わせて昇降することになり、一対のセパレータ本体43bは同期して開作動し、同期して閉作動する。収納庫41(A)~41(D)のそれぞれのセパレータ43は、個別の駆動機構で駆動されることになり、単独で昇降および開閉が制御される。
セパレータ43は、閉状態にあるとき、これが設けられた収納庫41を、セパレータ43を含むセパレータ43から上側の一時貯留領域部47(一時貯留領域部)と、セパレータ43よりも下側の収納領域部48(収納部)とに区画する。言い換えれば、収納庫41は、セパレータ43によって、一時貯留エリアである一時貯留領域部47と、その直下の収納エリアである収納領域部48とに区分されている。
セパレータ43は、閉状態にあるとき、一時貯留領域部47の底部を構成することになり、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を載置させ、下から上へと集積させる。その際に、セパレータ43は、取込繰出部42が取り込んだ紙幣の量に応じて下降する。また、セパレータ43は、載置させた紙幣の最上位置の紙幣を、上昇して取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。この状態で、取込繰出部42が紙幣を一枚ずつ分離して一時貯留領域部47から繰り出す。その際に、セパレータ43は、取込繰出部42が繰り出した紙幣の量に応じて上昇する。
セパレータ43が開状態にあるとき、このセパレータ43が設けられた収納庫41の一時貯留領域部47と収納領域部48とが連続する状態になる。この状態で、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を、エレベータ44が載置させ、下から上へと集積させる。その際に、エレベータ44は、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を、その上あるいはその上の紙幣上に受け入れる受入位置まで一旦上昇し、その後、取込繰出部42が取り込んだ紙幣の量に応じて下降する。
よって、収納庫41(A)は、セパレータ43が開状態にあるとき、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を、連続する一時貯留領域部47と収納領域部48とに、一時貯留領域部47において受け入れてエレベータ44上に集積させる。その後、エレベータ44が下降してエレベータ44上の紙幣が収納領域部48に至ってからセパレータ43が閉じられると、収納庫41(A)は収納領域部48が紙幣を収納する状態になる。
同様に、収納庫41(B)は、セパレータ43が開状態にあるとき、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を、連続する一時貯留領域部47と収納領域部48とに、一時貯留領域部47において受け入れてエレベータ44上に集積させる。その後、エレベータ44が下降してエレベータ44上の紙幣が収納領域部48に至ってからセパレータ43が閉じられると、収納庫41(B)は収納領域部48が紙幣を収納する状態になる。
同様に、収納庫41(C)は、セパレータ43が開状態にあるとき、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を、連続する一時貯留領域部47と収納領域部48とに、一時貯留領域部47において受け入れてエレベータ44上に集積させる。その後、エレベータ44が下降してエレベータ44上の紙幣が収納領域部48に至ってからセパレータ43が閉じられると、収納庫41(C)は収納領域部48が紙幣を収納する状態になる。
同様に、収納庫41(D)は、セパレータ43が開状態にあるとき、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を、連続する一時貯留領域部47と収納領域部48とに、一時貯留領域部47において受け入れてエレベータ44上に集積させる。その後、エレベータ44が下降してエレベータ44上の紙幣が収納領域部48に至ってからセパレータ43が閉じられると、収納庫41(D)は収納領域部48が紙幣を収納する状態になる。
セパレータ43が開状態にあって、このセパレータ43が設けられた収納庫41の一時貯留領域部47と収納領域部48とが連続する状態で、この収納領域部48のエレベータ44が上昇すると、このエレベータ44は、載置させた紙幣のうちの最上位置の紙幣を取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。この状態で、取込繰出部42が、紙幣を一枚ずつ分離して、連続する一時貯留領域部47および収納領域部48から、一時貯留領域部47において繰り出す。その際に、エレベータ44は、取込繰出部42から繰り出された紙幣の量に応じて上昇する。収納庫41(A)~41(D)のそれぞれのエレベータ44は、個別の駆動機構で駆動されることになり、単独で昇降が制御される。
収納庫41(A)~41(D)は、それぞれ、エレベータ44を最下の待機位置に位置させ、エレベータ44上の紙幣をセパレータ43よりも下側に位置させて、セパレータ43を閉じ、セパレータ43を上部の所定の待機位置に位置させて、取込繰出部42が取り込んだ紙幣をセパレータ43上に集積開始可能な状態が、待機状態となっている。よって、収納庫41(A)~41(D)は、それぞれ、待機状態にあるとき、一時貯留領域部47が空となっている。収納庫41(A)~41(D)の待機状態は、貯留紙幣を一時貯留領域部47に受け入れる貯留受入状態である。
また、複数の収納庫41(A)~41(D)は、それぞれ、エレベータ44を最下の待機位置に位置させ、セパレータ43を閉じ、セパレータ43上の最上位置の紙幣を取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる状態が、一時貯留領域部47のセパレータ43上に載置されている紙幣を繰り出す貯留紙幣繰出状態となっている。
また、複数の収納庫41(A)~41(D)は、それぞれ、セパレータ43を開き、エレベータ44上、あるいはエレベータ44上の最上位置の紙幣の上に、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を集積させる状態が、連続する一時貯留領域部47および収納領域部48に紙幣を受け入れる直収納受入状態となっている。複数の収納庫41(A)~41(D)は、それぞれ、セパレータ43を開状態としてエレベータ44上に紙幣を受け入れた後、エレベータ44を下降させて、エレベータ44上の紙幣がすべて、開状態のセパレータ43よりも下側に位置すると、セパレータ43を閉じる。この状態で、紙幣が収納領域部48に収納される。複数の収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの収納領域部48は、上方の、セパレータ43が開かれた状態の一時貯留領域部47を介して紙幣を受け入れて収納する。
また、複数の収納庫41(A)~41(D)は、それぞれ、それまで一時貯留領域部47のセパレータ43上に貯留されていてセパレータ43の開作動で落下させられる紙幣を、エレベータ44上、あるいはエレベータ44上の最上位置の紙幣の上に集積可能な状態が、一時貯留領域部47のセパレータ43上に載置されている紙幣を収納領域部48のエレベータ44上に受け入れる貯留収納受入状態となっている。
また、複数の収納庫41(A)~41(D)は、それぞれ、セパレータ43を開き、エレベータ44上の最上位置の紙幣を取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる状態が、収納領域部48に収納していた紙幣を一時貯留領域部47を介して繰り出す収納紙幣繰出状態となっている。
以上により、複数の収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの収納領域部48の上方には、底部であるセパレータ43が開閉可能であって紙幣を繰り出し可能に一時貯留する一時貯留領域部47が設けられている。また、複数の収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの収納領域部48は、それぞれ、セパレータ43が開状態の上方の一時貯留領域部47を介して紙幣を受け入れて収納することになる。言い換えれば、複数の収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの収納領域部48は、上方の、底部であるセパレータ43が開かれた状態の一時貯留領域部47を介して紙幣を受け入れて収納することになる。
収納庫41(A)~41(D)は、一体で機体10から側方に引き出し可能であり、機体10から一体に引き出された状態で、一時貯留領域部47が開閉可能となっている。収納庫41(A)~41(D)は、それぞれ、一時貯留領域部47が開かれることで、一時貯留領域部47に一時貯留している紙幣が外部に取り出し可能となる。なお、収納庫41(A)~41(D)は、一時貯留領域部47が開かれても、そのセパレータ43が閉じられた状態にあれば、このセパレータ43よりも下方の収納領域部48に収納されている紙幣は、一時貯留領域部47側からは、取り出し不可となっている。
紙幣処理機11の下部には、収納庫41(D)の前側に、入金処理時に紙幣処理機11に受け入れ可能な受入可能紙幣を金種混合で一時貯留する一括一時貯留部としてのカセット51が設けられている。カセット51は、機体10から取り外し可能であって回収処理時に金種別の収納領域部48から繰り出された紙幣を取り込んで収納するとともに、補充処理時に補充用の紙幣が機外で装填され、装填された紙幣を繰り出す。カセット51は金種別の収納庫41(A)~41(D)と上下左右の位置を合わせて前後に並んでいる。カセット51は、紙幣の収納容量が、収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの収納容量よりも大きくなっている。
カセット51は、紙幣を金種混合で下から上に集積させた状態で一時貯留するとともに、一時貯留している紙幣を後に繰り出し可能となるように収納するものであり、その上部には、内部に紙幣を取り込むとともに内部の紙幣を最上位置のものから一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出す取込繰出部52が設けられている。カセット51には、紙幣を収容する内部空間を上下に仕切る昇降可能かつ開閉可能なセパレータ53(底部)と、内部空間内を昇降するエレベータ54とが設けられている。
取込繰出部52は、セパレータ53上あるいはエレベータ54上に集積された紙幣のうちの最上位置の紙幣の短手方向の中間部に当接して、これをカセット51外に向けて蹴り出す蹴出ローラ52aと、蹴出ローラ52aで蹴り出された紙幣をカセット51外に繰り出す繰出ローラ52bと、繰出ローラ52bに対し停止することで、繰出ローラ52bがカセット51外に繰り出す紙幣を一枚ずつに分離する分離ローラ52cとを有している。繰出ローラ52bは、この繰り出し時とは逆向きに回転することで、連れ回りする分離ローラ52cとで紙幣を挟持してカセット51内に取り込む。
セパレータ53は、同一高さで水平に配置された一対の昇降支軸53aと、一対の板状のセパレータ本体53bとを有している。一方のセパレータ本体53bは一方の昇降支軸53aに支持されており、この昇降支軸53aを中心に回転可能となっている。他方のセパレータ本体53bは他方の昇降支軸53aに支持されており、この昇降支軸53aを中心に回転可能となっている。セパレータ53は、閉状態にあるとき、一方のセパレータ本体53bが一方の昇降支軸53aから他方の昇降支軸53aに向けて水平に延出し、他方のセパレータ本体53bが他方の昇降支軸53aから一方の昇降支軸53aに向けて水平に延出する。
セパレータ53は、開状態にあるとき、一方のセパレータ本体53bが閉状態に対して90度回転して一方の昇降支軸53aから鉛直下方に延出することになり、他方のセパレータ本体53bが閉状態に対して90度回転して他方の昇降支軸53aから鉛直下方に延出することになる。セパレータ53は、一対の昇降支軸53aが常に高さを合わせて昇降することになり、一対のセパレータ本体53bは同期して開作動し、同期して閉作動する。カセット51のセパレータ53は、収納庫41(A)~41(D)のそれぞれのセパレータ43とは別の駆動機構で駆動されることになり、単独で昇降および開閉が制御される。
セパレータ53は、閉状態にあるとき、カセット51を、セパレータ53を含むセパレータ53から上側の一時貯留領域部57(一時貯留部)と、セパレータ53よりも下側の収納領域部58(収納領域部)とに区画する。言い換えれば、カセット51は、セパレータ53によって、一時貯留エリアである一時貯留領域部57と、その直下の収納エリアである収納領域部58とに区分されている。
セパレータ53は、閉状態にあるとき、一時貯留領域部57の底部を構成することになり、取込繰出部52が取り込んだ紙幣を載置させ、下から上へと集積させる。その際に、セパレータ53は、取込繰出部52が取り込んだ紙幣の量に応じて下降する。また、セパレータ53は、載置させた紙幣の最上位置の紙幣を、上昇して取込繰出部52の蹴出ローラ52aに当接させる。この状態で、取込繰出部52が紙幣を一枚ずつ分離して一時貯留領域部57から繰り出す。その際に、セパレータ53は、取込繰出部52が繰り出した紙幣の量に応じて上昇する。
セパレータ53が開状態にあるとき、カセット51の一時貯留領域部57と収納領域部58とが連続する状態になる。この状態で、エレベータ54が、取込繰出部52が取り込んだ紙幣を載置させ、下から上へと集積させる。その際に、エレベータ54は、取込繰出部52が取り込んだ紙幣を、その上あるいはその上の紙幣上に受け入れる受入位置まで一旦上昇し、取込繰出部52が取り込んだ紙幣の量に応じて下降する。
カセット51は、セパレータ53が開状態にあるとき、取込繰出部52が取り込んだ紙幣を、連続する一時貯留領域部57と収納領域部58とに、一時貯留領域部57において受け入れてエレベータ44上に集積させる。その後、エレベータ54が下降してエレベータ54上の紙幣が収納領域部58に至ってからセパレータ53が閉じられると、カセット51は収納領域部58が紙幣を収納する状態になる。
セパレータ53が開状態にあって、カセット51の一時貯留領域部57と収納領域部58とが連続する状態で、収納領域部58のエレベータ54が上昇すると、このエレベータ54は、載置させた紙幣のうちの最上位置の紙幣を取込繰出部52の蹴出ローラ52aに当接させる。この状態で、取込繰出部52が紙幣を一枚ずつ分離して、連続する一時貯留領域部57および収納領域部58から、一時貯留領域部57において繰り出す。その際に、エレベータ54は、取込繰出部52から繰り出された紙幣の量に応じて上昇する。カセット51のエレベータ54は、収納庫41(A)~41(D)のそれぞれのエレベータ44とは別の駆動機構で駆動されることになり、単独で昇降が制御される。
カセット51は、エレベータ54を最下の待機位置に位置させ、エレベータ54上の紙幣をセパレータ53よりも下側に位置させて、セパレータ53を閉じ、セパレータ53を上部の所定の待機位置に位置させて、取込繰出部52が取り込んだ紙幣を、セパレータ53上に集積開始可能な状態が、待機状態となっている。よって、カセット51は、待機状態にあるとき、一時貯留領域部57が空となっている。カセット51の待機状態は、貯留紙幣を一時貯留領域部57に受け入れる貯留受入状態である。
また、カセット51は、エレベータ54を最下の待機位置に位置させ、セパレータ53を閉じ、セパレータ53上の最上位置の紙幣を取込繰出部52の蹴出ローラ52aに当接させる状態が、一時貯留領域部57のセパレータ53上に載置されている紙幣を繰り出す貯留紙幣繰出状態となっている。
また、カセット51は、セパレータ53を開き、エレベータ54上、あるいはエレベータ54上の最上位置の紙幣の上に、取込繰出部52が取り込んだ紙幣を集積させる状態が、連続する一時貯留領域部57および収納領域部58に、一時貯留領域部57において紙幣を受け入れる直収納受入状態となっている。カセット51は、セパレータ53を開状態としてエレベータ54上に紙幣を受け入れた後、エレベータ54を下降させて、エレベータ54上の紙幣がすべて、開状態のセパレータ53よりも下側に位置すると、セパレータ53を閉じる。この状態で、紙幣が収納領域部58に収納される。よって、収納領域部58は、上方の、底部であるセパレータ53が開かれた状態の一時貯留領域部57を介して紙幣を受け入れて収納することになる。
また、カセット51は、セパレータ53を開き、エレベータ54上の最上位置の紙幣を取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる状態が、収納領域部58に収納していた紙幣を一時貯留領域部57を介して繰り出す収納紙幣繰出状態となっている。
以上により、カセット51の収納領域部58の上方には、底部であるセパレータ53が開閉可能であって紙幣を繰り出し可能に一時貯留する一時貯留領域部57が設けられている。また、カセット51は、セパレータ53を開状態として、取込繰出部52が取り込んだ紙幣を、一時貯留領域部57を介して、セパレータ53の下方の収納領域部58に収納する。言い換えれば、一時貯留領域部57の底部であるセパレータ53の下方には、セパレータ53が開かれた状態の一時貯留領域部57を介して紙幣を受け入れて収納する収納領域部58が設けられている。
紙幣処理機11の内部には、入金部20から入金繰出部24で繰り出された紙幣を含んで紙幣を搬送する搬送部61が各部を適宜繋ぐように設けられている。搬送部61は、紙幣を、基本的にその短手方向を搬送方向に沿わせた姿勢で移動させる。
搬送部61は、機体10の前部に設けられた入金部20の紙幣を機体10の後部に設けられた識別部31に向けて搬送し、さらに、機体10の前部に設けられたカセット51に向けて搬送する搬送路61Aを有している。搬送路61Aは、入金部20の入金繰出部24から後方に、後述する搬送路61Jと搬送路61Mとの間まで延出した後、下方に延出し、その後、後方に延出して識別部31を通り、下側にて前向きに折り返して前方に延出して紙幣処理機11の前端から下方に延出してカセット51の取込繰出部52に繋がっている。
また、搬送部61は、搬送路61Aにおけるカセット51への接続位置と識別部31との間から下方に分岐して収納庫41(A)の取込繰出部42に繋がる搬送路61Cと、搬送路61Aにおけるカセット51への接続位置と搬送路61Cの分岐位置との間から下方に分岐して収納庫41(B)の取込繰出部42に繋がる搬送路61Dと、搬送路61Aにおけるカセット51への接続位置と搬送路61Dの分岐位置との間から下方に分岐して収納庫41(C)の取込繰出部42に繋がる搬送路61Eと、搬送路61Aにおけるカセット51への接続位置と搬送路61Eの分岐位置との間から下方に分岐して収納庫41(D)の取込繰出部42に繋がる搬送路61Fとを有している。
また、搬送部61は、搬送路61Aにおける最もカセット51側から上方に分岐した後に後方に延出して搬送路61Aの入金部20から識別部31に向かいつつ下方に延出する部分の下部に繋がる搬送路61Gと、搬送路61Aにおける搬送路61Fの分岐位置と搬送路61Gの分岐位置との間位置から上方に分岐して搬送路61Gの途中位置に繋がる搬送路61Hと、搬送路61Gにおける搬送路61Hの接続位置と後部の搬送路61Aへの接続位置との間位置から上方に分岐して搬送路61Aにおける搬送路61Gの後部の接続位置と入口センサ25との間に繋がる搬送路61Jとを有している。
また、搬送部61は、搬送路61Aにおける搬送路61Jの接続位置と搬送路61Gの後部の接続位置との間から後方に分岐した後、上方に延出し、その後、前方に延出して出金返却部21に繋がる搬送路61Lを有している。
また、搬送部61は、搬送路61Aにおける搬送路61Gの後部の接続位置と識別部31との間から上方に分岐して搬送路61Lの中間位置に接続される搬送路61Mと、搬送路61Aにおける搬送路61Mの分岐位置と識別部31との間から分岐して搬送路61Mの中間位置に繋がる搬送路61Nとを有している。搬送路61Nには、紙幣の表裏を反転させる表裏反転部63が設けられている。
また、搬送部61は、搬送路61Lにおける出金返却部21と搬送路61Mの合流位置との間から後方に分岐して整列部35に繋がる搬送路61Pと、搬送路61Lにおける搬送路61Pの分岐位置と搬送路61Mの合流位置との間から後方に分岐して整列部36に繋がる搬送路61Qとを有している。
識別部31は、搬送部61によって搬送される紙幣を識別することになり、収納庫41(A)~41(D)およびカセット51は、識別部31によって識別した紙幣を、識別部31の識別結果に基づいて、繰り出し可能に収納する。
紙幣処理機11は、操作者によって操作入力がなされるとともに操作者に対して表示を行う操作表示部70と、紙幣処理機11の全体を制御する制御部71とを有している。
次に、本実施形態の紙幣処理機11の各処理について説明する。
待機状態にあるとき、収納庫41(A)~41(D)は、すべてが一時貯留領域部47を空の状態としており、収納領域部48には通常は紙幣を収納している。また、待機状態にあるとき、収納庫41(A)~41(D)のセパレータ43は、閉状態で紙幣を受け入れて集積開始可能な待機位置に位置しており、エレベータ44は最下の待機位置に位置している。また、待機状態にあるとき、カセット51は、一時貯留領域部57を空の状態としており、収納領域部58には場合により紙幣を収納している。また、待機状態にあるとき、カセット51のセパレータ53は、閉状態で紙幣を受け入れて集積開始可能な上部の待機位置に位置しており、エレベータ54は最下の待機位置に位置している。
[入金処理]
図2の太線は、機外から入金部20に投入された紙幣を搬送しつつ識別および計数して一時貯留する入金処理の紙幣搬送ルートを示している。つまり、入金部20に紙幣が投入されて、操作表示部70に入金処理の選択操作がなされると、制御部71は、入金処理を開始して、入金繰出部24と、搬送部61と、待機状態にあるカセット51の取込繰出部52とを駆動する。すると、入金繰出部24は、入金部20に投入された紙幣を最下のものから順に、蹴出ローラ24aで蹴り出し繰出ローラ24bおよび分離ローラ24cで一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路61Aが搬送することになる。入金繰出部24から繰り出された紙幣は、繰り出し直後に入口センサ25で、搬送異常の有無と形状異常の有無とが検出される。
制御部71は、入口センサ25で搬送異常あるいは形状異常があることが検出された入金リジェクト紙幣については、図2に太実線から太一点鎖線に示すように、搬送路61Aの入金部20側の部分と搬送路61M,61Lとで出金返却部21に搬送する。すなわち、入口センサ25で搬送異常あるいは形状異常があることが検出された入金リジェクト紙幣については、入金部20から識別部31に向かう搬送路61Aから分岐し、分岐後はこの搬送路61Aに交わることがない搬送路61M,61Lで、識別部31に搬送することなく出金返却部21に搬送する。
他方、入口センサ25で搬送異常および形状異常のいずれも検出されなかった紙幣については、図2に太実線で示すように、搬送路61Aで識別部31に搬送する。そして、この搬送中に識別部31が紙幣を識別および計数することになり、制御部71は、識別部31で受け入れ可能と識別した紙幣、すなわち取り扱い可能な金種の真券で正常搬送の入金正常紙幣を、図2に太実線で示すように、搬送路61Aで待機状態のカセット51に搬送する。これにより、カセット51が、その取込繰出部52によって、一時貯留領域部57の閉状態で待機位置にあるセパレータ53上に紙幣を金種混合で集積させることになる。すなわち、受け入れ可能と識別した入金正常紙幣をカセット51の一時貯留領域部57に一時貯留する。その際に、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57の紙幣の貯留量を監視しており、セパレータ53を閉状態のまま紙幣の貯留量に応じた量ずつ下降させることになる。
他方、制御部71は、入金部20から入金繰出部24で繰り出された紙幣のうち、識別部31で受け入れ不可と識別した紙幣、すなわち金種識別できない金種識別不良の紙幣と、重送、斜行あるいはニアフィード等の搬送異常の紙幣とを入金リジェクト紙幣として、図2に太実線、太破線および太一点鎖線で示すように、搬送路61Aのカセット51側から搬送路61Hに分流させ、搬送路61H、搬送路61G、搬送路61A、搬送路61Mおよび搬送路61Lで出金返却部21に搬送する。
なお、このとき、入金部20から出て搬送路61A上を識別部31に向かう紙幣と、搬送路61H,61Gから搬送路61Aを通って搬送路61Mに向かう紙幣とが、搬送路61Aの一部を共通使用することになるため、この部分で交差する可能性がある。このため、識別部31で紙幣を受け入れ不可と判定すると、制御部71は、この紙幣との交差のタイミングを見計らって、入金繰出部24を停止させて、入金部20からの紙幣の繰り出しを中断する。すなわち、識別部31で受け入れ不可と判定された入金リジェクト紙幣が、遅くとも搬送路61Gから搬送路61Aに入る時点では、搬送路61Aの搬送路61Mの分岐位置よりも入金部20側に紙幣が存在しないように、入金繰出部24を停止させる。識別部31で受け入れ不可と判定された入金リジェクト紙幣が、その後、搬送路61Aから搬送路61Mに入ると、制御部71は、入金繰出部24の駆動を再開させる。
以上の入金処理の作動を行うことによって、入金部20の紙幣がなくなり、入金部20から繰り出されたすべての紙幣が、カセット51の一時貯留領域部57および出金返却部21のいずれかに搬送されると、制御部71は、出金返却部21のシャッタを開いて出金返却部21から紙幣を取り出し可能にするとともに、識別部31で受け入れ可能と判定してカセット51の一時貯留領域部57に一時貯留した紙幣の金種別の枚数および総額等を操作表示部70に表示させる。そして、制御部71は、操作表示部70への入金確定操作および入金キャンセル操作のいずれかの入力を待機する状態となって入金処理を終了する。
以上により、カセット51の一時貯留領域部57は、入金処理時に入金部20から繰り出され識別部31で受け入れ可能と識別された紙幣を金種混合で繰り出し可能に一時貯留する。
[収納処理]
収納処理は、入金処理後、操作表示部70への入金確定操作が入力された入金確定時に行う処理であり、直前に行われた入金処理と一連の処理である。入金処理後、操作表示部70への入金確定操作が入力されると、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57に一時貯留されている紙幣を紙幣処理機11で管理する状態になる。入金確定操作が入力されると、制御部71は、入金処理でカセット51の一時貯留領域部57に一時貯留した入金紙幣の各種別の枚数と、収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの収納領域部48に既に収納されている紙幣の枚数とから、入金紙幣を収納した場合に、収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48の中に満杯状態が発生するものがあるか否かを判定する。収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48の中に満杯状態が発生するものがある場合、収納処理を行う前に後述する束収納処理を行って、満杯状態が発生する収納庫41の収納領域部48の紙幣の収納枚数を、収納処理を行っても満杯状態が発生しない量に予め減らしてから、収納処理を行うことになる。
図3~図7の太線は、収納処理の紙幣搬送ルートを示している。入金処理後、操作表示部70への入金確定操作が入力されると、制御部71は、入金を確定してカセット51の一時貯留領域部57に一時貯留した入金紙幣を管理下におくとともに、収納処理を行う。収納処理では、まず、一時貯留領域部57の入金紙幣を、再度の識別部31の識別結果に基づいて、図3に太線で示すように、収納庫41(A)~41(D)に分配する第1処理を行う。
この第1処理の開始にあたって、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57に一時貯留した紙幣の収納先である収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの収納領域部48のうちの所定の一つの収納領域部48を含む収納庫41の一時貯留領域部47を、金種識別不良の紙幣および搬送異常の紙幣からなる収納リジェクト紙幣の一時貯留先として設定する。
具体的には、この収納処理の直前に実行された、この収納処理と一連の入金処理での識別部31の識別結果から割り出される一時貯留領域部57に一時貯留されている紙幣の内訳から、この収納処理において収納のため搬送される紙幣量が最も少ない収納領域部48を含む収納庫41の一時貯留領域部47を、収納リジェクト紙幣の一時貯留先として設定する。収納リジェクト紙幣は、紙幣処理機11の管理下での移動時に発生した金種識別不良あるいは搬送異常の管理下リジェクト紙幣である。ここでは、一例として、第1~第3種以外の第4種の紙幣を収納する収納庫41(D)の収納領域部48が、この収納処理時において収納のため搬送される紙幣量が最も少ない収納領域部48である場合を例にとり説明する。この場合、この収納領域部48と同じ収納庫41(D)の一時貯留領域部47を収納リジェクト紙幣の一時貯留先として設定することになる。
そして、制御部71は、カセット51について、一時貯留領域部57の底部であるセパレータ53を上昇させてセパレータ53上の最上位置の紙幣を取込繰出部52の蹴出ローラ52aに当接させる貯留紙幣繰出状態とする。また、制御部71は、収納庫41(A)~41(D)のうち、一時貯留領域部47が収納リジェクト紙幣の一時貯留先として設定された収納庫41(D)については、待機状態のままとし、収納庫41(A)~41(D)のうち、残りの収納庫41(A)~41(C)のすべてについて、セパレータ43を開状態とし、エレベータ44を、エレベータ44上の紙幣の収納量に応じて、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を受け入れて集積可能な位置まで上昇させて、直収納受入状態とする。それとともに、制御部71は、取込繰出部52、搬送部61および収納庫41(A)~41(D)の取込繰出部42を駆動する。
すると、カセット51の一時貯留領域部57のセパレータ53上に載置されている紙幣を最上位置のものから蹴出ローラ52aが蹴り出し繰出ローラ52bおよび分離ローラ52cで一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図3に太実線で示すように、搬送路61A,61G,61Aで識別部31に搬送し、識別部31で識別する。そして、制御部71は、識別部31で、収納リジェクト紙幣以外の収納正常紙幣と識別された紙幣を、識別結果に基づいて、搬送路61Aと、搬送路61C~61Fの対応するものとによって、収納庫41(A)~41(D)の対応するものに搬送する。収納正常紙幣は、金種識別不良および搬送異常のいずれもない紙幣からなる。
これにより、カセット51の一時貯留領域部57に一時貯留した紙幣のうち、一時貯留領域部57からの繰り出し後、識別部31で正常と識別された収納正常紙幣を、収納庫41(A)~41(C)の収納領域部48が収納先となるものについては、収納庫41(A)~41(C)の対応するもののエレベータ44上に集積させる。
他方、カセット51の一時貯留領域部57に一時貯留した紙幣のうち、一時貯留領域部57からの繰り出し後の識別部31の識別結果から、収納庫41(D)の収納領域部48が収納先となる第4種の収納正常紙幣については、収納庫41(D)のセパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47に一時貯留する。また、カセット51に一時貯留した紙幣のうち、一時貯留領域部57からの繰り出し後、識別部31で、搬送異常あるいは金種識別不良と識別された収納リジェクト紙幣を、収納庫41(D)のセパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47に一時貯留する。すなわち、第1処理では、収納庫41(D)の一時貯留領域部47には、収納庫41(D)の収納領域部48が収納先となる収納正常紙幣と、収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48には収納できない収納リジェクト紙幣とが混在することになる。
言い換えれば、収納リジェクト紙幣は、収納処理時にカセット51から繰り出された紙幣のうち、複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48には収納不可であると識別部31で識別された紙幣となる。よって、収納処理時に、収納リジェクト紙幣を、まずは第1処理において、複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48のうちの所定の一つである収納庫41(D)の収納領域部48の上方の、セパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47に、当該所定の収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき紙幣とともに一時貯留する。
具体的に、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出された紙幣が第1種(例えば現行万円券の汚損のない紙幣)の収納正常紙幣である場合、この紙幣を収納庫41(A)のエレベータ44上に集積させることになり、一時貯留領域部57から繰り出された紙幣が第2種(例えば現行五千円券の汚損のない紙幣)の収納正常紙幣である場合、この紙幣を収納庫41(B)のエレベータ44上に集積させることになる。また、制御部71は、一時貯留領域部57から繰り出された紙幣が第3種(例えば現行千円券の汚損のない紙幣)の収納正常紙幣である場合、この紙幣を収納庫41(C)のエレベータ44上に集積させることになる。
また、制御部71は、一時貯留領域部57から繰り出された紙幣が、第4種(例えば、すべての二千円券、現行万円券の汚損のある紙幣、すべての旧万円券、現行五千円券の汚損のある紙幣、すべての旧五千円券、現行千円券の汚損のある紙幣、およびすべての旧千円券)の収納正常紙幣である場合、この収納正常紙幣を収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留させることになる。また、制御部71は、一時貯留領域部57から繰り出された紙幣が、収納正常紙幣以外の、収納庫41(A)~41(D)に収納不可と識別された、搬送異常あるいは金種選別不良と識別された収納リジェクト紙幣の場合、この紙幣を収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留させることになる。
このとき、制御部71は、収納庫41(A)~41(C)のそれぞれに搬送される紙幣の量に応じてそれぞれのエレベータ44を下降させることになり、収納庫41(D)に搬送される紙幣の量に応じて収納庫41(D)のセパレータ43を下降させることになる。
このようにして、カセット51の一時貯留領域部57の紙幣がなくなり、一時貯留領域部57に一時貯留していたすべての紙幣を、収納庫41(A)~41(C)のいずれかの収納領域部48のエレベータ44上に集積させ、あるいは収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留させると、制御部71は、カセット51を待機状態に戻して第1処理を終了する。それとともに、制御部71は、この第1処理での識別部31の識別結果から、収納リジェクト紙幣の一時貯留場所としての収納庫41(D)の一時貯留領域部47に搬送された紙幣がなければ、収納庫41(A)~41(C)のすべてのエレベータ54を最下の待機位置まで下降させた後、収納庫41(A)~41(C)のすべてのセパレータ43を待機位置に戻し閉状態として、収納庫41(A)~41(C)を待機状態にする。これにより、収納庫41(A)~41(C)のそれぞれのエレベータ44上の紙幣を、それぞれの収納領域部48に収納する。
よって、収納処理時に、複数の収納庫41(A)~41(C)の収納領域部48は、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出された紙幣を識別部31の識別結果に基づいて収納することになる。その際に、複数の収納庫41(A)~41(C)の収納領域部48は、それぞれ、同じ収納庫41を構成する上方のセパレータ43が開かれた状態の一時貯留領域部47を介して紙幣を受け入れて収納することになる。
他方、第1処理の終了後、制御部71は、この第1処理において識別部31で識別した紙幣の内訳から、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に搬送された紙幣があれば、上記と同様、収納庫41(A)~41(C)のそれぞれのエレベータ44上の紙幣を、それぞれの収納領域部48に収納して、収納庫41(A)~41(C)を待機状態にするのと並行して、この第1処理における識別部31の識別結果から割り出される、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留されている紙幣の内訳に応じて、以下の第2,第3処理を行う。
収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留されている紙幣が、収納リジェクト紙幣を含んでおらず、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき紙幣のみである場合、つまり第4種の収納正常紙幣のみである場合は、第2処理を行う。第2処理では、制御部71は、収納庫41(D)について、エレベータ44を、収納庫41(D)の一時貯留領域部47から紙幣を受け入れて集積可能な位置まで上昇させて、貯留収納受入状態とし、セパレータ43を開状態として、このセパレータ43上にあった紙幣、すなわち収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留していた、第4種の収納正常紙幣を、図4に太実線で示すように、収納庫41(D)のエレベータ44上に集積させる。その後、収納庫41(D)を待機状態に戻すことで、収納庫41(D)のエレベータ44上の紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48に収納して、第1,第2処理を含む収納処理を終了する。
よって、収納処理時に、収納庫41(D)の収納領域部48も、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出された紙幣を識別部31の識別結果に基づいて収納することになる。その際に、収納庫41(D)の収納領域部48も、同じ収納庫41(D)を構成する上方の、セパレータ43が開かれた状態の一時貯留領域部47を介して紙幣を受け入れて収納することになる。
収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留されている紙幣が、収納リジェクト紙幣を含む場合は、収納リジェクト紙幣をカセット51の収納領域部58に収納する第3処理を行う。第3処理では、制御部71は、まず、カセット51を、セパレータ53が閉状態で待機位置にある待機状態としたまま、収納庫41(D)について、セパレータ43を上昇させて、このセパレータ43上の最上位置の紙幣を取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させて貯留紙幣繰出状態とする。それとともに、制御部71は、搬送部61を駆動し、収納庫41(D)の取込繰出部42とカセット51の取込繰出部52とを駆動する。
すると、収納庫41(D)の取込繰出部42が、収納庫41(D)の一時貯留領域部47のセパレータ43上に載置されている紙幣を最上位置のものから蹴出ローラ42aで蹴り出し繰出ローラ42bおよび分離ローラ42cで一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図5に太実線で示すように、搬送路61F,61A,61G,61Aで、カセット51の一時貯留領域部57に搬送する。これにより、カセット51が、その取込繰出部52によって、一時貯留領域部57の閉状態で待機位置にあるセパレータ53上に紙幣を集積させることになる。その際に、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57の紙幣の貯留量を監視しており、セパレータ53を閉状態のまま紙幣の貯留量に応じた量下降させることになる。
このようにして、収納庫41(D)の一時貯留領域部47の紙幣がなくなり、この一時貯留領域部47に一時貯留していたすべての紙幣を、カセット51の一時貯留領域部57に一時貯留すると、次に、制御部71は、収納庫41(A)~41(D)のうち、収納庫41(D)以外の、収納庫41(A)~41(C)のいずれか一つの一時貯留領域部47を収納リジェクト紙幣の一時貯留先として設定する。ここでは、カセット51から繰り出した紙幣を搬送距離的に最も短い距離で搬送できる収納庫41(A)の一時貯留領域部47を収納リジェクト紙幣の一時貯留先として設定する。
そして、制御部71は、カセット51について、セパレータ53を上昇させて、このセパレータ53上の最上位置の紙幣を取込繰出部52の蹴出ローラ52aに当接させて貯留紙幣繰出状態とする。また、収納庫41(D)について、セパレータ43を開状態とし、エレベータ44を、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を受け入れて集積可能な位置まで上昇させて直収納受入状態とする。それとともに、制御部71は、搬送部61を駆動し、カセット51の取込繰出部52と収納庫41(A),41(D)の取込繰出部42とを駆動する。
すると、カセット51の取込繰出部52が、カセット51の一時貯留領域部57のセパレータ53上に載置されている紙幣を最上位置のものから蹴出ローラ52aで蹴り出し繰出ローラ52bおよび分離ローラ52cで一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、識別部31の識別結果に基づいて、紙幣のうちの収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき紙幣を、図6に太実線で示すように、搬送路61A,61G,61A,61Fで、収納庫41(D)に搬送する。これにより、収納庫41(D)が、その取込繰出部42によって、紙幣を、エレベータ44上に集積させることになる。その際に、制御部71は、収納庫41(D)の紙幣量を監視しており、エレベータ44を紙幣量に応じた量下降させることになる。
他方で、紙幣のうちの収納リジェクト紙幣を、図6に太実線から太破線で示すように、搬送路61A,61G,61A,61Cで、待機状態にある収納庫41(A)に搬送する。これにより、収納庫41(A)が、その取込繰出部42によって、紙幣を、一時貯留領域部47の閉状態のセパレータ43上に集積させることになる。その際に、制御部71は、収納庫41(A)の一時貯留領域部47の紙幣の貯留量を監視しており、そのセパレータ43を紙幣の貯留量に応じた量下降させることになる。
なお、このときの収納リジェクト紙幣には、第1処理での識別の後の再度の識別となる、この第3処理の識別部31の識別で、収納庫41(A)~41(C)に収納すべき第1~第3種の収納正常紙幣と識別された紙幣も含まれることになる。すなわち、第1処理で一旦収納リジェクト紙幣と識別された搬送異常紙幣が、第3処理で正常搬送となって識別部31で識別される場合もあるが、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき収納正常紙幣以外は、収納リジェクト紙幣として収納庫41(A)の一時貯留領域部47に一時貯留する。
ここで、カセット51の一時貯留領域部57の紙幣の繰り出しに当たって、収納庫41(B),41(C)を、それぞれ、エレベータ44上に紙幣を集積可能な直収納受入状態としておき、第3処理における識別部31の識別で、収納庫41(B)に収納すべき第2種の収納正常紙幣と識別された紙幣を収納庫41(B)のエレベータ44上に、収納庫41(C)に収納すべき第3種の収納正常紙幣と識別された紙幣を収納庫41(C)のエレベータ44上に、それぞれ集積させて、収納庫41(B),41(C)の収納領域部48に収納するようにしても良い。
第3処理において、カセット51の一時貯留領域部57のセパレータ53上の紙幣がなくなり、この一時貯留領域部57に一時貯留していたすべての紙幣を、収納庫41(D)あるいは収納庫41(A)に搬送すると、制御部71は、収納庫41(D)を待機状態に戻すことで、収納庫41(D)のエレベータ44上の紙幣を収納領域部48に収納する。
以上により、第1処理後の第3処理でカセット51の一時貯留領域部57に戻された紙幣のうち、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき収納正常紙幣を、この収納領域部48に収納する一方、第1処理において複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された収納リジェクト紙幣を、収納庫41(D)の収納領域部48以外の収納庫41(A)の収納領域部48の上方の、セパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47に一時貯留する。収納庫41(D)の収納領域部48は、上方の、セパレータ43が開かれた状態の一時貯留領域部47を介して紙幣を受け入れて収納する。
次に、制御部71は、収納庫41(A)について、一時貯留領域部47の底部のセパレータ43を上昇させて、このセパレータ43上の最上位置の紙幣を取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる貯留紙幣繰出状態とする。また、カセット51について、一時貯留領域部57の底部のセパレータ53を開状態とし、収納領域部58の底部のエレベータ54を、エレベータ54上の紙幣の収納量に応じて、取込繰出部52が取り込んだ紙幣を受け入れて集積可能な位置まで上昇させて直収納受入状態とする。それとともに、制御部71は、搬送部61を駆動し、カセット51の取込繰出部52と収納庫41(A)の取込繰出部42とを駆動する。
すると、収納庫41(A)の取込繰出部42が、収納庫41(A)のセパレータ43上に載置されている紙幣を最上位置のものから蹴出ローラ42aで蹴り出し繰出ローラ42bおよび分離ローラ42cで一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出された収納リジェクト紙幣を、図7に太実線で示すように、搬送路61C,61A,61G,61Aで、カセット51に搬送する。これにより、カセット51が、その取込繰出部52によって、紙幣を、セパレータ53が開状態の一時貯留領域部57を介してエレベータ54上に集積させることになる。その際に、制御部71は、カセット51の紙幣量を監視しており、エレベータ54を紙幣量に応じた量下降させることになる。
このようにして、収納庫41(A)の一時貯留領域部47のセパレータ43上の紙幣がなくなり、この一時貯留領域部47に一時貯留していたすべての収納リジェクト紙幣を、カセット51に搬送すると、制御部71は、収納庫41(A)およびカセット51を待機状態に戻す。これにより、エレベータ54上の収納リジェクト紙幣をカセット51の収納領域部58に収納して、第1,第3処理を含む収納処理を終了する。
以上により、第3処理では、第1処理後、収納庫41(D)の一時貯留領域部47からカセット51の一時貯留領域部57に戻された紙幣のうち、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき収納正常紙幣を、収納庫41(D)の収納領域部48に収納する一方、収納リジェクト紙幣を収納庫41(A)の一時貯留領域部47に一時貯留させた後、セパレータ53が開状態の一時貯留領域部57を介してカセット51の収納領域部58に収納する。カセット51の収納領域部58は、上方の、セパレータ53が開かれた状態の一時貯留領域部57を介して紙幣を受け入れて収納する。
紙幣処理機11は、収納処理時に複数の収納庫41(A)~41(D)に収納不可と識別された収納リジェクト紙幣を収納する部位が、カセット51の下部の収納領域部58以外には設けられていない。
なお、第1処理の終了時に、識別部31で識別した紙幣の内訳から、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に搬送された紙幣が、カセット51の収納領域部58に収納すべき収納リジェクト紙幣のみである場合、第3処理にかえて以下の第4処理を行うようにしても良い。
第4処理では、制御部71は、カセット51について、セパレータ53を開状態とした後、エレベータ54を、取込繰出部52で取り込まれた紙幣を受け入れて集積可能な位置まで上昇させて直収納受入状態とするとともに、収納庫41(D)について、一時貯留領域部47のセパレータ43を上昇させて、このセパレータ43上の最上位置の紙幣を取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる貯留紙幣繰出状態とする。それとともに、制御部71は、搬送部61を駆動し、収納庫41(D)の取込繰出部42とカセット51の取込繰出部52とを駆動する。
すると、収納庫41(D)の取込繰出部42が、収納庫41(D)の一時貯留領域部47のセパレータ43上に載置されている紙幣を最上位置のものから一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図8に太実線で示すように、搬送路61F,61A,61G,61Aで、カセット51に搬送する。これにより、カセット51が、その取込繰出部52によって、紙幣をエレベータ54上に集積させることになる。その際に、制御部71は、カセット51の紙幣量を監視しており、エレベータ54をこの紙幣量に応じた量下降させることになる。
このようにして、収納庫41(D)の一時貯留領域部47の紙幣がなくなり、この一時貯留領域部47に一時貯留していたすべての紙幣を、カセット51のエレベータ54上に集積させると、制御部71は、収納庫41(D)およびカセット51を待機状態に戻すことで、カセット51のエレベータ54上の紙幣を、カセット51の収納領域部58に収納して、第1,第4処理を含む収納処理を終了する。
なお、収納処理の上記した第1処理中に、収納庫41(A)~41(D)のうち、収納リジェクト紙幣の一時貯留先として設定された収納庫41、具体的には収納庫41(D)の一時貯留領域部47が満杯状態になった場合、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57からの紙幣の繰り出しを一旦停止させる。そして、それまでの識別部31の識別結果に基づいて、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に貯留されている紙幣に収納リジェクト紙幣が含まれているか否かを判定する。
収納リジェクト紙幣が含まれていなければ、第2処理を行って、図4に太実線で示すように、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に満杯に貯留していた第4種の収納正常紙幣を、収納庫41(D)の収納領域部48に収納する。すなわち、収納庫41(D)について、そのエレベータ44を、一時貯留領域部47からの紙幣を受け入れ可能な位置まで上昇させて貯留収納受入状態とし、この状態で、一時貯留領域部47のセパレータ43を開く。これにより、収納庫41(D)は、一時貯留領域部47のセパレータ43上に貯留していた第4種の収納正常紙幣を、エレベータ44上に集積させる。その後、収納庫41(D)を待機状態に戻すことで、エレベータ44上の紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48に収納して、第1処理を再開する。
他方、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に貯留されている満杯状態の紙幣に収納リジェクト紙幣が含まれている場合、操作表示部70を介して第1満杯解消処理が選択されると、制御部71は、以下の制御を行う。
制御部71は、第1満杯解消処理の開始に当たって、収納庫41(A)~41(C)を待機状態に戻した後、操作表示部70に、収納庫41(D)の一時貯留領域部47の紙幣の取り出しを促す表示を表示させる。これを見た操作者は、収納庫41(A)~41(D)のロック解除操作を行って機体10から収納庫41(A)~41(D)を一体に引き出し、収納庫41(D)の一時貯留領域部47を開いて紙幣を取り出し、収納庫41(A)~41(D)を一体に機体10に押し込む。操作者が取り出した紙幣は、第4種の収納正常紙幣と、収納リジェクト紙幣とからなる。制御部71は、機体10に押し込まれた収納庫41(D)の一時貯留領域部47に紙幣がないことを図示略のセンサが検知すると、収納庫41(A)~41(C)を、エレベータ44上に紙幣を集積可能な直収納受入状態とし、収納庫41(D)を一時貯留領域部57のセパレータ43上に紙幣を集積可能な待機状態として、第1処理を再開する。
そして、収納庫41(D)の一時貯留領域部47の紙幣の取り出し後に再開した第1処理が終了すると、取り出し後に収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留された紙幣の内訳に応じて、この一時貯留領域部47に紙幣がある場合、その中に収納リジェクト紙幣が含まれていなければ第2処理を行い、その中に収納リジェクト紙幣が含まれていれば第3処理を行う。
再開した第1処理の終了時点で、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に紙幣がない場合と、再開した第1処理後に実行された第2処理あるいは第3処理によって収納庫41(D)の一時貯留領域部47に紙幣がなくなった場合とについて、制御部71は、この第1満杯解消処理において収納庫41(D)の一時貯留領域部47から外部に取り出した、第4種の収納正常紙幣および収納リジェクト紙幣の入金部20への投入を促す表示を操作表示部70に表示させて、入金部20のシャッタを開く。
そして、入金部20に紙幣が投入されたことを検知すると、制御部71は、入金繰出部24と、収納庫41(D)の取込繰出部42と、搬送部61とを駆動する。これにより、入金部20の紙幣を、入金繰出部24が一枚ずつに分離して繰り出し、搬送路61A,61Fが、待機状態にある収納庫41(D)の一時貯留領域部47に搬送する。そして、入金部20の紙幣がすべて収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留されると、その際の識別部31の識別結果に基づいて、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留した紙幣の中に収納リジェクト紙幣が含まれていなければ、第2処理を行って第4種の収納正常紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48に収納して第1満杯解消処理を終了し、収納リジェクト紙幣が含まれていれば第3処理を行って、収納リジェクト紙幣をカセット51の収納領域部58に、第4種の収納正常紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48に収納して第1満杯解消処理を終了する。
なお、第1満杯解消処理においても、一旦収納リジェクト紙幣と識別されて外部に取り出された紙幣が、入金部20から収納庫41(D)の一時貯留領域部47への搬送中に、識別部31で収納正常紙幣と識別される可能性があるが、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき第4種の収納正常紙幣以外は、収納リジェクト紙幣として収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留する。勿論、入金部20の紙幣の繰り出しに当たって、収納庫41(A),41(B),41(C)を、それぞれ、エレベータ44上に紙幣を集積可能な直収納受入状態としておき、識別部31の識別結果に基づいて、第1種の収納正常紙幣を収納庫41(A)のエレベータ44上に、第2種の収納正常紙幣を収納庫41(B)のエレベータ44上に、第3種の収納正常紙幣を収納庫41(C)のエレベータ44上に、それぞれ集積させて、収納庫41(A),41(B),41(C)の収納領域部48に収納するようにしても良い。
第1処理中に満杯となった収納庫41(D)の一時貯留領域部47に貯留されている紙幣に収納リジェクト紙幣が含まれている場合、操作表示部70を介して第2満杯解消処理が選択されると、制御部71は、以下の制御を行う。
制御部71は、第2満杯解消処理の開始に当たって、カセット51について、閉状態のセパレータ53を、取込繰出部52が取り込んだ紙幣を受け入れ可能な高さにして待機状態に戻すとともに、収納庫41(A)~41(C)も待機状態に戻す。その後、収納庫41(D)について、閉状態のセパレータ43を上昇させて、このセパレータ43上の最上位置の紙幣を取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる貯留紙幣繰出状態とする。それとともに、制御部71は、搬送部61を駆動し、収納庫41(D)の取込繰出部42とカセット51の取込繰出部52とを駆動する。
すると、収納庫41(D)の取込繰出部42が、収納庫41(D)の一時貯留領域部47のセパレータ43上に載置されている紙幣を最上位置のものから一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図9に太実線で示すように、搬送路61F,61A,61G,61Aで、カセット51の一時貯留領域部57に搬送する。これにより、カセット51が、その取込繰出部52によって、一時貯留領域部57の閉状態のセパレータ53上に紙幣を集積させることになる。その際に、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57の紙幣の貯留量を監視しており、セパレータ53を閉状態のまま紙幣の貯留量に応じた量下降させることになる。
このようにして、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に満杯状態にあった、収納リジェクト紙幣を含む紙幣をすべてカセット51の一時貯留領域部57に搬送する。ここで、収納庫41(D)の一時貯留領域部47が満杯状態となった時点で、カセット51の一時貯留領域部57は、入金処理で一時貯留した紙幣の繰り出しを一旦停止させており、これにより、一時貯留領域部57には、第1処理で繰り出される前の、入金処理で一時貯留した紙幣が金種混合状態で残っている。よって、一時貯留領域部57には、第1処理で繰り出される前の紙幣の上に、収納庫41(D)の一時貯留領域部47を満杯としていた、収納リジェクト紙幣を含む紙幣が戻されて集積される。
次に、制御部71は、収納庫41(D)について、セパレータ43を開状態とし、エレベータ44を、取込繰出部42が取り込んだ紙幣を受け入れて集積可能な位置まで上昇させて直収納受入状態とするとともに、カセット51について、一時貯留領域部57のセパレータ53を上昇させてセパレータ53上の最上位置の紙幣を取込繰出部52の蹴出ローラ52aに当接させる貯留紙幣繰出状態とする。そして、制御部71は、取込繰出部52、搬送部61および収納庫41(A)~41(D)の取込繰出部42を駆動する。
すると、カセット51の取込繰出部52が、一時貯留領域部57のセパレータ53上に載置されている紙幣を最上位置のものから一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図10に太実線で示すように、搬送路61A,61G,61Aで識別部31に搬送し、識別部31で識別する。そして、制御部71は、識別部31の識別結果から、収納庫41(D)の収納領域部48に収納する第4種の収納正常紙幣を、図10に太実線で示すように、搬送路61A,61Fによって、収納庫41(D)に搬送する。これにより、カセット51の一時貯留領域部57に戻された紙幣に含まれている第4種の収納正常紙幣を、収納庫41(D)のエレベータ44上に集積させる。
また、制御部71は、識別部31で収納リジェクト紙幣と識別された紙幣を、図10に太実線から太破線で示すように、搬送路61A,61Cによって、収納庫41(A)に搬送する。これにより、カセット51の一時貯留領域部57に戻された紙幣に含まれていた収納リジェクト紙幣を、収納庫41(A)の一時貯留領域部47のセパレータ43上に集積させる。
ここで、制御部71は、収納庫41(A)のセパレータ43上の一時貯留領域部47が満杯状態になると、その後は、識別部31で収納リジェクト紙幣と識別された紙幣を、図10に太実線から太一点鎖線で示すように、搬送路61A,61Dによって、収納庫41(B)に搬送する。これにより、収納庫41(A)の一時貯留領域部47が満杯となった後は、収納リジェクト紙幣を、収納庫41(B)の一時貯留領域部47のセパレータ43上に集積させることになる。
また、制御部71は、識別部31で、収納庫41(A)~41(C)の収納領域部48に収納される第1~第3種の収納正常紙幣と識別された紙幣を、図10に太実線から太二点鎖線で示すように、搬送路61A,61Eによって、収納庫41(C)に搬送する。これにより、第1~第3種の収納正常紙幣を、収納庫41(C)の一時貯留領域部47のセパレータ43上に集積させる。
このときの第1~第3種の収納正常紙幣は、収納処理の第1処理において一旦、収納庫41(A)~41(C)の収納領域部48に収納不可な収納リジェクト紙幣と識別されて収納庫41(D)の一時貯留領域部47に貯留された紙幣が、カセット51の一時貯留領域部57に戻された後、一時貯留領域部57から再度繰り出されて、識別部31で再度識別される際に、収納正常紙幣と識別された紙幣を含んでいる。
すなわち、紙幣処理機11は、収納処理の第1処理時に、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出された紙幣のうち、識別部31で複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を、所定の収納庫41(D)の収納領域部48の上方のセパレータ43が閉状態の収納庫41(D)の一時貯留領域部47に、この収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき紙幣とともに一時貯留し、この収納庫41(D)の一時貯留領域部47から紙幣を繰り出してカセット51の一時貯留領域部57に戻し、再度、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出して識別部31で識別する。
ここで、制御部71は、収納処理の第1処理中の識別部31の識別結果に基づき、この第1処理中に満杯となった収納庫41(D)の一時貯留領域部47からカセット51の一時貯留領域部57に戻された紙幣の中に含まれていたすべての第4種の紙幣を、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出して、収納庫41(D)の収納領域部48に収納するまで、カセット51の一時貯留領域部57のセパレータ53上に載置されている紙幣を繰り出して、収納庫41(D)の収納領域部48および収納庫41(A)~41(C)のそれぞれの一時貯留領域部47に振り分ける。これにより、収納処理の第1処理中に満杯となった収納庫41(D)の一時貯留領域部47にあった第4種の紙幣を、収納庫41(D)の収納領域部48に収納することができる。
その後、制御部71は、収納庫41(A)~41(C)について、それぞれのセパレータ43を上昇させて貯留紙幣繰出状態とし、それぞれの一時貯留領域部47に貯留された紙幣を、図11に太実線で示すように、それぞれの取込繰出部42と、搬送路61C,61D,61E,61A,61G,61Aと、カセット51の取込繰出部52とによって、すべて、カセット51の一時貯留領域部57に戻し、セパレータ53上に集積させる。
このとき、まず、収納庫41(A)の一時貯留領域部47のセパレータ43上に載置されている紙幣をカセット51の一時貯留領域部57に戻し、次に、収納庫41(B)の一時貯留領域部47のセパレータ43上に載置されている紙幣をカセット51の一時貯留領域部57に戻し、最後に、収納庫41(C)の一時貯留領域部47のセパレータ43上に載置されている紙幣をカセット51の一時貯留領域部57に戻す。その後、収納庫41(A)~41(C)について、それぞれのエレベータ44上に紙幣を受け入れて集積可能な直収納受入状態とし、収納庫41(D)を、セパレータ43上に紙幣を受け入れて集積可能な待機状態に戻して第2満杯解消処理を終了し、第1処理を再開する。
この第1処理の再開時点では、第2満杯解消処理開始時点で収納庫41(D)の一時貯留領域部47を満杯にしていた紙幣から、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき第4種の収納正常紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48に収納して減らし、残りの紙幣がカセット51の一時貯留領域部57に戻された状態となっているため、第1処理の再開後すぐに収納庫41(D)の一時貯留領域部47が満杯になることはない。また、収納リジェクト紙幣の中には、第1処理の再開により、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出されて再度識別部31で識別されることで、収納正常紙幣と識別されるものもあるため、この点からも、第1処理の再開後すぐに収納庫41(D)の一時貯留領域部47が満杯になることはない。
以上の第2満杯解消処理は、機体10からの収納庫41(A)~41(D)の引き出し、紙幣の取り出し、収納庫41(A)~41(D)の押し込み、取り出した紙幣の入金部20への投入等を必要とする第1満杯解消処理よりも満杯解消が容易となる。また、紙幣を機外に取り出さずに済むため、セキュリティ上も好ましい。
ここで、第2満杯解消処理では、上記したように、第1処理の識別部31の識別結果に基づいて割り出される、第1処理中に満杯となった収納庫41(D)の一時貯留領域部47からカセット51の一時貯留領域部57に戻された紙幣の中に含まれていたすべての第4種の収納正常紙幣を、識別部31で識別および計数して、収納庫41(D)の収納領域部48に収納するまで、カセット51の一時貯留領域部57のセパレータ53上に載置されている紙幣を、収納庫41(D)の収納領域部48および収納庫41(A)~41(C)のそれぞれの一時貯留領域部47に振り分ける。その際に、収納庫41(C)の一時貯留領域部47が満杯状態になったり、収納庫41(B)の一時貯留領域部47が満杯状態になったり、収納庫41(D)の収納領域部48が満杯状態になったりすることがある。これは、収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの一時貯留領域部47の容量が、それぞれの収納領域部48に収納している紙幣量に応じて異なること等による。
第1~第3種の収納正常紙幣を貯留する収納庫41(C)の一時貯留領域部47が満杯状態になると、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57からの紙幣の繰り出しを停止させて、収納庫41(A)の一時貯留領域部47が満杯状態にあるか否かを判定する。収納庫41(A)の一時貯留領域部47が満杯状態にあれば、収納リジェクト紙幣が多いと判定し、カセット51の一時貯留領域部57のセパレータ53を紙幣の受け入れを可能な状態とし、収納庫41(C)について、一時貯留領域部47のセパレータ43を紙幣の繰り出しが可能な貯留紙幣繰出状態として、図12に太実線で示すように、収納庫41(C)の一時貯留領域部47のセパレータ43上にある第1~第3種のすべての収納正常紙幣を、搬送路61E,61A,61G,61Aを介して、カセット51の一時貯留領域部57に搬送して、そのセパレータ53上の第1処理でカセット51から繰り出されていない紙幣の上に集積させる。
その後、収納庫41(D)を待機状態に戻した後、操作表示部70に、収納庫41(A),41(B)の一時貯留領域部47の紙幣の取り出しを促す表示を表示させる。これを見た操作者は、収納庫41(A)~41(D)のロック解除操作を行って機体10から収納庫41(A)~41(D)を一体に引き出し、収納庫41(A),41(B)の一時貯留領域部47の収納リジェクト紙幣を取り出して、収納庫41(A)~41(D)を機体10に押し込む。制御部71は、収納庫41(A),41(B)の一時貯留領域部47に紙幣がないことを図示略のセンサが検知すると、収納庫41(A)~41(D)のいずれの一時貯留領域部47にも紙幣がない状態となるため、第1処理を再開することになる。
他方、制御部71は、収納庫41(A)の一時貯留領域部47が満杯状態になければ、収納庫(B)は空の状態であるため、収納リジェクト紙幣は少ないと判定する。この場合、制御部71は、収納庫41(D)を待機状態に戻し、カセット51の一時貯留領域部57のセパレータ53を紙幣の受け入れを可能な状態とし、収納庫41(A)~41(C)の一時貯留領域部47のセパレータ43を紙幣の繰り出しが可能な貯留紙幣繰出状態として、まず、図13に太実線で示すように、収納庫41(A)の一時貯留領域部47にあるすべての収納リジェクト紙幣を、搬送路61C,61A,61G,61Aを介して、カセット51の一時貯留領域部57に搬送して、セパレータ53上に集積させる。
次に、図13に太破線から太実線で示すように、収納庫41(C)の一時貯留領域部47にあるすべての収納正常紙幣を、搬送路61E,61A,61G,61Aを介して、カセット51の一時貯留領域部57に搬送して、そのセパレータ53上に集積させる。すると、カセット51の一時貯留領域部57には、セパレータ53上に、第1処理でカセット51から繰り出されていない紙幣が、その上に収納庫41(A)の一時貯留領域部47から戻された収納リジェクト紙幣が、その上に収納庫41(C)の一時貯留領域部47から戻された第1~第3種の収納正常紙幣が集積されることになる。これにより、収納庫41(A)~41(D)のいずれの一時貯留領域部47にも紙幣がない状態となるため、第1処理を再開することになる。
また、第2満杯解消処理中に、収納庫41(B)の一時貯留領域部47が満杯状態になる、すなわち収納庫41(A),41(B)の両方が満杯状態になると、制御部71は、収納リジェクト紙幣が多いと判定し、カセット51の一時貯留領域部57のセパレータ53を紙幣の受け入れが可能な状態とし、収納庫41(C)の一時貯留領域部47のセパレータ43を紙幣の繰り出しが可能な貯留紙幣繰出状態として、図12に太実線で示すように、収納庫41(C)の一時貯留領域部47にある第1~第3種のすべての収納正常紙幣を、搬送路61E,61A,61G,61Aを介して、カセット51の一時貯留領域部57に搬送して、そのセパレータ53上に集積させる。
その後、収納庫41(D)を待機状態に戻した後、操作表示部70に、収納庫41(A),41(B)の一時貯留領域部47の紙幣の取り出しを促す表示を表示させる。これを見た操作者は、収納庫41(A)~41(D)のロック解除操作を行って機体10から収納庫41(A)~41(D)を一体に引き出し、収納庫41(A),41(B)の一時貯留領域部47の収納リジェクト紙幣を取り出して、収納庫41(A)~41(D)を機体10に押し込む。制御部71は、収納庫41(A),41(B)の一時貯留領域部47の紙幣がないことを図示略のセンサが検知すると、収納庫41(A)~41(D)のいずれの一時貯留領域部47にも紙幣がない状態となるため、第1処理を再開することになる。
また、第2満杯解消処理中に、収納庫41(D)の収納領域部48が満杯状態になると、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57からの紙幣の繰り出しを停止させて、収納庫41(D)の収納領域部48の紙幣を、現在のカセット51の空のカセット51への交換を含んで回収する、後述する回収処理を行うように、操作表示部70に表示させて案内する。交換されたカセット51に収納庫41(D)の収納領域部48の紙幣を回収後、元のカセット51への交換を確認すると、第1処理を再開することになる。
[返却処理]
入金処理後、操作表示部70への入金キャンセル操作が入力された入金キャンセル時に、制御部71は、入金を確定せず、すなわち、入金処理にてカセット51の一時貯留領域部57に一時貯留した紙幣を管理外のままとし、一時貯留領域部57に一時貯留した紙幣をすべて、出金返却部21に繰り出す返却処理を行う。図14の太線は、この返却処理の紙幣搬送ルートを示している。
返却処理において、制御部71は、カセット51を、一時貯留領域部57の底部のセパレータ53を上昇させて、このセパレータ53上の最上位置の紙幣を取込繰出部52の蹴出ローラ52aに当接させて、貯留紙幣繰出状態とする。それとともに、制御部71は、搬送部61を駆動し、カセット51の取込繰出部52を駆動する。
すると、カセット51の取込繰出部52が、このカセット51の一時貯留領域部57のセパレータ53上に載置されている紙幣を最上位置のものから一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図14に太実線で示すように、搬送路61A,61Lで出金返却部21に搬送する。返却処理の最後に、制御部71は、出金返却部21のシャッタを開いて出金返却部21から紙幣を取り出し可能にする。これにより、この返却処理と一連の入金処理において入金部20に投入された紙幣のうち、入金処理において出金返却部21に繰り出された紙幣以外のすべての紙幣が、返却処理において、出金返却部21に繰り出される。
[バラ紙幣出金処理]
図15の太線は、操作表示部70へ入力されたバラ紙幣出金操作に基づいて、収納庫41(A)~41(D)の指定された金種のものから紙幣を出金するバラ紙幣出金処理の紙幣搬送ルートを示している。
バラ紙幣出金処理において、制御部71は、カセット51のセパレータ53を開状態とした後、カセット51のエレベータ54を、取込繰出部52からの紙幣を受け入れて集積可能な位置まで上昇させて直収納受入状態とする。そして、制御部71は、取込繰出部52を駆動し、搬送部61を駆動する。それとともに、入力された金種別の出金枚数に基づき、収納庫41(A)の収納領域部48に収納している第1種の紙幣を繰り出す場合、収納庫41(A)について、セパレータ43を開作動させた後、収納庫41(A)のエレベータ44を上昇させて、このエレベータ44上の最上位置の紙幣を収納庫41(A)の取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させて収納紙幣繰出状態とする。それとともに、この取込繰出部42を駆動して、収納庫41(A)のエレベータ44に載置された紙幣を最上位置のものから一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出す。
これにより、収納庫41(A)から繰り出した紙幣を、図15に太実線で示すように、搬送路61C,61Aで識別部31に、入金処理とは逆向きに搬送し、その際の識別部31の識別結果に基づいて、金種識別不良のない第1種の紙幣で搬送異常のない出金正常紙幣のうち、表裏反転が必要でない出金正常紙幣を、搬送路61A,61Lでそのまま出金返却部21に、表裏反転が必要な出金正常紙幣を、搬送路61Aから搬送路61Nを介して表裏反転部63で表裏反転させた後、搬送路61M,61Lで出金返却部21に、それぞれ搬送する。これにより、バラ紙幣出金操作に基づく第1種の出金正常紙幣を出金返却部21に表裏を取り揃えながら繰り出す。
なお、出金正常紙幣以外の、搬送異常の紙幣と、金種識別不良を含む第1種以外の紙幣とからなる出金リジェクト紙幣については、図15に太実線から太破線で示すように、搬送路61A,61G,61Aによってカセット51に搬送する。これにより、カセット51が、その取込繰出部52によって、出金リジェクト紙幣を、エレベータ54上に集積させることになる。その際に、制御部71は、カセット51の紙幣の収納量を監視しており、エレベータ54を紙幣の収納量に応じた量下降させることになる。出金リジェクト紙幣も、紙幣処理機11の管理下での移動時に発生した管理下リジェクト紙幣である。
また、バラ出金処理において、収納庫41(B)の収納領域部48に収納している第2種の紙幣を繰り出す場合、制御部71は、同様にして、収納庫41(B)について、セパレータ43を開作動させた後、エレベータ44を上昇させて収納紙幣繰出状態とし、このエレベータ44に載置された紙幣を最上位置のものから順に取込繰出部42で繰り出させて搬送路61D,61Aで識別部31に搬送することになり、識別部31の識別結果に基づいて、第2種の出金正常紙幣は搬送路61A,61Lあるいは搬送路61A,61N,61M,61Lで、表裏を取り揃えながら出金返却部21に搬送し、出金リジェクト紙幣は搬送路61A,61G,61Aによってカセット51のエレベータ54上に集積させる。
また、バラ出金処理において、収納庫41(C)の収納領域部48に収納している第3種の紙幣を繰り出す場合、制御部71は、同様にして、収納庫41(C)について、セパレータ43を開作動させた後、エレベータ44を上昇させて収納紙幣繰出状態とし、このエレベータ44に載置された紙幣を最上位置のものから順に取込繰出部42で繰り出させて搬送路61E,61Aで識別部31に搬送することになり、識別部31の識別結果に基づいて、第3種の出金正常紙幣は搬送路61A,61Lあるいは搬送路61A,61N,61M,61Lで、表裏を取り揃えながら出金返却部21に搬送し、出金リジェクト紙幣は搬送路61A,61G,61Aによってカセット51のエレベータ54上に集積させる。
なお、バラ出金処理では、収納庫41(D)の収納領域部48に収納している紙幣を出金返却部21に繰り出すことはない。
以上のようにして、入力された金種別の出金枚数の出金正常紙幣を、金種別に、表裏を取り揃えながら出金返却部21に繰り出す。バラ紙幣出金処理の最後に、制御部71は、収納庫41(A)~41(D)およびカセット51を待機状態に戻して、収納庫41(A)~41(D)の紙幣を、それぞれの収納領域部48に収納し、カセット51の紙幣を、その収納領域部58に収納する。すなわち、この場合も、カセット51の収納領域部58は、上方の、セパレータ53が開かれた状態の一時貯留領域部57を介して紙幣を受け入れて収納する。その後、制御部71は、出金返却部21のシャッタを開いて出金返却部21から出金正常紙幣を取り出し可能にする。このとき、制御部71は、出金返却部21に繰り出した紙幣を管理外にする。
紙幣処理機11は、バラ出金処理時に出金返却部21に出金不可と識別された出金リジェクト紙幣を収納する部位が、カセット51の下部の収納領域部58以外には設けられていない。
[束紙幣出金処理]
図16の太線は、操作表示部70へ入力された束紙幣出金操作に基づいて、収納庫41(A)~41(C)の指定された金種のものから紙幣を結束して出金する束紙幣出金処理の紙幣搬送ルートを示している。
つまり、束紙幣出金処理において、制御部71は、カセット51について、セパレータ53を開作動させた後、カセット51のエレベータ54を上昇させて、直収納受入状態とし、エレベータ54上に、取込繰出部52からの紙幣を受け入れ可能な状態とする。それとともに、取込繰出部52および搬送部61を駆動する。そして、入力された金種別の出金束数に基づき、収納庫41(A)の収納領域部48に収納している第1種の紙幣を結束して出金する場合、収納庫41(A)について、セパレータ43を開作動させた後、収納庫41(A)のエレベータ44を上昇させて、収納紙幣繰出状態とし、このエレベータ44に載置された紙幣のうち、最上位置の紙幣を収納庫41(A)の取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。それとともに、この取込繰出部42を駆動して、収納庫41(A)のエレベータ44に載置された紙幣を最上位置のものから一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになる。
そして、繰り出した紙幣を、図16に太実線で示すように、搬送路61C,61Aで識別部31に搬送し、識別部31の識別結果に基づいて、金種識別不良のない第1種の紙幣で搬送異常のない結束正常紙幣を、表裏反転が必要でないものは、搬送路61A,61L,61Pで整列部35に、表裏反転が必要なものは、搬送路61Aから搬送路61Nを介して表裏反転部63で表裏反転させた後、搬送路61M,61L,61Pで整列部35に、それぞれ搬送する。これにより、指定された第1種の結束正常紙幣を結束単位枚数だけ整列部35に繰り出す。
なお、結束正常紙幣以外の、搬送異常の紙幣と、金種識別不良を含む結束対象種以外の紙幣とからなる結束リジェクト紙幣については、図16に太実線から太破線で示すように、搬送路61A,61G,61Aによってカセット51に搬送する。これにより、カセット51が、その取込繰出部52によって、結束リジェクト紙幣を、エレベータ54上に集積させることになる。その際に、制御部71は、カセット51の紙幣の収納量を監視しており、エレベータ54を紙幣の収納量に応じた量下降させることになる。そして、指定された第1種の結束単位枚数の紙幣を整列部35から、昇降搬送部37で搬送して、結束部38で結束を行い、束出金部39に繰り出す。このとき、制御部71は、束出金部39に束紙幣として繰り出した紙幣を管理外にする。結束リジェクト紙幣も、紙幣処理機11の管理下での移動時に発生した管理下リジェクト紙幣である。
ここで、指定された第1種の出金正常紙幣を結束単位枚数だけ整列部35に繰り出すと、この金種の出金束数が複数である場合、引き続き、収納庫41(A)の収納領域部48から紙幣を繰り出すことになり、反転が必要でない結束正常紙幣を、搬送路61A,61L,61Qで整列部36に、表裏反転が必要な結束正常紙幣を、搬送路61Aから搬送路61Nを介して表裏反転部63で表裏反転させた後、搬送路61M,61L,61Qで整列部36に、結束リジェクト紙幣を、搬送路61A,61G,61Aによって収納領域部58に、それぞれ搬送する。これにより、指定された第1種の結束正常紙幣を結束単位枚数だけ整列部36に繰り出して、上記と同様に、結束部38で結束を行い、束出金部39に繰り出す。このように束紙幣出金処理では、単一金種を複数束出金する場合、整列部35,36に結束単位枚数ずつ交互に紙幣を集積させる。
束紙幣出金処理では、以上のような処理を、指定された金種毎に指定された束数分行うことになり、指定された全金種のそれぞれについて、指定された全束数の束紙幣を束出金部39に繰り出すことになる。そして、制御部71は、収納庫41(A)~41(C)およびカセット51を待機状態に戻す。すなわち、この場合も、カセット51の収納領域部58は、上方の、セパレータ53が開かれた状態の一時貯留領域部57を介して紙幣を受け入れて収納する。その後、束出金部39のシャッタを開いて束出金部39から束紙幣を取り出し可能にする。
紙幣処理機11は、バラ出金処理時に整列部35,36に集積不可と識別された結束リジェクト紙幣を収納する部位が、カセット51の下部の収納領域部58以外には設けられていない。
[束収納処理]
上記した束紙幣出金処理と同様にして、結束部38で結束を行うことになるが、結束した束紙幣を束出金部39に繰り出さずに図示略の束収納部に収納する。
[ローカル整理処理]
図17の太線は、機外から入金部20に投入された紙幣を搬送しつつ識別および計数して結束するローカル整理処理の紙幣搬送ルートを示している。つまり、操作表示部70にローカル整理処理の選択操作がなされると、制御部71は、ローカル整理処理を開始して入金繰出部24、搬送部61を駆動する。すると、入金繰出部24は、入金部20に投入された紙幣を最下のものから順に、一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路61A,61J,61G,61H,61Aで識別部31に搬送し、識別部31で識別する。
そして、識別部31の識別結果から、結束対象種の、搬送異常および金種識別不良のない結束正常紙幣を、表裏反転が必要でないものについては搬送路61A,61L,61Pで整列部35に、表裏反転が必要なものについては搬送路61Aから搬送路61Nを介して表裏反転部63で表裏反転させた後、搬送路61M,61L,61Pで整列部35に、それぞれ搬送する。これにより、指定された単一金種の結束正常紙幣を結束単位枚数だけ整列部35に繰り出す。なお、識別部31の識別結果から、搬送異常の紙幣と、金種識別不良を含む結束対象種以外の紙幣とについては、結束リジェクト紙幣として、図17に太実線から太破線で示すように、搬送路61A,61Lによって出金返却部21に繰り出す。指定された単一金種の結束単位枚数の結束正常紙幣を整列部35から、昇降搬送部37で搬送して、結束部38で結束を行い、束出金部39に繰り出す。なお、結束対象として指定される金種は、ローカル整理処理の選択操作時に手動入力される場合と、ローカル整理処理の実行で最初に識別部31が識別した金種に自動設定される場合とがある。
指定された単一金種の結束正常紙幣を結束単位枚数だけ整列部35に繰り出すと、指定された出金束数が複数である場合、引き続き、入金部20から紙幣を繰り出すことになり、反転が必要でない結束正常紙幣を、搬送路61A,61L,61Qで整列部36に、表裏反転が必要な結束正常紙幣を、搬送路61Aから搬送路61Nを介して表裏反転部63で表裏反転させた後、搬送路61M,61L,61Qで整列部36に、それぞれ搬送する。これにより、指定された単一金種の結束正常紙幣を結束単位枚数だけ整列部36に繰り出して、上記と同様に、結束部38で結束を行い、束出金部39に繰り出す。このようにローカル整理処理でも、単一金種を複数束出金する場合、整列部35,36に結束単位枚数ずつ交互に結束正常紙幣を集積させる。ローカル整理処理の最後に、制御部71は、束出金部39および出金返却部21のシャッタを開いて束出金部39および出金返却部21から束紙幣および結束リジェクト紙幣を取り出し可能にする。
[回収処理]
図18の太線は、操作表示部70へ入力された回収操作に基づいて、収納庫41(A)~41(D)の指定されたものから紙幣を回収する回収処理の紙幣搬送ルートを示している。つまり、回収処理において、制御部71は、収納庫41(A)の収納領域部48に収納している第1種の紙幣を回収する場合、空のカセット51への交換を確認したことを条件に、収納庫41(A)について、待機位置のセパレータ43を開作動させた後、収納庫41(A)のエレベータ44を上昇させて、このエレベータ44に載置された紙幣のうち、最上位置の紙幣を収納庫41(A)の取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる収納紙幣繰出状態とする。また、カセット51について、セパレータ53を開作動させた後、エレベータ54を上昇させて、このエレベータ44に紙幣を受け入れ可能な直収納受入状態とする。
それとともに、搬送部61と、取込繰出部42と、取込繰出部52とを駆動して、収納庫41(A)のエレベータ44に載置された紙幣を最上位置のものから一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出し、図18に太実線で示すように、搬送路61C,61Aで識別部31に搬送し、識別部31の識別結果に基づいて、搬送異常および金種識別不良のない回収正常紙幣は搬送路61A,61G,61Aでカセット51に搬送する。なお、回収正常紙幣以外の、識別部31で搬送異常と識別したり金種識別不良と識別した回収リジェクト紙幣については、図18に太実線から太破線で示すように、搬送路61A,61Lによって出金返却部21に搬送し、出金返却部21に一時貯留する。回収リジェクト紙幣も、紙幣処理機11の管理下での移動時に発生した管理下リジェクト紙幣である。
また、回収処理において、収納庫41(B)の収納領域部48に収納している第2種の紙幣を回収する場合、制御部71は、同様にして、収納庫41(B)を収納紙幣繰出状態として、収納庫41(B)のエレベータ44に載置された紙幣を最上位置の紙幣から順に取込繰出部42で繰り出させることになり、そのうちの回収正常紙幣を搬送路61D,61A,61G,61Aで、直収納受入状態のカセット51に搬送する。
また、回収処理において、収納庫41(C)の収納領域部48に収納している第3種の紙幣を回収する場合、制御部71は、同様にして、収納庫41(C)を収納紙幣繰出状態として、収納庫41(C)のエレベータ44に載置された紙幣を最上位置の紙幣から順に取込繰出部42で繰り出させることになり、そのうちの回収正常紙幣を搬送路61E,61A,61G,61Aで、直収納受入状態のカセット51に搬送する。
また、回収処理において、収納庫41(D)の収納領域部48に収納している第4種の紙幣を回収する場合、制御部71は、同様にして、収納庫41(D)を収納紙幣繰出状態として、収納庫41(D)のエレベータ44に載置された紙幣を最上位置の紙幣から順に取込繰出部42で繰り出させることになり、そのうちの回収正常紙幣を搬送路61F,61A,61G,61Aで、直収納受入状態のカセット51に搬送する。
回収処理では、以上のような処理を指定された一または複数種について行うことになり、これにより、識別部31で識別および計数済みの紙幣のみをカセット51に収納する。回収対象の紙幣を在り高を把握した状態で収納したカセット51が、機体10から取り外されて運搬される。なお、出金返却部21に一時貯留された回収リジェクト紙幣は、例えば、許可された管理者がシャッタを開いて取り出すことになる。回収リジェクト紙幣を機外に取り出さずに、紙幣処理機11の使用を継続したい場合には、紙幣処理機11での管理下での移動時に発生した管理下リジェクト紙幣を収納領域部58に収納するカセット51への交換を確認したことを条件に、このカセット51について、セパレータ53を開状態とし、エレベータ54を上昇させて、直収納受入状態とし、図19に太実線で示すように、出金返却部21に一時貯留された回収リジェクト紙幣を、搬送路61L,61Aで、エレベータ54上に集積させる。その後、カセット51を待機状態にする。
[補充処理]
補充用の紙幣が機外で装填された状態で機体10にセットされたカセット51の収納領域部58の紙幣を、収納庫41(A)~41(D)のそれぞれの収納領域部48に収納する補充処理では、制御部71は、カセット51を納紙幣繰出状態として、取込繰出部52で収納領域部58の紙幣を繰り出す。このようにしてカセット51から繰り出された紙幣を、上記した収納処理と同様にして、搬送異常および金種識別不良のない第1~第3種の補充正常紙幣は、直収納受入状態の収納庫41(A)~41(C)に収納し、搬送異常と識別したり金種識別不良と識別した補充リジェクト紙幣と第4種の補充正常紙幣は、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留する。このように収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留した紙幣をカセット51の一時貯留領域部57に戻し、第4種の補充正常紙幣を直収納受入状態の収納庫41(D)に収納し、補充リジェクト紙幣を待機状態の収納庫41(A)の一時貯留領域部47に一時貯留する。このように収納庫41(A)の一時貯留領域部47に一時貯留した補充リジェクト紙幣を、直収納受入状態のカセット51の収納領域部58に収納する。補充リジェクト紙幣も、紙幣処理機11の管理下での移動時に発生した管理下リジェクト紙幣である。
[精査処理]
精査処理は、収納庫41(A)~41(D)に収納されている紙幣の在り高を確定する処理である。精査処理は、収納庫41(A)~41(D)のそれぞれについて個別に行われる。ここでは、一例として、精査対象を第1種の収納庫41(A)とし、収納庫41(A)の紙幣の在り高を確定する精査処理について説明する。図20の太線は、操作表示部70へ入力された精査操作に基づいて、収納庫41(A)の紙幣在り高を確定する精査処理の往路ルートを示している。
精査処理において、制御部71は、まず、カセット51のセパレータ53を待機状態としたまま、精査対象の収納庫41(A)について、セパレータ43を開状態とし、エレベータ44を上昇させ、このエレベータ44上の最上位置の紙幣を取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させて収納紙幣繰出状態とする。それとともに、制御部71は、搬送部61を駆動し、収納庫41(A)の取込繰出部42とカセット51の取込繰出部52とを駆動する。
すると、収納庫41(A)の取込繰出部42が、収納庫41(A)のエレベータ44上の紙幣を最上位置のものから一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、図20に太実線で示すように、搬送路61C,61A,61G,61Aで、カセット51の一時貯留領域部57に搬送する。これにより、カセット51が、その取込繰出部52によって、一時貯留領域部57の閉状態で待機位置にあるセパレータ53上に紙幣を集積させることになる。その際に、制御部71は、カセット51の一時貯留領域部57の紙幣の貯留量を監視しており、セパレータ53を閉状態のまま紙幣の貯留量に応じた量下降させることになる。
このようにして、収納庫41(A)の紙幣がなくなり、収納庫41(A)の収納領域部48に収納していたすべての紙幣を、カセット51の一時貯留領域部57に一時貯留させると、制御部71は、収納処理と同様に、第1処理として、収納庫41(A)~41(D)のうち、精査対象である収納庫41(A)以外の、収納庫41(B)~41(D)のいずれか一つの一時貯留領域部47を、搬送異常あるいは金種識別不良と識別された精査リジェクト紙幣の一時貯留先として設定する。精査リジェクト紙幣も、紙幣処理機11の管理下での移動時に発生した管理下リジェクト紙幣である。ここでは、上記と同様に、収納庫41(D)の一時貯留領域部47を精査リジェクト紙幣の一時貯留先として設定する。この精査リジェクト紙幣の一時貯留先として設定された収納庫41(D)については、取込繰出部42から繰り出される紙幣を閉状態のセパレータ43上に受け入れ可能な待機状態のままとし、残りの収納庫41(A)~41(C)については、セパレータ43を開状態とし、エレベータ44を、このエレベータ44上に、取込繰出部42から繰り出される紙幣を受け入れて集積可能な位置に位置させる。
そして、制御部71は、カセット51について、セパレータ53を上昇させて、このセパレータ53上の最上位置の紙幣を取込繰出部52の蹴出ローラ52aに当接させる貯留紙幣繰出状態とする。それとともに、制御部71は、搬送部61を駆動し、カセット51の取込繰出部52と収納庫41(A)~41(D)の取込繰出部42とを駆動する。
すると、カセット51の取込繰出部52が、カセット51のセパレータ53上に載置されている紙幣を最上位置のものから一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出して、図3に太実線で示すように、搬送路61A,61G,61Aで識別部31に搬送することになり、識別部31の識別結果に基づいて、精査リジェクト紙幣以外の、搬送異常および金種識別不良のない精査正常紙幣のうち、第1種の精査正常紙幣を、搬送路61A,61Cで、収納庫41(A)に搬送する。これにより、収納庫41(A)が、その取込繰出部42によって、紙幣を、そのエレベータ44上に集積させることになる。
また、第2種の精査正常紙幣は、搬送路61A,61G,61A,61Dで、収納庫41(B)に搬送し、そのエレベータ44上に集積させることになる。また、第3種の精査正常紙幣は、搬送路61A,61G,61A,61Eで、収納庫41(C)に搬送し、そのエレベータ44上に集積させることになる。また、第1~第3種以外の第4種の精査正常紙幣は、搬送路61A,61G,61A,61Fで、収納庫41(D)に搬送し、その一時貯留領域部47の閉状態のセパレータ43上に集積させることになる。また、第1~第4種の精査正常紙幣以外の精査リジェクト紙幣は、搬送路61A,61G,61A,61Fで、収納庫41(D)に搬送し、その一時貯留領域部47の閉状態のセパレータ43上に、第4種の精査正常紙幣と混合で集積させることになる。
以上の際に、制御部71は、収納庫41(A)~41(C)のそれぞれの紙幣の収納量を監視しており、それぞれのエレベータ44を紙幣の収納量に応じた量下降させることになる。また、収納庫41(D)の一時貯留領域部47の紙幣の貯留量を監視しており、そのセパレータ43を紙幣の貯留量に応じた量下降させることになる。
このようにして、カセット51の一時貯留領域部57の紙幣がなくなり、一時貯留領域部57に一時貯留していたすべての紙幣を、収納庫41(A)~41(C)の収納領域部48あるいは収納庫41(D)の一時貯留領域部47に搬送すると、制御部71は、カセット51を待機状態に戻す。それとともに、制御部71は、識別部31で識別した紙幣の内訳から、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に搬送された紙幣がなければ、収納庫41(A)~41(C)を待機状態として、収納庫41(A)に対する精査処理を終了する。
他方、識別部31で識別した紙幣の内訳から、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に搬送された紙幣があれば、制御部71は、上記と同様に収納庫41(A)~41(C)を待機状態に戻すのと並行して、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留されている紙幣の内訳に応じて、精査リジェクト紙幣がなければ収納処理と同様の第2処理を行って第4種の精査正常紙幣を収納庫41(D)のエレベータ44上に集積させ、精査リジェクト紙幣があれば収納処理と同様の第3処理を行って、第4種の精査正常紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48のエレベータ44上に集積させ、精査リジェクト紙幣を、例えば収納庫41(B)の一時貯留領域部47に一時貯留させて、その後、収納庫41(B)の一時貯留領域部47の精査リジェクト紙幣を、カセット51の収納領域部58のエレベータ54上に集積させることになる。この場合も、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留されている紙幣が、カセット51の収納領域部58に収納すべき精査リジェクト紙幣のみである場合、収納処理と同様の第4処理を行って、収納庫41(D)の一時貯留領域部47の精査リジェクト紙幣をカセット51の収納領域部58のエレベータ54上に集積させることが可能である。
ここで、精査処理前に、精査対象の第1種収納用の収納庫41(A)に他の第2~第4種の紙幣が混入している可能性は低く、よって、収納庫41(B)~41(D)に、精査対象以外の精査正常紙幣が搬送されることは非常に少ない。このため、精査対象の第1種の精査正常紙幣以外の紙幣については、すべて、精査対象の収納庫41(A)以外の、例えばカセット51への搬送距離が最も短い収納庫41(B)の一時貯留領域部47の閉状態のセパレータ43上に貯留するようにしても良い。この場合、このように収納庫41(B)のセパレータ43上に載置された、第1種の精査正常紙幣以外の紙幣については、収納処理と同様の第4処理を行って、カセット51のエレベータ54上に集積させて収納領域部58に収納することになる。
以上に述べた本実施形態によれば、入金処理時に入金部20に機外から投入された紙幣は、入金部20から繰り出され、識別部31で識別される。そして、識別部31で受け入れ可能と識別された紙幣は金種混合で、カセット51の一時貯留領域部57に一時貯留されることになる。その後の収納処理時には、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出された紙幣を識別部31の識別結果に基づいて複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納することになる。
このように入金処理時に紙幣を金種混合で繰り出し可能に一時貯留するカセット51の一時貯留領域部57について、その底部を、開閉可能なセパレータ53とし、このセパレータ53の下方に、このセパレータ53が開かれた状態で、この一時貯留領域部57を介して紙幣を受け入れて収納する収納領域部58を設けている。よって、この収納領域部58を別途の位置に設ける場合と比べて機体10の小型化が可能となる。
ここで、収納処理時に、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出された紙幣を識別部31の識別結果に基づいて複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に振り分けることになるが、その際に、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出された紙幣のうち、識別部31で複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を、複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48のうちの所定の一つである収納庫41(D)の収納領域部48の上方のセパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47に、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき紙幣とともに一時貯留する。そして、カセット51の一時貯留領域部57の紙幣がなくなると、収納庫41(D)の一時貯留領域部47に一時貯留されている紙幣をカセット51の一時貯留領域部57に戻し、カセット51の一時貯留領域部57に戻された紙幣のうち、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48に収納する一方、複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48以外の、所定の収納庫41(A)の収納領域部48の上方の、底部であるセパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47に一時貯留する。その後、収納庫41(A)の一時貯留領域部47に一時貯留された紙幣を、カセット51のセパレータ53が開状態の一時貯留領域部57を介してその下方の収納領域部58に収納する。
このようにして、カセット51の収納領域部58に、収納処理時にカセット51の一時貯留領域部57から繰り出された紙幣のうち、識別部31で複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を収納することができる。よって、収納処理時に、識別部31で複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を収納する部位を、別途の位置に設ける場合と比べて機体10の小型化が可能となる。言い換えれば、カセット51の一時貯留領域部57の底部のセパレータ53の下方に、このセパレータ53で仕切って収納領域部58を設け、この収納領域部58を、収納処理、出金処理および精査処理等において生じた管理下リジェクト紙幣の収納場所として利用するため、一時貯留領域部57の下方の領域を活用できる。
また、収納処理時に、複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を一時貯留する所定の収納庫41の一時貯留領域部47の下方の収納領域部48が、一連の入金処理時の識別部31の識別結果から割り出される、収納処理時において収納のため搬送される紙幣量が最も少ない、例えば収納庫41(D)の収納領域部48となる。このため、収納処理時に、識別部31で複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を、収納のため搬送される紙幣量が最も少ない収納庫41(D)の収納領域部48の上方の、セパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47に、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき搬送量が最も少ない紙幣とともに一時貯留する。そして、この一時貯留領域部47に一時貯留されている紙幣をカセット51の一時貯留領域部57に戻し、この一時貯留領域部57に戻された紙幣のうち、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき搬送量が最も少ない紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48に収納する一方、複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を収納庫41(D)の収納領域部48以外の収納領域部48の上方の、例えば収納庫41(A)のセパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47に一時貯留する。この作動に要する時間を短縮できる。
また、収納処理時に、複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を収納する部位が、カセット51の収納領域部58以外には設けられていないため、機体10を小型化できる。
また、収納処理時に、複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と識別された紙幣を、一旦、所定の収納庫41(D)の収納領域部48の上方のセパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47に、収納庫41(D)の収納領域部48に収納すべき紙幣とともに一時貯留することになるが、収納庫41(D)のセパレータ43が閉状態の一時貯留領域部47から紙幣を繰り出してカセット51の一時貯留領域部57に戻し、再度、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出して識別部31で識別する。このように、複数の収納庫41(A)~41(D)の収納領域部48に収納不可と一旦識別された紙幣を、カセット51の一時貯留領域部57から繰り出す際に、識別部31で、再度識別することができる。
なお、実施形態では、紙幣処理機11が束出金部39を有する構成について述べたが、束出金部39に替えて、紙幣処理機11の側方(具体的には右側)に並接して設置される図示略の束紙幣入出金機へ水平に搬送する横搬送部が設けられている構成であっても良い。この場合、紙幣処理機11の結束部38で作成された束紙幣は、紙幣処理機11の横搬送部によって図示略の束紙幣入出金機へ搬送された後、束紙幣入出金機側に設けられた図示略の束出金部を介して束紙幣入出金機の機外へ取り出しが可能となり、また束紙幣入出金機側に設けられた図示略の束収納部へ収納可能となる。
11 紙幣処理機
20 入金部
31 識別部
43,53 セパレータ(底部)
47 一時貯留領域部
48 収納領域部(収納部)
57 一時貯留領域部(一時貯留部)
58 収納領域部
発明に係る第1の態様は、紙幣を収納する収納手段と、前記収納手段の上部に設けられ、前記収納手段内への紙幣の取り込み、及び、前記収納手段内の紙幣の繰り出しを行う取込繰出部と、前記収納手段の紙幣を収容する内部空間を上下に仕切る昇降可能かつ開閉可能なセパレータと、を備え、前記セパレータは、閉状態にあるとき、前記収納手段の前記セパレータより上側の内部空間を紙幣を一時貯留する一時貯留領域部とすると共に、昇降可能かつ回転可能に設けられた一対のセパレータ本体を有していることを特徴とする。

Claims (5)

  1. 入金処理時に機外から紙幣が投入される入金部と、
    入金処理時に前記入金部から繰り出され識別部で受け入れ可能と識別された紙幣を金種混合で繰り出し可能に一時貯留する一時貯留部と、
    収納処理時に前記一時貯留部から繰り出された紙幣を識別部の識別結果に基づいて収納する複数の収納部と、を有する紙幣処理機であって、
    前記複数の収納部のそれぞれの上方には、底部が開閉可能であって紙幣を繰り出し可能に一時貯留する一時貯留領域部が設けられており、
    前記複数の収納部は、それぞれ、上方の底部が開かれた状態の前記一時貯留領域部を介して紙幣を受け入れて収納することになり、
    前記一時貯留部は、底部が開閉可能であり、
    該底部の下方には、該底部が開かれた状態の前記一時貯留部を介して紙幣を受け入れて収納する収納領域部が設けられていることを特徴とする紙幣処理機。
  2. 収納処理時に、
    前記一時貯留部から繰り出された紙幣のうち、識別部で前記複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を、前記複数の収納部のうちの所定の収納部の上方の底部が閉状態の前記一時貯留領域部に当該所定の収納部に収納すべき紙幣とともに一時貯留し、
    前記一時貯留部の紙幣がなくなると、前記一時貯留領域部に一時貯留されている紙幣を前記一時貯留部に戻し、
    当該一時貯留部に戻された紙幣のうち、前記所定の収納部に収納すべき紙幣を当該所定の収納部に収納する一方、前記複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を前記所定の収納部以外の収納部の上方の底部が閉状態の所定の一時貯留領域部に一時貯留し、
    その後、当該所定の一時貯留領域部に一時貯留されている紙幣を、前記一時貯留部の底部を開状態として前記収納領域部に収納することを特徴とする請求項1記載の紙幣処理機。
  3. 前記所定の収納部は、入金処理時の識別部の識別結果から割り出される、収納処理時において収納のため搬送される紙幣量が最も少ない収納部であることを特徴とする請求項2記載の紙幣処理機。
  4. 収納処理時に、前記複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を収納する部位が、前記収納領域部以外には設けられていないことを特徴とする請求項2または3記載の紙幣処理機。
  5. 収納処理時に、
    前記一時貯留部から繰り出された紙幣のうち、識別部で前記複数の収納部に収納不可と識別された紙幣を、前記複数の収納部のうちの所定の収納部の上方の底部が閉状態の前記一時貯留領域部に当該所定の収納部に収納すべき紙幣とともに一時貯留し、
    前記一時貯留領域部に一時貯留されている紙幣を前記一時貯留部に戻し、
    再度、前記一時貯留部から繰り出して識別部で識別することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の紙幣処理機。
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