JP2022076438A - 強化ガラス板、強化ガラス板の製造方法及び強化用ガラス板 - Google Patents

強化ガラス板、強化ガラス板の製造方法及び強化用ガラス板 Download PDF

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Abstract

【課題】落下時に破損し難く、化学的安定性、清澄性に優れており、且つ成形時に失透ブツが発生し難い強化ガラス板を提供する。【解決手段】本発明の強化ガラス板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO240~80%、Al2O36~25%、B2O30~10%、Li2O 3~15%、Na2O 1~21%、K2O 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P2O50~15%、SnO20.001~0.30%を含有し、([Li2O]+[Na2O]+[K2O])/[Al2O3]≧0.86であり、且つ([SiO2]+[B2O3]+[P2O5])/((100×[SnO2])×([Al2O3]+[Li2O]+[Na2O]+[K2O]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、強化ガラス板、強化ガラス板の製造方法及び強化用ガラス板に関し、特に携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)等のタッチパネルディスプレイのカバーガラスに好適な強化ガラス板、強化ガラス板の製造方法及び強化用ガラス板に関するものである。
携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)等の用途では、タッチパネルディスプレイのカバーガラスとして、イオン交換処理された強化ガラス板が用いられている(特許文献1、非特許文献1参照)。
特開2006-83045号公報 特表2016-524581号公報 特表2011-510903号公報
泉谷徹郎等、「新しいガラスとその物性」、初版、株式会社経営システム研究所、1984年8月20日、p.451-498
ところで、スマートフォンを誤って路面等に落とすと、カバーガラスが破損して、スマートフォンを使用できなくなることがある。このような事態を回避するためには、強化ガラス板の強度を高めることが重要となる。
強化ガラス板の強度を高める方法として、応力深さを深くすることが有用である。詳述すると、スマートフォンの落下時にカバーガラスが路面と衝突すると、路面の突起物や砂粒が、カバーガラスに貫入し引っ張り応力層に達して、破損に至る。そこで、圧縮応力層の応力深さを深くすると、路面の突起物や砂粒が引っ張り応力層まで到達し難くなり、カバーガラスの破損確率を低下させることが可能になる。
リチウムアルミノシリケートガラスは、深い応力深さを得る上で有利である。特に、NaNOを含む溶融塩中に、リチウムアルミノシリケートガラスからなる強化用ガラス板を浸漬し、ガラス中のLiイオンと溶融塩中のNaイオンをイオン交換すると、深い応力深さを有する強化ガラス板を得ることができる。
しかし、従来のリチウムアルミノシリケートガラスでは、圧縮応力層の圧縮応力値が小さくなり過ぎる虞がある。その一方で、圧縮応力層の圧縮応力値を大きくするようにガラス組成を設計すると、化学的安定性が低下する虞がある。
更に、従来のリチウムアルミノシリケートガラスでは、清澄性が不十分であり、板状成形した際にガラス中に泡が残る虞がある。その一方で、泡低減のために、ガラス組成中に清澄剤として酸化スズ(SnO)を導入すると、SnOの失透ブツが発生して、板状成形が困難になる虞がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、落下時に破損し難く、化学的安定性、清澄性に優れており、且つ成形時に失透ブツが発生し難い強化ガラス板を提供することである。
本発明者が種々の検討を行った結果、ガラス組成を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の強化ガラス板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする。ここで、[LiO]は、LiOのモル%含有量を指す。[NaO]は、NaOのモル%含有量を指す。[KO]は、KOのモル%含有量を指す。[Al]は、Alのモル%含有量を指す。([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]は、LiO、NaO及びKOの合量を、Alの含有量で除した値を指す。[SiO]は、SiOのモル%含有量を指す。[B]は、Bのモル%含有量を指す。[P]は、Pのモル%含有量を指す。[SnO]は、SnOのモル%含有量を指す。[MgO]は、MgOのモル%含有量を指す。[CaO]は、CaOのモル%含有量を指す。[SrO]は、SrOのモル%含有量を指す。[BaO]は、BaOのモル%含有量を指す。[ZnO]は、ZnOのモル%含有量を指す。([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))は、SiO、B及びPの合量に対して、SnOの100倍の含有量とAl、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOの合量とを乗じた値で除した値を指す。
また、本発明の強化ガラス板では、Bの含有量が0.1~3モル%であることが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板では、SnOの含有量が0.045モル%以下であることが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板では、Clの含有量が0.02~0.3モル%であることが好ましい。
本発明の強化ガラス板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.045%、Cl 0.02~0.3%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする。
本発明の強化ガラス板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0.1~3%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%、Cl 0.02~0.3%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする。
また、本発明の強化ガラス板では、Pの含有量が2.5モル%以上であることが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板では、Feの含有量が0.001~0.1モル%であることが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板では、TiOの含有量が0.001~0.1モル%であることが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板では、圧縮応力層の最表面の圧縮応力値が200~1200MPaであることが好ましい。ここで、「最表面の圧縮応力値」と「応力深さ」は、例えば、散乱光光弾性応力計SLP-1000(株式会社折原製作所製)を用いて観察される位相差分布曲線から測定した値を指す。そして、応力深さは、応力値がゼロになる深さを指す。なお、応力特性の算出に当たり、各測定試料の屈折率を1.51、光学弾性定数を29.0[(nm/cm)/MPa]とする。
また、本発明の強化ガラス板では、圧縮応力層の応力深さが50~200μmであることが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板では、深さ2.5μmにおける圧縮応力値が350MPa以上であることが好ましい。このようにすれば、曲げ強度が高くなる
また、本発明の強化ガラス板では、深さ30~45μmにおける平均圧縮応力値が85MPa以上であることが好ましい。このようにすれば、落下強度が高くなる。
また、本発明の強化ガラス板では、高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1650℃未満であることが好ましい。ここで、「高温粘度102.5dPa・sにおける温度」は、例えば、白金球引き上げ法で測定することができる。
また、本発明の強化ガラス板は、板厚方向の中央部にオーバーフロー合流面を有することが好ましい。ここで、「オーバーフローダウンドロー法」は、成形体耐火物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを成形体耐火物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス板を製造する方法である。
また、本発明の強化ガラス板は、タッチパネルディスプレイのカバーガラスに用いることが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板は、厚み方向の応力プロファイルが、少なくとも第1ピーク、第2ピーク、第1ボトム、第2ボトムを有することが好ましい。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40である強化用ガラス板を用意する準備工程と、該強化用ガラス板に対して、複数回のイオン交換処理を行い、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板を得るイオン交換工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の強化用ガラス板は、イオン交換可能な強化用ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする。
本発明の強化用ガラス板は、イオン交換可能な強化用ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.045%、Cl 0.02~0.3%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする。
本発明の強化用ガラス板は、イオン交換可能な強化用ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0.1~3%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%、Cl 0.02~0.3%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする。
第1ピーク、第2ピーク、第1ボトム、第2ボトムを有する応力プロファイルを例示する説明図である。 実施例3に係る強化ガラス板の応力プロファイルである。 実施例3に係る強化ガラス板の応力プロファイルである。
本発明の強化ガラス板(強化用ガラス板)は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする。各成分の含有範囲を限定した理由を下記に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、特に断りがない限り、モル%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなる。よって、SiOの好適な下限範囲は40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、57%以上、特に59%以上である。一方、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなり、また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。よって、SiOの好適な上限範囲は80%以下、70%以下、68%以下、66%以下、65%以下、64.5%以下、64%以下、63%以下、特に62%以下である。
Alは、イオン交換性能を高める成分であり、また歪点、ヤング率、破壊靱性、ビッカース硬度を高める成分である。よって、Alの好適な下限範囲は6%以上、7%以上、8%以上、10%以上、12%以上、13%以上、14%以上、14.4%以上、15%以上、15.3%以上、15.6%以上、16%以上、16.5%以上、17%以上、17.2%以上、17.5%以上、17.8%以上、18%以上、18%超、18.3%以上、特に18.5%以上、18.6%以上、18.7%以上、18.8%以上である。一方、Alの含有量が多過ぎると、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下し易くなる。またガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等で板状に成形し難くなる。特に、成形体耐火物としてアルミナ系耐火物を用いて、オーバーフローダウンドロー法で板状に成形する場合、アルミナ系耐火物との界面にスピネルの失透結晶が析出し易くなる。更に耐酸性も低下し、酸処理工程に適用し難くなる。よって、Alの好適な上限範囲は25%以下、21%以下、20.5%以下、20%以下、19.9%以下、19.5%以下、19.0%以下、特に18.9%以下である。イオン交換性能への影響の大きいAlの含有量を好適な範囲にすれば、第1ピーク、第2ピーク、第1ボトム、第2ボトムを有するプロファイルを形成し易くなる。
は、高温粘度や密度を低下させると共に、ガラスを安定化させて、結晶を析出させ難くし、液相温度を低下させる成分である。さらには陽イオンによる酸素電子の拘束力を高め、ガラスの塩基度を下げる成分である。Bの含有量が少な過ぎると、ガラス中に含まれるLiイオンと溶融塩中のNaイオンのイオン交換における応力深さが深くなり過ぎて、結果として圧縮応力層の圧縮応力値(CSNa)が小さくなり易い。また、ガラスが不安定になり、耐失透性が低下する虞もある。また、ガラスの塩基度が大きくなり過ぎて、清澄剤の反応によるO放出量が少なくなり、発泡性が低下して、板状成形した際にガラス中に泡が残る虞がある。よって、Bの好適な下限範囲は0%以上、0.10%以上、0.12%以上、0.15%以上、0.18%以上、0.20%以上、0.23%以上、0.25%以上、0.27%以上、0.30%以上、0.35%以上、特に0.4%以上である。一方、Bの含有量が多過ぎると、応力深さが浅くなる虞がある。特にガラス中に含まれるNaイオンと溶融塩中のKイオンのイオン交換の効率が低下し易くなり、圧縮応力層の応力深さ(DOL_ZERO)が小さくなり易い。よって、Bの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、4%以下、3.8%以下、3.5%以下、3.3%以下、3.2%以下、3.1%以下、3%以下、2.9%以下、2.8%以下、2.5%以下、2.0%以下、1.5%以下、1.0%以下、1.0%未満、0.8%以下、特に0.5%以下である。Bの含有量を好適な範囲にすれば、第1ピーク、第2ピーク、第1ボトム、第2ボトムを有するプロファイルを形成し易くなる。
アルカリ金属酸化物は、イオン交換成分であり、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。しかし、アルカリ金属酸化物の含有量([LiO]+[NaO]+[KO])が多過ぎると、熱膨張係数が高くなる虞がある。また、耐酸性が低下する虞がある。よって、アルカリ金属酸化物([LiO]+[NaO]+[KO])の好適な下限範囲は10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、14.2%以上、14.5%以上、14.8%以上、15%以上、15.2%以上、15.5%以上、15.8%以上、特に16%以上であり、また好適な上限範囲は25%以下、23%以下、20%以下、19%以下、特に18%以下である。
LiOは、イオン交換成分であり、特にガラス中に含まれるLiイオンと溶融塩中のNaイオンをイオン交換して、深い応力深さを得るために必須の成分である。また、LiOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分であると共に、ヤング率を高める成分である。よって、LiOの好適な下限範囲は3%以上、4%以上、5%以上、5.5%以上、6.5%以上、7%以上、7.3%以上、7.5%以上、7.8%以上、特に8%以上である。よって、LiOの好適な上限範囲は15%以下、13%以下、12%以下、11.5%以下、11%以下、10.5%以下、10%未満、9.9%以下、9%以下、特に8.9%以下である。
NaOは、イオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。またNaOは、耐失透性を高める成分であり、特にアルミナ系耐火物との反応で生じる失透を抑制する成分である。よって、NaOの好適な下限範囲は1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、7.5%以上、8%以上、8.5%以上、8.8%以上、特に9%以上である。一方、NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなる。またガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下する場合がある。よって、NaOの好適な上限範囲は21%以下、20%以下、19%以下、特に18%以下、15%以下、13%以下、11%以下、特に10%以下である。
Oは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。しかし、KOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなる。また最表面の圧縮応力値が低下し易くなる。よって、KOの好適な上限範囲は10%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、特に1.5%以下である。なお、応力深さを深くする観点を重視すると、KOの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、0.3%以上、特に0.4%以上である。
([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]の好適な下限範囲は、好ましくは0.86以上、0.87以上、特に0.88以上である。([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]が小さ過ぎると、イオン交換の効率が低下し易くなる。一方、モル比([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]が大き過ぎても、イオン交換の効率が低下し易くなる。よって、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]の好適な上限範囲は、好ましくは、2.0以下、1.8以下、1.7以下、1.6以下、1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下、1.1以下、1.0以下、特に0.95以下である。
([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]+[Al]))は、好ましくは0.40以上、0.41以上、0.42以上、0.43以上、0.44以上、0.45以上、0.48以上、0.50以上、0.51以上、0.52以上、0.53以上、0.54以上、特に0.55以上である。モル比([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]+[Al]))が小さ過ぎると、SnOブツが析出し易くなる。また溶融、成形時に清澄剤から放出される酸素が少なくなり、板状成形した際にガラス中に泡が残り易くなる。([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]+[Al]))の上限は特に限定されないが、清澄性を高めつつ、失透を抑制するために、好ましくは4.0以下、3.0以下、2.0以下、1.8以下、1.5以下、1.2以下、1.0以下、0.90以下、0.80以下、特に0.70以下である。
[LiO]/([NaO]+[KO])は、好ましくは0.4~1.0、0.5~0.9、特に0.6~0.8である。 [LiO]/([NaO]+[KO])が小さ過ぎると、イオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。特にガラス中に含まれるLiイオンと溶融塩中のNaイオンのイオン交換の効率が低下し易くなる。一方、モル比[LiO]/([NaO]+[KO])が大き過ぎると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等で板状に成形し難くなる。なお、[LiO]/([NaO]+[KO])は、LiOの含有量をNaOとKOの合量で除した値を指す。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やビッカース硬度を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を高める効果が大きい成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、特にアルミナ系耐火物との反応で生じる失透を抑制し難くなる。よって、MgOの好適な含有量は0~10%、0~7%、0~5%、0.1~3%、0.2~2.5%、0.3~2%、0.4~1.5%、特に0.5~1.0%である。
CaOは、他の成分と比較して、耐失透性の低下を伴うことなく、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やビッカース硬度を高める成分である。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、イオン交換性能が低下したり、イオン交換処理時にイオン交換溶液を劣化させる虞がある。よって、CaOの好適な上限範囲は6%以下、5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下、2%以下、1%以下、1%未満、0.7%以下、0.5%以下、0.3%以下、0.1%以下、0.05%以下、特に0.01%以下である。
SrOとBaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であるが、それらの含有量が多過ぎると、イオン交換反応が阻害され易くなることに加えて、密度や熱膨張係数が不当に高くなったり、ガラスが失透し易くなる。よって、SrOとBaOの好適な含有量は、それぞれ0~2%、0~1.5%、0~1%、0~0.5%、0~0.1%、特に0~0.1%未満である。
ZnOは、イオン交換性能を高める成分であり、特に最表面の圧縮応力値を高める効果が大きい成分である。また低温粘性を低下させずに、高温粘性を低下させる成分である。ZnOの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、0.3%以上、0.5%以上、0.7%以上、特に1%以上である。一方、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐失透性が低下したり、密度が高くなったり、応力深さが浅くなる傾向がある。よって、ZnOの好適な上限範囲は10%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1.5%以下、1.3%以下、1.2%以下、特に1.1%以下である。
は、イオン交換性能を高める成分であり、特に応力深さを深くする成分である。更に耐酸性も向上させる成分である。さらには陽イオンによる酸素電子の拘束力を高め、ガラスの塩基度を下げる成分である。Pの含有量が少な過ぎると、イオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。特にガラス中に含まれるNaイオンと溶融塩中のKイオンのイオン交換の効率が低下し易くなり、圧縮応力層の応力深さ(DOL_ZERO)が小さくなり易い。また、ガラスが不安定になり、耐失透性が低下する虞もある。また、ガラスの塩基度が大きくなり過ぎて、清澄剤の反応によるO放出量が少なくなり、発泡性が低下して、板状成形した際にガラス中に泡が残る虞がある。よって、Pの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、0.4%以上、0.7%以上、1%以上、1.2%以上、1.4%以上、1.6%以上、2%以上、2.3%以上、2.5%以上、2.6%以上、2.7%以上、2.8%以上、2.9%以上、3.0%以上、3.2%以上、3.5%以上、3.8%以上、3.9%以上、4.0%以上、4.1%以上、4.2%以上、4.3%以上、4.4%以上、4.5%以上、特に4.6%以上である。一方、Pの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐水性が低下し易くなる。また、ガラス中に含まれるLiイオンと溶融塩中のNaイオンのイオン交換における応力深さが深くなり過ぎて、結果として圧縮応力層の圧縮応力値(CSNa)が小さくなり易い。よって、Pの好適な上限範囲は15%以下、10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4.9%以下、4.8%以下である。Pの含有量を好適な範囲にすれば、非単調のプロファイルを形成し易くなる。
([SiO]+1.2×[P])-(3×[Al]+2×[LiO]+1.5×[NaO]+[KO]+[B])は、好ましくは-40%以上、-30%以上、-25%以上、-24%以上、-23%以上、-22%以上、-21%以上、-20%以上、-19%以上、特に-18%以上である。([SiO]+1.2×[P])-(3×[Al]+2×[LiO]+1.5×[NaO]+[KO]+[B])が小さ過ぎると、耐酸性が低下し易くなる。一方、([SiO]+1.2×[P])-(3×[Al]+2×[LiO]+1.5×[NaO]+[KO]+[B])が大き過ぎると、イオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。よって、([SiO]+1.2×[P])-(3×[Al]+2×[LiO]+1.5×[NaO]+[KO]+[B])は、好ましくは30モル%以下、20モル%以下、15モル%以下、10モル%以下、5モル%以下、特に0モル%以下である。なお、([SiO]+1.2×[P])-(3×[Al]+2×[LiO]+1.5×[NaO]+[KO]+[B])は、SiOの含有量とPの1.2倍の含有量の合計から、Alの3倍の含有量、LiOの2倍の含有量、NaOの1.5倍の含有量、KOの含有量、Bの含有量の合計を減じた値を指す。
SnOは、清澄剤であるとともに、イオン交換性能を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、SnOは好適な下限範囲は0.001%以上、0.002%以上、0.005%以上、0.007%以上、特に0.010%以上であり、好適な上限範囲は0.30%以下、0.27%以下、0.25%以下、0.20%以下、0.18%以下、0.15%以下、0.12%以下、0.10%以下、0.09%以下、0.08%以下、0.07%以下、0.06%以下、0.05%以下、0.047%以下、0.045%以下、0.042%以下、0.040%以下、0.038%以下、0.035%以下、0.032%以下、特に0.030%以下である。
上記成分以外にも、例えば以下の成分を添加してもよい。
ZrOは、ビッカース硬度を高める成分であると共に、液相粘度付近の粘性や歪点を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、耐失透性が著しく低下する虞がある。よって、ZrOの好適な含有量は0~3%、0~1.5%、0~1%、特に0~0.1%である。
TiOは、イオン交換性能を高める成分であり、また高温粘度を低下させる成分であるが、その含有量が多過ぎると、透明性や耐失透性が低下し易くなる。よって、TiOの好適な含有量は0~3%、0~1.5%、0~1%、0~0.1%、特に、0.001~0.1%である。
Clは、清澄剤である。特にSnOとの併用により、ガラス中の泡径が拡大し易くなり、清澄効果を発揮し易くなる。その関係で、SnOとClを併用すれば、SnOの含有量を低減しても、清澄効果を維持することができる。一方、Clの含有量が多過ぎると、環境や設備に悪影響を与える成分である。よって、Clの好適な下限範囲は0%以上、0.001%以上、0.005%以上、0.008%以上、0.010%以上、0.015%以上、0.018%以上、0.019%以上、0.020%以上、0.021%以上、0.022%以上、0.023%以上、0.024%以上、0.025%以上、0.027%以上、0.030%以上、0.035%以上、0.040%以上、0.050%以上、0.070%以上、0.090%以上、特に0.100%以上であり、好適な上限範囲は0.3%以下、0.2%以下、0.17%以下、0.15%以下、特に0.12%以下である。
清澄剤として、上記以外にも、SO、CeOを0.001~1%添加してもよい。
Feは、原料から不可避的に混入する不純物である。Feの好適な含有量は1000ppm未満(0.1%未満)、800ppm未満、600ppm未満、400ppm未満、特に300ppm未満である。Feの含有量が多過ぎると、カバーガラスの透過率が低下し易くなる。一方、Feの好適な下限範囲は、10ppm以上、20ppm以上、30ppm以上、50ppm以上、80ppm以上、特に100ppm以上である。Feの含有量が少な過ぎると、高純度原料の使用により、原料コストが高騰し易くなる。
Nd、La、Y、Nb、Ta,Hf等の希土類酸化物は、ヤング率を高める成分である。しかし、原料コストが高く、また多量に添加すると、耐失透性が低下し易くなる。よって、希土類酸化物の好適な含有量は5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。
本発明の強化ガラス板(強化用ガラス板)は、環境的配慮から、ガラス組成として、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しないことが好ましい。また、環境的配慮から、実質的にBiを含有しないことも好ましい。「実質的に~を含有しない」とは、ガラス成分として積極的に明示の成分を添加しないものの、不純物レベルの添加を許容する趣旨であり、具体的には、明示の成分の含有量が0.05%未満の場合を指す。
本発明の強化ガラス板(強化用ガラス板)は、以下の特性を有することが好ましい。
密度は、好ましくは2.55g/cm以下、2.53g/cm以下、2.50g/cm以下、2.49g/cm以下、2.45g/cm以下、特に2.35~2.44g/cmである。密度が低い程、強化ガラス板を軽量化することができる。なお、「密度」は、周知のアルキメデス法等で測定可能である。
30~380℃における熱膨張係数は、好ましくは150×10-7/℃以下、100×10-7/℃以下、特に50×10-7~95×10-7/℃である。なお、「30~380℃における熱膨張係数」は、ディラトメーターを用いて、平均熱膨張係数を測定した値を指す。
軟化点は、好ましくは950℃以下、930℃以下、920℃以下、910℃以下、900℃以下、特に880~900℃である。軟化点が高過ぎると、熱処理による曲げ加工が困難になる。なお、「軟化点」は、ASTM C338の方法に基づいて測定した値を指す。
高温粘度102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1660℃以下、1600℃未満、1590℃以下、1580℃以下、1570℃以下、1560℃以下、特に1400~1550℃が好ましい。高温粘度102.5dPa・sにおける温度が高過ぎると、溶融性や成形性が低下して、溶融ガラスを板状に成形し難くなる。なお、「高温粘度102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。
液相粘度は、好ましくは103.74dPa・s以上、104.5dPa・s以上、104.8dPa・s以上、104.9dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.1dPa・s以上、105.2dPa・s以上、105.3dPa・s以上、105.4dPa・s以上、特に105.5dPa・s以上である。なお、液相粘度が高い程、耐失透性が向上し、成形時に失透ブツが発生し難くなる。ここで、「液相粘度」とは、液相温度における粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。「液相温度」とは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、白金ボートを取り出し、顕微鏡観察により、ガラス内部に失透(失透ブツ)が認められた最も高い温度とする。
ヤング率は、好ましくは70GPa以上、74GPa以上、75~100GPa、特に76~90GPaである。ヤング率が低いと、板厚が薄い場合に、カバーガラスが撓み易くなる。なお、「ヤング率」は、周知の共振法で算出可能である。
本発明の強化ガラス板は、表面に圧縮応力層を有している。最表面の圧縮応力値は、好ましくは200MPa以上、220MPa以上、250MPa以上、280MPa以上、300MPa以上、310MPa以上、特に320MPa以上である。最表面の圧縮応力値が大きい程、ビッカース硬度が高くなる。一方、表面に極端に大きな圧縮応力が形成されると、強化ガラスに内在する引っ張り応力が極端に高くなり、またイオン交換処理前後の寸法変化が大きくなる虞がある。このため、最表面の圧縮応力値は、好ましくは1200MPa以下、1100MPa以下、1000MPa以下、900MPa以下、700MPa以下、680MPa以下、650MPa以下、特に600MPa以下である。なお、イオン交換時間を短くしたり、イオン交換溶液の温度を下げれば、最表面の圧縮応力値が大きくなる傾向がある。
応力深さは、好ましくは50μm以上、60μm以上、80μm以上、100μm以上、110μm以上、120μm以上、130μm以上、特に140μm以上である。応力深さが深い程、スマートフォンを落下させた際に、路面の突起物や砂粒が引っ張り応力層まで到達し難くなり、カバーガラスの破損確率を低下させることが可能になる。一方、応力深さが深過ぎると、イオン交換処理前後で寸法変化が大きくなる虞がある。更に最表面の圧縮応力値が低下する傾向がある。よって、応力深さは、好ましくは200μm以下、180μm以下、特に170μm以下である。なお、イオン交換時間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を上げたりすれば、応力深さが深くなる傾向がある。
深さ2.5μmにおける圧縮応力値は、好ましくは350MPa以上、360MPa以上、370MPa以上、380MPa以上、390MPa以上、400MPa以上、410MPa以上、420MPa以上、430MPa以上、440MPa以上、450MPa以上、460MPa以上、470MPa以上、480MPa以上、490MPa以上、500MPa以上、510MPa以上、520MPa以上、530MPa以上、540MPa以上、550MPa以上、特に600MPa以上である。深さ2.5μmにおける圧縮応力値が大きい程、曲げ強度が高くなる。一方、深さ2.5μmにおいて極端に大きな圧縮応力が形成されると、強化ガラス板に内在する引っ張り応力が極端に高くなる虞がある。よって、深さ2.5μmにおける圧縮応力値は、好ましくは800MPa以下、750MPa以下、730MPa以下、700MPa以下、680MPa以下、650MPa以下、640MPa以下、特に630MPa以下である。
深さ30~45μmにおける平均圧縮応力値は、好ましくは85MPa以上、86MPa以上、87MPa以上、88MPa以上、89MPa以上、90MPa以上、92MPa以上、95MPa以上、98MPa以上、特に100MPa以上である。深さ30~45μmにおける平均圧縮応力値が大きい程、スマートフォンを落下させた際に、路面の突起物や砂粒による割れが発生し難くなり、カバーガラスの破損確率を低下させることが可能になる。一方、深さ30~45μmにおける平均圧縮応力値が極端に大きくなると、強化ガラス板に内在する引っ張り応力が極端に高くなる虞がある。このため、深さ30~45μmにおける平均圧縮応力値は、好ましくは150MPa以下、140MPa以下、130MPa以下、125MPa以下、120MPa以下、115MPa以下、110MPa以下、特に105MPa以下である。
本発明の強化ガラス板において、板厚は、好ましくは2.0mm以下、1.5mm以下、1.3mm以下、1.1mm以下、1.0mm以下、0.9mm以下、特に0.8mm以下である。板厚が小さい程、強化ガラス板を軽量化することができる。一方、板厚が薄過ぎると、所望の機械的強度を得難くなる。よって、板厚は、好ましくは0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、特に0.7mm以上である。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、上記のガラス組成となるように作製した強化用ガラス板を用意する準備工程と、該強化用ガラス板に対して、複数回のイオン交換処理を行い、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板を得るイオン交換工程と、を備えることを特徴とする。なお、本発明の強化ガラス板の製造方法は、複数回のイオン交換処理を行うことを特徴にしているが、本発明の強化ガラス板は、複数回のイオン交換処理が行われている場合のみならず、1回だけイオン交換処理が行われている場合も包含するものとする。
本発明に係る強化用ガラスを製造する方法は、例えば、以下の通りである。まず所望のガラス組成になるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入して、1400~1700℃で加熱溶融し、清澄した後、溶融ガラスを成形装置に供給した上で板状に成形し、冷却することが好ましい。板状に成形した後に、所定寸法に切断加工する方法は、周知の方法を採用することができる。
溶融ガラスを板状に成形する方法として、オーバーフローダウンドロー法が好ましい。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス板の表面となるべき面は成形体耐火物の表面に接触せず、自由表面の状態で板状に成形される。このため、未研磨でありながら、表面品位が良好なガラス板を安価に製造することができる。更に、オーバーフローダウンドロー法では、成形体耐火物として、アルミナ系耐火物やジルコニア系耐火物が使用される。そして、本発明の強化ガラス板(強化用ガラス板)は、アルミナ系耐火物やジルコニア系耐火物(特にアルミナ系耐火物)との適合性が良好であるため、これらの耐火物と反応して泡やブツ等を発生させ難い性質を有する。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、種々の成形方法を採用することができる。例えば、フロート法、ダウンドロー法(スロットダウンドロー法、リドロー法等)、ロールアウト法、プレス法等の成形方法を採用することができる。
溶融ガラスの成形時に、溶融ガラスの徐冷点から歪点の間の温度域を3℃/分以上、且つ1000℃/分未満の冷却速度で冷却することが好ましく、その冷却速度の下限範囲は、好ましくは10℃/分以上、20℃/分以上、30℃/分以上、特に50℃/分以上であり、上限範囲は、好ましくは1000℃/分未満、500℃/分未満、特に300℃/分未満である。冷却速度を速過ぎると、ガラスの構造が粗になり、イオン交換処理後にビッカース硬度を高めることが困難になる。一方、冷却速度が遅過ぎると、ガラス板の生産効率が低下してしまう。
本発明の強化ガラス板の製造方法では、複数回のイオン交換処理を行う。複数回のイオン交換処理として、KNO溶融塩を含む溶融塩に浸漬させるイオン交換処理を行った後、NaNO溶融塩を含む溶融塩に浸漬させるイオン交換処理を行うことが好ましい。このようにすれば、深い応力深さを確保しながら、最表面の圧縮応力値を高めることができる。
特に、本発明の強化ガラス板の製造方法では、NaNO溶融塩又はNaNOとKNOの混合溶融塩に浸漬させるイオン交換処理(第1のイオン交換工程)を行った後、KNOとLiNOの混合溶融塩に浸漬させるイオン交換処理(第2のイオン交換工程)を行うことが好ましい。このようにすれば、図1に示す非単調の応力プロファイル、つまり少なくとも第1ピーク、第2ピーク、第1ボトム、第2ボトムを有する応力プロファイルを形成することができる。結果として、スマートフォンを落下させた際のカバーガラスの破損確率を大幅に低下させることが可能になる。
第1のイオン交換工程では、ガラス中に含まれるLiイオンと溶融塩中のNaイオンがイオン交換し、NaNOとKNOの混合溶融塩を用いる場合、更にガラス中に含まれるNaイオンと溶融塩中のKイオンがイオン交換する。ここで、ガラス中に含まれるLiイオンと溶融塩中のNaイオンのイオン交換は、ガラス中に含まれるNaイオンと溶融塩中のKイオンのイオン交換よりもスピードが速く、イオン交換の効率が高い。第2のイオン交換工程では、ガラス表面近傍(最表面から板厚の20%までの浅い領域)におけるNaイオンと溶融塩中のLiイオンがイオン交換し、加えてガラス表面近傍(最表面から板厚の20%までの浅い領域)におけるNaイオンと溶融塩中のKイオンがイオン交換する。すなわち、第2のイオン交換工程では、ガラス表面近傍におけるNaイオンを離脱させつつ、イオン半径の大きいKイオンを導入することができる。結果として、深い応力深さを維持しながら、最表面の圧縮応力値を高めることができる。
第1のイオン交換工程では、溶融塩の温度は360~400℃が好ましく、イオン交換時間は30分~6時間が好ましい。第2のイオン交換工程では、イオン交換溶液の温度は370~400℃が好ましく、イオン交換時間は15分~3時間が好ましい。
非単調の応力プロファイルを形成する上で、第1のイオン交換工程で用いるNaNOとKNOの混合溶融塩では、NaNOの濃度がKNOの濃度よりも高いことが好ましく、第2のイオン交換工程で用いるKNOとLiNOの混合溶融塩では、KNOの濃度がLiNOの濃度よりも高いことが好ましい。
第1のイオン交換工程で用いるNaNOとKNOの混合溶融塩において、KNOの濃度は、好ましくは0質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、特に20~90質量%である。KNOの濃度が高過ぎると、ガラス中に含まれるLiイオンと溶融塩中のNaイオンがイオン交換する際に形成される圧縮応力値が低下し過ぎる虞がある。また、KNOの濃度が低過ぎると、表面応力計による応力測定が困難になる虞がある。
第2のイオン交換工程で用いるKNOとLiNOの混合溶融塩において、LiNOの濃度は、好ましくは0超~5質量%、0超~3質量%、0超~2質量%、特に0.1~1質量%である。LiNOの濃度が低過ぎると、ガラス表面近傍におけるNaイオンが離脱し難くなる。一方、LiNOの濃度が高過ぎると、ガラス表面近傍におけるNaイオンと溶融塩中のKイオンのイオン交換によって形成される圧縮応力値が低下し過ぎる虞がある。
以下、実施例に基づいて、本発明を説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1~8及びNo.12)のガラス組成とガラス特性を示している。また、表2は、本発明の比較例(試料No.9~11)のガラス組成とガラス特性を示している。なお、表中で「N.A.」は未測定を意味しており、「(LiO+NaO+KO)/Al」は、モル比([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]を意味しており、「(Si+P+B)/((100Sn)×(Al+Li+Na+K+Mg+Ca+Sr+Ba+Zn))」は、モル比([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))を意味している。
Figure 2022076438000002
Figure 2022076438000003
次のようにして表中の各試料を作製した。まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1600℃で21時間溶融した。続いて、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して、平板形状に成形した後、徐冷点から歪点の間の温度域を3℃/分で冷却し、ガラス板(強化用ガラス板)を得た。得られたガラス板について、板厚が1.5mmになるように表面を光学研磨した後、種々の特性を評価した。
密度(ρ)は、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
30~380℃における熱膨張係数(α30-380℃)は、ディラトメーターを用いて、平均熱膨張係数を測定した値である。
高温粘度102.5dPa・sにおける温度(102.5dPa・s)は、白金球引き上げ法で測定した値である。
軟化点(Ts)は、ASTM C338の方法に基づいて測定した値である。
液相温度(TL)は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、白金ボートを取り出し、顕微鏡観察により、ガラス内部に失透(失透ブツ)が認められた最も高い温度とした。液相粘度(logη at TL)は、液相温度における粘度を白金球引き上げ法で測定した値であり、対数を取ってlogηで示したものである。
耐酸性試験は、測定試料として50×10×1.0mmの寸法に両面鏡面研磨加工したガラス試料を用い、中性洗剤及び純水で十分に洗浄した後、80℃に加温した5質量%HCl水溶液に24時間浸漬させると共に、浸漬前後の単位表面積当たりの質量損失(mg/cm)を算出することで評価したものである。
耐アルカリ性試験は、測定試料として50×10×1.0mmの寸法に両面鏡面研磨加工したガラス試料を用い、中性洗剤及び純水で十分に洗浄した後、80℃に加温した5質量%NaOH水溶液に6時間浸漬させると共に、浸漬前後の単位表面積当たりの質量損失(mg/cm)を算出することで評価したものである。
ヤング率(E)は、JIS R1602-1995「ファインセラミックスの弾性率試験方法」に準拠した方法で算出したものである。
続いて、430℃のKNO溶融塩中に、各ガラス板を4時間浸漬することにより、イオン交換処理を行い、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板を得た後、ガラス表面を洗浄した上で、表面応力計FSM-6000(株式会社折原製作所製)を用いて観察される干渉縞の本数とその間隔から最表面の圧縮応力層の圧縮応力値(CS)と応力深さ(DOL_ZERO)を算出した。ここで、DOL_ZEROは、圧縮応力値がゼロになる深さである。なお、応力特性の算出に当たり、各試料の屈折率を1.51、光学弾性定数を29.0[(nm/cm)/MPa]とした。
また、380℃のNaNO溶融塩中に、各ガラス板を1時間浸漬することにより、イオン交換処理を行い、強化ガラス板を得た後、ガラス表面を洗浄した上で、散乱光光弾性応力計SLP-1000(株式会社折原製作所製)を用いて観察される位相差分布曲線から最表面の圧縮応力値(CSNa)と応力深さ(DOL_ZERONa)を算出した。ここで、DOL_ZERONaは、応力値がゼロになる深さである。なお、応力特性の算出に当たり、各試料の屈折率を1.51、光学弾性定数を29.0[(nm/cm)/MPa]とした。
また、各ガラス板を2~5.6mmのサイズに粉砕、分級した後、1650℃まで昇温し、溶融ガラスを直接観察(High Temperature Observation;HTO)した際に、75μm以上の泡が観察されなかったものについて、清澄性の評価を「〇」とし、それ以外のものについて、清澄性の評価を「△」とした。
表1から明らかなように、試料No.1~8及びNo.12は、モル比([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]が大きいため、KNO溶融塩でイオン交換処理した場合、圧縮応力層の圧縮応力値(CS)が1090MPa以上であり、更にNaNO溶融塩でイオン交換処理した場合、最表面の圧縮応力層の圧縮応力値(CSNa)が279MPa以上であった。
そして、表1から明らかなように、試料No.1~8及びNo.12は、モル比([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))が0.40以上であるため、清澄性の評価が良好であった。
一方、表2から明らかなように、試料No.9、10は、モル比([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]が0.86未満であるため、実施例の各試料に比べて圧縮応力層の圧縮応力値(CS)が低かった。また、試料No.11は、モル比([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))が0.40未満であるため、清澄性の評価が不良であった。
まず表1の試料No.1及びNo.6のガラス組成になるように、ガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1600℃で21時間溶融した。続いて、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して、平板形状に成形した後、徐冷点から歪点の間の温度域を3℃/分で冷却し、ガラス板(強化用ガラス板)を得た。得られたガラス板は板厚0.7mmになるように表面を光学研磨した。
得られた強化用ガラス板を380℃のNaNO溶融塩中(NaNOの濃度100質量%)に3時間浸漬することによりイオン交換処理を行った後、380℃のKNOとLiNO混合溶融塩中(LiNOの濃度2.5質量%)に75分間浸漬することによりイオン交換処理を行った。更に、得られた強化ガラス板の表面を洗浄した上で、散乱光光弾性応力計SLP-1000(株式会社折原製作所製)及び表面応力計FSM-6000(株式会社折原製作所製)を用いて強化ガラス板の応力プロファイルを測定したところ、何れも図1と同様の非単調の応力プロファイル、つまり第1ピーク、第2ピーク、第1ボトム、第2ボトムを有する応力プロファイルが得られた。
まず表1の試料No.6、9及び12のガラス組成になるように、ガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1600℃で21時間溶融した。続いて、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して、平板形状に成形した後、徐冷点から歪点の間の温度域を3℃/分で冷却し、ガラス板(強化用ガラス板)を得た。得られたガラス板は板厚0.8mmになるように表面を光学研磨した。
得られた強化用ガラス板を380℃のKNOとNaNO混合溶融塩中(NaNOの濃度60質量%)に3時間浸漬することによりイオン交換処理を行った後、380℃のKNOとLiNO混合溶融塩中(LiNOの濃度1.0質量%)に30分間浸漬することによりイオン交換処理(条件A)を行った。更に、得られた強化ガラス板の表面を洗浄した上で、散乱光光弾性応力計SLP-1000(株式会社折原製作所製)及び表面応力計FSM-6000(株式会社折原製作所製)を用いて強化ガラス板の応力プロファイルを測定したところ、何れも図2に示す非単調の応力プロファイルが得られた。
得られた強化用ガラス板を380℃のKNOとNaNO混合溶融塩中(NaNOの濃度60質量%)に3時間浸漬することによりイオン交換処理を行った後、380℃のKNOとNaNOとLiNO混合溶融塩中(NaNOの濃度4.0質量%、LiNOの濃度1.0質量%)に45分間浸漬することによりイオン交換処理(条件B)を行った。更に、得られた強化ガラス板の表面を洗浄した上で、散乱光光弾性応力計SLP-1000(株式会社折原製作所製)及び表面応力計FSM-6000(株式会社折原製作所製)を用いて強化ガラス板の応力プロファイルを測定したところ、何れも図3に示す非単調の応力プロファイルが得られた。
表3は、各試料の応力プロファイルの最表面の圧縮応力値(CS)、応力深さ(DOC)、深さ2.5μmにおける圧縮応力値(CS2.5)、及び深さ30~45μmにおける圧縮応力の平均値(CS30‐45)、を示している。
Figure 2022076438000004
図3、図4、表3から明らかなように、試料No.6、12は、条件A、Bでイオン交換した後の応力プロファイルにおいてCS2.5が350MPa以上、且つCS30‐45が85MPa以上であるため、曲げ強度が高く、且つ落下強度も高いと考えられる。一方、試料No.9は、条件A、B後の応力プロファイルにおいてCS30‐45が85MPa未満であるため、落下強度が低いと考えられる。
本発明の強化ガラス板は、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)等のタッチパネルディスプレイのカバーガラスとして好適である。また、本発明の強化ガラス板は、これらの用途以外にも、高い機械的強度が要求される用途、例えば窓ガラス、磁気ディスク用基板、フラットパネルディスプレイ用基板、フレキシブルディスプレイ用基板、太陽電池用カバーガラス、固体撮像素子用カバーガラス、車載用カバーガラスへの応用が期待される。

Claims (21)

  1. 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする強化ガラス板。
  2. の含有量が0.1~3モル%を特徴とする請求項1に記載の強化ガラス板。
  3. SnOの含有量が0.045モル%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の強化ガラス板。
  4. Clの含有量が0.02~0.3モル%であることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  5. 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.045%、Cl 0.02~0.3%を含有し、且つ([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であることを特徴とする強化ガラス板。
  6. 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0.1~3%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%、Cl 0.02~0.3%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする強化ガラス板。
  7. の含有量が2.5モル%以上であることを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  8. Feの含有量が0.001~0.1モル%であることを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  9. TiOの含有量が0.001~0.1モル%であることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  10. 圧縮応力層の最表面の圧縮応力値が200~1200MPaであることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  11. 圧縮応力層の応力深さが50~200μmであることを特徴とする請求項1~10の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  12. 深さ2.5μmにおける圧縮応力値が350MPa以上であることを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  13. 深さ30~45μmにおける平均圧縮応力値が85MPa以上であることを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  14. 高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1650℃未満であることを特徴とする請求項1~13の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  15. 板厚方向の中央部にオーバーフロー合流面を有することを特徴とする請求項1~14の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  16. タッチパネルディスプレイのカバーガラスに用いることを特徴とする請求項1~15の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  17. 厚み方向の応力プロファイルが、少なくとも第1ピーク、第2ピーク、第1ボトム、第2ボトムを有することを特徴とする請求項1~16の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  18. ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40である強化用ガラス板を用意する準備工程と、該強化用ガラス板に対して、複数回のイオン交換処理を行い、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板を得るイオン交換工程と、を備えることを特徴とする強化ガラス板の製造方法。
  19. イオン交換可能な強化用ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする強化用ガラス板。
  20. イオン交換可能な強化用ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0~10%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.045%、Cl 0.02~0.3%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86であり、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする強化用ガラス板。
  21. イオン交換可能な強化用ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 6~25%、B 0.1~3%、LiO 3~15%、NaO 1~21%、KO 0~10%、MgO 0~10%、ZnO 0~10%、P 0~15%、SnO 0.001~0.30%、Cl 0.02~0.3%を含有し、([LiO]+[NaO]+[KO])/[Al]≧0.86、且つ([SiO]+[B]+[P])/((100×[SnO])×([Al]+[LiO]+[NaO]+[KO]+[MgO]+[CaO]+[SrO]+[BaO]+[ZnO]))≧0.40であることを特徴とする強化用ガラス板。
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