JPH0112601Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、魚釣りに使用する釣竿に関する。

（従来の技術） 従来、此種釣竿として、実開昭57−91470号公
報に記載されている通り、魚釣時握持する手元側
竿体と穂先及び中間竿体とから成る釣竿における
前記手元側竿体の外径を、互いに直交する長軸と
短軸とを有するほゞ楕円形に形成したものであ
る。

所で、斯くの如く手元側竿体を楕円形に形成し
た場合、第１に、釣竿に方向性を持たせることが
できるため、換言すると、釣糸ガイド及びリール
シート備えた釣竿の場合、釣糸ガイド、リールシ
ートの取付位置に対する握持位置が自ずと決まる
ため、常に適正位置を握持することができる利点
があり、第２に握持する指を丸めると、その内側
形状がほゞ楕円形になるため、釣竿を握つたとき
のグリツプ性が良くて握り易く、上下方向の操作
性が良い利点があるのである。

（考案が解決しようとする問題点） 所が、例えば針掛かりした魚の動きに対応して
釣竿を、手首を中心に横方向に手返し操作する場
合、釣竿を握持する手が疲れ易い問題があつた。

即ち、断面楕円形の手元側竿体を握持して、手
の甲が反返る方向に手返し操作する場合、釣竿
に、握持部を支点として竿尻側が掌から離反する
方向の力が作用して、握持部の竿尻側部分におけ
る短軸側の一側部位と掌の特に小指側部位との間
に隙間ができる傾向になり、そのためこの隙間を
なくすべく小指側の指に余分の力が掛かるので、
手の甲が反返る方向への手返し操作時、釣竿を握
持する手が疲れ易かつたのである。

本考案の目的は、少なくとも握持部の外径を楕
円形に形成した釣竿を、手の甲が反返る方向に手
返し操作する場合に疲れ易い問題点を解決しよう
とするもので、握持部の手返し方向には短軸があ
つて、その外径が小径になつているため、手の甲
が反返る方向への手返し操作時、握持部の竿尻側
部分における短軸側の一側部位と掌の特に小指側
部位との間に隙間ができる点に着目し、楕円形に
形成する握持部のうち、短軸側で、かつ、掌の小
指側部位と接触する部位に湾曲膨出部を設けて、
前記手返し方向における外径を大きくし、楕円形
状によるメリツトを得ることができて、しかも手
の甲が反返る方向に手返し操作する場合に手が疲
れ難いようにしたのである。

（問題点を解決するための手段） しかして、本考案は、魚釣時握持する手元側竿
体と穂先及び中間竿体とから成り、前記手元側竿
体における少なくとも握持部の外径を、互いに直
交する長軸と短軸とを有するほゞ楕円形とした釣
竿であつて、前記握持部の竿尻側部分における短
軸側の少なくとも一側部位に、該一側部位と連続
する短軸側外面に対し外方に向つて膨出する湾曲
膨出部を設けたものである。

（作用） 握持部を握持して手の甲が反返る方向に手返し
操作する場合、湾曲膨出部を、掌の小指側部位に
常時接触させて、小指に余分の力を加えなくても
隙間ができないようにしたのである。

（実施例） 第１図に示した釣竿は、太径の手元側竿体１
と、細径の穂先２及びこれら手元側竿体１と穂先
２とを連結する３本の中間竿体３とを継ぎ合せて
形成した継竿であつて、この釣竿における前記手
元側竿体１の竿尻側中間部に、互いに直交する長
軸D₁と短軸D₂とを有するほゞ楕円形の握持部４
を設けて、釣竿に方向性を持たせると共に、握り
易いようにしている。尚、前記手元側竿体１の握
持部４を除く他の部分と、穂先２と、中間竿３と
は断面円形に形成している。

しかして、この考案は、ほゞ楕円形に形成する
前記握持部４の竿尻側部分における短軸D₂側の
少なくとも一側部位４１に、該一側部位４１と連
続する短軸側外面４１ａに対し外方に向つて膨出
する湾曲膨出部５を設けて、前記握持部４を握つ
て、手の甲が反返る方向（第１図矢印Ｘ方向）に
手返し操作するとき、前記膨出部５に掌の小指側
部位６が接触して握持部４と掌との間に隙間がで
きないようにするのである。

つまり、握持部４を握つた場合、この握持する
手の５指のうち、親指、人差指及び中指には比較
的大きな力が入るため、これら３指で握持する部
位は楕円形に形成して、楕円形状によるメリツト
を得ることができるようにし、又、薬指及び小指
には前記３指に比べて小さな力しか入らないた
め、これら２指で握持する部位に前記膨出部５を
設けて、手返し操作時、握持部４と掌の小指側部
位６との間に隙間ができないようにしたのであ
る。

しかして、前記膨出部５は、前記握持部４と一
体に形成するのであり、又、この膨出部５は、握
持部４の長さ方向中央部位から竿尻側に向つて膨
出度合いが大きくなり、かつ、その最大膨出面が
竿尻部１１の外周面と面一状になるように形成す
るのである。尚、第１図の如く前記握持部４にお
ける長軸D₁側の一側面にリールシート７が装着
されている場合は、前記膨出部５を、前記リール
シート７に装着する釣用リール８の取付脚８１に
対応する部位から竿尻側に向つて形成するのであ
る。

又、前記膨出部５は、半楕円形の湾曲面から半
円形の湾曲面に変化するように形成するのである
が、その形状は特に限定されるものでない。

又、前記手元側竿体１の竿尻部１１は、断面円
形に形成するのであるが、その他、前記握持部４
の楕円形状と同様の断面楕円形に形成してもよい
のである。

しかし断面楕円形に形成した場合、前記竿尻部
１１を握持して片手で操作するとき、釣竿に方向
性がないので手返しなどの操作が行ない易く、使
い易い利点がある。

尚、前記膨出部５は、握持部４と別に形成し
て、接着剤、溶着などの固定手段で固定してもよ
いのである。

本考案は以上の如く構成するもので、握持部４
を握持する手における掌の小指側部位６が前記膨
出部５と接触し、又、掌の親指及び人差指側部位
が、短軸D₂側の前記膨出部５と連続する一側部
位４１と接触するように前記握持部４を握持して
魚釣りするのである。尚、第１図の如く握持部４
にリールシート７を介して釣用リール８が装着さ
れている場合は、釣用リール８の取付脚８１及び
リールシート７を前記握持部４と一緒に前記した
如く握持するのである。

この魚釣時、針掛かりした魚の動きに対応し
て、前記釣竿を該釣竿を握持する手の甲が反返る
方向に手返し操作すると、釣竿に、握持部４を支
点として竿尻側が掌から離反する方向の力が作用
することになるが、前記掌の小指側部位６は、釣
竿の手返し方向に関係なく常時前記膨出部５と接
触して、握持部との間に隙間ができないようにな
つているため、従来のように小指に殊更余分の力
を加えなくてもよいのである。従つて、手返し操
作する手は疲れ難いのである。

又、断面楕円形に形成した握持部４にリールシ
ート７を固定する場合、このリールシート７の竿
体１に対する周方向移動を阻止することができる
ので、このリールシート７を固定し易いのであ
る。

尚、以上説明した実施例では、手元側竿体１の
握持部４のみ楕円形に形成したが、その他例えば
手元側竿体１の握持部４から先端側を全体的に楕
円形に形成してもよい。

又、中間竿体３及び穂先２は、断面円形に形成
する他、断面楕円形に形成してもよいのである。

又、握持部４における短軸D₂側の一側部位４
１にのみ膨出部５を設けたが、その他両側部位に
設けてもよいのである。この場合、釣竿を使用す
る釣人の利き手が左右の何れであつてもよいので
ある。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、ほゞ楕円形に形成する握
持部の竿尻側部分における短軸側の少なくとも一
側部位に、該一側部位と連続する短軸側外面に対
し外方に向つて膨出する湾曲膨出部を設けたか
ら、楕円形状によるメリツトを得ることができな
がら、しかも手の甲が反返る方向への手返し操作
時、小指に余分の力を入れなくても、前記膨出部
を、掌の小指側部位に接触させて隙間ができない
ようにすることができるので、手返し操作する手
の単位時間内での疲れをなくすることができるの
である。又、前記握持部にリールシートを固定す
る場合、このリールシートを容易に固定し得るの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案釣竿の一実施例を示す竿尻側部
分のみの拡大平面図、第２図はリールシートを装
着した竿尻側部分のみの拡大平面図、第３図は第
１図−線拡大断面図、第４図は第１図−
線拡大断面図、第５図は第１図−線拡大断面
図、第６は第１図−線拡大断面図、第７図は
釣竿全体の正面図である。 １……手元側竿体、２……穂先、３……中間竿
体、４……握持部、５……湾曲膨出部、D₁……
長軸、D₂……短軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 魚釣時握持する手元側竿体と穂先及び中間竿体
   とから成り、前記手元側竿体における少なくとも
   握持部の外径を、互いに直交する長軸と短軸とを
   有するほゞ楕円形とした釣竿であつて、前記握持
   部の竿尻側部分における短軸側の少なくとも一側
   部位に、該一側部位と連続する短軸側外面に対し
   外方に向つて膨出する湾曲膨出部を設けたことを
   特徴とする釣竿。