JP2022072946A - 釣竿 - Google Patents

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Seita Fujiwara
聖比古 松本
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Abstract

【課題】グリップ部への腕の当てやすさを確保しつつ、釣竿の所定方向に沿った曲がり特性には大きな影響を及ぼすことなく、所定方向と直交した方向の釣竿のブレを抑制する。【解決手段】断面視において、釣竿の中心から第1半径方向に、同一円周部分における他の円周部分より曲率半径が大きい第1面部を有し、断面が非円形であるグリップ部6と、前記グリップ部6よりも竿先側に設けられ、前記第1半径方向と直交する第2半径方向に、同一円周部分における他の円周部分より剛性が高い高剛性部25を有し、断面が円形である主部5と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、断面が非円形のグリップ部を有する釣竿に関する。
出願人は、既に下記特許文献1記載のような釣竿を提案している。この釣竿は、断面が非円形であるグリップ部を有している。釣り人は、リールシートを把持する手の腕をグリップ部の上面に当てることができる。グリップ部の上面は大きな曲率半径を有している。そのため、グリップ部の上面に当てた手の腕が安定しやすい。そして、釣り人は、手の平と、グリップ部の上面に当てた腕の部分で、釣竿を支持することができる。その状態で釣竿は上下方向に沿って湾曲し、例えば魚の引きを釣竿の曲がりで吸収することができ、釣竿の弾性復元力によって魚を引き寄せることができる。一方、釣竿が左右方向に大きくぶれることは好ましくない。
特開2019-50745号公報
本発明は、グリップ部への腕の当てやすさを確保しつつ、釣竿の所定方向に沿った曲がり特性には大きな影響を及ぼすことなく、所定方向と直交した方向の釣竿のブレを抑制することを課題とする。
本発明に係る釣竿は、断面視において、前記釣竿の中心から第1半径方向に、同一円周部分における他の円周部分より曲率半径が大きい第1面部を有し、断面が非円形であるグリップ部と、前記グリップ部よりも竿先側に設けられ、前記第1半径方向と直交する第2半径方向に、同一円周部分における他の円周部分より剛性が高い高剛性部を有し、断面が円形である主部と、を有する。
この構成によれば、グリップ部の第1面部に腕を容易に当てることができる。主部は高剛性部を有しているので、釣竿の第2半径方向のブレが抑制される。
好ましくは、前記グリップ部は、断面視において、前記第1面部に隣り合い、前記第1面部の第1曲率半径よりも小さい第2曲率半径を有する第2面部と、前記第1面部に隣り合い、前記第1曲率半径よりも小さい第3曲率半径を有する第3面部と、前記第2面部及び前記第3面部にそれぞれ隣り合い、少なくとも一部において前記第1面部から離れる程に互いに接近する第4面部及び第5面部と、を更に有する。この構成によれば、グリップ部の第4面部及び第5面部が少なくとも一部において第1面部から離れる程に互いに接近しているので、釣り人がグリップ部を把持しやすい。
好ましくは、前記グリップ部は、断面視において、第4面部と第5面部をつなぐ第6面部を、更に有する。この構成によれば、釣り人がグリップ部を把持しやすい。
好ましくは、前記高剛性部は、前記主部の全周のうち前記第2半径方向に対向した二箇所にそれぞれ設けられている。この構成によれば、釣竿の第2半径方向のブレが抑制される。
好ましくは、前記主部は、互いに前記第1半径方向に対向する第1層及び第2層を有し、前記高剛性部は、前記第1層と前記第2層が重なった重なり部を有する。この構成によれば、釣竿の第2半径方向のブレを容易に抑制することができる。
好ましくは、前記釣竿は、前記主部に装着されたリールシートを更に備え、前記高剛性部は、前記リールシートよりも竿先側に設けられている。この構成によれば、リールシートを把持した手の腕をグリップ部の第1面部に当てて釣竿を支持することができる。そして、リールシートよりも前側に設けられた高剛性部によって、釣竿の第2半径方向のブレが抑制される。
以上のように、グリップ部に腕を容易に当てることができ、釣竿が第1半径方向に沿ってスムーズに曲がることができ、第2半径方向の釣竿のブレを抑制することができる。
本発明の一実施形態における釣竿の要部を示す正面図。 同釣竿のブランクを示す斜視図。 図2のA-A断面図。 図2のB-B断面図。 同ブランクの製造工程を示す斜視図。 本発明の他の実施形態における釣竿のブランクの製造工程を示す斜視図。 本発明の他の実施形態における釣竿の要部を示す正面図。 同釣竿の要部を拡大した縦断面図。 同釣竿のブランクを示す正面図。 図9のE-E断面図。 図9のF-F断面図。 同ブランクの製造工程を示す斜視図。 本発明の他の実施形態における釣竿の要部断面図。
以下、本発明の一実施形態に係る釣竿について図1~図5を参酌しつつ説明する。尚、釣竿の軸線方向を前後方向とし、竿先側を前側、竿元側を後側とする。釣竿は、竿本体と、竿本体に装着されたリールシート2と、竿本体の後端部に装着された尻栓3を備えている。竿本体には、図示しない釣糸ガイドが設けられる。
竿本体は、繊維強化樹脂製である。竿本体は、中空であってもよいし中実であってもよい。竿本体は、一又は複数の竿体を備えている。本実施形態では、竿本体は、複数の竿体を備えている。複数の竿体のうち最も後側に設けられる竿体を元竿1と称する。図1には、元竿1を示している。元竿1にリールシート2が装着されている。リールシート2には、リール100が取り付けられる。本実施形態のリールシート2は、スピニングリールを取り付けることに適している。スピニングリールは、使用状態において釣竿の下側に位置する。但し、両軸受けリールを取り付けることに適したリールシート2であってもよい。両軸受けリールは、使用状態において釣竿の上側に位置する。以下、上下方向は、釣竿の使用状態を基準にして説明する。上下方向(釣竿の第1半径方向)と直交する方向を左右方向(釣竿の第2半径方向)とする。尚、釣竿は、リールシート2を備えていない延べ竿であってもよい。
図2~図4に、元竿1のブランク4を示している。ブランク4は、元竿1の全長に亘る長さを有している。ブランク4は、中空である。ブランク4は、円形部5(主部)とグリップ部6を有している。円形部5とグリップ部6は、一体的に形成されている。円形部5は、ブランク4の前部である。円形部5は、ブランク4の全長のうち半分を越える長さを有している。円形部5の中心がブランク4の中心である。図3のように、円形部5は、円筒状である。円形部5は、径一定のストレート形状であるが、後側に向けて僅かなテーパ率で拡径していてもよい。円形部5にリールシート2が装着される。円形部5は、リールシート2よりも前側に延びていると共にリールシート2よりも後側に延びている。リールシート2によって円形部5は前後二つの領域に区画される。リールシート2から前側に延びている円形部5の前側領域は、リールシート2から後側に延びている円形部5の後側領域よりも、前後方向(軸線方向)の長さが長い。
グリップ部6は、円形部5の後側に連続している。グリップ部6は、円形部5よりも前後方向の長さが短い。グリップ部6は、ブランク4の後部である。グリップ部6は、断面非円形の筒状である。図4のように、グリップ部6は、断面が非円形の非円形部である。図4に、円形部5の内周面を二点鎖線で示している。このように、グリップ部6は、円形部5よりも径方向外側に膨出している。グリップ部6の左右方向の太さW1は、円形部5の外径よりも大きく、グリップ部6の上下方向の太さW2は、円形部5の外径よりも大きい。ブランク4の断面形状は、円形部5からグリップ部6にかけて徐々に径方向外側に膨出しつつ円形から非円形に変化している。グリップ部6には、釣竿を持つ手の腕が当てられる。例えば、肘や前腕がグリップ部6に当てられる。また、両手でキャストする場合には、リールシート2を持つ手とは反対側の手でグリップ部6が把持される。グリップ部6の前後方向の長さは任意であるが、片方の手で把持できる程度の長さであって、一般的な大人の手の人差し指から小指までの四本の指に相当する長さ以上が好ましい。グリップ部6は、リールシート2から後側に離れている。
グリップ部6の断面形状は、任意であるが、例えば角丸多角形状である。本実施形態におけるグリップ部6の断面形状は、角丸形状であって、上下逆向きの逆三角形あるいは逆台形である。グリップ部6の断面形状は、左右対称形状であり、且つ、上下非対称形状である。図4に示すようなグリップ部6の断面視において、元竿1の中心1aを通る上下方向に沿った中心線をY中心線90と、元竿1の中心1aを通る左右方向に沿った中心線をX中心線91とする。Y中心線90は、上下方向に沿っている。X中心線91は、左右方向に沿っている。グリップ部6は、Y中心線90に対して左右対称形状であり、X中心線91に対して上下対称形状である。但し、グリップ部6の断面形状は、左右非対称形状であってもよい。
グリップ部6は、上面部10と、上面部10の周方向の一方に隣り合う左角部11と、上面部10の周方向の他方に隣り合う右角部12と、左角部11に隣り合う左側面部13と、右角部12に隣り合う右側面部14と、左側面部13及び右側面部14に隣り合い、左側面部13と右側面部14をつなぐ下面部15とを有している。上面部10は、第1面部であり、左角部11は、第2面部であり、右角部12は、第3面部であり、左側面部13は、第4面部であり、右側面部14は、第5面部であり、下面部15は、第6面部である。本実施形態において、上面部10、左角部11、右角部12、左側面部13、右側面部14、及び下面部15は、何れも径方向外側に向けて湾曲した湾曲面である。但し、例えば、上面部10や左側面部13、右側面部14、下面部15は、湾曲していない平面であってもよい。
上面部10は、第1曲率半径を有し、左角部11は、第2曲率半径を有し、右角部12は、第3曲率半径を有し、左側面部13は、第4曲率半径を有し、右側面部14は、第5曲率半径を有し、下面部15は、第6曲率半径を有している。第2曲率半径及び第3曲率半径は、第1曲率半径よりも小さい。第2曲率半径及び第3曲率半径は、第4曲率半径及び第5曲率半径よりも小さく、第6曲率半径よりも小さい。本実施形態では、グリップ部6の断面形状は左右対称形状であるため、第2曲率半径と第3曲率半径は互いに等しく、第4曲率半径と第5曲率半径は互いに等しい。第2曲率半径及び第3曲率半径は、グリップ部6の断面視において最小の曲率半径である。グリップ部6の全周のうち、左角部11と右角部12において、元竿1の中心1aからの径方向の距離が最も大きい。グリップ部6の全周のうち、左角部11と右角部12が最も径方向外側に膨出している。
上面部10と、左角部11及び右角部12は、X中心線91よりも上側に設けられる。下面部15は、X中心線91よりも下側に設けられる。左側面部13及び右側面部14は、X中心線91を周方向に横断する。上面部10と下面部15は、Y中心線90を周方向に横断する。Y中心線90は、上面部10の周方向の中央位置10aと下面部15の周方向の中央位置15aを通る。
左側面部13と右側面部14は、互いに左右方向に対向している。左側面部13と右側面部14は、その周方向の全長において、上面部10から離れるほど、即ち、下側に向かうほど、互いに徐々に接近している。尚、左側面部13と右側面部14は、その周方向の全長のうち例えば下部のみにおいて、下側に向かって互いに徐々に接近していてもよい。左側面部13と右側面部14は、少なくともX中心線91よりも下側の領域において、下側に向かって互いに徐々に接近することが好ましい。
左側面部13と右側面部14が下側に向けて互いに接近することにより、グリップ部6の左右方向の太さは、上部よりも下部の方が細くなる。即ち、グリップ部6の左右方向の太さは、左側面部13と右側面部14によって、下側に向けて細くなる。グリップ部6の断面形状は、左右両角部11,12よりも下側の領域において、下側に向けて徐々に幅狭となる。
ブランク4は、第1層21と、第2層22を有する。第1層21と第2層22は互いに上下方向に対向している。第1層21は、ブランク4の全周のうち上側領域を構成する。第2層22は、ブランク4の全周のうち下側領域を構成する。第1層21と第2層22により、ブランク4の全周が構成され、ブランク4のメイン層が構成されている。尚、図3及び図4に二点鎖線で示しているように、メイン層の外側に外層23が設けられていてもよいし、メイン層の内側に内層24が設けられていてもよい。第1層21と第2層22は、ブランク4の全長に亘って延びている。第1層21の前後方向の長さと第2層22の前後方向の長さは、互いに等しく、ブランク4の前後方向の長さ(全長)と等しい。
ブランク4は、第1層21と第2層22が重なった左右一対の重なり部25と、第1層21と第2層22が重なっていない上下一対の非重なり部26を有している。左右の重なり部25によって、非重なり部26が上下二つに分離される。重なり部25は、ブランク4の全周のうち重なり部25を除く部分である。重なり部25の厚さ(径方向の厚さ)は、非重なり部26の厚さよりも厚い。非重なり部26は、基準剛性部であり、重なり部25は、基準剛性部よりも剛性が高い高剛性部である。
左右の重なり部25は、互いに左右方向に対向し、互いに対称に設けられる。一方の重なり部25は、Y中心線90よりも左側に位置し、他方の重なり部25は、Y中心線90りも右側に位置する。一方の非重なり部26は、X中心線91よりも上側に位置し、他方の非重なり部26は、X中心線91よりも下側に位置する。重なり部25は、前後方向に沿って延びていて、ブランク4の全長に亘って設けられている。重なり部25は、背骨状である。重なり部25は、ブランク4の全周のうち、ブランク4の肉厚が局所的に厚くなった厚肉部である。断面視において、重なり部25は、X中心線91上に位置し、非重なり部26は、Y中心線90上に位置する。
図3及び図4のように、円形部5における重なり部25の周長(周方向の長さ)は、グリップ部6における重なり部25の周長よりも長い。重なり部25の周長は、円形部5の全長において一定である。図4のように、グリップ部6において、全周のうち大部分は、非重なり部26である。円形部5における非重なり部26の周長は、グリップ部6における非重なり部26の周長よりも短い。非重なり部26の周長は、円形部5の全長において一定である。グリップ部6において、第1層21と第2層22の周方向の両端部同士が重なり合うことにより、左右一対の重なり部25が設けられている。尚、本実施形態では、第1層21の周方向の両端部がそれぞれ第2層22の周方向の両端部の径方向外側に重なっている。但し、第2層22の周方向の両端部がそれぞれ第1層21の周方向の両端部の径方向外側に重なっていてもよい。第1層21の周方向の第1端部が第2層22の径方向外側に重なり、第1層21の周方向の第2端部が第2層22の径方向内側に重なってもよい。
図5にブランク4の製造工程を示している。第1層21は、第1プリプレグ31からなり、第2層22は、第2プリプレグ32からなる。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、ブランク4の全長に亘る前後方向の長さを有している。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、グリップ部6の全周未満の周方向の長さを有している。
第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、同一の大きさである。但し、第1プリプレグ31と第2プリプレグ32が互いに異なる大きさであってもよい。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、同じ材質であるが、異なる材質であってもよい。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、前後方向に長い長方形状である。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32の短辺の長さは、グリップ部6の周長未満であり、例えば、グリップ部6の周長の略1/2である。例えば、第2プリプレグ32の上にマンドレル40を置いてマンドレル40の下側領域に第2プリプレグ32を巻回する。次に、マンドレル40の残る領域である上側領域に第1プリプレグ31を巻回する。あるいは、予め第1プリプレグ31の短辺方向(周方向)の第2端部と第2プリプレグ32の短辺方向の第1端部を重ね合わせておき、その第1プリプレグ31と第2プリプレグ32をまとめてマンドレル40に巻回し、第1プリプレグ31の短辺方向の第1端部と第2プリプレグ32の短辺方向の第2端部を重ね合わせる。
以上のように構成された釣竿は、例えば以下のように使用される。即ち、キャスト時には、例えば右手でリールシート2を把持し、左手でグリップ部6を把持する。グリップ部6が逆三角形状あるいは逆台形状であるので、グリップ部6が手に沿いやすい。また、グリップ部6に左角部11と右角部12が設けられているので、グリップ部6を把持する手が周方向に滑りにくく、しっかりとグリップ部6を把持してキャストすることができる。また、リールシート2よりも前側には、高い剛性を有する重なり部25が左右に対向して設けられているので、キャスト時において釣竿が左右にぶれにくい。そのため、優れたキャストフィールが得られ、正確にキャストすることができる。一方、リールシート2よりも前側には、非重なり部26が上下に対向して設けられているので、キャスト時に釣竿が上下方向に沿ってスムーズに曲がる。この釣竿の曲がりを活かして容易にキャストすることができる。
一方、キャスト後においては、リールシート2を把持する手の腕をグリップ部6の上面部10に当てることができる。特に、魚が掛かったときに有効である。グリップ部6の上面部10が平面に近い曲率半径の大きい湾曲面となっているので、上面部10に腕を容易に且つ確実に当てて釣竿を支えることができる。また、上面部10に当てた腕が周方向に位置ずれしにくい。
魚が掛かった場合には、釣竿が上下方向に沿って大きく曲がる。リールシート2よりも前側に重なり部25が左右一対設けられているので、釣竿が左右にぶれにくい。そのため、釣竿が上下方向に沿ってスムーズに湾曲して、魚の引きに耐えることができる。また、グリップ部6の上面部10に腕を当てて釣竿をしっかりと支持することができ、釣竿の左右のブレが抑制されていることと相まって、魚を容易に手前に近寄せることができ、そして、魚を容易に取り込むことができる。
尚、第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、幅一定(周方向の長さが一定)の長方形状でなくてもよい。図6のように、第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、前側に向けて幅が徐々に狭くなる先細り形状であって、具体的には、幅方向(周方向)に対称な台形状であってもよい。この場合、左重なり部25と右重なり部25の周方向の長さは、円形部5において前後方向に一定ではなく、前側に向けて徐々に短くなる。
尚、上記実施形態における元竿1は、元竿1の全長に亘る長さを有する一本のブランク4を有していたが、図7~図12のように、元竿1が複数のブランクから構成されていてもよい。
図9~図11に本実施形態における元竿1のブランク4を示している。ブランク4は、前ブランク4a(第1ブランク)と後ブランク4b(第2ブランク)からなる。前ブランク4aと後ブランク4bが接合されて一本のブランク4が構成されている。前ブランク4aの長さと後ブランク4bの長さは、何れも元竿1の全長よりも短い。前ブランク4aの後部に後ブランク4bが接合されて接着されている。前ブランク4aの後部は後ブランク4bの前部の径方向内側に挿入されている。但し、前ブランク4aの後部に後ブランク4bの前部が挿入されていてもよい。ブランク4は、前ブランク4aの後部と後ブランク4bの前部が径方向に重なり合った接合部4cを有している。本実施形態の前ブランク4aと後ブランク4bは、何れも中空であるが、何れか一方が中実であってもよい。
前ブランク4aは、断面円形の第1円形部5a(主部)を有している。第1円形部5aは、前ブランク4aの全長に亘って設けられている。第1円形部5aの全長は前ブランク4aの全長である。第1円形部5aは、全長に亘って径一定であるが、後側に向けて拡径していてもよい。
前ブランク4aは、第1層21と第2層22を有している。第1層21と第2層22は互いに上下方向に対向している。第1層21は、前ブランク4aの全周のうち上側半分領域を構成し、第2層22は、前ブランク4aの全周のうち下側半分領域を構成する。第1層21と第2層22により、前ブランク4aの全周が構成され、前ブランク4aのメイン層が構成されている。第1層21と第2層22は、前ブランク4aの全長に亘って延びている。第1層21の前後方向の長さと第2層22の前後方向の長さは、互いに等しく、前ブランク4aの全長と等しい。
前ブランク4aは、第1層21と第2層22が重なった左右一対のフロント重なり部25aと、第1層21と第2層22が重なっていない上下一対のフロント非重なり部26aを有している。フロント重なり部25aによって、フロント非重なり部26aが上下二つに分離される。フロント非重なり部26aは、前ブランク4aの全周のうちフロント重なり部25aを除く部分である。フロント重なり部25aの厚さは、フロント非重なり部26aの厚さよりも厚い。フロント非重なり部26aは、基準剛性部であり、フロント重なり部25aは、基準剛性部よりも剛性が大きい高剛性部である。
左右のフロント重なり部25aは、互いに左右方向に対向し、互いに対称に配置される。一方のフロント重なり部25aは、Y中心線90よりも左側に位置し、他方のフロント重なり部25aは、Y中心線90りも右側に位置する。一方のフロント非重なり部26aは、X中心線91よりも上側に位置し、他方のフロント非重なり部26aは、X中心線91よりも下側に位置する。フロント重なり部25aは、前後方向に沿って筋状に延びていて、前ブランク4aの全長に亘って設けられている。フロント重なり部25aは、背骨状である。フロント重なり部25aは、前ブランク4aの全周のうち、前ブランク4aの肉厚が局所的に厚くなった厚肉部である。断面視において、フロント重なり部25aは、X中心線91上に位置し、フロント非重なり部26aは、Y中心線90上に位置する。フロント重なり部25aの周長は、第1円形部5aの全長において一定であり、前ブランク4aの全長に亘って一定である。
図12に前ブランク4a及び後ブランク4bの製造工程を示している。第1層21は、第1プリプレグ31からなり、第2層22は、第2プリプレグ32からなる。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、前ブランク4aの全長に亘る前後方向の長さを有している。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、前ブランク4aの全周未満の周方向の長さを有している。具体的には、第1プリプレグ31と第2プリプレグ32の周方向の長さは、前ブランク4aの全周の略1/2程度である。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、同一の大きさである。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32は、前後方向に長い長方形状である。第1プリプレグ31と第2プリプレグ32を前マンドレル40aに巻回して前ブランク4aを形成する。
後ブランク4bは、断面円形の第2円形部5b(主部)と、グリップ部6を有している。第1円形部5aと第2円形部5bが、元竿1の主部である。第2円形部5bとグリップ部6は、一体的に形成されている。第2円形部5bは、後ブランク4bの前部である。第2円形部5bは、後ブランク4bの全長のうち半分を越える長さを有しているが、その長さは任意である。第2円形部5bの中心が後ブランク4bの中心である。第2円形部5bは、円筒状である。第2円形部5bは、径一定のストレート形状であるが、後側に向けて僅かなテーパ率で拡径していてもよい。第2円形部5bが前ブランク4aに接合される。第2円形部5bは第1円形部5aよりも大径である。
図7及び図8のように、第2円形部5bにリールシート2が装着される。リールシート2の径方向の内側において、前ブランク4aと後ブランク4bが接合される。リールシート2の径方向の内側に接合部4cが設けられる。リールシート2の前側には前ブランク4aの第1円形部5aの前部が位置し、リールシート2の後側には後ブランク4bの第2円形部5bの後部が位置する。リールシート2の前側には、第1円形部5aのみが位置する。第2円形部5bの後側にグリップ部6が連続している。グリップ部6は、後ブランク4bの後部である。
後ブランク4bは、第3層27と第4層28を有する。第3層27と第4層28は互いに上下方向に対向している。第3層27は、後ブランク4bの全周のうち上側領域を構成する。第4層28は、後ブランク4bの全周のうち下側領域を構成する。第3層27と第4層28により、後ブランク4bの全周が構成され、後ブランク4bのメイン層が構成されている。第3層27と第4層28は、後ブランク4bの全長に亘って延びている。第3層27の前後方向の長さと第4層28の前後方向の長さは、互いに等しく、後ブランク4bの全長と等しい。
後ブランク4bは、第3層27と第4層28が重なった左右一対のリア重なり部25bと、第3層27と第4層28が重なっていない上下一対のリア非重なり部26bを有している。左右のリア重なり部25bによって、リア非重なり部26bが上下二つに分離される。リア重なり部25bは、後ブランク4bの全周のうちリア重なり部25bを除く部分である。リア重なり部25bの厚さ(径方向の厚さ)は、リア非重なり部26bの厚さよりも厚い。リア非重なり部26bは、基準剛性部であり、リア重なり部25bは、基準剛性部よりも剛性が大きい高剛性部である。
左右のリア重なり部25bは、互いに左右方向に対向し、互いに対称に設けられる。一方のリア重なり部25bは、Y中心線90よりも左側に位置し、他方のリア重なり部25bは、Y中心線90りも右側に位置する。一方のリア非重なり部26bは、X中心線91よりも上側に位置し、他方のリア非重なり部26bは、X中心線91よりも下側に位置する。リア重なり部25bは、前後方向に沿って延びていて、後ブランク4bの全長に亘って設けられている。リア重なり部25bは、背骨状である。リア重なり部25bは、後ブランク4bの全周のうち、後ブランク4bの肉厚が局所的に厚くなった厚肉部である。断面視において、リア重なり部25bは、X中心線91上に位置し、リア非重なり部26bは、Y中心線90上に位置する。
第2円形部5bにおけるリア重なり部25bの周長は、グリップ部6におけるリア重なり部25bの周長よりも長い。リア重なり部25bの周長は、第2円形部5bの全長において一定である。グリップ部6において、全周のうち大部分は、リア非重なり部26bである。第2円形部5bにおけるリア非重なり部26bの周長は、グリップ部6におけるリア非重なり部26bの周長よりも短い。リア非重なり部26bの周長は、第2円形部5bの全長において一定である。グリップ部6において、第3層27と第4層28の周方向の両端部同士が重なり合うことにより、左右一対のリア重なり部25bが設けられている。
図12のように、第3層27は、第3プリプレグ33からなり、第4層28は、第4プリプレグ34からなる。第3プリプレグ33と第4プリプレグ34は、後ブランク4bの全長に亘る前後方向の長さを有している。第3プリプレグ33と第4プリプレグ34は、グリップ部6の全周未満の周方向の長さを有している。第3プリプレグ33と第4プリプレグ34は、前後方向に長い長方形状であるが、台形状であってもよい。第3プリプレグ33と第4プリプレグ34を後マンドレル40bに巻回して後ブランク4bを形成する。以上のように元竿1のブランク4が前後二分割の構成とされると、前ブランク4a及び後ブランク4bの製造が容易になる。また、前ブランク4aの設計自由度が増す。
<他の実施形態>
尚、上記実施形態では、元竿1のブランク4にグリップ部6が一体的に形成されていたが、ブランク4とは別体のグリップ部6であってもよい。例えば、図13のように、断面円形の元竿1の外周面に、元竿1とは別体の筒状のグリップ部6が装着された構成であってもよい。この場合、グリップ部6は、例えば発泡EVAやコルク等からなる。ブランク4は、例えば、図9に示した前ブランク4aと同様の構成としてよい。重なり部25と非重なり部26は、ブランク4の全長に亘って設けられている。尚、重なり部25と非重なり部26は、グリップ部6よりも前側に離れた部分のみに設けられてよく、リールシート2よりも前側に位置するブランク4の部分のみに設けられてもよい。
高剛性部は、重なり部ではなくてもよく、例えば、第1層や第2層の径方向外側に、周方向の全周のうちの一部のみに、別の層が設けられることにより形成されてもよい。
1 元竿(竿本体)
1a 中心
2 リールシート
3 尻栓
4 ブランク
4a 前ブランク(第1ブランク)
4b 後ブランク(第2ブランク)
4c 接合部
5 円形部(主部)
5a 第1円形部(主部)
5b 第2円形部(主部)
6 グリップ部
10 上面部(第1面部)
10a 中央位置
11 左角部(第2面部)
12 右角部(第3面部)
13 左側面部(第4面部)
14 右側面部(第5面部)
15 下面部(第6面部)
15a 中央位置
21 第1層
22 第2層
23 外層
24 内層
25 重なり部(高剛性部)
25a フロント重なり部(高剛性部)
25b リア重なり部(高剛性部)
26 非重なり部(基準剛性部)
26a フロント非重なり部(基準剛性部)
26b リア非重なり部(基準剛性部)
27 第3層
28 第4層
31 第1プリプレグ
32 第2プリプレグ
33 第3プリプレグ
34 第4プリプレグ
40 マンドレル
40a 前マンドレル
40b 後マンドレル
90 Y中心線
91 X中心線
100 リール

Claims (6)

  1. 釣竿であって、
    断面視において、前記釣竿の中心から第1半径方向に、同一円周部分における他の円周部分より曲率半径が大きい第1面部を有し、断面が非円形であるグリップ部と、
    前記グリップ部よりも竿先側に設けられ、前記第1半径方向と直交する第2半径方向に、同一円周部分における他の円周部分より剛性が高い高剛性部を有し、断面が円形である主部と、
    を有する、釣竿。
  2. 前記グリップ部は、断面視において、
    前記第1面部に隣り合い、前記第1面部の第1曲率半径よりも小さい第2曲率半径を有する第2面部と、
    前記第1面部に隣り合い、前記第1曲率半径よりも小さい第3曲率半径を有する第3面部と、
    前記第2面部及び前記第3面部にそれぞれ隣り合い、少なくとも一部において前記第1面部から離れる程に互いに接近する第4面部及び第5面部と、を更に有する、請求項1記載の釣竿。
  3. 前記グリップ部は、断面視において、
    第4面部と第5面部をつなぐ第6面部を、更に有する、請求項2記載の釣竿。
  4. 前記高剛性部は、前記主部の全周のうち前記第2半径方向に対向した二箇所にそれぞれ設けられている、請求項1乃至3の何れかに記載の釣竿。
  5. 前記主部は、互いに前記第1半径方向に対向する第1層及び第2層を有し、
    前記高剛性部は、前記第1層と前記第2層が重なった重なり部を有する、請求項1乃至4の何れかに記載の釣竿。
  6. 前記主部に装着されたリールシートを更に備え、
    前記高剛性部は、前記リールシートよりも竿先側に設けられている、請求項1乃至5の何れかに記載の釣竿。
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